説明

コンデンサの放電回路

【課題】部品数の増大を抑制し、ひいては体格及びコストの増大を抑制することのできるコンデンサの放電回路を提供する。
【解決手段】第1,第2モータジェネレータ10a,10bを備える車両に適用される電力変換システムにおいて、電気経路24a,26a間を第1の接続経路36aによって接続する。具体的には、第1のスイッチング素子38aが閉状態とされる場合に、第1の放電回路に含まれる高抵抗体28a,30aの合計抵抗値が電気経路24a,26aのそれぞれに設けられる高抵抗体28a,30aの直列接続体の合計抵抗値よりも小さくなるように、電気経路24a,26a間を第1の接続経路36aによって接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電源と、一対の入力端子を有して且つ該一対の入力端子を介して前記直流電源と接続される電力変換回路と、該電力変換回路の一対の入力端子間に接続されるコンデンサと、前記一対の入力端子間の電圧を検出する電圧検出回路とを備えるシステムに適用されるコンデンサの放電回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1,2に見られるように、車載主機となる回転機の電力供給源となるバッテリに、インバータ、コンデンサ及び放電抵抗体が並列接続される電力変換システムが知られている。詳しくは、上記システムに備えられるコンデンサ(平滑コンデンサ)は、インバータの一対の入力端子間の電圧変動を抑制する機能を有する。また、放電抵抗体は、バッテリ及びインバータの間に設けられるコンタクタが開状態とされてバッテリ及びインバータ間が遮断される状況下において、コンデンサの放電回路の一部を形成し、コンデンサの放電を行う機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−206909号公報
【特許文献2】特開2005−73399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記電力変換システムに放電抵抗体を設けることは、コンデンサの放電回路の部品数の増大につながる懸念がある。この場合、上記システムの体格及びコストの増大を招く懸念がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、部品数の増大を好適に抑制することのできるコンデンサの放電回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0007】
請求項1記載の発明は、直流電源と、一対の入力端子を有して且つ該一対の入力端子を介して前記直流電源と接続される電力変換回路と、該電力変換回路の一対の入力端子間に接続されるコンデンサと、前記一対の入力端子間の電圧を検出する電圧検出回路とを備えるシステムに適用され、前記電圧検出回路と前記一対の入力端子のそれぞれとを接続する一対の電気経路と、前記電気経路に設けられて且つ前記入力端子の電位及び基準となる電位の電位差を分圧する複数の抵抗体の直列接続体と、前記一対の電気経路間を接続する接続経路と、前記接続経路に設けられて且つ該接続経路を開閉する電子制御式の開閉手段と、前記開閉手段を開閉操作する操作手段とを備え、前記電圧検出回路は、前記複数の抵抗体の直列接続体によって分圧された前記電位差に基づき、前記一対の入力端子間の電圧を検出し、前記接続経路は、前記操作手段によって前記開閉手段が閉状態とされる場合に、前記コンデンサ及び前記接続経路からなる閉ループ回路に前記複数の抵抗体の少なくとも1つが含まれるように前記一対の電気経路間に接続されていることを特徴とする。
【0008】
上記発明では、入力端子の電位及び基準となる電位の電位差を上記抵抗体の直列接続体によって分圧した値に基づき、電力変換回路の一対の入力端子間の電圧(電位差)を検出する電圧検出回路を備えている。そして、電圧検出回路の有する一対の電気経路間を上記態様にて接続する接続経路、接続経路に設けられる開閉手段、及び開閉手段を開閉操作する操作手段を備えている。ここで、開閉手段を閉状態にすると、コンデンサ、抵抗体及び接続経路からなる閉ループ経路が形成されることとなる。このため、電圧検出回路の有する抵抗体によってコンデンサの放電を行うことができる。このように、上記発明によれば、電圧検出回路の有する抵抗体を放電抵抗体として用いることで、コンデンサの放電回路を備えることに伴う部品数の増大を好適に抑制することができる。これにより、放電回路が備えられるシステムの体格及びコストの増大を抑制することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記接続経路は、前記開閉手段が閉状態とされる場合に、前記閉ループ回路に含まれる前記抵抗体の合計抵抗値が前記抵抗体の直列接続体の合計抵抗値よりも小さくなるように前記一対の電気経路間に接続されていることを特徴とする。
【0010】
上記発明では、接続経路を上記態様にて一対の電気経路間に接続している。このため、例えば直流電源及び電力変換回路間が遮断された後に、コンデンサの放電を速やかに行うことができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記電力変換回路は、前記直流電源に接続されて且つ該直流電源の電圧を昇圧して出力する昇圧回路と、該昇圧回路の出力側に接続される直流交流変換回路とを含み、前記コンデンサは、前記昇圧回路及び前記直流交流変換回路のそれぞれの一対の入力端子間に各別に接続され、前記電圧検出回路は、前記昇圧回路及び前記直流交流変換回路のそれぞれに対して各別に備えられることを特徴とする。
【0012】
上記発明では、電力変換回路として、上記昇圧回路及び直流交流変換回路を備えている。そして、昇圧回路及び直流交流変換回路のそれぞれの一対の入力端子間の電圧変動を抑制すべく、これら回路のそれぞれに対して各別にコンデンサを備えている。さらに、昇圧回路及び直流交流変換回路のそれぞれの入力端子間の電圧を検出すべく、これら回路のそれぞれに対する電圧検出回路を各別に備えている。こうした上記発明によれば、昇圧回路及び直流交流変換回路のそれぞれに対する電圧検出回路の有する抵抗体を昇圧回路及び直流交流変換回路のそれぞれに対するコンデンサの放電抵抗体として用いることができる。これにより、昇圧回路及び直流交流変換回路のそれぞれの一対の入力端子間に各別に接続されるコンデンサの放電を迅速に行うことができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記操作手段は、前記開閉手段を開閉するための指令信号を出力するものであり、前記開閉手段は、前記操作手段から前記指令信号が出力される場合に開状態とされて且つ、前記操作手段から前記指令信号が出力されない場合に閉状態とされることを特徴とする。
【0014】
上記発明では、システムに異常が生じることで操作手段から指令信号が出力されなくなる状況下において、開閉手段が閉状態とされる。このため、システムに異常が生じる場合であってもコンデンサの放電経路を適切に確保することができる。
【0015】
さらに、上記発明では、システムの正常時において操作手段から指令信号が出力されることで開閉手段が開状態とされるため、上記閉ループ回路が常時形成される事態を回避することもできる。これにより、上記閉ループ回路の形成によって直流電源から抵抗体に電流が流れることによる消費電力を低減させたり、抵抗体の発熱を抑制したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態にかかるシステム構成図。
【図2】第1の実施形態にかかるスイッチング素子の特性を示す図。
【図3】第1の実施形態にかかるコンデンサの放電態様を示す図。
【図4】第1の実施形態にかかる回路基板上の抵抗体の配置態様を示す図。
【図5】第2の実施形態にかかるシステム構成図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるコンデンサの放電回路をパラレルシリーズハイブリッド車に備えられる電力変換システムに適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
【0019】
図示される第1モータジェネレータ10a及び第2モータジェネレータ10bは、図示しない動力分割装置を介して駆動輪や内燃機関に機械的に連結されている。第1モータジェネレータ10aは、インバータIV1に接続され、第2モータジェネレータ10bは、インバータIV2に接続されている。これらインバータIV1,IV2は、高圧バッテリ12の電圧を昇圧する昇圧コンバータCVの出力電圧を入力電圧とするものである。
【0020】
高圧バッテリ12は、100V以上(例えば280V)の端子電圧を有する蓄電池である。ちなみに、高圧バッテリ12としては、例えば、リチウムイオン蓄電池や、ニッケル水素蓄電池を採用することができる。
【0021】
昇圧コンバータCVの一対の入力端子間には、高圧バッテリ12から入力される電圧の変動を抑制するコンデンサC1(平滑コンデンサ)が接続されている。
【0022】
昇圧コンバータCVは、高電位側のスイッチング素子Swp及び低電位側のスイッチング素子Swnの直列接続体と、これに並列接続されて且つインバータIV1,IV2に対する出力電圧の変動を抑制するコンデンサC2(平滑コンデンサ)と、高電位側のスイッチング素子Swp及び低電位側のスイッチング素子Swnの接続点と高圧バッテリ12とを接続するインダクタLとを備えている。詳しくは、昇圧コンバータCVは、これらスイッチング素子の操作によって高圧バッテリ12の直流電圧を所定の直流電圧(例えば「650V」)を上限として昇圧する機能を有する。
【0023】
上記インバータIV1,IV2はそれぞれ、高電位側のスイッチング素子Swp及び低電位側のスイッチング素子Swnの直列接続体が3つ並列接続されて構成されている。そして、これら各スイッチング素子Swp及びスイッチング素子Swnの接続点は、第1モータジェネレータ10aや第2モータジェネレータ10bの各相にそれぞれ接続されている。また、高電位側のスイッチング素子Swp,低電位側のスイッチング素子Swnのそれぞれの入出力端子間(コレクタ及びエミッタ間)には、フリーホイールダイオードFDp,FDnが逆並列に接続されている。
【0024】
なお、高圧バッテリ12及び昇圧コンバータCV間には、これらの間を導通又は遮断すべく開閉されるリレー14が設けられている。また、本実施形態では、上記スイッチング素子Swp,Swnとして、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を用いている。さらに、図示しないが、スイッチング素子Swp,Swn付近には、スイッチング素子Swp,Swnの温度を検出するための感温ダイオードが設けられている。
【0025】
マイクロコンピュータ(マイコン16)は、上記インバータIV1,IV2を操作することで、第1モータジェネレータ10aや第2モータジェネレータ10bの制御量(例えばトルク)を制御する制御手段である。また、マイコン16は、昇圧コンバータCVのスイッチング素子Swp,Swnを操作することで、昇圧コンバータCVの出力電圧を操作する。詳しくは、マイコン16は、フォトカプラ等の絶縁手段を備えるインターフェース18を介してインバータIV1,IV2や昇圧コンバータCVの各スイッチング素子Swp,Swnに操作信号を出力することで、インバータIV1,IV2や昇圧コンバータCVを操作する。ここで、インターフェース18に絶縁手段を備えるのは、インバータIV1,IV2や高圧バッテリ12を備える車載高圧システムと、マイコン16を備える車載低圧システムとを絶縁するためである。
【0026】
マイコン16は、上記操作信号を生成するに際して、昇圧コンバータCVやインバータIV1,IV2の入力電圧を参照する。これは、インバータIV1,IV2の入力電圧をマイコン16内のアナログデジタル変換器の入力可能電圧に変換する差動増幅回路20a、及び昇圧コンバータCVの入力電圧を上記アナログデジタル変換器の入力可能電圧に変換する差動増幅回路20bを備えることで行われる。
【0027】
これら差動増幅回路20a,20bは、いずれも一対の入力端子の電位をマイコン16を備える低圧システムの接地基準での電位に変換する機能を備える。これは、本実施形態において、高圧システムの基準電位と低圧システムの基準電位とが相違するためである。具体的には、基準電位となる昇圧コンバータCVやインバータIV1,IV2の負極側の入力端子(コンデンサC1の負極側の端子)である負極側入力端子TNの電位VNは、低圧システムにおける基準電位よりも低くなっている。これは、本実施形態では、コンデンサC1の正極電位と負極電位との中央値を低圧システムの基準電位としているためである。これは、コンデンサC1の両端の電圧を抵抗体によって分圧したものを低圧システムの基準電位とすることで実現することができる。なお、低圧システムの基準電位は、接地電位(車体電位)である。
【0028】
詳しくは、インバータIV1,IV2の正極側の入力端子(コンデンサC2の正極側の端子)である昇圧後正極側入力端子THと、差動増幅回路20aの有するオペアンプ22aの反転入力端子とは電気経路24aによって接続され、負極側入力端子TNとオペアンプ22aの非反転入力端子とは電気経路26aによって接続されている。そして、電気経路24a,26aのそれぞれには、複数(図中、7つを例示)の抵抗体の直列接続体である高抵抗体28a,30aがそれぞれ設けられている。
【0029】
差動増幅回路20aは、昇圧後正極側入力端子THの電位VHと負極側入力端子TNの電位VNとの電位差を変換する手段である。ここで、昇圧後正極側入力端子THの電位VHと接地電位との電位差は、高抵抗体28aと低抵抗体32aとによって分圧された後、オペアンプ22aの反転入力端子に印加される。また、負極側入力端子TNの電位VNと接地電位との電位差は、高抵抗体30aと低抵抗体34aとによって分圧された後、オペアンプ22aの非反転入力端子に印加される。なお、オペアンプ22aの反転入力端子と出力端子とは抵抗体35aによって接続されている。
【0030】
一方、昇圧コンバータCVの正極側の入力端子(コンデンサC1の正極側の端子)であるバッテリ正極側入力端子TLと、差動増幅回路20bの有するオペアンプ22bの反転入力端子とは電気経路24bによって接続され、負極側入力端子TNとオペアンプ22bの非反転入力端子とは電気経路26bによって接続されている。そして、電気経路24b,26bのそれぞれには、複数(図中、7つを例示)の抵抗体の直列接続体である高抵抗体28b,30bがそれぞれ設けられている。
【0031】
差動増幅回路20bは、バッテリ正極側入力端子TLの電位VLと負極側入力端子TNの電位VNとの電位差を変換する手段である。ここで、バッテリ正極側入力端子TLの電位VLと接地電位との電位差は、高抵抗体28bと低抵抗体32bとによって分圧された後、オペアンプ22bの反転入力端子に印加される。また、負極側入力端子TNの電位VNと接地電位との電位差は、高抵抗体30bと低抵抗体34bとによって分圧された後、オペアンプ22bの非反転入力端子に印加される。なお、オペアンプ22bの反転入力端子と出力端子とは抵抗体35bによって接続されている。
【0032】
ちなみに、本実施形態において、高抵抗体28a,30a,28b,30bのそれぞれを構成する抵抗体の数は同一であり、高抵抗体28a,30a,28b,30bのそれぞれの合計抵抗値は同一であり、低抵抗体32a,34a,32b,34bのそれぞれの抵抗値も同一である。また、高抵抗体28a,30a,28b,30bのそれぞれの合計抵抗値(例えば数MΩ)は、低抵抗体32a,34a,32b,34bのそれぞれの抵抗値(例えば数kΩ)よりも十分に大きい。
【0033】
さらに、高抵抗体28a,30a,28b,30bが複数の抵抗体からなるのは、絶縁距離を確保するためである。つまり、高抵抗体を単一の抵抗体にて構成する場合、その両端の距離を十分に長くする必要が生じるが、これを満たす部材を構成することが困難であるため、複数の抵抗体にて構成した。
【0034】
上記マイコン16は、さらに放電制御処理を行う。この処理は、リレー14が開状態とされて高圧バッテリ12及び昇圧コンバータCV間が遮断される状況下、コンデンサC1,C2の放電を行うための処理であり、その後の車両メンテナンス等に備えて安全を確保することを目的として行われる。本実施形態では、放電制御処理を、モータジェネレータ10a,10bに無効電流を流すように(モータジェネレータの生成トルクを0とするように)インバータIV1,IV2を操作する処理とする。こうした放電制御処理によれば、迅速にコンデンサC1,C2の放電を行うことができる。
【0035】
ところで、車両の衝突等によって電力変換システムが損傷することがある。具体的には、例えば、マイコン16の電力供給源が断たれたり、スイッチング素子Swp,Swnの実装される回路基板が損傷したりする。電力変換システムが損傷すると、インバータIV1,IV2を適切に通電操作できなくなること等によって放電制御処理を行うことができなくなる懸念がある。
【0036】
こうした非常時に備えて、本実施形態では、コンデンサC1,C2のそれぞれに対応した放電回路を備えている。以下、放電回路について説明する。
【0037】
上記電気経路24a,26aの間は、第1の接続経路36aによって接続されている。第1の接続経路36aには、この経路を開閉する第1のスイッチング素子38aが設けられている。本実施形態では、第1のスイッチング素子38aとして、電界効果トランジスタを用いており、より具体的には、デプレッション型NチャネルMOSFETを用いている。なお、第1のスイッチング素子38aのドレインには電気経路24aが接続され、ソースには電気経路26aが接続されている。
【0038】
一方、上記電気経路24b,26bの間は、第2の接続経路36bによって接続されている。第2の接続経路36bには、この経路を開閉する第2のスイッチング素子38bが設けられている。本実施形態では、第2のスイッチング素子38bとして、第1のスイッチング素子38aと同様のデプレッション型NチャネルMOSFETを用いている。なお、第2のスイッチング素子38bのドレインには電気経路24bが接続され、ソースには電気経路26bが接続されている。
【0039】
ここで、本実施形態では、高抵抗体28a,30aのうち第1の接続経路36aの接続点よりも高電位側(TH,TN側)の抵抗体(図中、2つを例示)同士の抵抗値を同一にするとともに、上記高電位側の各抵抗体の抵抗値を高抵抗体28a,30aのうち第1の接続経路36aの接続点よりも低電位側(差動増幅回路20a側)の各抵抗体の抵抗値よりも小さく設定している。すなわち、第1のスイッチング素子38aが閉状態とされる場合に、コンデンサC2、高抵抗体28aの一部、第1の接続経路36a及び高抵抗体30aの一部からなる閉ループ回路(以下、第1の放電回路)に含まれる高抵抗体28a,30aの一部の合計抵抗値(例えば数kΩ)が電気経路24a,26aのそれぞれに設けられる高抵抗体28a,30aのそれぞれの合計抵抗値(例えば数MΩ)よりも小さくなるように、電気経路24a,26a間に第1の接続経路36aを接続している。
【0040】
また、高抵抗体28b,30bのうち第2の接続経路36bの接続点よりも高電位側(TL,TN側)の抵抗体(図中、2つを例示)同士の抵抗値を同一にするとともに、上記高電位側の各抵抗体の抵抗値を高抵抗体28b,30bのうち第2の接続経路36bの接続点よりも低電位側(差動増幅回路20b側)の各抵抗体の抵抗値よりも小さく設定している。すなわち、第2のスイッチング素子38bが閉状態とされる場合に、コンデンサC1、高抵抗体28bの一部、第2の接続経路36b及び高抵抗体30bの一部からなる閉ループ回路(以下、第2の放電回路)に含まれる高抵抗体28b,30bの一部の合計抵抗値が電気経路24b,26bのそれぞれに設けられる高抵抗体28b,30bのそれぞれの合計抵抗値よりも小さくなるように、電気経路24b,26b間に第2の接続経路36bを接続している。
【0041】
こうした接続手法は、電力変換システムに損傷が生じる非常時における安全性を確保するためのものである。つまり、上記非常時においては、安全性を確保すべく短時間(例えば数分)でコンデンサC1,C2の電圧を所定の低電圧以下とすることが要求される。この要求を実現させるための放電回路における抵抗体の合計抵抗値は通常、高抵抗体28a,30a,28b,30bのそれぞれの合計抵抗値よりも十分に低い。
【0042】
上述した放電回路において、第1のスイッチング素子38a,第2のスイッチング素子38bは、図2に示すように、スイッチング素子を開状態とする旨の信号(開信号)がマイコン16から出力される場合、ゲート電圧VGSが十分に低い電圧(図中、v1として例示)まで引き下げられて開状態とされ、開信号がマイコン16から出力されない場合には、ゲート電圧VGSが上記電圧v1よりも高い電圧(図中、v2として例示)とされて閉状態とされるいわゆるノーマリオン型のスイッチとして動作する。この設定は、電力変換システムに異常が生じる状況下において上記第1の放電回路及び第2の放電回路を確実に形成させたり、電力変換システムの正常時(通常使用時)における消費電力を低減させたりするためのものである。
【0043】
つまり、電力変換システムに異常が生じ、例えばマイコン16とマイコン16の電力供給源との間の電気経路が遮断される場合、マイコン16によって第1,第2のスイッチング素子38a,38bを閉状態に切り替えることができず、放電回路を形成させることができなくなるおそれがある。また、例えば第1,第2のスイッチング素子38a,38bを常時閉状態とする場合、第1,第2の放電回路が常時形成され、高圧バッテリ12の電力が無駄に消費されるおそれがある。こうした事態を回避すべく、第1,第2のスイッチング素子38a,38bをノーマリオン型のスイッチとして動作させる。
【0044】
なお、電力変換システムのうち高圧システムに近い位置に設けられる第1,第2のスイッチング素子38a,38bと、低圧システムに設けられるマイコン16とを絶縁しつつ、これらスイッチング素子をノーマリオン型のスイッチとして動作させるためには、例えば以下の構成を採用すればよい。
【0045】
詳しくは、先の図1に示すように、高抵抗体28aのうち昇圧後正極側入力端子TH側と、高抵抗体30aのうち負極側入力端子TN側とは、抵抗体40及びフォトカプラ42の2次側(フォトトランジスタ)の直列接続体によって接続されている。詳しくは、フォトトランジスタのコレクタは抵抗体40に接続され、エミッタは、高抵抗体30aのうち負極側入力端子TN側に接続されている。また、抵抗体40及びフォトトランジスタの接続点には、第1のスイッチング素子38aのゲートが接続されている。
【0046】
フォトカプラ42の1次側(フォトダイオード)は、マイコン16に接続されている。詳しくは、フォトダイオードのアノードはマイコン16に接続され、カソードは接地されている。
【0047】
こうした構成において、マイコン16からフォトダイオードに開指令(論理「H」の信号)が出力される場合、フォトカプラがオンされる。フォトカプラがオンされると、抵抗体40に電流が流れることから、抵抗体40における電圧降下によって第1のスイッチング素子38aのゲート電位が引き下げられ、先の図2に示したようにゲート電圧VGSがv1とされる。これにより、第1のスイッチング素子38aが開状態とされる。
【0048】
一方、電力変換システムに異常が生じることで、マイコン16からフォトダイオードへと開指令を出力できなくなる場合には、フォトカプラがオフされる。フォトカプラがオフされると、抵抗体40に電流が流れなくなることから、抵抗体40における電圧降下が生じない。このため、第1のスイッチング素子38aのゲート電位が引き上げられ、ゲート電圧VGSがv2とされる。これにより、スイッチング素子が閉状態とされる。
【0049】
なお、第2のスイッチング素子38bをノーマリオン型のスイッチとして動作させるための構成は、第1のスイッチング素子38aに関する構成と同一である。このため、図中、第2のスイッチング素子38bに関する構成を省略している。また、抵抗体40の抵抗値は、抵抗体40に電流が流れることによる無駄な電力消費を避ける観点から極力大きくすることが望ましい。
【0050】
ちなみに、電力変換システムに異常が生じる場合であっても、マイコン16によって第1,第2のスイッチング素子38a,38bの開閉操作が可能な場合もある。このため、例えば、車両に加速度センサを備え、このセンサの出力値に基づき車両が衝突したと判断された場合、基本的にはマイコン16からの開指令の出力を停止させることで第1,第2のスイッチング素子38a,38bを閉状態とさせる処理を行えばよい。
【0051】
次に、図3を用いて、本実施形態にかかる放電回路を用いたコンデンサの放電態様について説明する。なお、図3では、第2の放電回路について説明する。
【0052】
電力変換システムに異常が生じる状況下、第2のスイッチング素子38bが閉状態とされると、上記第2の放電回路が形成される。これにより、コンデンサC1の放電が行われることとなる。
【0053】
ちなみに、本実施形態において、差動増幅回路20a,20bや高抵抗体等は、回路基板に実装されている。以下、図4を用いて、回路基板への実装態様について説明する。
【0054】
図4は、本実施形態にかかる差動増幅回路及び高抵抗体等が実装される回路基板(プリント基板)を示す。
【0055】
図示される回路基板44は、マイコン16の備える中央処理装置(CPU16a)が実装される低圧回路領域と、インバータIV1,IV2や昇圧コンバータCVに接続される高圧回路領域との双方を有する。ここで、基本的には、図中、右側の領域が低圧回路領域であり、左側の領域が高圧回路領域である。ただし、高圧回路領域内には、フォトカプラのように、低圧システムと高圧システムとの双方を構成する部品も混在している。また、インバータIV1,IV2や昇圧コンバータCVの各スイッチング素子Swp,Swnのドライブ回路の電源となるフライバックコンバータ用のトランス46,48も低圧システム及び高圧システムの双方を構成するものであるが、これらは図中左側に配置されている。
【0056】
図中、コネクタ50は、低圧システムの接地(車体のボディ)や、例えば端子電圧が十数Vの低圧バッテリの電源線、CAN通信線等を回路基板44上の低圧回路領域に接続するためのものである。ちなみに、CPU16aは、コネクタ50を介して外部にある上位の電子制御装置(ECU)から第1モータジェネレータ10aや第2モータジェネレータ10bの制御量(トルク指令値)等を受け取ることで、これらを制御する。
【0057】
上記インバータIV1,IV2や昇圧コンバータCVの各スイッチング素子Swp,Swnは、回路基板44の裏面(図示された面の裏面)側から回路基板44に設けられる接続部52に差し込まれて接続されている。
【0058】
ちなみに、スイッチング素子Swp,Swnのそれぞれは、図示しないパワーカードに収納されることでパッケージ化されている。パワーカードは、ケルビンエミッタ電極E、センス端子SE、開閉制御端子(ゲートG)、感温ダイオードのアノードA及びカソードKの各端子が、回路基板44に複数設けられる接続部52に挿入され接続されている。ここで、ケルビンエミッタ電極Eとは、スイッチング素子Swp,Swnのエミッタと同電位の電極であり、センス端子SEとは、スイッチング素子Swp,Swnを流れる電流と相関を有する微小電流を出力するための端子である。
【0059】
ここで、本実施形態では、昇圧後正極側入力端子TH、バッテリ正極側入力端子TL及び負極側入力端子TNが低圧回路領域に配置されている。そして、昇圧後正極側入力端子THに接続される高抵抗体28aと、負極側入力端子TNに接続される高抵抗体30aとが低圧回路領域に実装されている。なお、回路基板44の裏面には、バッテリ正極側入力端子TLに接続される高抵抗体28bや、差動増幅回路等が実装されている。
【0060】
高抵抗体を回路基板44に実装できるのは、電力変換システムの通常使用時においてコンデンサの放電回路が形成されず、高抵抗体が発熱しないことによるものである。
【0061】
これに対し、例えばコンデンサの放電回路が常時形成される回路構成を採用する場合には、高抵抗体が発熱するため、これら高抵抗体を回路基板に実装することが困難となる。このため、高抵抗体の配置に関して設計自由度が低下することとなる。
【0062】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0063】
(1)電気経路24a,26a(24b,26b)間を第1の接続経路36a(第2の接続経路36b)によって接続した。具体的には、第1のスイッチング素子38a(第2のスイッチング素子38b)が閉状態とされる場合に、コンデンサC2(C1)、高抵抗体28a(28b)の一部、第1の接続経路36a(第2の接続経路36b)及び高抵抗体30a(30b)の一部からなる第1の放電回路(第2の放電回路)に高抵抗体28a,30a(28b,30b)の一部が含まれるように電気経路24a,26a(24b,26b)間を第1の接続経路36a(第2の接続経路36b)によって接続した。
【0064】
このため、電力変換システムに電圧検出用に備えられる高抵抗体を放電抵抗体として用いることができ、例えばハーネスを介してコンデンサの放電用の抵抗体を設ける回路構成と比較して、コンデンサの放電回路を備えることに伴う部品数の増大を好適に抑制することができる。これにより、放電回路が備えられる電力変換システムの体格及びコストの増大を好適に抑制することができる。
【0065】
(2)第1のスイッチング素子38a(第2のスイッチング素子38b)が閉状態とされる場合に、第1の放電回路(第2の放電回路)に含まれる高抵抗体28a,30a(28b,30b)の合計抵抗値が電気経路24a,26a(24b,26b)のそれぞれに設けられる高抵抗体28a,30a(28b,30b)の合計抵抗値よりも小さくなるように電気経路24a,26a(24b,26b)間を第1の接続経路36a(第2の接続経路36b)によって接続した。こうした構成によれば、差動増幅回路20a,20bによる電圧検出精度を確保しつつ、コンデンサを適切に放電させることができる。
【0066】
(3)コンデンサC1,C2のそれぞれに対する放電回路を各別に備えた。これにより、これらコンデンサC1,C2の放電を迅速に行うことができる。
【0067】
(4)第1,第2のスイッチング素子38a,38bをノーマリオン型のスイッチとして動作させた。このため、電力変換システムに異常が生じる場合であっても、コンデンサC1(C2)の放電経路を適切に確保することができる。
【0068】
さらに、上記構成によれば、電力変換システムの通常使用時において、第1,第2のスイッチング素子38a,38bを開状態とするため、放電回路が常時形成される事態を回避することができる。これにより、放電回路の形成によって高圧バッテリ12から放電回路の抵抗体に電流が流れることによる消費電力を低減させることができる。また、抵抗体の発熱を抑制することができ、高抵抗体を回路基板44に実装できる等、高抵抗体(放電抵抗体)の配置に関する設計自由度を向上させることもできる。
【0069】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0070】
図5に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図5において、先の図1に示した部材と同一の部材については、便宜上同一の符号を示している。
【0071】
図示されるように、マイコン16は、昇圧コンバータCVやインバータIV1,IV2のスイッチング素子Swp,Swnを操作すべく、インターフェース18を介して、各機器の高電位側のスイッチング素子Swpに対応するドライブユニットDupに操作信号を出力して且つ各機器の低電位側のスイッチング素子Swnに対応するドライブユニットDunに操作信号を出力する。
【0072】
ドライブユニットDup,Dunは、高圧システムに設けられており、1チップ化された半導体集積回路であるドライブICを備えて構成されている。ここで、本実施形態では、上側アームに対応するドライブユニットDupの基準電位を、高電位側のスイッチング素子Swpのエミッタ側の電位とし、下側アームに対応するドライブユニットDunの基準電位を、低電位側のスイッチング素子Swnのエミッタ側の電位(負極側入力端子TNの電位VN)としている。
【0073】
なお、上記放電制御処理は、インバータIV1,IV2に対応するドライブユニットを介してこれらインバータに対応するスイッチング素子が操作されることで行われる。また、図中、昇圧コンバータCVの有するスイッチング素子に対応するドライブユニットのみを示しているが、実際には、インバータIV1,IV2の有する各スイッチング素子に対応するドライブユニットも設けられている。
【0074】
次に、本実施形態にかかる放電回路について説明する。
【0075】
高抵抗体28a同士の接続点のうち昇圧後正極側入力端子TH側から所定順番目(1番目)と、高抵抗体30aのうち負極側入力端子TN側とは、第1の接続経路44aによって接続されている。そして、第1の接続経路44aには、この経路を開閉する第1のスイッチング素子46aが設けられている。なお、第1のスイッチング素子46aは、上記第1の実施形態におけるスイッチング素子38a,38bと同様に、デプレッション型NチャネルMOSFETであり、第1のスイッチング素子46aのドレインには電気経路24aが接続され、ソースには電気経路26aが接続されている。
【0076】
一方、高抵抗体28b同士の接続点のうちバッテリ正極側入力端子TL側から所定順番目(1番目)と、高抵抗体30bのうち負極側入力端子TN側とは、第2の接続経路44bによって接続されている。そして、第2の接続経路44bには、この経路を開閉する第2のスイッチング素子46aが設けられている。なお、第2のスイッチング素子46bは、上記第1のスイッチング素子46aと同様に、デプレッション型NチャネルMOSFETである。
【0077】
これら第1,第2のスイッチング素子46a,46bのゲート電圧VGSは、下側アームに対応するドライブユニットDunによって操作される。
【0078】
こうした構成において、マイコン16からドライブユニットDunに開指令が出力される場合(放電指令が出力されない場合)、第1,第2のスイッチング素子46a,46bのゲート電位が引き下げられ、ゲート電圧VGSがv1とされる(先の図2参照)。これにより、第1,第2のスイッチング素子46a,46bが開状態とされる。
【0079】
一方、電力変換システムに異常が生じることで、マイコン16からドライブユニットDunに開指令が出力されなくなる場合(放電指令が出力される場合)には、ドライブユニットDunによって第1,第2のスイッチング素子46a,46bのゲートにドライブユニットDunの基準電位VNが印加される。これにより、第1,第2のスイッチング素子46a,46bのゲート電位が引き上げられてゲート電圧VGSがv2とされ(先の図2参照)、第1,第2のスイッチング素子46a,46bが閉状態とされる。
【0080】
このように、本実施形態では、マイコン16からドライブユニットDunに開指令が出力されなくなる場合に、第1,第2のスイッチング素子46a,46bのゲートに下側アームに対応するドライブユニットDunの基準電位VNが印加される回路構成とした。こうした構成によれば、電力変換システムの異常時に第1,第2のスイッチング素子46a,46bを閉状態とさせる構成の簡素化を図ることができる。
【0081】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0082】
・上記各実施形態では、コンデンサC1,C2のそれぞれに対して各別に放電回路を備えたがこれに限らず、これらコンデンサのいずれかに対して放電回路を備えてもよい。
【0083】
・上記各実施形態において、例えば高圧システムの基準電位を低圧システムの接地電位に一致させるなら、差動増幅回路20a,20bの高抵抗体30a,30bと低抵抗体32a,32bとによる分圧をする必要がない。このため、これら抵抗体30a,30b,32a,32bを回路構成から除外することができる。
【0084】
・昇圧後正極側入力端子TH,バッテリ正極側入力端子TLと負極側入力端子TNとの電位差の検出手法としては、上記各実施形態に例示したもの(差動増幅回路を用いる手法)に限らない。例えば、先の図1におけるオペアンプ22a,22bの一対の入力端子間の電圧をマイコン16に直接入力する回路構成を採用し、これら電圧に基づき電位差を検出する手法を採用してもよい。
【0085】
・電力変換システムに備えられる電力変換回路としては、一対のインバータIV1,IV2及び昇圧コンバータCVの双方に限らない。例えば、インバータIV1,IV2のみ備えられてもよい。また、例えば、車載主機として単一の回転機のみを備える電力変換システムにおいては、インバータを1つのみ備えてもよい。
【0086】
・上記各実施形態では、高抵抗体28aのうち第1の接続経路36aの接続点よりも高電位側と低電位側とで高抵抗体を構成する抵抗体の抵抗値を相違させたがこれに限らない。例えば、高抵抗体28aを構成する全ての抵抗体同士の抵抗値を同一としてもよい。この場合、放電回路に含まれる抵抗体の抵抗値の増大によってコンデンサの放電速度が低下するものの、抵抗体の種類の増大を抑制できることから、インバータ等の入力電圧を検出するための従来のシステムを流用することなどができる。なお、上記構成は、他の高抵抗体30a,28b,30bに関しても同様である。
【0087】
・電気経路に設けられる分圧用の複数の抵抗体の直列接続体としては、上記各実施形態にて示した複数の抵抗体の直列接続体に限らず、例えば、一対の抵抗体の並列接続体の直列接続体であってもよい。この構成は、抵抗体における発熱の分散等を目的とするものである。
【0088】
・インバータ(直流交流変換回路)としては、駆動輪に機械的に連結される回転機に接続されるものに限らない。例えば、高圧バッテリ12を直接の電源とする空調装置のコンプレッサに内蔵される回転機等に接続されるものであってもよい。また、例えば、高圧バッテリ12の電圧を降圧して低圧システム内のバッテリに出力するDCDCコンバータであってもよい。
【0089】
・本願発明が適用される車両としては、パラレルシリーズハイブリッド車に限らない。また、車両としては、ハイブリッド車に限らず、例えば車載主機としての内燃機関を備えない電気自動車や燃料電池車等であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
12…高圧バッテリ、14…リレー、16…マイコン、20a,20b…差動増幅回路、28a,28b,30a,30b…高抵抗体、38a,38b…スイッチング素子、IV1,IV2…インバータ、CV…昇圧コンバータ、C1,C2…コンデンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と、一対の入力端子を有して且つ該一対の入力端子を介して前記直流電源と接続される電力変換回路と、該電力変換回路の一対の入力端子間に接続されるコンデンサと、前記一対の入力端子間の電圧を検出する電圧検出回路とを備えるシステムに適用され、
前記電圧検出回路と前記一対の入力端子のそれぞれとを接続する一対の電気経路と、
前記電気経路に設けられて且つ前記入力端子の電位及び基準となる電位の電位差を分圧する複数の抵抗体の直列接続体と、
前記一対の電気経路間を接続する接続経路と、
前記接続経路に設けられて且つ該接続経路を開閉する電子制御式の開閉手段と、
前記開閉手段を開閉操作する操作手段とを備え、
前記電圧検出回路は、前記複数の抵抗体の直列接続体によって分圧された前記電位差に基づき、前記一対の入力端子間の電圧を検出し、
前記接続経路は、前記操作手段によって前記開閉手段が閉状態とされる場合に、前記コンデンサ及び前記接続経路からなる閉ループ回路に前記複数の抵抗体の少なくとも1つが含まれるように前記一対の電気経路間に接続されていることを特徴とするコンデンサの放電回路。
【請求項2】
前記接続経路は、前記開閉手段が閉状態とされる場合に、前記閉ループ回路に含まれる前記抵抗体の合計抵抗値が前記抵抗体の直列接続体の合計抵抗値よりも小さくなるように前記一対の電気経路間に接続されていることを特徴とする請求項1記載のコンデンサの放電回路。
【請求項3】
前記電力変換回路は、前記直流電源に接続されて且つ該直流電源の電圧を昇圧して出力する昇圧回路と、該昇圧回路の出力側に接続される直流交流変換回路とを含み、
前記コンデンサは、前記昇圧回路及び前記直流交流変換回路のそれぞれの一対の入力端子間に各別に接続され、
前記電圧検出回路は、前記昇圧回路及び前記直流交流変換回路のそれぞれに対して各別に備えられることを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサの放電回路。
【請求項4】
前記操作手段は、前記開閉手段を開閉するための指令信号を出力するものであり、
前記開閉手段は、前記操作手段から前記指令信号が出力される場合に開状態とされて且つ、前記操作手段から前記指令信号が出力されない場合に閉状態とされることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデンサの放電回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−38894(P2013−38894A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172551(P2011−172551)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】