説明

コンバイン

【課題】収穫作業中の車台水平制御出力によって、刈取昇降制御装置が地面に突っ込むことを防止する。
【解決手段】車台(11)を支持する左右一対の走行装置(10)に、該走行装置(10)を左右独立して昇降させる昇降機構を設け、車台(11)の前部には刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降自在に設け、該刈取前処理装置(13)の地上高を刈幅方向の複数個所で検出する接地高さセンサ(25)を設け、該接地高さセンサ(25)で検出された地上高に基づいて走行装置(10)の昇降機構を制御して刈取前処理装置(13)を所定の地上高に維持するコンバインにおいて、接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、走行装置(10)の昇降機構への水平制御指令を停止する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に記載のコンバインにおいて、コンバインの前部には刈刃を設けた刈取前処理装置が昇降可能に設けられ、刈刃の後下部に刈高さ検出用ソリ体が設けられて、該刈高さ検出用ソリ体で検出する刈刃の地上高を一定にする刈高制御や刈取前処理装置が地面に対しほぼ平行となるようにする刈取部対地平行制御を行っている。
【0003】
この刈取昇降制御装置は、左右一対の走行装置の接地部を左右各別に昇降駆動する一対の機体昇降駆動手段を刈取前処理装置の左右方向複数箇所での対地高さを検出する刈高検出手段の検出情報に基づいて刈取前処理装置が地面に対しほぼ平行となるように制御する刈取部対地平行制御と、機体の左右方向の傾きを検出する傾き検出手段の検出情報に基づいて機体がほぼ水平になるように前記機体昇降駆動手段を制御する機体水平制御とを各別に実行する制御手段が設けられ、前記刈高検出手段の検出情報に基づいて、前記刈取部の対地高さが所定値未満であれば前記刈取部対地平行制御を実行し、且つ、前記刈取前処理装置の対地高さが所定値以上であれば前記機体水平制御を実行するように構成し、移動走行時に機体を安定させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−4614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術では、車台を水平に制御するために機体昇降駆動手段が作動した場合に、刈取前処理装置の対地姿勢が急激に変化し、この刈取前処理部が地面に突っ込む問題がある。
【0006】
本発明は、収穫作業中にコンバインの車台を水平に維持するコンバインで、刈取前処理装置の地上高を所定地上高となるように制御するコンバインの刈取昇降制御装置を安全に作動するようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、車台(11)を支持する左右一対の走行装置(10)に、該走行装置(10)を左右独立して昇降させる昇降機構を設け、車台(11)の前部には刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降自在に設け、該刈取前処理装置(13)の地上高を刈幅方向の複数個所で検出する接地高さセンサ(25)を設け、該接地高さセンサ(25)で検出された地上高に基づいて走行装置(10)の昇降機構を制御して刈取前処理装置(13)を所定の地上高に維持するコンバインにおいて、前記接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、走行装置(10)の昇降機構への水平制御指令を停止する構成としたことを特徴とするコンバインとする。
【0008】
この構成で、刈り取り作業中には、刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降すると共に走行装置(10)の昇降機構で車台(11)を傾けて刈取前処理装置(13)を圃場面と平行に維持するが、接地高さセンサ(25)が圃場面の凸部に当接して水平化が可能な下限高さ以下の地上高を検出すると走行装置(10)の昇降機構の駆動を停止して接地高さセンサ(25)が接地している部分以外の圃場面の凸部に刈取前処理装置(13)を突っ込むことを防ぐ。
【0009】
請求項2に記載の発明は、車台(11)を支持する左右一対の走行装置(10)に、該走行装置(10)を左右独立して昇降させる昇降機構を設け、車台(11)の前部には刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降自在に設け、該刈取前処理装置(13)の地上高を刈幅方向の複数個所で検出する接地高さセンサ(25)を設け、該接地高さセンサ(25)で検出された地上高に基づいて走行装置(10)の昇降機構を制御して刈取前処理装置(13)を所定の地上高に維持するコンバインにおいて、前記接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、水平制御指令に基づく走行装置(10)の昇降機構の作動速度を設定された作動速度よりも遅くする構成としたことを特徴とするコンバインとする。
【0010】
この構成で、刈り取り作業中には、刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降すると共に走行装置(10)の昇降機構で車台(11)を傾けて刈取前処理装置(13)を圃場面と平行に維持するが、接地高さセンサ(25)が圃場面の凸部に当接して水平下限値以下の地上高を検出すると走行装置(10)の昇降機構の駆動を所定作動速度よりも遅くして接地高さセンサ(25)が接地している部分以外の圃場面の突起部に刈取前処理装置(13)が突っ込むことを防ぐ。
【0011】
請求項3に記載の発明は、車台(11)を支持する左右一対の走行装置(10)に、該走行装置(10)を左右独立して昇降させる昇降機構を設け、車台(11)の前部には刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降自在に設け、該刈取前処理装置(13)の地上高を刈幅方向の複数個所で検出する接地高さセンサ(25)を設け、該接地高さセンサ(25)で検出された地上高に基づいて走行装置(10)の昇降機構を制御して刈取前処理装置(13)を所定の地上高に維持するコンバインにおいて、前記接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、走行装置(10)の昇降機構への水平制御指令を一定時間停止する構成としたことを特徴とするコンバインとする。
【0012】
この構成で、刈り取り作業中には、刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降すると共に走行装置(10)の昇降機構で車台(11)を傾けて刈取前処理装置(13)を圃場面と平行に維持するが、接地高さセンサ(25)が圃場面の凸部に当接して水平下限値以下の地上高を検出すると走行装置(10)の昇降機構の駆動を一定時間停止して接地高さセンサ(25)が接地している部分以外の圃場面の突起部に刈取前処理装置(13)が突っ込むことを防ぐ。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によると、接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、走行装置(10)の昇降機構への水平制御指令を停止することで、収穫作業中に接地高さセンサ(25)が一時的に水平化できる下限高さ以下の地上高を検出しても刈取前処理装置(13)の左右方向姿勢が変化して圃場面に突っ込むことを防止出来る。
【0014】
請求項2に記載の発明によると、接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、水平制御指令に基づく走行装置(10)の昇降機構の作動速度を設定された作動速度よりも遅くすることで、収穫作業中に接地高さセンサ(25)が一時的に水平化できる下限高さ以下の地上高を検出しても刈取前処理装置(13)の左右方向姿勢が変化して圃場面に突っ込むことを防止出来る。
【0015】
請求項3に記載の発明によると、接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、走行装置(10)の昇降機構への水平制御指令を一定時間停止することで、収穫作業中に接地高さセンサ(25)が一時的に水平化できる下限高さ以下の地上高を検出しても刈取前処理装置(13)の左右方向姿勢が変化して圃場面に突っ込むことを防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの一部拡大側面図である。
【図3】刈取前処理装置の昇降水平制御ブロック図である。
【図4】刈取前処理装置の昇降水平制御フローチャート図である。
【図5】刈取前処理装置の昇降水平制御フローチャート図である。
【図6】刈取前処理装置の昇降水平制御フローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例で説明する。
実施例として示す汎用コンバインは、図1に示すように、車台水平装置を設けたクローラ式の走行装置10を左右に装備した車台11上に、茎稈供給口を前側にして脱穀装置12を搭載し、その茎稈供給口に刈取前処理装置13の搬送コンベヤ9の終端部を接続して構成している。6は操縦席で、7は収穫物排出オーガである。
【0018】
そして、脱穀装置12は、上部に螺旋式扱胴8を前後方向に軸架して下側に選別網( 受網)を張設した扱室を配置し、その下側に揺動選別棚50を設け、更にその下方に選別方向の上手側から順番に、圧風唐箕51、一番移送螺旋52、二番移送螺旋53を軸装し、後部下方に排塵口54を開口した選別室を設けて構成している。
【0019】
つぎに、刈取前処理装置13は、前記搬送コンベヤ9の搬送始端部に収集テーブル16を連結して設け、この収集テーブル16上に横向きに掻込みオーガ14を軸架する構成としている。そして、刈取前処理装置13は、図面に示すように、収集テーブル16の前側に刈取装置15を設け、この刈取装置15が刈り取った穀稈の穂先部を、上記掻込みオーガ14が搬送過程で収集しながら、前記搬送コンベヤ9の搬送始端部に供給する構成としている。
【0020】
刈取前処理装置13の上部には掻込みリール17を設け、穀稈を刈取装置15に押え込み供給している。
収集テーブル16の底部には、刈取前処理装置13の昇降高さを接地して検出する接地高さセンサ25を設けている。接地高さセンサ25は接地部材の上下動を検出するポテンショセンサで構成するが、圧力を検出する圧電セラミックで構成しても良い。
【0021】
圧電セラミックの場合には、検出信号を微分処理し、ピーク値の平均値から圃場の硬軟を判断して、旋回モードの選択や作業走行速度の調整或いは走行速度を考慮して刈取前処理装置13の上昇量や昇降速度の調整に利用することが出来る。
【0022】
なお、圧電セラミックの検出回路には、信号反転機能を持たせ、ゲイン回路を設けることで、感度のばらつきを軽減出来る。
刈取前処理装置13は、刈取フレームの後端部を車台11上の車台フレームに枢支軸18で枢支し、刈取昇降シリンダ19で刈取フレームを昇降して刈取装置15の地上高を変更する。枢支軸18の近くに刈取フレームの回動角度から刈取前処理装置13の地上高を算出する刈取位置センサ30を設けている。
【0023】
図3は、車体水平制御に関する制御ブロック図で、制御装置1の入力側は、脱穀クラッチスイッチ27からのオン・オフ信号と車体左右水平制御スイッチ20のオン・オフ信号と車体前後水平制御スイッチ21のオン・オフ信号と車体左右傾斜手動スイッチ22のオン・オフ信号と車体前後傾斜手動スイッチ23のオン・オフ信号と自動接地追従スイッチ28からのオン・オフ信号と自動定点停止スイッチ29からのオン・オフ信号が制御装置1のデジタル信号入力処理34を経て車体左右水平制御回路36と車体前後水平回路41に入力する。
【0024】
車体左右傾斜センサ24の検出信号と車体前後傾斜センサ26の検出信号と刈取位置センサ30からの刈取位置信号と前記接地高さセンサ25からの接地高さ信号と刈高さ設定ダイヤル31からの高さ設定信号と刈取昇降レバーセンサ32の操作信号が制御装置1のアナログ信号入力処理35を経て車体左右水平制御回路36と車体前後水平回路41と刈高さ目標位置設定手段33に入力する。
【0025】
制御装置1内では、タイマカウント手段37と車体左右水平制御回路36と車体前後水平回路41で自動制御データが演算処理される。
車体左右水平制御回路36から左シリンダ出力手段38を介して左上昇出力42と左下降出力43が出力し、右シリンダ出力手段39を介して右上昇出力44と右下降出力45が出力する。
【0026】
車体前後水平回路41から後シリンダ出力手段40を介して後上昇出力46と後下降出力47が出力する。
図4は、刈取前処理装置13が水平下限値(水平化可能な高さ)以下になると車体水平制御を解除する制御のフローチャートで、ステップS1で車体左右水平制御スイッチ20のオンを判定し、オンであればステップS2で脱穀クラッチスイッチ27のオンを判定し、オンであればステップS3で車体水平制御牽制解除を判定し、解除であればステップS8で刈取昇降レバーセンサ32の上昇操作を判定し、上昇であればステップS9で車体水平制御牽制を消去し、上昇以外であればそのままでリターンする。
【0027】
ステップS1の判定かステップS2の判定のどちらかがNOであれば、ステップS9で車体水平制御牽制を消去してリターンする。
ステップS3の判定がNOであれば、ステップS4の刈高さ設定ダイヤル31の高さ設定が水平下限値以下かの判定を行い、水平下限値以下でなければステップS5の自動接地追従スイッチ28のオンを判定し、オフであればステップS6で自動定点停止スイッチ29のオンを判定し、オフであればステップS7で車体左右傾斜手動スイッチ22のオンを判定し、オフであればそのままでリターンしオンであればステップS14で車体水平制御牽制解除を記憶してリターンする。
【0028】
ステップS4の判定がYESであれば、ステップS12で車体左上下共出力停止し、ステップS13で車体右上下共出力停止してステップS37に移行する。
ステップS5の判定がYESであれば、ステップS10で接地高さセンサ25の検出高さが水平下限値以下かの判定を行い、以下であればステップS12で車体左上下共出力停止し、ステップS13で車体右上下共出力停止して、以下でなければそのままでステップS37に移行する。
【0029】
ステップS6の判定がYESであれば、ステップS11で刈取位置センサ30の検出高さが水平下限値以下かの判定を行い、以下であればステップS12で車体左上下共出力停止し、ステップS13で車体右上下共出力停止して、以下でなければそのままでステップS37に移行する。
【0030】
以上の制御は、接地高さセンサ25が検出する地上高か刈取位置センサ30が検出する地上高のどちらが水平下限値以下であれば、車体水平制御を解除して、刈取前処理装置13が圃場の凹凸に突入するのを防止する。
【0031】
図5は刈取前処理装置13が水平下限値(高さ)以下になると車体水平制御を一定時間だけ解除する制御のフローチャートで、ステップS20で車体左右水平制御スイッチ20のオンを判定し、オンであればステップS21で脱穀クラッチスイッチ27のオンを判定し、オンであればステップS22で車体水平制御牽制解除を判定し、解除であればステップS27で刈取昇降レバーセンサ32の上昇操作を判定し、上昇であればステップS28で車体水平制御牽制を消去し、上昇以外であればそのままでリターンする。
【0032】
ステップS20の判定かステップS21の判定がNOであれば、ステップS28で車体水平制御牽制を消去してリターンする。
ステップS22の判定がNOであれば、ステップS23の刈高さ設定ダイヤル31の高さ設定が水平下限値以下かの判定を行い、水平下限値以下でなければステップS24の自動接地追従スイッチ28のオンを判定し、オフであればステップS25で自動定点停止スイッチ29のオンを判定し、オフであればステップS26で車体左右傾斜手動スイッチ22のオンを判定し、オフであればそのままでリターンしオンであればステップS39で車体水平制御牽制解除を記憶してリターンする。
【0033】
ステップS20とステップS21の判定がNOであればステップ28で車体水平制御牽制を消去してリターンする。
また、ステップS22の判定がYESであれば、ステップS27で刈取昇降レバーセンサ32の上昇操作が有ったかを判定し、有ればステップ28で車体水平制御牽制を消去してリターンし、無ければそのままでリターンする。
【0034】
ステップS24の判定がYESであれば、ステップS29で接地高さセンサ25の検出高さが水平下限値以下かの判定を行い、以下であればステップS31に移行し、以下でなければそのままでステップS25に移行する。
【0035】
ステップS25の判定がYESであれば、ステップS30で刈取位置センサ30が検出する地上高が水平下限値以下であるかの判定を行い、以下であればステップS31とステップS32で車体左右傾斜センサ24の傾斜角が左右傾斜限界値より大きいかの判定を行い、共にNOであればステップS33で車体水平出力牽制時間初期化を行い、ステップS26に移行する。ステップS31かステップS32のどちらかがYESならばステップS34で車体水平出力牽制時間をカウントし、ステップS35で車体水平出力牽制時間を待って、ステップS36で車体左上下共に出力停止し、ステップS37で車体右上下共に出力停止しリターンする。
【0036】
以上の制御で、接地高さセンサ25が検出する地上高か刈取位置センサ30が検出する地上高のどちらが水平下限値以下であれば、車体水平制御を一時的に解除して、刈取前処理装置13が圃場の凹凸に突入するのを防止する。
【0037】
また、車体水平制御を一時的停止しているときに車体左右傾斜センサ24を押すと一時停止を解除する。
図6は刈取前処理装置13が水平下限値(高さ)以下になると徐々に車体水平制御を行う制御のフローチャートで、ステップS40で車体左右水平制御スイッチ20のオンを判定し、オンであればステップS41で脱穀クラッチスイッチ27のオンを判定し、オンであればステップS42で車体水平制御牽制解除を判定し、解除であればステップS50で刈取昇降レバーセンサ32の上昇操作を判定し、上昇であればステップS51で車体水平制御牽制を消去し、上昇以外であればそのままで後述するステップS46に移行する。
【0038】
ステップS42で車体水平制御牽制解除でなければ、ステップS43で刈高さ設定ダイヤル31の設定値が水平下限値以下かの判定を行い、以下でなければステップS44で自動接地追従スイッチ28のオンを判定し、オンでなければステップS45で自動定点停止スイッチ29のオンを判定し、オンでなければステップS46で左右傾斜センサ値移動平均時間を標準とし、ステップS47で傾斜平均値が右傾斜値より小さいかを判定し、小さくなければステップS48で傾斜平均値が左傾斜値より大きいかを判定し、大きくなければステップS49で車体左右傾斜手動スイッチ22のオンを判定し、オンでなければリターンする。
【0039】
ステップS44で自動接地追従スイッチ28がオンであればステップS52で接地高さセンサ25の検出値が水平下限値より小さいかを判定し、小さければ後述するステップS54に移行し、小さくなければステップS45に移行する。
【0040】
ステップS45で自動定点停止スイッチ29がオンであればステップS53で刈取位置センサ30の検出値が水平下限値より小さいかを判定し、小さければ後述するステップS54で左右傾斜センサ値移動平均時間を延長しステップS47に移行し、小さくなければステップS46に移行する。
【0041】
ステップS47で傾斜平均値が右傾斜値より小さければ、ステップS56で車体左下・右上を出力してステップS49に移行する。
ステップS48で傾斜平均値が左傾斜値より大きければステップS57で車体左上・右下を出力してステップS49に移行する。
【0042】
ステップS49で車体左右傾斜手動スイッチ22がオンであれば、ステップS58で車体水平制御牽制解除を記憶しリターンする。
以上の制御で、接地高さセンサ25が検出する地上高か刈取位置センサ30が検出する地上高のどちらが水平下限値以下であれば、車体水平制御の動作を遅れさせることで、刈取前処理装置13が圃場の凹凸に突入するのを防止する。
【0043】
また、車体水平制御を遅延しているときに車体左右傾斜センサ24を押すと遅延を解除して正常に作動するが、車体左右水平制御スイッチ20をオンしたり、脱穀クラッチスイッチ27をオンしたり、刈取昇降レバーセンサ32をオンすれば再び遅延制御を行う。
【符号の説明】
【0044】
10 走行装置
11 車台
13 刈取前処理装置
19 刈取昇降シリンダ
25 接地高さセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台(11)を支持する左右一対の走行装置(10)に、該走行装置(10)を左右独立して昇降させる昇降機構を設け、車台(11)の前部には刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降自在に設け、該刈取前処理装置(13)の地上高を刈幅方向の複数個所で検出する接地高さセンサ(25)を設け、該接地高さセンサ(25)で検出された地上高に基づいて走行装置(10)の昇降機構を制御して刈取前処理装置(13)を所定の地上高に維持するコンバインにおいて、前記接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、走行装置(10)の昇降機構への水平制御指令を停止する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
車台(11)を支持する左右一対の走行装置(10)に、該走行装置(10)を左右独立して昇降させる昇降機構を設け、車台(11)の前部には刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降自在に設け、該刈取前処理装置(13)の地上高を刈幅方向の複数個所で検出する接地高さセンサ(25)を設け、該接地高さセンサ(25)で検出された地上高に基づいて走行装置(10)の昇降機構を制御して刈取前処理装置(13)を所定の地上高に維持するコンバインにおいて、前記接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、水平制御指令に基づく走行装置(10)の昇降機構の作動速度を設定された作動速度よりも遅くする構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
車台(11)を支持する左右一対の走行装置(10)に、該走行装置(10)を左右独立して昇降させる昇降機構を設け、車台(11)の前部には刈取前処理装置(13)を刈取昇降シリンダ(19)で昇降自在に設け、該刈取前処理装置(13)の地上高を刈幅方向の複数個所で検出する接地高さセンサ(25)を設け、該接地高さセンサ(25)で検出された地上高に基づいて走行装置(10)の昇降機構を制御して刈取前処理装置(13)を所定の地上高に維持するコンバインにおいて、前記接地高さセンサ(25)で検出された地上高が予め設定された下限高さ以下となった場合に、走行装置(10)の昇降機構への水平制御指令を一定時間停止する構成としたことを特徴とするコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−30(P2012−30A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136182(P2010−136182)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】