コード情報エレメント付き容器
本発明は、光学読み取り装置(111)を備えた薬剤注入デバイス(110)に使用される容器(10)に関し、前記容器は、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを保持する少なくとも2つのコード情報エレメント(20)を備えている。本発明は、更に、コード情報エレメントを容器に適用する方法、及びコード情報エレメントを読み取る方法にも関する。コード情報エレメントは、容器上の少なくとも一つの突起、又は空隙と位置合わせすることができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、光学読み取り装置を備えた薬剤注入装置に使用される容器に関するものであり、前記容器は、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを含む情報コードエレメントを有している。
本発明は、更に、容器にコード情報エレメントを適用する方法にも関する。
本発明は、更に、コード情報エレメントを読み取る方法にも関する。
【0002】
糖尿病などの疾病の治療に薬剤注入デバイスを使用する際、ポンプ、注射器、ペン型注射器などの薬剤注入デバイスには特定の投与回数分の薬剤を含む容器が装着され、その容器は、空になるか、古くなるか、又は特別な事情により別の薬剤を使用する必要がある時、新しいものと交換される。従って、使用する薬剤が意図したものであり、古過ぎず、正しい濃度、種類等のものであることは、極めて重要である。従って、薬剤を収容する容器のマーキングには、特段の注意を払う必要がある。薬剤注入デバイスの使用に際し、ユーザの安全性を十分に確保するため、従来型の英数字による処方欄とは別に、容器に対するマーキングが導入されている。情報アイテムは、容器の内容に関する情報以外に、容器の種類、出口寸法に関する技術データ、又は薬剤注入方法に関するその他情報を含むことができる。
投薬デバイス、投与装置、注射器、ポンプ、吸入器などには、血糖値又は持続血糖値などを測定する手段が装備され、これらの装置は将来標準的にコンピュータ化されることが予想される。その際には、このコンピュータの力を利用して、信頼性のあるデータを大量に含む容器上の情報セットを読み取り、解釈することが可能になる。これにより、これらのデバイスは、容器内の薬剤が投与可能なものであるかどうか、例えば薬剤が認可された所定の薬剤供給者から供給されたものであり、有効期限が切れる前に適正な分量及び正規の濃度で注入できるものであるかどうかをチェックする。
【0003】
容器の使用者は、その医療目的に応じ、類似した形状の容器セット、即ち、全て同一な形状の容器のセットを所持する場合がある。しかし、これらの容器が様々な製剤からなる薬剤を含む場合がある。即ち、間違った容器を選択する危険性が比較的高く、ユーザーにとって製品の安全性に関する問題をはらんでいる。一例を挙げると、インスリンは、遅効性、即効性、混合性など、目的に応じて異なった濃度で投与する。従って、治療に際し、正しい容器のみを選択して使用することが極めて重要であり、間違った内容物を使用した場合、高血糖症又は低血糖症等の重大な結果を引起す可能性がある。
従って、容器に適用される読み取り可能なコードは、容器を他の容器と識別する際の助けとなる。例えば、読み取り可能なコードを、薬剤注入デバイス内の読み取り装置で読み取れることにより、正規の内容物を有する容器を選択し、実質的にこの容器の薬剤のみを投与することができる。
【0004】
従来技術では、製造工程上の部品管理を主目的としてペンフィル(登録商標)上に貼付された単一のバーコードラベルを使用することが周知である。
さらに、周知のように、前記ペンフィル(登録商標)は、本出願人によるペン型注射器など、注射器に挿入可能且つ取り外し可能な医療用容器として使用されている。
【0005】
薬剤入りの容器は、使用前に冷蔵庫などの冷所にしばしば保存される。
しかしながら、冷蔵庫への容器の出し入れによって発生する湿気は容器を凝縮させ、容器上のコード情報を劣化させる危険がある。つまり、容器上のバーコードラベル、マトリックス型コードラベル、又はその他の印刷ラベルなどのコード情報、即ち、コード情報を有するラベルが、読み取り不能になってしまう場合がある。
【0006】
同じことが、製造工程、販売時、又は容器内の薬剤/薬品の使用前の最終ユーザによる操作又は準備段階における、ラベルのコード情報の磨耗によっても起こる。
同様に、埃、汚れた指又は汗ばんだ指による容器のコード情報への接触も、コード情報を劣化させ、コード情報の読み取りを不能にする。
当然ながらこの事は、容器のコード情報に対するこのような様々な有害な影響により、容器のラベルに印刷された本来読み取り可能なコード情報が最終的に読み取り不能になるため、重大な問題である。この結果、例えば容量設定及び注入に先立って、印刷情報を読み取ることができるポンプや注射器などの装置に容器を使用する場合、このような装置内において容器は読み取り不可能であり、容器を単独製品として使用することも同様に不可能である。
【0007】
従って、本発明の目的は、容器上に印刷された情報を医療用注入デバイス内の読み取り装置を使って確実に読み取る能力を改善した、薬剤の種類、有効期限などの読み取り可能な情報を有する容器を提供することである。
本目的は、容器が、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを有する少なくとも二つのコード情報エレメントを有する構成の本発明によって達成される。
【0008】
これにより、薬剤注入デバイス内部に設置されて、複数のコード情報エレメントの読み取りを試みる光学コード読み取り装置は、提示された情報、即ち前記情報セットを読み取ることができる。例えば、高性能な画像処理ソフトウェアが、部分的に損傷したコード情報エレメントからピクチャーエレメントを収集して組み合わせること、即ち、損傷を受けていないピクチャーエレメントのみを収集して組み合わせることにより、損傷を受けていない画像部分、即ちコード情報エレメントの損傷を受けていない部分のサンプリングにより、損傷を受けていない完全な画像エレメントを一つの画像として再生することができる。利用可能なコード情報エレメントが多いほど、たとえこれらコード情報エレメントの大部分又は全部が部分的に損傷していても、容器上に適用された複数のコード情報エレメントから、一つの完全な画像エレメントを、完全な画像として再生できる確率が高くなる。このようにして、コード情報エレメントを損なう、湿度、埃、汚れた指又は汗ばんだ指に起因する好ましくない影響を最小限に抑えることができる。
コード情報を有する容器は、注射器やポンプなどの薬剤注入デバイス内に設けられた光学読み取り装置から又はそのような装置の内部において読み取られるので、容器を使用する際、即ち、使用に先立って容器を前記薬剤注入デバイス内に配置及び固定した時、容器のコード情報を簡単且つ確実に読み取るようにすることが本発明の第二の目的である。
【0009】
換言すれば、容器上のコード情報を利用した解決策を提供することが本発明の第二の目的であり、本解決法では、使用する容器上において、前記コード情報の読み取り機能を有する薬剤注入デバイスに対してコード情報を位置付けるために、特別な手段を必要としない。
第二の目的は、コード情報エレメントが、歯状突起などの少なくとも一つの突起又は容器上の少なくとも一つの空隙と位置合わせされるときに達成される。
【0010】
例えば、カートリッジ上の一つ又は複数の空隙は、医療用注入デバイスの接触面、例えば一つ又は複数の突起と嵌合する。これにより、コード情報エレメントは、医療用注入デバイス側の一つ又は複数の突起と、円周上で一直線に並んだ状態となる。この結果、本実施形態の光学コード読み取り装置は、一つ又は複数のコード情報エレメントと位置合わせされる。
空隙に代わって、カートリッジ上の一つ又は複数の突起が、医療用注入デバイスの接触面、例えば一つ又は複数の空隙と嵌合するようにしてもよい。これにより、コード情報エレメントは、医療用注入デバイスの一つ又は複数の空隙と円周上で一直線に並んだ状態となる。この結果、本実施形態の光学コード読み取り装置は、一つ又は複数のコード情報エレメントと位置合わせされる。
【0011】
このようにして、どちらの場合も、光学コード読み取り装置は、容器上のどこにコード情報、即ちコード情報エレメントが位置しているかを認識することができる。
また、前記第二の目的は、複数のコード情報エレメントを互いに平行に配置することにより達成される。
【0012】
一例を挙げると、複数のコード情報エレメントが互いに平行に配置されている場合、医療用注入デバイスへのカートリッジの装着に際し、カートリッジの位置合わせのための空隙や突起はいずれも不要である。カートリッジが光学読み取り装置に向かって適正に配置されたとき、光学コード読み取り装置は、一つ又は複数のコード情報エレメントを読み取ることができる。即ち、光学コード読み取り装置は、カートリッジ上の一つ又は複数のコード情報エレメントを「見る」ことができる。
本発明の例示的実施形態において、コード情報エレメントがカートリッジの円周の全長に亘って互いに平行に配置されている場合、カートリッジの向きに関係無く、情報エレメントが常に読み取り装置に提示されるため、光学コード読み取り装置は、一つ又は複数のコード情報エレメントを読み取ることができる。つまり、光学コード読み取り装置は、医療用注入デバイス内におけるカートリッジの回転と無関係に、カートリッジ上の一つ又は複数のコード情報エレメントを「見る」ことになる。
【0013】
本明細書において、「容器」という用語は、液体、粉末、又はこれらの混合物、又は大きさ、容量、重さの異なる他の物質、例えば薬剤又は薬品を収容する容器を意味する。容器は、疾病の治療又は自己治療に使用される、注射器又はポンプなどの医療用注入デバイス又はシステムに使用される薬剤を収容する。容器内の薬剤は、例えば糖尿病治療のためにペン型注入システムに用いられるインスリンである。更に、容器の例示的実施形態は、瓶、バッグ、カートリッジ、薬用ガラス瓶、又は充填済みの注射器、ブリスターパックなどで、これらは全て何らかの形で薬剤を収容することができる。
以下に、好適な実施形態及び図面を参照しつつ本発明を更に詳細に説明する。
添付図面において、類似するか又は一致する特徴、機能、要素等には同一の参照番号を付した。
【実施例】
【0014】
図1に、無ラベルのカートリッジ製品を示す。これは、ガラス製カートリッジ、プランジャー、隔膜、キャップ、及びねじ山付きコードトップ部を備えている。図1において、無ラベルのカートリッジ製品を参照番号10で示す。本製品は、例えば薬剤、プランジャー(11)、隔膜(12)、キャップ(13)、及びネジ山付きコードトップ部(14)を備えたガラス製カートリッジ(10)を含む型注射器などの医療用注入デバイスに使用可能である。カートリッジ製品は、一つ又は複数のコード情報エレメントを読み取る機能を有するデバイス内部の容器の位置合わせに用いられる機械的コーディングとして、一つ又は複数の突起(15)、例えば歯状突起を有することができる。即ち、前記一つ又は複数の歯状突起は、ポンプ、注射器などの医療用注入デバイスの内部におけるカートリッジ製品の位置合わせを行うのに適している。更に、次図に示すように、カートリッジ製品が一つ又は複数のコード情報エレメントを有する場合、このような位置合わせは、医療用注入デバイス内部に組み込まれている光学読み取り装置の精度を向上させる。前記一つ又は複数の歯状突起に代わる別の構成として、一つ又は複数の空隙も、注入デバイス内部におけるカートリッジ製品の位置合わせを行い、従ってカートリッジ製品を前記光学読み取り装置に対して正確に位置合わせするのに同様に適している。どちらの場合も、前述のように、コード情報エレメントが、固定の容器上に正確に配置されていることにより、光学読み取り装置は(一つ又は複数のコード情報エレメントによって表現された)画像をどの地点から採取すべきかを認識することができるので、光学読み取り装置は、前記歯状突起又は空隙を基準として位置付けられた一つ又は複数のコード情報エレメント又はその一部を、簡単且つ確実に読み取ることができる。
即ち、図14に参照記号16で示す空隙は、図13に参照記号15で示す前記突起と原理的に同一の機能を有している。突起の場合、一般に、一つ又は複数のコード情報エレメントを、容器上の少なくとも一つの突起、例えば歯状突起と位置合わせすることができる。従って同じように、一つ又は複数のコード情報エレメントを、容器上の少なくとも一つの空隙と位置合わせするができる。いずれの場合も、医療用注入デバイス内のコード情報エレメントの位置を確認するために、提供されたこれらの手段(空隙、突起)を使用することができるので、これら(突起、空隙)により、容器上のコード情報を容易に読み取ることができる。容器が医療用注入デバイスに固定される時、コード情報エレメントの位置は、容器上の一つ又は複数の空隙又は突起を基準に固定されるので、医療用注入デバイス内に設けられた光学読み取り装置は、コード情報を読み取ることができる。医療用注入デバイス内の突起は容器上の空隙と嵌合し、その逆に、医療用注入デバイス内の空隙は容器上の突起と嵌合する。これにより、どちらの場合も、医療用注入デバイス内に組み込まれた光学読み取り装置に対し、容器上の一つ又は複数のコード情報エレメントの位置を、正確に固定することができる。
【0015】
図2に、本発明による、カートリッジ上に適用された繰返し型コード情報エレメントを示す。コード情報エレメントはカートリッジの円周に沿って繰返されている。繰り返し型コード情報エレメントは、貯蔵位置にあるプランジャーと向い合う位置に適用されている。
カートリッジ上にコード情報エレメントが繰返し適用されている場合、複数のコード情報エレメントの読み取りを試みる光学コード読み取り装置によってコード情報エレメントに含まれている情報が読み取られる可能性が、相対的に高くなる。例えば、高性能の画像処理ソフトウェアは、大きな損傷を受けたコード情報エレメントからピクチャーエレメントを収集し、結合することができる。即ち、損傷を受けていないピクチャーエレメントだけを収集して組み合わせる結果、損傷を受けていない画像部分をサンプリングすることにより、一つの完全な損傷の無いピクチャーエレメントを一画像として再生することができる。当然ながら、利用できるコード情報エレメントが多いほど、これらの多く又は全部が部分的に損傷していたとしても、容器上に適用された多くのコード情報エレメントから、一つの完全な画像として完全なピクチャーエレメントを再生できる確率は高まる。
【0016】
本発明の実施形態では、少なくとも二つのコード情報エレメントが互いに平行に配置される。これにより、医療用注入デバイス内に設置された光学読み取り装置がこれらの情報エレメントを画像処理することができ、この場合二つの部分に結果的に分離しているコード情報エレメントのピクチャーエレメントを再度組み合わせることによって、損傷の無い画像を再生することが可能である。
本発明の別の実施形態では、カートリッジの円周に沿って複数のコード情報エレメントが互いに平行に配置されており、やはりこれら複数の並置されたコード情報エレメントから、必要に応じて損傷の無い画像を再生することが可能である。
【0017】
当然ながら、前記コード情報エレメントに損傷の無い場合、これらの一つを光学的に読み取ることができる。しかしながら、各情報エレメントが同一の情報セットを有しているので、画像処理中に二つ以上の損傷の無いコード情報エレメントの部分を組み合わせることにより、情報を抽出することが可能である。これは、光学読み取り装置が、単一のコード情報エレメントに対して正確に位置合わせされていないが、画像処理に先立って二つ以上のコード情報エレメントを取得できる位置にある場合に当てはまる。
本発明の更に別の実施例においては、更に多くのコード情報エレメントを互いに平行に配置することができる。一実施例では、カートリッジの円周の全長に亘ってコード情報エレメントを並置する。本実施形態では、これら多数の並置されたコード情報エレメントから、損傷の無い画像を極めて高い確率で再生することが可能となる。
【0018】
本実施形態は、コードトップ部の空隙又は突起を利用することなく、薬剤注入デバイス(110)内にカートリッジを装着できるという利点を有している(図11及び図12参照)。この利点は、カートリッジの円周の全長に亘って多数の並置コード情報エレメントが設けられていることに起因する。カートリッジが薬剤注入デバイスに装着された時、図11及び12の参照番号111に示す光学読み取り装置は、常に一つ又は複数のコード情報エレメントと向い合う。つまり、本実施例は、回転によるカートリッジの円周面の方向の変化に影響されない。
上記実施形態では、前記薬剤注入デバイス内にカートリッジをどのように装着した場合も、一つ又は複数のコード情報エレメントから構成されるコード情報を、確実且つ容易に(光学読み取り装置によって)読み取ることができる。
【0019】
カートリッジの円周上に繰返し並置されるコード情報エレメント間の距離は、カートリッジの直径の公差に依存する。これにより、ラベル上に並置されるコード情報エレメントが、カートリッジの円周長が不確実であるために互いに重なり合うことが確実に防止される。
カートリッジはプランジャーを備えることができ、一つ又は複数のコード情報エレメントを、貯蔵位置にあるプランジャーの真向かいの位置に適用することができる。これにより、カートリッジの内容物の目視検査が制約されないので、有利である。
コード情報エレメントの軸方向の位置は、貯蔵位置にあるプランジャーを有するカートリッジの端部を基準として規定することができる。これにより、光学読み取り装置に必要とされる両軸方向の視野を最も小さくすることができ、有利である。
【0020】
図3に、カートリッジの外周を覆うことができる繰返し型コードを有するラベルを示す。カートリッジの内容物の目視検査を可能にするため、本ラベルの大部分の領域は透明である。本ラベルの高さは、カートリッジの円周長より長く、従って、ラベルの下部はラベルの上部と重なり合う。
図3Aも、繰返し型コード情報エレメントを有するラベルを示すが、このラベルは前図とは異なったパターンを有している。本ラベルも、カートリッジの外周を覆うことができる。カートリッジの内容物の目視検査を可能にするため、本ラベルの大部分の領域も透明である。本ラベルの高さもカートリッジの円周長より長く、従って、ラベルの下部はラベルの上部と重なり合う。
【0021】
コード情報エレメントが軸方向と円周方向に繰返されているラベルを図4に示す。
図4Aにも、コード情報エレメントが軸方向と円周方向に繰返されているラベルを示す。
【0022】
図4及び4Aに示すように、前記ラベルを使用することにより、3以上のコード情報エレメントを容器上に適用できることが明らかである。これにより、医療用注入デバイス内に組み込まれた、複数のコード情報エレメントの読み取りを行う光学コード読み取り装置がラベル情報を読み取る確率が更に高くなる。
コード情報エレメントを有するラベルを示す図4及び4Aから明らかであるように、容器上にこれらのラベルの一つを適用すると、容器に沿ってコード情報エレメントを複数回繰返すことができる。
【0023】
前述したように、容器上にラベルを適用する方法は、次のような方法で自動化できる:
前もってコード情報エレメントを環状バンド上に適用しておくことができる。環状バンドは、容器に嵌め、そこから容器に適用することができる。
【0024】
また、図5に示すラベルにおいては、軸方向に並ぶコード情報エレメントが、繰り返し間隔の半分だけ互にずれた状態で円周方向に繰返されている。
図5は、少なくとも二つのコード情報エレメントを、互いに平行に配置できることを示している。前述のように、これらのコード情報エレメントは、カートリッジの円周の全長に亘って互いに平行に配置可能であり、本実施例においては、これら多数の並置されたコード情報エレメントから、損傷の無い画像を高い確率で再生することが可能である。
【0025】
図5に明らかなように、前記コード情報エレメントは軸方向に互いにずれた状態で配置できる。
更に図5に示すように、前記軸方向にずれして配置したコード情報エレメントは、互いに回転させることができる。
本発明の例示的実施形態において、前記回転は、容器周囲の繰返し距離の半分に相当する。
【0026】
本発明の更に別の実施形態においては、1−100個のコード情報エレメントを、これらを有する1以上のラベルを使用することによって容器に適用し、よって損傷の無い画像を高い確率で再生する。
本発明の更に別の実施形態においては、2−20個のコード情報エレメントを、これらを有する更に多数のラベルを使用することによって容器に適用し、よって損傷の無い画像を高い確率で再生する。
本発明の更に別の実施形態においては、3−30のコード情報エレメントを、これらを有する複数のラベルを使用することによって容器に適用し、よって損傷の無い画像を高い確率で再生する。
【0027】
前掲の図面に示し、説明した前記ラベルの目的は、容器の外周を覆うことである。これにより、容器上にコード情報エレメントを、簡単且つ確実に「印刷」できる。
コード情報エレメントを有するラベルは、容器の表面、例えば容器の外表面に適用でき、この場合、ラベルにはコード情報エレメントが印刷される。
【0028】
或いは、コード情報エレメントを容器の表面のいずれかに直接適用することもできる。この場合、読み取り可能性を高めるため、適用箇所は容器の外表面とすることが好ましい。
磨耗を防止するため、各コード情報エレメントをレーザ光を使用して刻み込んでもよい。
【0029】
本発明の一実施形態では、前記ラベルをもう一つのラベルと統合し、読み取り可能な情報、即ちコード情報エレメントを持たせることができる。
前記別のラベルは、容器内の薬剤を見易くするため、透明とすることができる。
【0030】
図6に、正方形の繰返し型コード情報エレメント(20)を示す。
図7に例示的コード情報エレメントを示す。
図示するように、コード情報エレメントはピクセルから構成することができる。
【0031】
図示のコード情報エレメントは、データマトリックスコードから構成されている。これは冗長データを有することで知られ、よって誤り訂正アルゴリズム等を使用して後で誤りを修正することができる。
データ、即ちコード情報エレメント内の情報セットは、少なくとも薬剤の種類を表すことができ、更に有効期限、及び/又はバッチ番号を表示することができる。
【0032】
加えて情報セットは、容器の内容物の製造者名を表示する文字列、例えば、ノボ・ノルデイスク社、子会社名等を含むこともできる。
加えて情報セットは、容器の製造者を示す文字列を含むこともできる。
【0033】
これにより、薬剤投与デバイスの光学読み取り装置は、情報セットを表す容器上の画像を読み取り、次いでこれをデコードし、解釈することができる。薬剤、つまり読み取られた薬剤が供給可能なものであるかどうか、即ち、読み取られた有効期限が期限を越えていないことを前提に、読み取られた製造業者によって適正な用量が適正な濃度で注入されているかどうかをチェックすることができる。
前記バッチ番号は、販売された製品のトレース、品質管理などに利用することができ、更には製品の投与中止、例えば特定のバッチ番号系列の販売品を回収する際に利用することができる。
【0034】
コード情報エレメントは読み取り用であるので、前記コード情報エレメント各々の情報保持エリアの表面を処理することにより、光学的読み取り性能を向上させると有利である。表面処理により、前記情報セットの読み取り性能は向上する。
処理には、分散型透過性粒子を含む透明な印刷用インクを使用することができる。
例示的実施形態として、使用する前記粒子のサイズは、各コード情報エレメント内で使用するピクセルの大きさの、略1/5〜1/10である。
【0035】
繰返し型コード情報エレメントがコードトップ部に適用されたカートリッジを図8に示す。図示するように、コードトップ部(14)の歯状突起(15)を使用して、一つ又は複数の繰り返し型コード情報エレメントを光学読み取り装置と位置合わせすることができる。
さらに多くの突起が存在する場合も、容器上の一つの突起、例えば一つの歯状突起を使用して、容器上に適用されたコード情報エレメントの位置合わせをすることができる。
同様に、多数の空隙が存在する場合も、一つの空隙を使用して容器上のコード情報エレメントの位置合わせを行うことができる。
【0036】
環状バンドに適用した繰り返し型コード情報エレメントを図9に示す。この環状バンドは容器に嵌めることができる。
図10に、一つの突起、例えばコードトップ部(14)の歯状突起(15)を示す。前図面で説明したように、この歯状突起を使用して、一つ又は複数の繰り返し型コード情報エレメントの位置合わせを行うことができる。図10に示す繰り返し型コード情報は、例えば図8又は図10に示すコードトップ部(14)の歯状突起(15)と位置合わせされ、よって容器表面上の任意の位置にあるコード情報エレメントと位置合わせされる。
同じように、図14に示すコードトップ部の空隙(16)を固定ポイントとして使用することができる。即ちこの空隙を使用して、例えば図8に示すコードトップ部(14)のコード情報エレメントの位置合わせを行うことができる。
【0037】
図11に、医療用注入デバイス(110)の内部に装着されたカートリッジを示す。本デバイス内に設けられた光学コード読み取り装置(111)は、コード情報エレメントの読み取りを可能にする。光学コード読み取り装置は、画像センサ、レンズ、開口部、及び接触面を備えている。カートリッジ上に存在する一つ又は複数の突起は、医療用注入デバイス内の接触面と嵌合する。デバイス内のバネは、医療用デバイスとカートリッジの接触面の接合を容易にする。これらの接触面により、コード情報エレメントと光学コード読み取り装置との、カートリッジ筒の軸方向及び放射方向における位置合わせが可能になる。更に、コード情報エレメントが一つ又は複数の突起と円周上で位置合わせされると、光学コード読み取り装置もコード情報エレメントと円周上で位置合わせされる。
例えば、カートリッジ上の一つ又は複数の空隙は、接触面、例えば医療用注入デバイス内の一つ又は複数の突起と嵌合することができる。これにより、コード情報エレメントは、医療用注入デバイスの一つ又は複数の突起と円周上で位置合わせされる。この結果、本実施形態の光学コード読み取り装置が、一つ又は複数のコード情報エレメントと位置合わせされる。
【0038】
別の構成として、カートリッジ上の一つ又は複数の突起が、接触面、例えば医療用注入デバイス内の一つ又は複数の空隙と嵌合する。これにより、コード情報エレメントと医療用注入デバイスの一つ又は複数の空隙が円周上で位置合わせされる。この結果、本実施形態の光学コード読み取り装置が、一つ又は複数のコード情報エレメントと位置合わせされる。
このように、どちらの場合も、光学コード読み取り装置は、容器上の何所にコード情報があるかを認識できる。
【0039】
例えば図8に示すカートリッジのようなカートリッジの円周の全長に亘ってコード情報エレメントが互いに平行に配置されているとき、本発明の例示的実施形態では、カートリッジを医療用注入デバイスに装着する際、カートリッジの位置合わせを行う空隙や突起はどちらも不要である。コード情報エレメントは読み取り装置と常に向き合った状態にあるので、光学コード読み取り装置(111)は、カートリッジの円周方向の回転と無関係に、一つ又は複数のコード情報エレメントを読み取ることができる。この結果、医療用注入デバイス内でのカートリッジの回転と関係なく、一つ又は複数のコード情報エレメントが、光学コード読み取り装置上に画像化される。
従って、このような場合、医療用注入デバイス内での容器の回転に関して特別な要件を必要としないという利点がある。
【0040】
このように、前記実施形態で使用される光学読み取り装置は、複数のコード情報エレメントに対応できるような、十分に広い機械視界を有している。
これに対応して、画像センサを光学部品と共に使用し、単独のコード情報エレメントと、隣接するコード情報エレメントの少なくとも一部を、光学読み取り装置上に表示することができる。
【0041】
図12は、光学コード読み取り装置の接触面がカートリッジの底部と接する構成の医療用注入デバイス(110)の別の実施形態である。本光学コード読み取り装置は、バネとして機能する弾力性のある梁を介してデバイスのシェルと接続し、バネにより光学コード読み取り装置が軸方向にカートリッジの底部に向かって押圧される。
図13には、カートリッジ上の突起(15)、並びにカートリッジと接触状態にあるデバイスシェルの一部を示す。軸方向の断面及び円周方向の断面をそれぞれ示す。
【0042】
図14は、カートリッジ上の空隙(16)、並びにカートリッジと接触状態にあるデバイスシェルの一部を示す。
図15はコード情報エレメント有するバンドの要件を示す。
【0043】
以下に、コード情報エレメントを有するバンドの形状を考察する。バンド形状は、カートリッジの円筒軸を中心とした回転と無関係に、少なくとも一つの完全なコード情報エレメントシンボルを画像化できるようなものでなければならない。また、少なくとも一つの完全なコード情報エレメントシンボルの画像化は、システム全体の公差を考慮した上で行わなければならない。重要な数量を次表に示す。数量LJT及びQZ2は図15に定義される。
【0044】
上記から、ラベルの接合公差(LJT)、分離領域(QZ1及びQZ2)、シンボル幅(SW)、及び描画対象幅(WOD)の間には、次のような関係が得られる。
LJT≦QZ1 (図15中参照)
WOD≧2*SW+QZ1+QZ2+LJT (図15の下参照)
カートリッジの円周長(C)は、シンボルの数(N)(=コード情報エレメントの数)と次のような関係を有している:
C=N*(SW+QZ1)+QZ2
シンボルの最大数(Nmax)は、LJTとQZ1の間の関係を用いて次のように求められる:
C≧Nmax*(SW+LJT)+QZ2
従って、
Nmax=(C−QZ2)÷(SW+LJT)
QZ1=(C−QZ2)/N−SW (WODの計算が可能)
【0045】
WODを最小にするためにNをNmaxに等しくするか、又はNを減らしてQZ1を増やし、ラベルの接合エラーのリスクを減少させることができる。描画対象の高さは、シンボルの高さ及びラベルのX方向の公差と、次のような相関を有する:
HOD≧SH+2*LXT
設計の例示的一実施形態を以下に示す:
SW=0.2*8mm=1.6mm
SH=0.2*18mm=3.6mm
C=35.03mm
LJT=QZ2=LXT=0.5mm
N=Nmax=(35.03−0.5)÷(1.6+0.5)=16
QZ1=(35.03−0.5)/16−1.6=0.56mm
WOD≧4.76mm
HOD≧(3.6+2*0.5)mm=4.6mm
本発明の例示的一実施形態において、容器の円周上に繰り返し並置されるコード情報エレメント間の間隔は、前述したように容器の直径の公差に依存する。これは、前記数式に示すようにして、所定の数及び並置された二つのコード情報エレメント間の所定の距離に従ってコード情報エレメントの数(N)を算出することが可能であることを意味する。所定の距離は、並置された二つのコード情報エレメントの間の各間隔に適用される。
【0046】
以下、光学読み取り装置が、周辺エレメントと共に、どのように動作するか、どのように画像をサンプリングするか、及びこれがラベルの設計にどのように関係するかについて説明する:
カートリッジから画像を取得するために、CMOSセンサの使用を選択することができる。CMOSセンサは、CCDセンサに比べ、小型で安価であり、消費電力が小さいという利点を有する。また、取扱いが簡単であり、クロックやADコンバータ等の外部コンポーネントを必要としない。
【0047】
カートリッジ上のラベルを白黒とすることで、使用する画像センサをカラー画像センサとする必要がない。
対象となる取得画像の領域は、データマトリックス(DM)のサイズの2倍に、2つのDM間の領域の2倍を加えたものである。基準はシンボル画素当たり最低2ピクセルであり、CMOSセンサは、水平方向に(2・8+4)・2ピクセル、垂直方向に(18+4)・2ピクセル、全部で40・44ピクセルを表現できなければならない。ピクセル数が多いほど多くの情報が画像中に存在し、CMOSセンサの市場はピクセル数の少ないCMOSセンサに集中している状況である。市場で入手可能な代表的CMOSセンサは、CCDセンサに比べて解像度が低く、ウェブカメラ、携帯電話、及び2Mピクセル未満の解像度の小型デジタルカメラ等に使用されている。入手可能な小型CMOSセンサの多くは、ピクセル640x320(VGA)、320x200、又はQCIF規格で160x128ピクセルの解像度を有し、これは、本明細書に開示する本発明に必要な性能をやや上回る。
画像センサは、ナショナルセミコンダクタ社のLM9630とすることができる。ピクセル数は101x128で、高い光感度を有し、最大フレームレート(Fps)は580フレーム/秒である。しかしながら、本応用分野においては、高いフレームレートも、高い光感度も必要でない。
【0048】
画像のサンプリング
再構築可能な画像を(一つ又は複数のコード情報エレメントから)獲得するためのサンプリング周期は、細部(finest detail)の周期の半分以下でなければならない。画像センサの解像度は、光学レンズを通る画像に含まれるサンプル数がピクセル当たり3を超える、つまりナイキスト基準を有するのに十分に高くなければならない。
本発明の一実施形態において使用するコード情報エレメントは、垂直方向に8シンボル、水平方向に18シンボルのデータマトリックスである(144シンボルピクセル)。この事は、使用する画像センサのレンズの倍率が、101/8、又は128/18、つまり約7倍でよいことを意味する。それ以外の場合、画像を再生できない、即ちサンプル不足となる危険がある。
【0049】
理論上、16x36を超えるピクセルを有していれば、DM画像は再生可能である。ピクセル数を2倍にすると、計算時間は増加するが、使用できるピクセルが増えるので、正確なDMシンボルを取得できる確率が高まる。
DMをデコードするためにはどのような処理が必要かを調べるため、獲得した画像の性質を分析する必要がある。
使用するレンズはカメラ室の内部に取付けられるが、手作業による糊付け作業中はレンズ位置を検証できないので、レンズの光軸が画像の中心部からずれる可能性がある。
【0050】
ラベルとラベル作製
コード情報エレメント、例えばDM(データマトリックス)は、ラベル上の白い領域に印刷される。好ましくは、DMは必ず白領域の中心部に置かれ、(最悪の条件下においても)DMの背景に白い帯状領域が存在するように、白領域は十分な広さを有しなければならない。
DMの一つのシンボルピクセルが、2−3個のピクセルによって表される場合、最高の鮮鋭度が得られる。このことは真実ではあるが、使用でできるピクセル数が多いほど、アルゴリズムは最良に機能すると考えられる。
【0051】
DMは、Robotic Vision Systems, Inc.の子会社であるRVSI Acuity CiMatrix社によって発明された2次元のマトリックス型コードであり、現在この権利はパブリックドメインに属している。DMは、高密度コードとして設計され、信頼性確保のため、データ冗長性を有するRS誤り訂正機能を採用している。DMシンボルは、数字のみで最大3116文字、英数字で2335文字を表現できる。DMの大きさは、1ミリ平方〜14インチ平方とすることができ、現実の制約は、マーキング装置の再現性と読み取り装置の光学特性に依存する。
DM(データマトリックス)及びその代替品以外に、複数の別の2次元コード又は記号体系が存在する。選択肢には、PDF417のようなスタック型コードや、マトリックス型コードがある。スタック型コードは、複数列の1次元バーコードであり、従って第一列、第二列という一つの方向性も有する。これに対し、マトリックス型コードは方向性を有しない。利用できるマトリックス型コードの一部として、Data Glyphs、Aztech Code、Code1、CP Code、MaxiCode、QR Code、Snowflakeコード及びUltaコードを挙げることができる。
【0052】
最も広く使用されている2次元コードは、画像化されたコードの大きさ、位置、及び方位角の測定が容易なインデシアである。このコードから情報を抽出するために、前述の数値が必要となることが多い。例えば、データマトリックスコードは、L字形を構成する二つの外縁線を有している。このL字形は、既知の機械視覚アルゴリズム、例えば傾斜ベース、又は閾値ベースのエッジファインダーアルゴリズムなどを用いて、簡単にその位置を探し出すことができる。従って、このL字形により前述の数値の測定が可能となる。
本発明によれば、例えばコヒーレントパターン及び/又は部分的コヒーレントパターンとして相互に分離したパターンを用いることにより、繰り返し型情報コードエレメントを種々の方法で容器上に適用することができる。
【0053】
非繰り返し情報などの追加情報を、本発明の繰り返し型コード情報エレメントと組み合わせて容器上に適用することができる。追加情報は、繰り返し型コード情報エレメントと統一性を有する。
更に、本発明によれば、いずれの繰り返し型コード情報エレメントも、第一の情報セットを含む第一のコード情報エレメントと、第二の情報セットを含む第二のコード情報エレメントを組み合せて構成することができる。この組み合わせの中から、所定のデータ変換アルゴリズムにより第一の情報セットを抽出することができる。データ変換アルゴリズムにより、例えば、第二の情報セット内の情報量を減らし、第一の情報セットと適合させることができる。これにより、第一情報セットは、どちらの場合もユーザ又は読み取りシステムによって認識可能となる。即ち、第一の情報セットは、前記第一のコード情報エレメント又は第二のコード情報エレメントを適用した結果得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】無ラベルのカートリッジ製品を示す。
【図2】カートリッジ上に適用された繰返し型コード情報エレメントを示す。
【図3】繰返し型コード情報エレメントを有するラベルを示す。
【図3A】繰返し型コード情報エレメントを有する別のラベルを示す。
【図4】軸方向及び円周方向に繰返されたコード情報エレメントを有するラベルを示す。
【図4A】軸方向及び円周方向に繰返されたコード情報エレメントを有する別のラベルを示す。
【図5】互いにずらして軸方向に配置されたコード情報エレメントを有するラベルを示す。
【図6】正方形の繰返し型コード情報エレメントを示す。
【図7】例示的なコード情報エレメントを示す。
【図8】繰返し型コード情報エレメントをコードトップ部に有するカートリッジを示す。
【図9】環状バンドに適用した繰返し型コード情報エレメントを示す。
【図10】コードトップ部の突起を示す。
【図11】薬剤注入デバイス内に装着されたカートリッジを示す。
【図12】別の薬剤注入デバイス内に装着されたカートリッジを示す。
【図13】カートリッジ上の突起を示す。
【図14】カートリッジ上の空隙を示す。
【図15】コード情報エレメントのバンドに対する要件を示す。
【発明の開示】
【0001】
本発明は、光学読み取り装置を備えた薬剤注入装置に使用される容器に関するものであり、前記容器は、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを含む情報コードエレメントを有している。
本発明は、更に、容器にコード情報エレメントを適用する方法にも関する。
本発明は、更に、コード情報エレメントを読み取る方法にも関する。
【0002】
糖尿病などの疾病の治療に薬剤注入デバイスを使用する際、ポンプ、注射器、ペン型注射器などの薬剤注入デバイスには特定の投与回数分の薬剤を含む容器が装着され、その容器は、空になるか、古くなるか、又は特別な事情により別の薬剤を使用する必要がある時、新しいものと交換される。従って、使用する薬剤が意図したものであり、古過ぎず、正しい濃度、種類等のものであることは、極めて重要である。従って、薬剤を収容する容器のマーキングには、特段の注意を払う必要がある。薬剤注入デバイスの使用に際し、ユーザの安全性を十分に確保するため、従来型の英数字による処方欄とは別に、容器に対するマーキングが導入されている。情報アイテムは、容器の内容に関する情報以外に、容器の種類、出口寸法に関する技術データ、又は薬剤注入方法に関するその他情報を含むことができる。
投薬デバイス、投与装置、注射器、ポンプ、吸入器などには、血糖値又は持続血糖値などを測定する手段が装備され、これらの装置は将来標準的にコンピュータ化されることが予想される。その際には、このコンピュータの力を利用して、信頼性のあるデータを大量に含む容器上の情報セットを読み取り、解釈することが可能になる。これにより、これらのデバイスは、容器内の薬剤が投与可能なものであるかどうか、例えば薬剤が認可された所定の薬剤供給者から供給されたものであり、有効期限が切れる前に適正な分量及び正規の濃度で注入できるものであるかどうかをチェックする。
【0003】
容器の使用者は、その医療目的に応じ、類似した形状の容器セット、即ち、全て同一な形状の容器のセットを所持する場合がある。しかし、これらの容器が様々な製剤からなる薬剤を含む場合がある。即ち、間違った容器を選択する危険性が比較的高く、ユーザーにとって製品の安全性に関する問題をはらんでいる。一例を挙げると、インスリンは、遅効性、即効性、混合性など、目的に応じて異なった濃度で投与する。従って、治療に際し、正しい容器のみを選択して使用することが極めて重要であり、間違った内容物を使用した場合、高血糖症又は低血糖症等の重大な結果を引起す可能性がある。
従って、容器に適用される読み取り可能なコードは、容器を他の容器と識別する際の助けとなる。例えば、読み取り可能なコードを、薬剤注入デバイス内の読み取り装置で読み取れることにより、正規の内容物を有する容器を選択し、実質的にこの容器の薬剤のみを投与することができる。
【0004】
従来技術では、製造工程上の部品管理を主目的としてペンフィル(登録商標)上に貼付された単一のバーコードラベルを使用することが周知である。
さらに、周知のように、前記ペンフィル(登録商標)は、本出願人によるペン型注射器など、注射器に挿入可能且つ取り外し可能な医療用容器として使用されている。
【0005】
薬剤入りの容器は、使用前に冷蔵庫などの冷所にしばしば保存される。
しかしながら、冷蔵庫への容器の出し入れによって発生する湿気は容器を凝縮させ、容器上のコード情報を劣化させる危険がある。つまり、容器上のバーコードラベル、マトリックス型コードラベル、又はその他の印刷ラベルなどのコード情報、即ち、コード情報を有するラベルが、読み取り不能になってしまう場合がある。
【0006】
同じことが、製造工程、販売時、又は容器内の薬剤/薬品の使用前の最終ユーザによる操作又は準備段階における、ラベルのコード情報の磨耗によっても起こる。
同様に、埃、汚れた指又は汗ばんだ指による容器のコード情報への接触も、コード情報を劣化させ、コード情報の読み取りを不能にする。
当然ながらこの事は、容器のコード情報に対するこのような様々な有害な影響により、容器のラベルに印刷された本来読み取り可能なコード情報が最終的に読み取り不能になるため、重大な問題である。この結果、例えば容量設定及び注入に先立って、印刷情報を読み取ることができるポンプや注射器などの装置に容器を使用する場合、このような装置内において容器は読み取り不可能であり、容器を単独製品として使用することも同様に不可能である。
【0007】
従って、本発明の目的は、容器上に印刷された情報を医療用注入デバイス内の読み取り装置を使って確実に読み取る能力を改善した、薬剤の種類、有効期限などの読み取り可能な情報を有する容器を提供することである。
本目的は、容器が、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを有する少なくとも二つのコード情報エレメントを有する構成の本発明によって達成される。
【0008】
これにより、薬剤注入デバイス内部に設置されて、複数のコード情報エレメントの読み取りを試みる光学コード読み取り装置は、提示された情報、即ち前記情報セットを読み取ることができる。例えば、高性能な画像処理ソフトウェアが、部分的に損傷したコード情報エレメントからピクチャーエレメントを収集して組み合わせること、即ち、損傷を受けていないピクチャーエレメントのみを収集して組み合わせることにより、損傷を受けていない画像部分、即ちコード情報エレメントの損傷を受けていない部分のサンプリングにより、損傷を受けていない完全な画像エレメントを一つの画像として再生することができる。利用可能なコード情報エレメントが多いほど、たとえこれらコード情報エレメントの大部分又は全部が部分的に損傷していても、容器上に適用された複数のコード情報エレメントから、一つの完全な画像エレメントを、完全な画像として再生できる確率が高くなる。このようにして、コード情報エレメントを損なう、湿度、埃、汚れた指又は汗ばんだ指に起因する好ましくない影響を最小限に抑えることができる。
コード情報を有する容器は、注射器やポンプなどの薬剤注入デバイス内に設けられた光学読み取り装置から又はそのような装置の内部において読み取られるので、容器を使用する際、即ち、使用に先立って容器を前記薬剤注入デバイス内に配置及び固定した時、容器のコード情報を簡単且つ確実に読み取るようにすることが本発明の第二の目的である。
【0009】
換言すれば、容器上のコード情報を利用した解決策を提供することが本発明の第二の目的であり、本解決法では、使用する容器上において、前記コード情報の読み取り機能を有する薬剤注入デバイスに対してコード情報を位置付けるために、特別な手段を必要としない。
第二の目的は、コード情報エレメントが、歯状突起などの少なくとも一つの突起又は容器上の少なくとも一つの空隙と位置合わせされるときに達成される。
【0010】
例えば、カートリッジ上の一つ又は複数の空隙は、医療用注入デバイスの接触面、例えば一つ又は複数の突起と嵌合する。これにより、コード情報エレメントは、医療用注入デバイス側の一つ又は複数の突起と、円周上で一直線に並んだ状態となる。この結果、本実施形態の光学コード読み取り装置は、一つ又は複数のコード情報エレメントと位置合わせされる。
空隙に代わって、カートリッジ上の一つ又は複数の突起が、医療用注入デバイスの接触面、例えば一つ又は複数の空隙と嵌合するようにしてもよい。これにより、コード情報エレメントは、医療用注入デバイスの一つ又は複数の空隙と円周上で一直線に並んだ状態となる。この結果、本実施形態の光学コード読み取り装置は、一つ又は複数のコード情報エレメントと位置合わせされる。
【0011】
このようにして、どちらの場合も、光学コード読み取り装置は、容器上のどこにコード情報、即ちコード情報エレメントが位置しているかを認識することができる。
また、前記第二の目的は、複数のコード情報エレメントを互いに平行に配置することにより達成される。
【0012】
一例を挙げると、複数のコード情報エレメントが互いに平行に配置されている場合、医療用注入デバイスへのカートリッジの装着に際し、カートリッジの位置合わせのための空隙や突起はいずれも不要である。カートリッジが光学読み取り装置に向かって適正に配置されたとき、光学コード読み取り装置は、一つ又は複数のコード情報エレメントを読み取ることができる。即ち、光学コード読み取り装置は、カートリッジ上の一つ又は複数のコード情報エレメントを「見る」ことができる。
本発明の例示的実施形態において、コード情報エレメントがカートリッジの円周の全長に亘って互いに平行に配置されている場合、カートリッジの向きに関係無く、情報エレメントが常に読み取り装置に提示されるため、光学コード読み取り装置は、一つ又は複数のコード情報エレメントを読み取ることができる。つまり、光学コード読み取り装置は、医療用注入デバイス内におけるカートリッジの回転と無関係に、カートリッジ上の一つ又は複数のコード情報エレメントを「見る」ことになる。
【0013】
本明細書において、「容器」という用語は、液体、粉末、又はこれらの混合物、又は大きさ、容量、重さの異なる他の物質、例えば薬剤又は薬品を収容する容器を意味する。容器は、疾病の治療又は自己治療に使用される、注射器又はポンプなどの医療用注入デバイス又はシステムに使用される薬剤を収容する。容器内の薬剤は、例えば糖尿病治療のためにペン型注入システムに用いられるインスリンである。更に、容器の例示的実施形態は、瓶、バッグ、カートリッジ、薬用ガラス瓶、又は充填済みの注射器、ブリスターパックなどで、これらは全て何らかの形で薬剤を収容することができる。
以下に、好適な実施形態及び図面を参照しつつ本発明を更に詳細に説明する。
添付図面において、類似するか又は一致する特徴、機能、要素等には同一の参照番号を付した。
【実施例】
【0014】
図1に、無ラベルのカートリッジ製品を示す。これは、ガラス製カートリッジ、プランジャー、隔膜、キャップ、及びねじ山付きコードトップ部を備えている。図1において、無ラベルのカートリッジ製品を参照番号10で示す。本製品は、例えば薬剤、プランジャー(11)、隔膜(12)、キャップ(13)、及びネジ山付きコードトップ部(14)を備えたガラス製カートリッジ(10)を含む型注射器などの医療用注入デバイスに使用可能である。カートリッジ製品は、一つ又は複数のコード情報エレメントを読み取る機能を有するデバイス内部の容器の位置合わせに用いられる機械的コーディングとして、一つ又は複数の突起(15)、例えば歯状突起を有することができる。即ち、前記一つ又は複数の歯状突起は、ポンプ、注射器などの医療用注入デバイスの内部におけるカートリッジ製品の位置合わせを行うのに適している。更に、次図に示すように、カートリッジ製品が一つ又は複数のコード情報エレメントを有する場合、このような位置合わせは、医療用注入デバイス内部に組み込まれている光学読み取り装置の精度を向上させる。前記一つ又は複数の歯状突起に代わる別の構成として、一つ又は複数の空隙も、注入デバイス内部におけるカートリッジ製品の位置合わせを行い、従ってカートリッジ製品を前記光学読み取り装置に対して正確に位置合わせするのに同様に適している。どちらの場合も、前述のように、コード情報エレメントが、固定の容器上に正確に配置されていることにより、光学読み取り装置は(一つ又は複数のコード情報エレメントによって表現された)画像をどの地点から採取すべきかを認識することができるので、光学読み取り装置は、前記歯状突起又は空隙を基準として位置付けられた一つ又は複数のコード情報エレメント又はその一部を、簡単且つ確実に読み取ることができる。
即ち、図14に参照記号16で示す空隙は、図13に参照記号15で示す前記突起と原理的に同一の機能を有している。突起の場合、一般に、一つ又は複数のコード情報エレメントを、容器上の少なくとも一つの突起、例えば歯状突起と位置合わせすることができる。従って同じように、一つ又は複数のコード情報エレメントを、容器上の少なくとも一つの空隙と位置合わせするができる。いずれの場合も、医療用注入デバイス内のコード情報エレメントの位置を確認するために、提供されたこれらの手段(空隙、突起)を使用することができるので、これら(突起、空隙)により、容器上のコード情報を容易に読み取ることができる。容器が医療用注入デバイスに固定される時、コード情報エレメントの位置は、容器上の一つ又は複数の空隙又は突起を基準に固定されるので、医療用注入デバイス内に設けられた光学読み取り装置は、コード情報を読み取ることができる。医療用注入デバイス内の突起は容器上の空隙と嵌合し、その逆に、医療用注入デバイス内の空隙は容器上の突起と嵌合する。これにより、どちらの場合も、医療用注入デバイス内に組み込まれた光学読み取り装置に対し、容器上の一つ又は複数のコード情報エレメントの位置を、正確に固定することができる。
【0015】
図2に、本発明による、カートリッジ上に適用された繰返し型コード情報エレメントを示す。コード情報エレメントはカートリッジの円周に沿って繰返されている。繰り返し型コード情報エレメントは、貯蔵位置にあるプランジャーと向い合う位置に適用されている。
カートリッジ上にコード情報エレメントが繰返し適用されている場合、複数のコード情報エレメントの読み取りを試みる光学コード読み取り装置によってコード情報エレメントに含まれている情報が読み取られる可能性が、相対的に高くなる。例えば、高性能の画像処理ソフトウェアは、大きな損傷を受けたコード情報エレメントからピクチャーエレメントを収集し、結合することができる。即ち、損傷を受けていないピクチャーエレメントだけを収集して組み合わせる結果、損傷を受けていない画像部分をサンプリングすることにより、一つの完全な損傷の無いピクチャーエレメントを一画像として再生することができる。当然ながら、利用できるコード情報エレメントが多いほど、これらの多く又は全部が部分的に損傷していたとしても、容器上に適用された多くのコード情報エレメントから、一つの完全な画像として完全なピクチャーエレメントを再生できる確率は高まる。
【0016】
本発明の実施形態では、少なくとも二つのコード情報エレメントが互いに平行に配置される。これにより、医療用注入デバイス内に設置された光学読み取り装置がこれらの情報エレメントを画像処理することができ、この場合二つの部分に結果的に分離しているコード情報エレメントのピクチャーエレメントを再度組み合わせることによって、損傷の無い画像を再生することが可能である。
本発明の別の実施形態では、カートリッジの円周に沿って複数のコード情報エレメントが互いに平行に配置されており、やはりこれら複数の並置されたコード情報エレメントから、必要に応じて損傷の無い画像を再生することが可能である。
【0017】
当然ながら、前記コード情報エレメントに損傷の無い場合、これらの一つを光学的に読み取ることができる。しかしながら、各情報エレメントが同一の情報セットを有しているので、画像処理中に二つ以上の損傷の無いコード情報エレメントの部分を組み合わせることにより、情報を抽出することが可能である。これは、光学読み取り装置が、単一のコード情報エレメントに対して正確に位置合わせされていないが、画像処理に先立って二つ以上のコード情報エレメントを取得できる位置にある場合に当てはまる。
本発明の更に別の実施例においては、更に多くのコード情報エレメントを互いに平行に配置することができる。一実施例では、カートリッジの円周の全長に亘ってコード情報エレメントを並置する。本実施形態では、これら多数の並置されたコード情報エレメントから、損傷の無い画像を極めて高い確率で再生することが可能となる。
【0018】
本実施形態は、コードトップ部の空隙又は突起を利用することなく、薬剤注入デバイス(110)内にカートリッジを装着できるという利点を有している(図11及び図12参照)。この利点は、カートリッジの円周の全長に亘って多数の並置コード情報エレメントが設けられていることに起因する。カートリッジが薬剤注入デバイスに装着された時、図11及び12の参照番号111に示す光学読み取り装置は、常に一つ又は複数のコード情報エレメントと向い合う。つまり、本実施例は、回転によるカートリッジの円周面の方向の変化に影響されない。
上記実施形態では、前記薬剤注入デバイス内にカートリッジをどのように装着した場合も、一つ又は複数のコード情報エレメントから構成されるコード情報を、確実且つ容易に(光学読み取り装置によって)読み取ることができる。
【0019】
カートリッジの円周上に繰返し並置されるコード情報エレメント間の距離は、カートリッジの直径の公差に依存する。これにより、ラベル上に並置されるコード情報エレメントが、カートリッジの円周長が不確実であるために互いに重なり合うことが確実に防止される。
カートリッジはプランジャーを備えることができ、一つ又は複数のコード情報エレメントを、貯蔵位置にあるプランジャーの真向かいの位置に適用することができる。これにより、カートリッジの内容物の目視検査が制約されないので、有利である。
コード情報エレメントの軸方向の位置は、貯蔵位置にあるプランジャーを有するカートリッジの端部を基準として規定することができる。これにより、光学読み取り装置に必要とされる両軸方向の視野を最も小さくすることができ、有利である。
【0020】
図3に、カートリッジの外周を覆うことができる繰返し型コードを有するラベルを示す。カートリッジの内容物の目視検査を可能にするため、本ラベルの大部分の領域は透明である。本ラベルの高さは、カートリッジの円周長より長く、従って、ラベルの下部はラベルの上部と重なり合う。
図3Aも、繰返し型コード情報エレメントを有するラベルを示すが、このラベルは前図とは異なったパターンを有している。本ラベルも、カートリッジの外周を覆うことができる。カートリッジの内容物の目視検査を可能にするため、本ラベルの大部分の領域も透明である。本ラベルの高さもカートリッジの円周長より長く、従って、ラベルの下部はラベルの上部と重なり合う。
【0021】
コード情報エレメントが軸方向と円周方向に繰返されているラベルを図4に示す。
図4Aにも、コード情報エレメントが軸方向と円周方向に繰返されているラベルを示す。
【0022】
図4及び4Aに示すように、前記ラベルを使用することにより、3以上のコード情報エレメントを容器上に適用できることが明らかである。これにより、医療用注入デバイス内に組み込まれた、複数のコード情報エレメントの読み取りを行う光学コード読み取り装置がラベル情報を読み取る確率が更に高くなる。
コード情報エレメントを有するラベルを示す図4及び4Aから明らかであるように、容器上にこれらのラベルの一つを適用すると、容器に沿ってコード情報エレメントを複数回繰返すことができる。
【0023】
前述したように、容器上にラベルを適用する方法は、次のような方法で自動化できる:
前もってコード情報エレメントを環状バンド上に適用しておくことができる。環状バンドは、容器に嵌め、そこから容器に適用することができる。
【0024】
また、図5に示すラベルにおいては、軸方向に並ぶコード情報エレメントが、繰り返し間隔の半分だけ互にずれた状態で円周方向に繰返されている。
図5は、少なくとも二つのコード情報エレメントを、互いに平行に配置できることを示している。前述のように、これらのコード情報エレメントは、カートリッジの円周の全長に亘って互いに平行に配置可能であり、本実施例においては、これら多数の並置されたコード情報エレメントから、損傷の無い画像を高い確率で再生することが可能である。
【0025】
図5に明らかなように、前記コード情報エレメントは軸方向に互いにずれた状態で配置できる。
更に図5に示すように、前記軸方向にずれして配置したコード情報エレメントは、互いに回転させることができる。
本発明の例示的実施形態において、前記回転は、容器周囲の繰返し距離の半分に相当する。
【0026】
本発明の更に別の実施形態においては、1−100個のコード情報エレメントを、これらを有する1以上のラベルを使用することによって容器に適用し、よって損傷の無い画像を高い確率で再生する。
本発明の更に別の実施形態においては、2−20個のコード情報エレメントを、これらを有する更に多数のラベルを使用することによって容器に適用し、よって損傷の無い画像を高い確率で再生する。
本発明の更に別の実施形態においては、3−30のコード情報エレメントを、これらを有する複数のラベルを使用することによって容器に適用し、よって損傷の無い画像を高い確率で再生する。
【0027】
前掲の図面に示し、説明した前記ラベルの目的は、容器の外周を覆うことである。これにより、容器上にコード情報エレメントを、簡単且つ確実に「印刷」できる。
コード情報エレメントを有するラベルは、容器の表面、例えば容器の外表面に適用でき、この場合、ラベルにはコード情報エレメントが印刷される。
【0028】
或いは、コード情報エレメントを容器の表面のいずれかに直接適用することもできる。この場合、読み取り可能性を高めるため、適用箇所は容器の外表面とすることが好ましい。
磨耗を防止するため、各コード情報エレメントをレーザ光を使用して刻み込んでもよい。
【0029】
本発明の一実施形態では、前記ラベルをもう一つのラベルと統合し、読み取り可能な情報、即ちコード情報エレメントを持たせることができる。
前記別のラベルは、容器内の薬剤を見易くするため、透明とすることができる。
【0030】
図6に、正方形の繰返し型コード情報エレメント(20)を示す。
図7に例示的コード情報エレメントを示す。
図示するように、コード情報エレメントはピクセルから構成することができる。
【0031】
図示のコード情報エレメントは、データマトリックスコードから構成されている。これは冗長データを有することで知られ、よって誤り訂正アルゴリズム等を使用して後で誤りを修正することができる。
データ、即ちコード情報エレメント内の情報セットは、少なくとも薬剤の種類を表すことができ、更に有効期限、及び/又はバッチ番号を表示することができる。
【0032】
加えて情報セットは、容器の内容物の製造者名を表示する文字列、例えば、ノボ・ノルデイスク社、子会社名等を含むこともできる。
加えて情報セットは、容器の製造者を示す文字列を含むこともできる。
【0033】
これにより、薬剤投与デバイスの光学読み取り装置は、情報セットを表す容器上の画像を読み取り、次いでこれをデコードし、解釈することができる。薬剤、つまり読み取られた薬剤が供給可能なものであるかどうか、即ち、読み取られた有効期限が期限を越えていないことを前提に、読み取られた製造業者によって適正な用量が適正な濃度で注入されているかどうかをチェックすることができる。
前記バッチ番号は、販売された製品のトレース、品質管理などに利用することができ、更には製品の投与中止、例えば特定のバッチ番号系列の販売品を回収する際に利用することができる。
【0034】
コード情報エレメントは読み取り用であるので、前記コード情報エレメント各々の情報保持エリアの表面を処理することにより、光学的読み取り性能を向上させると有利である。表面処理により、前記情報セットの読み取り性能は向上する。
処理には、分散型透過性粒子を含む透明な印刷用インクを使用することができる。
例示的実施形態として、使用する前記粒子のサイズは、各コード情報エレメント内で使用するピクセルの大きさの、略1/5〜1/10である。
【0035】
繰返し型コード情報エレメントがコードトップ部に適用されたカートリッジを図8に示す。図示するように、コードトップ部(14)の歯状突起(15)を使用して、一つ又は複数の繰り返し型コード情報エレメントを光学読み取り装置と位置合わせすることができる。
さらに多くの突起が存在する場合も、容器上の一つの突起、例えば一つの歯状突起を使用して、容器上に適用されたコード情報エレメントの位置合わせをすることができる。
同様に、多数の空隙が存在する場合も、一つの空隙を使用して容器上のコード情報エレメントの位置合わせを行うことができる。
【0036】
環状バンドに適用した繰り返し型コード情報エレメントを図9に示す。この環状バンドは容器に嵌めることができる。
図10に、一つの突起、例えばコードトップ部(14)の歯状突起(15)を示す。前図面で説明したように、この歯状突起を使用して、一つ又は複数の繰り返し型コード情報エレメントの位置合わせを行うことができる。図10に示す繰り返し型コード情報は、例えば図8又は図10に示すコードトップ部(14)の歯状突起(15)と位置合わせされ、よって容器表面上の任意の位置にあるコード情報エレメントと位置合わせされる。
同じように、図14に示すコードトップ部の空隙(16)を固定ポイントとして使用することができる。即ちこの空隙を使用して、例えば図8に示すコードトップ部(14)のコード情報エレメントの位置合わせを行うことができる。
【0037】
図11に、医療用注入デバイス(110)の内部に装着されたカートリッジを示す。本デバイス内に設けられた光学コード読み取り装置(111)は、コード情報エレメントの読み取りを可能にする。光学コード読み取り装置は、画像センサ、レンズ、開口部、及び接触面を備えている。カートリッジ上に存在する一つ又は複数の突起は、医療用注入デバイス内の接触面と嵌合する。デバイス内のバネは、医療用デバイスとカートリッジの接触面の接合を容易にする。これらの接触面により、コード情報エレメントと光学コード読み取り装置との、カートリッジ筒の軸方向及び放射方向における位置合わせが可能になる。更に、コード情報エレメントが一つ又は複数の突起と円周上で位置合わせされると、光学コード読み取り装置もコード情報エレメントと円周上で位置合わせされる。
例えば、カートリッジ上の一つ又は複数の空隙は、接触面、例えば医療用注入デバイス内の一つ又は複数の突起と嵌合することができる。これにより、コード情報エレメントは、医療用注入デバイスの一つ又は複数の突起と円周上で位置合わせされる。この結果、本実施形態の光学コード読み取り装置が、一つ又は複数のコード情報エレメントと位置合わせされる。
【0038】
別の構成として、カートリッジ上の一つ又は複数の突起が、接触面、例えば医療用注入デバイス内の一つ又は複数の空隙と嵌合する。これにより、コード情報エレメントと医療用注入デバイスの一つ又は複数の空隙が円周上で位置合わせされる。この結果、本実施形態の光学コード読み取り装置が、一つ又は複数のコード情報エレメントと位置合わせされる。
このように、どちらの場合も、光学コード読み取り装置は、容器上の何所にコード情報があるかを認識できる。
【0039】
例えば図8に示すカートリッジのようなカートリッジの円周の全長に亘ってコード情報エレメントが互いに平行に配置されているとき、本発明の例示的実施形態では、カートリッジを医療用注入デバイスに装着する際、カートリッジの位置合わせを行う空隙や突起はどちらも不要である。コード情報エレメントは読み取り装置と常に向き合った状態にあるので、光学コード読み取り装置(111)は、カートリッジの円周方向の回転と無関係に、一つ又は複数のコード情報エレメントを読み取ることができる。この結果、医療用注入デバイス内でのカートリッジの回転と関係なく、一つ又は複数のコード情報エレメントが、光学コード読み取り装置上に画像化される。
従って、このような場合、医療用注入デバイス内での容器の回転に関して特別な要件を必要としないという利点がある。
【0040】
このように、前記実施形態で使用される光学読み取り装置は、複数のコード情報エレメントに対応できるような、十分に広い機械視界を有している。
これに対応して、画像センサを光学部品と共に使用し、単独のコード情報エレメントと、隣接するコード情報エレメントの少なくとも一部を、光学読み取り装置上に表示することができる。
【0041】
図12は、光学コード読み取り装置の接触面がカートリッジの底部と接する構成の医療用注入デバイス(110)の別の実施形態である。本光学コード読み取り装置は、バネとして機能する弾力性のある梁を介してデバイスのシェルと接続し、バネにより光学コード読み取り装置が軸方向にカートリッジの底部に向かって押圧される。
図13には、カートリッジ上の突起(15)、並びにカートリッジと接触状態にあるデバイスシェルの一部を示す。軸方向の断面及び円周方向の断面をそれぞれ示す。
【0042】
図14は、カートリッジ上の空隙(16)、並びにカートリッジと接触状態にあるデバイスシェルの一部を示す。
図15はコード情報エレメント有するバンドの要件を示す。
【0043】
以下に、コード情報エレメントを有するバンドの形状を考察する。バンド形状は、カートリッジの円筒軸を中心とした回転と無関係に、少なくとも一つの完全なコード情報エレメントシンボルを画像化できるようなものでなければならない。また、少なくとも一つの完全なコード情報エレメントシンボルの画像化は、システム全体の公差を考慮した上で行わなければならない。重要な数量を次表に示す。数量LJT及びQZ2は図15に定義される。
【0044】
上記から、ラベルの接合公差(LJT)、分離領域(QZ1及びQZ2)、シンボル幅(SW)、及び描画対象幅(WOD)の間には、次のような関係が得られる。
LJT≦QZ1 (図15中参照)
WOD≧2*SW+QZ1+QZ2+LJT (図15の下参照)
カートリッジの円周長(C)は、シンボルの数(N)(=コード情報エレメントの数)と次のような関係を有している:
C=N*(SW+QZ1)+QZ2
シンボルの最大数(Nmax)は、LJTとQZ1の間の関係を用いて次のように求められる:
C≧Nmax*(SW+LJT)+QZ2
従って、
Nmax=(C−QZ2)÷(SW+LJT)
QZ1=(C−QZ2)/N−SW (WODの計算が可能)
【0045】
WODを最小にするためにNをNmaxに等しくするか、又はNを減らしてQZ1を増やし、ラベルの接合エラーのリスクを減少させることができる。描画対象の高さは、シンボルの高さ及びラベルのX方向の公差と、次のような相関を有する:
HOD≧SH+2*LXT
設計の例示的一実施形態を以下に示す:
SW=0.2*8mm=1.6mm
SH=0.2*18mm=3.6mm
C=35.03mm
LJT=QZ2=LXT=0.5mm
N=Nmax=(35.03−0.5)÷(1.6+0.5)=16
QZ1=(35.03−0.5)/16−1.6=0.56mm
WOD≧4.76mm
HOD≧(3.6+2*0.5)mm=4.6mm
本発明の例示的一実施形態において、容器の円周上に繰り返し並置されるコード情報エレメント間の間隔は、前述したように容器の直径の公差に依存する。これは、前記数式に示すようにして、所定の数及び並置された二つのコード情報エレメント間の所定の距離に従ってコード情報エレメントの数(N)を算出することが可能であることを意味する。所定の距離は、並置された二つのコード情報エレメントの間の各間隔に適用される。
【0046】
以下、光学読み取り装置が、周辺エレメントと共に、どのように動作するか、どのように画像をサンプリングするか、及びこれがラベルの設計にどのように関係するかについて説明する:
カートリッジから画像を取得するために、CMOSセンサの使用を選択することができる。CMOSセンサは、CCDセンサに比べ、小型で安価であり、消費電力が小さいという利点を有する。また、取扱いが簡単であり、クロックやADコンバータ等の外部コンポーネントを必要としない。
【0047】
カートリッジ上のラベルを白黒とすることで、使用する画像センサをカラー画像センサとする必要がない。
対象となる取得画像の領域は、データマトリックス(DM)のサイズの2倍に、2つのDM間の領域の2倍を加えたものである。基準はシンボル画素当たり最低2ピクセルであり、CMOSセンサは、水平方向に(2・8+4)・2ピクセル、垂直方向に(18+4)・2ピクセル、全部で40・44ピクセルを表現できなければならない。ピクセル数が多いほど多くの情報が画像中に存在し、CMOSセンサの市場はピクセル数の少ないCMOSセンサに集中している状況である。市場で入手可能な代表的CMOSセンサは、CCDセンサに比べて解像度が低く、ウェブカメラ、携帯電話、及び2Mピクセル未満の解像度の小型デジタルカメラ等に使用されている。入手可能な小型CMOSセンサの多くは、ピクセル640x320(VGA)、320x200、又はQCIF規格で160x128ピクセルの解像度を有し、これは、本明細書に開示する本発明に必要な性能をやや上回る。
画像センサは、ナショナルセミコンダクタ社のLM9630とすることができる。ピクセル数は101x128で、高い光感度を有し、最大フレームレート(Fps)は580フレーム/秒である。しかしながら、本応用分野においては、高いフレームレートも、高い光感度も必要でない。
【0048】
画像のサンプリング
再構築可能な画像を(一つ又は複数のコード情報エレメントから)獲得するためのサンプリング周期は、細部(finest detail)の周期の半分以下でなければならない。画像センサの解像度は、光学レンズを通る画像に含まれるサンプル数がピクセル当たり3を超える、つまりナイキスト基準を有するのに十分に高くなければならない。
本発明の一実施形態において使用するコード情報エレメントは、垂直方向に8シンボル、水平方向に18シンボルのデータマトリックスである(144シンボルピクセル)。この事は、使用する画像センサのレンズの倍率が、101/8、又は128/18、つまり約7倍でよいことを意味する。それ以外の場合、画像を再生できない、即ちサンプル不足となる危険がある。
【0049】
理論上、16x36を超えるピクセルを有していれば、DM画像は再生可能である。ピクセル数を2倍にすると、計算時間は増加するが、使用できるピクセルが増えるので、正確なDMシンボルを取得できる確率が高まる。
DMをデコードするためにはどのような処理が必要かを調べるため、獲得した画像の性質を分析する必要がある。
使用するレンズはカメラ室の内部に取付けられるが、手作業による糊付け作業中はレンズ位置を検証できないので、レンズの光軸が画像の中心部からずれる可能性がある。
【0050】
ラベルとラベル作製
コード情報エレメント、例えばDM(データマトリックス)は、ラベル上の白い領域に印刷される。好ましくは、DMは必ず白領域の中心部に置かれ、(最悪の条件下においても)DMの背景に白い帯状領域が存在するように、白領域は十分な広さを有しなければならない。
DMの一つのシンボルピクセルが、2−3個のピクセルによって表される場合、最高の鮮鋭度が得られる。このことは真実ではあるが、使用でできるピクセル数が多いほど、アルゴリズムは最良に機能すると考えられる。
【0051】
DMは、Robotic Vision Systems, Inc.の子会社であるRVSI Acuity CiMatrix社によって発明された2次元のマトリックス型コードであり、現在この権利はパブリックドメインに属している。DMは、高密度コードとして設計され、信頼性確保のため、データ冗長性を有するRS誤り訂正機能を採用している。DMシンボルは、数字のみで最大3116文字、英数字で2335文字を表現できる。DMの大きさは、1ミリ平方〜14インチ平方とすることができ、現実の制約は、マーキング装置の再現性と読み取り装置の光学特性に依存する。
DM(データマトリックス)及びその代替品以外に、複数の別の2次元コード又は記号体系が存在する。選択肢には、PDF417のようなスタック型コードや、マトリックス型コードがある。スタック型コードは、複数列の1次元バーコードであり、従って第一列、第二列という一つの方向性も有する。これに対し、マトリックス型コードは方向性を有しない。利用できるマトリックス型コードの一部として、Data Glyphs、Aztech Code、Code1、CP Code、MaxiCode、QR Code、Snowflakeコード及びUltaコードを挙げることができる。
【0052】
最も広く使用されている2次元コードは、画像化されたコードの大きさ、位置、及び方位角の測定が容易なインデシアである。このコードから情報を抽出するために、前述の数値が必要となることが多い。例えば、データマトリックスコードは、L字形を構成する二つの外縁線を有している。このL字形は、既知の機械視覚アルゴリズム、例えば傾斜ベース、又は閾値ベースのエッジファインダーアルゴリズムなどを用いて、簡単にその位置を探し出すことができる。従って、このL字形により前述の数値の測定が可能となる。
本発明によれば、例えばコヒーレントパターン及び/又は部分的コヒーレントパターンとして相互に分離したパターンを用いることにより、繰り返し型情報コードエレメントを種々の方法で容器上に適用することができる。
【0053】
非繰り返し情報などの追加情報を、本発明の繰り返し型コード情報エレメントと組み合わせて容器上に適用することができる。追加情報は、繰り返し型コード情報エレメントと統一性を有する。
更に、本発明によれば、いずれの繰り返し型コード情報エレメントも、第一の情報セットを含む第一のコード情報エレメントと、第二の情報セットを含む第二のコード情報エレメントを組み合せて構成することができる。この組み合わせの中から、所定のデータ変換アルゴリズムにより第一の情報セットを抽出することができる。データ変換アルゴリズムにより、例えば、第二の情報セット内の情報量を減らし、第一の情報セットと適合させることができる。これにより、第一情報セットは、どちらの場合もユーザ又は読み取りシステムによって認識可能となる。即ち、第一の情報セットは、前記第一のコード情報エレメント又は第二のコード情報エレメントを適用した結果得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】無ラベルのカートリッジ製品を示す。
【図2】カートリッジ上に適用された繰返し型コード情報エレメントを示す。
【図3】繰返し型コード情報エレメントを有するラベルを示す。
【図3A】繰返し型コード情報エレメントを有する別のラベルを示す。
【図4】軸方向及び円周方向に繰返されたコード情報エレメントを有するラベルを示す。
【図4A】軸方向及び円周方向に繰返されたコード情報エレメントを有する別のラベルを示す。
【図5】互いにずらして軸方向に配置されたコード情報エレメントを有するラベルを示す。
【図6】正方形の繰返し型コード情報エレメントを示す。
【図7】例示的なコード情報エレメントを示す。
【図8】繰返し型コード情報エレメントをコードトップ部に有するカートリッジを示す。
【図9】環状バンドに適用した繰返し型コード情報エレメントを示す。
【図10】コードトップ部の突起を示す。
【図11】薬剤注入デバイス内に装着されたカートリッジを示す。
【図12】別の薬剤注入デバイス内に装着されたカートリッジを示す。
【図13】カートリッジ上の突起を示す。
【図14】カートリッジ上の空隙を示す。
【図15】コード情報エレメントのバンドに対する要件を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学読み取り装置(111)を備えた薬剤注入デバイス(110)に使用される容器(10)であって、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを有するコード情報エレメントを含み、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを有する少なくとも二つのコード情報エレメント(20)を含むことを特徴とする容器。
【請求項2】
コード情報エレメントが容器上の少なくとも一つの突起(15)と位置合わせされることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
コード情報エレメントが容器上の少なくとも一つの空隙(16)と位置合わせされることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
コード情報エレメントが互いに並列であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
コード情報エレメントが容器の表面に適用されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
各コード情報エレメントの情報がレーザで刻まれていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
コード情報エレメントがラベル上に印刷されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記ラベルが別のラベルと統合されて、読み取り可能な情報を有することを特徴とする、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記別のラベルが透明であることを特徴とする、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記コード情報エレメントの各々がピクセルから構成されていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
前記コード情報エレメントの各々がデータマトリックスコードを含むことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
前記コード情報エレメントの各々が冗長性データを含むことを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の容器。
【請求項13】
前記情報セットが少なくとも薬剤の種類を表すことを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
前記情報セットが更に有効期限を表すことを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の容器。
【請求項15】
前記情報セットが更にバッチ番号を表すことを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の容器。
【請求項16】
前記情報セットが内容物の製造者を表す文字列を含むことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の容器。
【請求項17】
前記容器が1〜100個のコード情報エレメントを有することを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の容器。
【請求項18】
前記容器が2〜20個のコード情報エレメントを有することを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の容器。
【請求項19】
前記容器が3〜30個のコード情報エレメントを有することを特徴とする、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の容器。
【請求項20】
前記コード情報エレメント各々の情報保持エリアを表面処理することにより、前記情報セットの光学的読み取り性能を向上させたことを特徴とする、請求項1ないし19のいずれか1項に記載の容器。
【請求項21】
前記表面処理が、拡散型透明粒子を含む透明な印刷用インキの使用を含むことを特徴とする、請求項20に記載の容器。
【請求項22】
前記粒子各々の大きさが、各コード情報エレメントのピクセルの大きさの約1/5〜1/10であることを特徴とする、請求項21に記載の容器。
【請求項23】
前記容器がカートリッジであることを特徴とする、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の容器。
【請求項24】
前記ラベルが容器の周りに巻き付けられていることを特徴とする、請求項23に記載の容器。
【請求項25】
容器の外周に沿って繰返し並置されるコード情報エレメント間の間隔が、容器の直径の公差に依存することを特徴とする、請求項23又は24に記載の容器。
【請求項26】
並置されるコード情報エレメントが、容器の外周の全長に亘って繰返されることを特徴とする、請求項23ないし25のいずれか1項に記載の容器。
【請求項27】
容器がプランジャーを備え、前記コード情報エレメントが、貯蔵位置にあるプランジャーの真向かいに適用されることを特徴とする、請求項23ないし26のいずれか1項に記載の容器。
【請求項28】
コード情報エレメントの軸方向の位置が、貯蔵位置にプランジャーを有する容器の端部を基準として決められることを特徴とする、請求項23ないし27のいずれか1項に記載の容器。
【請求項29】
前記コード情報エレメントが、容器の外周上で複数回繰返されていることを特徴とする、請求項23ないし28のいずれか1項に記載の容器。
【請求項30】
前記コード情報エレメントが、容器に複数回繰返されることを特徴とする請求項23ないし28のいずれか1項に記載の容器。
【請求項31】
請求項1ないし30に記載のコード情報エレメントを適用する方法であって、前記コード情報エレメントを容器に嵌めるように作られた環状バンドに適用し、次いで前記環状帯の一部を容器に適用することを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項1ないし30に記載のコード情報エレメントを読み取る方法であって、二つ以上のコード情報エレメント(20)に対応するのに十分に広い視界を有する光学読み取り装置(111)を使用することを特徴とする方法。
【請求項33】
画像センサを付属光学部材と共に使用して、光学読み取り装置(111)上に、単一のコード情報エレメント(20)、及びこれに隣接するコード情報エレメント(20)の少なくとも一部を表示することを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
画像センサがCMOS型センサであることを特徴とする、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項1】
光学読み取り装置(111)を備えた薬剤注入デバイス(110)に使用される容器(10)であって、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを有するコード情報エレメントを含み、前記光学読み取り装置が読み取ることのできる情報セットを有する少なくとも二つのコード情報エレメント(20)を含むことを特徴とする容器。
【請求項2】
コード情報エレメントが容器上の少なくとも一つの突起(15)と位置合わせされることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
コード情報エレメントが容器上の少なくとも一つの空隙(16)と位置合わせされることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
コード情報エレメントが互いに並列であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
コード情報エレメントが容器の表面に適用されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
各コード情報エレメントの情報がレーザで刻まれていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
コード情報エレメントがラベル上に印刷されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記ラベルが別のラベルと統合されて、読み取り可能な情報を有することを特徴とする、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記別のラベルが透明であることを特徴とする、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記コード情報エレメントの各々がピクセルから構成されていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
前記コード情報エレメントの各々がデータマトリックスコードを含むことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
前記コード情報エレメントの各々が冗長性データを含むことを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の容器。
【請求項13】
前記情報セットが少なくとも薬剤の種類を表すことを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
前記情報セットが更に有効期限を表すことを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の容器。
【請求項15】
前記情報セットが更にバッチ番号を表すことを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の容器。
【請求項16】
前記情報セットが内容物の製造者を表す文字列を含むことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の容器。
【請求項17】
前記容器が1〜100個のコード情報エレメントを有することを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の容器。
【請求項18】
前記容器が2〜20個のコード情報エレメントを有することを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の容器。
【請求項19】
前記容器が3〜30個のコード情報エレメントを有することを特徴とする、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の容器。
【請求項20】
前記コード情報エレメント各々の情報保持エリアを表面処理することにより、前記情報セットの光学的読み取り性能を向上させたことを特徴とする、請求項1ないし19のいずれか1項に記載の容器。
【請求項21】
前記表面処理が、拡散型透明粒子を含む透明な印刷用インキの使用を含むことを特徴とする、請求項20に記載の容器。
【請求項22】
前記粒子各々の大きさが、各コード情報エレメントのピクセルの大きさの約1/5〜1/10であることを特徴とする、請求項21に記載の容器。
【請求項23】
前記容器がカートリッジであることを特徴とする、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の容器。
【請求項24】
前記ラベルが容器の周りに巻き付けられていることを特徴とする、請求項23に記載の容器。
【請求項25】
容器の外周に沿って繰返し並置されるコード情報エレメント間の間隔が、容器の直径の公差に依存することを特徴とする、請求項23又は24に記載の容器。
【請求項26】
並置されるコード情報エレメントが、容器の外周の全長に亘って繰返されることを特徴とする、請求項23ないし25のいずれか1項に記載の容器。
【請求項27】
容器がプランジャーを備え、前記コード情報エレメントが、貯蔵位置にあるプランジャーの真向かいに適用されることを特徴とする、請求項23ないし26のいずれか1項に記載の容器。
【請求項28】
コード情報エレメントの軸方向の位置が、貯蔵位置にプランジャーを有する容器の端部を基準として決められることを特徴とする、請求項23ないし27のいずれか1項に記載の容器。
【請求項29】
前記コード情報エレメントが、容器の外周上で複数回繰返されていることを特徴とする、請求項23ないし28のいずれか1項に記載の容器。
【請求項30】
前記コード情報エレメントが、容器に複数回繰返されることを特徴とする請求項23ないし28のいずれか1項に記載の容器。
【請求項31】
請求項1ないし30に記載のコード情報エレメントを適用する方法であって、前記コード情報エレメントを容器に嵌めるように作られた環状バンドに適用し、次いで前記環状帯の一部を容器に適用することを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項1ないし30に記載のコード情報エレメントを読み取る方法であって、二つ以上のコード情報エレメント(20)に対応するのに十分に広い視界を有する光学読み取り装置(111)を使用することを特徴とする方法。
【請求項33】
画像センサを付属光学部材と共に使用して、光学読み取り装置(111)上に、単一のコード情報エレメント(20)、及びこれに隣接するコード情報エレメント(20)の少なくとも一部を表示することを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
画像センサがCMOS型センサであることを特徴とする、請求項32又は33に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2007−507260(P2007−507260A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529647(P2006−529647)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000662
【国際公開番号】WO2005/032449
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000662
【国際公開番号】WO2005/032449
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【Fターム(参考)】
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