説明

コンクリートスラッジ微粉末の回収方法および回収装置ならびにコンクリートスラッジ微粉末

【課題】 水和反応が未進行のセメント分が高く、高品位なコンクリートスラッジ微粉末を安価に得るコンクリートスラッジ微粉末の回収方法を提供する。
【解決手段】
残コンクリート等のスラリー状被処理物から所定の篩(3、5)によって含砂率が10質量%以下になるように砂利と砂を分離して、湿式サイクロンによって微砂分を分離・除去して、濃縮スラッジ水を得る。これをフイルタプレスにかけて含水率が25〜45質量%の脱水ケーキにする。脱水ケーキを、ロータリドライヤ(RD)の回転ドラム(21)の一方の端部から連続的に供給し、脱水ケーキをリフター(35)により所定高さまで掬い上げ落下させると共に、破砕攪拌翼(31)により破砕する。このとき一方の端部から熱風を吹き込み、破砕と乾燥とを実質的に同時に実施する。他方の端部から連続的にコンクリートスラッジ微粉末を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の水が加えられた残コンクリートまたは戻りコンクリート、あるいはレディミクストコンクリート工場から発生する洗浄廃水、等のスラリー状被処理物を処理して脱水ケーキを得る処理工程と、前記処理工程の実施により得られる脱水ケーキを破砕しながら乾燥する破砕・乾燥工程とからなるコンクリートスラッジ微粉末の回収方法および回収装置ならびにコンクリートスラッジ微粉末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セメント、砂、砂利等からなるコンクリート、セメントと砂とからなるモルタル等は、一般に所定箇所に設けられているレディミクストコンクリート工場により製造されている。そして、レディミクストコンクリート工場からコンクリートの打設現場まではコンクリートミキサ車で輸送されている。このようなレディミクストコンクリート工場は、従来周知のように、コンクリート混練用のミキサを備えている。そして、コンクリート混練用のミキサの下方にミキサ車が乗り入れられるようになっている。混練完了後、コンクリート混練用ミキサのゲートを開くと、コンクリートはホッパを介して、配車されたミキサ車に重力により供給される。略同様にして、モルタルも製造され、そして重力によりホッパを介してミキサ車に供給される。
【0003】
上記のようにして製造されるコンクリート、モルタル等は、ミキサ車によりコンクリート打設現場まで輸送され、そしてドラムを逆回転して荷卸されるが、荷卸後にミキサ車のシュート、排出羽根部等に付着しているモルタル等は、固化する前に洗浄されている。ところで、洗浄後に発生する洗浄廃水は、その中にセメント成分を含んでいるので、産業廃棄物となる。したがって、荷卸現場近くの空き地、道路、河川等に直接廃棄することは許されない。また、一般にコンクリート打設現場には、洗浄廃水を処理する施設はない。そこで、洗浄廃水はミキサ車のドラムに回収されて、レディーミクストコンクリート工場まで輸送され、付設されている洗浄廃水処理施設に排出して処理されている。このようなことは残コンクリート、戻りコンクリートの処理についてもいえる。
【0004】
上記のようなコンクリート混練用のミキサ、運搬用のミキサ車等を洗浄した洗浄廃水、および残コンクリート、戻りコンクリート等を処理して得られる処理廃水は、コンクリート混練水の一部として利用することも提案されている。また、洗浄廃水・処理廃水には、砂利、砂以外に固形物すなわちスラッジを含んでいるが、このスラッジ粉末は珪酸石灰肥料としても、また軟弱地盤の改良材としても利用できる。そこで、コンクリートスラッジ微粉末の回収方法および回収装置が、特許文献により色々提案されている。特に、本発明の直接的な先行技術文献として特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−254099号
【0006】
特許文献1には、次の各工程(A)〜(G)からなるコンクリートスラッジ微粉末の回収方法が記載されている。
(A)洗浄廃水・処理廃水に含まれる微砂分を含砂率が10質量%以下になるように除去した回収水を得る微砂除去工程と、
(B)該工程により得られた回収水に無機系凝集剤を添加して上澄み水とスラッジ水に分離沈殿させる凝集沈殿工程と、
(C)該工程により分離されたスラッジ水を脱水して脱水ケーキを作製する脱水処理工程と、
(D)該工程で得られた脱水ケーキを硬化前に解砕し、10〜15mmの厚さに平面圧延する解砕処理工程と、
(E)該工程で解砕された脱水ケーキを含水比が50〜60質量%で最大粒径が20mm以下となるように乾燥する乾燥工程と、
(F)該工程で得られた乾燥スラッジを風力を利用した粉砕装置で微粉砕して丸みを帯びた微粒子を製造する微粉砕工程と、
(G)該工程で製造された微粒子を捕集する捕集工程とを含むコンクリートスラッジ微粉末回収方法が記載されている。
【0007】
また、上記回収方法を実施する実施の形態として、上記特許文献1には、図4に示されているようなコンクリートスラッジ微粉末の回収装置が示されている。すなわち、洗浄廃水・処理廃水中の砂利、砂等を選り分ける骨材回収装置51、この骨材回収装置51により除去された洗浄廃水・処理廃水中の微砂分を分離する湿式サイクロン52、この湿式サイクロン52のオーバーフローに無機系凝集剤を添加して固形物を沈殿させる凝集沈殿槽53、この凝集沈殿槽53で分離されたスラッジ水を濃縮して脱水ケーキを得る脱水装置54、この脱水装置54により得られる脱水ケーキを破砕する解砕機55、この解砕機55で解砕された脱水ケーキを乾燥する乾燥機56、この乾燥機56により乾燥された乾燥スラッジを微粉砕する風力式粉砕機57、この風力式粉砕機57により微粉砕されたスラッジを回収する乾式サイクロン58等から構成されたコンクリートスラッジ微粉末回収装置が示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の発明は、レディーミクストコンクリート工場から発生する洗浄廃水や残コンクリートを処理して得られる処理廃水を処理して、含砂率が10質量%以下となるように微砂分を除去する工程あるいは手段を有するので、再利用に適した質の良いコンクリートスラッジ微粉末が得られるという特徴を有する。しかしながら、色々改良すべき点が認められる。
【0009】
例えば、下記の表1は特許文献1に記載の装置により得られるスラッジ微粉末の化学成分を示す表であるが、この表1に示されているように、普通ポルトランドセメントの強熱減量に比較して特許文献1に記載のスラッジ微粉末の強熱減量は極めて大きい。これとは逆に、酸化カルシウム(CaO)の量は少ない。このように量が異なるのは、セメントの水和反応が進行しているからであると考えられる。すなわち、セメント中の酸化カルシウムは水分を吸収して水酸化カルシウムとなり、さらに二酸化炭素と化合して炭酸カルシウムになるが、このような水和反応の進行により酸化カルシウムの量は減り、逆に水分と二酸化炭素の含有量、換言すると強熱減量は増大する。水和反応が進行したセメントは、比重が小さく、強度の低下を招くので、品質的に劣ることになる。
【0010】
【表1】

【0011】
また、密度について検討すると、普通ポルトランドセメントの密度が3.16g/cmであるのに対し、特許文献1に記載のスラッジ微粉末の密度は2.21〜2.39g/cmのように小さい。水和反応は、セメント粒子の表面から進行していくが、密度が小さいということは、水和反応が進行しているからであると考えられる。このような水和反応は、処理時間と共に進行するが、特許文献1に記載の回収方法によると、脱水ケーキを解砕して含水比が50〜60質量%で最大粒径が20mm以下となるように乾燥し、そして乾燥スラッジを風力を利用した風力粉砕装置で微粉砕するようになっている。つまり、乾燥するとき所定の粒径で乾燥しているので粒状の被処理物は体積に比して表面積は十分に大きくはなく乾燥に時間がかかってしまうし、風力粉砕装置で処理するために比較的含水比が高い状態で乾燥を停止せざるを得ない。すなわち、被処理物はセメント分の水和反応が急速に進行してしまう高温状態になっている時間が長い。そうすると、風力粉砕機によって粉砕され乾燥されても水和反応が進んでしまっているので、密度が小さく、品質が落ちていると考えられる。
【0012】
さらには、スラッジ回収方法を実施するための装置の点から見ると、特許文献1に記載の回収装置は、発明の構成に欠くことのできない事項として、格別に効果を奏するとは認められない沈殿槽を備えているので、全体として装置が高価になっている。また、脱水ケーキを解砕する解砕手段、この解砕手段で解砕された脱水ケーキを50〜60質量%に乾燥する乾燥手段、この乾燥手段で乾燥された乾燥スラッジを風力により微粉砕する微粉砕手段を、発明の構成要件として備えているので、さらに高価になっている。
【0013】
したがって、本発明は、安価な施設でありながら高品位のコンクリートスラッジ微粉末、すなわち水和反応が未進行のセメント分が高いコンクリートスラッジ微粉末を得ることができるコンクリートスラッジ微粉末の回収方法、およびこの回収方法の実施に使用される回収装置を提供することを目的としている。また、再利用に適した高品位のコンクリートスラッジ微粉末を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の上記目的は、回転式乾燥機すなわちロータリドライヤを適用することにより達成される。このロータリドライヤによると、破砕と粉砕と乾燥とを実質的に同時的に実施できる。これにより、高品質のコンクリートスラッジ微粉末を得ることができる。また、設備あるいは施設費は安価になる。
【0015】
すなわち、請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、所定の水が加えられた残コンクリートまたは戻りコンクリート、あるいはレディミクストコンクリート工場から発生する洗浄廃水、等のスラリー状被処理物を処理して脱水ケーキを得る処理工程と、前記処理工程の実施により得られる脱水ケーキを破砕しながら乾燥する破砕・乾燥工程とからなるコンクリートスラッジ微粉末の回収方法であって、前記処理工程は、前記スラリー状被処理物中の砂利と砂を分離して含砂率が10質量%以下となるスラッジ水を得る分離工程と、湿式サイクロンによって前記分離工程により得られたスラッジ水から微砂分を分離・除去する微砂分除去工程と、前記微砂分除去工程により得られた濃縮スラッジ水をフイルタプレスにかけて含水率が25〜45質量%の脱水ケーキを得る脱水ケーキ製造工程とからなり、前記破砕・乾燥工程は、前記脱水ケーキ製造工程により得られた脱水ケーキを、回転ドラムの一方の端部から連続的に供給し、供給される脱水ケーキをその内周壁に設けられているリフターにより所定高さまで掬い上げ、そして落下させると共に、その内部空間に設けられている破砕攪拌翼により破砕し、このとき一方の端部から熱風を吹き込み、前記脱水ケーキの破砕と乾燥とを実質的に同時に実施し、そして他方の端部から連続的にコンクリートスラッジ微粉末を得るように構成される。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回収方法において、前記破砕・乾燥工程時には脱水ケーキを機械式の定量供給機により回転ドラムに連続的に供給するように構成され、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の回収方法において、前記破砕・乾燥工程時にはバーナーによる燃焼ガスに、コンクリートスラッジ微粉末を回収した排ガスの一部を混入した、100〜140℃の熱風を吹き込むように構成される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、所定の水が加えられた残コンクリートまたは戻りコンクリート、あるいはレディミクストコンクリート工場から発生する洗浄廃水、等のスラリー状被処理物を処理して脱水ケーキを得る処理装置と、前記処理装置により得られる脱水ケーキを破砕しながら乾燥する破砕・乾燥装置とからなるコンクリートスラッジ微粉末の回収装置であって、前記処理装置は、前記スラリー状被処理物中の砂利と砂を分離する所定メッシュの振動篩と、前記振動篩の網下からさらに微砂分を除去する湿式サイクロンと、前記湿式サイクロンのオーバーフローをさらに濃縮するフイルタプレスとからなり、前記破砕・乾燥装置は、脱水ケーキが連続的に供給される軸方向に所定長さの横型の回転ドラムと、該回転ドラムに熱風を吹き込む熱風炉と、前記回転ドラムから排出される排ガスを濾過するバグフイルタとからなり、前記回転ドラムの内部空間には、軸心方向の回転軸に取り付けられている複数個の破砕攪拌翼が設けられていると共に、その内周壁には供給される脱水ケーキを所定高さまで掬い上げ、そして落下させるリフターが設けられ、前記振動篩により含砂率が10質量%以下となるように分離され、前記フイルタプレスにより含水率が25〜45質量%の脱水ケーキが得られるように構成される。請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の回収装置において、前記振動篩は砂利用と、砂用の二つの篩からなり、砂利と砂は別々に回収されるように、そして請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の回収装置において、前記回転軸は軸心から偏位した位置に設けられている。請求項7に記載の発明は、請求項1〜3もいずれかの項に記載の回収方法の実施により回収されるコンクリートスラッジ微粉末であって、該微粉末は少なくとも酸化カルシウムを45〜65質量%、二酸化珪素を15〜30質量%を含み、比表面積が4000〜15000であるコンクリートスラッジ微粉末のように構成される。
【0017】
以下、発明の構成を上記のように限定した理由について説明する。
分離工程において、含砂率が10質量%以下になるように分離するように定めた理由:所定の水が加えられた残コンクリートまたは戻りコンクリート、あるいは、レディミクストコンクリート工場から発生する洗浄廃水、等のスラリー状被処理物は、含砂率が一定ではなく、5〜20質量%になっている。このように含砂率がバラついていると、上記分離工程において得られるスラッジ水から、後の工程によって得られるコンクリートスラッジ微粉末は品質がバラつくことになる。スラッジ水中の含砂率は小さいほど、高品質のコンクリートスラッジ微粉末が得られるが、10質量%以下になるように分離すると、実用上問題がないことが判明しているので、コストの面も考慮して10質量%以下と定めた。
【0018】
脱水ケーキ製造工程において、含水率が25〜45質量%の脱水ケーキを得るように定めた理由:含水率は、(最初の質量−絶乾状態の質量)/最初の質量×100で表され、含水比との関係は「含水率=含水比/(含水比+1)」である。含水率は小さいほど、また一定であればあるほど、後の乾燥工程には有利であるが、含水率の小さい脱水ケーキを得ようとすると、高圧力で処理できるフイルタプレスが必要になり、コスト高になる。また、脱水ケーキを得る時間は長くなり処理能力は落ちるようになる。ところで、本発明によると、脱水ケーキは横型の回転ドラムに供給し、破砕しながら乾燥するので、換言すると脱水ケーキの表面積を大きくしながら熱風で一気に乾燥するので、含水率にさほど影響を受けない。したがって、脱水ケーキの製造工程時のコスト、処理能力等を考慮して、25〜45質量%の緩やかな範囲に定めた。
【0019】
破砕・乾燥工程時に、25〜45質量%の脱水ケーキを、回転ドラムの一方の端部から連続的に供給し、供給される脱水ケーキをその内周壁に設けられているリフターにより所定高さまで掬い上げ、そして落下させると共に、・・・を採用した理由:一般に、脱水ケーキは乾燥処理する前に破砕されている。破砕すると、大きな塊状の脱水ケーキに比べて保管、輸送等の取り扱いが便利になるからである。しかしながら、破砕と乾燥を別工程で実施すると、処理時間が長くなり、被処理物が劣化することがある。すなわち、水和反応が進んで密度が小さくなり、品質が落ちるようになる。また、破砕されているとはいえ、熱風により乾燥するときの熱効率あるいは乾燥効率は必ずしも高くはない。さらには、設備の点から見ると、破砕装置の他に乾燥装置を必要とし、コスト高になる。そこで、本発明は、破砕と乾燥とを実質的に同時に実施するように構成した。また、連続的に処理するために、脱水ケーキを投入するドラムは、横型の回転型にした。横型にすることにより、脱水ケーキを一方の端部から連続的に供給し、そして他方の端部から製品であるコンクリートスラッジ微粉末を連続的に取り出すことができる。回転型にすることにより、破砕と乾燥を促進することができる。また、破砕と乾燥とを同時に実施できるように、回転ドラムの中には脱水ケーキを掬い上げ、そして落下する機能を持たせ、落下する脱水ケーキに直接的に熱風を吹き付けるようにした。このとき、落下する脱水ケーキを破砕および粉砕するようにもした。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によると、処理工程中の分離工程では含砂率が10質量%以下となるスラッジ水を得るので、スラリー状被処理物の含砂率がバラバラであっても均一で高品質のコンクリートスラッジ微粉末を回収することができる。また、フイルタプレスにかける前に、微砂分除去工程によりスラッジ水から微砂分を除去するので、この後の工程においてセメント分の濃度が高く品質の高い脱水ケーキを製造することが可能になる。さらには含水率が25〜45質量%の脱水ケーキを得るので、すなわち脱水ケーキに求められる含水率の範囲が比較的広いので、脱水ケーキを容易にかつ多量に製造することができる。
【0021】
破砕・乾燥工程時には、脱水ケーキを回転ドラムの一方の端部から連続的に供給し、供給される脱水ケーキをその内周壁に設けられているリフターにより所定高さまで掬い上げ、そして落下させると共に、その内部空間に設けられている破砕攪拌翼により破砕し、このとき一方の端部から熱風を吹き込み、前記脱水ケーキの破砕と乾燥とを実質的に同時に実施し、そして他方の端部から連続的にコンクリートスラッジ微粉末を得るので、換言すると脱水ケーキを粉砕して熱風との接触面積を大きくして乾燥するので、熱効率が高く乾燥の処理時間が短い。セメント分は温度が高いと水和反応が急速に進行してしまうので、乾燥の処理時間が長いと被処理物が水分が含まれた状態で高温になる時間が長くなってしまい急速に水和反応が進行してしまう。しかしながら、本発明によると乾燥の処理時間が短いので、乾燥時における水和反応の進行を十分に抑制することができる。したがって、強熱減量は小さく、高密度のコンクリートスラッジ微粉末を回収することができるという、本発明に特有の効果が得られる。また、他の発明によると、熱風に排ガスを一部混入しているので、熱風中の酸素濃度が小さく、コンクリートスラッジ微粉末の劣化を抑えることができる。
【0022】
また、回収装置の点から見ると、脱水ケーキの含水率が25〜45質量%のように比較的ラフであるので、安価なフイルタプレスで対応でき、またスラッジ水の供給圧も低くてすむ。さらには、破砕装置と乾燥装置は兼用されているので、回収装置全体がコンパクトになると共に安価に提供できるという、効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンクリートスラッジ微粉末回収工程あるいは回収装置の、脱水ケーキを得るまでの工程あるいは装置を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るコンクリートスラッジ微粉末の回収装置の、脱水ケーキを得てから後の破砕・乾燥装置を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る、横型のロータリードライヤを示す図で、その(ア)は一部を断面にして全体を示す側面図、その(イ)は(ア)において矢印イーイ方向に見た断面図、その(ウ)は破砕攪拌翼の一部を拡大して示す正面図である。
【図4】従来のコンクリートスラッジ微粉末の回収装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図1〜3により本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る回収装置あるいは回収工程は、大別すると、スラリー状被処理物を処理する処理装置あるいは処理工程と、前記処理工程により得られる脱水ケーキを破砕しながら乾燥する破砕・乾燥装置あるいは破砕・乾燥工程とからなっている。なお、スラリー状被処理物とは、残コンクリートまたは戻りコンクリートに所定の水が加えられてスラリー状にされたもの、あるいはレディミクストコンクリート工場から発生する洗浄廃水である。
【0025】
前記処理装置1は、図1に示されているように、押水貯水槽2、第1の振動篩3、スパイラルフィーダ4、第2の振動篩5、アンダー水槽6、供給用水槽7、再生セメント用のスラッジ循環水槽8、湿式サイクロン10、第3の振動篩9、再生セメント用のスラッジ水槽11、フイルタプレス12等からなっている。そして、砂利、砂、スラッジ等を含んだスラリー状被処理物は、図示されないポンプによりこれらの装置の間を以下に説明するように順次圧送され、そして順次処理されるようになっている。あるいは、重力によりカスケード式に順次下方の装置へと送られ、処理されるようになっている。
【0026】
押水貯水槽2には、レディミクストコンクリート工場に降った雨水、地下水等が貯えられている。この水は、ミキサー車Mから所定のシュートに排出される残コンクリートを押し流して第1の振動篩3に送る押水であり、押し流すときにこの押水が加えられてスラリー状にされた残コンクリートは、流動性が高いので後の処理がし易くなる。なお、レディミクストコンクリート工場の洗浄廃水も、ミキサー車Mに一旦積載された後に、所定のシュートを経由して第1の振動篩3に送られることになるが、このような洗浄廃水は十分に流動性が高いので、押水は必要ない。
【0027】
第1の振動篩3は、スラリー状被処理物を最初に処理する装置であり、傾斜して配置された上下2段の篩から構成されている。スラリー状被処理物は、第1の振動篩3によって、振動および重力により送られる過程で分離されることになり、上段の篩には、例えば直径25mm以上の異物、いわゆるガラが、下段の篩には、例えば直径7mm〜25mmの砂利が、それぞれ分離されることになる。そして、篩い落とされた、いわゆる網下は、砂と微砂とを含んだスラッジ水になっている。分離されたガラは、ガラ箱3cに排出され産業廃棄物として処理されるが、砂利は所定の洗浄水で洗浄された後に砂利ビン3bに送られて、コンクリート材料として利用に供されることになる。洗浄水には、後で説明するフィルタプレス12で分離された分離水を利用することができる。第1の振動篩3の網下はスパイラルフィーダ4に送られる。スパイラルフィーダ4は、従来周知のように、砂の径よりも小さいメッシュの円筒状の網と、この網内で回転駆動されるスクリュとから構成されている。したがって、スパイラルフィーダ4に送り込まれる第1振動篩3の網下は、スクリュにより送られる過程で網により砂分は分離され、砂分が第2の振動篩5へ送られる。一方、スパイラルフィーダ4の網下、つまり微砂を含んだスラッジ水はアンダー水槽6へ供給される。
【0028】
第2の振動篩5は、平面に配置された1段の篩からなり、振動によって砂を送るように構成され、上部から洗浄水が掛けられるようになっている。従って、洗浄された砂が得られると共に、網下には、微砂を含んだ水が得られる。回収された砂は、ベルトコンベヤによって砂ヤード5bに搬送されて貯留され、コンクリート材料として適宜使用される。網下はアンダー水槽6に送られる。
【0029】
アンダー水槽6中の微砂を含んだスラッジ水は、湿式サイクロン10に直接供給されて処理されるようにしてもよいが、本実施の形態においては、一旦供給用水槽7に送られて、その後湿式サイクロン10に供給されるようになっている。湿式サイクロン10は、従来周知のように比重の違いにより固・液を分離するものでスラッジ水から微砂分を分離・除去することができる。湿式サイクロン10のオーバフロー、すなわちスラッジ水はスラッジ循環水槽8に送られるが、比重が大きく微砂を含んだアンダーフローは第3の振動篩9に送られる。第3の振動篩9は、例えば1mmの網目からなる篩であり、セメント分が付着している微砂からセメント分を洗い流すのに適した網目になっている。第3の振動篩9の網上は、第2の振動篩5へ送られて砂が回収され、網下はアンダー水槽6に送られて循環することになり、各工程を繰り返されることによってほとんどの微砂が取り除かれることになる。再生セメント用のスラッジ循環水槽8には、上記のようにして処理されたスラッジ水が貯められることになるが、このスラッジ水は、ミキサー車から排出される残コンクリートを第1の振動篩3に押し流す押水として適宜利用されたり、供給用水槽7に送られて、湿式サイクロン10に供給されることもある。このようにスラッジ循環水槽8に貯められるスラッジ水は、処理装置1を循環することになるが、循環を繰り返すことによって、微砂分が除去されてセメント分の濃度の高いスラッジ水が得られることになる。所定の濃度になったら、スラッジ水はスラッジ循環水槽8からスラッジ水槽11に送られる。このスラッジ水槽11においては、必要に応じて遅延剤を混和してセメント分の水和反応の進行を遅らせることもできる。スラッジ水は、スラッジ水槽11からバッチ式にフイルタプレス12に送られ、そして脱水ケーキが製造される。プレス圧力を調整して所定の含水率の脱水ケーキを得る。
【0030】
フイルタプレス12は、従来周知のものが適用され、含水率が25〜45質量%の脱水ケーキを得る。脱水ケーキは、比較的含水率が高いので柔らかく、後で説明する破砕・乾燥装置20に投入されるとき、スパイラル上に形成されている定量供給機によって捻り潰されながら投入されることになる。
【0031】
得られた脱水ケーキは、図2に示されているように、破砕などの処理をすることなく、そのままの状態でホイールローダで破砕・乾燥装置20に供給する。破砕・乾燥装置20は、図3にも示されているように、ロータリードライヤRDと、これに関連した次に述べるような装置から構成されている。
【0032】
ロータリードライヤRDには、内部に破砕攪拌翼を有し、そして熱風を吹き込むことができるものであれば色々なタイプのドライヤーを適用することができるが、連続的に処理するためには横型が望ましい。その具体的な実施の形態が図3に示されている。本実施の形態によると、横型の回転ドラム21は2カ所で支持されて回転駆動されるようになっている。すなわち、回転ドラム21の一方の端部近傍の外周部にはリング状のレール22が設けられ、このレール22が複数個のローラ23により回転自在に支持されている。他方の端部よりの外周部には、リング状あるいはラック状の歯車25が取り付けられている。この歯車25にモータ26で駆動されるピニオン27が噛み合っている。したがって、回転ドラム21はモータ26により所定方向に回転駆動されることになる。
【0033】
回転ドラム21の内部には、図3の(イ)に示されているように、軸心から片寄った位置に、比較的高速で駆動される回転軸30が軸心方向に設けられている。そして、この回転軸30に複数個の破砕攪拌翼31が取り付けられている。破砕攪拌翼31は、図3の(ウ)に拡大して示されているように、回転軸30から半径外方に延びているアーム32と、このアーム32に、半径方向に所定の間隔をおいて取り付けられている複数本の棒状の翼33、33、…とからなっている。このような破砕攪拌翼31が回転軸30の周り所定の角度、例えば120度の間隔をおいて、軸方向には所定の距離をおいて複数個取り付けられている。
【0034】
また、回転ドラム21の内周面には、複数枚の掻き上げ翼すなわちリフター35、35、…が設けられている。これらのリフター35、35、…は、回転中心部を指向している垂直部35aと、この垂直部35aから回転ドラム22の回転方向に屈曲している傾斜部35bとからなっている。したがって、回転ドラム21を図3の(イ)において矢印A方向に駆動すると、脱水ケーキKは掬い上げられ、そして途中で落とされることになる。このような垂直部35aと傾斜部35bは板状部材から一体的に形成され、図3(ア)に示されているように、回転ドラム21の全長にわたって設けられている。
【0035】
上記のように構成されている回転ドラム21は、図3の(ア)において左側が脱水ケーキの供給側、右側がコンクリートスラッジ微粉末の回収側となっている。供給側には、ホッパ40が設けられている。このホッパ40の下部には機械式の定量供給機41が設けられているので、ホッパ40に運び込まれた脱水ケーキは、定量供給機41により回転ドラム21に定量宛連続的に供給される。定量供給機41には、従来周知のロータリーフイーダあるいはスクリュフイーダからなる。ロータリーフイーダは、複数枚の羽根が一定間隔で取り付けられている回転軸を有する。したがって、回転軸を所定の速度で回転駆動すると、羽根と羽根の間に挟み込まれる脱水ケーキは、回転軸の回転速度に比例して回転ドラム21に供給される。スクリュフィーダも、脱水ケーキはスクリュのフライト間に挟まれて送られるようになっているので、スクリュ軸を所定速度で駆動すると、脱水ケーキは定量宛回転ドラム21に供給される。これらの機械式の定量供給機41により、塊状の脱水ケーキは、捻り潰されながら回転ドラム21内に供給されることになる。なお、定量供給機41のシュート42が、回転ドラム21の内部へ突き出る形で臨んでいる。シュート42の先端部は、図3の(イ)に現れている。
【0036】
回転ドラム21の供給側には、給油タンク50から供給される、例えば重油を燃焼するバーナー51も設けられている。このバーナー51の燃焼熱により加熱される空気と燃焼排ガスおよび後述する排ガスの一部は、熱風炉52から回転ドラム21に連続的に供給されるようになっている。
【0037】
回転ドラム21の回収側には排気フード45が設けられている。排気フード45の上方部分の断面積は充分広くなっている。したがって、回転ドラム21から排気フード45に送られるガスの速度は、排気フード45内で充分遅くなる。これにより、コンクリートスラッジ微粉末は重力により排気フード45の底部に沈降する。排気フード45の下端部には、製品貯蔵ビン60に連なっているスクリュコンベヤ46が設けられている。
【0038】
排気フード45の下流側には、図2に示されているように、吸引フアン49で吸引されるバグフイルター48が接続されている。このバグフイルター48で捕集されるコンクリートスラッジ微粉末は、スクリュコンベヤ46により製品貯蔵ビン60に送られる。バグフイルター48の下流側の排気ガスの一部は、熱風炉42の方へ戻されるようになっている。
【0039】
破砕・乾燥装置20は、次のように作用する。前述したようにして得た脱水ケーキKを、ホイールローダで定量供給ホッパーに送り、定量供給ホッパーによって平準化して供給された脱水ケーキKをベルトコンベヤでホッパ40に運び込む。脱水ケーキKは、機械式の定量供給機41により連続的に所定量宛回転ドラム21に供給される。回転ドラム21を回転駆動すると共に、回転軸30を高速で回転駆動する。また、熱風炉52から熱風を回転ドラム21内に供給する。熱風の温度は、80〜150℃、より好ましくは100〜140℃、さらに好ましくは110〜140℃である。そうすると、定量供給機41により多捻り潰されて投入された脱水ケーキKは、リフター35、35、…により持ち上げられ、そして落下する。脱水ケーキKは、主として落下するとき高速で回転駆動されている破砕攪拌翼31、31、…により破砕され、そして熱風と接触する。このような作用が回転ドラム21の供給側から排出側まで続く。塊状の脱水ケーキKは、供給側から排出側へ送られる過程で徐々に粉砕され、そして乾燥される。排出端部に至ると、脱水ケーキKの粉砕は進行しているので、リフター35、35、…からエアカーテン状に落下する。エアカーテン状に落下する脱水ケーキと熱風が直接接触して乾燥され、コンクリートスラッジ微粉末となる。
【0040】
熱風炉52から送られる熱風により、コンクリートスラッジ微粉末を含んでいる排ガスは排気フード45に送られる。この排気フード45により、前述したようにコンクリートスラッジ微粉末は沈降し、そしてスクリュコンベヤ46により製品貯蔵ビン60に圧送される。また、バグフイルター48の下流側に設けられている吸引フアン49の吸引力により、バグフイルター48で回収されるコンクリートスラッジ微粉末も製品貯蔵ビン60に送られる。このとき、排ガスの一部は、熱風炉52に戻される。製品貯蔵ビン60に貯蔵されているコンクリートスラッジ微粉末は、図2に示されているようにバラ車で所定箇所へ輸送する。あるいは、プレコンパックする。
【0041】
本実施の形態によると、色々な効果が得られる。例えば、回転ドラム21の回転と、破砕攪拌翼35、35、…の高速回転の相乗効果により回転ドラム21の容積に比較し処理量が大きい。また、脱水ケーキを破砕しながら熱風で乾燥するので、すなわち熱風との接触面積を大きくして乾燥するので、熱効率が高い。熱風に排ガスを一部混入しているので、熱風中の酸素濃度が小さく、コンクリートスラッジ微粉末の劣化が小さい。さらには、排ガスの大気中への放出量が少なくなる。
【実施例1】
【0042】
本実施の形態に係るコンクリートスラッジ微粉末の回収方法について、その有効性を確認する以下のテストを実施した。
処理対象であるスラリー状被処理物は、本出願人の工場で得られた残コンクリート、およびミキサー車の洗浄廃液の混合物を使用した。コンクリートスラッジ微粉末の回収装置は、本実施の形態に係る処理装置1を使用した。各装置の条件は次通りである。
第1の振動篩3:上段の篩の目開きが25mm、下段の篩の目開きが7mmの2段式篩。
第2の振動篩5:目開きが0.7mmの篩。株式会社安藤スクリーン製作社製。
第3の振動篩9:目開きが1.0mmの篩。
湿式サイクロン10:多摩サイクロン株式会社製の製品TC−12を使用。
フィルタプレス12:株式会社トーメック製の製品TKD−400ASWDを使用。
ロータリードライヤRD:株式会社大川原製作所製。回転ドラム21の回転数は3.07rpm、破砕攪拌翼31の回転数は304rpm、回転ドラム21内に供給される熱風は100〜140℃。
【0043】
テストの状況は以下の通りである。本実施の形態に係る処理装置1によって処理したところ、スラッジ水槽11において含砂率7.63質量%のスラッジ水を得た。このスラッジ水から、フイルタプレス12によって含水率29.2%の脱水ケーキを得た。含砂率は、全国生コンクリート工業組合連合会規格(ZKT−103)スラッジ固形分中の砂分含有率試験方法によって測定した。このようにして得られた脱水ケーキをロータリードライヤRDに供給して製品S1を得た。これを株式会社環境管理センターに依頼して、JIS R 5202 8等の試験法により成分分析をした。その結果を、比較しやすいように、普通ポルトランドセメントおよび従来の製品の一部の成分と並べて、表2の実施例1のS1に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
以上の実施例1から、本実施の形態に係るコンクリートスラッジ微粉末の回収方法を実施すると、強熱減量は小さく、酸化カルシウムの量は多く、密度は大きくなり、高い品質のコンクリートスラッジ微粉末が得られることが判明した。さらに、25%程度の含水率になるように脱水するだけで、充分高品質が得られることも判明した。コストの点から見て好ましいと考えられる。ただし、含水率が高いと、乾燥処理に時間がかかり、水和反応が進み品質が落ちると思われるので、実用上45%程度が上限と推量される。なお、実質的に同じ条件によって、さらに2回実験したところ実施例2、3のS2、S3が得られた。フイルタプレス12において脱水ケーキにされたときの実施例2、3の含水率は、それぞれ42.1%、25.8%であった。実施例2、3のS2、S3も強熱減量は小さく、酸化カルシウムの量は多く、密度は大きく、高い品質のコンクリートスラッジ微粉末であった。
【符号の説明】
【0046】
3 第1の振動篩 5 第2の振動篩
9 第3の振動篩
10 湿式サイクロン 12 フイルタプレス
21 回転ドラム 31 破砕攪拌翼
35 リフター 52 熱風炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の水が加えられた残コンクリートまたは戻りコンクリート、あるいはレディミクストコンクリート工場から発生する洗浄廃水、等のスラリー状被処理物を処理して脱水ケーキを得る処理工程と、前記処理工程の実施により得られる脱水ケーキを破砕しながら乾燥する破砕・乾燥工程とからなるコンクリートスラッジ微粉末の回収方法であって、
前記処理工程は、前記スラリー状被処理物中の砂利と砂を分離して含砂率が10質量%以下となるスラッジ水を得る分離工程と、湿式サイクロンによって前記分離工程により得られたスラッジ水から微砂分を分離・除去する微砂分除去工程と、前記微砂分除去工程により得られた濃縮スラッジ水をフイルタプレスにかけて含水率が25〜45質量%の脱水ケーキを得る脱水ケーキ製造工程とからなり、
前記破砕・乾燥工程は、前記脱水ケーキ製造工程により得られた脱水ケーキを、回転ドラムの一方の端部から連続的に供給し、供給される脱水ケーキをその内周壁に設けられているリフターにより所定高さまで掬い上げ、そして落下させると共に、その内部空間に設けられている破砕攪拌翼により破砕し、このとき一方の端部から熱風を吹き込み、前記脱水ケーキの破砕と乾燥とを実質的に同時に実施し、そして他方の端部から連続的にコンクリートスラッジ微粉末を得る、コンクリートスラッジ微粉末の回収方法。
【請求項2】
請求項1に記載の回収方法において、前記破砕・乾燥工程時には脱水ケーキを機械式の定量供給機により回転ドラムに連続的に供給するコンクリートスラッジ微粉末の回収方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の回収方法において、前記破砕・乾燥工程時にはバーナーによる燃焼ガスに、コンクリートスラッジ微粉末を回収した排ガスの一部を混入した、100〜140℃の熱風を吹き込むコンクリートスラッジ微粉末の回収方法。
【請求項4】
所定の水が加えられた残コンクリートまたは戻りコンクリート、あるいはレディミクストコンクリート工場から発生する洗浄廃水、等のスラリー状被処理物を処理して脱水ケーキを得る処理装置と、前記処理装置により得られる脱水ケーキを破砕しながら乾燥する破砕・乾燥装置とからなるコンクリートスラッジ微粉末の回収装置であって、
前記処理装置は、前記スラリー状被処理物中の砂利と砂を分離する所定メッシュの振動篩と、前記振動篩の網下からさらに微砂分を除去する湿式サイクロンと、前記湿式サイクロンのオーバーフローをさらに濃縮するフイルタプレスとからなり、
前記破砕・乾燥装置は、脱水ケーキが連続的に供給される軸方向に所定長さの横型の回転ドラムと、該回転ドラムに熱風を吹き込む熱風炉と、前記回転ドラムから排出される排ガスを濾過するバグフイルタとからなり、
前記回転ドラムの内部空間には、軸心方向の回転軸に取り付けられている複数個の破砕攪拌翼が設けられていると共に、その内周壁には供給される脱水ケーキを所定高さまで掬い上げ、そして落下させるリフターが設けられ、
前記振動篩により含砂率が10質量%以下となるように分離され、前記フイルタプレスにより含水率が25〜45質量%の脱水ケーキが得られることを特徴とするコンクリートスラッジ微粉末の回収装置。
【請求項5】
請求項4に記載の回収装置において、前記振動篩は砂利用と、砂用の二つの篩からなり、砂利と砂は別々に回収されるようになっているコンクリートスラッジ微粉末の回収装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の回収装置において、前記回転軸は軸心から偏位した位置に設けられているコンクリートスラッジ微粉末の回収装置。
【請求項7】
請求項1〜3もいずれかの項に記載の回収方法の実施により回収されるコンクリートスラッジ微粉末であって、該微粉末は少なくとも酸化カルシウムを45〜65質量%、二酸化珪素を15〜30質量%を含み、比表面積が4000〜15000であるコンクリートスラッジ微粉末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−67764(P2011−67764A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221080(P2009−221080)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【特許番号】特許第4472776号(P4472776)
【特許公報発行日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(509042389)三和石産株式会社 (10)
【Fターム(参考)】