説明

コンピュータ援用梁製作機械

梁加工装置は、梁を保持し、該梁の長軸周りに回転させる対向する万力組立体と、梁に沿って並進運動するよう構成する多数のガントリとを含む。ツールで梁を加工するために、各ガントリに固定する少なくとも1つのツールヘッド取付体を、備える。本装置をコンピュータ制御システムで操作可能にするために、多数のモータを備えて、選択的に、万力アセンブリを回転させ、ガントリを移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の特定の実施形態は、鉄骨梁を自動的に切断及び穴開けするCNC梁ライン機に関する。
【背景技術】
【0002】
いかなる従来技術の文献、技術、方法又は装置に関する議論は、そうした従来技術が共通な常識の一部を形成する、又は形成したことがあることを認める、或いは証明するものとは解釈されないこととする。
【0003】
鉄骨製作は労働集約的な作業である。鉄骨製作中、鉄骨梁を、間近な建設に関連する工学的要件を満たすように組立可能にするために、製作図に従い、穴開け及び切断する。通常、被製作鉄骨に関する費用の約3分の1だけが、未加工鉄骨の価格である。該費用の残りは作業時間である。
【0004】
ここ数年間、鉄骨製作の労働集約程度を軽減しようとする様々な提案がなされている。そうした提案の1つとして、CNC梁ライン機の使用がある。一般に、そうした機械は、台を含み、該台の片側に沿って被加工梁を配置する。梁に対して様々な処理を行う、例えば穴を開けるために、電動ツール取付体を、適宜、台の片側に沿って移動し、昇降するように設けている。
【0005】
先行技術のCNC梁ラインは鉄骨製作工場の処理能力を高めるものの、多くの欠点がある。例えば、梁に施せる処理の種類及び範囲が、不所望に限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、現在知られているこうした鉄骨製作機械を改良した、又は該機械の少なくとも有用な代わりとなる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様によると、梁加工装置を提供し、該梁加工装置は、
梁を保持し、該梁の長軸周りに回転させる万力組立体と、
梁に沿って動作する少なくとも1つの並進組立体と、
ツールで梁を加工するために、並進組立体に固定する少なくとも1つのツールヘッド取付体と
を含む。
【0008】
好適には、万力組立体は、梁を協働して保持し、回転するように設けた1対の対向する万力を含む。
【0009】
好適には、本装置は、万力を近づける及び引き離すために、少なくとも1個のモータを含む。
【0010】
好適には、万力は、梁を支持するために、其々回転可能なクレイドルを含む。
【0011】
本装置は、クレイドルを回転させるために、少なくとも1個のモータを更に含んでもよい。
【0012】
好適実施例では、万力を近づける及び引き離すための少なくとも1個のモータを、ラックアンドピニオン構成と結合する。
【0013】
万力は、ホイールの上を走行してもよく、ラックアンドピニオン構成は、ラックに装着する第1レールと、該ラックと噛合うピニオンを含み、上記ピニオンを、少なくとも1個のモータのスピンドルに固定し、上記モータを上記万力の1つに結合する。
【0014】
好適実施例では、並進組立体は少なくとも1つのガントリ(gantry)を含む。
【0015】
本装置は、万力対に対してガントリを移動するために、ガントリモータを含んでもよい。
【0016】
好適には、上記ツールヘッド取付体は、パン用、チルト用、及びロールモータの1つ又は複数を含む。
【0017】
好適には、少なくとも1つのガントリは、少なくとも第2レールに沿って走行する。
【0018】
少なくとも1つのガントリは、第1レール対に沿って走行し、上記万力は、第2レール対に沿って走行してもよい。好適には、第1レール対を、第2レール対の外側に配置する。
【0019】
好適な実施形態では、少なくとも1つのガントリは、3ガントリを含み、少なくとも1つのツールヘッド取付体は、それに結合する3つの対応するツールヘッド取付体を含む。
【0020】
好適には、溶接用ツールを、上記ツールヘッド取付体の1つに取付ける。
【0021】
好適には、レーザ位置検出器を、上記ツールヘッド取付体の1つに取付ける。
【0022】
好適には、切断用ツールを、上記ツールヘッド取付体の1つに取付ける。
【0023】
電磁石を、梁に溶接する部品を選択的に保持する上記ツールヘッド取付体の1つに取付けてもよい。
【0024】
本装置は、部品を収納するためのホルダを所定位置に含んでもよい。
【0025】
例えば、かかる部品は、溶接用ツールで梁に溶接されるクリートを含んでもよい。
【0026】
本装置は、上記遠隔操作用コンピュータ制御システムを含んでもよい。
【0027】
好適には、コンピュータ制御システムは、鉄骨梁を加工するための情報を含む図面ファイルを読み出すように構成したコンピュータを含む。
【0028】
ツール取付用組立体に結合するツールを移動して、鉄骨梁の加工を行うために、コンピュータ制御システムは、コンピュータと、ガントリ、ツール取付用組立体、万力の中の1つ又は複数に関するモータとの間で対話するように構成した1つ又は複数のコントローラボードを、更に含んでもよい。
【0029】
好適には、コントローラは、上記モータの位置エンコーダに応答する。
【0030】
本発明の更なる態様によると、梁を加工する方法を提供するが、該方法は、
梁を、該梁の長軸に沿って、ツールヘッドが接近する所望の角度に回転させるステップと、
レーザ測定装置で梁の位置を検査するステップと、
梁に隣接する所定の位置に、ツールヘッドを移動させるステップと、
梁上でツールヘッドを操作するステップと、を備え、
上記方法の各ステップを、電子制御システムによって制御する。
【0031】
本方法は、梁に取着する部品を、格納位置から所定位置に、電磁石で部品を把持して、再配置するステップを含んでもよい。
【0032】
本方法は、レーザ測定装置で、部品が正確に指向しているかを検査することを含んでもよい。
【0033】
ツールヘッドは、溶接用ヘッドを含んでもよい。部品は、クリートを含んでもよい。
【0034】
本方法は、電磁石と溶接用ヘッドを同時に操作して、部品を梁に溶接することを含んでもよい。
【0035】
好適には、ツールヘッドを、並進組立体によって、梁に沿って所定位置に移動させる。
【0036】
或いは、ツールヘッドは、梁に開口を形成する切断用ヘッドを含んでもよい。
【0037】
更なる実施形態では、ツールヘッドは、塗料を梁に塗布する吹付け塗装用ヘッドを含んでもよい。
【0038】
本発明の好適な特徴、実施形態及び変更例については、当業者が本発明を実行するのに十分な情報を提供する、以下の詳細な説明から理解できるであろう。詳細な説明は、前述した発明の概要の範囲を制限するものとは解されない。詳細な説明は、以下の多数の図面を参照して行う。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の好適実施形態による、被加工物を載せた、鉄骨梁製作装置の若干図案化した斜視図である。
【図2】本装置の万力の拡大図である。
【図3】本装置の万力の更なる図である。
【図4】万力のスレッドを移動させるモータの図である。
【図5】本装置のモータの端面図であり、ロータリエンコーダ組立体を示している。
【図6】本装置のガントリの上側部分に関する図である。
【図7】本装置のツール取付体の図である。
【図8】本装置の制御システムのブロック図である。
【図9】制御システムのコントロールキャビネット内部の図である。
【図10】更なる操業段階での本装置に関する図である。
【図11】更に別な操業段階での本装置に関する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、図1を参照すると、本発明の好適実施形態による梁製作機械1の若干図案化した図を表している。梁製作機械1について、鉄骨梁31の形をした被加工物を載せて、示している。
【0041】
製作機械1は、内側レール対2と、外側レール対4を含む。2つの回転可能な万力9及び6は、内側レール対2に沿って走行する。図2、図3、図4では、更に詳細に万力9について示している。
【0042】
万力6の構成は、万力9の構成に相当し、該構成について、次に図2及び図3を参照して説明する。万力9は、対向するプレート対7、8の形をしたスタンドから成り、該プレート対をベアリングローラ16で相互連結し、該ベアリングローラを、各プレートを通して形成した対応する中央の円弧状切欠き周りに、円弧状に配設する。ベアリングローラにより円弧状クレイドル18を支持するが、該クレイドル18は、切欠部内側に位置し、対向する円弧状フランジ22及び24とフランジ結合しており、該フランジ22及び24は、プレート7、8の外側に、各切欠部の縁部周りに突出している。フランジ24の周縁部は、歯状になっており、ステップダウン歯26A、26Bの歯と噛合う。各ステップダウン歯26A、26Bを、サーボモータ30A、30B(視認不可能)の各スピンドル28A、28Bに装着する。制御システム(手短に後述する)で、スピンドルの位置、従ってクレイドル18の角度をモニタ可能にするために、サーボモータ30Aを、位置エンコーダ44(図5で視認可能)に装着する。
【0043】
クレイドル内側を横断して支持台34を装着し、支持台34に、対向する摺動可能なジョー11(図1で視認可)を装着する。摺動可能なジョー11を、被加工物を協働して保持するように設けるが、通常、被加工物を、鉄骨梁31等の長尺の鉄骨部材とする。
【0044】
万力9はスレッド40を更に含み、スレッド40は、スタンドの対向するプレート7、8を支持し、内側レール2間で回転するためにホイール(図示せず)を含む。図4を参照すると、サーボモータ42を、スレッド40下側のどちら側かに装着する。サーボモータ42はスピンドルを有し、該スピンドルを対応するピニオン(図示せず)に装着し、該ピニオンをレール2の内側に沿って固着した各ラック43と噛合させる。その結果、使用中に、サーボモータ42は内側レール2に沿って万力9を正確に並進できる。また、万力9の位置を、サーボモータ42のロータリエンコーダから信号をモニタすることによって、決定できる。
【0045】
再び図1、及び図6を参照すると、3つのガントリ13、21、23を含む並進組立体が、外側レール4に沿って走行する。ガントリは同様の構造であり、ガントリ13を参照して説明する。ガントリ13は、各ベース44、46から上向きに延伸する1対の直立柱15及び17から成る。ベース44及び46を、サーボモータ27に装着し、該サーボモータ27を、万力9を参照して前に説明したものと同様なラックアンドピニオン構成によって、外側レール4と結合する。従って、ガントリ13を、やがて説明する電子制御システムによって外側レール4に沿って正確に移動、即ち並進できる。
【0046】
平行なクロスレール48及び50を、柱15及び17の上端部に横架する。キャリッジ19を、クロスバー48及び50を跨いで装着し、該クロスバーに沿って摺動するように設ける。駆動帯を、対向するスプロケット間の上側クロスレール内に装着し、柱17の頂部に装着したサーボモータ52によって回転するように設ける。サーボモータ52を操作することによって、キャリッジ19を所望通りにクロスバー48及び50に沿って正確に配置できるように、駆動帯をキャリッジ19に結合する。
【0047】
一対の平行で、垂直なレール54と56を、キャリッジ19に摺動可能に係合する。垂直レール54及び56を、サーボモータ58の操作によって、キャリッジ19に対して昇降させてもよい。サーボモータ58を駆動帯に結合し、該駆動帯を、垂直レール56内に装着し、キャリッジに対してレール54と56を昇降させるためにキャリッジ19と係合させる。
【0048】
複数軸のツール取付用組立体62を、図7に示したように、レール54及び56の下端部に装着する。ツール取付用組立体62は、パン用サーボモータ64を取付ける水平な支持プレート60を含む。パン用サーボモータ64のスピンドルは、支持プレート60の開口部を通り突出しており、ロールサーボモータ68を支持する垂直ヨーク66に取着する。その結果、ロールサーボモータ68のスピンドルに装着するツール、例えばプラズマ切断機(図示せず)を、5運動軸周りに移動できる。プラズマ切断機以外に、ツール取付体に交換可能に装着してもよい他のツールとしては、溶接機、マーカ、吹付け塗装ヘッド、電磁石、レーザ位置検出器、ドリルが挙げられる。ツール取付体に、同時に複数のツールを装着してもよい。例えば、2ツールを、反対方向に向けて、状況によっては、適宜使用する位置に其々回転できるように、装着してもよい。
【0049】
ツール取付用組立体の5運動軸は、サーボモータ27による外側レールに沿ったY並進、サーボモータ52によるクロスバー48、50に沿ったX並進、ステッピングモータ25による、キャリッジ19に対する垂直レール54のZ並進である、3並進軸を含む。また、パン用サーボモータ64のスピンドル周りに回転する運動軸と、ロールサーボモータ68のスピンドル周りに回転する運動軸の、2回転運動軸がある。ガントリ23のツール取付体は、ガントリ13のツール取付体と同じ方法で、同様に5段階構成とする。しかしながら、ガントリ21は、ツール取付体に6段階の動作を提供するために、パン用サーボモータ64とロールサーボモータ68との間に、直角に、結合させた更なるチルト用サーボモータを含む。
【0050】
コントローラシステムのブロック図を、図8に示す。コントローラシステムは、各ガントリに対応する3つのコントローラキャビネット70A、70B、70Cを含む。図9は、キャビネット70Aの内部を示している。
【0051】
各コントローラキャビネットは、ガリル(Galil)社製コントローラボード72A、72B、72Cを収容し、該コントローラボードを、対応するPWMサーボアンプ配列74A、74B、74Cに連結し、該配列により今度は、ガントリ、万力、ツール取付体と関連する一連のサーボモータ82A、82B、82Cを、駆動する。回路遮断器の配列76A、76B、76Cにより、過電流サージからサーボアンプ及びサーボモータを保護する。
【0052】
コントローラボード72は其々、各ボードが制御するサーボモータからエンコーダデータを受信する。各コントローラボードは、個別にイーサネットネットワーク74でアドレス指定可能であり、マスタPC78と通信する。マスタPC78はプログラム80を実行するが、該プログラム80は、鉄骨製作の製作図を処理し、関連データを抽出し、ユーザに入力を促し、抽出した図面データ及びユーザ入力を、適当なコントローラボードにアドレス指定されたコントローラボードコマンドに変換するための命令を含む。
【0053】
プログラム80を、PC78の、磁気ディスク又は光ディスク等の補助記憶装置に、格納する。
【0054】
PC74からのコマンドに応答して、コントローラボードでサーボモータを操作して、製作動作を行う。また、コントローラボードは、サーボモータのエンコーダからPC78に戻すエンコーダデータを前処理及び中継もする。
【0055】
コントローラボード72A、72B、72Cは、3枚のガリル社製コントローラボードを含む。これらは、イーサネット(登録商標)でアドレス指定可能なボードであり、其々最大8運動軸を有するシステムを制御できる。これらのイーサネットによるモーションコントローラは、極めて費用を重視して、空間を重視して適用するように設計されている。コントローラは、コントローラと駆動部との間の配線及び任意の接続問題も発生しないようにも設計されている。プラグインアンプを、ステッピング、ブラシ、及びブラシレスサーボモータを最大500ワットで駆動するのに使用可能である。或いは、ボードを、任意の電力範囲の外部駆動装置に接続することもできる。
【0056】
ガリル社製コントローラは、米国ガリルモーションコントロール社(Galil Motion Control, 270 Technology Way, Rocklin, California 95765, USA)から入手できる。
【0057】
使用時には、中心でバランスした万力9及び6は、ジョー11で梁31を把持し、サーボモータ、例えば万力9のサーボモータ30A及び30Bを操作して、円弧状クレイドル18を回転させ、それにより長軸周りに梁を回転させる。ツール取付体、例えばガントリ13のツール取付体62を、梁の全ての面に接近可能にする。また、ツール取付体は、多自由度で動作するので、該取付体に取付けたツールも、梁の任意の面に、事実上任意の角度で動作できる。
【0058】
本装置を操作する方法に関する実施形態の一例として、仮にクリート等の部品を梁に所定位置で溶接するのが望ましいとしてみる。クリートを、例えばカセットといった、本装置に又は本装置付近に取付けた所定の格納領域に、格納する。
【0059】
梁を対向する万力に配置した後、クリートを取着する梁上の位置を、溶接用ツールヘッドが使用可能なように、梁を回転させる。その後、レーザ測定用ツールヘッドで、梁を正確に位置決めし、クリートをカセットに正確に指向されたかを検査する。この最終ステップには、クリートの非対称的なスロット、他の開口部、縁部又は印が、正確な上向き状態であるかを検査することを含んでもよい。
【0060】
クリートが正確に指向されたなら、電磁ヘッドは、溶接のためにクリートを保持し、梁上の正確な位置に移動するよう動作する。その後溶接用ヘッドは、電磁ヘッドと協働してクリートを梁に溶接する。本方法では、ツールヘッドにより様々な動作を実行可能にするために、ガントリの形をした並進組立体に、電磁ヘッド、レーザヘッド、溶接用ヘッドを取付け、該並進組立体全てを梁の長さを往復移動させることが分かる。本方法の実行中、ツールヘッド取付体のサーボモータと、様々なガントリ及び万力サーボモータを、全て操作及びモニタする、即ち、図8で説明する制御システムによって制御する。
【0061】
図10及び図11では、ガントリと万力がレール2及び4に沿って様々な位置に摺動した状態での、様々な作業段階中の製作機械1について、示している。
【0062】
本機を、更に操作して、以下を行うことができる:
i)被加工物を、四角形の、角度を付けた、単純な湾曲状、又は複雑な湾曲状切欠部を有する長尺体に切断する。
ii)被加工物の任意の表面に穴を空ける。
iii)識別印を被加工物に付ける。
iv)溶接準備ができた箇所にクリートを保持する。
v)クリートを仮付溶接する。
vi)クリートを完全に溶接する。
vii)終了品を、吹付け塗装ヘッドで吹付け塗装する。
【0063】
操作中、ツール取付体と被加工物、例えば梁との間の相対運動を、万力を静止状態に保ち、ツールを移動させて、又は被加工物とツールを同時に移動させて、行ってもよい。1本の材料から複数の小部分に加工するのに、作業領域を静止したままにして、直ぐ前の部分の加工が終わると、該材料を作業領域に送り込んで加工を行うように、コントローラシステムをプログラムできる。
【0064】
本発明について、ツールヘッド取付体用並進組立体が、レール上を走行する複数のガントリを含む特定の実施形態を参照して、説明した。しかしながら、他の並進組立体も可能である。例えば、更なる実施形態では、並進組立体は、万力上方の天井に取付けたガイドに沿って摺動するホイール又はランナを含んでもよい。
【0065】
法令に従い、本発明について構造及び方法の特徴に関して多少なりとも具体的に記述した。用語「含む(comprises)」及びその活用形(含む「comprising」及び「から成る(comprised of)」)は、全体を通して、任意の更なる特徴を包含する意味で使用し、排除する意味で使用するものではない。
【0066】
本明細書に記載した手段は、本発明を具体化する好適な形を含むため、本発明は、図示した又は説明した特定の特徴に限定されない旨理解すべきである。従って、本発明は、当業者が適切に解釈する付記したクレームの適切な範囲において、任意の形又は変形例で、特許請求されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁を保持し、該梁の長軸周りに回転させる万力組立体と、
前記梁に沿って動作する少なくとも1つの並進組立体と、
ツールで前記梁を加工するために、前記並進組立体に固定する少なくとも1つのツールヘッド取付体と
を含むことを特徴とする梁加工装置。
【請求項2】
前記万力組立体は、前記梁を協働して保持し、回転するように設けた1対の対向する万力を含むことを特徴とする、請求項1に記載の梁加工装置。
【請求項3】
前記万力を近づける及び引き離すために、少なくとも1個のモータを含むことを特徴とする、請求項2に記載の梁加工装置。
【請求項4】
前記万力は、前記梁を支持するために、其々回転可能なクレイドルを含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の梁加工装置。
【請求項5】
前記万力は、前記クレイドルを回転するために、少なくとも1個のモータを含むことを特徴とする、請求項4に記載の梁加工装置。
【請求項6】
前記万力を近づける及び引き離すための前記少なくとも1個のモータを、ラックアンドピニオン構成と結合することを特徴とする、請求項3に記載の梁加工装置。
【請求項7】
前記万力は、ホイールの上を走行し、前記ラックアンドピニオン構成は、前記ラックに装着する第1レールと、該ラックと噛合うピニオンを含み、前記ピニオンを、前記少なくとも1個のモータのスピンドルに固定し、前記モータを前記万力の一方に固定することを特徴とする、請求項6に記載の梁加工装置。
【請求項8】
前記並進組立体は、少なくとも1つのガントリを含むことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の梁加工装置。
【請求項9】
前記装置は、前記万力組立体に対して前記ガントリを移動するために、ガントリモータを含むことを特徴とする、請求項8に記載の梁加工装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのガントリは、少なくとも第2レールに沿って走行することを特徴とする、請求項8又は9に記載の梁加工装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのガントリは、第1レール対に沿って走行し、前記万力は、第2レール対に沿って走行することを特徴とする、請求項10に記載の梁加工装置。
【請求項12】
前記第1レール対を、前記第2レール対の外側に配置することを特徴とする、請求項11に記載の梁加工装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのガントリは、3ガントリを含み、前記少なくとも1つのツールヘッド取付体は、それに結合する3つの対応するツールヘッド取付体を含むことを特徴とする、請求項8〜12の何れか1項に記載の梁加工装置。
【請求項14】
溶接用ツールを、前記ツールヘッド取付体の1つに取付けることを特徴とする、請求項13に記載の梁加工装置。
【請求項15】
レーザ位置検出器を、前記ツールヘッド取付体の1つに取付けることを特徴とする、請求項13に記載の梁加工装置。
【請求項16】
切断用ツールを、前記ツールヘッド取付体の1つに取付けることを特徴とする、請求項13に記載の梁加工装置。
【請求項17】
電磁石を、前記梁に溶接する部品を選択的に保持する前記ツールヘッド取付体の1つに取付けることを特徴とする、請求項13に記載の梁加工装置。
【請求項18】
前記部品を収納するためのホルダを所定位置に含むことを特徴とする、請求項17に記載の梁加工装置。
【請求項19】
前記ツールヘッド取付体は、パン用及びチルト用モータを含むことを特徴とする、前請求項の何れか1項に記載の梁加工装置。
【請求項20】
前記ツールヘッド取付体は、ロールモータを更に含むことを特徴とする、請求項19に記載の梁加工装置。
【請求項21】
前記万力組立体と、前記並進組立体と、少なくとも1つのツールヘッド取付体とによって、前記鉄骨梁を加工するための情報を含む電子ファイルを読み出すように構成した、コンピュータ制御システムを含むことを特徴とする、請求項1〜20の何れか1項に記載の梁加工装置。
【請求項22】
前記コンピュータ制御システムは、前記電子ファイルを読み出すコンピュータと前記装置のモータとの間で対話するように構成した1つ又は複数のコントローラボードを含むことを特徴とする、請求項21に記載の梁加工装置。
【請求項23】
前記コントローラは、前記モータの位置エンコーダに応答することを特徴とする、請求項22に記載の梁加工装置。
【請求項24】
梁を加工する方法であって、該方法は、
前記梁を、該梁の長軸に沿って、ツールヘッドが接近する所望の角度に回転させるステップと、
レーザ測定装置で前記梁の位置を検査するステップと、
前記梁に隣接する所定の位置に、前記ツールヘッドを移動させるステップと、
前記梁上で前記ツールヘッドを操作するステップと、を備え
前記方法の各ステップを、電子制御システムによって制御することを特徴とする方法。
【請求項25】
前記梁に取着する部品を、格納位置から前記所定位置に、電磁石で前記部品を把持して、再配置するステップを含むことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、前記レーザ測定装置で、前記部品が正確に指向しているかを検査することを含むことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記電磁石と前記溶接用ヘッドを同時に操作して、前記部品を前記梁に溶接することを更に含むことを特徴とする、請求項25〜26の何れか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記ツールヘッドを、並進組立体によって、前記梁に沿って前記所定位置に移動させることを特徴とする、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−508169(P2013−508169A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535547(P2012−535547)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/AU2010/001428
【国際公開番号】WO2011/050404
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512107684)スマート スチール システムズ プロプリエタリー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】