コモンレール式燃料噴射システム
【課題】 コモンレール及び燃料噴射管を大型化することなく、簡単な手段によって燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動を抑制し、均一な噴射圧力特性を得、ディーゼル内燃機関からの有害な排出ガスの低減を可能とするコモンレール式燃料噴射システムを提供する。
【解決手段】 多気筒ディーゼル内燃機関の気筒毎に設けられる燃料吸入口を有するインジェクターと、燃料の圧力を蓄圧するコモンレールと、高圧燃料を供給する高圧供給ポンプと、コモンレールと高圧供給ポンプとを連通する燃料供給管と、コモンレールに設けられた圧力供給口に連通し、且つインジェクターと圧力供給口とを連通する燃料噴射管を備えたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、燃料噴射管が少なくとも3基以上のインジェクターを直列に連通し、圧力供給口の口数NPがインジェクターの数NIより少なく、且つ各気筒のインジェクターへの高圧燃料の供給が2系統の燃料噴射管を通して行われることを特徴とする。
【解決手段】 多気筒ディーゼル内燃機関の気筒毎に設けられる燃料吸入口を有するインジェクターと、燃料の圧力を蓄圧するコモンレールと、高圧燃料を供給する高圧供給ポンプと、コモンレールと高圧供給ポンプとを連通する燃料供給管と、コモンレールに設けられた圧力供給口に連通し、且つインジェクターと圧力供給口とを連通する燃料噴射管を備えたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、燃料噴射管が少なくとも3基以上のインジェクターを直列に連通し、圧力供給口の口数NPがインジェクターの数NIより少なく、且つ各気筒のインジェクターへの高圧燃料の供給が2系統の燃料噴射管を通して行われることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼル内燃機関のコモンレール式噴射システムに関するもので、詳しくはディーゼル内燃機関に使用される、燃料をコモンレールで蓄圧して各気筒に噴射するコモンレール式燃料噴射システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディーゼル内燃機関用のコモンレール式燃料噴射システムは、高圧供給ポンプによってコモンレールに高圧燃料を蓄圧し、コモンレールで蓄圧された高圧燃料を各気筒毎に噴射する電磁制御式の燃料噴射システムであり、図28に従来のディーゼル内燃機関のコモンレール式燃料噴射システムを示す。
その構造は、ディーゼル内燃機関の各気筒毎に設けられるインジェクター、インジェクターに供給する燃料の圧力を蓄圧するコモンレール、そのコモンレールに高圧燃料を供給する高圧燃料供給ポンプ、コモンレールとインジェクターとをそれぞれ連通する燃料噴射管、及びコモンレールと高圧供給ポンプとを連通する燃料供給管を備えている。
【0003】
このようなコモンレール式燃料噴射システムにおいて、コモンレール及び燃料噴射管を大型化することなく、簡単な手段によって燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動(噴射時の圧力降下)を抑制し、均一な噴射圧力特性を得る手段が望まれている。
【0004】
図28に示す従来技術において、燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動(噴射時の圧力降下)を抑制し、均一な噴射圧力特性を得るには、噴射時の圧力降下量を低減する必要がある。そのためには、より大きな噴射管内径とすることが有効である。一方、煙の排出を抑制するため、今後さらなるコモンレールシステムの高圧化も要求されているが、この噴射管内径を大きくした場合、内圧疲労強度性能の向上が必要となるため既存の材料より管強度を高める必要がある。そのため燃料管材質を厳選するとともに、高価な製造プロセスを要することになり、製造コストの上昇が必須となってしまう。
【0005】
このような課題に対して、本出願人は特許文献1に示す技術を提案している。その代表例を図29に示す。
特許文献1では、図29に示すような、隣接するインジェクター21間をパイプ26で接続し、そのパイプ26内を副蓄圧室として機能させること、また隣接するインジェクター21をパイプ26でつなぐ手段として、コモンレール22から燃料噴射管23を介してインジェクター21内に高圧燃料を導入する高圧流路内又は燃料噴射による圧力変動が伝わるインジェクター21内部の高圧流路内に燃料噴射管23との接続部とは別の接続部を設け、この接続部にパイプ26を接続し、隣接する気筒のインジェクターの同じ接続部とつなぐことによりコモンレール22、燃料噴射管23及びインジェクター21の内容積を確保するもので、これによりコモンレール及び燃料噴射管の内径を大きくしたり、長さを長くしたりすることなく、燃料噴射の応答性(車載CPUからの指令信号に対する追従性)を高め、燃料噴射に伴うインジェクター内の圧力降下を防止することにより、応答性良くかつ正確な噴射特性を有する燃料噴射システムを得るものである。
【0006】
また、特許文献2の図10では、エンジンの各気筒の燃焼室に対応して、それぞれ噴射弁2が配置され、噴射制御用の電磁弁の3がオン、オフされることにより、決められた気筒順に、例えば♯1、♯3、♯4、♯2の順番に各気筒の燃焼室に燃料を噴射する。これらの噴射弁2は、それぞれ図1に示す第1の燃料通路14を有する分岐供給管4を介して各気筒に共通なコモンレール5に接続されている。また、このコモンレール5内に形成された蓄圧室15には高圧燃料が所定圧に蓄圧されるようになっており、その蓄圧室15に蓄圧された高圧燃料は、電磁弁3が開弁している間、分岐供給管4を介して噴射弁2からエンジン1の各気筒の燃焼室に噴射される。さらに脈動低減機関として、分岐供給管4の隣り合うもの同士が連結管61、62、63で連結され、分岐供給管4の剛性を高めている。
したがって、細管としての分岐供給管4の振動振幅が低減できる燃料噴射装置が提案されている。
【0007】
さらに、特許文献3の図2に提案される蓄圧式燃料噴射装置は、高圧燃料ポンプ1により加圧された燃料を、燃料通路10aに連通し各気筒に共通する高圧蓄圧器3に貯溜するものであるが、この燃料通路10aの途中には、例えば、二方電磁弁から成る燃料噴射率切換用の切換弁(第1制御弁)5を各気筒毎に設け、その切換弁5の直ぐ下流に上流側から下流側にのみ燃料の流れを許容する逆止弁32が設けられている。さらに、この燃料通路10aには、逆止弁32の下流において、燃料通路10aから分岐した燃料通路10bを介して各気筒に共通の低圧蓄圧器(第2蓄圧器)4が接続されている。
また、分岐した燃料通路10bの途中には逆止弁6と、当該逆止弁6をバイパスするバイパス通路が設けられており、このバイパス通路にはオリフィス6aが設けられている。逆止弁6は、低圧蓄圧器4から燃料通路10a方向にのみ燃料の流れを許容している。
即ち、燃料通路10a内の燃料圧が分岐した燃料通路10b内の燃料圧よりも高い場合、燃料通路10a内の燃料がオリフィス6aを通して、分岐した燃料通路10bに流入し、更に低圧蓄圧器4に流入することによって燃料圧の変動を抑制するものである。
【0008】
このような特許文献1、2、3に提案される従来技術では、蓄圧容積を増大させることで燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動を抑制し、均一な噴射圧力特性を得ることは可能であるが、その構造が複雑で、装置重量の増大を招いてしまう欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−182792号公報(図2参照)
【特許文献2】特開平10−30521号公報(図10参照)
【特許文献3】特開2000−161171号公報(図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような状況に鑑み、本発明はコモンレール及び燃料噴射管をさらに大型化することなく、簡単な手段によって燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動を抑制し、均一な噴射圧力特性が得られ、ディーゼル内燃機関からの有害な排出ガスの低減が可能となるコモンレール式燃料噴射システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の発明は、多気筒ディーゼル内燃機関の気筒毎に設けられる燃料吸入口を有するインジェクターと、そのインジェクターに供給する燃料の圧力を蓄圧するコモンレールと、コモンレールに高圧燃料を供給する高圧供給ポンプと、コモンレールと高圧供給ポンプとを連通する燃料供給管と、コモンレールに設けられた圧力供給口に連通し、且つインジェクターとコモンレールに設けられた圧力供給口とを連通する燃料噴射管を備えたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、その燃料噴射管が、少なくとも3基以上のインジェクターを直列に連通し、コモンレールに設けられる圧力供給口の口数NPが、インジェクターの数NIより少なく、且つ、各気筒のインジェクターへの高圧燃料の供給が、2系統の燃料噴射管を通して行われることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システムである。
【0012】
本発明の第2の発明は、第1の発明における多気筒ディーゼル内燃機関が、3気筒以上のディーゼル内燃機関であることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システムである。
【0013】
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明における多気筒ディーゼル内燃機関が、3基以上のインジェクターを備えるディーゼル内燃機関であることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システムである。
【0014】
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明におけるコモンレールに設けられる圧力供給口の口数とインジェクターの数との関係が、下記(1)式に示されるように、インジェクターの数NIの約数のうち、3以上の約数でインジェクター数NIを除した数の2倍の数が圧力供給口の口数NPになることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システムである。
【0015】
【数1】
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来の構造に比べ噴射により発生する圧力脈動を抑制し、噴射時の圧力降下量を低減して噴射期間中の圧力の平均値(以後、平均噴射圧力値と称す)を向上させることによって、煙の排出量の低減が可能となる。
また、噴射管に作用するピーク圧力の低減が可能となるため、噴射管の内圧疲労強度性能上有利となり、コモンレールシステムの設定圧力を上げることができ、煙の排出量の抑制が可能となる。
また、平均噴射圧力値を高めることも可能なため、コモンレールシステム自体の噴射圧力を必要以上に高めなくてもよく、コモンレールシステム(ポンプ、コモンレール、インジェクター)の小型化をはかることができる。
さらに、上記作用に付随して、燃費の改善効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図2】燃料噴射時の燃料噴射管内の圧力変化を示す図で、(a)はクランク軸の回転角度におけるインジェクター針弁の作動状態を示す図、(b)は(a)の状態時における燃料噴射管内の圧力変化を示す図である。
【図3】燃料噴射前後および燃料噴射期間中における燃料噴射管内の平均圧力を示す図である。
【図4】エンジン実機における煙の排出量を示す図である。
【図5】BSFC指標による燃費を示す図である。
【図6】噴射管内の平均圧力を燃料噴射システム全容積で割った値、すなわち燃料噴射システム単位容積あたりの噴射管内平均圧力を示す図である。
【図7】実施例1に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図8】実施例2に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図9】実施例3に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図10】実施例4に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図11】実施例5に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図12】実施例6に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図13】実施例7に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図14】実施例8に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図15】実施例9に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図16】実施例10に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図17】実施例11に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図18】実施例12に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図19】実施例13に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図20】実施例14に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図21】実施例15に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図22】実施例16に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図23】実施例17に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図24】実施例18に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図25】実施例19に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図26】実施例20に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図27】実施例21に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図28】従来例に係る燃料噴射システムの概略図である。
【図29】特許文献1(図2)に示される燃料噴射システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明の燃料噴射システムを説明する概略図で、6気筒ディーゼル内燃機関に対応するものである。
図1において、1はインジェクター、2はコモンレール、2a、2bは圧力供給口、3は燃料噴射管、3a、3bも燃料噴射管でコモンレールのそれぞれの圧力供給口2a、2bと連通している、4は連結コネクタ、5は接続ナット、11は燃料供給管、12は高圧供給ポンプ、10は本発明の燃料噴射システムである。
圧力供給口の口数Npは2、インジェクター1の数NIは6で、数NIの約数の内3以上の約数の内6で除した数を2倍した数が圧力供給口の口数Npとなる場合である。
ここで、燃料噴射管3a、3bは、それぞれコモンレール2の圧力供給口2a、2bに連通し、6基の各インジェクター1を直列に連通する燃料噴射管3に高圧燃料を供給するものである。
【0019】
さらに、圧力供給口の口数Npと、インジェクター1の数NIの関係を纏めると、下記式(2)に示される関係となり、実際の多気筒ディーゼルエンジン(3気筒から8気筒)における、その関係を表1に示す。より多気筒の場合においても、式(2)の関係は適用できるものである。
【0020】
【数2】
【0021】
【表1】
【0022】
さらに、図1において各インジェクター1には、インジェクター1内への燃料吸入前に、燃料噴射管3aを通じた燃料供給系統Aと、燃料噴射管3bを通じた燃料供給系統Bの2系統からの燃料を、例えば図1に見られるような連結コネクタ4で混合する形で高圧燃料が供給されている。
このように2系統、即ち2方向から燃料を供給することにより、混合後の燃料圧力は、その2系統の平均圧力となり圧力変動(脈動)が緩和される結果となる。
【0023】
この2系統の経路から供給される燃料の混合の仕方は、図1の燃料噴射システム10に見られるように、気筒内への燃料の噴射前に行われなければならない。そこで、図1のようにインジェクター1に供給される前に、燃料経路を連結する連結コネクタ4のような部品を用いて、連結と燃料の混合を同時に行う方法、或いはインジェクターに2か所の燃料吸入口を設け、それぞれの燃料流入口に各燃料経路の燃料噴射管を連通してインジェクター内で燃料の混合を行う方法などが考えられる。
【0024】
また、図1を用いた説明では、コモンレールに設けられる圧力供給口の数Npが2口1組の偶数個の場合について述べているが、圧力供給口を奇数個設ける場合、例えば圧力供給口を3口1組で設けても良い。
【実施例】
【0025】
以下、実施例を用いて、本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0026】
図7は、実施例1に係る燃料噴射システム10aの概略図(以下の図面において、燃料供給管および高圧供給ポンプなどの同じ機器を使用する場合には図示せず)である。
図7において、1はインジェクター、2はコモンレール、2a、2bはコモンレール2に設けられている圧力供給口、3、3a、3bは燃料噴射管、4は連結コネクタ、5は接続ナットである。
【0027】
6気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を6基(NI=6)有し、2口{(Np=2×(6/6))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された6基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
実施例1の燃料噴射システム10aでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
【0028】
(従来例)
従来例として、図28に示す燃料噴射システムを用いた。
図28において、20Aは従来例の燃料噴射システム、21はインジェクター、22はコモンレール、23は燃料噴射管、なお燃料供給管や高圧供給ポンプなどは図示していない。
図28に示す燃料噴射システム20Aは、実施例1と同様に6気筒ディーゼル内燃機関に対応する燃料噴射システムで、コモンレール22から各6基のインジェクター21の個々に連通して高圧燃料を供給する6本の燃料噴射管23がコモンレールの6口の圧力供給口と連通している。
【0029】
[本発明の燃料噴射システムの性能比較]
実施例1(図7の燃料噴射システム10a)と、従来例(図28の燃料噴射システム20A)の燃料噴射システムを用いて、燃料噴射時の噴射管内の圧力変化、排出ガスの挙動、および燃費挙動を測定した。
その結果を図2〜図6を用いて説明する。
【0030】
図2は、エンジンのクランク角度(Crank Angle)を横軸に、(a)はインジェクター針弁の作動量、(b)は噴射管内圧力を縦軸にプロットしたもので、あるクランク角度においてリフトアップした場合に、従来例(図28に示す燃料噴射システム20A)と、本発明例である実施例1(図7に示す燃料噴射システム10a)の場合を比較したものである。
1方向からの燃料供給を受ける従来例では、リフトに伴い大きな圧力ドロップおよび圧力変動が生じているのに対して、2方向から燃料供給を受ける本発明例では燃料供給が促進されるため、圧力ドロップおよび圧力変動が抑制できることがわかる。
【0031】
図3は、燃料噴射前後および燃料噴射期間中の噴射管内の平均圧力を示す図で、従来例と実施例1の燃料噴射システムで比較したものである。
一般に、高い平均噴射圧力を得ることで燃焼効率が高まり、煙排出量の低減および燃費の改善が得られる。
図3から平均噴射圧力は、従来例では噴射前圧力の95%であるが、本発明例では98%まで高い圧力を得られる。
【0032】
図4は、エンジン実機におけるNOx排出量と煙排出量の関係を比較した図で、NOxの発生を抑えた燃焼において、煙の排出量は従来例と比較して15%低減すると共に、同じ煙の排出量で比べるとNOxの発生が抑制されていることがわかる。
【0033】
また、図5はBSFC(Break Specific Fuel Consumption)指標による燃費とNOx排出量との関係を示す図で、同量のNOxを排出する燃焼条件では、その燃費は2%程度、本発明例の実施例1が良くなることを示している。
【0034】
図3から図5に示す結果から、本発明に係る燃料噴射システムは、従来構造の燃料噴射システムに比べ、燃料噴射により発生する圧力脈動を抑制し、燃料噴射管に作用するピーク圧力の低減が可能となるため、コモンレールシステム(高圧供給ポンプ、コモンレール、インジェクター)の設定圧力を上げることができ、煙の排出量抑制に大きな効果を示す。
さらに、噴射期間中の噴射圧力を高めることも可能であることから、コモンレールシステム自体の噴射圧力を必要以上に高めなくてもよく、コモンレールシステム(ポンプ・レール・インジェクタ)の小型化をはかることができる。
【0035】
次に、排出ガス性能と相関関係にある平均噴射圧力に対して、特許文献1〜3に示す従来例の燃料噴射システムと、実施例1の本発明例の燃料噴射システムにおける付加容積の効果を公平に評価するため、噴射管内の平均圧力を燃料噴射システム全容積で割った値(すなわち燃料噴射システム単位容積あたりの噴射管内平均噴射圧力値)で比較した。その結果を図6に示す。
いずれの従来例に対しても、本発明例は高い値を示し、排出ガス性能も本発明に係る燃料噴射システムの方が優れている。
【実施例2】
【0036】
実施例2に係る燃料噴射システム10bの概略図を図8に示す。
実施例2の燃料噴射システム10bは、実施例1と同じ6気筒ディーゼル内燃機関のもので、備わるインジェクター1の数NIも6基、コモンレール2に備わる圧力供給口も、その数Npは2口(2a、2b)と同じものであり、連結コネクタ4を介して2系統の燃料供給経路A、Bの圧力を平均化した燃料が、インジェクター1に供給されて、気筒内に噴射される。
【0037】
実施例1との違いは、連結コネクタ4から燃料噴射管3を介してインジェクター1に燃料を送る点である。この燃料噴射管3を介することにより、エンジンルーム内での燃料噴射システムの配置自由度が増加する利点を有する。
【実施例3】
【0038】
実施例3に係る燃料噴射システム10cの概略図を図9に示す。
実施例3の燃料噴射システム10cは、実施例1、2と同じ6気筒ディーゼル内燃機関のもので、備わるインジェクター1の数NIも6基、コモンレール2に備わる圧力供給口も、その数Npは2口(2a、2b)と同じものであるが、実施例1、2のように連結コネクタを介さず、インジェクター1が備える2か所の燃料吸入口6、6のそれぞれに2系統の燃料供給経路A、Bからの燃料が直接に与えられ、インジェクター1内において圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射される形式の燃料噴射システムである。
【実施例4】
【0039】
実施例4に係る燃料噴射システムの概略図を図10に示す。
実施例4の燃料噴射システム10dは、実施例1〜3と同じ6気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を6基(NI=6)有し、4口{(Np=2×(6/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0040】
実施例4の燃料噴射システム10dでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、3基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。また、他の3基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【0041】
実施例4では、実施例1〜3の場合に比べて、燃料が供給されるインジェクターの数が3基と半分になることで、燃料の行程が短く、燃料噴射管中での圧力変動に対して有利に働く。
【実施例5】
【0042】
実施例5に係る燃料噴射システムの概略図を図11に示す。
実施例5の燃料噴射システム10eは、実施例4と同様の型式の燃料噴射システムである。
実施例1〜3と同じ6気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を6基(NI=6)有し、4口{(Np=2×(6/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0043】
実施例5の燃料噴射システム10eでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、3基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、燃料噴射管3で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。また、他の3基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、燃料噴射管3で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【0044】
実施例5では、実施例1〜3の場合に比べて、燃料が供給されるインジェクターの数が3基と半分になることで、燃料の供給行程が短くなり、燃料噴射管中での圧力変動に対して有利に働く。
実施例4の燃料噴射システム10dとは、インジェクター1が連結コネクタ4と燃料噴射管3を介して接続される点が異なっている。
【実施例6】
【0045】
実施例6に係る燃料噴射システムの概略図を図12に示す。
実施例6の燃料噴射システム10fは、実施例4と同様の型式の燃料噴射システムである。
実施例1〜5と同じ6気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を6基(NI=6)有し、4口{(Np=2×(6/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
【0046】
実施例6の燃料噴射システム10fでは、実施例4、5の場合と同様に、各インジェクター1に対する燃料の供給は、3基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6に送られ、インジェクター1内で、その圧力が平均化された燃料が、対象となる気筒内に噴射されるものである。
また、他の3基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6に送られ、インジェクター1内で、その圧力が平均化された燃料が、対象となる気筒内に噴射されるものである。
【0047】
実施例6では、実施例1〜3の場合に比べて、燃料が供給されるインジェクターの数が3基と半分になることで、燃料の行程が短く、燃料噴射管中での圧力変動に対して有利に働く。
実施例4、5の燃料噴射システム10d、10eとは、燃料圧力の平均化がインジェクター1内部で行われる点が異なっている。
【実施例7】
【0048】
実施例7に係る燃料噴射システムの概略図を図13に示す。
実施例7の燃料噴射システム10gは、3気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を3基(NI=3)有し、2口{(Np=2×(3/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0049】
実施例7の燃料噴射システム10gでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
【実施例8】
【0050】
実施例8に係る燃料噴射システムの概略図を図14に示す。
実施例8の燃料噴射システム10hは、実施例7と同様の型式の燃料噴射システムである。
実施例8の燃料噴射システム10hは、3気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を3基(NI=3)有し、2口{(Np=2×(3/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0051】
この燃料噴射システム10hでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、連結コネクタ4と燃料噴射管3によって連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
【実施例9】
【0052】
実施例9に係る燃料噴射システムの概略図を図15に示す。
実施例9の燃料噴射システム10iは、実施例7、8と同様の型式の燃料噴射システムである。
実施例9の燃料噴射システム10iは、3気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を3基(NI=3)有し、2口{(Np=2×(3/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
【0053】
この燃料噴射システム10iでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から送られる高圧燃料が、2か所の燃料吸入口6からインジェクター1に供給され、その内部で燃料圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射されるものである。
【実施例10】
【0054】
実施例10に係る燃料噴射システムの概略図を図16に示す。
実施例10の燃料噴射システム10jは、4気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を4基(NI=4)有し、2口{(Np=2×(4/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0055】
実施例10の燃料噴射システム10jでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【実施例11】
【0056】
実施例11に係る燃料噴射システムの概略図を図17に示す。
実施例11の燃料噴射システム10kは、実施例10と同様の型式の燃料噴射システムである。
4気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を4基(NI=4)有し、2口{(Np=2×(4/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0057】
実施例11の燃料噴射システム10kでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、連結コネクタ4と燃料噴射管3を介して連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【実施例12】
【0058】
実施例12に係る燃料噴射システムの概略図を図18に示す。
実施例12の燃料噴射システム10lは、実施例10と同様の型式の燃料噴射システムである。
4気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を4基(NI=4)有し、2口{(Np=2×(4/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
【0059】
実施例12の燃料噴射システム10lでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から送られる高圧燃料が、2か所の燃料吸入口6からインジェクター1に供給され、その内部で燃料圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射されるものである。
【実施例13】
【0060】
図19は、実施例13に係る燃料噴射システムの概略図である。
図19において、1はインジェクター、2はコモンレール、2a、2bはコモンレール2に設けられている圧力供給口、3、3a、3bは燃料噴射管、4は連結コネクタ、5は接続ナットである。
実施例13の燃料噴射システム10mは、5気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を5基(NI=5)有し、2口{(Np=2×(5/5))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された5基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0061】
この燃料噴射システム10mでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が連結コネクタ4に送られ、連結コネクタ4内で圧力を平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【実施例14】
【0062】
実施例14に係る燃料噴射システムの概略図を図20に示す。
実施例14の燃料噴射システム10nは、実施例13と同様に5気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10nは、5気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を5基(NI=5)有し、2口{Np=2×(5/5)}のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された5基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0063】
実施例14の燃料噴射システム10nでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が連結コネクタ4に送られ、連結コネクタ4内で圧力を平均化された燃料が、燃料噴射管3を介して連結コネクタ4からインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【実施例15】
【0064】
実施例15に係る燃料噴射システムの概略図を図21に示す。
実施例15の燃料噴射システム10oは、実施例13、14と同様に5気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
燃料噴射システム10oは、5気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を5基(NI=5)有し、2口{Np=2×(5/5)}のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された5基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0065】
実施例15の燃料噴射システム10oでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6からインジェクター1に供給され、その内部で燃料圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射されるものである。
【実施例16】
【0066】
実施例16に係る燃料噴射システムの概略図を図22に示す。
図22において、1はインジェクター、2はコモンレール、2a、2bはコモンレール2に設けられている圧力供給口、3、3a、3bは燃料噴射管、4は連結コネクタ、5は接続ナット、10pは本実施例の燃料噴射システムである。
実施例16の燃料噴射システム10pは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、2口{(Np=2×(8/8))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された8基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0067】
実施例16の燃料噴射システム10pでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が連結コネクタ4に送られ、連結コネクタ4内で圧力を平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【実施例17】
【0068】
実施例17に係る燃料噴射システムの概略図を図23に示す。
実施例17の燃料噴射システム10qは、実施例16と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10qは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、2口{Np=2×(8/8)}のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された8基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0069】
実施例17の燃料噴射システム10qでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が連結コネクタ4に送られ、連結コネクタ4内で圧力を平均化された燃料が、燃料噴射管3を介して連結コネクタ4からインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【実施例18】
【0070】
実施例18に係る燃料噴射システムの概略図を図24に示す。
実施例18の燃料噴射システム10rは、実施例16、17と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10rは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、2口{(Np=2×(8/8))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された8基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
【0071】
実施例18の燃料噴射システム10rでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6からインジェクター1に供給され、その内部で燃料圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射されるものである。
【実施例19】
【0072】
実施例19に係る燃料噴射システムの概略図を図25に示す。
実施例19の燃料噴射システム10sは、実施例16〜18と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10sは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、4口{(Np=2×(8/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0073】
実施例19の燃料噴射システム10sでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、4基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。また、他の4基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から連結コネクタ4に送られ、その連結コネクタ内で圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【0074】
実施例19では、同じ8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システム、実施例16〜18の場合に比べて、燃料が供給されるインジェクターの数が4基と半分になることで、燃料の行程が短く、燃料噴射管中での圧力変動に対して有利に働く。
【実施例20】
【0075】
実施例20に係る燃料噴射システムの概略図を図26に示す。
実施例20の燃料噴射システム10tは、実施例16〜19と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10tは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、4口{(Np=2×(8/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0076】
実施例20の燃料噴射システム10tでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、4基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から連結コネクタ4に送られ、その連結コネクタ内で圧力が平均化された燃料が、燃料噴射管3を介して連結されているインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
また、他の4基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、燃料噴射管3を介して連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【実施例21】
【0077】
実施例21に係る燃料噴射システムの概略図を図27に示す。
実施例21の燃料噴射システム10uは、実施例16〜20と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10uは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、4口{(Np=2×(8/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0078】
実施例21の燃料噴射システム10uでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、4基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から供給される燃料が、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6にそれぞれ送られ、インジェクター1内で圧力が平均化された燃料が、対象となる気筒内に噴射されるものである。
また、他の4基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から供給される燃料が、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6にそれぞれ送られ、インジェクター1内で圧力が平均化された燃料が、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のものを用いている。
【符号の説明】
【0079】
1 インジェクター
2 コモンレール
2a、2b、2c、2d 圧力供給口
3 燃料噴射管(主にインジェクター管を連通するもの)
3a、3b、3c、3d 燃料噴射管(圧力供給口と連通するもの)
4 連結コネクタ
5 接続ナット
6 インジェクターの燃料吸入口
10 燃料噴射システム
10a〜10u 本発明の実施例に係る燃料噴射システム
11、25 燃料供給管
12、24 高圧供給ポンプ
20A 従来例の燃料噴射システム
20B 従来例の燃料噴射システム(特許文献1、図)
21 インジェクター
22 コモンレール
23 燃料噴射管
26 連結パイプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼル内燃機関のコモンレール式噴射システムに関するもので、詳しくはディーゼル内燃機関に使用される、燃料をコモンレールで蓄圧して各気筒に噴射するコモンレール式燃料噴射システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディーゼル内燃機関用のコモンレール式燃料噴射システムは、高圧供給ポンプによってコモンレールに高圧燃料を蓄圧し、コモンレールで蓄圧された高圧燃料を各気筒毎に噴射する電磁制御式の燃料噴射システムであり、図28に従来のディーゼル内燃機関のコモンレール式燃料噴射システムを示す。
その構造は、ディーゼル内燃機関の各気筒毎に設けられるインジェクター、インジェクターに供給する燃料の圧力を蓄圧するコモンレール、そのコモンレールに高圧燃料を供給する高圧燃料供給ポンプ、コモンレールとインジェクターとをそれぞれ連通する燃料噴射管、及びコモンレールと高圧供給ポンプとを連通する燃料供給管を備えている。
【0003】
このようなコモンレール式燃料噴射システムにおいて、コモンレール及び燃料噴射管を大型化することなく、簡単な手段によって燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動(噴射時の圧力降下)を抑制し、均一な噴射圧力特性を得る手段が望まれている。
【0004】
図28に示す従来技術において、燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動(噴射時の圧力降下)を抑制し、均一な噴射圧力特性を得るには、噴射時の圧力降下量を低減する必要がある。そのためには、より大きな噴射管内径とすることが有効である。一方、煙の排出を抑制するため、今後さらなるコモンレールシステムの高圧化も要求されているが、この噴射管内径を大きくした場合、内圧疲労強度性能の向上が必要となるため既存の材料より管強度を高める必要がある。そのため燃料管材質を厳選するとともに、高価な製造プロセスを要することになり、製造コストの上昇が必須となってしまう。
【0005】
このような課題に対して、本出願人は特許文献1に示す技術を提案している。その代表例を図29に示す。
特許文献1では、図29に示すような、隣接するインジェクター21間をパイプ26で接続し、そのパイプ26内を副蓄圧室として機能させること、また隣接するインジェクター21をパイプ26でつなぐ手段として、コモンレール22から燃料噴射管23を介してインジェクター21内に高圧燃料を導入する高圧流路内又は燃料噴射による圧力変動が伝わるインジェクター21内部の高圧流路内に燃料噴射管23との接続部とは別の接続部を設け、この接続部にパイプ26を接続し、隣接する気筒のインジェクターの同じ接続部とつなぐことによりコモンレール22、燃料噴射管23及びインジェクター21の内容積を確保するもので、これによりコモンレール及び燃料噴射管の内径を大きくしたり、長さを長くしたりすることなく、燃料噴射の応答性(車載CPUからの指令信号に対する追従性)を高め、燃料噴射に伴うインジェクター内の圧力降下を防止することにより、応答性良くかつ正確な噴射特性を有する燃料噴射システムを得るものである。
【0006】
また、特許文献2の図10では、エンジンの各気筒の燃焼室に対応して、それぞれ噴射弁2が配置され、噴射制御用の電磁弁の3がオン、オフされることにより、決められた気筒順に、例えば♯1、♯3、♯4、♯2の順番に各気筒の燃焼室に燃料を噴射する。これらの噴射弁2は、それぞれ図1に示す第1の燃料通路14を有する分岐供給管4を介して各気筒に共通なコモンレール5に接続されている。また、このコモンレール5内に形成された蓄圧室15には高圧燃料が所定圧に蓄圧されるようになっており、その蓄圧室15に蓄圧された高圧燃料は、電磁弁3が開弁している間、分岐供給管4を介して噴射弁2からエンジン1の各気筒の燃焼室に噴射される。さらに脈動低減機関として、分岐供給管4の隣り合うもの同士が連結管61、62、63で連結され、分岐供給管4の剛性を高めている。
したがって、細管としての分岐供給管4の振動振幅が低減できる燃料噴射装置が提案されている。
【0007】
さらに、特許文献3の図2に提案される蓄圧式燃料噴射装置は、高圧燃料ポンプ1により加圧された燃料を、燃料通路10aに連通し各気筒に共通する高圧蓄圧器3に貯溜するものであるが、この燃料通路10aの途中には、例えば、二方電磁弁から成る燃料噴射率切換用の切換弁(第1制御弁)5を各気筒毎に設け、その切換弁5の直ぐ下流に上流側から下流側にのみ燃料の流れを許容する逆止弁32が設けられている。さらに、この燃料通路10aには、逆止弁32の下流において、燃料通路10aから分岐した燃料通路10bを介して各気筒に共通の低圧蓄圧器(第2蓄圧器)4が接続されている。
また、分岐した燃料通路10bの途中には逆止弁6と、当該逆止弁6をバイパスするバイパス通路が設けられており、このバイパス通路にはオリフィス6aが設けられている。逆止弁6は、低圧蓄圧器4から燃料通路10a方向にのみ燃料の流れを許容している。
即ち、燃料通路10a内の燃料圧が分岐した燃料通路10b内の燃料圧よりも高い場合、燃料通路10a内の燃料がオリフィス6aを通して、分岐した燃料通路10bに流入し、更に低圧蓄圧器4に流入することによって燃料圧の変動を抑制するものである。
【0008】
このような特許文献1、2、3に提案される従来技術では、蓄圧容積を増大させることで燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動を抑制し、均一な噴射圧力特性を得ることは可能であるが、その構造が複雑で、装置重量の増大を招いてしまう欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−182792号公報(図2参照)
【特許文献2】特開平10−30521号公報(図10参照)
【特許文献3】特開2000−161171号公報(図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような状況に鑑み、本発明はコモンレール及び燃料噴射管をさらに大型化することなく、簡単な手段によって燃料噴射によるインジェクター内の圧力変動を抑制し、均一な噴射圧力特性が得られ、ディーゼル内燃機関からの有害な排出ガスの低減が可能となるコモンレール式燃料噴射システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の発明は、多気筒ディーゼル内燃機関の気筒毎に設けられる燃料吸入口を有するインジェクターと、そのインジェクターに供給する燃料の圧力を蓄圧するコモンレールと、コモンレールに高圧燃料を供給する高圧供給ポンプと、コモンレールと高圧供給ポンプとを連通する燃料供給管と、コモンレールに設けられた圧力供給口に連通し、且つインジェクターとコモンレールに設けられた圧力供給口とを連通する燃料噴射管を備えたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、その燃料噴射管が、少なくとも3基以上のインジェクターを直列に連通し、コモンレールに設けられる圧力供給口の口数NPが、インジェクターの数NIより少なく、且つ、各気筒のインジェクターへの高圧燃料の供給が、2系統の燃料噴射管を通して行われることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システムである。
【0012】
本発明の第2の発明は、第1の発明における多気筒ディーゼル内燃機関が、3気筒以上のディーゼル内燃機関であることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システムである。
【0013】
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明における多気筒ディーゼル内燃機関が、3基以上のインジェクターを備えるディーゼル内燃機関であることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システムである。
【0014】
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明におけるコモンレールに設けられる圧力供給口の口数とインジェクターの数との関係が、下記(1)式に示されるように、インジェクターの数NIの約数のうち、3以上の約数でインジェクター数NIを除した数の2倍の数が圧力供給口の口数NPになることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システムである。
【0015】
【数1】
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来の構造に比べ噴射により発生する圧力脈動を抑制し、噴射時の圧力降下量を低減して噴射期間中の圧力の平均値(以後、平均噴射圧力値と称す)を向上させることによって、煙の排出量の低減が可能となる。
また、噴射管に作用するピーク圧力の低減が可能となるため、噴射管の内圧疲労強度性能上有利となり、コモンレールシステムの設定圧力を上げることができ、煙の排出量の抑制が可能となる。
また、平均噴射圧力値を高めることも可能なため、コモンレールシステム自体の噴射圧力を必要以上に高めなくてもよく、コモンレールシステム(ポンプ、コモンレール、インジェクター)の小型化をはかることができる。
さらに、上記作用に付随して、燃費の改善効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図2】燃料噴射時の燃料噴射管内の圧力変化を示す図で、(a)はクランク軸の回転角度におけるインジェクター針弁の作動状態を示す図、(b)は(a)の状態時における燃料噴射管内の圧力変化を示す図である。
【図3】燃料噴射前後および燃料噴射期間中における燃料噴射管内の平均圧力を示す図である。
【図4】エンジン実機における煙の排出量を示す図である。
【図5】BSFC指標による燃費を示す図である。
【図6】噴射管内の平均圧力を燃料噴射システム全容積で割った値、すなわち燃料噴射システム単位容積あたりの噴射管内平均圧力を示す図である。
【図7】実施例1に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図8】実施例2に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図9】実施例3に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図10】実施例4に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図11】実施例5に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図12】実施例6に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図13】実施例7に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図14】実施例8に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図15】実施例9に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図16】実施例10に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図17】実施例11に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図18】実施例12に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図19】実施例13に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図20】実施例14に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図21】実施例15に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図22】実施例16に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図23】実施例17に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図24】実施例18に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図25】実施例19に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図26】実施例20に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図27】実施例21に係る燃料噴射システムを説明する概略図である。
【図28】従来例に係る燃料噴射システムの概略図である。
【図29】特許文献1(図2)に示される燃料噴射システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明の燃料噴射システムを説明する概略図で、6気筒ディーゼル内燃機関に対応するものである。
図1において、1はインジェクター、2はコモンレール、2a、2bは圧力供給口、3は燃料噴射管、3a、3bも燃料噴射管でコモンレールのそれぞれの圧力供給口2a、2bと連通している、4は連結コネクタ、5は接続ナット、11は燃料供給管、12は高圧供給ポンプ、10は本発明の燃料噴射システムである。
圧力供給口の口数Npは2、インジェクター1の数NIは6で、数NIの約数の内3以上の約数の内6で除した数を2倍した数が圧力供給口の口数Npとなる場合である。
ここで、燃料噴射管3a、3bは、それぞれコモンレール2の圧力供給口2a、2bに連通し、6基の各インジェクター1を直列に連通する燃料噴射管3に高圧燃料を供給するものである。
【0019】
さらに、圧力供給口の口数Npと、インジェクター1の数NIの関係を纏めると、下記式(2)に示される関係となり、実際の多気筒ディーゼルエンジン(3気筒から8気筒)における、その関係を表1に示す。より多気筒の場合においても、式(2)の関係は適用できるものである。
【0020】
【数2】
【0021】
【表1】
【0022】
さらに、図1において各インジェクター1には、インジェクター1内への燃料吸入前に、燃料噴射管3aを通じた燃料供給系統Aと、燃料噴射管3bを通じた燃料供給系統Bの2系統からの燃料を、例えば図1に見られるような連結コネクタ4で混合する形で高圧燃料が供給されている。
このように2系統、即ち2方向から燃料を供給することにより、混合後の燃料圧力は、その2系統の平均圧力となり圧力変動(脈動)が緩和される結果となる。
【0023】
この2系統の経路から供給される燃料の混合の仕方は、図1の燃料噴射システム10に見られるように、気筒内への燃料の噴射前に行われなければならない。そこで、図1のようにインジェクター1に供給される前に、燃料経路を連結する連結コネクタ4のような部品を用いて、連結と燃料の混合を同時に行う方法、或いはインジェクターに2か所の燃料吸入口を設け、それぞれの燃料流入口に各燃料経路の燃料噴射管を連通してインジェクター内で燃料の混合を行う方法などが考えられる。
【0024】
また、図1を用いた説明では、コモンレールに設けられる圧力供給口の数Npが2口1組の偶数個の場合について述べているが、圧力供給口を奇数個設ける場合、例えば圧力供給口を3口1組で設けても良い。
【実施例】
【0025】
以下、実施例を用いて、本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0026】
図7は、実施例1に係る燃料噴射システム10aの概略図(以下の図面において、燃料供給管および高圧供給ポンプなどの同じ機器を使用する場合には図示せず)である。
図7において、1はインジェクター、2はコモンレール、2a、2bはコモンレール2に設けられている圧力供給口、3、3a、3bは燃料噴射管、4は連結コネクタ、5は接続ナットである。
【0027】
6気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を6基(NI=6)有し、2口{(Np=2×(6/6))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された6基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
実施例1の燃料噴射システム10aでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
【0028】
(従来例)
従来例として、図28に示す燃料噴射システムを用いた。
図28において、20Aは従来例の燃料噴射システム、21はインジェクター、22はコモンレール、23は燃料噴射管、なお燃料供給管や高圧供給ポンプなどは図示していない。
図28に示す燃料噴射システム20Aは、実施例1と同様に6気筒ディーゼル内燃機関に対応する燃料噴射システムで、コモンレール22から各6基のインジェクター21の個々に連通して高圧燃料を供給する6本の燃料噴射管23がコモンレールの6口の圧力供給口と連通している。
【0029】
[本発明の燃料噴射システムの性能比較]
実施例1(図7の燃料噴射システム10a)と、従来例(図28の燃料噴射システム20A)の燃料噴射システムを用いて、燃料噴射時の噴射管内の圧力変化、排出ガスの挙動、および燃費挙動を測定した。
その結果を図2〜図6を用いて説明する。
【0030】
図2は、エンジンのクランク角度(Crank Angle)を横軸に、(a)はインジェクター針弁の作動量、(b)は噴射管内圧力を縦軸にプロットしたもので、あるクランク角度においてリフトアップした場合に、従来例(図28に示す燃料噴射システム20A)と、本発明例である実施例1(図7に示す燃料噴射システム10a)の場合を比較したものである。
1方向からの燃料供給を受ける従来例では、リフトに伴い大きな圧力ドロップおよび圧力変動が生じているのに対して、2方向から燃料供給を受ける本発明例では燃料供給が促進されるため、圧力ドロップおよび圧力変動が抑制できることがわかる。
【0031】
図3は、燃料噴射前後および燃料噴射期間中の噴射管内の平均圧力を示す図で、従来例と実施例1の燃料噴射システムで比較したものである。
一般に、高い平均噴射圧力を得ることで燃焼効率が高まり、煙排出量の低減および燃費の改善が得られる。
図3から平均噴射圧力は、従来例では噴射前圧力の95%であるが、本発明例では98%まで高い圧力を得られる。
【0032】
図4は、エンジン実機におけるNOx排出量と煙排出量の関係を比較した図で、NOxの発生を抑えた燃焼において、煙の排出量は従来例と比較して15%低減すると共に、同じ煙の排出量で比べるとNOxの発生が抑制されていることがわかる。
【0033】
また、図5はBSFC(Break Specific Fuel Consumption)指標による燃費とNOx排出量との関係を示す図で、同量のNOxを排出する燃焼条件では、その燃費は2%程度、本発明例の実施例1が良くなることを示している。
【0034】
図3から図5に示す結果から、本発明に係る燃料噴射システムは、従来構造の燃料噴射システムに比べ、燃料噴射により発生する圧力脈動を抑制し、燃料噴射管に作用するピーク圧力の低減が可能となるため、コモンレールシステム(高圧供給ポンプ、コモンレール、インジェクター)の設定圧力を上げることができ、煙の排出量抑制に大きな効果を示す。
さらに、噴射期間中の噴射圧力を高めることも可能であることから、コモンレールシステム自体の噴射圧力を必要以上に高めなくてもよく、コモンレールシステム(ポンプ・レール・インジェクタ)の小型化をはかることができる。
【0035】
次に、排出ガス性能と相関関係にある平均噴射圧力に対して、特許文献1〜3に示す従来例の燃料噴射システムと、実施例1の本発明例の燃料噴射システムにおける付加容積の効果を公平に評価するため、噴射管内の平均圧力を燃料噴射システム全容積で割った値(すなわち燃料噴射システム単位容積あたりの噴射管内平均噴射圧力値)で比較した。その結果を図6に示す。
いずれの従来例に対しても、本発明例は高い値を示し、排出ガス性能も本発明に係る燃料噴射システムの方が優れている。
【実施例2】
【0036】
実施例2に係る燃料噴射システム10bの概略図を図8に示す。
実施例2の燃料噴射システム10bは、実施例1と同じ6気筒ディーゼル内燃機関のもので、備わるインジェクター1の数NIも6基、コモンレール2に備わる圧力供給口も、その数Npは2口(2a、2b)と同じものであり、連結コネクタ4を介して2系統の燃料供給経路A、Bの圧力を平均化した燃料が、インジェクター1に供給されて、気筒内に噴射される。
【0037】
実施例1との違いは、連結コネクタ4から燃料噴射管3を介してインジェクター1に燃料を送る点である。この燃料噴射管3を介することにより、エンジンルーム内での燃料噴射システムの配置自由度が増加する利点を有する。
【実施例3】
【0038】
実施例3に係る燃料噴射システム10cの概略図を図9に示す。
実施例3の燃料噴射システム10cは、実施例1、2と同じ6気筒ディーゼル内燃機関のもので、備わるインジェクター1の数NIも6基、コモンレール2に備わる圧力供給口も、その数Npは2口(2a、2b)と同じものであるが、実施例1、2のように連結コネクタを介さず、インジェクター1が備える2か所の燃料吸入口6、6のそれぞれに2系統の燃料供給経路A、Bからの燃料が直接に与えられ、インジェクター1内において圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射される形式の燃料噴射システムである。
【実施例4】
【0039】
実施例4に係る燃料噴射システムの概略図を図10に示す。
実施例4の燃料噴射システム10dは、実施例1〜3と同じ6気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を6基(NI=6)有し、4口{(Np=2×(6/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0040】
実施例4の燃料噴射システム10dでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、3基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。また、他の3基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【0041】
実施例4では、実施例1〜3の場合に比べて、燃料が供給されるインジェクターの数が3基と半分になることで、燃料の行程が短く、燃料噴射管中での圧力変動に対して有利に働く。
【実施例5】
【0042】
実施例5に係る燃料噴射システムの概略図を図11に示す。
実施例5の燃料噴射システム10eは、実施例4と同様の型式の燃料噴射システムである。
実施例1〜3と同じ6気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を6基(NI=6)有し、4口{(Np=2×(6/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0043】
実施例5の燃料噴射システム10eでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、3基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、燃料噴射管3で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。また、他の3基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、燃料噴射管3で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【0044】
実施例5では、実施例1〜3の場合に比べて、燃料が供給されるインジェクターの数が3基と半分になることで、燃料の供給行程が短くなり、燃料噴射管中での圧力変動に対して有利に働く。
実施例4の燃料噴射システム10dとは、インジェクター1が連結コネクタ4と燃料噴射管3を介して接続される点が異なっている。
【実施例6】
【0045】
実施例6に係る燃料噴射システムの概略図を図12に示す。
実施例6の燃料噴射システム10fは、実施例4と同様の型式の燃料噴射システムである。
実施例1〜5と同じ6気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を6基(NI=6)有し、4口{(Np=2×(6/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
【0046】
実施例6の燃料噴射システム10fでは、実施例4、5の場合と同様に、各インジェクター1に対する燃料の供給は、3基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6に送られ、インジェクター1内で、その圧力が平均化された燃料が、対象となる気筒内に噴射されるものである。
また、他の3基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6に送られ、インジェクター1内で、その圧力が平均化された燃料が、対象となる気筒内に噴射されるものである。
【0047】
実施例6では、実施例1〜3の場合に比べて、燃料が供給されるインジェクターの数が3基と半分になることで、燃料の行程が短く、燃料噴射管中での圧力変動に対して有利に働く。
実施例4、5の燃料噴射システム10d、10eとは、燃料圧力の平均化がインジェクター1内部で行われる点が異なっている。
【実施例7】
【0048】
実施例7に係る燃料噴射システムの概略図を図13に示す。
実施例7の燃料噴射システム10gは、3気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を3基(NI=3)有し、2口{(Np=2×(3/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0049】
実施例7の燃料噴射システム10gでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
【実施例8】
【0050】
実施例8に係る燃料噴射システムの概略図を図14に示す。
実施例8の燃料噴射システム10hは、実施例7と同様の型式の燃料噴射システムである。
実施例8の燃料噴射システム10hは、3気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を3基(NI=3)有し、2口{(Np=2×(3/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0051】
この燃料噴射システム10hでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、連結コネクタ4と燃料噴射管3によって連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
【実施例9】
【0052】
実施例9に係る燃料噴射システムの概略図を図15に示す。
実施例9の燃料噴射システム10iは、実施例7、8と同様の型式の燃料噴射システムである。
実施例9の燃料噴射システム10iは、3気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を3基(NI=3)有し、2口{(Np=2×(3/3))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された3基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
【0053】
この燃料噴射システム10iでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から送られる高圧燃料が、2か所の燃料吸入口6からインジェクター1に供給され、その内部で燃料圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射されるものである。
【実施例10】
【0054】
実施例10に係る燃料噴射システムの概略図を図16に示す。
実施例10の燃料噴射システム10jは、4気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を4基(NI=4)有し、2口{(Np=2×(4/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0055】
実施例10の燃料噴射システム10jでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【実施例11】
【0056】
実施例11に係る燃料噴射システムの概略図を図17に示す。
実施例11の燃料噴射システム10kは、実施例10と同様の型式の燃料噴射システムである。
4気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を4基(NI=4)有し、2口{(Np=2×(4/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0057】
実施例11の燃料噴射システム10kでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、連結コネクタ4と燃料噴射管3を介して連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【実施例12】
【0058】
実施例12に係る燃料噴射システムの概略図を図18に示す。
実施例12の燃料噴射システム10lは、実施例10と同様の型式の燃料噴射システムである。
4気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を4基(NI=4)有し、2口{(Np=2×(4/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
【0059】
実施例12の燃料噴射システム10lでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から送られる高圧燃料が、2か所の燃料吸入口6からインジェクター1に供給され、その内部で燃料圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射されるものである。
【実施例13】
【0060】
図19は、実施例13に係る燃料噴射システムの概略図である。
図19において、1はインジェクター、2はコモンレール、2a、2bはコモンレール2に設けられている圧力供給口、3、3a、3bは燃料噴射管、4は連結コネクタ、5は接続ナットである。
実施例13の燃料噴射システム10mは、5気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を5基(NI=5)有し、2口{(Np=2×(5/5))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された5基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0061】
この燃料噴射システム10mでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が連結コネクタ4に送られ、連結コネクタ4内で圧力を平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【実施例14】
【0062】
実施例14に係る燃料噴射システムの概略図を図20に示す。
実施例14の燃料噴射システム10nは、実施例13と同様に5気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10nは、5気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を5基(NI=5)有し、2口{Np=2×(5/5)}のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された5基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0063】
実施例14の燃料噴射システム10nでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が連結コネクタ4に送られ、連結コネクタ4内で圧力を平均化された燃料が、燃料噴射管3を介して連結コネクタ4からインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【実施例15】
【0064】
実施例15に係る燃料噴射システムの概略図を図21に示す。
実施例15の燃料噴射システム10oは、実施例13、14と同様に5気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
燃料噴射システム10oは、5気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を5基(NI=5)有し、2口{Np=2×(5/5)}のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された5基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0065】
実施例15の燃料噴射システム10oでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6からインジェクター1に供給され、その内部で燃料圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射されるものである。
【実施例16】
【0066】
実施例16に係る燃料噴射システムの概略図を図22に示す。
図22において、1はインジェクター、2はコモンレール、2a、2bはコモンレール2に設けられている圧力供給口、3、3a、3bは燃料噴射管、4は連結コネクタ、5は接続ナット、10pは本実施例の燃料噴射システムである。
実施例16の燃料噴射システム10pは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、2口{(Np=2×(8/8))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された8基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0067】
実施例16の燃料噴射システム10pでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が連結コネクタ4に送られ、連結コネクタ4内で圧力を平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【実施例17】
【0068】
実施例17に係る燃料噴射システムの概略図を図23に示す。
実施例17の燃料噴射システム10qは、実施例16と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10qは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、2口{Np=2×(8/8)}のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された8基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
【0069】
実施例17の燃料噴射システム10qでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が連結コネクタ4に送られ、連結コネクタ4内で圧力を平均化された燃料が、燃料噴射管3を介して連結コネクタ4からインジェクター1に供給され、気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【実施例18】
【0070】
実施例18に係る燃料噴射システムの概略図を図24に示す。
実施例18の燃料噴射システム10rは、実施例16、17と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10rは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、2口{(Np=2×(8/8))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2bから、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された8基のインジェクター1に高圧燃料を供給している。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のもので、2か所の燃料吸入口6を有し、燃料圧力の平均化をインジェクター内で行うタイプのインジェクターである。
【0071】
実施例18の燃料噴射システム10rでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統Aと、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統Bの2方向から高圧燃料が、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6からインジェクター1に供給され、その内部で燃料圧力の平均化が行われ、気筒内に噴射されるものである。
【実施例19】
【0072】
実施例19に係る燃料噴射システムの概略図を図25に示す。
実施例19の燃料噴射システム10sは、実施例16〜18と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10sは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、4口{(Np=2×(8/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0073】
実施例19の燃料噴射システム10sでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、4基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。また、他の4基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から連結コネクタ4に送られ、その連結コネクタ内で圧力が平均化された燃料が、接続ナット5で連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例1と同様の型式のものを用いている。
【0074】
実施例19では、同じ8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システム、実施例16〜18の場合に比べて、燃料が供給されるインジェクターの数が4基と半分になることで、燃料の行程が短く、燃料噴射管中での圧力変動に対して有利に働く。
【実施例20】
【0075】
実施例20に係る燃料噴射システムの概略図を図26に示す。
実施例20の燃料噴射システム10tは、実施例16〜19と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10tは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、4口{(Np=2×(8/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0076】
実施例20の燃料噴射システム10tでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、4基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から連結コネクタ4に送られ、その連結コネクタ内で圧力が平均化された燃料が、燃料噴射管3を介して連結されているインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
また、他の4基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から連結コネクタ4に送られ、その圧力が平均化された燃料が、燃料噴射管3を介して連結されたインジェクター1に供給され、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例2と同様の型式のものを用いている。
【実施例21】
【0077】
実施例21に係る燃料噴射システムの概略図を図27に示す。
実施例21の燃料噴射システム10uは、実施例16〜20と同様に8気筒ディーゼル内燃機関の燃料噴射システムである。
燃料噴射システム10uは、8気筒ディーゼル内燃機関で、インジェクター1を8基(NI=8)有し、4口{(Np=2×(8/4))のコモンレール2に設けられた圧力供給口2a、2b、2c、2dがあり、圧力供給口2a、2bと、それぞれに連通している燃料噴射管3a、3bを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x1群)に高圧燃料を供給し、さらに圧力供給口2c、2dとそれぞれに連通している燃料噴射管3c、3dを通じて、直列に接続された4基のインジェクター1(x2群)に高圧燃料を供給している。
【0078】
実施例21の燃料噴射システム10uでは、各インジェクター1に対する燃料の供給は、4基ずつに分けられたインジェクターのx1群及びx2群に対して、x1群では圧力供給口2a−燃料噴射管3aを通じて送られる燃料供給系統A1と、圧力供給口2b−燃料噴射管3bを通じて送られる燃料供給系統B1の2方向から供給される燃料が、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6にそれぞれ送られ、インジェクター1内で圧力が平均化された燃料が、対象となる気筒内に噴射されるものである。
また、他の4基のインジェクターからなるx2群では、圧力供給口2c−燃料噴射管3cを通じて送られる燃料供給系統A2と、圧力供給口2d−燃料噴射管3dを通じて送られる燃料供給系統B2の2方向から供給される燃料が、インジェクター1の2か所の燃料吸入口6にそれぞれ送られ、インジェクター1内で圧力が平均化された燃料が、対象となる気筒内に噴射されるものである。
なお、インジェクター1は実施例3と同様の型式のものを用いている。
【符号の説明】
【0079】
1 インジェクター
2 コモンレール
2a、2b、2c、2d 圧力供給口
3 燃料噴射管(主にインジェクター管を連通するもの)
3a、3b、3c、3d 燃料噴射管(圧力供給口と連通するもの)
4 連結コネクタ
5 接続ナット
6 インジェクターの燃料吸入口
10 燃料噴射システム
10a〜10u 本発明の実施例に係る燃料噴射システム
11、25 燃料供給管
12、24 高圧供給ポンプ
20A 従来例の燃料噴射システム
20B 従来例の燃料噴射システム(特許文献1、図)
21 インジェクター
22 コモンレール
23 燃料噴射管
26 連結パイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多気筒ディーゼル内燃機関の気筒毎に設けられる燃料吸入口を有するインジェクターと、
前記インジェクターに供給する燃料の圧力を蓄圧するコモンレールと、
前記コモンレールに高圧燃料を供給する高圧供給ポンプと、
前記コモンレールと前記高圧供給ポンプとを連通する燃料供給管と、
前記コモンレールに設けられた圧力供給口に連通し、且つ前記インジェクターと前記コモンレールに設けられた圧力供給口とを連通する燃料噴射管を備えたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、
前記燃料噴射管が、少なくとも3基以上の前記インジェクターを直列に連通し、
前記コモンレールに設けられる圧力供給口の口数NPが、前記インジェクターの数NIより少なく、且つ、
各気筒のインジェクターへの高圧燃料の供給が、2系統の燃料噴射管を通して行われることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システム。
【請求項2】
前記多気筒ディーゼル内燃機関が、3気筒以上のディーゼル内燃機関であることを特徴とする請求項1記載のコモンレール式燃料噴射システム。
【請求項3】
前記多気筒ディーゼル内燃機関が、3基以上の前記インジェクターを備えるディーゼル内燃機関であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコモンレール式燃料噴射システム。
【請求項4】
前記コモンレールに設けられる圧力供給口の口数とインジェクターの数との関係が、下記(3)式に示されるように、前記インジェクターの数NIの約数のうち、3以上の約数でインジェクター数NI除した数の2倍の数が圧力供給口の口数NPになることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコモンレール式燃料噴射システム。
【数3】
【請求項1】
多気筒ディーゼル内燃機関の気筒毎に設けられる燃料吸入口を有するインジェクターと、
前記インジェクターに供給する燃料の圧力を蓄圧するコモンレールと、
前記コモンレールに高圧燃料を供給する高圧供給ポンプと、
前記コモンレールと前記高圧供給ポンプとを連通する燃料供給管と、
前記コモンレールに設けられた圧力供給口に連通し、且つ前記インジェクターと前記コモンレールに設けられた圧力供給口とを連通する燃料噴射管を備えたコモンレール式燃料噴射システムにおいて、
前記燃料噴射管が、少なくとも3基以上の前記インジェクターを直列に連通し、
前記コモンレールに設けられる圧力供給口の口数NPが、前記インジェクターの数NIより少なく、且つ、
各気筒のインジェクターへの高圧燃料の供給が、2系統の燃料噴射管を通して行われることを特徴とするコモンレール式燃料噴射システム。
【請求項2】
前記多気筒ディーゼル内燃機関が、3気筒以上のディーゼル内燃機関であることを特徴とする請求項1記載のコモンレール式燃料噴射システム。
【請求項3】
前記多気筒ディーゼル内燃機関が、3基以上の前記インジェクターを備えるディーゼル内燃機関であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコモンレール式燃料噴射システム。
【請求項4】
前記コモンレールに設けられる圧力供給口の口数とインジェクターの数との関係が、下記(3)式に示されるように、前記インジェクターの数NIの約数のうち、3以上の約数でインジェクター数NI除した数の2倍の数が圧力供給口の口数NPになることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコモンレール式燃料噴射システム。
【数3】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2013−79594(P2013−79594A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219633(P2011−219633)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000120249)臼井国際産業株式会社 (168)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000120249)臼井国際産業株式会社 (168)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】
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