説明

コンテンツ表示システム、プログラムおよび記録媒体

【課題】使用する操作端末に対応するコンテンツを表示することが可能なコンテンツ表示システム、プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】表示システム100は、操作端末30によって操作される表示装置10と、表示装置10にコンテンツを送信するサーバ20とを含み、表示装置10は、操作端末30から送信された、操作端末30を識別するための識別情報、および表示装置10における動作を制御するための制御情報を受信する受信部1と、受信された識別情報および制御情報をサーバ20に送信する送信部4と、サーバ20から送信されるコンテンツを受信する受信部5と、受信されたコンテンツを表示する表示部6とを備え、サーバ20は、送信された識別情報および制御情報を受信する受信部21と、識別情報および制御情報に対応するコンテンツを取得するコンテンツ取得部24と、取得されたコンテンツを表示装置10に送信する送信部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびコンテンツ配信装置を備えるコンテンツ表示システムに関し、より具体的には、操作端末によって操作される表示装置と、当該表示装置に表示用のコンテンツを送信するコンテンツ配信装置とを含むコンテンツ表示システム、プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット環境は広く普及しており、マルチメディアコンテンツを家電機器(以下、「表示装置」と称する)により再生することができる。また、この表示装置はさまざまな通信機能を搭載した操作端末によって操作することが可能であり、多種多様な利用方法が可能となりつつある。
【0003】
しかしながら操作端末の多様化に伴い、表示装置側では、ユーザがどの端末を操作してどのコンテンツを視聴しているのかを把握することが難しくなる。また、ユーザが視聴している表示装置においてコンテンツを確認する場合、表示装置のインターフェースによって操作方法が異なるため、操作が容易ではない。
【0004】
たとえばテレビでコンテンツを視聴するとき、リモコンまたはタッチパネル機能付きの携帯電話と2つの操作端末を利用することができる場合がある。この場合、リモコンではボタンを押下すると赤外線でテレビへの操作指示を送るのに対し、タッチパネル機能付きの携帯電話では画面上をフリックすることにより情報(操作指示)を通知する。このように、操作端末が異なれば操作方法も異なる。そのため、ユーザに操作端末をどのように操作したらよいかを把握させるため、コンテンツを表示する際、操作端末の操作方法を示す操作ガイドを併せて表示することがある。
【0005】
表示装置に表示される操作ガイドの切り替え方法としては、たとえば表示装置のユーザエージェント(UserAgent)などによって、表示装置ごとにUI(ユーザインターフェース)を切り替えることにより、操作ガイドを切り替える方法がある。
【0006】
また、特許文献1には、ユーザが自身の携帯端末を持ち歩くのみで、移動先の据え置き端末を使用する端末連携利用システムが開示されている。具体的には、ユーザの使用する携帯端末が端末のディスプレイ情報に基づき、サーバから適した解像度のコンテンツを取得する。また、取得したコンテンツを据え置き端末に送ることにより、ユーザは移動先にてコンテンツを利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−278293号公報(2008年11月13日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術では、表示装置に操作ガイドを表示する場合、リモコンを対象とした操作ガイドしか表示されない。さらに、表示装置のユーザエージェントなどにより、表示装置ごとのUIを切り替えて操作ガイドを切り替える場合、操作端末はユーザエージェントを送ることができないため、このユーザエージェントを操作端末の識別に利用することができない。したがって、たとえば携帯電話を操作端末として用いた場合、携帯電話に対応した操作ガイドを表示することができない。
【0009】
また、特許文献1の技術では、携帯端末によってサーバからコンテンツを取得する際、当該携帯端末は携帯電話のようにネットワークに接続されていることが前提である。したがって、携帯端末がネットワークに接続されていない場合には利用することができない。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用する操作端末に対応するコンテンツを表示することが可能なコンテンツ表示システム、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るコンテンツ表示システムは、上記の課題を解決するために、操作端末によって操作される表示装置と、上記表示装置にコンテンツを送信するコンテンツ配信装置とを含むコンテンツ表示システムであって、上記表示装置は、上記操作端末から送信された、上記操作端末を識別するための識別情報、および上記表示装置における動作を制御するための制御情報を受信する情報受信手段と、上記受信された識別情報および制御情報を上記コンテンツ配信装置に送信する送信手段と、上記コンテンツ配信装置から送信されるコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、上記受信されたコンテンツを表示する表示手段とを備え、上記コンテンツ配信装置は、上記送信された識別情報および制御情報を受信する情報受信手段と、上記識別情報および上記制御情報に対応する上記コンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、上記取得されたコンテンツを上記表示装置に送信するコンテンツ送信手段とを備えることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、本発明に係るコンテンツ表示システムは、操作端末によって操作される表示装置と、当該表示装置にコンテンツを送信するコンテンツ配信装置とを含んでいる。具体的には、表示装置は操作端末からの制御を受けつけ、当該制御に基づき、コンテンツ配信装置から送信されるコンテンツを表示する。また、コンテンツ配信装置は、表示装置から受信した、操作端末を識別するための識別情報、および表示装置を制御するための制御情報に対応するコンテンツを取得し、送信する。
【0013】
このように、本発明に係るコンテンツ表示システムによれば、表示装置に表示されるコンテンツを取得するとき、操作端末から送信される識別情報および制御情報に基づき、コンテンツを選択する。よって、ユーザが複数の異なる種類の操作端末を用いて表示装置を操作する場合、使用する操作端末を取り替えたとしても、当該操作端末に対応するコンテンツを表示することができる。
【0014】
また、当該コンテンツに、たとえば操作端末を操作する方法に関する操作情報を含む場合、ユーザは表示装置の操作を容易に行なうことができる。
【0015】
つまり、本発明において、表示装置は異なる種類の操作端末によって操作され得る。そのため、たとえばユーザがリモコンを用いて操作してコンテンツを利用しているとき、次のコンテンツを取得する際にリモコンから携帯電話に持ち替えて操作することができる。この場合、リモコンと携帯電話とでは操作方法が異なるため、ユーザの利用を助けるために操作端末を操作する方法に関する操作情報を当該コンテンツと同時に表示することが好ましい。
【0016】
そこで、本発明に係るコンテンツ表示システムでは、操作端末から表示装置へ制御信号を送信するとき、操作端末自身を識別するための識別情報をともに送信する。その後、コンテンツ配信装置が表示装置を介してこれらの情報を受信すると、受信された制御情報および識別情報に対応するコンテンツを取得する。このとき、当該コンテンツに使用した操作端末に対応する操作情報が含まれている。
【0017】
したがって、ユーザは異なる種類の操作端末を用いたとしても、当該操作端末に応じた使用方法を把握することができる。
【0018】
また、本発明に係るコンテンツ表示システムにおいて、上記コンテンツ配信装置は、上記コンテンツを上記識別情報および上記制御情報と対応づけて格納するコンテンツ格納手段をさらに備えていることが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、コンテンツ配信装置では、コンテンツを識別情報および制御情報と対応づけて格納している。これにより、操作端末から送信される識別情報および制御情報に基づき、コンテンツ格納手段に格納されているコンテンツの中からこれら情報に対応するコンテンツを取得する。したがって、ユーザが使用している操作端末に対応するコンテンツを表示させることができる。
【0020】
また、本発明に係るコンテンツ表示システムにおいて、上記コンテンツは、上記操作端末を操作する方法に関する操作情報を含むことが好ましい。
【0021】
これにより、ユーザは異なる種類の操作端末を用いたとしても、当該操作端末に応じた使用方法を把握することができる。
【0022】
また、本発明に係るコンテンツ表示システムにおいて、上記コンテンツ配信装置は、上記操作情報を音声信号に変換する変換手段をさらに備え、上記表示装置は、上記音声信号を出力する音声出力手段をさらに備えており、上記変換手段により変換された上記音声信号は、上記コンテンツ送信手段により上記表示装置に送信され、上記音声出力手段により出力されることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、コンテンツ配信装置は、コンテンツ取得手段によって取得したコンテンツに含まれる操作情報を音声に変換する変換手段を備えている。また、表示装置は、コンテンツ配信装置からコンテンツとともに送信される音声信号を受信し、当該音声信号を出力する音声出力手段を備えている。これにより、ユーザが操作端末を操作する方法を音声によって認識することができる。
【0024】
つまり、変換手段により変換された音声信号は、コンテンツとともに表示装置に送信される。表示装置の受信手段が受信した当該音声信号は、音声出力手段によって音声として出力される。このように、操作情報を音声ガイドとして出力することにより、ユーザは操作方法を視覚的に認識することができるとともに、聴覚的にも認識することができるため、より操作方法を把握し易い。
【0025】
また、本発明に係るコンテンツ表示システムにおいて、上記表示装置は、液晶表示装置であることが好ましい。
【0026】
これによれば、液晶表示装置においてコンテンツを利用するときにも、ユーザは操作端末に応じた使用方法を把握することができる。
【0027】
(プログラムおよび記録媒体)
なお、本発明に係る表示装置またはコンテンツ配信装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより表示装置またはコンテンツ配信装置をコンピュータにおいて実現するプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るコンテンツ表示システムは、操作端末によって操作される表示装置と、上記表示装置にコンテンツを送信するコンテンツ配信装置とを含むコンテンツ表示システムであって、上記表示装置は、上記操作端末から送信された、上記操作端末を識別するための識別情報、および上記表示装置における動作を制御するための制御情報を受信する情報受信手段と、上記受信された識別情報および制御情報を上記コンテンツ配信装置に送信する送信手段と、上記コンテンツ配信装置から送信されるコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、上記受信されたコンテンツを表示する表示手段とを備え、上記コンテンツ配信装置は、上記送信された識別情報および制御情報を受信する情報受信手段と、上記識別情報および上記制御情報に対応する上記コンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、上記取得されたコンテンツを上記表示装置に送信するコンテンツ送信手段とを備える。したがって、使用する操作端末に対応するコンテンツを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ表示システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すコンテンツ表示システムにおいて、操作端末に応じて操作情報を取得する流れを示す図である。
【図3】図1に示すコンテンツ表示システムの表示装置に表示される操作情報が切り換わる状態を示す図である。
【図4】図1に示すコンテンツ表示システムで行なわれる処理のフローを示すフローチャートである。
【図5】図1に示すコンテンツ表示システムにおいて、操作端末に応じて音声ガイダンスに切り替える例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の一実施形態について図1〜図5に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本実施形態において、表示システム(コンテンツ表示システム)100は表示装置10およびサーバ(コンテンツ配信装置)20から構成されている。また、表示装置10およびサーバ20は、インターネットを介して接続されている。
【0031】
(表示システム100の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る表示システム100の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置10は、受信部(情報受信手段)1、識別情報取得部2、リクエスト情報変換部3、送信部(送信手段)4、受信部(コンテンツ受信手段)5、表示部(表示手段)6およびスピーカ(音声出力手段)7を備えている。また、サーバ20は、受信部(情報受信手段)21、コンテンツ取得部(コンテンツ取得手段)22、操作情報記憶部23、コンテンツ格納部(コンテンツ格納手段)24、音声変換部(変換手段)25および送信部(コンテンツ送信手段)26を備えている。
【0032】
表示システム100は、操作端末30によって操作される表示装置10と、表示装置10にコンテンツを配信するサーバ20とを含んでいる。具体的には、表示装置10は操作端末30からの制御を受けつけ、当該制御に基づき、サーバ20から送信されるコンテンツを受信し、表示する。また、サーバ20は、表示装置10から受信した、操作端末30を識別するための識別情報、および表示装置を制御するための制御情報に対応するコンテンツを取得し、送信する。
【0033】
このように、表示システム100によれば、サーバ20が、表示装置10に表示されるコンテンツを取得するとき、操作端末30から送信される識別情報および制御情報に基づき、コンテンツを選択する。よって、操作端末30に応じた表示および操作をサーバ20により制御することができる。
【0034】
また、ユーザが複数の異なる種類の操作端末30を用いて表示装置10を操作する場合、使用する操作端末30を異なる種類の操作端末30’に取り替えたとしても、当該操作端末30’に対応するコンテンツを表示することができる。
【0035】
したがって、ユーザは表示装置10においてコンテンツを視聴する等のサービスを利用する際に、操作端末30の種類に応じて、表示内容、操作手順および操作方法を利用することができる。
【0036】
本明細書において「識別情報」とは、複数の異なる操作端末30ごとに割り当てられた、操作端末30を識別するための情報である。この識別情報は、たとえば各操作端末が有する固有情報である端末IDであればよく、操作端末にインストールさせることによって取得可能なアプリケーションIDであってもよい。アプリケーションIDとしては特に限定されるものではなく、たとえばUserAgentなどを含む。
【0037】
操作端末30としては、たとえばリモコン、携帯電話またはタッチパネル機能を有する携帯端末などを含む。
【0038】
また、本明細書において「制御情報」とは、ユーザによる表示装置10における動作を制御するための情報であり、たとえばユーザによる表示装置10に表示されるコンテンツを切り替える指示を表す情報を含む。
【0039】
次に、表示システム100の各構成について詳細に説明する。
【0040】
(表示装置10の構成)
表示装置10は、操作端末30によって操作され、サーバ20から送信されるコンテンツを表示する表示装置である。具体的には、表示装置10は、操作端末30からの制御を受けつけ、当該制御に基づき、サーバ20から送信されるコンテンツを表示する。表示装置10としては、たとえば液晶表示装置であってもよい。
【0041】
また、表示装置10に表示されるコンテンツは、操作端末30を操作する方法に関する操作情報を含むことが好ましい。これにより、ユーザは表示装置10の操作を容易に行なうことができる。
【0042】
本明細書において「操作情報」とは、操作端末30を操作する方法に関する情報であり、ユーザが操作端末30を使用して表示装置10に操作するとき、ユーザが操作端末30をどのように操作すればよいかを支援するための情報である。
【0043】
たとえばユーザが表示装置10においてコンテンツを視聴しているときに、表示されているコンテンツを切り替える等の動作を行なう場合、表示装置10は、ユーザが操作端末30をどのように操作したらよいかを、操作情報を表示することにより指示する。
【0044】
また、表示システム100では、上述したように、ユーザが表示装置10を異なる種類の操作端末30によって操作することができる。たとえば、ユーザがリモコンを用いて操作してコンテンツを利用しているとき、次のコンテンツを取得する際にリモコンから携帯電話に持ち替えて操作することができる。
【0045】
この場合、リモコンと携帯電話とでは操作方法が異なるため、ユーザの利用を助けるために操作端末30を操作する方法に関する操作情報を当該コンテンツと同時に表示することが好ましい。
【0046】
そこで、本実施形態に係る表示システム100では、サーバ20が表示装置10を介して識別情報および制御情報を受信すると、これら情報に対応する操作情報を含むコンテンツを表示装置10に送信する。
【0047】
したがって、ユーザは異なる種類の操作端末30を用いたとしても、当該操作端末30に応じた使用方法を把握することができる。
【0048】
操作情報の表示方法としては、たとえば画像、動画またはテキスト情報として表示すればよい。また、操作情報としては、これに限定されるものではなく、たとえば音声情報を含んでいてもよい。つまり、操作端末30に応じた操作方法を説明するガイダンスの音源がサーバ20に複数あり、音源を切り替えて操作情報に加えて送ってもよい。また、操作端末30からガイダンスの音源のリクエストがあれば、操作端末30に応じて音源データをサーバ20から送信する方法もある。この場合、表示部6に表示されるコンテンツのうち操作情報に該当する部分には、たとえば「Aボタンで操作の説明を聞く」等の文字を表示してもよい。また、表示する情報は、これらのうち1つであってもよいし、複数組み合わせてもよい。
【0049】
受信部1は、操作端末30を識別するための識別情報および制御情報を受信する。
【0050】
本実施形態において、表示装置10は操作端末30から制御情報に加えて操作端末30の識別情報を受け取る。これにより表示装置10では、たとえばリモコンまたは携帯電話など、操作端末30ごとに表示する操作情報を切り替えることができる。
【0051】
また、受信部1と操作端末30との間の情報の送受信方法は、たとえばBluetooth(登録商標)、ワイヤレスUSBおよび赤外線などの短距離通信によって送信されればよい。なお、送信方法としては、これら通信方法に限定されるものではない。受信部1より受信された識別情報および制御情報は、たとえば図示しない制御手段により解析される。
【0052】
識別情報取得部2は、受信部1により受信された情報の中から、操作端末30の識別情報を取得する。一方、受信部1により受信された情報のうち、制御情報はリクエスト情報変換部3に送られる。
【0053】
リクエスト情報変換部は、操作端末30から受信された制御情報をリクエスト情報に変換する。ここで「リクエスト情報」とは、操作端末30から送信される制御情報をサーバ20が受け取れる形式に変換した情報が意図される。
【0054】
送信部4は、識別情報およびリクエスト情報を送信する。上述したように、本実施形態において表示装置10およびサーバ20はインターネットにより接続されている。よって、送信部4が送信した操作端末情報およびリクエスト情報は、インターネットを介してサーバ20へ送られる。
【0055】
受信部5は、サーバ20の送信部26により送信された、操作情報を含むコンテンツを受信する。
【0056】
表示部6は、受信部5により受信された、たとえば操作情報を含むコンテンツを表示する。一方、受信部5により受信された音声信号はスピーカ7により出力される。つまり、サーバ20から送信されてくる操作情報が音声信号に変換されているとき、スピーカ7が当該音声信号を出力する。
【0057】
(サーバ20の構成)
サーバ20は、表示装置10からのコンテンツのリクエストに応じて、コンテンツを送信するコンテンツ配信装置である。具体的には、サーバ20は、表示装置10から受信した操作端末情報およびリクエスト情報に対応する操作情報を含むコンテンツを取得し、送信する。
【0058】
受信部21は、送信部4から送信された操作端末情報およびリクエスト情報を受信する。
【0059】
コンテンツ取得部22は、識別情報およびリクエスト情報に対応するコンテンツを取得する。具体的には、コンテンツ取得部22は、コンテンツを格納するコンテンツ格納部24からコンテンツを取得する。コンテンツ取得部22は、このように取得したコンテンツを送信部26または音声変換部25へ送る。
【0060】
コンテンツ格納部24は、コンテンツを識別情報および制御情報と対応づけて格納する。つまり、コンテンツ格納部24では、コンテンツが識別情報および制御情報と対応づけて複数格納されており、コンテンツに操作情報を含む場合、コンテンツは操作情報記憶部23に記憶された操作情報とともに格納されている。したがって、コンテンツ取得部22は、受信部21が受信した操作情報およびリクエスト情報に対応するコンテンツをコンテンツ格納部24の中から選択し、取得する。
【0061】
なお、本実施形態では、コンテンツ格納部24に含まれる操作情報記憶部23に操作情報が記憶されている。そのため、コンテンツ取得部22は表示装置10からのリクエスト情報に応じて、コンテンツとともに操作情報を取得する。しかしながら、コンテンツの記憶方法はこれに限定されるものではなく、操作情報が最初からコンテンツとともに識別情報および制御情報と対応づけて記憶されていてもよい。
【0062】
音声変換部25は、コンテンツ取得部22により取得されたコンテンツに含まれる操作情報を音声信号に変換する。つまり、音声変換部25は、たとえばリクエスト情報に、操作情報を音声データにより取得するというリクエストが含まれている場合、コンテンツに含まれる操作情報を音声信号に変換する。
【0063】
このように、音声変換部25により変換された音声信号は、コンテンツとともに表示装置10に送信される。表示装置10の受信部5が受信した当該音声信号は、スピーカ7によって音声として出力される。このように、操作情報を音声ガイドとして出力することにより、ユーザは操作方法を視覚的に認識することができるとともに、聴覚的にも認識することができるため、より操作方法を把握し易い。
【0064】
送信部26は、コンテンツ取得部22により取得されたコンテンツ、および音声変換部25により変換された音声信号を表示装置10に送信する。
【0065】
(コンテンツの切り替え)
次に表示システム100におけるコンテンツの切り替えについて、図2を参照して説明する。図2は、図1に示した表示システム100において、操作端末30に応じたコンテンツ切り替えの流れを示す図である。
【0066】
図2の(a)に示すように、操作端末30として「操作端末A」を用いた場合、まず操作端末30から送信される識別情報および制御情報は、表示装置10の受信部1に受信される。表示装置10は、受信された識別情報および制御情報を、上述した各手段により処理したあと、これら情報を送信部4からサーバ20に送信する。このとき、送信部4は、識別情報、リクエスト情報および表示装置10の識別情報を送信する。ここで、表示装置10の識別情報としては、特に限定されないが、たとえばユーザエージェント等が挙げられる。
【0067】
サーバ20では、受信部21により受信された情報に基づき、コンテンツ取得部22がコンテンツ格納部24に格納された複数のコンテンツ11の中から、操作端末Aに対応する操作情報1を含むコンテンツ11を取得する。その後、サーバ20は、取得した操作情報1を含むコンテンツ11を送信部26に送り、表示装置10へ送信する。
【0068】
また、図2の(b)には、操作端末30として操作端末Aとは異なる種類の「操作端末B」を用いた場合のコンテンツ取得の流れを示す。図2の(b)に示すように、表示装置10からは、リクエスト情報および表示装置10の識別情報に加えて、操作端末Bの識別情報がサーバ20に送信される。
【0069】
この場合、サーバ20では、受信部21により受信された情報に基づき、コンテンツ取得部22がコンテンツ格納部24に格納された複数のコンテンツ11の中から、操作端末Bに対応する操作情報2を含むコンテンツ11を取得する。その後、サーバ20は、取得した操作情報2を含むコンテンツ11を送信部26に出力し、表示装置10へ送信する。
【0070】
このように、サーバ20は表示装置10から受信する識別情報およびリクエスト情報に応じて、使用する操作端末30の種類に対応する操作情報を含むコンテンツを取得し、表示装置10に送信する。なお、上述した実施形態において、サーバ20はこれら情報に加えて表示装置10の識別情報を受信しているが、操作端末30ごとに対応するコンテンツを取得するためには、操作端末30の識別情報およびリクエスト情報を用いればよい。
【0071】
ここで、操作端末30ごとに対応する、コンテンツに含まれる操作情報の切り替えについて図3を用いてさらに説明する。
【0072】
図3は、操作端末30に応じた操作情報の切り替えを示す図であり、図3の(a)は同じ操作端末30を操作してコンテンツ11を切り替えたところを示し、図3の(b)は異なる操作端末30を操作してコンテンツ11を切り替えたところを示す。
【0073】
図3の(a)では、ユーザは初め表示装置10をリモコンによって操作しながら、表示されているコンテンツ11(「今日のニュース1」)を視聴している。このとき、表示部6はリモコンに対応した操作情報12を表示している。これによりユーザは、たとえばリモコンの左右キーを操作することによるコンテンツ11の切り替え、または上下キーを操作することによるニュース以外のコンテンツ(たとえば天気予報など)の切り替えを、操作情報12を見て把握することができる。
【0074】
次にユーザがリモコンを操作して別のコンテンツ11(「今日のニュース2」)を取得した場合、図3の(a)に示すようにコンテンツ11が切り換わるのみで、操作情報12はリモコンに対応する表示から変化しない。
【0075】
一方、図3の(b)では、ユーザは初め表示装置10をリモコンによって操作しているが、別のコンテンツ11(「今日のニュース2」)を取得するときにタッチパネル機能をもつ携帯端末に取り替えて操作している。この場合、図3の(b)に示すように、表示装置10はコンテンツ11の切り替えとともに、操作情報12も切り替えて表示する。これによりユーザは、たとえばタッチパネルのフリック機能を用いた記事の表示切り替え操作を、操作情報12を見て把握することができる。
【0076】
(表示システム100の動作)
次に、表示システム100の動作について、図4を用いて説明する。図4は、表示システム100で行なわれる処理のフローを示すフローチャートである。なお、表示装置10には、予めテレビコンテンツが表示されている。
【0077】
まず、ユーザが表示装置10に表示されているコンテンツのチャンネル切り替え指示を操作端末30に入力する(ステップS1)。操作端末30は、ユーザにより入力された制御情報と、操作端末30の識別情報とを表示装置10に送信する。受信部1は、操作端末30から送信された制御情報および識別情報が受信される。識別情報取得部2は、受信部1に受信された識別情報を取得して解析し(ステップS2)、送信部4へ送る。また、リクエスト情報変換部3は、受信部1により受信された制御情報をリクエスト情報に変換し、送信部4へ送る。送信部4は、これら識別情報およびリクエスト情報をサーバ20に送信する(ステップS3)。
【0078】
サーバ20の受信部21は、送信部4より送信された識別情報およびリクエスト情報を受信する。コンテンツ取得部22は、受信した識別情報およびリクエスト情報に対応するコンテンツを、コンテンツ格納部24から取得する(ステップS4)。このとき、たとえば受信したリクエスト情報に操作情報を取得するというリクエストが含まれていれば、コンテンツ取得部22は、コンテンツとともに操作情報を取得する。コンテンツ取得部22は、取得したコンテンツを送信部26へ送る。
【0079】
また、たとえば受信したリクエスト情報に操作情報を音声信号に変換するという取得するというリクエストが含まれていれば、コンテンツ取得部22は、取得したコンテンツを音声変換部25へ送る。音声変換部25は、受け取ったコンテンツに含まれる操作情報を音声信号に変換し、送信部26へ送る。
【0080】
送信部26は、受け取ったコンテンツを表示装置10に送信する(ステップS5)。
【0081】
表示装置10の受信部5は、送信部26より送信されたコンテンツを受信し、表示部6へ送る。表示部6は、受け取ったコンテンツを表示する(ステップS6)。また、たとえばコンテンツに音声データ(音声信号)が含まれている場合、受信部5は当該音声データをスピーカ7に送る。スピーカ7は受け取った音声データを出力する。
【0082】
(音声によるガイダンス)
図5は、操作端末30に応じて音声ガイダンスに切り替える例を示す図である。
【0083】
図5の(a)に示すように、ユーザは初め表示装置10をリモコンによって操作しながら、表示されているコンテンツ11(「今日のニュース1」)を視聴している。このとき、表示部6はリモコンに対応した操作情報12を表示している。これによりユーザは、操作情報12を確認しながら、リモコンの操作キーで操作することによって、コンテンツを切り替える。この場合、上述したように、ユーザがリモコンを操作して別のコンテンツ11を取得しても、コンテンツ11が切り換わるのみで、操作情報12はリモコンに対応する表示から変化しない。
【0084】
一方、ユーザが、表示装置10に付随しているリモコン以外の、たとえば携帯電話またはタッチパネルの端末などを利用した場合、表示装置10はコンテンツ11の切り替えとともに、音声によるガイダンスに対応した操作情報12を表示することもある。
【0085】
たとえば、図5の(b)に示すように、操作端末30を持ち替えてコンテンツ11を別のコンテンツ11(「今日のニュース2」)切り替えたとき、表示部6は音声ガイダンスに対応した操作情報12を表示する。このとき、ユーザがコンテンツ11の内容(ここではニュース記事)を音声出力させたい場合には、操作情報12に従って操作端末30に具備された「決定」ボタンを押下することにより、当該コンテンツ11の内容を聞くことができる。
【0086】
なお、音声出力させる内容は、コンテンツ11の内容に限らず、たとえば表示装置10における操作方法であってもよい。また、コンテンツ11の内容を音声出力させる場合、当該コンテンツ11の内容を画面上に表示させなくてもよい。
【0087】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、表示装置10およびサーバ20に含まれている各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0088】
すなわち、表示装置10およびサーバ20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、この制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記制御プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記制御プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。
【0089】
この構成により、本発明の目的は、所定の記録媒体によっても、達成できる。この記録媒体は、上述した機能を実現するソフトウェアである表示装置10およびサーバ20の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。表示装置10およびサーバ20にこの記録媒体を供給する。これにより、コンピュータとしての表示装置10およびサーバ20(またはCPUやMPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すればよい。
【0090】
プログラムコードを表示装置10およびサーバ20に供給する記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわち、この記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0091】
また、表示装置10およびサーバ20を、通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して表示装置10およびサーバ20に供給する。この通信ネットワークは、表示装置10およびサーバ20にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0092】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえば、IEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0093】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、たとえばリモコンまたは携帯電話等の操作端末によって操作される、テレビまたはパソコン等の表示装置、および表示装置に表示用のコンテンツを取得して送信するコンテンツ配信装置を含むコンテンツコンテンツ表示システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 受信部(情報受信手段)
2 識別情報取得部
3 リクエスト情報変換部
4 送信部(送信手段)
5 受信部(コンテンツ受信手段)
6 表示部(表示手段)
7 スピーカ(音声出力手段)
10 表示装置
20 サーバ(コンテンツ配信装置)
21 受信部(情報受信手段)
22 コンテンツ取得部(コンテンツ取得手段)
23 操作情報記憶部
24 コンテンツ格納部(コンテンツ格納手段)
25 音声変換部(変換手段)
26 送信部(コンテンツ送信手段)
100 表示システム(コンテンツ表示システム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作端末によって操作される表示装置と、上記表示装置にコンテンツを送信するコンテンツ配信装置とを含むコンテンツ表示システムであって、
上記表示装置は、
上記操作端末から送信された、上記操作端末を識別するための識別情報、および上記表示装置における動作を制御するための制御情報を受信する情報受信手段と、
上記受信された識別情報および制御情報を上記コンテンツ配信装置に送信する送信手段と、
上記コンテンツ配信装置から送信されるコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
上記受信されたコンテンツを表示する表示手段とを備え、
上記コンテンツ配信装置は、
上記送信された識別情報および制御情報を受信する情報受信手段と、
上記識別情報および上記制御情報に対応する上記コンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、
上記取得されたコンテンツを上記表示装置に送信するコンテンツ送信手段とを備えることを特徴とするコンテンツ表示システム。
【請求項2】
上記コンテンツ配信装置は、上記コンテンツを上記識別情報および上記制御情報と対応づけて格納するコンテンツ格納手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項3】
上記コンテンツは、上記操作端末を操作する方法に関する操作情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項4】
上記コンテンツ配信装置は、上記操作情報を音声信号に変換する変換手段をさらに備え、
上記表示装置は、上記音声信号を出力する音声出力手段をさらに備えており、
上記変換手段により変換された上記音声信号は、上記コンテンツ送信手段により上記表示装置に送信され、上記音声出力手段により出力されることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項5】
上記表示装置は、液晶表示装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテンツ表示システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンテンツ表示システムを構成する上記表示装置またはコンテンツ配信装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記表示装置またはコンテンツ配信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−278780(P2010−278780A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129523(P2009−129523)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】