説明

コンテンツ記録再生システム、コンテンツ記録再生装置およびそのプログラム

【課題】 PCからHDDレコーダに曲データを転送し終えるまでの時間を短縮でき、かつ、HDDレコーダが再生不可能なコンテンツ形式でPCに記録されている曲データについてもHDDレコーダで再生する。
【解決手段】 HDDレコーダが再生可能である曲データ及び再生不可能である曲データが、PCからHDDレコーダに、HDDレコーダが再生可能なコンテンツ形式への変換処理が実行されずに、転送されて記録される。再生すべき曲データとしてHDDレコーダが再生不可能な曲データが選択されると、PCからHDDレコーダに、ストリーム形式かつHDDレコーダが再生可能なコンテンツ形式で曲データが送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1コンテンツ記録再生装置から第2コンテンツ記録再生装置に、コンテンツを転送して記録するコンテンツ記録再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(パーソナルコンピュータ)にCDから読み出された曲データを記録して、PCに記録された曲データを再生することや、HDD(Hard Disk Drive)を備えるオーディオ機器であるHDDレコーダにCDから読み出された曲データを記録して、HDDに記録された曲データを再生することが行われている。最近のPCは、処理能力の高いCPUを備えているので、CDの曲データを高速で記録することができる。そこで、PCに記録されている曲データを、例えば、ネットワーク経由でHDDレコーダに転送することによって、HDDレコーダに簡単かつ迅速に曲データを記録することができる。しかし、PCには多数のコンテンツ形式(コンテンツ形式は、MP3,WMA等のフォーマット、及び、128kbps,256kbps等のビットレートを含む)の曲データを再生することができるが、HDDレコーダはあまり多くのコンテンツ形式の曲データを再生できないのが一般的である。例えば、PCは、A,B,C,D,E,Fのコンテンツ形式の曲データを再生することができ、HDDレコーダはA,Bのコンテンツ形式しか曲データを再生できないとする。この場合、コンテンツ形式がC,D,E,Fの曲データをHDDレコーダに転送して記録する場合、PCが曲データをHDDレコーダで再生可能なコンテンツ形式A又はBに変換処理を実行する必要がある。従って、変換処理に多くの時間を要し、HDDレコーダに全ての曲データを記録完了して再生開始するまでに時間がかかるという問題がある。
【0003】
【特許文献1】特開2006−11757
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、第1コンテンツ記録再生装置から第2コンテンツ記録再生装置にコンテンツを転送し終えるまでの時間を短縮でき、かつ、第2コンテンツ記録再生装置が再生不可能なコンテンツ形式で第1コンテンツ記録再生装置に記録されているコンテンツについても第2コンテンツ記録再生装置で再生できるコンテンツ記録再生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録再生システムは、第1コンテンツ記録再生装置と、前記第1コンテンツ記録再生装置に接続可能な第2コンテンツ記録再生装置とを備える。前記第2コンテンツ記録再生装置が、複数のコンテンツを記録するための第2コンテンツ記憶部と、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かに関係なく、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式への変換処理が実行されることなく、前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツを取得し、前記第2コンテンツ記憶部に記録する記録手段と、前記第2コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かを管理する再生可否管理手段と、ユーザ操作に応じて、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かを前記再生可否管理手段の管理内容に基づいて判断する再生可否判断手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でないと判断された場合、選択されたコンテンツをストリーム形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するストリーム要求手段と、前記第2コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをストリーム形式で受信して再生する再生手段とを有する。前記第1コンテンツ記録再生装置が、複数のコンテンツを記録するための第1コンテンツ記憶部と、前記第1コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツを、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式への変換処理を実行せずに、前記第2コンテンツ記録再生装置に転送するコンテンツ転送手段と、前記ストリーム要求手段からの要求に応じて、前記選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつストリーム形式のコンテンツにデコードして、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するストリーム送信手段とを有する。
【0006】
第2コンテンツ記録再生装置が再生可能であるコンテンツ及び再生不可能であるコンテンツが、第1コンテンツ記録再生装置から第2コンテンツ記録再生装置に、第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式への変換処理が実行されずに、転送されて記録される。従って、第1コンテンツ記録再生装置においてコンテンツ形式の変換処理が実行されないので、コンテンツを転送し終えるまでの時間を短縮できる。また、再生すべきコンテンツとして第2コンテンツ記録再生装置が再生不可能なコンテンツが選択されると、第1コンテンツ記録再生装置から第2コンテンツ記録再生装置に、ストリーム形式かつ第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でコンテンツが送信される。従って、第2コンテンツ記録再生装置が再生不可能なコンテンツが再生すべきコンテンツとして選択されても、第2コンテンツ記録再生装置はコンテンツを再生することができる。
【0007】
好ましい実施形態においては、前記第2コンテンツ記録再生装置が、前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でないと判断された場合、選択されたコンテンツをダウンロード形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するダウンロード要求手段をさらに有し、前記第1コンテンツ記録再生装置が、前記ダウンロード要求手段からの要求に応じて、選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつダウンロード形式のコンテンツに変換して、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するダウンロード送信手段をさらに有し、前記記録手段が、前記第1コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをダウンロード形式で受信して前記第2コンテンツ記憶部に記録し、前記再生可否管理手段が、ダウンロード形式で受信して前記第2コンテンツ記憶部に記録されたコンテンツが前記第2コンテンツ記録再生装置によって再生可能である旨を示すように管理内容を更新する。
【0008】
この場合、再生すべきコンテンツとして選択されたコンテンツを、第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式で第2コンテンツ記憶部に記録することができる。従って、次回以降に、同じコンテンツが選択された場合には、第2記憶部から当該コンテンツを読み出して再生することができるので、再生処理が簡素化され、再生開始するまでの時間を短縮することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記第2コンテンツ記録再生装置が、前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でないと判断された場合、選択されたコンテンツが前記第1コンテンツ記憶部に記録されているか否かを前記第1コンテンツ記録再生装置に問い合わせる問合せ手段をさらに有し、前記第1コンテンツ記録再生装置が、前記問い合わせに応じて、選択されたコンテンツが前記第1コンテンツ記憶部に記録されているか否かの回答を前記第2コンテンツ記録再生装置に送信する回答手段をさらに有し、前記第2コンテンツ記録再生装置が、前記回答が選択されたコンテンツが前記第1コンテンツ記憶部に記録されていない旨である場合に、選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記憶部から読み出して、前記第1コンテンツ記録再生装置に転送する第2コンテンツ転送手段をさらに有し、前記ストリーム送信手段が、前記第2コンテンツ記録再生装置から選択されたコンテンツを受信した場合、前記受信したコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつストリーム形式のコンテンツに変換して、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信する。
【0010】
この場合、再生すべきコンテンツとして選択されたコンテンツが第1コンテンツ記録再生装置に記録されていない場合には、第2コンテンツ記録再生装置から当該コンテンツを第1コンテンツ記録再生装置に転送するので、第1コンテンツ記録再生装置は受信したコンテンツをストリーム形式かつ第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式に変換し第2コンテンツ記録再生装置に返信する。従って、第2コンテンツ記録再生装置は受信したコンテンツを再生することができる。
【0011】
本発明の別の好ましい実施形態によるコンテンツ記録再生システムは、第1コンテンツ記録再生装置と、前記第1コンテンツ記録再生装置に接続可能な第2コンテンツ記録再生装置とを備える。前記第2コンテンツ記録再生装置が、複数のコンテンツを記録するための第2コンテンツ記憶部と、前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツに関するコンテンツリストを受信するリスト受信手段と、前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツの中で、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるコンテンツのみを取得し、前記第2コンテンツ記憶部に記録する記録手段と、受信したコンテンツリストに含まれるコンテンツに関して、前記第2コンテンツ記憶部に記録されているか否かを管理する記録有無管理手段と、ユーザ操作に応じて、前記コンテンツリストの中から、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されているか否かを前記記録有無管理手段の管理内容に基づいて判断する記録有無判断手段と、前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されていないと判断された場合、選択されたコンテンツをストリーム形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するストリーム要求手段と、前記第2コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをストリーム形式で受信して再生する再生手段とを有する。前記第1コンテンツ記録再生装置が、複数のコンテンツを記録可能な第1コンテンツ記憶部と、前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツに関するコンテンツリストを送信するリスト送信手段と、前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツの中で、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるコンテンツのみを前記第2コンテンツ記録再生装置に転送するコンテンツ転送手段と、前記ストリーム要求手段からの要求に応じて、前記選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつストリーム形式のコンテンツにデコードして、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するストリーム送信手段とを有する。
【0012】
第2コンテンツ記録再生装置が再生可能であるコンテンツのみが、第1コンテンツ記録再生装置から第2コンテンツ記憶再生装置に転送されて記録される。従って、第1コンテンツ記録再生装置においてコンテンツ形式の変換処理が実行されないので、コンテンツを転送し終えるまでの時間を短縮できる。また、再生すべきコンテンツとして第2コンテンツ記憶部に記録されていないコンテンツが選択されると、第1コンテンツ記録再生装置から第2コンテンツ記録再生装置に、ストリーム形式かつ第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でコンテンツが送信される。従って、第2コンテンツ記憶部に記録されていないコンテンツが再生すべきコンテンツとして選択されても、第2コンテンツ記録再生装置はコンテンツを再生することができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記第2コンテンツ記録再生装置が、前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されていないと判断された場合、選択されたコンテンツをダウンロード形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するダウンロード要求手段をさらに有し、前記第1コンテンツ記録再生装置が、前記ダウンロード要求手段からの要求に応じて、選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつダウンロード形式のコンテンツに変換して、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するダウンロード送信手段をさらに有し、前記記録手段が、前記第1コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをダウンロード形式で受信して前記第2コンテンツ記憶部に記録し、前記記録有無管理手段が、ダウンロード形式で受信して前記第2コンテンツ記憶部に記録されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されている旨を示すように管理内容を更新する。
【0014】
この場合、再生すべきコンテンツとして選択されたコンテンツを、第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式で第2コンテンツ記憶部に記録することができる。従って、次回以降に、同じコンテンツが選択された場合には、第2記憶部から当該コンテンツを読み出して再生することができるので、再生処理が簡素化され、再生開始するまでの時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0015】
第2コンテンツ記録再生装置が再生可能であるコンテンツ及び再生不可能であるコンテンツが、第1コンテンツ記録再生装置から第2コンテンツ記録再生装置に、第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式への変換処理が実行されずに、転送されて記録される。従って、第1コンテンツ記録再生装置においてコンテンツ形式の変換処理が実行されないので、コンテンツを転送し終えるまでの時間を短縮できる。また、再生すべきコンテンツとして第2コンテンツ記録再生装置が再生不可能なコンテンツが選択されると、第1コンテンツ記録再生装置から第2コンテンツ記録再生装置に、ストリーム形式かつ第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でコンテンツが送信される。従って、第2コンテンツ記録再生装置が再生不可能なコンテンツが再生すべきコンテンツとして選択されても、第2コンテンツ記録再生装置はコンテンツを再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録再生システムを示すブロック図である。コンテンツ記録再生システムは、第1コンテンツ記録再生装置100と、第2コンテンツ記録再生装置200とを備える。第1コンテンツ記録再生装置100は、代表的には、PC(パーソナルコンピュータ)等が適用され得る(以下、PC100という)。第2コンテンツ記録再生装置200は、代表的には、HDDレコーダ等のオーディオ機器が適用され得る(以下、HDDレコーダ200という)。PC100とHDDレコーダ200とは、LAN、インターネット等のネットワークや、USB、IEEE1394、HDMI等の任意のインターフェースを介して相互に接続可能である(本例ではLANを介して接続されている)。「コンテンツ」とは、映像データ、曲(音楽、音声)データ、静止画データ等の総称であり、本例においては曲データである。また、「コンテンツ形式」とは、コンテンツのフォーマットおよびビットレート等のコンテンツを記録する際の形式をいう。
【0017】
[PC100の構成]
PC100は、CPU等の制御部11と、メモリ12と、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶部13と、通信部14と、光ディスクドライブ15と、再生処理部16と、表示部18と、操作部19とを備え、これらはバス等で相互に接続される。必要に応じて、PC100は、再生処理部16に接続された図示しないスピーカーをさらに備えてもよい。通信部14は、例えばLANケーブルを介してHDDレコーダ200と接続されている。
【0018】
光ディスクドライブ15は、CD等の外部の記録媒体が挿入されたとき、挿入されたCD内の複数の曲データを読み出す。HDD13は、光ディスクドライブ15により読み出された複数の曲データを、制御部11によって設定されたフォーマット、ビットレートに変換して記録する。また、通信部14と接続された図示しない他のコンピュータ装置から送信された複数の曲を記録してもよい。PC100は、図2に示すように、例えば、A,B,C,D,E,F、Gの7つのコンテンツ形式で曲データを記録および再生することができる。なお、1つのコンテンツ形式は、例えば、MP3、128kbpsのようにフォーマットとビットレートとの組合せで表される。
【0019】
HDD13又はメモリ12は、曲リストを記憶する。曲リストには、HDD13に記憶された曲データに関するコンテンツIDやコンテンツ情報(メタデータのことであり、例えば、曲名、アーティスト名、アルバム名等)、コンテンツ形式が含まれる。コンテンツIDは、曲データを識別するための識別情報であり、数字、アルファベット等の任意の文字列によって表される。コンテンツ情報は、例えば、通常の方法で、インターネット経由で外部のサーバから取得される。
【0020】
制御部11は、メモリ12又はHDD13に格納されているPC100の動作プログラムに基づいて、PC100全体を制御する。制御部11は、選択された曲データをHDDレコーダ200にダウンロード形式で送信するように各部を制御する。また、制御部11は、選択された曲データをHDDレコーダ200にストリーミング形式で送信するように各部を制御する。
【0021】
再生処理部16は、ストリーム再生要求に応じて、曲データをストリーミング形式でHDDレコーダ200に送信する際に、HDD13に記録されている曲データをデコードし、HDDレコーダ200が再生可能なコンテンツ形式(例えばPCM形式)に変換する。PCM形式に変換された曲データは、通信部14を介して、HDDレコーダ200に送信される。
【0022】
再生処理部16は、ダウンロード送信要求に応じて、曲データをダウンロード形式でHDDレコーダ200に送信する際に、HDD13に記録されている曲データを、HDDレコーダ200が再生可能なコンテンツ形式に変換する。変換された曲データは、通信部14を介して、HDDレコーダ200に送信される。
【0023】
[HDDレコーダ200の構成]
HDDレコーダ200は、マイコン等の制御部21と、メモリ22と、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶部23と、通信部24と、再生処理部26と、表示部28と、操作部29とを備え、これらはバス等で相互に接続される。必要に応じて、HDDレコーダ200は、光ディスクドライブ(図示せず)や、再生処理部26に接続されたスピーカー(図示せず)をさらに備えてもよい。通信部24は、例えばLAN経由でPC100と接続されている。
【0024】
HDD23は、PC100から転送される曲データを記録する。HDDレコーダ200が再生可能なコンテンツ形式は、例えば、図2に示すように、コンテンツ形式A,Bのみである。しかし、HDD23には、PC100から転送されたコンテンツ形式C,D,E,F,Gの曲データについて記録することができる。従って、HDD23には、HDDレコーダ200が再生可能か否かに関係なく、PC100から転送された曲データが記録されている。再生できないコンテンツ形式の曲データをHDD23に記録するのは、再生すべき曲データとして選択された曲データが、PC100のHDD13から既に削除されてしまっている場合に、HDDレコーダ200からPC100に対して曲データを転送するためである。
【0025】
HDD23又はメモリ22には、曲リストが記憶されている。曲リストは、PC100から受信したものであり、PC100が記録する曲データの一覧を示す。曲リストは、上記の通り、コンテンツID、曲名、アーティスト名、アルバム名等のメタデータ、コンテンツ形式を含む。
【0026】
HDD23又はメモリ22には、図3に示す再生可否テーブルが管理されている。再生可否テーブルは、HDD23に記録されている曲データのコンテンツ形式が、HDDレコーダ200が再生可能なコンテンツ形式であるか否かを示すテーブルである。再生可否テーブルは、コンテンツID「ID」に対応付けて、再生可能か否かを示す項目「Can」と、コンテンツ形式「Format」と、当該曲データが記録されていたPC100の所在に関する情報(例えばURL)「url」とを含む。「Can」には、再生可能なコンテンツ形式の場合に「TRUE」が、再生不可能なコンテンツ形式の場合に「FALSE」が登録される。
【0027】
HDD23又はメモリ22には、図4に示す変換テーブルが記録されている。変換テーブルは、ダウンロード送信要求を送信する際に、HDDレコーダ200が再生不可能なコンテンツ形式を、HDDレコーダ200が再生可能などのコンテンツ形式に変換させるかを示すものである。変換テーブルには、変換前のコンテンツ形式としてHDDレコーダ200が再生不可能なコンテンツ形式が登録され、変換後のコンテンツ形式としてHDDレコーダ200が再生可能なコンテンツ形式が登録されている。図4の場合、コンテンツ形式C,D,Eはコンテンツ形式Bに変換し、コンテンツ形式F,Gはコンテンツ形式Aに変換することを意味している。変換テーブルは、製造者によって予め登録されていてもよく、ユーザ操作によって変更されてもよい。
【0028】
制御部21は、メモリ22又はHDD23に格納されているHDDレコーダ200の動作プログラムに基づいて、HDDレコーダ200全体を制御する。
【0029】
再生処理部26は、制御部21によって選択された曲データを再生する(デジタル−アナログ変換、増幅処理などを含む)。スピーカーは、再生処理部26から出力された音声信号を受け、音声として外部に出力する。表示部28は、ユーザに曲データを選択させるために、曲リストを表示するものであり、LCD(液晶ディスプレイ)やFL管等である。操作部29は、ユーザ操作を受け付けるものであり、操作ボタンやリモコン等である。
【0030】
以下、本発明のコンテンツ記録再生システムの動作を、図5〜図7を参照して、説明する。まず、図5を参照し、PC100の曲データをHDDレコーダ200に転送し、HDDレコーダ200に記録する際の処理を説明する。HDDレコーダ200の制御部21は、ユーザ操作に応答して、PC100に曲リスト要求コマンドを送信する(S1)。この時、アーティスト名やアルバム名等のメタデータによって制限された曲リストが要求されてよく、PC100に記録されている全曲データに関する曲リストが要求されてもよい。
【0031】
PC100の制御部11は、曲リスト要求コマンドを受信すると、曲リストをHDD13から読み出し、又は、曲リストを生成し、HDDレコーダ200に返信する(S11)。曲リストには、曲データのコンテンツID、メタデータやコンテンツ形式等の情報を含む。HDDレコーダ200は、曲リストをPC100から受信して、メモリ22に記録する(S1)。
【0032】
HDDレコーダ200の制御部23は、取得した曲リストを表示部28に表示させる(S2)。このとき、曲リストにはコンテンツ形式を含んでいるので、コンテンツ形式がHDDレコーダ200が再生不可能なコンテンツ形式C,D,E,F,Gである曲データの各情報は例えばグレーアウト等、再生可能な曲データとは異なる態様で表示する(S3)。
【0033】
HDDレコーダ200の制御部21は、曲データがHDDレコーダ200で再生可能であるか否かに関係なく、曲リスト内の全曲データをHDDレコーダ200に転送するようにPC100に曲データ転送要求を送信する(S4)。なお、このとき、ユーザ操作によって曲リスト内の曲データの中からHDDレコーダ200に転送して記録する曲データを選択するようにしてもよい。
【0034】
PC100は、曲データ転送要求を受信すると、指定された曲データをHDD13から読み出して、HDDレコーダ200が再生可能なコンテンツ形式への変換処理を実行することなく(つまり、HDD13に記録されているコンテンツ形式のままで)、ダウンロード形式でHDDレコーダ200に転送する(S12)。HDDレコーダ200が再生不可能なコンテンツ形式の曲データであっても、デコード処理や変換処理を実行せずにHDDレコーダ200に転送することによって、曲データをHDDレコーダ200に転送し終えるまでの時間を短縮することができる。
【0035】
HDDレコーダ200は、曲データをダウンロード形式でPC100から受信すると、受信した曲データを、HDDレコーダ200が再生可能か否かに関係なくHDD23に記録する(S5)。そして、HDDレコーダ200の制御部21は、図3に示す再生可否テーブルに、HDD23に記録した曲データに関する各情報を登録する。詳細には、制御部21は、HDD23に記録した曲データのコンテンツIDとコンテンツ形式とを再生可否テーブルに登録し、コンテンツ形式がHDDレコーダ200で再生可能なA,Bで有る場合には「Can」に「TRUE」を登録し、コンテンツ形式がHDDレコーダ200で再生不可能なC,D,E,F,Gで有る場合には「Can」に「FALSE」を登録し、かつ、「url」にPC100のURLを登録する。図3では、代表例として、コンテンツIDがAAA〜FFFの6つの曲データのみを記載している。コンテンツIDがFFFの曲データのみがHDDレコーダ200で再生可能なコンテンツ形式Aであるので、項目「Can」に「True」が登録されている。その他の5つの曲データは全てHDDレコーダ200で再生不可能なコンテンツ形式であるので、項目「Can」に「FALSE」が登録されている。
【0036】
以上のように、HDDレコーダ200で再生不可能なコンテンツ形式の曲データであっても、PC100において、HDDレコーダで再生可能なコンテンツ形式への変換処理を実行せずに、HDDレコーダ200にそのまま転送するので、HDDレコーダ200に曲データを転送して記録し終えるまでの時間を短縮することができる。従って、直ぐに、曲データの再生動作に移行することができる。
【0037】
次に、HDDレコーダ200において、曲データを再生する際の処理を図6,図7を参照して説明する。図6に示すように、HDDレコーダ200の制御部21は、表示部28に曲リストを表示させ、再生すべき曲データをユーザに選択させる。ユーザ操作によって曲データが選択されると(S21)、制御部21は、選択された曲データのコンテンツ形式が、HDDレコーダ200が再生可能なコンテンツ形式であるか否かを判断する(S22)。詳細には、選択された曲データのコンテンツIDを特定し、再生可否テーブルを参照し、当該コンテンツIDに対応する項目「Can」が「TRUE」であるか否かを判断する。
【0038】
例えば、図3においてコンテンツIDがFFFである曲データが選択されたために、項目「Can」が「TRUE」であり、曲データを再生可能である場合には(S22でYES)、S32に進み、HDDレコーダ200は通常通りに、HDD23から曲データ「FFF」を読み出して、再生する。
【0039】
例えば、図3においてコンテンツIDがAAAの曲データが選択されたために、項目「Can」が「FALSE」であり、再生不可能である場合には(S22でNO)、再生部21は、選択された曲データがPC100に記録されているか否かの問い合わせをPC100に送信する(S23)。この問い合わせには、例えば、曲データのコンテンツID「AAA」が含まれている。なお、問い合わせを送信する(以降の処理も同様)PCの宛先は、コンテンツIDに対応付けて再生可否テーブルに管理されている。
【0040】
図7に示すように、PC100の制御部11は、HDDレコーダ200から曲データが記録されているか否かの問い合わせを受信したかを判断しており(S41)、問い合わせを受信したとき(S41でYES)、問い合わせに含まれるコンテンツID「AAA」で特定される曲データがHDD13に記録されているか否かを判断する(S42)。曲データが記録されている場合には(S42でYES)、曲データ「AAA」が記録されている旨の回答をHDDレコーダ200に送信する(S43)。一方、曲データ「AAA」が削除された等によりHDD13に記録されていない場合には(S42でNO)、曲データが記録されていない旨の回答をHDDレコーダ200に送信し(S44)、その後、HDDレコーダ200から曲データ「AAA」を受信するまで待機する(S45)。
【0041】
図6に示すように、HDDレコーダ200の制御部21は、PC100から回答を受信すると、回答の結果に基づいて、選択された曲データ「AAA」がPC100に記録されているか否かを判断する(S24)。
【0042】
選択された曲データ「AAA」がPC100に記録されている場合(S24でYES)、制御部21は、PC100に曲データのストリーム送信要求を送信する。このストリーム送信要求には選択された曲データのコンテンツID「AAA」が含まれている。
【0043】
図7に示すように、PC100の制御部11は、HDDレコーダ200からストリーム送信要求を受信したか否かを判断しており(S46)、受信した場合(S46でYES)、ストリーム送信要求に含まれるコンテンツID「AAA」で特定される曲データをストリーム形式でHDDレコーダ200に送信するように各部を制御する(S47)。すなわち、再生制御部16は、HDD13からコンテンツID「AAA」の曲データを読み出し、デコードし、HDDレコーダ200が再生不可能なコンテンツ形式Cから、HDDレコーダ200が再生可能な例えばPCM形式に変換し、通信部14を介してHDDレコーダ200にストリーム形式で送信する。PCM形式に変換するのは、PCM形式が一般的なHDDレコーダにおいて再生可能だからである。なお、PCM形式ではなく、HDDレコーダ200で再生可能なコンテンツ形式A又はBに変換して、HDDレコーダ200に送信してもよい。
【0044】
図6に示すように、HDDレコーダ200の制御部21は、コンテンツID「AAA」の曲データをPC100から受信すると、再生制御部26に受信した曲データを再生させる(S27)。
【0045】
一方、図6のS24において、選択された曲データがPC100に記録されていない場合(S24でNO)、HDDレコーダ200の制御部21は、当該曲データ「AAA」をHDD23から読み出して、通信部24を介してPC100に送信する(S25)。HDDレコーダ200ではこの曲データを再生することができないので、PC100にPCM形式に変換し返信してもらうためである。
【0046】
図7に示すように、PC100はコンテンツID「AAA」の曲データを受信すると(S45でYES)、受信した曲データをデコードし、HDDレコーダ200が再生不可能なコンテンツ形式CからPCM形式に変換し、ストリーム形式でHDDレコーダ200に送信する(S47)。図6に示すように、HDDレコーダ200の制御部21は、コンテンツID「AAA」の曲データをPC100から受信すると、再生制御部26に受信した曲データを再生させる(S27)。
【0047】
続いて、制御部21は、選択されたコンテンツID「AAA」の曲データのダウンロード送信要求をPC100に送信する(S28)。ダウンロード送信要求には選択された曲データのコンテンツID「AAA」と、変換後のコンテンツ形式とが含まれている。変換後のコンテンツ形式は、図4の変換テーブルを参照して決定される。例えば、コンテンツID「AAA」の曲データのコンテンツ形式はCであるので、変換後のコンテンツ形式はBに決定される。
【0048】
図7に示すように、PC100の制御部11はダウンロード送信要求を受信したか否かを判断している(S48)。受信したとき(S48でYES)、PC100は、ダウンロード送信要求に含まれているコンテンツID「AAA」の曲データをHDD13から読み出し、ダウンロード送信要求に含まれている変換後のコンテンツ形式Bに変換し、ダウンロード形式で、HDDレコーダ200に送信する(S49)。
【0049】
図6に示すように、HDDレコーダ200は、ダウンロード形式で、コンテンツID「AAA」の曲データを受信すると、既にHDD23に記録されているコンテンツ形式Cの曲データを削除して、新たに、受信したコンテンツ形式Bの曲データをHDD23に記録する(S29)。そして、制御部21は、再生可否テーブルを図8に示すように更新する(S30)。すなわち、コンテンツID「AAA」に対応する項目「Can」を「True」に変更し、「Format」を「B」に変更し、「url」を削除する。続いて、制御部21は、曲リスト内のコンテンツID「AAA」の曲データの表示態様を、グレーアウトから再生可能を示す通常表示に変更する(S31)。以上の結果、次回以降に、再生すべき曲データとして、コンテンツID「AAA」の曲データが選択されたときには、S22でYESと判断され、HDD23から曲データが読み出されて再生される。
【0050】
以上のように、再生するために選択された曲データがHDDレコーダ200で再生できないコンテンツ形式でHDD23に記録されている場合には、PC100がHDDレコーダ200で再生可能なPCM形式にデコードし、ストリーム形式で曲データを転送するので、HDDレコーダ200はストリーム形式で曲データを受信して再生することができる。従って、HDDレコーダ200はより迅速に曲データを再生することができる。また、ストリーム形式で曲データが転送された後、PC100によって、HDDレコーダ200で再生可能なコンテンツ形式に当該曲データが変換され、ダウンロード形式でHDDレコーダ200に転送されるので、HDDレコーダ200は再生可能なコンテンツ形式で当該曲データをHDD23に記録することができる。従って、次回以降、当該曲データが選択された場合には、HDD23に記録された曲データが再生させるので、より迅速に再生することができる。
【0051】
[第2実施形態]
本実施形態では、最初にPC100からHDDレコーダ200に曲データをダウンロードして記録する際に、HDDレコーダ200が再生不可能な曲データについてはHDDレコーダ200に記録しない。その結果、曲リストには、HDD23に記録されていない曲データも含まれ、記録されていない曲データはグレイアウト表示されている。
【0052】
HDD23又はメモリ22には、再生可否テーブルの代わりに、図9に示す記録有無テーブルが管理されている。記録有無テーブルは、曲リスト内の曲データがHDD23に記録されているか否かを示すテーブルである。記録有無テーブルは、コンテンツID「ID」に対応付けて、記録されているか否かを示す項目「Exist」と、コンテンツ形式「Format」と、当該曲データが記録されていたPC100の所在に関する情報(例えばURL)「url」とを含む。「Exist」には、HDD23に記録されている場合に「TRUE」が、HDD23に記録されていない場合に「FALSE」が登録される。
【0053】
図10〜図12を参照し、本例の動作を説明する。まず、図10を参照し、PC100の曲データをHDDレコーダ200に転送し、HDDレコーダ200に記録する際の処理を説明する。S1〜S3,S11の処理は図5の処理と同じである。
【0054】
ここで、HDDレコーダ200の制御部21は、曲リスト内の曲データのうち、HDDレコーダ200が再生可能な曲データのみを指定し、HDDレコーダ200に転送するようPC100に曲データ転送要求を送信する(S51)。つまり、コンテンツ形式がA又はBの曲データのみをHDDレコーダ200に転送するようPC100に要求する。
【0055】
PC100は、曲データ転送要求を受信すると、HDD13から指定された曲データを読み出して、デコード処理や変換処理を実行することなく(つまり、HDD13に記録されているコンテンツ形式のままで)、ダウンロード形式でHDDレコーダ200に送信する(S61)。
【0056】
HDDレコーダ200は、曲データをダウンロード形式でPC100から受信すると、受信した曲データをHDD23に記録する(S52)。そして、HDDレコーダ200の制御部21は、図9に示す記録有無テーブルの各項目に、S1で取得した曲リスト内の曲データに関する各情報を登録する。詳細には、制御部21は、曲リスト内の曲データのコンテンツIDとコンテンツ形式とを記録有無テーブルに登録し、PC100から取得してHDD23に記録した曲データ(つまり、コンテンツ形式がHDDレコーダ200で再生可能なA,Bである場合)には「Exist」に「TRUE」を登録する。一方、PC100から未だ取得していない曲データ(つまり、コンテンツ形式がHDDレコーダ200で再生不可能なC,D,E,F,Gである場合)には「Exist」に「FALSE」を登録し、かつ、「url」にPC100のURLを登録する。
【0057】
図9では、代表例として、コンテンツIDがAAA〜FFFの6つの曲データのみを記載している。コンテンツIDがFFFの曲データのみがHDDレコーダ200で再生可能なコンテンツ形式Aであり、PC100から取得済であるので、「Exist」に「True」が登録されている。その他の曲データは全てHDDレコーダ200で再生不可能なコンテンツ形式であり、PC100から未取得であるので、「Exist」に「FALSE」が登録されている。
【0058】
以上のように、HDDレコーダ200で再生不可能なコンテンツ形式の曲データについては、PC100からHDDレコーダ200に転送しないことにより、HDDレコーダ200に曲データを転送し、記録し終えるまでの時間を短縮することができる。
【0059】
次に、HDDレコーダ200において、曲データを再生する際の処理を図11,図12を参照して説明する。図11に示すように、HDDレコーダ200の制御部21は、表示部28に曲リストを表示させ、再生すべき曲データをユーザに選択させる。ユーザ操作によって曲データが選択されると(S71)、制御部21は、選択された曲データをHDDレコーダ200が記録しているか否かを判断する(S72)。詳細には、選択された曲データのコンテンツIDを特定し、記録有無テーブルを参照し、当該コンテンツIDに対応する項目「Exist」が「TRUE」であるか否かを判断する。
【0060】
例えば、図9においてコンテンツIDがFFFである曲データが選択されたために、項目「Exist」が「TRUE」であり、HDD23に記録されている場合には(S72でYES)、S79に進み、HDDレコーダ200は通常通りに、HDD23からコンテンツID「FFF」の曲データを読み出して、曲データを再生する(S79)。
【0061】
例えば、図9においてコンテンツIDがAAAの曲データが選択されたために、項目「Exist」が「FALSE」であり、HDD23に記録されていない場合には(S72でNO)、再生部21は、PC100に曲データのストリーム送信要求を送信する。このストリーム送信要求には選択された曲データのコンテンツID「AAA」が含まれている。ストリーム送信要求を送信するPCの宛先は、選択された曲データに対応するコンテンツIDについて記録有無テーブルの「url」を参照することによって特定できる。
【0062】
図12に示すように、PC100の制御部11は、HDDレコーダ200からストリーム送信要求を受信したか否かを判断しており(S81)、受信した場合(S81でYES)、ストリーム送信要求に含まれるコンテンツID「AAA」で特定される曲データを、ストリーム形式でHDDレコーダ200に送信するように各部を制御する(S82)。すなわち、再生制御部16は、HDD13からコンテンツID「AAA」の曲データを読み出し、デコードし、コンテンツ形式Cから例えばPCM形式に変換し、通信部14を介してHDDレコーダ200にストリーム形式で送信する。
【0063】
図11に示すように、HDDレコーダ200の制御部21は、コンテンツID「AAA」の曲データをPC100からストリーム形式で受信すると、再生制御部26に受信した曲データを再生させる(S74)。
【0064】
続いて、制御部21は、選択されたコンテンツID「AAA」の曲データのダウンロード送信要求をPC100に送信する(S75)。ダウンロード送信要求には選択された曲データのコンテンツID「AAA」と、変換後のコンテンツ形式とが含まれている。変換後のコンテンツ形式は、図4の変換テーブルを参照して決定され、コンテンツID「AAA」の曲データのコンテンツ形式はCであるので、変換後のコンテンツ形式がBに決定される。
【0065】
図12に示すように、PC100の制御部11はダウンロード送信要求を受信したか否かを判断している(S83)。受信したとき(S83でYES)、PC100は、ダウンロード送信要求に含まれているコンテンツID「AAA」の曲データをHDD13から読み出して、ダウンロード送信要求に含まれている変換後のコンテンツ形式Bに変換し、ダウンロード形式で、HDDレコーダ200に送信する(S84)。
【0066】
図11に示すように、HDDレコーダ200は、ダウンロード形式で、コンテンツID「AAA」の曲データを受信すると、受信したコンテンツ形式Bの曲データ「AAA」をHDD23に記録する(S76)。そして、制御部21は、記録有無テーブルを図13に示すように更新する(S77)。すなわち、コンテンツID「AAA」に対応する項目「Exist」を「True」に変更し、「Format」を「B」に変更し、「url」を削除する。続いて、制御部21は、曲リスト内のコンテンツID「AAA」の曲データの表示態様を、グレーアウトから再生可能を示す通常表示に変更する(S78)。以上の結果、次回、再生すべき曲データとして、コンテンツID「AAA」の曲データが選択されたときには、S72でYESと判断され、HDD23から曲データが読み出されて再生される。
【0067】
以上のように、再生するために選択された曲データがHDDレコーダ200に記録されていない場合には、PC100からHDDレコーダ200で再生可能な例えばPCM形式にデコードされ、ストリーム形式で曲データが転送されるので、HDDレコーダ200はストリーム形式で曲データを受信して再生することができる。従って、迅速に曲データをHDDレコーダ200に送信することができる。また、ストリーム形式で曲データが転送された後、PC100によって、当該曲データがHDDレコーダ200で再生可能なコンテンツ形式に変換され、ダウンロード形式でHDDレコーダ200に転送されるので、HDDレコーダ200は再生可能なコンテンツ形式の曲データをHDD23に記録することができる。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、PC100が本発明の第2コンテンツ記録再生装置に対応し、HDDレコーダ200が本発明の第1コンテンツ記録再生装置に対応してもよい。また、PC100、HDDレコーダ200が、共に、第1コンテンツ記録再生装置と第2コンテンツ記録再生装置との両方の機能を備えていてもよい。本発明は、上記のPC100、HDDレコーダ200を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明はPC、HDDレコーダ等のオーディオ機器に好適に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ記録再生システムを示すブロック図である。
【図2】PC100およびHDDレコーダ200の各々が再生可能なコンテンツ形式の例を示す図である。
【図3】再生可否テーブルを示す図である。
【図4】変換テーブルを示す図である。
【図5】PC100からHDDレコーダに曲データを転送する処理を示すフローチャートである。
【図6】再生処理におけるHDDレコーダの動作を示すフローチャートである。
【図7】再生処理におけるPCの動作を示すフローチャートである。
【図8】再生可否テーブルを示す図である。
【図9】記録有無テーブルを示す図である。
【図10】PC100からHDDレコーダに曲データを転送する処理を示すフローチャートである。
【図11】再生処理におけるHDDレコーダの動作を示すフローチャートである。
【図12】再生処理におけるPCの動作を示すフローチャートである。
【図13】記録有無テーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100 第1コンテンツ記録再生装置
200 第2コンテンツ記録再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンテンツ記録再生装置と、前記第1コンテンツ記録再生装置に接続可能な第2コンテンツ記録再生装置とを備え、
前記第2コンテンツ記録再生装置が、
複数のコンテンツを記録するための第2コンテンツ記憶部と、
前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かに関係なく、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式への変換処理が実行されることなく、前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツを取得し、前記第2コンテンツ記憶部に記録する記録手段と、
前記第2コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かを管理する再生可否管理手段と、
ユーザ操作に応じて、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かを前記再生可否管理手段の管理内容に基づいて判断する再生可否判断手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でないと判断された場合、選択されたコンテンツをストリーム形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するストリーム要求手段と、
前記第2コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをストリーム形式で受信して再生する再生手段とを有し、
前記第1コンテンツ記録再生装置が、複数のコンテンツを記録するための第1コンテンツ記憶部と、
前記第1コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツを、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式への変換処理を実行せずに、前記第2コンテンツ記録再生装置に転送するコンテンツ転送手段と、
前記ストリーム要求手段からの要求に応じて、前記選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつストリーム形式のコンテンツにデコードして、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するストリーム送信手段とを有する、コンテンツ記録再生システム。
【請求項2】
前記第2コンテンツ記録再生装置が、前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でないと判断された場合、選択されたコンテンツをダウンロード形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するダウンロード要求手段をさらに有し、
前記第1コンテンツ記録再生装置が、前記ダウンロード要求手段からの要求に応じて、選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつダウンロード形式のコンテンツに変換して、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するダウンロード送信手段をさらに有し、
前記記録手段が、前記第1コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをダウンロード形式で受信して前記第2コンテンツ記憶部に記録し、
前記再生可否管理手段が、ダウンロード形式で受信して前記第2コンテンツ記憶部に記録されたコンテンツが前記第2コンテンツ記録再生装置によって再生可能である旨を示すように管理内容を更新する、請求項1に記載のコンテンツ記録再生システム。
【請求項3】
前記第2コンテンツ記録再生装置が、前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でないと判断された場合、選択されたコンテンツが前記第1コンテンツ記憶部に記録されているか否かを前記第1コンテンツ記録再生装置に問い合わせる問合せ手段をさらに有し、
前記第1コンテンツ記録再生装置が、前記問い合わせに応じて、選択されたコンテンツが前記第1コンテンツ記憶部に記録されているか否かの回答を前記第2コンテンツ記録再生装置に送信する回答手段をさらに有し、
前記第2コンテンツ記録再生装置が、前記回答が選択されたコンテンツが前記第1コンテンツ記憶部に記録されていない旨である場合に、選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記憶部から読み出して、前記第1コンテンツ記録再生装置に転送する第2コンテンツ転送手段をさらに有し、
前記ストリーム送信手段が、前記第2コンテンツ記録再生装置から選択されたコンテンツを受信した場合、前記受信したコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつストリーム形式のコンテンツに変換して、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信する、請求項1または2に記載のコンテンツ記録再生システム。
【請求項4】
第1コンテンツ記録再生装置と、前記第1コンテンツ記録再生装置に接続可能な第2コンテンツ記録再生装置とを備え、
前記第2コンテンツ記録再生装置が、
複数のコンテンツを記録するための第2コンテンツ記憶部と、
前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツに関するコンテンツリストを受信するリスト受信手段と、
前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツの中で、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるコンテンツのみを取得し、前記第2コンテンツ記憶部に記録する記録手段と、
受信したコンテンツリストに含まれるコンテンツに関して、前記第2コンテンツ記憶部に記録されているか否かを管理する記録有無管理手段と、
ユーザ操作に応じて、前記コンテンツリストの中から、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されているか否かを前記記録有無管理手段の管理内容に基づいて判断する記録有無判断手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されていないと判断された場合、選択されたコンテンツをストリーム形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するストリーム要求手段と、
前記第2コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをストリーム形式で受信して再生する再生手段とを有し、
前記第1コンテンツ記録再生装置が、複数のコンテンツを記録可能な第1コンテンツ記憶部と、
前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツに関するコンテンツリストを送信するリスト送信手段と、
前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツの中で、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるコンテンツのみを前記第2コンテンツ記録再生装置に転送するコンテンツ転送手段と、
前記ストリーム要求手段からの要求に応じて、前記選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつストリーム形式のコンテンツにデコードして、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するストリーム送信手段とを有する、コンテンツ記録再生システム。
【請求項5】
前記第2コンテンツ記録再生装置が、前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されていないと判断された場合、選択されたコンテンツをダウンロード形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するダウンロード要求手段をさらに有し、
前記第1コンテンツ記録再生装置が、前記ダウンロード要求手段からの要求に応じて、選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつダウンロード形式のコンテンツに変換して、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するダウンロード送信手段をさらに有し、
前記記録手段が、前記第1コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをダウンロード形式で受信して前記第2コンテンツ記憶部に記録し、
前記記録有無管理手段が、ダウンロード形式で受信して前記第2コンテンツ記憶部に記録されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されている旨を示すように管理内容を更新する、請求項4に記載のコンテンツ記録再生システム。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ記録再生システムに使用される前記第2コンテンツ記録再生装置であって、
複数のコンテンツを記録するための第2コンテンツ記憶部と、
前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かに関係なく、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式への変換処理が実行されることなく、前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツを取得し、前記第2コンテンツ記憶部に記録する記録手段と、
前記第2コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かを管理する再生可否管理手段と、
ユーザ操作に応じて、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるか否かを前記再生可否管理手段の管理内容に基づいて判断する再生可否判断手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツのコンテンツ形式が、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でないと判断された場合、選択されたコンテンツをストリーム形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するストリーム要求手段と、
前記第2コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをストリーム形式で受信して再生する再生手段とを備える、第2コンテンツ記録再生装置。
【請求項7】
請求項4または5に記載のコンテンツ記録再生システムに使用される前記第2コンテンツ記録再生装置であって、
複数のコンテンツを記録するための第2コンテンツ記憶部と、
前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツに関するコンテンツリストを受信するリスト受信手段と、
前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツの中で、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるコンテンツのみを取得し、前記第2コンテンツ記憶部に記録する記録手段と、
受信したコンテンツリストに含まれるコンテンツに関して、前記第2コンテンツ記憶部に記録されているか否かを管理する記録有無管理手段と、
ユーザ操作に応じて、前記コンテンツリストの中から、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されているか否かを前記記録有無管理手段の管理内容に基づいて判断する記録有無判断手段と、
前記選択手段によって選択されたコンテンツが前記第2コンテンツ記憶部に記録されていないと判断された場合、選択されたコンテンツをストリーム形式で送信するように前記第1コンテンツ記録再生装置に要求するストリーム要求手段と、
前記第2コンテンツ記録再生装置から、選択されたコンテンツをストリーム形式で受信して再生する再生手段とを備える、第2コンテンツ記録再生装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の第2コンテンツ記録再生装置における各手段をコンピュータに実行させる、第2コンテンツ記録再生装置の動作プログラム。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ記録再生システムに使用される第1コンテンツ記録再生装置であって、
複数のコンテンツを記録可能な第1コンテンツ記憶部と、
前記第1コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツを、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式への変換処理を実行せずに、前記第2コンテンツ記録再生装置に転送するコンテンツ転送手段と、
前記ストリーム要求手段からの要求に応じて、前記選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつストリーム形式のコンテンツにデコードして、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するストリーム送信手段とを備える、第1コンテンツ記録再生装置。
【請求項10】
請求項4または5に記載のコンテンツ記録再生システムに使用される第1コンテンツ記録再生装置であって、
複数のコンテンツを記録可能な第1コンテンツ記憶部と、
前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツに関するコンテンツリストを送信するリスト送信手段と、
前記第1コンテンツ記録再生装置が記録するコンテンツの中で、前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式であるコンテンツのみを前記第2コンテンツ記録再生装置に転送するコンテンツ転送手段と、
前記ストリーム要求手段からの要求に応じて、前記選択されたコンテンツを前記第2コンテンツ記録再生装置が再生可能なコンテンツ形式でありかつストリーム形式のコンテンツにデコードして、前記第2コンテンツ記録再生装置に送信するストリーム送信手段とを備える、第1コンテンツ記録再生装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の第1コンテンツ記録再生装置における各手段をコンピュータに実行させる、第1コンテンツ記録再生装置の動作プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−301615(P2009−301615A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152340(P2008−152340)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】