コンバイン
【課題】運転キャビン用空調装置のコンデンサに性能低下を起こしにくい状態で冷媒冷却を行わせることができるコンバインを提供する。
【解決手段】コンデンサ37と、コンデンサ37を収容した防塵ケース50とをエンジンボンネット21の外部で、かつエンジンボンネット21の上側に設けてある。エンジンボンネット21の外部に、防塵ケース50を運転座席2の後方に配置して、かつエンジンボンネット21に連設して設け、コンデンサ37を、ワラ屑などの塵埃の付着が防塵ケース50によって防止されるようこの防塵ケース50に収容してある。コンデンサ37の枠体の下部が、エンジンボンネット21の天板22の上面側に固定されたステーに連結され、枠体の上部が、防塵ケース50の上部の内側に固定されたステーに連結されており、コンデンサ37は、エンジンボンネット21の天板22と、防塵ケース50とによって支持されている。
【解決手段】コンデンサ37と、コンデンサ37を収容した防塵ケース50とをエンジンボンネット21の外部で、かつエンジンボンネット21の上側に設けてある。エンジンボンネット21の外部に、防塵ケース50を運転座席2の後方に配置して、かつエンジンボンネット21に連設して設け、コンデンサ37を、ワラ屑などの塵埃の付着が防塵ケース50によって防止されるようこの防塵ケース50に収容してある。コンデンサ37の枠体の下部が、エンジンボンネット21の天板22の上面側に固定されたステーに連結され、枠体の上部が、防塵ケース50の上部の内側に固定されたステーに連結されており、コンデンサ37は、エンジンボンネット21の天板22と、防塵ケース50とによって支持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転キャビンと、運転キャビン用の空調装置とを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記したコンバインとして、従来、例えば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1に記載されたコンバインでは、運転キャビンを備える走行機体を備え、運転キャビンの空調を行う空調機(空調装置に相当)を備えている。
空調機は、走行機体の原動部が有するエンジンと、このエンジンに連動させて原動部に設けたコンプレッサーとによって圧縮装置部を構成し、この圧縮装置部のコンプレッサーに圧縮高温冷媒搬送路を介して凝縮装置部の凝縮器を、冷媒帰環経路を介して蒸発ユニットの蒸発器をそれぞれ接続するとともに、液冷媒貯留用の受液装置と、膨張弁とを蒸発装置ユニットに内装し、凝縮装置部と蒸発装置ユニットとを、冷媒供給経路によって接続して構成している。
この種のコンバインでは、従来、空調装置のコンデサをエンジンボンネットの内部に設けられていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−231448号公報(段落〔0015〕、〔0017〕、図1,3,4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したコンバインでは、従来、コンデンサによる冷媒の冷却処理にエンジン放熱による悪影響を受けやすいことから、エンジン放熱による悪影響をカバーした良好な空調を行わせることができるようその分処理性能が高いコンデンサを採用する必要があり、大型になりがちであった。
【0005】
本発明の目的は、コンデンサに性能低下を起こしにくい状態で冷媒冷却を行わせることができるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、運転キャビンと、運転キャビン用の空調装置とを備えたコンバインにおいて、
前記空調装置のコンデンサと、前記コンデンサを収容した防塵ケースとをエンジンボンネットの外部で、かつエンジンボンネットの上側に設けてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、コンデンサによる冷媒冷却を、エンジンボンネットによる断熱作用によってエンジン放熱による悪影響を受けない、あるいは受けにくい空気との熱交換によって行わせることができる。さらに、防塵ケースがエンジンボンネットの上側に位置していてワラ屑などの塵埃が防塵ケースまで飛散しにくいことにより、塵埃が防塵ケースまで飛散してもコンデサに付着することが防塵ケースによって防止されることにより、コンデンサの冷媒冷却を塵埃による性能低下が発生しにくい状態で行わせることができる。これにより、エンジン放熱と塵埃とによる悪影響をカバーする必要が無く、その分小型のコンデンサを採用しても良好な空調性能を発揮させることができる。
【0008】
これにより、運転キャビンの空調を良好に行わせることができながら、コンデンサの面から簡素化及びコストダウンを達成したコンバインを得ることができる。
【0009】
本第2発明にあっては、前記コンデンサに送風する回転ファンのファンシュラウドを、前記防塵ケースの排気口から防塵ケース内に離間させて配置し、
前記ファンシュラウドと前記排気口との間を埋めるシールカバーを設けてある。
【0010】
コンデンサに送風する送風手段の防塵ケースから外部への突出を抑制あるいは無くすよう、ファンシュラウドを防塵ケースの排気口から防塵ケース内に離間させると、ファンシュラウドと、防塵ケースの排気口との間に隙間ができる。本第2発明の構成によると、ファンシュラウドと、防塵ケースの排気口との隙間ができても、その隙間をシールカバーによって埋めて、風がその隙間を通って短絡することを防止できる。
【0011】
これにより、ファンシュラウドと防塵ケースの排気口との隙間を風が短絡して空調性能が低下することを防止できるものでありながら、送風手段の防塵ケースから外部への突出を抑制あるいは無くしたコンパクトな状態に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、クローラ式走行装置1によって自走するように構成され、かつ運転キャビン30を有した運転部と、運転座席2の下方に設けたエンジン3を有した原動部4とを備えられた走行機体を備え、この走行機体の機体フレーム5の前部に連結された刈取り部6と、前記機体フレーム5の後部側に走行機体横方向に並べて設けた脱穀装置7と穀粒タンク8とを備えている。
【0013】
このコンバインは、稲、麦などを収穫する。
すなわち、刈取り部6は、刈取り部フレーム10が油圧シリンダ11によって機体フレーム5に対して上下に揺動操作されることにより、刈取り部6の前端部に位置する分草具12が地面付近に下降した下降作業状態と、前記分草具12が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
刈取り部6を下降作業状態にして走行機体を走行させると、刈取り部6は、植立穀稈を分草具12によって引起し装置13に導入して引起し処理し、引起し処理される植立穀稈をバリカン形の刈取り装置14によって刈取り処理し、刈取り穀稈を供給搬送装置15によって走行機体後方向きに搬送して脱穀装置7の脱穀フィードチェーン(図示せず)に供給する。脱穀装置7は、脱穀フィードチェーンによって刈取り穀稈の株元側を後方向きに挟持搬送し、この搬送穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク8は、脱穀装置7からの脱穀粒を回収して貯留する。
【0014】
図3は、前記原動部4の後面視での構造を示している。この図に示すように、前記原動部4は、前記エンジン3を備える他、エンジン3よりも走行機体横外側に機体フレーム5に支持させて設けたエンジン冷却用のラジエータ20と、このラジエータ20と前記エンジン3とを収容するエンジンボンネット21とを備えている。
前記エンジンボンネット21は、これの天板22によって前記運転座席2を支持する座席支持台になっている。
【0015】
前記走行機体は、前記運転キャビン30の空調を行うよう運転キャビン30の天井部に内装した空調空気供給部31を有した空調装置Aを備えている。
【0016】
図8は、前記空調装置Aの概略図である。この図に示すように、前記空調装置Aは、前記空調空気供給部31を備える他、コンプレッサー35と凝縮装置部36とを備え、前記コンプレッサー35と、前記凝縮装置部36のコンデンサ37と、前記空調空気供給部31のエバポレータ32とを接続する冷媒循環路40を備え、前記冷媒循環路40の前記コンデンサ37と前記エバポレータ31との間に設けた受液器41と膨張弁42とを備えて構成してある。前記空調空気供給部31には、暖房に利用する熱媒循環路43も接続されている。
【0017】
前記コンプレッサー35は、前記エンジンボンネット21の内部に前記エンジン3の出力軸に連動させて設けてあり、前記エンジン3によって駆動されて冷媒を圧縮処理し、圧縮処理した冷媒を、前記冷媒循環路40を介して前記コンデンサ37に供給する。
【0018】
前記凝縮装置部36は、前記コンデサ37を備える他、回転ファン38と、この回転ファン38を出力軸で支持する電動モータ39とを備えて構成してあり、回転ファン38を電動モータ39によって駆動してコンデンサ37に冷却風を供給し、コンデンサ37に供給された冷媒を冷却風との熱交換による冷却によって液化処理し、液化した冷媒を受液器41と膨張弁42とを介して前記エバポレータ32に供給する。
【0019】
前記空調風供給部31は、前記エバポレータ32を備える他、回転ファン33を備えて構成してあり、回転ファン33を電動モータ(図示せず)によって駆動して空調風を発生させ、この空調風をエバポレータ32に供給された冷媒との熱交換によって冷却処理し、冷却処理した空調風を運転キャビン30の内部に供給する。
【0020】
前記凝縮装置部36は、図3と図4とに示す如く前記エンジンボンネット21の外部で、かつ運転キャビン30の後側近くに設置してある。図5は、凝縮装置部36の側面図である。
すなわち、前記エンジンボンネット21の上側でのエンジンボンネット21の外部に、防塵ケース50を前記運転座席2の後方に配置して、かつエンジンボンネット21に連設して設け、前記コンデンサ37を、ワラ屑などの塵埃の付着が前記防塵ケース50によって防止されるようこの防塵ケース50に収容してある。コンデンサ37の枠体37aの下部が、エンジンボンネット21の天板22の上面側に固定されたステー51に連結され、前記枠体37aの上部が、防塵ケース50の上部の内側に固定されたステー52に連結されており、コンデンサ37は、エンジンボンネット21の天板22と、防塵ケース50とによって支持されている。
【0021】
前記防塵ケース50は、エンジンボンネット21の天板22の上面に立設したケース本体50aと、このケース本体50aの走行機体横方向での両横側に位置する側壁50bとを備えて構成してある。ケース本体50aの走行機体横外側での横側に位置する側壁50bは、エンジンボンネット21の側壁と一体成形してある。この側壁50bは、除塵網体を有した吸気口を備えている。
【0022】
前記防塵ケース50の走行機体後方側のケース壁53に排気口形成板54a(図6参照)を付設して設けた矩形の排気口54と、前記コンデンサ37との間にファンシュラウド55を設け、このファンシュラウド55に対してコンデンサ37が位置する側とは反対側にモータステー56を設け、前記電動モータ39を前記モータステー56に支持させ、前記回転ファン38を、前記ファンシュラウド55の内側に回転自在に位置する配置にして前記電動モータ39の出力軸に一体回転自在に連結してある。
つまり、回転ファン38は、電動モータ39によって駆動されて冷却風を発生させ、冷却風を防塵ケース50の内部からコンデンサ37を通過させ、ファンシュラウド55から排気口54を介して防塵ケース50の外部に排出する。これにより、回転ファン38は、コンデンサ37に冷却風を供給する。
【0023】
図6は、コンデンサユニットの斜視図である。図7は、凝縮装置部36の平面図である。これらと図5とに示すように、前記ファンシュラウド55は、コンデンサ37の枠体37aに支持され、前記モータステー56は、三本の取り付けアーム56aで前記ファンシュラウド55に連結されている。前記受液器41は、コンデンサ37の枠体37aに設けたホルダー57に支持されており、コンデンサ37とファンシュラウド55と回転ファン33と電動モータ39と受液器41とは、一挙に防塵ケース50に組み付けることができるよう一つのコンデンサユニットになっている。
【0024】
図5,7に示すように、前記ファンシュラウド55は、電動モータ39の防塵ケース50から外部への突出量を抑制するよう、前記排気口54から防塵ケース内に離間した配置になっている。防塵カバー50は、前記排気口形成板54aの内面側に前記排気口54のまわりで一端側が連結され、他端側がファンシュラウド55の端部に外嵌したシールカバー58を備えている。このシールカバー58は、ファンシュラウド55と排気口54との間を冷却風が通らないよう埋めている。前記ファンシュラウド55に設けたシール材受け58aとシールカバー58との間にファンシュラウド55の外周面に沿わせて設けたシール材59により、シールカバー58とファンシュラウド55との隙間をシールしている。
【0025】
図2に実線で示す前記穀粒タンク8は、作業用の閉じ状態での穀粒タンクを示し、一点鎖線で示す穀粒タンク8は、点検用の開き状態での穀粒タンクを示す。この図に示すように、前記穀粒タンク8は、穀粒タンク8の後端側に配置した走行機体上下向きの軸芯まわりに揺動開閉自在に支持されている。
機体フレーム5に開放検出スイッチ60を設け、この開放検出スイッチ60に連係させたファン牽制手段61を前記電動モータ39に連係させてある。
開放検出スイッチ60は、穀粒タンク8の開放を検出する。ファン牽制手段61は、穀粒タンク8が開放された際、開放検出スイッチ60による検出情報を基に、前記電動モータ39を停止操作して回転ファン38を停止させる。
【0026】
〔別実施例〕
上記した実施例の回転ファン38に替えて、防塵ケース50にコンデンサ37とは別々に支持させた回転ファンを設け、この回転ファンによってコンデンサ37に冷却風を供給する構成を採用して実施してもよい。この場合も、本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】原動部と、凝縮装置部の配設部位との後面図
【図4】原動部と、凝縮装置部の配設部位との側面図
【図5】凝縮装置部の側面図
【図6】コンデンサユニットと排気口形成板との斜視図
【図7】凝縮装置部の平面図
【図8】空調装置の概略図
【符号の説明】
【0028】
21 エンジンボンネット
30 運転キャビン
37 コンデンサ
50 防塵ケース
54 排気口
55 ファンシュラウド
58 シールカバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転キャビンと、運転キャビン用の空調装置とを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記したコンバインとして、従来、例えば特許文献1に記載されたものがあった。
特許文献1に記載されたコンバインでは、運転キャビンを備える走行機体を備え、運転キャビンの空調を行う空調機(空調装置に相当)を備えている。
空調機は、走行機体の原動部が有するエンジンと、このエンジンに連動させて原動部に設けたコンプレッサーとによって圧縮装置部を構成し、この圧縮装置部のコンプレッサーに圧縮高温冷媒搬送路を介して凝縮装置部の凝縮器を、冷媒帰環経路を介して蒸発ユニットの蒸発器をそれぞれ接続するとともに、液冷媒貯留用の受液装置と、膨張弁とを蒸発装置ユニットに内装し、凝縮装置部と蒸発装置ユニットとを、冷媒供給経路によって接続して構成している。
この種のコンバインでは、従来、空調装置のコンデサをエンジンボンネットの内部に設けられていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−231448号公報(段落〔0015〕、〔0017〕、図1,3,4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したコンバインでは、従来、コンデンサによる冷媒の冷却処理にエンジン放熱による悪影響を受けやすいことから、エンジン放熱による悪影響をカバーした良好な空調を行わせることができるようその分処理性能が高いコンデンサを採用する必要があり、大型になりがちであった。
【0005】
本発明の目的は、コンデンサに性能低下を起こしにくい状態で冷媒冷却を行わせることができるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明は、運転キャビンと、運転キャビン用の空調装置とを備えたコンバインにおいて、
前記空調装置のコンデンサと、前記コンデンサを収容した防塵ケースとをエンジンボンネットの外部で、かつエンジンボンネットの上側に設けてある。
【0007】
本第1発明の構成によると、コンデンサによる冷媒冷却を、エンジンボンネットによる断熱作用によってエンジン放熱による悪影響を受けない、あるいは受けにくい空気との熱交換によって行わせることができる。さらに、防塵ケースがエンジンボンネットの上側に位置していてワラ屑などの塵埃が防塵ケースまで飛散しにくいことにより、塵埃が防塵ケースまで飛散してもコンデサに付着することが防塵ケースによって防止されることにより、コンデンサの冷媒冷却を塵埃による性能低下が発生しにくい状態で行わせることができる。これにより、エンジン放熱と塵埃とによる悪影響をカバーする必要が無く、その分小型のコンデンサを採用しても良好な空調性能を発揮させることができる。
【0008】
これにより、運転キャビンの空調を良好に行わせることができながら、コンデンサの面から簡素化及びコストダウンを達成したコンバインを得ることができる。
【0009】
本第2発明にあっては、前記コンデンサに送風する回転ファンのファンシュラウドを、前記防塵ケースの排気口から防塵ケース内に離間させて配置し、
前記ファンシュラウドと前記排気口との間を埋めるシールカバーを設けてある。
【0010】
コンデンサに送風する送風手段の防塵ケースから外部への突出を抑制あるいは無くすよう、ファンシュラウドを防塵ケースの排気口から防塵ケース内に離間させると、ファンシュラウドと、防塵ケースの排気口との間に隙間ができる。本第2発明の構成によると、ファンシュラウドと、防塵ケースの排気口との隙間ができても、その隙間をシールカバーによって埋めて、風がその隙間を通って短絡することを防止できる。
【0011】
これにより、ファンシュラウドと防塵ケースの排気口との隙間を風が短絡して空調性能が低下することを防止できるものでありながら、送風手段の防塵ケースから外部への突出を抑制あるいは無くしたコンパクトな状態に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、クローラ式走行装置1によって自走するように構成され、かつ運転キャビン30を有した運転部と、運転座席2の下方に設けたエンジン3を有した原動部4とを備えられた走行機体を備え、この走行機体の機体フレーム5の前部に連結された刈取り部6と、前記機体フレーム5の後部側に走行機体横方向に並べて設けた脱穀装置7と穀粒タンク8とを備えている。
【0013】
このコンバインは、稲、麦などを収穫する。
すなわち、刈取り部6は、刈取り部フレーム10が油圧シリンダ11によって機体フレーム5に対して上下に揺動操作されることにより、刈取り部6の前端部に位置する分草具12が地面付近に下降した下降作業状態と、前記分草具12が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
刈取り部6を下降作業状態にして走行機体を走行させると、刈取り部6は、植立穀稈を分草具12によって引起し装置13に導入して引起し処理し、引起し処理される植立穀稈をバリカン形の刈取り装置14によって刈取り処理し、刈取り穀稈を供給搬送装置15によって走行機体後方向きに搬送して脱穀装置7の脱穀フィードチェーン(図示せず)に供給する。脱穀装置7は、脱穀フィードチェーンによって刈取り穀稈の株元側を後方向きに挟持搬送し、この搬送穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク8は、脱穀装置7からの脱穀粒を回収して貯留する。
【0014】
図3は、前記原動部4の後面視での構造を示している。この図に示すように、前記原動部4は、前記エンジン3を備える他、エンジン3よりも走行機体横外側に機体フレーム5に支持させて設けたエンジン冷却用のラジエータ20と、このラジエータ20と前記エンジン3とを収容するエンジンボンネット21とを備えている。
前記エンジンボンネット21は、これの天板22によって前記運転座席2を支持する座席支持台になっている。
【0015】
前記走行機体は、前記運転キャビン30の空調を行うよう運転キャビン30の天井部に内装した空調空気供給部31を有した空調装置Aを備えている。
【0016】
図8は、前記空調装置Aの概略図である。この図に示すように、前記空調装置Aは、前記空調空気供給部31を備える他、コンプレッサー35と凝縮装置部36とを備え、前記コンプレッサー35と、前記凝縮装置部36のコンデンサ37と、前記空調空気供給部31のエバポレータ32とを接続する冷媒循環路40を備え、前記冷媒循環路40の前記コンデンサ37と前記エバポレータ31との間に設けた受液器41と膨張弁42とを備えて構成してある。前記空調空気供給部31には、暖房に利用する熱媒循環路43も接続されている。
【0017】
前記コンプレッサー35は、前記エンジンボンネット21の内部に前記エンジン3の出力軸に連動させて設けてあり、前記エンジン3によって駆動されて冷媒を圧縮処理し、圧縮処理した冷媒を、前記冷媒循環路40を介して前記コンデンサ37に供給する。
【0018】
前記凝縮装置部36は、前記コンデサ37を備える他、回転ファン38と、この回転ファン38を出力軸で支持する電動モータ39とを備えて構成してあり、回転ファン38を電動モータ39によって駆動してコンデンサ37に冷却風を供給し、コンデンサ37に供給された冷媒を冷却風との熱交換による冷却によって液化処理し、液化した冷媒を受液器41と膨張弁42とを介して前記エバポレータ32に供給する。
【0019】
前記空調風供給部31は、前記エバポレータ32を備える他、回転ファン33を備えて構成してあり、回転ファン33を電動モータ(図示せず)によって駆動して空調風を発生させ、この空調風をエバポレータ32に供給された冷媒との熱交換によって冷却処理し、冷却処理した空調風を運転キャビン30の内部に供給する。
【0020】
前記凝縮装置部36は、図3と図4とに示す如く前記エンジンボンネット21の外部で、かつ運転キャビン30の後側近くに設置してある。図5は、凝縮装置部36の側面図である。
すなわち、前記エンジンボンネット21の上側でのエンジンボンネット21の外部に、防塵ケース50を前記運転座席2の後方に配置して、かつエンジンボンネット21に連設して設け、前記コンデンサ37を、ワラ屑などの塵埃の付着が前記防塵ケース50によって防止されるようこの防塵ケース50に収容してある。コンデンサ37の枠体37aの下部が、エンジンボンネット21の天板22の上面側に固定されたステー51に連結され、前記枠体37aの上部が、防塵ケース50の上部の内側に固定されたステー52に連結されており、コンデンサ37は、エンジンボンネット21の天板22と、防塵ケース50とによって支持されている。
【0021】
前記防塵ケース50は、エンジンボンネット21の天板22の上面に立設したケース本体50aと、このケース本体50aの走行機体横方向での両横側に位置する側壁50bとを備えて構成してある。ケース本体50aの走行機体横外側での横側に位置する側壁50bは、エンジンボンネット21の側壁と一体成形してある。この側壁50bは、除塵網体を有した吸気口を備えている。
【0022】
前記防塵ケース50の走行機体後方側のケース壁53に排気口形成板54a(図6参照)を付設して設けた矩形の排気口54と、前記コンデンサ37との間にファンシュラウド55を設け、このファンシュラウド55に対してコンデンサ37が位置する側とは反対側にモータステー56を設け、前記電動モータ39を前記モータステー56に支持させ、前記回転ファン38を、前記ファンシュラウド55の内側に回転自在に位置する配置にして前記電動モータ39の出力軸に一体回転自在に連結してある。
つまり、回転ファン38は、電動モータ39によって駆動されて冷却風を発生させ、冷却風を防塵ケース50の内部からコンデンサ37を通過させ、ファンシュラウド55から排気口54を介して防塵ケース50の外部に排出する。これにより、回転ファン38は、コンデンサ37に冷却風を供給する。
【0023】
図6は、コンデンサユニットの斜視図である。図7は、凝縮装置部36の平面図である。これらと図5とに示すように、前記ファンシュラウド55は、コンデンサ37の枠体37aに支持され、前記モータステー56は、三本の取り付けアーム56aで前記ファンシュラウド55に連結されている。前記受液器41は、コンデンサ37の枠体37aに設けたホルダー57に支持されており、コンデンサ37とファンシュラウド55と回転ファン33と電動モータ39と受液器41とは、一挙に防塵ケース50に組み付けることができるよう一つのコンデンサユニットになっている。
【0024】
図5,7に示すように、前記ファンシュラウド55は、電動モータ39の防塵ケース50から外部への突出量を抑制するよう、前記排気口54から防塵ケース内に離間した配置になっている。防塵カバー50は、前記排気口形成板54aの内面側に前記排気口54のまわりで一端側が連結され、他端側がファンシュラウド55の端部に外嵌したシールカバー58を備えている。このシールカバー58は、ファンシュラウド55と排気口54との間を冷却風が通らないよう埋めている。前記ファンシュラウド55に設けたシール材受け58aとシールカバー58との間にファンシュラウド55の外周面に沿わせて設けたシール材59により、シールカバー58とファンシュラウド55との隙間をシールしている。
【0025】
図2に実線で示す前記穀粒タンク8は、作業用の閉じ状態での穀粒タンクを示し、一点鎖線で示す穀粒タンク8は、点検用の開き状態での穀粒タンクを示す。この図に示すように、前記穀粒タンク8は、穀粒タンク8の後端側に配置した走行機体上下向きの軸芯まわりに揺動開閉自在に支持されている。
機体フレーム5に開放検出スイッチ60を設け、この開放検出スイッチ60に連係させたファン牽制手段61を前記電動モータ39に連係させてある。
開放検出スイッチ60は、穀粒タンク8の開放を検出する。ファン牽制手段61は、穀粒タンク8が開放された際、開放検出スイッチ60による検出情報を基に、前記電動モータ39を停止操作して回転ファン38を停止させる。
【0026】
〔別実施例〕
上記した実施例の回転ファン38に替えて、防塵ケース50にコンデンサ37とは別々に支持させた回転ファンを設け、この回転ファンによってコンデンサ37に冷却風を供給する構成を採用して実施してもよい。この場合も、本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】原動部と、凝縮装置部の配設部位との後面図
【図4】原動部と、凝縮装置部の配設部位との側面図
【図5】凝縮装置部の側面図
【図6】コンデンサユニットと排気口形成板との斜視図
【図7】凝縮装置部の平面図
【図8】空調装置の概略図
【符号の説明】
【0028】
21 エンジンボンネット
30 運転キャビン
37 コンデンサ
50 防塵ケース
54 排気口
55 ファンシュラウド
58 シールカバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転キャビンと、運転キャビン用の空調装置とを備えたコンバインであって、
前記空調装置のコンデンサと、前記コンデンサを収容した防塵ケースとをエンジンボンネットの外部で、かつエンジンボンネットの上側に設けてあるコンバイン。
【請求項2】
前記コンデンサに送風する回転ファンのファンシュラウドを、前記防塵ケースの排気口から防塵ケース内に離間させて配置し、
前記ファンシュラウドと前記排気口との間を埋めるシールカバーを設けてある請求項1記載のコンバイン。
【請求項1】
運転キャビンと、運転キャビン用の空調装置とを備えたコンバインであって、
前記空調装置のコンデンサと、前記コンデンサを収容した防塵ケースとをエンジンボンネットの外部で、かつエンジンボンネットの上側に設けてあるコンバイン。
【請求項2】
前記コンデンサに送風する回転ファンのファンシュラウドを、前記防塵ケースの排気口から防塵ケース内に離間させて配置し、
前記ファンシュラウドと前記排気口との間を埋めるシールカバーを設けてある請求項1記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−89637(P2009−89637A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262164(P2007−262164)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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