説明

コンディショニングゲルネットワークを含有するシャンプー組成物

ポリアルファオレフィン油、エステル油、トリグリセリド油、炭化水素油およびこれらの混合物から選択された油が分散しているコンディショニングシャンプー組成物であって、1−26重量%のクレンジング相、コンディショニングゲルネットワーク、ポリマー性懸濁剤およびカチオン性沈着ポリマーを含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油を含む組成物に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
先行技術にもかかわらず、油を含む改善されたコンディショニングシャンプー組成物が必要とされ続けている。特に昇温時における製品の安定性に関して、改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0003】
従って、本発明は、請求項1に記載のコンディショニングシャンプー組成物を提供する。
【0004】
好ましくは、組成物は、スピンドルRV5を20rpmにおいて使用するBrookfield粘度計により計測された、30℃における2000から7000cPs単位の粘度を有する。
【0005】
好ましい油は、
・30Cにおける0.1から500センチポアズ単位の粘度を有する油
・最大20%の低粘度フラクション(500cps未満)を含有する、500センチポアズ超(500−500000cps)の粘度を有する油
から選択された油を含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ポリアルファオレフィン油
好ましくは、油は、ポリアルファオレフィン油である。ポリアルファオレフィン油は、本発明の組成物について見出されるコンディショニング利益を向上させる。好適なポリアルファオレフィン油は、6から16個の炭素、好ましくは、6から12個の炭素を有する1−アルカレンモノマーから誘導された油を含む。材料の非限定的な例は、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、これらの分枝鎖異性体、例えば4−メチル−1−ペンテンおよびこれらの混合物を含む。
【0007】
好ましいポリアルファオレフィンは、Mobilから市販されている約500の数平均分子量を有する商標名Puresyn 6、約3000の分子量を有するPuresyn 100および約6000の分子量を有するPuresyn 300のポリデセンを含む。
【0008】
好ましくは、ポリアルファオレフィン油は、組成物の0.05から10重量%、特に0.2から5重量%、殊に0.5から3重量%で存在する。
【0009】
トリグリセリド油
好適なトリグリセリド油は、天然脂肪および油、例えば、ホホバ油、ダイズ油、ヒマワリ種子油、ヌカ油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、ヤシ油、ココヤシ油、ヒマワリ油、ミンク油;カカオ脂;牛脂、豚脂;上記油の水素化により得られた硬化油;ならびに合成モノ、ジ−およびトリグリセリド、例えばミリスチン酸グリセリドおよび2−エチルヘキサン酸グリセリドを含む脂肪および油を含む。
【0010】
好ましくは、トリグリセリド油は、組成物の0.05から10重量%、特に0.2から5重量%、殊に0.5から3重量%で存在する。
【0011】
炭化水素油
好適な炭化水素油は、少なくとも12個の炭素原子を有し、パラフィン油、ポリオレフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカンならびにこれらの混合物を含む。これらの化合物およびより長鎖長の炭化水素の分枝鎖異性体も使用することができる。C2−6アルケニルモノマーのポリマー性炭化水素、例えばポリイソブチレンも好適である。
【0012】
好ましくは、炭化水素油は、組成物の0.05から10重量%、特に0.2から5重量%、殊に0.5から3重量%で存在する。
【0013】
エステル油
好適なエステル油は、少なくとも10個の炭素原子を有し、脂肪酸またはアルコールから誘導されたヒドロカルビル鎖を有するエステルを含む。典型的なエステル油は、式R’COORであり、式中、R’およびRは、独立してアルキルまたはアルケニル基を示し、R’およびRの炭素原子の合計は、少なくとも10個、好ましくは、少なくとも20個である。カルボン酸のジ−およびトリアルキルならびにアルケニルエステルを使用することもできる。
【0014】
好ましくは、エステル油は、組成物の0.05から10重量%、特に0.2から5重量%、殊に0.5から3重量%で存在する。
【0015】
好ましくは、組成物は、10から14個の炭素を有するアルキル基を含むクレンジングアニオン性界面活性剤を含む。
【0016】
コンディショニングゲルネットワーク
好ましくは、コンディショニングゲルネットワークは、
(a)脂肪材料
(b)16から30個の炭素を有するアルキル基を含むゲルネットワークアニオン性界面活性剤
(c)カチオン性界面活性剤
を含み、
コンディショニングゲルネットワークは、全体として無電荷であり、またはアニオン性である。
【0017】
カチオン性界面活性剤は、非カチオン性クレンジング相も含む組成物からのコンディショニング利益の改善をもたらす、脂肪材料/アニオン性界面活性剤ゲルネットワークの頑健性の改善を提供する。クレンジング相中のアニオン性界面活性剤とコンディショニングゲル中のアニオン性界面活性剤との間の炭素鎖長の差が、コンディショニングゲルネットワークの安定性を顕著に改善し、シャンプー組成物中でのこのネットワークの結着性を維持する。
【0018】
好ましくは、ゲルネットワーク中のアニオン性およびカチオン性界面活性剤は、4個以内、好ましくは、2個以内の炭素、最も好ましくは、同一数の炭素を含有する。より好ましくは、これらの界面活性剤は、4個以内、より好ましくは2個以内、最も好ましくは同一長さの単一のアルキル基を含む。このことは、ゲルネットワークの安定性の維持に役立つ。
【0019】
好ましくは、ゲルネットワークカチオン性界面活性剤中の炭素は、単一のアルキル基中に存在する。より好ましくは、ゲルネットワークカチオン性界面活性剤は、16−30個の炭素を有する。
【0020】
好ましくは、カチオン性界面活性剤は、式N(R)(R)(R)(R)を有し、式中、R、R、RおよびRは、独立して、(C16からC30)アルキルまたはベンジルである。
【0021】
好ましくは、R、R、RおよびRの1、2または3個は、独立して、(C16からC30)アルキルであり、他の1個以上のR、R、RおよびR基は、(C−C)アルキルまたはベンジルである。
【0022】
場合により、アルキル基は、1個以上のエステル(−OCO−または−COO−)および/またはエーテル(−O−)結合をアルキル鎖内に含むことができる。アルキル基は、1個以上のヒドロキシル基により場合により置換されていてよい。アルキル基は、直鎖または分枝鎖であってよく、3個以上の炭素原子を有するアルキル基については、環式であってよい。アルキル基は、飽和であってよく、または1個以上の炭素−炭素二重結合を含有することができる(例えば、オレイル)。アルキル基は、1個以上のエチレンオキシ基によりアルキル鎖上で場合によりエトキシ化されている。
【0023】
本発明によるコンディショナー組成物中に使用される好適なカチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、PEG−2−オレアンモニウムクロリドおよびこれらの対応する水酸化物を含む。さらなる好適なカチオン性界面活性剤は、CTFA名Quaternium−5、Quaternium−31およびQuaternium−18を有する材料を含む。上記材料のいずれかの混合物も好適であり得る。本発明によるコンディショナー中に使用される特に有用なカチオン性界面活性剤は、例えば、Hoechst CelaneseからGENAMIN CTACとして市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。本発明によるコンディショナー中に使用される別の特に有用なカチオン性界面活性剤は、例えば、ClariantからGENAMIN KDMPとして市販されているベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0024】
単独で、または1種以上の他のカチオン性コンディショニング界面活性剤との混合物として本発明において使用される好適なカチオン性界面活性剤のクラスの別の例は、以下の(i)および(ii)の組合せである。
【0025】
(i)一般式(I):
【0026】
【化1】

(式中、Rは、10個以上の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、
およびRは、1から10個の炭素原子のヒドロカルビル鎖から独立して選択され、
mは、1から約10の整数である。)
に対応するアミドアミン、および
(ii)酸。
【0027】
本明細書において使用される用語ヒドロカルビル鎖は、アルキルまたはアルケニル鎖を意味する。
【0028】
好ましいアミドアミン化合物は、Rが、約11から約24個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基であり、RおよびRが、それぞれ独立して、1から約4個の炭素原子を有するヒドロカルビル残基、好ましくは、アルキル基であり、mが、1から約4の整数である、式(I)に対応する化合物である。
【0029】
好ましくは、RおよびRは、メチルまたはエチル基である。
【0030】
好ましくは、mは、2または3であり、即ち、エチレンまたはプロピレン基である。
【0031】
本明細書において有用な好ましいアミドアミンは、ステアラミド−プロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキド−アミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミンおよびこれらの混合物を含む。
【0032】
本明細書において有用な特に好ましいアミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミンおよびこれらの混合物である。
【0033】
本明細書において有用な市販のアミドアミンは、
Inolex(Philadelphia Pennsylvania,USA)から入手可能な商標名LEXAMINE S−13およびNikko(Tokyo,Japan)から入手可能な商標名AMIDOAMINE MSPのステアラミドプロピルジメチルアミン、Nikkoから入手可能な商標名AMIDOAMINE Sのステアラミドエチルジエチルアミン、Croda(North Humberside,England)から入手可能な商標名INCROMINE BBのベヘナミドプロピルジメチルアミンならびにScher(Clifton New Jersey,USA)から入手可能な商標名SCHERCODINEシリーズの種々のアミドアミン
を含む。
【0034】
酸(ii)は、ヘアトリートメント組成物中でアミドアミンをプロトン化することができる任意の有機酸または鉱酸であってよい。本明細書において有用な好適な酸は、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸およびこれらの混合物を含む。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0035】
酸の主要な役割は、ヘアトリートメント組成物中でアミドアミンをプロトン化し、ヘアトリートメント組成物中で第3級アミン塩(TAS)を現場で形成することである。TASは、実際、非永久的第4級アンモニウムまたは擬似第4級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0036】
好適には、酸は、存在する全てのアミドアミンをプロトン化するのに十分な量、即ち、組成物中に存在するアミドアミンの量に対して少なくとも等モルである濃度で含まれる。
【0037】
カチオン性界面活性剤の濃度は、一般に、組成物の全重量に基づきカチオン性界面活性剤の全重量で0.01から10%、より好ましくは、0.02から7.5%、最も好ましくは、0.05から5%の範囲である。
【0038】
アニオン性界面活性剤は、16−30個の炭素、好ましくは、16−22個の炭素を有するアルキル鎖を含む。
【0039】
好ましくは、ゲルネットワークアニオン性界面活性剤中の炭素は、単一のアルキル基中に存在する。
【0040】
ゲルネットワークは、ゲルネットワークに対して全体としてのアニオン性電荷またはゲルネットワークに対して全体としての無電荷を達するためのアニオン性界面活性剤を含む。
【0041】
ゲルネットワークアニオン性界面活性剤は、組成物の0.1から5重量%、より好ましくは、0.5から2.0重量%で存在する。
【0042】
好ましくは、脂肪材料は、脂肪酸、脂肪族アミド、脂肪族アルコール、脂肪族エステルおよびこれらの混合物から選択される。
【0043】
好ましくは、脂肪材料は、14から30個の炭素原子、より好ましくは、16から22個の炭素原子を有する脂肪族基を含む。好適な脂肪族アルコールの例は、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物を含む。好適な脂肪族エステルの例は、グリセリルモノステアラートである。
【0044】
本発明の組成物中の脂肪材料の濃度は、好都合には、組成物の0.01から10重量%、好ましくは、0.1から5重量%である。
【0045】
好ましくは、(a)と(b)との比は、0.1:1から100:1、好ましくは、1.2:1から50:1、より好ましくは、1.5:1から10:1、最も好ましくは、約2:1である。
【0046】
好ましくは、ゲルネットワークのアニオン性および脂肪材料は、4個以内、好ましくは2個以内の炭素、最も好ましくは、同一数の炭素を有するアルキル基を含有する。より好ましくは、これらの材料は、4個以内、より好ましくは、2個以内、最も好ましくは、同一長の単一のアルキル基を含む。このことは、ゲルネットワークの安定性の維持に役立つ。
【0047】
好ましくは、ゲルネットワークアニオン性界面活性剤(b)とカチオン性界面活性剤(c)との比は、6:1から20:1、より好ましくは、9:1から12:1である。
【0048】
クレンジング相
クレンジング相は、クレンジング界面活性剤を含む。クレンジング相アニオン性界面活性剤は、8から14個の炭素、より好ましくは、10から12個の炭素、最も好ましくは、12個の炭素を有する。より好ましくは、これらの炭素は、単一のアルキル基中に存在する。
【0049】
好ましいアニオン性クレンジング界面活性剤は、アルカリ金属アルキルスルファート、より好ましくは、アルキルエーテルスルファートを含む。特に好ましいアニオン性クレンジング界面活性剤は、ナトリウムラウリルエーテルスルファートを含む。
【0050】
クレンジング界面活性剤の濃度は、組成物の5から26重量%である。
【0051】
カチオン性沈着ポリマー
本発明による組成物は、カチオン性沈着ポリマーを含む。
【0052】
好適なカチオン性沈着補助ポリマーは、カチオン的に置換されているホモポリマーであってよく、または2種以上のタイプのモノマーから形成することができる。ポリマーの重量平均(M)分子量は、一般に、100000から2000000ダルトンである。ポリマーは、カチオン性窒素含有基、例えば、第4級アンモニウムもしくはプロトン化アミノ基またはこれらの混合物を有する。ポリマーの分子量が低すぎる場合、コンディショニング効果が不十分である。ポリマーの分子量が高すぎる場合、組成物が注がれた場合に組成物の曳糸性をもたらす高い伸長粘度が問題になり得る。
【0053】
カチオン性窒素含有基は、一般に、カチオン性ポリマーの全モノマー単位のフラクション上での置換基として存在する。従って、ポリマーがホモポリマーでない場合、ポリマーは、スペーサー非カチオン性モノマー単位を含有することができる。このようなポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory,3rd editionに記載されている。カチオン性モノマー単位と非カチオン性モノマー単位との比は、一般に0.2から3.0meq/グラムである、要求される範囲内のカチオン性電荷密度を有するポリマーを生じさせるように選択される。ポリマーのカチオン性電荷密度は、好適には、米国薬局方(US Pharmacopoeia)に窒素定量化学試験(chemical tests for nitrogen determination)として記載のKjeldahl法を介して測定される。
【0054】
好適なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性アミンまたは第4級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、水溶性スペーサーモノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリラート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリジンとのコポリマーを含む。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくは、C1−C7アルキル基、より好ましくは、C1−3アルキル基を有する。他の好適なスペーサーはビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールを有する。
【0055】
カチオン性アミンは、組成物の特定の種およびpHに応じて第1級、第2級または第3級アミンであってよい。一般に、第2級および第3級アミン、殊に第3級アミンが好ましい。
【0056】
アミン置換ビニルモノマーおよびアミンは、アミン形態で重合させ、次いで第4級化によりアンモニウムに変換することができる。
【0057】
カチオン性ポリマーは、アミン−および/または第4級アンモニウム置換モノマーおよび/または適合性スペーサーモノマーから誘導されたモノマー単位の混合物を含むことができる。
【0058】
好適なカチオン性ポリマーは、例えば、
例えば、産業界(CTFA)においてそれぞれPolyquaternium 6およびPolyquaternium 7と称される、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーならびにアクリルアミドおよびジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマーを含むカチオン性ジアリル第4級アンモニウム含有ポリマー、
3から5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモ−およびコ−ポリマーのアミノ−アルキルエステルの鉱酸塩(米国特許4,009,256に記載のもの)、
カチオン性ポリアクリルアミド(WO95/22311に記載のもの)
を含む。
【0059】
使用することができる他のカチオン性ポリマーは、カチオン性多糖ポリマー、例えば、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体を含む。
【0060】
本発明の組成物中での使用に好適なカチオン性多糖ポリマーは、式:
A−O−[R−N(R)(R)(R)X
のモノマーを含み、式中、Aは、無水グルコース残基、例えば、デンプンまたはセルロース無水グルコース残基である。Rは、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン基またはこれらの組合せである。R、RおよびRは、独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシアリール基を表し、各基は最大約18個の炭素原子を含有する。各カチオン性部分についての炭素原子の総数(即ち、R、RおよびRの炭素原子の合計)は、好ましくは、約20個以下であり、Xは、アニオン性対イオンである。
【0061】
別のタイプのカチオン性セルロースは、産業界(CTFA)においてPolyquaternium 24と称される、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性第4級アンモニウム塩を含む。これらの材料は、Amerchol Corporationから、例えば、商標名Polymer LM−200として入手可能である。
【0062】
他の好適なカチオン性多糖ポリマーは、第4級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許3,962,418に記載のもの)ならびにエーテル化セルロースおよびデンプンのコポリマー(例えば、米国特許3,958,581に記載のもの)を含む。
【0063】
使用することができる特に好適なタイプのカチオン性多糖ポリマーは、カチオン性グアーガム誘導体、例えば、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(Rhodiaから市販、JAGUAR商標名シリーズ)である。このような材料の例は、JAGUAR C13S、JAGUAR C14、JAGUAR C15およびJAGUAR C17である。
【0064】
上記カチオン性ポリマーのいずれかの混合物を使用することができる。
【0065】
カチオン性ポリマーは、一般に、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の全重量に基づきカチオン性ポリマーの全重量で0.01から5%、好ましくは、0.05から2%、より好ましくは、0.07から1.2%の濃度で存在する。
【0066】
好ましくは、本発明のヘアケア組成物は水性であり、即ち、該組成物は、これらの主要な構成成分として水または水溶液またはリオトロピック液晶相を有する。
【0067】
好適には、組成物は、組成物の全重量に基づき10から98重量%、好ましくは、30から95重量%の水を含む。
【0068】
好ましくは、本発明の水性シャンプー組成物は、懸濁剤をさらに含む。好適な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーおよびアクリル酸エステルのコポリマー、アクリル酸およびアクリラートエステルの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムならびに結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアラート、16から22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアラートおよびポリエチレングリコール3ジステアラートは、これらが真珠光沢を組成物に付与するので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能性薬剤と架橋したアクリル酸のポリマーを使用することもでき、これらのポリマーは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。好適なカルボン酸含有モノマーおよびアクリル酸エステルのコポリマーの例は、Carbopol 1342である。全てのCarbopol(商標名)材料は、Goodrichから入手可能である。
【0069】
アクリル酸およびアクリラートエステルの好適な架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは、例えば、Kelzan muとして入手可能なキサンタンガムである。
【0070】
上記懸濁剤のいずれかの混合物を使用することができる。アクリル酸の架橋ポリマーおよび結晶性長鎖アシル誘導体の混合物が好ましい。
【0071】
懸濁剤は、一般に、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の全重量に基づき懸濁剤の全重量で0.1から10%、好ましくは、0.5から6%、より好ましくは、0.9から4%の濃度で存在する。
【0072】

好ましくは、本発明のヘアケア組成物は水性であり、即ち、該組成物は、これらの主要な構成成分として水または水溶液またはリオトロピック液晶相を有する。
【0073】
好適には、組成物は、組成物の全重量に基づき10から98重量%、好ましくは、30から95重量%の水を含む。
【0074】
シリコーン
本発明による組成物は、好ましくは、シリコーンを含む。
【0075】
特に好ましいシリコーンコンディショニング剤は、シリコーンエマルション、例えば、シリコーン、例えば、ポリジオルガノシロキサン、特にCTFA名ジメチコンを有するポリジメチルシロキサン、CTFA名ジメチコノールを有するヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンおよびCTFA名アモジメチコンを有するアミノ官能性ポリジメチルシロキサンから形成されたエマルションである。
【0076】
エマルション液滴は、典型的には、0.01から20マイクロメートル、より好ましくは、0.2から10マイクロメートルの範囲の本発明の組成物中のSauter平均液滴径(D3,2)を有する。
【0077】
Sauter平均液滴径(D3,2)を計測する好適な方法は、機器、例えば、Malvern Mastersizerを使用するレーザー光散乱による方法である。
【0078】
本発明の組成物中に使用される好適なシリコーンエマルションは、シリコーンの供給業者、例えば、Dow CorningおよびGE Siliconesから入手可能である。このような予備形成シリコーンエマルションの使用は、加工の簡略化およびシリコーン粒度の制御に好ましい。このような予備形成シリコーンエマルションは、典型的には、好適な乳化剤、例えば、アニオン性もしくはノニオン性乳化剤またはこれらの混合物をさらに含み、化学的乳化法、例えば、乳化重合または高剪断混合機を使用する機械的乳化により調製することができる。0.15マイクロメートル未満のSauter平均液滴径(D3,2)を有する予備形成シリコーンエマルションは、一般に、マイクロエマルションと称される。
【0079】
好適な予備形成シリコーンエマルションの例は、エマルションDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788ならびにマイクロエマルションDC2−1865およびDC2−1870を含み、全てDow Corningから入手可能である。DC7051が好ましいシリコーンである。これらは全てジメチコノールのエマルション/マイクロエマルションである。アモジメチコンエマルション、例えば、DC2−8177およびDC939(Dow Corning製)ならびにSME253(GE Silicones製)も好適である。
【0080】
例えば、WO03/094874に記載の、あるタイプの高分子量の表面活性ブロックコポリマーがシリコーンエマルション液滴とブレンドされたシリコーンエマルションも好適である。このような材料において、シリコーンエマルション液滴は、好ましくは、ポリジオルガノシロキサン、例えば、上記のものから形成される。表面活性ブロックコポリマーの1つの好ましい形態は、以下の式:
HO(CHCHO)(CH(CH)CHO)(CHCHO)
(式中、xの平均値は4以上であり、yの平均値は25以上である。)
による。
【0081】
表面活性ブロックコポリマーの別の好ましい形態は、以下の式:
(HO(CHCHO)(CH(CH)CHO)−N−CH−CH−N((OCHCH(CH))(OCHCHOH)
(式中、aの平均値は2以上であり、bの平均値は6以上である。)
による。
【0082】
上記シリコーンエマルションのいずれかの混合物を使用することもできる。
【0083】
上記シリコーンエマルションは、一般に、本発明の組成物中に、組成物の全重量に基づきシリコーンの全重量で0.05から15%、好ましくは、0.5から12%の濃度で存在する。
【0084】
シリコーンは、好ましくは、0.5から15重量%、より好ましくは、1から12重量%で存在する。
【0085】
場合により、本発明の組成物は、性能および/または消費者許容性を向上させるために以下に記載のさらなる成分を含有することができる。
【0086】
補助界面活性剤
組成物は、美的、物理的またはクレンジング特性を組成物に付与するのを促進するために補助界面活性剤を含むことができる。
【0087】
補助界面活性剤の例は、ノニオン性界面活性剤であり、この界面活性剤は、組成物の全重量に基づき0.5から10重量%、好ましくは、0.7から6重量%の範囲の量で含まれてよい。
【0088】
例えば、本発明のシャンプー組成物中に含まれてよい代表的なノニオン性界面活性剤は、脂肪族(C−C18)第1級または第2級の直鎖または分枝鎖アルコールまたはフェノールとアルキレンオキシド、通常、エチレンオキシド、一般に、6から30個のエチレンオキシド基を有するものとの縮合生成物を含む。
【0089】
他の代表的なノニオン性界面活性剤は、モノ−またはジ−アルキルアルカノールアミドを含む。例は、ココモノ−またはジ−エタノールアミドおよびココモノイソプロパノールアミドを含む。特に好ましいノニオン性界面活性剤は、ココモノエタノールアミドである。
【0090】
本発明のシャンプー組成物中に含まれてよいさらなるノニオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。典型的には、APGは、1個以上のグリコシル基のブロックに(場合により架橋基を介して)連結しているアルキル基を含むものである。好ましいAPGは、以下の式:
RO−(G)
(式中、Rは、飽和または不飽和であってよい分枝鎖または直鎖アルキル基であり、Gは、糖基である。)
により定義される。
【0091】
Rは、約Cから約C20の平均アルキル鎖長を表すことができる。好ましくは、Rは、約Cから約C12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくは、Rの値は、約9.5から約10.5である。Gは、CまたはC単糖残基から選択することができ、好ましくは、グリコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノースおよびこれらの誘導体を含む群から選択することができる。好ましくは、Gは、グルコースである。
【0092】
重合度nは、約1から約10以上の値を有することができる。好ましくは、nの値は、約1.1から約2である。最も好ましくは、nの値は、約1.3から約1.5である。
【0093】
本発明において使用される好適なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えば、SeppicからのOramix NS10ならびにHenkelからのPlantaren 1200およびPlantaren 2000として識別される材料を含む。
【0094】
本発明の組成物中に含まれてよい他の糖由来ノニオン性界面活性剤は、C10−C18N−アルキル(C−C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、WO9206154およびUS5194639に記載のC12−C18N−メチルグルカミドならびにN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、C10−C18N−(3−メトキシプロピル)グルカミドを含む。
【0095】
補助界面活性剤の好ましい例は両性または双性イオン性界面活性剤であり、該界面活性剤は、組成物の全重量に基づき0.5から約10重量%、好ましくは、1から6重量%の範囲の量で含まれてよい。
【0096】
両性または双性イオン性界面活性剤の例は、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシナート、アルキルカルボキシグリシナート、アルキルアンホアセタート、アルキルアンホプロピオナート、アルキルアンホグリシナート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウラートおよびアシルグルタマートを含み、アルキルおよびアシル基は、8から19個の炭素原子を有する。本発明のシャンプー中に使用される典型的な両性および双性イオン性界面活性剤は、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインおよびナトリウムココアンホアセタートを含む。
【0097】
特に好ましい両性または双性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0098】
上記両性または双性イオン性界面活性剤のいずれかの混合物も好適である。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインとさらなる上記両性または双性イオン性界面活性剤との混合物である。好ましいさらなる両性または双性イオン性界面活性剤は、ナトリウムココアンホアセタートである。
【0099】
懸濁剤
好ましくは、本発明の水性シャンプー組成物は、懸濁剤をさらに含む。好適な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーおよびアクリル酸エステルのコポリマー、アクリル酸およびアクリラートエステルの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアラート、16から22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびこれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアラートおよびポリエチレングリコール3ジステアラートは、これらが真珠光沢を組成物に付与するので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能性薬剤と架橋したアクリル酸のポリマーを使用することができ、これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーおよびアクリル酸エステルの好適なコポリマーの例は、Carbopol 1342である。全てのCarbopol(商標名)材料は、Goodrichから入手可能である。
【0100】
アクリル酸およびアクリラートエステルの好適な架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは、例えば、Kelzan muとして入手可能なキサンタンガムである。
【0101】
上記懸濁剤のいずれかの混合物を使用することができる。アクリル酸の架橋ポリマーおよび結晶性長鎖アシル誘導体の混合物が好ましい。
【0102】
懸濁剤は、一般に、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の全重量に基づき懸濁剤の全重量で0.1から10%、好ましくは、0.5から6%、より好ましくは、0.9から4%の濃度で存在する。
【0103】
本発明の組成物は、性能および/または消費者満足度を向上させるために他の成分を含有することができる。このような成分は、香料、染料および顔料、pH調節剤、真珠光沢剤(pearlescers)または乳白剤、粘度改質剤ならびに防腐剤または抗菌剤を含む。これらの成分のそれぞれは、この目的を達成するのに有効な量で存在する。一般に、これらの任意選択の成分は、全組成物の最大5重量%の濃度で個々に含まれる。
【0104】
本発明を、以下の非限定的な実施例によりさらに説明し、該実施例においては、引用される全ての割合は、特に記載のない限り、全重量に基づく重量基準である。
【実施例】
【0105】
【表1】

【0106】
【表2】

【0107】
【表3】

【0108】
R−インデックスプロトコル、18人のパネリスト
JOURNAL OF SENSORY STUDIES Volume:10 Issue:4 Pages:341−347 Published:1995,Author(s):Bi J,O’Mahony Mに定義のR−インデックスプロトコル
【0109】
【表4】

【0110】
【表5】

【0111】
R−インデックスプロトコル、18人のパネリスト。
【0112】
【表6】

【0113】
【表7】

【0114】
方法1
少なくとも7%の水を、サイドポット(side pot)中で約80℃に加熱した。この水に、脂肪族アルコール、軽油、第2級アニオン性(ナトリウムセチルステアリルスルファート)界面活性剤およびカチオン性(ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド)界面活性剤を高速撹拌しながら添加した。均一分散液を得たら、この混合物を同一速度で撹拌しながら約45℃に冷却した。次いで、この混合物を希釈第1級界面活性剤溶液(ナトリウムラウレススルファート)中に添加し、次いで穏やかな速度で撹拌しながら残りの構成成分を添加した。
【0115】
方法2
少なくとも7%の水をサイドポット中で約80℃に加熱した。この水に、脂肪族アルコール、第2級アニオン性(ナトリウムセチルステアリルスルファート)界面活性剤およびカチオン性(ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド)界面活性剤を高速撹拌しながら添加した。均一分散液を得たら、この混合物を同一速度で撹拌しながら約45℃に冷却した。次いで、この混合物を希釈第1級界面活性剤溶液(ナトリウムラウレススルファート)中に添加し、次いで残りの構成成分を穏やかな速度で撹拌しながら添加し、塩を添加した後に軽油を添加した。
【0116】
レオロジーデータ
【0117】
【表8】

【0118】
【表9】

Car:カルボマー
ACG:アニオン荷電カチオン性ゲルネットワーク
EGDS:エチレングリコールジステアラート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアルファオレフィン油、エステル油、トリグリセリド油、炭化水素油およびこれらの混合物から選択された油が分散しているコンディショニングシャンプー組成物であって、1−26重量%のクレンジング相、コンディショニングゲルネットワーク、ポリマー性懸濁剤およびカチオン性沈着ポリマーを含む組成物。
【請求項2】
コンディショニングゲルネットワークが、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、脂肪酸および脂肪族アミドから選択された脂肪材料を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
脂肪材料が直鎖または分枝鎖であり、および14から30個の炭素を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
ゲルネットワークアニオン性界面活性剤が16から22個の炭素を有する、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
コンディショニングゲルネットワークが、14から30個の炭素を有するカチオン性界面活性剤を含む、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
油が、スピンドルRV5および20rpmのBrookfield粘度計により30Cで計測して0.1から500センチポアズ単位の粘度を有する、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
カチオン性ポリマーを含む、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
シリコーンを含む、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。

【公表番号】特表2012−530746(P2012−530746A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516610(P2012−516610)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057343
【国際公開番号】WO2010/149460
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】