説明

コードブッシュ、同コードブッシュの形成方法、同コードブッシュを備えた電気コード、及び同電気コードを備えた暖房便座

【課題】小径かつ小型でありながら十分な強度を有するコードブッシュ、同コードブッシュの形成方法、同コードブッシュを備えた電気コード、及び同電気コードを備えた暖房便座を提供する。
【解決手段】便座本体の裏面に配設したヒータ線と、このヒータ線に接続した被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードとを備える暖房便座において、前記電気コードにコードブッシュを形成し、このコードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、しかも、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コードブッシュ、同コードブッシュの形成方法、同コードブッシュを備えた電気コード、及び同電気コードを備えた暖房便座に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気コードの外的負荷が加わりやすい箇所を保護するためにコードブッシュが用いられており、内部の銅線などへの傷付き防止や屈曲などによって断線することを防止していた。例えば、電気製品の外郭部材に形成した貫通孔にコードブッシュを装着し、このコードブッシュを介して前記電気コードを製品内に引き込んでコネクタ線や電源と接続していた(特許文献1を参照。)。
【0003】
また、電気コードとしては所謂キャプタイヤコードが知られている。かかるキャプタイヤコード、及びキャプタイヤコードに形成された一般的なコードブッシュの構造を図9に示す。
【0004】
図9に示すように、キャプタイヤコード104は、銅線101を薄い絶縁体102で被膜した複数の被膜電線100を、塩化ビニル系材料や耐燃性ポリエチレンなどからなるシース材103でやや厚めに被膜して形成されており、コードブッシュ200は、前記シース材103に一体成形したブッシュ材201により形成されている。202は応力分散用の溝である。
【0005】
コードブッシュをシース材103上に一体成形するには、成形型を用いて射出成形により形成するのが一般的であり、前記成形型内にキャプタイヤコード104を配置するとともに、型内にブッシュ材201を充填して固化させ、その後脱型するものである。なお、ブッシュ材201とシース材103とは同質材料とすることもできるし、異なる材料を適宜選択して用いてもよい。
【0006】
このように成形型を用いることにより、成形型を屈曲形成したものとすれば、略L字状のコードブッシュも容易に形成することができる。
【0007】
かかる略L字状のコードブッシュを設けた電気コードは、例えば近年の水洗便器に装備されている暖房便座に適用されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0008】
すなわち、暖房便座では、便器本体に載置した機能部ケーシングに取付けた便座本体の裏面にヒータ線を配設し、このヒータ線に配線コード、すなわち電気コード(キャプタイヤコード)を接続するとともに、便座本体内に所定長さだけ予め収納して収納分だけ引き出し・引っ張り込み自在に構成し、さらに前記電気コードに略L字状のコードブッシュを形成し、このコードブッシュを前記機能部ケーシングの側壁に貫通状態に取り付け、コードブッシュを介して配線コードを機能部ケーシング内に引き込んでいる。
【0009】
特に、特許文献2に開示された暖房便座は、前記機能部ケーシングの一部をなす軸受ハウジングから突出した支持軸に取り外し自在かつ開閉自在に取付けられており、しかも配線コードを外部から見えないようにするために、前記支持軸近傍に前記コードブッシュを取付けていた。かかる構成により、ヒータ線に接続される配線コードを付けたままで、便座を簡単に取外すことが可能となっていた。
【0010】
図10に、特許文献2に記載の暖房便座に用いられる略L字状に形成したコードブッシュ200’を示す。なお、図9と同一構成要素には同一符号を付して説明は省略する。300は機能部ケーシングの外郭壁である。
【特許文献1】特開2000−57858号公報
【特許文献2】特開2003−111693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、上記従来のコードブッシュは、配線コード(キャプタイヤコード)のシース材に所定厚みのブッシュ材を一体成形した構造であることから、配線コードの径が大きくなるに伴ってコードブッシュも大型化してしまう。特に、図10に示したように略L字状に形成するとなると、配線コードの径が大きくなればなるほど曲率半径も大きくなって大型化は避けられない。
一方、このような略L字状のコードブッシュが用いられている上記暖房便座は、暖房機能以外にも機能が付加されることが考えられ、このように多機能化した場合は被覆電線の数も増加することから当然配線コードの径も大きくなることが予想される。
【0012】
また、上記暖房便座は、便座内に収納した配線コードの長さが十分でないために、便座を支持軸から取り外してもコード引き出し量が限られており、可動範囲も当然ながら狭くなって使い勝手は良好とはいえなかった。そこで、便座内への配線コードの収納量を増やし、コード引き出し量を長くすることが考えられるが、その場合にしても保安上、配線コードの径を大きくする必要がある。
【0013】
しかも、上述したように、暖房便座に用いられるコードブッシュは面積的にはきわめて狭い支持軸近傍に取り付けられていることから、現状よりも大型化することは好ましくない。また当然のことながら、ブッシュ材を薄くする方法は、コードブッシュとしての機能を損なうおそれがあり到底採用できないことである。
【0014】
このように、キャプタイヤコードなどの径が大きくなってもコンパクトな形状を維持可能で、かつ機能を損なうことのないコードブッシュの開発が望まれている。
【0015】
本発明は、上記課題を解決することのできるコードブッシュ、同コードブッシュの形成方法、同コードブッシュを備えた電気コード、及び同電気コードを備えた暖房便座を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の本発明では、被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードに形成したコードブッシュであって、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成した。
【0017】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載のコードブッシュにおいて、前記ブッシュ材の内側に残存させた前記電気コードのシース材に複数の筋彫部を形成したことを特徴とする。
【0018】
請求項3の本発明では、請求項1又は2に記載のコードブッシュにおいて、前記ブッシュ材と前記電線保持材とを同一材料により形成したことを特徴とする。
【0019】
請求項4の本発明では、被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードに形成されたコードブッシュの形成方法であって、前記シース材を剥離して被覆電線露出部を形成し、この被覆電線露出部を、周面に開口部を形成した電線保持材で包持するとともに、前記電線保持材と前記シース材の一部とを成形型内にセットし、次いで、ブッシュ形成材料を前記成形型内に注入し、その後、脱型して得ることとした。
【0020】
請求項5の本発明では、請求項4記載のコードブッシュの形成方法において、前記シース材の前記被覆電線露出部近傍に筋彫部を形成し、少なくともこれら筋彫部の一つに前記成形型に設けた嵌合片を嵌合させ、前記成形型内で電気コードを保持することを特徴とする。
【0021】
請求項6の本発明では、請求項4又は5に記載のコードブッシュの形成方法において、前記電線保持材を、前記ブッシュ形成材料と同一材料で形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項7の本発明では、被覆電線をシース材でさらに被覆したコード本体と、このコード本体に形成したコードブッシュとを備える電気コードであって、前記コードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成した。
【0023】
請求項8の本発明では、請求項7記載の電気コードにおいて、前記コードブッシュを屈曲形状としたことを特徴とする。
【0024】
請求項9の本発明では、便座本体の裏面に配設したヒータ線と、このヒータ線に接続した被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードとを備える暖房便座において、前記電気コードにコードブッシュを形成し、このコードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、しかも、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成した。
【0025】
請求項10の本発明では、請求項9記載の暖房便座において、前記便座本体を前記便器本体に載置した機能部ケーシングに取付けるとともに、前記コードブッシュを屈曲形状として前記機能部ケーシングの側壁に貫通状態に取り付け、当該コードブッシュを介して前記電気コードを機能部ケーシング内に伸延させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
(1)請求項1記載の本発明では、被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードに形成したコードブッシュであって、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成したために、シース材が剥離された被覆電線露出部では変形が容易となり、しかも、電線保持材を設けることで補強され、さらに、ブッシュ材が開口部内に回り込んでしっかりと噛み込むために、電線保持材とブッシュ材との結合力が向上し、コードブッシュとしては小型であっても十分な強度を保持することができる。また、コードブッシュが小型化されることで、電気製品の外郭部分においてコードブッシュ取付位置の制約が少なくなる。
【0027】
(2)請求項2記載の本発明では、請求項1記載のコードブッシュにおいて、前記ブッシュ材の内側に残存させた前記電気コードのシース材に複数の筋彫部を形成したために、上記(1)の効果に加え、コードブッシュから伸延するシース材が被ったコード部分とブッシュ材との結合力が向上し、電気コードとコードブッシュとが強固に一体化する。
【0028】
(3)請求項3の本発明では、請求項1又は2に記載のコードブッシュにおいて、前記ブッシュ材と前記電線保持材とを同一材料により形成したために、成形時に両者が一体化してより強度が向上する。
【0029】
(4)請求項4の本発明では、被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードに形成されたコードブッシュの形成方法であって、前記シース材を剥離して被覆電線露出部を形成し、この被覆電線露出部を、周面に開口部を形成した電線保持材で包持するとともに、前記電線保持材と前記シース材の一部とを成形型内にセットし、次いで、ブッシュ形成材料を前記成形型内に注入し、その後、脱型して得ることとしたために、シース材が剥離された被覆電線露出部では変形が容易となり、例えば略直角に屈曲したコードブッシュも容易に形成でき、しかも、電線保持材を設けることで補強され、さらに、ブッシュ材が開口部内に回り込んでしっかりと噛み込むために、電線保持材とブッシュ材との結合力が向上し、小径であっても十分な強度を有するコードブッシュを成形することができる。
【0030】
(5)請求項5の本発明では、請求項4記載のコードブッシュの形成方法において、前記シース材の前記被覆電線露出部近傍に筋彫部を形成し、少なくともこれら筋彫部の一つに前記成形型に設けた嵌合片を嵌合させ、前記成形型内で電気コードを保持することとしたために、上記(4)の効果に加え、成形型内へのブッシュ材注入時に電気コードがずれるおそれがなく、成形不良などの発生を防止することができる。また、他の筋彫部にはブッシュ材が回りこんで、コードブッシュとコード部分との結合力が増す。
【0031】
(6)請求項6の本発明では、請求項4又は5に記載のコードブッシュの形成方法において、前記電線保持材を、前記ブッシュ形成材料と同一材料で形成したために、成形時に両者が一体化してより強度が向上する。
【0032】
(7)請求項7の本発明では、被覆電線をシース材でさらに被覆したコード本体と、このコード本体に形成したコードブッシュとを備える電気コードであって、前記コードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成したために、コードブッシュは小型でありながらも十分な強度を有するものとなり、電気コードとしての汎用性が高まる。
【0033】
(8)請求項8の本発明では、請求項7記載の電気コードにおいて、前記コードブッシュを屈曲形状としたために、上記(7)の効果をさらに高め、汎用性をさらに向上させることができる。
【0034】
(9)請求項9の本発明では、便座本体の裏面に配設したヒータ線と、このヒータ線に接続した被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードとを備える暖房便座において、前記電気コードにコードブッシュを形成し、このコードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、しかも、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成したために、例えば暖房便座用の電気コードの径が大きくなっても、コードブッシュを十分な強度を維持させながら小型化することができ、暖房便座を載置する便器の外郭部分においてコードブッシュ取付位置の制約が少なくなることから、便座や便器の設計自由度が高まる。
【0035】
(10)請求項10の本発明では、請求項9記載の暖房便座において、前記便座本体を前記便器本体に載置した機能部ケーシングに取付けるとともに、前記コードブッシュを屈曲形状として前記機能部ケーシングの側壁に貫通状態に取り付け、当該コードブッシュを介して前記電気コードを機能部ケーシング内に伸延させたために、機能部ケーシングの側壁において外部から目立たない適宜位置にコードブッシュを取り付けるとともに、電気コードやコードブッシュなどの配線部分を外部から見えないように暖房便座を設置することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は、被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードに形成したコードブッシュであって、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成したものである。
【0037】
すなわち、電気コードがたとえ大径化しても、この電気コードに形成するコードブッシュまでも大径化することを可及的に防止可能としており、厚みのあるシース材を剥離して被覆電線露出部を設け、この露出部を電線保持材で包持することで小径としながら強度を確保している。しかも、前記電線保持材の開口部内にブッシュ材が回り込んでしっかりと噛み込んでいるために、電線保持材とブッシュ材との結合力がより向上し、コードブッシュとしては小型であっても十分な強度を保持することができる。
【0038】
また、上述したコードブッシュにおいては、前記ブッシュ材の内側に残存させた前記電気コードのシース材に複数の筋彫部を形成することが望ましい。
【0039】
かかる構成とすることにより、コードブッシュから伸延するシース材が被ったコード部分にブッシュ材が回り込んで両者の結合力が向上し、電気コードとコードブッシュとをより強固に一体化することができる。
【0040】
さらに、上述したコードブッシュにおいて、前記ブッシュ材と前記電線保持材とを同一材料により形成することができ、同一材料とすることで成形時に両者を一体化させて、より強度を向上させることができる。
【0041】
ところで、上述してきた本実施形態に係るコードブッシュは、射出成形による以下の形成方法で容易に得ることができる。
【0042】
すなわち、被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードに形成されたコードブッシュの形成方法であって、前記シース材を剥離して被覆電線露出部を形成し、この被覆電線露出部を、周面に開口部を形成した電線保持材で包持するとともに、前記電線保持材と前記シース材の一部とを成形型内にセットし、次いで、ブッシュ形成材料を前記成形型内に注入し、その後、脱型して得るようにするものである。
【0043】
かかる形成方法とすれば、電線保持材とブッシュ材との結合力がより向上し、小型であっても十分な強度を保持したコードブッシュを容易に成形可能となる。
【0044】
前記電線保持材は、周面に開口部が形成された所定形状となるように予め樹脂成形された一対の半割部材を用いるとよく、シース材が剥離された前記被覆電線露出部は変形が容易なので、半割された一方の電線保持材の形状に沿って被覆電線露出部を配置して他方の電線保持材を合わせることで前記被服電線露出部の包持を簡単に行え、しかも包持状態のまま成形型内へセットすることも容易となる。
【0045】
したがって、成形型及び電線保持材を略直角形状に形成すれば、略直角に屈曲したコードブッシュも容易に形成できる。しかも、前記電線保持材によってコードブッシュは補強され、しかも、ブッシュ材が前記電線保持材の開口部内に回り込んでしっかりと噛み込むために、電線保持材とブッシュ材との結合力が向上し、小型であっても十分な強度を有するコードブッシュを得ることができる。
【0046】
また、上述したコードブッシュの形成方法において、前記シース材の前記被覆電線露出部近傍に複数の筋彫部を形成し、少なくともこれら筋彫部の一つに前記成形型に設けた嵌合片を嵌合させ、前記成形型内で電気コードを保持するとよい。
【0047】
成形型内へのブッシュ材注入時に電気コードがずれるおそれがなく、成形不良などの発生を防止することができるとともに、他の筋彫部にはブッシュ材が回りこんで、コードブッシュとコード部分との結合力が増す。
【0048】
さらに、上述したコードブッシュの形成方法において、前記電線保持材を、前記ブッシュ形成材料と同一材料で形成するとよく、射出成形時に電線保持材とブッシュ形成材料とが一体化して、コードブッシュの強度がより向上する。
【0049】
また、上述してきたコードブッシュを備える電気コードとすれば、汎用性が向上する。すなわち、被覆電線をシース材でさらに被覆したコード本体と、このコード本体に形成したコードブッシュとを備える電気コードであって、前記コードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成した構成とするのである。
【0050】
かかる電気コードであれば、小型でありながらも十分な強度を有するコードブッシュを備えることになり、コードブッシュを取付ける箇所(電気製品の外郭部分など)の面積に制限があるような場合にも利用でき、その際に、例えば保安上の問題などで電気コードを大径化せざるを得ない場合などにはより好適に利用することができる。
【0051】
さらに、かかる電気コードにおいて、前記コードブッシュを屈曲形状とすることによって、より汎用性を高めることが可能となる。
【0052】
例えば、便座本体の裏面に配設したヒータ線と、このヒータ線に接続した被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードとを備える暖房便座に好適である。
【0053】
すなわち、かかる暖房便座において、前記電気コードにコードブッシュを形成し、このコードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、しかも、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成するものである。
【0054】
かかる構成の暖房便座であれば、電気コードの径が大きくなっても、コードブッシュを十分な強度を維持させながら小型化することができ、暖房便座を載置する便器の外郭部分においてコードブッシュ取付位置の制約が少なくなることから、便座や便器の設計自由度が高まる。
【0055】
さらに、上述した暖房便座において、前記便座本体を前記便器本体に載置した機能部ケーシングに取付けるとともに、前記コードブッシュを屈曲形状として前記機能部ケーシングの側壁に貫通状態に取り付け、当該コードブッシュを介して前記電気コードを機能部ケーシング内に伸延させることができる。
【0056】
かかる構成とすれば、前記機能部ケーシングの側壁において外部から目立たない適宜位置にコードブッシュを取り付けるとともに、電気コードを便座本体内に引き出し自在に収容し、電気コードやコードブッシュなどの配線部分を外部から見えないようにして、見栄えよく暖房便座を設置することが可能となる。
【0057】
以下、この発明の実施形態を図面に基づき、より具体的に説明する。
【0058】
図1は本実施形態に係る暖房便座を備えた水洗便器の説明図、図2は前記暖房便座の裏面を示すとともに暖房便座を取り外した状態を示す説明図、図3は本実施形態に係るコードブッシュの横断面視による説明図、図4及び図5は前記コードブッシュが備える電線保持材の説明図である。
【0059】
図1に示すように、本実施形態における水洗便器1は、便器本体10に形成したボウル部10a上に暖房便座11と便蓋12とを開閉自在に配設している。
【0060】
暖房便座11及び便蓋12は、前記ボウル部10aの上部開口面の後方に配設された機能部ケーシング13の前壁部13aに突出させて形成した軸受ハウジング13bの左右両側壁13c,13cに突設した係合支軸14aに上下回動自在に係合支持されている。14bは同係合支軸14aの先端に設けた係合片、14cは前記暖房便座11の基端部に設けられ、前記係合片14bに係合する断面非円形の係合部である。
【0061】
なお、図2に示すように、前記便蓋12は、前記暖房便座11の係合部14cの外側に枢着されており、暖房便座11とは独立して上下回動するとともに、暖房便座11を上方へ回動したときには共に回動して前記ボウル部10aを開放することができる。図2中、12aは便蓋12の基端部に形成され、暖房便座11の前記係合部14cの外側端面に枢着した枢着部である。なお、図2中、右側の係合支軸14aは左側の係合支軸14aより長く形成され、便蓋12の枢着部12aまで達している。
【0062】
暖房便座11は、図2に示すように、便座本体11aの裏面略全体に亘って波状に配設されたヒータ線2を備え、このヒータ線2には電気コードとしてのキャプタイヤコード3の一端を接続して電力を供給するようにしている。本実施形態では、暖房便座11内に後述するコードガイド8を取付け、このコードガイド8内を通すようにして暖房便座11の基端部に設けられた前記係合部14cの近傍からキャプタイヤコード3を便座本体11a内に必要長さだけ引き込み伸延させて一端をヒータ線2と接続している。
【0063】
前記コードガイド8を設けることにより、比較的長めにキャプタイヤコード3を便座本体11a内に引き込み収容することができるので、図2に示すように、暖房便座11を取り外したときに、暖房便座11を機能部ケーシング13から比較的離隔させてもキャプタイヤコード3は追従することができるので、取り外した暖房便座11の可動範囲が広がり、水洗便器1の清掃を円滑に行うことができる。
【0064】
電気コードとなる前記キャプタイヤコード3は、暖房便座11と機能部ケーシング13との離隔長さを向上させるために、従来の暖房便座11に用いられるコードよりもやや大径化させているが、構造的には従来同様に銅線31aを絶縁体31bで被覆した複数(本実施形態では4本としている)の被覆電線31からなる束全体をシース材32でさらに被覆して形成されている(図3参照)。そして、前記ヒータ線2に接続した一端側に対し、他端側は前記係合支軸14aが突設された軸受ハウジング13bの一側の側壁13cから機能部ケーシング13内に引き込まれて家庭用電源などに接続された端子(図示せず)と接続している。
【0065】
キャプタイヤコード3が引き込まれる前記軸受ハウジング13の両側壁13c,13cは、面積的にきわめて小さく、しかも前記係合支軸14aが突設されているが、本実施形態ではコードブッシュ4を可及的に小型化しているために、この係合支軸14aに近接して側壁13cに接続孔13dを形成し、この接続孔13dに、前記キャプタイヤコード3からなるコード本体に一体形成したコードブッシュ4を挿通可能としている。
【0066】
かかるコードブッシュ4は、本実施形態の要部をなすものであり、暖房便座11の開閉に伴ってキャプタイヤコード3と機能部ケーシング13との接続箇所、すなわち前記接続孔13d部分に生じる応力集中を防止するために形成されるものであって、キャプタイヤコード3の一部を比較的硬質の樹脂で被覆した略直角に屈曲した円管状のものである。
【0067】
そして、このコードブッシュ4を本実施形態では、図3に示すように、キャプタイヤコード3から前記シース材32を剥離した被覆電線露出部33を包持した電線保持材5と、この電線保持材5の外側を被覆したブッシュ材6とから形成し、しかも、前記電線保持材5に形成した開口部51内に前記ブッシュ材6を噛み込ませている。図3中、60は前記ブッシュ材6に形成した応力分散用の溝、61は前記接続孔13dの縁部を食い込ませるために形成した係合溝である。
【0068】
さらに、前記ブッシュ材6の内側に残存させた前記キャプタイヤコード3のシース材32に、複数の筋彫部34(34a,34b)を形成している。本実施形態においては、一方の筋彫部34aはブッシュ材6を回り込ませて結合力を高めるものとし、他方の筋彫部34bは、コードブッシュ4の射出成形時において、後述する成形型9に設けたずれ防止片90と嵌合して、ブッシュ材6の射出時にキャプタイヤコード3が成形型9内でずれないようにすることを目的としている。
【0069】
このように、キャプタイヤコード3に筋彫部34を形成したことで、成形時にキャプタイヤコード3の位置ずれが防止されて形状的な品質低下を防止することができ、ブッシュ材6との結合力が向上してキャプタイヤコード3とコードブッシュ4とを強固に一体化させている。
【0070】
ブッシュ材6と一体化された前記電線保持材5は、図4に示すように、周面に複数の開口部51がそれぞれ形成された直状部52とこの直状部52の一端側を屈曲させた短い屈曲部53とを有する略半円筒状の一対の略L字状の半割部材5’,5’をヒンジ56で連接するように樹脂成形している(図4では、簡単のために半割部材5’,5’を分割して図示している)。そして、一方の半割部材5’の直状部52の縁部に、それぞれ前後に所定間隔をあけて二つの雄状係止片54,54を形成するとともに、屈曲部53の外周縁部に一つの雄状係止片54を形成する一方、これらに対応する雌状係止片55,55,55を、他方の半割部材5’に形成し、両者を付き合わせた状態で係合可能としている。
【0071】
また、各半割部材5’の内面には、前記4本の被覆電線31を略方形に形良く束ねることができるように、図4及び図5に示すように整合突起部57を形成している。
【0072】
すなわち、各半割部材5’における直状部52の内周面のやや端部側に(図4参照)、被覆電線31の外周曲面に対応する凹状に湾曲した凹状部57aを左右に並設するとともに、これら左右の凹状部57aの間に先鋭状に突出した突起部57bを形成して、この突起部57bを介して前記凹状部57a内ごとに各被覆電線31をしっかりと保持するようにしている。
【0073】
また、本実施形態では、前記電線保持材5と前記ブッシュ材4とを同一材料により射出成形してより確実に一体化させるようにしている。成形材料としては塩化ビニルなどやその他用途に応じた材質を適宜用いることができるが、いずれにしても適宜硬度で固化する合成樹脂が好ましい。しかし、かならずしも両者を同一材料とする必要はなく、電線保持材5に関しては、例えば薄い金属材料により形成しても構わない。
【0074】
このように、従来よりも大径化したキャプタイヤコード3から厚みのあるシース材32を剥離して被覆電線31を露出させた被覆電線露出部33を設け、この被覆電線露出部33を前記電線保持材5で包持することにより、コードブッシュ4としては小径で小型としながらも十分な強度を確保して内部の被覆電線31(銅線31a)を保護することができる。しかも、前記電線保持材5の開口部51内にはブッシュ材6が射出成形時に回り込んでしっかりと噛み込んでいるために、電線保持材5とブッシュ材6との結合力がより向上し、コードブッシュ4としての耐久性などにも問題がない。
【0075】
したがって、かかるコードブッシュ4を備えたキャプタイヤコード4は、上述してきたように水洗便器1の暖房便座11に好適に用いることができ、暖房便座11を取付ける軸受ハウジング13bの狭隘な側面13cであってもコードブッシュ4の取付けに支障がなく、暖房便座11の基端側から機能部ケーシング13内に外部から見えない状態で延出させることができる。
【0076】
ここで、上述してきたコードブッシュ4の形成方法を、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は成形型9を用いたコードブッシュ4の成形方法を示す説明図、図7は図6のI−I線における断面図である。なお、成形型9は上型9aと下型9bとから形成されており、図6においては下型9bのみを示しているが、上型9a及び下型9b共に、略L字状としたコードブッシュ4を象った凹部91が形成されている。
【0077】
射出成形するに際し、キャプタイヤコード3は、コードブッシュ4を形成する箇所に合わせて前記シース材32を剥離して被覆電線露出部33を形成しておくとともに、この被覆電線露出部33の近傍には環状の筋彫部34を形成しておく。そして、被覆電線露出部33に半割部材5’,5’をセットする。この半割部材5’は、周面に開口部51やヒンジ56が形成されるように射出成形されたものを用いる。そして、成形型9に、前記ヒンジ56を凹部91内の所定箇所に合わせてセットする。
【0078】
このとき、前記電線保持材5の後方には、前記シース材32の一部まで前記凹部91内に位置するようにしておく。
【0079】
そして上型9a(図7参照)を合わせて、前記電線保持材5と同一材料からなるブッシュ形成材料を注入口92から成形型9内に注入し、硬化させた後、脱型して本実施形態に係るコードブッシュ4、ひいてはこのコードブッシュ4を備えたキャプタイヤコード3を得る。なお、図6中、93は湯道である。
【0080】
このように、キャプタイヤコード3からシース材32を剥離して被覆電線露出部33を形成し、この被覆電線露出部33を、周面に開口部51を形成した電線保持材5で包持するとともに、前記電線保持材5と前記シース材32の一部とを成形型9内にセットし、次いで、ブッシュ形成材料を前記成形型9内に注入し、その後、脱型して得るようにしたために、電線保持材5とブッシュ材6との結合力がより向上し、小型であっても十分な強度を保持したコードブッシュ4を容易に成形可能となる。
【0081】
また、シース材32が剥離された前記被覆電線露出部33は変形が容易なので、図示するように略直角に屈曲したコードブッシュ4も容易に形成でき、しかも、電線保持材5を設けたことで、小径であっても十分な強度を有するコードブッシュを成形することができる。
【0082】
ところで、本実施形態では、図6及び図7に示すように、前記複数の筋彫部34のうち少なくとも一つの筋彫部34bには、前記成形型9に設けた嵌合片90を嵌合させるようにしている。かたや、電線保持材5の一端は、成形型9で保持されて位置決めさせるようにしている。
【0083】
したがって、ブッシュ形成材料を射出注入するときに、前記キャプタイヤコード3はブッシュ形成材料からの圧力に対しても射出方向に移動するおそれがなく、成形不良などの発生を防止することができる。
【0084】
なお、図8に示すように、前記嵌合片90やこれに対応する前記筋彫部34bは必ずしも設けなくても構わない。その場合は図8に示すような構成となるが、当然ながら筋彫部34は複数本形成してもよい。
【0085】
以上説明してきたように、本実施形態に係る暖房便座11を備える水洗便器1では、キャプタイヤコード3の径が例え大きくなっても、コードブッシュ4を十分な強度を維持させながら可及的に小型化したことにより、暖房便座11を枢支する軸受ハウジングなどの外郭部分において、コードブッシュ4の取付位置の制約が少なくなって当該暖房便座11や機能部ケーシング13を含む水洗便器1の設計自由度が高まる。
【0086】
ここで、前記暖房便座11の便座本体11内に設けたコードガイド8について説明を加える。
【0087】
コードガイド8はコード引込機能を有し、キャプタイヤコード3を所定長さに亘り収容する断面視略コ字状の樋状に形成され、便座本体11の内面に配設されたヒータ線2と接することのないように離隔させて取付けたガイド本体81と、このガイド本体81内に配設され、前記キャプタイヤコード3を囲繞するコイルスプリング80と、このコイルスプリング80が自由状態のときにコイルスプリング80内から突出した部分のキャプタイヤコード3に取り付けられたストッパ駒82とを備えている。なお、前記コイルスプリング80は、前記ガイド本体81の基端で支持されている。
【0088】
また、前記ストッパ駒82の左右にピン体83,83を突設する一方、前記ガイド本体81の左右側面にガイド溝84,84を形成し、このガイド溝84,84に前記ピン体83,83を挿通し、前記ストッパ駒82がガイド本体81内を円滑に摺動できるようにしている。
【0089】
前記ガイド溝84,84の長さは、便座本体11内からのキャプタイヤコード3の引き出し量に応じて設定されており、このときのガイド溝84,84の基端部84aは、前記コイルスプリング80の張力に見合った位置となるようにしてストッパ機能をもたせている。なお、コイルスプリングの張力は、強すぎるとキャプタイヤコード3に無理な荷重をいかけてしまうので、ゆるんだキャプタイヤコード3を引き込むのに十分な力に設定している。
【0090】
図2中、85はコードガイド81の先端に形成した便座取付用係合片であり、便座本体11の裏面に形成した図示しないフックに容易に着脱可能としている。また、前記ストッパ駒83の先の部分における電気コードの一部は、キャプタイヤコード3とするのではなく、所定長さシース材32を剥離させて複数の被覆電線31を剥き出し状態とし、これをツイストさせた撚り線部38としている。しかも、コードの引き出し及び収納を容易化するために、前記撚り線部38を一巻きして撓ませた状態としている。
【0091】
上記構成により、暖房便座11を取外す場合などに、キャプタイヤコード3を便座本体11内から引き出すと、前記ガイド本体81内のキャプタイヤコード3の先端側に設けられた前記ストッパ駒82がコイルスプング80を縮めながら前記ガイド溝84,84に案内されてキャプタイヤコード3は円滑に引き出される。しかも、引き出し量は、前記ガイド溝84,84の基端部84aに前記ストッパ駒82のピン体83,83が当接して摺動が阻止され過剰に引き出されることがない。このストッパ機能がはたらくことにより、前記コイルスプリング80がなまったりすることも防止可能となっている。
【0092】
また、反対に取り外した暖房便座11を便器本体10上の所定位置に戻すときは、キャプタイヤコード3が自由状態になってコイルスプリング80が伸び、自動的にキャプタイヤコード3を便座本体11内に引き込むことができる。
【0093】
以上、本発明を実施形態を通して説明したが、本発明は上述してきた実施形態の構成などに限られるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更を行うことなどは自由である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本実施形態に係る暖房便座を備えた水洗便器の説明図である。
【図2】前記暖房便座の裏面を示すとともに暖房便座を取り外した状態を示す説明図である。
【図3】本実施形態に係るコードブッシュの横断面視による説明図である。
【図4】前記コードブッシュが備える電線保持材の説明図である。
【図5】同じく電線保持材の説明図である。
【図6】成形型を用いたコードブッシュの成形方法を示す説明図である。
【図7】図6のI−I線における断面図である大気開放弁の説明図である。
【図8】他の実施形態に係るコードブッシュの説明図である。
【図9】従来のコードブッシュを示す説明図である。
【図10】従来のコードブッシュを示す説明図である。
【符号の説明】
【0095】
1 水洗便器
2 ヒータ線
3 キャプタイヤコード(電気コード)
4 コードブッシュ
5 電線保持材
6 ブッシュ材
8 コードガイド
9 成形型
13 機能部ケーシング
31 被覆電線
32 シース材
33 被覆電線露出部
34 筋彫部
51 開口部
90 嵌合片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードに形成したコードブッシュであって、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成したことを特徴とするコードブッシュ。
【請求項2】
前記ブッシュ材の内側に残存させた前記電気コードのシース材に複数の筋彫部を形成したことを特徴とする請求項1記載のコードブッシュ。
【請求項3】
前記ブッシュ材と前記電線保持材とを同一材料により形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のコードブッシュ。
【請求項4】
被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードに形成されたコードブッシュの形成方法であって、
前記シース材を剥離して被覆電線露出部を形成し、この被覆電線露出部を、周面に開口部を形成した電線保持材で包持するとともに、前記電線保持材と前記シース材の一部とを成形型内にセットし、次いで、ブッシュ形成材料を前記成形型内に注入し、その後、脱型して得ることを特徴とするコードブッシュの形成方法。
【請求項5】
前記シース材の前記被覆電線露出部近傍に筋彫部を形成し、少なくともこれら筋彫部の一つに前記成形型に設けた嵌合片を嵌合させ、前記成形型内で電気コードを保持することを特徴とする請求項4記載のコードブッシュの形成方法。
【請求項6】
前記電線保持材を、前記ブッシュ形成材料と同一材料で形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載のコードブッシュの形成方法。
【請求項7】
被覆電線をシース材でさらに被覆したコード本体と、このコード本体に形成したコードブッシュとを備える電気コードであって、
前記コードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成したことを特徴とする電気コード。
【請求項8】
前記コードブッシュを屈曲形状としたことを特徴とする請求項7記載の電気コード。
【請求項9】
便座本体の裏面に配設したヒータ線と、このヒータ線に接続した被覆電線をシース材でさらに被覆した電気コードとを備える暖房便座において、
前記電気コードにコードブッシュを形成し、このコードブッシュは、前記シース材を剥離した被覆電線露出部を包持した電線保持材と、この電線保持材の外側を被覆したブッシュ材とからなり、しかも、前記電線保持材に形成した開口部内に前記ブッシュ材を噛み込ませて形成したことを特徴とする暖房便座。
【請求項10】
前記便座本体を前記便器本体に載置した機能部ケーシングに取付けるとともに、前記コードブッシュを屈曲形状として前記機能部ケーシングの側壁に貫通状態に取り付け、当該コードブッシュを介して前記電気コードを機能部ケーシング内に伸延させたことを特徴とする請求項9記載の暖房便座。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−286256(P2006−286256A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−101599(P2005−101599)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】