説明

ゴルフボール及びスポーツ用品に使用する組成物

【課題】ゴルフボール製造で使用する従来技術のアイオノマー樹脂と同等又はそれより向上した性質を有するが可塑性ではない新規な材料、並びに他の樹脂とより相容性であり、ゴルフボールに硬いフィールを与えず、又は脆く、破損しがちにせず、より軟らかいターポリマーアイオノマーの添加を必要としない新規な材料を提供すること。
【解決手段】3種の成分(A)、(B)及び(C)の反応生成物を含むブレンド組成物を提供する。成分(A)は、エチレン及び/又はαオレフィン、並びに1種又は複数のα,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸、スルホン酸又はリン酸を含むポリマーである。成分(B)は一般式(RN)−R’−(X(O)ORを有する化合物であり、成分(C)は成分(A)及び(B)に存在する酸性基の一部又はすべてを中和する能力を有する塩基性金属イオン塩である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ用品一般に適した組成物、より詳細にはゴルフボールの製造に使用するのに適した組成物に関する。一実施形態では、本発明の新規な組成物は、コア、カバー層、及び場合により1つ又は複数のインナーカバー層を含むゴルフボールの製造に使用する。1つの好ましい実施形態では、カバー層が本発明の新規な組成物を含むゴルフボールを開示する。別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの中間層が本発明の新規な組成物を含むゴルフボールを開示する。別の好ましい実施形態では、コアが本発明の新規な組成物を含むゴルフボールを開示する。
【背景技術】
【0002】
合成ポリマー化学のスポーツ用品分野への応用は、多くのスポーツにおいて運動選手の成績に急激な変化をもたらしている。これが特に当てはまるスポーツはゴルフであり、特にゴルフボールの性能の向上及び製造の容易さに関連する。例えば、初期のゴルフボールは湿潤した羽毛で満たしたレザーカバーからなる。これらの「羽毛の(feathery)」ゴルフボールは、次いで「ガッタパーチャ」、すなわち天然のゴム様材料製のワンピースゴルフボールに取って代わられた。1900年代初頭、ガッタパーチャカバーを有する、周りにゴム糸を堅く巻きつけた固体ゴムコアからなる糸巻きゴムボールが導入された。
【0003】
より現代的なゴルフボールは、ワンピース、ツーピース及びスリーピース(「糸巻」としても知られる)に分類することができる。ワンピースボールは、中にディンプルパターンを成形した均質な塊の材料から成形する。ワンピースボールは割安で非常に耐久性があるが、比較的高いスピン及び低速度のため、大きな距離が出ない。ツーピースボールは固体コアの周りにカバーを成形して作製する。これらは今日使用されているボールの最も普及しているタイプである。ツーピースボールは、耐久性があり、より長距離のボールを提供する硬い「カットプルーフ」カバーを通常有するが、スピン速度が低く、結果としてボールをコントロールする能力が低下したボールである。
【0004】
スリーピース又は糸巻きボールは糸巻きコアの周りにカバーを成形することによって作製する。コアは典型的にはゴム製であり、固体、半固体であり、又は液体のセンターを有することができる。糸巻きコアは、弾性材料の細い糸をセンターコアの周りに巻きつけることによって調製する。次いで糸巻きコアを耐久性のカバー材料で覆う。糸巻きボールは一般により柔軟であり、より多くのスピンを与えるので、結果としてボールのコントロールが増大するが、このようなボールはツーピースボールよりも飛距離が通常短い。これらのより複雑な構造の結果として、糸巻きボールの製造にはツーピースボールよりもより長い時間が必要であり、より高価である。
【0005】
ゴルフボールのカバーはバラタゴム製であることがあり、これはカバーの柔軟性が、特により短いアプローチショットにおいてボールの方向と距離をより正確にコントロールするのに十分なスピン速度の実現を可能にするので、好むプレイヤーがいる。しかし、バラタで覆われたボールはその他の被覆材料と比較して高価であり、且つ耐久性が低い。特に、バラタで覆われたボールは傷を受けやすく、これはボールの飛行特性を損なうことがある。さらに、バラタで覆われたボールは高スピンとソフトフィールを示すが、クラブフェースを離れるときのボールの速度が不十分なことが多く、これはボールの飛距離に悪影響を与える。この距離はボールの反発係数(「COR」)と直接関連する。
【0006】
反発係数を測定する1つの方法では、所定の速度でボールを硬くて大きい面に向かわせて、入る速度と出る速度を測定する。反発係数は、跳ね返るボールの出る速度と入る速度との比と定義され、少数で表す。結果として、反発係数は0から1まで変化し得る。1は弾性衝突と同義であり、0は非弾性衝突と同義である。
【0007】
ワンピースゴルフボールの反発係数はボールの組成の関数である。ツーピース又は多層ゴルフボールでは、反発係数はコア、カバー及び任意の追加の層の特性の関数である。ゴルフボールの反発係数値について全米ゴルフ協会(「USGA」)の制限はないが、USGAはゴルフボールが255フィート/秒の初期速度を超えられないことを要求している。結果として、ゴルフボール製造者は速度制限に違反することなくボールの反発係数を最大化することを一般に追求している。
【0008】
したがって、ゴルフボール構造の多様性は、バラタで覆われたボールに近いスピン速度とフィールを提供しようとする試みによって発達してきたが、一方ゴルフボールにより高い耐久性及び総体的な距離も与えてきた。その結果、固体ゴムコア、カバー及び1種又は複数のいわゆる中間層を有するボールが出現し、新しい材料がこれらの成分それぞれへ利用されてきた。
【0009】
最近のゴルフボールにしばしば利用されている材料は、E.I.DuPont de Nemours and Co.によって1960年代中頃に開発され、商品名SURLYN(登録商標)で販売されているアイオノマー樹脂のファミリーである。これらのアイオノマー樹脂は大いに、ゴルフボールカバーのストック材料としてのバラタに取って代わった。このようなアイオノマーの調製はよく知られており、例えば米国特許第3264272号を参照されたい(その内容全体を参照により本明細書に援用する)。一般的に、市販のアイオノマーは、モノオレフィン、例えばアルケンと、炭素原子3から12個を有する不飽和モノカルボン酸又はジカルボン酸とのポリマーからなる。モノカルボン酸又はジカルボン酸エステルの形態の別のモノマーも、いわゆる「軟化性コモノマー」として配合物に混合されてよい。
【0010】
次いで、混合されたカルボン酸基を塩基性金属イオン塩で中和してアイオノマーを形成する。中和に使用した塩基性金属イオン塩の金属カチオンにはLi、Na、K、Zn2+、Ca2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Pb2+及びMg2+があり、Li、Na、Ca2+、Zn2+及びMg2+が好ましい。塩基性金属イオン塩には、例えばギ酸、酢酸、硝酸及び炭酸の塩、炭酸水素塩、酸化物、水酸化物及びアルコキシドがある。
【0011】
最初に市販されたアイオノマー樹脂は最大16重量パーセントのアクリル酸又はメタクリル酸を含んでいたが、その当時、通例これらのカバー材料の硬度は酸の含有量を増大させることによって増大できることも知られていた。これにより、1989年1月に公表された調査開示29703でDuPontは15重量パーセントを超える酸含有量のエチレン/アクリル酸又はエチレン/メタクリル酸をベースとするアイオノマーを開示した。この同じ開示でDuPontはまた、このようないわゆる「高酸含量アイオノマー」は剛性及び硬度がかなり向上しており、したがって、単独又はその他のアイオノマーとのブレンドとして使用した場合に、ゴルフボール構造で好都合に使用できると教示している。
【0012】
より最近では、高酸含量アイオノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸単位が16重量%から約35重量%でポリマーに存在するアイオノマー樹脂として通常定義される。一般に、このような高酸含量アイオノマーは約50000psiから約125000psiの曲げモジュラスを有する。
【0013】
アイオノマー樹脂は、約10重量%から約50重量%でポリマーに通常存在する軟化性コモノマーをさらに含むことができる。このようなアイオノマーは約2000psiから約10000psiの曲げモジュラスを有し、「軟らかい」又は「非常に低モジュラスの」アイオノマーと呼ばれることがある。典型的な軟化性コモノマーとしては、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸メチル及びメタクリル酸メチルがある。
【0014】
今日、エチレンと(メタ)アクリル酸とのコポリマー又はエチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとのターポリマーの両方をベースとする様々な市販のアイオノマー樹脂がある。それらはすべて、それらの多くはゴルフボール成分として使用されている。これらのアイオノマー樹脂の性質は、酸の含有量、軟化性コモノマーの含有量、中和の程度及び中和に使用した金属イオンのタイプの変化によって大きく変わり得る。市販の完全な範囲には、一般式E/X/Y(Eはエチレンであり、Xはポリマーの0重量%から約50重量%の量で存在するアクリレート又はメタクリレートなどの軟化性コモノマーであり、Yはポリマーの約5重量%から約35重量%の量で存在するアクリル酸又はメタクリル酸であり、ここで酸部分は約1%から約90%中和されて、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、亜鉛若しくはアルミニウムなどのカチオン、又はこれらのカチオンの組合せとアイオノマーを形成する。
【0015】
この分野でのより最近の展開では、種々のタイプの高酸含量及び/又は高度に中和されたアイオノマーを単独及びブレンド組成物で利用して、ボールがスピンし、より短いアイアンショットでのいわゆるソフトフィールを有することの必要性と、高いCOR及びボール速度及びカバー耐久性というしばしば相容れないゴルフボールの性能要件を最適化することが試みられている。しかし、より多くの酸をアイオノマーに含めること及び/又はその中和度を増大させることにより、結果として材料の極性が増大し、したがって他の可能性のあるブレンド材料との相容性の低いものとなる。また、アイオノマーの酸含有量を増大させる一方でCORを増大させることは、ボールを過度に硬く脆くし、ショットフィール、コントロール(すなわち、ボールをスピンさせる能力)の損失を引き起こして、カバーを過度に脆くし、早く破損しやすくなる。最後に、より多くの酸をアイオノマーに含めること及び/又はその中和度を増大させることは通常、結果として溶融粘度を増大させ、これらの樹脂の加工性を大いに低下させる。より軟らかいターポリマーアイオノマーを高酸含量アイオノマー組成物に加えて硬度を調整し、ショットの「フィール」を向上させるこれらの効果を提供する試みは、COR、したがって距離が同時に損なわれるという結果になることが多い。
【0016】
さらに、種々の硬−軟アイオノマーブレンド、すなわち硬度及び/又は曲げモジュラスがかなり異なるアイオノマー樹脂の混合物が試みられてきた。例えば、米国特許第4884814号は種々の硬いメタクリル酸をベースとするアイオノマー樹脂を同量以上の1種又は複数の「軟らかい」アイオノマーメタクリル酸をベースとするアイオノマー樹脂(すなわち、ショアDのスケールで測定して約25から40の硬度を有するアイオノマー樹脂)とブレンドして、従来技術の硬いアイオノマーカバーよりも軟らかいだけでなく、プレーを繰り返しても十分な程度の耐久性を示す比較的低モジュラスのゴルフボールカバー組成物を生成することを開示している。これらの比較的低モジュラスのカバー組成物は一般に、約25から70%の硬いアイオノマー樹脂及び約30から75%の軟らかいアイオノマー樹脂からなる。
【0017】
また、米国特許第5324783号は比較的多量、例えば70〜90重量%の硬いアイオノマー樹脂と比較的少量、例えば10から約25〜30重量%の軟らかいアイオノマーとのブレンドを含むゴルフボールカバー組成物を開示している。これらの硬いアイオノマーは、炭素原子2から8個を有するオレフィンと炭素原子3から8個を有する不飽和モノカルボン酸とのコポリマーのナトリウム塩又は亜鉛塩である。軟らかいアイオノマーは、炭素原子2から8個を有するオレフィンと、メタクリル酸と、炭素原子1から21個を有するアクリル酸エステルクラスの不飽和モノマーとのターポリマーのナトリウム塩又は亜鉛塩である。
【0018】
ゴルフボールの性能を最適化するアイオノマー樹脂の性質の範囲をさらに広げるために、追加的な成分をアイオノマー樹脂に「改質剤」として加えた。例えば、米国特許第4104216号(Clampitt)は5〜50重量パーセントの長鎖(不)飽和脂肪酸で改質したアイオノマーを開示している。
【0019】
また、特願昭48/70757は、高レベル、特にアイオノマー100部当たり10から500部の低分子量飽和又は不飽和カルボン酸又は塩又は無水物で改質したアイオノマーを開示している。このカルボン酸は1から100個の炭化水素炭素鎖単位を有していてもよい。例えば、ステアリン酸、クエン酸、オレイン酸及びグルタミン酸及び/又は塩である。
【0020】
米国特許第5312857号及び同第5306760号は、アイオノマー樹脂と25〜100重量部の種々の脂肪酸塩(すなわち、金属ステアリン酸塩、金属オレイン酸塩、金属パルミチン酸塩、金属ペラルゴン酸塩、金属ラウリン酸塩など)との混合物を含むゴルフボール構造用のカバー組成物を開示している。
【0021】
米国特許第6100321号及び米国特許公開2003/0158312A1は、良好な弾性及び高い柔軟性を有するゴルフボールを製造するために金属ステアリン酸塩などの脂肪酸塩25から100重量部で改質したアイオノマー組成物を開示している。金属ステアリン酸塩を充填剤材料として使用した前述の特許とは異なり、これらの特許は比較的低レベルのステアリン酸部分、特にステアリン酸カルシウムを使用して、所定レベルの硬度又はPGA圧縮値に対して向上した弾性を生じるようにアイオノマーを改質することを開示している。ステアリン酸塩で改質したアイオノマーは、ゴルフボールのコア、センター、ワンピースボールとして、又は軟らかいゴルフボールカバーとして使用するために配合した場合に特に有用であると教示されている。
【0022】
それに続く特許出願は、そのように改質されたアイオノマーをゴルフボールカバーに使用することを進めている。例えば、米国特許第6329458号は、アイオノマー樹脂と金属「石鹸」、例えばステアリン酸カルシウムとを含むゴルフボールカバーを対象とする。最後に、米国特許第6616552号は、1つの層がアイオノマー樹脂と脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸カルシウムとの加熱混合物を含む、多層カバーを含むゴルフボールを開示している。
【0023】
脂肪酸及びそれらの金属塩を加えることによってアイオノマーを改質するのに加え、多くの特許は、ゴルフボールで使用するためではないが、中和されていないエチレン/カルボン酸ポリマーを改質することを記載している。例えば、米国特許3388186号及び同第3465059号は、繰返しのエチレン単位及び酸、エステル又は塩の基、特にアクリル酸エステルのカルボキシル基などの反応性部位を含有する主鎖にアミノ酸又はアミノラクタムをグラフトさせることにより生成した組成物を開示している。
【0024】
米国特許第3634543号は、カルボキシ含有コポリマー主鎖のポリカプロラクタムの有核グラフトポリマーを開示している。このグラフトポリマーは、オレフィンと不飽和カルボン酸とのコポリマーの存在下でカプロラクタムを重合することにより調製する。
【0025】
米国特許第4035438号は、ポリエチレンと、グラフト基材及びポリカプロラクタムのグラフトした重合単位としてのエチレン/アクリル酸コポリマー又はエチレン/メタクリル酸コポリマーのグラフトポリマーとの耐衝撃性混合物を開示している。
【0026】
最後に、米国特許第5130372号は、1)α−オレフィンと不飽和カルボン酸とのコポリマーと、2)少なくとも1種のアミノ酸化合物と、3)カチオン含有物質との低分子量反応生成物のアイオノマー塩を開示している。不飽和カルボン酸は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸であることが好ましい。アイオノマーは、他のポリマー、特にポリアミドとの相容性が優れている。このアイオノマーは顔料から水を除く方法において有用であると記載された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかし、ゴルフボール製造で使用する従来技術のアイオノマー樹脂と同等又はそれより向上した性質を有するが、低モジュラス及び剛性という意味で可塑性ではない新規な材料が依然求められている。他の樹脂とより相容性であり、またゴルフボールに硬いフィールを与えず、又は脆く、破損しがちにせず、CORの損失を引き起こし得るより軟らかいターポリマーアイオノマーの添加を必要としない新規な材料も依然求められている。また、そのような新規な材料が増大したCOR及びモジュラスを示し、溶融粘度が低く依然容易に加工できるならば極めて好都合であろう。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、3種の成分(A)、(B)及び(C)の反応生成物を含むブレンド組成物で具体化される。成分(A)は、エチレン及び/又はαオレフィン、並びに1種又は複数のα,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸、スルホン酸又はリン酸を含むポリマーである。成分(B)は一般式(RN)−R’−(X(O)ORを有する化合物であり、式中、Rは、水素、1種又は複数のC〜C20脂肪族系、1種又は複数の脂環式系、1種又は複数の芳香族系、又はそれらの組合せである。また、R’は、1個又は複数の置換されていないC〜C20直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは1個又は複数の置換された直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは1個又は複数の芳香族基、或いは1個又は複数のオリゴマー(最大12個の繰返し単位をそれぞれ含有する)を含む架橋基であり、XがC又はS又はPの場合、mは1〜3である。また、X=Cの場合、n=1且つy=1であり、X=Sの場合、n=2且つy=1であり、X=Pの場合、n=2且つy=2である。最後に、成分(C)はブレンド成分(A)及び(B)に存在する酸性基の一部又はすべてを中和する能力を有する塩基性金属イオン塩である。
【0029】
より具体的には、成分(A)は、エチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸コポリマー又はエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸エステルターポリマーである。成分(B)は、約0.1から約40phrの量で存在し、成分(C)は、Li、Na、K、Zn2+、Ca2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Pb2+及びMg2+からなる群から選択されるカチオンを有する塩基性金属イオン塩である。
【0030】
さらにより具体的には、成分(A)は、単峰性エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー又はエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートターポリマー;或いは双峰性ポリマーブレンド組成物である。この双峰性ポリマーブレンドは、高分子量成分(約80,000から約500,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)を含む。双峰性ポリマーブレンドはまた、低分子量成分(約2,000から約30,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)を含む。また、成分(B)は、約1から約20phrの量で存在し、アミノ酸、ポリペプチド、カルバミン酸、オキサミン酸、アントラニル酸及びそれらの組合せからなる群から選択される。最後に、成分(C)は、Li、Na、K、Zn2+、Mg2+及びそれらの組合せからなる群から選択されるカチオンを有する塩基性金属イオン塩である。
【0031】
本発明のより詳細な特徴では、成分(A)は、単峰性エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー又はエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートターポリマーである。また、成分(B)は、約1から約15phrの量で存在し、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、ε−カプロラクタム、ω−カプロラクタム又はそれらの組合せである。最後に、成分(C)は、金属ギ酸塩、金属酢酸塩、金属硝酸塩、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属アルコキシド又はそれらの組合せである。
【0032】
本発明のさらなる特徴では、ブレンド組成物は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドエラストマー樹脂、ポリアミドアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、熱可塑性コポリエーテルエステルブロックコポリマー、熱可塑性コポリエステルエステルブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、共重合性アイオノマー、三元重合性アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、ポリアミドアイオノマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、共重合性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリスチレン、ジアリルフタレートポリマー、メタロセン触媒ポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン改質SAN及びアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、機能性スチレンコポリマー、機能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、ポリシロキサン及びそれらの組合せからなる群から選択される追加のポリマーをさらに含む。
【0033】
本発明はまた、1種又は複数のアイオノマーと、一般式(RN)−R’−(X(O)ORを有する化合物である成分(B)との反応生成物を含むブレンド組成物で具体化される。式中、Rは、水素、1種又は複数のC〜C20脂肪族系、1種又は複数の脂環式系、1種又は複数の芳香族系、又はそれらの組合せである。また、R’は、1個又は複数の置換されていないC〜C20直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは1個又は複数の置換された直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは1個又は複数の芳香族基、或いは1個又は複数のオリゴマー(最大12個の繰返し単位をそれぞれ含有する)を含む架橋基であり、XがC又はS又はPの場合、mは1〜3である。また、X=Cの場合、n=1且つy=1であり、X=Sの場合、n=2且つy=1であり、X=Pの場合、n=2且つy=2である。
【0034】
より具体的には、1種又は複数のアイオノマーは、1)E/X/Yポリマーを含む単峰性アイオノマー(Eはエチレンであり、XはCからCのα,βエチレン性不飽和カルボン酸であり、Yはアクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルからなる群から選択される軟化性コモノマーであり、ここでアルキル基は炭素原子1〜8個を有し、XはE/X/Yコポリマーの約2から約30重量%の範囲にあり、YはE/X/Yコポリマーの0から約35重量%の範囲にあり、前記アイオノマーポリマーに存在する酸性基は、亜鉛、ナトリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属で部分的に中和されている);又は(2)高分子量成分(約80,000から約500,000の範囲の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)及び低分子量成分(約2,000から約30,000の範囲の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)を含む双峰性アイオノマー;又は(3)エチレン、5から25重量パーセントの(メタ)アクリル酸(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)、0から40重量パーセントのCからC−アクリル酸アルキル(前記改質アイオノマーの総重量に対して)、及び(前記改質アイオノマーの総重量に対して)約5から約40重量パーセントの脂肪酸又は脂肪酸の1種又は複数の金属塩を含む改質単峰性アイオノマー;又は(4)高分子量成分(約80,000から約500,000の範囲の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)、及び低分子量成分(約2,000から約30,000の範囲の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)、及び(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)約5から約40重量パーセントの脂肪酸又は脂肪酸の1種又は複数の金属塩を含む改質双峰性アイオノマー;並びにそれらの組合せから選択される。成分(B)は、約1から約20phrの量で存在し、アミノ酸、ポリペプチド、カルバミン酸、オキサミン酸、アントラニル酸及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0035】
さらにより具体的には、1種又は複数のアイオノマーは、単峰性エチレン/(メタクリル酸)コポリマー又はエチレン/メタクリル酸/(メタ)アクリル酸エステルターポリマーであり、成分(B)は、約1から約15phrの量で存在し、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、ε−カプロラクタム、ω−カプロラクタム及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0036】
本発明のさらなる特徴では、このブレンド組成物は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドエラストマー樹脂、ポリアミドアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、熱可塑性コポリエーテルエステルブロックコポリマー、熱可塑性コポリエステルエステルブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、共重合性アイオノマー、三元重合性アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、ポリアミドアイオノマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、共重合性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリスチレン、ジアリルフタレートポリマー、メタロセン触媒ポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン改質SAN及びアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、機能性スチレンコポリマー、機能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、ポリシロキサン及びそれらの組合せからなる群から選択される追加のポリマーをさらに含む。
【0037】
本発明はまた、コア;及びアウターカバー層;及び0から5つの中間層を含むゴルフボールで具体化される。ここで、前記コア、アウターカバー及び/又は存在する場合、中間層のうちの1つ又は複数は、3つの成分(A)、(B)及び(C)の反応生成物を含むブレンド組成物を含む。成分(A)は、エチレン及び/又はαオレフィン、並びに1種又は複数のα,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸、スルホン酸又はリン酸を含むポリマーである。成分(B)は、一般式(RN)−R’−(X(O)ORを有する化合物であり、式中、Rは、水素、1種又は複数のC〜C20脂肪族系、1種又は複数の脂環式系、1種又は複数の芳香族系、又はそれらの組合せである。また、R’は、1個又は複数の置換されていないC〜C20直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは1個又は複数の置換された直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは1個又は複数の芳香族基、或いは1個又は複数のオリゴマー(最大12個の繰返し単位をそれぞれ含有する)を含む架橋基であり、XがC又はS又はPの場合、mは1〜3である。また、X=Cの場合、n=1且つy=1であり、X=Sの場合、n=2且つy=1であり、X=Pの場合、n=2且つy=2である。最後に、成分(C)は、ブレンド成分A及びBに存在する酸性基の一部又はすべてを中和する能力を有する塩基性金属イオン塩である。
【0038】
より具体的には、ゴルフボールは0から3つの中間層を含む。また、成分(A)は、エチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸コポリマー又はエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸エステルターポリマーである。成分(B)は、アミノ酸、ポリペプチド、カルバミン酸、オキサミン酸、アントラニル酸及びそれらの任意の及びすべての混合物からなる群から選択される。成分(C)は、Li、Na、K、Zn2+、Ca2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Pb2+及びMg2+からなる群から選択されるカチオンを有する塩基性金属イオン塩である。
【0039】
さらにより具体的には、ゴルフボールは1から約3つの中間層を含む。また、成分(A)は、1)単峰性エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー又はエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートターポリマー;或いは2)高分子量成分(約80,000から約500,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);並びに低分子量成分(約2,000から約30,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)を含む双峰性ポリマーである。成分(B)は、アミノ酸、ポリペプチド、カルバミン酸、オキサミン酸、アントラニル酸及びそれらの任意の及びすべての混合物からなる群から選択される。成分(C)は、Li、Na、K、Zn2+、Ca2+及びMg2+からなる群から選択されるカチオンを有する塩基性金属イオン塩である。
【0040】
本発明の別のさらに詳細な特徴では、ゴルフボールは、1つの中間層を有し;成分(A)は、単峰性エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー又はエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートターポリマーである。また、成分(B)は、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、ε−カプロラクタム、ω−カプロラクタム及びそれらの組合せからなる群から選択され;塩基性金属イオン塩、成分(C)は、金属ギ酸塩、金属酢酸塩、金属硝酸塩、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属アルコキシド及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0041】
本発明のさらに別のさらに詳細な特徴では、ゴルフボールのコア、アウターカバー及び/又は中間層(存在する場合)のうちの1つ又は複数は、1)エチレン、5から25重量パーセントの(メタ)アクリル酸、0から40重量パーセントのCからC−アクリル酸アルキル、及び(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)約5から約45重量パーセントの脂肪酸又は前記脂肪酸の1種又は複数の金属塩を含むブレンド組成物;或いは2)高分子量成分(約80,000から約500,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);並びに低分子量成分(約2,000から約30,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)を含む双峰性ポリマーブレンド組成物、このブレンドは(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)約5から約45重量パーセントの脂肪酸又は前記脂肪酸の1種又は複数の金属塩で中和されている;或いは3)1)と2)の組合せを含む改質アイオノマーポリマーを含む。前記改質アイオノマーポリマーに存在する酸性基の約40から100パーセントは、亜鉛、ナトリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムイオン又はそれらの任意の及びすべての組合せで中和されている。
【0042】
本発明のさらに別のさらに詳細な特徴では、ゴルフボールのコアは、少なくとも1種の不飽和ポリマー;少なくとも1種の架橋剤;少なくとも1種の共架橋剤;場合により少なくとも1種のペプタイザー;場合により少なくとも1種の硬化促進剤;及び場合により少なくとも1種の充填剤をさらに含む。
【0043】
さらに、不飽和ポリマーは、約20から約80のムーニー粘度(ML1+4(100℃))を有し、1,2−ポリブタジエン、シス−1,4−ポリブタジエン、トランス−1,4−ポリブタジエン、シス−ポリイソプレン、トランス−ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリブチレン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、部分的及び完全に水素化した等価物、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、部分的及び完全に水素化した等価物、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される。また、架橋剤は、不飽和ポリマー100重量部当たり約0.05から約5重量部の量で存在する。ペプタイザーは、(存在する場合)、有機イオウ化合物、有機イオウ化合物の金属塩、有機イオウ化合物の非金属塩、それらの組合せを含む。硬化促進剤(存在する場合)は、不飽和ポリマー100重量部当たり約0.1から約10重量部の量で存在する。充填剤は、(存在する場合)沈降水和シリカ、石灰岩、クレー、タルク、アスベスト、バライト、グラスファイバー、アラミドファイバー、雲母、メタケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リトポン、シリケート、炭化ケイ素、ケイ藻土、炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウム又は炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム又は硫酸マグネシウム又は硫酸バリウムなどの硫酸塩、タングステン、鋼、銅、コバルト又は鉄を包含する金属、金属合金、炭化タングステン、金属酸化物、金属ステアリン酸塩、及びその他の微粒子炭素質材料並びにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0044】
さらに、不飽和ポリマーはシス−1,4−ポリブタジエンであり、約30から約60のムーニー粘度(ML1+4(100℃))を有する。架橋剤は、不飽和ポリマー100重量部当たり約0.2から約3重量部の量で存在する。ペプタイザー(存在する場合)は、不飽和ポリマー100重量部当たり約0.01から約10重量部の量で存在し、有機イオウ化合物、有機イオウ化合物の金属塩、有機イオウ化合物の非金属塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される。硬化促進剤は、(存在する場合)、不飽和ポリマー100重量部当たり約0.2から約5重量部の量で存在する。
【0045】
さらに、不飽和ポリマーはシス−1,4−ポリブタジエンであり、約35から約50のムーニー粘度(ML1+4(100℃))を有する。架橋剤は、不飽和ポリマー100重量部当たり約0.2から約2重量部の量で存在する。ペプタイザー(存在する場合)は、不飽和ポリマー成分100重量部当たり約0.1から約7重量部の量で存在し;ペンタクロロチオフェノール、ジベンズアミドジフェニルジスルフィド、ペンタクロロチオフェノールの金属塩、一般式[NR(R、R、R及びRは、水素、C〜C20脂肪族系、脂環式系又は芳香族系及びそれらの組合せのいずれかである)を有するアンモニウムカチオンを有するペンタクロロチオフェノールのアンモニウム塩からなる群から選択される。硬化促進剤は、(存在する場合)、不飽和ポリマー100重量部当たり約0.5から約1.5重量部の量で存在し、2−メルカプトベンゾチアゾール及び2−メルカプトベンゾチアゾールの塩からなる群から選択される。
【0046】
さらに、ペプタイザー(存在する場合)は、ペンタクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタクロロチオフェノールのNH塩及びそれらの組合せからなる群から選択され、不飽和ポリマー成分100重量部当たり約0.15から約5重量部の量で存在する。
【0047】
本発明の別のさらに詳細な特徴では、ゴルフボールのコアは、少なくとも1種の架橋剤(0.1時間に等しいt1/2で150℃未満の第1の特徴的な分解温度を有する);及び少なくとも1種の架橋剤(0.1時間に等しいt1/2で150℃を超える第2の特徴的な分解温度を有する)を含む。
【0048】
さらに、第1の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤と第2の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤との組成重量比は、5:95から95:5の範囲にある。
【0049】
さらに、第1の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤と第2の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤との組成重量比は、10:90から50:50の範囲にある。
【0050】
本発明の別のさらに詳細な特徴では、ゴルフボールは、飛来速度125フィート/秒でCORが約0.790を超える。
【0051】
本発明のさらに別のさらに詳細な特徴では、ゴルフボールのコア、アウターカバー及び/又は0から5つの中間層(存在する場合)のうちの1つ又は複数は、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、共重合性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリスチレン、ジアリルフタレートポリマー、メタロセン触媒ポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン改質SAN及びアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、機能性スチレンコポリマー、機能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、ポリシロキサン及び任意のそれらの組合せからなる群から選択されるポリマーをさらに含む。
【0052】
本発明のさらに別のさらに詳細な特徴では、ゴルフボールのコアは、センター及び前記センターの周りに配置した1つ又は複数の層を含み、ある層とその隣の層との間の硬度差がショアDで2単位を超え、好ましくは5単位を超え、最も好ましくは10単位を超える。
【0053】
さらに、種々のコア成分の硬度は、コアからアウターコア層へ外側に増大するか、コアからアウターコア層へ外側に減少する。
【0054】
本発明はまた、上記のブレンド組成物を含むスポーツ用品の品目で具体化される。その品目は、スポーツ用衣類、長靴、スニーカー、クロッグ、サンダル、スリッポンサンダル及び靴、ゴルフシューズ、テニスシューズ、ランニングシューズ、運動靴、ハイキングシューズ、スキー板、スキーマスク、スキー靴、サイクリングシューズ、サッカーシューズ、ゴルフクラブ及びゴルフバッグを包含することができる。
【0055】
本発明の他の特徴及び利点は、例として本発明の原則を説明する添付の図面と合わせて、好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるはずである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本明細書で挙げた任意の数値は低い値から高い値まですべての値を1単位ずつ含むが、任意の低い値と任意の高い値との間は少なくとも2単位離れている。例として、成分の量又はプロセス変量の値が1から90、好ましくは20から80、より好ましくは30から70であると記載されている場合、15から85、22から68、43から51、30から32などの値が本明細書で明確に挙げられていることを意図する。1単位未満の差を有する値は、適宜、1単位を0.1、0.01、0.001又は0.0001と考える。したがって、本明細書で挙げた最低値と最高値との間の数値の可能なすべての組合せは本出願で明確に記載されていると言える。
【0057】
用語「(メタ)アクリル酸コポリマー」は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸のコポリマーを意味することを意図する。
【0058】
用語「(メタ)アクリレート」は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸のエステルを意味することを意図する。
【0059】
用語「部分的に中和されている」は、中和度が100%未満のアイオノマーを意味することを意図する。
【0060】
用語「ヒドロカルビル」は、任意の脂肪族、脂環式、芳香族、アリール置換脂肪族、アリール置換脂環式、脂肪族置換芳香族、又は脂環式置換芳香族基を意味することを意図する。脂肪族又は脂環式基は好ましくは飽和である。同様に、用語「ヒドロカルビルオキシ」は、それと、それが付いている炭素原子との間に酸素結合を有するヒドロカルビル基を意味する。
【0061】
本明細書で使用する用語「コア」は、ゴルフボールの弾性のセンターを意味することを意図する。このコアは、ジエンゴムなどのゴム状材料で通常できている弾性材料の1つ又は複数の層を有していてもよい。
【0062】
用語「カバー層」は、ゴルフボールの最外部の層を意味することを意図する。これは、ゴルフボールの表面の塗料及び/又はインクと直接接触する層である。カバーが2つ以上の層からなる場合は、最外部の層のみがカバー層と呼ばれ、残りの層(最外部の層を除く)は本明細書で定義した通りの一般に呼ばれる中間層である。本明細書で使用する用語、アウターカバー層は、用語「カバー層」と同義的に使用する。
【0063】
用語「中間層」は、本明細書で用語「マントル層」又は「インナーカバー層」と同義的に使用することができ、コアとアウターカバー層との間に配置されたゴルフボールの任意の層を意味することを意図する。本明細書定義の中間層の厚さ及び硬度の最適化に関しては、複数のインナー層がある場合、インナー層すべてを合わせた厚さ及び硬度を指す。
【0064】
用語「両性イオン」は、アミン基とカルボン酸基の両方を有する化合物の形態、成分(B)を意味することを意図する。これは両方が帯電しており、化合物の正味荷電は中性である。
【0065】
用語「双峰性ポリマー」は、2つの主要画分を含むポリマー、より具体的にはポリマーの分子量分布曲線の形態、すなわちその分子量の関数としてのポリマーの重量分率のグラフの外観を指す。これらの画分からの分子量分布曲線を総体的な得られるポリマー生成物の分子量分布曲線に重ね合わせる場合、その曲線は2つの最大値を示すか、個々の画分の曲線と比較して少なくとも明らかに広がっている。このようなポリマー生成物は双峰性と呼ばれる。ここで、その2つの画分の化学組成が異なることにも留意されたい。
【0066】
同様に、用語「単峰性ポリマー」は、1つの主要画分を含むポリマー、より具体的にはポリマーの分子量分布曲線の形態を指す。すなわち総体的なポリマー生成物の分子量分布曲線は最大値を1つだけ示す。
【0067】
用語「スポーツ用品」は、スポーツ用衣類、長靴、スニーカー、クロッグ、サンダル、スリッポンサンダル及び靴、ゴルフシューズ、テニスシューズ、ランニングシューズ、運動靴、ハイキングシューズ、スキー板、スキーマスク、スキー靴、サイクリングシューズ、サッカーシューズ、ゴルフクラブ及びゴルフバッグなどのスポーツ用品の任意の品目を指す。
【0068】
本発明は任意の所望のサイズのゴルフボールを形成するのに使用することができる。USGAの「ゴルフ規則」は、競技用ゴルフボールのサイズは直径が少なくとも1.680インチなければならないが、娯楽のゴルフプレーでは任意のサイズのゴルフボールを使用することができると定めている。ゴルフボールの好ましい直径は約1.680インチから約1.800インチである。より好ましい直径は、約1.680インチから約1.760インチである。約1.680インチから約1.740インチの直径が最も好ましいが、1.70から約2.0インチの範囲の直径ならば使用することができる。約1.760インチを超え2.75インチもの直径の特大のゴルフボールも本発明の範囲にある。
【0069】
本発明は、スポーツ用品全般での使用、特にゴルフボール製造での使用に適した新規なブレンド組成物に関する。この組成物は、(A)エチレン及び/又は1種又は複数のαオレフィン及び酸、エステル又は無水物のポリマー(「成分(A)」);並びに(B)中性、イオン性又は両性イオン性形態のいずれかで存在することができる同じ分子中にアミン基及びカルボン酸基の両方を含む化合物(「成分(B)」;並びに(C)成分(A)及び/又は成分(B)の酸性基を中和することができる塩基性金属イオン塩の反応生成物である。Li、Na、K、Zn2+、Ca2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Pb2+及びMg2+(Li、Na、Zn2+、Ca2+及びMg2+が好ましい)を含む金属イオン及びそれらの塩は、例えばギ酸、酢酸、硝酸、硫酸、炭酸、炭酸水素酸の塩、並びに金属酸化物、金属水酸化物及び金属アルコキシドを含む(「成分(C)」)。
【0070】
ブレンド成分(A)
ブレンド成分(A)は、i)エチレン及び/又はαオレフィン、並びにii)α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸若しくは無水物、又はα,β−エチレン性不飽和C〜C20スルホン酸若しくは無水物、又はα,β−エチレン性不飽和C〜C20リン酸若しくは無水物、並びに場合によりiii)α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸のC〜C10エステル、又はα,β−エチレン性不飽和C〜C20スルホン酸のC〜C10エステル、又はα,β−エチレン性不飽和C〜C20リン酸のC〜C10エステルのポリマーである。
【0071】
成分(A)のαオレフィンは炭素原子2から10個を有し、好ましくはエチレンであり、不飽和カルボン酸は炭素約3から8個を有するカルボン酸であることが好ましい。そのような酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸があり、アクリル酸が好ましい。存在する場合、成分(A)のカルボン酸エステルは、脂肪族カルボン酸のビニルエステル(酸は炭素原子2から10個を有する)及びビニルエーテル(アルキル基は炭素原子1から10個を含む)からなる群から選択できることが好ましい。
【0072】
成分(A)として使用するのに適したポリマーの例としては、これらだけに限定するものではないが、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/イタコン酸コポリマー、エチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸/ビニルアセテートコポリマー、エチレン/アクリル酸/ビニルアルコールコポリマーなどがある。
【0073】
エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー及びエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルターポリマー、或いはエチレン及び/又はプロピレン無水マレイン酸コポリマー及びターポリマーが最も好ましい。
【0074】
本明細書でブレンド成分(A)として使用するポリマーの酸含有量は、1から30重量%の酸を含むことができる。場合によっては、強酸性のコポリマー(すなわち、酸を16重量%より多く、好ましくは約17から約25重量%、より好ましくは約20重量%含むコポリマー)を利用することが好ましい。
【0075】
市販されているそのようなポリマーの例としては、これらだけに限定するものではないが、Exxonが販売するエチレン−アクリル酸コポリマーのEscor(登録商標)5000、5001、5020、5050、5070、5100、5110及び5200シリーズ、並びにミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical Companyが販売するエチレン−アクリル酸コポリマーのPRIMACOR(登録商標)1321、1410、1410−XT、1420、1430、2912、3150、3330、3340、3440、3460、4311及び4608シリーズがある。
【0076】
さらに、その内容全体を参照により本明細書に援用する米国特許第6562906号(DuPont)に記載の双峰性エチレン/カルボン酸ポリマーがある。これらのポリマーは、エチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸高分子量コポリマー、特に、エチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー、特に分子量が約2000から約30000のエチレン/(メタ)アクリル酸コポリマーと溶融ブレンドした、分子量が約80000から約500000のエチレン(メタ)アクリル酸コポリマー及びエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含む。
【0077】
ブレンド成分(B)
ブレンド成分(B)は、同一分子内に酸とアミン官能基の両方を有する任意の化合物である。好ましいのは下記の一般式を有する化合物である。
(RN)−R’−(X(O)OR
式中、Rは、水素、又はC〜C20脂肪族系、脂環式系若しくは芳香族系であり;R’は、1個又は複数のC〜C20直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは置換された直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは芳香族基、或いはこれだけに限定するものではないが、最大12個のアミノ酸のアミノ酸配列から導出したポリペプチドを含む最大12個の繰返し単位のオリゴマーを含む架橋基であり;XはC又はS又はPであるが、X=Cの場合、n=1且つy=1であり、X=Sの場合、n=2且つy=1であり、X=Pの場合、n=2且つy=2である。また、m=1〜3である。

【化1】

【0078】
アンモニウム塩、例えば(YRHN−R’−X(O)OH);
酸塩、例えば(RN−R’−X(O));又は
両性イオン塩、例えば(YRHN−R’−X(O)
(Mは、Na、K、Li、NH、Zn2+、Mg2+又はCa2+であることができ、
は、Cl、Br、I又はClOであることができ、
X、R及びR’は上記の通りである)
を含むが、これらだけに限定するものではない一般式(RN)−R’−(X(O)OHの化合物の任意の及びすべてのもの又は塩も含まれる。
【0079】
架橋基R’に存在する任意の脂肪族部分、脂環式部分又は芳香族部分はまた、1個又は複数の官能基で置換されていてもよい。このような官能基には、これらだけに限定するものではないが、カルボニル(−C(O)−)、カルボン酸(−C(O)OH)、スルホン酸(−SOH)、ハロゲン(−Cl、Br又はI)、ヒドロキシ(−OH)又はチオール(−SH)置換誘導体がある。
【0080】
別の実施形態では、成分(B)は上記と同じアミン官能基又はアミド官能基を含み、且つ分子の酸官能基の他に無水物基又はエステル基を含む化合物であることができる。このような化合物を使用する場合、加水分解又は鹸化によって対応するカルボン酸塩を形成する塩基を含む金属としての金属水酸化物との反応生成物も本発明のブレンド組成物に含まれることを理解されたい。
【0081】
前記一般式(RN)−R’−(X(O)OHの化合物はまた、天然のアミノ酸、例えばアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンを含み、その組合せを含む任意の及びすべてのポリペプチドも含む。追加のアミノ酸には、これらだけに限定するものではないが、カプロン酸、ε−アミノ−カプロン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸を含む種々の合成アミノ酸がある。
【0082】
上記のすべてのアミノ酸は任意の光学異性体であってよく、アミノ酸及びポリペプチドはモノイオン性又は両性イオン性形態であってよい。
【0083】
同様に有用なのは合成又は天然アミノ酸の誘導体、並びにそれらのエステルアミド、ラクタム又は無水物であり、これらだけに限定するものではないが、ε−カプロラクタム、ω−カプロラクタム、ε−アミノカプロン酸エチル;ラウリルラクタム;エチル−11−アミノウンデカノエート;11−アミノウンデカノアミド;エチル−12−アミノドデカノエート;12−アミノドデカノアミドなどを含む。
【0084】
さらに、一般式(RN)−R’−(X(O)OHに含まれるのは、架橋基R’がカルボニル基で置換されている化合物であり、したがってその分子のアミン基はアミド部分として存在し、すなわち、(RN)−C(O)−R’−(X(O)OHであり、式中、R、R’、X、m、n及びyは上記の通りである。
【0085】
したがって、さらにブレンド成分(B)の例として含まれるのは、種々のカルバミン酸誘導体(親はNH−C(O)COH)、オキサミン酸(親はNHC(O)RCOH)及びアントラニル酸(親はNHPhCOH)及びそれらの誘導体であり、ここで、用語「誘導体」はカルボン酸エステル、無水物、ハロゲン化物並びにそれらの任意の及びすべての塩を含む。
【0086】
より好ましくは、成分(B)は、カプロラクタム、エナントラクタム、デカノラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタム、カプロン6−アミノ酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、アジピン酸、アゼレイン酸、セバシン酸及び1,12−ドデカン酸のジアミンヘキサメチレン塩並びにアジピン酸、2−アミノ桂皮酸、L−アスパラギン酸、5−アミノサリチル酸、アミノ酪酸のジアミンノナメチレン塩;アミノカプロン酸;アミノカプリン酸;1−(アミノカルボニル)−1−シクロプロパンカルボン酸;アミノセファロスポラン酸;アミノ安息香酸;アミノクロロ安息香酸;2−(3−アミノ−4−クロロベンゾイル)安息香酸;アミノナフトエ酸;アミノニコチン酸;アミノノルボルナンカルボン酸;アミノオロチン酸;アミノペニシラン酸;アミノペンテン酸;(アミノフェニル)酪酸;アミノフェニルプロピオン酸;アミノフタル酸;アミノ葉酸;アミノピラジンカルボン酸;アミノピラゾ−ルカルボン酸;アミノサリチル酸;アミノテレフタル酸;アミノ吉草酸;クエン酸水素アンモニウム;アントラニル酸;アミノベンゾフェノンカルボン酸;アミノスクシンアミド酸、ε−カプロラクタム;ω−カプロラクタム、(カルバモイルフェノキシ)酢酸、ナトリウム塩;カルボベンジルオキシアスパラギン酸;カルボベンジルグルタミン;カルボベンジルオキシグリシン;硫酸水素2−アミノエチル;アミノナフタレンスルホン酸;アミノトルエンスルホン酸;4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルアミン)カルバメート及びカルバミン酸アンモニウムを含む。
【0087】
最も好ましくは、成分(B)は、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート(コネチカット州NorwalkのR.T.Vanderbilt Co.から商品名Diak(登録商標)4で市販)、11−アミノウンデカン酸、12−アミノウンデカン酸、ε−カプロラクタム;及びω−カプロラクタムを含む。
【0088】
同様に成分(B)として含まれるのは、上記の材料の任意の及びすべての組合せ混合物である。
【0089】
ブレンド成分(C)
ブレンド成分(C)は、ブレンド成分A及びBに存在する酸性基の一部又はすべてを中和する能力を有する塩基性金属イオン塩である。中和に使用する塩基性金属イオン塩の金属カチオンには、Li、Na、K、Zn2+、Ca2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Pb2+及びMg2+があり、Li、Na、Zn2+、Ca2+及びMg2+が好ましい。塩基性金属イオン塩には、これらだけに限定するものではないが、例えば、ギ酸、酢酸、硝酸及び炭酸の塩、炭酸水素塩、酸化物、水酸化物及びアルコキシドがある。
【0090】
本発明のブレンド組成物を調製するために、成分(A)、(B)及び(C)は、任意の順序、一回の混合又は反応容器中、任意の及びすべての可能な組合せ及び相対量で混合することができる。
【0091】
別法として、ブレンドの任意の2種の成分を別に分けて混合し、次いで第3の成分を加えてもよい。
【0092】
明確に含める別の実施形態では、本発明のブレンド組成物は、上記のブレンド成分(B)と1種又は複数のアイオノマーとの反応から得られたブレンドである。
【0093】
アイオノマーの調製はよく知られている。例えば米国特許第3264272号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)を参照されたい。一般に、市販されているアイオノマーの大部分は単峰性であり、モノオレフィン、例えばアルケンと、炭素原子3から12個を有する不飽和モノカルボン酸又はジカルボン酸とのポリマーからなる。モノカルボン酸エステル又はジカルボン酸エステルの形態の別のモノマーも、いわゆる「軟化性コモノマー」として配合物に混合されてよい。次いで、混合したカルボン酸基を塩基性金属イオン塩で中和してアイオノマーを形成する。中和に使用する塩基性金属イオン塩の金属カチオンには、Li、Na、K、Zn2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Pb2+、Ca2+及びMg2+があり、Li、Na、Zn2+、Ca2+及びMg2+が好ましい。塩基性金属イオン塩には、例えばギ酸、酢酸、硝酸及び炭酸の塩、炭酸水素塩、酸化物、水酸化物及びアルコキシドがある。
【0094】
最初に市販されたアイオノマー樹脂は最大16重量パーセントのアクリル酸又はメタクリル酸を含んでいたが、通例これらのカバー材料の硬度は酸の含有量を増大させることによって増大できることも知られていた。これにより、1989年1月に公表された調査開示29703でDuPontはまず、15重量パーセントを超える酸含有量のエチレン/アクリル酸又はエチレン/メタクリル酸をベースとするアイオノマーを開示した。この同じ開示でDuPontはまた、このようないわゆる「高酸含量アイオノマー」は剛性及び硬度がかなり向上しており、したがって、単独又はその他のアイオノマーとのブレンドとして使用した場合に、ゴルフボール構造で好都合に使用できると教示している。
【0095】
より最近では、高酸含量アイオノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸単位が16重量%から約35重量%でポリマーに存在するアイオノマー樹脂として通常定義される。一般に、このような高酸含量アイオノマーは約50000psiから約125000psiの曲げモジュラスを有する。
【0096】
アイオノマー樹脂は、約10重量%から約50重量%でポリマーに通常存在する軟化性コモノマーをさらに含むことができる。このようなアイオノマーは約2000psiから約10000psiの曲げモジュラスを有し、「軟らかい」又は「非常に低モジュラスの」アイオノマーと呼ばれることがある。典型的な軟化性コモノマーとしては、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸メチル及びメタクリル酸メチルがある。
【0097】
今日、エチレンと(メタ)アクリル酸とのコポリマー又はエチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとのターポリマーの両方をベースとする様々な市販のアイオノマー樹脂がある。それらはすべて、本発明のボールの成分として使用することができる。これらのアイオノマー樹脂の性質は、酸の含有量、軟化性コモノマーの含有量、中和の程度及び中和に使用した金属イオンのタイプの変化によって大きく変わり得る。市販の完全な範囲には、一般式E/X/Y(Eはエチレンであり、Xはポリマーの0重量%から約50重量%の量で存在するアクリレート又はメタクリレートなどの軟化性コモノマーであり、Yはポリマーの約5重量%から約35重量%の量で存在するアクリル酸又はメタクリル酸であり、ここで酸部分は約1%から約90%中和されて、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、亜鉛若しくはアルミニウムなどのカチオン、又はこれらのカチオンの組合せとアイオノマーを形成する。
【0098】
本発明の新規なブレンド組成物はまた、成分(B)と、米国特許第6562906号(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載のいわゆる双峰性アイオノマーとを反応させることにより調製することができる。これらのアイオノマーが双峰性なのは、異なる分子量のポリマーを含むブレンドから調製するからである。具体的には、これらは
a)高分子量成分(約80,000から約500,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);並びに
b)低分子量成分(約2,000から約30,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)
を含む双峰性ポリマーブレンド組成物を含む。
【0099】
単峰性アイオノマー及び双峰性アイオノマーに加えて、本発明の新規なブレンド組成物は、成分(B)と、1種又は複数のいわゆる「改質アイオノマー」との反応によって調製することができる。改質アイオノマーの例は、米国特許第6100321号、同第6329458号及び同第6616552号並びに米国特許公開2003/0158312A1(そのすべての内容全体を参照により本明細書に援用する)に記載されている。
【0100】
具体的には、本発明の新規なブレンド組成物は、成分(B)と、
a)エチレン、5から25重量パーセントの(メタ)アクリル酸、0から40重量パーセントの(メタ)アクリレートモノマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで中和されたアイオノマーポリマーと、
b)(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)約5から約40重量パーセントの1種若しくは複数の脂肪酸又は前記脂肪酸の金属塩(この金属は、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、カリウム、リチウム、バリウム及びマグネシウムからなる群から選択され、脂肪酸は好ましくはステアリン酸である)と
を混合することによって調製した1種又は複数の改質単峰性アイオノマーとを反応させることにより調製することができる。
【0101】
別法として、本発明の新規なブレンド組成物は、成分(B)と、上記の双峰性エチレン/カルボン酸ポリマー(その内容全体を参照により本明細書に援用する米国特許第6562906号で記載の通り)から導出したアイオノマーをベースとし、
a)高分子量成分(約80,000から約500,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、カリウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)と、
b)低分子量成分(約2,000から約30,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、亜鉛、カルシウム、カリウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)と
c)(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)約5から約40重量パーセントの1種若しくは複数の脂肪酸又は前記脂肪酸の金属塩(この金属は、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、カリウム、リチウム、バリウム及びマグネシウムからなる群から選択され、脂肪酸は好ましくはステアリン酸である)と
を混合することによって調製した1種又は複数の改質双峰性アイオノマーとを反応させることにより調製することができる。
【0102】
種々の改質アイオノマーで利用されている脂肪状又はワックス状の酸塩は、炭素原子約4から75個(通常は偶数)を含有するアルキル基の鎖でできており、−COOH末端基を特徴とする。上記の脂肪状又はワックス状の酸すべての一般式はCH(CHCOOHであり、ここで炭素原子の総数はカルボキシル基を含む。脂肪状又はワックス状の酸塩改質剤を製造するために利用する脂肪状又はワックス状の酸は飽和でも不飽和でもよく、固体、半固体又は液体形態で存在することができる。
【0103】
適切な飽和脂肪酸、すなわちアルキル鎖の炭素原子が単結合で連結している脂肪酸の例としては、これらだけに限定するものではないが、ステアリン酸(C18、すなわちCH(CH16COOH)、パルミチン酸(C16、すなわちCH(CH14COOH)、ペラルゴン酸(C、すなわちCH(CHCOOH)及びラウリン酸(C12、すなわちCH(CH10OCOOH)がある。適切な不飽和脂肪酸、すなわちアルキル鎖の炭素原子間に1個又は複数の二重結合がある脂肪酸の例としては、これだけに限定するものではないが、オレイン酸(C13、すなわちCH(CHCH:CH(CHCOOH)がある。
【0104】
種々の改質アイオノマーで使用した脂肪状又はワックス状の酸塩の金属塩を製造するのに使用した金属イオンの供給源は一般に、脂肪酸のカルボン酸基を様々な程度に中和することができる金属イオンを提供する種々の金属塩である。これらには、亜鉛、バリウム、カルシウム及びマグネシウムの硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩及び水酸化塩がある。
【0105】
脂肪酸塩改質剤は多くの異なる金属イオンで中和した脂肪酸の種々の組合せを含んでいるので、数種の異なるタイプの脂肪酸塩を本発明で利用することができる。これには金属ステアリン酸塩、金属ラウリン酸塩、金属オレイン酸塩及び金属パルミチン酸塩が含まれ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カリウム及びステアリン酸マグネシウムが好ましく、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸ナトリウムが最も好ましい。
【0106】
前記脂肪状若しくはワックス状の酸又は前記脂肪状若しくはワックス状の酸の金属塩は改質アイオノマーポリマーに約5から約40、好ましくは約7から約35、より好ましくは約8から約20重量パーセント(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)の量で存在する。
【0107】
脂肪状又はワックス状の酸の1種又は複数の金属塩を加えた結果として、最終的な改質アイオノマーポリマー組成物の酸性基の約40から100、好ましくは約50から100、より好ましくは約70から100パーセントは金属イオンで中和されている。
【0108】
このような改質アイオノマーポリマーの例は、E.I.DuPont de Nemours and Co.Inc.から入手可能なDuPont(登録商標)HPF−1000である。
【0109】
本発明の好ましいブレンド組成物は、成分(B)と、本明細書で記載の1種又は複数の単峰性アイオノマー、双峰性アイオノマー、又は改質単峰性若しくは双峰性アイオノマーポリマーとを反応させて調製し、さらに一般式E/X/Y(Eはエチレンであり、Xはアクリレート又はメタクリレートなどの軟化性コモノマーであって、0から約50、好ましくは0から約25、最も好ましくは0の量で存在し、Yはアクリル酸又はメタクリル酸であって、約5重量%から約25、好ましくは約10から約25、最も好ましくは約10から約20重量%の量で存在する)のポリマーの亜鉛で中和したアイオノマーとブレンドすることができる。
【0110】
本発明の上記のブレンド組成物、すなわち成分(A)、(B)及び(C)を含むブレンド;又は成分(B)と、単峰性アイオノマー、双峰性アイオノマー、改質単峰性アイオノマー又は改質双峰性アイオノマーのいずれか1種又は複数とを含むブレンドのすべてにおいて、成分(B)は約0.1から約40、好ましくは約1から約20、最も好ましくは約1から約15phr(ブレンド組成物の最終重量に対して)の量で存在する。
【0111】
本発明のブレンド組成物の調製には種々の混合方法を使用することができる。それには、これらだけに限定するものではないが、乾燥混合、カレンダリング、バンバリーミキサーの使用、押出機の使用又は射出成形がある。好ましいプロセス法は、単軸又は二軸押出機を使用して、所望の分散混合、分配混合又はその両方を実施することである。
【0112】
本発明の別の実施形態では、得られるブレンド組成物は次いで、コア、カバー層及び場合により1つ又は複数のインナーカバー層を含むゴルフボールの製造に使用することができる。1つの好ましい実施形態では、コアが本発明の新規な組成物を含むゴルフボールを開示する。別の好ましい実施形態では、カバー層が本発明の新規な組成物を含むゴルフボールを開示する。別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの中間層が本発明の新規な組成物を含むゴルフボールを開示する。
【0113】
ゴルフボールのコア
次に図を参照すると、ゴルフボール1が図示されており、これは、本明細書で記載の配合物の固体本体として形成された球状の固体センター又はコア2、球状のコア上に配置した中間層3、及びアウターカバー層4を含む。
【0114】
1つの好ましい実施形態では、コアが本発明の新規な組成物を含むゴルフボールを開示する。さらに、コアは以下の成分も含んでよい。
【0115】
A.不飽和ポリマー
本発明のゴルフボールのコアは不飽和ポリマーを含む。本発明のゴルフボールで使用するのに適した不飽和ポリマーは、炭化水素又は非炭化水素のいずれかの不飽和を有し、熱的に、化学的に、放射線によって、又はこれらの方法の組合せによって開始する架橋反応に関与することが可能な任意のポリマー材料を含む。不飽和ポリマーは、従来のワンピースゴルフボール及び多層ゴルフボールのコアに通常使用される任意のゴムであることができる。適切な不飽和ポリマーの非限定的な例としては、1,2−ポリブタジエン、シス−1,4−ポリブタジエン、トランス−1,4−ポリブタジエン、シス−ポリイソプレン、トランス−ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリブチレン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、部分的及び完全に水素化した等価物、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、部分的及び完全に水素化した等価物、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、並びにこれらの任意の組合せがある。
【0116】
ポリブタジエンゴム、特に少なくとも40mol%、より好ましくは80から100mol%のシス−1,4結合を含む1,4−ポリブタジエンゴムは、その高反発弾性、成形性、及び加硫後の高強度のため、好ましい。
【0117】
ポリブタジエン成分は、この分野で従来使用されている希土類系触媒、ニッケル系触媒又はコバルト系触媒を使用して合成することができる。ランタン希土類系触媒を使用して得るポリブタジエンは、ランタン希土類化合物、有機アルミニウム化合物、ルイス塩基、及び必要によりルイス酸の組合せを含む触媒の存在下でブタジエンを重合することにより通常合成する。ランタン希土類化合物は、希土類原子(原子番号57から71)を含む化合物であってよいが、特に好ましいのはネオジム化合物である。
【0118】
ニッケル系触媒の例としては、ニッケルケイ藻土などの1成分タイプ;ラネー−ニッケル/四塩化チタンなどの2成分タイプ;及びニッケル化合物/有機金属/三フッ化ホウ素エチルエーテルなどの3成分タイプがある。ニッケル化合物の例としては、担体を有する還元ニッケル、ラネーニッケル、酸化ニッケル、ニッケルカルボキシレート及び有機ニッケルの錯塩がある。有機金属の例としては、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウム又はトリ−n−ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム又は1,4−ジブタンリチウムなどのアルキルリチウム;及びジエチル亜鉛又はジブチル亜鉛などのジアルキル亜鉛がある。
【0119】
コバルト系触媒の例としては、コバルト及びその化合物として、ラネーコバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、酸化コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバルト、リン酸コバルト、フタル酸コバルト、コバルトカルボニル、コバルトアセチルアセトネート、コバルトジエチルジチオカルバメート、亜硝酸コバルトアニリニウム及び塩化コバルトジニトロシルがある。特に、これらの化合物のそれぞれは、一塩化ジエチルアルミニウム又は一塩化ジイソブチルアルミニウムなどの一塩化ジアルキルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム又はトリ−n−ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリドなどのアルミニウムアルキルセスキクロリド、或いは塩化アルミニウムと組み合せることが好ましい。
【0120】
1,4−ポリブタジエンゴムは、約1.2から約4.0、好ましくは約1.7から約3.7、さらにより好ましくは約2.0から約3.5、最も好ましくは約2.2から約3.2の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0121】
ポリブタジエンゴムは、約20から約80、好ましくは約30から約70、さらにより好ましくは約30から約60、最も好ましくは約35から約50のムーニー粘度(ML1+4(100℃))を有する。
【0122】
本明細書で使用する用語「ムーニー粘度」は、それぞれの場合、ロータリープラストメータの1つの型であるムーニー粘度計で測定した粘度の産業指標を指す(JIS K6300参照)。この値は記号ML1+4(100℃)で表し、ここで、「M」はムーニー粘度であり、「L」は大ローター(L−タイプ)であり、「1+4」は1分間の予備加熱時間及び4分間のローター回転時間であり、「100℃」は測定が温度100℃で実施されたことを示す。
【0123】
1,4−ポリブタジエンゴムはまた、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどとブレンドしてもよい。少なくとも80重量%の1,4−ポリブタジエンゴムがベースゴムに存在しなければならない。というのは、含有する1,4−ポリブタジエンゴムが少量のベースゴムはポリブタジエンゴムの反発弾性をうまく利用できないことが多いからである。
【0124】
異なる立体規則性、結晶度及び分子量の結果として多種多様な物理的特性を有する多くの異なるタイプの1,2−ポリブタジエンが存在する。そのすべてが本発明で使用する不飽和ポリマーとして適している、異なる立体規則性を有する1,2−ポリブタジエンの例としては、アタクチック1,2−ポリブタジエン、イソタクチック1,2−ポリブタジエン及びシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンがある。シンジオタクチックポリマーは、互いにエナンチオマーである交互のベース単位を含む。これらの1,2−ポリブタジエンはまた、それらの結晶度によって区別される。その範囲は、結晶度を本質的に欠く非晶質1,2−ポリブタジエンから様々な結晶度の半結晶1,2−ポリブタジエンまでである。これらの1,2−ポリブタジエンの分子量も大きく変化し得る。立体規則性、結晶度及び分子量の種々の組合せは、非常に異なる加工性並びにその他の化学的特性、熱的特性、機械的特性及びレオロジー特性を有する多くの異なるタイプの1,2−ポリブタジエンを提供する。
【0125】
本発明の範囲内の組成物の不飽和ポリマーとしての使用に適した結晶度を有するシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、ブタジエンの1,2−付加により重合される。本発明の範囲内のゴルフボールは、結晶度と、約70%を超える1,2−結合、より好ましくは約80%を超える1,2−結合、最も好ましくは約90%を超える1,2−結合とを有するシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを含む。また、本発明の範囲内のゴルフボールは、約5%から約50%の間、より好ましくは約10%から約40%の間、最も好ましくは約15%から約30%の間の結晶度を有するシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを含むことができる。さらに、本発明の範囲内のゴルフボールは、結晶度と、約10000から約350000の間、より好ましくは約50000から約300000の間、より好ましくは約80000から約200000の間、最も好ましくは約10000から約150000の間の平均分子量を有するシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを含むことができる。本発明の範囲内のゴルフボールで使用するのに適した結晶度を有する適切なシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの例は、日本国、東京のJSR Corporationから商品名RB810、RB820及びRB830で販売されている。これらは、90%を超える1,2−結合、約120000の平均分子量及び約15%から約30%の結晶度を有する。
【0126】
本発明の一実施形態では、コアはセンターと、センターの周りに配置した1つ又は複数のコア層を含むことができる。これらのコア層はセンター部分で使用したものと同じゴムから作製されていてよく、又は異なる熱可塑性エラストマーであってもよい。種々のコア層(センターを含む)は異なる硬度をそれぞれ示してよい。センターの硬度とその隣の層の硬度との差、並びに種々のコア層間の硬度差は、ショアDで2単位を超え、好ましくは5単位を超え、最も好ましくは10単位を超える。
【0127】
1つの好ましい実施形態では、センター及び連続する層それぞれの硬度は、センターからアウターコア層へ外側に次第に増大する。
【0128】
別の好ましい実施形態では、センター及び連続する層それぞれの硬度は、アウターコア層からセンターへ内側に次第に減少する。
【0129】
B.架橋剤
本発明のゴルフボールで使用するのに適した架橋剤には、過酸化物、イオウ化合物又はその他の既知の化学架橋剤並びにこれらの混合物がある。適切な架橋剤の非限定的な例としては、第1級、第2級又は第3級脂肪族又は芳香族有機過酸化物がある。2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン及び1,4−ジ−(2−tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなど、1個を超えるペルオキシ基を含有する過酸化物を使用することができる。例えばtert−ブチルペルベンゾエート及び過酸化tert−ブチルクミルなど、対称過酸化物及び非対称過酸化物の両方を使用することができる。カルボキシル基を有する過酸化物も適切である。本発明で架橋剤として使用した過酸化物の分解は、熱エネルギー、剪断、放射線、他の化学物質との反応又はこれらの任意の組合せを適用することによってもたらされる。ホモリティカルに(homolytically)及びヘテロリティカルに(heterolytically)分解した過酸化物の両方を本発明で使用することができる。適切な過酸化物の非限定的な例としては、過酸化ジアセチル;過酸化ジ−tert−ブチル;過酸化ジベンゾイル;過酸化ジクミル;2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン;1,4−ビス−(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン;t−ブチルペルオキシベンゾエート;2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、例えばオハイオ州AkronのAkrochem Corp.から販売されているTrigonox145−45B;1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキサン、例えばコネチカット州NorwalkのR.T.Vanderbilt Co.,Inc.から販売されているVarox231−XL;及びジ−(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシドがある。架橋剤は、不飽和ポリマー100重量部に対して、約0.05重量部から約5重量部、より好ましくは約0.2重量部から約3重量部、最も好ましくは約0.2重量部から約2重量部の量でブレンドすることができる。
【0130】
各架橋剤は、特定の時間(t1/2)その温度にすると架橋剤の50%が分解する特徴的な分解温度を有する。例えば、1,1−ビス−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリ−メチルシクロへキサンはt1/2=0.1時間で138℃の分解温度を有し、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3はt1/2=0.1時間で182℃の分解温度を有する。同じt1/2で異なる特徴的な分解温度を有する2種以上の架橋剤を組成物にブレンドしてもよい。例えば、少なくとも1種の架橋剤が150℃未満の第1の特徴的な分解温度を有し、少なくとも1種の架橋剤が150℃を超える第2の特徴的な分解温度を有する場合、第1の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤と、第2の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤との組成重量比は5:95から95:5、より好ましくは10:90から50:50の範囲であることができる。
【0131】
化学架橋剤の使用に加え、組成物の放射線への曝露も架橋剤として働くことができる。放射線は、マイクロ波若しくはγ放射線又は電子ビーム装置の使用を含む任意の既知の方法で不飽和ポリマー混合物に適用することができる。ジエンポリマーの放射線硬化を向上させるために添加剤を使用することもできる。
【0132】
C.共架橋剤
ゴム及び架橋剤は、不飽和カルボン酸の金属塩であることができる共架橋剤とブレンドしてもよい。これらの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、パルミチン酸など、炭素原子3から8個を有する不飽和脂肪酸の亜鉛塩及びマグネシウム塩があり、アクリル酸及びメタクリル酸の亜鉛塩が最も好ましい。不飽和カルボン酸金属塩は、予備形成した金属塩として、又はα,β−不飽和カルボン酸及び金属酸化物又は金属水酸化物をゴム組成物に導入し、それをゴム組成物と反応させて金属塩を形成することにより、ゴムにブレンドすることができる。不飽和カルボン酸金属塩は、任意の所望の量で、しかし好ましくは不飽和ポリマー100重量部に対して不飽和カルボン酸約10重量部から約60重量部の量でブレンドすることができる。
【0133】
D.ペプタイザー
本発明のボールのコアを配合するのに使用する組成物はまた、1種又は複数のペプタイザーを含んでよい。用語「ペプタイザー」は不飽和ポリマーの最初の加工中に架橋を阻害するが、その後、架橋が開始したら不飽和ポリマーの架橋に関与する化学物質を意味する。
【0134】
ペプタイザーは好ましくは、有機イオウ化合物及び/又はその金属塩又は非金属塩を含む。そのような有機イオウ化合物の例としては、ペンタクロロチオフェノール、4−ブチル−o−チオクレゾール、4−t−ブチル−p−チオクレゾール及び2−べンズアミドチオフェノールなどのチオフェノール;チオ安息香酸などのチオカルボン酸;4,4’−ジチオジモルホリン;二硫化ジキシリル、二硫化ジベンゾイルなどの二硫化物;二硫化ジベンゾチアジル;二硫化ジ(ペンタクロロフェニル);ジベンズアミドジフェニルジスルフィド(DBDD);及びペンシルバニア州フィラデルフィアのAtofina Chemicals,Inc.から販売されているVULTACなどのアルキル化フェノールジスルフィドがある。好ましい有機イオウ化合物にはペンタクロロチオフェノール及びジベンズアミドジフェニルジスルフィドがある。
【0135】
有機イオウ化合物の金属塩の例としては、上記のチオフェノール及びチオカルボン酸のナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セシウム及び亜鉛塩があり、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩が最も好ましい。
【0136】
有機イオウ化合物の非金属塩の例としては、上記のチオフェノール及びチオカルボン酸のアンモニウム塩があり、ここで、アンモニウムカチオンは一般式[NRを有し、R、R、R及びRは水素又はC〜C20脂肪族、脂環式若しくは芳香族部分又はそれらの任意の及びすべての組合せのいずれかであり、ペンタクロロチオフェノールのNH塩が最も好ましい。
【0137】
ペプタイザーは、本発明のゴルフボールのコアに使用した場合、不飽和ポリマー成分100重量部当たり約0.01から約10、好ましくは約0.10から約7、より好ましくは約0.15から約5重量部の量で存在する。
【0138】
E.硬化促進剤
ゴルフボール組成物は1つ又は複数のクラスの1種又は複数の硬化促進剤を含むことができる。不飽和ポリマーに加えた硬化促進剤は、不飽和ポリマーの加硫速度を増大させ且つ/又は加硫温度を低下させる。硬化促進剤はゴム加工で既知の任意のクラスのものであることができ、メルカプト−、スルフェンアミド−、チウラム、ジチオカルバメート、ジチオカルバミルスルフェンアミド、キサンテート、グアニジン、アミン、チオ尿素及びジチオホスフェート硬化促進剤がある。具体的な市販の硬化促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール及びその金属又は非金属塩、例えばドイツ国、LeverkusenのBayer AGが販売しているVulkacit Mercapto C、Mercapto MGC、Mercapto ZM−5及びZM、日本国、東京のOuchisinko Chemical Industrial Company,Ltd.が販売しているNocceler M、Nocceler MZ及びNocceler M−60、並びにオハイオ州AkronのAkrochem Corporationが販売しているMBT及びZMBTがある。市販の硬化促進剤のより完全な一覧は、The Vanderbilt Rubber Handbook:第13版(1990、R.T.Vanderbilt Co.)、296〜330頁、Encyclopedia of Polymer Science and Technology、第12巻(1970、John Wiley & Sons)、258〜259頁、及びRubber Technology Handbook(1980、Hanser/Gardner Publications)、234〜236頁に記載されている。好ましい硬化促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)及びその塩がある。
【0139】
ボール組成物は、不飽和ポリマー100重量部に対して約0.1重量部から約10重量部の硬化促進剤をさらに含むことができる。より好ましくは、ボール組成物は、不飽和ポリマー100重量部に対して約0.2重量部から約5重量部、最も好ましくは約0.5重量部から約1.5重量部の硬化促進剤をさらに含むことができる。
【0140】
本発明の範囲内のゴルフボールは、上記で配合した通りのゴム組成物を所望のサイズのコアに成形し、そのゴムを熱で加硫することによって調製することができる。これらの球の製造は、従来の製造方法及び条件に従うことができる。コアを作製したら、次いで種々のインナーカバー層及びアウターカバー層をその上に形成する。
【0141】
中間層及びカバー層
再び図1の図面を参照すると、ゴルフボール1が図示されており、これは、本明細書で記載の配合物の固体本体として形成された球状の固体センター又はコア2、球状のコア上に配置した中間層3、及びアウターカバー層4を含む。
【0142】
本発明のゴルフボールは0から5つ、好ましくは0から3つ、より好ましくは1から3つ、最も好ましくは1つの中間層を含む。
【0143】
本発明の一実施形態では、中間層及び/又はコア層の少なくとも1つは本発明の新規なブレンド組成物を含む。
【0144】
新規なブレンド組成物に加えて、本発明のゴルフボールのコア、中間層又はアウターカバー層は1種又は複数の追加のポリマーをさらに含むことができる。本発明で使用するのに適切な追加のポリマーとしては、これらだけに限定するものではないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドエラストマー樹脂、ポリアミドアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、熱可塑性コポリエーテルエステルブロックコポリマー、熱可塑性コポリエステルエステルブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、共重合性アイオノマー、三元重合性アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、ポリアミドアイオノマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、共重合性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリスチレン、ジアリルフタレートポリマー、メタロセン触媒ポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン改質SAN及びアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、機能性スチレンコポリマー、機能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、及びポリシロキサン又はこれらの化学種の任意のメタロセン触媒ポリマーがある。
【0145】
本発明の範囲内の組成物に追加の材料として使用するのに適したポリアミドにはまた、(1)(a)シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸と、(b)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン又はm−キシリレンジアミンなどのジアミンとの重縮合;(2)ε−カプロラクタム又はω−カプロラクタムなどの環状ラクタムの開環重合;(3)6−アミノカプロン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸又は12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸の重縮合;或いは(4)環状ラクタムとジカルボン酸及びジアミンとの共重合で得られた樹脂が含まれる。適切なポリアミドの具体的な例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、共重合ナイロン、ナイロンMXD6及びナイロン46がある。
【0146】
本発明の範囲内の組成物に追加の材料として使用するのに適したその他の好ましい材料としては、韓国のSK Chemicalから商品名SKYPEL(商標)で販売されているポリエステルエラストマー、又は日本国、倉敷のKuraray Corporationから商品名SEPTON(商標)及びイギリス国ChesterのKraton Polymers Group of CompaniesからKRATON(商標)で販売されているジブロック若しくはトリブロックコポリマーがある。上掲の材料はすべて、本発明の範囲内で調製されたボールの層に特有の増強を与えることができる。
【0147】
本発明のゴルフボールを調製するのに使用する種々のポリマー組成物は、1種又は複数の充填剤も含むことができる。そのような充填剤は通常、一般に引き延ばされている繊維及びフロックを除いて、例えば米国標準サイズで一般に約20メッシュ未満、好ましくは約100メッシュ未満のサイズの微粉化形態である。フロック及び繊維のサイズは加工を容易にするのに十分に小さくなければならない。充填剤の粒子サイズは所望の効果、コスト、添加の容易さ及び発塵の考慮によって決まるであろう。必要な充填剤の適切な量は用途によって変化しようが、通常は過度の実験なしに容易に決定することができる。
【0148】
充填剤は好ましくは、沈降水和シリカ、石灰岩、クレー、タルク、アスベスト、バライト、グラスファイバー、アラミドファイバー、雲母、メタケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リトポン、シリケート、炭化ケイ素、ケイ藻土、炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウム又は炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム又は硫酸マグネシウム又は硫酸バリウムなどの硫酸塩、タングステン、鋼、銅、コバルト又は鉄を包含する金属、金属合金、炭化タングステン、金属酸化物、金属ステアリン酸塩、及びその他の微粒子炭素質材料並びにそれらの任意の及びすべての組合せからなる群から選択される。充填剤の好ましい例には、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムなどの金属酸化物がある。別の好ましい実施形態では、充填剤は長繊維又は短繊維を含む。別の好ましい実施形態では、充填剤はインナーカバー層を調製するのに使用する組成物に使用され、インナーカバー層の改質アイオノマーポリマー成分よりも密度が高い。
【0149】
所望により、本発明のゴルフボールを調製するのに使用する種々のポリマー組成物は、可塑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤或いはプラスチックの配合又はゴルフボールの調製に一般に使用される任意のその他の添加剤を追加的に含むことができる。これらの材料の適切な量は過度の実験なしに容易に決定することができる。
【0150】
一般に、ゴルフボールのコアは、種々の成分とその他の添加剤とを溶融して又は溶融することなく混合して作製する。タンブルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー又は2ロールミルなどの乾式混合装置を使用して組成物を混合することができる。ゴルフボール組成物はまた、溶融するために熱エネルギーを加え又は加えることなく、ミル、バンバリー若しくはファレル連続ミキサーなどの内部ミキサー、押出機又はこれらの組合せを使用して混合することができる。種々のコア成分は架橋剤と混合することができ、又は各添加剤は適切な順序で、粉砕した不飽和ポリマーに加えることができる。別の製造方法では、架橋剤及びその他の成分は、不飽和ポリマーに濃縮物の一部として、乾式混合、ロールミル又は溶融混合を使用して加えることができる。放射線が架橋剤の場合は、不飽和ポリマー及びその他の添加剤を含む混合物は、混合後、ボールのコアなどの部分に形成中に又は形成後に照射されることができる。
【0151】
得られる混合物は、例えば圧縮又は射出成形プロセスにかけてコア用の固体の球を得ることができる。ポリマー混合物は、混合物を鋳型に入れている間に熱及び圧力を加える成形サイクルにかける。キャビティの形状は形成するゴルフボールの部分によって決まる。圧縮及び熱により1種又は複数の過酸化物が分解してフリーラジカルが遊離し、これにより架橋が開始する。成形サイクルの温度及び継続時間は、選択した過酸化物及びペプタイザーのタイプに基づいて選択する。成形サイクルは、単一温度で一定時間、混合物を成形する単一のステップを有することができる。
【0152】
例えば、本発明で使用するコアを調製する好ましい方式では、コアの成分を2ロールミルでまず混合して約30〜40gのスラグを形成し、次いで150から180℃の温度で5から12分間、単一のステップで圧縮成形する。
【0153】
これも当業者によく知られている射出成形プロセスにより、種々のコア成分も合わせてゴルフボールを形成することができる。硬化時間は選択した種々の材料によって決まるが、当業者ならば使用した具体的な材料及び本明細書の考察に基づいて、硬化時間を上方又は下方に容易に調整することができよう。
【0154】
種々の中間層及び/又はカバー配合物は、二軸押出機を使用して製造することができ、又は射出成形機の供給ホッパーに加える前に手動で若しくは機械的にブレンドすることができる。固体の予備形成したコアを射出成形キャビティにまず置き、次いで中間層及び/又はカバー層組成物を順次コア上に均一に射出することによってゴルフボールを完成させることができる。カバー配合物をコアの周りに射出成形して所要の直径のゴルフボールを製造することができる。
【0155】
別法として、射出成形でハーフシェルをまず形成し、次いでそのハーフシェルをコアの周りに圧縮成形することによってコアの周りにカバー層を形成して最終的なボールを形成することもできる。
【0156】
カバーは圧縮成形を用いてコアの周りに形成することもできる。圧縮成形用のカバー材料はまた、押出された若しくはブレンドされた樹脂又はキャスタブル樹脂であってよい。
【0157】
コア、中間層及び/又はカバーなどのゴルフボールの種々の成分に新規なブレンド組成物を使用すると、構造の材料のCOR及びモジュラスが増大する一方、材料の加工性も向上する。
【0158】
新規なブレンド組成物の向上した特性、特に向上したモジュラス及び加工性は、結果としてこのブレンドをゴルフボール以外のスポーツ用品の品目の調製にも利用できるものにした。したがって、本発明の別の実施形態はこのブレンド組成物を含むスポーツ用品の品目である。これらの品目には、これらだけに限定するものではないが、スポーツ用衣類、長靴、スニーカー、クロッグ、サンダル、スリッポンサンダル及び靴、ゴルフシューズ、テニスシューズ、ランニングシューズ、運動靴、ハイキングシューズ、スキー板、スキーマスク、スキー靴、サイクリングシューズ、サッカーシューズ、ゴルフクラブ及びゴルフバッグがある。
【実施例】
【0159】
限定するものではなく、例示として本発明の実施例を以下に示す。
【0160】
表1のブレンド配合物に使用した材料は以下の通りである。
Surlyn(登録商標)9910は、DuPontから市販されているアイオノマーの等級であり、エチレン/メタクリル酸ポリマーの亜鉛アイオノマーである。
Surlyn(登録商標)9120は、DuPontから市販されているアイオノマーの等級であり、エチレン/メタクリル酸ポリマーの亜鉛アイオノマーである。
Diak(登録商標)4は、コネチカット州NorwalkのR.T.Vanderbilt Co.から市販されている4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルアミン)カルバメートである。
11−アミノ−ウンデカン酸はSigma−Aldrich Companyから市販されている。
12−アミノ−ウンデカン酸はSigma−Aldrich Companyから市販されている。
ステアリン酸ナトリウムはSigma−Aldrich Companyから市販されている。
【0161】
以下の表1に挙げた成分をブレンドすることにより、二軸押出機を使用して広範囲のカバー配合物を製造した。次に、得られるペレットを約400°Fで射出成形して、ASTMタイプIVのテストバー或いは直径1.52の球の形態の試験片のいずれかを作製した。材料はすべて本質的に同一の条件で成形した。
【0162】
材料及び得られるボールの両方の引っ張り強度、引っ張り伸び、曲げ強度、曲げモジュラス、PGA圧縮、COR、ショアD硬度の特性は、下記定義の試験方法を使用して処理した。
【0163】
コア又はボールの直径は標準的なリニアキャリパ又はサイズゲージを使用して測定した。
【0164】
コア固有の重量は、ASTM D−792を使用して電子密度計で測定した。
【0165】
圧縮は、ニュージャージー州Union CityのAtti Engineering Company製の手動器具(「Attiゲージ」)でバネ荷重力をゴルフボールのセンター、ゴルフボールのコア、実験するゴルフボールに加えることによって測定する。Federal Dial GaugeのD81−C型を備えたこの機械は、較正したバネを既知の荷重下で使用する。試験する球はこのバネに対して0.2インチ(5mm)の力を加える。これに対して、バネが0.2インチ圧縮したら、圧縮は100と評価し;バネが0.1インチ圧縮したら、圧縮値は0と評価する。したがって、より圧縮性で軟らかい材料は、より硬く圧縮性の低い材料よりも低いAttiゲージを有する。この器具で測定した圧縮は、PGA圧縮とも呼ばれる。Atti又はPGA圧縮とRiehle圧縮との間に存在する近接した関係は、
(Atti又はPGA圧縮)=(160−Riehle圧縮)
と表すことができる。したがって、Riehle圧縮の100は、Atti圧縮の60と同じである。
【0166】
コア又はボールの反発係数(COR)は、空砲を使用して、入る速度125フィート/秒で鋼板にコア又はボールを発射することによって測定する。鋼板は砲口から81インチの位置にある。次いで、跳ね返る速度を3個のライトゲートを使用するタイミング機構で測定した。跳ね返る速度を入る速度で割って反発係数を得た。
【0167】
ショアD硬度をASTM試験D2240に従って測定した。ディンプル間のランド領域と垂直にボール上で層の硬度を測定した。
【0168】
ボールの性能は、Robot Driver Testを使用して判定した。Robot Driver Testは市販のスウィングロボットを光学系と連結して利用して、ゴルフボールをドライバーで打った後のボール速度、発射角及びバックスピンを測定する。この試験では、チタンドライバーをスウィングロボットに取り付け、参考としてMaxfli XS Tourゴルフボールを使用して以下の値を生じるようにスウィング速度及びパワープロファイル並びにティー位置及びクラブのライ角を設定する:
ヘッド速度:112mph
ボール速度:160mph
発射角:9deg
バックスピン:3200rpm
次に参考ボールを試験ボールに代え、対応する値を測定した。
【0169】
種々の組成物を表1で要約し、ボールについての種々の試験結果を表2で要約する。
【0170】
比較例1を実施例1〜4と比較すると、Diak4をわずか3〜10phrのレベルで中程度の酸のアイオノマー、Surlyn9910(15重量%の酸)に加えると、CORが0.68〜0.69から、酸含有量がはるかに高いアイオノマーのCOR値に相当する0.76〜0.77の値に劇的に向上するということを例示している。また、Diak4を加えると、比較例1のアイオノマーよりも曲げモジュラスが増大した。実施例1〜4のデータをさらに分析すると、向上したCOR及び引っ張り特性を維持しながらDiak4の量を3〜10phr増加させても曲げ強度及び曲げモジュラスを増大させるが、MFIの増大が示す通り組成物の加工性も予想外に向上させることが示されている。
【0171】
実施例5〜7を比較例2と比較しても、Diak4をわずか3〜7phrのレベルで高酸含量アイオノマー、Surlyn9120(>15重量%の酸)に加えても、CORが0.70から0.75〜0.78の値に劇的に向上することを例示している。再び、Diak4をさらに加えると、比較例2のアイオノマーよりも曲げモジュラスが増大した。実施例1〜4のデータをさらに分析すると、Diak4の量を3〜7phr増加させてもCOR、引っ張り特性及び曲げ強度及び曲げモジュラスをさらに増大させながら、MFIの増大が示す通り組成物の加工性も再び予想外に向上させることが示されている。
【0172】
実施例8〜13と比較例1及び2を比較すると、同様の傾向が11−アミノウンデカン酸でも認められる。再びベース媒体と高酸含量アイオノマーの両方を比較すると、11−アミノウンデカン酸を加えることによりCOR及び曲げモジュラスに大きな増大が認められ、MFIの増大が示す通り加工性もさらに顕著に増大している。
【0173】
【表1】

【0174】
【表2】

【0175】
最後に、実施例14及び15と比較例1とを比較すると、12−アミノウンデカン酸を中程度の酸のアイオノマーに加えてもCOR及び曲げモジュラスが大きく増大し、MFIの増大が示す通り再び加工性も予想外に増大していることが示されている。
【0176】
これらの結果は、典型的にはアイオノマーの酸含有量及び/又は中和度を増大(いずれもMFIの低下が示す通り樹脂の加工性を低下させる傾向がある)させることによってCORを増大させる単純なアイオノマーで認められる傾向とは対照的である。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】図1の図面を参照すると、ゴルフボール1が図示されており、これは、本明細書で記載の配合物の固体本体として形成された球状の固体センター又はコア2、球状のコア上に配置した中間層3、及びアウターカバー層4を含む。
【符号の説明】
【0178】
1 ゴルフボール
2 固体センター又はコア
3 中間層
4 アウターカバー層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.(A)以下を含むポリマー
i.エチレン及び/又はαオレフィン、並びに
ii.1種又は複数のα,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸、スルホン酸又はリン酸;
b.(B)一般式(RN)−R’−(X(O)ORを有する化合物[式中
i.Rは、
(1)水素、
(2)1種又は複数のC〜C20脂肪族系、
(3)1種又は複数の脂環式系、
(4)1種又は複数の芳香族系、及び
(5)それらの組合せ
からなる群から選択され;
ii.R’は、
(1)1個又は複数の置換されていないC〜C20直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは
(2)1個又は複数の置換された直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは
(3)1個又は複数の芳香族基、或いは
(4)1個又は複数のオリゴマー(最大12個の繰返し単位をそれぞれ含有する)
を含む架橋基であり;
iii.X=C又はS又はPの場合、mは1〜3であり、
iv.X=Cの場合、n=1且つy=1、
v.X=Sの場合、n=2且つy=1、
vi.X=Pの場合、n=2且つy=2];及び
c.塩基性金属イオン塩(ブレンド成分(A)及び(B)に存在する酸性基の一部又はすべてを中和する能力を有する)
の反応生成物を含むブレンド組成物。
【請求項2】
a.前記成分(A)は、エチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸コポリマー又はエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸エステルターポリマーであり、
b.前記成分(B)は、約0.1から約40phrの量で存在し、
c.前記成分(C)は、Li、Na、K、Zn2+、Ca2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Pb2+及びMg2+からなる群から選択されるカチオンを有する塩基性金属イオン塩である
請求項1に記載のブレンド組成物。
【請求項3】
a.前記成分(A)は、
i.単峰性エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー又はエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートターポリマー;或いは
ii.以下を含む双峰性ポリマーブレンド組成物:
(1)高分子量成分(約80,000から約500,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);並びに
(2)低分子量成分(約2,000から約30,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)
であり;
b.前記成分(B)は、約1から約20phrの量で存在し、アミノ酸、ポリペプチド、カルバミン酸、オキサミン酸、アントラニル酸及びそれらの組合せからなる群から選択され;
c.前記成分(C)は、Li、Na、K、Ca2+、Zn2+、Mg2+及びそれらの組合せからなる群から選択されるカチオンを有する塩基性金属イオン塩である
請求項1に記載のブレンド組成物。
【請求項4】
a.前記成分(A)は、単峰性エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー又はエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートターポリマーであり;
b.前記成分(B)は、約1から約15phrの量で存在し、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、ε−カプロラクタム、ω−カプロラクタム及びそれらの組合せからなる群から選択され;
c.前記成分(C)は、金属ギ酸塩、金属酢酸塩、金属硝酸塩、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属アルコキシド及びそれらの組合せからなる群から選択される
請求項3に記載のブレンド組成物。
【請求項5】
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドエラストマー樹脂、ポリアミドアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、熱可塑性コポリエーテルエステルブロックコポリマー、熱可塑性コポリエステルエステルブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、共重合性アイオノマー、三元重合性アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、ポリアミドアイオノマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、共重合性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリスチレン、ジアリルフタレートポリマー、メタロセン触媒ポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン改質SAN及びアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、機能性スチレンコポリマー、機能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、ポリシロキサン及びそれらの組合せからなる群から選択される追加のポリマーをさらに含む請求項1に記載のブレンド組成物。
【請求項6】
a.(A)1種又は複数のアイオノマー;及び
b.(B)一般式(RN)−R’−(X(O)ORを有する化合物[式中
i.Rは、
(1)水素、
(2)1種又は複数のC〜C20脂肪族系、
(3)1種又は複数の脂環式系、
(4)1種又は複数の芳香族系、及び
(5)それらの組合せ
からなる群から選択され;
ii.R’は、
(1)1個又は複数の置換されていないC〜C20直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは
(2)1個又は複数の置換された直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは
(3)1個又は複数の芳香族基、或いは
(4)1個又は複数のオリゴマー(最大12個の繰返し単位をそれぞれ含有する)
を含む架橋基であり;
iii.X=C又はS又はPの場合、mは1〜3であり、
iv.X=Cの場合、n=1且つy=1、
v.X=Sの場合、n=2且つy=1、
vi.X=Pの場合、n=2且つy=2]
の反応生成物を含むブレンド組成物。
【請求項7】
a.前記1種又は複数のアイオノマーは以下からなる群から選択され
i.E/X/Yポリマーを含む単峰性アイオノマー(Eはエチレンであり、XはC3からC8のα,βエチレン性不飽和カルボン酸であり、Yはアクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルからなる群から選択される軟化性コモノマーであり、ここでアルキル基は炭素原子1〜8個を有し、XはE/X/Yコポリマーの約2から約30重量%の範囲にあり、YはE/X/Yコポリマーの0から約35重量%の範囲にあり、前記アイオノマーポリマーに存在する酸性基は、亜鉛、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属で部分的に中和されている);
ii.以下を含む双峰性アイオノマー
(1)高分子量成分(約80,000から約500,000の範囲の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);並びに
(2)低分子量成分(約2,000から約30,000の範囲の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);
iii.以下を含む改質単峰性アイオノマー;
(1)エチレン、
(2)5から25重量パーセントの(メタ)アクリル酸(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)、
(3)0から40重量パーセントのCからC−アクリル酸アルキル(前記改質アイオノマーの総重量に対して)、及び
(4)(前記改質アイオノマーの総重量に対して)約5から約40重量パーセントの脂肪酸又は脂肪酸の1種又は複数の金属塩;
iv.以下を含む改質双峰性アイオノマー:
(1)高分子量成分(約80,000から約500,000の範囲の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);
(2)低分子量成分(約2,000から約30,000の範囲の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びそれらの組合せからなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);及び
(3)(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)約5から約40重量パーセントの脂肪酸又は脂肪酸の1種又は複数の金属塩;並びに
v.それらの組合せ;並びに
b.前記成分(B)は、約1から約20phrの量で存在し、アミノ酸、ポリペプチド、カルバミン酸、オキサミン酸、アントラニル酸及びそれらの組合せからなる群から選択される
請求項6に記載のブレンド組成物。
【請求項8】
a.前記アイオノマーは、単峰性エチレン/(メタクリル酸)コポリマー又はエチレン/メタクリル酸/(メタ)アクリル酸エステルターポリマーであり、
b.成分(B)は、約1から約15phrの量で存在し、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、ε−カプロラクタム、ω−カプロラクタム及びそれらの組合せからなる群から選択される
請求項7に記載のブレンド組成物。
【請求項9】
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミドエラストマー樹脂、ポリアミドアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、熱可塑性コポリエーテルエステルブロックコポリマー、熱可塑性コポリエステルエステルブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、共重合性アイオノマー、三元重合性アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、ポリアミドアイオノマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、共重合性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリスチレン、ジアリルフタレートポリマー、メタロセン触媒ポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン改質SAN及びアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、機能性スチレンコポリマー、機能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、ポリシロキサン及びそれらの組合せからなる群から選択される追加のポリマーをさらに含む請求項6に記載のブレンド組成物。
【請求項10】
a.コア;
b.アウターカバー層;及び
c.0から5つの中間層
を含み;
d.前記コア、アウターカバー及び/又は存在する場合、中間層のうちの1つ又は複数は、
i.(A)エチレン及び/又はαオレフィン、並びに1種又は複数のα,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸、スルホン酸又はリン酸を含むポリマー、
ii.(B)一般式(RN)−R’−(X(O)ORを有する化合物[式中
(1)Rは、
(a)水素、
(b)1種又は複数のC〜C20脂肪族系、
(c)1種又は複数の脂環式系、
(d)1種又は複数の芳香族系、及び
(e)それらの組合せ
からなる群から選択され;
(2)R’は、
(a)1個又は複数の置換されていないC〜C20直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは
(b)1個又は複数の置換された直鎖状若しくは分枝状脂肪族基又は脂環式基、或いは
(c)1個又は複数の芳香族基、或いは
(d)1個又は複数のオリゴマー(最大12個の繰返し単位をそれぞれ含有する)
を含む架橋基であり;
(3)X=C又はS又はPの場合、mは1〜3であり、
(4)X=Cの場合、n=1且つy=1、
(5)X=Sの場合、n=2且つy=1、
(6)X=Pの場合、n=2且つy=2]及び
iii.(C)塩基性金属イオン塩(ブレンド成分(A)及び(B)に存在する酸性基の一部又はすべてを中和する能力を有する)
の反応生成物を含むゴルフボール。
【請求項11】
a.前記成分(A)は、エチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸コポリマー又はエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸/α,β−エチレン性不飽和C〜C20カルボン酸エステルターポリマーであり、
b.前記成分(B)は、アミノ酸、ポリペプチド、カルバミン酸、オキサミン酸、アントラニル酸及びそれらの任意の及びすべての混合物からなる群から選択され;
c.前記成分(C)は、Li、Na、K、Zn2+、Ca2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Pb2+及びMg2+からなる群から選択されるカチオンを有する塩基性金属イオン塩である
0から3つの中間層を含む請求項10に記載のゴルフボール。
【請求項12】
a.前記成分(A)は、
i.単峰性エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー又はエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートターポリマー;或いは
ii.以下を含む双峰性ポリマー:
(1)高分子量成分(約80,000から約500,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);並びに
(2)低分子量成分(約2,000から約30,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている)
であり;
b.前記成分(B)は、アミノ酸、ポリペプチド、カルバミン酸、オキサミン酸、アントラニル酸及びそれらの任意の及びすべての混合物からなる群から選択され;
c.前記成分(C)は、Li、Na、K、Zn2+、Ca2+及びMg2+からなる群から選択されるカチオンを有する塩基性金属イオン塩である
1から約3つの中間層を含む請求項10に記載のゴルフボール。
【請求項13】
a.前記成分(A)は、単峰性エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー又はエチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリレートターポリマーであり;
b.前記成分(B)は、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、ε−カプロラクタム、ω−カプロラクタム及びそれらの組合せからなる群から選択され;
c.前記成分(C)は、金属ギ酸塩、金属酢酸塩、金属硝酸塩、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属アルコキシド及びそれらの組合せからなる群から選択される
1つの中間層を有する請求項12に記載のゴルフボール。
【請求項14】
前記コア、アウターカバー及び/又は存在する場合、中間層のうちの1つ又は複数は、
a.以下を含むブレンド組成物
i.エチレン、
ii.5から25重量パーセントの(メタ)アクリル酸(a、b及びcの総重量に対して)、
iii.0から40重量パーセントのCからC−アクリル酸アルキル(a、b及びcの総重量に対して)、及び
iv.(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)約5から約45重量パーセントの脂肪酸又は前記脂肪酸の1種又は複数の金属塩;或いは
b.以下を含む双峰性ポリマーブレンド組成物;
i.高分子量成分(約80,000から約500,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);
ii.低分子量成分(約2,000から約30,000の分子量を有し、1種又は複数のエチレン/α,β−エチレン性不飽和C〜Cカルボン酸コポリマー及び/又は1種又は複数のエチレン、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ターポリマーを含み、リチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及び任意のこれらの混合物からなる群から選択される金属イオンで部分的に中和されている);並びに
iii.(前記改質アイオノマーポリマーの総重量に対して)約5から約45重量パーセントの脂肪酸又は前記脂肪酸の1種又は複数の金属塩;或いは
c.1)と2)の組合せ
を含む改質アイオノマーポリマーをさらに含み、
d.前記改質アイオノマーポリマーに存在する酸性基の約40から100パーセントは、亜鉛、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムイオン又はそれらの任意の及びすべての組合せで中和されている
請求項10に記載のゴルフボール。
【請求項15】
前記コアが、
a.少なくとも1種の不飽和ポリマー;
b.少なくとも1種の架橋剤;
c.少なくとも1種の共架橋剤;
d.場合により少なくとも1種のペプタイザー;
e.場合により少なくとも1種の硬化促進剤;及び
f.場合により少なくとも1種の充填剤
をさらに含む請求項10に記載のゴルフボール。
【請求項16】
a.前記不飽和ポリマーは、約20から約80のムーニー粘度(ML1+4(100℃))を有し、1,2−ポリブタジエン、シス−1,4−ポリブタジエン、トランス−1,4−ポリブタジエン、シス−ポリイソプレン、トランス−ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリブチレン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー並びに部分的及び完全に水素化した等価物、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー並びに部分的及び完全に水素化した等価物、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、それらの任意の及びすべての組合せからなる群から選択され;
b.前記架橋剤は、前記不飽和ポリマー100重量部当たり約0.05から約5重量部の量で存在し;
c.前記ペプタイザーは、存在する場合、
i.有機イオウ化合物、
ii.有機イオウ化合物の金属塩、
iii.有機イオウ化合物の非金属塩、又は
iv.i)、ii)及びiii)の任意の及びすべての組合せ
を含み;
d.前記硬化促進剤は、存在する場合、前記不飽和ポリマー100重量部当たり約0.1から約10重量部の量で存在し;
e.前記充填剤は、存在する場合、沈降水和シリカ、石灰岩、クレー、タルク、アスベスト、バライト、グラスファイバー、アラミドファイバー、雲母、メタケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リトポン、シリケート、炭化ケイ素、ケイ藻土、炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウム又は炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシウム又は硫酸マグネシウム又は硫酸バリウムなどの硫酸塩、タングステン、鋼、銅、コバルト又は鉄を包含する金属、金属合金、炭化タングステン、金属酸化物、金属ステアリン酸塩、及びその他の微粒子炭素質材料並びにそれらの任意の及びすべての組合せからなる群から選択される
請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項17】
a.前記不飽和ポリマーはシス−1,4−ポリブタジエンであり、約30から約60のムーニー粘度(ML1+4(100℃))を有し;
b.前記架橋剤は、前記不飽和ポリマー100重量部当たり約0.2から約3重量部の量で存在し;
c.前記ペプタイザーは、存在する場合、
i.前記不飽和ポリマー100重量部当たり約0.01から約10重量部の量で存在し;
ii.有機イオウ化合物、有機イオウ化合物の金属塩、有機イオウ化合物の非金属塩、及びそれらの組合せからなる群から選択され;
d.前記硬化促進剤は、存在する場合、前記不飽和ポリマー100重量部当たり約0.2から約5重量部の量で存在する
請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項18】
a.前記不飽和ポリマーはシス−1,4−ポリブタジエンであり、約35から約50のムーニー粘度(ML1+4(100℃))を有し;
b.架橋剤は、前記不飽和ポリマー100重量部当たり約0.2から約2重量部の量で存在し;
c.前記ペプタイザーは、存在する場合、
i.前記不飽和ポリマー成分100重量部当たり約0.1から約7重量部の量で存在し;
ii.ペンタクロロチオフェノール、ジベンズアミドジフェニルジスルフィド、ペンタクロロチオフェノールの金属塩、一般式[NR(R、R、R及びRは、水素、C〜C20脂肪族系、脂環式系又は芳香族系及びそれらの組合せのいずれかである)を有するアンモニウムカチオンを有するペンタクロロチオフェノールのアンモニウム塩からなる群から選択され;
d.前記硬化促進剤は、存在する場合、前記不飽和ポリマー100重量部当たり約0.5から約1.5重量部の量で存在し、2−メルカプトベンゾチアゾール及び2−メルカプトベンゾチアゾールの塩からなる群から選択される
請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項19】
前記ペプタイザーは、存在する場合、ペンタクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタクロロチオフェノールのNH塩及びそれらの組合せからなる群から選択され、前記不飽和ポリマー成分100重量部当たり約0.15から約5重量部の量で存在する請求項18に記載のゴルフボール。
【請求項20】
前記コアが、
a.少なくとも1種の架橋剤(0.1時間に等しいt1/2で150℃未満の第1の特徴的な分解温度を有する);
b.少なくとも1種の架橋剤(0.1時間に等しいt1/2で150℃を超える第2の特徴的な分解温度を有する)
を含む請求項15に記載のゴルフボール。
【請求項21】
第1の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤と第2の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤との組成重量比が5:95から95:5の範囲にある請求項20に記載のゴルフボール。
【請求項22】
第1の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤と第2の特徴的な分解温度を有する少なくとも1種の架橋剤との組成重量比が10:90から50:50の範囲にある請求項20に記載のゴルフボール。
【請求項23】
飛来速度125フィート/秒でCORが約0.790を超える請求項10に記載のゴルフボール。
【請求項24】
前記コア、存在する場合、0から5つの前記中間層、又は少なくとも1つの前記カバー層のうちの1つ又は複数が、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、共重合性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリフェニレンエーテル、耐衝撃性ポリスチレン、ジアリルフタレートポリマー、メタロセン触媒ポリマー、スチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン改質SAN及びアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−無水マレイン酸(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、機能性スチレンコポリマー、機能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、ポリシロキサン及び任意のそれらの組合せからなる群から選択されるポリマーをさらに含む請求項10に記載のゴルフボール。
【請求項25】
前記コアがセンター及び前記センターの周りに配置した1つ又は複数の層を含み、ある層とその隣の層との間の硬度差がショアDで2単位を超え、好ましくは5単位を超え、最も好ましくは10単位を超える請求項10に記載のゴルフボール。
【請求項26】
前記硬度がコアからアウターコア層へ外側に増大する請求項25に記載のゴルフボール。
【請求項27】
前記硬度がコアからアウターコア層へ外側に向かって減少する請求項25に記載のゴルフボール。
【請求項28】
請求項1に記載のブレンド組成物を含むスポーツ用品の品目。
【請求項29】
請求項6に記載のブレンド組成物を含むスポーツ用品の品目。
【請求項30】
スポーツ用衣類、長靴、スニーカー、クロッグ、サンダル、スリッポンサンダル及び靴、ゴルフシューズ、テニスシューズ、ランニングシューズ、運動靴、ハイキングシューズ、スキー板、スキーマスク、スキー靴、サイクリングシューズ、サッカーシューズ、ゴルフクラブ及びゴルフバッグからなる群から選択される請求項28に記載のスポーツ用品の品目。

【図1】
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【公開番号】特開2006−28517(P2006−28517A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206269(P2005−206269)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(500474251)テイラー・メイド・ゴルフ・カンパニー・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】