説明

コンソールボックスを有する自動車

【課題】ボックス本体の物収納空間の上部開口を開閉するリッドと、そのリッドに前後方向にスライド可能に支持されたアームレストとを有するコンソールボックスを備えていると共に、そのコンソールボックスの前方にパーキングブレーキレバーが配置され、さらにその前方にシフトレバーが配置された自動車において、ドライバーがパーキングブレーキレバーを操作するとき、最前方位置を占めたアームレストによって、その回動操作が邪魔されないようにする。
【解決手段】アームレスト6に一対の板ばね13,14を設け、リッド5には一対の係止溝24,25を形成し、アームレスト6が最前方位置を占めたとき、板ばね13,14が係止溝24,25に係合し、そのアームレスト6に対して後方に向いた外力が加えられたとき、板ばね13,14が係止溝24,25から外れて、アームレスト6が後方に移動するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内に配置された運転席と助手席との間に配置されたコンソールボックスと、運転席に着座したドライバーによって回動操作されるパーキングブレーキレバーと、同じくドライバーによって操作されるシフトレバーとを有する自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したコンソールボックスを有する自動車は従来より周知である(特許文献1参照)。コンソールボックスは、通常、内部に物収納空間が区画形成されたボックス本体と、その物収納空間の上部開口を閉鎖する閉位置と該上部開口を開放する開位置との間を回動開閉可能に、ボックス本体の上部に連結されたリッドと、最後方位置と最前方位置との間をスライド可能にリッド上に配置されたアームレストとを具備している。
【0003】
運転席に着座したドライバーは、自らの体躯や好みに合わせて、その運転席の前後位置を調整すると共に、アームレストの前後位置を調整し、その調整したアームレスト上に肘を載せて楽な姿勢で自動車を運転することができる。また、リッドをアームレストと共に開位置に回動させて、物収納空間の上部開口を開放し、その上部開口を通して小物を物収納空間に出し入れすることができる。
【0004】
ドライバーによって操作されるパーキングブレーキレバーとシフトレバーは、最後方位置を占めたアームレストよりも前方に配置されている。その際、比較的大型の自動車の場合には、運転席と助手席との間に大きなスペースを確保できるので、パーキングブレーキレバーとシフトレバーを車幅方向に並べて配置できる。このようにすれば、パーキングブレーキレバーとシフトレバーを、コンソールボックスのアームレストよりも大きく前方に離れた位置に配置することができる。従って、アームレストを最前方位置に移動させたときも、ドライバーがパーキングブレーキレバーやシフトレバーを操作するときに、最前方位置を占めたアームレストが邪魔となることはない。
【0005】
ところが、コンパクトクラスの自動車の場合には、運転席と助手席の間に大きなスペースを確保できないので、パーキングブレーキレバーとシフトレバーを車幅方向に並べて配置することはできず、シフトレバーとパーキングブレーキレバーを前後に並べて配置せざるを得ない。すなわち、パーキングブレーキレバーを、最後方位置を占めたアームレストの前方に配置すると共に、シフトレバーをパーキングブレーキレバーよりもさらに前方に配置するのである。
【0006】
ところが、シフトレバーとパーキングブレーキレバーを上述のように前後に配列すると、パーキングブレーキレバーが、コンソールボックスのアームレストに極めて近い位置を占めることになるため、アームレストを最前方位置にもたらした状態で、ドライバーがパーキングブレーキレバーを握ってこれを回動操作すると、ドライバーの肘や腕がアームレストに当り、その操作を行い難くなる欠点を免れない。
【0007】
そこで、アームレストの移動ストロークを短くして、アームレストが最前方位置を占めたときも、これが大きく前方に突出しないようにして、ドライバーの肘や腕が最前方位置を占めたアームレストに当らないようにすることが考えられる。ところが、このようにアームレストの移動ストロークを短くすると、ドライバーが運転席を最も前方の位置に移動させたとき、アームレストを最前方位置に移動させても、そのアームレストの前方への突出量が少ないため、ドライバーは思うようにアームレスト上に肘を載せることができず、楽な姿勢をとることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−29369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、シフトレバーとパーキングブレーキレバーが前後に配列されてはいるが、アームレストの移動ストロークを特に短くしなくとも、最前方位置を占めたアームレストが、パーキングブレーキレバーの回動操作を邪魔することのない自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、内部に物収納空間が区画形成されたボックス本体と、該物収納空間の上部開口を閉鎖する閉位置と該上部開口を開放する開位置との間を回動開閉可能に、前記ボックス本体の上部に連結されたリッドと、最後方位置と最前方位置との間をスライド可能に前記リッド上に配置されたアームレストとを具備するコンソールボックスと、前記最後方位置を占めた前記アームレストの前方に配置されたパーキングブレーキレバーと、該パーキングブレーキレバーよりもさらに前方に配置されたシフトレバーとを有する自動車において、前記アームレストを向いた側のリッドの面には、前後方向に延びる第1のガイドレールが固定され、該リッドを向いた側のアームレストの面には、前後方向に延びていて、前記第1のガイドレールに摺動自在に嵌合した第2のガイドレールが固定され、前記アームレストと前記リッドのうちの一方には、板ばねが保持され、該アームレストとリッドのうちの他方には、該アームレストが前記最前方位置を占めたとき、前記板ばねが係合する係止溝が形成され、最前方位置を占めたアームレストに対して、後方に向けた外力が加えられたとき、前記板ばねと係止溝との係合が外れてアームレストが後方にスライドすることを特徴とする自動車を提案する(請求項1)。
【0011】
また、上記自動車において、前記アームレストとリッドのうちの他方には、該アームレストが前記最後方位置を占めたとき、前記板ばねが係合する係止溝が形成されていると有利である(請求項2)。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ドライバーがパーキングブレーキレバーを握って、これを回動操作するとき、そのドライバーの腕や肘が、最前方位置を占めたアームレストに当っても、板ばねと係止溝との係合が外れて、アームレストが後方にスライドすることができるので、アームレストの移動ストロークを特に短くしなくとも、そのアームレストによってパーキングブレーキレバーの回動操作が邪魔されることはない。このように、アームレストの移動ストロークを大きく設定できるので、ドライバーが運転席を最も前方の位置に移動させたとき、アームレストを最前方位置にスライドさせることによって、ドライバーはそのアームレストの上に自然な姿勢で楽に肘を乗せることができる。しかも、板ばねと係止溝を係合させるだけの簡単な構成によって、アームレストを最前方位置に保持し、その板ばねと係止溝の係合を解除させるだけで、アームレストを後方にスライドさせることができるので、コンソールボックスの部品点数の増加を抑え、その構造の複雑化を阻止して、コストの上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コンソールボックスとパーキングブレーキレバーとシフトレバーを示す側面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】アームレストとリッドを分解して示す斜視図である。
【図4】アームレストが最後方位置と最前方位置を占めたときの様子を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
【0015】
自動車の車室内には、図示していない運転席と助手席が、車幅方向に並んで配列され、その運転席と助手席の間に、図1に示したコンソールボックス1が配置されている。また、同じく車室内には、運転席に着座したドライバーによって回動操作されるパーキングブレーキレバー2と、シフトレバー3が配置されている。パーキングブレーキレバー2は、図1に実線で示したブレーキ解除位置と、二点鎖線で示したブレーキ作動位置との間を、矢印Aで示すように回動可能に支持されていて、自動車を駐車させるとき、ドライバーはパーキングブレーキレバー2を握って、これを二点鎖線で示したブレーキ作動位置に回動させ、自動車を走行させるときは、パーキングブレーキレバー2を実線で示したブレーキ解除位置に回動させる。
【0016】
なお、各図における矢印Frは自動車の前進方向を示し、矢印Wは自動車の車幅方向を示していて、本明細書及び特許請求の範囲における「前」又は「後」なる文言は、自動車の前進方向Frを基準とした前後を意味する。
【0017】
図1と、そのII−II線拡大断面図である図2に示すように、本例のコンソールボックス1は、車体の床面を構成するフロアパネル(図示せず)に固定支持されたボックス本体4と、そのボックス本体4の上部に配置されたリッド5と、そのリッド5の上に配置されたアームレスト6とを有している。
【0018】
ボックス本体4は、内部が中空に形成された外装パネル7と、その外装パネル7の内部に固定配置された収納ケース8とから構成され、その収納ケース8によって、上部が開口した物収納空間Sが区画形成されている。
【0019】
また、リッド5は、アームレスト6と共に、図1に矢印Bで示すように、実線で示した閉位置と一点鎖線で示した開位置との間を回動開閉可能にボックス本体4の上部に連結されている。符号9は、かかるリッド5をボックス本体4に回動可能に連結するためのヒンジピンを示している。リッド5が図1に実線で示した閉位置を占めたとき、そのリッド5は、ボックス本体4の内部に区画された物収納空間Sの上部開口を閉鎖し、リッド5が図1に一点鎖線で示した開位置を占めたとき、そのリッド5は物収納空間Sの上部開口を開放する。
【0020】
一方、アームレスト6は、図1に矢印C,Dで示すように、実線で示した最後方位置と、二点鎖線で示した最前方位置との間をスライド可能にリッド5の上に配置されている。図4の(a)は、アームレスト6が最後方位置を占めたときの概略平面図であり、図4の(b)は、アームレスト6が最前方位置を占めたときの概略平面図である。アームレスト6をこのようにスライドさせるための構成については後に詳しく説明する。
【0021】
図には示していない運転席に着座したドライバーは、自らの体躯や好みに合わせて、その運転席の前後位置を調整すると共に、アームレスト6の前後位置を手操作により調整して、そのアームレスト6上に肘を載せて楽な姿勢で自動車を運転することができる。また、リッド5をアームレスト6と共に図1に一点鎖線で示した開位置に回動させて、物収納空間Sの上部開口を開放すれば、その上部開口を通して車検証などの小物を物収納空間Sに出し入れすることができる。
【0022】
以上のように、本例の自動車は、内部に物収納空間Sが区画形成されたボックス本体4と、その物収納空間Sの上部開口を閉鎖する閉位置と該上部開口を開放する開位置との間を回動開閉可能に、ボックス本体4の上部に連結されたリッド5と、最後方位置と最前方位置との間をスライド可能にリッド5上に配置されたアームレスト6とを具備するコンソールボックス1を有している。
【0023】
ところで、本例の自動車は、コンパクトクラスの小型な自動車であり、運転席と助手席の間のスペースは狭くなっている。このため、シフトレバーとパーキングブレーキレバーを、車幅方向に並べて配置することはできないので、本例のシフトレバー3とパーキングブレーキレバー2は、図1に示すように、前後方向に配列されている。パーキングブレーキレバー2が、最後方位置を占めたアームレスト6の前方に配置されていると共に、シフトレバー3は、パーキングブレーキレバー2よりも、さらに前方に配置されているのである。
【0024】
上述のように、シフトレバー3とパーキングブレーキレバー2が前後に配列されていると、先に説明し、かつ図1に示したように、パーキングブレーキレバー2がアームレスト6に極めて近い位置を占めることになる。このため、アームレスト6を図1に二点鎖線で示した最前方位置に移動させた状態で、ドライバーがパーキングブレーキレバー2を回動操作すると、ドライバーの肘や腕がアームレスト6に当たってしまう。
【0025】
そこで、本例の自動車においては、アームレスト6が図1に二点鎖線で示した最前方位置を占めたとき、アームレスト6を、その最前方位置に保持できると共に、そのアームレスト6に対して、後方に向けた外力が加えられたとき、該アームレスト6が後方に容易にスライドできるように構成されている。この構成により、アームレスト6を最前方位置に保持した状態で、ドライバーがパーキングブレーキレバー2を回動操作して、ドライバーの肘や腕がアームレスト6に当ったとき、そのアームレスト6を即座に後方にスライドさせることができるので、アームレスト6がパーキングブレーキレバー2の回動操作を邪魔することはない。以下に、これに関連する具体的構成を明らかにする。
【0026】
図3は、アームレスト6をリッド5から離脱すると共に、そのアームレスト6の上下を反転させた状態で、当該アームレスト6とリッド5を示した斜視図である。かかる図3と図2から明らかなように、アームレスト6を向いた側のリッド5の面には、前後方向に延びる第1のガイドレール10が、図示していないねじによって固定されている。同様に、リッド5を向いた側のアームレスト6の面にも、前後方向に延びる第2のガイドレール11が、図示していないねじによって固定されていて、リッド5とアームレスト6が図2に示したように組み付いた状態で、第2のガイドレール11は、第1のガイドレール10に摺動自在に嵌合している。その際、図2に示すように、第1及び第2のガイドレール10,11の間に多数のボール12を介在させると、第2のガイドレール11を第1のガイドレール10に対してより滑らかに摺動させることができる。このような第1及び第2のガイドレール10,11の構成自体は、例えば、車室内の座席をフロアパネルに対してスライド可能に支持するためのシートトラックなどに採用されている構成と実質的に変わりはなく、かかる構成自体は従来より周知なものである。
【0027】
上述した構成によって、アームレスト6を図1に矢印D,Cで示したように、自由に前後方向にスライドさせることができる。
【0028】
一方、図3に示すように、リッド5とアームレスト6が図2に示したように組み付いた状態でリッド5を向いた側のアームレスト6の面には、該アームレスト6の幅方向に離間した位置に、板ばね13,14がそれぞれ保持されている。すなわち、アームレスト6には、これと一体に成形された一対のホルダー15,16が立設され、その各ホルダー15,16に、一方の板ばね13の各端部がスライド可能に保持されている。同じく、アームレスト6には、他方の一対のホルダー17,18が一体に立設され、その各ホルダー17,18に、もう一方の板ばね14の各端部がスライド可能に保持されている。
【0029】
図2に示したようにアームレスト6がリッド5に組み付いた状態で、上述した各板ばね13,14の中央膨隆部19,20は、リッド5の突出部23に形成された各摺接面21,22に当接し、アームレスト6を前後方向にスライドさせると、各板ばね13,14の中央膨隆部19,20は、リッド5の摺接面21,22に摺接する。
【0030】
また、リッド5の突出部23には、一対の係止溝24,25が形成されている。ドライバーがアームレスト6を手操作にて図1に矢印Dで示した前方に移動させて、そのアームレスト6を図4の(b)及び図1の二点鎖線で示した最前方位置にもたらすと、図示していないストッパによってそのアームレスト6が最前方位置にて停止すると共に、図4の(b)に示したように、各板ばね13,14の中央膨隆部19,20が、リッド5に形成された各係止溝24,25にそれぞれ係合して、そのアームレスト6が最前方位置に保持される。アームレスト6が最前方位置に達したとき、板ばね13,14の中央膨隆部19,20が、その弾性によって係止溝24,25に係入するので、アームレスト6を手操作で前方に移動させているドライバーに対して快い節度感を与えることができる。
【0031】
上述したように、アームレスト6を最前方位置に保持した状態で、ドライバーがパーキングブレーキレバー2を回動操作すると、そのドライバーの肘や腕がアームレスト6に当る。これにより、アームレスト6に対して後方に向けた外力が加えられる。すると、板ばね13,14が係止溝24,25から外れ、アームレスト6が図1に矢印Cで示した後方にスライドする。このため、ドライバーは、アームレスト6に邪魔されることなく、パーキングブレーキレバー2を回動操作することができる。
【0032】
上述のように、ドライバーの肘や腕が、最前方位置を占めたアームレスト6に当ると、そのアームレスト6は即座に後方にスライドするので、パーキングブレーキレバー2はアームレスト6に近接して位置してはいるが、アームレスト6の移動ストロークを特に短くしなくとも、そのアームレスト6によってパーキングブレーキレバー2の回動操作が邪魔されることはない。このように、アームレスト6の移動ストロークを大きく設定することができるので、ドライバーが運転席を最も前方の位置に移動させたとき、アームレスト6を最前方位置にもたらすことによって、ドライバーはそのアームレスト6の上に自然な姿勢で肘を載せることができる。しかも、アームレスト6は、板ばね13,14と係止溝24,25を係合させるだけの極く簡単な構成によって、アームレスト6を最前方位置に保持し、かつその板ばね13,14と係止溝24,25の係合を解除させるだけで、アームレスト6を後方にスライドさせることができるので、コンソールボックス1の構造の複雑化を防止し、その部品点数の増加を抑えることができる。
【0033】
図示した例では、アームレスト6の方に板ばね13,14を保持し、リッド5の方に係止溝24,25を形成したが、その逆に、リッド5に板ばねを設け、アームレスト6に係止溝を形成して、アームレスト6を最前方位置にもたらしたとき、その板ばねと係止溝を係合させ、最前方位置を占めたアームレスト6に対して後方に向く外力が加えられたとき、その板ばねと係止溝の係合を解除させて、アームレスト6を後方にスライドさせるように構成することもできる。
【0034】
上述したところから了解されるように、本発明に係る自動車は、アームレスト6とリッド5のうちの一方に、板ばね13,14が保持され、該アームレスト6とリッド5のうちの他方に、該アームレスト6が最前方位置を占めたとき、板ばね13,14が係合する係止溝24,25が形成され、最前方位置を占めたアームレスト6に対して、後方に向けた外力が加えられたとき、板ばね13,14と係止溝24,25との係合が外れてアームレスト6が後方にスライドするように構成されている。
【0035】
また、本例の自動車においては、図3に示すように、リッド5の突出部23に、前述の係止溝24,25とは別の一対の係止溝26,27が形成されている。ドライバーが手操作によってアームレスト6を図4の(a)及び図1の実線で示した最後方位置にもたらすと、そのアームレスト6は、図示していないストッパによって、その最後方位置に停止させられると共に、前述の板ばね13,14の中央膨隆部19,20が、図4の(a)に示したように、上述した係止溝26,27に係合する。これにより、ドライバーに対して快い節度感を与えることができ、しかもそのアームレスト6を最後方位置に保持することができる。この状態で、アームレスト6を手操作によって、図1に矢印Dで示した前方に向けて力を加えると、板ばね13,14が係止溝26,27から外れ、アームレスト6を前方に向けて移動させることができる。
【0036】
上述した係止溝26,27をアームレスト6に形成し、板ばね13,14をリッド5に設けて、上述したところと同様な作用が得られるように構成することもできる。このように、本発明に係る自動車は、アームレスト6とリッド5のうちの一方に、板ばね13,14が保持され、アームレスト6とリッド5のうちの他方に、該アームレスト6がその最後方位置を占めたときに板ばね13,14が係合する係止溝26,27が形成されているのである。
【0037】
以上説明した各要素は適宜な材料によって構成できるものであるが、ボックス本体4、リッド5及びアームレスト6を樹脂により構成し、第1及び第2のガイドレール10,11及び板ばね13,14を金属により構成することが好ましい。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態例に限定されず、各種の形態に改変して構成できるものである。
【符号の説明】
【0039】
1 コンソールボックス
2 パーキングブレーキレバー
3 シフトレバー
4 ボックス本体
5 リッド
6 アームレスト
10 第1のガイドレール
11 第2のガイドレール
13,14 板ばね
24,25,26,27 係止溝
S 物収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に物収納空間が区画形成されたボックス本体と、該物収納空間の上部開口を閉鎖する閉位置と該上部開口を開放する開位置との間を回動開閉可能に、前記ボックス本体の上部に連結されたリッドと、最後方位置と最前方位置との間をスライド可能に前記リッド上に配置されたアームレストとを具備するコンソールボックスと、前記最後方位置を占めた前記アームレストの前方に配置されたパーキングブレーキレバーと、該パーキングブレーキレバーよりもさらに前方に配置されたシフトレバーとを有する自動車において、
前記アームレストを向いた側のリッドの面には、前後方向に延びる第1のガイドレールが固定され、該リッドを向いた側のアームレストの面には、前後方向に延びていて、前記第1のガイドレールに摺動自在に嵌合した第2のガイドレールが固定され、前記アームレストと前記リッドのうちの一方には、板ばねが保持され、該アームレストとリッドのうちの他方には、該アームレストが前記最前方位置を占めたとき、前記板ばねが係合する係止溝が形成され、最前方位置を占めたアームレストに対して、後方に向けた外力が加えられたとき、前記板ばねと係止溝との係合が外れてアームレストが後方にスライドすることを特徴とする自動車。
【請求項2】
前記アームレストとリッドのうちの他方には、該アームレストが前記最後方位置を占めたとき、前記板ばねが係合する係止溝が形成されている請求項1に記載の自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−187956(P2012−187956A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51361(P2011−51361)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】