コンロ
【課題】使い勝手を向上しながら、安全性を向上し得るコンロを提供する。
【解決手段】燃焼制御手段Hは、バーナ1a,1cの燃焼中において、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出すると、直ちに不存在時燃焼量低下処理を実行し、その後の経過時間が不存在判別用設定時間に達するまでに被加熱物の存在を検出すると燃焼維持処理を実行し、経過時間が不存在判別用設定時間に達しても被加熱物の不存在の検出が継続している場合は、不存在時消火処理を実行し、燃焼維持処理においては、バーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻し、且つ、不存在時燃焼量低下処理の実行前のバーナ1a,1cの燃焼量がその調節範囲における最大燃焼量のときは、バーナ1a,1cの燃焼量を最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間が経過した後に最大燃焼量に戻すように構成されている。
【解決手段】燃焼制御手段Hは、バーナ1a,1cの燃焼中において、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出すると、直ちに不存在時燃焼量低下処理を実行し、その後の経過時間が不存在判別用設定時間に達するまでに被加熱物の存在を検出すると燃焼維持処理を実行し、経過時間が不存在判別用設定時間に達しても被加熱物の不存在の検出が継続している場合は、不存在時消火処理を実行し、燃焼維持処理においては、バーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻し、且つ、不存在時燃焼量低下処理の実行前のバーナ1a,1cの燃焼量がその調節範囲における最大燃焼量のときは、バーナ1a,1cの燃焼量を最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間が経過した後に最大燃焼量に戻すように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱用位置に位置する被加熱物を加熱するバーナと、
前記加熱用位置に被加熱物が存在するか否かを検出する被加熱物検出手段と、
前記被加熱物検出手段の検出情報に基づいて前記バーナの作動を制御する燃焼制御手段とが設けられたコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるコンロは、加熱用位置に被加熱物が存在するか否かを検出する被加熱物検出手段の検出情報に基づいて、燃焼制御手段によりバーナの作動を制御するようにしたものである。
このようなコンロにおいて、従来は、燃焼制御手段を、バーナの燃焼中において、被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出するとバーナの燃焼を停止させ、その被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出することに基づくバーナの燃焼の停止中に、被加熱物検出手段が被加熱物の存在を検出するとバーナを点火させるように構成していた。
あるいは、燃焼制御手段を、バーナの燃焼中において、被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出するとバーナの燃焼量を低下させ、その被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出することに基づくバーナの燃焼量の低下中に、被加熱物検出手段が被加熱物の存在を検出するとバーナの燃焼量を増大させるように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
そして、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行うときに、被加熱物を加熱用位置から移動させるとバーナの燃焼を停止させるか燃焼量を低下させて、安全性を損なわないようにしながら、再び被加熱物を加熱用位置に位置させると、バーナを点火させるか燃焼量を増大させて被加熱物の加熱が継続されるようにして、使い勝手を向上するようにしていた。
【0004】
ちなみに、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理としては、例えば、被加熱物としてのフライパンを加熱用位置としての五徳に載せたり五徳から上げたりして行う炒め物調理や、五徳に載せてバーナにて加熱中の被加熱物としての鍋を五徳から下ろして加熱状態を確認した後、五徳に載せる形態で行う加熱調理がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−303785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来では、バーナの燃焼中において被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出することに基づいて、バーナの燃焼を停止させている又は燃焼量を低下させている状態では、バーナの点火指令及び消火指令を指令する点消火指令手段が点火指令を指令する状態である限り、加熱用位置に被加熱物が位置されると、バーナが点火される又はバーナの燃焼量が増大されることになる。
【0007】
従って、バーナの燃焼中において被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出するとバーナの燃焼を停止させる場合では、使用者が被加熱物を加熱用位置に位置させたときに予期せずバーナが点火されるといった不具合が発生する虞があり、又、バーナの燃焼中において被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出するとバーナの燃焼量を低下させる場合では、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態でバーナの燃焼が長い時間継続する虞があり、いずれの場合も、安全性を向上する上で改善の余地があった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使い勝手を向上しながら、安全性を向上し得るコンロを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンロは、加熱用位置に位置する被加熱物を加熱するバーナと、
前記加熱用位置に被加熱物が存在するか否かを検出する被加熱物検出手段と、
前記被加熱物検出手段の検出情報に基づいて前記バーナの作動を制御する燃焼制御手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記燃焼制御手段は、前記バーナの燃焼中において、前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出すると、直ちに前記バーナの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させる不存在時燃焼量低下処理を実行し、前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出した後の経過時間が不存在判別用設定時間に達するまでに、前記被加熱物検出手段が被加熱物の存在を検出すると、前記バーナを燃焼状態に維持する燃焼維持処理を実行し、前記経過時間が前記不存在判別用設定時間に達しても、前記被加熱物検出手段による被加熱物の不存在の検出が継続している場合は、前記バーナを消火させる不存在時消火処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0010】
即ち、バーナの燃焼中において、被加熱物を加熱用位置から移動させると、直ちに、不存在時燃焼量低下処理が実行されてバーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下され、被加熱物を加熱用位置から移動させてから不存在判別用設定時間が経過するまでに、再び被加熱物を加熱用位置に位置させると、燃焼維持処理が実行されてバーナの燃焼が維持され、被加熱物を加熱用位置から移動させてから不存在判別用設定時間が経過しても、被加熱物を加熱用位置に位置させないと、不存在時消火処理が実行されてバーナが消火される。
ちなみに、前記燃焼維持処理としては、例えば、燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻した燃焼を燃焼状態として、バーナの燃焼を維持させる形態、又は、前記不存在時燃焼量低下処理にて低下された前記不存在時燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナの燃焼を維持させる形態がある。
【0011】
つまり、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行うときに、被加熱物を加熱用位置から移動させると、直ちに、バーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下され、被加熱物を加熱用位置から移動させてから不存在判別用設定時間が経過するまでに、再び被加熱物を加熱用位置に位置させると、例えば、バーナの燃焼量が被加熱物を移動させる前の燃焼量に戻された状態又は被加熱物を移動させることに伴って低下された不存在時燃焼量に維持された状態で、バーナの燃焼が維持されるので、安全性を損なわないようにしながら、使い勝手を向上することが可能となる。
しかも、バーナの燃焼中に被加熱物を加熱用位置から移動させてから不存在判別用設定時間が経過しても、被加熱物を加熱用位置に位置させないと、バーナが消火されるので、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態でバーナの燃焼が長い時間継続するのを防止することが可能となり、安全性を向上することができる。
従って、使い勝手を向上しながら、安全性を向上し得るコンロを提供することができるようになった。
【0012】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記燃焼制御手段は、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量に向けて漸減させるように構成されている点を特徴とする。
【0013】
即ち、不存在時燃焼量低下処理においては、バーナの燃焼量が不存在時燃焼量に向けて漸減されるので、バーナの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させるときに、バーナが吹き消えるのを防止することができる。
従って、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行っているときに、バーナが消火するのを防止することができるので、そのような加熱調理を適切に行うことができ、又、バーナを再点火させる手間が省けて使い勝手を一層向上することができる。
【0014】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記バーナが、その燃焼量を複数段階の設定燃焼量に調節できるように構成され、
前記燃焼制御手段が、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記不存在時燃焼量を、前記複数段階の設定燃焼量における最下段の設定燃焼量よりも上の段の設定燃焼量とするように構成されている点を特徴とする。
【0015】
即ち、不存在時燃焼量低下処理においては、不存在時燃焼量が複数段階の設定燃焼量における最下段の設定燃焼量よりも上の段の設定燃焼量とされるので、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態で、バーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下されているときに、バーナが吹き消えるのを防止することができる。
従って、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行っているときに、バーナが消火するのを防止することができるので、そのような加熱調理を適切に行うことができ、又、バーナを再点火させる手間が省けて使い勝手を一層向上することができる。
【0016】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記バーナの燃焼量の調節を前記燃焼制御手段に指令する人為操作式の燃焼量調節操作部が設けられ、
前記燃焼制御手段は、前記不存在時燃焼量低下処理の実行中、及び、その不存在時燃焼量低下処理の実行後であって、前記被加熱物検出手段による被加熱物不存在の検出の継続により前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量に低下させている間は、前記燃焼量調節操作部からの燃焼量調節指令に基づく前記バーナの燃焼量の増大側への変更調節を実行しないように構成されている点を特徴とする。
【0017】
即ち、不存在時燃焼量低下処理の実行中、及び、その不存在時燃焼量低下処理の実行後であって、被加熱物検出手段による被加熱物不存在の検出の継続によりバーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下されているときに、人為操作式の燃焼量調節操作部により、バーナの燃焼量を増大側へ変更調節するように指令しても、バーナの燃焼量が増大されない。
つまり、被加熱物を加熱用位置から移動させると燃焼量が小さくなったのに伴って、使用者がバーナの燃焼量を大きくするように燃焼量調節操作部を操作しても、バーナの燃焼量が増大されない。
又、使用者が、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量よりも大きい燃焼量を指令する操作位置に燃焼量調節操作部を操作しても、バーナの燃焼量が増大されないので、被加熱物を加熱用位置に戻して燃焼維持処理が実行されたときに、バーナの燃焼量が前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量よりも大きくなるのを防止することが可能となる。
従って、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態で、バーナの燃焼量が大きくなるのを防止することができ、又、被加熱物を加熱用位置に戻したときに、燃焼量が被加熱物を移動させる前の燃焼量よりも大きくなるのを防止することができるので、安全性を一層向上することができる。
【0018】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記バーナの燃焼中において前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出すると、前記加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報を報知する報知手段が設けられている点を特徴とする。
【0019】
即ち、バーナの燃焼中において被加熱物を加熱用位置から移動させると、報知手段により、加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報が報知される。
つまり、報知手段にて報知される案内情報により、使用者は、被加熱物を加熱用位置に位置させる必要があることを認識することができるので、被加熱物を加熱用位置から移動させている時間が長くなってバーナが消火されてしまうのを抑制することが可能となる。
従って、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行っているときに、バーナが消火するのを防止することができるので、そのような加熱調理を適切に行うことができ、又、バーナを再点火させる手間が省けて使い勝手を一層向上することができる。
【0020】
第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成のいずれかに加えて、
前記燃焼制御手段は、前記燃焼維持処理において、前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻すように構成されている点を特徴とする。
【0021】
即ち、バーナの燃焼中において、被加熱物を加熱用位置から移動させることによりバーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下されても、被加熱物を加熱用位置に位置させると、バーナの燃焼量が被加熱物を加熱用位置から移動させたときの燃焼量に戻る。
つまり、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行う場合に、被加熱物を加熱用位置に戻すとバーナの燃焼量が被加熱物を加熱用位置から移動させたときの燃焼量に戻るので、このような調理が一層行い易くなる。
【0022】
第7特徴構成は、上記第6特徴構成に加えて、
前記燃焼制御手段は、前記燃焼維持処理において、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の前記バーナの燃焼量がその調節範囲における最大燃焼量のときは、前記バーナの燃焼量を前記最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間が経過した後に前記最大燃焼量に戻すように構成されている点を特徴とする。
【0023】
即ち、バーナがその燃焼量の調節範囲における最大燃焼量にて燃焼しているときに、被加熱物を加熱用位置から移動させて、再び、被加熱物を加熱用位置に位置させると、バーナの燃焼量が、最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間が経過した後に最大燃焼量に戻る。
従って、被加熱物を加熱用位置に位置させた直後であって、使用者の腕等がバーナの近くにあるときに、バーナの火炎が大きくなって火炎が被加熱物の底部からあふれるのを防止することが可能となるので、安全性を一層向上することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】コンロの斜視図
【図2】コンロの制御構成を示すブロック図
【図3】コンロのバーナ付近の縦断面図
【図4】流量制御弁の構成を示す図
【図5】流量制御弁の要部を示す図
【図6】点消火指令部及び燃焼量調節操作部の構成を示す図
【図7】点消火指令部及び燃焼量調節操作部の操作状態を説明する図
【図8】前面火力表示部を示す図
【図9】天面表示部を示す図
【図10】制御動作のフローチャートを示す図
【図11】制御動作のフローチャートを示す図
【図12】制御動作のフローチャートを示す図
【図13】制御動作のフローチャートを示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すように、ガスコンロは、3つのコンロバーナ1a,1b,1c、及び、グリルバーナ2を備えるグリル部3を備えたビルトインタイプのガスコンロにて構成されており、3つのコンロバーナ1a,1b,1cは標準バーナ1aと、小バーナ1bと、高火力バーナ1cとによって構成されている。
【0026】
又、図1に示すように、グリル部3の燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が形成され、ガラス製のトッププレート5にてガスコンロ上面が覆われており、このトッププレート5の上部に、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cに対する被加熱物(鍋など)を受け止め支持するための五徳6が載置支持されている。つまり、五徳6上が、被加熱物を位置させる加熱用位置に相当する。
又、トッププレート5の裏面側に、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々の火力、並びに、グリルバーナ2の点消火状態を表示する天面表示部70が、トッププレート5を通して視認可能なように設けられている。
【0027】
又、図1及び図2に示すように、ガスコンロ前側面には、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cとグリルバーナ2との点火及び消火や火力調節と各種の設定とを指令する手動操作部Sが設けられ、マイクロコンピュータを備えて各種の制御を実行するように構成された燃焼制御部H(燃焼制御手段の一例)が、その手動操作部Sにて指令された運転状態に基づいて、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cとグリルバーナ2を制御するように構成されている。又、ガスコンロ前側面には自動復帰型の押し操作式の電源スイッチ40も設けられている。
【0028】
図2に示すように、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々には、点火プラグ7及び着火状態を検出する熱電対8が設けられており、グリルバーナ2は上面バーナ2aと左右一対の下面バーナ2b,2cとを備えた両面バーナにて構成されて、上面バーナ2a及び左右一対の下面バーナ2b,2cの夫々にも点火プラグ7及び着火状態を検出するための熱電対8等が備えられている。
【0029】
又、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々には、図2及び図3に示すように(但し、図3では標準バーナ1aについて示す)、伸び方向に復帰付勢された伸縮機構9が、下端側が固定された状態で上下方向に伸縮自在に設けられている。
この伸縮機構9は、図3に示すように、ケーシングに対して固定された案内支持部9aに上下可動部9bをバネ(図示省略)にて上方に復帰付勢した状態で上下方向に移動自在に支持して構成してある。
【0030】
そして、五徳6上に被加熱物が載置されていないときは、上下可動部9bの上端が五徳6における被加熱物を受け止める上端部よりも突出した伸状態となり、五徳6上に被加熱物が載置されるに伴って、上下可動部9bが被加熱物の底部により押し下げられて縮状態となる。
【0031】
そして、標準バーナ1a及び高火力バーナ1cの夫々に対応する伸縮機構9に対して、その伸縮機構9の上下可動部9bが五徳6上に載置された被加熱物により押し下げられるとオンし、五徳6上に載置された被加熱物が上げられて上下可動部9bが上方に復帰するとオフになるように被加熱物検出スイッチ10を設けてある。
つまり、被加熱物検出スイッチ10がオンの状態で、五徳6上に被加熱物が存在すること、即ち、被加熱物の存在が検出され、被加熱物検出スイッチ10がオフの状態で、五徳6上に被加熱物が存在しないこと、即ち、被加熱物の不存在が検出されることになり、この被加熱物検出スイッチ10により前記被加熱物検出手段が構成される。
【0032】
更に、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々に対応する伸縮機構9の上下可動部9bの上端部内には、温度センサ11が設けられ、五徳6上に載置された被加熱物の底部が上下可動部9bの上端に当接した状態で、この温度センサ11により被加熱物の温度を検出するように構成されている。又、図示を省略するが、グリル部3には、グリル庫内の温度を検出する温度センサが設けられている。
【0033】
前記標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cとグリルバーナ2とへのガス供給構成について説明すると、図2に示すように、元ガス供給路12には元ガス電磁弁13が設けられ、この元ガス供給路12から、標準バーナ用分岐路14a、小バーナ用分岐路14b、高火力バーナ用分岐路14c、グリルバーナ用分岐路14dの4系統に分岐しており、グリルバーナ2へのグリルバーナ用分岐路14dは、さらに、上面バーナ用の分岐路と下面バーナ用分岐路とに分岐してそれらの分岐路には夫々、オリフィスof付きの流路15と開閉式電磁弁16を備えたバイパス路17が設けられている。そして、標準バーナ用分岐路14a、小バーナ用分岐路14b、高火力バーナ用分岐路14c、及び、グリルバーナ用分岐路14dの夫々には、ステッピングモータ19(図4参照)の駆動によってガス量を調整して前記各バーナの燃焼量(火力)を調整する流量制御弁18が備えられている。
【0034】
この流量制御弁18は、図4に示すように、駆動源としてのステッピングモータ19と、このステッピングモータ19の回転操作をスライド移動操作に変更させるネジ送り式の移動操作機構20と、ガス通過用の挿通孔21が形成されたスライド閉子22と、複数のガス通過用の調整孔23を形成した流量調整板24等を備えて構成されている。そして、前記スライド閉子22と流量調整板24とによってガス量を変更可能な流量調整部25が構成されている。つまり、図4に示すようにガス流路を遮蔽する状態でスライド閉子22と流量調整板24とがバネ26によって圧接される状態で相対的にスライド自在に設けられ、ステッピングモータ19を駆動することでスライド閉子22をスライド移動させながら、図5に示すように、スライド閉子22に形成された挿通孔21が流量調整板24の調整孔23と重なり合う面積合計を変更させることで、バーナへのガス供給量を変更調整自在な構成となっている。尚、前記スライド閉子22のスライド移動量はスライド移動検出センサ27によって検出される構成となっている。
【0035】
次に、前記手動操作部Sの構成について説明する。図1、図6及び図7に示すように、ガスコンロ前側面には、手動操作部Sとして、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々に対応して、バーナ1a,1b,1cの点火指令を指令する点火指令状態とバーナ1a,1b,1cの消火指令を指令する消火指令状態とに切り換え自在な指令手段としての人為操作式の点消火指令部28、バーナ1a,1b,1cの燃焼量(火力)の調節を指令する人為操作式の燃焼量調節操作部29、及び、調理の設定を指令する設定入力パネル50が設けられ、並びに、グリルバーナ2に対して、点火及び消火や火力調整を指令するための設定入力パネル60が設けられている。これら3つの点消火指令部28及び3つの燃焼量調節操作部29は同じ構成であるから、そのうちの標準バーナ1aに対する加熱状態調節部28を代表として構成を以下に説明し、他のものについては説明を省略する。又、設定入力パネル50及び設定入力パネル60は開閉式になっている。
【0036】
図6及び図7に示すように、点火指令及び消火指令を指令する押し操作式の点消火スイッチ32がガスコンロの前面パネル38の内部に設けられ、前面パネル38に形成した挿通孔39を通して裏面側から挿通する状態で円筒状の回転操作部31が設けられている。そして、この回転操作部31は、その回転軸心方向の移動により、前記点消火スイッチ32を消火指令を指令する消火指令状態に操作する消火指令用に押し込み位置と、その押し込み位置よりも突出して点消火スイッチ32を点火指令を指令する点火指令状態に操作する点火指令用の突出位置とに切り換え自在に構成され、且つ、前記突出位置にて前記燃焼量を調整すべく回転操作自在に構成されている。
【0037】
説明を加えると、回転操作部31は、押し操作される毎に回転軸心方向に移動して、図示しない位置保持機構によって、前面パネル38とほぼ面一になる押し込み位置と前方に突出する突出位置とに切り換え自在に構成され、回転操作部31が前記突出位置に切り換えられているときに、正転方向及び逆転方向の夫々にその軸心周りで回動操作可能となるように構成されている。そして、この回転操作部31が押し込み位置に切り換えられるとそれに伴って点消火スイッチ32がOFF(オフ)状態となり、回転操作部31が突出位置に切り替えられるとそれに伴って点消火スイッチ32がON(オン)状態となるように連動して切り換わる構成となっている。図2に示すように、この点消火スイッチ32の切り換え信号は燃焼制御部Hに入力されており、燃焼制御部Hはこの点消火スイッチ32がON状態に切り換わると標準バーナ1aに対する点火作動を開始し、OFF状態に切り換わると標準バーナ1aの燃焼作動を停止するように構成されている。
つまり、前記回転操作部31及び点消火スイッチ32により、点消火指令部28が構成されている。
【0038】
又、前記前面パネル38の内部には、回転操作部31の回転操作に伴ってパルス信号を出力するパルス発生手段としてのロータリーエンコーダ33が設けられている。つまり、このロータリーエンコーダ33の操作軸34に前記回転操作部31が一体回動自在に且つ軸心方向での相対移動を許容する状態で接続されている。このロータリーエンコーダ33は、回転操作部31の一方向への回転操作に伴って2つのパルス信号のうちの一方のパルス信号が他方のパルス信号より位相が進み、回転操作部31の他方向への回転操作に伴って前記他方のパルス信号が前記一方のパルス信号より位相が進む状態で、回転操作部31の回転操作に伴って互いに異なる位相の2つのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、このロータリーエンコーダ33は、2つの出力端子を備えており、その2つの出力端子から上述したような位相の異なるパルス信号が出力される構成である。このようなロータリーエンコーダ33は周知のものであるから詳細な構成についての説明は省略する。
【0039】
図8に示すように、前記前面パネル38の外面側において前記各回転操作部31の周囲には火力を表示する複数のLEDランプ35を並べる状態で火力を表示する前面火力表示部36が設けられている。この前面火力表示部36は複数のLEDランプ35をレベルメータとして用いて、回転操作部31にて設定された燃焼量(火力)の大きさを燃焼量の大きさに応じた数のLEDランプ35を点灯させて表示する構成となっている。この実施形態では、火力の大きさが最小火力から最大火力まで、標準バーナ1a及び高火力バーナ1cでは5段階に変更調整でき、小バーナ1cでは3段階に変更調整できる構成となっているので、標準バーナ1a及び高火力バーナ1cの夫々に対応する前面火力表示部36は、5個のLEDランプ35にて構成され、小バーナ1cに対応する前面火力表示部36は、3個のLEDランプ35にて構成されている。
【0040】
つまり、標準バーナ1a及び高火力バーナ1cの夫々は、その燃焼量を5段階の設定燃焼量に調節できるように構成され、又、小バーナ1cは、その燃焼量を3段階の設定燃焼量に調節できるように構成されている。
【0041】
図1及び図9に示すように、前記天面表示部70は、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対応する3個の天面火力表示部71と、グリルバーナ2に対応するグリル燃焼表示部73とから構成されている。
前記天面火力表示部71は、前面火力表示部36と同構成であり、複数のLEDランプ72をレベルメータとして用いて回転操作部31にて設定された燃焼量(火力)の大きさを燃焼量の大きさに応じた数のLEDランプ72を点灯させて表示する構成となっている。又、前記グリル燃焼表示部73は、1個のLEDランプ74から構成され、グリルバーナ2を点火させるとその燃焼状態をLEDランプ74を点灯させて表示する構成となっている。
【0042】
そして、燃焼制御部Hは、図2に示すように、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対応するロータリーエンコーダ33にて発生するパルス信号に基づいて、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対する燃料供給量を調整するように標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対する流量制御弁18の作動を制御するよう構成されている。つまり、燃焼制御部Hは、ロータリーエンコーダ33から出力される前記パルス信号に基づいて、回転操作部31の回転操作方向並びに回転操作量を判別するとともに、その判別した回転操作方向並びに回転操作量に対応させて標準バーナ1a等の燃焼量を調整することになるが、そのとき、ロータリーエンコーダ33から出力される2つのパルス信号のデータを予め定めた設定単位時間毎に繰り返し読み込み、その読み込まれた前記2つのパルス信号のデータにおけるデータパターンに基づいて、回転操作部31の回転操作方向並びに回転操作量を判別するように構成されている。
【0043】
つまり、前記回転操作部31及びロータリーエンコーダ33により、前記燃焼量調節操作部29が構成されている。
【0044】
又、図2に示すように、燃焼制御部Hは、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対応するロータリーエンコーダ33にて発生するパルス信号に基づいて、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々の火力を標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対応する前面火力表示部36及び天面火力表示部71にて表示するように構成されている。
つまり、燃焼制御部Hは、前面火力表示部36及び天面火力表示部71を同様に制御するように構成され、例えば、標準バーナ1aに対応するロータリーエンコーダ33にて発生するパルス信号が火力3に対応する場合は、前面火力表示部36を構成するLEDランプ35を3個点灯させ、且つ、天面表示部71を構成するLEDランプ72を3個点灯させる。
【0045】
又、図2に示すように、このガスコンロには各種情報を音声にて報知する報知手段としてのスピーカ37が備えられており、燃焼制御部Hは、各種情報をこのスピーカ37により報知させるように構成されている。
【0046】
次に、図10ないし図13に示すフローチャートに基づいて、前記燃焼制御部Hの制御動作について説明する。
尚、本発明に係る制御は、前記標準バーナ1a及び前記高火力バーナ1cを対象にして実行するので、前記小バーナ1b及び前記グリルバーナ2を対象にした燃焼制御部Hの制御動作の説明は省略する。
又、標準バーナ1a及び高火力バーナ1c夫々を対象にした燃焼制御部Hの制御動作は同様であるので、以下では、標準バーナ1aを対象にした制御動作について説明して、高火力バーナ1cを対象にした制御動作の説明は省略する。
又、前記元ガス電磁弁13は、標準バーナ1a、小バーナ1b、高火力バーナ1c及びグリルバーナ2のうちの少なくとも一つに対応する点消火スイッチ32がON状態のときは開弁し、標準バーナ1a、小バーナ1b、高火力バーナ1c及びグリルバーナ2夫々に対応する点消火スイッチ32の全てがOFF状態のときは、閉弁状態に維持するので、以下の説明では、この元ガス電磁弁13の制御については説明を省略する。
【0047】
図10に基づいて、メインの制御動作について説明する。
燃焼制御部Hは、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられたときに、被加熱物検出スイッチ10がON状態の場合は、流量制御弁18を開弁させ、点火プラグ7に駆動信号を与えて点火作動させることにより、標準バーナ1aを点火させる点火処理を行い、ロータリーエンコーダ33から出力される前記パルス信号に応じた段階の火力となるように流量制御弁18の開度を調節することにより、燃焼量調節処理を行い(ステップ#1〜4)、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられたときに、被加熱物検出スイッチ10がOFF状態の場合は、消火中被加熱物無し時制御を実行する(ステップ#1,2,20)。
【0048】
更に、燃焼制御部Hは、標準バーナ1aの燃焼中は、被加熱物検出スイッチ10の状態を監視して、被加熱物検出スイッチ10がON状態の間は、前記燃焼量調節処理を行いながら、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられるまで、標準バーナ1aの燃焼を継続し、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられると、流量制御弁18を閉弁することにより消火処理を行って、リターンする(ステップ#5〜8)。
【0049】
燃焼制御部Hは、標準バーナ1aの燃焼中に、被加熱物検出スイッチ10がOFF状態になると、燃焼中被加熱物無し時制御を実行する(ステップ#5,30)。
【0050】
次に、図11に基づいて、前記消火中被加熱物無し時制御について、説明する。
燃焼制御部Hは、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられたときに、被加熱物検出スイッチ10がOFF状態の場合は、スピーカ37により、加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報(例えば、「鍋を置いて下さい」の如き案内情報)を報知させ、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられた後の経過時間T1が待機用設定時間Ts1に達しない間は、被加熱物検出スイッチ10の状態を監視して、被加熱物検出スイッチ10がON状態になると(ステップ#21〜23)、図10に示すメインのフローチャートのステップ#3に戻って、点火処理を行う。
【0051】
又、燃焼制御部Hは、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられた後の経過時間T1が待機用設定時間Ts1に達しても、被加熱物検出スイッチ10のOFF状態が継続していると、点消火スイッチ32がON状態であることによる点火指令を無効にし、スピーカ37により、例えば、「安全装置が働きました」の如き警報を報知させ、標準バーナ1aに対応する前面火力表示部36及び天面火力表示部71を同様に点滅させて(ステップ22、24〜26)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
ちなみに、前記待機用設定時間Ts1は、例えば10秒に設定する。
【0052】
つまり、燃焼制御部Hは、前記指令手段としての点消火指令部28が消火指令状態から点火指令状態に切り換えられたときに、被加熱物検出手段10が被加熱物の存在を検出している場合はバーナ1a,1cを点火させ、且つ、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出している場合はバーナ1a,1cを消火状態に維持し、点消火指令部28が前記消火指令状態から前記点火指令状態に切り換えられたときに、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出していることにより、バーナ1a,1cを消火状態に維持しているときに、被加熱物検出手段10が被加熱物の存在を検出するとバーナ1a,1cを点火させるように構成されている。
【0053】
又、燃焼制御手段Hは、点消火指令部28が前記消火指令状態から前記点火指令状態に切り換えられたときに、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出していることにより、バーナ1a,1cを消火状態に維持しているときに、点消火指令部28が前記消火指令状態から前記点火指令状態に切り換えられた後の経過時間T1が待機用設定時間Ts1に達するまでに被加熱物検出手段10が被加熱物の存在を検出する場合には、バーナ1a,1cを点火させ、前記経過時間T1が前記待機用設定時間Ts1に達しても、被加熱物検出手段10による被加熱物の不存在の検出が継続していると、点消火指令部28の点火指令を無効にするように構成されている。
【0054】
次に、図12に基づいて、燃焼中被加熱物無し時制御について、説明する。
燃焼制御手段Hは、標準バーナ1aの燃焼中に、被加熱物検出スイッチ10がOFF状態になると、直ちに、標準バーナ1aの燃焼量を前記5段階の火力のうちの最下段の火力1よりも1段上の火力2に対応する不存在時燃焼量に一気に低下させるように流量制御弁18の開度を調節することにより、不存在時燃焼量低下処理を実行し、標準バーナ1aに対応する前面火力表示部36及び天面火力表示部71を同様に点滅させることにより、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態で標準バーナ1aが燃焼している異常状態であることを報知する(ステップ#31,32)。
【0055】
続いて、燃焼制御手段Hは、ロータリーエンコーダ33から出力される前記パルス信号を監視して、そのパルス信号が燃焼量増大変更調節を指令するものであっても、その指令をキャンセルして燃焼量増大変更を実行せず、前記パルス信号が燃焼量低下変更調節を指令するものであるときは、最下段の火力1に減少させることに対応する燃焼量低下変更調節の指令のときのみ、その最下段の火力1に対応する燃焼量に低下させるように、流量制御弁18の開度を調節することにより、燃焼量低下処理を実行する(ステップ#33〜36)。
【0056】
続いて、燃焼制御手段Hは、標準バーナ1aの燃焼中に被加熱物検出スイッチ10がOFF状態になった後の経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達するまでは、被加熱物検出スイッチ10のOFF状態が継続し且つ点消火スイッチ32のON状態が継続している間は、ステップ#33〜36の処理を繰り返す。そして、その間において、前記経過時間T2が前記不存在判別用設定時間Ts2よりも短い中間報知用設定時間Ts3に達すると、スピーカ37により、例えば、「鍋を置いてください」の如き案内情報を報知させ、被加熱物検出スイッチ10がON状態になると、標準バーナ1aを燃焼状態に維持する燃焼維持処理を実行し、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられると、消火処理を実行して(ステップ#37〜42、50)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
【0057】
又、燃焼制御手段Hは、前記経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達しても、被加熱物検出スイッチ10のOFF状態が継続している場合は、標準バーナ1aを消火させる不存在時消火処理を実行し、スピーカ37により、例えば、「安全装置が働きました」の如き警報を報知させ、点消火スイッチ32がON状態であることによる点火指令を無効にし(ステップ#37、41〜43)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
ちなみに、前記不存在判別用設定時間Ts2は、例えば60秒に設定し、前記中間報知用設定時間Ts3は、例えば30秒に設定する。
【0058】
つまり、燃焼制御手段Hは、バーナ1a,1cの燃焼中において、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出すると、直ちにバーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させる不存在時燃焼量低下処理を実行し、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出した後の経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達するまでに、被加熱物検出手段10が被加熱物の存在を検出すると、バーナ1a,1cを燃焼状態に維持する燃焼維持処理を実行し、前記経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達しても、被加熱物検出手段10による被加熱物の不存在の検出が継続している場合は、バーナ1a,1cを消火させる不存在時消火処理を実行するように構成されている。
【0059】
又、燃焼制御手段Hは、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記不存在時燃焼量を前記5段階の設定燃焼量における最下段の設定燃焼量よりも1段上の2段目の設定燃焼量とするように構成されている。
【0060】
又、燃焼制御手段Hは、前記不存在時燃焼量低下処理の実行後であって、被加熱物検出手段10による被加熱物不存在の検出の継続によりバーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させている間は、燃焼量調節操作部29からの燃焼量調節指令に基づくバーナ1a,1cの燃焼量の増大側への変更調節を実行しないように構成されている。
【0061】
又、前記スピーカ37が、バーナ1a,1cの燃焼中において被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出すると、加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報を報知する報知手段に相当する。
そして、その報知手段としての前記スピーカ37は、バーナ1a,1cの燃焼中において被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出した後の経過時間T2が前記不存在判別用設定時間Ts2よりも短い中間報知用設定時間Ts3に達すると、前記案内情報を報知するように構成されている。
【0062】
次に、図13に基づいて、前記燃焼維持制御について、説明する。
燃焼制御手段Hは、上述のように、標準バーナ1aの燃焼中において被加熱物検出スイッチ10がOFF状態になった後の経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達するまでに、被加熱物検出スイッチ10がON状態になると、この燃焼維持処理を実行する。
そして、この燃焼維持処理では、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の火力が最上段の火力5のときは、その最上段の火力5よりも1段低い火力4までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間(例えば、1秒)が経過した後に最上段の火力5に戻すように流量制御弁18の開度を調節することにより、2段階燃焼量増大処理を実行し、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の火力が最上段の火力5よりも低い火力のときは、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の火力に直ちに戻すように流量制御弁18の開度を調節することにより、通常燃焼量増大処理を実行する(ステップ#51〜53)。
【0063】
つまり、燃焼制御手段Hは、前記燃焼維持処理において、バーナ1a,1cの燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻すように構成されている。
【0064】
又、最上段の火力5に対応する燃焼量がバーナ1a,1cの燃焼量の調節範囲の最大燃焼量に相当し、最上段の火力5よりも1段低い火力4に対応する燃焼量が前記最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量に相当する。
つまり、燃焼制御手段Hは、前記燃焼維持処理においては、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前のバーナ1a,1cの燃焼量がその調節範囲における最大燃焼量のときは、バーナ1a,1cの燃焼量を最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、前記待機用設定時間が経過した後に前記最大燃焼量に戻すように構成されている。
【0065】
続いて、燃焼制御手段Hは、燃焼量調節操作部29から燃焼量変更指令が無く且つ被加熱物検出スイッチ10がON状態で且つ点消火スイッチ32がON状態の間は、標準バーナ1aの燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に維持する状態を継続し、あるいは、燃焼量調節操作部29から燃焼量変更指令が無く且つ被加熱物検出スイッチ10がON状態からOFF状態になると、前記燃焼中被加熱物無し制御を実行し、あるいは、燃焼量調節操作部29から燃焼量変更指令が無く且つ被加熱物検出スイッチ10がON状態で、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられると、消火処理を実行して(ステップ#54〜58)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
【0066】
又、燃焼制御手段Hは、ステップ#54で、燃焼量調節操作部29から燃焼量変更指令が指令されたときは、標準バーナ1aの燃焼量を指令された燃焼量に変更調節するように流量制御弁18の開度を調節することにより、燃焼量変更処理を実行し、点消火スイッチ32がON状態が継続している場合は(ステップ#54、59、60)、メインのフローチャートのステップ#5に戻り、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられると、消火処理を実行して(ステップ#60、58)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
【0067】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態では、前記燃焼制御部Hを、不存在時燃焼量低下処理において、バーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に一気に低下させるように構成する場合について例示したが、バーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に向けて漸減させるように構成しても良い。
又、前記燃焼制御部Hを、バーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に向けて漸減させる不存在時燃焼量低下処理の実行中は、前記燃焼量調節操作部29からの燃焼量調節指令に基づくバーナ1a,1cの燃焼量の増大側への変更調節を実行しないように構成してもよい。
【0068】
(ロ) 前記燃焼維持処理としては、上記の実施形態において例示した形態、即ち、燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻した燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させる形態に限定されるものではない。
例えば、前記不存在時燃焼量低下処理にて低下された前記不存在時燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させる形態を採用することが可能である。
あるいは、前記不存在時燃焼量よりも大きく且つ前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量よりも小さい燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させる形態を採用することが可能である。
あるいは、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量が最大燃焼量のときは、その最大燃焼量よりも小さく且つ不存在時燃焼量よりも大きい燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させ、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量が最大燃焼量よりも小さいときは、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させる形態を採用することが可能である。
【0069】
(ハ) 前記被加熱物検出手段の具体構成としては、上記の実施形態において例示した被加熱物検出スイッチ10に限定されるものではない。
例えば、前記上下可動部9bの両横側方に振り分けて配置した磁石とリードスイッチ、及び、前記上下可動部9bが押し下げられると前記磁石と前記リードスイッチとの間に位置し且つ前記上下可動部9bが上方に復帰すると前記磁石と前記リードスイッチとの間から退出するように前記上下可動部9bに取り付けた磁性体にて構成することが可能である。
あるいは、投射光が加熱用位置に位置する被加熱物により反射されることにより、あるいは、投射光が加熱用位置に位置する被加熱物により遮蔽されることにより、被加熱物の存在を検出するように構成した光センサにて構成することが可能である。
あるいは、五徳6上に被加熱物が載置されることにより検出重量が変動するように配置したロードセンサにて構成することが可能である。
【0070】
(ニ) 加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報を報知する報知手段の具体構成としては、上記の実施形態において例示したスピーカ37に限定されるものではない。
例えば、前記案内情報を表示する表示装置や、ブザー、ランプ等にて構成することが可能である。又、スピーカ37、表示装置、ブザー及びランプのうちの複数を用いて構成しても良い。
【符号の説明】
【0071】
1a,1c バーナ
10 被加熱物検出手段
29 燃焼量調節操作部
37 報知手段
H 燃焼制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱用位置に位置する被加熱物を加熱するバーナと、
前記加熱用位置に被加熱物が存在するか否かを検出する被加熱物検出手段と、
前記被加熱物検出手段の検出情報に基づいて前記バーナの作動を制御する燃焼制御手段とが設けられたコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるコンロは、加熱用位置に被加熱物が存在するか否かを検出する被加熱物検出手段の検出情報に基づいて、燃焼制御手段によりバーナの作動を制御するようにしたものである。
このようなコンロにおいて、従来は、燃焼制御手段を、バーナの燃焼中において、被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出するとバーナの燃焼を停止させ、その被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出することに基づくバーナの燃焼の停止中に、被加熱物検出手段が被加熱物の存在を検出するとバーナを点火させるように構成していた。
あるいは、燃焼制御手段を、バーナの燃焼中において、被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出するとバーナの燃焼量を低下させ、その被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出することに基づくバーナの燃焼量の低下中に、被加熱物検出手段が被加熱物の存在を検出するとバーナの燃焼量を増大させるように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
そして、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行うときに、被加熱物を加熱用位置から移動させるとバーナの燃焼を停止させるか燃焼量を低下させて、安全性を損なわないようにしながら、再び被加熱物を加熱用位置に位置させると、バーナを点火させるか燃焼量を増大させて被加熱物の加熱が継続されるようにして、使い勝手を向上するようにしていた。
【0004】
ちなみに、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理としては、例えば、被加熱物としてのフライパンを加熱用位置としての五徳に載せたり五徳から上げたりして行う炒め物調理や、五徳に載せてバーナにて加熱中の被加熱物としての鍋を五徳から下ろして加熱状態を確認した後、五徳に載せる形態で行う加熱調理がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−303785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来では、バーナの燃焼中において被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出することに基づいて、バーナの燃焼を停止させている又は燃焼量を低下させている状態では、バーナの点火指令及び消火指令を指令する点消火指令手段が点火指令を指令する状態である限り、加熱用位置に被加熱物が位置されると、バーナが点火される又はバーナの燃焼量が増大されることになる。
【0007】
従って、バーナの燃焼中において被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出するとバーナの燃焼を停止させる場合では、使用者が被加熱物を加熱用位置に位置させたときに予期せずバーナが点火されるといった不具合が発生する虞があり、又、バーナの燃焼中において被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出するとバーナの燃焼量を低下させる場合では、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態でバーナの燃焼が長い時間継続する虞があり、いずれの場合も、安全性を向上する上で改善の余地があった。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使い勝手を向上しながら、安全性を向上し得るコンロを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンロは、加熱用位置に位置する被加熱物を加熱するバーナと、
前記加熱用位置に被加熱物が存在するか否かを検出する被加熱物検出手段と、
前記被加熱物検出手段の検出情報に基づいて前記バーナの作動を制御する燃焼制御手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記燃焼制御手段は、前記バーナの燃焼中において、前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出すると、直ちに前記バーナの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させる不存在時燃焼量低下処理を実行し、前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出した後の経過時間が不存在判別用設定時間に達するまでに、前記被加熱物検出手段が被加熱物の存在を検出すると、前記バーナを燃焼状態に維持する燃焼維持処理を実行し、前記経過時間が前記不存在判別用設定時間に達しても、前記被加熱物検出手段による被加熱物の不存在の検出が継続している場合は、前記バーナを消火させる不存在時消火処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0010】
即ち、バーナの燃焼中において、被加熱物を加熱用位置から移動させると、直ちに、不存在時燃焼量低下処理が実行されてバーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下され、被加熱物を加熱用位置から移動させてから不存在判別用設定時間が経過するまでに、再び被加熱物を加熱用位置に位置させると、燃焼維持処理が実行されてバーナの燃焼が維持され、被加熱物を加熱用位置から移動させてから不存在判別用設定時間が経過しても、被加熱物を加熱用位置に位置させないと、不存在時消火処理が実行されてバーナが消火される。
ちなみに、前記燃焼維持処理としては、例えば、燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻した燃焼を燃焼状態として、バーナの燃焼を維持させる形態、又は、前記不存在時燃焼量低下処理にて低下された前記不存在時燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナの燃焼を維持させる形態がある。
【0011】
つまり、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行うときに、被加熱物を加熱用位置から移動させると、直ちに、バーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下され、被加熱物を加熱用位置から移動させてから不存在判別用設定時間が経過するまでに、再び被加熱物を加熱用位置に位置させると、例えば、バーナの燃焼量が被加熱物を移動させる前の燃焼量に戻された状態又は被加熱物を移動させることに伴って低下された不存在時燃焼量に維持された状態で、バーナの燃焼が維持されるので、安全性を損なわないようにしながら、使い勝手を向上することが可能となる。
しかも、バーナの燃焼中に被加熱物を加熱用位置から移動させてから不存在判別用設定時間が経過しても、被加熱物を加熱用位置に位置させないと、バーナが消火されるので、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態でバーナの燃焼が長い時間継続するのを防止することが可能となり、安全性を向上することができる。
従って、使い勝手を向上しながら、安全性を向上し得るコンロを提供することができるようになった。
【0012】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記燃焼制御手段は、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量に向けて漸減させるように構成されている点を特徴とする。
【0013】
即ち、不存在時燃焼量低下処理においては、バーナの燃焼量が不存在時燃焼量に向けて漸減されるので、バーナの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させるときに、バーナが吹き消えるのを防止することができる。
従って、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行っているときに、バーナが消火するのを防止することができるので、そのような加熱調理を適切に行うことができ、又、バーナを再点火させる手間が省けて使い勝手を一層向上することができる。
【0014】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記バーナが、その燃焼量を複数段階の設定燃焼量に調節できるように構成され、
前記燃焼制御手段が、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記不存在時燃焼量を、前記複数段階の設定燃焼量における最下段の設定燃焼量よりも上の段の設定燃焼量とするように構成されている点を特徴とする。
【0015】
即ち、不存在時燃焼量低下処理においては、不存在時燃焼量が複数段階の設定燃焼量における最下段の設定燃焼量よりも上の段の設定燃焼量とされるので、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態で、バーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下されているときに、バーナが吹き消えるのを防止することができる。
従って、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行っているときに、バーナが消火するのを防止することができるので、そのような加熱調理を適切に行うことができ、又、バーナを再点火させる手間が省けて使い勝手を一層向上することができる。
【0016】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記バーナの燃焼量の調節を前記燃焼制御手段に指令する人為操作式の燃焼量調節操作部が設けられ、
前記燃焼制御手段は、前記不存在時燃焼量低下処理の実行中、及び、その不存在時燃焼量低下処理の実行後であって、前記被加熱物検出手段による被加熱物不存在の検出の継続により前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量に低下させている間は、前記燃焼量調節操作部からの燃焼量調節指令に基づく前記バーナの燃焼量の増大側への変更調節を実行しないように構成されている点を特徴とする。
【0017】
即ち、不存在時燃焼量低下処理の実行中、及び、その不存在時燃焼量低下処理の実行後であって、被加熱物検出手段による被加熱物不存在の検出の継続によりバーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下されているときに、人為操作式の燃焼量調節操作部により、バーナの燃焼量を増大側へ変更調節するように指令しても、バーナの燃焼量が増大されない。
つまり、被加熱物を加熱用位置から移動させると燃焼量が小さくなったのに伴って、使用者がバーナの燃焼量を大きくするように燃焼量調節操作部を操作しても、バーナの燃焼量が増大されない。
又、使用者が、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量よりも大きい燃焼量を指令する操作位置に燃焼量調節操作部を操作しても、バーナの燃焼量が増大されないので、被加熱物を加熱用位置に戻して燃焼維持処理が実行されたときに、バーナの燃焼量が前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量よりも大きくなるのを防止することが可能となる。
従って、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態で、バーナの燃焼量が大きくなるのを防止することができ、又、被加熱物を加熱用位置に戻したときに、燃焼量が被加熱物を移動させる前の燃焼量よりも大きくなるのを防止することができるので、安全性を一層向上することができる。
【0018】
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記バーナの燃焼中において前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出すると、前記加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報を報知する報知手段が設けられている点を特徴とする。
【0019】
即ち、バーナの燃焼中において被加熱物を加熱用位置から移動させると、報知手段により、加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報が報知される。
つまり、報知手段にて報知される案内情報により、使用者は、被加熱物を加熱用位置に位置させる必要があることを認識することができるので、被加熱物を加熱用位置から移動させている時間が長くなってバーナが消火されてしまうのを抑制することが可能となる。
従って、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行っているときに、バーナが消火するのを防止することができるので、そのような加熱調理を適切に行うことができ、又、バーナを再点火させる手間が省けて使い勝手を一層向上することができる。
【0020】
第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成のいずれかに加えて、
前記燃焼制御手段は、前記燃焼維持処理において、前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻すように構成されている点を特徴とする。
【0021】
即ち、バーナの燃焼中において、被加熱物を加熱用位置から移動させることによりバーナの燃焼量が不存在時燃焼量に低下されても、被加熱物を加熱用位置に位置させると、バーナの燃焼量が被加熱物を加熱用位置から移動させたときの燃焼量に戻る。
つまり、被加熱物を加熱用位置から移動させたり加熱用位置に位置させたりしながら、バーナにより被加熱物を加熱する加熱調理を行う場合に、被加熱物を加熱用位置に戻すとバーナの燃焼量が被加熱物を加熱用位置から移動させたときの燃焼量に戻るので、このような調理が一層行い易くなる。
【0022】
第7特徴構成は、上記第6特徴構成に加えて、
前記燃焼制御手段は、前記燃焼維持処理において、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の前記バーナの燃焼量がその調節範囲における最大燃焼量のときは、前記バーナの燃焼量を前記最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間が経過した後に前記最大燃焼量に戻すように構成されている点を特徴とする。
【0023】
即ち、バーナがその燃焼量の調節範囲における最大燃焼量にて燃焼しているときに、被加熱物を加熱用位置から移動させて、再び、被加熱物を加熱用位置に位置させると、バーナの燃焼量が、最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間が経過した後に最大燃焼量に戻る。
従って、被加熱物を加熱用位置に位置させた直後であって、使用者の腕等がバーナの近くにあるときに、バーナの火炎が大きくなって火炎が被加熱物の底部からあふれるのを防止することが可能となるので、安全性を一層向上することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】コンロの斜視図
【図2】コンロの制御構成を示すブロック図
【図3】コンロのバーナ付近の縦断面図
【図4】流量制御弁の構成を示す図
【図5】流量制御弁の要部を示す図
【図6】点消火指令部及び燃焼量調節操作部の構成を示す図
【図7】点消火指令部及び燃焼量調節操作部の操作状態を説明する図
【図8】前面火力表示部を示す図
【図9】天面表示部を示す図
【図10】制御動作のフローチャートを示す図
【図11】制御動作のフローチャートを示す図
【図12】制御動作のフローチャートを示す図
【図13】制御動作のフローチャートを示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すように、ガスコンロは、3つのコンロバーナ1a,1b,1c、及び、グリルバーナ2を備えるグリル部3を備えたビルトインタイプのガスコンロにて構成されており、3つのコンロバーナ1a,1b,1cは標準バーナ1aと、小バーナ1bと、高火力バーナ1cとによって構成されている。
【0026】
又、図1に示すように、グリル部3の燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が形成され、ガラス製のトッププレート5にてガスコンロ上面が覆われており、このトッププレート5の上部に、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cに対する被加熱物(鍋など)を受け止め支持するための五徳6が載置支持されている。つまり、五徳6上が、被加熱物を位置させる加熱用位置に相当する。
又、トッププレート5の裏面側に、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々の火力、並びに、グリルバーナ2の点消火状態を表示する天面表示部70が、トッププレート5を通して視認可能なように設けられている。
【0027】
又、図1及び図2に示すように、ガスコンロ前側面には、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cとグリルバーナ2との点火及び消火や火力調節と各種の設定とを指令する手動操作部Sが設けられ、マイクロコンピュータを備えて各種の制御を実行するように構成された燃焼制御部H(燃焼制御手段の一例)が、その手動操作部Sにて指令された運転状態に基づいて、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cとグリルバーナ2を制御するように構成されている。又、ガスコンロ前側面には自動復帰型の押し操作式の電源スイッチ40も設けられている。
【0028】
図2に示すように、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々には、点火プラグ7及び着火状態を検出する熱電対8が設けられており、グリルバーナ2は上面バーナ2aと左右一対の下面バーナ2b,2cとを備えた両面バーナにて構成されて、上面バーナ2a及び左右一対の下面バーナ2b,2cの夫々にも点火プラグ7及び着火状態を検出するための熱電対8等が備えられている。
【0029】
又、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々には、図2及び図3に示すように(但し、図3では標準バーナ1aについて示す)、伸び方向に復帰付勢された伸縮機構9が、下端側が固定された状態で上下方向に伸縮自在に設けられている。
この伸縮機構9は、図3に示すように、ケーシングに対して固定された案内支持部9aに上下可動部9bをバネ(図示省略)にて上方に復帰付勢した状態で上下方向に移動自在に支持して構成してある。
【0030】
そして、五徳6上に被加熱物が載置されていないときは、上下可動部9bの上端が五徳6における被加熱物を受け止める上端部よりも突出した伸状態となり、五徳6上に被加熱物が載置されるに伴って、上下可動部9bが被加熱物の底部により押し下げられて縮状態となる。
【0031】
そして、標準バーナ1a及び高火力バーナ1cの夫々に対応する伸縮機構9に対して、その伸縮機構9の上下可動部9bが五徳6上に載置された被加熱物により押し下げられるとオンし、五徳6上に載置された被加熱物が上げられて上下可動部9bが上方に復帰するとオフになるように被加熱物検出スイッチ10を設けてある。
つまり、被加熱物検出スイッチ10がオンの状態で、五徳6上に被加熱物が存在すること、即ち、被加熱物の存在が検出され、被加熱物検出スイッチ10がオフの状態で、五徳6上に被加熱物が存在しないこと、即ち、被加熱物の不存在が検出されることになり、この被加熱物検出スイッチ10により前記被加熱物検出手段が構成される。
【0032】
更に、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々に対応する伸縮機構9の上下可動部9bの上端部内には、温度センサ11が設けられ、五徳6上に載置された被加熱物の底部が上下可動部9bの上端に当接した状態で、この温度センサ11により被加熱物の温度を検出するように構成されている。又、図示を省略するが、グリル部3には、グリル庫内の温度を検出する温度センサが設けられている。
【0033】
前記標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cとグリルバーナ2とへのガス供給構成について説明すると、図2に示すように、元ガス供給路12には元ガス電磁弁13が設けられ、この元ガス供給路12から、標準バーナ用分岐路14a、小バーナ用分岐路14b、高火力バーナ用分岐路14c、グリルバーナ用分岐路14dの4系統に分岐しており、グリルバーナ2へのグリルバーナ用分岐路14dは、さらに、上面バーナ用の分岐路と下面バーナ用分岐路とに分岐してそれらの分岐路には夫々、オリフィスof付きの流路15と開閉式電磁弁16を備えたバイパス路17が設けられている。そして、標準バーナ用分岐路14a、小バーナ用分岐路14b、高火力バーナ用分岐路14c、及び、グリルバーナ用分岐路14dの夫々には、ステッピングモータ19(図4参照)の駆動によってガス量を調整して前記各バーナの燃焼量(火力)を調整する流量制御弁18が備えられている。
【0034】
この流量制御弁18は、図4に示すように、駆動源としてのステッピングモータ19と、このステッピングモータ19の回転操作をスライド移動操作に変更させるネジ送り式の移動操作機構20と、ガス通過用の挿通孔21が形成されたスライド閉子22と、複数のガス通過用の調整孔23を形成した流量調整板24等を備えて構成されている。そして、前記スライド閉子22と流量調整板24とによってガス量を変更可能な流量調整部25が構成されている。つまり、図4に示すようにガス流路を遮蔽する状態でスライド閉子22と流量調整板24とがバネ26によって圧接される状態で相対的にスライド自在に設けられ、ステッピングモータ19を駆動することでスライド閉子22をスライド移動させながら、図5に示すように、スライド閉子22に形成された挿通孔21が流量調整板24の調整孔23と重なり合う面積合計を変更させることで、バーナへのガス供給量を変更調整自在な構成となっている。尚、前記スライド閉子22のスライド移動量はスライド移動検出センサ27によって検出される構成となっている。
【0035】
次に、前記手動操作部Sの構成について説明する。図1、図6及び図7に示すように、ガスコンロ前側面には、手動操作部Sとして、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1cの夫々に対応して、バーナ1a,1b,1cの点火指令を指令する点火指令状態とバーナ1a,1b,1cの消火指令を指令する消火指令状態とに切り換え自在な指令手段としての人為操作式の点消火指令部28、バーナ1a,1b,1cの燃焼量(火力)の調節を指令する人為操作式の燃焼量調節操作部29、及び、調理の設定を指令する設定入力パネル50が設けられ、並びに、グリルバーナ2に対して、点火及び消火や火力調整を指令するための設定入力パネル60が設けられている。これら3つの点消火指令部28及び3つの燃焼量調節操作部29は同じ構成であるから、そのうちの標準バーナ1aに対する加熱状態調節部28を代表として構成を以下に説明し、他のものについては説明を省略する。又、設定入力パネル50及び設定入力パネル60は開閉式になっている。
【0036】
図6及び図7に示すように、点火指令及び消火指令を指令する押し操作式の点消火スイッチ32がガスコンロの前面パネル38の内部に設けられ、前面パネル38に形成した挿通孔39を通して裏面側から挿通する状態で円筒状の回転操作部31が設けられている。そして、この回転操作部31は、その回転軸心方向の移動により、前記点消火スイッチ32を消火指令を指令する消火指令状態に操作する消火指令用に押し込み位置と、その押し込み位置よりも突出して点消火スイッチ32を点火指令を指令する点火指令状態に操作する点火指令用の突出位置とに切り換え自在に構成され、且つ、前記突出位置にて前記燃焼量を調整すべく回転操作自在に構成されている。
【0037】
説明を加えると、回転操作部31は、押し操作される毎に回転軸心方向に移動して、図示しない位置保持機構によって、前面パネル38とほぼ面一になる押し込み位置と前方に突出する突出位置とに切り換え自在に構成され、回転操作部31が前記突出位置に切り換えられているときに、正転方向及び逆転方向の夫々にその軸心周りで回動操作可能となるように構成されている。そして、この回転操作部31が押し込み位置に切り換えられるとそれに伴って点消火スイッチ32がOFF(オフ)状態となり、回転操作部31が突出位置に切り替えられるとそれに伴って点消火スイッチ32がON(オン)状態となるように連動して切り換わる構成となっている。図2に示すように、この点消火スイッチ32の切り換え信号は燃焼制御部Hに入力されており、燃焼制御部Hはこの点消火スイッチ32がON状態に切り換わると標準バーナ1aに対する点火作動を開始し、OFF状態に切り換わると標準バーナ1aの燃焼作動を停止するように構成されている。
つまり、前記回転操作部31及び点消火スイッチ32により、点消火指令部28が構成されている。
【0038】
又、前記前面パネル38の内部には、回転操作部31の回転操作に伴ってパルス信号を出力するパルス発生手段としてのロータリーエンコーダ33が設けられている。つまり、このロータリーエンコーダ33の操作軸34に前記回転操作部31が一体回動自在に且つ軸心方向での相対移動を許容する状態で接続されている。このロータリーエンコーダ33は、回転操作部31の一方向への回転操作に伴って2つのパルス信号のうちの一方のパルス信号が他方のパルス信号より位相が進み、回転操作部31の他方向への回転操作に伴って前記他方のパルス信号が前記一方のパルス信号より位相が進む状態で、回転操作部31の回転操作に伴って互いに異なる位相の2つのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、このロータリーエンコーダ33は、2つの出力端子を備えており、その2つの出力端子から上述したような位相の異なるパルス信号が出力される構成である。このようなロータリーエンコーダ33は周知のものであるから詳細な構成についての説明は省略する。
【0039】
図8に示すように、前記前面パネル38の外面側において前記各回転操作部31の周囲には火力を表示する複数のLEDランプ35を並べる状態で火力を表示する前面火力表示部36が設けられている。この前面火力表示部36は複数のLEDランプ35をレベルメータとして用いて、回転操作部31にて設定された燃焼量(火力)の大きさを燃焼量の大きさに応じた数のLEDランプ35を点灯させて表示する構成となっている。この実施形態では、火力の大きさが最小火力から最大火力まで、標準バーナ1a及び高火力バーナ1cでは5段階に変更調整でき、小バーナ1cでは3段階に変更調整できる構成となっているので、標準バーナ1a及び高火力バーナ1cの夫々に対応する前面火力表示部36は、5個のLEDランプ35にて構成され、小バーナ1cに対応する前面火力表示部36は、3個のLEDランプ35にて構成されている。
【0040】
つまり、標準バーナ1a及び高火力バーナ1cの夫々は、その燃焼量を5段階の設定燃焼量に調節できるように構成され、又、小バーナ1cは、その燃焼量を3段階の設定燃焼量に調節できるように構成されている。
【0041】
図1及び図9に示すように、前記天面表示部70は、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対応する3個の天面火力表示部71と、グリルバーナ2に対応するグリル燃焼表示部73とから構成されている。
前記天面火力表示部71は、前面火力表示部36と同構成であり、複数のLEDランプ72をレベルメータとして用いて回転操作部31にて設定された燃焼量(火力)の大きさを燃焼量の大きさに応じた数のLEDランプ72を点灯させて表示する構成となっている。又、前記グリル燃焼表示部73は、1個のLEDランプ74から構成され、グリルバーナ2を点火させるとその燃焼状態をLEDランプ74を点灯させて表示する構成となっている。
【0042】
そして、燃焼制御部Hは、図2に示すように、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対応するロータリーエンコーダ33にて発生するパルス信号に基づいて、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対する燃料供給量を調整するように標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対する流量制御弁18の作動を制御するよう構成されている。つまり、燃焼制御部Hは、ロータリーエンコーダ33から出力される前記パルス信号に基づいて、回転操作部31の回転操作方向並びに回転操作量を判別するとともに、その判別した回転操作方向並びに回転操作量に対応させて標準バーナ1a等の燃焼量を調整することになるが、そのとき、ロータリーエンコーダ33から出力される2つのパルス信号のデータを予め定めた設定単位時間毎に繰り返し読み込み、その読み込まれた前記2つのパルス信号のデータにおけるデータパターンに基づいて、回転操作部31の回転操作方向並びに回転操作量を判別するように構成されている。
【0043】
つまり、前記回転操作部31及びロータリーエンコーダ33により、前記燃焼量調節操作部29が構成されている。
【0044】
又、図2に示すように、燃焼制御部Hは、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対応するロータリーエンコーダ33にて発生するパルス信号に基づいて、標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々の火力を標準バーナ1a、小バーナ1b及び高火力バーナ1c夫々に対応する前面火力表示部36及び天面火力表示部71にて表示するように構成されている。
つまり、燃焼制御部Hは、前面火力表示部36及び天面火力表示部71を同様に制御するように構成され、例えば、標準バーナ1aに対応するロータリーエンコーダ33にて発生するパルス信号が火力3に対応する場合は、前面火力表示部36を構成するLEDランプ35を3個点灯させ、且つ、天面表示部71を構成するLEDランプ72を3個点灯させる。
【0045】
又、図2に示すように、このガスコンロには各種情報を音声にて報知する報知手段としてのスピーカ37が備えられており、燃焼制御部Hは、各種情報をこのスピーカ37により報知させるように構成されている。
【0046】
次に、図10ないし図13に示すフローチャートに基づいて、前記燃焼制御部Hの制御動作について説明する。
尚、本発明に係る制御は、前記標準バーナ1a及び前記高火力バーナ1cを対象にして実行するので、前記小バーナ1b及び前記グリルバーナ2を対象にした燃焼制御部Hの制御動作の説明は省略する。
又、標準バーナ1a及び高火力バーナ1c夫々を対象にした燃焼制御部Hの制御動作は同様であるので、以下では、標準バーナ1aを対象にした制御動作について説明して、高火力バーナ1cを対象にした制御動作の説明は省略する。
又、前記元ガス電磁弁13は、標準バーナ1a、小バーナ1b、高火力バーナ1c及びグリルバーナ2のうちの少なくとも一つに対応する点消火スイッチ32がON状態のときは開弁し、標準バーナ1a、小バーナ1b、高火力バーナ1c及びグリルバーナ2夫々に対応する点消火スイッチ32の全てがOFF状態のときは、閉弁状態に維持するので、以下の説明では、この元ガス電磁弁13の制御については説明を省略する。
【0047】
図10に基づいて、メインの制御動作について説明する。
燃焼制御部Hは、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられたときに、被加熱物検出スイッチ10がON状態の場合は、流量制御弁18を開弁させ、点火プラグ7に駆動信号を与えて点火作動させることにより、標準バーナ1aを点火させる点火処理を行い、ロータリーエンコーダ33から出力される前記パルス信号に応じた段階の火力となるように流量制御弁18の開度を調節することにより、燃焼量調節処理を行い(ステップ#1〜4)、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられたときに、被加熱物検出スイッチ10がOFF状態の場合は、消火中被加熱物無し時制御を実行する(ステップ#1,2,20)。
【0048】
更に、燃焼制御部Hは、標準バーナ1aの燃焼中は、被加熱物検出スイッチ10の状態を監視して、被加熱物検出スイッチ10がON状態の間は、前記燃焼量調節処理を行いながら、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられるまで、標準バーナ1aの燃焼を継続し、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられると、流量制御弁18を閉弁することにより消火処理を行って、リターンする(ステップ#5〜8)。
【0049】
燃焼制御部Hは、標準バーナ1aの燃焼中に、被加熱物検出スイッチ10がOFF状態になると、燃焼中被加熱物無し時制御を実行する(ステップ#5,30)。
【0050】
次に、図11に基づいて、前記消火中被加熱物無し時制御について、説明する。
燃焼制御部Hは、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられたときに、被加熱物検出スイッチ10がOFF状態の場合は、スピーカ37により、加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報(例えば、「鍋を置いて下さい」の如き案内情報)を報知させ、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられた後の経過時間T1が待機用設定時間Ts1に達しない間は、被加熱物検出スイッチ10の状態を監視して、被加熱物検出スイッチ10がON状態になると(ステップ#21〜23)、図10に示すメインのフローチャートのステップ#3に戻って、点火処理を行う。
【0051】
又、燃焼制御部Hは、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられた後の経過時間T1が待機用設定時間Ts1に達しても、被加熱物検出スイッチ10のOFF状態が継続していると、点消火スイッチ32がON状態であることによる点火指令を無効にし、スピーカ37により、例えば、「安全装置が働きました」の如き警報を報知させ、標準バーナ1aに対応する前面火力表示部36及び天面火力表示部71を同様に点滅させて(ステップ22、24〜26)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
ちなみに、前記待機用設定時間Ts1は、例えば10秒に設定する。
【0052】
つまり、燃焼制御部Hは、前記指令手段としての点消火指令部28が消火指令状態から点火指令状態に切り換えられたときに、被加熱物検出手段10が被加熱物の存在を検出している場合はバーナ1a,1cを点火させ、且つ、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出している場合はバーナ1a,1cを消火状態に維持し、点消火指令部28が前記消火指令状態から前記点火指令状態に切り換えられたときに、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出していることにより、バーナ1a,1cを消火状態に維持しているときに、被加熱物検出手段10が被加熱物の存在を検出するとバーナ1a,1cを点火させるように構成されている。
【0053】
又、燃焼制御手段Hは、点消火指令部28が前記消火指令状態から前記点火指令状態に切り換えられたときに、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出していることにより、バーナ1a,1cを消火状態に維持しているときに、点消火指令部28が前記消火指令状態から前記点火指令状態に切り換えられた後の経過時間T1が待機用設定時間Ts1に達するまでに被加熱物検出手段10が被加熱物の存在を検出する場合には、バーナ1a,1cを点火させ、前記経過時間T1が前記待機用設定時間Ts1に達しても、被加熱物検出手段10による被加熱物の不存在の検出が継続していると、点消火指令部28の点火指令を無効にするように構成されている。
【0054】
次に、図12に基づいて、燃焼中被加熱物無し時制御について、説明する。
燃焼制御手段Hは、標準バーナ1aの燃焼中に、被加熱物検出スイッチ10がOFF状態になると、直ちに、標準バーナ1aの燃焼量を前記5段階の火力のうちの最下段の火力1よりも1段上の火力2に対応する不存在時燃焼量に一気に低下させるように流量制御弁18の開度を調節することにより、不存在時燃焼量低下処理を実行し、標準バーナ1aに対応する前面火力表示部36及び天面火力表示部71を同様に点滅させることにより、加熱用位置に被加熱物が位置しない状態で標準バーナ1aが燃焼している異常状態であることを報知する(ステップ#31,32)。
【0055】
続いて、燃焼制御手段Hは、ロータリーエンコーダ33から出力される前記パルス信号を監視して、そのパルス信号が燃焼量増大変更調節を指令するものであっても、その指令をキャンセルして燃焼量増大変更を実行せず、前記パルス信号が燃焼量低下変更調節を指令するものであるときは、最下段の火力1に減少させることに対応する燃焼量低下変更調節の指令のときのみ、その最下段の火力1に対応する燃焼量に低下させるように、流量制御弁18の開度を調節することにより、燃焼量低下処理を実行する(ステップ#33〜36)。
【0056】
続いて、燃焼制御手段Hは、標準バーナ1aの燃焼中に被加熱物検出スイッチ10がOFF状態になった後の経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達するまでは、被加熱物検出スイッチ10のOFF状態が継続し且つ点消火スイッチ32のON状態が継続している間は、ステップ#33〜36の処理を繰り返す。そして、その間において、前記経過時間T2が前記不存在判別用設定時間Ts2よりも短い中間報知用設定時間Ts3に達すると、スピーカ37により、例えば、「鍋を置いてください」の如き案内情報を報知させ、被加熱物検出スイッチ10がON状態になると、標準バーナ1aを燃焼状態に維持する燃焼維持処理を実行し、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられると、消火処理を実行して(ステップ#37〜42、50)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
【0057】
又、燃焼制御手段Hは、前記経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達しても、被加熱物検出スイッチ10のOFF状態が継続している場合は、標準バーナ1aを消火させる不存在時消火処理を実行し、スピーカ37により、例えば、「安全装置が働きました」の如き警報を報知させ、点消火スイッチ32がON状態であることによる点火指令を無効にし(ステップ#37、41〜43)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
ちなみに、前記不存在判別用設定時間Ts2は、例えば60秒に設定し、前記中間報知用設定時間Ts3は、例えば30秒に設定する。
【0058】
つまり、燃焼制御手段Hは、バーナ1a,1cの燃焼中において、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出すると、直ちにバーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させる不存在時燃焼量低下処理を実行し、被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出した後の経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達するまでに、被加熱物検出手段10が被加熱物の存在を検出すると、バーナ1a,1cを燃焼状態に維持する燃焼維持処理を実行し、前記経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達しても、被加熱物検出手段10による被加熱物の不存在の検出が継続している場合は、バーナ1a,1cを消火させる不存在時消火処理を実行するように構成されている。
【0059】
又、燃焼制御手段Hは、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記不存在時燃焼量を前記5段階の設定燃焼量における最下段の設定燃焼量よりも1段上の2段目の設定燃焼量とするように構成されている。
【0060】
又、燃焼制御手段Hは、前記不存在時燃焼量低下処理の実行後であって、被加熱物検出手段10による被加熱物不存在の検出の継続によりバーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させている間は、燃焼量調節操作部29からの燃焼量調節指令に基づくバーナ1a,1cの燃焼量の増大側への変更調節を実行しないように構成されている。
【0061】
又、前記スピーカ37が、バーナ1a,1cの燃焼中において被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出すると、加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報を報知する報知手段に相当する。
そして、その報知手段としての前記スピーカ37は、バーナ1a,1cの燃焼中において被加熱物検出手段10が被加熱物の不存在を検出した後の経過時間T2が前記不存在判別用設定時間Ts2よりも短い中間報知用設定時間Ts3に達すると、前記案内情報を報知するように構成されている。
【0062】
次に、図13に基づいて、前記燃焼維持制御について、説明する。
燃焼制御手段Hは、上述のように、標準バーナ1aの燃焼中において被加熱物検出スイッチ10がOFF状態になった後の経過時間T2が不存在判別用設定時間Ts2に達するまでに、被加熱物検出スイッチ10がON状態になると、この燃焼維持処理を実行する。
そして、この燃焼維持処理では、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の火力が最上段の火力5のときは、その最上段の火力5よりも1段低い火力4までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間(例えば、1秒)が経過した後に最上段の火力5に戻すように流量制御弁18の開度を調節することにより、2段階燃焼量増大処理を実行し、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の火力が最上段の火力5よりも低い火力のときは、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の火力に直ちに戻すように流量制御弁18の開度を調節することにより、通常燃焼量増大処理を実行する(ステップ#51〜53)。
【0063】
つまり、燃焼制御手段Hは、前記燃焼維持処理において、バーナ1a,1cの燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻すように構成されている。
【0064】
又、最上段の火力5に対応する燃焼量がバーナ1a,1cの燃焼量の調節範囲の最大燃焼量に相当し、最上段の火力5よりも1段低い火力4に対応する燃焼量が前記最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量に相当する。
つまり、燃焼制御手段Hは、前記燃焼維持処理においては、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前のバーナ1a,1cの燃焼量がその調節範囲における最大燃焼量のときは、バーナ1a,1cの燃焼量を最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、前記待機用設定時間が経過した後に前記最大燃焼量に戻すように構成されている。
【0065】
続いて、燃焼制御手段Hは、燃焼量調節操作部29から燃焼量変更指令が無く且つ被加熱物検出スイッチ10がON状態で且つ点消火スイッチ32がON状態の間は、標準バーナ1aの燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に維持する状態を継続し、あるいは、燃焼量調節操作部29から燃焼量変更指令が無く且つ被加熱物検出スイッチ10がON状態からOFF状態になると、前記燃焼中被加熱物無し制御を実行し、あるいは、燃焼量調節操作部29から燃焼量変更指令が無く且つ被加熱物検出スイッチ10がON状態で、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられると、消火処理を実行して(ステップ#54〜58)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
【0066】
又、燃焼制御手段Hは、ステップ#54で、燃焼量調節操作部29から燃焼量変更指令が指令されたときは、標準バーナ1aの燃焼量を指令された燃焼量に変更調節するように流量制御弁18の開度を調節することにより、燃焼量変更処理を実行し、点消火スイッチ32がON状態が継続している場合は(ステップ#54、59、60)、メインのフローチャートのステップ#5に戻り、点消火スイッチ32がON状態からOFF状態に切り換えられると、消火処理を実行して(ステップ#60、58)、メインのフローチャートのステップ#1に戻って、点消火スイッチ32がOFF状態からON状態に切り換えられるのを待つ。
【0067】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態では、前記燃焼制御部Hを、不存在時燃焼量低下処理において、バーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に一気に低下させるように構成する場合について例示したが、バーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に向けて漸減させるように構成しても良い。
又、前記燃焼制御部Hを、バーナ1a,1cの燃焼量を不存在時燃焼量に向けて漸減させる不存在時燃焼量低下処理の実行中は、前記燃焼量調節操作部29からの燃焼量調節指令に基づくバーナ1a,1cの燃焼量の増大側への変更調節を実行しないように構成してもよい。
【0068】
(ロ) 前記燃焼維持処理としては、上記の実施形態において例示した形態、即ち、燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻した燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させる形態に限定されるものではない。
例えば、前記不存在時燃焼量低下処理にて低下された前記不存在時燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させる形態を採用することが可能である。
あるいは、前記不存在時燃焼量よりも大きく且つ前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量よりも小さい燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させる形態を採用することが可能である。
あるいは、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量が最大燃焼量のときは、その最大燃焼量よりも小さく且つ不存在時燃焼量よりも大きい燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させ、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量が最大燃焼量よりも小さいときは、前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量による燃焼を燃焼状態として、バーナ1a,1cの燃焼を維持させる形態を採用することが可能である。
【0069】
(ハ) 前記被加熱物検出手段の具体構成としては、上記の実施形態において例示した被加熱物検出スイッチ10に限定されるものではない。
例えば、前記上下可動部9bの両横側方に振り分けて配置した磁石とリードスイッチ、及び、前記上下可動部9bが押し下げられると前記磁石と前記リードスイッチとの間に位置し且つ前記上下可動部9bが上方に復帰すると前記磁石と前記リードスイッチとの間から退出するように前記上下可動部9bに取り付けた磁性体にて構成することが可能である。
あるいは、投射光が加熱用位置に位置する被加熱物により反射されることにより、あるいは、投射光が加熱用位置に位置する被加熱物により遮蔽されることにより、被加熱物の存在を検出するように構成した光センサにて構成することが可能である。
あるいは、五徳6上に被加熱物が載置されることにより検出重量が変動するように配置したロードセンサにて構成することが可能である。
【0070】
(ニ) 加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報を報知する報知手段の具体構成としては、上記の実施形態において例示したスピーカ37に限定されるものではない。
例えば、前記案内情報を表示する表示装置や、ブザー、ランプ等にて構成することが可能である。又、スピーカ37、表示装置、ブザー及びランプのうちの複数を用いて構成しても良い。
【符号の説明】
【0071】
1a,1c バーナ
10 被加熱物検出手段
29 燃焼量調節操作部
37 報知手段
H 燃焼制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱用位置に位置する被加熱物を加熱するバーナと、
前記加熱用位置に被加熱物が存在するか否かを検出する被加熱物検出手段と、
前記被加熱物検出手段の検出情報に基づいて前記バーナの作動を制御する燃焼制御手段とが設けられたコンロであって、
前記燃焼制御手段は、前記バーナの燃焼中において、前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出すると、直ちに前記バーナの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させる不存在時燃焼量低下処理を実行し、前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出した後の経過時間が不存在判別用設定時間に達するまでに、前記被加熱物検出手段が被加熱物の存在を検出すると、前記バーナを燃焼状態に維持する燃焼維持処理を実行し、前記経過時間が前記不存在判別用設定時間に達しても、前記被加熱物検出手段による被加熱物の不存在の検出が継続している場合は、前記バーナを消火させる不存在時消火処理を実行するように構成され、
前記燃焼制御手段は、前記燃焼維持処理において、前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻すように構成され、且つ、
前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の前記バーナの燃焼量がその調節範囲における最大燃焼量のときは、前記バーナの燃焼量を前記最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間が経過した後に前記最大燃焼量に戻すように構成されているコンロ。
【請求項2】
前記燃焼制御手段は、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量に向けて漸減させるように構成されている請求項1記載のコンロ。
【請求項3】
前記バーナが、その燃焼量を複数段階の設定燃焼量に調節できるように構成され、
前記燃焼制御手段が、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記不存在時燃焼量を、前記複数段階の設定燃焼量における最下段の設定燃焼量よりも上の段の設定燃焼量とするように構成されている請求項1又は2記載のコンロ。
【請求項4】
前記バーナの燃焼中において前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出すると、前記加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報を報知する報知手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンロ。
【請求項1】
加熱用位置に位置する被加熱物を加熱するバーナと、
前記加熱用位置に被加熱物が存在するか否かを検出する被加熱物検出手段と、
前記被加熱物検出手段の検出情報に基づいて前記バーナの作動を制御する燃焼制御手段とが設けられたコンロであって、
前記燃焼制御手段は、前記バーナの燃焼中において、前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出すると、直ちに前記バーナの燃焼量を不存在時燃焼量に低下させる不存在時燃焼量低下処理を実行し、前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出した後の経過時間が不存在判別用設定時間に達するまでに、前記被加熱物検出手段が被加熱物の存在を検出すると、前記バーナを燃焼状態に維持する燃焼維持処理を実行し、前記経過時間が前記不存在判別用設定時間に達しても、前記被加熱物検出手段による被加熱物の不存在の検出が継続している場合は、前記バーナを消火させる不存在時消火処理を実行するように構成され、
前記燃焼制御手段は、前記燃焼維持処理において、前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の燃焼量に戻すように構成され、且つ、
前記不存在時燃焼量低下処理の実行前の前記バーナの燃焼量がその調節範囲における最大燃焼量のときは、前記バーナの燃焼量を前記最大燃焼量よりも小さい待機用燃焼量までは直ちに増大し、その後、待機用設定時間が経過した後に前記最大燃焼量に戻すように構成されているコンロ。
【請求項2】
前記燃焼制御手段は、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記バーナの燃焼量を前記不存在時燃焼量に向けて漸減させるように構成されている請求項1記載のコンロ。
【請求項3】
前記バーナが、その燃焼量を複数段階の設定燃焼量に調節できるように構成され、
前記燃焼制御手段が、前記不存在時燃焼量低下処理において、前記不存在時燃焼量を、前記複数段階の設定燃焼量における最下段の設定燃焼量よりも上の段の設定燃焼量とするように構成されている請求項1又は2記載のコンロ。
【請求項4】
前記バーナの燃焼中において前記被加熱物検出手段が被加熱物の不存在を検出すると、前記加熱用位置に被加熱物を位置させることを促す案内情報を報知する報知手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンロ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−293919(P2009−293919A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217495(P2009−217495)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【分割の表示】特願2004−284574(P2004−284574)の分割
【原出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【分割の表示】特願2004−284574(P2004−284574)の分割
【原出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【Fターム(参考)】
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