説明

コンピュータシステム及びその稼動方法

【課題】本発明は、設定情報の更新により被制御システムに不具合が発生した場合であっても、バックアップデータによるコンピュータシステムの再構築を行うことなく復旧することができるコンピュータシステム及びその稼動方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係るコンピュータシステム及びその稼動方法は、少なくとも1台のバックアップシステムサーバ13及びバックアップシステム用記憶装置14を、メインシステムサーバ11及びメインシステム用記憶装置12と独立に備え、バックアップシステムサーバ13及びバックアップシステム用記憶装置14に、それぞれ、稼動実績のあるメインシステムサーバ11及びメインシステム用記憶装置12をレプリケーションすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムの障害対策技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンピュータシステムの障害対策では、コンピュータシステムの障害に対して、サーバ本体への対策又は記憶装置への対策が採用されていた(例えば、特許文献1参照。)。図3は、従来のコンピュータシステムの一例を示す概略構成図である。メインシステムサーバ11はアプリケーションプログラムを格納する。メインシステム用記憶装置12はメインシステムサーバ11の動作の設定を設定する設定情報を記憶している。メインシステムサーバ11は、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行し、被制御システム19を動作させる。
【0003】
従来の障害対策では、メインシステムサーバ11のほかに、1台以上のスタンバイシステムサーバ17を設置していた。通常時はメインシステムサーバ11のみを稼動させ、メインシステムサーバ11が原因で被制御システム19に不具合が生じた場合は、スタンバイシステムサーバ17を稼動させることにより被制御システム19を復旧していた。
【0004】
スタンバイシステムサーバ17は、メインシステムサーバ11と同様の機能を備え、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行する。このように、スタンバイシステムサーバ17がメインシステム用記憶装置12を参照することで、被制御システム19としての連続性(過去に設定された設定情報)を保持していた。一方、メインシステム用記憶装置12の障害への対策においては、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)構成などの障害対策がある。
【特許文献1】特開2007−193400公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンピュータシステムの更改時において書き換える設定の誤りに気づかないまま、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報を更新した場合、その設定情報は自動的にスタンバイシステム17に引き継がれる。この場合、スタンバイシステム17を稼動させても被制御システムの復旧を図ることはできない。
【0006】
また、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報の誤りによって被制御システム19に不具合が発生した場合、原因の特定に時間がかかることが多かった。さらにこの場合、復旧方法もバックアップデータを基に、設定情報だけでなくコンピュータシステム全体の再構築を余儀なくされることが多く、被制御システム19の復旧までに多大な時間を要していた。
【0007】
そこで、本発明は、メインシステム用記憶装置12の設定情報の更新によって被制御システムの動作に不具合が発生した場合であっても、被制御システムを高い確率で迅速に復旧することができるコンピュータシステム及びその稼動方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るコンピュータシステム及びその稼動方法は、被制御システムを動作させるメインシステムサーバ及びメインシステム用記憶装置のほかに、独立に、少なくとも1台のバックアップシステムサーバ及びバックアップシステム用記憶装置を備え、稼動実績のある設定情報に従ってバックアップシステムサーバがアプリケーションプログラムを実行することを特徴とする。
【0009】
バックアップシステムサーバが、稼動実績のある設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行するので、被制御システムを高い確率で復旧することができる。さらに、メインシステムサーバとは独立したバックアップシステムサーバを稼動させるので、被制御システムを迅速に復旧することができる。
【0010】
具体的には、本発明に係るコンピュータシステムは、被制御システムを動作させるアプリケーションプログラムを実行するメインシステムサーバと、前記メインシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶するメインシステム用記憶装置と、前記メインシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムと同じアプリケーションプログラムを実行するバックアップシステムサーバと、前記バックアップシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶するバックアップシステム用記憶装置と、を備え、
前記メインシステムサーバは、前記メインシステム用記憶装置の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行し、前記バックアップシステムサーバは、前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行し、前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報は、前記メインシステム用記憶装置が過去に記憶していた設定情報のレプリケーションであることを特徴とする。
【0011】
バックアップシステムサーバが、稼動実績のある設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行するので、被制御システムを高い確率で復旧することができる。さらに、バックアップシステムサーバがメインシステムサーバとは独立しているので、被制御システムを迅速に復旧することができる。よって、メインシステム用記憶装置の設定情報の更新によって被制御システムの動作に不具合が発生した場合であっても、被制御システムを高い確率で迅速に復旧することができる。
【0012】
本発明に係るコンピュータシステムでは、前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報が、前記メインシステム用記憶装置が予め定められた期日に記憶していた設定情報のレプリケーションであることが好ましい。バックアップシステムサーバが予め定められた期日の設定情報で被制御システムを動作させるので、復旧した被制御システムの状態を容易に把握することができる。
【0013】
本発明に係るコンピュータシステムでは、前記メインシステム用記憶装置が記憶している設定情報の変更前における設定情報のレプリケーションであることが好ましい。動作設定の変更の直前の状態で被制御システムを動作させることができる。
【0014】
本発明に係るコンピュータシステムの稼動方法は、被制御システムを動作させるアプリケーションプログラムを実行するメインシステムサーバと、前記メインシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶するメインシステム用記憶装置と、前記メインシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムと同じアプリケーションプログラムを実行するバックアップシステムサーバと、前記バックアップシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶するバックアップシステム用記憶装置と、を備えるコンピュータシステムの稼動方法であって、前記メインシステムサーバが、前記メインシステム用記憶装置の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行するメインシステムサーバ稼動ステップと、前記バックアップシステム用記憶装置が、前記メインシステム用記憶装置が過去に記憶していた設定情報のレプリケーションを記憶するレプリケーションステップと、前記被制御システムの不具合が生じた場合に、前記バックアップシステムサーバが、前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行するバックアップシステムサーバ稼動ステップと、を順に有することを特徴とする。
【0015】
レプリケーションステップにおいて、稼動実績のある設定情報のレプリケーションを記憶するので、被制御システムを高い確率で復旧することができる。さらに、バックアップシステムサーバ稼動ステップにおいて、バックアップシステムサーバがメインシステムサーバとは独立しているので、被制御システムを迅速に復旧することができる。よって、メインシステム用記憶装置の設定情報の更新によって被制御システムの動作に不具合が発生した場合であっても、被制御システムを高い確率で迅速に復旧することができる。
【0016】
本発明に係るコンピュータシステムの稼動方法では、前記レプリケーションステップにおいて、前記メインシステム用記憶装置が予め定められた期日に記憶していた設定情報のレプリケーションを記憶することが好ましい。バックアップシステムサーバが予め定められた期日の設定情報で被制御システムを動作させるので、復旧した被制御システムの状態を容易に把握することができる。
【0017】
本発明に係るコンピュータシステムの稼動方法では、前記レプリケーションステップにおいて、前記メインシステム用記憶装置が記憶している設定情報の変更前における設定情報のレプリケーションを記憶することが好ましい。動作設定の変更の直前の状態で被制御システムを動作させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、正常に動作していた過去の状態がそのまま再現できるので、メインシステム用記憶装置の設定情報の更新によって被制御システムの動作に不具合が発生した場合であっても、被制御システムを高い確率で迅速に復旧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。図1は、本実施形態に係るコンピュータシステムの概略構成図である。
【0020】
本実施形態に係るコンピュータシステムは、メインシステムサーバ11とメインシステム用記憶装置12と、バックアップシステムサーバ13と、バックアップシステム用記憶装置14と、を備える。本実施形態では、さらに、スイッチ15及び18と、スタンバイシステムサーバ17と、管理装置16と、被制御システム19と、を備える例について説明する。
【0021】
メインシステムサーバ11と、スタンバイシステムサーバ17と、メインシステム用記憶装置12と、スイッチ18とが、通常構成21を構成する。バックアップシステムサーバ13とバックアップシステム用記憶装置14は、通常構成21とは独立した独立構成22となっている。図1では、独立構成22は1つだが、複数であってもよい。
【0022】
被制御システム19は、コンピュータがアプリケーションプログラムを実行することによって動作するシステムであり、例えば、通信システム、計測システム又は交通システムである。本実施形態において、被制御システム19は、メインシステムサーバ11、スタンバイシステムサーバ17又はバックアップシステムサーバ13がアプリケーションプログラムを実行することによって動作する。
【0023】
管理装置16は、スイッチ15及びスイッチ18の切替を制御する。スイッチ15は、被制御システム19との接続先を、通常構成21と独立構成22との間で切り替える。スイッチ18は、スイッチ15との接続先を、メインシステムサーバ11とスタンバイシステムサーバ17との間で切り替える。
【0024】
被制御システム19に不具合が生じると、管理装置16は、スイッチ18を制御し、スイッチ15との接続先を、メインシステムサーバ11からスタンバイシステムサーバ17へ切り替える。スタンバイシステムサーバ17がアプリケーションプログラムを実行することによって被制御システム19を動作させる。スタンバイシステムサーバ17がアプリケーションプログラムを実行しても被制御システム19が復旧しない場合、管理装置16は、スイッチ15を制御し、被制御システム19との接続先を、通常構成21から独立構成22へ切り替える。独立構成22は、メインシステム用記憶装置12が過去に記憶していた設定情報のレプリケーションに従って被制御システム19を動作させるので、被制御システム19を高い確率で復旧することができる。通常構成21での被制御システム19の動作が可能になれば、管理装置16は、スイッチ15を制御して、被制御システム19との接続先を、独立構成22から通常構成21へ切り替える。
【0025】
管理装置16は、被制御システム19の不具合を検出することが好ましい。例えば、被制御システム19から入力される情報によってメインシステムサーバ11の稼動状態を把握して、不具合を検出する。被制御システム19の不具合は、メインシステムサーバ11、スタンバイシステムサーバ17又はバックアップシステムサーバ13の稼動状態を監視することで検出してもよい。なお、図1では、管理装置16とメインシステムサーバ11、スタンバイシステムサーバ17及びバックアップシステムサーバ13との接続線、及び、管理装置16と被制御システム19との接続線は省略した。
【0026】
なお、スタンバイシステムサーバ17は省略することができる。この場合、スイッチ18は不要である。被制御システム19に不具合が生じると、管理装置16は、スイッチ15を制御して、被制御システム19との接続先を、メインシステムサーバ11からバックアップシステムサーバ13へ切り替える。メインシステムサーバ11の再構築が完了すれば、管理装置16は、スイッチ15を制御して、被制御システム19との接続先を、独立構成22から通常構成21へ切り替える。
【0027】
メインシステムサーバ11は、被制御システム19を動作させるアプリケーションプログラムを実行する。メインシステム用記憶装置12は、メインシステムサーバ11の実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶する。メインシステムサーバ11は、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行する。被制御システム19が通信システムの場合、設定情報は、例えば、ユーザ情報又は相手先構成情報である。この場合、メインシステムサーバ11は、問い合わせのあったユーザに対し、ユーザごとに予め定められた相手先構成情報を読み出し、読み出した相手先構成情報に応じた制御情報を被制御システム19へ出力する。
【0028】
スタンバイシステムサーバ17は、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報に従って、メインシステムサーバ11の実行するアプリケーションプログラムと同じアプリケーションプログラムを実行する。メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報を用いるので、最新の状態で被制御システム19を復旧させることができる。
【0029】
バックアップシステムサーバ13は、メインシステムサーバ11の実行するアプリケーションプログラムと同じアプリケーションプログラムを実行する。バックアップシステム用記憶装置14は、バックアップシステムサーバ13の実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶する。バックアップシステムサーバ13は、バックアップシステム用記憶装置14の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行する。バックアップシステム用記憶装置14の記憶する設定情報は、メインシステム用記憶装置12が過去に記憶していた設定情報のレプリケーションである。このため、バックアップシステムサーバ13は、稼動実績のある設定情報を用いて被制御システム19を動作させるアプリケーションプログラムを実行することができる。
【0030】
スタンバイシステムサーバ17が被制御システム19を動作させるアプリケーションプログラムを実行しても被制御システム19が復旧しない場合には、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報に問題があることになる。この場合であっても、稼動実績のある設定情報を用いて被制御システム19を動作させるアプリケーションプログラムを実行することができるので、確実に被制御システム19を復旧させることができる。さらに、バックアップシステムサーバ13がメインシステムサーバ11と独立していることで、被制御システム19を早急に復旧させることができる。
【0031】
バックアップシステム用記憶装置14の記憶する設定情報が、メインシステム用記憶装置12が予め定められた期日に記憶していた設定情報のレプリケーションであることが好ましい。バックアップシステムサーバ13が予め定められた期日の設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行するので、定められた期日の状態で被制御システム19を動作させることができる。このため、復旧した被制御システム19の状態を容易に把握し、復旧した被制御システム19に対して対処すべき事項を明確にすることができる。
【0032】
ここで、予め定められた期日とは、例えば、予め定められた年月日又は予め定められた年月日における時刻である。また、予め定められた期日は、一定期間であってもよい。一定期間が月単位であれば、毎月の予め定められた日にちにおける、メインシステム用記憶装置12をバックアップシステム用記憶装置14にレプリケートする。また、一定期間が週単位であれば、予め定められた曜日における、メインシステム用記憶装置12をバックアップシステム用記憶装置14にレプリケートする。月単位又は週単位で定期的にレプリケーションを作成することで、被制御システム19の予想外の不具合に備えることができる。
【0033】
さらに、バックアップシステム用記憶装置14の記憶する設定情報が、メインシステム用記憶装置12が記憶している設定情報の変更前のレプリケーションであることが好ましい。バックアップシステムサーバ13がメインシステム用記憶装置12が記憶している設定情報の変更前の設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行するので、設定情報の変更前の状態で被制御システム19を動作させることができる。バックアップシステムサーバ13及びバックアップシステム用記憶装置14がメインシステムサーバ11の動作設定の変更前の状態を再現することで、被制御システム19を正常に動作させることができる。
【0034】
さらに、バックアップシステムサーバ13は、メインシステムサーバ11の過去の状態のレプリケーションであることが好ましい。この場合、バックアップシステムサーバ13とバックアップシステム用記憶装置14の過去の状態は、共通のタイミングにおける過去の状態である。バックアップシステムサーバ13を稼動させたときに、正常に動作していたメインシステムサーバ11及びメインシステム用記憶装置12をそのまま再現することができる。このため、バックアップシステムサーバ13及びバックアップシステム用記憶装置14は、メインシステムサーバ11が記憶している情報などのソフトウェアに限らず、ハードウェアについてもレプリケートされることが好ましい。
【0035】
本実施形態に係るコンピュータシステムの動作について図1及び図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係るコンピュータシステムの稼動方法の一例を示すフロー図である。メインシステムサーバ稼動ステップS101では、メインシステムサーバ11が、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行する。これによって、被制御システム19が動作する。
【0036】
レプリケーションステップS102では、バックアップシステム用記憶装置14が、メインシステム用記憶装置12が過去に記憶していた設定情報のレプリケーションを記憶する。例えば、管理装置16が、通常構成21側のメインシステム用記憶装置12に記憶されている設定情報のバックアップファイルを作成する。バックアップファイルの作成は、一定期間ごと、又は、メインシステム用記憶装置12が過去に記憶していた設定情報の変更前である。そして、バックアップファイル作成後、即時に独立構成22側のバックアップシステム用記憶装置14ヘファイル転送する。そして、管理装置16が、バックアップシステム用記憶装置14の記憶しているバックアップファイルを読み出し可能な状態に設定する。レプリケーションステップS102において、読み出し可能な状態に設定するのは、メインシステム用記憶装置12が過去に記憶していた稼動実績のある設定情報が好ましい。
【0037】
レプリケーションステップS102において、読み出し可能な状態に設定するのは、例えば、予め定められた期日に記憶していた設定情報である。また、読み出し可能な状態に設定するのは、メインシステム用記憶装置12が過去に記憶していた設定情報の変更前における設定情報である。稼動実績のある設定情報をバックアップしておき、そのバックアップファイルに従ってバックアップシステムサーバ13がアプリケーションプログラムを実行すれば、設定情報に誤りのない状態で被制御システム19を復旧することができる。
【0038】
異常判定ステップS103では、被制御システム19に不具合が生じた場合に、管理装置16が被制御システム19の不具合を検出する。例えば、管理装置16が被制御システム19からログやレポートなどの動作状況を受け取り、その動作状況を管理装置16が判定する。異常判定ステップS103で被制御システム19の不具合が検出された場合、スタンバイシステムサーバ切替ステップS104へ移行する。異常判定ステップS103で異常が検出されなかった場合、本実施形態に係るコンピュータシステムの動作を終了する。
【0039】
スタンバイシステムサーバ切替ステップS104では、管理装置16がスイッチ18を切替、スタンバイシステムサーバ17を稼動させる。スタンバイシステムサーバ17は、メインシステム用記憶装置12の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行し、被制御システム19を動作させる。スタンバイシステムサーバ切替ステップS104の後、復旧判定ステップS105へ移行する。
【0040】
復旧判定ステップS105では、被制御システム19が正常に動作しているかを判定する。復旧判定ステップS105では、異常判定ステップS103と同様の方法を用いることができる。スタンバイシステムサーバ17の稼動によっても被制御システム19が復旧していないことで、設定情報の更新(正常でない更新)に起因した障害であるか否かを判定することができる。復旧判定ステップS105で被制御システム19が正常に動作していると判定した場合、本実施形態に係るコンピュータシステムの動作を終了する。復旧判定ステップS105で被制御システム19が復旧していないと判定した場合、バックアップシステムサーバ切替ステップS106へ移行する。
【0041】
バックアップシステムサーバ切替ステップS106では、管理装置16がスイッチ15を切替、バックアップシステムサーバ13を稼動させる。バックアップシステムサーバ13は、バックアップシステム用記憶装置14の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行し、被制御システム19を動作させる。バックアップシステム用記憶装置14の記憶する設定情報は、被制御システム19が正常に動作していた状態での設定情報であるので、被制御システム19を高い確立で正常に動作させることができる。そして、バックアップシステムサーバ切替ステップS106の後、本実施形態に係るコンピュータシステムの動作を終了する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
不具合が生じても動作を中断できないコンピュータシステムに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態に係るコンピュータシステムの概略構成図である。
【図2】本実施形態に係るコンピュータシステムの稼動方法の一例を示すフロー図である。
【図3】従来のコンピュータシステムの一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0044】
11 メインシステムサーバ
12 メインシステム用記憶装置
13 バックアップシステムサーバ
14 バックアップシステム用記憶装置
15、18 スイッチ
16 管理装置
17 スタンバイシステムサーバ
19 被制御システム
21 通常構成
22 独立構成

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御システムを動作させるアプリケーションプログラムを実行するメインシステムサーバと、
前記メインシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶するメインシステム用記憶装置と、
前記メインシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムと同じアプリケーションプログラムを実行するバックアップシステムサーバと、
前記バックアップシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶するバックアップシステム用記憶装置と、を備え、
前記メインシステムサーバは、前記メインシステム用記憶装置の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行し、
前記バックアップシステムサーバは、前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行し、
前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報は、前記メインシステム用記憶装置が過去に記憶していた設定情報のレプリケーションであることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報が、前記メインシステム用記憶装置が予め定められた期日に記憶していた設定情報のレプリケーションであることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報が、前記メインシステム用記憶装置が記憶している設定情報の変更前における設定情報のレプリケーションであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
被制御システムを動作させるアプリケーションプログラムを実行するメインシステムサーバと、前記メインシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶するメインシステム用記憶装置と、前記メインシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムと同じアプリケーションプログラムを実行するバックアップシステムサーバと、前記バックアップシステムサーバの実行するアプリケーションプログラムの動作設定を定める設定情報を記憶するバックアップシステム用記憶装置と、を備えるコンピュータシステムの稼動方法であって、
前記メインシステムサーバが、前記メインシステム用記憶装置の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行するメインシステムサーバ稼動ステップと、
前記バックアップシステム用記憶装置が、前記メインシステム用記憶装置が過去に記憶していた設定情報のレプリケーションを記憶するレプリケーションステップと、
前記被制御システムの不具合を検出する異常判定ステップと、
前記被制御システムの不具合が生じた場合に、前記バックアップシステムサーバが、前記バックアップシステム用記憶装置の記憶する設定情報に従ってアプリケーションプログラムを実行するバックアップシステムサーバ稼動ステップと、
を順に有することを特徴とするコンピュータシステムの稼動方法。
【請求項5】
前記レプリケーションステップにおいて、前記メインシステム用記憶装置が予め定められた期日に記憶していた設定情報のレプリケーションを記憶することを特徴とする請求項4に記載のコンピュータシステムの稼動方法。
【請求項6】
前記レプリケーションステップにおいて、前記メインシステム用記憶装置が記憶している設定情報の変更前における設定情報のレプリケーションを記憶することを特徴とする請求項4又は5に記載のコンピュータシステムの稼動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−116560(P2009−116560A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288008(P2007−288008)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(397021442)日本情報通信株式会社 (2)
【Fターム(参考)】