コンテンツ情報処理装置、コンテンツ情報処理方法及び記録媒体
【課題】ネットワーク機能を持つコンテンツ情報処理装置においてストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツを復号化して利用する場合にその利用の許否に対する効果的なコントロールを可能にするコンテンツ情報処理装置を提供すること。
【解決手段】デコーダ210は、DVD内のコンテンツ利用許可に関する条件が満たされる場合に、該DVD内の暗号化されたコンテンツを、該DVD内の復号化のための情報を使用して復号化する。条件が満たされない場合には、電話サーバ手続き部204により、該DVD内のアドレスに基づきインタフェース202を介しサーバ装置とのコネクションを確立し、ライセンス更新手続き部205により、該コネクションを介してサーバ装置との間で許諾を受けるための手続きを行う。許諾を受けた場合には、デコーダ210により、上記復号化のための情報を使用して暗号化コンテンツを復号化することができる。
【解決手段】デコーダ210は、DVD内のコンテンツ利用許可に関する条件が満たされる場合に、該DVD内の暗号化されたコンテンツを、該DVD内の復号化のための情報を使用して復号化する。条件が満たされない場合には、電話サーバ手続き部204により、該DVD内のアドレスに基づきインタフェース202を介しサーバ装置とのコネクションを確立し、ライセンス更新手続き部205により、該コネクションを介してサーバ装置との間で許諾を受けるための手続きを行う。許諾を受けた場合には、デコーダ210により、上記復号化のための情報を使用して暗号化コンテンツを復号化することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続する機能とストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を処理する機能とを有するコンテンツ情報処理装置、コンテンツ情報処理方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、インターネットを始めとする通信技術、あるいはDVDを始めとするデジタル技術の急激な進歩が各方面で話題になっている。これらの技術は情報通信の分野にとどまらず、放送、AV、家電等に広がりを見せており、上記各分野の融合は今後も急激に進んでいくものと考えられる。
【0003】
特に、これまでの高度な通信技術が必要とされてこなかった家庭においても、上記通信技術の進展は、モデム技術の進歩によるデータ通信技術、あるいはIEEE1394等のホームネットワーク技術等への応用等、新しい技術を生み出している。
【0004】
さて、今後、AV機器のデジタル化、ネットワーク化が進展していくと、デジタル化されたコンテンツの扱いが問題となる。すなわち、デジタルコンテンツの不正コピーや、不正加工等の問題である。
【0005】
そこで、上記デジタルコンテンツに暗号技術を加え、あらかじめ登録された機器についてのみ、その再生が可能にする技術等が提案されている。
【0006】
さらに、上記再生に加えて、コンテンツ再生の事実をAV機器が覚えておき、後で履歴を課金サーバに通知し、この再生に対して課金を行う方式(Divx方式)等が提案されている。また、その他の方式としても、上記再生条件が満たされた場合のみ再生を許可する方式や、再生条件が満たされない場合でも、外部のライセンスサーバに許可を求めることで、再生を許可する方式など、種々の方式が考えられる。
【0007】
これらの技術は、AV機器にネットワーク機能を持たせ、公衆網上に配置されたライセスサーバ/課金サーバと、上記AV機器とが通信を行うことで、上記手続きをすることになる。
【0008】
また、インターネットテレビや、プッシュ型のニュース配信等、今後のAV機器はネットワーク化を前提にしたものが多く開発されることが予測される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ネットワーク機能を持つAV機器や計算機等のコンテンツ情報処理装置において、ストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を復号化して利用する場合に、その利用の許否に対する効果的なコントロール手法が提供されていなかった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、ネットワーク機能を持つAV機器や計算機等のコンテンツ情報処理装置において、ストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を復号化して利用する場合に、その利用の許否に対する効果的なコントロールを可能にするコンテンツ情報処理装置、コンテンツ情報処理方法及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るコンテンツ情報処理装置は、ネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、所定のストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を、該ストレージメディアの該コンテンツ情報が記録されたコンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されたコンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされる場合に、該ストレージメディアの該コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された復号化のための情報を使用して復号化する復号化手段と、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記コンテンツ情報を利用するための許諾を受けるために通信すべきサーバ装置のアドレスの情報を該ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、このアドレスの情報に基づいて、前記ネットワークインタフェースを介して前記サーバ装置とのコネクションを確立させるための制御を行うコネクション制御手段と、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記確立されたコネクションを介して前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを行う処理手段とを備え、前記復号化手段は、前記処理手段により行われる前記手続きを経て前記許諾を受けた場合も、前記復号化のための情報を使用して前記コンテンツ情報を復号化することを特徴とする。
【0012】
なお、以上の各装置に係る発明は、方法に係る発明としても成立し、また所定のハードウェアを制御するための手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ネットワーク機能を持つAV機器や計算機等のコンテンツ情報処理装置において、ストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を復号化して利用する場合に、その利用の許否に対する効果的なコントロールが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1に本発明の一実施形態に係るネットワーク・システムの全体構成の一例を示す。
【0016】
まず、本実施形態ではローカル網の一例として図1に示すようにIEEE1394バスによるローカル網104を例に取り上げて説明を行う。このローカル網104はどのような組織あるいは場所に設けられるものであってもよいが、ここでは説明をより具体的に行うためにこのローカル網104をある家庭に設けられた家庭網として説明する。
【0017】
次に、ローカル網にAV機器や計算機のような何らかのコンテンツを扱う装置(以下、コンテンツ処理装置と言う)が接続される場合を考える。そして、このコンテンツ処理装置は、少なくともローカル網(図1ではIEEE1394バス104)に接続するためのインタフェースを持つ他に、このローカル網以外のネットワークを介して他の装置と通信する必要があるものとする。
【0018】
本実施形態では、上記の他の装置と通信する必要性は、上記のローカル網に接続される装置が、自由には利用もしくは処理できないコンテンツを利用もしくは処理するための許可を獲得する必要性から生じるものとする。例えば、例えば、そのコンテンツ自体は入手できても当該コンテンツ処理装置においてそのコンテンツに何らかの処理を施すためには一定の条件を満たす必要があるような場合を想定する。より具体的には、例えば、そのコンテンツに対する一切の処理またはそのコンテンツに対する特定の処理(例えば、暗号化されたコンテンツの復号化あるいは表示可能なコンテンツの表示あるいは実行可能なコンテンツの実行など)に対して特定の機関もしくは組織などによる許諾を必要とし、これを受けていないもしくは受けた状態にないならば該特定の機関もしくは組織などから、一定の手続きを持って(ここでは通信手段を用いて)、無償もしくは有償で該許諾を受ける必要のある場合、あるいはこの許諾の期間が限定されており、この期間を超過したならば、該特定の機関もしくは組織などから、一定の手続きを持って再度、無償もしくは有償で許諾を受ける必要のある場合などである。いずれの場合においても、あるコンテンツを利用するためにもしくは利用し続けるために、このコンテンツ処理装置と特定の機関もしくは組織などにおけるサーバ装置等との間で上記一定の手続きのための通信を行う必要が生じ得る場合を考える。
【0019】
なお、上記のコンテンツ情報としては、例えば、動画、静止画、音声、音声を伴う動画もしくは静止画など、テキストファイル、プログラムなど種々のタイプのデータを対象とすることが可能であり、上記の利用もしくは処理としては、例えば、復号化、再生、表示、閲覧、保存、コピー、実行などが考えられる。また、上記の許諾としては、例えば、課金によるものあるいはライセンス契約によるもの等が考えられ、これによってコンテンツの利用もしくは処理を可能とするためのライセンス情報(例えば後述する再生条件)を取得することができる。
【0020】
家庭網(IEEE1394バス)104に接続される上記のようなコンテンツ処理装置としては、例えば計算機やVTR、TVなど種々のものが考えられるが、本実施形態では、図1に示すようにDVDプレーヤ101を例に取り上げて説明を行う。
【0021】
また、このDVDプレーヤ101の通信対象となる上記の特定の機関もしくは組織などにおけるサーバ装置として図1に示すようにライセンスサーバ103を例に取り上げて説明を行う。
【0022】
さらに、コンテンツ処理装置(DVDプレーヤ101)は必要に応じて特定の機関もしくは組織などにおけるサーバ装置(ライセンスサーバ103)とローカル網(家庭網104)以外のネットワークを介して通信するが、本実施形態では、このローカル網(家庭網104)以外のネットワークとして図1に示すように電話網105を例に取り上げて説明を行う。
【0023】
すなわち、図1に例示するように、DVDプレーヤ101は家庭網104に接続されており、家庭網104は電話サーバとしての機能を有するホームゲートウェイ102を介して電話網105に接続されており、ライセンスサーバ103もまた直接または他のネットワークもしくはゲートウェイなどを介して電話網105に接続されるものとする。
【0024】
なお、ローカル網に接続されるコンテンツ処理装置(DVDプレーヤ101)には、ローカル網以外のネットワーク(図1では電話網105)に直接接続するためのインタフェースを持つものと持たないものとが考えられる。ただし、ローカル網以外のネットワークに直接接続するためのインタフェースを持っていても、実際にそれに接続することを必須とするものではない。
【0025】
さて、図1に例示したネットワーク・システムにおいては、DVDプレーヤ101は、必要に応じて、ライセンスサーバ103に電話をかける等してネットワーク的に接続し、ライセンス情報(例えば後述する再生条件)や必要に応じて課金情報などの交換を行う。以下、このような具体例を用いて本発明の一実施形態をより詳しく説明していく。
【0026】
図2に、本実施形態に係るDVDプレーヤ101の内部構造例を示す。
【0027】
図2に示されるように、本DVDプレーヤ101は、電話モデム201、IEEE1394インタフェース202、インタフェース選択部203、電話サーバ手続き部204、ライセンス更新手続き部205、ライセンス判定部206、DVDドライブ207、付加情報抽出部208、コンテンツ抽出部209、デコーダ210を備えている。
【0028】
まず、このDVDプレーヤ101のハードウェア/ソフトウェア構成について説明する。
【0029】
このDVDプレーヤ101は、暗号化されたコンテンツを復号化する機能を有しており、暗号化を解かれたコンテンツもしくはこれを容易に得ることのできる情報が受信されないようになっているものとする。例えば、DVDドライブ207の回路部分、付加情報抽出部208、コンテンツ抽出部209、デコーダ210、ライセンス判定部206、ライセンス更新手続き部205については半導体チップとして形成するのが好ましく、DVDドライブ207の回路部分と付加情報抽出部208とコンテンツ抽出部209を1つの半導体チップとして形成し(あるいはDVDドライブ207の回路部分は独立させる)、デコーダ210を1つの半導体チップとして形成し、ライセンス判定部206とライセンス更新手続き部205を1つの半導体チップとして形成する構成などが考えられる。もちろん、この他にも半導体チップ化の組み合わせは可能であり、6つの部分を夫々単独で1つの半導体チップとして形成することも、6つの部分を全て一纏めにして1つの半導体チップとして形成することも可能である。
【0030】
また、このDVDプレーヤ101は、セキュリティが確保できる範囲内で、ソフトウェアを利用して構成することも可能である。
【0031】
また、本DVDプレーヤ101を、単体のDVDプレーヤとして構成する形態と、計算機にDVDドライブを接続して構成する形態とが実施可能である。後者の場合、例えば、本実施形態に係るDVDプレーヤ101の機能の一部を実現するための回路を形成した半導体チップを搭載したボードを当該計算機に装着し、また本DVDプレーヤ101の機能の一部を実現するためのプログラムをこれを記録した記録媒体から読み込んで当該計算機にインストールし(もしくは該プログラムを書き込んだROMを接続し)CPUで実行する。また、上記の半導体チップ化したものを計算機のCPUバスに接続する構成も考えられる。
【0032】
本実施形態では、一例として、少なくともライセンス判定部206とデコーダ210とは別チップになっており、ライセンス判定部206とライセンス更新手続き部205とは同一チップになっているものとする。このため、後述するように、ライセンス判定部206とデコーダ210との間では暗号化されたコンテンツを復号化するために必要なコンテンツキーKcを暗号化して受け渡しするようにしている。
【0033】
次に、DVDプレーヤ101の構造、動作について詳しく説明する。図2に示されるように、DVDプレーヤ101には、電話網105と直接接続することのできる電話モデム201と、家庭網(IEEE1394)104に直接接続することのできるIEEE1394インタフェース202の2つのネットワークインタフェースが設けられている。
【0034】
インタフェース選択部203は、これら2つのインタフェースのうち、実際に網に接続されている適切なインタフェース側を選択し(両方とも接続されている場合には電話モデム201を選択するものとする)、ライセンス更新手続き部205による電話網105または家庭網104(からホームゲートウェイ102、電話網105)を介した通信をサポートする。
【0035】
電話サーバ手続き部204は、詳しくは後述するように、ライセンスサーバ103とのコネクションを確立させるためのものである。
【0036】
DVDドライブ207は、セットされたDVDのディスクから情報を読み取ったり、情報を書き込んだりするためのディスクドライブである。
【0037】
ここで、DVDドライブ207にセットされるDVD(DVD−RAM等)は、図3に例示するような構成を持っているものとする。すなわち、あらかじめコンテンツキーKcで暗号化された映像等のコンテンツ(301)と、マスターキーKmにより暗号化された付加情報(302)がDVDに記録されている。
【0038】
なお、以下では、キーKiで暗号化されたデータを[データ]Ki記述するものとする。例えば、コンテンツキーKcで暗号化されたコンテンツを[コンテンツ]Kcと記述し、マスターキーKmで暗号化された付加情報を[付加情報]Kmと記述する。
【0039】
図3に例示するような構成の場合、コンテンツの暗号を解くためには、まず、暗号化された付加情報([付加情報]Km)をマスターキーKmで復号化し、この付加情報に含まれるコンテンツキーKc(303)を取り出し、このコンテンツキーKcを使って暗号化されたコンテンツ([コンテンツ]Kc)復号化をする必要がある。
【0040】
この[付加情報]Kmの復号化はライセンス判定部206にて実行される。
【0041】
なお、付加情報302を復号するためのマスターキーKmは、このDVDプレーヤ101内のライセンス判定部206に内蔵されている(例えばライセンス判定部206自体が半導体素子として形成され封止されている)ものとする。
【0042】
すなわち、マスターキーkmやマスターキーkmで暗号化された付加情報[付加情報]KmはあらかじめDVDプレーヤやDVDのディスクの製造時に組み込まれており、共通鍵であるマスターキーkmの内容やその暗号方式は外部に流出したりすることのないように厳重に管理されているものとする。
【0043】
図3に示されるように、付加情報内には再生条件304も含まれている。この再生条件304には、ライセンス判定部206によるコンテンツの復号化が許可されるために満されるべき条件が記述されている。
【0044】
この条件としては様々なものが考えられるが、本実施形態では、コンテンツの復号化を許可する時間的期限(例えば「1999年12月31日」というような復号化を許可する最終期限の情報等)が書き込まれているものとする。つまり、この再生条件を満たしていればそのDVDのディスクを再生できるが、この再生条件が満たされていなければ、再生をすることができない。なお、本実施形態では、条件が満たされなければ暗号化されたコンテンツの復号化ができないことによって、再生できないようにしている。
【0045】
なお、詳しくは後述するが、再生条件が満たされていない場合でも、(図1では電話網105を介してライセンスサーバ103と通信を行うことによって)ライセンス更新を行うことにより、再びそのDVDのディスクの再生が可能になる。
【0046】
このため、この再生条件または付加情報全体の部分をRAMの領域にして、ライセンス判定部206により書き換え可能な構成にし、ライセンス更新を行った場合には、該当する領域を、新たな更新条件または新たな更新条件を反映した再生条件に書き換えるようにしてもよい。ただし、この領域は、一般のDVD−RAMドライブには書き換え不能で、ライセンス判定部206のような特殊な装置のみが読み書き可能な構成にするのが望ましい。
【0047】
さて、DVDドライブ207にセットされたDVDのディスクに記録されたコンテンツを再生する際には、まず、このコンテンツキーKcにより暗号化されたコンテンツ([コンテンツ]Kc)301とマスターキーKmにより暗号化された付加情報([付加情報]Km)302は、それぞれ、付加情報抽出部208とコンテンツ抽出部209により抽出される。
【0048】
マスターキーKmにより暗号化された付加情報([付加情報]Km)は、ライセンス判定部206に送られる。ライセンス判定部206は、前述したようにマスターキーKmを内蔵しており、暗号化された付加情報([付加情報]Km)をマスターキーKmで復号化することにより、付加情報(図3の場合、コンテンツキーKc、再生条件、ライセンスサーバアドレス)を取り出す。
【0049】
次に、ライセンス判定部206では、まず、解読した付加情報のうち再生条件をチェックする。ライセンス判定部206内には、時計が内蔵されており、例えば上記のように有効期限内であるか否か等の再生条件がチェックされる。
【0050】
再生条件をクリアしたならば、ライセンス判定部206は再生を許可したということになり、ここではじめて、マスターキーKmにより解読されたコンテンツキーKcをデコーダ210に渡す。
【0051】
ただし、前述したように、ライセンス判定部206とデコーダ210との間の信号を受信される可能性がある場合(例えばライセンス判定部206とデコーダ210とが別チップで形成されている場合)には、ライセンス判定部206とデコーダ210と間でのコンテンツキーKcの受け渡しを安全に行うために、コンテンツキーKcを、ライセンス判定部206とデコーダ210との間であらかじめ合意されたテンポラリーキーKtを用いた暗号化された形([Kc]Kt)で受け渡しするのが好ましい。
【0052】
すなわち、この場合、まずライセンス判定部206ではテンポラリーキーKtでコンテンツキーKcを暗号化し、この[Kc]Ktをデコーダ210に渡し、デコーダ210ではテンポラリーキーKtで[Kc]Ktを復号化して、コンテンツキーKcを得るようにする。
【0053】
デコーダ210は、ライセンス判定部206からコンテンツキーKcを取得すると、このコンテンツキーKcを使って、コンテンツ抽出部209から入力されてくる暗号化されたコンテンツ([コンテンツ]Kc)を復号化する。さらに、デコーダ210は、このコンテンツにデコードなどの必要な処理を施した後に、例えば映像信号あるいは音声信号として出力する。
【0054】
なお、このデコーダ210の機能としては、種々のものを設定することが可能であり、例えば、コンテンツがMPEG2などでコード化された後に暗号化されたものである場合に[コンテンツ]Kcを復号化しデコードしこれをNTSC信号に変換した後に出力する形態もしくはMPEG2などでコード化された状態でコンテンツを出力する形態、コンテンツが画像データである場合にこれをビットマップデータに変換して出力する形態など、様々なものが適用可能である。
【0055】
ライセンス判定部206による再生条件のチェックにおいて、再生条件をクリアしていない場合(本例の場合、有効期限が期限切れになっている場合)は、ライセンスが有効でない(本例の場合、ライセンスが期限切れである)ことを意味する。そこで、ライセンス判定部206は、例えばライセンスが期限切れである旨のメッセージを表示しユーザからライセンスの更新を行うか否かの指示を入力するなどして、ユーザの許可を得た上で、ライセンスの更新を試みる。ただし、ユーザからライセンスの更新を行わない旨の指示が入力された場合には、この時点で当該コンテンツに関する処理は終了となる。
【0056】
次に、ライセンス判定部206による再生条件のチェックにおいて再生条件がクリアされず、ライセンスを更新することになった場合について説明する。ライセンスを更新することになった場合、具体的なライセンス更新の手続きを行うのは、ライセンス更新手続き部205である。
【0057】
まず、ライセンス更新手続き部205は、ライセンス判定部106内で復号化された付加情報302内のライセンスサーバアドレス305を調べる。ここには、ライセンス更新を行う場合にアクセスすべきライセンスサーバのアドレスが記載されている。
【0058】
図4に、ライセンスサーバのアドレスの記載方式の一例を示す。図4では、ライセンスサーバのアドレスは、アドレス種別と実際のアドレスにより構成される。アドレス種別には、例えば、電話番号、IPアドレス、ATMアドレス、JAVA(登録商標)ネーム空間、CORBAネーム空間、あるいはドメイン名といったアドレス体系が、アドレスには実際のアドレスが入る。なお、この記述をURL(Universal Resource Locator)により規格統一してもよい。なお、図4において、ライセンスサーバのアドレスを優先度順に記載するものとしてもよく、この場合、上に書いてあるアドレスを先に試すようにするのが望ましい。
【0059】
本実施形態では、この付加情報302内のライセンスサーバアドレス305に記載されているいずれかのアドレスとのコネクションを確立し、ライセンスサーバと、本DVDプレーヤ101との間で、あらかじめ定められたプロトコルにてライセンス更新の手続きを行うことになる。
【0060】
ここでは、このDVDプレーヤ101はIPプロトコルをプロトコルスタックとしては持っていないものとすると、IPアドレスにて通信をすることはできないので、電話番号を選択することになる。もしくは、図4においてライセンスサーバのアドレスを上に書いてあるものから先に試すようにした場合には、まず電話番号が選択されることになる。
【0061】
さて、ライセンス更新手続き部205は、このライセンスサーバアドレスの情報を参照し、1つを選択すると、電話サーバ手続き部204に選択したアドレス情報を渡して、コネクションの確立を依頼する。
【0062】
コネクション確立の依頼を受けると、電話サーバ手続き部204は、所定の手順に従って、ライセンスサーバ103とのコネクションを確立しようとする。図5に、電話サーバ手続き部204によるコネクション確立手順の一例を示す。
【0063】
電話サーバ手続き部204は、まず、記載されている電話番号に直接電話をかけるべく、自身に電話モデムが接続されているかどうか、あるいはその電話モデムに電話ケーブルが接続されているかどうかをチェックする(ステップS501)。
【0064】
もし、自身に電話モデム201が接続されており、かつ、電話モデム201に電話ケーブルが接続されていて、電話網105を利用可能な場合(ステップS501でYesの場合)は、電話サーバ手続き部204は電話モデム201によりライセンスサーバ103とのコネクションの確立を試み、コネクションが確立されたら、ライセンス更新手続き部205は、インタフェース選択部203、電話モデム201、そして電話網105を通じてライセンスサーバ103と交信を行い、あらかじめDVDプレーヤ101とライセンスサーバ103との間で定められたプロトコルに従って、ライセンス更新手続きを行う(ステップS502)。
【0065】
もし、電話モデム201が接続されていない場合、あるいは電話モデム201に電話ケーブルが接続されていない場合、あるいは電話モデム201が電話網105に接続されていない場合(ステップS501でNoの場合)は、電話サーバによりコネクションを確立すべく、IEEE1394インタフェース202に1394ケーブルが接続されているかどうかをチェックする(ステップS503)。
【0066】
もし、IEEE1394インタフェース202に1394ケーブルが接続されていない場合は、DVDプレーヤ101はライセンスサーバ103にアクセスすることができないことを意味するため、ライセンスサーバとの交信が不可能であると判断し、ライセンス更新を断念し、更新が不可能である旨(あるいは、電話ケーブルや1394ケーブルなどを接続するようにユーザに促すメッセージ)をユーザに通知する(ステップS505)。
【0067】
もし、1395ケーブルが接続されている場合(ステップS503でYesの場合)は、このIEEE1394バス上に電話サーバ(本実施形態ではこの機能をホームゲートウェイ102が提供している)が存在するかどうかを調査する。後述するように、この電話サーバの存在の有無の調査は、IEEE1394バス上の機器のIEEE1212レジスタの読み込みや、サービスロケーションプロトコルの実行等によりこれを行うことができる(ステップS506)。
【0068】
この電話サーバは、家庭内網104と電話網105との両方に接続され、家庭内網104に接続された装置と電話網105を介した位置に接続された装置との通信の仲立ちを行う。すなわち、電話網105に直接または他のネットワークを介して接続されている装置(本実施形態の場合、ライセンスサーバ103)と、家庭内網104に接続された装置(本実施形態の場合、DVDプレーヤ101)の間のデータ通信を透過的に実現するための機構を提供する。なお、その詳細は後述する。
【0069】
もし、IEEE1394バス上に電話サーバが存在しない場合(ステップS504でNoの場合)は、前述と同様、DVDプレーヤ101はライセンスサーバ103にアクセスすることができないことを意味するため、ライセンスサーバ103との交信が不可能であると判断し、ライセンス更新を断念し、更新が不可能である旨(あるいは、電話ケーブルなどを接続するようにあるいは電話サーバを起動するようにユーザに促すメッセージ)をユーザに通知する(ステップS505)。
【0070】
もし、IEEE1394バス上に電話サーバが存在する場合(ステップS504でYesの場合)は、電話サーバ手続き部204は、IEEE1394インタフェース202からIEEE1394バス104を通じてホームゲートウェイ102に依頼してライセンスサーバ103とのコネクションを確立してもらい、コネクションが確立されたら、ライセンス更新手続き部205は、インタフェース選択部203、IEEE1394インタフェース202、IEEE1394バス104、そしてホームゲートウェイ102を通じてライセンスサーバ103と交信を行い、ライセンス更新手続きを行う(ステップS506)。
【0071】
なお、ライセンス更新手続きの具体的な内容は、ライセンスサーバに応じて決まり得るものであり、基本的には、例えば、課金またはライセンス契約のための情報をやり取りするとともに、コンテンツの利用もしくは処理を可能とするための情報すなわち本実施形態の場合には新たな再生条件を受け取るような内容になる。
【0072】
さて、上記のようにしてライセンス更新手続きが終了した後は、ライセンス更新手続き部205からライセンス判定部206にライセンス更新を完了した旨が通知されるとともに、新しい再生条件が通知される。
【0073】
そして、ライセンス判定部206は、新しい再生条件をこのDVDについて更新するための処理を行う。例えば、DVDドライブ207上のDVDから読み出し復号化した付加情報のうち再生条件に関する項目を、ライセンスサーバとの新しい更新に基づいて書き直し、この更新後の付加情報をマスターキーKmにより暗号化したものを再度、DVDのしかるべき領域に保存する。あるいは、この更新情報をこのDVDプレーヤ101自身が記憶しておき、再度、同じDVD(例えば同じディスクIDを持つもの)がDVDドライブ207にセットされた際は、上記更新された再生条件に基づいて、再生条件を判断する。
【0074】
また、ライセンス判定部206は、再生を許可し、マスターキーKmにより解読されたコンテンツキーKcをデコーダ210に渡す。デコーダ210は、前述したように、渡されたコンテンツキーKcを使って、暗号化された[コンテンツ]Kcを復号化し、さらに必要に応じてこのコンテンツをデコードするなどして、映像信号あるいは音声信号などとして出力する。
【0075】
次に、図6、図7、図8を参照しながら、通信シーケンスについて説明する。図6は通信シーケンスの一例を、図7はDVDプレーヤの動作シーケンスの一例を、図8はホームゲートウェイの動作シーケンスの一例をそれぞれ示す。
【0076】
この通信シーケンスが実行されるのは、上記の手順において電話サーバ(すなわちホームゲートウェイ102)を通してDVDプレーヤ101がライセンスサーバ103との通信を行う場合である。すなわち、DVDプレーヤ101は、ホームゲートウェイ102を介して、ライセンスサーバ103と交信し、ライセンス更新の手続きを行うことを希望する場合である。
【0077】
まず、DVDプレーヤ101は、IEEE1394バス104上に存在する装置のIEEE1212レジスタの内容を読み込み、これを調べることで、電話サーバの機能を持った装置を検出する(図6のステップS601、図7のステップS701)。IEEE1212レジスタの番地はあらかじめIEEE1394バス上に接続される装置間であらかじめ定められており、IEEE1212レジスタ上にはその装置の機能あるいはその装置が提供しているサービスについての情報が記されているものとする。なお、この検出には、上記のIEEE1212レジスタを用いる方法の他に、サービスロケーションプロトコルを用いる方法も考えられる。サービスロケーションプロトコルは、インターネットプロトコル等のプロトコル上で、ネットワーク上であるサービスを検出したり、通知したりすることを行うプロトコルである。なお、その詳細はRFC2165に示されている。
【0078】
なお、ホームゲートウェイ102については、あらかじめ図9に例示するような手続きを経て、IEEE1212レジスタに自装置が電話サーバとして機能する旨を登録しておく。すなわち、自装置上で電話サーバプロセスが起動しており、かつ、自装置の電話インタフェースが電話ケーブルにつながっていて、電話網105と通信が可能である場合(ステップS910,S912)に、自装置が電話サーバとして稼働することが可能であることを確認し、自らのIEEE1212レジスタに、自装置が電話サーバの機能を持っていることを登録する(図8のステップS801、図9のステップS903)。
【0079】
このようにIEEE1212レジスタに自装置が電話サーバとして機能する旨を登録しておくことにより、IEEE1394バス104に接続された装置に対して自装置が電話サーバとして機能する旨を通知することができる。
【0080】
さて、IEEE1394バス104上に電話サーバ(本実施形態の場合は、ホームゲートウェイ102が電話サーバの機能を持っている)が存在していることを認識すると(図7のステップS702)、DVDプレーヤ101は、先に付加情報302から読み取ったライセンスサーバのアドレス(電話番号)に電話をかけ、ライセンス更新手続きを行おうとする。これを、家庭網であるIEEE1394バス104を経由して行おうとするため、DVDプレーヤ101はホームゲートウェイ102に対して、呼設定依頼を送出する(図6のステップS602、図7のステップS704)。この呼設定依頼は、ホームゲートウェイ102に対して、「電話網に対して、電話番号#xに対して電話をかけてください。」という依頼を行うことを意味する。後に、この依頼により確立した電話回線を通して通信するために、この電話回線(あるいはセッション)に名前をつける意味で、トランザクション番号が同時に定義される。すなわち、DVDプレーヤ101からホームゲートウェイ102に、アドレス種別=POTS、アドレス=#x、トランザクション番号=αが転送される。
【0081】
ホームゲートウェイ102は、呼設定依頼を受けると(図8ステップS802)、この依頼に基づき、電話網105に対し、呼設定要求を送出する(図6のステップS603、図8のステップS803)。この呼設定要求は、先の呼設定依頼に含まれていた電話番号に対して行われる。
【0082】
この呼設定が成功すると、電話網105側から呼設定成功のメッセージが送られてくる(図6のステップS604)。
【0083】
ホームゲートウェイ102は、呼設定成功のメッセージを受信すると(図8のステップS804)、ライセンスサーバ103との接続が成功した旨をトランザクション番号(α)とともにDVDプレーヤ101に対して通知する(図6のステップS605、図8のステップS806)。
【0084】
この通知を受信すると(図6のステップS605、図7のステップS705)、DVDプレーヤ101は、あらかじめ定められたDVDプレーヤ101とライセンスサーバ103間のプロトコル手順にしたがって、ライセンスサーバ103とライセンス更新についての通信を行う(図6のステップS606、図7のステップS707、図8のステップS807,S808)。ここで、ライセンス更新手続きに関する通信では、交換されるデータは、ネットワークキーKnにより、暗号化されていることが望ましい。このネットワークキーKnは、DVDプレーヤ101とライセンスサーバ103の両者があらかじめ合意している暗号鍵である。なお、ここでは、共通鍵であることを仮定しているが、公開鍵を用いてこれを実現することも可能である。
【0085】
ホームゲートウェイ(電話サーバ)102は、DVDプレーヤ101とライセンスサーバ103との間のデータ交換を行う場合、図6のようにモデム処理を行っている。
【0086】
すなわち、DVDプレーヤ101からライセンスサーバ103に送出されるデータについては、ホームゲートウェイ102まではIEEE1394標準にのっとった、通常のデジタル信号として送られる。ホームゲートウェイ102にて、この信号が変調処理されて電話網105に乗り、ライセンスサーバ103との通信が行われる。
【0087】
ライセンスサーバ103からDVDプレーヤ101に送出されるデータについては、ホームゲートウェイ102までは電話用に変調された信号が電話網105を介して送られる。ホームゲートウェイ102は、この信号を復調し、IEEE1394信号としてDVDプレーヤ101に送る。
【0088】
このとき、DVDプレーヤ101あるいはライセンスサーバ103にとっては、ライセンス更新手続きを行うプロトコルが動作している形となり、上記モデム処理などの物理レイヤの違いは隠蔽される。つまり、ホームゲートウェイ102において、物理レイヤの違いはその間にモデム処理が入ることで隠蔽されることになる。
【0089】
なお、DVDプレーヤ101がIEEE1394バス104上に電話サーバ機能を検出できなかった場合は、電話をかけることができないので、ライセンスサーバ103との交信が不可能となり、処理はここで終了となる(図7のステップS703)。
【0090】
また、ホームゲートウェイ102が呼設定に失敗すると、これ以上の処理は不可能な旨をDVDプレーヤ101に通知し(図8のステップS805)、この通知を受けた場合にもDVDプレーヤ101は電話をかけることができないので、処理はここで終了となる(図7のステップS706)。
【0091】
次に、図10の上記のようなサービスの提供を実現するホームゲートウェイ102の内部構造の一例を示す。
【0092】
図10に示されるように、本ホームゲートウェイ102は、IEEE1394インタフェース1001、サービス通知部1002、フィルタ部1003、電話サーバ部1004、データ変調・復調部1005、電話網インタフェース1006を備えている。
【0093】
ホームゲートウェイ103の電話サーバとしての機能は電話サーバ部1004に含まれる。すなわち、電話サーバ部1004が図8のシーケンスの制御を司る。
【0094】
IEEE1394インタフェース1001はIEEE1394バス104とのインタフェースであり、電話網インタフェース1006は電話網105とのインターフェースである。
【0095】
サービス通知部1002は、IEEE1394インタフェース1001を通じて、自装置が電話サーバの機能を持っていることを通知する機能であり、本実施形態ではここがIEEE1212レジスタに相当する。
【0096】
データ変調・復調部1005は、図6のモデム処理を行う。
【0097】
フィルタ部1003は、IEEE1394インタフェース1001を介して入力されるデータのうち、ライセンス更新手続きデータを抽出して、これをデータ変調・復調部1005とともに有することになる。
【0098】
電話サーバ部1004の制御の下に、フィルタ部1003とデータ変調・復調部1005の働きによって、DVDプレーヤ101とライセンスサーバ103との間に透過的なデータ通信が提供される。
【0099】
このようにして、DVDプレーヤは公衆網上のライセンスサーバと通信を行うことができるようになる。すなわち、直接、DVDプレーヤに電話線を接続することなく、DVDプレーヤは公衆上のライセンスサーバと通信が行えるようになり、従来のようにDVDプレーヤに直接、電話線をつなげなくてもよくなるようになるため、IEEE1394の配線がしてあり、かつIEEE1394上に電話サーバ(本実施形態の場合、ホームゲートウェイ102)が存在していれば、電話線の配線を行う必要がなくなり、配線の大幅な簡略化が可能となる。
【0100】
さて、ここまでの説明では、ライセンス更新手続きのためのプロトコルは、DVDプレーヤ101とライセンスサーバ103との間であらかじめ合意されたものを使うものとしてきた。
【0101】
この場合、このライセンス更新手続きのための共通のプロトコルを全DVDプレーヤで稼働させる必要がある。
【0102】
このため、図11に示すように、DVDに含まれる付加情報にライセンス更新手続きのためのプロトコル・プログラム1106をも含めるようにしてもよい。このようにした場合、DVDプレーヤに例えばJAVA仮想マシン等の共通のインタフェースがあることを期待し、ライセンス更新手続きが必要な場合はこのJAVA仮想マシンに上記のDVDの付加情報に含まれるライセンス更新手続きのためのプロトコル・プログラムをダウンロードし、このプログラムにライセンス更新手続きを行わせることにより、ライセンスサーバ毎にライセンス更新手続きプロトコルを選択することができるようになる。この場合は、このプロトコル処理のプログラムをJAVAで記述しておき、JAVA仮想マシン上で定義された標準APIを用いて、この処理プロトコルを記述することになる。
【0103】
また、図12のように、複数のプログラム言語で書かれたプロトコル処理プログラムを用意しておき、DVDプレーヤのソフトウェアプラットホームにより、ダウンロードするプログラムを変えるようにしてもよい。図12では、JAVA、ビジュアルベーシックスクリプト等のプログラミング言語でプロトコル処理プログラムが記述されているため、DVDプレーヤのソフトウェアプラットホームがJAVA仮想マシンの場合でも、マイクロソフト社のOSであるウィンドウズ(登録商標)を搭載したパーソナルコンピュータの場合でも、いずれの場合でも対応できるようになる。このようにすることにより、パーソナルコンピュータ等のようにソフトウェアプラットホームが必ずしも統一されるとは期待できないような場合においても、いくつかのプログラムを用意しておくことができるようになり、柔軟な対応が可能になる。
【0104】
また、図13のように、ライセンスサーバのアドレスを必ずしも暗号化せず、そのまま平文のまま残しておく代わりに、このアドレスが正しいものであることを証明するために、このアドレスの認証子1304を添えておくこともできる。すなわち、「ライセンスサーバアドレス」もしくはライセンスサーバアドレスをもとに例えばMD5等のハッシュ関数を使って作成した「ダイジェスト情報」を、例えばマスターキーKmにて暗号化した情報を認証子1306としてライセンスサーバアドレス1305に添えておく。
【0105】
このDVDを再生する際にDVDプレーヤにおいてライセンスサーバのアドレスを認識する処理は例えば次のようになる。
【0106】
まず、DVDの製造者とDVDプレーヤとの間で、この認証方式についてあらかじめ合意しておく。ここで、DVDプレーヤは、付加情報1302のライセンスサーバアドレス1305を取り出し、あらかじめ合意している手順(例えば上記のようなライセンスサーバアドレスから認証子を生成する手順)を実行する。その結果が、アドレス認証子1306の値と同一であれば、このアドレス情報は確かに正しい値であるものと認識して、そこに書いてあるアドレス情報を、ライセンスサーバのアドレスとして認識する。なぜアドレス情報が正しいと認識できるかというと、マスターキーKmの値を知るものしか、その認証子は作成できないと解釈できることから、あらかじめマスターキーKmを知ることのできる、信頼できるものがこのライセンスサーバアドレス1305を生成したと解釈できるからである。
【0107】
なお、以上では、DVDプレーヤのアーキテクチャとして図2のように公衆網インタフェース(電話モデム201)とローカル網インタフェース(IEEE1394I/F202)の両方を持つ場合について説明したが、両方のインタフェースを持つのではなく、例えば図14のように公衆網のインタフェースを持たず、ローカル網のインタフェース202のみを持つような構成も可能である。つまり、図5において、ステップS503からスタートし、最初から1394インタフェースのみを持つものとして動作をするものである。このようにすれば、公衆網インタフェースを持たないため、製作コストの大幅な削減を行うことができる。
【0108】
以上では、DVDプレーヤを例にとって説明したが、その他に、VTR、TV、計算機など、種々の装置に本発明を適用することが可能である。
【0109】
以上では、ローカル網に直接DVDプレーヤなどの装置が接続されている場合について説明したが、直接ではなく、ローカル網に接続された他のローカル網にDVDプレーヤなどの装置が接続されているような場合にも本発明は適用可能である。
【0110】
以上では、ローカル網としてIEEE1394を例にとって説明したが、イーサネット(登録商標)、ATM−LAN、電力線ネットワーク、無線ネットワークなど、他のネットワークを用いることも可能である。
【0111】
以上では、ローカル網以外のネットワークとして電話網を例にとって説明したが、他のローカル網、他の公衆網、インターネット、パソコンネットなど、他のネットワークを用いることも可能である。
【0112】
以上では、ストレージメディアとしてDVDを例にとって説明したが、その他の媒体でも本発明は適用可能である。
【0113】
以上では、ディスク単位でのコンテンツ利用の許諾について説明してきたが、ディスク内のコンテンツ単位で利用の可否を制御し許諾を受けるための手続きを行うようにすることも可能である。
【0114】
以上では、マスターキーKmを用いて暗号化や復号化を行う場合を例にとって説明してきたが、もちろんあらかじめDVD等の供給者とDVDプレーヤ等の間で合意がなされていれば、マスターキーKm以外のキーを用いることも可能である。もちろん、公開鍵暗号を用いることも可能である。また、1つのストレージメディアに複数のコンテンツが蓄積されており、コンテンツごとに異なる鍵で暗号化するような場合にも本発明は適用可能である。また、1つのストレージメディアに複数のコンテンツが蓄積されており、コンテンツごとに異なる再生条件が付与されているような場合にも本発明は適用可能である。また、図14のように認証子を用いる場合に、コンテンツの暗号化に用いるキーと、認証子の生成に用いるキーとを異なるものにしてもよい。
【0115】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワーク・システムの全体構成の一例を示す図
【図2】同実施形態に係るDVDプレーヤの内部構造の一例を示す図
【図3】DVDに記録される情報の構成の一例を示す図
【図4】ライセンスサーバのアドレスの記載方式の一例を示す図
【図5】電話サーバ手続き部によるコネクション確立手順の一例を示す図
【図6】全体的な通信シーケンスの一例を示す図
【図7】同実施形態に係るDVDプレーヤの動作シーケンスの一例を示す図
【図8】同実施形態に係るホームゲートウェイの動作シーケンスの一例を示す図
【図9】同実施形態に係るホームゲートウェイのサービス登録手順の一例を示す図
【図10】同実施形態に係るホームゲートウェイの内部構造例を示す図
【図11】DVDに記録される情報の構成の他の例を示す図
【図12】DVDに記録される情報の構成のさらに他の例を示す図
【図13】DVDに記録される情報の構成のさらに他の例を示す図
【図14】同実施形態に係るDVDプレーヤの内部構造の他の例を示す図
【符号の説明】
【0117】
101…DVDプレーヤ、102…ホームゲートウェイ、103…ライセンスサーバ、104…ローカル網、105…電話網、201…電話モデム、202…IEEE1394インタフェース、203…インタフェース選択部、204…電話サーバ手続き部、205…ライセンス更新手続き部、206…ライセンス判定部、207…DVDドライブ、208…付加情報抽出部、209…コンテンツ抽出部、210…デコーダ、1001…IEEE1394インタフェース、1002…サービス通知部、1003…フィルタ部、1004…電話サーバ部、1005…データ変調・復調部、1006…電話網インタフェース
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続する機能とストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を処理する機能とを有するコンテンツ情報処理装置、コンテンツ情報処理方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、インターネットを始めとする通信技術、あるいはDVDを始めとするデジタル技術の急激な進歩が各方面で話題になっている。これらの技術は情報通信の分野にとどまらず、放送、AV、家電等に広がりを見せており、上記各分野の融合は今後も急激に進んでいくものと考えられる。
【0003】
特に、これまでの高度な通信技術が必要とされてこなかった家庭においても、上記通信技術の進展は、モデム技術の進歩によるデータ通信技術、あるいはIEEE1394等のホームネットワーク技術等への応用等、新しい技術を生み出している。
【0004】
さて、今後、AV機器のデジタル化、ネットワーク化が進展していくと、デジタル化されたコンテンツの扱いが問題となる。すなわち、デジタルコンテンツの不正コピーや、不正加工等の問題である。
【0005】
そこで、上記デジタルコンテンツに暗号技術を加え、あらかじめ登録された機器についてのみ、その再生が可能にする技術等が提案されている。
【0006】
さらに、上記再生に加えて、コンテンツ再生の事実をAV機器が覚えておき、後で履歴を課金サーバに通知し、この再生に対して課金を行う方式(Divx方式)等が提案されている。また、その他の方式としても、上記再生条件が満たされた場合のみ再生を許可する方式や、再生条件が満たされない場合でも、外部のライセンスサーバに許可を求めることで、再生を許可する方式など、種々の方式が考えられる。
【0007】
これらの技術は、AV機器にネットワーク機能を持たせ、公衆網上に配置されたライセスサーバ/課金サーバと、上記AV機器とが通信を行うことで、上記手続きをすることになる。
【0008】
また、インターネットテレビや、プッシュ型のニュース配信等、今後のAV機器はネットワーク化を前提にしたものが多く開発されることが予測される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ネットワーク機能を持つAV機器や計算機等のコンテンツ情報処理装置において、ストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を復号化して利用する場合に、その利用の許否に対する効果的なコントロール手法が提供されていなかった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、ネットワーク機能を持つAV機器や計算機等のコンテンツ情報処理装置において、ストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を復号化して利用する場合に、その利用の許否に対する効果的なコントロールを可能にするコンテンツ情報処理装置、コンテンツ情報処理方法及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るコンテンツ情報処理装置は、ネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、所定のストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を、該ストレージメディアの該コンテンツ情報が記録されたコンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されたコンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされる場合に、該ストレージメディアの該コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された復号化のための情報を使用して復号化する復号化手段と、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記コンテンツ情報を利用するための許諾を受けるために通信すべきサーバ装置のアドレスの情報を該ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、このアドレスの情報に基づいて、前記ネットワークインタフェースを介して前記サーバ装置とのコネクションを確立させるための制御を行うコネクション制御手段と、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記確立されたコネクションを介して前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを行う処理手段とを備え、前記復号化手段は、前記処理手段により行われる前記手続きを経て前記許諾を受けた場合も、前記復号化のための情報を使用して前記コンテンツ情報を復号化することを特徴とする。
【0012】
なお、以上の各装置に係る発明は、方法に係る発明としても成立し、また所定のハードウェアを制御するための手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ネットワーク機能を持つAV機器や計算機等のコンテンツ情報処理装置において、ストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を復号化して利用する場合に、その利用の許否に対する効果的なコントロールが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1に本発明の一実施形態に係るネットワーク・システムの全体構成の一例を示す。
【0016】
まず、本実施形態ではローカル網の一例として図1に示すようにIEEE1394バスによるローカル網104を例に取り上げて説明を行う。このローカル網104はどのような組織あるいは場所に設けられるものであってもよいが、ここでは説明をより具体的に行うためにこのローカル網104をある家庭に設けられた家庭網として説明する。
【0017】
次に、ローカル網にAV機器や計算機のような何らかのコンテンツを扱う装置(以下、コンテンツ処理装置と言う)が接続される場合を考える。そして、このコンテンツ処理装置は、少なくともローカル網(図1ではIEEE1394バス104)に接続するためのインタフェースを持つ他に、このローカル網以外のネットワークを介して他の装置と通信する必要があるものとする。
【0018】
本実施形態では、上記の他の装置と通信する必要性は、上記のローカル網に接続される装置が、自由には利用もしくは処理できないコンテンツを利用もしくは処理するための許可を獲得する必要性から生じるものとする。例えば、例えば、そのコンテンツ自体は入手できても当該コンテンツ処理装置においてそのコンテンツに何らかの処理を施すためには一定の条件を満たす必要があるような場合を想定する。より具体的には、例えば、そのコンテンツに対する一切の処理またはそのコンテンツに対する特定の処理(例えば、暗号化されたコンテンツの復号化あるいは表示可能なコンテンツの表示あるいは実行可能なコンテンツの実行など)に対して特定の機関もしくは組織などによる許諾を必要とし、これを受けていないもしくは受けた状態にないならば該特定の機関もしくは組織などから、一定の手続きを持って(ここでは通信手段を用いて)、無償もしくは有償で該許諾を受ける必要のある場合、あるいはこの許諾の期間が限定されており、この期間を超過したならば、該特定の機関もしくは組織などから、一定の手続きを持って再度、無償もしくは有償で許諾を受ける必要のある場合などである。いずれの場合においても、あるコンテンツを利用するためにもしくは利用し続けるために、このコンテンツ処理装置と特定の機関もしくは組織などにおけるサーバ装置等との間で上記一定の手続きのための通信を行う必要が生じ得る場合を考える。
【0019】
なお、上記のコンテンツ情報としては、例えば、動画、静止画、音声、音声を伴う動画もしくは静止画など、テキストファイル、プログラムなど種々のタイプのデータを対象とすることが可能であり、上記の利用もしくは処理としては、例えば、復号化、再生、表示、閲覧、保存、コピー、実行などが考えられる。また、上記の許諾としては、例えば、課金によるものあるいはライセンス契約によるもの等が考えられ、これによってコンテンツの利用もしくは処理を可能とするためのライセンス情報(例えば後述する再生条件)を取得することができる。
【0020】
家庭網(IEEE1394バス)104に接続される上記のようなコンテンツ処理装置としては、例えば計算機やVTR、TVなど種々のものが考えられるが、本実施形態では、図1に示すようにDVDプレーヤ101を例に取り上げて説明を行う。
【0021】
また、このDVDプレーヤ101の通信対象となる上記の特定の機関もしくは組織などにおけるサーバ装置として図1に示すようにライセンスサーバ103を例に取り上げて説明を行う。
【0022】
さらに、コンテンツ処理装置(DVDプレーヤ101)は必要に応じて特定の機関もしくは組織などにおけるサーバ装置(ライセンスサーバ103)とローカル網(家庭網104)以外のネットワークを介して通信するが、本実施形態では、このローカル網(家庭網104)以外のネットワークとして図1に示すように電話網105を例に取り上げて説明を行う。
【0023】
すなわち、図1に例示するように、DVDプレーヤ101は家庭網104に接続されており、家庭網104は電話サーバとしての機能を有するホームゲートウェイ102を介して電話網105に接続されており、ライセンスサーバ103もまた直接または他のネットワークもしくはゲートウェイなどを介して電話網105に接続されるものとする。
【0024】
なお、ローカル網に接続されるコンテンツ処理装置(DVDプレーヤ101)には、ローカル網以外のネットワーク(図1では電話網105)に直接接続するためのインタフェースを持つものと持たないものとが考えられる。ただし、ローカル網以外のネットワークに直接接続するためのインタフェースを持っていても、実際にそれに接続することを必須とするものではない。
【0025】
さて、図1に例示したネットワーク・システムにおいては、DVDプレーヤ101は、必要に応じて、ライセンスサーバ103に電話をかける等してネットワーク的に接続し、ライセンス情報(例えば後述する再生条件)や必要に応じて課金情報などの交換を行う。以下、このような具体例を用いて本発明の一実施形態をより詳しく説明していく。
【0026】
図2に、本実施形態に係るDVDプレーヤ101の内部構造例を示す。
【0027】
図2に示されるように、本DVDプレーヤ101は、電話モデム201、IEEE1394インタフェース202、インタフェース選択部203、電話サーバ手続き部204、ライセンス更新手続き部205、ライセンス判定部206、DVDドライブ207、付加情報抽出部208、コンテンツ抽出部209、デコーダ210を備えている。
【0028】
まず、このDVDプレーヤ101のハードウェア/ソフトウェア構成について説明する。
【0029】
このDVDプレーヤ101は、暗号化されたコンテンツを復号化する機能を有しており、暗号化を解かれたコンテンツもしくはこれを容易に得ることのできる情報が受信されないようになっているものとする。例えば、DVDドライブ207の回路部分、付加情報抽出部208、コンテンツ抽出部209、デコーダ210、ライセンス判定部206、ライセンス更新手続き部205については半導体チップとして形成するのが好ましく、DVDドライブ207の回路部分と付加情報抽出部208とコンテンツ抽出部209を1つの半導体チップとして形成し(あるいはDVDドライブ207の回路部分は独立させる)、デコーダ210を1つの半導体チップとして形成し、ライセンス判定部206とライセンス更新手続き部205を1つの半導体チップとして形成する構成などが考えられる。もちろん、この他にも半導体チップ化の組み合わせは可能であり、6つの部分を夫々単独で1つの半導体チップとして形成することも、6つの部分を全て一纏めにして1つの半導体チップとして形成することも可能である。
【0030】
また、このDVDプレーヤ101は、セキュリティが確保できる範囲内で、ソフトウェアを利用して構成することも可能である。
【0031】
また、本DVDプレーヤ101を、単体のDVDプレーヤとして構成する形態と、計算機にDVDドライブを接続して構成する形態とが実施可能である。後者の場合、例えば、本実施形態に係るDVDプレーヤ101の機能の一部を実現するための回路を形成した半導体チップを搭載したボードを当該計算機に装着し、また本DVDプレーヤ101の機能の一部を実現するためのプログラムをこれを記録した記録媒体から読み込んで当該計算機にインストールし(もしくは該プログラムを書き込んだROMを接続し)CPUで実行する。また、上記の半導体チップ化したものを計算機のCPUバスに接続する構成も考えられる。
【0032】
本実施形態では、一例として、少なくともライセンス判定部206とデコーダ210とは別チップになっており、ライセンス判定部206とライセンス更新手続き部205とは同一チップになっているものとする。このため、後述するように、ライセンス判定部206とデコーダ210との間では暗号化されたコンテンツを復号化するために必要なコンテンツキーKcを暗号化して受け渡しするようにしている。
【0033】
次に、DVDプレーヤ101の構造、動作について詳しく説明する。図2に示されるように、DVDプレーヤ101には、電話網105と直接接続することのできる電話モデム201と、家庭網(IEEE1394)104に直接接続することのできるIEEE1394インタフェース202の2つのネットワークインタフェースが設けられている。
【0034】
インタフェース選択部203は、これら2つのインタフェースのうち、実際に網に接続されている適切なインタフェース側を選択し(両方とも接続されている場合には電話モデム201を選択するものとする)、ライセンス更新手続き部205による電話網105または家庭網104(からホームゲートウェイ102、電話網105)を介した通信をサポートする。
【0035】
電話サーバ手続き部204は、詳しくは後述するように、ライセンスサーバ103とのコネクションを確立させるためのものである。
【0036】
DVDドライブ207は、セットされたDVDのディスクから情報を読み取ったり、情報を書き込んだりするためのディスクドライブである。
【0037】
ここで、DVDドライブ207にセットされるDVD(DVD−RAM等)は、図3に例示するような構成を持っているものとする。すなわち、あらかじめコンテンツキーKcで暗号化された映像等のコンテンツ(301)と、マスターキーKmにより暗号化された付加情報(302)がDVDに記録されている。
【0038】
なお、以下では、キーKiで暗号化されたデータを[データ]Ki記述するものとする。例えば、コンテンツキーKcで暗号化されたコンテンツを[コンテンツ]Kcと記述し、マスターキーKmで暗号化された付加情報を[付加情報]Kmと記述する。
【0039】
図3に例示するような構成の場合、コンテンツの暗号を解くためには、まず、暗号化された付加情報([付加情報]Km)をマスターキーKmで復号化し、この付加情報に含まれるコンテンツキーKc(303)を取り出し、このコンテンツキーKcを使って暗号化されたコンテンツ([コンテンツ]Kc)復号化をする必要がある。
【0040】
この[付加情報]Kmの復号化はライセンス判定部206にて実行される。
【0041】
なお、付加情報302を復号するためのマスターキーKmは、このDVDプレーヤ101内のライセンス判定部206に内蔵されている(例えばライセンス判定部206自体が半導体素子として形成され封止されている)ものとする。
【0042】
すなわち、マスターキーkmやマスターキーkmで暗号化された付加情報[付加情報]KmはあらかじめDVDプレーヤやDVDのディスクの製造時に組み込まれており、共通鍵であるマスターキーkmの内容やその暗号方式は外部に流出したりすることのないように厳重に管理されているものとする。
【0043】
図3に示されるように、付加情報内には再生条件304も含まれている。この再生条件304には、ライセンス判定部206によるコンテンツの復号化が許可されるために満されるべき条件が記述されている。
【0044】
この条件としては様々なものが考えられるが、本実施形態では、コンテンツの復号化を許可する時間的期限(例えば「1999年12月31日」というような復号化を許可する最終期限の情報等)が書き込まれているものとする。つまり、この再生条件を満たしていればそのDVDのディスクを再生できるが、この再生条件が満たされていなければ、再生をすることができない。なお、本実施形態では、条件が満たされなければ暗号化されたコンテンツの復号化ができないことによって、再生できないようにしている。
【0045】
なお、詳しくは後述するが、再生条件が満たされていない場合でも、(図1では電話網105を介してライセンスサーバ103と通信を行うことによって)ライセンス更新を行うことにより、再びそのDVDのディスクの再生が可能になる。
【0046】
このため、この再生条件または付加情報全体の部分をRAMの領域にして、ライセンス判定部206により書き換え可能な構成にし、ライセンス更新を行った場合には、該当する領域を、新たな更新条件または新たな更新条件を反映した再生条件に書き換えるようにしてもよい。ただし、この領域は、一般のDVD−RAMドライブには書き換え不能で、ライセンス判定部206のような特殊な装置のみが読み書き可能な構成にするのが望ましい。
【0047】
さて、DVDドライブ207にセットされたDVDのディスクに記録されたコンテンツを再生する際には、まず、このコンテンツキーKcにより暗号化されたコンテンツ([コンテンツ]Kc)301とマスターキーKmにより暗号化された付加情報([付加情報]Km)302は、それぞれ、付加情報抽出部208とコンテンツ抽出部209により抽出される。
【0048】
マスターキーKmにより暗号化された付加情報([付加情報]Km)は、ライセンス判定部206に送られる。ライセンス判定部206は、前述したようにマスターキーKmを内蔵しており、暗号化された付加情報([付加情報]Km)をマスターキーKmで復号化することにより、付加情報(図3の場合、コンテンツキーKc、再生条件、ライセンスサーバアドレス)を取り出す。
【0049】
次に、ライセンス判定部206では、まず、解読した付加情報のうち再生条件をチェックする。ライセンス判定部206内には、時計が内蔵されており、例えば上記のように有効期限内であるか否か等の再生条件がチェックされる。
【0050】
再生条件をクリアしたならば、ライセンス判定部206は再生を許可したということになり、ここではじめて、マスターキーKmにより解読されたコンテンツキーKcをデコーダ210に渡す。
【0051】
ただし、前述したように、ライセンス判定部206とデコーダ210との間の信号を受信される可能性がある場合(例えばライセンス判定部206とデコーダ210とが別チップで形成されている場合)には、ライセンス判定部206とデコーダ210と間でのコンテンツキーKcの受け渡しを安全に行うために、コンテンツキーKcを、ライセンス判定部206とデコーダ210との間であらかじめ合意されたテンポラリーキーKtを用いた暗号化された形([Kc]Kt)で受け渡しするのが好ましい。
【0052】
すなわち、この場合、まずライセンス判定部206ではテンポラリーキーKtでコンテンツキーKcを暗号化し、この[Kc]Ktをデコーダ210に渡し、デコーダ210ではテンポラリーキーKtで[Kc]Ktを復号化して、コンテンツキーKcを得るようにする。
【0053】
デコーダ210は、ライセンス判定部206からコンテンツキーKcを取得すると、このコンテンツキーKcを使って、コンテンツ抽出部209から入力されてくる暗号化されたコンテンツ([コンテンツ]Kc)を復号化する。さらに、デコーダ210は、このコンテンツにデコードなどの必要な処理を施した後に、例えば映像信号あるいは音声信号として出力する。
【0054】
なお、このデコーダ210の機能としては、種々のものを設定することが可能であり、例えば、コンテンツがMPEG2などでコード化された後に暗号化されたものである場合に[コンテンツ]Kcを復号化しデコードしこれをNTSC信号に変換した後に出力する形態もしくはMPEG2などでコード化された状態でコンテンツを出力する形態、コンテンツが画像データである場合にこれをビットマップデータに変換して出力する形態など、様々なものが適用可能である。
【0055】
ライセンス判定部206による再生条件のチェックにおいて、再生条件をクリアしていない場合(本例の場合、有効期限が期限切れになっている場合)は、ライセンスが有効でない(本例の場合、ライセンスが期限切れである)ことを意味する。そこで、ライセンス判定部206は、例えばライセンスが期限切れである旨のメッセージを表示しユーザからライセンスの更新を行うか否かの指示を入力するなどして、ユーザの許可を得た上で、ライセンスの更新を試みる。ただし、ユーザからライセンスの更新を行わない旨の指示が入力された場合には、この時点で当該コンテンツに関する処理は終了となる。
【0056】
次に、ライセンス判定部206による再生条件のチェックにおいて再生条件がクリアされず、ライセンスを更新することになった場合について説明する。ライセンスを更新することになった場合、具体的なライセンス更新の手続きを行うのは、ライセンス更新手続き部205である。
【0057】
まず、ライセンス更新手続き部205は、ライセンス判定部106内で復号化された付加情報302内のライセンスサーバアドレス305を調べる。ここには、ライセンス更新を行う場合にアクセスすべきライセンスサーバのアドレスが記載されている。
【0058】
図4に、ライセンスサーバのアドレスの記載方式の一例を示す。図4では、ライセンスサーバのアドレスは、アドレス種別と実際のアドレスにより構成される。アドレス種別には、例えば、電話番号、IPアドレス、ATMアドレス、JAVA(登録商標)ネーム空間、CORBAネーム空間、あるいはドメイン名といったアドレス体系が、アドレスには実際のアドレスが入る。なお、この記述をURL(Universal Resource Locator)により規格統一してもよい。なお、図4において、ライセンスサーバのアドレスを優先度順に記載するものとしてもよく、この場合、上に書いてあるアドレスを先に試すようにするのが望ましい。
【0059】
本実施形態では、この付加情報302内のライセンスサーバアドレス305に記載されているいずれかのアドレスとのコネクションを確立し、ライセンスサーバと、本DVDプレーヤ101との間で、あらかじめ定められたプロトコルにてライセンス更新の手続きを行うことになる。
【0060】
ここでは、このDVDプレーヤ101はIPプロトコルをプロトコルスタックとしては持っていないものとすると、IPアドレスにて通信をすることはできないので、電話番号を選択することになる。もしくは、図4においてライセンスサーバのアドレスを上に書いてあるものから先に試すようにした場合には、まず電話番号が選択されることになる。
【0061】
さて、ライセンス更新手続き部205は、このライセンスサーバアドレスの情報を参照し、1つを選択すると、電話サーバ手続き部204に選択したアドレス情報を渡して、コネクションの確立を依頼する。
【0062】
コネクション確立の依頼を受けると、電話サーバ手続き部204は、所定の手順に従って、ライセンスサーバ103とのコネクションを確立しようとする。図5に、電話サーバ手続き部204によるコネクション確立手順の一例を示す。
【0063】
電話サーバ手続き部204は、まず、記載されている電話番号に直接電話をかけるべく、自身に電話モデムが接続されているかどうか、あるいはその電話モデムに電話ケーブルが接続されているかどうかをチェックする(ステップS501)。
【0064】
もし、自身に電話モデム201が接続されており、かつ、電話モデム201に電話ケーブルが接続されていて、電話網105を利用可能な場合(ステップS501でYesの場合)は、電話サーバ手続き部204は電話モデム201によりライセンスサーバ103とのコネクションの確立を試み、コネクションが確立されたら、ライセンス更新手続き部205は、インタフェース選択部203、電話モデム201、そして電話網105を通じてライセンスサーバ103と交信を行い、あらかじめDVDプレーヤ101とライセンスサーバ103との間で定められたプロトコルに従って、ライセンス更新手続きを行う(ステップS502)。
【0065】
もし、電話モデム201が接続されていない場合、あるいは電話モデム201に電話ケーブルが接続されていない場合、あるいは電話モデム201が電話網105に接続されていない場合(ステップS501でNoの場合)は、電話サーバによりコネクションを確立すべく、IEEE1394インタフェース202に1394ケーブルが接続されているかどうかをチェックする(ステップS503)。
【0066】
もし、IEEE1394インタフェース202に1394ケーブルが接続されていない場合は、DVDプレーヤ101はライセンスサーバ103にアクセスすることができないことを意味するため、ライセンスサーバとの交信が不可能であると判断し、ライセンス更新を断念し、更新が不可能である旨(あるいは、電話ケーブルや1394ケーブルなどを接続するようにユーザに促すメッセージ)をユーザに通知する(ステップS505)。
【0067】
もし、1395ケーブルが接続されている場合(ステップS503でYesの場合)は、このIEEE1394バス上に電話サーバ(本実施形態ではこの機能をホームゲートウェイ102が提供している)が存在するかどうかを調査する。後述するように、この電話サーバの存在の有無の調査は、IEEE1394バス上の機器のIEEE1212レジスタの読み込みや、サービスロケーションプロトコルの実行等によりこれを行うことができる(ステップS506)。
【0068】
この電話サーバは、家庭内網104と電話網105との両方に接続され、家庭内網104に接続された装置と電話網105を介した位置に接続された装置との通信の仲立ちを行う。すなわち、電話網105に直接または他のネットワークを介して接続されている装置(本実施形態の場合、ライセンスサーバ103)と、家庭内網104に接続された装置(本実施形態の場合、DVDプレーヤ101)の間のデータ通信を透過的に実現するための機構を提供する。なお、その詳細は後述する。
【0069】
もし、IEEE1394バス上に電話サーバが存在しない場合(ステップS504でNoの場合)は、前述と同様、DVDプレーヤ101はライセンスサーバ103にアクセスすることができないことを意味するため、ライセンスサーバ103との交信が不可能であると判断し、ライセンス更新を断念し、更新が不可能である旨(あるいは、電話ケーブルなどを接続するようにあるいは電話サーバを起動するようにユーザに促すメッセージ)をユーザに通知する(ステップS505)。
【0070】
もし、IEEE1394バス上に電話サーバが存在する場合(ステップS504でYesの場合)は、電話サーバ手続き部204は、IEEE1394インタフェース202からIEEE1394バス104を通じてホームゲートウェイ102に依頼してライセンスサーバ103とのコネクションを確立してもらい、コネクションが確立されたら、ライセンス更新手続き部205は、インタフェース選択部203、IEEE1394インタフェース202、IEEE1394バス104、そしてホームゲートウェイ102を通じてライセンスサーバ103と交信を行い、ライセンス更新手続きを行う(ステップS506)。
【0071】
なお、ライセンス更新手続きの具体的な内容は、ライセンスサーバに応じて決まり得るものであり、基本的には、例えば、課金またはライセンス契約のための情報をやり取りするとともに、コンテンツの利用もしくは処理を可能とするための情報すなわち本実施形態の場合には新たな再生条件を受け取るような内容になる。
【0072】
さて、上記のようにしてライセンス更新手続きが終了した後は、ライセンス更新手続き部205からライセンス判定部206にライセンス更新を完了した旨が通知されるとともに、新しい再生条件が通知される。
【0073】
そして、ライセンス判定部206は、新しい再生条件をこのDVDについて更新するための処理を行う。例えば、DVDドライブ207上のDVDから読み出し復号化した付加情報のうち再生条件に関する項目を、ライセンスサーバとの新しい更新に基づいて書き直し、この更新後の付加情報をマスターキーKmにより暗号化したものを再度、DVDのしかるべき領域に保存する。あるいは、この更新情報をこのDVDプレーヤ101自身が記憶しておき、再度、同じDVD(例えば同じディスクIDを持つもの)がDVDドライブ207にセットされた際は、上記更新された再生条件に基づいて、再生条件を判断する。
【0074】
また、ライセンス判定部206は、再生を許可し、マスターキーKmにより解読されたコンテンツキーKcをデコーダ210に渡す。デコーダ210は、前述したように、渡されたコンテンツキーKcを使って、暗号化された[コンテンツ]Kcを復号化し、さらに必要に応じてこのコンテンツをデコードするなどして、映像信号あるいは音声信号などとして出力する。
【0075】
次に、図6、図7、図8を参照しながら、通信シーケンスについて説明する。図6は通信シーケンスの一例を、図7はDVDプレーヤの動作シーケンスの一例を、図8はホームゲートウェイの動作シーケンスの一例をそれぞれ示す。
【0076】
この通信シーケンスが実行されるのは、上記の手順において電話サーバ(すなわちホームゲートウェイ102)を通してDVDプレーヤ101がライセンスサーバ103との通信を行う場合である。すなわち、DVDプレーヤ101は、ホームゲートウェイ102を介して、ライセンスサーバ103と交信し、ライセンス更新の手続きを行うことを希望する場合である。
【0077】
まず、DVDプレーヤ101は、IEEE1394バス104上に存在する装置のIEEE1212レジスタの内容を読み込み、これを調べることで、電話サーバの機能を持った装置を検出する(図6のステップS601、図7のステップS701)。IEEE1212レジスタの番地はあらかじめIEEE1394バス上に接続される装置間であらかじめ定められており、IEEE1212レジスタ上にはその装置の機能あるいはその装置が提供しているサービスについての情報が記されているものとする。なお、この検出には、上記のIEEE1212レジスタを用いる方法の他に、サービスロケーションプロトコルを用いる方法も考えられる。サービスロケーションプロトコルは、インターネットプロトコル等のプロトコル上で、ネットワーク上であるサービスを検出したり、通知したりすることを行うプロトコルである。なお、その詳細はRFC2165に示されている。
【0078】
なお、ホームゲートウェイ102については、あらかじめ図9に例示するような手続きを経て、IEEE1212レジスタに自装置が電話サーバとして機能する旨を登録しておく。すなわち、自装置上で電話サーバプロセスが起動しており、かつ、自装置の電話インタフェースが電話ケーブルにつながっていて、電話網105と通信が可能である場合(ステップS910,S912)に、自装置が電話サーバとして稼働することが可能であることを確認し、自らのIEEE1212レジスタに、自装置が電話サーバの機能を持っていることを登録する(図8のステップS801、図9のステップS903)。
【0079】
このようにIEEE1212レジスタに自装置が電話サーバとして機能する旨を登録しておくことにより、IEEE1394バス104に接続された装置に対して自装置が電話サーバとして機能する旨を通知することができる。
【0080】
さて、IEEE1394バス104上に電話サーバ(本実施形態の場合は、ホームゲートウェイ102が電話サーバの機能を持っている)が存在していることを認識すると(図7のステップS702)、DVDプレーヤ101は、先に付加情報302から読み取ったライセンスサーバのアドレス(電話番号)に電話をかけ、ライセンス更新手続きを行おうとする。これを、家庭網であるIEEE1394バス104を経由して行おうとするため、DVDプレーヤ101はホームゲートウェイ102に対して、呼設定依頼を送出する(図6のステップS602、図7のステップS704)。この呼設定依頼は、ホームゲートウェイ102に対して、「電話網に対して、電話番号#xに対して電話をかけてください。」という依頼を行うことを意味する。後に、この依頼により確立した電話回線を通して通信するために、この電話回線(あるいはセッション)に名前をつける意味で、トランザクション番号が同時に定義される。すなわち、DVDプレーヤ101からホームゲートウェイ102に、アドレス種別=POTS、アドレス=#x、トランザクション番号=αが転送される。
【0081】
ホームゲートウェイ102は、呼設定依頼を受けると(図8ステップS802)、この依頼に基づき、電話網105に対し、呼設定要求を送出する(図6のステップS603、図8のステップS803)。この呼設定要求は、先の呼設定依頼に含まれていた電話番号に対して行われる。
【0082】
この呼設定が成功すると、電話網105側から呼設定成功のメッセージが送られてくる(図6のステップS604)。
【0083】
ホームゲートウェイ102は、呼設定成功のメッセージを受信すると(図8のステップS804)、ライセンスサーバ103との接続が成功した旨をトランザクション番号(α)とともにDVDプレーヤ101に対して通知する(図6のステップS605、図8のステップS806)。
【0084】
この通知を受信すると(図6のステップS605、図7のステップS705)、DVDプレーヤ101は、あらかじめ定められたDVDプレーヤ101とライセンスサーバ103間のプロトコル手順にしたがって、ライセンスサーバ103とライセンス更新についての通信を行う(図6のステップS606、図7のステップS707、図8のステップS807,S808)。ここで、ライセンス更新手続きに関する通信では、交換されるデータは、ネットワークキーKnにより、暗号化されていることが望ましい。このネットワークキーKnは、DVDプレーヤ101とライセンスサーバ103の両者があらかじめ合意している暗号鍵である。なお、ここでは、共通鍵であることを仮定しているが、公開鍵を用いてこれを実現することも可能である。
【0085】
ホームゲートウェイ(電話サーバ)102は、DVDプレーヤ101とライセンスサーバ103との間のデータ交換を行う場合、図6のようにモデム処理を行っている。
【0086】
すなわち、DVDプレーヤ101からライセンスサーバ103に送出されるデータについては、ホームゲートウェイ102まではIEEE1394標準にのっとった、通常のデジタル信号として送られる。ホームゲートウェイ102にて、この信号が変調処理されて電話網105に乗り、ライセンスサーバ103との通信が行われる。
【0087】
ライセンスサーバ103からDVDプレーヤ101に送出されるデータについては、ホームゲートウェイ102までは電話用に変調された信号が電話網105を介して送られる。ホームゲートウェイ102は、この信号を復調し、IEEE1394信号としてDVDプレーヤ101に送る。
【0088】
このとき、DVDプレーヤ101あるいはライセンスサーバ103にとっては、ライセンス更新手続きを行うプロトコルが動作している形となり、上記モデム処理などの物理レイヤの違いは隠蔽される。つまり、ホームゲートウェイ102において、物理レイヤの違いはその間にモデム処理が入ることで隠蔽されることになる。
【0089】
なお、DVDプレーヤ101がIEEE1394バス104上に電話サーバ機能を検出できなかった場合は、電話をかけることができないので、ライセンスサーバ103との交信が不可能となり、処理はここで終了となる(図7のステップS703)。
【0090】
また、ホームゲートウェイ102が呼設定に失敗すると、これ以上の処理は不可能な旨をDVDプレーヤ101に通知し(図8のステップS805)、この通知を受けた場合にもDVDプレーヤ101は電話をかけることができないので、処理はここで終了となる(図7のステップS706)。
【0091】
次に、図10の上記のようなサービスの提供を実現するホームゲートウェイ102の内部構造の一例を示す。
【0092】
図10に示されるように、本ホームゲートウェイ102は、IEEE1394インタフェース1001、サービス通知部1002、フィルタ部1003、電話サーバ部1004、データ変調・復調部1005、電話網インタフェース1006を備えている。
【0093】
ホームゲートウェイ103の電話サーバとしての機能は電話サーバ部1004に含まれる。すなわち、電話サーバ部1004が図8のシーケンスの制御を司る。
【0094】
IEEE1394インタフェース1001はIEEE1394バス104とのインタフェースであり、電話網インタフェース1006は電話網105とのインターフェースである。
【0095】
サービス通知部1002は、IEEE1394インタフェース1001を通じて、自装置が電話サーバの機能を持っていることを通知する機能であり、本実施形態ではここがIEEE1212レジスタに相当する。
【0096】
データ変調・復調部1005は、図6のモデム処理を行う。
【0097】
フィルタ部1003は、IEEE1394インタフェース1001を介して入力されるデータのうち、ライセンス更新手続きデータを抽出して、これをデータ変調・復調部1005とともに有することになる。
【0098】
電話サーバ部1004の制御の下に、フィルタ部1003とデータ変調・復調部1005の働きによって、DVDプレーヤ101とライセンスサーバ103との間に透過的なデータ通信が提供される。
【0099】
このようにして、DVDプレーヤは公衆網上のライセンスサーバと通信を行うことができるようになる。すなわち、直接、DVDプレーヤに電話線を接続することなく、DVDプレーヤは公衆上のライセンスサーバと通信が行えるようになり、従来のようにDVDプレーヤに直接、電話線をつなげなくてもよくなるようになるため、IEEE1394の配線がしてあり、かつIEEE1394上に電話サーバ(本実施形態の場合、ホームゲートウェイ102)が存在していれば、電話線の配線を行う必要がなくなり、配線の大幅な簡略化が可能となる。
【0100】
さて、ここまでの説明では、ライセンス更新手続きのためのプロトコルは、DVDプレーヤ101とライセンスサーバ103との間であらかじめ合意されたものを使うものとしてきた。
【0101】
この場合、このライセンス更新手続きのための共通のプロトコルを全DVDプレーヤで稼働させる必要がある。
【0102】
このため、図11に示すように、DVDに含まれる付加情報にライセンス更新手続きのためのプロトコル・プログラム1106をも含めるようにしてもよい。このようにした場合、DVDプレーヤに例えばJAVA仮想マシン等の共通のインタフェースがあることを期待し、ライセンス更新手続きが必要な場合はこのJAVA仮想マシンに上記のDVDの付加情報に含まれるライセンス更新手続きのためのプロトコル・プログラムをダウンロードし、このプログラムにライセンス更新手続きを行わせることにより、ライセンスサーバ毎にライセンス更新手続きプロトコルを選択することができるようになる。この場合は、このプロトコル処理のプログラムをJAVAで記述しておき、JAVA仮想マシン上で定義された標準APIを用いて、この処理プロトコルを記述することになる。
【0103】
また、図12のように、複数のプログラム言語で書かれたプロトコル処理プログラムを用意しておき、DVDプレーヤのソフトウェアプラットホームにより、ダウンロードするプログラムを変えるようにしてもよい。図12では、JAVA、ビジュアルベーシックスクリプト等のプログラミング言語でプロトコル処理プログラムが記述されているため、DVDプレーヤのソフトウェアプラットホームがJAVA仮想マシンの場合でも、マイクロソフト社のOSであるウィンドウズ(登録商標)を搭載したパーソナルコンピュータの場合でも、いずれの場合でも対応できるようになる。このようにすることにより、パーソナルコンピュータ等のようにソフトウェアプラットホームが必ずしも統一されるとは期待できないような場合においても、いくつかのプログラムを用意しておくことができるようになり、柔軟な対応が可能になる。
【0104】
また、図13のように、ライセンスサーバのアドレスを必ずしも暗号化せず、そのまま平文のまま残しておく代わりに、このアドレスが正しいものであることを証明するために、このアドレスの認証子1304を添えておくこともできる。すなわち、「ライセンスサーバアドレス」もしくはライセンスサーバアドレスをもとに例えばMD5等のハッシュ関数を使って作成した「ダイジェスト情報」を、例えばマスターキーKmにて暗号化した情報を認証子1306としてライセンスサーバアドレス1305に添えておく。
【0105】
このDVDを再生する際にDVDプレーヤにおいてライセンスサーバのアドレスを認識する処理は例えば次のようになる。
【0106】
まず、DVDの製造者とDVDプレーヤとの間で、この認証方式についてあらかじめ合意しておく。ここで、DVDプレーヤは、付加情報1302のライセンスサーバアドレス1305を取り出し、あらかじめ合意している手順(例えば上記のようなライセンスサーバアドレスから認証子を生成する手順)を実行する。その結果が、アドレス認証子1306の値と同一であれば、このアドレス情報は確かに正しい値であるものと認識して、そこに書いてあるアドレス情報を、ライセンスサーバのアドレスとして認識する。なぜアドレス情報が正しいと認識できるかというと、マスターキーKmの値を知るものしか、その認証子は作成できないと解釈できることから、あらかじめマスターキーKmを知ることのできる、信頼できるものがこのライセンスサーバアドレス1305を生成したと解釈できるからである。
【0107】
なお、以上では、DVDプレーヤのアーキテクチャとして図2のように公衆網インタフェース(電話モデム201)とローカル網インタフェース(IEEE1394I/F202)の両方を持つ場合について説明したが、両方のインタフェースを持つのではなく、例えば図14のように公衆網のインタフェースを持たず、ローカル網のインタフェース202のみを持つような構成も可能である。つまり、図5において、ステップS503からスタートし、最初から1394インタフェースのみを持つものとして動作をするものである。このようにすれば、公衆網インタフェースを持たないため、製作コストの大幅な削減を行うことができる。
【0108】
以上では、DVDプレーヤを例にとって説明したが、その他に、VTR、TV、計算機など、種々の装置に本発明を適用することが可能である。
【0109】
以上では、ローカル網に直接DVDプレーヤなどの装置が接続されている場合について説明したが、直接ではなく、ローカル網に接続された他のローカル網にDVDプレーヤなどの装置が接続されているような場合にも本発明は適用可能である。
【0110】
以上では、ローカル網としてIEEE1394を例にとって説明したが、イーサネット(登録商標)、ATM−LAN、電力線ネットワーク、無線ネットワークなど、他のネットワークを用いることも可能である。
【0111】
以上では、ローカル網以外のネットワークとして電話網を例にとって説明したが、他のローカル網、他の公衆網、インターネット、パソコンネットなど、他のネットワークを用いることも可能である。
【0112】
以上では、ストレージメディアとしてDVDを例にとって説明したが、その他の媒体でも本発明は適用可能である。
【0113】
以上では、ディスク単位でのコンテンツ利用の許諾について説明してきたが、ディスク内のコンテンツ単位で利用の可否を制御し許諾を受けるための手続きを行うようにすることも可能である。
【0114】
以上では、マスターキーKmを用いて暗号化や復号化を行う場合を例にとって説明してきたが、もちろんあらかじめDVD等の供給者とDVDプレーヤ等の間で合意がなされていれば、マスターキーKm以外のキーを用いることも可能である。もちろん、公開鍵暗号を用いることも可能である。また、1つのストレージメディアに複数のコンテンツが蓄積されており、コンテンツごとに異なる鍵で暗号化するような場合にも本発明は適用可能である。また、1つのストレージメディアに複数のコンテンツが蓄積されており、コンテンツごとに異なる再生条件が付与されているような場合にも本発明は適用可能である。また、図14のように認証子を用いる場合に、コンテンツの暗号化に用いるキーと、認証子の生成に用いるキーとを異なるものにしてもよい。
【0115】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の一実施形態に係るネットワーク・システムの全体構成の一例を示す図
【図2】同実施形態に係るDVDプレーヤの内部構造の一例を示す図
【図3】DVDに記録される情報の構成の一例を示す図
【図4】ライセンスサーバのアドレスの記載方式の一例を示す図
【図5】電話サーバ手続き部によるコネクション確立手順の一例を示す図
【図6】全体的な通信シーケンスの一例を示す図
【図7】同実施形態に係るDVDプレーヤの動作シーケンスの一例を示す図
【図8】同実施形態に係るホームゲートウェイの動作シーケンスの一例を示す図
【図9】同実施形態に係るホームゲートウェイのサービス登録手順の一例を示す図
【図10】同実施形態に係るホームゲートウェイの内部構造例を示す図
【図11】DVDに記録される情報の構成の他の例を示す図
【図12】DVDに記録される情報の構成のさらに他の例を示す図
【図13】DVDに記録される情報の構成のさらに他の例を示す図
【図14】同実施形態に係るDVDプレーヤの内部構造の他の例を示す図
【符号の説明】
【0117】
101…DVDプレーヤ、102…ホームゲートウェイ、103…ライセンスサーバ、104…ローカル網、105…電話網、201…電話モデム、202…IEEE1394インタフェース、203…インタフェース選択部、204…電話サーバ手続き部、205…ライセンス更新手続き部、206…ライセンス判定部、207…DVDドライブ、208…付加情報抽出部、209…コンテンツ抽出部、210…デコーダ、1001…IEEE1394インタフェース、1002…サービス通知部、1003…フィルタ部、1004…電話サーバ部、1005…データ変調・復調部、1006…電話網インタフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、
所定のストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を、該ストレージメディアの該コンテンツ情報が記録されたコンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されたコンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされる場合に、該ストレージメディアの該コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された復号化のための情報を使用して復号化する復号化手段と、
前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記コンテンツ情報を利用するための許諾を受けるために通信すべきサーバ装置のアドレスの情報を該ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、このアドレスの情報に基づいて、前記ネットワークインタフェースを介して前記サーバ装置とのコネクションを確立させるための制御を行うコネクション制御手段と、
前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記確立されたコネクションを介して前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを行う処理手段とを備え、
前記復号化手段は、前記処理手段により行われる前記手続きを経て前記許諾を受けた場合も、前記復号化のための情報を使用して前記コンテンツ情報を復号化することを特徴とするコンテンツ情報処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、あらかじめ定められたプロトコルに従って前記手続きを行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを行う通信プロトコル・プログラムを、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、抽出した該通信プロトコル・プログラムを実行することにより、前記手続きを行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項4】
前記ストレージメディアには、前記通信プロトコル・プログラムとして、複数の異なるプラットホーム向けに各プラットホームで使用されるプログラミング言語にて記述された同一機能の複数のプログラムが記録されており、
前記処理手段は、複数の前記プログラムのうち、自装置のプラットホームに応じたプログラムを選択することを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項5】
前記通信プロトコル・プログラムは、前記コンテンツ情報が暗号化された際に使用された鍵とは異なる鍵を使用して暗号化された状態で、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されていることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項6】
前記復号化のための情報は、前記コンテンツ情報が暗号化された際に使用された鍵とは異なる鍵を使用して暗号化された状態で、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項7】
前記コンテンツ情報は、所定のコンテンツキーで暗号化されたものであり、
前記復号化のための情報は、前記所定のコンテンツキーを暗号化したものであり、
前記復号化手段は、前記コンテンツ情報を復号化するにあたって、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出した前記復号化のための情報を復号化し、これにより得られた前記所定のコンテンツキーを用いて、前記コンテンツ情報を復号化することを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項8】
前記コンテンツ情報利用許可に関する条件は、前記コンテンツ情報が暗号化された際に使用された鍵とは異なる鍵を使用して暗号化された状態で、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項9】
前記アドレスの情報は、前記コンテンツ情報が暗号化された際に使用された鍵とは異なる鍵を使用して暗号化された状態で、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項10】
ネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、所定のストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を、該ストレージメディアの該コンテンツ情報が記録されたコンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されたコンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされる場合に、該ストレージメディアの該コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された復号化のための情報を使用して復号化する復号化手段と、コネクション制御手段と、処理手段とを備えたコンテンツ情報処理装置におけるコンテンツ情報処理方法であって、
前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記復号化手段による前記復号化に先立って、前記コンテンツ情報を利用するための許諾を受けるために通信すべきサーバ装置のアドレスの情報を該ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、このアドレスの情報に基づいて、前記ネットワークインタフェースを介して前記サーバ装置とのコネクションを確立させるための制御を前記コネクション制御手段により行うステップと、
このステップにおいて確立された前記コネクションを介して前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを前記処理手段により行うステップと、
このステップにおいて行われた前記手続きを経て前記許諾を受けた場合に、前記復号化手段により、前記復号化のための情報を使用して前記コンテンツ情報を復号化するステップとを有することを特徴とするコンテンツ情報処理方法。
【請求項11】
ネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、所定のストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を、該ストレージメディアの該コンテンツ情報が記録されたコンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されたコンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされる場合に、該ストレージメディアの該コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された復号化のための情報を使用して復号化する復号化手段と、コネクション制御手段と、処理手段とを備えたコンテンツ情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記復号化手段による前記復号化に先立って、前記コンテンツ情報を利用するための許諾を受けるために通信すべきサーバ装置のアドレスの情報を該ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、このアドレスの情報に基づいて、前記ネットワークインタフェースを介して前記サーバ装置とのコネクションを確立させるための制御を前記コネクション制御手段により行うステップと、
このステップにおいて確立された前記コネクションを介して前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを前記処理手段により行うステップと、
このステップにおいて行われた前記手続きを経て前記許諾を受けた場合に、前記復号化手段により、前記復号化のための情報を使用して前記コンテンツ情報を復号化するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項1】
ネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、
所定のストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を、該ストレージメディアの該コンテンツ情報が記録されたコンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されたコンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされる場合に、該ストレージメディアの該コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された復号化のための情報を使用して復号化する復号化手段と、
前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記コンテンツ情報を利用するための許諾を受けるために通信すべきサーバ装置のアドレスの情報を該ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、このアドレスの情報に基づいて、前記ネットワークインタフェースを介して前記サーバ装置とのコネクションを確立させるための制御を行うコネクション制御手段と、
前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記確立されたコネクションを介して前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを行う処理手段とを備え、
前記復号化手段は、前記処理手段により行われる前記手続きを経て前記許諾を受けた場合も、前記復号化のための情報を使用して前記コンテンツ情報を復号化することを特徴とするコンテンツ情報処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、あらかじめ定められたプロトコルに従って前記手続きを行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを行う通信プロトコル・プログラムを、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、抽出した該通信プロトコル・プログラムを実行することにより、前記手続きを行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項4】
前記ストレージメディアには、前記通信プロトコル・プログラムとして、複数の異なるプラットホーム向けに各プラットホームで使用されるプログラミング言語にて記述された同一機能の複数のプログラムが記録されており、
前記処理手段は、複数の前記プログラムのうち、自装置のプラットホームに応じたプログラムを選択することを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項5】
前記通信プロトコル・プログラムは、前記コンテンツ情報が暗号化された際に使用された鍵とは異なる鍵を使用して暗号化された状態で、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されていることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項6】
前記復号化のための情報は、前記コンテンツ情報が暗号化された際に使用された鍵とは異なる鍵を使用して暗号化された状態で、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項7】
前記コンテンツ情報は、所定のコンテンツキーで暗号化されたものであり、
前記復号化のための情報は、前記所定のコンテンツキーを暗号化したものであり、
前記復号化手段は、前記コンテンツ情報を復号化するにあたって、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出した前記復号化のための情報を復号化し、これにより得られた前記所定のコンテンツキーを用いて、前記コンテンツ情報を復号化することを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項8】
前記コンテンツ情報利用許可に関する条件は、前記コンテンツ情報が暗号化された際に使用された鍵とは異なる鍵を使用して暗号化された状態で、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項9】
前記アドレスの情報は、前記コンテンツ情報が暗号化された際に使用された鍵とは異なる鍵を使用して暗号化された状態で、前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ情報処理装置。
【請求項10】
ネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、所定のストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を、該ストレージメディアの該コンテンツ情報が記録されたコンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されたコンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされる場合に、該ストレージメディアの該コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された復号化のための情報を使用して復号化する復号化手段と、コネクション制御手段と、処理手段とを備えたコンテンツ情報処理装置におけるコンテンツ情報処理方法であって、
前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記復号化手段による前記復号化に先立って、前記コンテンツ情報を利用するための許諾を受けるために通信すべきサーバ装置のアドレスの情報を該ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、このアドレスの情報に基づいて、前記ネットワークインタフェースを介して前記サーバ装置とのコネクションを確立させるための制御を前記コネクション制御手段により行うステップと、
このステップにおいて確立された前記コネクションを介して前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを前記処理手段により行うステップと、
このステップにおいて行われた前記手続きを経て前記許諾を受けた場合に、前記復号化手段により、前記復号化のための情報を使用して前記コンテンツ情報を復号化するステップとを有することを特徴とするコンテンツ情報処理方法。
【請求項11】
ネットワークに接続するためのネットワークインタフェースと、所定のストレージメディアに記録された暗号化されたコンテンツ情報を、該ストレージメディアの該コンテンツ情報が記録されたコンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録されたコンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされる場合に、該ストレージメディアの該コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された復号化のための情報を使用して復号化する復号化手段と、コネクション制御手段と、処理手段とを備えたコンテンツ情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
前記ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域に記録された前記コンテンツ情報利用許可に関する条件が満たされない場合に、前記復号化手段による前記復号化に先立って、前記コンテンツ情報を利用するための許諾を受けるために通信すべきサーバ装置のアドレスの情報を該ストレージメディアの前記コンテンツ情報記録領域とは別の領域から抽出し、このアドレスの情報に基づいて、前記ネットワークインタフェースを介して前記サーバ装置とのコネクションを確立させるための制御を前記コネクション制御手段により行うステップと、
このステップにおいて確立された前記コネクションを介して前記サーバ装置との間で前記許諾を受けるための手続きを前記処理手段により行うステップと、
このステップにおいて行われた前記手続きを経て前記許諾を受けた場合に、前記復号化手段により、前記復号化のための情報を使用して前記コンテンツ情報を復号化するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−268864(P2006−268864A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102328(P2006−102328)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【分割の表示】特願平10−350の分割
【原出願日】平成10年1月5日(1998.1.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【分割の表示】特願平10−350の分割
【原出願日】平成10年1月5日(1998.1.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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