説明

コンバイン

【課題】機体幅の拡大によ装置の大型化。
【解決手段】機体フレーム1の前方に刈取装置5を設け、前記機体フレーム1の上方の脱穀装置3の側方に貯留タンク11を設け、該貯留タンク11内には貯留タンク11内の穀粒を排出する排出搬送装置13を設け、該排出搬送装置13の終端には排出用揚穀装置15の下部を接続し、該排出用揚穀装置15の上部に排出オーガ16の基部を接続し、前記貯留タンク11の外側板18には豆類を排出する側面排出口21を設け、前記貯留タンク11内の該貯留タンク11の内側板17と外側板18との間に、前記側面排出口21側が低く傾斜する案内板20を設け、前記側面排出口21には前記貯留タンク11の後方に設けた昇降機25に豆類を誘導する誘導樋31を設け、前記昇降機25の一部または全部を前記貯留タンク11の外側面よりも内側に配置したことを特徴とするコンバイン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行装置の前方にリールとオーガを有して稲麦の収穫作業と豆類の収穫作業を行う刈取装置を設け、脱穀装置の側方にグレンタンクを設け、該グレンタンク内にはグレンタンク内の穀粒を排出する搬送螺旋を有した排出搬送装置を設け、該排出搬送装置の終端には排出用揚穀装置の下部を接続し、グレンタンクの前側側方には豆類を排出する側面排出口を設け、グレンタンク内には側面排出口に向けて低く傾斜する案内板を設け、側面排出口と昇降機との間に豆類を誘導する誘導樋を設けた構成は、公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−195475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、グレンタンクの外側方に昇降機を設けているので、機体の左右幅広くなるという課題がある。
本願は、穀粒の損傷の少ない排出装置を提供するべく、構成について特段の工夫をしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、下方に走行装置2を設けた機体フレーム1の前方に穀類の収穫作業を行う刈取装置5を設け、前記機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置3の側方に貯留タンク11を設け、該貯留タンク11内には貯留タンク11内の穀粒を排出する搬送螺旋22を有した排出搬送装置13を設け、該排出搬送装置13の終端には排出用揚穀装置15の下部を接続し、該排出用揚穀装置15の上部に排出オーガ16の基部を接続し、前記貯留タンク11の外側板18には豆類を排出する側面排出口21を設け、前記貯留タンク11内の該貯留タンク11の内側板17と外側板18との間に、前記側面排出口21側が低く傾斜する案内板20を設け、前記側面排出口21には前記貯留タンク11の後方に設けた昇降機25に豆類を誘導する誘導樋31を設け、前記昇降機25の一部または全部を前記貯留タンク11の外側面よりも内側に配置したことを特徴とするコンバインとしたものであり、刈取装置5により刈り取った豆類は脱穀装置3により脱穀して貯留タンク(グレンタンク)11に供給し、貯留タンク11内に供給された豆類は貯留タンク11内の案内板20により貯留タンク11の側面排出口21に向けて流下し、側面排出口21から排出された豆類は誘導樋31により昇降機25に誘導され、昇降機25は豆類を揚穀排出する。
請求項2記載の発明は、前記誘導樋31の底板55の一部または全部に、豆類より小さい目合の多孔板または網による漏下部60を形成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、貯留タンク11の側面排出口21から排出された豆類に付着している塵埃等は誘導樋31により昇降機25に向けて誘導されている間に誘導樋31の底板55の漏下部60より排出され、誘導樋31を流下する豆類は漏下部60により清浄される。
請求項3記載の発明は、前記誘導樋31の底板55の上方には透明部材を設けるか、あるいは、底板55の一部上方を開放させた開口部56を形成したことを特徴とするコンバインとしたものであり、貯留タンク11の側面排出口21から排出された豆類は誘導樋31により昇降機25に向けて誘導されている間に、誘導樋31の透明部材または誘導樋31の開口部56から豆類の流量や汚れ具合等を視認する。
請求項4記載の発明は、前記排出搬送装置13へエンジン37からの回転を入力する回転軸35の回転により排出用揚穀装置15および排出オーガ16を駆動する構成とし、前記エンジン37から排出オーガ16へ至る排出伝動経路に設けた排出クラッチ40の下手側で、前記排出伝動経路から分岐させた回転伝達経路から前記昇降機25を駆動する構成とし、前記案内板20の少なくとも一部には目抜き孔53を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジン37からの回転が排出搬送装置13の回転軸35に入力されて、排出搬送装置13が駆動回転し、排出搬送装置13の駆動により排出用揚穀装置15および排出オーガ16が駆動して塵埃を排出し、エンジン37から排出オーガ16へ至る排出伝動経路に設けた排出クラッチ40の下手側で、前記排出伝動経路から分岐させた回転伝達経路により昇降機25が駆動して豆類を揚穀排出する。
請求項5記載の発明は、前記案内板20は、前記側面排出口21の開口幅よりも狭い幅に形成した前後中間に位置する中間板部50と前側板部51と後側板部52とにより構成し、該案内板20の少なくとも一部に目抜き孔53を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、案内板20は、中間板部50を側面排出口21から貯留タンク11内に挿入して装着し、この中間板部50の前後側に側面排出口21から前側板部51と後側板部52を挿入して中間板部50の前後縁の上方に前側板部51と後側板部52の端縁を重ねて装着し、供給揚穀装置10により脱穀装置3で脱穀された豆類は貯留タンク11に供給され、豆類は案内板20の中間板部50と前側板部51と後側板部52により側面排出口21に向けて流下し、側面排出口21から排出される。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、豆類は貯留タンク11内の排出搬送装置13を使用せずに昇降機25により排出するので、排出物の損傷を抑制でき、昇降機25の一部または全部は前記貯留タンク11の外側面より内側としているので、貯留タンク11の容量に対して機体の左右幅を狭くできる。
請求項2記載の発明では、貯留タンク11の側面排出口21と昇降機25とを結ぶ誘導樋31に漏下部60を設けているので、排出物を清浄な状態で排出できる。
請求項3記載の発明では、誘導樋31の透明部材または誘導樋31の開口部56により排出物の状態を視認できる。
請求項4記載の発明では、排出搬送装置13と昇降機25とを連動して駆動することができ、昇降機25の駆動伝達機構を簡素にでき、安価に提供できる。また、案内板20に目抜き孔53設けているので、この目抜き孔53から落下した塵埃を、排出搬送装置13によって貯留タンク11の外へ排出することができる。
請求項5記載の発明では、案内板20の着脱を容易にでき、稲麦の収穫作業と豆類の収穫作業との切替えを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】同平面図。
【図3】案内板の展開状態平面図および目抜き孔の展開状態拡大平面図。
【図4】コンバインの背面図。
【図5】伝動機構の概略図。
【図6】コンバインの平面図。
【図7】同背面図。
【図8】昇降機の配置の他の実施例の側面図。
【図9】同平面図。
【図10】オーガの側面図。
【図11】同断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1はコンバインの機体フレームであり、機体フレーム1の下方には走行装置2を設け、機体フレーム1の上方には脱穀装置3を設け、脱穀装置3の前方には刈取装置5を設ける。6は操縦部である。
前記刈取装置5は、リール7とオーガ8等を有する所謂全穀稈投入型構成とし、稲麦の刈取作業と大豆等の刈取作業を行う。
前記脱穀装置3の側方には、該脱穀装置3で脱穀された収穫物(穀粒および豆類等)を供給揚穀装置10により供給する貯留タンク(グレンタンク)11を設ける。貯留タンク11の下部の漏斗部12には、稲麦の収穫作業のとき、貯留タンク11内の穀粒を排出する横軸回転の螺旋搬送式の排出搬送装置13を設ける(図2)。排出搬送装置13は機体走行方向と平行に設ける。
排出搬送装置13の終端には揚穀螺旋により揚穀する排出用揚穀装置15の基部(下部)を接続する。排出用揚穀装置15の先端には螺旋により搬送して排出する排出オーガ16を取付ける。排出オーガ16はその先端の排出口が排出用揚穀装置15の上部を基準に上下および旋回するように構成している。
【0009】
貯留タンク11の内側板(内側側板)17と外側板(外側側板)18との間の内部には、内側が高く外側が低く傾斜した案内板20を設ける。案内板20は、大豆等の豆類を外側板18に設けた側面排出口21から排出させるために、側面排出口21に向けて案内するものである。
したがって、側面排出口21に前記案内板20の外縁部の一部を臨ませ、前記供給揚穀装置10が供給した穀粒を案内板20により側面排出口21に向けて誘導する。
貯留タンク11の後方所定位置には、昇降機(バケットコンベア)25を設ける。昇降機25は公知の構成であり、上下に設けたローラー26にバケット(図示省略)を所定間隔をおいて複数設けたベルト(図示省略)を掛け回して構成している。昇降機25は、下部に供給口29を設け、供給口29に供給された穀粒を上部の排出口30から排出する。昇降機25の供給口29と貯留タンク11の側面排出口21との間に側面排出口21から排出された穀粒を昇降機25の供給口29に誘導する誘導樋31を設ける。
【0010】
前記案内板20は、貯留タンク11に対して着脱自在に取付け、稲麦の収穫作業のときは案内板20を外して排出搬送装置13と排出用揚穀装置15と排出オーガ16により穀粒を排出し、豆類排出のときは排出搬送装置13と排出用揚穀装置15を介さずに側面排出口21から排出し、側面排出口21から排出された豆類は昇降機25により揚穀されて、圃場近傍のトラックのタンクに排出される。
そのため、排出作業時の豆類の損傷を抑制する。
この場合、排出搬送装置13および排出用揚穀装置15は豆類の排出に直接使用しないが、豆類排出作業中排出搬送装置13を駆動させると、排出搬送装置13の螺旋翼の作用により貯留タンク11内の塵埃を吸引しつつ貯留タンク11外へ排出し、貯留タンク11内を清浄にして、豆類の塵埃等による汚染を抑制でき、収穫豆類の品質を向上させられ、好適である。
【0011】
また、前記バケットコンベア昇降機25のローラー26の回転軸27の軸心は前後方向とし、下部ローラー26の軸心を中心に側方回動自在に設け、昇降機25の排出口30を外側に設ける。
そのため、コンバインの機体から昇降機25の排出口30を側方に離すことができ、圃場近傍のトラックのタンクへの位置合わせを容易にし、排出作業を容易にする。
32は、排出口30に取付けた可撓性を有する排出用ホースである。
前記排出搬送装置13の回転軸35にプーリ36を設け、プーリ36にエンジン37からの回転を入力する。38は中間プーリー、39はベルト、40は排出クラッチである。
前記排出搬送装置13に伝達された回転をベルト41を介して昇降機25に伝達する。
42は昇降機25の入力軸、43は入力プーリーである。
【0012】
そのため、排出搬送装置13および排出用揚穀装置15へ回転伝達する既存の回転伝達経路および操作スイッチを利用して、昇降機25を駆動させられ、構成を簡素にする。
また、排出搬送装置13と排出用揚穀装置15と昇降機25とを連動させられるので、排出搬送装置13を貯留タンク11内の砂等の塵埃排出手段として利用でき、合理的構成となる。
前記案内板20は、前後中間に位置する中間板部50と前側板部51と後側板部52の三枚構成とし、中間板部50は前後の前側板部51と後側板部52の下面側で取付ける構成とする。
そのため、前側板部51と後側板部52から中間板部50への豆類の流下を円滑にする。
【0013】
前記案内板20の一部または全部には、目抜き孔53を設ける。
そのため、案内板20上を流下する際に、塵埃や泥土が落下し、豆類の汚染を抑制する。
また、排出搬送装置13による塵埃および泥土の排出を促進させられ、好適である。
この場合、目抜き孔53は、左右方向に長い長孔とする。
そのため、豆類の流下を円滑にする。
前記目抜き孔53は、案内板20の側面排出口21側に設けると、案内板20の傾斜により豆類が集中する部分の下方に目抜き孔53が位置することになって、ゴミ抜きの効果を向上させられる。
また、側面排出口21側の案内板20に目抜き孔53を設けているので、メンテナンス性を向上させられる。
【0014】
なお、目抜き孔53は、案内板20の中間板部50と前側板部51と後側板部52のうち、少なくとも、中間板部50に設けると、案内板20の耐久性を確保しつつゴミ抜きができ、好適である。
前記昇降機25は、貯留タンク11の外側板18より内側に位置させる(図8、図9)。
機体移動時に、昇降機25は貯留タンク11により保護される。
また、昇降機25は貯留タンク11からはみ出ないので、操縦部6からの後方視界を良好にする。
また、昇降機25の供給口29は貯留タンク11の側面排出口21よりも低く位置させ、前記誘導樋31は昇降機25の供給口29に向けて後下がりに傾斜させて、側面排出口21から供給口29へ豆類を誘導する(図1)。
この誘導樋31の一部は貯留タンク11の漏斗部12の外側に位置させ、貯留タンク11の外側板18よりはみ出さないようにしている。
【0015】
また、この誘導樋31は貯留タンク11に着脱自在に取付け、排出作業を行わないときは取り外しておくことができる。
また、誘導樋31の底板55は、一部または全部を豆類より小さい目合の多孔板(網板)または網により漏下部60に形成すると、塵埃や泥土が除去され、豆類の品質を向上させられる。
また、誘導樋31の底板55の一部上方は開放して開口させた開口部56とするか、または、透明板(図示省略)を設けると、豆類の汚染程度や選別程度を確認でき、好適である。
前記誘導樋31は、前後板57に取付部材58を設け、取付部材58を貯留タンク11の外側板18の取付部59に着脱自在に取付ける。
そのため、前後二カ所の取付部材58を着脱すればよいので、着脱作業を容易にする。
【0016】
前記オーガ8のフィンガ70の最も突出する位置を、刈取装置5のオーガーテーブル71内の最も低い位置に設定する。
即ち、オーガーテーブル71は、オーガ8に合わせて円弧面に形成しており、オーガ8の軸心下方位置でフィンガ70を最大に突出させると、オーガーテーブル71上の穀稈をオーガーテーブル71と搬送装置72との接続口73へ搬送を良好にする。
前記接続口73には、弾性部材により形成したプレート75を設け、プレート75には前記フィンガ70が進入するスリット76を形成する。
そのため、移動するフィンガ70はプレート75のスリット76により擦られ、大麦若葉等の葉茎がフィンガ70と共回りするのを防止し、葉茎が損傷するのを抑制する。
【0017】
(実施例の作用)
エンジンを始動し、走行装置2により機体を走行させると、穀稈を刈取り、刈取った穀稈を脱穀装置3へ供給されて脱穀される。
脱穀された穀粒は、貯留タンク11に貯留され、貯留された米麦の穀粒は、貯留タンク11内の排出搬送装置13を作動させ、排出用揚穀装置15と排出オーガ16を用いて貯留タンク11内の穀粒を排出する。
一方、豆類の収穫作業では、貯留タンク11の内側板17と外側板18との間に、案内板20を設けて行うので、供給揚穀装置10により貯留タンク11に供給させれた豆類は案内板20により側面排出口21に向けて流下し、側面排出口21から誘導樋31により昇降機25に誘導され、昇降機25により揚穀されて圃場近傍に待機中の軽トラックのタンクに排出する。
【0018】
そのため、豆類の排出作業では、螺旋搬送および螺旋揚穀する排出搬送装置13と排出用揚穀装置15を使用しないので、豆類の損傷を防止または抑制する。
この場合、排出搬送装置13および排出用揚穀装置15は豆類の搬送には使用しないが、豆類排出作業中に排出搬送装置13を駆動させているので、排出搬送装置13の螺旋翼の作用により貯留タンク11内の塵埃を吸引しつつ貯留タンク11外へ排出し、貯留タンク11内を清浄にして、豆類の塵埃等による汚染を抑制でき、収穫豆類の品質を向上させられる。
即ち、昇降機25に貯留タンク11内の排出搬送装置13を連動させるので、排出搬送装置13を貯留タンク11内の塵埃除去装置として利用でき、排出物を清浄な状態で排出できる。
【0019】
また、昇降機25のローラー26の軸心は前後方向とし、下部ローラー26の軸心を中心に側方回動自在に設け、昇降機25の排出口30を外側に設けているので、コンバインの機体から昇降機25の排出口30を側方に離すことができ、圃場近傍のトラックのタンクへの位置合わせを容易にし、排出作業を容易にする。
また、昇降機25の排出口30には可撓性を有する排出用ホース32を取付けているので、一層、位置合わせを容易にし、排出作業を容易にする。
エンジン37からの回転を入力する排出搬送装置13の回転軸35の回転をベルト41を介して昇降機25に伝達するので、排出搬送装置13および排出用揚穀装置15へ回転伝達する既存の回転伝達経路および操作スイッチを利用して、昇降機25を駆動させられ、昇降機25と排出搬送装置13との連動構成も簡単な構成で実現できて、排出搬送装置13の貯留タンク11内の砂等の塵埃排出手段として簡単に利用でき、合理的構成となる。
【0020】
また、エンジン37から排出オーガ16へ至る排出伝動経路に設けた排出クラッチ40の下手側で、前記排出伝動経路から分岐させた回転伝達経路により昇降機25を駆動するので、排出搬送装置13の伝動経路を利用して昇降機25を駆動でき、この昇降機25の伝動構成を安価にできる。
案内板20は、前後中間に位置する中間板部50と前側板部51と後側板部52の三枚構成とし、中間板部50は前後の前側板部51と後側板部52の下面側で取付ける構成としているので、前側板部51と後側板部52から中間板部50への豆類の流下を円滑にする。
前記案内板20の一部または全部には、目抜き孔53を設けているので、案内板20上を流下する際に、塵埃や泥土が落下し、豆類の汚染を抑制する。
また、排出搬送装置13による塵埃および泥土の排出を促進させられ、好適である。
【0021】
この場合、目抜き孔53は、左右方向に長い長孔に形成しているので、豆類の流下を円滑にする。
即ち、目抜き孔53を左右方向(流下方向)に長く形成しているので、豆類の流下方向と平行になり、目抜き孔53の内周のエッジに豆類が接触するのを、低減させられ、損傷を抑制する。
目抜き孔53は、案内板20の側面排出口21側に設けているので、案内板20の傾斜により豆類が集中する部分の下方に目抜き孔53が位置することになって、ゴミ抜きの効果を向上させられる。
また、側面排出口21側の案内板20に目抜き孔53を設けているので、メンテナンス性を向上させられる。
【0022】
なお、目抜き孔53は、案内板20の中間板部50と前側板部51と後側板部52のうち、少なくとも、中間板部50に設けているので、案内板20の耐久性を確保しつつゴミ抜きができ、好適である。
昇降機25は、貯留タンク11の外側板18より内側に位置させているので、機体移動時に、昇降機25は貯留タンク11により保護される。
また、昇降機25は貯留タンク11からはみ出ないので、操縦部6からの後方視界を良好にする。
また、昇降機25の供給口29は貯留タンク11の側面排出口21よりも低く位置させ、誘導樋31は昇降機25の供給口29に向けて後下がりに傾斜させているので、側面排出口21から供給口29へ豆類を誘導する。
【0023】
また、誘導樋31の底板55は、一部または全部を豆類より小さい目合の多孔板(網板)により形成しているので、塵埃や泥土が除去され、豆類の品質を向上させられる。
また、誘導樋31の底板55の一部上方は開放した開口部56に形成するか、または、透明板(図示省略)を設けているので、豆類の汚染程度や選別程度を確認でき、好適である。
誘導樋31は、前後板57に取付部材58を設け、取付部材58を貯留タンク11の外側板18の取付部59に着脱自在に取付けているので、前後二カ所の取付部材58を着脱すればよいので、着脱作業を容易にする。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示、あるいは説明しているが、これらは夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0024】
1…フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…操縦部、5…刈取装置、10…供給揚穀装置、11…貯留タンク、13…排出搬送装置、15…排出用揚穀装置、16…排出オーガ、17…内側板、18…外側板、20…案内板、21…側面排出口、25…昇降機、26…ローラー、27…回転軸、29…供給口、30…排出口、31…誘導樋、32…排出用ホース、35…回転軸、36…プーリ、37…エンジン、38…中間プーリー、39…ベルト、40…排出クラッチ、41…ベルト、42…入力軸、43…入力プーリー、50…中間板部、51…前側板部、52…後側板部、53…目抜き孔、57…前後板、58…取付部材、59…取付部、70…フィンガ、71…オーガーテーブル、72…搬送装置、73…接続口、75…プレート、76…スリット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に走行装置(2)を設けた機体フレーム(1)の前方に穀類の収穫作業を行う刈取装置(5)を設け、前記機体フレーム(1)の上方に設けた脱穀装置(3)の側方に貯留タンク(11)を設け、該貯留タンク(11)内には貯留タンク(11)内の穀粒を排出する搬送螺旋(22)を有した排出搬送装置(13)を設け、該排出搬送装置(13)の終端には排出用揚穀装置(15)の下部を接続し、該排出用揚穀装置(15)の上部に排出オーガ(16)の基部を接続し、前記貯留タンク(11)の外側板(18)には豆類を排出する側面排出口(21)を設け、前記貯留タンク(11)内の該貯留タンク(11)の内側板(17)と外側板(18)との間に、前記側面排出口(21)側が低く傾斜する案内板(20)を設け、前記側面排出口(21)には前記貯留タンク(11)の後方に設けた昇降機(25)に豆類を誘導する誘導樋(31)を設け、前記昇降機(25)の一部または全部を前記貯留タンク(11)の外側面よりも内側に配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、前記誘導樋(31)の底板(55)の一部または全部に、豆類より小さい目合の多孔板または網による漏下部60を形成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の発明において、前記誘導樋(31)の底板(55)の上方には透明部材を設けるか、あるいは、底板(55)の一部上方を開放させた開口部(56)を形成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3記載の発明において、前記排出搬送装置(13)へエンジン(37)からの回転を入力する回転軸(35)の回転により排出用揚穀装置(15)および排出オーガ(16)を駆動する構成とし、前記エンジン(37)から排出オーガ(16)へ至る排出伝動経路に設けた排出クラッチ(40)の下手側で、前記排出伝動経路から分岐させた回転伝達経路から前記昇降機(25)を駆動する構成とし、前記案内板(20)の少なくとも一部には目抜き孔(53)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の発明において、前記案内板(20)は、前記側面排出口(21)の開口幅よりも狭い幅に形成した前後中間に位置する中間板部(50)と前側板部(51)と後側板部(52)とにより構成し、該案内板(20)の少なくとも一部に目抜き孔(53)を設けたことを特徴とするコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−228215(P2012−228215A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99264(P2011−99264)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】