説明

コーティング組成物において有用なブロックポリウレタンプレポリマー

少なくとも1種類のポリオール、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む第1ポリイソシアネート、約250mPa.s未満の25℃での粘度を有する第2ポリイソシアネート、フェノールブロック化剤、オキシムブロック化剤を反応させることによって得られるブロックポリウレタンプレポリマーであって、第2ポリイソシアネート:第1ポリイソシアネートの重量比が0.65:1以下である、ブロックポリウレタンプレポリマー。このブロックポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1種類のアクリル樹脂、少なくとも1種類の可塑剤、少なくとも1種類の充填剤、および任意に他の成分および添加剤をさらに含有するコーティング組成物を配合するのに特に有用である。硬化コーティングは、コーティング組成物の層を基材表面に塗布し、そのコーティング組成物層を加熱することによって得られる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の分野
本発明は、ブロックポリウレタンプレポリマーに関する。これらのプレポリマーは、薄い金属基材上に消音性および制振性コーティングを形成するための組成物の成分として使用することができる。かかる組成物は、比較的粘度が低く、製造するコストが比較的安く、貯蔵安定性であり、加熱すると、接着性が高く、耐チッピング性である硬化コーティングを提供することができる。
【0002】
関連技術の考察
コーティングおよび接着剤組成物の成分として、特に自動車底面上などに制振性および消音性コーティングを形成するのに有用な組成物の成分として、種々のブロックポリウレタンおよびブロックポリイソシアネート材料を使用することが、当技術分野でよく知られている。ブロックポリウレタンまたはブロックポリイソシアネートは、加熱すると、コーティング組成物の他の成分と反応するようになり、硬化コーティングを提供する。かかる組成物について述べている特許文献の例としては、米国特許第5,155,154号、米国特許第4,977,201号、米国特許第5,087,664号、EP 884341、EP 583377、米国特許出願公開第2003/0232908号、米国特許第6,559,193号、米国特許第5,741,824号、特開2001−59067、および特開2003−268302が挙げられる。しかしながら、特に粘度および貯蔵安定性に関して、かかるシステムにおける更なる改善がまだ必要とされていると当技術分野の研究者は考えている。つまり、プレポリマーおよびかかるプレポリマーを含有するコーティング組成物を吹付け塗布によって基材表面に容易に塗布することを可能にするために十分に粘度が低いだけでなく、貯蔵中の優れた安定性も示す(例えば、相分離を示さない)ブロックポリウレタンプレポリマーを開発することが非常に望まれる。
【発明の開示】
【0003】
発明の概要
本発明は、少なくとも1種類のポリオール、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む第1ポリイソシアネート、約250mPa.s未満の25℃での粘度を有する第2ポリイソシアネート、フェノールブロック化剤、オキシムブロック化剤を反応させることによって得られるブロックポリウレタンプレポリマーであって、第2ポリイソシアネート:第1ポリイソシアネートの重量比が0.65:1以下であるブロックポリウレタンプレポリマーを提供する。ブロックポリウレタンプレポリマーは、少なくとも1種類のアクリル樹脂、少なくとも1種類の可塑剤、少なくとも1種類の充填剤、および任意に他の成分および添加剤をさらに含有するコーティング組成物を配合するのに特に有用である。硬化コーティングは、コーティング組成物の層を基材に塗布し、そのコーティング組成物層を加熱することによって得られる。
【0004】
本発明の特定の実施形態の詳細な説明
適切なポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の1種または複数種のアルキレンオキシドと、開始剤としての1種または複数種の活性水素含有化合物との付加重合によって得られる生成物が挙げられる。適切な開始剤は、アルカリ性または酸性条件下での、または金属シアン化物錯体触媒などの触媒を使用した、多価アルコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、およびエチレングリコール、プロピレングリコールの他のオリゴマー、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、糖アルコール等のオリゴマー、ならびにエチレンジアミン、プロピレンジアミン等のポリアミンを含む。1種類を超えるアルキレンオキシドを反応させる場合には、アルキレンオキシドは、ブロックまたはランダムで開始剤に添加される。ポリエーテルポリオール(1種または複数種)の数平均分子量は様々であるが、一般には、約200〜約10,000の範囲から選択される。ポリエーテルポリオール(1種または複数種)の官能価もまた様々であるが、一般に、ポリエーテルポリオールは、ヒドロキシ基を1分子当たり平均約2〜約4個含有するだろう。本発明の一実施形態において、使用されるポリエーテルポリオール(1種または複数種)は、ポリプロピレングリコール、特にポリプロピレングリコールジオールおよび/またはトリオールである。
【0005】
本発明の一実施形態において、少なくとも1種類のジオールおよび少なくとも1種類のトリオールが、ブロックポリウレタンプレポリマーの製造においてポリエーテルポリオール成分として使用される。他の実施形態において、少なくとも1種類の比較的低分子量のトリオール(例えば、数平均分子量約200〜約400を有するトリオール)、少なくとも1種類の比較的高分子量のトリオール(例えば、数平均分子量約2000〜約4000を有するトリオール)、少なくとも1種類の適度に高い分子量のジオール(例えば、数平均分子量約500〜約2500を有するジオール)が使用される。本発明の特定の実施形態において、ジオール(1種または複数種):トリオール(1種または複数種)の重量比は、約0.1:1〜約10:1または約0.5:1〜約5:1と様々である。他の実施形態において、ジオール(1種または複数種):トリオール(1種または複数種)の当量比は、約0.1:1〜約10:1または約0.5:1〜約5:1と様々である。
【0006】
本明細書に記載される2種類のポリイソシアネートを使用することによって、驚くべきことに、そのポリイソシアネートから製造されたコーティング組成物を基材表面に吹付け塗布によって容易に塗布することができるのに十分に低い粘度を有するブロックポリウレタンプレポリマーを妥当な費用で得ることができることが見出された。
【0007】
ブロックポリウレタンプレポリマーを製造するために使用される第1ポリイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む。ジフェニルメタンジイソシアネートの公知の形態または利用可能な形態または異性体のいずれか、例えばモノマージフェニルメタンジイソシアネート(モノマーMDI)およびポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)を使用することができる。有用なジフェニルメタンジイソシアネート異性体の例としては、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、およびそのオリゴマーおよびその混合物が挙げられる。
【0008】
第2ポリイソシアネートは、約250mPa.s未満の25℃での粘度を有する。本発明の種々の実施形態において、第2ポリイソシアネートの25℃での粘度は、約200mPa.s未満、または約150mPa.s未満または約100mPa.s未満、または約50mPa.s未満、または約10mPa.s未満である。一実施形態における第2ポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネートである。第2ポリイソシアネートとして使用するのに適しているポリイソシアネートの例としては、モノマーおよびポリマーヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0009】
第2ポリイソシアネート:第1ポリイソシアネートの重量比は、0.65:1以下である。本発明の種々の他の実施形態において、かかる重量比は、0.5:1または0.3:1または0.1:1以下である。
【0010】
少なくとも1種類のフェノールブロック化剤が、ブロックポリウレタンプレポリマーの製造に使用される。いずれかの芳香族アルコールをこの目的のために用いることができるが、特に好ましいフェノールブロック化剤としては、1〜3個のC1〜C18アルキル基で置換されたフェノール(そのアルキル基は、直鎖、分枝状または環状であり、例えば、炭素原子を少なくとも4個含有する)、例えばノニルフェノール(例えば、p−ノニルフェノール)、ブチルフェノール(例えば、p−またはo−t−ブチルフェノール)、ドデシルフェノール、プロピルフェノール、ヘプチルフェノール、オクチルフェノール、クレゾール、トリメチルフェノール、キシレノール等が挙げられる。
【0011】
ブロックポリウレタンプレポリマーを製造するために、少なくとも1種類のオキシムブロック化剤も使用される。本発明によるブロック化剤として有用なオキシムとしては、
モノアルキルおよびジアルキルオキシム(例えば、C3〜C6ジアルキルケトキシム)、ジアリールオキシム、およびアルキルアリールオキシム、例えばアセトフェノンオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム、プロピルアルデヒドオキシム、ホルムアルドキシム、ブチルアルデヒドオキシム、シクロペンタノンオキシム、およびベンゾフェノンオキシムが挙げられる。
【0012】
本発明の一実施形態において、フェノールブロック化剤の量は、オキシムブロック化剤の量よりも多い(当量に基づいて)。例えば、フェノールブロック化剤:オキシムブロック化剤の当量比は、少なくとも2.2:1または少なくとも4:1または少なくとも6:1である。
【0013】
イソシアネート基(ブロックポリウレタンプレポリマーの製造に使用されるポリイソシアネートにおける)とヒドロキシル基(ブロックポリウレタンプレポリマーの製造に使用されるポリエーテルポリオール(1種または複数種)における)との当量比は様々であるが、本発明の特定の実施形態において、NCO:OH当量比は、0.8:1〜1.2:1または0.9〜1.1:1の範囲内である。
【0014】
ブロックポリウレタンプレポリマーの製造に使用される出発原料におけるイソシアネート基とブロック化剤との当量比もまた、所望のとおりに変化させることができる。しかしながら、特定の実施形態では、NCO:ブロック化剤当量比は、0.8:1〜1.2:1または0.9〜1.1:1の範囲内である。選択されるNCO:OH当量比およびNCO:ブロック化剤当量比に応じて、1種または複数種の出発成分のいくらかが、ブロックポリウレタンプレポリマー中に未反応の状態で存在し得る。例えば、未反応ポリエーテルポリオールおよび/または未反応ブロック化剤が存在し得る。
【0015】
ブロックポリウレタンプレポリマーを製造するために使用される成分をいずれかの順番または順序で混合し、反応させることができるが、本発明の一実施形態では、すべての成分(つまり、ポリエーテルポリオール(1種または複数種)、イソシアネートおよびブロック化剤)を同時に混合し、反応させる。混合物は一般に、約30℃〜約100℃の範囲内の温度に加熱される。触媒を使用して、イソシアネート基の反応速度を促進することができる。本発明の一実施形態において、出発成分の加熱は、イソシアネート基のすべて、または本質的にすべてがポリエーテルポリオール(1種または複数種)またはブロック化剤(1種または複数種)と反応するまで続けられる。
【0016】
使用される出発原料は、得られるブロックポリウレタンプレポリマーの23℃での粘度が500Pまたは400Pまたは300P未満であるように選択されることが好ましい。
本明細書に記載のブロックポリウレタンプレポリマーは、硬化性コーティング、シーラントおよび接着剤の成分として有用であり、例えば、コーティング、シーラントおよび接着剤に関連する分野で従来から知られており、記述されているブロックポリウレタンの代わりに使用することができる。一実施形態において、本発明のブロックポリウレタンプレポリマーを、少なくとも1種類の可塑剤、微粉砕状態の少なくとも1種類のアクリルポリマー、および少なくとも1種類の充填剤と共に配合して、基材上にコーティングを形成するのに有用な熱硬化性組成物が得られる。
【0017】
アクリルポリマー成分は、1種または複数種のメタクリレートおよび/またはアクリレートモノマーから製造されるホモポリマーまたはコポリマーであることができ、かつ数平均分子量約40,000〜約2,000,000を有する。有用なモノマーとしては、例えばメチルアクリレートおよびメチルメタクリレート、エチルアクリレートおよびエチルメタクリレート、n−プロピルまたはイソプロピルアクリレートおよびメタクリレート、ブチルアクリレートおよびメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートおよびメタクリレート、シクロヘキシルアクリレートおよびメタクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタクリレート等のアクリル酸およびメタクリル酸のC1〜C8アルキルエステルが挙げられる。1種または複数種のカップリング性または架橋性コモノマーを使用して、例えば、N−ビニルイミダゾール、アクリル酸、メタクリル酸、およびイタコン酸などのアクリルポリマーを製造することもできる。アクリルポリマーは、非アクリレート、非カップリング性コモノマー、例えば、スチレン、α−メチル−スチレン、アクリロニトリル等を含有し得る。アクリルポリマーは、微粉砕状態、例えば粉末状であることが好ましい。アクリルポリマーはコア・シェル構造を有し得る。本発明の一実施形態において、粒径は、約0.1ミクロン〜約100ミクロンの範囲である。
【0018】
かかるコーティング組成物中に少なくとも1種類の可塑剤が存在し得る。適切な可塑剤としては、限定されないが、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、安息香酸エステル、アゼライン酸エステル、セバシン酸エステル、グルタル酸エステル、グリセロールエステル、脂肪酸のモノエステル、グリコールエステル、酪酸エステル、オレイン酸エステル、アルキド樹脂、有機リン酸エステル、炭酸エステル、トリメタレート(trimetallate)、クエン酸エステル、ステアリン酸エステル、ポリマーエステル、フェノール、クレゾールまたは他の芳香族アルコールのアルキルスルホン酸エステル、ジベンジルトルエン、ジフェニルエーテル、エポキシ化油、エポキシタレート(epoxy tallate)、アミドエステル、スルホンアミドおよびテルペンが挙げられる。ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、およびジベンジルフタレートなどのアルキルおよびアラルキルフタレートが好ましく、ジイソノニルフタレート(DINP)が特に好ましい。使用される可塑剤(1種または複数種)は、コーティング組成物の優れた貯蔵安定性が得られるように、使用されるアクリル樹脂と相溶性であるように選択される。可塑剤の更なる選択基準は、アクリルポリマーの性質(例えば、そのガラス転移温度)、コーティング組成物の所望の粘度およびゲル化性、およびコーティング組成物を加熱することによって得られる硬化コーティングの必要とされる吸音性および物理的特性を含む。
【0019】
コーティング組成物はさらに、少なくとも1種類の充填剤、特に微粉砕された無機物質、例えば、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、粘土、シリカ、硫酸バリウム、カルシウム炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛分子ふるい、中空ガラスまたはセラミック球、バーミキュライト、珪藻土等を含有し得る。例えば、ガラス繊維、珪灰石、アルミナ繊維、ポリマー繊維、セラミック繊維等の繊維充填剤も使用することができる。ゴム粒子などの有機充填剤も使用することができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、コーティング組成物は、潜在性(latent)発泡剤(コーティング組成物の加熱によって活性化される発泡剤)などの少なくとも1種類の発泡剤を含有する。発泡剤を組み込むことによって、硬化されると、コーティングの消音特性または他の特性を向上させるのに役立つ、発泡または膨張コーティングが得られる。例えば、アゾ化合物(例えば、アゾジカルボンアミド、アゾ−ビス−イソブチロニトリル)、スルホニルヒドラジド、N−ニトロソ化合物、およびスルホニルセミカルバジドなどの化学的発泡剤が特に好ましい。発泡剤として発泡性微小球も使用することができる。発泡剤が活性化される温度および/またはガス発生(発泡)速度に影響を及ぼす発泡剤促進剤を含有させることができる。
【0021】
コーティング組成物のその他の成分としては、レオロジー添加剤、流れ調整剤、レベリング剤、接着性向上剤、安定剤、乾燥剤、着色剤等が挙げられる。コーティング組成物は、所望の場合には、ブロックポリウレタンプレポリマーの他に反応性添加剤またはカップリング剤、例えば他の種類のブロックまたはマイクロカプセル化イソシアネート(例えば、オキシム−ブロックヘキサメチレンジイソシアネート三量体)、エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールAまたはビスフェノールFなどのポリフェノールのジグリシジルエーテル)、ポリアミノアミド(例えば、重合または二量体化脂肪酸およびエポキシ樹脂の反応生成物)、フェノール樹脂、メラミン樹脂、テルペン/フェノール樹脂等を含有することができる。様々な種類の溶媒(時に希釈剤とも呼ばれる)も存在し得る;例えば、硬化前に、コーティング組成物の加工性を向上させる、または粘度を下げるために、1種または複数種の溶媒が導入される。適切な溶媒としては、限定されないが、脂肪族および芳香族炭化水素(例えば、ミネラルスピリット、ナフサ、水素処理軽質石油蒸留物)、ケトン、グリコールエーテル、エステル、アルコール等が挙げられる。
かかるコーティング組成物の様々な成分の好ましい量は以下のとおりである(重量%で示される):
【0022】
【表1】

コーティング組成物は、特に自動車構造において塗装または未塗装状態の金属基材(特にシートメタルなどの薄い金属基材)上に使用するのに特に適している。コーティング組成物は、プラスチックまたは繊維強化プラスチック上にも用いることができる。所望の場合には、コーティング組成物を塗布する前に、基材表面を最初に、処理し(例えば、化成被覆またはコンディショナーで)、かつ/または清浄化することができる。自動車構造において、コーティング組成物は、底面保護、ボンネットのフラッター防止(antiflutter)接着剤、シル部保護化合物として、かつ他の接着、シーリング、およびコーティング用途に使用することができる。溶接シームまたはフランジシームなどのシームを封止するために、かつ防音上有効なコーティング(防振化合物)として、それらを使用することもできる。
【0023】
基材表面上のコーティング組成物の塗布量は一般に、約100〜約5000g/m2である。一般的に、塗り厚は、約0.1〜約5mmの範囲である。コーティングは、例えば吹付け塗布、はけ塗り、流し込み塗布、浸し塗り、ロール塗布、押出し塗布等の適切な方法によって基材表面上に塗布される。本発明のコーティング組成物は、吹付け塗布による適用に特に適している。コーティング組成物の層が基材表面に塗布された後に、組成物の硬化を生じさせるのに有効な温度に、組成物の硬化を生じさせるのに有効な時間加熱する。一般的な硬化条件は、約110〜約160℃で約10〜約60分間である。硬化は段階的に行われる(例えば、比較的低い温度で一定時間組成物を加熱し、続いてそれより高い温度での加熱を続ける)。
【実施例】
【0024】
本発明によるブロックポリウレタンプレポリマーは、以下の表に示される成分を合わせ、最初に存在するイソシアネート基のすべてまたはほぼすべてが反応するまで加熱することによって製造される。成分の量は重量%で示される。
【0025】
【表2】

【0026】
1ポリプロピレングリコールトリオール,970g/eq(ARCOLLG 56,Bayer社から入手)
2ポリプロピレングリコールトリオール,996g/eq(VORANOL 230−056,Dow Chemical社から入手)
3ポリプロピレングリコールトリオール,86g/eq(ARCOL LG 650,Bayer社から入手)
4ポリプロピレングリコールトリオール,85g/eq(VORANOL 220−660,Dow Chemical社から入手)
5ポリプロピレングリコールジオール,503g/eq(ARCOL PPG 1000,Bayer社から入手)
6ポリプロピレングリコールジオール,510g/eq(VORANOL 220−110N,Dow Chemical社から入手)
7ジフェニルメタンジイソシアネート(LUPRANATE MI,BASF社から入手)
819%(BICAT Z,Shepard Chemical社から入手)
9ヘキサメチレンジイソシアネート,NCO49.7(最低)%,84当量(DESMODUR H,Bayer社から入手)
10ポリマーHDI,NCO 21.8±0.7%,193当量(DESMODUR N 3400,Bayer社から入手)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類のポリオール、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む第1ポリイソシアネート、約250mPa.s未満の25℃での粘度を有する第2ポリイソシアネート、フェノールブロック化剤、オキシムブロック化剤を反応させることによって得られるブロックポリウレタンプレポリマーであって、第2ポリイソシアネート:第1ポリイソシアネートの重量比が0.65:1以下である、ブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項2】
前記第2ポリイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートを含む、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項3】
前記第2ポリイソシアネートが、モノマーヘキサメチレンジイソシアネートを含む、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項4】
第2ポリイソシアネート:第1ポリイソシアネートの重量比が、0.3以下である、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項5】
前記第2ポリイソシアネートが、約100mPa.s未満の25℃での粘度を有する、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項6】
前記フェノールブロック化剤が、芳香族環上に置換されたC5〜C12アルキル基を有するフェノールである、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項7】
前記フェノールブロック化剤が、p−ノニルフェノールである、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項8】
前記オキシムブロック化剤が、C3〜C6ジアルキルケトキシムである、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項9】
前記オキシムブロック化剤が、メチルエチルケトキシムである、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項10】
ポリエーテルポリオールの混合物を使用して、ブロックポリウレタンプレポリマーが形成される、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項11】
分子量約200〜約4000および官能価約2〜約3を有するポリエーテルポリオールの混合物を使用して、ブロックポリウレタンプレポリマーが形成される、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項12】
フェノールブロック化剤:オキシムブロック化剤のモル比が、少なくとも2.2:1である、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項13】
前記反応前のNCO:OH当量比が、0.8:1〜1.2:1である、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項14】
前記反応前のNCO:ブロック化剤当量比が、0.8:1〜1.2:1である、請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー。
【請求項15】
コーティングを形成するのに有用な熱硬化性組成物であって、
a)請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマー;
b)少なくとも1種類の可塑剤;
c)微粉砕状態の少なくとも1種類のアクリルポリマー;
d)少なくとも1種類の充填剤;
を含む、熱硬化性組成物。
【請求項16】
少なくとも1種類の脱ブロック触媒または硬化触媒をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも1種類のエポキシ樹脂をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも1種類の発泡剤をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも1種類の増量剤をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項20】
請求項1に記載のブロックポリウレタンプレポリマーと異なる、少なくとも1種類のブロックポリイソシアネートをさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項21】
炭酸カルシウムが、少なくとも1種類の充填剤である、請求項15に記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも1種類の可塑剤が、フタル酸エステルである、請求項15に記載の組成物。
【請求項23】
基材上に消音性コーティングを形成する方法であって、請求項15に記載の組成物の層を前記基材上に塗布する段階と、前記組成物を硬化するのに有効な温度に前記層を加熱する段階と、を含む方法。



【公表番号】特表2008−502774(P2008−502774A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516527(P2007−516527)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/019422
【国際公開番号】WO2006/007273
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(500233681)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (6)
【Fターム(参考)】