説明

コポリアミド混合物結合剤層を有するポリアミド層をベースにした多層構造物

【課題】 ガソリン輸送管として有用な構造物。
【解決手段】 ポリアミドP1またはポリアミドP1をマトリクスとするポリオレフィンPO1とポリアミドP1との混合物からなる第1層(1)、必要に応じて用いられるEVOHからなる層(2a)、一方がPA−12よりPA−6の重量が大きく、他方はPA−6よりPA−12の重量が大きい、6/12コポリアミドの混合物から成る層(2)、および、ポリアミドP3からなる層(3)を上記の順番で有し、各層は接触領域で互いに接着しており、P1とP3は互いに同一でも異なっていてもよい、ポリアミドをベースとした多層構造物。層(1)または(1a)が内側、層(3)が外側にある管状にすることができ、共押出しで製造できる。第1層は表面抵抗率を106オーム以下にする導電性カーボンブラックを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コポリアミド混合物から成る結合層を有するポリアミドをベースとする構造物に関するものである。
本発明構造物はポリアミド層と、コポリアミド混合物から成る層と、別のポリアミド層とから成る。ポリアミド層の一方がPA−12で、他方がPA−6またはPA−6をベースとするものが特に有用である。本発明構造物は他の層、例えばEVOH(エチレン/ビニルアルコールコポリマー)の層を含むことができる。
【0002】
本発明構造物はタンク、容器、壜、多層フィルムおよび管の製造に有用であり、インフレーションによる共押出しで製造することができる。
本発明構造物の利点は多くの物質に対するバリヤ性にある。特に有用な用途はガソリンの輸送、特にガソリンを自動車のタンクからエンジンへ輸送する管である。
【背景技術】
【0003】
安全性および環境保護の観点から、ガソリン輸送管に対しては十分な低温衝撃強度(−40℃)および高温衝撃強度(125℃)と、柔軟性等の機械的特性と、炭化水素、その他の添加剤(特にメタノールおよびエタノール等のアルコール)に対する耐透過性とが自動車メーカーによって求められている。ガソリン輸送管はさらに、燃料およびエンジン潤滑油に対しても十分な耐久性がなければならない。
このガソリン輸送管は熱可塑性プラスチックの通常の技術で複数の層を共押出しして製造することができるのが好ましい。
【0004】
ガソリン輸送管に要求される特性の中で下記の5つの特性を簡単な方法で同時に達成することは極めて困難である:
(1)低温(−40℃)での衝撃強度(管が破損しないこと)、
(2)燃料に対して耐久性があること、
(3)高温(125℃)強度に優れること、
(4)ガソリンに対する透過性が極めて低いこと、
(5)ガソリン使用時に優れた寸法安定性があること。
【0005】
各種構造の多層管が知られているが、低温衝撃強度に関する検査規格を実際に行うまでは低温衝撃強度を予測することはできない。
【特許文献1】欧州特許第EP 0 781 799号
【0006】
上記文献に記載の自動車では、燃料噴射ポンプを用いてガソリンタンクから管を介してガソリンを高速でエンジンに送る。この場合、ガソリンと管内壁との間の摩擦によって静電荷が発生し、それが蓄積して放電し、ガソリンが発火し、破壊的な結果になることがある。従って、管内壁の表面抵抗率は一般に106オーム/cm2□以下の値に制限される。
【0007】
原料すなわちポリマーの表面抵抗率を下げるために伝導性および/または半導電性の材料、例えばカーボンブラック、スチール繊維、炭素繊維、金、銀またはニッケルで金属化粒子(繊維、小片、ビーズ)を添加することは公知である。
【0008】
これらの原料の中で、経済的な理由および加工の容易さの理由から、カーボンブラックが特に使われている。カーボンブラックは電気的特性以外でも、タルク、チョークまたはカオリンと同様に、充填材として使われる。充填材の含有量が増加するとポリマー/充填材混合物の粘性が増加するということは当業者には知られている。また、充填材の含有量が増加すると充填されたポリマーの可撓性モジュラスが増加するということも知られている。これらの現象および予測される現象は。下記文献の第2章の第II節の充填材一般と第16章、特にカーボンブラックに関する第VI節に記載されている。
【非特許文献1】「Handbook of Fillers and Reinforcements for P1astic」(H.S. Katz and J.V. Milewski - Van Nostrand Reinhold Company - ISBN 0-442-25372-9)
【0009】
カーボンブラックの電気的性質は下記文献に記載されている。
【非特許文献2】Akzo Nobel社の技術リポート「Ketjenblack EC - BLACK 94/01」
【0010】
この文献によると、カーボンブラック含有量がある限界(パーコレーション限界とよばれる)に達すると、調合物の固有抵抗は突然低下するということが記載されている。カーボンブラック含有量がさらに増加すると固有抵抗は急速に低下し、最後には安定レベル(プラトー領域)に達する。従って、調整誤差が化合物の固有抵抗にほとんど影響を与えない上記プラトー領域で樹脂を使用することが好ましい。
【0011】
下記文献にはポリアミドとEVOHとをベースにしたガソリン輸送管が記載されている。
【特許文献2】欧州特許第EP 0731308号
【0012】
この管はPA−12の外層と、グラフトされたポリオレフィンからなる結合層と、EVOH層と、ガソリンと接触するポリアミドをマトリックスにしたポリオレフィンとポリアミドとの混合物とから成る内層とから成る4層構造を有している。
【0013】
下記文献にはPA−12の外層と、グラフトされたポリオレフィンからなる結合層と、ガソリンと接触するEVOHの内層とから成る3層管が記載されている。
【特許文献3】欧州特許第EP 428833号
【0014】
下記文献にはPA−12の外層と、グラフトされたポリオレフィン結合層と、PA−6層と、EVOH層と、ガソリンと接触するPA−6の内層とから成る5層管が記載さている。
【特許文献4】欧州特許第EP 428834号
【特許文献5】欧州特許第EP 477606号
【0015】
下記文献には、PA−12の外層と、EVOHの層と、ガソリンと接触するPA−12の内層とから成る3層管が記載されている。
【特許文献6】米国特許第5038833号
【0016】
【特許文献7】欧州特許第EP 1036968号
【0017】
上記文献には、下記の(1)〜(4)の層を放射方向に外側から内部へ向かってこの順番で有し、且つP1とP3は同一でも異なっていてもよく、隣接した層がそれぞれの接触領域で互いに接着していることを特徴とする多層管が記載されている:
(1) ポリアミドP1とポリアミドP1をマトリクスとするポリアミドP1とポ
リオレフィンPO1との混合物からなる第1層、
(2) 必要に応じて用いられるEVOHからなる層、
(3) コポリアミドからなる層、
(4) ポリアミドからなる層。
【0018】
この特許の明細書には、コポリアミド層のコポリアミドをcoPA−6/12、すなわちカプロラクタムとラウリルラクタムのコポリマーにするのが有利であり、ラウリルラクタムに対するカプロラクタムの重量比を場合により20/80〜80/20に変えられることが記載されている。また、このコポリアミド層を6〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸を有するヘキサメチレンジアミンの塩にすることができることも記載されている。しかし、「コポリアミド」という用語は正確ではなく、例としてPA−6,6(ヘキサメチレンアジパミド)、PA−6,9、PA−6,10およびPA−6,12(ヘキサメチレンドデカンアミド)が挙げられている。
【0019】
【特許文献8】欧州特許第EP 1162061号
【0020】
上記文献には、下記の(1)〜(4)の層を外側から内部へ向かってこの順番で有する多層管が記載されている:
(1) PA−6からなる層、
(2) EVOH層、
(3) 55〜88重量%のカプロラクタムを有するPA−6/12コポリアミド或いはPA−6,10またはPA−6,12ポリアミド、或いはPA−6とPA−12の混合物のいずれかからなる層、
(4) PA−12層。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
後2者の多層管は有用な特性を有しているが、本発明者はこのタイプの構造物で、EVOH層と外層の間にある層を一方が主としてPA−6で、他方が主としてPA−12であるPA−6/12コポリアミドの混合物にすることによって優れた特性が得られるということを発見した。
このコポリアミド混合物は、上記特許文献7の欧州特許第EP 1036968号に記載の構造物でEVOH層が無い場合にも非常に優れた特性を示す。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、下記:
ポリアミドP1またはポリアミドP1をマトリクスとするポリオレフィンPO1
とポリアミドP1との混合物からなる第1層(1)、
必要に応じて用いられるEVOHからなる層(2a)、
一方がPA−12よりPA−6の重量が大きく、他方はPA−6よりPA−12の重量が大きい、6/12コポリアミドの混合物から成る層(2)、および
ポリアミドP3からなる層(3)
を上記の順番で有し、各層は接触領域で互いに接着しており、P1とP3は互いに同一でも異なっていてもよいことを特徴とするポリアミドをベースとした多層構造物に関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明構造物の変形例では第1層(1)を別の層(1a)に代える。この別の層(1a)はポリアミドP1aまたはポリアミドP1aをマトリクスとするポリアミドとポリオレフィンPO1aとの混合物からなり且つ表面抵抗率を106オーム/□以下にする導電性カーボンブラックを含む。
【0024】
別の変形例では、本発明構造物は層(1)の側に追加層(1a)を有し、層(1)と層(1a)は接触領域で互いに接着ししている。この追加層(1a)はポリアミドP1aまたはポリアミドP1aをマトリクスとするポリアミドとポリオレフィンPO1aとの混合物からなり且つ表面抵抗率を106オーム/□以下にする導電性カーボンブラックを含む。
【0025】
上記構造物でポリアミドP1またはP1aはポリアミド−6、ポリアミド−6,6およびポリアミド−12から選択するのが好ましく、好ましくはPA−6にする。
上記構造物でポリオレフィンPO1またはPO1aは下記から選択するのが好ましい:
ポリエチレン、
ポリプロピレン、
エチレン/α−オレフィンコポリマー、
エチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマー、
無水マレイン酸がグラフトまたは共重合されたエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマー、
グリシジルメタクリレートがグラフトまたは共重合されたエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー。
【0026】
3はPA−11およびPA−12から選択し、好ましくはPA−12にする。
本発明構造物は、層(1)または(1a)が内側で、層(3)が外側となる管の形にすることができる。この構造物はガソリン輸送管として有用である。この管は共押出しで製造することができる。
本発明はさらに、ポリアミド混合物、特にPA−12と、PA−6およびPA−6,6の中から選択される少なくとも1種のポリアミドとから成る混合物の相溶剤としての層(2)のコポリアミド混合物の使用に関するものである。
本発明は上記混合物自体にも関するものである。
【0027】
層1または1aのマトリクスのポリアミドP1またはP1aとしては任意のポリアミドを用いることができる。
「ポリアミド」という用語は下記を縮合して得られる生成物を意味する:
(a)1種または複数のアミノ酸、例えばアミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノ−ドデカン酸或いは単数または複数のラクタム、例えばカプロラクタム、エナントラクタムおよびラウリルラクタム、
【0028】
(b)一種または複数のジアミン、例えばヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、ビス-p-アミノシクロヘキシルメタン、トリメチルヘキサメチレンジアミンの塩または混合物と、ジ酸、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、コルク酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、または、
(c)コポリアミドとなる上記モノマーの混合物。
【0029】
脂肪族ジアミンはアミノ末端基の間に少なくとも6つの炭素原子、好ましくは6〜10個の炭素原子を含むα、ω−ジアミンである。炭素鎖は直鎖(ポリメチレンジアミン)でも、分岐鎖でも、脂環式鎖でもよい。好ましいジアミンはヘキサメチレンジアミン(HMDA)、ドデカメチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンである。
【0030】
ジカルボン酸は脂肪族、脂環式または芳香族のものにすることができる。脂肪族ジカルボン酸は直鎖または分岐した炭素鎖中に少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つの炭素原子(カルボキシル基の炭素原子を含まない)を有するα、ω−ジカルボン酸である。ジ酸はアゼライン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン酸である。このPAの例としては下記を挙げることができる:
ポリヘキサメチレンセバカミド(PA−6,10)、
ポリヘキサメチレンドデカンジアミド(PA−6,12)、
ポリ(ウンデカノアミド)(PA−11)
ポリ(ラウリルラクタム)(2-アザシクロトリデカノン)(PA−12)
ポリドデカメチレンドデカンジアミド(PA−12,12)、
ポリカプロアミド(PA−6)、
ポリヘキサメチレンアジパミド(PA−6,6)。
【0031】
ポリアミド(PA)の数平均分子量Mnは一般に5000以上である。固有粘度(100gのメタクレゾール中の0.5gサンプルで20℃で測定)は一般に0.7以上である。
ポリアミド混合物を使用することができ、好ましくはPA−6、PA−6,6、PA−11およびPA−12が用いられる。
【0032】
層(1)または(1a)のポリオレフィンは例えば下記単位:エチレン、プロピレン、1−ブテンおよびこれらの上級同族体のオレフィン単位を有するポリマーで、例としては下記(a)〜(c)が挙げられる:
(a)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα−オレフィンとのコポリマー。これらの化合物は無水マレイン酸のような不飽和カルボン酸の無水物またはグリシジルメタクリレートのような不飽和エポキシドがグラフトされていてもよい。
【0033】
(b)エチレンと、(i)不飽和カルボン酸、その塩およびエステル、(ii)飽和カルボン酸のビニルエステル、(iii)不飽和ジカルボン酸、その塩、エステル、半エステルおよび無水物および(iv)不飽和エポキシドの中から選択される少なくとも一種とのコポリマー。これらコポリマーに無水マレイン酸のような不飽和ジカルボン酸無水物またはグリシジルメタクリレートのような不飽和エポキシドをグラフトすることもできる。
(c)マレイン酸化されていてもよいスチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマー(SEBS)。
【0034】
これらのポリオレフィンの2種以上の混合物を用いることができる。
下記を用いるのが好ましい:
ポリエチレン、
ポリプロピレン、
エチレンと畚och-オレフィンのコポリマー、
エチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマー、
無水マレイン酸がグラフトまたは共重合されたエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマー、
グリシジルメタクリレートがグラフトまたは共重合されたエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー。
【0035】
ポリアミドマトリクスの形成を促進するため、および、ポリオレフィンが相溶化を促進する官能基をほとんど有していないか、全く有していない場合には、相溶化剤を添加することが推奨される。
【0036】
相溶化剤とはポリアミドとポリオレフィンとを相溶化する公知の化合物で、例えば下記が挙げられる:
(a)無水マレイン酸またはグリシジルメタクリレートがグラフトされたポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーまたはエチレン−ブチレンコポリマー、
(b)無水マレイン酸がグラフトまたは共重合されたエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマー、
(c)無水マレイン酸はグラフトまたは共重合されたエチレン/ビニル酢酸/無水マレイン酸コポリマー、
【0037】
(d)無水マレイン酸をグリシジルメタクリレートに代えた上記2つのコポリマー、
(e)エチレン/メタクリル酸コポリマーおよびその塩、
(f)アミンとの反応座を有する化合物がグラフトされたポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレン/プロピレンコポリマーで、単一のアミン末端基を有するポリアミドまたはポリアミドオリゴマーと縮合されたもの。
【0038】
これらの化合物はフランス国特許第2291225号および欧州特許第342066号に記載されており、その内容は本出願の一部をなす。
内層のマトリクスを形成するポリアミドの量は、5〜50部のポリオレフィンに対して、50〜95部にすることができる。
相溶化剤の量は、ポリオレフィンがポリアミドマトリクス中にノジュール(結節)状に分散するのに十分な量であり、ポリオレフィンの20重量%以下に相当する。一般的な溶融混合方法(二軸スクリュー、バス(Buss)、単軸スクリュー押出し機)を用いてポリアミド、ポリオレフィンおよび必要に応じて用いられる相溶化剤を混合し、内層のポリマーを製造する。
【0039】
層1または1aのポリアミド/ポリオレフィン混合物は可塑化されていてもよく、必要な場合には、この層を静電性または導電性にするためのカーボンブラック等の充填剤を含むことができる。
本発明の好ましい実施例では、層1または1aのポリアミドの量をポリアミド/ポリオレフィン混合物100重量部に対して50〜75重量部にする。
【実施例】
【0040】
以下、ポリアミド/ポリオレフィン混合物の好ましい実施例を説明するが、この混合物は必要に応じて導電性ブラックと一緒に用いることができ、および/または、導電性ブラックを含む内層との接着性を良くするこめに導電性ブラック無しで用いることができる。
本発明の第1の好ましい実施例では、ポリオレフィンが(i)高密度ポリエチレン(HDPE)と、(ii)ポリエチレン(C1)とエラストマー、超低密度ポリエチレンおよびエチレンコポリマーの中から選択されるポリマー(C2)との混合物からなり、(C1)+(C2)の混合物に不飽和カルボン酸が共グラフト化されている。
本発明の第2の好ましい実施例では、ポリオレフィンが(i)ポリプロピレンと、(ii)ポリアミド(C4)とグラフト化または共重合されたプロピレンと不飽和モノマーXとのコポリマー(C3)との反応で得られるポリオレフィンとからなる。
本発明の第3の好ましい実施例では、ポリオレフィンが(i)LLDPE,VLDPEまたはメタロセンタイプのポリエチレンと(ii)エチレンアルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーとからなる。
【0041】
第1実施例の比率(重量%)は以下であるのが有利である:
ポリアミド 60〜70%、
(C1)と(C2)の共グラフト化混合物 5〜15%、
残部は高密度ポリエチレンである。
高密度ポリエチレンは密度が0.940〜0.965で、MFIが0.1〜5g/10分(190℃、2.16kg)であるのが有利である。
【0042】
ポリエチレン(C1)は前記ポリエチレンの中から選択できる。(C1)は密度が0.940〜0.965の高密度ポリエチレン(HDPE)であるのが有利である。(C1)のMFIは0.1〜3g/10分(190℃、2.16kg)である。
コポリマー(C2)は例えばエチレン/プロピレンエラストマー(EPR)またはエチレン/プロピレン/ジエンエラストマー(EPDM)にすることができる。(C2)を超低密度のポリエチレン(VLDPE)、例えばエチレンのホモポリマーまたはエチレンとα−オレフィンとのコポリマーにすることもできる。(C2)はエチレンと、(i)不飽和カルボン酸、その塩およびエステル、(ii)飽和カルボン酸のビニルエステル、(iii)不飽和ジカルボン酸、その塩、エステル、半エステルおよび無水物の中から選択される少なくとも一種とのコポリマーでもよい。(C2)はEPRであるのが有利である。
40〜5重量部の(C2)に対して60〜95重量部の(C1)を用いるのが有利である。
【0043】
(C1)と(C2)の混合物に不飽和カルボン酸をグラフトする。すなわち、(C1)と(C2)に共グラフトする。不飽和カルボン酸の官能性誘導体を用いても本発明から逸脱するものではない。不飽和カルボン酸は2〜20個の炭素原子を含む例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸が挙げられる。これらの酸の官能性誘導体には例えば不飽和カルボン酸の無水物、エステル誘導体、アミド誘導体、イミド誘導体および金属塩(アルカリ金属塩等)がある。
【0044】
特に好ましいグラフトモノマーは4〜10個の炭素原子を有する不飽和ジカルボン酸とその誘導体、特にその無水物である。これらのグラフトモノマーは例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリル琥珀酸、4−シクロヘキシ‐1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキシ‐1,2−ジカルボン酸、ビシクロ(2,2,1)へプト‐5−エン‐2,3−ジカルボン酸、x−メチルビシクロ(2,2,1)へプト‐5−エン‐2,3−ジカルボン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリル琥珀酸、4-シクロヘキシン−1,2−ジカルボン酸、4−メチレン−4−シクロヘキシン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ(2,2,1)へプト‐5−エン−2,3−ジカルボン酸およびx−メチルビシクロ(2,2,1)へプト‐5−エン−2,3−ジカルボン酸から成る。無水マレイン酸を用いるのが有利である。
【0045】
(C1)と(C2)の混合物には種々の方法でグラフトモノマーをグラフトさせることができる。例えばポリマー(C1)と(C2)を,ラジカル発生剤を含む(または含まない)溶媒の存在下または不存在下で約150℃から300℃の高温度に加熱してグラフトすることができる。
前記方法で得られるグラフト化された(C1)と(C2)との混合物では、グラフトモノマーの量を適当に選択できるが、好ましくはグラフトされた(C1)と(C2)の重量に対して0.01〜10%、好ましくは600ppm〜2%にする。グラフト化モノマーの量は琥珀酸基をFTIR分光分析法で定量して求めることができる。共グラフトされた(C1)と(C2)との混合物のMFIは5〜30g/10分(190℃、2.16kg)、好ましくは13〜20g/10分である。
【0046】
共グラフトされた(C1)と(C2)の混合物はMFI10/MFI2比が18.5以上であるのが有利である(MFI10は10kg荷重下、190℃での流れ指数である、MFI2は2.16kg荷重下での流れ指数である)。共グラフト化した(C1)と(C2)のポリマー混合物のMFI20は24以下であるのが有利である(MFI20は190℃、21.6kg荷重下での流れ指数である)。
【0047】
本発明の2番目の実施例では下記比率(重量%)が有利である:
ポリアミド 60〜70%、
ポリプロピレン 60〜70%、
ポリアミド(C4)と、グラフトまたは共重したプロピレンと不飽和モノマーXとのコポリマー(C3)との反応で得られるポリオレフィン 3〜10%。
ポリプロピレンのMFIは0.5g/10分以下(230℃、2.16kg)、好ましくは0.1〜0.5g/10分であるのが有利である。この化合物は欧州特許第647681号に記載されている。
【0048】
以下、本発明の第2の実施例のグラフト化物を説明する。
先ず(C3)を作る。この(C3)はプロピレンと不飽和モノマーXとのコポリマーまたは不飽和モノマーXをグラフトしたポリプロピレンにすることができる。Xはプロピレンと共重合できるか、ポリプロピレンにグラフトでき、ポリアミドと反応可能な官能基(この官能基は例えばカルボン酸、ジカルボン酸無水物またはエポキシド等にすることができる)を有する任意の不飽和モノマーである。モノマーXの例としては(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸およびグリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和エポキシドが挙げられる。無水マレイン酸を用いるのが有利である。グラフトされたポリプロピレンではポリプロピレンのホモポリマーまたは主成分がプロピレンであるエチレン−プロピレンコポリマー等のコポリマーにXをグラフトすることができる。(C3)ではXがグラフトされているのが有利である。グラフト操作自体は公知のものである。
【0049】
(C4)はポリアミドまたはポリアミドオリゴマーにすることができる。ポリアミドオリゴマーは欧州特許第342,066号およびフランス国特許第2,291,225号に記載されている。ポリアミド(またはオリゴマー)(C4)は上記モノマーの縮合生成物である。ポリアミド混合物を用いることもできる。PA−6、PA−11、PA−12、PA−6単位とPA−12単位とのコポリアミド(PA−6/12)およびカプロラクタム、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸(PA−6/6,6)をベースとするコポリアミドを用いるのが有利である。ポリアミドまたはオリゴマー(C4)は酸、アミンまたはモノアミン末端基を含むことができる。ポリアミドがモノアミン末端基を有するようにするには下記の連鎖制限剤を用いればよい:
【0050】
1−NH−R2
(ここで、R1は水素または20個以下の炭素原子を含む線形または分岐したアルキル基であり、R2は20個以下の炭素原子を含む線形または分岐したアルキルまたはアルケニル基、飽和または不飽和脂環基、芳香基またはこれらを組み合わせた基である)。この連鎖制限剤は例えばラウリルアミンまたはオレイルアミンにすることができる。
(C4)はPA−6、PA−11またはPA−12にするのが好ましい。(C3+C4)の(C4)の重量比は0.1〜60重量%であるのが好ましい。(C3)と(C4)との反応は溶融状態で行うのが好ましく、例えば(C3)と(C4)を押出し機で一般に230〜250℃の温度で混合して反応させることができる。溶融材料の押出し機中の平均滞留時間は10秒〜3分、好ましくは1〜2分にする。
【0051】
第3の実施例では下記比率(重量%)が有利である:
ポリアミド 60〜70%、
エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマー 5〜15%、
残部はLLDPE、VLDPEまたはメタロセンタイプのポリエチレン(ポリエチレンの密度は0.870〜0.925、MFIは0.1〜5/10分(190℃、2.16kg)であるのが有利である)。
【0052】
エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーは0.2〜10重量%の無水マレイン酸と、40重量%以下、好ましくは5〜40重量%のアルキル(メタ)アクリレートとを含むのが有利である。MFIは2〜100/10分(190℃、2.16kg)である。「アルキル(メタ)アクリレート」はC1〜C8のアルキルメタクリレートおよびアクリレートを示し、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートおよびエチルメタクリレートの中から選択することができる。
融点は80〜120℃である。このコポリマーは市販されている。これらのコポリマーは200〜2500バールの圧力でラジカル重合で製造される。
【0053】
例えば下記混合物(重量%)を用いることができる:
1)
PA−6 55〜70%、
無水マレイン酸がグラフトされ、モノアミン化カプロラクタムオリゴマーと縮合されたプロピレンを主として含むエチレン/プロピレンコポリマー 5〜15%、
残部は100%のポリプロピレン。
【0054】
2)
PA−6 55〜70%、
少なくとも1種のエチレンと(i)不飽和カルボン酸のアルキル(メタ)アクリレートまたはビニルエステルおよび(ii)不飽和無水カルボン酸または不飽和エポキシド(グラフトまたは共重合されている)のコポリマー 5〜15%、
残部はポリエチレン。
【0055】
3)
PA−6 55〜70%、
無水マレイン酸またはグリシジルメタクリレートがグラフトされたポリエチレンまたはエチレンとα−オレフィンとのコポリマー 5〜15%、
残部は高密度ポリエチレン。
【0056】
EVOHコポリマーからなる層(2a)は、EVOHまたはEVOHをベースとする混合物で構成できる。EVOHは鹸化エチレン/酢酸ビニルコポリマーともよばれる。本発明で使用される鹸化エチレン/酢酸ビニルコポリマーはエチレン含有量が20〜70モル%、好ましくは25〜70モル%であるコポリマーであり、酢酸ビニル成分の鹸化度が95モル%以上のコポリマーである。エチレン含有量が20モル%未満では湿分が高い条件下で所望の高いバリヤ性が得られず、また、エチレン含有量が70モル%を越えてもバリヤ特性が低下する。鹸化度すなわち加水分解度が95モル%未満ではバリヤ特性が犠牲にされる。
【0057】
「バリヤ特性」とは気体および液体、自動車用ガソリンの場合には特に酸素に対する不浸透性を意味する。
上記の鹸化コポリマーの溶融流動指数は0.5〜100 g/10分であるのが好ましい。このMFIは5〜30 g/10分(230℃/2.16kg)であるのが好ましい。「MFI」は「溶融流れ指数」の略語である。
【0058】
上記の鹸化コポリマーは他のコモノマ成分を少量含むことができる。コモノマ成分としてはα−オレフィン、例えばプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等、不飽和カルボン酸またはその塩、部分的アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、上記の酸の無水物、不飽和スルホン酸とその塩を挙げることができる。
EVOHをベースにした混合物はEVOHがマトリクスを構成するものであり、EVOHが混合物の重量の少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%であるものである。混合物の他の成分はポリオレフィン、ポリアミド、さらには機能性高分子から選択することができる。
【0059】
EVOHをベースにした混合物の最初の例としては下記組成物(重量組成)を挙げることができる:
1) 55〜99.5部のEVOHコポリマー、
2) 0.5〜45部のポリプロピレンおよび相溶化剤(相溶化剤の量に対するポリプロピレンの量の比率は1〜5)。
【0060】
EVOHのMFIに対するポリプロピレンのMFIの比は5以上、好ましくは5〜25であるのが好ましい。ポリプロピレンのMFIは0.5〜3(g/10分、230℃、2.16kg)であるのが好ましい。好ましい実施例では相溶化剤はグラフトされたポリアミドを担持するポリエチレンであり、これは(i)エチレンとグラフトまたは共重合された不飽和モノマーXとのコポリマーと(ii)ポリアミドとの反応で得られる。エチレンとグラフトまたは共重合された不飽和モノマーXとのコポリマーはエチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーから選択することができる。無水マレイン酸は0.2〜10重量%、アルキル(メタ)アクリレートは0〜40重量%にする。他の有利な実施例では、相溶化剤は(i)グラフトまたは共重合された不飽和のモノマーXを有するプロピレンのホモポリマーまたはプロピレンのコポリマーと(ii)ポリアミドとの反応で得られるグラフトしたポリアミドを有するポリプロピレンである。Xはグラフトされるのが好ましい。このモノマーXは不飽和カルボン酸の無水物、例えば無水マレイン酸であるのが好ましい。
【0061】
EVOHをベースにした混合物の第2の例としては下記の組成物を挙げることができる:
1) 50〜98重量%のEVOHコポリマー、
2) 1〜50重量%のポリエチレン、
3) 1〜15重量%の相溶化剤(LLDPEまたはメタロセンポリエチレンと、エラストマー、超低密度ポリエチレンおよびメタロセンポリエチレンの中から選択されるポリマーとの混合物で、この混合物には不飽和カルボン酸またはその官能誘導体が共グラフトされている)
相溶化剤はMFI10/MFI2の比が5〜20となるものが好ましい。MFI2はASTM D12382従って2.16kgの荷重で、190℃で測定したメルトフローインデックスであり、MFI10はASTM D1238に従って10kgの荷重で、190℃で測定したメルトフローインデックスである。
【0062】
EVOHをベースにした本発明の混合物の第3の例としては下記の組成物を挙げることができる:
1) 50〜98重量%のEVOHコポリマー、
2) 1〜50重量%のエチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマー、
3) 1〜15重量%の相溶化剤((i)エチレンコポリマーと(ii)不飽和のモノマーXがグラフトまたは共重合されたコポリアミドとの反応で得られる)
不飽和のモノマーXがグラフトまたは共重合されたコポリアミドは、不飽和モノマーXが共重合されたもの、すなわち、エチレン/無水マレイン酸コポリマーまたはエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマーであるのが好ましい。これらのコポリマーは0.2〜10重量%の無水マレイン酸と、0〜40重量%のアルキル(メタ)アクリレートを含むのが好ましい。
【0063】
ポリアミドP3からなる層(3)で、「ポリアミド」とは、本発明では脂肪族単位および/または脂環式単位および/または芳香族単位を含むポリアミドまたはPAを示す。
ポリアミド−11またはポリアミド−12を用いるのが有利である。外層のポリアミドはn−ブチルべンゼンスルホンアミド(BBSA)およびポリアミドブロックとポリエーテルブロックを含むポリマー等の標準的な可塑剤で可塑化するのが有利である。これらのブロックはカルボン酸末端基を有するポリアミドブロックとポリエーテルジオールまたはポリエーテルジアミン、或いはこれらのポリエーテルの混合物との縮合で得られる。この外層には抗酸化剤とカーボンブラック等の一般的充填剤を含むことができる。外層に添加できるポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックタイプの可塑剤はフランス国特許第94/14521号に記載されている。
【0064】
PA−6/12コポリアミドの混合物からなる層(2)では、一方がPA−12よりPA−6の重量が大きく、もう一方がPA−6よりPA−12の重量が大きい。PA−6/12コポリアミドはカプロラクタムとラウリルラクタムとの縮合から得られる。「6」がカプロラクタム由来の単位を示し、「12」がラウリルラクタム由来の単位を示すことは理解出きよう。カプロラクタムをアミノカプロン酸と完全に、または部分的に置換しても本発明の範囲を逸脱するものではないし、同様にラウリルラクタムをアミノドデカン酸することもできる。6対12の比率を保っていれば、これらのコポリアミドに他の単位を含むことができる。
【0065】
PA−6を多く含むコポリアミドはPA−6を52〜90重量%、PA−12を48〜10重量%含むのが有利である。PA−6を多く含むコポリアミドはPA−6を55〜90重量%、PA−12を45〜10重量%含むのが好ましい。さらに、PA−6を多く含むコポリアミドはPA−6を55〜70重量%、PA−12を45〜30重量%含むのが好ましい。
【0066】
PA−12を多く含むコポリアミドはPA−12を52〜90重量%、PA−6を48〜10重量%含むのが有利である。PA−12を多く含むコポリアミドはPA−12を55〜90重量%、PA−6を45〜10重量%含むのが好ましい。さらに、PA−12を多く含むコポリアミドはPA−12を55〜70重量%、PA−6を45〜30重量%含むのが好ましい。
【0067】
PA−6を多く含むコポリアミドとPA−12を多く含むコポリアミドの比率は40/60〜60/40、好ましくは50/50にすることができる。
これらのコポリアミド混合物には、PA−6および12を多く含む100部のコポリアミドに対し30重量部以下の他のグラフト化ポリオレフィンまたはコポリアミドを含むことができる。
【0068】
これらのコポリアミドは溶融点(DIN 53736B規格)が60〜200℃、比溶融粘度が1.3〜2.2(DIN 53727;m−クレゾール溶媒、0.5g/100mlの密度、25℃の温度、ウッベローデ粘度計)である。これらの溶融時のレオロジーは隣接する層の材料と類似しているのが好ましい。これらのコポリアミドは標準的なポリアミドの製造方法で製造される。これらの方法は下記文献に記載されている:
【0069】
【特許文献9】米国特許第4,424,864号明細書
【特許文献10】米国特許第4,483,975号明細書
【特許文献11】米国特許第4,774,139号明細書
【特許文献12】米国特許第5,459,230号明細書
【特許文献13】米国特許第5,489,667号明細書
【特許文献14】米国特許第5,750,232号明細書
【特許文献15】米国特許第5,254,641号明細書
【0070】
本発明はさらに、層(1)または(1a)が管の内側にある構造の管に関するものである。本発明の管は共押出しによって製造できる。
本発明の管は自動車のタンクからエンジンまでガソリンを輸送するためのものであり、外径が6〜12mm、厚さは一般に0.8mm〜2mmである。層1の厚さは一般に少なくとも50μm、好ましくは100〜500μmである。
導電性カーボンブラックが充填された層1aの厚さは一般に25〜300μm、好ましくは50〜150μmである。
コポリアミド混合物の層2の厚さは一般に少なくとも10μm、好ましくは20〜100μmである。
EVOH層2aの厚さは10〜200μmである。
層3の厚さは一般に少なくとも300μm、好ましくは400〜800μmである。
この多層管は、直径が一定の円筒形または波形することができる。
一般に、この多層管にゴム製の保護シースを付けて管をエンジンの熱から保護することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記:
ポリアミドP1またはポリアミドP1をマトリクスとするポリオレフィンPO1
とポリアミドP1との混合物からなる第1層(1)
必要に応じて用いられるEVOHからなる層(2a)
一方がPA−12よりPA−6の重量が大きく、他方はPA−6よりPA−12の重量が大きい、6/12コポリアミドの混合物から成る層(2)、および
ポリアミドP3からなる層(3)
を上記の順番で有し、各層は接触領域で互いに接着しており、P1とP3は互いに同一でも異なっていてもよいことを特徴とするポリアミドをベースとした多層構造物。
【請求項2】
第1層(1)を別の層(1a)に代え、この別の層(1a)はポリアミドP1aまたはポリアミドP1aをマトリクスとしたポリオレフィンPO1aとポリアミドの混合物から成り且つ表面抵抗率を106オーム以下にする導電性カーボンブラックを含む請求項1に記載の構造物。
【請求項3】
第1層(1)の側に表面抵抗率を106オーム以下にする導電性カーボンブラックを含む追加層(1a)を有し、第1層(1)と補足の層(1a)は接触領域で互いに接着し、追加層(1a)はポリアミドP1aまたはポリアミドP1aをマトリクスとするポリアミドP1aとポリオレフィンPO1aとの混合物からなり且つ表面抵抗率を106オーム以下にする導電性カーボンブラックを含む請求項1に記載の構造物。
【請求項4】
ポリアミドP1またはP1aをポリアミド−6、ポリアミド−6,6およびポリアミド−12の中から選択する請求項1〜3の1項に記載の構造。
【請求項5】
ポリオレフィンPO1またはPO1aを下記の中から選択する請求項1〜4のいずれか一項に記載の構造物:
ポリエチレン、
ポリプロピレン、
エチレン/α−オレフィンコポリマー、
エチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマー、
無水マレイン酸がグラフトまたは共重合されているエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水マレイン酸コポリマー、
グリシジルメタクリレートがグラフトまたは共重合されているエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー。
【請求項6】
ポリアミドP3をPA−11およびPA−12ポリアミドの中から選択する請求項1〜5のいずれか一項に記載の構造物。
【請求項7】
層(2)のPA−6を多く含むコポリアミドがPA−6を52〜90重量%、PA−12を48〜10重量%含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の構造物。
【請求項8】
層(2)のPA−12を多く含むコポリアミドがPA−12を52〜90重量%、PA−6を48〜10重量%含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の構造物。
【請求項9】
層(2)のPA−6を多く含むコポリアミドとPA−12を多く含むコポリアミドの比率が40/60〜60/40である請求項1〜8のいずれか一項に記載の構造物。
【請求項10】
層(1)または(1a)が内側に、層(3)が外側にある請求項1〜9のいずれか一項に記載の構造物からなる管。
【請求項11】
一方がPA−12よりPA−6の重量が多く、他方がPA−6よりPA−12の重量が多いPA−6/12コポリアミドの混合物から成る相溶化剤としてのポリアミド混合物。
【請求項12】
ポリアミドがPA−12と、PA−6およびPA−6,6の中から選択される少なくとも1種のポリアミドとである請求項11に記載の混合物。
【請求項13】
PA−6を多く含むコポリアミドがPA−6を52〜90重量%、PA−12を48〜10重量%含む請求項11または12に記載の混合物。
【請求項14】
PA−12を多く含むコポリアミドがPA−12を52〜90重量%、PA−6を48〜10重量%含む請求項11〜13のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項15】
PA−6を多く含むコポリアミドとPA−12を多く含むコポリアミドとの比率が40/60〜60/40である請求項11〜14のいずれか一項に記載の混合物。

【公開番号】特開2009−23352(P2009−23352A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215880(P2008−215880)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【分割の表示】特願2003−20933(P2003−20933)の分割
【原出願日】平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】