コンテンツ抽出装置
【課題】同じコンテンツをほとんど重複して保存することのないコンテンツ抽出装置を提供する。
【解決手段】コンテンツ抽出装置は、放送データを記憶媒体に記録し、キューシートを取得し、コンテンツの人気順位を示すランキングリストを取得し、取得されたキューシート及び取得されたランキングリストに基づいて、高人気順位よりも上位のコンテンツを所定期間ごとに記憶媒体から削除する。
【解決手段】コンテンツ抽出装置は、放送データを記憶媒体に記録し、キューシートを取得し、コンテンツの人気順位を示すランキングリストを取得し、取得されたキューシート及び取得されたランキングリストに基づいて、高人気順位よりも上位のコンテンツを所定期間ごとに記憶媒体から削除する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ抽出装置に関し、さらに詳しくは、複数のコンテンツを含む放送データの中から所望のコンテンツを抽出するコンテンツ抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツ抽出装置は、ラジオ又はテレビ放送を全て録音又は録画し、その中から所望のコンテンツを抽出して再生することができる。しかし、全ての放送を録音又は録画し続けると、膨大な記憶容量が必要になる。したがって、不要なコンテンツは適宜消去されなければならない。
【0003】
たとえば特開2007−81670号公報(特許文献1)に開示されたコンテンツ受信機は、放送スケジュールに基づいて、HDD(Hard Disk Drive)に記憶されたコンテンツの今後の放送回数を抽出して、HDDに記憶される機会が多いものほど高くなるように、コンテンツに対する放送予定消去優先度を付与する。このコンテンツ受信機はまた、HDDに記憶されたコンテンツの今後の放送時間を抽出して、今後の放送時間までの期間が短いものほど高くなるように、コンテンツに対する放送期間消去優先度を付与する。そして、このコンテンツ受信機は、HDDに新コンテンツを記憶する前に、HDDの空き容量が当該新コンテンツを記憶可能な容量となるように、付与された放送予定消去優先度又は放送期間消去優先度が高いコンテンツから順に、HDDに記憶されたコンテンツを消去する。
【0004】
特開2002−93119号公報(特許文献2)に開示された記録再生装置は、予め設定された記録容量以下になると、最初に、再生済みで記録再生年月日が古いコンテンツを消去し、その次に、未再生分で記録年月日の古いコンテンツを消去し、最後に、消去が禁止されたコンテンツを消去する。
【0005】
特開平11−27224号公報(特許文献3)に開示された多チャンネルデジタルデータ管理装置は、保有サーバに保持されている素材の中から過去1年以内の放送回数が2回以下の素材が検索され、その中から指定された素材が削除される。
【0006】
特開2001−167522号公報(特許文献4)に開示された番組予約方法は、空き容量不足が生じても、録画されているデータの中から視聴済み等で不要と判断したデータを削除して、最新の予約番組を優先して録画できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−81670号公報
【特許文献2】特開2002−93119号公報
【特許文献3】特開平11−27224号公報
【特許文献4】特開2001−167522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたコンテンツ受信機は、コンテンツがスケジュール通りに放送される場合しか有効に機能しない。たとえば視聴者のリクエストに応じてコンテンツが放送された場合、たとえそのコンテンツが短期間の間に多数回放送されたとしても、そのコンテンツは消去されない。そのため、同じコンテンツが重複して保存され、記憶容量が浪費される。
【0009】
また、特許文献2に開示された記録再生装置では、再生済み又は古いコンテンツは消去されるが、重複して保存されている同じコンテンツは消去されない。そのため、やはり記憶容量が浪費される。
【0010】
また、特許文献3に開示された多チャンネルデジタルデータ管理装置では、放送回数の少ないコンテンツは消去されるが、重複して保存されている同じコンテンツは消去されない。そのため、やはり記憶容量が浪費される。
【0011】
また、特許文献4に開示された番組予約方法では、再生済みのコンテンツは消去されるが、重複して保存されている同じコンテンツは消去されない。そのため、やはり記憶容量が浪費される。
【0012】
本発明の目的は、同じコンテンツをほとんど重複して保存することのないコンテンツ抽出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるコンテンツ抽出装置は、複数のコンテンツを含む放送データの中から所望のコンテンツ(たとえば音楽、映画、ドラマ)を抽出するコンテンツ抽出装置であって、記録手段と、キューシート取得手段と、特定手段と、ランキングリスト取得手段と、削除手段とを備える。記録手段は、放送データを記憶媒体に記録(録音又は録画)する。キューシート取得手段は、キューシートを取得する。特定手段は、キューシート取得手段により取得されたキューシートに基づいて、記憶媒体に記録された放送データに含まれるコンテンツを特定する。ランキングリスト取得手段は、コンテンツの人気順位を示すランキングリストを取得する。削除手段は、ランキングリスト取得手段により取得されたランキングリストに基づいて、特定手段により特定されたコンテンツの中から所定の人気順位よりも上位のコンテンツを記憶媒体から削除する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、同じコンテンツをほとんど重複して保存することはない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態によるコンテンツ抽出システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示したコンテンツ抽出装置により受信される放送データ及びコンテンツ抽出装置により取得されるキューシートを示す図である。
【図3】図1に示したコンテンツ管理テーブルを示す図である。
【図4】図1に示したコンテンツ抽出装置による全録音処理を示すフローチャートである。
【図5】図1に示したコンテンツ抽出装置によるコンテンツ特定処理を示すフローチャートである。
【図6】図1に示したコンテンツ抽出装置による集計処理を示すフローチャートである。
【図7】図1に示したコンテンツ抽出装置による初期設定処理を示すフローチャートである。
【図8】図1に示したコンテンツ抽出装置による削除処理を示すフローチャートである。
【図9】図8に示した削除処理に用いられるコンテンツの人気順位の推移を示すグラフである。
【図10】図8中の録音時間比較処理を示すフローチャートである。
【図11】図8中の期待値算出処理を示すフローチャートである。
【図12】図11に示した期待値算出処理に用いられる放送回数、録音回数、録音確率、及び平均録音確率を示す図である。
【図13】図12に示した放送回数及び録音回数をプロットしたグラフである。
【図14】図13に示したグラフから得られた放送予測回数及び期待値を示す図である。
【図15】第2の実施の形態によるコンテンツ管理テーブルを示す図である。
【図16】第2の実施の形態による予測放送日書込処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態による放送予告処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
[第1の実施の形態]
[コンテンツ抽出システムの全体構成]
まず、コンテンツ抽出システムの全体構成を説明する。
【0018】
図1を参照して、コンテンツ抽出システム1は、コンテンツ抽出装置11と、キューシートサーバ12と、ランキングリストサーバ13とを備える。コンテンツ抽出装置11はインターネット14経由でキューシートサーバ12及びランキングリストサーバ13に接続される。
【0019】
コンテンツ抽出装置11は、CPU(Central Processing Unit)111と、受信部112と、操作部114と、記憶媒体115と、表示部116と、再生部117と、インターフェイス118とを備える。コンテンツ抽出装置11はコンピュータで構成され、そこには、以下に詳述する処理を実行するためのプログラムがインストールされている。
【0020】
CPU111は、以下に詳述する各種処理を実行する。受信部112は、たとえばラジオの放送局から放送される放送データを受信する。放送データは複数のコンテンツを含む。コンテンツは、たとえば音楽である。受信部112は、たとえば1又は2以上のチューナ(図示せず)を含む。操作部114は、たとえばマウス、キーボードで構成され、コンテンツ抽出装置11に対する各種の指示を受け付ける。記憶媒体115は、たとえばHDDで構成される。記憶媒体115には、受信部112により受信された放送データ等が録音される。記憶媒体115にはまた、コンテンツ管理テーブル115Aが記録される。表示部116は、たとえば液晶ディスプレイで構成される。再生部117は、たとえばMP3デコーダで構成され、記憶媒体115に録音されたコンテンツを再生する。再生部117は、放送データが記憶媒体115に録音されている最中でもコンテンツを再生することができる。インターフェイス118は、インターネット14を介してキューシートサーバ12及びランキングリストサーバ13に接続される。
【0021】
キューシートサーバ12は、キューシート記憶部121と、キューシート送信部122とを備える。キューシート記憶部121はキューシートを記憶する。キューシート送信部122は、コンテンツ抽出装置11からの要求に応じてキューシート記憶部121からキューシートを読み出し、コンテンツ抽出装置11に送信する。
【0022】
ランキングリストサーバ13は、ランキングリスト記憶部131と、ランキングリスト送信部132とを備える。ランキングリスト記憶部131は、コンテンツの人気順位を示すランキングリストを記憶する。ランキングリストサーバ13は、たとえば音楽情報を提供する会社からランキングリストを取得し、そのランキングリストをランキングリスト記憶部131に記憶する。ランキングリスト送信部132は、コンテンツ抽出装置11の要求に応じてランキングリスト記憶部131からランキングリストを読み出し、コンテンツ抽出装置11に送信する。
【0023】
次に図2を参照して、放送データ及びキューシートの詳細を説明する。放送データは、コンテンツと、CM(Commercial Message)と、MC(Master of Ceremony)によるトークとを含む。ラジオ番組では一般に、流行の音楽が放送され、その前後にトークが放送され、番組の途中及び前後にCMが放送される。
【0024】
キューシートは、番組の進行に用いられるタイムテーブルであり、番組の放送後に放送局から提供される。キューシートには、既に放送されたコンテンツのメタデータと放送日時とが対応付けて記録されている。メタデータは、各コンテンツのアーティスト名及びタイトルを含む。放送日時は、各コンテンツの放送開始日時及び放送終了日時を含む。
【0025】
次に図3を参照して、コンテンツ管理テーブル115Aの詳細を説明する。コンテンツ管理テーブル115Aは、複数のレコード(行)を含む。各レコードはコンテンツごとに作成される。各レコードは、複数の欄(列)を含む。これらの欄は、各コンテンツのID(識別子)、アーティスト名、タイトル、録音開始日時、録音時間、人気順位、録音回数、削除予定日、再生回数、及び削除フラグを含む。録音開始日時は、当該コンテンツの録音を開始した日時で、キューシートに含まれる放送開始日時に相当する。録音時間は、当該コンテンツの録音開始日時と録音終了日時との差である。録音終了日時は、当該コンテンツの録音を終了した日時で、キューシートに含まれる放送終了日時に相当する。人気順位には、当該コンテンツがその人気順位を獲得した日付が付与される。録音回数は、当該コンテンツが重複して録音されている回数を示す。削除予定日は、当該コンテンツを削除する予定の日を示す。再生回数は、当該コンテンツが再生された回数を示す。削除フラグは、当該コンテンツが削除されるべきか否かを示す。「0」は当該コンテンツが削除されるべきでないことを示す。「1」は当該コンテンツが削除されるべきことを示す。削除フラグは、最初「0」に設定される。
【0026】
[コンテンツ抽出装置の動作]
以下、コンテンツ抽出装置11の動作を説明する。コンテンツ抽出装置11の動作は、図4に示した全録音処理と、図5に示したコンテンツ特定処理と、図6に示した集計処理と、図7に示した初期設定処理と、図8に示した削除処理とに分けられる。
【0027】
[全録音処理]
図4を参照して、コンテンツ抽出装置11の全録音処理を説明する。
【0028】
まず、受信部112は、操作部114に対するユーザのチャンネル選択操作に応じて所望の放送局を選択する(S401)。受信部112が1つしかチューナを有していない場合、1つしか放送局を選択できないが、受信部112が2以上のチューナを有している場合、2以上の放送局を選択できる。
【0029】
次に、受信部112は、選択された放送局からの放送データを常に受信する(S402)。今まで受信していた放送が終了した場合、受信部112は、別の放送局を自動的に選択し直し、その別の放送局からの放送データを受信するようにしてもよい。
【0030】
第1の実施の形態では、受信部112は、放送データを常に受信し続けているが、これに限定されない。たとえば、13時00分から14時00分までは、ある放送局からの放送データを受信し、14時30分から16時00分までは、別の放送局からの放送データを受信するようしてもよい。この場合、14時00分から14時30分までは、どの放送局からの放送データも受信しない。
【0031】
CPU111は、受信された放送データの全てをそのまま記憶媒体115に録音する(S403)。これにより、選択された放送局の放送が全て記憶媒体115に記録される。
【0032】
[コンテンツ特定処理]
図5を参照して、コンテンツ抽出装置11のコンテンツ特定処理を説明する。
【0033】
まず、CPU111は、キューシートを取得する(S411)。具体的には、CPU111は、キューシート要求コマンドをインターフェイス118経由でキューシートサーバ12に送信する。キューシートサーバ12のキューシート送信部122は、送信されて来たキューシート要求コマンドに応じて、キューシート記憶部121からキューシートを読み出し、コンテンツ抽出装置11に送信する。各放送局から提供されている全てのキューシートが取得されてもよいが、録音された放送データに対応するキューシートのみが取得されてもよい。
【0034】
次に、CPU111は、取得されたキューシートを参照し、記憶媒体115に録音された放送データの中からコンテンツのみを抽出し、コンテンツごとにファイルを形成する(S412)。ここで、コンテンツ以外のデータ(CM、MCなど)は取り除かれる。
【0035】
次に、CPU111は、各コンテンツにIDを付与する(S413)。具体的には、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115AのID欄に1,2,3…を順に書き込む。
【0036】
次に、CPU111は、取得されたキューシートからメタデータ及び放送日時を読み出す(S414)。
【0037】
次に、CPU111は、読み出された放送日時を参照し、放送終了日時(録音終了日時)から放送開始日時(録音開始日時)を減算し、その差を放送時間(録音時間)として算出する(S415)。
【0038】
最後に、CPU111は、読み出されたメタデータのアーティスト名及びタイトルと、読み出された放送開始日時(録音開始日時)と、算出された放送時間(録音時間)とをコンテンツ管理テーブル115Aに書き込む(S416)。キューシートに放送時間が含まれる場合、その放送時間がそのまま録音時間として書き込まれてもよい。図3に示した例では、ID=1のコンテンツに対し、アーティスト名「ArtistA」、タイトル「TitleAA」、録音開始日時「2009/01/01/19:21:30」、及び録音時間「3:21」が書き込まれている。
【0039】
記憶媒体115に録音された全てのコンテンツに対し、上記コンテンツ特定処理が実行される。
【0040】
[集計処理]
ユーザがコンテンツを視聴しようとする場合、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aから複数のコンテンツのアーティスト名及びタイトルを読み出し、それらを表示部116に表示させる。ユーザが操作部114を操作することにより、たとえばID=1のコンテンツを選択すると、再生部117はそのID=1のコンテンツを再生する。コンテンツが再生されると、CPU111はそのコンテンツの再生回数を1回増加させる。これにより、図3に示したコンテンツ管理テーブル115Aの再生回数が更新される。再生回数は最初「0」に設定される。再生されるべきコンテンツはユーザにより選択されてもよいが、ランダムに選択されてもよい。
【0041】
図6を参照して、現在の時刻がたとえば午前3時になった時(S421でYES)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aからアーティスト名、タイトル及び放送時間を読み出し、これらが実質的に同じコンテンツの数、つまり録音回数をカウントする(S422)。
【0042】
次に、CPU111は、カウントされた録音回数をコンテンツ管理テーブル115Aに書き込む(S423)。実質的に同じコンテンツには同じ録音回数が書き込まれる。
【0043】
図3に示した例では、ID=1及びID=25のコンテンツについては、アーティスト名及びタイトルは全く同じである。ただし、録音時間は全く同じではない。各コンテンツの録音時間(放送時間)は放送ごとに多少は相違するためである。したがって、録音時間に多少の相違(たとえば10秒以内)があっても、それらのコンテンツは実質的に同じとみなされ、カウントされる。
【0044】
一方、ID=2及びID=80のコンテンツについては、アーティスト名及びタイトルは全く同じである。しかしながら、ID=80の録音時間はID=2の録音時間よりも大幅に短い。ID=2のコンテンツはフルコーラスで放送されたのに対し、ID=80のコンテンツはワンコーラスしか放送されなかったためである。したがって、たとえアーティスト名及びタイトルが全く同じであっても、録音時間が大幅に相違(たとえば60秒以上)すれば、それらのコンテンツは実質的に同じとみなされず、カウントされない。
【0045】
また、本例では、全ての録音回数ではなく、1日当たりの録音回数が書き込まれる。たとえばID=1のコンテンツは2009年1月1日に15回録音されているため、「2009/01/01―15」が書き込まれる。
【0046】
次に、CPU111は、ランキングリストを取得する(S424)。具体的には、CPU111は、ランキングリスト要求コマンドをインターフェイス118経由でランキングリストサーバ13に送信する。ランキングリストサーバ13のランキングリスト送信部132は、送信されて来たランキングリスト要求コマンドに応じて、ランキングリスト記憶部131からランキングリストを読み出し、コンテンツ抽出装置11に送信する。
【0047】
次に、CPU111は、取得されたランキングリストから人気順位を読み出し(S425)、それらをコンテンツ管理テーブル115Aに書き込む(S426)。たとえばID=1のコンテンツについては、2009年1月1日の人気順位が1位であるため、「2009/01/01−1」が書き込まれる。
【0048】
上記集計処理により、各コンテンツの録音回数及び人気順位が毎日更新される。本例では、毎日午前3時に更新が行われているが、更新時刻は何時でもよい。また、1日に2回以上、又は数日に1回更新が行われてもよい。
【0049】
[初期設定処理]
図7を参照して、コンテンツ抽出装置11の初期設定処理を説明する。
【0050】
まず、CPU111は、操作部114に対するユーザの操作に応じて所望の削除定例日時を設定する(S501)。削除定例日時は、不要なコンテンツを削除する定例の日時であり、たとえば日曜日の24時(月曜日の午前0時)に設定される。所望の削除定例日時を設定する代わりに、特定の削除定例日時をあらかじめ設定しておいてもよい。
【0051】
次に、CPU111は、操作部114に対するユーザの操作に応じて所望の高人気順位及びそれよりも下位の低人気順位を設定する(S502,S503)。たとえば、高人気順位は10位に設定され、低人気順位は100位に設定される。所望の人気順位を設定する代わりに、特定の人気順位をあらかじめ設定しておいてもよい。
【0052】
最後に、CPU111は、操作部114に対するユーザの操作に応じて所望の期待値を設定する(S504)。期待値は、削除定例日時のインターバル期間(以下、「削除サイクル」という。)に同じコンテンツが繰り返し録音される可能性を示す。上述したように削除定例日時が日曜日の24時に設定された場合、削除サイクルは1週間である。所望の期待値としては、たとえば予測録音回数を意味する1回が設定される。詳細は後述する。所望の期待値を設定する代わりに、特定の期待値をあらかじめ設定しておいてもよい。
【0053】
上記ステップS501〜S504の順序は任意に変更可能である。
【0054】
[削除処理]
図8を参照して、コンテンツ抽出装置11の削除処理を説明する。
【0055】
現在の日時が図7中のステップS501で設定された削除定例日時になった時(S601でYES)、CPU111は、まず、図3に示したコンテンツ管理テーブル115AのIDを「1」に設定する(S602)。これにより、ID=1のコンテンツは、削除されるべきか残されるべきかの判定対象となる。以下、この削除処理において、判定対象となったコンテンツを「対象コンテンツ」という。CPU111は、IDを1つずつ増加することにより対象コンテンツを変更し(S614)、全てコンテンツが対象コンテンツになるまで(S613でYES)、ステップS603〜S615の処理を繰り返し実行する。
【0056】
CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツの録音開始日時が現在(削除定例日時)から削除サイクル以内か否か、本例では現在(日曜日の24時)から7日以内か否かを判定する(S603)。
【0057】
録音開始日時が削除サイクル以内でない場合、本例では先週の日曜日の24時よりも前の場合(S603でNO)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツの削除予定日が過ぎているか否かを判定する(S604)。削除予定日が過ぎている場合(S604でYES)、CPU111は、対象コンテンツそれ自体を記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。すなわち、コンテンツ抽出装置11は削除サイクルごとにコンテンツを削除する。古いコンテンツは視聴される可能性が低いため、削除しても差し支えないからである。削除予定日が過ぎていない場合(S604でNO)、ステップS615をスキップし、ステップS613へ進む。
【0058】
録音開始日時が削除サイクル以内の場合、本例では先週の日曜日の24時よりも後の場合(S603でYES)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツの最新の人気順位が図7中のステップS503で設定された低人気順位(たとえば100位)よりも下位か否かを判定する(S605)。たとえば図9に示されるように、現在の日時が1月14日の24時(削除定例日時)の場合、1月14日の午前3時に書き込まれた人気順位P1が100位よりも下位か否かを判定する。
【0059】
最新の人気順位が設定された低人気順位よりも下位の場合(S606でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する。(S615)。人気のないコンテンツは視聴される可能性が低いため、削除しても差し支えないからである。
【0060】
最新の人気順位が低人気順位よりも下位か否かを判定する代わりに、削除サイクル内における複数の人気順位の平均を算出し、その算出された平均人気順位が低人気順位よりも下位か否かを判定してもよい。
【0061】
人気順位が設定された低人気順位よりも下位でない場合(S605でNO)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツの最新の人気順位が図7中のステップS502で設定された高人気順位(たとえば10位)よりも上位か否かを判定する(S606)。たとえば図9に示されるように、現在の日時が1月7日の24時(削除定例日時)の場合、1月7日の午前3時に書き込まれた人気順位P2が10位よりも上位か否かを判定する。
【0062】
最新の人気順位が設定された高人気順位よりも上位の場合(S606でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。人気のあるコンテンツは頻繁に放送され、再び録音される可能性が高いため、削除しても差し支えないからである。
【0063】
最新の人気順位が高人気順位よりも上位か否かを判定する代わりに、削除サイクル内における複数の人気順位の平均を算出し、その算出された平均人気順位が高人気順位よりも上位か否かを判定してもよい。
【0064】
人気順位が設定された高人気順位よりも上位でない場合(S606でNO)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツが再生済みか否か、具体的には対象コンテンツの再生回数が1回以上か否かを判定する(S607)。対象コンテンツが再生済みの場合、具体的には対象コンテンツの再生回数が0回でない場合(S607でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。再生済みのコンテンツは削除しても差し支えないからである。
【0065】
対象コンテンツが未再生の場合、具体的には対象コンテンツの再生回数が0回の場合(S607でNO)、CPU111は以下の録音時間比較処理(S608)を実行する。
【0066】
[録音時間比較処理]
図10を参照して、録音時間比較処理を説明する。
【0067】
まず、CPU111は、対象コンテンツのアーティスト名、タイトル及び録音時間を読み出す(S901)。
【0068】
次に、CPU111は、図3に示したコンテンツ管理テーブル115AのID(以下、「copID」と表記する。)を「1」に設定する(S902)。これにより、cmpID=1のコンテンツは、対象コンテンツと録音時間を比較する対象となる。以下、この録音時間比較処理において、比較対象となったコンテンツを「比較コンテンツ」という。CPU111は、cmpIDを1つずつ増加することにより比較コンテンツを変更し(S908)、全てコンテンツが比較コンテンツになるまで(S907でYES)、ステップS903〜S905の処理を繰り返し実行する。
【0069】
CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、比較コンテンツが既に削除されているか否かを判定する(S903)。比較コンテンツが既に削除されている場合(S903でYES)、ステップS907へ進む。比較コンテンツがまだ削除されていない場合(S903でNO)、CPU111は、比較コンテンツのアーティスト名及びタイトルがS901で読み出したアーティスト名及びタイトルと同じか否かを判定する(S904)。アーティスト名及びタイトルが同じでない場合(S904でNO)、ステップS907へ進む。アーティスト名及びタイトルが同じ場合(S904でYES)、比較コンテンツの録音時間が対象コンテンツの録音時間よりも長いか否かを判定する(S905)。比較コンテンツの放送時間の方が短い場合(S905でNO)、ステップS907へ進む。比較コンテンツの放送時間の方が長い場合(S905でYES)、対象コンテンツの削除フラグを「0」から「1」に変更する(S906)。これは、対象コンテンツとアーティスト名及びタイトルが同じコンテンツであって、対象コンテンツよりも録音時間が長いコンテンツが見つかった場合、その対象コンテンツを削除対象に設定することを意味する。したがって、この場合、録音時間比較処理は終了する。一方、対象コンテンツとアーティスト名及びタイトルが同じコンテンツであって、対象コンテンツよりも録音時間が長いコンテンツが見つからなかった場合(S907でYES)、対象コンテンツの削除フラグは「0」のまま維持され、録音時間比較処理は終了する。
【0070】
再び図8を参照して、録音時間比較処理(S608)の後、CPU111は、対象コンテンツの比較フラグが「1」か「0」かを判定する(S609)。比較フラグが「1」の場合(S609でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。複数の同じコンテンツが録音されている場合、短い方のコンテンツは記憶媒体115から削除しても差し支えないからである。
【0071】
比較フラグが「0」の場合(S609でNO)、CPU111は以下の期待値算出処理(S610)を実行する。
【0072】
[期待値算出処理]
図11を参照して、期待値算出処理を説明する。期待値算出処理は、記憶媒体115に録音されたコンテンツと実質的に同じコンテンツが再び録音される可能性を示す期待値を算出する。
【0073】
まず、CPU111は、現在から削除サイクル以内(たとえば7日前まで)に放送されたコンテンツに関するキューシートを取得する(S1001)。削除サイクル以内に発行された全てのキューシートを取得してもよいが、それが困難な場合は可能な限り多くのキューシートを取得する。ステップS411で既に取得したキューシートも再び取得してもよいが、取得しなくてもよい。
【0074】
次に、CPU111は、取得したキューシートの日付を読み出し、Nを付与する(S1002)。具体的には、CPU111は、キューシートに記録されている放送日時に基づいてNを決定する。
【0075】
次に、CPU111は、Nを「1」に設定する(S1003)。これにより、N=1のキューシートは、そこに記録されている各コンテンツの放送回数をカウントする対象となる。以下、この期待値算出処理において、カウント対象となったキューシートを「対象キューシート」という。CPU111は、Nを1つずつ増加することにより対象キューシートを変更し(S1010)、Nが「7」になるまで(S1006でYES)、ステップS1004及びS1005の処理を繰り返し実行する。
【0076】
CPU111は、対象キューシート内において、対象コンテンツのアーティスト名、タイトル及び放送時間が実質的に同じコンテンツ(以下、「同一コンテンツ」という。)が放送された回数(放送回数)をカウントする(S1004)。
【0077】
次に、CPU111は、以下の式(1)により録音確率を算出する(S1005)。
【0078】
録音確率=録音回数/放送回数 …(1)
すなわち、コンテンツ抽出装置11は、削除サイクル以内に放送された実質的に同じコンテンツの数(放送回数)に対する、削除サイクル以内に録音された実質的に同じコンテンツの数(録音回数)の割合である。
【0079】
式(1)中の録音回数は、ステップS422でカウントされ、図3に示したコンテンツ管理テーブル115Aに記録されている。ただし、1日当たりの録音回数が7日分記録されているので、録音回数を合計して7日分の総録音回数を算出する。すなわち、コンテンツ抽出装置11は削除サイクル以内に録音された実質的に同じコンテンツの数をカウントする。
【0080】
このように、Nが「7」になるまで同一コンテンツの毎日の放送回数がカウントされ、かつ、その録音確率が算出される。放送回数、録音回数及び録音確率の一例を図12に示す。
【0081】
Nが「7」に達した場合(S1006でYES)、CPU111は、平均録音確率を算出する(S1007)。平均録音確率は、録音確率の平均である。具体的には、CPU111は、以下の式(2)により平均録音確率を算出する。その結果を図12に示す。
【0082】
平均録音確率=毎日の録音確率の総和/7 …(2)
次に、CPU111は、今後の放送回数を予測する(S1008)。具体的には、図13に示されるように、1日前から7日前までの放送回数をプロットする。次に、プロットされた放送回数の近似曲線を求める。次に、求められた近似曲線の外挿により本日以降の放送回数を予測する。図14は、図13のグラフに基づいて予測された放送回数を示す。
【0083】
次に、CPU111は、期待値を算出する(S1009)。期待値は、その日に同一コンテンツが録音されるであろう予測録音回数である。具体的には、CPU111は、以下の式(3)により期待値を算出する。
【0084】
期待値=平均録音確率×予測放送回数 …(3)
たとえば図14に示されるように、本日、同一コンテンツが2.64回録音されるであろうと予測される。
【0085】
上述した正確な期待値の算出方法の代わりに、ステップS1007で算出した平均録音確率を期待値とみなしてもよい。また、ステップS1005で算出した録音確率を期待値とみなしてもよい。
【0086】
再び図8を参照して、期待値算出処理(S610)の後、CPU111は、算出された期待値のうち少なくとも1つの期待値がステップS504で設定された所望の期待値よりも大きいか否かを判定する(S611)。少なくとも1つの期待値が所望の期待値よりも大きい場合(S611でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。本日以降に放送されかつ録音される可能性の高いコンテンツは削除しても差し支えないからである。
【0087】
算出された全ての期待値が所望の期待値よりも小さい場合(S611でNO)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aに削除予定日を書き込む(S612)。たとえば削除予定日として、削除定例日時から14日後の日が設定される。代わりに、削除予定日として、算出された期待値が0.5以下になる日が設定されてもよい。
【0088】
[第1の実施の形態の効果]
第1の実施の形態によれば、コンテンツ抽出装置11は、放送局から放送されるコンテンツを常に受信し、記憶媒体115に録音する。所望の高人気順位よりも上位のコンテンツは、所望の高人気順位よりも下位のコンテンツに比べて削除サイクル内に放送される可能性が高い。つまり、所望の高人気順位よりも上位のコンテンツは、所望の高人気順位よりも下位のコンテンツに比べて頻繁に放送される。したがって、所望の高人気順位よりも上位のコンテンツを記憶媒体115から削除しても、すぐにそのコンテンツと同じアーティスト名及びタイトルのコンテンツを受信し、記憶媒体115に録音することができる。その結果、同じコンテンツをほとんど重複して保存することはない。
【0089】
また、削除サイクルごとにコンテンツを削除するため、所望の高人気順位よりも上位のコンテンツであっても、削除サイクル以内であれば保存されている。その結果、ユーザは人気コンテンツを視聴することができる。
【0090】
また、記憶媒体115に記録された複数の同じコンテンツのうち録音時間の短いコンテンツを削除するため、録音時間の長いコンテンツは保存される。
【0091】
また、記憶媒体115に記録されたコンテンツと同じコンテンツが再び記録される可能性を示す期待値を算出し、算出された期待値が所定の期待値よりも高いコンテンツを削除するため、同じコンテンツをほとんど重複して保存することはない。
【0092】
また、所望の低人気順位よりも下位のコンテンツを削除するため、視聴される可能性の低い不人気コンテンツが記憶媒体115を大きく占有することはない。
【0093】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態は、放送データを常に受信し続けているのに対し、この第2の実施の形態は、放送データを間欠的に受信している。具体的には、ユーザが放送データの受信開始及び受信終了のタイミングを任意に決定する。
【0094】
図15を参照して、第2の実施の形態におけるコンテンツ管理テーブル115Aはさらに、予測放送日及び録音待ちフラグを含む。予測放送日は、当該コンテンツが今後録音されると予測される日である。録音待ちフラグは、当該コンテンツが録音を待っているか否かを示す。「0」は録音待ちになっていないことを示す。「1」は録音待ちになっていることを示す。録音待ちフラグは最初「0」に設定される。
【0095】
第2の実施の形態によるコンテンツ抽出装置11の動作はさらに、予測放送日書込処理と、放送予告処理とを含む。
【0096】
まず図16を参照して、予測放送日書込処理を説明する。
【0097】
算出された期待値のうち少なくとも1つの期待値が所望の期待値よりも大きい場合(S611でYES)、CPU111は、予測放送日を決定し、コンテンツ管理テーブル115Aに書き込む(S1320)。具体的には、CPU111は、算出された期待値が所望の期待値よりも高く、かつ、本日から最も近い日を予測放送日と決定する。その後、CPU111は、決定された予測放送日をコンテンツ管理テーブル115Aに書き込む。たとえば本日が2009年1月8日の場合において、ID=1のコンテンツの期待値が図14に示されたように算出されたとき、CPU111は、図15に示されるように「2009/01/08」(本日)を予測放送日の欄に追加する。上述した予測放送日の決定方法の代わりに、算出された期待値が最も高い日を予測放送日と決定してもよい。
【0098】
次に、CPU111は、録音待ちフラグを「0」から「1」に変更する(S1321)。
【0099】
その後、上記第1の実施の形態と同様に、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除する(S615)。対象コンテンツは本日以降に録音されると予測されているからである。ただし、この第2の実施の形態では、対象コンテンツに関する情報はコンテンツ管理テーブル115Aから削除されない。
【0100】
次に図17を参照して、放送予告処理を説明する。
【0101】
放送予告処理は、たとえばコンテンツ抽出装置11の電源がオンにされたとき開始される。まず、CPU111は、図15に示したコンテンツ管理テーブル115AのIDを「1」に設定する(S1401)。これにより、ID=1のコンテンツが本日放送されると予測されているか否かの判定対象となる。CPU111は、IDを1つずつ増加することにより判定対象のコンテンツを変更し(S1406)、全てのコンテンツが判定対象となるまで(S1405でYES)、ステップS1402及びS1403の処理を繰り返し実行する。
【0102】
次に、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、録音待ちフラグが「1」か「0」かを判定する(S1402)。録音待ちフラグが「0」の場合(S1402でNO)、ステップS1405へ進む。録音待ちフラグが「1」の場合(S1402でYES)、CPU111は、予測放送日が本日か否かを判定する(S1403)。予測放送日が本日でない場合(S1403でNO)、S1405へ進む。
【0103】
予測放送日が本日の場合(S1403でYES)、CPU111は、その旨をユーザに通知する(S1404)。具体的には、表示部116は、「本日、希望されているコンテンツが放送される可能性があります。」という案内を表示する。
【0104】
したがって、ユーザは、コンテンツ抽出装置11の電源をオンにすると、所望のコンテンツが放送されるかもしれないことを知ることができる。ユーザがその通知に従って放送データの受信開始を設定すれば、コンテンツ抽出装置11は所望のコンテンツを含む放送データを受信し、そのコンテンツを記憶媒体115に録音することができる。
【0105】
[他の実施の形態]
上記キューシートにはメタデータ及び放送日時が記録されているが、少なくともメタデータが記録されていれば、放送日時は記録されていなくても、高人気順位よりも上位のコンテンツを削除したり、低人気順位よりも下位のコンテンツを削除したりできる。
【0106】
また、上記実施の形態は削除定例日時に削除処理を実行している。しかし、第2の実施の形態は放送データの受信開始及び受信終了のタイミングをユーザに決定させているため、削除定例日時にコンテンツ抽出装置11の電源がオフになっている可能性もある。したがって、コンテンツ抽出装置11の電源がオンになった時に削除定例日時を過ぎているかを判断し、過ぎている場合に削除処理を実行するようにしてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態はラジオ放送を受信する装置に適用されているが、本発明はテレビ放送を受信する装置にも適用される。すなわち、コンテンツは音楽だけでなく、映画、ドラマなどの映像でもよい。この場合、上記実施の形態における「録音」は「録画」に置き換えられる。
【0108】
コンテンツ抽出装置11は、再生部117を備えずに、インターネット等を介して接続された端末装置にコンテンツを送信し、端末装置にコンテンツを再生させてもよい。この場合、コンテンツ抽出装置11は、たとえば放送局のサーバに設けられる。
【0109】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 コンテンツ抽出システム
11 コンテンツ抽出装置
12 キューシートサーバ
13 ランキングリストサーバ
115 記憶媒体
115A コンテンツ管理テーブル
121 キューシート記憶部
122 キューシート送信部
131 ランキングリスト記憶部
132 ランキングリスト送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ抽出装置に関し、さらに詳しくは、複数のコンテンツを含む放送データの中から所望のコンテンツを抽出するコンテンツ抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツ抽出装置は、ラジオ又はテレビ放送を全て録音又は録画し、その中から所望のコンテンツを抽出して再生することができる。しかし、全ての放送を録音又は録画し続けると、膨大な記憶容量が必要になる。したがって、不要なコンテンツは適宜消去されなければならない。
【0003】
たとえば特開2007−81670号公報(特許文献1)に開示されたコンテンツ受信機は、放送スケジュールに基づいて、HDD(Hard Disk Drive)に記憶されたコンテンツの今後の放送回数を抽出して、HDDに記憶される機会が多いものほど高くなるように、コンテンツに対する放送予定消去優先度を付与する。このコンテンツ受信機はまた、HDDに記憶されたコンテンツの今後の放送時間を抽出して、今後の放送時間までの期間が短いものほど高くなるように、コンテンツに対する放送期間消去優先度を付与する。そして、このコンテンツ受信機は、HDDに新コンテンツを記憶する前に、HDDの空き容量が当該新コンテンツを記憶可能な容量となるように、付与された放送予定消去優先度又は放送期間消去優先度が高いコンテンツから順に、HDDに記憶されたコンテンツを消去する。
【0004】
特開2002−93119号公報(特許文献2)に開示された記録再生装置は、予め設定された記録容量以下になると、最初に、再生済みで記録再生年月日が古いコンテンツを消去し、その次に、未再生分で記録年月日の古いコンテンツを消去し、最後に、消去が禁止されたコンテンツを消去する。
【0005】
特開平11−27224号公報(特許文献3)に開示された多チャンネルデジタルデータ管理装置は、保有サーバに保持されている素材の中から過去1年以内の放送回数が2回以下の素材が検索され、その中から指定された素材が削除される。
【0006】
特開2001−167522号公報(特許文献4)に開示された番組予約方法は、空き容量不足が生じても、録画されているデータの中から視聴済み等で不要と判断したデータを削除して、最新の予約番組を優先して録画できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−81670号公報
【特許文献2】特開2002−93119号公報
【特許文献3】特開平11−27224号公報
【特許文献4】特開2001−167522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたコンテンツ受信機は、コンテンツがスケジュール通りに放送される場合しか有効に機能しない。たとえば視聴者のリクエストに応じてコンテンツが放送された場合、たとえそのコンテンツが短期間の間に多数回放送されたとしても、そのコンテンツは消去されない。そのため、同じコンテンツが重複して保存され、記憶容量が浪費される。
【0009】
また、特許文献2に開示された記録再生装置では、再生済み又は古いコンテンツは消去されるが、重複して保存されている同じコンテンツは消去されない。そのため、やはり記憶容量が浪費される。
【0010】
また、特許文献3に開示された多チャンネルデジタルデータ管理装置では、放送回数の少ないコンテンツは消去されるが、重複して保存されている同じコンテンツは消去されない。そのため、やはり記憶容量が浪費される。
【0011】
また、特許文献4に開示された番組予約方法では、再生済みのコンテンツは消去されるが、重複して保存されている同じコンテンツは消去されない。そのため、やはり記憶容量が浪費される。
【0012】
本発明の目的は、同じコンテンツをほとんど重複して保存することのないコンテンツ抽出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるコンテンツ抽出装置は、複数のコンテンツを含む放送データの中から所望のコンテンツ(たとえば音楽、映画、ドラマ)を抽出するコンテンツ抽出装置であって、記録手段と、キューシート取得手段と、特定手段と、ランキングリスト取得手段と、削除手段とを備える。記録手段は、放送データを記憶媒体に記録(録音又は録画)する。キューシート取得手段は、キューシートを取得する。特定手段は、キューシート取得手段により取得されたキューシートに基づいて、記憶媒体に記録された放送データに含まれるコンテンツを特定する。ランキングリスト取得手段は、コンテンツの人気順位を示すランキングリストを取得する。削除手段は、ランキングリスト取得手段により取得されたランキングリストに基づいて、特定手段により特定されたコンテンツの中から所定の人気順位よりも上位のコンテンツを記憶媒体から削除する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、同じコンテンツをほとんど重複して保存することはない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態によるコンテンツ抽出システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示したコンテンツ抽出装置により受信される放送データ及びコンテンツ抽出装置により取得されるキューシートを示す図である。
【図3】図1に示したコンテンツ管理テーブルを示す図である。
【図4】図1に示したコンテンツ抽出装置による全録音処理を示すフローチャートである。
【図5】図1に示したコンテンツ抽出装置によるコンテンツ特定処理を示すフローチャートである。
【図6】図1に示したコンテンツ抽出装置による集計処理を示すフローチャートである。
【図7】図1に示したコンテンツ抽出装置による初期設定処理を示すフローチャートである。
【図8】図1に示したコンテンツ抽出装置による削除処理を示すフローチャートである。
【図9】図8に示した削除処理に用いられるコンテンツの人気順位の推移を示すグラフである。
【図10】図8中の録音時間比較処理を示すフローチャートである。
【図11】図8中の期待値算出処理を示すフローチャートである。
【図12】図11に示した期待値算出処理に用いられる放送回数、録音回数、録音確率、及び平均録音確率を示す図である。
【図13】図12に示した放送回数及び録音回数をプロットしたグラフである。
【図14】図13に示したグラフから得られた放送予測回数及び期待値を示す図である。
【図15】第2の実施の形態によるコンテンツ管理テーブルを示す図である。
【図16】第2の実施の形態による予測放送日書込処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態による放送予告処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
[第1の実施の形態]
[コンテンツ抽出システムの全体構成]
まず、コンテンツ抽出システムの全体構成を説明する。
【0018】
図1を参照して、コンテンツ抽出システム1は、コンテンツ抽出装置11と、キューシートサーバ12と、ランキングリストサーバ13とを備える。コンテンツ抽出装置11はインターネット14経由でキューシートサーバ12及びランキングリストサーバ13に接続される。
【0019】
コンテンツ抽出装置11は、CPU(Central Processing Unit)111と、受信部112と、操作部114と、記憶媒体115と、表示部116と、再生部117と、インターフェイス118とを備える。コンテンツ抽出装置11はコンピュータで構成され、そこには、以下に詳述する処理を実行するためのプログラムがインストールされている。
【0020】
CPU111は、以下に詳述する各種処理を実行する。受信部112は、たとえばラジオの放送局から放送される放送データを受信する。放送データは複数のコンテンツを含む。コンテンツは、たとえば音楽である。受信部112は、たとえば1又は2以上のチューナ(図示せず)を含む。操作部114は、たとえばマウス、キーボードで構成され、コンテンツ抽出装置11に対する各種の指示を受け付ける。記憶媒体115は、たとえばHDDで構成される。記憶媒体115には、受信部112により受信された放送データ等が録音される。記憶媒体115にはまた、コンテンツ管理テーブル115Aが記録される。表示部116は、たとえば液晶ディスプレイで構成される。再生部117は、たとえばMP3デコーダで構成され、記憶媒体115に録音されたコンテンツを再生する。再生部117は、放送データが記憶媒体115に録音されている最中でもコンテンツを再生することができる。インターフェイス118は、インターネット14を介してキューシートサーバ12及びランキングリストサーバ13に接続される。
【0021】
キューシートサーバ12は、キューシート記憶部121と、キューシート送信部122とを備える。キューシート記憶部121はキューシートを記憶する。キューシート送信部122は、コンテンツ抽出装置11からの要求に応じてキューシート記憶部121からキューシートを読み出し、コンテンツ抽出装置11に送信する。
【0022】
ランキングリストサーバ13は、ランキングリスト記憶部131と、ランキングリスト送信部132とを備える。ランキングリスト記憶部131は、コンテンツの人気順位を示すランキングリストを記憶する。ランキングリストサーバ13は、たとえば音楽情報を提供する会社からランキングリストを取得し、そのランキングリストをランキングリスト記憶部131に記憶する。ランキングリスト送信部132は、コンテンツ抽出装置11の要求に応じてランキングリスト記憶部131からランキングリストを読み出し、コンテンツ抽出装置11に送信する。
【0023】
次に図2を参照して、放送データ及びキューシートの詳細を説明する。放送データは、コンテンツと、CM(Commercial Message)と、MC(Master of Ceremony)によるトークとを含む。ラジオ番組では一般に、流行の音楽が放送され、その前後にトークが放送され、番組の途中及び前後にCMが放送される。
【0024】
キューシートは、番組の進行に用いられるタイムテーブルであり、番組の放送後に放送局から提供される。キューシートには、既に放送されたコンテンツのメタデータと放送日時とが対応付けて記録されている。メタデータは、各コンテンツのアーティスト名及びタイトルを含む。放送日時は、各コンテンツの放送開始日時及び放送終了日時を含む。
【0025】
次に図3を参照して、コンテンツ管理テーブル115Aの詳細を説明する。コンテンツ管理テーブル115Aは、複数のレコード(行)を含む。各レコードはコンテンツごとに作成される。各レコードは、複数の欄(列)を含む。これらの欄は、各コンテンツのID(識別子)、アーティスト名、タイトル、録音開始日時、録音時間、人気順位、録音回数、削除予定日、再生回数、及び削除フラグを含む。録音開始日時は、当該コンテンツの録音を開始した日時で、キューシートに含まれる放送開始日時に相当する。録音時間は、当該コンテンツの録音開始日時と録音終了日時との差である。録音終了日時は、当該コンテンツの録音を終了した日時で、キューシートに含まれる放送終了日時に相当する。人気順位には、当該コンテンツがその人気順位を獲得した日付が付与される。録音回数は、当該コンテンツが重複して録音されている回数を示す。削除予定日は、当該コンテンツを削除する予定の日を示す。再生回数は、当該コンテンツが再生された回数を示す。削除フラグは、当該コンテンツが削除されるべきか否かを示す。「0」は当該コンテンツが削除されるべきでないことを示す。「1」は当該コンテンツが削除されるべきことを示す。削除フラグは、最初「0」に設定される。
【0026】
[コンテンツ抽出装置の動作]
以下、コンテンツ抽出装置11の動作を説明する。コンテンツ抽出装置11の動作は、図4に示した全録音処理と、図5に示したコンテンツ特定処理と、図6に示した集計処理と、図7に示した初期設定処理と、図8に示した削除処理とに分けられる。
【0027】
[全録音処理]
図4を参照して、コンテンツ抽出装置11の全録音処理を説明する。
【0028】
まず、受信部112は、操作部114に対するユーザのチャンネル選択操作に応じて所望の放送局を選択する(S401)。受信部112が1つしかチューナを有していない場合、1つしか放送局を選択できないが、受信部112が2以上のチューナを有している場合、2以上の放送局を選択できる。
【0029】
次に、受信部112は、選択された放送局からの放送データを常に受信する(S402)。今まで受信していた放送が終了した場合、受信部112は、別の放送局を自動的に選択し直し、その別の放送局からの放送データを受信するようにしてもよい。
【0030】
第1の実施の形態では、受信部112は、放送データを常に受信し続けているが、これに限定されない。たとえば、13時00分から14時00分までは、ある放送局からの放送データを受信し、14時30分から16時00分までは、別の放送局からの放送データを受信するようしてもよい。この場合、14時00分から14時30分までは、どの放送局からの放送データも受信しない。
【0031】
CPU111は、受信された放送データの全てをそのまま記憶媒体115に録音する(S403)。これにより、選択された放送局の放送が全て記憶媒体115に記録される。
【0032】
[コンテンツ特定処理]
図5を参照して、コンテンツ抽出装置11のコンテンツ特定処理を説明する。
【0033】
まず、CPU111は、キューシートを取得する(S411)。具体的には、CPU111は、キューシート要求コマンドをインターフェイス118経由でキューシートサーバ12に送信する。キューシートサーバ12のキューシート送信部122は、送信されて来たキューシート要求コマンドに応じて、キューシート記憶部121からキューシートを読み出し、コンテンツ抽出装置11に送信する。各放送局から提供されている全てのキューシートが取得されてもよいが、録音された放送データに対応するキューシートのみが取得されてもよい。
【0034】
次に、CPU111は、取得されたキューシートを参照し、記憶媒体115に録音された放送データの中からコンテンツのみを抽出し、コンテンツごとにファイルを形成する(S412)。ここで、コンテンツ以外のデータ(CM、MCなど)は取り除かれる。
【0035】
次に、CPU111は、各コンテンツにIDを付与する(S413)。具体的には、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115AのID欄に1,2,3…を順に書き込む。
【0036】
次に、CPU111は、取得されたキューシートからメタデータ及び放送日時を読み出す(S414)。
【0037】
次に、CPU111は、読み出された放送日時を参照し、放送終了日時(録音終了日時)から放送開始日時(録音開始日時)を減算し、その差を放送時間(録音時間)として算出する(S415)。
【0038】
最後に、CPU111は、読み出されたメタデータのアーティスト名及びタイトルと、読み出された放送開始日時(録音開始日時)と、算出された放送時間(録音時間)とをコンテンツ管理テーブル115Aに書き込む(S416)。キューシートに放送時間が含まれる場合、その放送時間がそのまま録音時間として書き込まれてもよい。図3に示した例では、ID=1のコンテンツに対し、アーティスト名「ArtistA」、タイトル「TitleAA」、録音開始日時「2009/01/01/19:21:30」、及び録音時間「3:21」が書き込まれている。
【0039】
記憶媒体115に録音された全てのコンテンツに対し、上記コンテンツ特定処理が実行される。
【0040】
[集計処理]
ユーザがコンテンツを視聴しようとする場合、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aから複数のコンテンツのアーティスト名及びタイトルを読み出し、それらを表示部116に表示させる。ユーザが操作部114を操作することにより、たとえばID=1のコンテンツを選択すると、再生部117はそのID=1のコンテンツを再生する。コンテンツが再生されると、CPU111はそのコンテンツの再生回数を1回増加させる。これにより、図3に示したコンテンツ管理テーブル115Aの再生回数が更新される。再生回数は最初「0」に設定される。再生されるべきコンテンツはユーザにより選択されてもよいが、ランダムに選択されてもよい。
【0041】
図6を参照して、現在の時刻がたとえば午前3時になった時(S421でYES)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aからアーティスト名、タイトル及び放送時間を読み出し、これらが実質的に同じコンテンツの数、つまり録音回数をカウントする(S422)。
【0042】
次に、CPU111は、カウントされた録音回数をコンテンツ管理テーブル115Aに書き込む(S423)。実質的に同じコンテンツには同じ録音回数が書き込まれる。
【0043】
図3に示した例では、ID=1及びID=25のコンテンツについては、アーティスト名及びタイトルは全く同じである。ただし、録音時間は全く同じではない。各コンテンツの録音時間(放送時間)は放送ごとに多少は相違するためである。したがって、録音時間に多少の相違(たとえば10秒以内)があっても、それらのコンテンツは実質的に同じとみなされ、カウントされる。
【0044】
一方、ID=2及びID=80のコンテンツについては、アーティスト名及びタイトルは全く同じである。しかしながら、ID=80の録音時間はID=2の録音時間よりも大幅に短い。ID=2のコンテンツはフルコーラスで放送されたのに対し、ID=80のコンテンツはワンコーラスしか放送されなかったためである。したがって、たとえアーティスト名及びタイトルが全く同じであっても、録音時間が大幅に相違(たとえば60秒以上)すれば、それらのコンテンツは実質的に同じとみなされず、カウントされない。
【0045】
また、本例では、全ての録音回数ではなく、1日当たりの録音回数が書き込まれる。たとえばID=1のコンテンツは2009年1月1日に15回録音されているため、「2009/01/01―15」が書き込まれる。
【0046】
次に、CPU111は、ランキングリストを取得する(S424)。具体的には、CPU111は、ランキングリスト要求コマンドをインターフェイス118経由でランキングリストサーバ13に送信する。ランキングリストサーバ13のランキングリスト送信部132は、送信されて来たランキングリスト要求コマンドに応じて、ランキングリスト記憶部131からランキングリストを読み出し、コンテンツ抽出装置11に送信する。
【0047】
次に、CPU111は、取得されたランキングリストから人気順位を読み出し(S425)、それらをコンテンツ管理テーブル115Aに書き込む(S426)。たとえばID=1のコンテンツについては、2009年1月1日の人気順位が1位であるため、「2009/01/01−1」が書き込まれる。
【0048】
上記集計処理により、各コンテンツの録音回数及び人気順位が毎日更新される。本例では、毎日午前3時に更新が行われているが、更新時刻は何時でもよい。また、1日に2回以上、又は数日に1回更新が行われてもよい。
【0049】
[初期設定処理]
図7を参照して、コンテンツ抽出装置11の初期設定処理を説明する。
【0050】
まず、CPU111は、操作部114に対するユーザの操作に応じて所望の削除定例日時を設定する(S501)。削除定例日時は、不要なコンテンツを削除する定例の日時であり、たとえば日曜日の24時(月曜日の午前0時)に設定される。所望の削除定例日時を設定する代わりに、特定の削除定例日時をあらかじめ設定しておいてもよい。
【0051】
次に、CPU111は、操作部114に対するユーザの操作に応じて所望の高人気順位及びそれよりも下位の低人気順位を設定する(S502,S503)。たとえば、高人気順位は10位に設定され、低人気順位は100位に設定される。所望の人気順位を設定する代わりに、特定の人気順位をあらかじめ設定しておいてもよい。
【0052】
最後に、CPU111は、操作部114に対するユーザの操作に応じて所望の期待値を設定する(S504)。期待値は、削除定例日時のインターバル期間(以下、「削除サイクル」という。)に同じコンテンツが繰り返し録音される可能性を示す。上述したように削除定例日時が日曜日の24時に設定された場合、削除サイクルは1週間である。所望の期待値としては、たとえば予測録音回数を意味する1回が設定される。詳細は後述する。所望の期待値を設定する代わりに、特定の期待値をあらかじめ設定しておいてもよい。
【0053】
上記ステップS501〜S504の順序は任意に変更可能である。
【0054】
[削除処理]
図8を参照して、コンテンツ抽出装置11の削除処理を説明する。
【0055】
現在の日時が図7中のステップS501で設定された削除定例日時になった時(S601でYES)、CPU111は、まず、図3に示したコンテンツ管理テーブル115AのIDを「1」に設定する(S602)。これにより、ID=1のコンテンツは、削除されるべきか残されるべきかの判定対象となる。以下、この削除処理において、判定対象となったコンテンツを「対象コンテンツ」という。CPU111は、IDを1つずつ増加することにより対象コンテンツを変更し(S614)、全てコンテンツが対象コンテンツになるまで(S613でYES)、ステップS603〜S615の処理を繰り返し実行する。
【0056】
CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツの録音開始日時が現在(削除定例日時)から削除サイクル以内か否か、本例では現在(日曜日の24時)から7日以内か否かを判定する(S603)。
【0057】
録音開始日時が削除サイクル以内でない場合、本例では先週の日曜日の24時よりも前の場合(S603でNO)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツの削除予定日が過ぎているか否かを判定する(S604)。削除予定日が過ぎている場合(S604でYES)、CPU111は、対象コンテンツそれ自体を記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。すなわち、コンテンツ抽出装置11は削除サイクルごとにコンテンツを削除する。古いコンテンツは視聴される可能性が低いため、削除しても差し支えないからである。削除予定日が過ぎていない場合(S604でNO)、ステップS615をスキップし、ステップS613へ進む。
【0058】
録音開始日時が削除サイクル以内の場合、本例では先週の日曜日の24時よりも後の場合(S603でYES)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツの最新の人気順位が図7中のステップS503で設定された低人気順位(たとえば100位)よりも下位か否かを判定する(S605)。たとえば図9に示されるように、現在の日時が1月14日の24時(削除定例日時)の場合、1月14日の午前3時に書き込まれた人気順位P1が100位よりも下位か否かを判定する。
【0059】
最新の人気順位が設定された低人気順位よりも下位の場合(S606でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する。(S615)。人気のないコンテンツは視聴される可能性が低いため、削除しても差し支えないからである。
【0060】
最新の人気順位が低人気順位よりも下位か否かを判定する代わりに、削除サイクル内における複数の人気順位の平均を算出し、その算出された平均人気順位が低人気順位よりも下位か否かを判定してもよい。
【0061】
人気順位が設定された低人気順位よりも下位でない場合(S605でNO)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツの最新の人気順位が図7中のステップS502で設定された高人気順位(たとえば10位)よりも上位か否かを判定する(S606)。たとえば図9に示されるように、現在の日時が1月7日の24時(削除定例日時)の場合、1月7日の午前3時に書き込まれた人気順位P2が10位よりも上位か否かを判定する。
【0062】
最新の人気順位が設定された高人気順位よりも上位の場合(S606でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。人気のあるコンテンツは頻繁に放送され、再び録音される可能性が高いため、削除しても差し支えないからである。
【0063】
最新の人気順位が高人気順位よりも上位か否かを判定する代わりに、削除サイクル内における複数の人気順位の平均を算出し、その算出された平均人気順位が高人気順位よりも上位か否かを判定してもよい。
【0064】
人気順位が設定された高人気順位よりも上位でない場合(S606でNO)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、対象コンテンツが再生済みか否か、具体的には対象コンテンツの再生回数が1回以上か否かを判定する(S607)。対象コンテンツが再生済みの場合、具体的には対象コンテンツの再生回数が0回でない場合(S607でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。再生済みのコンテンツは削除しても差し支えないからである。
【0065】
対象コンテンツが未再生の場合、具体的には対象コンテンツの再生回数が0回の場合(S607でNO)、CPU111は以下の録音時間比較処理(S608)を実行する。
【0066】
[録音時間比較処理]
図10を参照して、録音時間比較処理を説明する。
【0067】
まず、CPU111は、対象コンテンツのアーティスト名、タイトル及び録音時間を読み出す(S901)。
【0068】
次に、CPU111は、図3に示したコンテンツ管理テーブル115AのID(以下、「copID」と表記する。)を「1」に設定する(S902)。これにより、cmpID=1のコンテンツは、対象コンテンツと録音時間を比較する対象となる。以下、この録音時間比較処理において、比較対象となったコンテンツを「比較コンテンツ」という。CPU111は、cmpIDを1つずつ増加することにより比較コンテンツを変更し(S908)、全てコンテンツが比較コンテンツになるまで(S907でYES)、ステップS903〜S905の処理を繰り返し実行する。
【0069】
CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、比較コンテンツが既に削除されているか否かを判定する(S903)。比較コンテンツが既に削除されている場合(S903でYES)、ステップS907へ進む。比較コンテンツがまだ削除されていない場合(S903でNO)、CPU111は、比較コンテンツのアーティスト名及びタイトルがS901で読み出したアーティスト名及びタイトルと同じか否かを判定する(S904)。アーティスト名及びタイトルが同じでない場合(S904でNO)、ステップS907へ進む。アーティスト名及びタイトルが同じ場合(S904でYES)、比較コンテンツの録音時間が対象コンテンツの録音時間よりも長いか否かを判定する(S905)。比較コンテンツの放送時間の方が短い場合(S905でNO)、ステップS907へ進む。比較コンテンツの放送時間の方が長い場合(S905でYES)、対象コンテンツの削除フラグを「0」から「1」に変更する(S906)。これは、対象コンテンツとアーティスト名及びタイトルが同じコンテンツであって、対象コンテンツよりも録音時間が長いコンテンツが見つかった場合、その対象コンテンツを削除対象に設定することを意味する。したがって、この場合、録音時間比較処理は終了する。一方、対象コンテンツとアーティスト名及びタイトルが同じコンテンツであって、対象コンテンツよりも録音時間が長いコンテンツが見つからなかった場合(S907でYES)、対象コンテンツの削除フラグは「0」のまま維持され、録音時間比較処理は終了する。
【0070】
再び図8を参照して、録音時間比較処理(S608)の後、CPU111は、対象コンテンツの比較フラグが「1」か「0」かを判定する(S609)。比較フラグが「1」の場合(S609でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。複数の同じコンテンツが録音されている場合、短い方のコンテンツは記憶媒体115から削除しても差し支えないからである。
【0071】
比較フラグが「0」の場合(S609でNO)、CPU111は以下の期待値算出処理(S610)を実行する。
【0072】
[期待値算出処理]
図11を参照して、期待値算出処理を説明する。期待値算出処理は、記憶媒体115に録音されたコンテンツと実質的に同じコンテンツが再び録音される可能性を示す期待値を算出する。
【0073】
まず、CPU111は、現在から削除サイクル以内(たとえば7日前まで)に放送されたコンテンツに関するキューシートを取得する(S1001)。削除サイクル以内に発行された全てのキューシートを取得してもよいが、それが困難な場合は可能な限り多くのキューシートを取得する。ステップS411で既に取得したキューシートも再び取得してもよいが、取得しなくてもよい。
【0074】
次に、CPU111は、取得したキューシートの日付を読み出し、Nを付与する(S1002)。具体的には、CPU111は、キューシートに記録されている放送日時に基づいてNを決定する。
【0075】
次に、CPU111は、Nを「1」に設定する(S1003)。これにより、N=1のキューシートは、そこに記録されている各コンテンツの放送回数をカウントする対象となる。以下、この期待値算出処理において、カウント対象となったキューシートを「対象キューシート」という。CPU111は、Nを1つずつ増加することにより対象キューシートを変更し(S1010)、Nが「7」になるまで(S1006でYES)、ステップS1004及びS1005の処理を繰り返し実行する。
【0076】
CPU111は、対象キューシート内において、対象コンテンツのアーティスト名、タイトル及び放送時間が実質的に同じコンテンツ(以下、「同一コンテンツ」という。)が放送された回数(放送回数)をカウントする(S1004)。
【0077】
次に、CPU111は、以下の式(1)により録音確率を算出する(S1005)。
【0078】
録音確率=録音回数/放送回数 …(1)
すなわち、コンテンツ抽出装置11は、削除サイクル以内に放送された実質的に同じコンテンツの数(放送回数)に対する、削除サイクル以内に録音された実質的に同じコンテンツの数(録音回数)の割合である。
【0079】
式(1)中の録音回数は、ステップS422でカウントされ、図3に示したコンテンツ管理テーブル115Aに記録されている。ただし、1日当たりの録音回数が7日分記録されているので、録音回数を合計して7日分の総録音回数を算出する。すなわち、コンテンツ抽出装置11は削除サイクル以内に録音された実質的に同じコンテンツの数をカウントする。
【0080】
このように、Nが「7」になるまで同一コンテンツの毎日の放送回数がカウントされ、かつ、その録音確率が算出される。放送回数、録音回数及び録音確率の一例を図12に示す。
【0081】
Nが「7」に達した場合(S1006でYES)、CPU111は、平均録音確率を算出する(S1007)。平均録音確率は、録音確率の平均である。具体的には、CPU111は、以下の式(2)により平均録音確率を算出する。その結果を図12に示す。
【0082】
平均録音確率=毎日の録音確率の総和/7 …(2)
次に、CPU111は、今後の放送回数を予測する(S1008)。具体的には、図13に示されるように、1日前から7日前までの放送回数をプロットする。次に、プロットされた放送回数の近似曲線を求める。次に、求められた近似曲線の外挿により本日以降の放送回数を予測する。図14は、図13のグラフに基づいて予測された放送回数を示す。
【0083】
次に、CPU111は、期待値を算出する(S1009)。期待値は、その日に同一コンテンツが録音されるであろう予測録音回数である。具体的には、CPU111は、以下の式(3)により期待値を算出する。
【0084】
期待値=平均録音確率×予測放送回数 …(3)
たとえば図14に示されるように、本日、同一コンテンツが2.64回録音されるであろうと予測される。
【0085】
上述した正確な期待値の算出方法の代わりに、ステップS1007で算出した平均録音確率を期待値とみなしてもよい。また、ステップS1005で算出した録音確率を期待値とみなしてもよい。
【0086】
再び図8を参照して、期待値算出処理(S610)の後、CPU111は、算出された期待値のうち少なくとも1つの期待値がステップS504で設定された所望の期待値よりも大きいか否かを判定する(S611)。少なくとも1つの期待値が所望の期待値よりも大きい場合(S611でYES)、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除するとともに、コンテンツ管理テーブル115Aから対象コンテンツに関する情報を削除する(S615)。本日以降に放送されかつ録音される可能性の高いコンテンツは削除しても差し支えないからである。
【0087】
算出された全ての期待値が所望の期待値よりも小さい場合(S611でNO)、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aに削除予定日を書き込む(S612)。たとえば削除予定日として、削除定例日時から14日後の日が設定される。代わりに、削除予定日として、算出された期待値が0.5以下になる日が設定されてもよい。
【0088】
[第1の実施の形態の効果]
第1の実施の形態によれば、コンテンツ抽出装置11は、放送局から放送されるコンテンツを常に受信し、記憶媒体115に録音する。所望の高人気順位よりも上位のコンテンツは、所望の高人気順位よりも下位のコンテンツに比べて削除サイクル内に放送される可能性が高い。つまり、所望の高人気順位よりも上位のコンテンツは、所望の高人気順位よりも下位のコンテンツに比べて頻繁に放送される。したがって、所望の高人気順位よりも上位のコンテンツを記憶媒体115から削除しても、すぐにそのコンテンツと同じアーティスト名及びタイトルのコンテンツを受信し、記憶媒体115に録音することができる。その結果、同じコンテンツをほとんど重複して保存することはない。
【0089】
また、削除サイクルごとにコンテンツを削除するため、所望の高人気順位よりも上位のコンテンツであっても、削除サイクル以内であれば保存されている。その結果、ユーザは人気コンテンツを視聴することができる。
【0090】
また、記憶媒体115に記録された複数の同じコンテンツのうち録音時間の短いコンテンツを削除するため、録音時間の長いコンテンツは保存される。
【0091】
また、記憶媒体115に記録されたコンテンツと同じコンテンツが再び記録される可能性を示す期待値を算出し、算出された期待値が所定の期待値よりも高いコンテンツを削除するため、同じコンテンツをほとんど重複して保存することはない。
【0092】
また、所望の低人気順位よりも下位のコンテンツを削除するため、視聴される可能性の低い不人気コンテンツが記憶媒体115を大きく占有することはない。
【0093】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態は、放送データを常に受信し続けているのに対し、この第2の実施の形態は、放送データを間欠的に受信している。具体的には、ユーザが放送データの受信開始及び受信終了のタイミングを任意に決定する。
【0094】
図15を参照して、第2の実施の形態におけるコンテンツ管理テーブル115Aはさらに、予測放送日及び録音待ちフラグを含む。予測放送日は、当該コンテンツが今後録音されると予測される日である。録音待ちフラグは、当該コンテンツが録音を待っているか否かを示す。「0」は録音待ちになっていないことを示す。「1」は録音待ちになっていることを示す。録音待ちフラグは最初「0」に設定される。
【0095】
第2の実施の形態によるコンテンツ抽出装置11の動作はさらに、予測放送日書込処理と、放送予告処理とを含む。
【0096】
まず図16を参照して、予測放送日書込処理を説明する。
【0097】
算出された期待値のうち少なくとも1つの期待値が所望の期待値よりも大きい場合(S611でYES)、CPU111は、予測放送日を決定し、コンテンツ管理テーブル115Aに書き込む(S1320)。具体的には、CPU111は、算出された期待値が所望の期待値よりも高く、かつ、本日から最も近い日を予測放送日と決定する。その後、CPU111は、決定された予測放送日をコンテンツ管理テーブル115Aに書き込む。たとえば本日が2009年1月8日の場合において、ID=1のコンテンツの期待値が図14に示されたように算出されたとき、CPU111は、図15に示されるように「2009/01/08」(本日)を予測放送日の欄に追加する。上述した予測放送日の決定方法の代わりに、算出された期待値が最も高い日を予測放送日と決定してもよい。
【0098】
次に、CPU111は、録音待ちフラグを「0」から「1」に変更する(S1321)。
【0099】
その後、上記第1の実施の形態と同様に、CPU111は、対象コンテンツを記憶媒体115から削除する(S615)。対象コンテンツは本日以降に録音されると予測されているからである。ただし、この第2の実施の形態では、対象コンテンツに関する情報はコンテンツ管理テーブル115Aから削除されない。
【0100】
次に図17を参照して、放送予告処理を説明する。
【0101】
放送予告処理は、たとえばコンテンツ抽出装置11の電源がオンにされたとき開始される。まず、CPU111は、図15に示したコンテンツ管理テーブル115AのIDを「1」に設定する(S1401)。これにより、ID=1のコンテンツが本日放送されると予測されているか否かの判定対象となる。CPU111は、IDを1つずつ増加することにより判定対象のコンテンツを変更し(S1406)、全てのコンテンツが判定対象となるまで(S1405でYES)、ステップS1402及びS1403の処理を繰り返し実行する。
【0102】
次に、CPU111は、コンテンツ管理テーブル115Aを参照し、録音待ちフラグが「1」か「0」かを判定する(S1402)。録音待ちフラグが「0」の場合(S1402でNO)、ステップS1405へ進む。録音待ちフラグが「1」の場合(S1402でYES)、CPU111は、予測放送日が本日か否かを判定する(S1403)。予測放送日が本日でない場合(S1403でNO)、S1405へ進む。
【0103】
予測放送日が本日の場合(S1403でYES)、CPU111は、その旨をユーザに通知する(S1404)。具体的には、表示部116は、「本日、希望されているコンテンツが放送される可能性があります。」という案内を表示する。
【0104】
したがって、ユーザは、コンテンツ抽出装置11の電源をオンにすると、所望のコンテンツが放送されるかもしれないことを知ることができる。ユーザがその通知に従って放送データの受信開始を設定すれば、コンテンツ抽出装置11は所望のコンテンツを含む放送データを受信し、そのコンテンツを記憶媒体115に録音することができる。
【0105】
[他の実施の形態]
上記キューシートにはメタデータ及び放送日時が記録されているが、少なくともメタデータが記録されていれば、放送日時は記録されていなくても、高人気順位よりも上位のコンテンツを削除したり、低人気順位よりも下位のコンテンツを削除したりできる。
【0106】
また、上記実施の形態は削除定例日時に削除処理を実行している。しかし、第2の実施の形態は放送データの受信開始及び受信終了のタイミングをユーザに決定させているため、削除定例日時にコンテンツ抽出装置11の電源がオフになっている可能性もある。したがって、コンテンツ抽出装置11の電源がオンになった時に削除定例日時を過ぎているかを判断し、過ぎている場合に削除処理を実行するようにしてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態はラジオ放送を受信する装置に適用されているが、本発明はテレビ放送を受信する装置にも適用される。すなわち、コンテンツは音楽だけでなく、映画、ドラマなどの映像でもよい。この場合、上記実施の形態における「録音」は「録画」に置き換えられる。
【0108】
コンテンツ抽出装置11は、再生部117を備えずに、インターネット等を介して接続された端末装置にコンテンツを送信し、端末装置にコンテンツを再生させてもよい。この場合、コンテンツ抽出装置11は、たとえば放送局のサーバに設けられる。
【0109】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 コンテンツ抽出システム
11 コンテンツ抽出装置
12 キューシートサーバ
13 ランキングリストサーバ
115 記憶媒体
115A コンテンツ管理テーブル
121 キューシート記憶部
122 キューシート送信部
131 ランキングリスト記憶部
132 ランキングリスト送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツを含む放送データの中から所望のコンテンツを抽出するコンテンツ抽出装置であって、
前記放送データを記憶媒体に記録する記録手段と、
キューシートを取得するキューシート取得手段と、
コンテンツの人気順位を示すランキングリストを取得するランキングリスト取得手段と、
前記キューシート取得手段により取得されたキューシート及び前記ランキングリスト取得手段により取得されたランキングリストに基づいて、第1の人気順位よりも上位のコンテンツを前記記憶媒体から削除する削除手段とを備える、コンテンツ抽出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ抽出装置であってさらに、
前記キューシート取得手段により取得されたキューシートから各コンテンツのメタデータ及び放送日時を読み出すキューシート読出手段と、
前記ランキングリスト取得手段により取得されたランキングリストから各コンテンツの人気順位を読み出すランキングリスト読出手段と、
前記キューシート読出手段により読み出されたメタデータ及び放送日時、並びに前記ランキングリスト読出手段により読み出された人気順位をコンテンツ管理テーブルに書き込む書込手段とを備える、コンテンツ抽出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記削除手段は、第1の所定期間ごとにコンテンツを削除する、コンテンツ抽出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記削除手段は、前記記憶媒体に記録された複数の同じコンテンツのうち記録時間の短いコンテンツを削除する、コンテンツ抽出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテンツ抽出装置であってさらに、
前記記憶媒体に記録されたコンテンツと同じコンテンツが前記記録手段により再び記録される可能性を示す期待値を算出する期待値算出手段を備え、
前記削除手段は、前記期待値算出手段により算出された期待値が所定の期待値よりも高いコンテンツを削除する、コンテンツ抽出装置。
【請求項6】
請求項5に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記期待値算出手段は、
前記第1の所定期間以内に放送された同じコンテンツの数をカウントする放送回数カウント手段と、
前記第1の所定期間以内に記録された同じコンテンツの数をカウントする記録回数カウント手段と、
前記放送回数カウント手段によりカウントされた数に対する、前記記録回数カウントによりカウントされた数の割合を算出する手段とを含む、コンテンツ抽出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記削除手段は、第2の人気順位よりも下位のコンテンツを削除し、前記第2の人気順位は前記第1の人気順位よりも下位である、コンテンツ抽出装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記ランキングリスト取得手段は、第2の所定期間ごとにランキングリストを取得する、コンテンツ抽出装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の各手段としてコンピュータを機能させるためのコンテンツ抽出プログラム。
【請求項1】
複数のコンテンツを含む放送データの中から所望のコンテンツを抽出するコンテンツ抽出装置であって、
前記放送データを記憶媒体に記録する記録手段と、
キューシートを取得するキューシート取得手段と、
コンテンツの人気順位を示すランキングリストを取得するランキングリスト取得手段と、
前記キューシート取得手段により取得されたキューシート及び前記ランキングリスト取得手段により取得されたランキングリストに基づいて、第1の人気順位よりも上位のコンテンツを前記記憶媒体から削除する削除手段とを備える、コンテンツ抽出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ抽出装置であってさらに、
前記キューシート取得手段により取得されたキューシートから各コンテンツのメタデータ及び放送日時を読み出すキューシート読出手段と、
前記ランキングリスト取得手段により取得されたランキングリストから各コンテンツの人気順位を読み出すランキングリスト読出手段と、
前記キューシート読出手段により読み出されたメタデータ及び放送日時、並びに前記ランキングリスト読出手段により読み出された人気順位をコンテンツ管理テーブルに書き込む書込手段とを備える、コンテンツ抽出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記削除手段は、第1の所定期間ごとにコンテンツを削除する、コンテンツ抽出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記削除手段は、前記記憶媒体に記録された複数の同じコンテンツのうち記録時間の短いコンテンツを削除する、コンテンツ抽出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテンツ抽出装置であってさらに、
前記記憶媒体に記録されたコンテンツと同じコンテンツが前記記録手段により再び記録される可能性を示す期待値を算出する期待値算出手段を備え、
前記削除手段は、前記期待値算出手段により算出された期待値が所定の期待値よりも高いコンテンツを削除する、コンテンツ抽出装置。
【請求項6】
請求項5に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記期待値算出手段は、
前記第1の所定期間以内に放送された同じコンテンツの数をカウントする放送回数カウント手段と、
前記第1の所定期間以内に記録された同じコンテンツの数をカウントする記録回数カウント手段と、
前記放送回数カウント手段によりカウントされた数に対する、前記記録回数カウントによりカウントされた数の割合を算出する手段とを含む、コンテンツ抽出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記削除手段は、第2の人気順位よりも下位のコンテンツを削除し、前記第2の人気順位は前記第1の人気順位よりも下位である、コンテンツ抽出装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテンツ抽出装置であって、
前記ランキングリスト取得手段は、第2の所定期間ごとにランキングリストを取得する、コンテンツ抽出装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の各手段としてコンピュータを機能させるためのコンテンツ抽出プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−204316(P2011−204316A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70868(P2010−70868)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
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