説明

コードデータ作成・読取玩具

【課題】コードを目で判別できる図形で構成することにより、コードを手描きで作成し、文章をコードで記述することが可能になり、無味乾燥なコードでは表現できない視覚的な楽しいコメントを作成することができ、作成したコメントを解読することができるコードデータ作成・読取玩具を提供すること
【解決手段】以下の要件を備えることを特徴とする、コードデータ作成・読取玩具。
(イ)上記コードデータ作成・読取玩具1は、コード読取部5と、該コード読取部5で読み取ったコードデータをコメントに変換して表示部6に表示するとともに、作成したコメントをコードデータに変換して上記表示部6に表示する制御部8を備えたこと
(ロ)上記コードデータを構成するコードcdは図形で構成され、該図形は目で識別可能な形状であること
(ハ)上記図形は全て面積が異なること

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードデータ作成・読取玩具、詳しくはユーザーがコードデータを作成できるように指示し、ユーザーが作成したコードデータを解読することができるコードデータ作成・読取玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、玩具、ゲーム装置において、ゲームに必要な情報を操作部を操作して入力する代わりに視覚的な情報(例えば、バーコード)を読取装置で読み取って、ゲームに反映させるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このゲーム機は、バーコードを読み取るバーコード読取り部を備え、バーコード読取り部により読み取られたバーコード情報をゲーム装置に出力するようにしたもので、操作部を操作してゲーム装置にデータを入力することなく、新たなゲームデータを加えたり、ゲームデータを変更したりすることができるようにするためにゲーム装置に接続できるようにしたものである。
【特許文献1】特開平6−71049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の装置はゲームに必要な情報を操作部で入力しなくても、ゲーム装置に入力させることはできるが、その情報を構成するバーコードはユーザーが作成することはできないし、あくまでメーカーが提供する情報を使用するだけで、操作部を操作して手入力することなく様々な情報をゲーム装置に入力させることはできるが、そこにはユーザーの意思が反映させる情報を作成することはできない点であった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、コードを目で判別できる図形で構成することにより、コードを手描きで作成し、文章をコードで記述することが可能になり、バーコードのような無味乾燥なコードでは表現できない視覚的な楽しいコメントを作成することができ、作成したコメントを解読することができるコードデータ作成・読取玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係るコードデータ作成・読取玩具は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記コードデータ作成・読取玩具は、コード読取部と、該コード読取部で読み取ったコードデータをコメントに変換して表示部に表示するとともに、作成したコメントをコードデータに変換して上記表示部に表示する制御部を備えたこと
(ロ)上記コードデータを構成するコードは図形で構成され、該図形は目で識別可能な形状であること
(ハ)上記図形は全て面積が異なること
【0007】
なお、前記コードデータ作成・読取玩具は、以下の要件を備えることが好ましい。
(イ)前記コードは複数のコードを組み合わせて予め設定された定型文を構成する定型文パターンと、自由文を作成する為の文字、数字などを構成する文字パターンとを構成すること
(ロ)前記玩具は上記定型文及び自由文を表示する表示部と、該表示部に表示した定型文及び自由文の中から任意の定型文及び自由文を選択する操作部とを備え、該操作部で選択した定型文及び自由文は定型文パターン及び文字パターンに変換されて上記表示部に表示されること
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、目で識別できる図形でコードを形成したことにより、ユーザーが手描きでコードを作成することができ、作成したコードで構成したデータを読み取ることにより、コードで構成されたコメントが解読できるので、当事者同士で秘密の文書を交換することができ、携帯電話などのメール交換とは異なりスローライフの情報交換ができる。しかも、コードを図形で構成したのでバーコードのような無味乾燥なコードでは表現できない視覚的な楽しいコメントを作成することができるコードデータ作成・読取玩具を提供することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、コメントを定型文パターンと文字パターンとを組み合わせて容易に作成することができるとともに、作成したコメントは定型文パターンと文字パターンとで表示部に表示されるので、その表示に従ってコードを手書きすることができ、コードだけで表示した秘密のコメントを当事者同士で交換し、お互いにコードによる意思の伝達を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
コードデータ作成・読取玩具は、コード読取部と、該コード読取部で読み取ったコードデータをコメントに変換して表示部に表示するとともに、コメントをコードデータに変換して上記表示部に表示する制御部を備え、上記コードデータを構成するコードは目で識別可能な形状からなる図形で構成し、この図形の面積が全て異なるようにしたことにより、図形をデータとして判読することができるようにした。
【実施例1】
【0011】
以下、図面によって本発明に係るコードデータ作成・読取玩具について説明する。図1において、符号1は本発明に係るコードデータ作成・読取玩具の一例を示し、このコードデータ作成・読取玩具(以下、作成・読取玩具という)1はユーザーがコードデータを手描きで作成することができるように情報を提供するとともに、ユーザーがシート4に手描きしたコードデータcdを解読することができるようにしたもので、図1において符号2はコードを手描きする際に用いるテンプレートを示し、符号3はユーザーが作成したコードデータを読み取る際に玩具を正しくコードデータに沿って移動させる為のガイドプレートを示す。
【0012】
作成・読取玩具1はハンディタイプで、図2に示すように、底部にコードを読み取るコード読取部5、前面に表示部6及び、操作部7が配置され、内部には上記コード読取部5で読み取ったコードをデジタルデータに変換し、メモリに記憶されているコードデータに対応したコメントを読み出し、読み出したコメントを表示部6に表示させるとともに、上記操作部7を操作して作成したコメントをコードcdに変換し、変換したコードcdを表示部6に表示させる制御部8とを備えている。なお、符号9はバッテリー、符号10は電源スイッチを示す。
【0013】
なお、操作部7は決定ボタン7a、キャンセルボタン7b、選択ボタン(戻る)7c、選択ボタン(進む)7dから構成されている。
【0014】
コード読取部5は、赤外線を照射する発光部(発光ダイオード)11、受光部(フォトトランジスタ)12で構成され、発光部11からコードが描かれたシートに照射された赤外線は一部がコードcdで吸収され、コードcdのない部分に照射された赤外線はシートで反射して受光部12に取り込まれ、受光部12の受光信号はデジタル変換部13でデジタル信号に変換されて制御部8に入力され、英文字(A、B、C、・・、L)に変換され、英文字に基づいて内蔵したメモリに記憶されているテーブルから、コメントを読み出し、読み出したコメントを表示部(液晶ディスプレイ)6に表示させるようになっている(図3参照)。
【0015】
一方、制御部8はユーザーが入力したコメントをコードデータに変換し、変換したコードデータを表示部6に表示するので、ユーザーは表示部6に表示されたコードデータにしたがってテンプレート2を使用し、指示されたコードを順次適宜の紙に描けばコードデータを作成することができるようになっている。
【0016】
なお、図3において符号14は定電圧回路、符号15は効果音を出力するスピーカを示す。
【0017】
コードcdはユーザーが目で識別できるように、雲、フラッグ、バナナ等を模した図形で構成され、この図形は黒く塗りつぶされているとともに、その面積は全て異なるように設定されている。
【0018】
上記コードcdで構成されるコードパターンは挨拶や、お誘い等の予め設定されている定型文のコードパターンと、ユーザーが自由に作成することができる自由文のコードパターンとから構成され、各コードパターンは、図4、5に示すように、設定されメモリに記憶されている。
【0019】
各コードパターンは複数のコードcdの組み合わせから構成され、本発明では定型文のコードパターン(以下、定型文パターンという)は3つのコードcdで構成され、自由文のコードパターン(以下、文字パターンという)は2つのコードcdで構成されている(図4、5参照)。
【0020】
定型文パターンの先頭のコードcdは定型文であることを識別する為のヘッダコードで、本実施例ではハートの図形と、チューリップの図形とをヘッダコードとし、続く2つのコードcdの組み合わせをデータコードと設定してある。
【0021】
同じデータコードであっても、ヘッダコードの有無、ヘッダコードの違いでその意味する内容は異なるようになっている。
【0022】
例えば、データコードがカップとリボンの組み合わせの場合、ヘッダコードがなければ、文字「ぽ」を意味し(図4の矢印表示参照)、ヘッダコードがハートの図形であれば挨拶の定型文「げんきー」を意味し、ヘッダコードがチューリップの図形であればお誘いの定型文「あとでいってみる?」を意味するようになっている(図5の矢印表示参照)。
【0023】
そして、上記コードcdをユーザーが手描きできるようにテンプレート2が用意されている。このテンプレート2は12種類のコードcdが描けるように、コードcdの形状と同じ形状の開口部20(20a〜20l)が形成されたもので、ユーザーは黒色のボールペンや鉛筆で開口部20内を塗りつぶせばコードcdを描くことができるようになっている。なお、開口部20の周囲に形成された4つの孔21は位置決め用の孔で、直前に描いたコードcdと新規に描くコードcdとの上下位置がずれないようにするためのものである。
【0024】
また、シートに描かれたコードcdを読み取る際、コードに沿って正しく作成・読取玩具1をスライド移動させるためガイドプレート3が用意されている。このガイドプレート3はコード3個分の長孔22が形成されたもので、コード読取部5を長孔22に沿ってスライド移動すれば正しくコードcdがスキャンできるようにするためのものである。
【0025】
なお、テンプレート2及びガイドプレート3の側部には、手帳に着脱可能にバインダーできるように一端が開放したバインド孔23が形成されている。
【0026】
次に、上記作成・読取玩具1の使用態様の一例を、図6〜8のフローチャート図に基づいて説明する。
【0027】
電源をオンすると、ステップST1でバッテリーの電圧を確認し、交換の必要があればステップST2に進んで、電池交換を促すメッセージ(例えば「でんちをこうかんしてネ」)を表示し、交換の必要がなければステップST3に進んでオープニングのメッセージ(例えば「START」)を表示した後、コード読取部の機能チェックを促すメッセージを表示する。コード読取部5をシートに当てると画面の絵柄が変わるので(図9(a)参照)、読取ヘッドが機能していることが確認できたら、選択ボタン(進む)7dを押してコメントの作成(ステップST5)又はコメントの解読(ステップST6)を選択し、決定ボタン7aを押すと選択した処理が実行される。
【0028】
作成を選択すると、ステップST101に進んでディスプレイに作成画面(図9(b)参照)が表示されるので、決定ボタン7aを押せば、ステップST102に進んで、コメントの入力画面が表示される。入力の初期画面では4つのマス目が表示され、先頭のマス目にはレターマークが表示され、マス目の下にはカーソルが点滅表示されるようになっている(図9(c)参照)。入力は定型文を入力するのか(ステップST103)、自由文を入力するのか(ステップST104)が選択でき、定型文を入力するときはマス目にレターマークが表示されている状態で決定ボタン7aを押し、自由文を選択するときは選択ボタン(進む)7dを押すと、ひらがなの「あ」が表示され、自由文が入力できることがわかるようになっている(図9(d)参照)。
【0029】
定型文を選択すると選択ボタン(進む)7dを押すたびにディスプレイに異なる定型文が表示されるので、所望する定型文(例えば、ハッピーバースデー)が表示されたところで決定ボタン7aを押せば、選択した定型文がメモリされ、再び入力画面が表示され、カーソルが次のマス目に移り、定型文を入力するのか自由文を表示するのか、あるいは作成を終了するのかをユーザーに選択させるようになっている(ステップST105)。
【0030】
自由文を入力する場合は、マス目にレターマークが表示されているので選択ボタン(進む)7dを押すと、自由文入力のステップ(ステップST104)に入り、マス目にひらがなが表示されるので、例えば、「り」、「か」を順番に入力し、最後に「改行マーク」を選択すると、図9(e)に示すように、「改行マーク」が表示されたマス目でカーソルが点滅するので、決定ボタン7aを押せばコメントの作成は完了し、ステップST106に進んで、入力したコメント「ハッピーバースデーりか」がディスプレイにスクロール表示されるので、そのコメントでよければ決定ボタン7aを押すと(ステップST107)、ステップST108に進んで、コメントを構成するマークの数を表示した後、図9(f)に示すように、コードがスクロール表示されるので、表示されるコードを見ながら、所定のシートにテンプレート2を使ってコードcd3個を一行として指定された順番に描けばよい(図9(g)参照)。
【0031】
描き終わったならば、決定ボタン7aを押すと作成ルーチンを終了し(ステップST109)、メインルーチンに戻る。
【0032】
コードが描かれたシートを、コメントを伝えたい相手に渡すと、受け取った相手は、自分の作成・読取玩具1で受け取ったシートに描かれたコードを解読すればよい。
【0033】
この解読は、メインルーチンで読み取りチェック(ステップST4)を行い、コード読取部が機能していることを確認し、解読を選択すればよい。
【0034】
解読を選択すると、ステップST201に進んでディスプレイに解読画面(図10(a)参照)が表示されるので、決定ボタン7aを押せば、ステップST202に進み、ディスプレイに「ひみつマークは何行?」が表示されるので決定ボタン7aを押すと、ステップST203に進んで行数を入力する画面(図10(b)参照)が表示されるので、選択ボタン(進む)7d、選択ボタン(戻る)7cで行数を選択し、決定ボタン7aを押すと、ステップST204に進んで最終行のマークは何個かを問いかけられるので、決定ボタン7aを押すと、ステップST205に進んで個数を入力する画面(図10(c)参照)が表示されるので、選択ボタン(進む)7d、選択ボタン(戻る)7cで個数を選択して決定ボタン7aを押すと、ステップST206に進んで、ディスプレイにコードの読み取りを指示する表示(図10(d)参照)が表示されるので、シートに描かれた一行のコードが長孔に収まるようにガイドプレート3をシートに重ね、図11に示すように、作成・読取玩具1のコード読取部を長孔の左端から右端までスライド移動させればよい。
【0035】
正しく読めるまで読み取り操作を繰り返し(ステップST207)、最終行になるまで繰り返し読み取り操作を行い(ステップST208)、最終行のスキャンを行い(ステップST209)、正しく読み取れれば(ステップST210)、ステップST211に進んで、読み取ったコードで構成されるコメント(例えば、「ハッピーバースデーりか」)をディスプレイに表示する(図10(e)参照。なお、ディスプレイには4X4の16文字しか表示できないので、コメントが16文字以上の場合は、選択ボタン(戻る)7c又は選択ボタン(進む)7dでページをスクロールさせればよく、コメントが確認できたらば決定ボタン7aを押すとメインルーチンに戻るようになっている。
【0036】
上述したように、本発明のコードデータ作成・読取玩具1によれば、定型文と自由文とを組み合わせ、相手に伝えたいコメントを作成すると、このコメントを図形で構成されたコードに変換してディスプレイに表示されるので、ユーザーはこの表示にしたがってテンプレートを使用して、適宜のシートにコードを3個を一行として描き、コードが描かれたシートを受け取った相手は、受け取ったコードデータが、何行で構成され、最終行が何個のコードで構成されているかを入力し、ガイドプレートをシートに当てて、このガイドプレートの長孔に沿って、作成・読取玩具1をスライド移動させれば、コードを読み取り、読み取ったコードデータをコメントに変換してディスプレイに表示するので、作成・読取玩具1を所有する当事者の間だけでしか判らないコメントの交換ができる。しかも、コードがバーコードのような味気ないコードではなく、りんごや花を模した図形で構成したので、楽しいコメントの交換を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るコードデータ作成・読取玩具の構成の説明図
【図2】上記コードデータ作成・読取玩具の底面側斜視図
【図3】上記コードデータ作成・読取玩具の電気的構成を説明するブロック図
【図4】自由文のコードテーブルを説明するテーブル図
【図5】定型文のコードテーブルの一部を説明するテーブル図
【図6】上記コードデータ作成・読取玩具の使用態様を説明するフローチャート図
【図7】上記コードデータ作成・読取玩具の使用態様を説明するフローチャート図
【図8】上記コードデータ作成・読取玩具の使用態様を説明するフローチャート図
【図9】(a)〜(g)は作成処理におけるディスプレイの表示画面
【図10】(a)〜(e)は解読処理におけるディスプレイの表示画面
【図11】上記コードデータ作成・読取玩具の使用状態を説明する斜視図
【符号の説明】
【0038】
1 コードデータ作成・読取玩具
2 テンプレート
3 ガイドプレート
5 コード読取部
6 表示部
7 操作部
8 制御部
cd コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を備えることを特徴とする、コードデータ作成・読取玩具。
(イ)上記コードデータ作成・読取玩具は、コード読取部と、該コード読取部で読み取ったコードデータをコメントに変換して表示部に表示するとともに、作成したコメントをコードデータに変換して上記表示部に表示する制御部を備えたこと
(ロ)上記コードデータを構成するコードは図形で構成され、該図形は目で識別可能な形状であること
(ハ)上記図形は全て面積が異なること
【請求項2】
以下の要件を備えることを特徴とする、請求項1記載のコードデータ作成・読取玩具。
(イ)前記コードは複数のコードを組み合わせて予め設定された定型文を構成する定型文パターンと、自由文を作成する為の文字、数字などを構成する文字パターンとを構成すること
(ロ)前記玩具は上記定型文及び自由文を表示する表示部と、該表示部に表示した定型文及び自由文の中から任意の定型文及び自由文を選択する操作部とを備え、該操作部で選択した定型文及び自由文は定型文パターン及び文字パターンに変換されて上記表示部に表示されること

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−20949(P2006−20949A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203416(P2004−203416)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000132998)株式会社タカラ (35)
【Fターム(参考)】