説明

サイドドア

【課題】複数の被固定部と複数の固定部が衝撃を受けても、オーナメントがアームレスト本体部から外れることを防止できるサイドドアを提供する。
【解決手段】ドアトリム5にアームレスト11が形成され、アームレスト11は、アームレスト本体部7と肘掛部8とを備え、肘掛部8の一部分はアームレスト本体部7とは別体のオーナメント10で形成され、アームレスト本体部7の車室内側W1の端部の上端部に設けられた複数の被固定部R1に、オーナメント10に設けられた複数の固定部R2が各別に固定され、複数の被固定部R1がアームレスト本体部7の車室内側の端部の上端部に上下複数段にわたって配置されるとともに、複数の固定部R2がオーナメント10に上下複数段にわたって配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
ドアトリムにアームレストが形成され、
前記アームレストは、前記ドアトリムの一部分を車室内側に膨出させて形成されたアームレスト本体部と、前記アームレスト本体部の上端部に固定されて乗員の腕を載せる肘掛部とを備え、
前記肘掛部の一部分は前記アームレスト本体部とは別体のオーナメントで形成され、
前記アームレスト本体部の車室内側の端部の上端部に設けられた複数の被固定部に、前記オーナメントに設けられた複数の固定部が各別に固定されているサイドドアに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のサイドドアでは、前記肘掛部の一部分を前記アームレスト本体部とは別体のオーナメントで形成して外観品質を向上させている。
従来、前記固定部を被固定部に固定する手段として、前記ドアトリムのアームレスト本体部の開口周縁部に被固定部としての切り欠きを複数個、前記開口周縁部の周方向に一列形成するとともに、オーナメントの外周部に固定部としての係合爪を複数個、オーナメントの周方向に一列形成し、前記複数の切り欠きに複数の係合爪を各別に差し込んでかしめていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平06−83495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構造によれば、ドアトリムのアームレスト本体部の開口周縁部に被固定部としての切り欠きを複数個、前記開口周縁部の周方向に一列形成するとともに、オーナメントの外周部に固定部としての係合爪を複数個、オーナメントの周方向に一列形成しただけの構造であったために、固定強度が十分ではなく側面衝突時などに入力された荷重により、被固定部と固定部に過大な負荷がかかり、被固定部と固定部の固定が解除されてオーナメントが外れる虞があった。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、アームレスト本体部の車室内側の端部の上端部に設けられた複数の被固定部と、前記オーナメントに設けられた複数の固定部とが衝撃を受けても、オーナメントがアームレスト本体部から外れることを防止できるサイドドアを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
ドアトリムにアームレストが形成され、
前記アームレストは、前記ドアトリムの一部分を車室内側に膨出させて形成されたアームレスト本体部と、前記アームレスト本体部の上端部に固定されて乗員の腕を載せる肘掛部とを備え、
前記肘掛部の一部分は前記アームレスト本体部とは別体のオーナメントで形成され、
前記アームレスト本体部の車室内側の端部の上端部に設けられた複数の被固定部に、前記オーナメントに設けられた複数の固定部が各別に固定されているサイドドアであって、
前記複数の被固定部が前記アームレスト本体部の車室内側の端部の上端部に上下複数段にわたって配置されるとともに、前記複数の固定部が前記オーナメントに上下複数段にわたって配置されている点にある。(請求項1)
【0006】
この構成によれば、前記複数の被固定部が前記アームレスト本体部の車室内側の端部の上端部に上下複数段にわたって配置されるとともに、前記複数の固定部が前記オーナメントに上下複数段にわたって配置されているから、前記複数の被固定部と複数の固定部が1段づつ配置されている構造に比べると、オーナメントの周方向及びアームレスト本体部の上端部の周方向にスペースがない場合であっても被固定部と固定部の数を増やすことができる。
これにより、固定部と被固定部との固定強度を向上させることができるとともに、固定部と被固定部に加わる力を効率的に分散させることができ、各固定部と各被固定部が衝撃を受けても、これらの周辺のドアトリムの端部が車室内に飛び出したり割れたり割れた破片などが車室内に飛び出したりしないようにすることができて、側面衝突時に乗員を保護することができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記複数の固定部と前記複数の被固定部は前記ドアトリムの裏側に配置された側面衝突時用の衝撃吸収パッドの上方に配置されていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
衝撃吸収パッドが配置されている範囲の境目では、衝撃吸収パッドとドアトリムとが一緒に変形する個所と、ドアトリムのみが変形する個所とで変形量が異なるため、前記境目周辺が大きく変形する虞がある。本発明の上記構成によれば固定部と被固定部との固定強度を向上させることができるとともに、固定部と被固定部に加わる力を効率的に分散させることができるから、上記のように前記境目周辺が大きく変形しても、オーナメントの外れを防ぐことができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記肘掛部に上側が開放した把持用の凹部が形成され、
前記複数の固定部と前記複数の被固定部は前記凹部の後ろ側の側方に配置されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
ドアを車室内側から閉める場合、乗員は前記凹部に手を掛けて閉める。この時、凹部に近いドアトリムには、手を掛けて閉めたときに車室内側に荷重がかかる。この力は、被固定部と固定部に対して固定を解除させる方向に加わり、固定部と被固定部との固定強度が低いと被固定部と固定部の固定が解除される虞があるが、本発明の上記構成によれば、固定部と被固定部の固定強度を向上させることができるとともに、固定部と被固定部に加わる力を効率的に分散させることができるから、前記複数の固定部と前記複数の被固定部は前記凹部の後ろ側の側方に配置されていても、各固定部と各被固定部の固定が解除されることを防止することができる。(請求項3)
【0011】
本発明において、
前記複数の固定部と複数の被固定部はそれぞれ千鳥状に配置されていると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
【0012】
被固定部と固定部の数を増やすだけではスペースの確保が難しいが、本発明の上記構成によれば、前記複数の固定部と複数の被固定部はそれぞれ千鳥状に配置されているから、上下方向で隣り合う被固定部同士、固定部同士の間隔を狭くすることができ、上下のスペースが狭くても被固定部と固定部の数を増やすことができる。(請求項4)
【0013】
本発明において、
前記被固定部は、前記アームレスト本体部にボスを突設して構成され、
前記固定部は、前記オーナメントにボス挿通孔を形成して構成され、
前記ボスが前記ボス挿通孔に挿通されてから前記ボスの先端部側が熱溶着されて、前記固定部が前記被固定部に熱カシメ固定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0014】
固定部と被固定部の固定強度を強くすることができ、固定作業を簡単化することができる。(請求項5)
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、
アームレスト本体部の車室内側の端部の上端部に設けられた複数の被固定部と、前記オーナメントに設けられた複数の固定部とが衝撃を受けても、これらの周辺のドアトリムの端部が車室内に飛び出したり割れたり割れた破片などが車室内に飛び出したりしないようにすることができて、オーナメントがアームレスト本体部から外れることを防止できるサイドドアを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動車の前半部の側面図
【図2】サイドドアを車室内側から見た図
【図3】ドアトリムを裏側(車室外側)から見た図
【図4】ドアトリムの肘掛部をアームレスト本体部から分離した状態のドアトリムの分解斜視図
【図5】ドアトリムの製造方法を示す図
【図6】ボードとオーナメントの固定箇所を示す図
【図7】図6のA−A断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に示すように、自動車の車体の側部にフロントサイドドア50(以下、「ドア50」と略称する)が開閉自在に設けられている。このドア50は、窓用開口が上部に形成されたドアパネル1と、窓用開口の下方のドアパネル1を車室内側W1から覆う内装材としての樹脂製のドアトリム5とを備えている。ドアパネル1の窓用開口には昇降可能なウインドガラス2が配置されている。
【0018】
ドアパネル1は車室外側W2のアウタパネル3(図1参照)と車室内側W1のインナパネル4(図2参照)から成る。アウタパネル3とインナパネル4は周縁部同士が接合され、前記周縁部よりも径方向内方側のパネル部分同士が互いに間隔を空けて対向している。ドアトリム5は意匠面の裏側に設けられた複数のクリップ40(図3参照)でインナパネル4に取り付けられている。
【0019】
図2,図4に示すように、ドアトリム5の本体部を構成するドアトリム5のボード6に車室内側W1に張り出すアームレスト11が形成されている。アームレスト11は、ボード6の一部分を車室内側W1に膨出させて形成されたアームレスト本体部7と、アームレスト本体部7とは別体に構成され、アームレスト本体部7の上端部に固定されて乗員24(図7参照)の腕を載せる肘掛部8とを備えている。アームレスト本体部7の上端部は上方に開口している。
【0020】
前記肘掛部8は車両前後方向に2分割されており、車両前方側Frの前側分割肘掛部8Aと車両後方側Rrの後ろ側分割肘掛部8B(肘掛部の一部分に相当)とから成る。前側分割肘掛部8Aは後ろ側分割肘掛部8Bよりも車両前後方向に長く形成されている。また、前側分割肘掛部8Aの後端部には、ドア50を開閉する際に乗員24が把持する凹部状のプルハンドル9(凹部に相当)が形成され、プルハンドル9の前方側にドアロックや電動開閉式ウインドウを操作するためのスイッチアセンブリが組み付けられている。
【0021】
アームレスト本体部7の車室外側W2の側部の上方に、アームレスト本体部7とは別体のオーナメント10が取り付けられている。前記後ろ側分割肘掛部8Bはオーナメント10の車両後方側の端部(後端部)の下端部から車室内側W1に延出した延出壁部で構成されている。オーナメント10は装飾部材であり、アームレスト本体部7及び前側分割肘掛部8Aと異なる色に着色されている。
【0022】
図2,図3に示すように、アームレスト11の下方に位置するボード6の下端部中央の裏側に車両前後方向に長い側面視長方形状のポケット部材が固定されてポケット12が形成されている。また、ボード6の下半部の後端部に側面衝突時用の衝撃吸収パッド13が配置されている。
【0023】
衝撃吸収パッド13は車両後方側Rrほど上方に位置するように傾斜して、シートに着座した乗員24の腰の側方に位置している。衝撃吸収パッド13の前面は前記ポケット12の後面(車両後方側Rrの面)に近接して対向し、衝撃吸収パッド13の後面はドアトリム5の緩やかな円弧状の後端縁に沿う緩やかな円弧状に形成されている。また、衝撃吸収パッド13は後ろ上方側ほど幅狭に形成されている。衝撃吸収パッド13の前端部に対して後ろ上方に位置する衝撃吸収パッド13の後端部13Kはアームレスト11の後端部11Kの下方に位置している。
【0024】
前記ポケット12・オーナメント10・衝撃吸収パッド13は、熱カシメによってドアトリム5のボード6等に固定されている。この固定構造については後で詳しく説明する。
【0025】
アームレスト11は、ウインドガラス2を昇降させるために必要なスイッチを保持しており、このスイッチ等が交換される場合がある。そこで、前記前側分割肘掛部8Aがアームレスト本体部7の上端部に分離自在に固定されている。
【0026】
詳述すると、前側分割肘掛部8A(図4参照)の周部に、下方に突出する複数の係合爪15が分散配設されている。そして、アームレスト本体部7の上端部に前記係合爪15の数と同じ数だけ係合孔16が形成され、前記複数の係合爪15が複数の係合孔16に各別に挿入係合して前側分割肘掛部8Aがアームレスト本体部7の上端部に分離自在に固定されている。
【0027】
これにより、前側分割肘掛部8Aをアームレスト本体部7から再び取り外すことができて前記スイッチ等を交換することができる。
【0028】
[オーナメント10の構造]
図4に示すように、前記オーナメント10はアームレスト本体部7の車室外側W2の側部の側方から立ち上がる車両前後方向に長い縦壁17を備え、この縦壁17の下端部の後端部から前記後ろ側分割肘掛部8Bが車室内側W1に延びている。
【0029】
後ろ側分割肘掛部8Bは平面視長方形状に形成され、周部に下方に延びるフランジ状の周壁19を備えている。
【0030】
前記縦壁17は、アームレスト本体部7の前端部(車両前方側Frの端部)付近からアームレスト本体部7の後端部(車両後方側Rrの端部)付近に達する長さに設定されている。縦壁17の上下両端部と前後両端部には、これらよりも車室外側W2に位置する段差状の波形の第1取り付けフランジ21が形成されている(図6,図7参照)。
【0031】
前記後ろ側分割肘掛部8Bの幅は、アームレスト本体部7の上面の幅とほぼ同一に設定され、後ろ側分割肘掛部8Bのフランジ状の周壁19のうち車室内側W1に位置する側壁23(壁面が車幅方向を向く側壁23)の下端部には、前記側壁23よりも車室外側W2に位置する第2取り付けフランジ22が、上下二段にわたって段差状に折曲形成されている(図6,図7参照)。この第2取り付けフランジ22は、上側第2取り付けフランジ22Aと、上側第2取り付けフランジ22Aよりも車室内側W1に位置する下側第2取り付けフランジ22Bとから成る。
【0032】
そして、縦壁17の第1取り付けフランジ21と、後ろ側分割肘掛部8Bの上側第2取り付けフランジ22A及び下側第2取り付けフランジ22Bとに、ドアトリム5の裏面に突設されたボス14を挿通させるボス挿通孔Sがそれぞれ形成されている。第1取り付けフランジ21には各波の凸部ごとに前記ボス挿通孔Sが形成されている。つまり、第1取り付けフランジ21と上側第2取り付けフランジ22Aと下側第2取り付けフランジ22Bとにボス挿通孔Sをそれぞれ形成して各固定部R2が構成されている。
【0033】
図5に示すように、上側第2取り付けフランジ22Aと下側第2取り付けフランジ22Bに形成されたボス挿通孔Sは車両前後方向で互いに位置ずれして千鳥状に位置している。上側第2取り付けフランジ22Aに形成されたボス挿通孔Sと、下側第2取り付けフランジ22Bに形成されたボス挿通孔Sとに対応するアームレスト本体部7の後述のボス14(図7参照)も千鳥状に形成されている。前記複数のボス14と複数のボス挿通孔Sはプルハンドル9(図4参照)の後ろ側の側方に配置されている。9Hはプルハンドル9の開口である。図7に示すように、オーナメント10の車室内側W1の面には表皮材41が貼着されている。
【0034】
図4に示すように、前記縦壁17の前端縁と上端縁とで形成されるコーナー部、及び、前記前端縁は互いに連続したなだらかな凸の円弧状に形成されて外観が向上している。また、図7に示すように、縦壁17は下端部側ほど車室外側W2に位置するように傾斜している。
【0035】
[ドアトリム5のボード6及びアームレスト本体部7とオーナメント10の接合構造]
ドアトリム5のボード6の裏面には第1取り付けフランジ21のボス挿通孔Sに挿通するボス14が突設されている。また、アームレスト本体部7には、上側第2取り付けフランジ22Aのボス挿通孔Sと下側第2取り付けフランジ22Bのボス挿通孔Sにそれぞれ挿通するボス14が突設されている(図7参照)。このように、アームレスト本体部7にボス14を突設して被固定部R1が構成されている。そして、各ボス14が、対応する前記ボス挿通孔Sに挿通され、ボス14の頂部が各フランジに溶着して熱カシメされている。以下、互いにかしめ固定された1個のボス14と1個のボス挿通孔Sを備えたかしめ部を「溶着部25」と称する。
【0036】
側面衝突時においては、ドア50が室外側から大きな力を受け、これによってドアトリム5は、乗員24の側面(図7参照)に接触する。このとき衝撃吸収パッド13が潰れる(変形する)ことで乗員24にかかる衝撃を和らげる役目を果たす。
一方、ドアトリム5のボード6は、オーナメント10よりも乗員24に近くレイアウトされているため、同じく乗員24の側面に衝撃吸収パッド13が接触するのとほぼ同時に接触する。これにより接触時に肘掛部8およびボード6には激しく変形するほど力がかかる。特に、衝撃吸収パッド13が配置されている範囲の境目では、衝撃吸収パッド13とドアトリム5とが一緒に変形する箇所と、ドアトリム5のみが変形する箇所とで変形量が異なるため、前記境目周辺が大きく変形する虞がある。
【0037】
これに対して、本発明の上記構成によれば、複数の被固定部R1がアームレスト本体部7の車室内側W1の端部の上端部に上下2段にわたって配置されるとともに、前記複数の固定部R2がオーナメント10に上下2段にわたって配置されているから、前記複数の被固定部R1と複数の固定部R2が1段づつ配置されている構造に比べると被固定部R1と固定部R2の数を増やすことができる。
【0038】
これにより、固定部R2と被固定部R1の固定強度を向上させることができ、固定部R2と被固定部R1に加わる力を効率的に分散させることができ、各固定部R2と各被固定部R1が衝撃を受けても、これらの周辺のドアトリム5の端部が車室内に飛び出したり割れたり割れた破片などが車室内に飛び出したりしないようにすることができて、側面衝突時に乗員を保護することができる。また、前記前側分割肘掛け部8Aの係合爪15をアームレスト本体部7の係合孔16に挿入係合する際に、後ろ側分割肘掛部8Bの周辺のオーナメント10が撓むことを抑えることができて、係合爪15が係合孔16に嵌合しやすくすることができる。
【0039】
ドア50を車室内側W1から閉める場合、乗員24は、アームレスト11に設けられたくぼみに手を掛けて閉めるのが一般的であり、くぼみに近いボード6には、手を掛けて閉めたときに、車室内方向に荷重がかかる。この力の方向は、溶着部25に対して溶着を剥離させる方向であり、溶着部25の強度が低いと、溶着部25が破損してしまう。本構造では、上下2段に溶着部25を配し、溶着点数を多くしているため、効率的に荷重を分散させて前記剥離を防止することができる。
【0040】
また、肘掛部8は乗員24の肘を乗せる個所あり、オーナメント10の他の個所と比べて下方向に荷重を受けやすい。また下方向の荷重は、乗員24が肘を掛ける際に勢い良くのせることも考えられるため大きな荷重がかかる恐れがある。本発明では、上下2段に溶着部25が配置されているので1段の場合よりも、溶着点数を多くできて大きな荷重を受け止めることができる。
【0041】
ポケット12・衝撃吸収パッド13にもそれぞれ複数の固定部R2が設けられ、前記複数の固定部R2が各別に固定される複数の被固定部R1がボード6に設けられている。
【符号の説明】
【0042】
5 ドアトリム
7 アームレスト本体部
8 肘掛部
8B 肘掛部の一部分(後ろ側分割肘掛部)
9 凹部(プルハンドル)
10 オーナメント
11 アームレスト
13 衝撃吸収パッド
14 ボス
24 乗員
R1 被固定部
R2 固定部
S ボス挿通孔
W1 車室内側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアトリムにアームレストが形成され、
前記アームレストは、前記ドアトリムの一部分を車室内側に膨出させて形成されたアームレスト本体部と、前記アームレスト本体部の上端部に固定されて乗員の腕を載せる肘掛部とを備え、
前記肘掛部の一部分は前記アームレスト本体部とは別体のオーナメントで形成され、
前記アームレスト本体部の車室内側の端部の上端部に設けられた複数の被固定部に、前記オーナメントに設けられた複数の固定部が各別に固定されているサイドドアであって、
前記複数の被固定部が前記アームレスト本体部の車室内側の端部の上端部に上下複数段にわたって配置されるとともに、前記複数の固定部が前記オーナメントに上下複数段にわたって配置されているサイドドア。
【請求項2】
前記複数の固定部と前記複数の被固定部は前記ドアトリムの裏側に配置された側面衝突時用の衝撃吸収パッドの上方に配置されている請求項1記載のサイドドア。
【請求項3】
前記肘掛部に上側が開放した把持用の凹部が形成され、
前記複数の固定部と前記複数の被固定部は前記凹部の後ろ側の側方に配置されている請求項1又は2記載のサイドドア。
【請求項4】
前記複数の固定部と複数の被固定部はそれぞれ千鳥状に配置されている請求項1〜3のいずれか一つに記載のサイドドア。
【請求項5】
前記被固定部は前記アームレスト本体部にボスを突設して構成され、
前記固定部は前記オーナメントにボス挿通孔を形成して構成され、
前記ボスが前記ボス挿通孔に挿通されてから前記ボスの先端部側が熱溶着されて、前記固定部が前記被固定部に熱カシメ固定されている請求項1〜4のいずれか一つに記載のサイドドア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−6418(P2012−6418A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141359(P2010−141359)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】