説明

コールバック方法を用いたコールセンターシステム

【課題】ユーザーがコールセンターへ電話をかけた際、コールセンターの全てのオペレーターが通話中の時に、通話状態のまま、待たされるという課題があった。この待っている間は、ユーザー側かコールセンターの企業側が電話料金を無駄に支払っているという課題があった。強いては、ユーザーは待たされている間、どれ位待てば良いのかわからないので、いらいらと不満が募り、サービスとしての顧客満足度を低下させてしまう課題があった。
【解決手段】本発明は、コールバック方式のコールセンターシステムを提供する。これにより、ユーザーがコールセンターへインターネットのWEB画面からコールバックの要請をし、この時コールセンターの全てのオペレーターが通話中であっても、ユーザーは通話せずとも、その待ち時間をWEB画面で把握でき、オペレーターには、ユーザーの待ち順により、コールバックする電話番号を開示し、オペレーターが電話をかける一連のシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンターに関し、より特定的には、インターネットを通じてWEB画面が参照可能な携帯電話やパソコンを使い、ユーザーのWEB画面からコールバック要請に対し、コールセンターのオペレーターは、ユーザーに電話をかけるシステムに関する。
前記、ユーザーとオペレーターの必要用件は、電話か携帯電話を持ち、かつインターネットを通じてWEB画面が参照できる環境を持っていることである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザーからの電話対応業務を行うサービスをコールセンターと呼び、広く知られている。一般的に、コールセンターには複数人のオペレーターが常駐しており、ユーザーが所定の電話番号に電話をかけると、その時に応対が空いているオペレーターに電話回線が接続される。オペレーターにつなぐ為の電話交換機やユーザーの管理などを、サーバーなどで構成されたシステムで実現している。広義には、コールセンターシステム、若しくはコンタクトセンターシステムと称されているが、本件では、コールセンターシステムと称する。
【0003】
コールセンターのオペレーターの電話回線が、全て応対中で電話が通話中の時に、他のユーザーがコールセンターに電話をかけると、オペレーターの応対が空くまで待たされることとなる。当然のことながら、待たされる時間、待ち時間が長いと、ユーザーの不満へとつながりサービスの低下を招いてしまう。一方、コールセンターに接続するまでの電話料金をユーザーが持つ場合は、前記待ち時間が無駄な通話時間となり、余計な電話料金が負担となる。逆に、フリーダイヤルなどを使って、コールセンターの企業側が電話料金を持つ場合は、ユーザーの待ち時間の分、企業側が余計な電話料金を負担することになってしまう。
【0004】
そこで、コールバック方式のコールセンターが考案されている。コールバックであれば、例え、オペレーターの応対待ちによるユーザーの待ち時間が長くとも、コールバックの要請の行為自体は短時間で済ませられるため、待っている間は電話の通話はしなくても良く、無駄な通話時間による電話料金の負担がなくなる。このコールバックの要請には、例えばIVRなどの自動音声応答で行う。
【0005】
コールバック方式の代表例として、特願2000−169034の「コールバック方法及びコールバックシステム」や、特願2005−42799の「コールセンターシステム及びコールバック装置」に開示されている。これらを用いれば、ユーザーの顧客満足度を向上させる手段として有効である。
【0006】
携帯電話が広く利用されるようになった。また、携帯電話には、電話による通話の他にも、インターネットを通じてWEBブラウジングが可能な携帯電話機種及びサービスが一般的となった。また、各携帯電話会社の努力により、同じ携帯電話会社の携帯電話機であれば、契約を結ぶことで、どんなに通話しても通話料金が一定料金となるサービスも出てきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特願2000−169034 公報
特願2005−42799 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ユーザーがコールセンターへ電話をかけた際、コールセンターの全てのオペレーターが通話中の時に、通話状態のまま、待たされるという課題があった。この待っている間は、ユーザー側かコールセンターの企業側が電話料金を無駄に支払っているという課題があった。強いては、ユーザーは待たされている間、どれ位待てば良いのかわからないので、いらいらと不満が募り、サービスとしての顧客満足度を低下させてしまう課題があった。
【0009】
本発明は、コールバック方式のコールセンターシステムを提供する。これにより、ユーザーがコールセンターへインターネットのWEB画面からコールバックの要請をし、この時コールセンターの全てのオペレーターが通話中であっても、ユーザーは通話せずとも、その待ち時間をWEB画面で把握でき、オペレーターには、ユーザーの待ち順により、コールバックする電話番号を開示し、オペレーターが電話をかける一連のシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明によるコールバック方法を用いたコールセンターシステムは、
WEBサーバーを中心に構成され、WEBサーバーはイントラネットと、外部と通信するインターネットによる接続で構成され、所定のWEB画面を表示する機能を持つ。
WEBサーバーには、ユーザーとオペレーターの情報を少なくとも持つデータベースとで構成されている。そして、オペレーターの状態を管理する機能を持つ。
【0011】
ユーザーがコールバックを要請するステップとしては、ユーザーは、ネットワークを介してWEB画面からサーバーにアクセスし、コールバックの要請を行うステップを行う。次に、サーバーはコールバックの待つ順番及び待つ予想時間をユーザーのWEB画面に表示するステップを行う。
【0012】
オペレーターがコールバックを要請する受けるステップとしては、前記ユーザーからのコールバック要請が入ると、サーバーは応対待ちのオペレーターを選択するステップを行い、次に、オペレーターにコールバックの要請があったことをWEB画面に表示するステップを行い、次にコールバックの要請をしたユーザーの情報をWEB画面に表示するステップを行う。
【0013】
オペレーターは、着席か退席かを、WEB画面から選択するステップを行い、次に、サーバーはオペレーターの着席及び退席情報を記録するステップを行う。この際、着席を選択した場合には、サーバーで定められたタイムアウト時間まで着席を維持するステップを行い、タイムアウト時間を過ぎた時には、着席中かを確認する為に、着席か退席かを、WEB画面から選択させるステップを行う。
【0014】
更にオペレーターの着席ステップの詳細を説明すると、オペレーターがWEB画面から着席を選択するステップを行い、次にサーバーにHTTP通信にて着席情報をサーバーに送信ステップを行い、次に、サーバーは定められたタイムアウト時間までレスポンス待ち状態とするステップを行う。この時のレスポンス待ち状態中に、オペレーターにコールバックの要請が入ったら、ただちにコールバック情報のレスポンスを返すステップを行う。
【0015】
ユーザーとオペレーターとの応対が終わったら、オペレーターのWEB画面に応対の終了状況を選択させるステップと、終了状況が選択されたら、サーバーは選択された応対の終了状況を記録すると共に、該オペレーターが応対待ちであることを記録するステップを行う。また、ユーザーのWEB画面には応対の終了状況を選択させるステップと、サーバーは選択された応対の終了状況を記録するステップとを行う。
【0016】
前記、ユーザー情報とオペレーター情報を記録したデータベース機能には、各々電話機のタイプが記録されており、ユーザーは、ネットワークを介して該サーバーにアクセスし、コールバックの要請を行った時、前記サーバーは、応対待ちのオペレーターを選択するステップの際には、コールバックの要請をしたユーザーの情報から、同じ電話機タイプの持つ応対待ちのオペレーターを選択するステップを行う。
【0017】
ユーザーのWEB画面で、コールバックの待つ順番及び待つ予想時間が、0になった時には、所定の音声を発生する、若しくはバイブレーションなどの動作を発生させるなどして、ユーザーに通知する機能を持つ。
【0018】
前記サーバーは、応対待ちのオペレーターを選択するステップで、オペレーターがコールバックの要請の通知を受け取る際には、所定の音声を発生する、若しくはバイブレーションなどの動作を発生させるなどして、ユーザーに通知する機能を持つ。
【0019】
オペレーターが持つ電話機のタイプと同じ電話機をユーザーに貸し出すことによって、コールセンターのサービス専用の電話機として貸し出した時には、タイプが同じ同時の電話機での通話の通話料金が無料若しくは一定額料金であるならば、その貸し出し料金及びサービス料金を一定額とすることを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステムのサービス方法を提供する。
【0020】
本発明を利用すれば、コールバックを待っている間は、通話しなくても良く、ユーザー側かコールセンターの企業側が電話料金を無駄に支払う必要はなく、ユーザーは、待たされている間、どれ位待てば良いのかがWEB画面で知ることができるので、サービスとしての顧客満足度を向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコールバック方法を用いたコールセンターシステムは、コールセンターと通話したいユーザーが、WEB画面からコールバックの要請を行い、ユーザーのWEB画面には待ち予想時間や待つ順番を表示することで、ユーザーが待っている時間中のいらいらと不満を解消し、更には待っている間は、無駄な通話の電話料金がかからない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の使用例を示す図
【図2】図2は、本発明のWEBサーバーのブロック図
【図3】図3は、本発明の実施例を示す、翻訳サービスのコールセンターのWEB画面の推移例
【図4】図4は、WEBサーバーのオペレーターの作業による実行ステップ
【図5】図5は、WEBサーバーのユーザーの作業による実行ステップ
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。
図1は、本発明の使用例を示す図である。図示の通り、コールセンターは、WEBサーバー1を中心に構成される。WEBサーバーは、イーサーネットなどのイントラネット4と、外部と通信するインターネット5による接続で構成される。WEBサーバーには、ユーザーとオペレーターの情報を少なくとも持つデータベース2とで構成されている。
【0024】
オペレーターは、パソコンと電話機3で応対するオペレーター10と、携帯電話6で応対するオペレーター11がいる。ユーザーは、携帯電話で応対するユーザー12と、パソコンと電話機8で応対するユーザー13とがある。ここで言うパソコンと携帯電話は、前提として、WEBの閲覧が可能な携帯電話とパソコンである。
【0025】
尚、ここでの構成は、可能性の全てを示すものであり、すべてのオペレーターが、パソコンと電話機を使っても良いし、逆に携帯電話であっても良い。また、全てのオペレーターがイントラネットの接続であっても良いし、逆にインターネットからの接続であっても良い。
【0026】
ユーザー12、13は、携帯電話7やパソコン8のインターネット接続5によるWEB画面から、コールセンターのWEBサーバー1にアクセスする。すると、サービス内容を示す所定の選択画面が表示され、所定の選択を行うと、コールバック要請中の画面が表示され、待ち状態となる。
【0027】
オペレーター10は、携帯電話6やパソコン3により、イントラネット4やインターネット接続5により、WEB画面を通し、WEBサーバー1に接続し、オペレーターとしての業務を開始することを示す。これを着席と称する。
【0028】
WEBサーバー1はコールバック要請中のユーザーがあれば、着席したオペレーターで、通話中ではないオペレーターに電文で通知する。オペレーターは電文を受け取ると、WEB画面に少なくともユーザーの電話番号が表示されるので、その電話番号に電話をかける。
【0029】
WEBサーバー1は、ユーザーやオペレーターを管理するデータベース2を内蔵したWEBサーバーである。図1では、1台のサーバーで構成されているが、ユーザー数が多い場合は、負荷分散で複数台のサーバーを配置しても良いし、セキュリティ対策のためデータベース機能を、個別のデータベースサーバーとして配置しても良い。
【0030】
ユーザーからのWEBアクセスは、インターネット5を通じてアクセスされる。携帯電話からのWEBアクセスも、インターネット5を通じてアクセスされる。一般的に携帯電話会社の特定の通信回線を通して、WEBサーバーに到達するが、今回の説明では便宜上省略する。一方、オペレーターは、コールセンター構内にいれば、WEBサーバーとイントラネット4で接続されたパソコン画面などから、コールバック要請の電文を受け取る。また、サテライト的なオペレーターであれば、携帯電話を通じて、オペレーターの業務を行うことができる。サテライト的なオペレーターは、インターネットで接続できれば、パソコンと電話機を使っていても同じくオペレーターの業務が可能である。
【0031】
図2は、本発明のWEBサーバーのブロック図を示している。
WEBサーバー19には、WEB画面を表示するHTTPサーバー20と、オペレーターデータベース21、ユーザーデータベース22とで構成される。WEBサーバーにアクセスがあると、HTTPサーバー20の、所定のスクリプトと呼ばれるプログラムが実行され、スクリプトはデータベースの情報を読み書きしながら、所定のプログラムステップを実行し、WEB画面の表示を構成する。また、HTTPサーバー20には、所定の認証の機能が備わっている。
【0032】
ユーザーとオペレーターは、イントラネット若しくはインターネット23に接続し、WEBサーバーにアクセスする。
図2の状態は、オペレーター1、オペレーター2と2人のオペレーターが、ユーザー1、ユーザー2からのコールバック要請に応対中である。ここで、新たに、ユーザー3が、WEB画面を通してコールバック要請の受付を行ったとすると、全てのオペレーターは応対中であるから、ユーザー3は、コールバック待ちの状態となり、この時のユーザー3のWEB画面は、待ち予想時間と待つ順番の表示がされる。
オペレーター1若しくはオペレーター2の何れかが、ユーザーとの応対を終えたら、WEBサーバーは、所定のオペレーターの割り振りロジックを持って、空いたオペレーターにユーザー3のコールバック要請を電文で伝える。
【0033】
図2で示されている各データベースのフィールド構成について説明する。オペレーターデータベースのオペレーターテーブルは、オペレーターID、電話機のタイプ、着席フラグ、応答フラグ、応答回数などのフィールドを持ち、オペレーターIDでユニークキーとした構成となる。ユーザーデータベースのユーザーテーブルは、ユーザーID、電話機のタイプ、ユーザー名、電話番号、サービス回数のフィールドを持ち、ユーザーIDでユニークキーとした構成となる。電話機のタイプは、携帯電話の契約している電話会社や、一般電話回線などを指し、この情報を使って、同じ契約同士で、オペレーターが応対できる様にする為のフィールドである。
尚、ここで示すデータベース構造は、一例であって、もっと詳細な情報をフィールドに持たせても構わない。
【0034】
図3は本発明の実施例を示す、翻訳サービスのコールセンターのWEB画面の推移例を図示したものである。この図では、ユーザー側とオペレーター側のWEB画面の推移を上から時間の経過を持って図示している。
オペレーターは、オペレーター業務を始めるにあたって、「着席をする」を選択して、業務開始を知らせるWEB画面36の操作を行う。尚、このWEB画面の前に、オペレーターの認証を行う。次にオペレーターの画面は、コールバック要請待ちの画面38となり、コールバック要請が来るか、所定のタイムアウトになるまで、同じ画面を表示し続ける。
【0035】
ユーザーは、所定のURLにアクセスするWEB画面操作30を行う。尚、このアクセスの際には、ユーザーの認証を行う。するとWEBサーバーにアクセスされ、翻訳サービスの選択画面31が表示される。翻訳サービスの選択画面31には、コールセンターの翻訳サービスを受けたい項目が選択ボタンとしてが表示される。翻訳サービスの場合は、翻訳したい言語を選択肢としている。ここで例えば、英語と選択をすれば、WEBサーバーにコールバックを要請し、待ち状態表示画面32に移行し、現在の予測待ち時間と待ち状況の順番が表示される。
【0036】
オペレーターは、前記ユーザーのコールバック要請を受け、コールバック要請待ちの画面38から、レスポンスである電文を受け取ることで、次の、コールバック要請表示画面39へと表示を移行する。コールバック要請表示画面39で、「受け取る」を選択すると、コールバック情報画面40を表示する。この画面は、電話をかける相手の名前と、電話番号が表示される。この画面で、更なる相手の情報をデータベースから索引して、表示させてもかまわない。この段階でWEBサーバーは、コールバックによる電話がけをするという意思表示として、WEBサーバーに通知される。この状態のオペレーターは、応対中と見なし、新たなコールバック要請が割り当てられない様にガードをかける。
【0037】
オペレーターは、コールバック情報画面40を見ながら、画面に表示している電話番号に電話をする。携帯電話の機種によっては、WEB画面から電話番号の文字列を選択することで、電話がかけられるものもある。
【0038】
通話中であろうタイミングで、ユーザー側とオペレーター側の双方のWEB画面には、アンケート画面35、42の表示がされる。本件のシステムでは、通話中かどうかを電気的に知る手段がない。よって、オペレーターのコールバック情報画面40の表示の後の、一定の時間後にアンケート画面42を表示する様にしている。また、ユーザー側のWEB画面も、オペレーターのコールバック情報画面40の表示の後の、一定の時間後にアンケート画面35を表示する。
【0039】
ユーザー側は、前記アンケート画面で選択をすれば、そこで終了を意味し、オペレーター側は、前記アンケート画面で選択をすれば、業務再開を知らせるWEB画面36の表示に戻る
【0040】
本件では、インタラクティブなウェブサイトを構築するのに広く利用されているFlash(フラッシュ)の技術を使った画面を展開している。他にも、JavaやJavaスクリプトなどといった技術でも良い。本件は、携帯電話やパソコンのWEB画面を表示するWEBブラウザなどの技術的要件として、前記のFlashなどのWEBプログラム動作が可能であることが必要である。
【0041】
次に図4を使ってWEBサーバーのオペレーターの作業による実行ステップを説明する。
オペレーターは、携帯電話やパソコンのWEB画面から、WEBサーバへアクセスし、オペレーターの認証のステップ50を行う。オペレーターの認証には、簡単にはIDとパスワードを入力して行うものでも良い。
【0042】
オペレーターは、まず、着席しているか、退席しているかを選択する、着席確認を選択するステップ51を行う。ここで、「退席をする」に選択すれば、オペレーターデータベースから着席フラグを解除登録する。一方、「着席する」に選択をすると、オペレーターデータベースから着席フラグをセット登録し、オペレーターは業務可能としてコールバック要請待ちとなる。コールバック要請待ちの場合は、オペレーター毎に作成されるスレッド53を生成する。スレッドとは、並列処理のことで、本件では、オペレーターの接続数、ユーザーの接続数毎にスレッドを生成し、並列処理を行う。
【0043】
WEBサーバーでは、常にコールバック要請受付ステップ63と、オペレーター割り振りロジックのステップ64を実行している。これは、イベントドリブンな動作で動いても良いし、2つの処理をループして、所定の変化があれば、ロジックを動作させるポーリング方式の動作でも良い。図4では、後者のポーリング方式を採用している。
コールバック要請受付ステップ63は、ユーザーからのコールバック要請を受け取るステップである。
オペレーター割り振りロジックのステップ64は、データベースからオペレーターの着席状況や、現在の応対状況、過去の応対数などを加味しながら、適切なコールバックの応対すべきオペレーターを選び出すロジックである。
【0044】
スレッド53の動作を説明する。コールバック要請待ち画面のステップ55の状態で、ステップ56では、タイムアウトかを判定するタイムアウト判定ステップ56を行う。タイムアウトは、例えば、30分など予め決めた時間にセットし、オペレーターが着席しているのかどうかを調べる為に用意されている。つまり、タイムアウトごとに、着席確認を選択するステップ61に移行し着席を続けるかを選択させ、オペレーターがさぼっていないかをチェックする為の防備機能でもある。
【0045】
このタイムアウトに関しては、HTTP通信にて、レスポンスを返す時間をタイムアウトの時間とすることで実現する。つまり、オペレーターのWEB画面上では、着席中の表示の後、サーバーにHTTP通信をすれば、次にタイムアウトしてレスポンスが帰る時間まで表示を続け、それは着席中であるということになる。これをレスポンス待ち状態と言う。
【0046】
次にコールバックの要請があるかをチェックするステップ57を行う。要請がなければ、ステップ54に戻り、コールバック要請待ち画面のステップ55を表示し続ける。
これが前述のHTTP通信のレスポンス待ち状態であれば、コールバック要請があった場合は、コールバック要請画面の表示58のレスポンスをただちに返すことで、これを実現する。
【0047】
オペレーター割り振りロジックのステップ64から、コールバック要請の電文が到着すると、コールバック要請画面の表示ステップ58に移行する。オペレーターはこの画面を見たら、コールバック要請を受け取るかキャンセルするかを選択する、コールバック応答選択ステップ59を行う。「キャンセル」を選択した場合は、ステップ54に戻り、オペレーター割り振りロジックのステップ64は、別なオペレーターを選ぶ。コールバック要請を「受け取る」を選択した場合、オペレーターデータベースに、応答フラグを立てる。この応答フラグが立っているオペレーターは、応対中と見なし、新たなコールバック要請が割り当てられない様にガードをかける。
【0048】
次に、自動的にアンケートを表示するステップ60に移行する。このステップは、少々ウェイトを置いた上で表示させても良い。このアンケートは、コールバックによるオペレーター業務を終えた際に、アンケートを選択し、WEBサーバーに業務終了を知らせる仕組みである。この時、オペレーターデータベースに、応答フラグを解除する。
次に着席を続けるかを選択する画面ステップ61で、着席をするを選択すれば、ステップ54に戻り、退席をするを選択すれば、オペレーター退席登録ステップ62に移行し、オペレーターデータベースに着席フラグを解除する。着席フラグが解除のオペレーターは、応対できないオペレーターとして、新たなコールバック要請が割り当てられない。
【0049】
次に図5を使ってWEBサーバーのユーザーの作業による実行ステップを説明する。
ユーザーは、携帯電話やパソコンのWEB画面から、WEBサーバへアクセスし、ユーザーの認証のステップ70を行う。オペレーターの認証には、簡単にはIDとパスワードを入力して行うものでも良い。
次にサービスの選択画面ステップ71に移行する。これはサービス毎に画面の表示内容は変わるが、前述の翻訳サービスの例では、翻訳を受けたい言語を選択することになっていた。これらを選択すると、WEBサーバーは、コールバックの要請登録ステップ72を行う。この登録で、コールバック要請受付ステップ63に通知することになる。
次にユーザーはコールバックを待つ段階に入る。WEBサーバーは、スレッド73を生成する。
【0050】
スレッド73の動作を説明する。現在の待つ順番、待ち予測時間の数値を、オペレーター割り振りロジックのステップ64より受け取り、それを使って所定の表示を行う、「順番待ち、予想待ち時間問い合わせ、表示」ステップ75を行う。オペレーター割り振りロジックのステップ64より、順番待ちの変化があり、所定のタイムアウトが発生したら(ステップ77)、表示更新ステップ78に移行する。ここで、オペレーターがコールバック要請を受けて、図4のコールバック応答ステップ58でコールバック要請を「受け取る」を選択した場合には、コールバック済みと判断し、アンケート表示ステップ80に移行する。まだ、待ち順番が0人でない場合は、自動的にステップ74に戻る。
【0051】
ステップ75及び、ステップ78の表示画面の更なる詳細な説明をする。ユーザーはコールバック要請をした時点で、全てのオペレーターが応対中で、コールバック待ち状態の場合は、WEB画面を通して、待つ順番と待ち時間の予測時間とを把握することができる。一人のオペレーターの通話が終了すると、待つ順番が1つ減り、待ち時間の予測時間も相似して減る。これをリアルタイムに表示し、待つ順番が0番になれば、近いうちにコールバックの電話がかかることを示す。
【0052】
尚、携帯電話からWEB画面を見ている場合は、待つ順番が0番になった時点で、一定のバイブレーション効果を与えても良い。また、携帯電話もしくはパソコンであるならば、予め設定しておいた音声で知らせても良い。
また、オペレーターも同様に、コールバックの要請の電文が届いた際には、所定の音声発生や、携帯電話ならば、一定のバイブレーション効果を持って通知することも可能である。
【0053】
前記図4と図5のアンケート画面は、このアンケートの送信を通じて、オペレーターの応対の終了の判断材料としている。本件のコールバック方法を用いたコールセンターシステムは、電話交換機の機能を持たないから、通話の始まりと終わりが判断できないから、少なくともオペレーターのアンケート通知により判断することとなる。また、このアンケートを通じて、ユーザーはオペレーターのサービス業務の評価を行い、オペレーターは業務遂行の評価を行うことも兼ねている。この評価をポイント制にして、オペレーターの働き具合の監視を行うことも兼ねることができる。
【0054】
ユーザーは、予めコールバックされる電話番号などを、WEBサーバーにユーザー登録し、会員ユーザーとして位置づける。また、WEBサーバーにアクセスする際に、所定の認証を行う。例えば、IDとパスワードを与えて、これを入力してアクセス可能とする。携帯電話であれば、WEBでアクセスする際には、固有の番号を取得できるので、予め登録した固有の番号の携帯電話かを認証手段に用いることもできる。
不特定のユーザーに対応する場合は、コールバックして欲しい電話番号を入力するステップが必要である。また、前記会員ユーザーであっても、コールバックして欲しい電話番号が、ユーザー登録時の番号でない時の為にも、コールバックして欲しい電話番号を入力するステップを用意しても構わない。
【0055】
ユーザーの会員登録時に、コールバックして欲しい電話番号の電話機が、携帯電話かどうかと、携帯電話ならば、どの電話会社の携帯電話かを予め登録しておけば、コールセンターのWEBサーバーは、電話機の違いによってオペレーターの割り振りを行い、オペレーターは、同じ電話会社の電話機の形態で電話をかけることができる。同じ電話会社での通話であれば、より通話料金が安くなる利点がある。
既に、図2のオペレーターとユーザーのデータベースのフィールドの説明にも、電話機のタイプとして説明している。
不特定のユーザーに対応する場合は、コールバックして欲しい電話番号を入力するステップの際に、電話機のタイプの選択も行うようにすれば、同じことができる。
【0056】
尚、携帯電話をユーザーに貸し出すという方法を使えば、本件のコールセンターのサービス専用の携帯電話機とできる。同じ電話会社の携帯電話同士なら、電話料金が一定料金というサービスを受けられる場合があり、この利点を活かせる。前記の使用例にもあった、翻訳サービスの例なら、日本に来た外国人に、翻訳サービス専用の携帯電話機として貸し出せば、外国人が言語に困った時に、翻訳者を呼び出すのに、本件のコールセンターが有用的であることは明白である。電話料金が一定料金なら、長い時間翻訳者であるオペレーターが応対しても、電話料金を気にする必要はなく、なおさら、本件の発明の目的に合致する。
【0057】
このように本発明を用いれば、コールセンターと通話したいユーザーが、WEB画面からコールバックの要請を行い、WEB画面には待ち時間や待る順番を表示することで、ユーザーが待っている時間中のいらいらと不満を解消し、更には待っている間は、無駄な通話の電話料金がかからない利点があるシステムを実現できる。
【符号の説明】
【0058】
1、19 WEBサーバー
2 データベース
3、8 パソコンと電話機
6、7 携帯電話
4 イントラネット
5 インターネット
7、8 ユーザー
10、11 オペレーター
21 オペレーターデータベース
22 ユーザーデータベース
23 イントラネット若しくはインターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークと接続されたサーバーと、オペレーターが電話による通話とネットワークによってサーバーとのアクセスを行う為の端末とで構成されたコールセンターシステムであって、
サーバーは、所定のWEB画面を表示する機能と、ユーザー情報とオペレーター情報を記録したデータベース機能と、オペレーターの状態を管理する機能を具備し、
ユーザーは、ネットワークを介してWEB画面から該サーバーにアクセスし、コールバックの要請を行うステップと、サーバーは、コールバックの待つ順番及び待つ予想時間をユーザーのWEB画面に表示するステップと、
サーバーは、応対待ちのオペレーターを選択するステップと、該オペレーターにコールバックの要請があったことをWEB画面に表示するステップと、コールバックの要請をしたユーザーの情報をWEB画面に表示するステップを
具備することを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステム。
【請求項2】
請求項1のコールバック方法を用いたコールセンターシステムであって、
該オペレーターは、着席か退席かを、WEB画面から選択するステップと、サーバーはオペレーターの着席及び退席情報を記録するステップを具備し、
着席を選択した場合には、サーバーで定められたタイムアウト時間まで着席を維持するステップと、タイムアウト時間を過ぎた時には、着席中かを確認する為に、着席か退席かを、WEB画面から選択させるステップを具備することを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステム。
【請求項3】
請求項2のコールバック方法を用いたコールセンターシステムであって、
該オペレーターの着席ステップは、オペレーターがWEB画面から着席を選択するステップと、サーバーにHTTP通信にて着席情報をサーバーに送信ステップと、サーバーは定められたタイムアウト時間までレスポンス待ち状態とするステップとし、レスポンス待ち状態中に、該オペレーターにコールバックの要請が入ったら、ただちにコールバック情報のレスポンスを返すステップとで構成されたことを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のコールバック方法を用いたコールセンターシステムであって、
該ユーザーと該オペレーターの応対が終わったら、該オペレーターのWEB画面に応対の終了状況を選択させるステップと、終了状況が選択されたら、サーバーは選択された応対の終了状況を記録すると共に、該オペレーターが応対待ちであることを記録するステップとを、
具備することを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステム。
【請求項5】
請求項4のコールバック方法を用いたコールセンターシステムであって、
前記、該ユーザーは該オペレーターとの応対が終わったら、該ユーザーのWEB画面に応対の終了状況を選択させるステップと、サーバーは選択された応対の終了状況を記録するステップとを、
具備することを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のコールバック方法を用いたコールセンターシステムであって、
前記、ユーザー情報とオペレーター情報を記録したデータベース機能には、各々電話機のタイプが記録されており、
ユーザーは、ネットワークを介して該サーバーにアクセスし、コールバックの要請を行った時、
前記サーバーは、応対待ちのオペレーターを選択するステップの際には、コールバックの要請をしたユーザーの情報から、同じ電話機タイプの持つ応対待ちのオペレーターを選択するステップを、
具備することを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のコールバック方法を用いたコールセンターシステムであって、
ユーザーは、ネットワークを介して該サーバーにアクセスし、コールバックの要請を行うステップと、サーバーは、コールバックの待つ順番及び待つ予想時間をWEB画面に表示するステップと、
待つ順番が0番に、若しくは待つ予想時間が0になった時には、所定の音声を発生する、若しくはバイブレーションなどの動作を発生させるなどして、ユーザーに通知する機能を、具備することを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のコールバック方法を用いたコールセンターシステムであって、
前記、サーバーは、応対待ちのオペレーターを選択するステップで、オペレーターがコールバックの要請の通知を受け取る際には、所定の音声を発生する、若しくはバイブレーションなどの動作を発生させるなどして、ユーザーに通知する機能を、
具備することを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のコールバック方法を用いたコールセンターシステムであって、
オペレーターが持つ電話機のタイプと同じ電話機をユーザーに貸し出すことによって、本発明のコールセンターのサービス専用の電話機として貸し出し、タイプが同じ同時の電話機での通話の通話料金が無料若しくは一定額料金であるならば、その貸し出し料金及びサービス料金を一定額とすることを特徴とするコールバック方法を用いたコールセンターシステムのサービス方法。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−97533(P2011−97533A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252333(P2009−252333)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
2.JAVA
【出願人】(506210211)株式会社ニューコム (17)
【出願人】(506155923)
【Fターム(参考)】