コンバインの刈取前処理構造
【課題】副切断装置の取付形態に工夫を加えることによって、刈残し株の株高さを揃えることができるとともに、副切断装置を大きな凸部があっても容易に干渉を回避することのできるコンバインの刈取前処理構造を提供する。
【解決手段】植立穀稈の穂先部分を刈り取る主切断装置9と、切断後に穂先部分を搬送する刈取搬送装置3とを、機体2に昇降自在に取り付ける。主切断装置9より低い位置で植立穀稈に作用する副切断装置14を昇降フレーム13の先端部に取付け、昇降フレーム13を機体2に対して昇降自在に取り付ける。副切断装置14を上昇側に付勢する圧縮コイルバネ19を、機体2と昇降フレーム13とに作用する状態で設けてある。
【解決手段】植立穀稈の穂先部分を刈り取る主切断装置9と、切断後に穂先部分を搬送する刈取搬送装置3とを、機体2に昇降自在に取り付ける。主切断装置9より低い位置で植立穀稈に作用する副切断装置14を昇降フレーム13の先端部に取付け、昇降フレーム13を機体2に対して昇降自在に取り付ける。副切断装置14を上昇側に付勢する圧縮コイルバネ19を、機体2と昇降フレーム13とに作用する状態で設けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植立穀稈の穂先部分を刈り取る主切断装置と、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置とを備えているコンバインの刈取前処理構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上下に位置する主副切断装置を設けている理由は、穀稈の着粒部のみを脱穀装置に投入するために主切断装置で着粒部を切断するとともに、着粒部より下方の茎稈部を脱穀装置へ投入しないために副切断装置で株元部分を切断して圃面上に放出するためである。
上記した主副切断装置は、刈取搬送装置において刈取フレームに取り付けられていた(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−97079号公報(段落番号〔0021〕図2−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主副切断装置は、刈取フレームに取付られており、刈り高さ調節を行う為に、刈取前処理装置を機体に対して上下動させると、主副切断装置もそれらの上下間隔を維持しながら上下動する。
長短稈に拘わらず主切断装置によって着粒部のみを切断できるものであるが、副切断装置は主切断装置の切断高さより一定間隔だけ低い部分を切断することとなるので、圃場に残る刈り株は、長稈であれば長く、短稈であれば短く切断されて残っている。
【0005】
そうすると、圃場の管理上、刈残しにムラができるところから、刈取作業が不十分であるとの判断を受けることもあり、刈取作業の形態に改善の余地があった。
そこで、本出願人らによって、特願2008−31947号において、副切断装置を主切断装置とは別個に機体に上下動自在に支持し、かつ、副切断装置の上下動範囲の下端を規定する下端位置決め機構を設けていた。
上記構成によって、主切断装置が刈取フレームとともに刈り高さ調節によって上下動しても、副切断装置は主切断装置とは別個に機体に支持され下端位置に位置決めされているので、圃場の上面から略一定高さに位置に位置されている。これによって、刈り株の高さを略一定に揃えることができるものである。
上記構成のものは、上方には浮動できるフローティング構成となっているので、凸部が存在しても、その凸部を副切断装置が追従して乗り越えることが可能ではあるが、副切断装置は自己の荷重に打ち勝って持ち上げられる必要があるために、軽快な上昇作動に乏しく、凸部に遭遇した場合に瞬時に回避できないことも想定できる。したがって、凸部があった場合に、乗り越えることができずに、副切断装置が凸部に干渉する事態を回避することができない場合も考えられた。
【0006】
本発明の目的は、副切断装置の取付形態に工夫を加えることによって、刈残し株の株高さを揃えることができるとともに、副切断装置を大きな凸部があっても容易に干渉を回避することのできるコンバインの刈取前処理構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔構成〕
請求項1に係る本願発明の特徴構成は、植立穀稈の穂先部分を刈り取る主切断装置と、切断後に前記穂先部分を搬送する搬送装置とを、機体に昇降自在に取り付け、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置を機体に対して昇降自在に支持し、
前記副切断装置を上昇側に付勢する付勢手段を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】
〔作用〕
副切断装置が常に付勢手段によって上昇側に付勢されているので、軽快に昇降作動することができ、凸部が圃場に存在しても、軽く乗り越えることが可能であり、凸部に干渉することを未然に回避できる。
【0009】
〔効果〕
このように、副切断装置を上昇側に付勢するだけの簡単な改造を施すことによって、刈り株高さを低く揃えることができながら、凸部に対しても干渉を回避することができる副切断装置を備えたコンバインの刈取前処理構造を提供することができた。
【0010】
〔構成〕
請求項2に係る本願発明の特徴構成は、前記副切断装置を機体に対して昇降自在な昇降フレームに取付け、前記昇降フレームと機体とに亘って前記付勢手段を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用〕
副切断装置が昇降フレームに取付られているので、副切断装置を昇降フレームにより安定して昇降自在に支持させることができ、凸部に追従して軽快に副切断装置を昇降作動させて干渉を回避できるとともに、大きな凸部が圃場に存在しても、副切断装置が昇降フレームとともに大きく昇降作動することができるので、凸部に干渉することなく副切断装置を退避させることができる。
【0012】
〔効果〕
このように、軽快に昇降作動させる付勢手段と大きく上昇回避する昇降フレームに副切断装置を取り付ける改造を施すことによって、両機能によって凸部を回避して、大きな凸部に対しても干渉を回避することができる副切断装置を備えたコンバインの刈取前処理構造を提供することができた。
【0013】
〔構成〕
請求項3に係る本願発明の特徴構成は、前記副切断装置に橇を付設してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0014】
〔作用効果〕
橇が接地するので、前記付勢手段の付勢力と相俟って、副切断装置が刈取り面の凹凸部に追従しやすく、かつ、凸部に突っ込む等の不測な事態を回避し易いコンバインの刈取前処理構造を提供することができた。
【0015】
〔構成〕
請求項4に係る本願発明の特徴構成は、前記主切断装置及び前記搬送装置の昇降作動によって、前記副切断装置と前記主切断装置との上下間隔が所定間隔未満であれば前記副切断装置を前記主切断装置の昇降作動に連動させない状態に維持し、前記所定間隔以上になると、前記副切断装置を前記主切断装置の上昇作動に連動させる連動機構を備える点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0016】
〔作用〕
植立穀稈の長短に応じて主切断装置を上下動調節する場合等においては、主切断装置と副切断装置との上下間隔は所定間隔未満に抑えられるところから、副切断装置は連動せずに、刈り高さを変動させない。
これによって、主切断装置で着粒部を刈り取られた植立茎稈は、副切断装置によって一定の刈株高さで刈り取られるので、圃場に残る刈り株高さは一定である。
例えば、畦際での旋回時において、刈取前処理部を大きく上昇させる際には、主切断装置と副切断装置の上下間隔が所定間隔以上となるので、連動機構が作用して、副切断装置も上昇する。これによって、畦際での旋回時においては、副切断装置が圃場面等と干渉することはない。
【0017】
〔効果〕
以上のように、副切断装置が機能しなければならない刈取時においては、一定の適切な高さで植立茎稈の刈取を行うことができる。
畦際旋回時等の刈取作業を必要としない場合には、主切断装置に連動させて副切断装置を上昇退避させることができ、主副切断装置が不測に障害物と干渉することを未然に回避できる。
【0018】
〔構成〕
請求項5に係る本願発明の特徴構成は、前記連動機構を、前記主切断装置を備えた搬送装置と前記副切断装置を備えた昇降フレームとに亘って、前記主切断装置と前記副切断装置との上下間隔が一定以上になることを制限する連係部材を設けて構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0019】
〔作用効果〕
主切断装置を機体に対して昇降作動する搬送装置に設け、副切断装置を機体に取り付けた昇降フレームに取り付けることによって、主切断装置と副切断装置とを分離して、主切断装置が刈高さ調節によって上下動しても副切断装置を連動しない状態にできる。
そして、畦際旋回時等においては、主切断装置と同様に副切断装置を圃面から上方に退避させる必要があるので、連係部材で昇降フレームを搬送装置に連結し、主切断装置と副切断装置を連動した。したがって、搬送装置と昇降フレームの上下間隔が所定間隔以上になると、連係部材が機能して昇降フレームを搬送装置の上昇作動に連動する。
このように、昇降フレームと搬送装置とを、主切断装置と前記副切断装置との上下間隔が一定以上になることを制限する連係部材で連係しているので、機械的な連係機構でコスト安く構成できた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1にはコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1の駆動で走行する機体2の前部に、刈取対象穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する搬送装置としての刈取搬送装置3を左右向きの第1軸心X1周りに上下揺動可能に連結し、その刈取搬送装置3からの刈取対象穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、この脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置4や、この脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5などを機体2に搭載し、機体2における穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成して、稲や麦などを刈取対象穀稈とした全稈投入型に構成されている。
【0021】
図1及び図2に示すように、刈取搬送装置3は、機体の走行に伴って、その前部左右両端に装備されたデバイダ7が刈取対象穀稈と非刈取対象穀稈とを梳き分け、刈取搬送装置3の前部上方に配備された回転リール8が、左右のデバイダ7で梳き分けられた刈取対象穀稈を後方に向けて掻き込み、刈取搬送装置3の底部に装備されたバリカン形の主切断装置9が刈取対象穀稈の所定箇所を切断し、主切断装置9の後方に配備されたオーガ10が、主切断装置9による切断後の刈取対象穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めるとともに、その所定箇所において後方に向けて送り出し、その所定箇所から脱穀装置4の前上部にわたる搬送機構11が、オーガ10からの刈取対象穀稈を脱穀装置4に向けて搬送するように構成され、その搬送機構11と機体2とにわたって架設した油圧式のシリンダ12の作動で左右向き第1軸心X1周りに上下揺動し、その上下揺動で、刈取対象穀稈に対する主切断装置9の高さ位置を変更する刈り高さ調節を行えるようになっている。
【0022】
バリカン型の副切断装置14の支持構造について説明する。図2及び図3に示すように、機体2の前端位置に左右向きの角パイプ製の横向きフレーム16を架設し、横向きフレーム16の左右方向3箇所に軸受部17を備えている。図6に示すように、軸受部17は横向きフレーム16に取付られる脚部17Aと、その脚部17Aと一体形成されたボス部17Bとからなり、ボス部17Bにニードルベアリングを介して筒状軸18を揺動自在に装着してある。
【0023】
筒状軸18は、ボス部17Bより第2軸芯X2に沿って横向きに突出し、その突出部分
に昇降フレーム13を連結固定してある。左右方向の3箇所で軸受部17に支持された昇降フレーム13の先端部同士をアングル状の連結フレーム15で連結して、昇降フレーム13を一体で揺動可能に構成してある。
【0024】
昇降フレーム13の揺動範囲の下限位置を設定し、その昇降フレーム13を上昇側に付勢する付勢手段Aについて説明する。図3及び図6に示すように、左右方向3箇所に設けている昇降フレーム13のうちの中間に位置する中間昇降フレーム13に対して付勢手段Aを作用させて、3個の昇降フレーム13を全て上昇側に付勢している。
【0025】
つまり、付勢手段Aは、圧縮コイルバネ19と、圧縮コイルバネ19の軸線位置に位置する支持ボルト軸20と、支持ボルト軸20の下端に螺合するホルダー21と、圧縮コイルバネ19の上下端を受け止める上下受ディスク22A、22Bとで構成してある。
下受ディスク22Bを支持するアングル状の受フレーム23を機体2の上下向き前端フレーム2Aから前方に向けて延出し、受フレーム23の前端部を、ミッションケース24から左右クローラ式走行装置1の駆動輪に向けて延出された前車軸ケース25に支持させている。
【0026】
受フレーム23に下受ディスク22Bを載置し、下受ディスク22Bの軸芯位置に支持ボルト軸20の下端に外嵌したホルダー21を内嵌保持してある。ホルダー21を介して下受ディスク22Bに支持された支持ボルト軸20は、中間昇降フレーム13に向けて上向きに延出され、延出上端位置に上受ディスク22Aを装着してある。
【0027】
中間昇降フレーム13の下面には皿状の受止具26が装着してあり、受止具26には調節ボルト27が取り付けてあり、調節ボルト27の下端ボルト頭27Aを、支持ボルト軸20の上端ボルト頭20Aに当接させて、中間昇降フレーム13を前記した圧縮式コイルバネ19で押し上げ付勢してある。調節ボルト27を受止具26に対して上下方向に出退調節させることによって、上受ディスク22Aとの当接位置を調節し、圧縮式コイルバネ19の押し上げ付勢力を調節可能である。
【0028】
副切断装置14の構造について説明する。図1〜図6に示すように、副切断装置14は、連結フレーム15に背中合わせで取付固定されているアングル状の基台29と、基台29に装着された受け刃30と、受け刃30に支持されている可動刃32と、可動刃32を駆動するナイフバー33と、ナイフバー33を保持するナイフクリップ34とで構成されている。
【0029】
連結フレーム15の下向き面には橇48が後に張り出す状態で取り付けてあり、刈取り面の凹凸に副切断装置14が追従しやすく構成してある。橇48は、連結フレーム15の横方向3箇所に設けてあり、各昇降フレーム13の下方に設けてある。そして、3つの橇48は、左右のクローラ式走行装置1とは左右外側に偏位した位置に設けてある。副切断装置14が昇降時に、橇48がクローラ式走行装置1と干渉しないためである。
【0030】
可動刃32の駆動構造について説明する。図3〜図5に示すように、3個の昇降フレーム13を支持する軸受部17における左端に位置する左端軸受部17に駆動構造が設けてある。図7に示すように、左端軸受部17に支持された筒状軸18の内部空間に、左右一対の転がりベアリング35が内装してあり、左右の転がりベアリング35に亘って駆動軸36が支承してある。
【0031】
駆動軸36における筒状軸18より突出する片持ち端部36Aには、入力スプロケット37を取り付けた回転ボス38が取付てあり、入力スプロケット37の取付位置より更に片持ち先端部分に偏芯駆動ユニットCが取り付けてある。
【0032】
図7及び図8に示すように、偏芯駆動ユニットCは、駆動軸36に偏芯した状態で取付固定された回転コア部39と、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌装着されている揺動ホルダー部41と、揺動ホルダー部41の上下両端軸41Aに小ベアリング42を介して装着されている駆動フォーク部43とからなっている。
【0033】
上記のような構成において、駆動軸36に取付られている回転コア部39は駆動軸36と一体回転するが偏芯状態にあるために、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌されている揺動ホルダー部41は、矢印で示すように、駆動軸36の回転軸芯に直交する軸芯周りで左右に揺動可能に駆動される。そして、この揺動ホルダー部41の上下両端軸に外嵌されている駆動フォーク部43も連動して左右に揺動可能に振れ作動する。
【0034】
図5、図7及び図8に示すように、駆動フォーク部43には前方下向き姿勢の駆動ロッド軸44が取付固定してあり、駆動ロッド軸44を副切断装置14の近傍まで延出してある。左昇降フレーム13の下端部から駆動ロッド軸44に向けて取付台45が延出してあり、取付台45の先端側にベアリングブロック46が取付固定され、このベアリングブロック46が駆動ロッド軸44の先端部を回転自在に支持している。
このような構成によって、駆動ロッド軸44は、駆動フォーク部43の左右揺動に連動して、駆動ロッド軸自体の軸芯Z周りで揺動自在に構成されている。
【0035】
駆動ロッド軸44のベアリングブロック46より下方に突出する下端部に揺動駆動ユニット47が取付固定してあり、この駆動ユニット47から延出した駆動アーム47Aを可動刃用のナイフバー33に連係してある。
以上のような構成によって、可動刃32は、偏芯駆動ユニットCの入力スプロケット37、駆動軸36、回転コア部39、揺動ホルダー部41、駆動フォーク部43、駆動ロッド軸44、揺動駆動ユニット47、駆動アーム47Aを介して伝達された駆動力によって左右に往復駆動される。
【0036】
次に、連動機構Bの構成について説明する。図1〜4に示すように、連動機構Bは、副切断装置14と主切断装置9とを、主切断装置9が刈高さを変更すべく昇降作動を行っても、副切断装置14と主切断装置9との上下間隔が所定間隔未満であれば、副切断装置14を主切断装置9の昇降作動に連動させない状態に維持し、所定間隔以上になると、副切断装置14を主切断装置9の上昇作動に連動させるべく構成してある。
【0037】
図10乃至図11に示すように、連動機構Bは、上下方向に長い帯板状の連係部材50と、その連係部材50の中間部を刈取搬送装置3に対して接続、及び接続を解除する状態に切換操作するための係合操作体51とで構成されている。
連係部材50は、その下端部に副切断装置14の連結フレーム15に連結ピン52で連結可能な取付孔と、上下中間位置に板状の中間連結部材54を装着し、中間連結部材54の装着部位に、連係部材50自身の長手方向に沿った長孔53を形成して、構成してある。また、連係部材50の上端部には、握り操作具55が形成してあり、握り操作具55は搭乗運転部6から操縦者が握り操作することが可能な高さに位置している。
連係部材50は、弾性の高い鋼板で構成してあり、握り操作具55を握って機体の左右方向、すなわち、連係部材50の板面に直交する方向で少し揺動操作すると、自身の弾性で撓み変形し、中間連結部材54に形成した係合用孔部54aと係合操作体51との相対位置を変更操作して、係脱操作を行うことができる。
【0038】
係合操作体51は、図10及び図11に示すように、U字状に丸棒材を曲げ形成した係合片56と、その係合片56を装着すべく搬送ケース11Aの側面に取付られたチャンネル状のブラケット49とで構成される。
つまり、係合片56は、平行に延出された脚部56a、56bと脚部同士を連結する基端部56cとを一体に曲げ形成されている。基端部56cをブラケット内部空間内に位置させて、基端部56cから抜き差し方向に両脚部56a、56bをブラケット49から延出させる状態で係合片56はブラケット49に取り付けられている。
【0039】
ブラケット49から延出された一方の脚部56aを、連係部材50のスライド用の長孔53に嵌入させ、他側の短い脚部56bを中間連結部材54の係合用孔部54aに対して係脱自在であるように、係合片56は鉤状に構成されている。係合片56には、その係合片56の前記短い側の脚部56bを前記係合用孔部54から抜け出し側へ付勢するバネ57を外嵌装着している。
【0040】
したがって、係合片56の長い脚部56aが連係部材50の長孔53に係合し、かつ、係合片56の短い脚部56bが中間連結部材54の係合用孔部54aから離間した非係合状態では、図10(a)及び図11(a)のように、刈取搬送装置3が上昇作動した場合には、長い脚部56aが、係合用孔部54aに係合した状態で相対スライド移動するだけで、副切断装置14は上昇作動しない。
ただし、刈取搬送装置3が刈り高さ制御範囲を越えて大きく上昇する場合には、長い脚部56aが係合用孔部54aの上端に当接し、連係部材50とともに副切断装置14は刈取搬送装置3と一体で上昇する。
【0041】
一方、上記した短い脚部56bを中間連結部材54の係合用孔部54aから離間させた状態で、連係部材50の操作部55を握って連係部材50を少し右方へ操作すると、図10(b)及び図11(b)に示すように、係合片56の短い脚部56bが係合用孔部54aに挿入される。この状態で刈取搬送装置3を上昇させると、係合片56の短い脚部56bが中間連結部材54に係合して、連係部材50を刈取搬送装置3で持ち上げ、副切断装置14が刈取搬送装置3と一体で吊り上げられる。
【0042】
また、この吊り上げ状態では、副切断装置14の重量が係合用孔部54aと係合片56との接触面に作用して、握り操作具55から手を離しても、係合用孔部54aと係合片56との係合状態が維持される。もちろん、刈取搬送装置3を下降させて副切断装置14が接地すると、その副切断装置14の重量が前記接触面に作用しなくなるので、前記連係部材50は自身の弾性でもとの状態に復帰し、前記係合状態は解除される。
【0043】
このように構成されたコンバインでは、図9に示すように、畦越え走行時などに、連動機構Bを操作して副切断装置14を刈取搬送装置3の昇降作動に連動する状態に切換え、刈取搬送装置3を上昇操作することによって、副切断装置14も追従して持ち上げられた姿勢とする。
尚、図10及び図11中に示す符号58は、前記スライド用の長孔53に挿入された一方の脚部56aがそのスライド用の長孔53から抜け出すことを防止するためのワッシャであり、符号59は抜止ピンである。
【0044】
次に、副切断装置14を圃場面側に付勢するガススプリング69について説明する。図4及び図5に示すように、刈取り穂先部分を横送り搬送するオーガ10を収納するケース10Aにおける脱穀装置4に向かう面に、ガススプリング69が設けてある。ガススプリング69は、搬送機構11の両側に設けてある左右一対のものであり、一方のガススプリング69は前記脱穀装置4に向かう面の左右中央近くに位置し、他方のガススプリング69は前記脱穀装置4に向かう面の左側端部に位置し、両ガススプリング69は、オーガ10を収納するケース10Aから脱穀装置4に向けて延出されている。
【0045】
脱穀装置4に向かう面に左右一対のブラケット70を設け、前記左右一対のブラケット70における左右中央側に位置するブラケット70Bに、一方のガススプリング69のシリンダ69Aの上端部を連結してあり、そのシリンダ69Aから下向きに延出されたピストン69Bの下端フォーク部69bを、左右中間に位置する昇降フレーム13に取り付けたブラケット45に取付けてある。
【0046】
左右一対のブラケット70における左側端に位置するブラケット70Aに、他方のガススプリング69のシリンダ69Aの上端部を連結してあり、そのシリンダ69Aから下向きに延出されたピストン69Bの下端フォーク部69bを左端に位置する昇降フレーム13に取り付けたブラケット45に取付けてある。
【0047】
以上のような二つのガススプリング69によって、副切断装置14の昇降作動が抑制される。
刈取搬送装置3を刈り高さ制御によって、昇降作動させた場合にも、ガススプリング69を伸縮作動させることによって、副切断装置14の高さを付勢手段Aに受止られた略一定高さ位置に維持することができる。つまり、刈取搬送装置3を上昇作動させると、その上昇作動につれてガススプリング69のピストン69Bが伸長作動して、副切断装置14を略一定位置に維持する。
【0048】
畦越え等を行う為に、刈取搬送装置3を大きく上昇作動させた場合には、連動機構Bによって、副切断装置14を連係して上昇作動させるように構成してある。その場合に、ガススプリング69はピストン69Bを伸縮させた状態で、刈取搬送装置3と副切断装置14との間隔を維持している。
【0049】
〔別実施形態〕
(1) 昇降フレーム13を上向き付勢する付勢手段Aとしては、コイルバネ19を利用したものを説明したが、コイルバネ以外の板バネ、皿バネ等のバネ構造を呈するものでもよい。或いは、バネ以外のオイルダンパー等も使用できる。
【0050】
(2) 付勢手段Aの別実施構造を説明する。図12に示すように、副切断装置14を支持する連結フレーム15から略三角形状の取付用ブラケット60を立設し、取付用ブラケット60の前端上部の前面にベアリングホルダー61を取付け、ベアリングホルダー61内にベアリング62を装入して、ベアリング62で偏芯駆動ユニットCから前方下向きに延出された駆動軸44の先端部を挿通支持してある。
取付用ブラケット60の後端部における横側面に、付勢手段A用の上受ブラケット63を固定してある。受ブラケット63の下方には、機体2から延出されたアングル状の下受ブラケット64を設けてある。上下受ブラケット63、64に亘って芯軸65を設けてあり、下受ブラケット64には芯軸65を保持する筒状ホルダー66が装着してあり、芯軸65の上端近くに受プレート67を装着して、受プレート67と下受ブラケット64の間に圧縮式コイルバネ68を介在させて芯軸65に外嵌装着してある。
このような構成によって、図示していない昇降フレーム13、付勢手段A、駆動軸44を単一の取付用ブラケット60で支持できる。
【0051】
(3)連係部材50としては、前記した帯板状のものに代えて、チェーンを搬送機構11の搬送ケース11Aの側面と昇降フレーム13とに亘って架設して設けてもよい。
(4)ガススプリング69については、特に設けなくともよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】副切断装置、連動機構、搭乗運転部、搬送機構を示す正面図
【図4】副切断装置、連動機構、搬送機構を示す平面図
【図5】副切断装置の駆動構造を示す側面図
【図6】左右中間に位置する昇降フレームと機体との間に設けた付勢手段を示す側面図
【図7】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す縦断正面図
【図8】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す一部切り欠き側面図
【図9】畦越え時に、係合片の短い脚部を中間連結部材の係合用孔部に係合させて、連係部材と搬送装置とを連係して、副切断装置が主切断装置の昇降作動に連動して、持ち上がった状態を示す側面図
【図10】(a)中間連結部材と係合片の短い脚部との連係を断って、副切断装置を搬送装置に連動しない状態を示す正面図、(b)中間連結部材と係合片の短い脚部とを連係して、副切断装置を搬送装置と伴に上昇作動することができる状態を示す正面図
【図11】(a)係合片の短い脚部を中間連結部材の係合用孔部から離間させて、連係部材と搬送装置との連係を断って、副切断装置を搬送装置に連動しない状態を示す正面図、(b)係合片の短い脚部を中間連結部材の係合用孔部に係合させて、連係部材と搬送装置とを連係して、副切断装置を搬送装置と伴に上昇作動することができる状態を示す正面図
【図12】副切断装置を上昇側に付勢する付勢手段の別実施構造を示す側面図
【符号の説明】
【0053】
2 機体
3 刈取搬送装置(搬送装置)
9 主切断装置
11 搬送機構
13 昇降フレーム
14 補助切断装置
48 橇
50 連係部材
A 付勢手段
B 連動機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、植立穀稈の穂先部分を刈り取る主切断装置と、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置とを備えているコンバインの刈取前処理構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上下に位置する主副切断装置を設けている理由は、穀稈の着粒部のみを脱穀装置に投入するために主切断装置で着粒部を切断するとともに、着粒部より下方の茎稈部を脱穀装置へ投入しないために副切断装置で株元部分を切断して圃面上に放出するためである。
上記した主副切断装置は、刈取搬送装置において刈取フレームに取り付けられていた(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−97079号公報(段落番号〔0021〕図2−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主副切断装置は、刈取フレームに取付られており、刈り高さ調節を行う為に、刈取前処理装置を機体に対して上下動させると、主副切断装置もそれらの上下間隔を維持しながら上下動する。
長短稈に拘わらず主切断装置によって着粒部のみを切断できるものであるが、副切断装置は主切断装置の切断高さより一定間隔だけ低い部分を切断することとなるので、圃場に残る刈り株は、長稈であれば長く、短稈であれば短く切断されて残っている。
【0005】
そうすると、圃場の管理上、刈残しにムラができるところから、刈取作業が不十分であるとの判断を受けることもあり、刈取作業の形態に改善の余地があった。
そこで、本出願人らによって、特願2008−31947号において、副切断装置を主切断装置とは別個に機体に上下動自在に支持し、かつ、副切断装置の上下動範囲の下端を規定する下端位置決め機構を設けていた。
上記構成によって、主切断装置が刈取フレームとともに刈り高さ調節によって上下動しても、副切断装置は主切断装置とは別個に機体に支持され下端位置に位置決めされているので、圃場の上面から略一定高さに位置に位置されている。これによって、刈り株の高さを略一定に揃えることができるものである。
上記構成のものは、上方には浮動できるフローティング構成となっているので、凸部が存在しても、その凸部を副切断装置が追従して乗り越えることが可能ではあるが、副切断装置は自己の荷重に打ち勝って持ち上げられる必要があるために、軽快な上昇作動に乏しく、凸部に遭遇した場合に瞬時に回避できないことも想定できる。したがって、凸部があった場合に、乗り越えることができずに、副切断装置が凸部に干渉する事態を回避することができない場合も考えられた。
【0006】
本発明の目的は、副切断装置の取付形態に工夫を加えることによって、刈残し株の株高さを揃えることができるとともに、副切断装置を大きな凸部があっても容易に干渉を回避することのできるコンバインの刈取前処理構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔構成〕
請求項1に係る本願発明の特徴構成は、植立穀稈の穂先部分を刈り取る主切断装置と、切断後に前記穂先部分を搬送する搬送装置とを、機体に昇降自在に取り付け、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置を機体に対して昇降自在に支持し、
前記副切断装置を上昇側に付勢する付勢手段を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】
〔作用〕
副切断装置が常に付勢手段によって上昇側に付勢されているので、軽快に昇降作動することができ、凸部が圃場に存在しても、軽く乗り越えることが可能であり、凸部に干渉することを未然に回避できる。
【0009】
〔効果〕
このように、副切断装置を上昇側に付勢するだけの簡単な改造を施すことによって、刈り株高さを低く揃えることができながら、凸部に対しても干渉を回避することができる副切断装置を備えたコンバインの刈取前処理構造を提供することができた。
【0010】
〔構成〕
請求項2に係る本願発明の特徴構成は、前記副切断装置を機体に対して昇降自在な昇降フレームに取付け、前記昇降フレームと機体とに亘って前記付勢手段を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用〕
副切断装置が昇降フレームに取付られているので、副切断装置を昇降フレームにより安定して昇降自在に支持させることができ、凸部に追従して軽快に副切断装置を昇降作動させて干渉を回避できるとともに、大きな凸部が圃場に存在しても、副切断装置が昇降フレームとともに大きく昇降作動することができるので、凸部に干渉することなく副切断装置を退避させることができる。
【0012】
〔効果〕
このように、軽快に昇降作動させる付勢手段と大きく上昇回避する昇降フレームに副切断装置を取り付ける改造を施すことによって、両機能によって凸部を回避して、大きな凸部に対しても干渉を回避することができる副切断装置を備えたコンバインの刈取前処理構造を提供することができた。
【0013】
〔構成〕
請求項3に係る本願発明の特徴構成は、前記副切断装置に橇を付設してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0014】
〔作用効果〕
橇が接地するので、前記付勢手段の付勢力と相俟って、副切断装置が刈取り面の凹凸部に追従しやすく、かつ、凸部に突っ込む等の不測な事態を回避し易いコンバインの刈取前処理構造を提供することができた。
【0015】
〔構成〕
請求項4に係る本願発明の特徴構成は、前記主切断装置及び前記搬送装置の昇降作動によって、前記副切断装置と前記主切断装置との上下間隔が所定間隔未満であれば前記副切断装置を前記主切断装置の昇降作動に連動させない状態に維持し、前記所定間隔以上になると、前記副切断装置を前記主切断装置の上昇作動に連動させる連動機構を備える点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0016】
〔作用〕
植立穀稈の長短に応じて主切断装置を上下動調節する場合等においては、主切断装置と副切断装置との上下間隔は所定間隔未満に抑えられるところから、副切断装置は連動せずに、刈り高さを変動させない。
これによって、主切断装置で着粒部を刈り取られた植立茎稈は、副切断装置によって一定の刈株高さで刈り取られるので、圃場に残る刈り株高さは一定である。
例えば、畦際での旋回時において、刈取前処理部を大きく上昇させる際には、主切断装置と副切断装置の上下間隔が所定間隔以上となるので、連動機構が作用して、副切断装置も上昇する。これによって、畦際での旋回時においては、副切断装置が圃場面等と干渉することはない。
【0017】
〔効果〕
以上のように、副切断装置が機能しなければならない刈取時においては、一定の適切な高さで植立茎稈の刈取を行うことができる。
畦際旋回時等の刈取作業を必要としない場合には、主切断装置に連動させて副切断装置を上昇退避させることができ、主副切断装置が不測に障害物と干渉することを未然に回避できる。
【0018】
〔構成〕
請求項5に係る本願発明の特徴構成は、前記連動機構を、前記主切断装置を備えた搬送装置と前記副切断装置を備えた昇降フレームとに亘って、前記主切断装置と前記副切断装置との上下間隔が一定以上になることを制限する連係部材を設けて構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0019】
〔作用効果〕
主切断装置を機体に対して昇降作動する搬送装置に設け、副切断装置を機体に取り付けた昇降フレームに取り付けることによって、主切断装置と副切断装置とを分離して、主切断装置が刈高さ調節によって上下動しても副切断装置を連動しない状態にできる。
そして、畦際旋回時等においては、主切断装置と同様に副切断装置を圃面から上方に退避させる必要があるので、連係部材で昇降フレームを搬送装置に連結し、主切断装置と副切断装置を連動した。したがって、搬送装置と昇降フレームの上下間隔が所定間隔以上になると、連係部材が機能して昇降フレームを搬送装置の上昇作動に連動する。
このように、昇降フレームと搬送装置とを、主切断装置と前記副切断装置との上下間隔が一定以上になることを制限する連係部材で連係しているので、機械的な連係機構でコスト安く構成できた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1にはコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1の駆動で走行する機体2の前部に、刈取対象穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する搬送装置としての刈取搬送装置3を左右向きの第1軸心X1周りに上下揺動可能に連結し、その刈取搬送装置3からの刈取対象穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、この脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置4や、この脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5などを機体2に搭載し、機体2における穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成して、稲や麦などを刈取対象穀稈とした全稈投入型に構成されている。
【0021】
図1及び図2に示すように、刈取搬送装置3は、機体の走行に伴って、その前部左右両端に装備されたデバイダ7が刈取対象穀稈と非刈取対象穀稈とを梳き分け、刈取搬送装置3の前部上方に配備された回転リール8が、左右のデバイダ7で梳き分けられた刈取対象穀稈を後方に向けて掻き込み、刈取搬送装置3の底部に装備されたバリカン形の主切断装置9が刈取対象穀稈の所定箇所を切断し、主切断装置9の後方に配備されたオーガ10が、主切断装置9による切断後の刈取対象穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めるとともに、その所定箇所において後方に向けて送り出し、その所定箇所から脱穀装置4の前上部にわたる搬送機構11が、オーガ10からの刈取対象穀稈を脱穀装置4に向けて搬送するように構成され、その搬送機構11と機体2とにわたって架設した油圧式のシリンダ12の作動で左右向き第1軸心X1周りに上下揺動し、その上下揺動で、刈取対象穀稈に対する主切断装置9の高さ位置を変更する刈り高さ調節を行えるようになっている。
【0022】
バリカン型の副切断装置14の支持構造について説明する。図2及び図3に示すように、機体2の前端位置に左右向きの角パイプ製の横向きフレーム16を架設し、横向きフレーム16の左右方向3箇所に軸受部17を備えている。図6に示すように、軸受部17は横向きフレーム16に取付られる脚部17Aと、その脚部17Aと一体形成されたボス部17Bとからなり、ボス部17Bにニードルベアリングを介して筒状軸18を揺動自在に装着してある。
【0023】
筒状軸18は、ボス部17Bより第2軸芯X2に沿って横向きに突出し、その突出部分
に昇降フレーム13を連結固定してある。左右方向の3箇所で軸受部17に支持された昇降フレーム13の先端部同士をアングル状の連結フレーム15で連結して、昇降フレーム13を一体で揺動可能に構成してある。
【0024】
昇降フレーム13の揺動範囲の下限位置を設定し、その昇降フレーム13を上昇側に付勢する付勢手段Aについて説明する。図3及び図6に示すように、左右方向3箇所に設けている昇降フレーム13のうちの中間に位置する中間昇降フレーム13に対して付勢手段Aを作用させて、3個の昇降フレーム13を全て上昇側に付勢している。
【0025】
つまり、付勢手段Aは、圧縮コイルバネ19と、圧縮コイルバネ19の軸線位置に位置する支持ボルト軸20と、支持ボルト軸20の下端に螺合するホルダー21と、圧縮コイルバネ19の上下端を受け止める上下受ディスク22A、22Bとで構成してある。
下受ディスク22Bを支持するアングル状の受フレーム23を機体2の上下向き前端フレーム2Aから前方に向けて延出し、受フレーム23の前端部を、ミッションケース24から左右クローラ式走行装置1の駆動輪に向けて延出された前車軸ケース25に支持させている。
【0026】
受フレーム23に下受ディスク22Bを載置し、下受ディスク22Bの軸芯位置に支持ボルト軸20の下端に外嵌したホルダー21を内嵌保持してある。ホルダー21を介して下受ディスク22Bに支持された支持ボルト軸20は、中間昇降フレーム13に向けて上向きに延出され、延出上端位置に上受ディスク22Aを装着してある。
【0027】
中間昇降フレーム13の下面には皿状の受止具26が装着してあり、受止具26には調節ボルト27が取り付けてあり、調節ボルト27の下端ボルト頭27Aを、支持ボルト軸20の上端ボルト頭20Aに当接させて、中間昇降フレーム13を前記した圧縮式コイルバネ19で押し上げ付勢してある。調節ボルト27を受止具26に対して上下方向に出退調節させることによって、上受ディスク22Aとの当接位置を調節し、圧縮式コイルバネ19の押し上げ付勢力を調節可能である。
【0028】
副切断装置14の構造について説明する。図1〜図6に示すように、副切断装置14は、連結フレーム15に背中合わせで取付固定されているアングル状の基台29と、基台29に装着された受け刃30と、受け刃30に支持されている可動刃32と、可動刃32を駆動するナイフバー33と、ナイフバー33を保持するナイフクリップ34とで構成されている。
【0029】
連結フレーム15の下向き面には橇48が後に張り出す状態で取り付けてあり、刈取り面の凹凸に副切断装置14が追従しやすく構成してある。橇48は、連結フレーム15の横方向3箇所に設けてあり、各昇降フレーム13の下方に設けてある。そして、3つの橇48は、左右のクローラ式走行装置1とは左右外側に偏位した位置に設けてある。副切断装置14が昇降時に、橇48がクローラ式走行装置1と干渉しないためである。
【0030】
可動刃32の駆動構造について説明する。図3〜図5に示すように、3個の昇降フレーム13を支持する軸受部17における左端に位置する左端軸受部17に駆動構造が設けてある。図7に示すように、左端軸受部17に支持された筒状軸18の内部空間に、左右一対の転がりベアリング35が内装してあり、左右の転がりベアリング35に亘って駆動軸36が支承してある。
【0031】
駆動軸36における筒状軸18より突出する片持ち端部36Aには、入力スプロケット37を取り付けた回転ボス38が取付てあり、入力スプロケット37の取付位置より更に片持ち先端部分に偏芯駆動ユニットCが取り付けてある。
【0032】
図7及び図8に示すように、偏芯駆動ユニットCは、駆動軸36に偏芯した状態で取付固定された回転コア部39と、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌装着されている揺動ホルダー部41と、揺動ホルダー部41の上下両端軸41Aに小ベアリング42を介して装着されている駆動フォーク部43とからなっている。
【0033】
上記のような構成において、駆動軸36に取付られている回転コア部39は駆動軸36と一体回転するが偏芯状態にあるために、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌されている揺動ホルダー部41は、矢印で示すように、駆動軸36の回転軸芯に直交する軸芯周りで左右に揺動可能に駆動される。そして、この揺動ホルダー部41の上下両端軸に外嵌されている駆動フォーク部43も連動して左右に揺動可能に振れ作動する。
【0034】
図5、図7及び図8に示すように、駆動フォーク部43には前方下向き姿勢の駆動ロッド軸44が取付固定してあり、駆動ロッド軸44を副切断装置14の近傍まで延出してある。左昇降フレーム13の下端部から駆動ロッド軸44に向けて取付台45が延出してあり、取付台45の先端側にベアリングブロック46が取付固定され、このベアリングブロック46が駆動ロッド軸44の先端部を回転自在に支持している。
このような構成によって、駆動ロッド軸44は、駆動フォーク部43の左右揺動に連動して、駆動ロッド軸自体の軸芯Z周りで揺動自在に構成されている。
【0035】
駆動ロッド軸44のベアリングブロック46より下方に突出する下端部に揺動駆動ユニット47が取付固定してあり、この駆動ユニット47から延出した駆動アーム47Aを可動刃用のナイフバー33に連係してある。
以上のような構成によって、可動刃32は、偏芯駆動ユニットCの入力スプロケット37、駆動軸36、回転コア部39、揺動ホルダー部41、駆動フォーク部43、駆動ロッド軸44、揺動駆動ユニット47、駆動アーム47Aを介して伝達された駆動力によって左右に往復駆動される。
【0036】
次に、連動機構Bの構成について説明する。図1〜4に示すように、連動機構Bは、副切断装置14と主切断装置9とを、主切断装置9が刈高さを変更すべく昇降作動を行っても、副切断装置14と主切断装置9との上下間隔が所定間隔未満であれば、副切断装置14を主切断装置9の昇降作動に連動させない状態に維持し、所定間隔以上になると、副切断装置14を主切断装置9の上昇作動に連動させるべく構成してある。
【0037】
図10乃至図11に示すように、連動機構Bは、上下方向に長い帯板状の連係部材50と、その連係部材50の中間部を刈取搬送装置3に対して接続、及び接続を解除する状態に切換操作するための係合操作体51とで構成されている。
連係部材50は、その下端部に副切断装置14の連結フレーム15に連結ピン52で連結可能な取付孔と、上下中間位置に板状の中間連結部材54を装着し、中間連結部材54の装着部位に、連係部材50自身の長手方向に沿った長孔53を形成して、構成してある。また、連係部材50の上端部には、握り操作具55が形成してあり、握り操作具55は搭乗運転部6から操縦者が握り操作することが可能な高さに位置している。
連係部材50は、弾性の高い鋼板で構成してあり、握り操作具55を握って機体の左右方向、すなわち、連係部材50の板面に直交する方向で少し揺動操作すると、自身の弾性で撓み変形し、中間連結部材54に形成した係合用孔部54aと係合操作体51との相対位置を変更操作して、係脱操作を行うことができる。
【0038】
係合操作体51は、図10及び図11に示すように、U字状に丸棒材を曲げ形成した係合片56と、その係合片56を装着すべく搬送ケース11Aの側面に取付られたチャンネル状のブラケット49とで構成される。
つまり、係合片56は、平行に延出された脚部56a、56bと脚部同士を連結する基端部56cとを一体に曲げ形成されている。基端部56cをブラケット内部空間内に位置させて、基端部56cから抜き差し方向に両脚部56a、56bをブラケット49から延出させる状態で係合片56はブラケット49に取り付けられている。
【0039】
ブラケット49から延出された一方の脚部56aを、連係部材50のスライド用の長孔53に嵌入させ、他側の短い脚部56bを中間連結部材54の係合用孔部54aに対して係脱自在であるように、係合片56は鉤状に構成されている。係合片56には、その係合片56の前記短い側の脚部56bを前記係合用孔部54から抜け出し側へ付勢するバネ57を外嵌装着している。
【0040】
したがって、係合片56の長い脚部56aが連係部材50の長孔53に係合し、かつ、係合片56の短い脚部56bが中間連結部材54の係合用孔部54aから離間した非係合状態では、図10(a)及び図11(a)のように、刈取搬送装置3が上昇作動した場合には、長い脚部56aが、係合用孔部54aに係合した状態で相対スライド移動するだけで、副切断装置14は上昇作動しない。
ただし、刈取搬送装置3が刈り高さ制御範囲を越えて大きく上昇する場合には、長い脚部56aが係合用孔部54aの上端に当接し、連係部材50とともに副切断装置14は刈取搬送装置3と一体で上昇する。
【0041】
一方、上記した短い脚部56bを中間連結部材54の係合用孔部54aから離間させた状態で、連係部材50の操作部55を握って連係部材50を少し右方へ操作すると、図10(b)及び図11(b)に示すように、係合片56の短い脚部56bが係合用孔部54aに挿入される。この状態で刈取搬送装置3を上昇させると、係合片56の短い脚部56bが中間連結部材54に係合して、連係部材50を刈取搬送装置3で持ち上げ、副切断装置14が刈取搬送装置3と一体で吊り上げられる。
【0042】
また、この吊り上げ状態では、副切断装置14の重量が係合用孔部54aと係合片56との接触面に作用して、握り操作具55から手を離しても、係合用孔部54aと係合片56との係合状態が維持される。もちろん、刈取搬送装置3を下降させて副切断装置14が接地すると、その副切断装置14の重量が前記接触面に作用しなくなるので、前記連係部材50は自身の弾性でもとの状態に復帰し、前記係合状態は解除される。
【0043】
このように構成されたコンバインでは、図9に示すように、畦越え走行時などに、連動機構Bを操作して副切断装置14を刈取搬送装置3の昇降作動に連動する状態に切換え、刈取搬送装置3を上昇操作することによって、副切断装置14も追従して持ち上げられた姿勢とする。
尚、図10及び図11中に示す符号58は、前記スライド用の長孔53に挿入された一方の脚部56aがそのスライド用の長孔53から抜け出すことを防止するためのワッシャであり、符号59は抜止ピンである。
【0044】
次に、副切断装置14を圃場面側に付勢するガススプリング69について説明する。図4及び図5に示すように、刈取り穂先部分を横送り搬送するオーガ10を収納するケース10Aにおける脱穀装置4に向かう面に、ガススプリング69が設けてある。ガススプリング69は、搬送機構11の両側に設けてある左右一対のものであり、一方のガススプリング69は前記脱穀装置4に向かう面の左右中央近くに位置し、他方のガススプリング69は前記脱穀装置4に向かう面の左側端部に位置し、両ガススプリング69は、オーガ10を収納するケース10Aから脱穀装置4に向けて延出されている。
【0045】
脱穀装置4に向かう面に左右一対のブラケット70を設け、前記左右一対のブラケット70における左右中央側に位置するブラケット70Bに、一方のガススプリング69のシリンダ69Aの上端部を連結してあり、そのシリンダ69Aから下向きに延出されたピストン69Bの下端フォーク部69bを、左右中間に位置する昇降フレーム13に取り付けたブラケット45に取付けてある。
【0046】
左右一対のブラケット70における左側端に位置するブラケット70Aに、他方のガススプリング69のシリンダ69Aの上端部を連結してあり、そのシリンダ69Aから下向きに延出されたピストン69Bの下端フォーク部69bを左端に位置する昇降フレーム13に取り付けたブラケット45に取付けてある。
【0047】
以上のような二つのガススプリング69によって、副切断装置14の昇降作動が抑制される。
刈取搬送装置3を刈り高さ制御によって、昇降作動させた場合にも、ガススプリング69を伸縮作動させることによって、副切断装置14の高さを付勢手段Aに受止られた略一定高さ位置に維持することができる。つまり、刈取搬送装置3を上昇作動させると、その上昇作動につれてガススプリング69のピストン69Bが伸長作動して、副切断装置14を略一定位置に維持する。
【0048】
畦越え等を行う為に、刈取搬送装置3を大きく上昇作動させた場合には、連動機構Bによって、副切断装置14を連係して上昇作動させるように構成してある。その場合に、ガススプリング69はピストン69Bを伸縮させた状態で、刈取搬送装置3と副切断装置14との間隔を維持している。
【0049】
〔別実施形態〕
(1) 昇降フレーム13を上向き付勢する付勢手段Aとしては、コイルバネ19を利用したものを説明したが、コイルバネ以外の板バネ、皿バネ等のバネ構造を呈するものでもよい。或いは、バネ以外のオイルダンパー等も使用できる。
【0050】
(2) 付勢手段Aの別実施構造を説明する。図12に示すように、副切断装置14を支持する連結フレーム15から略三角形状の取付用ブラケット60を立設し、取付用ブラケット60の前端上部の前面にベアリングホルダー61を取付け、ベアリングホルダー61内にベアリング62を装入して、ベアリング62で偏芯駆動ユニットCから前方下向きに延出された駆動軸44の先端部を挿通支持してある。
取付用ブラケット60の後端部における横側面に、付勢手段A用の上受ブラケット63を固定してある。受ブラケット63の下方には、機体2から延出されたアングル状の下受ブラケット64を設けてある。上下受ブラケット63、64に亘って芯軸65を設けてあり、下受ブラケット64には芯軸65を保持する筒状ホルダー66が装着してあり、芯軸65の上端近くに受プレート67を装着して、受プレート67と下受ブラケット64の間に圧縮式コイルバネ68を介在させて芯軸65に外嵌装着してある。
このような構成によって、図示していない昇降フレーム13、付勢手段A、駆動軸44を単一の取付用ブラケット60で支持できる。
【0051】
(3)連係部材50としては、前記した帯板状のものに代えて、チェーンを搬送機構11の搬送ケース11Aの側面と昇降フレーム13とに亘って架設して設けてもよい。
(4)ガススプリング69については、特に設けなくともよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】副切断装置、連動機構、搭乗運転部、搬送機構を示す正面図
【図4】副切断装置、連動機構、搬送機構を示す平面図
【図5】副切断装置の駆動構造を示す側面図
【図6】左右中間に位置する昇降フレームと機体との間に設けた付勢手段を示す側面図
【図7】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す縦断正面図
【図8】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す一部切り欠き側面図
【図9】畦越え時に、係合片の短い脚部を中間連結部材の係合用孔部に係合させて、連係部材と搬送装置とを連係して、副切断装置が主切断装置の昇降作動に連動して、持ち上がった状態を示す側面図
【図10】(a)中間連結部材と係合片の短い脚部との連係を断って、副切断装置を搬送装置に連動しない状態を示す正面図、(b)中間連結部材と係合片の短い脚部とを連係して、副切断装置を搬送装置と伴に上昇作動することができる状態を示す正面図
【図11】(a)係合片の短い脚部を中間連結部材の係合用孔部から離間させて、連係部材と搬送装置との連係を断って、副切断装置を搬送装置に連動しない状態を示す正面図、(b)係合片の短い脚部を中間連結部材の係合用孔部に係合させて、連係部材と搬送装置とを連係して、副切断装置を搬送装置と伴に上昇作動することができる状態を示す正面図
【図12】副切断装置を上昇側に付勢する付勢手段の別実施構造を示す側面図
【符号の説明】
【0053】
2 機体
3 刈取搬送装置(搬送装置)
9 主切断装置
11 搬送機構
13 昇降フレーム
14 補助切断装置
48 橇
50 連係部材
A 付勢手段
B 連動機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植立穀稈の穂先部分を刈り取る主切断装置と、切断後に前記穂先部分を搬送する搬送装置とを、機体に昇降自在に取り付け、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置を機体に対して昇降自在に支持し、
前記副切断装置を上昇側に付勢する付勢手段を設けてあるコンバインの刈取前処理構造。
【請求項2】
前記副切断装置を機体に対して昇降自在な昇降フレームに取付け、前記昇降フレームと機体とに亘って前記付勢手段を設けてある請求項1記載のコンバインの刈取前処理構造。
【請求項3】
前記副切断装置に橇を付設してある請求項1又は2記載のコンバインの刈取前処理構造。
【請求項4】
前記主切断装置及び前記搬送装置の昇降作動によって、前記副切断装置と前記主切断装置との上下間隔が所定間隔未満であれば前記副切断装置を前記主切断装置の昇降作動に連動させない状態に維持し、前記所定間隔以上になると、前記副切断装置を前記主切断装置の上昇作動に連動させる連動機構を備える請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のコンバインの刈取前処理構造。
【請求項5】
前記連動機構を、前記主切断装置を備えた搬送装置と前記副切断装置を備えた昇降フレームとに亘って、前記主切断装置と前記副切断装置との上下間隔が一定以上になることを制限する連係部材を設けて構成してある請求項4記載のコンバインの刈取前処理構造。
【請求項1】
植立穀稈の穂先部分を刈り取る主切断装置と、切断後に前記穂先部分を搬送する搬送装置とを、機体に昇降自在に取り付け、前記主切断装置より低い位置で前記植立穀稈に作用する副切断装置を機体に対して昇降自在に支持し、
前記副切断装置を上昇側に付勢する付勢手段を設けてあるコンバインの刈取前処理構造。
【請求項2】
前記副切断装置を機体に対して昇降自在な昇降フレームに取付け、前記昇降フレームと機体とに亘って前記付勢手段を設けてある請求項1記載のコンバインの刈取前処理構造。
【請求項3】
前記副切断装置に橇を付設してある請求項1又は2記載のコンバインの刈取前処理構造。
【請求項4】
前記主切断装置及び前記搬送装置の昇降作動によって、前記副切断装置と前記主切断装置との上下間隔が所定間隔未満であれば前記副切断装置を前記主切断装置の昇降作動に連動させない状態に維持し、前記所定間隔以上になると、前記副切断装置を前記主切断装置の上昇作動に連動させる連動機構を備える請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のコンバインの刈取前処理構造。
【請求項5】
前記連動機構を、前記主切断装置を備えた搬送装置と前記副切断装置を備えた昇降フレームとに亘って、前記主切断装置と前記副切断装置との上下間隔が一定以上になることを制限する連係部材を設けて構成してある請求項4記載のコンバインの刈取前処理構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−124756(P2010−124756A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302889(P2008−302889)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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