コンテナ
【課題】廃棄物となる緩衝材を一切用いずして、搬送・輸送する際における被収容物の破損を有効に防止することができる新規なコンテナを提案する。
【解決手段】内部に被収容物R1,R2,R3を収容するスペースを有し上部に開口2aが形成されたコンテナ本体2と、このコンテナ本体2の開口2aを閉塞する蓋体3とを備え、上記蓋体3は、蓋本体3aと、この蓋本体3aの下面に配置され、上記コンテナ本体2に収容された被収容物R1,R2,R3を下方に押圧する複数の弾性押圧片又は弾性押圧部3b・・・3iと、を備えてなる。
【解決手段】内部に被収容物R1,R2,R3を収容するスペースを有し上部に開口2aが形成されたコンテナ本体2と、このコンテナ本体2の開口2aを閉塞する蓋体3とを備え、上記蓋体3は、蓋本体3aと、この蓋本体3aの下面に配置され、上記コンテナ本体2に収容された被収容物R1,R2,R3を下方に押圧する複数の弾性押圧片又は弾性押圧部3b・・・3iと、を備えてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に被収容物を収容するコンテナであって、特に蓋体が構成要素とされたコンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでコンテナは、内部に製品や部品等の被収容物を収容し他所に搬送・輸送する目的で広く使用されている。そして、最近では、折り畳み可能なコンテナも多く提案され実施されるに至っている。ところで、コンテナに収容される被収容物は、必ずしもコンテナの内部形状に対応した被収容物を収容するものではなく、その形状は多種多様であるとともに、収納する数により内部に大きな空きスペースが形成される場合が多い。このような空きスペースが形成されている場合においては、搬送・輸送する際に被収容物同士が互いに衝突することにより割れ,欠け,変形等或いは破損する場合が多い。特に、陶磁器やガラス製品等を収容し搬送・輸送する途中において破損する危険性は高い。そこで、こうした問題点を解消するために、上記空きスペース内に、紙,発泡スチロール等の素材からなる緩衝材を充填する方法が採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した緩衝材を空きスペース内に充填することにより被収容物の破損を防止する方法では、上記緩衝材をゴミとして廃棄しなければならず、場合によっては膨大な廃棄物が発生することとなり、収益を大きく圧迫しているのが実情である。
【0004】
そこで、本発明は、上述した従来のコンテナが有する課題を解決するために提案されたものであって、廃棄物となる緩衝材を一切用いずして、搬送・輸送する際における被収容物の破損を有効に防止することができる新規なコンテナを提案することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため、本発明(請求項1記載の発明)は、内部に被収容物を収容するスペースを有し上部に開口が形成されたコンテナ本体と、このコンテナ本体の開口を閉塞する蓋体とを備え、上記蓋体は、蓋本体と、この蓋本体の下面に配置され、上記コンテナ本体に収容された被収容物を下方に押圧する複数の弾性押圧片又は弾性押圧部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0006】
この第1の発明では、コンテナ本体と蓋体とが構成要素とされ、上記コンテナ本体や蓋体は、特に素材が限定されるものではないばかりか、コンテナ本体は折り畳み可能であるか否かも問われるものではない。また、これらコンテナ本体や蓋体の形状に関しても、特に限定されるものではない。すなわち、上記コンテナ本体に関しては、少なくとも内部に被収容物を収容することができるスペースを有していれば足り、蓋体に関しては、上記コンテナ本体に形成された開口を閉塞できるものであれば足りる。そして、本発明を構成する上記複数の弾性押圧片又は弾性押圧部は、少なくとも上記コンテナ本体に収容された被収容物を下方に押圧するものであれば良く、それぞれの弾性押圧片又は弾性押圧部の形状や長さ幅、更には方向性が互いに異なっているものであっても良い。したがって、上記弾性押圧片又は弾性押圧部は、コイルバネのように螺旋状に成形されたものや板バネのように成形されているものであっても良い。また、これら弾性押圧片又は弾性押圧部は、後述するように、蓋本体に対して一体成形されているものに限定されるものではなく、蓋本体と弾性押圧片又は弾性押圧部とがそれぞれ別個に成形され、成形後に蓋本体に弾性押圧片又は弾性押圧部が取り付けられ一体化されているものであっても良い。
【0007】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記弾性押圧片又は弾性押圧部は、前記蓋本体の下面から斜め下方に延設されてなり先端には円弧状部が形成され、全体として弾性変形可能となされ上記円弧状部は、被収容物に対して上方から下方に圧接する肉厚及び長さとされてなることを特徴とするものである。
【0008】
この第2の発明では、弾性押圧片又は弾性押圧部は、前記蓋本体の下面から斜め下方に延設されてなり先端には円弧状部が形成されており、円弧状となされた面により被収容物を下方に圧接するものである。この円弧状部の曲率は特に限定されるものではないが、蓋体によりコンテナ本体に形成された開口を閉塞する際において、該コンテナ本体内に収容された被収容物に上記弾性押圧片又は弾性押圧部に接触した後に更に下方に蓋体を押圧することによって、該弾性押圧片又は弾性押圧部に形成された上記円弧状部が被収容物上を滑る(摺接する)ことができる程度の曲率であることが望ましい。
【0009】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記弾性押圧部を備えた蓋体は、合成樹脂により一体成形されてなるとともに、前記蓋本体には、上記弾性押圧部の基端から先端までの水平方向の長さ及び水平方向の幅に対応する挿通用開口が形成されてなることを特徴とするものである。
【0010】
この第3の発明では、少なくとも蓋体は合成樹脂により一体成形されてなるものであり、弾性押圧部の基端から先端までの水平方向の長さ及び水平方向の幅に対応する挿通用開口が蓋本体に形成されてなることが必要である。上記挿通用開口の数は、言うまでもなく上記弾性押圧部の数に対応したものであり、該挿通用開口に挿通されるものは、この蓋体を複数枚重ねた場合において、上記弾性押圧部が挿通される部位である。したがって、弾性押圧部の形成位置と、上記挿通用開口の形成位置は対応関係にあることが必要となる。
【0011】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記蓋本体と弾性押圧片とはそれぞれ別個に成形されてなり、この蓋本体の下面には、上記弾性押圧片の基端が着脱可能に固定される複数の取付部が形成されてなることを特徴とするものである。
【0012】
なお、この第4の発明において、上記蓋本体の下面に形成された取付部は、実際に取り付けられる弾性押圧片の数に対応した数である必要はなく、コンテナ本体の内部に収容される被収容物の形状や収容位置等に応じて、適宜に選択された複数の取付部に上記弾性押圧片の基端側を取り付けられるように、蓋本体の下面に多数形成されている必要がある。また、この取付部は、少なくとも弾性押圧片の基端が位置決めできる程度のものであれば足り、ネジやボルト等の固定手段を介して取り付けられるものも含む。
【0013】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、上記第1,第2,第3又は第4の発明の何れかの発明において、前記コンテナ本体は、互いに対向する一方及び他方の側板を備え、これらの側板の内側には、それぞれ一方の係合部が上下方向に多数形成された係合部群が形成され、前記蓋体には、上記係合部群を構成する一方の係合部の何れかに係合する他方の係合部を備え、上記コンテナ本体を構成する一方の係合部の何れかと、上記蓋体を構成する他方の係合部とが互いに係合させることにより、上記コンテナ本体に対する蓋体の取付位置を上下方向に調節可能とされてなり、上記蓋体を構成する蓋本体には、上記他方の係合部と一方の係合部との係合状態を解除する解除操作部が該他方の係合部の近傍に形成されてなることを特徴とするものである。
【0014】
この第5の発明では、上記コンテナ本体に上下方向に複数形成された係合部群を構成する一方の係合部の何れかと、蓋体に形成された他方の係合部とが互いに係合することにより、コンテナ本体に対する蓋体の取付位置を上下方向に調節可能とされていることが前提とされている。したがって、この第5の発明では、コンテナ本体の上部でのみ蓋体を取り付けるばかりではなく、該コンテナ本体の上端よりも下方位置にて、蓋体を取り付けることができる。そして、この第5の発明では、蓋本体には、上記他方の係合部と一方の係合部との係合状態を解除する解除操作部が該他方の係合部の近傍に形成されてなるものであり、この解除操作部は、上記一方の係合部と他方の係合部とが互いに係合されている状態において、上記他方の係合部を一方の係合部方向とは反対方向に移動させるものであれば足り、特に、該他方の係合部が蓋体の左右両側に形成されている場合において、上記解除操作部は、その何れかに形成されていれば良い。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)によれば、コンテナ本体の内部に収容された被収容物は、上記蓋本体の下面に配置された複数の弾性押圧片又は弾性押圧部により下方に押圧され、コンテナ本体の底板との間で挟持されることとなるので、搬送・輸送時において振動されたり揺動されたりした場合であっても、上記被収容物同士が衝突し破損する危険性を有効に緩和・防止することが可能となる。したがって、こうしたコンテナを使用することにより、従来のように緩衝材を使用する必要性はなく、大量の廃棄物を処分する必要性もない。
【0016】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、弾性押圧片又は弾性押圧部は、前記蓋本体の下面から斜め下方に延設されてなり先端には円弧状部が形成されており、円弧状となされた面により被収容物を下方に圧接するものであることから、蓋体によりコンテナ本体に形成された開口を閉塞する際において、該コンテナ本体内に収容された被収容物に上記弾性押圧片又は弾性押圧部に接触した後に更に下方に蓋体を押圧することによって、該弾性押圧片又は弾性押圧部に形成された上記円弧状部が被収容物上を滑り(摺接し)、この結果、上記弾性押圧片又は弾性押圧部は、全体として弾性変形する。したがって、上記弾性押圧片又は弾性押圧部の弾性力により、蓋体が固定できない事態を有効に防止することができる。
【0017】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)では、先ず、蓋体は合成樹脂により一体成形されてなることから、製造コストを低減することができるばかりではなく、リサイクルも容易となり環境対応性を向上させることができる。さらに、この第3の発明では、挿通用開口が蓋本体に形成されてなることから、蓋体を複数枚重ねて保存しておくことができ、弾性押圧部を設けたことに伴い蓋体を多数枚積載できない事態を有効に解消することができる。
【0018】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)では、蓋本体の下面に上記弾性押圧片の基端が着脱可能に固定される複数の取付部が形成されてなることから、コンテナ本体の内部に収容される被収容物の形状や収容位置等に応じて、弾性押圧片の取付位置を選択し又は変更することにより、コンテナ本体内に収容された被収容物を最も適当な位置で押圧することができる。したがって、この第4の発明によれば、より一層内部に収容された被収容物の破損を防止することが可能となる。
【0019】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)では、先ず、コンテナ本体に対する蓋体の取付位置を上下方向に調節可能とされていることから、コンテナ本体の高さよりも低い被収納物が収納され、コンテナ本体の上部に蓋体を取り付けた場合では、上記弾性押圧片又は弾性押圧部が被収容物を十分に押圧できない場合であっても、上記蓋体の取付位置を下方に移動・調節することにより、適当な押圧力を被収容物に作用させることができる。そして、さらにこの第5の発明では、他方の係合部と一方の係合部との係合状態を解除する解除操作部が該他方の係合部の近傍に形成されてなることから、コンテナ本体の上部よりも下方の位置で蓋体を取り付けた場合であっても、極めて容易に蓋体の開閉操作が可能となり、より一層使い勝手の良いコンテナとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態に係るコンテナ1を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
このコンテナ1は、図1に示すように、コンテナ本体2と、蓋体3とから構成されている。これらコンテナ本体2及び蓋体3は、何れもポリプロピレンを素材とするものであり、上記蓋体3は、一体成形されている。そして、上記コンテナ本体2は、方形状に成形された底板5と、この底板5の各辺に対応して配置された正面側板6及び背面側板7と、左側板8及び右側板9とから構成されている。すなわち、このコンテナ本体2は、上記底板5,正面側板6,背面側板7,左側板8及び右側板9により内部に図示しない被収容物を収容する収容空間を有し、上方は方形状の開口2aが形成されている。なお、これら底板5,正面側板6,背面側板7,左側板8及び右側板9は、それぞれ上記蓋体3の素材であるポリプロピレンにより成形されている。そして、上記底板5は、図2に示すように、底板部5aと、この底板部5a正面側に形成された正面起立部5bと、背面側に形成された背面起立部5cと、左側に形成された左側起立部5dと、右側に形成された右側起立部5eとを備えている。上記底板部5aの上面は、一面に多数の凸部5fが形成され、底面には、図3に示すように、六角形状のリブ5gが多数形成されている。また、上記正面起立部5b及び背面起立部5cは何れも同一高さとされ、左側起立部5d及び右側起立部5eも同じ高さとされているが、これら左側起立部5d及び右側起立部5eは、上記正面起立部5b及び背面起立部5cよりも(ほぼ上記正面側板6及び背面側板7の肉厚分)高いものとされている。
【0022】
そして、上記正面側板6は、上記正面起立部5bに対して着脱可能とされ、且つ内側に折り畳み可能に支持されており、上記背面側板7は、上記背面起立部5cに対して着脱可能とされ、且つ内側に折り畳み可能に支持されている。また、上記左側板8は、上記左側起立部5dに対して着脱可能とされ、且つ内側に折り畳み可能に支持され、上記右側板9は、上記右側起立部5eに対して着脱可能とされ、且つ内側に折り畳み可能に支持されている。なお、図1に示すように、正面側板6及び背面側板7は、何れも同一形状に成形され、左側板6及び右側板7も互いに同一形状に成形されており、図1に示すように、正面側板6及び背面側板7及び左側板8及び右側板9の上端は全て同じ高さとされている。したがって、上記正面側板6と背面側板7とを内側に折り畳み、その後、上記左側板8と右側板9とを上記正面側板6及び背面側板7の上に重ねるように折り畳むと、図1に示すコンテナ本体2は、図4に示す状態となり、上記左側起立部5d及び右側起立部5eの高さと同じ高さとなる。
【0023】
そして、上記左側板8(及び右側板9)の内側には、図5に示すように、左側に左係止爪8aが形成され、右側には右係止爪8bが形成されている。上記左係止爪8aは、図4に示すように折り畳まれたコンテナ本体2を図1に示す状態に復帰させる場合に、上記左側板8及び右側板9をそれぞれ起立操作した後に、上記正面側板6を起立操作させた際に、該正面側板6が不用意に折り畳まれてしまうことがないように係止する部位であり、また、上記右係止爪8bは、上記背面側板7を起立操作させた際に、該背面側板7が不用意に折り畳まれてしまうことがないように係止する部位である。なお、これら左係止爪8a及び右係止爪8bは、それぞれ弾性変位するように、この左側板8に対してほぼ板バネ状に形成されており、上述したように、起立した正面側板6や背面側板7を折り畳む際には、上記左係止爪8a及び右係止爪8bを指で押圧操作することにより、容易に上記係合状態を解除することができるようにされている。
【0024】
そしてさらに、上記左側板8(及び右側板9)の内側には、上記左係止爪8aの右側に第1の係合部群8cが、この左側板8の高さ方向に形成され、上記右係止爪8bの左側には、上記第1の係合部群8cと平行とされた第2の係合部群8dが形成されている。上記第1の係合部群8cは、後述する蓋体2の左側に形成された第1の係合片に係合する多数(本実施の形態では13個)の第1の係合部8eからなるものであり、上記第2の係合部群8dは、後述する蓋体2の左側に形成された第2の係合片に係合する多数の(本実施の形態では13個)の第2の係合部8fからなるものである。なお、上記第1の係合部群8cを構成する第1の係合部8eのうちで最も上方に形成された第1の係合部8eと、上記第2の係合部群8dを構成する第2の係合部8fのうちで最も上方に形成された第2の係合部8fとには、後述する蓋体3に形成された第1及び第2の係合片との摩擦抵抗が大きくなるように、それぞれ中央に肉厚部8h,8iが形成されている。また、上記右側板9の内側にも、図1に示すように、上記第1の係合部群8cと対向する第3の係合部群9cと、上記第2の係合部群8dと対向する第4の係合部群9dとがそれぞれ形成されており、この第3の係合部群9cは、多数の第3の係合部9eからなり、上記第4の係合部群9dは、多数の第4の係合部9fからなる。なお、上記コンテナ本体2を構成する左側板8及び右側板9は、本発明を構成する一方及び他方の側板であり、上記第1ないし第4の係合部群8c,8d,9c,9dは、本発明を構成する係合部群であり、上記第1ないし第4の係合部8e,8f,9e,9fは、本発明を構成する一方の係合部である。
【0025】
次に、上記蓋体3の構成に付いて説明する。この蓋体3は、図1に示すように、上記コンテナ本体1に形成された方形状の開口2aを閉塞するものであって、上記正面側板6,背面側板7,左側板8及び右側板9の各内側の面積とほぼ同じ面積の面積を有した方形状の蓋本体3aと、この蓋本体3aの下面に形成された複数(本実施の形態では全部で8つ)の弾性押圧部3b・・・3iとを備えている。そして、上記蓋本体3aの各辺には、該蓋体3に剛性を付与するためのリブないし凹部3jが多数形成され、左側側部には、第1及び第2の係合片3k,3lが形成され、右側側部には、第3及び第4の係合片3m,3nが形成されている。上記第1の係合片3kは、上記左側板8の内側に形成された第1の係合部群8cを構成する多数の第1の係合部8eの何れか(又は上記右側板9の内側に形成された第4の係合部群9dを構成する多数の第4の係合部9fの何れか)に係合する部位であり、上記第2の係合片3lは、上記左側板8の内側に形成された第2の係合部群8dを構成する多数の第2の係合部8fの何れか(又は上記右側板9の内側に形成された第3の係合部群9cを構成する多数の第3の係合部9eの何れか)に係合する部位である。また、上記第3の係合片3mは、上記右側板9の内側に形成された第3の係合部群9cを構成する多数の第3の係合部9eの何れか(又は上記左側板8の内側に形成された第2の係合部群8dを構成する多数の第2の係合部8fの何れか)に係合する部位であり、上記第4の係合部3nは、上記右側板9の内側に形成された第4の係合部群9dを構成する多数の第4の係合片9fの何れか(又は上記左側板8の内側に形成された第1の係合部群8cを構成する多数の第1の係合部8eの何れか)に係合する部位である。なお、上記蓋体3を構成する第1ないし第4の係合片3k・・・3nは、本発明を構成する他方の係合片である。
【0026】
そして、上記第1ないし第4の係合片3k・・・3nは、図6に示すように、上記蓋本体3aと一体成形されてなるものであり、図7に示す第3の係合片3mのように、基端側にはU字状に折曲された弾性部3o・・・3rが形成されている。そして、図6に示すように、上記第1ないし第4の係合片3k・・・3nの左右両側には、それぞれ指を挿入し内側に押圧操作することにより上記第1ないし第4の係合片3k・・・3nの何れかと該第1ないし第4の係合部8e,8f,9e,9fとの係合状態を解除する解除操作部3s・・・3vが形成されている。
【0027】
また、上記弾性押圧部3b・・・3iは、図8に示すように、蓋本体3aの中央から周回り方向に対して等間隔で且つ放射状に形成されてなるものであり、基端から先端にかけて斜め下方に延設されてなる板状体であり、(基端側及び)先端側は円弧状に湾曲した円弧状部3wがそれぞれ形成され、側面視においては緩やかな逆S字状とされている。そして、上記蓋本体3aには、図1に示すように、上記弾性押圧部3b・・・3iの数に対応した数の挿通用開口3xが形成され、これら挿通用開口3xは、それぞれ上記弾性押圧部3b・・・3iの水平方向の長さよりも若干長く、またその幅も該弾性押圧部3b・・・3iの幅よりも若干広いものとされている。
【0028】
以下、上述した実施の形態に係るコンテナ1に被収容物としての瓦Rを収容する例を用いて、該コンテナ1の作用効果を説明する。図9から図11は、上記瓦R1,R2又はR3を収容した状態を示す端面図であり、図9に示すように、瓦R1をコンテナ本体2内に積み重ねて収容し、コンテナ本体2の上方から蓋体3を被せるように下方に押圧すると、最初に、上記弾性押圧部3b・・・3iの先端側に形成された各円弧状部3wが接触し、さらに上記蓋体3を下方に押圧すると、該押圧力により各円弧状部3wの下面と瓦R1の上面とが摺接しながら、該弾性押圧部3b・・・3iは全体的に外側に開くように弾性変形し、第1の係合片3kを最も上方に形成された第1の係合部8eに、第2の係合片3lを最も上方に形成された第2の係合部8fに、第3の係合片3mを最も上方に形成された第3の係合片9eに、第4の係合部3nを最も上方に形成された第4の係合部9fにそれぞれ係合させることにより、該蓋体3は、各弾性押圧部3b・・・3iが瓦1を下方に押圧した状態で固定される。このとき、上記各弾性押圧部3b・・・3iは、瓦R1の平面形状に応じて弾性変形する。また、上述したように、このコンテナ1では、上記コンテナ本体2に対して上記蓋体3の取付・固定位置を上下方向に調整することができるので、図10や図11に示すように、大きく湾曲した瓦2,瓦3を収容する場合には、上記蓋体3の取付・固定位置を図9に示す位置よりもそれぞれ下方にすることができ、同じように上記弾性押圧部3b・・・3iにより該瓦2,瓦3を下方に押圧した状態で収容することができる。
【0029】
したがって、このコンテナ1によれば、収容物である上記瓦R1,R2又はR3をコンテナ本体2内に収容することにより、空きスペースが多数形成される場合であっても、廃棄物となる緩衝材を一切用いることなく、上記弾性押圧部3b・・・3iにより該瓦R1,R2又はR3を下方に押圧することができるので、搬送・輸送する際における振動により、上記瓦R1,R2又はR3が破損してしまうことを有効に防止することができる。特に、コンテナ1では、上記コンテナ本体2に対して上記蓋体3の取付・固定位置を上下方向に調整することができるので、被収容物の高さや数により、最も上方に蓋体3を固定した場合では、上記弾性押圧部3b・・・3iによる押圧力が十分作用しない場合であっても、該蓋体3を下方に移動させることにより、該弾性押圧部3b・・・3iによる押圧力を十分被収容物に作用させることができるので、特定の収容物に限定されず汎用性が高い。
【0030】
また、図11に示すように、コンテナ本体2に対す蓋体3の取付・固定位置を、該コンテナ本体2の中途部又は下方とし、以後蓋体3をコンテナ本体2から取り外す際には、前述した解除操作部3s,3t又は3u,3vに指を挿入し内側に押圧操作する。こうした操作により、それまで互いに係合していた第1ないし第4の係合部8e,8f,9e,9fの何れかと第1ないし第4の係合片3k・・・3nとの係合状態を解除することができる。したがって、この実施の形態に係るコンテナ1によれば、上記解除操作部3s,3t又は3u,3vの操作により簡単に蓋体3を取り外すことができるので、極めて使い勝手が良い。なお、このコンテナ1を構成する左側板8には、前述したように、蓋体3に形成された第1又は第2の係合片3k,3lとの摩擦抵抗が大きくなるように、第1及び第2の係合部群8c,8dを構成する最も上段の係合部8e,8fには、それぞれ中央に肉厚部8h,8iが形成され、また、右側板9には、蓋体3に形成された第3又は第4の係合片3m,3nとの摩擦抵抗が大きくなるように、第3及び第4の係合部群9c,9dを構成する最も上段の係合部9e,9fには、それぞれ中央に肉厚部9h,9iが形成されていることから、これらの位置で蓋体3が取付・固定されている場合には、上方からある程度の力が下方に作用しても該蓋体3が下方に移動してしまう危険性が少なく、逆に輸送時の振動等により上方に力が作用した場合であっても蓋体3が外れて脱落する危険性が少ない。
【0031】
さらに、上記コンテナ1では、前述したように、蓋体3を構成する蓋本体3aには、弾性押圧部3b・・・3iが挿通される挿通用開口3xが形成されていることから、図12に示すように、多数の蓋体3を重ねて保存しておくことができ、上記弾性押圧部3b・・・3iを蓋体3に設けたことに伴い該蓋体3を多数枚積載できない事態を有効に解消することができる。さらに、本実施の形態に係るコンテナ1は、全て単一の樹脂(ポリプロピレン)を素材としていることから、リサイクルも容易となり環境負荷も少ない。
【0032】
なお、上述した実施の形態に係るコンテナ1では、本発明を構成する弾性押圧部3b・・・3iが、蓋本体3aの下面から放射状に形成されているが、本発明を構成する弾性押圧部は、こうした形態に限定されるものではなく、例えば、特定の弾性押圧部と、この特定の弾性押圧部と90度向きを変えた他の弾性押圧部とが多数蓋本体の下面に形成されているものであっても良く、また、板バネ状の弾性押圧部材ではなく、コイル(螺旋)状や蛇腹状の弾性押圧部材であっても良い。さらに、上記弾性押圧部材3b・・・3iは、蓋本体3に一体成形されたものであるが、本発明は、上記弾性押圧部を弾性押圧片として蓋本体とは別個に成形するとともに、蓋本体の下面に着脱自在に取り付けられてなるものであっても良い。例えば、図13に示すように、蓋体30を構成する蓋本体30aの底面に、多数の装着部30bを形成し、この多数の装着部30bの中から、被収容物の形状や数に応じて任意に選択された装着部30bに、上記弾性押圧片31が取り付けられたものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】発明の実施の形態に係るコンテナを、コンテナ本体と蓋体とに分解して示す斜視図である。
【図2】底板を示す斜視図である。
【図3】底板の底面側を示す斜視図である。
【図4】コンテナ本体を折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図5】左側板の内側の構成を示す斜視図である。
【図6】蓋体の平面図である。
【図7】第3の係合片の要部を示す側断面図である。
【図8】蓋体の裏面を示す斜視図である。
【図9】コンテナ内に瓦を収容した状態を示す端面図である。
【図10】コンテナ内に他の瓦を収容した状態を示す端面図である。
【図11】コンテナ内に更に他の瓦を収容した状態を示す端面図である。
【図12】蓋体を重ね合わせた状態を示す斜視図である。
【図13】蓋体と弾性押圧片との取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 コンテナ
2a 開口
2 コンテナ本体
3 蓋体
3a 蓋本体
3b・・・3i 弾性押圧部
3k 第1の係合片
3l 第2の係合片
3m 第3の係合片
3n 第4の係合片
3w 円弧状部
3x 挿通用開口
3s・・・3v 解除操作部
5 底板
8 左側板
8c 第1の係合部群
8d 第2の係合部群
8e 第1の係合部
8f 第2の係合部
9 右側板
9c 第3の係合部群
9d 第4の係合部群
9e 第3の係合部
9f 第4の係合部
R1,R2,R3 瓦
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に被収容物を収容するコンテナであって、特に蓋体が構成要素とされたコンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでコンテナは、内部に製品や部品等の被収容物を収容し他所に搬送・輸送する目的で広く使用されている。そして、最近では、折り畳み可能なコンテナも多く提案され実施されるに至っている。ところで、コンテナに収容される被収容物は、必ずしもコンテナの内部形状に対応した被収容物を収容するものではなく、その形状は多種多様であるとともに、収納する数により内部に大きな空きスペースが形成される場合が多い。このような空きスペースが形成されている場合においては、搬送・輸送する際に被収容物同士が互いに衝突することにより割れ,欠け,変形等或いは破損する場合が多い。特に、陶磁器やガラス製品等を収容し搬送・輸送する途中において破損する危険性は高い。そこで、こうした問題点を解消するために、上記空きスペース内に、紙,発泡スチロール等の素材からなる緩衝材を充填する方法が採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した緩衝材を空きスペース内に充填することにより被収容物の破損を防止する方法では、上記緩衝材をゴミとして廃棄しなければならず、場合によっては膨大な廃棄物が発生することとなり、収益を大きく圧迫しているのが実情である。
【0004】
そこで、本発明は、上述した従来のコンテナが有する課題を解決するために提案されたものであって、廃棄物となる緩衝材を一切用いずして、搬送・輸送する際における被収容物の破損を有効に防止することができる新規なコンテナを提案することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため、本発明(請求項1記載の発明)は、内部に被収容物を収容するスペースを有し上部に開口が形成されたコンテナ本体と、このコンテナ本体の開口を閉塞する蓋体とを備え、上記蓋体は、蓋本体と、この蓋本体の下面に配置され、上記コンテナ本体に収容された被収容物を下方に押圧する複数の弾性押圧片又は弾性押圧部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0006】
この第1の発明では、コンテナ本体と蓋体とが構成要素とされ、上記コンテナ本体や蓋体は、特に素材が限定されるものではないばかりか、コンテナ本体は折り畳み可能であるか否かも問われるものではない。また、これらコンテナ本体や蓋体の形状に関しても、特に限定されるものではない。すなわち、上記コンテナ本体に関しては、少なくとも内部に被収容物を収容することができるスペースを有していれば足り、蓋体に関しては、上記コンテナ本体に形成された開口を閉塞できるものであれば足りる。そして、本発明を構成する上記複数の弾性押圧片又は弾性押圧部は、少なくとも上記コンテナ本体に収容された被収容物を下方に押圧するものであれば良く、それぞれの弾性押圧片又は弾性押圧部の形状や長さ幅、更には方向性が互いに異なっているものであっても良い。したがって、上記弾性押圧片又は弾性押圧部は、コイルバネのように螺旋状に成形されたものや板バネのように成形されているものであっても良い。また、これら弾性押圧片又は弾性押圧部は、後述するように、蓋本体に対して一体成形されているものに限定されるものではなく、蓋本体と弾性押圧片又は弾性押圧部とがそれぞれ別個に成形され、成形後に蓋本体に弾性押圧片又は弾性押圧部が取り付けられ一体化されているものであっても良い。
【0007】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記弾性押圧片又は弾性押圧部は、前記蓋本体の下面から斜め下方に延設されてなり先端には円弧状部が形成され、全体として弾性変形可能となされ上記円弧状部は、被収容物に対して上方から下方に圧接する肉厚及び長さとされてなることを特徴とするものである。
【0008】
この第2の発明では、弾性押圧片又は弾性押圧部は、前記蓋本体の下面から斜め下方に延設されてなり先端には円弧状部が形成されており、円弧状となされた面により被収容物を下方に圧接するものである。この円弧状部の曲率は特に限定されるものではないが、蓋体によりコンテナ本体に形成された開口を閉塞する際において、該コンテナ本体内に収容された被収容物に上記弾性押圧片又は弾性押圧部に接触した後に更に下方に蓋体を押圧することによって、該弾性押圧片又は弾性押圧部に形成された上記円弧状部が被収容物上を滑る(摺接する)ことができる程度の曲率であることが望ましい。
【0009】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記弾性押圧部を備えた蓋体は、合成樹脂により一体成形されてなるとともに、前記蓋本体には、上記弾性押圧部の基端から先端までの水平方向の長さ及び水平方向の幅に対応する挿通用開口が形成されてなることを特徴とするものである。
【0010】
この第3の発明では、少なくとも蓋体は合成樹脂により一体成形されてなるものであり、弾性押圧部の基端から先端までの水平方向の長さ及び水平方向の幅に対応する挿通用開口が蓋本体に形成されてなることが必要である。上記挿通用開口の数は、言うまでもなく上記弾性押圧部の数に対応したものであり、該挿通用開口に挿通されるものは、この蓋体を複数枚重ねた場合において、上記弾性押圧部が挿通される部位である。したがって、弾性押圧部の形成位置と、上記挿通用開口の形成位置は対応関係にあることが必要となる。
【0011】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1又は第2の発明の何れかにおいて、前記蓋本体と弾性押圧片とはそれぞれ別個に成形されてなり、この蓋本体の下面には、上記弾性押圧片の基端が着脱可能に固定される複数の取付部が形成されてなることを特徴とするものである。
【0012】
なお、この第4の発明において、上記蓋本体の下面に形成された取付部は、実際に取り付けられる弾性押圧片の数に対応した数である必要はなく、コンテナ本体の内部に収容される被収容物の形状や収容位置等に応じて、適宜に選択された複数の取付部に上記弾性押圧片の基端側を取り付けられるように、蓋本体の下面に多数形成されている必要がある。また、この取付部は、少なくとも弾性押圧片の基端が位置決めできる程度のものであれば足り、ネジやボルト等の固定手段を介して取り付けられるものも含む。
【0013】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、上記第1,第2,第3又は第4の発明の何れかの発明において、前記コンテナ本体は、互いに対向する一方及び他方の側板を備え、これらの側板の内側には、それぞれ一方の係合部が上下方向に多数形成された係合部群が形成され、前記蓋体には、上記係合部群を構成する一方の係合部の何れかに係合する他方の係合部を備え、上記コンテナ本体を構成する一方の係合部の何れかと、上記蓋体を構成する他方の係合部とが互いに係合させることにより、上記コンテナ本体に対する蓋体の取付位置を上下方向に調節可能とされてなり、上記蓋体を構成する蓋本体には、上記他方の係合部と一方の係合部との係合状態を解除する解除操作部が該他方の係合部の近傍に形成されてなることを特徴とするものである。
【0014】
この第5の発明では、上記コンテナ本体に上下方向に複数形成された係合部群を構成する一方の係合部の何れかと、蓋体に形成された他方の係合部とが互いに係合することにより、コンテナ本体に対する蓋体の取付位置を上下方向に調節可能とされていることが前提とされている。したがって、この第5の発明では、コンテナ本体の上部でのみ蓋体を取り付けるばかりではなく、該コンテナ本体の上端よりも下方位置にて、蓋体を取り付けることができる。そして、この第5の発明では、蓋本体には、上記他方の係合部と一方の係合部との係合状態を解除する解除操作部が該他方の係合部の近傍に形成されてなるものであり、この解除操作部は、上記一方の係合部と他方の係合部とが互いに係合されている状態において、上記他方の係合部を一方の係合部方向とは反対方向に移動させるものであれば足り、特に、該他方の係合部が蓋体の左右両側に形成されている場合において、上記解除操作部は、その何れかに形成されていれば良い。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)によれば、コンテナ本体の内部に収容された被収容物は、上記蓋本体の下面に配置された複数の弾性押圧片又は弾性押圧部により下方に押圧され、コンテナ本体の底板との間で挟持されることとなるので、搬送・輸送時において振動されたり揺動されたりした場合であっても、上記被収容物同士が衝突し破損する危険性を有効に緩和・防止することが可能となる。したがって、こうしたコンテナを使用することにより、従来のように緩衝材を使用する必要性はなく、大量の廃棄物を処分する必要性もない。
【0016】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、弾性押圧片又は弾性押圧部は、前記蓋本体の下面から斜め下方に延設されてなり先端には円弧状部が形成されており、円弧状となされた面により被収容物を下方に圧接するものであることから、蓋体によりコンテナ本体に形成された開口を閉塞する際において、該コンテナ本体内に収容された被収容物に上記弾性押圧片又は弾性押圧部に接触した後に更に下方に蓋体を押圧することによって、該弾性押圧片又は弾性押圧部に形成された上記円弧状部が被収容物上を滑り(摺接し)、この結果、上記弾性押圧片又は弾性押圧部は、全体として弾性変形する。したがって、上記弾性押圧片又は弾性押圧部の弾性力により、蓋体が固定できない事態を有効に防止することができる。
【0017】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)では、先ず、蓋体は合成樹脂により一体成形されてなることから、製造コストを低減することができるばかりではなく、リサイクルも容易となり環境対応性を向上させることができる。さらに、この第3の発明では、挿通用開口が蓋本体に形成されてなることから、蓋体を複数枚重ねて保存しておくことができ、弾性押圧部を設けたことに伴い蓋体を多数枚積載できない事態を有効に解消することができる。
【0018】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)では、蓋本体の下面に上記弾性押圧片の基端が着脱可能に固定される複数の取付部が形成されてなることから、コンテナ本体の内部に収容される被収容物の形状や収容位置等に応じて、弾性押圧片の取付位置を選択し又は変更することにより、コンテナ本体内に収容された被収容物を最も適当な位置で押圧することができる。したがって、この第4の発明によれば、より一層内部に収容された被収容物の破損を防止することが可能となる。
【0019】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)では、先ず、コンテナ本体に対する蓋体の取付位置を上下方向に調節可能とされていることから、コンテナ本体の高さよりも低い被収納物が収納され、コンテナ本体の上部に蓋体を取り付けた場合では、上記弾性押圧片又は弾性押圧部が被収容物を十分に押圧できない場合であっても、上記蓋体の取付位置を下方に移動・調節することにより、適当な押圧力を被収容物に作用させることができる。そして、さらにこの第5の発明では、他方の係合部と一方の係合部との係合状態を解除する解除操作部が該他方の係合部の近傍に形成されてなることから、コンテナ本体の上部よりも下方の位置で蓋体を取り付けた場合であっても、極めて容易に蓋体の開閉操作が可能となり、より一層使い勝手の良いコンテナとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態に係るコンテナ1を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
このコンテナ1は、図1に示すように、コンテナ本体2と、蓋体3とから構成されている。これらコンテナ本体2及び蓋体3は、何れもポリプロピレンを素材とするものであり、上記蓋体3は、一体成形されている。そして、上記コンテナ本体2は、方形状に成形された底板5と、この底板5の各辺に対応して配置された正面側板6及び背面側板7と、左側板8及び右側板9とから構成されている。すなわち、このコンテナ本体2は、上記底板5,正面側板6,背面側板7,左側板8及び右側板9により内部に図示しない被収容物を収容する収容空間を有し、上方は方形状の開口2aが形成されている。なお、これら底板5,正面側板6,背面側板7,左側板8及び右側板9は、それぞれ上記蓋体3の素材であるポリプロピレンにより成形されている。そして、上記底板5は、図2に示すように、底板部5aと、この底板部5a正面側に形成された正面起立部5bと、背面側に形成された背面起立部5cと、左側に形成された左側起立部5dと、右側に形成された右側起立部5eとを備えている。上記底板部5aの上面は、一面に多数の凸部5fが形成され、底面には、図3に示すように、六角形状のリブ5gが多数形成されている。また、上記正面起立部5b及び背面起立部5cは何れも同一高さとされ、左側起立部5d及び右側起立部5eも同じ高さとされているが、これら左側起立部5d及び右側起立部5eは、上記正面起立部5b及び背面起立部5cよりも(ほぼ上記正面側板6及び背面側板7の肉厚分)高いものとされている。
【0022】
そして、上記正面側板6は、上記正面起立部5bに対して着脱可能とされ、且つ内側に折り畳み可能に支持されており、上記背面側板7は、上記背面起立部5cに対して着脱可能とされ、且つ内側に折り畳み可能に支持されている。また、上記左側板8は、上記左側起立部5dに対して着脱可能とされ、且つ内側に折り畳み可能に支持され、上記右側板9は、上記右側起立部5eに対して着脱可能とされ、且つ内側に折り畳み可能に支持されている。なお、図1に示すように、正面側板6及び背面側板7は、何れも同一形状に成形され、左側板6及び右側板7も互いに同一形状に成形されており、図1に示すように、正面側板6及び背面側板7及び左側板8及び右側板9の上端は全て同じ高さとされている。したがって、上記正面側板6と背面側板7とを内側に折り畳み、その後、上記左側板8と右側板9とを上記正面側板6及び背面側板7の上に重ねるように折り畳むと、図1に示すコンテナ本体2は、図4に示す状態となり、上記左側起立部5d及び右側起立部5eの高さと同じ高さとなる。
【0023】
そして、上記左側板8(及び右側板9)の内側には、図5に示すように、左側に左係止爪8aが形成され、右側には右係止爪8bが形成されている。上記左係止爪8aは、図4に示すように折り畳まれたコンテナ本体2を図1に示す状態に復帰させる場合に、上記左側板8及び右側板9をそれぞれ起立操作した後に、上記正面側板6を起立操作させた際に、該正面側板6が不用意に折り畳まれてしまうことがないように係止する部位であり、また、上記右係止爪8bは、上記背面側板7を起立操作させた際に、該背面側板7が不用意に折り畳まれてしまうことがないように係止する部位である。なお、これら左係止爪8a及び右係止爪8bは、それぞれ弾性変位するように、この左側板8に対してほぼ板バネ状に形成されており、上述したように、起立した正面側板6や背面側板7を折り畳む際には、上記左係止爪8a及び右係止爪8bを指で押圧操作することにより、容易に上記係合状態を解除することができるようにされている。
【0024】
そしてさらに、上記左側板8(及び右側板9)の内側には、上記左係止爪8aの右側に第1の係合部群8cが、この左側板8の高さ方向に形成され、上記右係止爪8bの左側には、上記第1の係合部群8cと平行とされた第2の係合部群8dが形成されている。上記第1の係合部群8cは、後述する蓋体2の左側に形成された第1の係合片に係合する多数(本実施の形態では13個)の第1の係合部8eからなるものであり、上記第2の係合部群8dは、後述する蓋体2の左側に形成された第2の係合片に係合する多数の(本実施の形態では13個)の第2の係合部8fからなるものである。なお、上記第1の係合部群8cを構成する第1の係合部8eのうちで最も上方に形成された第1の係合部8eと、上記第2の係合部群8dを構成する第2の係合部8fのうちで最も上方に形成された第2の係合部8fとには、後述する蓋体3に形成された第1及び第2の係合片との摩擦抵抗が大きくなるように、それぞれ中央に肉厚部8h,8iが形成されている。また、上記右側板9の内側にも、図1に示すように、上記第1の係合部群8cと対向する第3の係合部群9cと、上記第2の係合部群8dと対向する第4の係合部群9dとがそれぞれ形成されており、この第3の係合部群9cは、多数の第3の係合部9eからなり、上記第4の係合部群9dは、多数の第4の係合部9fからなる。なお、上記コンテナ本体2を構成する左側板8及び右側板9は、本発明を構成する一方及び他方の側板であり、上記第1ないし第4の係合部群8c,8d,9c,9dは、本発明を構成する係合部群であり、上記第1ないし第4の係合部8e,8f,9e,9fは、本発明を構成する一方の係合部である。
【0025】
次に、上記蓋体3の構成に付いて説明する。この蓋体3は、図1に示すように、上記コンテナ本体1に形成された方形状の開口2aを閉塞するものであって、上記正面側板6,背面側板7,左側板8及び右側板9の各内側の面積とほぼ同じ面積の面積を有した方形状の蓋本体3aと、この蓋本体3aの下面に形成された複数(本実施の形態では全部で8つ)の弾性押圧部3b・・・3iとを備えている。そして、上記蓋本体3aの各辺には、該蓋体3に剛性を付与するためのリブないし凹部3jが多数形成され、左側側部には、第1及び第2の係合片3k,3lが形成され、右側側部には、第3及び第4の係合片3m,3nが形成されている。上記第1の係合片3kは、上記左側板8の内側に形成された第1の係合部群8cを構成する多数の第1の係合部8eの何れか(又は上記右側板9の内側に形成された第4の係合部群9dを構成する多数の第4の係合部9fの何れか)に係合する部位であり、上記第2の係合片3lは、上記左側板8の内側に形成された第2の係合部群8dを構成する多数の第2の係合部8fの何れか(又は上記右側板9の内側に形成された第3の係合部群9cを構成する多数の第3の係合部9eの何れか)に係合する部位である。また、上記第3の係合片3mは、上記右側板9の内側に形成された第3の係合部群9cを構成する多数の第3の係合部9eの何れか(又は上記左側板8の内側に形成された第2の係合部群8dを構成する多数の第2の係合部8fの何れか)に係合する部位であり、上記第4の係合部3nは、上記右側板9の内側に形成された第4の係合部群9dを構成する多数の第4の係合片9fの何れか(又は上記左側板8の内側に形成された第1の係合部群8cを構成する多数の第1の係合部8eの何れか)に係合する部位である。なお、上記蓋体3を構成する第1ないし第4の係合片3k・・・3nは、本発明を構成する他方の係合片である。
【0026】
そして、上記第1ないし第4の係合片3k・・・3nは、図6に示すように、上記蓋本体3aと一体成形されてなるものであり、図7に示す第3の係合片3mのように、基端側にはU字状に折曲された弾性部3o・・・3rが形成されている。そして、図6に示すように、上記第1ないし第4の係合片3k・・・3nの左右両側には、それぞれ指を挿入し内側に押圧操作することにより上記第1ないし第4の係合片3k・・・3nの何れかと該第1ないし第4の係合部8e,8f,9e,9fとの係合状態を解除する解除操作部3s・・・3vが形成されている。
【0027】
また、上記弾性押圧部3b・・・3iは、図8に示すように、蓋本体3aの中央から周回り方向に対して等間隔で且つ放射状に形成されてなるものであり、基端から先端にかけて斜め下方に延設されてなる板状体であり、(基端側及び)先端側は円弧状に湾曲した円弧状部3wがそれぞれ形成され、側面視においては緩やかな逆S字状とされている。そして、上記蓋本体3aには、図1に示すように、上記弾性押圧部3b・・・3iの数に対応した数の挿通用開口3xが形成され、これら挿通用開口3xは、それぞれ上記弾性押圧部3b・・・3iの水平方向の長さよりも若干長く、またその幅も該弾性押圧部3b・・・3iの幅よりも若干広いものとされている。
【0028】
以下、上述した実施の形態に係るコンテナ1に被収容物としての瓦Rを収容する例を用いて、該コンテナ1の作用効果を説明する。図9から図11は、上記瓦R1,R2又はR3を収容した状態を示す端面図であり、図9に示すように、瓦R1をコンテナ本体2内に積み重ねて収容し、コンテナ本体2の上方から蓋体3を被せるように下方に押圧すると、最初に、上記弾性押圧部3b・・・3iの先端側に形成された各円弧状部3wが接触し、さらに上記蓋体3を下方に押圧すると、該押圧力により各円弧状部3wの下面と瓦R1の上面とが摺接しながら、該弾性押圧部3b・・・3iは全体的に外側に開くように弾性変形し、第1の係合片3kを最も上方に形成された第1の係合部8eに、第2の係合片3lを最も上方に形成された第2の係合部8fに、第3の係合片3mを最も上方に形成された第3の係合片9eに、第4の係合部3nを最も上方に形成された第4の係合部9fにそれぞれ係合させることにより、該蓋体3は、各弾性押圧部3b・・・3iが瓦1を下方に押圧した状態で固定される。このとき、上記各弾性押圧部3b・・・3iは、瓦R1の平面形状に応じて弾性変形する。また、上述したように、このコンテナ1では、上記コンテナ本体2に対して上記蓋体3の取付・固定位置を上下方向に調整することができるので、図10や図11に示すように、大きく湾曲した瓦2,瓦3を収容する場合には、上記蓋体3の取付・固定位置を図9に示す位置よりもそれぞれ下方にすることができ、同じように上記弾性押圧部3b・・・3iにより該瓦2,瓦3を下方に押圧した状態で収容することができる。
【0029】
したがって、このコンテナ1によれば、収容物である上記瓦R1,R2又はR3をコンテナ本体2内に収容することにより、空きスペースが多数形成される場合であっても、廃棄物となる緩衝材を一切用いることなく、上記弾性押圧部3b・・・3iにより該瓦R1,R2又はR3を下方に押圧することができるので、搬送・輸送する際における振動により、上記瓦R1,R2又はR3が破損してしまうことを有効に防止することができる。特に、コンテナ1では、上記コンテナ本体2に対して上記蓋体3の取付・固定位置を上下方向に調整することができるので、被収容物の高さや数により、最も上方に蓋体3を固定した場合では、上記弾性押圧部3b・・・3iによる押圧力が十分作用しない場合であっても、該蓋体3を下方に移動させることにより、該弾性押圧部3b・・・3iによる押圧力を十分被収容物に作用させることができるので、特定の収容物に限定されず汎用性が高い。
【0030】
また、図11に示すように、コンテナ本体2に対す蓋体3の取付・固定位置を、該コンテナ本体2の中途部又は下方とし、以後蓋体3をコンテナ本体2から取り外す際には、前述した解除操作部3s,3t又は3u,3vに指を挿入し内側に押圧操作する。こうした操作により、それまで互いに係合していた第1ないし第4の係合部8e,8f,9e,9fの何れかと第1ないし第4の係合片3k・・・3nとの係合状態を解除することができる。したがって、この実施の形態に係るコンテナ1によれば、上記解除操作部3s,3t又は3u,3vの操作により簡単に蓋体3を取り外すことができるので、極めて使い勝手が良い。なお、このコンテナ1を構成する左側板8には、前述したように、蓋体3に形成された第1又は第2の係合片3k,3lとの摩擦抵抗が大きくなるように、第1及び第2の係合部群8c,8dを構成する最も上段の係合部8e,8fには、それぞれ中央に肉厚部8h,8iが形成され、また、右側板9には、蓋体3に形成された第3又は第4の係合片3m,3nとの摩擦抵抗が大きくなるように、第3及び第4の係合部群9c,9dを構成する最も上段の係合部9e,9fには、それぞれ中央に肉厚部9h,9iが形成されていることから、これらの位置で蓋体3が取付・固定されている場合には、上方からある程度の力が下方に作用しても該蓋体3が下方に移動してしまう危険性が少なく、逆に輸送時の振動等により上方に力が作用した場合であっても蓋体3が外れて脱落する危険性が少ない。
【0031】
さらに、上記コンテナ1では、前述したように、蓋体3を構成する蓋本体3aには、弾性押圧部3b・・・3iが挿通される挿通用開口3xが形成されていることから、図12に示すように、多数の蓋体3を重ねて保存しておくことができ、上記弾性押圧部3b・・・3iを蓋体3に設けたことに伴い該蓋体3を多数枚積載できない事態を有効に解消することができる。さらに、本実施の形態に係るコンテナ1は、全て単一の樹脂(ポリプロピレン)を素材としていることから、リサイクルも容易となり環境負荷も少ない。
【0032】
なお、上述した実施の形態に係るコンテナ1では、本発明を構成する弾性押圧部3b・・・3iが、蓋本体3aの下面から放射状に形成されているが、本発明を構成する弾性押圧部は、こうした形態に限定されるものではなく、例えば、特定の弾性押圧部と、この特定の弾性押圧部と90度向きを変えた他の弾性押圧部とが多数蓋本体の下面に形成されているものであっても良く、また、板バネ状の弾性押圧部材ではなく、コイル(螺旋)状や蛇腹状の弾性押圧部材であっても良い。さらに、上記弾性押圧部材3b・・・3iは、蓋本体3に一体成形されたものであるが、本発明は、上記弾性押圧部を弾性押圧片として蓋本体とは別個に成形するとともに、蓋本体の下面に着脱自在に取り付けられてなるものであっても良い。例えば、図13に示すように、蓋体30を構成する蓋本体30aの底面に、多数の装着部30bを形成し、この多数の装着部30bの中から、被収容物の形状や数に応じて任意に選択された装着部30bに、上記弾性押圧片31が取り付けられたものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】発明の実施の形態に係るコンテナを、コンテナ本体と蓋体とに分解して示す斜視図である。
【図2】底板を示す斜視図である。
【図3】底板の底面側を示す斜視図である。
【図4】コンテナ本体を折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図5】左側板の内側の構成を示す斜視図である。
【図6】蓋体の平面図である。
【図7】第3の係合片の要部を示す側断面図である。
【図8】蓋体の裏面を示す斜視図である。
【図9】コンテナ内に瓦を収容した状態を示す端面図である。
【図10】コンテナ内に他の瓦を収容した状態を示す端面図である。
【図11】コンテナ内に更に他の瓦を収容した状態を示す端面図である。
【図12】蓋体を重ね合わせた状態を示す斜視図である。
【図13】蓋体と弾性押圧片との取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 コンテナ
2a 開口
2 コンテナ本体
3 蓋体
3a 蓋本体
3b・・・3i 弾性押圧部
3k 第1の係合片
3l 第2の係合片
3m 第3の係合片
3n 第4の係合片
3w 円弧状部
3x 挿通用開口
3s・・・3v 解除操作部
5 底板
8 左側板
8c 第1の係合部群
8d 第2の係合部群
8e 第1の係合部
8f 第2の係合部
9 右側板
9c 第3の係合部群
9d 第4の係合部群
9e 第3の係合部
9f 第4の係合部
R1,R2,R3 瓦
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に被収容物を収容するスペースを有し上部に開口が形成されたコンテナ本体と、このコンテナ本体の開口を閉塞する蓋体とを備え、
上記蓋体は、蓋本体と、この蓋本体の下面に配置され、上記コンテナ本体に収容された被収容物を下方に押圧する複数の弾性押圧片又は弾性押圧部と、を備えてなることを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記弾性押圧片又は弾性押圧部は、前記蓋本体の下面から斜め下方に延設されてなり先端には円弧状部が形成され、全体として弾性変形可能となされ上記円弧状部は、被収容物に対して上方から下方に圧接する肉厚及び長さとされてなることを特徴とする請求項1記載のコンテナ。
【請求項3】
前記弾性押圧部を備えた蓋体は、合成樹脂により一体成形されてなるとともに、前記蓋本体には、上記弾性押圧部の基端から先端までの水平方向の長さ及び水平方向の幅に対応する挿通用開口が形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のコンテナ。
【請求項4】
前記蓋本体と弾性押圧片とはそれぞれ別個に成形されてなり、この蓋本体の下面には、上記弾性押圧片の基端が着脱可能に固定される複数の取付部が形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のコンテナ。
【請求項5】
前記コンテナ本体は、互いに対向する一方及び他方の側板を備え、これらの側板の内側には、それぞれ一方の係合部が上下方向に多数形成された係合部群が形成され、前記蓋体には、上記係合部群を構成する一方の係合部の何れかに係合する他方の係合部を備え、上記コンテナ本体を構成する一方の係合部の何れかと、上記蓋体を構成する他方の係合部とが互いに係合させることにより、上記コンテナ本体に対する蓋体の取付位置を上下方向に調節可能とされてなり、
上記蓋体を構成する蓋本体には、上記他方の係合部と一方の係合部との係合状態を解除する解除操作部が該他方の係合部の近傍に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし4記載の何れかのコンテナ。
【請求項1】
内部に被収容物を収容するスペースを有し上部に開口が形成されたコンテナ本体と、このコンテナ本体の開口を閉塞する蓋体とを備え、
上記蓋体は、蓋本体と、この蓋本体の下面に配置され、上記コンテナ本体に収容された被収容物を下方に押圧する複数の弾性押圧片又は弾性押圧部と、を備えてなることを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記弾性押圧片又は弾性押圧部は、前記蓋本体の下面から斜め下方に延設されてなり先端には円弧状部が形成され、全体として弾性変形可能となされ上記円弧状部は、被収容物に対して上方から下方に圧接する肉厚及び長さとされてなることを特徴とする請求項1記載のコンテナ。
【請求項3】
前記弾性押圧部を備えた蓋体は、合成樹脂により一体成形されてなるとともに、前記蓋本体には、上記弾性押圧部の基端から先端までの水平方向の長さ及び水平方向の幅に対応する挿通用開口が形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のコンテナ。
【請求項4】
前記蓋本体と弾性押圧片とはそれぞれ別個に成形されてなり、この蓋本体の下面には、上記弾性押圧片の基端が着脱可能に固定される複数の取付部が形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のコンテナ。
【請求項5】
前記コンテナ本体は、互いに対向する一方及び他方の側板を備え、これらの側板の内側には、それぞれ一方の係合部が上下方向に多数形成された係合部群が形成され、前記蓋体には、上記係合部群を構成する一方の係合部の何れかに係合する他方の係合部を備え、上記コンテナ本体を構成する一方の係合部の何れかと、上記蓋体を構成する他方の係合部とが互いに係合させることにより、上記コンテナ本体に対する蓋体の取付位置を上下方向に調節可能とされてなり、
上記蓋体を構成する蓋本体には、上記他方の係合部と一方の係合部との係合状態を解除する解除操作部が該他方の係合部の近傍に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし4記載の何れかのコンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−210662(P2007−210662A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35213(P2006−35213)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(506050226)株式会社マツザワ瓦店 (1)
【出願人】(302057959)株式会社鳥越樹脂工業 (2)
【出願人】(505022976)株式会社コスモテック (4)
【出願人】(506051267)有限会社岡山技研 (1)
【出願人】(506050237)有限会社トッキ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(506050226)株式会社マツザワ瓦店 (1)
【出願人】(302057959)株式会社鳥越樹脂工業 (2)
【出願人】(505022976)株式会社コスモテック (4)
【出願人】(506051267)有限会社岡山技研 (1)
【出願人】(506050237)有限会社トッキ (1)
【Fターム(参考)】
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