説明

コンピュータおよびプログラム

【課題】初心者でも容易に構築可能なコンピュータおよびプログラムを提供する。
【解決手段】ハードウェア要素を機能別にモジュール化した1以上の機能モジュール71
,81,91が搭載されて成るコンピュータ40であって、1以上の機能モジュールが装
着または接続されるベースユニット41を備え、ベースユニットは、表示装置36と、専
用電源38を有し、少なくとも1以上の機能モジュールの装着または接続に関して監視を
行うと共に、その監視結果に基づく情報を表示装置に表示させる1チップCPU30と、
を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータおよびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、拡張性を高めるため、また初心者でも容易にコンピュータを構築可能とするため
、ハードウェア要素(コンピュータの構成要素)を機能別にモジュール化したモジュール
式コンピュータが知られている。例えば、特許文献1に記載のモジュール式コンピュータ
は、CPU、電源、ハードディスク等をモジュール化し、各モジュールを、コンピュータ
本体に備えられたモジュール差し込み孔に差し込むことによって機能するようになってい
る。
【特許文献1】特表平8−501165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記のモジュール式コンピュータの組立やモジュール交換等を行う場合、C
PUモジュールや電源モジュールが差し込まれていない状態では、全て正常に差し込まれ
ているか否かをユーザが判断することができない。したがって、モジュール化されて通常
のコンピュータよりは構築が容易であるものの、初心者にとってはまだまだ難しい面があ
った。
【0004】
このような問題点に鑑み、本発明は、初心者でも容易に構築可能なコンピュータおよび
プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のコンピュータは、ハードウェア要素を機能別にモジュール化した1以上の機能
モジュールが搭載されて成るコンピュータであって、1以上の機能モジュールが装着また
は接続されるベースユニットを備え、ベースユニットは、表示装置と、専用電源を有し、
少なくとも1以上の機能モジュールの装着または接続に関して監視を行うと共に、その監
視結果に基づく情報を表示装置に表示させる監視用コントローラと、を備えていることを
特徴とする。
【0006】
この構成によれば、1以上の機能モジュールが装着または接続されるベースユニットに
監視用コントローラと表示装置を備え、監視用コントローラが、機能モジュールの装着ま
たは接続に関して監視を行うと共にその監視結果に基づく情報を表示装置に表示するため
、ユーザ(オペレータ)は、機能モジュールの装着状況または接続状況を確認することが
できる。すなわち、コンピュータ本体が機能しない状態であっても、どの機能モジュール
が(正常に)装着または接続されていないかを知ることができるため、初心者であっても
、容易にコンピュータを構築することができる。なお、「監視用コントローラ」とは、例
えば1チップにEEPROM、UART、タイマー、IO等が実装されている1チップC
PU等を指すものである。また、監視用コントローラは、1以上の機能モジュールの装着
または接続に関する監視だけでなく、各機能モジュールの状態(エラーや稼動状態)も含
めて監視し、その監視結果を表示装置に表示させることが好ましい。
【0007】
上記のコンピュータにおいて、監視用コントローラは、1以上の機能モジュールの組立
または交換作業をガイドするためのガイド情報を記憶するガイド情報記憶手段と、1以上
の機能モジュールの着脱または接続/非接続を示す割り込み信号を検出する割り込み信号
検出手段と、割り込み信号の検出に基づいて、ガイド情報記憶手段に記憶しているガイド
情報を、表示装置に表示させるガイド情報表示手段と、を備えていることが好ましい。
【0008】
この構成によれば、監視用コントローラによる、機能モジュールの着脱または接続/非
接続を示す割り込み信号の検出に基づいて、機能モジュールの組立または交換作業をガイ
ドするためのガイド情報を表示装置に表示させることができる。これにより、ユーザ(オ
ペレータ)は、表示装置に表示されたガイド情報に従って、機能モジュールの組立または
交換作業を容易に行うことができる。なお、ガイド情報は、最初の割り込み信号の検出に
基づいて一連のガイド情報を表示するようにしても良いし、割り込み信号の検出毎に、そ
の割り込み信号検出の対象となった機能モジュールに対応するガイド情報を表示するよう
にしても良い。
【0009】
上記のコンピュータにおいて、ガイド情報は、表示装置に、1以上の機能モジュールの
組立または交換作業をガイドする動画をストリーミング再生させるための情報であること
が好ましい。
【0010】
この構成によれば、表示装置に、機能モジュールの組立または交換作業をガイドする動
画がストリーミング再生されるため、ユーザに対し、より分かり易くガイドすることがで
きる。
【0011】
上記のコンピュータにおいて、ベースユニットは、音声再生回路と、当該音声再生回路
を介して動作するスピーカと、をさらに備え、監視用コントローラは、1以上の機能モジ
ュールの組立または交換作業を音声ガイドするための音声ガイド情報を記憶する音声ガイ
ド情報記憶手段と、割り込み信号の検出に基づいて、音声ガイド情報記憶手段に記憶して
いる音声ガイド情報を、音声再生回路に提供する音声再生手段と、をさらに備えているこ
とが好ましい。
【0012】
この構成によれば、音声により機能モジュールの組立または交換作業をガイドするため
、ユーザが作業中に表示装置を視認しなくとも、ガイド情報を耳から取得することができ
る。このため、作業に集中することができ、作業効率を向上させることができる。なお、
表示と音声との両方で、作業をガイドすることも可能である。
【0013】
上記のコンピュータにおいて、監視用コントローラは、テストプログラムを記憶するテ
ストプログラム記憶手段と、1以上の機能モジュールの組立または交換作業の終了を検出
する作業終了検出手段と、交換作業終了の検出をトリガとして、テストプログラムを実行
するテストプログラム実行手段と、をさらに備えていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、組立または交換作業を終了すると、テストプログラムを実行するた
め、ユーザは当該テストプログラムを実行させるための操作の手間を省くことができる。
【0015】
上記のコンピュータにおいて、監視用コントローラは、テストプログラムの実行終了を
検出するプログラム実行終了検出手段と、プログラム実行終了の検出をトリガとして、コ
ンピュータ全体を使用許可状態とする使用許可手段と、をさらに備えていることが好まし
い。
【0016】
この構成によれば、テストプログラムの実行終了を条件として、クライアント端末を使
用許可状態とすることができる。つまり、必要な機能モジュールが正常に差し込まれてい
ないなどクライアント端末に不具合がある状態では使用することができないため、そのよ
うな状態で使用されることによる誤動作、並びにそれに伴う作業ロスを無くすことができ
る。
【0017】
上記のコンピュータにおいて、ベースユニットは、不揮発性メモリをさらに備え、監視
用コントローラは、不揮発性メモリを監視するメモリ監視手段と、不揮発性メモリの監視
結果に基づいて、当該不揮発性メモリの書き換え寿命を予測するメモリ寿命予測手段と、
メモリ寿命予測手段による予測結果を、表示装置に表示させる予測結果表示手段と、をさ
らに備えていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、ベースユニットに搭載されている不揮発性メモリの寿命予測結果を
表示装置に表示させることができる。これにより、ユーザは不揮発性メモリの交換時期を
知ることができる。
【0019】
上記のコンピュータにおいて、ベースユニットは、電源スイッチをさらに備え、監視用
コントローラは、1以上の機能モジュールのうち、少なくとも1つが正常に装着または接
続されていない場合、電源スイッチの電源ON操作を無効にする電源無効手段をさらに備
えていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、1以上の機能モジュールのうち、少なくとも1つが正常に装着また
は接続されていない場合は電源ON状態とならないため、フェールセーフに役立つ。
【0021】
上記のコンピュータにおいて、1以上の機能モジュールには、CPUをモジュール化し
た機能モジュールであるCPUモジュール、ハードディスクドライブをモジュール化した
機能モジュールであるハードディスクモジュール、電源アダプタおよびバッテリをそれぞ
れモジュール化した機能モジュールである電源モジュールのうち、いずれか1以上が含ま
れることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、CPUモジュール、ハードディスクモジュール、電源モジュール等
が搭載されて成るコンピュータに、本発明を適用することができる。
【0023】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記のコンピュータにおける監視用コントロ
ーラとして機能させるためのものであることを特徴とする。
【0024】
このプログラムを実行することにより、初心者でも容易に構築可能なコンピュータを実
現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るコンピュータおよびプログラ
ムについて説明する。図1は、本発明のコンピュータを適用したPOS端末10と、ネッ
トワークを介して当該POS端末をリモートメンテナンスするサーバ20と、から成るリ
モートメンテナンスシステム1のシステム構成図である。なお、以下説明を分かり易くす
るため、メンテナンスされるPOS端末10を「クライアント端末」、メンテナンスする
サーバ20を「メンテナンス端末」と称する。
【0026】
同図に示すように、クライアント端末10は、ハードウェア要素を機能別にモジュール
化した1以上の機能モジュール71,81(図4参照)から成るコンピュータ40と、当
該コンピュータ40と接続され、クライアント端末10の一部として機能するPOS用周
辺機器60と、を備えている。
【0027】
コンピュータ40は、上記の機能モジュール71,81を収容した機能ユニット41,
42を、1以上重合することによって構成されている。例えば、同図に示す「クライアン
ト端末1」の場合、下からベースユニット41、ハードディスクユニット42(以下、「
HDDユニット」と記載する)の順に機能ユニットが積層されている。一方、「クライア
ント端末2」のコンピュータ40’は、「クライアント端末1」からHDDユニット42
を省略した構成となっており、ベースユニット41のみで構成されている。このように、
コンピュータ40は、ベースユニット41に、必要に応じたユニットを追加して構成でき
るようになっている。また、図示の例では、コンピュータ40にACアダプタ44が接続
されているが、これに代えて、図9に示すような、電源アダプタ91aおよびバッテリ9
1b(無停電電池)を収容した電源ユニット43を追加することも可能である。
【0028】
POS用周辺機器60は、キャッシュドロア61の上に、オペレータが商品情報や顧客
情報などの情報を入力するキーボード62と、オペレータが入力情報を確認するオペレー
タ用ディスプレイ63と、レシートプリンタ65と、が配置されている。レシートプリン
タ65の上面には、印刷済みのレシートが排出されるレシート排出口65aが形成されて
いる。さらに、POS用周辺機器60としては、商品に貼付若しくは印刷されたバーコー
ドを読み取るためのバーコードリーダ66を備え、キーボード62の右側には、顧客から
提示されたクレジットカードを読み取るためのカードリーダ用スロット67が設けられて
いる。さらに、キャッシュドロア61の背面側には、顧客が商品情報等を確認するための
顧客用ディスプレイ64が配置されている。なお、これらPOS用周辺機器60は、ベー
スユニット41の背面パネル76(図7参照)に形成された複数のコネクタを介して接続
可能となっている。
【0029】
一方、メンテナンス端末20は、メンテナンス用コンピュータ21と、データベースD
Bとを備え、ネットワークを介して接続されている各クライアント端末10の登録、変更
、削除を行う他、これらのクライアント端末10を、店舗毎またはフロア毎にフォルダ単
位で管理できるようになっている。また、クライアント端末10に関する情報の取得、P
OS用周辺機器60の定義データおよびファームウェアの書き換えなど、各種メンテナン
ス処理を、ジョブ単位で実行する。具体的には、メンテナンス端末20が、実行させたい
ジョブの選択、その実行時間に関する設定、定義ファイルの設定などを予め行っておき、
クライアント端末10からのジョブの問い合わせに対してジョブを送信する。これに対し
、クライアント端末10がジョブを実行し、その実行結果をメンテナンス端末20に返信
することで、メンテナンス処理が終了する。
【0030】
なお、メンテナンス端末20は、この他メンテナンス処理の一つとして、コンピュータ
40のベースユニット41に搭載されている1チップCPU30(監視用コントローラ,
図12参照)との通信により、コンピュータ40の組立や交換をガイドする処理(リモー
トガイド処理,図13参照)を行う。詳細については、後述する。
【0031】
次に、図2ないし図7を参照し、コンピュータ40の装置構成について説明する。ここ
では、図1の「クライアント端末1」の構成(HDDユニット42を付属した構成)を例
示する。また、ACアダプタ44については図示を省略する。図2は、CPUモジュール
71を取り外した状態のコンピュータ40の外観斜視図、図3は、ベースユニット41の
前面パネル73の平面図、図4は、ハードディスクドライブ81(以下、「HDDドライ
ブ」と記載する)およびCPUモジュール71を取り外した状態のコンピュータ40の透
視図、図5は、HDDドライブ81およびCPUモジュール71を装着した状態のコンピ
ュータ40の透視図、図6は、図5を背面側から見た透視図、図7は、ベースユニット4
1の背面パネル76の平面図である。
【0032】
これらの図に示すように、ベースユニット41は、CPUモジュール71と、当該CP
Uモジュール71が抜き差し自在に収容(装着)されるユニット筐体であるCPU用筐体
72と、CPU用筐体72の開口部70を開閉自在に閉塞する開閉蓋73(73a,73
b)と、から成る。CPUモジュール71は、一般的なパーソナルコンピュータ40のC
PU基板(CPUボードユニット)と同様の構成となっており、シャーシーに組み込まれ
てアッセンブリ化されている。また、その前面には、上記の開閉蓋を兼ねる前面パネル7
3aを有している。さらに、CPUモジュール71は、その左右側面の下端部に当接する
、CPU用筐体72に形成された一対の棚板(図示省略)をガイドとしてスライド自在に
挿入可能となっている。CPUモジュール71をCPU用筐体72に装着すると、上記の
前面パネル73aにより、コンピュータ40の前面が面一となる。
【0033】
前面パネル73aは、その下辺を基点として開閉可能であり、その右下部に切り欠き部
78を有している。当該切り欠き部78には、CPUモジュール71に形成されたコネク
タ端子(2つの前面パネル用USBコネクタ端子31、および音声出力ボリューム32)
が臨んでいる。前者のUSBコネクタ端子31は、前面側からの配線を容易にするための
ものであり、後者の音声出力ボリューム32は、エラー音や商品バーコードを読み取った
ときの認識音を調整する音量出力調整のボリュームである。
【0034】
また、前面パネル73aには、図3等に示すように、電源スイッチ33やリセットスイ
ッチ34が設けられている他、電源状態やハードディスクの起動状態を示すLED35が
設けられている。さらに、前面パネル73aを開くと、CPU用筐体72の左側にコンパ
クトフラッシュ(登録商標)CF(不揮発性メモリ)の挿入口CFSが臨んでいる。HD
Dユニット42を付属しない構成の場合(図1の「クライアント端末2」の構成の場合)
、このコンパクトフラッシュ(登録商標)CFが記憶装置として機能する。すなわち、ク
ライアント端末10を店舗サーバとして利用したい場合など、大きな記憶容量を必要とす
る場合はHDDユニット42を付属し、そうでない場合にはHDDユニット42を付属し
ないなど、幅広いニーズに対応できるようになっている。なお、コンパクトフラッシュ(
登録商標)CFに限らず、他の記録媒体を用いることも当然可能である。
【0035】
一方、CPU用筐体72は、図4等に示すように、後部左側に複数枚のLANカードな
どの拡張用増設PCIカード(図示の例の場合、2枚)が挿入されるPCIスロット74
が形成されていると共に、その右側には各種コネクタが形成または接続されるコネクタ基
板75を備えている。コネクタ基板75は、HDDユニット42が上側から接続される上
向きコネクタ101と、CPUモジュール71が開口部側から接続される横向きコネクタ
102と、が接続されていると共に、背面パネル76(図7参照)側からPOS用周辺機
器60やACアダプタ44等(図1参照)が接続される周辺機器用コネクタ103を搭載
している。また、コネクタ基板75は、その前面側に、各機能モジュール(CPUモジュ
ール71やHDDドライブ81など)の監視を行うと共にメンテナンス端末20との通信
を行う1チップCPU30が取り付けられている。
【0036】
上向きコネクタ101は、HDDユニット42(HDDドライブ81)との信号および
電源の授受を行う信号線および電源線が割り当てられていると共に、HDDユニット42
との重合状態をロック・アンロックするオートロック機構としても機能する。なお、HD
Dユニット42を付属しない構成の場合、CPU用筐体72には天板(図示省略)が取り
付けられており、当該上向きコネクタ101は露出しない。つまり、HDDユニット42
の接続時に当該天板を外し、上向きコネクタ101を露出させて、そこにHDDユニット
42側のコネクタ(HDD側コネクタ121,図4等参照)を接続する構成となっている
。また、特に図示しないが、天板はCPU用筐体72の側面および底板から成るケースに
、前面側からスライド式で抜き差し可能となっており、取り外した天板は、HDDユニッ
ト42の天板として使用できるようになっている。なお、CPU用筐体72の天板につい
ては、天板自体を取り外すのではなく、上向きコネクタ101の直上部に開口部を設け、
当該開口部に着脱式またはスライド式の蓋体を取り付けるようにしても良い。係る場合、
上向きコネクタ101を出没自在に設けることが好ましい。また、HDDユニット42と
の重合状態をロック・アンロックするオートロック機構としては、上向きコネクタ101
を兼用させるのではなく、別途オートロック機構を備えることも可能である。
【0037】
また、CPU用筐体72は、その前面パネル73bの左側に、コンピュータ40の組立
や交換をガイドするガイド情報を表示する表示装置36を備えていると共に、その左側側
面前方に、表示装置36の表示と同期して音声ガイド情報を出力するスピーカ37(図5
等参照)を備えている。これら表示装置36の表示並びにスピーカ37の音声出力は、メ
ンテナンス端末20の指示に基づき、上記の1チップCPU30によって制御される(詳
細については後述する)。
【0038】
さらに、CPU用筐体72は、その前面パネル73bの右側に、錠装置38を備えてい
る。当該錠装置38は、機能ユニット41,42の相互間における重合状態およびCPU
モジュール71の装着状態をロック・アンロックする上向きコネクタ101および横向き
コネクタ102(オートロック機構)のロック・アンロックを切り替えるためのものであ
る。さらに、コンパクトフラッシュ(登録商標)の着脱を規制するオートロック機構(図
示省略)も、当該錠装置38によりロック・アンロックされる。すなわち、錠装置38の
解錠時において、機能ユニット41,42の分離(取り外し)およびCPUモジュール7
1およびコンパクトフラッシュ(登録商標)の着脱が可能となっている。
【0039】
また、ベースユニット41が電源ON状態において、錠装置38が解錠されると、電源
OFF状態(ACアダプタ44からの電源入力を停止させた状態)となるが、この錠装置
38の解錠および施錠に伴うオートロック機構のロック・アンロックや、電源切断制御も
、上記の1チップCPU30が行う。さらに、1チップCPU30は、この他にも、電源
ON操作(電源スイッチの押下)をトリガとして、オートロック機構をロック状態とし、
電源OFF操作をトリガとして、当該ロック状態を解除するといった制御を行う。すなわ
ち、本実施形態のコンピュータ40は、電源ON状態では機能ユニット41,42の分離
ができないフールプルーフな設計となっている。なお、錠装置38のロック・アンロック
制御は、1チップCPU30によるソフト的な制御ではなく、ソレノイド等のリレー連動
など、電源スイッチ33のON/OFFに直接繋がるような制御でも良い。
【0040】
また、CPU用筐体72の背面側には、多数のコネクタ端子(周辺機器用コネクタ10
3)が形成された背面パネル76を備えている。図7(a)に示すように、背面パネル7
6には、複数のシリアルポート131およびUSBポート132、ネットワーク接続する
ためのLANポート133の他、電源コネクタ134、マウスポート135、キーボード
ポート136、オーディオ入出力コネクタ137、ディスプレイコネクタ138、ドロア
コネクタ139等各種POS用周辺機器60(図1参照)との接続用端子が備えられてい
る。また、2つのPCIスロット74には、拡張用増設PCIカードが挿入できるように
なっており、これにより容易に拡張性を高めること(レガシーな構成から新しい構成への
移行)ができる。例えば、同図(b)に示す増設USBカード140bを同図(a)に示
す増設シリアルカード140aに代えて挿入することで、新規に導入した周辺機器(US
B使用の周辺機器)との接続が可能である。
【0041】
また、CPU用筐体72の底板には、それぞれ角部にベースユニット41を支持するた
めの脚部79を備えている。これら脚部79は、粘着性の高いゴム足となっており、ベー
スユニット41を設置したときの衝撃吸収材として機能する他、振動等による位置ずれを
防ぐ機能を有している。
【0042】
一方、HDDユニット42は、ベースユニット41の上側に重合されるものであり、2
つのHDDドライブ81と、これら2つのHDDドライブ81が抜き差し自在に収容(装
着)されるユニット筐体であるディスク用筐体82と、ディスク用筐体82の開口部80
を開閉自在に閉塞する開閉蓋83と、から成る。2つのHDDドライブ81は、それぞれ
アッセンブリ化されており、個々に抜き差し可能である。また、各HDDドライブ81は
、その前面にレバー161a,161bを有しており、装着時には当該レバー161a,
161bを押して差し込み、差し込み後レバー161a,161bを離すと、各HDDド
ライブ81の上部に形成された係止部162a,162bが、後述するカバーフレーム8
5の対応する位置に形成された係止受け部89a,89bに係止されるようになっている
。また、脱着時には、レバー161a,161bを上げて係止状態を解除し、HDDドラ
イブ81を抜き出す。
【0043】
ディスク用筐体82は、これら2つのHDDドライブ81の抜き差しをガイドする中央
レール84と、HDDドライブ81を保護すると共にユニット剛性を高めるためのカバー
フレーム85と、を備えている。また、その背面側には、HDDドライブ81を冷却する
ための2つの冷却ファン86を備え、さらに背面パネル88には、冷却ファン86の熱を
逃がすための冷却スリット87が形成されている。さらに、ディスク用筐体82の前面側
には、上記の開閉蓋83として、下辺を基点として開閉する前面パネルを備え、HDDド
ライブ81の装着後、この前面パネルを閉じることで、コンピュータ40の前面が面一と
なる。
【0044】
また、カバーフレーム85の背板前面側には、ベースユニット41の上向きコネクタ1
01と接続されるHDD側コネクタ121(図4等参照)を備えており、当該HDD側コ
ネクタ121には、HDDドライブ81が開口部側から接続されるようになっている。す
なわち、当該HDD側コネクタ121を介して、HDDドライブ81とベースユニット4
1(コネクタ基板75)との信号および電源の授受が行われる。
【0045】
上記のように構成されたコンピュータ40は、例えばCPUモジュール71またはHD
Dドライブ81が故障した場合、電源切断後、錠装置38を解錠することによってCPU
モジュール71またはHDDドライブ81の交換が可能である。このとき、ベースユニッ
ト41とHDDユニット42とは、重合した状態のままであり、且つコネクタ基板75に
接続されている周辺機器用コネクタ103も接続したままの状態である。すなわち、工具
などを一切使用することなく、またベースユニット41には多数のケーブルおよびコネク
タが繋がれたままの状態で、容易にCPUモジュール71またはHDDドライブ81を交
換することができるようになっている。
【0046】
ところで、コンピュータ40は、上述したとおりACアダプタ44(図1参照)に代え
て、電源ユニット43を追加した構成とすることも可能である。そこで、図8および図9
を参照し、電源ユニット43の装置構成について説明する。図8に示すように、電源ユニ
ット43は、ベースユニット41の下側に重合されるものであり、電源アダプタ91aお
よびバッテリ91b(無停電電池)と、これらが抜き差し自在に収容(装着)されるユニ
ット筐体である電源用筐体92と、電源用筐体92の開口部90を開閉自在に閉塞する開
閉蓋93と、から成る。
【0047】
電源用筐体92は、金属製の箱体であり、シールド機能を有している。また、HDDユ
ニット42と同様、上記の開閉蓋93として、下辺を基点として開閉する前面パネルを備
え、電源アダプタ91aおよびバッテリ91bの装着後、この前面パネルを閉じることで
、コンピュータ40の前面が面一となる。また、特に図示しないが、電源用筐体92の天
板には、ベースユニット41(CPU用筐体72)の4つの脚部79(図4参照)に当接
する部分に、それを受容する相補的形状の溝部が形成されており、これらによってベース
ユニット41が位置決めされる。また、電源用筐体92の底板にも、ベースユニット41
と同様に4つの脚部99が形成されている。
【0048】
なお、電源ユニット43を追加した構成とする場合は、上記の構成ではなく、ベースユ
ニット41の脚部79を取り外して重合させるようにしても良い。係る場合には、ベース
ユニット41の側板を延長した位置決め片を形成し、当該位置決め片が電源ユニット43
の上部に被って位置決めが為されるようにしてもよい。また、この場合、電源ユニット4
3の上部に、位置決め片に係合する段部を設け、位置決め片による突出部が生じないよう
に接合することも可能である。
【0049】
前面パネルを開くと、図9に示すように、機能モジュールとして、電源アダプタ91a
およびバッテリ91bが収容されている。これら電源アダプタ91aおよびバッテリ91
bは、不図示の中央レールの両側(左右)に収容され、前面側からスライド式で個別に抜
き差し可能となっている(図4のHDDユニット42の構成参照)。電源アダプタ91a
は、商用電源45(図11参照)から1次電源(AC電源)を入力し、DC電源に変換す
る。また変換後のDC電源を、電源出力コネクタ123および不図示の電源ケーブルを介
し、ベースユニット41に2次電源として出力する。当該電源のベースユニット41側の
入力は、ベースユニット41の背面パネル76に形成された電源コネクタ134(図7参
照)を用いる。一方、バッテリ91bは、複数の電池セル94を有し、電源アダプタ91
aとの間で、通常時における充電、停電時における放電を行う。
【0050】
なお、特に図示しないが、ベースユニット41と電源ユニット43との接続は、ベース
ユニット41とHDDユニット42との接続と同様の構成としても良い。すなわち、ベー
スユニット41に下向きコネクタを設けると共に、電源ユニット43に当該下向きコネク
タと接続される電源側コネクタを設け、当該電源側コネクタを下側から接続させるように
しても良い。この場合、電源ユニット43の天板は取り外し可能となっており、電源側コ
ネクタを用いて接続する場合は、この天板を取り外して接続する構成が好ましい。
【0051】
次に、図10ないし図12を参照し、コンピュータ40の制御構成について説明する。
なお、ここでは、図8に示す構成(下から、電源ユニット43、ベースユニット41、H
DDユニット42の順に重合した構成)を例示する。また、図1に示したように、メンテ
ナンス端末20とのリモートメンテナンス制御についても詳述する。図10は、コンピュ
ータ40の制御ブロック図、図11は、1チップCPU30を中心とした各ハードウェア
との信号の流れを示す説明図、図12は、コンピュータ40の機能ブロック図である。
【0052】
図10に示すように、コンピュータ40は、下側から電源ユニット43、ベースユニッ
ト41並びにHDDユニット42から成り、それぞれハードウェア要素を機能別にモジュ
ール化した機能モジュール(電源アダプタ91aおよびバッテリ91b、CPUモジュー
ル71並びにHDDドライブ81)を収容している。
【0053】
ベースユニット41は、CPU用筐体72のコネクタ基板75に、LANポート133
(図7参照)を介してメンテナンス端末20との通信を行う1チップCPU30が取り付
けられている。1チップCPU30は、専用電源38を有しており、電源ユニット43が
接続されていない状態(若しくは電源ユニット43が接続されていても電源アダプタ91
aやバッテリ91bが装着されていない状態)でも機能できるようになっている。また、
1チップCPU30は、メンテナンス端末20から送信された各種情報(コンピュータ4
0の組立や交換をガイドするガイド情報など)を表示装置36に表示させたり、音声再生
回路39に音声ガイド情報を提供したりすることで、スピーカ37から音声出力を行うな
どの制御を行う。なお、これら表示装置36、音声再生回路39およびスピーカ37も、
専用電源38からの電源供給を受けており、電源ユニット43が接続されていない状態で
も機能できるようになっている。
【0054】
さらに、図11に示すように、1チップCPU30は、コネクタ基板75を介して、C
PUモジュール71、HDDユニット42(HDDドライブ81)および電源ユニット4
3(電源アダプタ91aおよびバッテリ91b)といった各ハードウェアの監視を行って
いる。CPUモジュール71を例に挙げると、機構的には、CPUモジュール71とCP
U用筐体72との勘合で閉じるスイッチ120があり、電気的にはスイッチ120の状態
信号が1チップCPU30の割り込み入力に接続されており、横向きコネクタ102およ
びモジュール側コネクタ122を介して入力された信号が反転することで、1チップCP
U30が割り込み信号を検出する。
【0055】
割り込み信号を検出すると、1チップCPU30は、CPUモジュール71の抜き出し
を示す割り込み信号を、ネットワークを介してメンテナンス端末20に通知する。なお、
その通知手段は特定のプロトコルでもよいが、インターネットのプロトコルであるSMN
Pや、メールを用いても良い。なお、1チップCPU30は、CPUモジュール71の抜
き出しによる割り込み信号の検出をトリガとして、後述のリモートガイド処理(図13参
照)を開始する。また、割り込み信号を検出すると、表示装置36にその旨(「CPUモ
ジュール71が装着されていません」といった内容のメッセージ)を表示する。なお、こ
れら表示制御を行うための制御プログラムおよび制御データは、1チップCPU30内の
ROM331(EEPROM)に記憶されているものである。
【0056】
なお、図11では、CPUモジュール71の装着を検出するスイッチ120についての
み説明したが、HDDユニット42の重合、ディスク用筐体82へのHDDドライブ81
の装着、電源ユニット43の重合、電源用筐体92への電源アダプタ91aやバッテリ9
1bの装着についても同様の機構(上向きコネクタ101およびHDD側コネクタ121
,電源コネクタ134および電源出力コネクタ123(電源ケーブルを用いる場合),下
向きコネクタおよび電源側コネクタ(HDDユニット42と同様の接続を行う場合,いず
れも図示省略)を含む)により検出できるようになっている。そして、1チップCPU3
0は、それらをいずれも異なる割り込み信号として検出可能であり、検出した割り込み信
号をメンテナンス端末20に通知する。また、同時に、それらが装着/脱着された旨を表
示装置36に表示する。このとき、同時に音声ガイドによってもその旨を報知するように
しても良い。メンテナンス端末20は、1チップCPU30から送信された割り込み信号
の種別に応じて、適切なガイド情報および音声ガイド情報をクライアント端末10に返信
し、1チップCPU30にそれらのガイド情報に基づく表示制御および音声出力制御を行
わせることとなる。
【0057】
また、1チップCPU30は、リモートメンテナンスの一環として、各ハードウェアの
装着または接続に関する監視だけでなく、各ハードウェア(機能モジュール)の状態(エ
ラー発生、電圧、温度等)や動作も含めて監視し、その監視結果をメンテナンス端末20
に送信する。メンテナンス端末20は、取得した監視結果に基づいて、表示装置36やス
ピーカ37によってエラー報知を行うための情報送信、各種データ(クライアント情報や
イベントログ)の取得、データの書き換え、修正プログラムの送信等、必要な障害修復処
理を実行する。
【0058】
続いて、図12の機能ブロック図を参照し、リモートメンテナンスシステム1を実現す
るための構成要素について説明する。なお、ハードウェア機構については、各構成要素の
説明に必要なもののみを図示している。クライアント端末10は、コンピュータ40のベ
ースユニット41に1チップCPU30を備え、当該1チップCPU30は、電源制御手
段310、音声再生手段320、テストプログラム実行手段330、使用許可手段340
、モジュール監視手段350、メモリ監視手段360、表示手段370、送受信手段38
0およびロック手段390を備えている。
【0059】
電源制御手段310は、電源ON状態において、ベースユニット41の前面パネル73
bに設けられた錠装置38の解錠を検出したとき、電源ユニット43からの電源供給を停
止させるものである。また、機能モジュールのいずれか(HDDドライブ81、CPUモ
ジュール71、電源アダプタ91a、バッテリ91bのいずれか)が正常に装着または接
続されていない場合、電源スイッチ33の電源ON操作を無効にする制御も行う(電源無
効手段)。但し、電源コネクタ134の監視により、ACアダプタ44が接続されている
ことを検出している場合は、電源アダプタ91aおよびバッテリ91bが接続されていな
いことを検出していても、電源ON操作を無効にする制御は行わない。また、HDDユニ
ット42を接続する構成となっていない場合は(HDDユニット42を有するか否かに関
する情報は、予めメンテナンス端末20からの指示により1チップCPU30内のRAM
332(図11参照)に記憶されている)、上向きコネクタ101の監視により、HDD
ドライブ71が接続されていないことを検出していても、電源ON操作を無効にする制御
は行わない。
【0060】
音声再生手段320は、メンテナンス端末20から送信された、機能モジュールの組立
または交換作業を音声ガイドするための音声ガイド情報を音声再生回路39に提供するも
のである。音声再生回路39は、音声ガイド情報が提供されると、これをスピーカ37に
出力する。なお、音声ガイド情報は、後述するガイド情報(機能モジュール71,81,
91および機能ユニット41,42,43の組立または交換作業を表示装置36の表示に
よりガイドするための情報)と同期して再生されるものである。
【0061】
テストプログラム実行手段330は、CPUモジュール71の交換作業を終えた後、メ
ンテナンス端末20から送信されるテストプログラムをCPUモジュール71に提供し、
実行させるものである。なお、テストプログラムを1チップCPU30内のROM331
(図11参照)に記憶しておき、後述する作業終了検出手段352の検出をトリガとして
、自身で(メンテナンス端末20からの指示に依らず)テストプログラムを実行させるよ
うにしても良い。
【0062】
使用許可手段340は、テストプログラムの実行終了に伴ってメンテナンス端末20か
ら送信される使用許可信号の受信に基づき、コンピュータ40を使用許可状態とするもの
である。「使用許可状態とする」とは、具体的にはPOS用周辺機器60からの入力信号
をコンピュータ40に入力可能な状態とすると共に、表示装置36にその旨(使用許可状
態となった旨)を表示することを指す。
【0063】
モジュール監視手段350は、各機能モジュール71,81,91の装着または接続、
並びに状態を監視するものであり、割り込み信号検出手段351、作業終了検出手段35
2およびプログラム実行終了検出手段353を有している。割り込み信号検出手段351
は、各機能モジュール71,81,91の着脱または接続/非接続を示す割り込み信号を
検出するものである。また、作業終了検出手段352は、各機能モジュール71,81,
91の組立または交換作業の終了を検出するものである。当該検出は、組立の場合、予め
メンテナンス端末20からの指示により1チップCPU30内のROM331に書き込ま
れている機能モジュールテーブルに存在する機能モジュールが全て装着または接続された
とき、検出されるものである。一方、交換の場合は、抜き出された機能モジュールが装着
または接続されたとき、検出されるものである。また、プログラム実行終了検出手段35
3は、CPUモジュール71の動作を監視し、プログラム実行終了を検出するものである

【0064】
メモリ監視手段360は、コンパクトフラッシュ(登録商標)CFの書き換え回数を監
視するものである。なお、この監視結果である監視情報は、所定時間毎、若しくは書き換
え毎に、後述する監視情報送信手段384によりメンテナンス端末20に送信される。一
方、メンテナンス端末20は、受信した監視情報に基づいて、後述するメモリ寿命予測手
段220により、メモリ寿命を予測する。
【0065】
表示手段370は、表示装置36への表示制御を行うものであり、ガイド情報表示手段
371および予測結果表示手段372を有している。ガイド情報表示手段371は、メン
テナンス端末20から送信されたガイド情報を表示させる。また、予測結果表示手段37
2は、メンテナンス端末20から送信されたコンパクトフラッシュ(登録商標)CFのメ
モリ寿命予測結果を表示させる。具体的には、コンパクトフラッシュ(登録商標)CF内
の書き換え予備領域の消費率を算出して予測し、例えば、85%で警告、90%で交換の
指示を行う。そして、その旨を表示する。なお、後者の表示を行う場合は、同時にコンパ
クトフラッシュ(登録商標)CFの交換を促すメッセージを表示することが好ましい。ま
た、表示手段370とは関係ないが、書き換え不可能になると予測されたときは、1チッ
プCPU30により、コンパクトフラッシュ(登録商標)CFの使用を禁止する制御を行
うようにしても良い。
【0066】
送受信手段380は、メンテナンス端末20との通信を行うものであり、割り込み信号
送信手段381、作業終了信号送信手段382、プログラム実行終了信号送信手段383
および監視情報送信手段384を有している。これらは、それぞれ割り込み信号検出手段
351、作業終了検出手段352、プログラム実行終了検出手段353の検出結果、およ
びメモリ監視手段360の監視結果を、メンテナンス端末20に送信するものである。な
お、メンテナンス端末20から、これらの送信に対する返信情報を受信する手段について
は、説明を省略する。
【0067】
一方、メンテナンス端末20は、記憶手段210、メモリ寿命予測手段220および送
受信手段230を備えている。記憶手段210は、図1に示したデータベースDBに相当
するものであり、ガイド情報記憶手段211、音声ガイド情報記憶手段212およびテス
トプログラム記憶手段213を有している。
【0068】
ガイド情報記憶手段211は、クライアント端末10から送信された割り込み信号の種
別に応じたガイド情報を記憶するものである。例えば、CPUモジュール71の抜き出し
を示す割り込み信号については、CPUモジュール71の交換をガイドする動画をストリ
ーミング再生するための情報が関連づけられている。また、その他の機能モジュールの抜
き出しを示す割り込み信号についても、同様にその交換をガイドする情報が関連づけられ
ている。さらに、いずれかの機能モジュールの差し込みを示す割り込み信号については、
コンピュータ40の組立をガイドする動画をストリーミング再生するための情報が関連づ
けられている。
【0069】
音声ガイド情報記憶手段212は、上記のガイド情報記憶手段211による動画再生と
同期して音声ガイドするための音声ガイド情報を記憶している。したがって、ガイド情報
記憶手段211に記憶されている情報とセットでクライアント端末10に送信されること
となる。
【0070】
テストプログラム記憶手段213は、上記のテストプログラム実行手段330により実
行されるテストプログラムを記憶するものである。なお、モジュール監視手段350によ
りCPUモジュール71の種別が判別できる場合は、クライアント端末10からその種別
情報を受信し、種別に合ったテストプログラムを選択して、後述するテストプログラム送
信手段233により送信することが好ましい。
【0071】
メモリ寿命予測手段220は、クライアント端末10(監視情報送信手段384)から
送信されたメモリ監視情報に基づいて、コンパクトフラッシュ(登録商標)CFの書き換
え寿命、すなわちメモリ寿命を予測するものである。上記の通り、実際には、コンパクト
フラッシュ(登録商標)CF内の書き換え予備領域の消費率を算出して予測し、例えば、
85%で警告、90%で交換の指示を行う。そして、その旨を示すメモリ寿命予測情報を
、後述するメモリ寿命予測情報送信手段235に送信する。
【0072】
送受信手段230は、クライアント端末10(1チップCPU30)との通信を行うも
のであり、ガイド情報送信手段231、音声ガイド情報送信手段232、テストプログラ
ム送信手段233、使用許可信号送信手段234およびメモリ寿命予測情報送信手段23
5を有している。ガイド情報送信手段231および音声ガイド情報送信手段232は、ク
ライアント端末10の割り込み信号送信手段381に対する返信情報として、ガイド情報
記憶手段211および音声ガイド情報記憶手段212に記憶されている情報を送信するも
のである。また、テストプログラム送信手段233は、クライアント端末10の作業終了
信号送信手段382に対する返信情報として、テストプログラム記憶手段213に記憶さ
れている情報を送信するものである。また、使用許可信号送信手段234は、クライアン
ト端末10のプログラム実行終了信号送信手段383に対する返信情報として、クライア
ント端末10の使用を許可する使用許可信号を送信するものである。また、メモリ寿命予
測情報送信手段235は、メモリ寿命予測手段220による予測結果であるメモリ寿命予
測情報をクライアント端末10に送信するものである。なお、クライアント端末10から
、各種情報を受信する手段については、説明を省略する。
【0073】
次に、図13のフローチャートを参照し、リモートガイド処理について説明する。ここ
では、CPUモジュール71の抜き出しを示す割り込み信号を検出した場合を例示する。
クライアント端末10(1チップCPU30)が、CPUモジュール71の抜き出しを検
出すると(S01,割り込み信号検出手段351)、その旨を示す割り込み信号をメンテ
ナンス端末20に送信する(S02,割り込み信号送信手段381)。メンテナンス端末
20は、CPUモジュール71の抜き出しを示す割り込み信号を受信すると、CPUモジ
ュール71の交換をガイドするガイド情報および音声ガイド情報をガイド情報記憶手段2
11および音声ガイド情報記憶手段212から読み出し、クライアント端末10に送信す
る(S03,ガイド情報送信手段231および音声ガイド情報送信手段232)。
【0074】
クライアント端末10は、受信したガイド情報を表示装置36に表示させると共に、音
声ガイド情報をスピーカ37に出力させ、CPUモジュール71の交換をガイダンスする
(S04,ガイド情報表示手段371および音声再生手段320)。ストリーミング再生
は、その再生終了となる前に作業終了を検出した場合は、その時点で再生を中止する。ま
た、再生終了となった後も作業終了を検出しない場合は、繰り返し再生する。作業終了、
すなわちCPUモジュール71の交換終了を検出すると(S05,作業終了検出手段35
2)、その旨を示す作業終了信号を作業終了信号送信手段382によりメンテナンス端末
20に送信する。メンテナンス端末20は、作業終了信号を受信すると、テストプログラ
ム記憶手段213からテストプログラムを読み出し、クライアント端末10に送信する(
S06,テストプログラム送信手段233)。なお、クライアント端末10の表示装置3
6には、CPUモジュール71の交換終了を検出すると、CPUモジュール71が装着さ
れた旨を表示し、その後は「テストプログラムを実行します。業務再開までしばらくお待
ち下さい。」といった内容のメッセージを表示する。
【0075】
クライアント端末10は、受信したテストプログラムをCPUモジュール71に提供し
てこれを実行させる(S07,テストプログラム実行手段330)。また、テストプログ
ラムの実行終了を検出すると(S08,プログラム実行終了検出手段353)、その旨を
示すプログラム実行終了信号をプログラム実行終了信号送信手段383によりメンテナン
ス端末20に送信する。なお、正常にテストプログラムが実行できなかった場合は、その
旨を送信する。メンテナンス端末20は、プログラム実行終了信号を受信すると、メンテ
ナンス端末20の使用を許可する使用許可信号をクライアント端末10に送信する(S0
9,使用許可信号送信手段234)。
【0076】
クライアント端末10は、使用許可信号を受信すると、その旨を表示装置36に表示す
ると共に、POS用周辺機器60からの入力信号をコンピュータ40に入力可能な状態と
する(S10,使用許可手段340)。すなわち、使用許可信号の受信により、初めて業
務再開が可能となる(S11)。これにより、専門の業者でなく店員がCPUモジュール
71の交換を行った場合でも、確実にメンテナンス端末20がクライアント端末10の動
作を保証することができる。
【0077】
以上、説明したとおり、本実施形態に係るクライアント端末10のコンピュータ40は
、各機能ユニット41,42,43のユニット筐体の開口部70,80,90に、ハード
ウェア要素を機能別にモジュール化した機能モジュール71,81,91をそれぞれ挿入
することで組立可能となっている。つまり、工具などを用いてユニット筐体を分解し、ハ
ードウェア要素を組み込んでいくといった煩雑な工程を必要としないため、専門の業者で
なくとも、容易にモジュール交換や修理を行うことができるため、TCOを効果的に削減
することができる。また、複数の機能ユニット41,42,43を重合した状態で、各機
能ユニット41,42,43の開口部70,80,90は共通の一の側面に配置されるた
め、レジカウンターなど狭い場所に収容されている場合でも、コンピュータ40を一旦外
に取り出して作業を行うといった必要がなく、作業が容易である。さらに、コンピュータ
40の側面は、全て面一に構成されているため(図8参照)、意匠的にも好ましい。
【0078】
また、ベースユニット41のCPU用筐体72には、複数の周辺機器用コネクタ103
が形成または接続されるコネクタ基板75が配設されているため、各機能モジュールの交
換を行う際、周辺機器用コネクタ103を接続したまま容易に作業を行うことができる。
また、コネクタ基板75には、横向きコネクタ102が接続されているため、CPUモジ
ュール71の差し込みに伴って、コネクタ基板と自動接続することができる。さらに、上
向きコネクタ101を備えているため、HDDユニット42とケーブル接続の必要がなく
、コンピュータ40が狭い場所に配置されている場合でもケーブルやコネクタが邪魔にな
ることがない。
【0079】
また、複数の機能ユニット41,42,43の相互間には、その重合状態およびCPU
モジュール71の装着状態をロック・アンロックするオートロック機構がそれぞれ介設さ
れているため、セキュリティ面および安全面を向上させることができる。また、オートロ
ック機構は、横向きコネクタ102および上向きコネクタ101に組み込まれているため
、オートロック機構を別途必要とせず、装置コストを低減できる。
【0080】
また、オートロック機構は、電源ON状態では機能ユニット41,42,43の分離が
できないようにロックされるため、ユーザが危険に晒されることがない。さらに、電源O
N状態において、錠装置38が解錠された場合は、ベースユニット41を電源OFF状態
とするため、フェールセーフに役立つ。また、機能モジュールが1つでも正常に装着また
は接続されていない場合は錠装置38を施錠して電源ON操作を行っても電源ON状態と
ならないため、同じくフェールセーフに役立つ。
【0081】
また、リモートメンテナンスされるクライアント端末10が、そのベースユニット41
にメンテナンス端末20との通信を行う1チップCPU30を備えているため、CPUモ
ジュール71や電源ユニット43が装着または接続されていない状態、すなわちコンピュ
ータ40が機能しない状態でも、リモートメンテナンスを行うことができる。また、1チ
ップCPU30が、機能モジュールの着脱または接続/非接続を示す割り込み信号を検出
し、これをメンテナンス端末20に送信することで、メンテナンス端末20から、機能モ
ジュール71,81,91および機能ユニット41,42,43の組立または交換作業を
ガイドするためのガイド情報および音声ガイド情報を受信し、表示装置36やスピーカ3
7でガイダンスさせることができる。これにより、ユーザ(オペレータ)は、ガイダンス
に従って、機能モジュール71,81,91の組立または交換作業を容易に行うことがで
きる。
【0082】
また、コンパクトフラッシュ(登録商標)CFの書き換え寿命をコンパクトフラッシュ
(登録商標)CFから定期的に予備領域の情報を取得することで監視し、その監視結果を
メンテナンス端末20に送信して、メモリ寿命を予測させ、さらにその予測結果を表示装
置36に表示するため、ユーザはコンパクトフラッシュ(登録商標)CFの交換時期を知
ることができる。この寿命の監視や表示といったコンパクトフラッシュ(登録商標)CF
の寿命管理は、1チップCPU30が行ってもよいし、CPUモジュール71が行っても
よい。
【0083】
なお、上記の例では、クライアント端末10とメンテナンス端末20とが、クライアン
トサーバ方式で接続されているものとしたが、ピアーツーピアー方式で接続されていても
良い。また、メンテナンス端末20の監視結果の取得は、1チップCPU30がメンテナ
ンス端末20に監視結果を送信するものとしたが、メンテナンス端末20側から1チップ
CPU30にアクセスして監視結果を読み出すようにしても良い。
【0084】
また、上記の例では、ガイド情報と音声ガイド情報は、両方が同期して再生・出力され
るものとしたが、いずれか一方のみの再生・出力でも良い。また、いずれの情報を用いた
ガイド方法が良いかを、クライアント端末10側で選択できるようにしても良い。また、
表示装置36には、組立または交換をガイドする動画をストリーミング再生させるのでは
なく、静止画を表示させるようにしても良い。この場合、各ハードウェア(機能ユニット
41,42,43および機能モジュール71,81,91)の検出毎に、その検出したハ
ードウェアの装着方法を示す静止画を表示装置36に表示させることが好ましい。
【0085】
また、上記の例では、ガイド情報を表示する手段として、ベースユニット41に表示装
置36を備えるものとしたが、当該表示装置36に代えて、オペレータ用ディスプレイ6
3またはカスタマディスプレイ64(図1参照)を用いても良い。また、音声ガイド情報
を出力する手段についても、スピーカ37に代えて、既存の音声出力手段(例えば、音声
出力コネクタ端子137に接続される、エラー音や商品バーコードを読み取ったときの認
識音の出力のためのスピーカなど)を用いても良い。この構成によれば、その分の装置コ
ストの低減を図ることができる。
【0086】
また、1チップCPU30(テストプログラム実行手段330,図12参照)により、
テストプログラムを実行させる処理を行うものとしたが、その実行結果を、メンテナンス
端末20に送信するだけでなく、レシートプリンタ65(図1参照)によって印刷出力す
る構成としても良い。また、印刷出力に代えて、オペレータ用ディスプレイ63またはカ
スタマディスプレイ64に表示するようにしても良い。これらの構成によれば、クライア
ント端末10を操作するユーザ(オペレータ)にも、テストプログラムの実行結果を知ら
せることができる。
【0087】
次に、図14を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の実施形態では
、メンテナンス端末20によりクライアント端末10をメンテナンスするものとしたが(
例えば、リモードガイド処理(図13参照)など)、本実施形態では、クライアント端末
10自身でメンテナンスする点で異なる。すなわち、本実施形態は、上記のメンテナンス
端末20および1チップCPU30による制御を、1チップCPU30のみで実現するこ
とを特徴とする。そこで、第1実施形態と異なる点を中心に以下説明する。
【0088】
図14は、第2実施形態に係るクライアント端末10(コンピュータ40)の機能ブロ
ック図である。図12の第1実施形態の構成と異なるのは、送受信手段380を有しない
代わりに、記憶手段410およびメモリ寿命予測手段420を有する点である。なお、記
憶手段410内のガイド情報記憶手段411、音声ガイド情報記憶手段412およびテス
トプログラム記憶手段413は、図12の記憶手段210内のガイド情報記憶手段211
、音声ガイド情報記憶手段212およびテストプログラム記憶手段213に相当するもの
である。また、本実施形態の記憶手段410は、1チップCPU30内のROM331(
図11参照)によって機能されるものである。さらに、メモリ寿命予測手段420は、図
12のメモリ寿命予測手段220に相当するものであり、1チップCPU30によって機
能されるものである。
【0089】
つまり、本実施形態では、例えば、CPUモジュール71の抜き出しを示す割り込み信
号を検出すると、CPUモジュール71の交換をガイドするガイド情報および音声ガイド
情報をROM331から読み出し、表示装置36およびスピーカ37によりガイダンスを
行う。また、CPUモジュール71の交換終了を検出すると、ROM331からテストプ
ログラムを読み出し、これをCPUモジュール71に提供する。また、テストプログラム
の実行終了を検出すると使用許可制御を行う。
【0090】
このように、本実施形態によれば、1チップCPU30のみで、一連のメンテナンス処
理を実行できるため、第1実施形態のようにリモートメンテナンスシステム1といった大
がかりなシステムとしなくとも、初心者でも容易に組立および交換可能なコンピュータ4
0を提供することができる。
【0091】
なお、上記の2つの実施形態では、POS端末用のコンピュータ40を例示したが、P
OS端末用に限らず、ハードウェア要素を機能別にモジュール化したコンピュータ40に
本発明を適用可能である。
【0092】
また、上記の2つの実施形態に示した、コンピュータ40および1チップCPU30の
機能をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記録媒体(
図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フ
ラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア
、メモリスティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイル
ディスクおよびフレキシブルディスク、ハードディスク等を利用可能である。
【0093】
また、上記の実施形態におけるリモートメンテナンスシステムやコンピュータ40の例
によらず、システム構成、装置構成および処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、適宜変更も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】リモートメンテナンスシステムのシステム構成図である。
【図2】CPUモジュールを取り外した状態のコンピュータの外観斜視図である。
【図3】ベースユニットの前面パネルの平面図である。
【図4】ハードディスクドライブおよびCPUモジュールを取り外した状態のコンピュータの透視図である。
【図5】ハードディスクドライブおよびCPUモジュールを装着した状態のコンピュータの透視図である。
【図6】図5を背面側から見た透視図である。
【図7】ベースユニットの背面パネルの平面図である。
【図8】電源ユニットを重合したコンピュータの外観斜視図である。
【図9】電源ユニットの模式図である。
【図10】コンピュータの制御ブロック図である。
【図11】1チップCPUを中心とした各ハードウェアとの信号の流れを示す説明図である。
【図12】コンピュータの機能ブロック図である。
【図13】リモートガイド処理を示すフローチャートである。
【図14】第2実施形態に係るコンピュータの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0095】
1:リモートメンテナンスシステム,10:クライアント端末,20:メンテナンス端
末,30:1チップCPU,36:表示装置,40:コンピュータ,60:POS用周辺
機器,41:ベースユニット,42:ハードディスクユニット,43:電源ユニット,4
4:ACアダプタ,71:CPUモジュール,72:CPU用筐体,81:ハードディス
クドライブ,82:ディスク用筐体,91a:電源アダプタ,91b:バッテリ,92:
電源用筐体,CF:コンパクトフラッシュ(登録商標)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードウェア要素を機能別にモジュール化した1以上の機能モジュールが搭載されて成
るコンピュータであって、
前記1以上の機能モジュールが装着または接続されるベースユニットを備え、
前記ベースユニットは、
表示装置と、
専用電源を有し、少なくとも前記1以上の機能モジュールの装着または接続に関して監
視を行うと共に、その監視結果に基づく情報を前記表示装置に表示させる監視用コントロ
ーラと、を備えていることを特徴とするコンピュータ。
【請求項2】
前記監視用コントローラは、
前記1以上の機能モジュールの組立または交換作業をガイドするためのガイド情報を記
憶するガイド情報記憶手段と、
前記1以上の機能モジュールの着脱または接続/非接続を示す割り込み信号を検出する
割り込み信号検出手段と、
前記割り込み信号の検出に基づいて、前記ガイド情報記憶手段に記憶している前記ガイ
ド情報を、前記表示装置に表示させるガイド情報表示手段と、を備えていることを特徴と
する請求項1に記載のコンピュータ。
【請求項3】
前記ガイド情報は、前記表示装置に、前記1以上の機能モジュールの組立または交換作
業をガイドする動画をストリーミング再生させるための情報であることを特徴とする請求
項2に記載のコンピュータ。
【請求項4】
前記ベースユニットは、音声再生回路と、当該音声再生回路を介して動作するスピーカ
と、をさらに備え、
前記監視用コントローラは、
前記1以上の機能モジュールの組立または交換作業を音声ガイドするための音声ガイド
情報を記憶する音声ガイド情報記憶手段と、
前記割り込み信号の検出に基づいて、前記音声ガイド情報記憶手段に記憶している前記
音声ガイド情報を、前記音声再生回路に提供する音声再生手段と、をさらに備えているこ
とを特徴とする請求項2または3に記載のコンピュータ。
【請求項5】
前記監視用コントローラは、
テストプログラムを記憶するテストプログラム記憶手段と、
前記1以上の機能モジュールの組立または交換作業の終了を検出する作業終了検出手段
と、
前記交換作業終了の検出をトリガとして、前記テストプログラムを実行するテストプロ
グラム実行手段と、をさらに備えていることを特徴とする請求項2、3または4に記載の
コンピュータ。
【請求項6】
前記監視用コントローラは、
前記テストプログラムの実行終了を検出するプログラム実行終了検出手段と、
前記プログラム実行終了の検出をトリガとして、前記コンピュータ全体を使用許可状態
とする使用許可手段と、をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載のコンピュ
ータ。
【請求項7】
前記ベースユニットは、不揮発性メモリをさらに備え、
前記監視用コントローラは、
前記不揮発性メモリを監視するメモリ監視手段と、
前記不揮発性メモリの監視結果に基づいて、当該不揮発性メモリの書き換え寿命を予測
するメモリ寿命予測手段と、
前記メモリ寿命予測手段による予測結果を、前記表示装置に表示させる予測結果表示手
段と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコ
ンピュータ。
【請求項8】
前記ベースユニットは、電源スイッチをさらに備え、
前記監視用コントローラは、
前記1以上の機能モジュールのうち、少なくとも1つが正常に装着または接続されてい
ない場合、前記電源スイッチの電源ON操作を無効にする電源無効手段をさらに備えてい
ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のコンピュータ。
【請求項9】
前記1以上の機能モジュールには、CPUをモジュール化した前記機能モジュールであ
るCPUモジュール、ハードディスクドライブをモジュール化した前記機能モジュールで
あるハードディスクモジュール、電源アダプタおよびバッテリをそれぞれモジュール化し
た前記機能モジュールである電源モジュールのうち、いずれか1以上が含まれることを特
徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のコンピュータ。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のコンピュータにおける監視
用コントローラとして機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−193637(P2007−193637A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12048(P2006−12048)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】