説明

コンクリートブロックの削掻方法及びコンクリートブロック用削掻機

【課題】 ブロックの側方稜線及び側面の削掻を行い、自然な粗削面を得、削掻加工における生産効率を向上させ、ブロック片がコンベア上に堆積しないようにする。
【解決手段】コンクリートブロック11をコンベア10によって削掻場所に移動し、かつブロック11の底面における側方稜線部をコンベアより突出させて静置する工程と、静置されたブロック11の上方より懸架された削掻機2を下降手段によって下降させてブロックの平面又は底面における側方稜線部13,14及び側面15を削掻する工程を有し、削掻機2がコンベア10上方のフレーム3より懸架されたコンベア10の進行方向に沿って対向する二体の垂直棒4の下端に回転可能に軸支され、前記削掻する工程が削掻機2を回転手段によって回転させ、削掻機2の回転棒5がコンベア10の側方上方に位置するブロック削掻方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートブロックの稜線削掻方法及びコンクリートブロック用稜線削掻機に関し、削掻後のブロック片をコンベア上に堆積させずに、生産効率を向上させるコンクリートブロックの削掻方法及びコンクリートブロック用削掻機を提供する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートブロックにおける稜線を加工する手段としては、主にとロンメルロータが用いられていた。このトロンメルロータは、通常長さ3〜6mの円筒状の回転体を斜めに配置し、内部においてコンクリートブロックを回転攪拌することによってブロック相互を接触することによって稜線を荒削りする方法が挙げられる。この方法は加工時間がかかり加工後のコンクリートブロックが配列されていないので、出荷する際に段組をする必要性があった。
【0003】
そこでコンクリートブロックをコンベア上に並べたまま搬送し、加工機によってコンクリートブロックの表面を加工する方法が検討されていた。例えば、ショットブラスト加工(特許文献1参照)や、高圧の水流や空気流を加工面に噴射する方法等があった(特許文献2及び3参照)。しかし、これらの方法ではブロックの稜線のみを自然に粗削りすることが困難であり、また設備等が大型化するなどの問題点があった。
【0004】
そこで本発明者は、ブロック加工刃を振動体によって振動させながら下降させることによってコンクリートブロックの稜線を削掻する技術を開発した(特許文献4参照)。
かかる方法によってコンクリートブロックの稜線を自然に粗削り等することができるようになった。
【0005】
しかしながら、コンクリートブロックの大きさにあわせて加工刃を設計する必要がある点については問題となっていた。
また加工刃を振動させながらコンクリートブロックの稜線に衝突させることから、削掻したブロックの破片がコンベア上に堆積するという問題があった。
さらにコンクリートブロックの底面における側方稜線を加工することが困難であるという問題もあった。
【0006】
【特許文献1】特開平1−156010号公報
【特許文献2】特開2001−269920号公報
【特許文献3】特開2000−301523号公報
【特許文献4】特開2005−7625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コンクリートブロックの大小にかかわらず安定した側方稜線及び側面の削掻を行い、自然な粗削面を得ることを目的とする。また削掻加工における生産効率を向上させることを目的とする。また削掻したブロックの破片がコンベア上に堆積しないように加工を行うことを目的とする。
【0008】
さらに必要に応じてコンクリートブロックの底面における側法稜線を削掻することがで
きるコンクリートブロックの削掻方法及びコンクリートブロック用削掻機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
(1)静置されたコンクリートブロックの表面を削掻するコンクリートブロックの稜線削掻方法において、コンクリートブロックをコンベアによって削掻場所に移動し、かつコンクリートブロックの底面における側方稜線部をコンベアより突出させて静置する工程と、静置されたコンクリートブロックの上方より懸架された削掻機を下降手段によって下降させてコンクリートブロックの平面又は底面における側方稜線部及び\又は側面を削掻する工程とを有し、該削掻機の回転シャフトがコンベア上方のフレームより懸架されたコンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒の下端に回転可能に軸支されており、前記削掻する工程が削掻機を回転手段によって回転させながら当該表面をコンクリートブロックの側方稜線部及び\又は側面に衝突させることによって削掻し、該削掻機の回転シャフトの軸線がコンベアの側方上方に位置することを特徴とするコンクリートブロックの削掻方法である。
【0010】
(2)静置された前記コンクリートブロックの稜線を削掻する際に、コンクリートブロックの稜線以外の平面を上方より押圧する押圧手段が設けられていることを特徴とする上記(1)に記載されたコンクリートブロックの削掻方法である。
(3)前記削掻機が、コンクリートブロックの平面における側方稜線部を削掻する際には該削掻機が上方から下方へ削掻する方向に回転し、コンクリートブロックの底面における側方稜線部を削掻する際には該削掻機が下方から上方へ削掻する方向に回転方向を切り替えて回転することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載されたコンクリートブロックの削掻方法である。
(4)前記回転シャフトの円周面上に複数のチェーンが形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか一に記載されたコンクリートブロックの削掻方法である。
【0011】
(5)静置されたコンクリートブロックの表面を削掻するコンクリートブロック用稜線削掻機において、コンクリートブロックを搬送し削掻場所に移動し、かつコンクリートブロックの底面における側方稜線部を突出させて静置するコンベアと、静置されたコンクリートブロックの平面及び底面における側方稜線部及び\又は側面を削掻するコンクリートブロックの上方より懸架され加工手段によって上下降する削掻機とを有し、該削掻機がコンベア上方のフレームより懸架されたコンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒に回転可能に軸支されており、かつ該削掻機の軸線がコンベアの側方上方に位置し、前記削掻機を回転手段によって回転させながら当該表面をコンクリートブロックの側方稜線部及び\又は側面に衝突させる手段を有することを特徴とするコンクリートブロック用削掻機である。
(6)前記静置されたコンクリートブロックの稜線以外の平面を上方より押圧する押圧手段が設けられていることを特徴とする上記(5)に記載されたコンクリートブロック用削掻機である。
【0012】
(7)前記削掻機が、コンクリートブロックの平面における側方稜線部を削掻する際には該削掻機が上方から下方へ削掻する方向に回転し、コンクリートブロックの底面における側方稜線部を削掻する際には該削掻機が下方から上方へ削掻する方向に回転する回転方向切替手段を有することを特徴とする上記(6)又は(7)に記載されたコンクリートブロック用削掻機である。
(8)前記削掻金具がチェーンによって形成されていることを特徴とする上記(5)乃至(7)のいずれか一に記載されたコンクリートブロック用削掻機である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、コンクリートブロックの大小にかかわらず安定した側方稜線の削掻を行い、自然な粗削面を得るという効果を奏する。また削掻加工における生産効率を向上させることができる。また削掻したブロックの破片がコンベア上に堆積せず、かつコンベア周りに空間を確保することができる。
さらに必要に応じてコンクリートブロックの底面における側法稜線を削掻加工することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明についての具体的な実施形態を説明する。以下の実施形態は本発明に係るコンクリートブロック用削掻機の例示であり、本発明を限定するものではない。
スプリッターマシンによって破断されたコンクリートブロックをコンベア上に配置し、本実施形態に係るコンクリートブロック用削掻機に搬送される。
搬送されたコンクリートブロックは、コンクリートブロック用削掻機の削掻場所に静置される。この際、コンクリートブロック底面における側方稜線部はコンベアよりはみ出していることを要する。
【0015】
この時、コンクリートブロックの稜線等を削掻するための削掻機は、コンベア上方に配置されたフレームより懸架されている。削掻機はコンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒の下端に回転可能に軸支されている。かかる二体の垂直棒の上端を橋架して結合するフレームが設けられ、かかるフレームの略中心より上方にはシリンダが設置され削掻機を上下降することが可能となる。
このように削掻機はコンベア上部から懸架されているので、コンベア周囲に削掻機を稼動する機械類を配置することなく、空間を確保することができる。これにより、コンベア周りに堆積した削掻片を清掃する作業効率が向上する。
【0016】
前述の如く削掻機は回転可能に垂直棒の下端に軸支されているが、削掻機の軸の端には軸受が設置され、かかる軸受に垂直棒に設置されたモータよりプーリーを掛け渡すことによって従動回転可能な構造となっている。すなわち、モータを動きによって削掻機は回転可能になる。
そして削掻機は、コンベアの側方上方に位置し、前記削掻機を回転手段によって回転させながらシリンダによって下降することにより、回転する削掻機の表面をコンクリートブロックの側方稜線部及び側面に衝突させることができる。
【0017】
前記削掻機は円筒状の回転シャフトとその表面より垂下された複数の削掻金具よりなるのが好ましい。削掻金具は、コンクリートブロックの稜線部及び側面を削掻できる形状であることを要する。例えば、針状棒を回転棒の表面に立設させるように溶接してもよい。中でも前記削掻金具をチェーンによって形成するのが好ましい。削掻金具の遠心力によってチェーンの先端でコンクリートブロックを削掻することにより、チェーンによる動きの不規則性から風合いのある削掻面が得られる。またチェーンを使用することにより、削掻金具の寿命も向上する。
【0018】
削掻機によってコンクリートブロックの稜線部等を削掻する際には、コンクリートブロックの稜線以外の平面を上方より押圧する押圧手段を設けるのが好ましい。押圧手段は、削掻時にコンクリートブロックが動かないように押圧できれば、いずれの手段を用いてもよい。例えば、コンクリートブロックの上方向のフレームにシリンダーを垂直に設置し、シリンダーの下端にコンクリートブロックの平面より小さい面積板状の部材を連設し、搬送されてきたコンクリートブロックの平面を押圧する手段が挙げられる。
【0019】
次に削掻機によるコンクリートブロックの稜線部及び側面の削掻動作を具体的に説明する。
前記削掻機は、コンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒の下端に回転可能に軸支されている。したがって、搬送されたコンクリートブロックの側面における稜線部方向に並行に設置されていることになる。
コンクリートブロックの平面における側方稜線部及び側面を削掻する際には、前記削掻機が上方から下方へ削掻する方向に回転するのが好ましい。このような方向に回転することにより、削掻されたコンクリートブロックの破片がコンベア外に削り飛ばされ、コンベア上に削掻片が堆積せず、安定した連続加工が可能となる。
【0020】
そして、コンクリートブロックの底面における側方稜線部を削掻する際には、前記削掻機が下方から上方へ削掻する方向に回転するように回転方向切替手段を有することが好ましい。底面における側方稜線部を削掻する際には、下方から削掻金具を衝突させることにより、自然な削掻面を得ることができる。
なお、前記削掻機をコンベアに沿って二体設置し、上流側の削掻機によって上流側に静置された一のコンクリートブロックの底面の側方稜線部を削掻し、かつ下流側の削掻機によって下流側に静置された他のコンクリートブロックの平面の側方稜線部を削掻する構造にしても良い。もちろん、上流側の削掻機によって上流側に静置された一のコンクリートブロックの平面の側方稜線部を削掻し、かつ下流側の削掻機によって下流側に静置された他のコンクリートブロックの底面の側方稜線部を削掻する機構にしても良い。
【0021】
このような構造にすることにより、二つのコンクリートブロックの削掻加工を同時に行うことにより、より生産効率を向上させることができる。
このような場合は、前記上流側に静置された一のコンクリートブロック及び下流側に静置された他のコンクリートブロックの稜線以外の平面を上方より押圧する押圧手段が設けられ、該押圧手段が両方のコンクリートブロックの平面を同時に押圧することが可能な長尺部を有するのが好ましい。一台のシリンダによって押圧手段を制御することができるからである。
【0022】
さらに、前記削掻機をコンベアを挟んで二体設置し、一の削掻機によって静置されたコンクリートブロックの右側の稜線部を削掻し、かつ他の削掻機によって静置されたコンクリートブロックの左側の稜線部を削掻する機構を有しても良い。コンクリートブロックにおける左右の側面を同時に削掻加工することができるため生産効率を向上させることができる。
また前記コンベアにおける削掻箇所の側方に削掻機を交換するための空間を設け、削掻機を上下降する前記シリンダをコンベアの進行方向に対して直角方向に移動させる移動手段とを有し、移動手段によって該削掻機を前記空間に移動可能としても良い。
このような交換スペースを設けることにより、削掻機の交換作業を簡易にすることができる。
【0023】
実施形態1
次に本発明に係るコンクリートブロックの削掻方法を図面に沿って説明する。
図1は本発明に係る削掻機の構成を示すものである。コンベアの進行方向側から見た図である。また図2は、図1の側方側からみた図である。
図1に示す如く、コンベア10により搬送されたコンクリートブロック11は、コンクリートブロック用削掻機1の削掻場所に静置される。この際、コンクリートブロック10の底面における側方稜線部13はコンベア10よりはみ出していることを要する。
【0024】
そして、コンクリートブロック11の稜線等を削掻するための削掻機2は、コンベア10上方に配置されたフレーム3より懸架されている。図2に示す如く、削掻機2は図示し
ないコンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒4の下端に回転可能に軸支されている。さらにフレーム3の中心上方にはシリンダ7が設けられ、フレーム3を上下降することができる。
【0025】
図1に示す如く、削掻機2は回転可能に垂直棒4の下端に軸支されている。削掻機2は円筒状の回転シャフト5を有し、回転シャフト5の両端に軸受が設けられ、かかる軸受が垂直棒4の下端の軸受6に軸支されている。
垂直棒にはモータMが設置されており、モータMよりプーリーPを削掻機2の一端に掛け渡すことによって、削掻機2は従動回転する。
そして図1に示す如く、削掻機2はコンベア10の側方上方に位置し、前記削掻機2を回転手段によって回転させながらシリンダ7によって下降することにより、回転する削掻機2の表面をコンクリートブロック11の側方稜線部14及び側面15に衝突させることができる。
【0026】
前記削掻機2は、円筒状の回転棒5とその表面より垂下されたチェーン8によって形成されている。チューン8は、一定の間隔を持って円周状に6体配置されている。更に図2に示す如く、回転棒5の長尺方向に沿って一定の間隔で18体配置されている。そして、回転する削掻機2の遠心力によってチェーン8の先端がコンクリートブロック11に衝突し、コンクリートブロック11の平面における稜線部14を削掻することができる。
また削掻機2を、下降することによりコンクリートブロック11の側面15を削掻することができる。さらに削掻機2を下降することにより、コンクリートブロック11の底面の稜線部13を削掻することができる。
【0027】
コンクリートブロック11の平面における側方稜線部14及び側面15を削掻する際には、前記削掻機2が上方から下方へ削掻する方向に回転するのが好ましい。このような方向に回転することにより、削掻されたコンクリートブロック11の破片がコンベア10外に削り飛ばされ、コンベア10上に削掻片が堆積せず、安定した連続加工が可能となる。
【0028】
そして、コンクリートブロック11の底面における側方稜線部13を削掻する際には、前記削掻機2が下方から上方へ削掻する方向に回転するように回転方向切替手段を有している。底面における側方稜線部13を削掻する際には、下方から削掻機2のチェーン8を衝突させることにより、自然な削掻面を得ることができる。
【0029】
実施形態2
次に本発明に係るコンクリートブロック用削掻機の他の形態を図3に基づいて説明する。図3において、実施形態1と同様の機能をもった部材については、同じ符号を使って説明する。
本実施形態における削掻機2,2はコンベアを挟んで二体設置されている。一の削掻機によって静置されたコンクリートブロック11の右側の稜線部及び側面を削掻し、かつ他の削掻機によって静置されたコンクリートブロックの左側の稜線部及び側面を削掻する機構を有する。
図3に示す如く、コンベア10により搬送されたコンクリートブロック11は、削掻機2,2による削掻場所に静置される。この際、コンクリートブロック11の底面における側方稜線部はコンベア10よりはみ出していることを要する。
【0030】
そして、コンクリートブロック11の稜線等を削掻するための削掻機2,2は、コンベア10上方に配置されたフレーム3,3より懸架されている。削掻機2,2はコンベア10の進行方向に沿って対向する二体の垂直棒4,4の下端に回転可能に軸支されている。さらにフレーム3,3を連接するように他のフレーム26が橋架され、その中心上方にシリンダ27が設けられている。このシリンダ27によってフレーム3,3が上下降する。
【0031】
図3に示す如く、削掻機2,2は回転可能に垂直棒4,4の下端に軸支されている。削掻機2,2は円筒状の回転棒5,5を有し、回転棒の両端に軸受が設けられ、かかる軸受が垂直棒4,4の下端の軸受6,6に軸支されている。
垂直棒にはモータM,Mが設置されており、モータM,Mよりプーリーを削掻機2,2の一端に掛け渡すことによって、削掻機2,2は従動回転する。
【0032】
そして図3に示す如く、削掻機2,2はコンベア10の側方上方に位置し、前記削掻機2,2を回転手段によって回転させながらシリンダ27によって下降することにより、回転する削掻機2,2の表面をコンクリートブロック11の両側の側方稜線部及び側面に同時に衝突させることができる。
【0033】
前記削掻機2,2は、円筒状の回転棒5,5とその表面より垂下されたチェーン8,8によって形成されている。回転する削掻機2,2の遠心力によってチェーン8,8の先端がコンクリートブロック11に衝突し、コンクリートブロック11の両側平面における稜線部を削掻する。
また削掻機2,2を、下降することによりコンクリートブロック11の側面を削掻することができる。さらに削掻機2,2を下降することにより、コンクリートブロック11の両側の底面の稜線部を削掻することができる。
【0034】
コンクリートブロック11の平面における側方稜線部及び側面を削掻する際には、前記削掻機2,2が上方から下方へ削掻する方向に回転するのが好ましい。このような方向に回転することにより、削掻されたコンクリートブロック11の破片がコンベア10外に削り飛ばされ、コンベア10上に削掻片が堆積せず、安定した連続加工が可能となる。
そして、コンクリートブロック11の底面における側方稜線部を削掻する際には、前記削掻機2,2が下方から上方へ削掻する方向に回転するように回転方向切替手段を有している。底面における側方稜線部を削掻する際には、下方から削掻機2,2のチェーン8,8を衝突させることにより、自然な削掻面を得ることができる。
【0035】
実施形態3
次に本発明に係るコンクリートブロック用削掻機の更に他の形態を図4に基づいて説明する。
本実施形態においては、削掻機42,52をコンベア50に沿って二体設置し、上流側の削掻機42によって上流側に静置されたコンクリートブロック51の底面の側方稜線部を削掻し、かつ下流側の削掻機52によって下流側に静置されたコンクリートブロック53の平面の側方稜線部を削掻する。
【0036】
図4に示す如く、コンベア50により搬送されたコンクリートブロック51は、上流側の削掻機42における削掻場所に静置される。
そして、コンクリートブロック51の稜線等を削掻するための削掻機42は、コンベア50上方に配置されたフレーム43より懸架されている。削掻機42はコンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒44,44の下端に回転可能に軸支されている。さらにフレーム43の中心上方にはシリンダ47が設けられ、フレーム43を上下降することができる。
また、同時にコンクリートブロック53は、下流側の削掻機52における削掻場所に静置される。
【0037】
そして、コンクリートブロック53の稜線等を削掻するための削掻機52は、コンベア50上方に配置されたフレーム45より懸架されている。削掻機52はコンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒46,46の下端に回転可能に軸支されている。さらに
フレーム45の中心上方にはシリンダ48が設けられ、フレーム45を上下降することができる。
上記の構造を有するコンクリートブロック用削掻機41は、上流側と下流側の削掻機によって同時にコンクリートブロックの側方稜線部の削掻加工が可能となる。そのためコンクリートブロックの削掻加工の生産効率が向上することになる。
【0038】
実施形態4
次に本発明に係るコンクリートブロック用削掻機の更に他の形態を図5に基づいて説明する。
本実施形態に係るコンクリートブロック用削掻機60は、コンベア70における削掻箇所の側方に削掻機を交換するための空間Sを設け、削掻機62,62を上下降するシリンダ72をコンベア70の進行方向に対して直角方向(図5に示す矢印方向)に移動させる移動手段とを有し、移動手段によって前記削掻機を前記空間Sに移動可能としても良い。
このような交換スペースSを設けることにより、破損した削掻機62,62の交換作業を簡易にすることができる。
【0039】
本実施形態における削掻機62,62はコンベアを挟んで二体設置されている。一の削掻機62によって静置されたコンクリートブロック71の右側の稜線部及び側面を削掻し、かつ他の削掻機62によって静置されたコンクリートブロック71の左側の稜線部及び側面を削掻する機構を有する。
図5に示す如く、コンベア70により搬送されたコンクリートブロック71は、削掻機62,62による削掻場所に静置される。この際、コンクリートブロック71の底面における側方稜線部はコンベア70よりはみ出していることを要する。
そして、削掻機62,62を、下降することによりコンクリートブロック71の稜線部及び側面を削掻することができる。さらに削掻機62,62を下降することにより、コンクリートブロック71の両側の底面の稜線部を削掻することができる。
【0040】
コンクリートブロック71の平面における側方稜線部及び側面を削掻する際には、前記削掻機72,72が上方から下方へ削掻する方向に回転するのが好ましい。このような方向に回転することにより、削掻されたコンクリートブロック71の破片がコンベア70外に削り飛ばされ、コンベア70上に削掻片が堆積せず、安定した連続加工が可能となる。
そして、コンクリートブロック71の底面における側方稜線部を削掻する際には、前記削掻機62,62が下方から上方へ削掻する方向に回転するように回転方向切替手段を有している。底面における側方稜線部を削掻する際には、下方から削掻機62,62の削掻面を衝突させることにより、自然な削掻面を得ることができる。
さらに図5から明らかなようにコンベア70周辺の床部には、空間が確保されており、削掻片を清掃処理する作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る削掻機の構成を示す図である。コンベアの進行方向側から見た図である。
【図2】図1に示した削掻機を側方側からみた図である。
【図3】本発明に係るコンクリートブロック用削掻機の他の形態を示す図である。
【図4】本発明に係るコンクリートブロック用削掻機の更に他の形態を示す図である。
【図5】本発明に係るコンクリートブロック用削掻機の更に他の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1,41,60 コンクリートブロック用削掻機
2,42,52,62,72 削掻機
3,43,45 フレーム
4,44,46 垂直棒
5 回転シャフト
6 軸受
8 チェーン
10,50,70 コンベア
11,51,53,71 コンクリートブロック
13,14 側方稜線部
15 側面
S 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静置されたコンクリートブロックの表面を削掻するコンクリートブロックの稜線削掻方法において、コンクリートブロックをコンベアによって削掻場所に移動し、かつコンクリートブロックの底面における側方稜線部をコンベアより突出させて静置する工程と、静置されたコンクリートブロックの上方より懸架された削掻機を下降手段によって下降させてコンクリートブロックの平面又は底面における側方稜線部及び\又は側面を削掻する工程とを有し、該削掻機の回転シャフトがコンベア上方のフレームより懸架されたコンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒の下端に回転可能に軸支されており、前記削掻する工程が削掻機を回転手段によって回転させながら当該表面をコンクリートブロックの側方稜線部及び\又は側面に衝突させることによって削掻し、該削掻機の回転シャフトの軸線がコンベアの側方上方に位置することを特徴とするコンクリートブロックの削掻方法。
【請求項2】
静置された前記コンクリートブロックの稜線を削掻する際に、コンクリートブロックの稜線以外の平面を上方より押圧する押圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたコンクリートブロックの削掻方法。
【請求項3】
前記削掻機が、コンクリートブロックの平面における側方稜線部を削掻する際には該削掻機が上方から下方へ削掻する方向に回転し、コンクリートブロックの底面における側方稜線部を削掻する際には該削掻機が下方から上方へ削掻する方向に回転方向を切り替えて回転することを特徴とする請求項1又は2に記載されたコンクリートブロックの稜線削掻方法。
【請求項4】
前記回転シャフトの円周面上に複数のチェーンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載されたコンクリートブロックの削掻方法。
【請求項5】
静置されたコンクリートブロックの表面を削掻するコンクリートブロック用稜線削掻機において、コンクリートブロックを搬送し削掻場所に移動し、かつコンクリートブロックの底面における側方稜線部を突出させて静置するコンベアと、静置されたコンクリートブロックの平面及び底面における側方稜線部及び\又は側面を削掻するコンクリートブロックの上方より懸架され加工手段によって上下降する削掻機とを有し、該削掻機がコンベア上方のフレームより懸架されたコンベアの進行方向に沿って対向する二体の垂直棒に回転可能に軸支されており、かつ該削掻機の軸線がコンベアの側方上方に位置し、前記削掻機を回転手段によって回転させながら当該表面をコンクリートブロックの側方稜線部及び\又は側面に衝突させる手段を有することを特徴とするコンクリートブロック用削掻機。
【請求項6】
前記静置されたコンクリートブロックの稜線以外の平面を上方より押圧する押圧手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載されたコンクリートブロック用削掻機。
【請求項7】
前記削掻機が、コンクリートブロックの平面における側方稜線部を削掻する際には該削掻機が上方から下方へ削掻する方向に回転し、コンクリートブロックの底面における側方稜線部を削掻する際には該削掻機が下方から上方へ削掻する方向に回転する回転方向切替手段を有することを特徴とする請求項6又は7に記載されたコンクリートブロック用削掻機。
【請求項8】
前記削掻金具がチェーンによって形成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一に記載されたコンクリートブロック用削掻機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−143034(P2009−143034A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320433(P2007−320433)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000132806)株式会社タイガーマシン製作所 (8)
【Fターム(参考)】