説明

コンテンツ利用管理システム

【課題】 電子ペーパを用いたコンテンツ閲覧において、コンテンツのセキュリティ管理と再利用とを合理的に実現する。
【解決手段】 ユーザIDと表示用データIDを含む場データを作成して場記憶手段7に記憶させることで、会議等の場について参加ユーザ及び使用コンテンツを設定して管理する。場において、使用するコンテンツを書込手段9で電子ペーパEPに書き込むために変換手段2でコンテンツデータを表示用データに変換すると、表示用データは記憶手段3に保持される。後に、当該コンテンツについて場に参加したユーザが電子ペーパEPへの書き込みを指示すると、管理手段8がユーザIDの一致を条件に記憶手段3に保持した表示用データで書込手段9により再び電子ペーパEPへコンテンツ画像を書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパを用いたコンテンツの利用を管理するシステムに関し、特に、タスク、プロセス、ワークプレイスなどと言った特定のユーザが所属する場において電子ペーパによる閲覧に供したコンテンツを、同じ場に所属するユーザが後に電子ペーパにより再び閲覧可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
文書などのコンテンツ画像を無電源状態で表示保持し且つ当該コンテンツ画像を書換え可能な電子ペーパが実用化されており、紙に代わるコンテンツ表示媒体として利用拡大が望まれている。
電子ペーパにはコンテンツ画像の書込方式で種々な形式があり、例えば、光書込方式の電子ペーパでは書込装置によりコンテンツ画像を投影することで電子ペーパにコンテンツ画像を表示保持させ、また、電子書込方式の電子ペーパでは書込装置により電子データでコンテンツ画像を書き込むことで電子ペーパにコンテンツ画像を表示保持させるようにしている。
【0003】
いずれの形式の電子ペーパにあっても、電子ペーパは表示したコンテンツ画像を持ち運ぶことが容易であるので、モバイル環境でコンテンツを表示する媒体として有用なものである。
【0004】
電子ペーパによるコンテンツの閲覧は個人的になされる場合の他、複数のユーザのグループにおいてコンテンツを閲覧することもなされる。例えば、会議やコラボレーションと言った場において、コンテンツを表示した電子ペーパを各人に配布するといったことがなされる。
このような会議、コラボレーション、タスク、プロセス、ワークプレイスなどと言った場は、1人或いは複数の特定されたユーザが所属する集合であり、このような場においては、その都度必要なコンテンツが電子ペーパに表示されて利用される。
【0005】
電子ペーパを用いたプッシュ型配信システムにおいて、電子ペーパを複数のディスプレイグループに分けて管理し、複数のディスプレイを使って適切にコンテンツを表示する発明が提案されている(特許文献1参照。)。
物理表示媒体をシステムで固定的に管理して、ユーザの行動履歴に基づいて広告を配信するシステムの発明が提案されている(特許文献2参照。)。
【特許文献1】実開2007―026015号公報
【特許文献2】特開2004―252494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子ペーパ自体が、安価にして軽量コンパクト、しかも、コンテンツ画像を無電源状態で表示保持し且つ書き換え可能であるといった特性を有することから、電子ペーパを用いたコンテンツの閲覧は紙媒体にコンテンツを印刷すると同様な閲覧環境を実現することができる。
【0007】
しかしながら、紙媒体によるコンテンツの閲覧と同様に、コンテンツのセキュリティ管理の必要性が高いことから、電子ペーパに表示したコンテンツ画像は閲覧が終了する都度に消去する必要性がある。特に、機密性の高いコンテンツや、個人所有のコンテンツの場合には、この必要性が高い。
この一方で、過去にどのような事がなされたか、過去にどのような事が議論されたかなどを振り返るために、過去の場において閲覧されたコンテンツを再び閲覧する必要性がある。特に、電子ペーパで表示される元となるコンテンツは電子データ形式であることから、後に編集などされて内容が更新されてしまう場合がある。
【0008】
本発明は、上記従来の事情に鑑み、コンテンツのセキュリティ管理と再利用と言った相反する要求を合理的に満足させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1のコンテンツ利用管理システムは、画像を無電源状態で表示保持し且つ当該画像を書換え可能な電子ペーパへの表示用データにコンテンツデータを変換する変換手段と、変換された表示用データを記憶する表示用データ記憶手段と、所属するユーザの識別情報と表示用データの識別情報とを含む場データを記憶する場記憶手段と、ユーザからの操作入力を受け付ける操作手段と、前記操作手段で受け付けたユーザ識別情報を伴う要求に対して、前記場記憶手段を参照して、ユーザ識別情報の一致を条件に当該場データに設定された表示用データの電子ペーパへの書込みを可能にする管理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2のコンテンツ利用管理システムは、請求項1において、電子ペーパに前記表示用データによってコンテンツ画像を書込む書込手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3のコンテンツ利用管理システムは、請求項1又は請求項2において、前記コンテンツデータを記憶するコンテンツ記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4のコンテンツ利用管理システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記場記憶手段が記憶する場データを作成する作成手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5のコンテンツ利用管理システムは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記コンテンツデータにはユーザを特定した変換権が設定されており、前記管理手段は、前記操作手段で受け付けたユーザ識別情報に基づく変換権の具備を条件に、前記変換手段による該当するコンテンツデータの表示用データへの変換を可能にすることを特徴とする。
【0014】
請求項6のコンテンツ利用管理プログラムは、画像を無電源状態で表示保持し且つ当該画像を書換え可能な電子ペーパへの表示用データにコンテンツデータを変換する変換手段と、変換された表示用データを記憶する表示用データ記憶手段と、所属するユーザの識別情報と表示用データの識別情報とを含む場データを記憶する場記憶手段と、ユーザ識別情報を伴う要求に対して、前記場記憶手段を参照して、ユーザ識別情報の一致を条件に当該場データに設定された表示用データの電子ペーパへの書込みを可能にする管理手段と、をコンピュータに実現することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1のコンテンツ利用管理システムによると、電子ペーパの表示用データを保存し、当該表示用データを場に所属するユーザに関連付けて管理するようにしたため、電子ペーパによるコンテンツ閲覧の利便性を維持しつつ、コンテンツのセキュリティ管理と再利用と言った相反する要求を合理的に満足させることができる。
【0016】
請求項2のコンテンツ利用管理システムによると、コンテンツのセキュリティ管理と再利用と言った相反する要求を合理的に満足させつつ、電子ペーパにコンテンツ画像を書込むことができる。
【0017】
請求項3のコンテンツ利用管理システムによると、コンテンツ記憶手段に記憶されたコンテンツデータに対して、コンテンツのセキュリティ管理と再利用と言った相反する要求を合理的に満足させることができる。
【0018】
請求項4のコンテンツ利用管理システムによると、コンテンツのセキュリティ管理と再利用と言った相反する要求を合理的に満足させるための場データの編集や新規作成を行うことができる。
【0019】
請求項5のコンテンツ利用管理システムによると、コンテンツの所有者等といった変換権に基づいて表示用データとして公開するコンテンツを管理することができ、コンテンツのセキュリティ管理と再利用と言った相反する要求を合理的に満足させることができる。
【0020】
請求項6のコンテンツ利用管理プログラムによると、上記作用効果を奏するコンテンツ利用管理システムをコンピュータを利用して実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の一実施形態に係るコンテンツ利用管理システムを説明する。
まず、本例のコンテンツ利用管理システムに利用することができる電子ペーパについて説明する。
電子ペーパには、コンテンツ画像の書込方式には種々の形式があるが、ここでは、書込装置により電子的にコンテンツ画像が書き込まれる電子書き込み型と、書込装置により投影することでコンテンツ画像が書き込まれる光書き込み型とを説明する。
【0022】
電子書き込み型電子ペーパは、例えばA4版の用紙のような大きさのフレキシブルな薄型媒体であり、複写機にトナーとして利用されている微細な着色粒子(例えば、白色粒子と黒色粒子)を少なくとも表面側が透明な表裏一対の電極間に封入し、これを少なくとも表面側が透明な表裏一対のフィルム基板で挟んだ構造となっている。着色粒子が自由に移動できるように電極層間は空気層となっており、また、マトリックス状の電極層には着色粒子との接触を防止する絶縁層が設けられている。なお、カラーフィルターを用いることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0023】
そして、電子書き込み型電子ペーパは、電極に電圧を印加していない状態では、負に帯電した白色粒子は裏面側に溜まる一方、正に帯電した黒色粒子は表面側に溜まり、表面側から目視すると黒色な状態となる。そして、書込装置の書込手段(ドライバ)が電子データに基づいて動作して表示するコンテンツ画像に応じたマトリックスの所要部の電極極性を反転させると、白色粒子と黒色粒子との位置関係が入れ替わって、白色粒子と黒色粒子とのコントラストによるコンテンツ画像が表示される。なお、異なる電子データに基づいて書込装置のドライバを動作させることにより、白色粒子と黒色粒子とのコントラストにより表示されるコンテンツ画像を切り換えることができ、幾度も再使用することができる。
【0024】
光書き込み型電子ペーパは、例えばA4版の用紙のような大きさのフレキシブルな薄型媒体であり、例えば、書込装置の書込手段(液晶パネル)にコンテンツ画像を表示し、電子ペーパの書込電極に外部の電源から電圧を印加しながら当該電子ペーパを液晶パネルに重ねて光を照射することにより、液晶パネルに表示させたコンテンツ画像を転写して表示記憶させることができ、書込電極に印加した電圧を除去した後も当該コンテンツ画像を表示状態で保持し続ける。
【0025】
光書き込み型電子ペーパは、例えば、複写機に利用されている有機光導電性材料の層(有機光導電層)と液晶表示材料の層(マイクロカプセル化したコレステリック液晶層)とを組み合わせ、これら層を表裏一対の透明電極で挟み、この積層体を表裏一対の透明な基材フィルムで挟んだ構造となっている。なお、この構成では、コレステリック液晶層が光を反射する白表示と、光が液晶層を透過しコレステリック液晶層と有機光導電層との間に設けられた黒色層で吸収される黒表示のモノクロ画像表示が可能である。さらにコレステリック液晶には螺旋ピッチに応じたカラー光を干渉反射するという特性があるので、コレステリック液晶層を螺旋ピッチの異なる液晶を積層した構成にすることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0026】
そして、光書き込み型電子ペーパは、例えば、書込装置の液晶パネルに転写するコンテンツ画像を表示して投影し、書込電極に電圧を印加すると、光の強弱を瞬時に反射濃度に変換して当該投影画像を保持する。そして、書込電極に消去電圧を印加することにより表示保持されたコンテンツ画像を消去することができる。
【0027】
上記のような電子ペーパにコンテンツ画像を書き込む書込装置としては、例えば図7(a)(b)に示すようなものがある。
図8(a)に示す書込装置70は、電子書き込み型電子ペーパEPに適用する形式のものであり、電子ペーパEPに接続されるドライバ(書込手段)を有して、上記のようにして、電子データ(電子ペーパの解像度等に適合した表示用の画像データ)に基づくコンテンツ画像を電子ペーパEPに書き込む。
なお、この書込装置70は電子ペーパEPに一体的に設けてもよいが、電子ペーパEPに着脱自在に設けてもよい。
【0028】
図7(b)に示す書込装置70は、光書き込み型電子ペーパに適用する形式のものであり、コンテンツ画像を表示して電子ペーパEPに投影する表示面71と、電子ペーパEPに設けられている書込電極に電圧を印可する機能とを有して、上記のようにして、表示面上に置かれた電子ペーパEPに文書画像を投影して書き込む。
【0029】
なお、後述するコンテンツ利用管理システムでは、電子書き込み型の電子ペーパEPとこの形式の書込装置70、光書き込み型の電子ペーパEPとこの形式の書込装置70のいずれの形式を用いてもよい。
【0030】
図1には、本例に係るコンテンツ利用管理システムの構成を示してある。
コンテンツ利用管理システムは、多数のコンテンツデータを記憶するコンテンツデータベース1、コンテンツデータベース1に記憶されているコンテンツデータを電子ペーパEPへの表示用データに変換する変換手段2、変換された表示用データを記憶する表示用データ記憶手段3、ユーザからの操作入力を受け付ける操作手段4、操作手段4からのユーザ入力に対してユーザIDやパスワード等を用いた公知の認証を行う認証手段5、操作手段4からのユーザ入力により所属するユーザの識別情報(ユーザID)と表示用データの識別情報(表示用データID)とを含む場データを作成する場作成手段6、作成された場データを記憶する場記憶手段7、操作手段4で受け付けたユーザ識別情報を伴う要求に対して場記憶手段7を参照してユーザ識別情報の一致を条件に該当する場データに設定された表示用データの電子ペーパEPへの書込みを可能にする管理手段8、電子ペーパEPに表示用データによってコンテンツ画像を書込む書込手段9を備えている。
【0031】
なお、本例では、コンピュータで本発明に係るコンテンツ利用管理プログラムを実行することで、上記の機能手段1〜9の全部または一部が構成されている。
ここで、コンテンツ利用管理システムは、上記の各機能手段1〜9を単一の装置に備えた構成とすることもできるが、例えば図2に示すように、ネットワーク10上に各機能手段1〜9を分散して設けてもよい。
【0032】
図2に示す例では、コンテンツデータベース1、変換手段2、表示用データ記憶手段3、認証手段5、場作成手段6、場記憶手段7、管理手段8、をネットワーク10上のサーバ装置20に設け、書込手段9をネットワーク10に接続される書込装置70に設け、操作手段4をネットワーク10に接続される操作装置(例えば、携帯電話機、モバイルコンピュータ等の通信端末)21に設けられており、サーバ装置20、操作装置21、書込装置70の間でネットワーク10を通してデータ通信を行う。なお、図2に示す例では、書込装置70にも操作手段4が備えられている。
なお、コンテンツデータベース1や表示用データ記憶手段3をネットワーク10上の更に別のサーバ装置に設けるなど、種々な変更が可能である。
【0033】
上記のコンテンツデータベース3には、図3に示すように、多数のコンテンツのコンテンツデータ(テキスト、画像、図形などの実データ)が、それぞれコンテンツIDやコンテンツ名といった識別情報、及び、コンテンツの所有者や作成日時などといった属性情報を付して記憶されている。
ここで、本例では、個人所有のコンテンツへのアクセス制限を行っているため、コンテンツデータの属性情報には、後述する個人を認証する処理で用いるために所有者に設定されたユーザIDやパスワードも含まれている。すなわち、本例では、各コンテンツデータに表示用データへの変換権(所有者情報)が設定されており、後述するように、管理手段8は、操作手段4で受け付けたユーザIDに基づく変換権の具備を条件に、変換手段2による該当するコンテンツデータの表示用データへの変換を可能にする。
なお、個人所有のコンテンツデータは当該所有者ユーザが変換権を有するといった方法の他、管理者等といったように特定のユーザに変換権を付与するようにしてもよく、コンテンツを公開する権限の設定方法は種々採用することができる。
【0034】
したがって、ユーザは操作手段4から識別情報を伴う要求を入力することで、指定したコンテンツのデータを変換手段2に読み出させて変換処理させることができる。
なお、本例では、認証処理を行っており、上記の要求入力に際してユーザIDやパスワードの入力を行い、認証手段5が保持している予め登録されたユーザIDやパスワードとの一致を確認し、一致が得られた要求だけが上記の読み出し変換処理を起動できるようにしている。これによって、ユーザIDやパスワードが設定されたコンテンツデータについては、当該コンテンツデータの所有者だけが表示用データへの変換処理を行わせることができる。すなわち、個人所有のコンテンツについては、その所有者ユーザだけが表示用データに変換して電子ペーパEPに書き込み表示させる権限を有している。
【0035】
上記の表示用データ記憶手段3には、図4に示すように、変換手段2によって電子ペーパの解像度等に適合する画像データ形式に変換されたコンテンツの表示用データが、それぞれ表示用データID、コンテンツ名、コンテンツIDといった識別情報を付して複数記憶されている。
【0036】
上記の場記憶手段7には、図5に示すように、場を特定するための情報として、それぞれ場を識別するための場ID、当該場の主宰者としてのユーザIDであるオーナID、当該場に参加するメンバとなる全員のユーザIDを含むユーザリスト、当該場において参加メンバに電子ペーパに表示されることで公開される全てのコンテンツを特定する各コンテンツデータIDを含むコンテンツリスト、当該場において参加メンバに電子ペーパに表示されることで公開される全てのコンテンツを特定する各表示用データIDを含む表示用データリスト、当該場の有効期限が設定された複数の場データが記憶されている。
【0037】
場データは、オーナとなるユーザが操作手段4から必要なデータを入力することで、場作成手段6で作成されて場記憶手段7に記憶格納される。
すなわち、ユーザは、必要に応じて任意に場を形成することができ、その場のメンバとなるユーザを1人以上で任意に設定し、その場で使用するコンテンツを1つ以上で任意に設定することができる。
なお、本例では「ユーザ」は個人として扱っているが、本発明においては、「ユーザ」は複数の個人の集合であるユーザグループであってもよく、特許請求の範囲における「ユーザ」の語はこれら両方の意味を有するものである。このようにユーザグループとして扱う場合には、ユーザIDや認証処理等はグループ単位で扱って本発明を適用すればよい。
【0038】
本例のコンテンツ利用管理システムによる処理を説明する。
まず、会議などの場を形成するに際して、主宰者のユーザが場データの登録を行う。主宰者ユーザが操作手段4を操作して認証手段5による上記のような認証を受け、図5に示すような必要なデータを入力する。これに応じて、場作成手段6が場データを作成して場記憶手段7に記憶格納する。
これによって、当該ユーザが主宰する場において、参加するユーザのID、使用するコンテンツのIDが登録される。
【0039】
そして、主宰者ユーザあるいは参加ユーザが操作手段4を操作して、認証手段5による上記のような認証を受け、自己が参加する場に使用することが設定されているコンテンツを指定して電子ペーパへの書込み指示を行うと、変換手段2が上記のように指示されたコンテンツデータをコンテンツデータベース1から読み出して表示用データに変換する。この表示用データは表示用データ記憶手段3に記憶されるとともに書込手段9に送られて、書込手段9がユーザによって指定された枚数の電子ペーパEPに表示用データに基づくコンテンツ画像を書き込む。
【0040】
例えば、図6に示すように、ユーザA〜D(ユーザID:Uaaa〜Uddd)の4人が会議の場を形成し、この会議にユーザAが自己が所有するコンテンツAを電子ペーパに表示させて使用する場合、この使用に応じて、コンテンツAの表示用データが表示用データ記憶手段3に記憶保持され、場データによって会議に参加したユーザID(Uaaa〜Uddd)に対応付けて管理される。
【0041】
そして、会議が終了するといったように場が終了した後、当該会議に参加したユーザが操作手段4を操作して、認証手段5による上記のような認証を受け、コンテンツIDやコンテンツ名で指定して会議で使用したコンテンツの電子ペーパへの書き込み指示を行うと、管理手段8が、場記憶手段7を参照して、当該認証処理でユーザから入力されたユーザIDと一致するユーザデータが指定されたコンテンツが設定された場データに設定されているかを判定する。そして、一致している場合には、管理手段8が指定されたコンテンツの表示用データを表示用データ記憶手段3から読み出して書込手段9に入力し、書込手段9が表示用データに基づいてコンテンツ画像を電子ペーパEPに書き込み表示させる。
【0042】
したがって、場で使用するために電子ペーパに表示されたコンテンツは、当該場に参加したユーザがその後に電子ペーパに表示して再び閲覧できるように表示用データの形式で記憶保持される。これにより、参加したユーザは後にコンテンツの内容を再び閲覧することができ、しかも、当該コンテンツは元のコンテンツデータが編集されても当時のままの内容で保存されている。
なお、ユーザが1人で行うタスクなどの場についても適用することができ、この場合には、参加メンバは主宰者ユーザの1人であるが、当該ユーザが既に行った場(作業)において使用したコンテンツを後に電子ペーパで閲覧するのに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施例に係るコンテンツ利用管理システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施例に係るコンテンツ利用管理システムの具体的な構成例を説明する図である。
【図3】本発明の一実施例に係るコンテンツデータベースを説明する図である。
【図4】本発明の一実施例に係る表示用データを説明する図である。
【図5】本発明の一実施例に係る場データを説明する図である。
【図6】本発明の一実施例に係るコンテンツ利用管理システムの実施態様を説明する図である。
【図7】電子ペーパ及び書込装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0044】
1:コンテンツデータベース、 2:変換手段、
3:表示用データ記憶手段、 4:操作手段、
5:認証手段、 6:場作成手段、
7:場記憶手段、 8:管理手段、
9:書込手段、 EP:電子ペーパ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を無電源状態で表示保持し且つ当該画像を書換え可能な電子ペーパへの表示用データにコンテンツデータを変換する変換手段と、
変換された表示用データを記憶する表示用データ記憶手段と、
所属するユーザの識別情報と表示用データの識別情報とを含む場データを記憶する場記憶手段と、
ユーザからの操作入力を受け付ける操作手段と、
前記操作手段で受け付けたユーザ識別情報を伴う要求に対して、前記場記憶手段を参照して、ユーザ識別情報の一致を条件に当該場データに設定された表示用データの電子ペーパへの書込みを可能にする管理手段と、を備えたことを特徴とするコンテンツ利用管理システム。
【請求項2】
電子ペーパに前記表示用データによってコンテンツ画像を書込む書込手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ利用管理システム。
【請求項3】
前記コンテンツデータを記憶するコンテンツ記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンテンツ利用管理システム。
【請求項4】
前記場記憶手段が記憶する場データを作成する作成手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコンテンツ利用管理システム。
【請求項5】
前記コンテンツデータにはユーザを特定した変換権が設定されており、
前記管理手段は、前記操作手段で受け付けたユーザ識別情報に基づく変換権の具備を条件に、前記変換手段による該当するコンテンツデータの表示用データへの変換を可能にすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコンテンツ利用管理システム。
【請求項6】
画像を無電源状態で表示保持し且つ当該画像を書換え可能な電子ペーパへの表示用データにコンテンツデータを変換する変換手段と、
変換された表示用データを記憶する表示用データ記憶手段と、
所属するユーザの識別情報と表示用データの識別情報とを含む場データを記憶する場記憶手段と、
ユーザ識別情報を伴う要求に対して、前記場記憶手段を参照して、ユーザ識別情報の一致を条件に当該場データに設定された表示用データの電子ペーパへの書込みを可能にする管理手段と、をコンピュータに実現することを特徴とするコンテンツ利用管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−75798(P2009−75798A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243278(P2007−243278)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】