説明

サブストレート、製造方法、診断システム及び検出方法

【課題】リガンドに結合された分子の大きさが制御された、好ましくは円錐型の化合物が結合されたサブストレートの提供
【解決手段】分枝された部位の豊富な末端にサブストレートが結合されていて、線状の部位の末端は官能基化されている、分枝された部位及び線状の部位から構成された重合体からなる、均一なスペーサの分子の大きさが制御されたデンドリマー高分子の分子膜を含む、サブストレートの応用を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高度に分枝された巨大分子(macromolecule)に関するものである。本発明は、前記巨大分子が表面に固定された官能基化されたサブストレートに関するものである。また、本発明は、デンドロン(dendron)の一側面には官能的なサブストレートが結合されていて、他側面には標的特異的リガンドが結合されている、分子の大きさが制御されたデンドリマー(size−controlled dendrimer)及びデンドロンに関するものである。また、本発明は、プローブ生体分子が結合されている高度に分枝された高分子が結合された官能基化されたサブストレートを利用した組合わせ化学(combinatorial chemistry)分野、特定蛋白質検出方法、特定核酸混成化、または核酸/ペプチド混成化検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DNA序列、遺伝的変異、及び遺伝子発現に対する大量分析を可能にするため、DNAマイクロアレイ(DNA microarray)は、最初の報告[Fodor et al.,Nature 364,555−556(1993);Saiki et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6230−6234(1986)]以来、多大な関心が持たれている。前記の標準化及びヒト遺伝子分析への応用のために、必須の正確度、再生産性、及び点均質性(spot homogeneity)の側面で改善が必要であると言われている[Hackett et al.,Nature Biotechnology 21,742−743(2003)]。このような側面は、主に理想的な形状とは異なる表面及び分子の中間層構造(molecular interlayer structure)の性質に起因する。類似して、大量標的検出システム分野は、固定された生体活性分子及び生体分子を利用した生物学的分析を含む。
【0003】
本明細書によるナノサイズに調節された表面に製作されたDNAマイクロアレイは、溶液状態のDNAと同一な程度に、単一塩基で間違えて組合わされた対を識別することができる。このような接近は、最小限の立体障害(steric hindrance)を有して、各々のプローブDNA筋(probe DNA strand)に標的DNAと相互作用することができる十分な空間が与えられる理想的なDNAマイクロアレイを提供する。顕著に増加した識別効率(discrimination efficiency)によって、非常に信頼することができるヒト遺伝子分析を提供することができる。さらに、このような接近は、固定された生体活性分子や生体分子を利用した多様な生物学的分析に応用できるほど一般的である。
【0004】
親和性精製(Affinity purification)は、リガンド結合蛋白質の分離及び同定のための周知の技術である[Cuatrecasas et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1968,61,636−643]。不溶性サブストレートに共有的に結合されたリガンド及び相補的な標的蛋白質の特異的相互作用は、複雑な混合物から生体分子を分離するのに要求される特異性を供給する。しかし、前記技術の多様な利用は、伝統的なサブストレートの制約的選択及び不安定性のために、制限がある。多くの固体支持体に対する蛋白質の注目すべき非特異的結合は、新たなサブストレートを確立するのにいつでも問題となってきた(Cuatrecasas,P.J.Biol.Chem.1970,245,3059−3065)。したがって、環境変化による安定性及び正確に定義されて簡便なリガンド結合を示す特異さの観点で、伝統的なサブストレートと比較されるほどの新たなサブストレートを見つけることが要求されてきた。
【0005】
固体ペプチド合成のために伝統的に使用されてきたAMPCPG(aminopropyl−controlled pore glass)は、多くの好ましい点を有していることが明らかになっている。しかし、CPG(controlled pore glass)の表面は、極性で、コーティングされた時さえも部分的な負の電荷が維持された(Hudson,D.J.Comb.Chem.1999,1,403−457)。蛋白質の注目すべき非特異的結合と関連して、形態は最も重要な役割を果たす。したがって、親和性クロマトグラフィー及び固体ペプチド合成に対する応用は制限されてきた。このような短所が克服される時、前記物質の多様な利用が期待されるはずである。
【0006】
リガンドの接近性は、結合能力を決定する際に重要な要素となる。スペーサ物質(spacer molecule)の導入及びリガンドの濃度の増加が、表面にリガンドをよりよく露出させるために使用される伝統的な方法であった(Rusin,et al.,Biosensors & Bioelectronics 1992,7,367−373;Suen et al.,Ind.Eng.Chem.Res.2000,39,478−487;Penzol et al.,Biotechnol and Bioeng.1998,60,518−523;Spinke et al.,J.Chem.Phys.1993,99,7012−7019)。前記方法は、一定程度の効果はあるが、リガンド間の不適切な間隔及び表面に対する捕獲物質(capture molecule)の無秩序な分布が、未だ解決されていない問題点である(Hearn et al.,J.Chromatogr.A.1990,512,23−39;Murza et al.,J.Chromatogr.B.2000,740,211−218;Xiao et al.,Langmuir 2002,18,7728−7739)。最近、このような問題点を改善するための二つの方法が提供されている。一つの方法は、位置固定のための物質として蛋白質のような巨大物質を利用するものである。前記蛋白質はサブストレートに結合されて、前記位置固定のための物質が除去されて洗浄される。このような方式で、サブストレート上に残留した連結物質間の特定距離が確保される。それにもかかわらず、位置固定のための物質の選択及びこれを除去するための経路は、全ての他の状況に対して精巧に最適化されなければならない(Hahn et al.,Anal.Chem.2003,75,543−548)。他の方法としては、正確に整列された自己組立て単一層(self−assembled monolayer)を提供して、デンドロンの最頂点に活性化された機能基を使用する円錐型のデンドロン(cone−shape dendron)を使用するものである(Xiao et al.,Langmuir 2002,18,7728−7739;Whitesell et al.,Langmuir 2003,19,2357−2365)。
【0007】
本発明は、デンドロンを使用したAMPCPGの改質、デンドロンの最頂点にGSHの追加的結合、及びGST蛋白質の結合による表面物質の特性を提示する。末端に3乃至9つのカルボキシ酸及び最頂点に一つのアミン基を有するデンドロンをマトリクスに導入した。前記カルボキシ酸は固体表面に共有的に結合されている。GST(glutathione S−transferase)遺伝子融合システムに対する理解及び幅広い使用によって、グルタチオン(glutathione)をデンドロンで処理したサブストレートに対するリガンドとして選択した。前記サブストレートのリガンド結合程度をGST及び2種類の融合蛋白質リガンド(GST−PXP47、GST−Munc−18)を利用して測定した(Smith et al.,Gene 1988,67,31−40;Sebastian et al.,Chromatogr.B.2003,786,343−355;Wu et al.,Chromatogr.B.2003,786,177−185;DeCarlos et al.,J.Chromatogr.B.2003,786,7−15)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、リガンドに結合された分子の大きさが制御された、好ましくは円錐型の化合物が結合されたサブストレートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、分枝された部位の多数の末端はサブストレートに結合されていて、線状の部位の末端は官能基化された分枝された部位及び線状の部位を含む重合体を含む、規則的に分布する分子の大きさが制御された巨大分子の分子層を含むサブストレートに関するものである。
【0010】
前記巨大分子は、サブストレート上に規則的な間隔で分布する。
詳しくは、前記巨大分子は、線状の部位の官能基間の間隔が約0.1nm乃至約100nmの規則的な間隔になるように分布する。
より詳しくは、前記巨大分子が約10nmの規則的な間隔で分布する。
【0011】
前記サブストレートにおいて、分枝された部位の末端は、−COZ、−NHR、−OR´、または−PR´´からなる群から選択されたもので官能基化されていて、前記Zは離脱基(leavinggroup)であり、前記Rはアルキル基(alkyl)であり、前記R´はアルキル基、アリール基(aryl)、またはエーテル(ether)であり、前記R´´は水素、アルキル基、アルコキシ基(alkoxy)、または酸素である。特に、COZは、エステル、活性化されたエステル、酸ハロゲン化合物(acid halide)、活性化されたアミド(amide)、またはCO−イミダゾイル(imidazoyl)であり、Rは、炭素数1乃至4のアルキル基であり、R´は、炭素数1乃至4のアルキル基である。また、前記サブストレートにおいて、前記重合体は、デンドロン(dendron)である。また、前記重合体の線状の部位はスペーサ部位を含み、前記スペーサ部位は、第1官能基を通して分枝された部位に連結されている。前記第1官能基は、−NH、−OH、−PH、−COOH、−CHO、または−SHであるが、これに制限されない。また、前記スペーサ部位は、第1官能基に共有的に結合された結合部位を含むものである。
【0012】
前記サブストレートにおいて、前記結合部位は、置換されたり置換されていないアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基(cycloalkyl)、アリール基、エーテル基、ポリエーテル基(polyether)、エステル基(ester)、またはアミノアルキル基(aminoalkyl)である。また、結合部位であるスペーサ部位は第2官能基を含む。第2官能基は、−NH、−OH、−PH、−COOH、−CHO、または−SHであるが、これに制限されない。前記第2官能基は線状の部位の末端に位置する。また、保護基(protecting group)が線状の部位の末端に結合されている。前記保護基は、酸反応性(acid labile)または塩基反応性(base labile)物質である。
【0013】
本発明のまた他の具体的な例で、前記サブストレートは、標的特異的リガンドを前記線状の部位の末端に結合させることができる。より詳しくは、前記標的特異的リガンドは、化合物、DNA、RNA、PNA、アプタマー(aptamer)、ペプチド、ポリペプチド、炭水化物、抗体、抗原、バイオミメティックス(biomimetics)、ヌクレオチド類似体(nucleotide analog)、またはこれらの混合物からなる。また、前記巨大分子の線状の部位に結合されている標的特異的リガンド間の距離は、約0.1nm乃至約100nmである。
【0014】
本発明のまた他の具体的な例で、前記サブストレートは、半導体(semiconductor)、合成有機金属(synthetic organic metal)、合成半導体(synthetic semiconductor)、金属(metal)、合金(alloy)、プラスチック(plastic)、シリコン(silicon)、シリケート(silicate)、ガラス(glass)、またはセラミック(ceramic)である。詳しくは、前記サブストレートは、スライド(slide)、粒子(particle)、ビーズ(bead)、マイクロウェル(microwell)、または多孔性物質であるが、これに制限されない。前記多孔性物質は、メンブレイン、ゼラチン(gelatin)、または水和ゲル(hydrogel)である。より詳しくは、前記ビーズは、制御された気孔を有するビーズ(controlled pore bead)である。
【0015】
また、本発明は、分枝された部位及び線状の部位を含む重合体を含む、規則的に分布する分子の大きさが制御された巨大分子の分子層の製造方法に関するものであって、前記分枝された部位の多数の末端はサブストレートに結合されていて、前記線状の部位の末端は官能基化されていて、前記方法は、(i)巨大分子の末端と反応することができるようにサブストレートを官能基化する段階;及び(ii)前記巨大分子をサブストレートと接触させて、前記巨大分子の末端及び前記サブストレート間の結合を形成する段階;を含む。
【0016】
前記製造方法で、前記サブストレートは、半導体、合成有機金属、合成半導体(synthetic semiconductor)、金属(metal)、合金(alloy)、プラスチック(plastic)、シリコン(silicon)、シリケート(silicate)、ガラス(glass)、またはセラミック(ceramic)からなるが、これに制限されない。前記サブストレートは、スライド、ビーズ、マイクロウェル、または多孔性物質である。前記多孔性物質は、水和ゲル、ゼラチン、またはメンブレインである。前記ビーズは、制御された気孔を有するビーズである。
【0017】
また、前記のような製造方法において、標的特異的リガンドを線状の部位の末端に結合させることができ、前記方法は、(i)前記サブストレート上の巨大分子の線状の部位の末端から保護基を除去する段階;及び(ii)標的特異的リガンドまたは前記リガンドに連結された同型の両作用性(homobifunctional)リンカーまたは異型の両作用性(heterobifunctional)リンカーからなる群から選択されたリンカー分子を前記サブストレート上の巨大分子の線状の部位の末端と接触させて、前記リガンドまたはリンカー分子及び前記末端が結合を形成するようにする段階;を含む。
【0018】
前記製造方法において、前記サブストレート上の前記巨大分子によって、線状の部位の末端及び標的特異的リガンド間の結合における障害を最少化させることができる。また、前記製造方法において、前記サブストレート上の前記巨大分子によって、標的特異的リガンドの特異的な標的を検出する際の障害を最少化させることができる。また、前記製造方法において、前記標的特異的リガンドは規則的な間隔で分布する。また、前記製造方法において、前記標的特異的リガンドは低い密度で前記サブストレート上に位置する。また、前記製造方法において、標的特異的リガンドは、化合物、DNA、RNA、PNA、アプタマー、ペプチド、ポリペプチド、酵素、炭水化物、ポリサッカライド、抗体、抗原、バイオミメティックス、ヌクレオチド類似体、またはこれらの混合物である。
【0019】
本発明のまた他の具体的な例において、本発明は、前記サブストレートを含む遺伝子変異を検出するための診断システムに関し、前記サブストレートは、線状の部位の末端が標的特異的オリゴヌクレオチドに固定されている。このようなオリゴヌクレオチドは癌関連遺伝子である。特に、前記癌関連遺伝子はp53である。
【0020】
本発明のまた他の具体的な例において、本発明は、前記サブストレートを分析対象遺伝子を含む試料と接触させる段階を含み、前記サブストレートは、線状の部位の末端が標的特異的オリゴヌクレオチドに固定されている、遺伝子の変異の存在有無の検出方法に関するものである。本方法において、前記遺伝子は癌関連遺伝子である。また、前記遺伝子はp53である。
【0021】
本発明のこのような目的は、下記の発明の詳細な説明、添付した図面、及び添付された請求項によって、より明確に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本明細書において、‘a’及び‘an’は単数及び複数の全てを意味するために使用される。
【0023】
本明細書において、‘アプタマー(aptamer)’とは、ワトソン−クリック塩基対の形成または三重筋形成以外のメカニズムによって選択された非オリゴタイド分子、または分子群を特異的に認識することができる単一筋、部分的に単一筋、部分的に二重筋、または二重筋ヌクレオチド序列、有利に複製可能なヌクレオチド序列などを意味する。
【0024】
本明細書において、‘ニ官能性または二作用性(bifunctional)’、‘三官能性または三作用性(trifunctional)’、及び‘多官能性または多作用性(multifunctional)’が合成重合体または多価ホモ重合体またはヘテロ重合体性ハイブリッド構造を示すために使用される場合、二価、三価、または多価を意味したり、二つ、三つ、または複数の特異的認識要素、定義された序列断片、または結合シートを含むことを意味する。
【0025】
本明細書において、‘バイオミメティック(biomimetic)’とは、生物学的分子、分子グループ、または構造を模倣する分子、グループ、多分子構造、または方法を意味する。
【0026】
本明細書において、‘デンドリチク分子(dendritic molecule)’とは、中心からまたは中心側に分枝された層の連続的添加または世代添加によって形成された規則的なテンドリチク分子を示す分子を意味する。
【0027】
本明細書において、‘デンドリチク重合体(dendritic polymer)’とは、中心からまたは中心側に分枝された層の連続的添加または世代添加によって形成された規則的なテンドリチク分子を示す重合体を意味する。デンドリチク重合体とは、中心、少なくともひとつ以上の内部分枝層、及び表面分枝層によって特徴づけられる‘デンドリマー(dendrimers)’を含む[see,e.g.,Petar et al.Pages641−645 In Chem.in Britain,(August 1994)]。‘デンドロン(dendron)’とは、焦点から放射された分子を有するデンドリマーの一種で、中心に連結されて、直接または連結モイアティーを通してデンドリマーを形成することができるものを意味する。多くのデンドリマーは、共通の中心に連結された二つまたはそれ以上のデンドロンを含む。しかし、デンドリマーとは、広くは、一つのデンドロンを含む意味で使用されることができる。
【0028】
デンドリチク重合体は、対称または非対称的な分枝型デンドリマー、キャスケート分子、及びアーボロル(arborol)などを含むが、これに限定されない。好ましい具体例として、前記分枝された枝は、同一な長さでありうる。例えば、前記分枝は、通常の続けて形成される分枝上に位置した末端のNH基の水素原子の制限なしに起こることができる。しかし、非対称的なデンドリマーも使用することができる。例えば、リシン(lysine)起源のデンドリマーは非対称的である。つまり、前記デンドリマーの分枝された枝は、その長さが異なる。ある分枝がライシン分子のエプシロン窒素(epsilon nitrogen)で起こり、他の分枝が前記分子を以前に形成された分枝に結合させる反応性カルボキシ基に隣接したアルファ窒素(alpha nitrogen)で起こることができる。
【0029】
また、規則的な連続的な分枝層の添加によって形成されなかったとしても、高度に分枝された重合体、例えば高度に分枝されたポリオール類(polyols)は、デンドリマーの分枝された様式に接近するほどの規則性を有する分枝された様式を示す、デンドリチク重合体と同等なものであることができる。
【0030】
本明細書において、巨大分子またはデンドロン構造を説明するために使用される‘高度に分枝された(hyper branched)’または‘分枝された(branched)’という用語は、共有結合またはイオン結合によってサブストレートに結合することができる複数の末端を有している多数の重合体を意味する。ある具体的な例で、前記分枝されたまたは高度に分枝された構造の巨大分子は、予め製造されて(pre−made)、サブストレートに結合されているものである。したがって、本発明の巨大分子から、米国特許第5,624,711号(Sundberg et al.)に記載されたような重合体交差結合方法は除外される。
【0031】
本明細書において、‘固定された(immobilized)’という用語は、不溶性化されたものを意味したり、不溶性、部分的に不溶性、コロイド、微粒子、分散、懸濁及び/または脱水された物質、または固体支持体に結合したりこれを含む分子、または固体を含んだりこれに結合したり、操作可能に関連づけられたものを意味する。
【0032】
本明細書において、‘ライブラリー(library)’とは、混合物、分子、材料、表面、構造的形態、表面特徴、または選択的で制限がない多様な化学的存在、単量体、重合体、構造体、前駆体、産物、変異体、誘導体、物質、形態、模様、特徴の無作為的または非無作為的混合、集合、または分類(assortment)を意味する。
【0033】
本明細書において、‘リガンド’とは、相補的な塩基対の結合を含む親和性基材の引力によって他の分子と特異的に結合することができる選択された分子を意味する。前記リガンドは、核酸、多様な合成化合物、水溶体作用物質(receptor agonist)、部分的作用物質、混合作用物質、拮抗物質(antagonist)、反応誘発分子(response−inducing molecule)、反応促進分子(response−stimulus molecule)、薬品、ホルモン、フェロモン、神経伝達物質(transmitter)、オータコイド(autacoid)、成長因子(growth factors)、サイトカイン(cytokine)、補欠分子群(prosthetic group)、補助酵素(coenzyme)、補助因子(cofactors)、サブストレート、前駆体(precursors)、ビタミン、毒素(toxins)、調節因子(regulatory factor)、抗原、ハプテン(hapten)、炭水化物、分子模写体(molecular mimic)、構造的分子(structural molecule)、作動分子(effector molecule)、選択分子(selectable molecule)、バイオチン(biotin)、ジゴクシジェニン(digoxigenin)、交差反応物質(crossreactant)、類似体(analog)、競争体(competitor)、及びこれら分子の誘導体だけでなく、選択された標的特異的結合を行うことができるライブラリー選択非オリゴヌクレオチド分子、及びこのような物質が2次反応(second molecule)と結合することによって形成されるコンジュゲートを含むが、これらに制限されない。
【0034】
本明細書において、‘リンカー分子’及び‘リンカー’とは、分枝された/線状の重合体のような分子の大きさが制御された巨大分子の分枝された部分を保護基またはリガンドに結合させる分子を意味する。例えば、リンカーは、リガンドをデンドロンに結合させることができる選択された分子、スペーサ分子などを含むが、これに限定されない。
【0035】
本明細書において、‘低密度(low density)’とは、プローブの個数が約0.01乃至約0.5個/nm、好ましくは約0.05乃至約0.2個/nm、より好ましくは約0.075乃至約0.15個/nm、最も好ましくは約0.1個/nmであるものを意味する。
【0036】
本明細書において、‘分子模写体(molecular memics)’及び‘ミメティクス(mimetics)’とは、例えば天然、生物学的、または選別された分子のような他の分子または分子グループの構造または機能と同等か類似した構造、または機能を有するように設計、選択、製作、改質、またはエンジニアリングされた天然または合成ヌクレオチドまたは非ヌクレオチド分子または分子グループを意味する。分子模写体は、天然、合成、選択された、または生物学的分子に対する代替剤、代案剤、機能向上剤、機能改善剤、構造的類似体、または機能的類似体として作用することができる分子または多分子構造体を含む。
【0037】
本明細書において、‘ヌクレオチド類似体(nucleotide analog)’とは、核酸合成及び加工、好ましくは化学的合成及び加工だけでなく、酵素的合成及び加工で自然に存在する塩基の代わりに使用されることができる分子、特に塩基対を形成することが可能な変型されたヌクレオチド、及びアデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、または少数塩基を含まない任意に合成された塩基を意味する。このような用語は、変型されたピューリン及びピリミジン、少数塩基、転換可能なヌクレオシド、ピューリン及びピリミジンの構造的類似体、標識化(labeled)、誘導体化、及び変型されたヌクレオシド及びヌクレオチド、コンジュゲーティッドヌクレオシド及びヌクレオチド、序列改質剤(modifier)、末端改質剤、スペーサ改質剤、及び骨格が変型されたヌクレオチドを含むが、これに限定されず、またリボス変型ヌクレオチド、ホスホアミデート、ホスホロチオネート、ホスホンアミデート、メチルホスフェノイト、メチルホスフォアミデート、メチルホストアミデート、5´−β−シアノエチルホスホアミデート、メチレンホスホナート、ホスホジオチオエイト、ペプチド、核酸、非光学選択性(achiral)及び中性ヌクレオチド連結(internucleotidic linkages)、及びポリエチレングリコール、芳香性ポリアマイド及び脂肪のような非ヌクレオチド連結を含むが、これに制限されない。
【0038】
本明細書において、‘重合体またはポリマー(polymer)’または‘分枝された/線状のポリマーまたは重合体’という用語は、分子の一末端で分枝された構造を有し、他の末端には線状の部分を有して、分枝された領域はサブストレートに結合し、線状の領域はリガンド、プローブ、または保護基に結合する分子を意味する。
【0039】
本明細書において、‘ポリペプチド’、‘ペプチド’、及び‘蛋白質’とは、アミノ酸残基から構成された重合体を意味するもので、互いに混用される。この用語は、自然系に存在するアミノ酸から構成された重合体だけでなく、一つ以上の残基が自然に存在するアミノ酸に相応する任意的に合成された類似体である場合にも適用される。前記用語は、また、ポリペプチドを形成するアミノ酸を連結する典型的なペプチド結合に対する多様な変異体を含むものとして使用される。
【0040】
本明細書において、‘保護基(protecting group)’とは、分子の反応基(例えばヒドロキシル基またはアミン基)に結合されたグループを意味する。前記保護基とは、一つ以上の化学反応で特定のラジカルの反応を阻止するために選択されたものを意味する。一般に、特定の保護基は、分子に存在する他の反応基の変化なく特定の反応基を回復するために後に除去されるようにするために選択されるものを意味する。保護基の選択は、保護対象の特定のラジカルの機能及びそれが提示される化合物を考慮して行われる。前記保護基の選択に関する技術は、例えばGreeneなどのProtective Groups in Organic Synthesis[2版、John Wiley&Sons,Inc.Somerset,N.J.(1991)]などによって周知である。
【0041】
本明細書において、‘保護化されたアミン(protected amine)とは、アミノ保護基と反応したアミンを意味する。アミノ保護基は、線状の末端の機能基がアミノ基である場合に、分枝された末端が固体支持体に結合される間にアミド反応が起こるのを防止する。前記アミノ保護基は、前記分子で他の反応基の変化なくアミノ基を維持して、次の段階で除去されるようにする。例えば、前記エクソサイクリックアミン(exocyclic amine)は、ジメチルアミノメチレンアミノ反応を行うために、ジメチルホルムアミドジエチルアセタールと反応することができる。アミノ保護基は、一般に、カバーメイト(carbamate)、ベンジルラジカル(benzyl radical)、イミデート(imidate)、及び関連分野の当業者に周知の他のものを含む。好ましいアミノ保護基としては、p−ニトロフェニルエトキシカルボニル(p−nitrophenylethoxycarbonyl)やジメチルアミノメチレンアミノが含まれるが、これに限定されない。
【0042】
本明細書において、‘規則的な間隔(regular interval)’という用語は、前記分子の大きさが制御されたデンドリマー(size−controlled dendrimers)の巨大分子の末端間の空間が規則的であることを意味し、これらの間の距離が実際的な立替障害(steric hindrance)なく、標的特異的リガンド及び標的間の相互作用が起こるための空間である約1nm乃至約100nmであることを意味する。したがって、サブストレート上の巨大分子層は、特異的な分子相互作用が起こるように、密度が高すぎてはならない。
【0043】
本明細書において、‘固体支持体(solid support)’とは、固定化されたサブストレートからなる構造を意味する。前記固定化されたサブストレートとは、不溶性物質、固体、表面、サブストレート、層、コーティング(coating)、織物または不織布、マトリクス、結晶、メンブレイン、不溶性重合体、プラスチック、ガラス、生物学的または生物両立性(biocompatible)、生物腐食性(bioerodible)、または生分解が可能な重合体、またはサブストレート、マイクロパーティクル(microparticle)またはナノパーティクル(nanoparticle)を含むが、これに限定されない。固体支持体は、例えば、単一層(monolayers)、二重層(bilayers)、商業的メンブレイン(commercial membranes)、樹脂(resins)、マトリクス、繊維、分離媒質(separation media)、クロマトグラフィー支持体(chromatography support)、重合体、プラスチック、ガラス、雲母、金、ビーズ、マイクロスピア、ナノスピア、シリコン、ガリウム非化物、有機及び無機金属、半導体、絶縁剤、マイクロ構造及びナノ構造を含むが、これに限定されない。マイクロ構造及びナノ構造は、超小型でナノメートル規模であり、超分子の大きさのプローブ、チップ(tip)、バー(bar)、楔、キャップ、棒(rod)、スリーブ(sleeve)、線(wire)、フィラメント、及びチューブを含むが、これに限定されない。
【0044】
本明細書において、‘スペーサ分子’とは、二つのヌクレオチド間またはヌクレオチド及び非ヌクレオチドが結合することができるように選択されたり考案された、一つまたはそれ以上のヌクレオチドまたは非ヌクレオチド分子、機能基、スペーサアーム(arm)を意味し、好ましくは、ヌクレオチド間またはヌクレオチド及び非ヌクレオチド間の距離を変化または調整することができるものを意味する。
【0045】
本明細書において、‘特異的結合’とは、リガンド及びその特異的結合パートナー間、または定義された序列断片及び選択された分子または選択された核酸序列間に、測定可能で再現性がある程度の引力を意味する。引力の程度は最大である必要はない。弱い、中間、または強い引力が多様に適用されることができる。このような相互作用で起こる特異的結合は、本技術分野の専門家に周知である。定義された合成序列断片に関して、それは合成アプタマー、合成ヘテロ重合体に、ヌクレオチドリガンド、ヌクレオチド受容体、形状認識要素、及び特異的に結合可能な表面である。前記‘特異的結合’は、構造的形状及び表面特徴を特異的に認識するものを含む。特異的結合は、化学的同一性(identity)(つまり、一つ以上の同一な化学的グループ)または特異的結合パートナーを有する分子的認識能(つまり、分子的結合特異性)を共有する第3の分子(つまり、競争者)によって競争的に阻害される二つの分子間(つまり、特異的結合パートナー)の特異的で飽和可能で(saturable)非共有的な相互作用を明確に意味する。前記競争者は、例えば交差反応物(cross reactant)、抗体またはその抗原類似体、リガンドまたはその受容体、またはアプタマーまたはその標的である。例えば、抗原抗体間の特異的結合は、交差反応する抗体または抗原により競争的に阻害される。前記‘特異的結合’とは、特異的結合及び構造的形状認識を全て含む特異的認識の部分集合であって、略称または近接した意味で便宜上使用することができる。
【0046】
本明細書において、‘サブストレート’とは、物質(substance)、構造、表面または材料(material)に使用される場合に、非生物学的、合成的、生きていない(nonliving)、平べったい球形の、または平らな表面を含む組成物であって、表面、構造、または材料を含む多様な分子種を超越する複数の認識シート、特異的結合、混成化または触媒的認識シート、または多数の多様な認識シートを含む。前記サブストレートは、例えば半導体、合成(有機)金属、合成半導体、絶縁剤、ドーパント(dopant);金属、合金、元素、化合物、ミネラル;合成、切断、エッチング、リソグラフィ、印刷、機械化されたり微細に製作されたスライド、装置、構造及び表面;産業的重合体、プラスチック、メンブレイン、シリコン、シリケート、ガラス、金属及びセラミック;木、紙、カードボード、綿、毛、服、織物または不織布、材料(material)、ファブリク;分枝された/線状の重合体を利用して、プローブ分子の固定化によって改質されないナノ構造またはマイクロ構造を含むが、これに限定されない。
【0047】
本明細書において、‘標的プローブ結合(target−probe binding)’とは、少なくとも一つの選択された分子が特異的方式で他の一つに結合された、二つ以上の分子を意味するものである。一般に、最初に選択された分子は、2番目に選択された分子と間接的に、つまり、例えばスペーサアーム(arm)、スペーサグループ、分子、ブリッジ、運搬体、または特異的認識パートナーの介入によって、または直接的に、例えば、スペーサアーム、グループ、分子、ブリッジ、運搬体、または特異的認識パートナーの介入なく結合することができる。他の非共有的結合は、ヌクレオチド及び非ヌクレオチド分子の結合を意味し、例えばイオン結合、疏水性相互作用、リガンドヌクレオチド結合、キレーティング剤/金属イオン対形成、または特異的結合対、例えばアビジン/バイオチン、ストラップタビジン/バイオチン、アンチ−フルオレセイン/フルオレセイン、アンチ−2,4−ジニトロフェノール(anti−2,4−dinitrophenol)/ジニトロフェノール(DNP)、アンチ−パーオキシダイズ(peroxidase)/パーオキシダイズ、抗ジゴキシジェニン(digoxigenin)/ジゴキシジェニン、またはより一般な収容体/リガンド間の結合を含む。例えば、アルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase)、ホスラディシュパーオキシダイズ(horseradish peroxidase)、β−カラクトシダーゼ、ウレアーゼ(urease)、ルシフェラーゼ(luciferase)、ロダミン(rhodamine)、フルオレセイン(fluorescein)、フィコエリトリン(phycoerythrin)、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウムエステル、または、例えば標識の目的で使用された蛍光マイクロスピアなどのリポーター分子が選択した分子または選択された核酸序列にアビジン/ビオチン(avidin/biotin)、ストレプタビジン/ビオチン(streptavidin/biotin)、アンチフルオセイン/フルオセイン、アンチ−ペルオキシダイズ(peroxidase)/ペルオキシダイズ、アンチ−2,4−ジニトロフェノール(anti−2,4−dinitrophenol)/ジニトロフェノール(DNP)、アンチジゴキシジェニン(digoxigenin)/ジゴキシジェニン、または受容体/リガンド間の結合によって(つまり、直接的及び共有結合によって)選択された分子または選択された核酸序列に特異的結合対を通して結合することもできる。
【0048】
[巨大分子重合体の製剤(formulation)]
図1は本発明の重合体の構造式Iを説明するための図である。多様なR、T、W、L、及びX基の変異体が図1に示されている。前記本発明の巨大分子の重合体は、分枝されたり、高度に分枝されたり、または対称か非対称の重合体を含む。前記重合体の分枝された末端は、好ましくは多数の末端を通してサブストレートに結合することができる。前記重合体の線状の末端は、保護基または標的特異的リガンドに結合することができる官能基を有することができる。前記サブストレート上の多数の重合体間のプローブ間の距離は、約0.1nm乃至約100nmであり、好ましくは約1nm乃至約100nm、より好ましくは約2nm乃至約70nm、より好ましくは約2nm乃至約60nm、最も好ましくは約2nm乃至約50nmである。
【0049】
<R作用基>
図1に記載された構造式Iによれば、前記重合体は、一般に分枝された部位を含み、多数の末端が官能基化されてサブストレートに結合する。前記分枝された部位内で、分枝の第1世代作用基R(R、R、R)は、官能基Wによって分枝の第2世代作用基Rxx(R11、R12、R13、R21、R22、R23、R31、R32、R33)と連結されている。前記分枝の第2世代作用基は、官能基Wによって分枝の第3世代作用基Rxxx(R111、R112、R113、R121、R122、R123、R131、R132、R133、R211、R212、R213、R221、R222、R223、R231、R232、R233、R311、R312、R313、R321、R322、R323、R331、R332、R333)と連結されている。そして、追加的な第4世代作用基が同一な方式で分枝の第3世代作用基に連結されている。末端のR基は、サブストレートに結合することができるように官能基化されている。
【0050】
全ての世代のR基は同一であるか相異したものである。通常、R基は、反復単位、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、エーテル、ポリエーテル、エステル、アミノアルキルなどのような線状または分枝型有機モイアティであるが、これに限定されない。しかし、全てのR基が同一な反復単位であったり、R基の全ての原子の位置(valence position)が反復単位である必要はない。例えば、第1世代の分枝R、R、R、Rにおいて、前記分枝水準での全てのR基は同一な反復単位でありうる。または、Rは反復単位であり、R及びRはHまたは他の全ての化学作用基(chemical entity)でありうる。または、Rは反復単位であり、R及びRはHまたは他の全ての化学作用基でありうる。これと類似して、第2世代及び第3世代の分枝の場合には、R基は反復単位、H、または他の全ての化学作用基でありうる。
【0051】
したがって、このような方式で多様な形状の重合体を製作することができる。例えば、R、R11、R111、R112、及びR113が同一な反復単位であり、他の全てのR基がH´または他の多くの中性小分子または原子である場合には、R111、R112、及びR113に対する三つの官能基の末端(termini)を有する分枝を有する非常に長くて薄い重合体が形成される。多様な任意の他の化学的配列が可能である。したがって、サブストレートに結合可能な官能基を有する約3乃至約81個の末端を得ることができる。好ましい末端の個数は、約3個乃至約75個、約3個乃至約70個、約3個乃至約65個、約3個乃至約60個、約3個乃至約55個、約3個乃至約50個、約3個乃至約45個、約3個乃至約40個、約3個乃至約35個、約3個乃至約30個、約3個乃至約27個、約3個乃至約25個、約3個乃至約21個、約3個乃至約18個、約3個乃至約15個、約3個乃至約12個、約3個乃至約9個、または約3個乃至約6個である。
【0052】
<T末端基>
末端基Tは、添加反応または置換反応が起こるようにするのに十分な反応性がある作用基である。このような作用基の例として、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルケニル、アリル、ビニル、イミド、ハルロ、ウレア、オクシラニル、アジリジニル、オキサゾールリニール、イミダゾールリニール、スルホネート、ホスホネート、イソシアネート、イソチオシアネート、シラニル、及びハロゲニルなどを含むが、これに限定されない。
【0053】
<W作用基>
図1の構造式Iにおいて、Wは重合体を他のもの(または他の全ての2価有機モイアティ)に連結させることができる全ての作用基であり、エーテル、エステル、アミド、ケトン、ウレア、ウレタン、イミド、カルボネート、カルボン酸無水物、カルボジイミド、イミン、アゾ基、アミジン、チオカルボニル、有機スルフィド、ジスルフィド、ポリスルフィド、有機スルホキシド、サルファイト、有機スルホン、スルホンアミド、スルホン酸塩、有機スルフェート、アミン、有機ホスホロス基、アルキレン、アルキレンオキシド、アルキレンアミンなどを含むが、これに限定されない。
【0054】
<Lスペーサまたはリンカー>
図1において、重合体の線状の部分は、任意に作用基が散在したリンカー部位を含むスペーサドメインを含む。リンカー部位は、多様な重合体から構成される。リンカーの長さは、多様な因子によって決定され、このような因子には、サブストレートに結合する分枝された作用基の数、サブストレートとの結合の長さ、使用されたR基の形態、特に使用された反復単位の形態、重合体の線状の部位の末端に結合する標的特異的リガンドまたは保護基の形態などがある。したがって、前記リンカーは、特定の類型の重合体または特定の長さに制限されないことが分かる。しかし、一般的な基準として、リンカーの長さは約0.5nm乃至約20nmであり、好ましくは約0.5nm乃至約10nm、最も好ましくは約0.5nm乃至約5nmである。
【0055】
リンカーの化学的構造体は、置換されたり置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、エーテル、ポリエーテル、エステル、アミノアルキル、ポリアルケニルグリコールなどのような、しかしこれに制限されない、線状または分枝型有機モイアティを含むことができるが、これに制限されない。前記リンカーは、前記のような作用基を追加的に含むことができ、前記のようにいずれかの特定構造に制限されない。
【0056】
端部で官能基化されたリンカーは、保護基を含む。したがって、一側面において、本発明は、保護基付きの線状の端部を含む多数の分枝/線状の重合体付きのサブストレートに関するものである。このようなサブストレートは、化学的に反応して、標的特異的リガンドによって代替される保護基を除去することができる。したがって、本発明のシステムの機能的用途において、一端の標的特異的リガンドに連結された分枝型/線状の重合体と結合されたサブストレートが提供される。
【0057】
<X保護基>
保護基の選択は、好ましい酸反応性または塩基反応性のような多数の因子によって異なる。したがって、本発明は、作用基が他の化学作用基と反応するのを防止する機能を提供し、所望の特定化された条件下で除去されるものである限り、いかなる特定の保護基にも限定されない。前記保護基は、容易に除去されるのが好ましい。本発明で使用されるこのような保護基の例として、下記のものを挙げることができるが、これに限定されない。
【0058】
アミノ酸保護基:メチル、ホルミル、エチル、アセチル、t−ブチル、アニシル、ベンジル、トリフルオロアセチル、N−ヒドロキシスクシンイミド、t−ブチルオキシカルボニル、ベンゾイル、4−メチルベンジル、チオアニジル、チオクレシル、ベンジルオキシメチル、4−ニトロフェニル、ベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンゾイル、2−ニトロフェニルソルフェニル、4−トルエンスルホニル、ペンタフルオロフェニル、ジフェニルメチル(Dpm)、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4,5−トリクロロフェニル、2−ブロモベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、トリフェニルメチル、2,2,5,7,8−ペンタメチル−クロマン−6−スルホニル、フタルロイル、3−ニトロフタオイルである、4,5−ジクロロフタロイル、テトラブロモフォタロイル、テトラクロロフタロイル。
【0059】
アルコール保護基:p−アニシルオキシメチル(p−AOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、t−ブトキシメチル、2−クロロテトラヒドロフラン(THF)、グアイアコルメチル(Guaiacolmethyl、GUM)、(1R)−メントキシメチル(menthoxymethyl、MM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、メトキシメチル(MOM)、o−ニトロベンジルオキシメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)。
【0060】
DNA、RNA保護試薬:2´−OMe−Ac−C−CEホスホラミダイト、2´−OMe−Ac−RNA CPG、2´−OMe−I−CEホスホラミダイト、2´−OMe−5−Me−C−CEホスホラミダイト、Ac−C−CEホスホラミダイト、Ac−C−RNA 500、dmf−dG−CEホスホラミダイト、dmf−dG−CPG 500、2−アミノ−dA−CEホスホラミダイト(M.P.Reddy,N.B.Hanna,and F.Farooqui,tetrahedron Lett.,1994,35,4311−4314;B.P.Monia,et al.,J.Biol.Chem.,1993,268,14514−14522)。
【0061】
有機合成における一般的な保護試薬:(ジメチル−t−ブチルシリルオキシ)メチルクロライド(SOMCl)、エトキシエチルクロライド(EECl)、−クロロエーテル類、o−ニトロベンジルオキシメチルクロライド、b,b,b−トリクロロエトキシメチルクロライド(TCEMCl)、(−)−メンチル(Menthyl)エステル、(P)−ベンジルエステル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロピルエーテル、1,1,3,3−テトラメチル−1,3,2−チシラザン、1,2,4−ジチアゾールリジン−3,5−ジオン、1,2−ジブロマイド、1,2−ジクロライド、1,2−ジオールモノ−4−メトキシベンジルエーテル、1,2−ジオールモノ−t−ブチルエーテル、1,2−ジオールモノアセテートエステル、1,2−ジオールモノアリルエーテル、1,2−ジオールモノベンゾエートエステル、1,2−ジオールモノベンジルエーテル、1,2−ジオールモノトシレート、1,3−ベンゾジチオラン、1,3−ベンゾジチオラン−2−イルエーテル、1,3−ジオールモノ−4−メトキシベンジルエーテル、1,3−ジオールモノベンゾエートエステル、1,3−ジオールモノベンジルエーテル、1,3−ジオキサン、1−(2−(トリメトキシシリル)エトキシ)エチルエーテル、1−アダマンチルエステル、1−ベンゾイル−1−プロペン−2−イルアミン、1−エトキシエチルエーテル、1−メトキシエチリデンアセタール、1−メチル−1−メトキシエチルエーテル、1−フェニル−3,5−ジ−t−ブチルシクロヘキサジエン−4−オンイルアミン、1−フェニルエチルエステル、2,2,2−トリクロロエトキシメチルエーテル、2,2,2−トリクロロエチルカーボネート、2,2,2−トリクロロエチルエステル、2,2,2−トリクロロエチルホスフェート、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド、2,2−ジメチル−4−ペンテノエートエステル、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド、2,4−DNPハイドラゾン、2,5−ジクロロフェニルホスフェート、2,5−ジメチルピロール、2−(2−メトキシエトキシ)エチルエステル、2−(4−ニトロフェニル)エチルエーテル、2−(4−ニトロフェニル)エチルホスフェート、2−(4−トルエンスルホニル)エチルエステル、2−(ジブロモメチル)ベンゾエートエステル、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート、2−(トリメチルシリル)エチルエステル、2−(トリメチルシリル)エチルエーテル、2−ベンゼンスルホニルエチルチオエーテル、2−ブロモエチルエステル、2−クロロエチルエステル、2−クロロフェニルホスフェート、2−シアノエチルホスフェート、2−メトキシエチルエステル、2−ニトロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロベンゼンスルホンアミド、2−オキサゾリン、2−フェニルエチルエステル、2−ピリジルジスルファイド、2−テトラヒドロピラニルアミン、4−クロロベンゾエートエステル、4−クロロブチルエステル、4−メトキシベンズアミド、4−メトキシベンゾエートエステル、4−メトキシベンジルアミン、4−メトキシベンジルエステル、4−メトキシベンジルオキシメチルエーテル、4−ニトロベンズアミド、4−ニトロベンゾエートエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−ニトロベンジルエーテル、4−ニトロベンジルホスフェート、4−ニトロフェニルエステル、4−ニトロフェニルハイドラゾン、4−トルエンスルホンアミド、4−トルエンスルホン酸塩、9−フルオレニルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルエステル、アリルカーボネート、アリルエステル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホン酸塩、ベンジルカーボネート、ベンジルエステル、BOMエーテル、DMTrエーテル、MEMエーテル、メタンスルホンアミド、メタンスルホン酸塩、エチルカーボネート、MMTrエーテル、MOMカーボネート、MOMエステル、MOMエーテル、MTHPエーテル、MTMエステル、MTMエーテル、N−4−メトキシベンジルアミド、N−4−トリルアミド、N−ベンゼンスルホニルアミド、N−ベンジルイミン、n−ブチルエステル、n−ブチルエーテル、O−4−メトキシベンジルカバーメイト、O−9−フルオレニルメチルカバーメイト、フェニルチオエーテル、フェニルチオールエステルピペリジンアミド、PMBエーテル、SEMエステル、SEMエーテル、スクシネートエステル、t−ブチルカーボネート、t−ブチルエステル、t−ブチルエーテル、t−ブチルホスフェート、t−ブチルチオエーテル、t−ブチルチオールエステル、TBDMSエステル、TBDMSエーテル、TBDPSエーテル、TESエーテル、THFエーテル、THPエーテル、TIPDSジエーテル、TIPSエーテル、TMSエステル、TMSエーテル、TMSチオエーテル、トシルハイドラゾン、TPSエーテル、トリフルオロアセトアミド。
【0062】
商業的に入手可能な保護基の目録は、Sigma−Aldrich(2003)カタログから見つけることができ、その内容は、保護基の基材と関連があるため、全体が参考として本明細書に含まれる。
【0063】
一般に、本発明の一側面において、本発明に使用された保護基は、連続する一つ以上のアミノ酸または適切に保護されたアミノ酸の成長中であるペプチド鎖への添加に使用されるものなどである。普通は、第1アミノ酸のアミノ基またはカルボキシル基は、適切な保護基によって保護されたものである。
【0064】
特に好ましい方法において、前記アミノ作用基は、酸敏感または塩基敏感作用基によって保護されたものである。このような保護基は、連結形成条件に適し、成長中である分枝型/線状の重合体の破壊なく、容易に除去される特性がなければならない。このような適切な保護基には、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、非ペニルイソプロピル−オキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニル、イソボニルオキシカルボニル、(α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロフェニルスルフェニル、2−シアノ−t−ブチルオキシカルボニルなどがあるが、これに限定されない。
【0065】
特に好ましい保護基の例は、また、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(pmc)、p−トルエンスルホニル、4−メトキシベンゼンスルホニル、アダマンチルオキシカルボニル、ベンジル、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、2,6−ジクロロベンジル、イソプロフィル、t−ブチル(t−Bu)、シクロヘキシル、シクロフェニル及びアセチル(Ac)、1−ブチル、ベンジル及びテトラヒドロピラニル、ベンジル、p−トルエンスルホニル、及び2,4−ジニトロフェニルなどを含む。
【0066】
追加的な方法において、線状/分枝型の重合体の分枝の末端を適切な固体支持体に結合させる。前記合成に使用可能な適切な固体支持体は、使用される培地で不溶性であるだけでなく、順次的な縮合−脱保護反応の条件及び試薬に不活性である物質である。
【0067】
分枝型/線状の重合体の線状の末端からのFmocのような保護基の除去は、二次アミン、好ましくはピペリジンで処理して行うことができる。前記保護された部分を約3倍過量のモル数で導入させることができ、DMF内でカップリングを行うのが好ましいこともある。カップリング剤は、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N´,N´−テトラメチルウロニウムヘクサフルオロホスフェート(HBTU、1当量)及び1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBT、1当量)であるが、これに制限されない。
【0068】
ポリマーは、連続操作または単一操作で脱保護させることができる。ポリペプチドの除去及び脱保護は、サブストレート結合ポリペプチドを切断試薬(cleavage reagent)で処理することによって、単一操作で行うことができ、前記切断試薬には、例えばチアニゾル(thianisole)、水、エタンジチオール、及びトリフルオロ酢酸などを使用することができる。
【0069】
下記の表1は、多様な類型の例示的化合物を列挙したものである。しかし、X、L、W、R、及びTの変異も本発明に含まれると理解される。
【表1】


【0070】
[標的特異的(Target−Specific)リガンドまたはプローブ]
標的特異的リガンドは、プローブともいわれ、前記分枝型/線状の重合体の線状の末端に結合するようになる部分であって、化学物質、生化学物質、生活性化合物などの多様な化合物を含む。これと関連して、前記リガンドは、核酸、オリゴヌクレオチド、RNA、DNA、PNA、またはアプタマー(aptamer)である。前記オリゴヌクレオチドは、天然核酸またはその類似体である。したがって、前記リガンドは、天然アミノ酸または合成アミノ酸からなるポリペプチドである。前記リガンドは、核酸、アミノ酸、炭水化物、または分枝型/線状のポリマーの線状の部分に結合することができる他の全ての化学物質の組合わせである。特に、前記リガンドは、トリアジン骨格などに基づく化学物質であり、これは組合わせ的化学ライブラリー、特にトリアジン標識されたライブラリーの成分として使用されることができる。
【0071】
[サブストレート(Substrate)]
サブストレートは、前記分枝型/線状の重合体が共有結合またはイオン結合によって結合することができる全ての固体表面を意味するものである。前記サブストレートは、前記分枝型/線状の重合体の分枝された末端間に結合が起こるように官能基化されたものである。前記サブストレートの表面は、本発明が属する技術分野における当業者の必要に応じて、多様な表面を有することができる。マイクロアレイまたはバイオチップフォーマットが要求される場合には、通常、酸化されたシリコンウエハー、融合シリカ、またはガラスをサブストレートとして使用することができる。前記サブストレートは、ガラススライドであるのが好ましい。サブストレートの他の例として、ニトロセルロースまたはナイロンのようなメンブレンフィルターを挙げることができるが、これに限定されない。前記サブストレートは、親水性または極性でありえ、コーティング前または後に負の電荷または正の電荷を帯びるものである。
【0072】
[マイクロアレイ(microarray)]
DNAマイクロアレイの性能を向上させるために、プローブ設計、スポッティング間の反応条件、混成化及び洗浄条件、非特異的結合の抑制、生体分子(biomolecule)及び表面間の距離、及び固定化された生体分子間の空間などの因子が考慮されなければならない。これら因子の大部分は、マイクロアレイの表面の性質に関連するものであるため、マイクロアレイの研究において、表面最適化が主な目的になっている。Whitesell及びChangは、固定化されたオリゴペプチドのアルファ螺旋形成が空間制御された(space−controlled)金の表面で促進されることを示した[Whitesell et al.,Science 261,73−76(1993)]。
【0073】
本発明では、円錐型デンドロンによって溶解値(1:0.01)に近い単塩基多形成(single nucleotide polymorphism、SNP)識別効率を有し、DNA非特異的結合は減少した、DNAマイクロアレイが提供される。
【0074】
図2はデンドロンの合成を示す概略図である。多様な出発物質、中間体化合物、及びデンドロン化合物が示されており、図面における‘X’はアントラセンメチル(A)、Boc、Fmoc、Nsなどのような全ての保護基である。図3aはデンドロンでガラス表面を改質すること(図3b)及び蛍光物質(fluorophore)で標識された標的ヌクレオチドを適切なオリゴヌクレオチドプローブと選択的に混成化させながら、単塩基が間違えて組合わされた対をデンドロン改質された表面で効果的に識別することができることを示す。
【0075】
分枝の末端に表面反応性作用基を有する第2世代分枝デンドロンを使用することができ、これは自己組立て可能であり、これらの間に適切な空間を提供する。現在までの研究は、ガラスサブストレート上の陽イオン及びデンドロンの末端の陰イオンであるカルボキシレート間の多重イオン結合(multiple ionic attraction)によって良好な動きの(well−behaved)単一層を成功的に生成して、リガンド間の間隔を24Å以上に確保することができることを示した[Hong et al.,Langmuir 19,2357−2365(2003)]。脱保護を容易にし、脱保護した端部のアミンの反応性を増進させるために、本発明者らは、前記構造を図3bに示したように変型させた。また、本発明者は、デンドロンのカルボン酸基及び表面のヒドロキシ基間の共有結合の形成がイオン結合の程度に効果的であり、また末端の安定性を増進させることを観察した。さらに、オリゴエーテル間層(oligoetheral interlayer)が非特異的オリゴヌクレオチド結合を抑制するのに効果的であった。
【0076】
既に報告された方法を利用してヒドロキシ化された表面を製作した[Maskis et al.,核酸s Res.20,1679−1684(1992)]。酸化されたシリコンウエハー、融合シリカ、及びガラススライドを含むサブストレートを(3−グリシドオキシプロピル)メチルジエトキシラン(GPDES)及びエチレングリコール(EG)で改質した。4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下で、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC)または1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を使用してデンドロンのカルボン酸基及びサブストレートのヒドロキシ基間を結合反応させることによって、デンドロンをサブストレートに導入した[Boden et al.,J.Org.Chem.50,2394−2395(1985);Dhaon et al.,J.Org.Chem.47,1962−1965(1982)]。デンドロン導入後の厚さの増加値は11±2Åであり、これはイオン結合で観察された既存の値に匹敵する値である[Hong et al.,Langmuir 19,2357−2365(2003)]。固定化後、デンドロンのアントラセンモイアティで発生する吸収ピークは257nmと観察された。分子層は安定し、ジメチルホルムアミドで1日攪拌した時にも厚さ及び吸着特性に変化を示さない(図4)。タッピングモード原子顕微鏡(tapping mode atomic force microscope、TM−AFM)によって得られた局所イメージも、得られた層が凝集または孔なく非常になめらかで均質であることを示した(図5)。
【0077】
DNAマイクロアレイを準備するために、固定化されたデンドロンを活性化して脱保護過程を通じて一次アミン基を生成した。1.0Mのトリフルオロ酢酸(TFA)で脱保護化後[Kornblum et al.,J.Org.Chem.42,399−400(1977)]に、257nmでの吸収ピークが、表面特性の他のいかなる有害な変化もなく無くなった(図4a)。このような観察結果は、保護基が層に化学的損傷なく成功的に除去され、前記保護基の除去によって厚さが若干減少するということを示した。
【0078】
既に確立された方法[Beier et al.,Nucleic Acids Res.27,1970−1977(1999)]によって、ジ(N−スクシンイミジル)カーボネート(DSC)を使用して改質した後、Microsys 5100 Microarrayer(Cartesian Technologies,Inc.)を使用してクラス10,000クリーンルームに適切にアミン結合された(amine−tethered)オリゴヌクレオチド(20μM)の50mMのソジウム非カーボネートバッファー(10% ジメチルスルホキシド(DMSO)、pH8.5)溶液をスポッティングすることによって、プローブオリゴヌクレオチドを活性化したガラススライド表面に固定化させた。通常、反応性アミン基表面を有するサブストレートに、チオール結合された(tethered)オリゴヌクレオチド及びスクシンイミジル4−マレイミドブチレート(SMB)、またはスルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SSMCC)のような異型の両作用性(heterobifunctional)リンカーを使用する[Oh et al.,Langmuir 18,1764−1769(2002);Frutos et al.,Langmuir16,2192−2197(2000)]。これとは対照的に、デンドロン改質された表面によってアミン作用基間の所定の距離が確保されるので、DSCのような同型の両作用性(homobifunctional)リンカーを使用しても何ら問題がない。結果的に、アミン結合された(tethered)オリゴヌクレオチドをスポッティングに使用することができる。費用効率性は別問題として、チオール結合された(tethered)オリゴヌクレオチドが特定条件下で有用であるが、容易に酸化されるチオール結合されたオリゴヌクレオチドの使用を回避することができる。
【0079】
前記DNAマイクロアレイを製作して、相補的対(A:T)及び3組の内部単塩基が間違えて組合わされた対(T:T、G:T、C:T)の間の識別効率を評価することができる。プローブオリゴヌクレオチドを4/4フォーマットに並べてスポッティングした後、前記マイクロアレイを恒湿器(湿度80%)で12時間インキュベーティングして、アミン結合された(tethered)DNAに十分な反応時間を提供した。その後、スライドを37℃で3時間バッファー溶液(2x SSPEバッファー(pH7.4)、7.0mMのソジウムドデシルスルフェートを含む)で攪拌して、沸騰した水で5分間攪拌して、非特異的に結合されたオリゴヌクレオチドを除去した。最後に、次の段階のために、DNA機能化されたマイクロアレイを窒素気流下で乾燥させた。適切な比較のために、他の種類のプローブを一つのプレート上にフローティングした。
【0080】
混成化させるために、15塩基オリゴヌクレオチド(標的1)または45塩基オリゴヌクレオチド(標的2)を使用した(図3c)。Cy3蛍光染料で標識された標的オリゴヌクレオチド(1.0nM)を含む前記洗浄バッファー溶液で50℃で1時間GeneTACTMHybStation(Genomic Solution,Inc.)を使用して混成化を行った。過剰の標的オリゴヌクレオチドを除去するために、前記マイクロアレイを37℃でバッファー溶液で4回洗浄して、窒素で乾燥した。各々のスポット上の蛍光信号は、ScanArray Lite(GSI Lumonics)を使用して測定し、Imagene4.0(Biodiscovery)を使用して分析した。
【0081】
15塩基標的オリゴヌクレオチドの場合、得られたイメージは、正しく組合わされた対と内部が間違えて組合わされた対との間の強度に顕著な差があることを示した(図6A)。標準化された蛍光信号比率(または完全に組合わされた対に対する単塩基の内部の間違えて組合わされた対の強度の比率、つまりMM/PM)は、0.005、0.008、及び0.006(T:T、G:T、及びC:Tの内部の間違えた組合わせ)(図6A及び表2)であった。観察された選択度は、既存の通常の方法より顕著に向上し、一般的な表面上でのマイクロアレイと比較する時、非常に大きい選択度の増加(20乃至82倍)が記録された(表2)。すでに、本発明者は、また、混合された自己組立て単一層(つまり、混合SAM)を含む多様なアミン表面上に製作されたマイクロアレイの選択度の比率が1:0.19乃至0.57であることを観察した[Oh et al.,Langmuir 18,1764−1769(2002)]。また、他の研究者らによって、表面を改質させてより優れた検出方法を開発して、DNAマイクロアレイの性能を改善させることが報告されたが、蛍光検出方法に関連する限り、これらのうちのいかなるものも、このような改善された比率を示すことはできなかった[Zhao et al.,J.Am.Chem.Soc.125,12531−12540(2003);Chakrabarti et al.,J.Am.Chem.Soc.125,12531−12540(2003);Benters et al.,Nucleic Acids Res.30、e10(2002);Guschin et al.,Analytical Biochemistry250,203−211(1997);Taton et al.,Science289,1757−1760(2000);Wang et al.,Nucleic Acids Res.30,e61(2002)]。例えば、3成分混成化/検出システム(捕獲者/標的/プローブ)において、成功的な識別比率である1:0.07が報告された(Zhao et al.,J.Am.Chem.Soc.125,12531−12540(2003)]。選択度を増加させることができるペプチド核酸(PNAs)を使用する場合にも、金薄膜及び金ナノ粒子上での選択度は各々1:0.14及び1:0.07であった[Chakrabarti et al.,J.Am.Chem.Soc.125,12531−12540(2003)]。
【表2】

【0082】
より実際的なシステムを実現するために、45塩基の標的オリゴヌクレオチドを使用した。T:T、G:T、及びC:Tの内部に間違えて組合わされた塩基対に対するMM/PMの比率が0.006、0.009、及び0.009であった(図6B及び表2)。このような結果は、標的オリゴヌクレオチドの長さが長い場合に、明確な選択性(selectivity)を現わすことを示す。前記DNAマイクロアレイの効率は、デンドロン改質表面の特殊性、つまり固定されたDNA−鎖間のmesospacingによるものであると思われる。
【0083】
比較のために、(3−アミノプロピル)ジエトキシメチルシラン(APDES)に変型させたサブストレート上にDNAマイクロアレイを製作した(Oh et al.,Langmuir18,1764−1769(2002))。これは、DNAまたは蛋白質マイクロアレイ用に使用される一般的なサブストレートである。1,4−フェニレンジイソチオシアネート(PDITC)リンカーを使用することを除いては、デンドロン改質DNAマイクロアレイの場合と同様に、前記選択性を試験した。アミン処理されたオリゴヌクレオチドは、Guo et al.,nucleic acids Res.22,2121−2125(1994)に記載された方法通りに使用した。T:T、G:T、及びC:Tの場合、測定されたMM/PMの比率は0.41、0.38、及び0.26であった(図6C及び表2)。APDES改質サブストレート上にDSCリンカーを使用した結果、高い変異係数(CV)値(>20%)が示され、これは、スポット当たりの変異程度及び各スポット内で不均一な蛍光強度を示すものである。反面、DSCリンカーがあるデンドロン改質表面のように、PDITCリンカーはより良い変異係数値(CV)(<15%)及び単一スポット内に均一な蛍光強度を示した(図7)。
【0084】
追加的な比較のために、オリゴマーの5´末端に追加的な(T)30スペーサを有するプローブ2 オリゴヌクレオチドをSNP区別実験に使用した。この場合、追加スペーサを有する前記プローブをAPDES改質表面上に固定化させた。T:T、G:T、及びC:Tの場合に対する測定されたMM/PMの比率は、0.17、0.18、及び0.12であった(図6D及び表2)。Cスペーサを有するプローブDNAに比べて、前記選択性が非常に向上したが、依然としてデンドロン改質DNAマイクロアレイより低かった。
【0085】
表面混成化に多様な問題点を有し、正確なマイクロアレイスクリ−ニングを行う際の調節及び予測を難しくする。二重筋形成に対するGibbs自由エネルギー及び二重筋の熔解温度(Tm、melting temperature)に加えて、洗浄段階で、非特異的結合、立替効果、静電気的効果、及び条件変化などを考慮しなければならない。内部的に間違えて組合わされた塩基対(15−merのうち、T:T、G:T、及びC:Tは内部的に間違えて組合わされた欠陥)及び完全に組合わされた塩基対の間のGibbs自由エネルギーの差は、50℃で2.67、1.75、及び3.05kcal/molである。Gibbs自由エネルギーは、HHERTMソフトウェアで計算した(http://ozone2.chem.wayne.edu)。したがって、理論的な蛍光比率(MM/PM)は、各々0.016、0.065、及び0.009であった。また、分子信号を利用した溶液上の研究結果によれば、SNP区別比率は、1:0.01と低かった(Taton et al.,Science289,1757−1760(2000))。これらデータは、本発明のデンドロン改質DNAマイクロアレイが熱力学的限界に到達したり、これを超越する理想的なものであることを説明している。特に、G:Tの場合、マイクロアレイ方式での区別効率性は、溶液上で計算した数値より優れている。前記選択度の増加の主な因子は調査されなかったが、洗浄段階で厳格な条件が重要な役割を果たすものと期待される。
【0086】
[p53SNP探知]
生物界で、p53腫よう抑制遺伝子は、細胞調節、遺伝子転写、ゲノム安定性、DNA修復、及び細胞死滅に重要な役割を果たす(Velculescu et al,1996,Clin.Chem.,42:858−868,Harris et al,1996,88:1442−1455、Sidransky et al,Annu,Rev.Med.,1996,47:285−301)。p53が本来の機能を喪失すると腫ようが誘導され、p53の変異は直腸癌及び肺癌のようなヒトの癌で最もありふれた遺伝的変異である(Greenblatt,1994,54:4855−4878)。
【0087】
[9]−酸デンドロン改質サブストレート上のDNAマイクロアレイを利用して、癌細胞株からp53腫よう抑制遺伝子の単一変異を探知しようとする。175コドンを含む標的DNAサンプル(200−400塩基)をゲノムDNA鋳型にレンドンプライマー法で製造し、18個の塩基から構成されたプローブオリゴヌクレオチドが固定されたデンドロン改質表面に混成化させた。A:C、T:C、及びC:Cの内部の間違えた組合わせに対するMM/PMの比率は、0.028、0.031、及び0.007であった(図8a)。このような結果は、実際の標的DNAに対しても明確な選択性があることを示している。
【0088】
[27]−酸デンドロン改質サブストレート上のDNAマイクロアレイを前記[9]−酸デンドロンと同様な方法で製造し、p53腫よう抑制遺伝子のうちの175コドンの単一塩基の変異の探知に適用した。A:C、T:C、及びC:Cの内部の間違えて組合わされた塩基に対するMM/PMの比率は、0.066、0.01、及び0.005であった(図8b)。このような結果は、[27]−酸デンドロン改質サブストレート上のDNAマイクロアレイもまた、実際の標的DNAの単一塩基変異に対して明確な選択性があることを示している。
【0089】
<デンドロン改質表面を利用したp53遺伝子の7ホットスポット(hot spot)変異の探知>
デンドロン改質サブストレートを使用して癌細胞株にあるp53腫よう抑制遺伝子の単一塩基変異を探知した。7つのホットスポットコドン(175、215、216、239、248、273、及び282)を含む標的DNAサンプル(200−400塩基対)をレンドンプライマ−法で腫よう細胞から抽出したDNAから増幅し、固定された7つのホットスポットに相応するキャプチャープローブ(オリゴヌクレオチド15〜25mer)と混成化した(図9a及び9b)。その結果、非常に優れたSNP区別効率を得た。
【0090】
本発明者は、プローブDNA間の空間調節(mesospacing)を通じて最高の再現性を有するDNAマイクロアレイを成功的に製作することができ、SNP区別効率性は溶液での数値よりはるかに向上することができた。測定された区別効率性は、本発明による方法を遺伝子診断で高い信頼性で利用可能にした。本発明の方法が固定化生分子を利用する多様な生物学的分析に適用することができると予想される。
【0091】
[調節された気孔を有するガラスビーズ]
親和性クロマトグラフィーで幅広く利用されるクロマトグラフィー担体は、デキストリン及びアガロースのような天然ポリマーである。セファロース6B、4B、及び2Bは非常に低い非特異的結合率を有する架橋されたアガロースから構成されたクロマトグラフィー用物質である。前記物質が幅広く使用されるにもかかわらず、一般的なビーズ形態のアガロースゲルはいくつかの短所がある。例えば、前記物質の柔らかい性質によって流速(流出速度)が低く、著しく収縮して非可逆的であるため、凍結したり乾燥することができず、いくつかの有機溶媒に弱い(Cuatrecasas,P.J.Biol.Chem.1970,245、3059−3065;Kim et al.,Biochemistry2002,41,3414−3421)。これと比較して、調節された気孔を有するガラス(CPG)は、担体として多様な特別な特性を示す:1)機械的安定性、2)固定された3次元構造、つまり環境変化にも膨張したり収縮しない、3)pH1乃至pH14の条件で化学的安定性、4)広い範囲の親核性及び親電子性試薬に対する安定性、5)熱安定性、6)優れた流性(または溶出性)、7)容器表面に対する低い吸着性。追加的に、変型段階以降に洗浄を通して試薬及び副産物を迅速に除去することができる。このような全ての特性により、ゲル透過クロマトグラフィー、固体合成、親和性分離、その他の多様な分野で潜在的な有用性を提供する。
【0092】
気孔の大きさ:ホスト表面に対するゲスト接近性を利用して、吸着された物質に対するCPGの効果的な気孔性を測定した。最初の接近法として、ゲストに対するCPG接近性は、ゲストの大きさに比べてホストの相対的な大きさに相関性がある幾何学的因子に依存的である。ゲストが内部表面、吸着、及び相互作用を誘導する気孔より大きい分子の大きさは、調査対象気孔物質の内部表面積よりはるかに小さい外部表面を有する場合にだけ可能である(Poschalko et al.,J.Am.Chem.Soc.2003,125,13415−13426;Ottaviani et al.,J.Phys Chem.B.2003,107,2046−2053)。このような事実を考慮してみれば、CPG上のゲストの吸着力及び吸着程度は、下記の因子に依存的であると考えられる:CPGの気孔の大きさ、ホスト全体の表面積、及びホストの接近可能な表面の化学的組成。本発明において、三つ種類のGST融合蛋白質(GST(28kDa)、GST−PXP47(41kDa)、及びGST−Munc18断片(98kDa))を使用した。分子次元のGST−Munc1は、融合GST 100kDa、GST−DREFと類似していなければならない(140×40×93Å)(Hirose et al.,J.Biol.Chem.1996,271,3930−3937;Zhan et al.,Gene2001,218、1−9)。気孔及び表面積間の均衡に達するために、各具体的蛋白質に合うように担体の気孔性を最適化しなければならない。約50nmの気孔を有するCPGは、蛋白質に一般に存在する分子サブユニットの複合体を含むものは周知の事実であるため、50nmのCPGを使用して本研究を行った。同時に、前記蛋白質を使用する限り、より大きい大きさの気孔(300nm)を有するCPGは、50nm CPGの効率性を確認した。(Collins et al.,Anal.Biochem.1973,54,47−53;Haller,W.J.Chromatogr.1973,85,129−131)。
【0093】
グルタチオンCPGの変型(サンプルE1、E3、A、CS、及びCL):親和性マトリクスで最も重要な関心事は、非特異的結合(またはNSB)の程度である。これは、親和性分離及び固体合成で非常に独特な問題である。一般に、非特異的結合を抑制するための最も重要な因子は、マトリクスで水素結合供与グループをなくして親水性を高めるものである(Sigal et al,J.Am.Chem.Soc.1998,120,3464−3473;Chapman et al.,Langmuir2000,16,6927−6936;Chapman et al.,J.Am.Chem.Soc.2000,122,8303−8304;Holmlin et al.,Langmuir2001,17,2841−2850;Ostuni et al.,Langmuir2001,17,6336−6343;Chapman et al.,Langmuir2001,17,1225−1233;Ostuni et al.,Langmuir2001,17,5605−5620)。たとえ、アミノアルキル基に変型させた場合でも、CPG表面は極性であり、部分的に負の電荷を有している(Hudson,D.J.Comb.Chem.1999,1,403−457)。スペーサとしてジエポキシドを使用することによって、マトリクスの親水性及び非特異的結合を最少化することができると報告された(Suenetal.,Ind.Eng.Chem.Res.2000,39,478−487;Sundberg et al.,J.Chromatogr.B.1974,90,87−98;Shimizu et al.,Nature Biotechnology2000,18,877−881)。したがって、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(またはBUDGE)に表面を変型して、サンプルE1及びE3を製造した。BUDGE使用の重要な特性は、加水分解に対して非常に安定的なエーテル結合を生成し、長いスペーサアーム(arm)による向上した柔軟性(flexibility)を有し、ある程度非特異的結合を抑制するということである。前記最後の長所は、ポリエチレングリコールと類似した構造的モチーフで説明される。ジエポキシド(Diepoxide)を使用して分子及び親核性基(例:アミン及びチオール)を有する表面と連結することができる。開環過程で、β−ヒドロキシグループだけでなく、安定した炭素ヘテロ原子間の結合を形成する。デンドロン変型段階前及び後でリンカーを使用することによって、変型されたGSHの柔軟性を保障することができる。変型段階を要約して図10に概括的に表わした。マトリクス表面にデンドロンを結合させるために、EDC及びNHSと呼ばれる一般的な試薬を使用した。デンドロンでサブストレートを変型させた後に、無水酢酸に導入して残っているアミン基を全てキャッピングした。最後に、前記マトリクスを20%のピペリジンで30分間処理して、デンドロンのFmocグループの追加的な変型を解除(deblock)した。BUDGEでもう一度延長反応を行った後に、チオール及びエポキシド間の結合を利用して、GSHを固定した。
対照群として、サンプルAを製造した。デンドロンがないことを除いては、E1及びE3と実質的に同様な方法で、BUDGE、1,3−ジアミノプロパン、及びBUDGE提供表面物質に連続的に変型させた。エポキシド及びチオール間の開環反応を使用して、GSHを固定した。GMBSと呼ばれるヘテロバイオ官能性(heterobiofunctional)リンカーを使用して、また他の対照ビーズ(サンプルCL及びCS)を製造し、GSH及びAMCPGまたはLCAA−CPGと結合させた。AMPCPGは、表面にC3炭化水素から構成された短いアーム(arm)を有し、LCAA−CPGは、C15脂肪族鎖から構成された長いアームを有している。GMBSでアミドを形成した後に、ビーズをGSHで処理した。マレイミドグループにチオール基を添加することによって、炭素及び硫黄原子間に共有結合が形成された。前記二段階処理で共有結合を形成すれば、GSHが結合された、調節された気孔を有するガラスビーズ、つまりCS及びCLが得られた。
【0094】
リガンド密度の測定:固定化されたグルタチオンの量を直接測定することは難しいため、脱保護化段階で放出されるジベンゾフルベンの量を測定して、リガンドの密度を決定する間接的な方法を使用した。デンドロンの頂点に結合された9−フルオロメトキシカルボニル(Fmoc)保護基は、酸に安定的であるか、多様な塩基によって簡単に切断される。本実施例では、DMFのうちの20%のピペリジンを使用してFmocグループを脱保護化した。ピペリジンは、ジベンゾフルベン及び付加物を生成し、前記付加物を301nmで吸光する(Фye et al.,J.Phys.Chem.B.2003,107,3496−3499)。反面、20%のピペリジンによる脱保護化段階で得られた溶液の吸光度が301nmと現れる時、これは意図した通り脱保護が起きていることを意味する。
このような方法で得られたリガンドの密度は、E1に対して8.3μ mol/gであり、E3に対して5.6μ mol/gであった。前記密度は、Fmoc(3)酸で変型した場合に11.1倍ほど減少し、前記数値はより大きいデンドロンを使用すると1.5倍ほど追加的に減少する。したがって、本発明の具体的な例で、より小さなデンドロンはより大きなデンドロンより高い密度を得るのにより効果的である。
【0095】
GST結合の分析:精製されたGST及び細胞溶解物を使用して、サンプルA、E1、及びE3の結合特性を分析した(図11でレーン2、3、及び4)。レーン1は、成功的に溶解物を製造したことを示す。三つのマトリクスが精製されたGSTに効果的に結合することが明白である。細胞溶解物をビーズに導入した場合に(レーン5、6、及び7)、A及びE1またはE3サンプル間に相当な差が観察された。サンプルAの場合、BUDGEリンカーを導入したにもかかわらず、深刻な非特異的結合が観察された。さらに、マトリクスにデンドロンを導入した場合に、非特異的蛋白質結合が効果的に抑制された。1世代デンドロン及び2世代デンドロンのうちの一つの自己組立てによって固体担体に対する非特異的結合が効果的に抑制されたことは、注目に値する。デンドロン及びGSH間の延長されたスペーサは、結合されたトリペプチドの活性を維持した。
図12で、本発明の一例において、エーテル及びアミドグループが構造の主要骨格を形成し、デンドロンの固定によって再びアミド結合が生成される。また、デンドロンの広い範囲も成功した重要な因子である。
E1のリガンドの密度はE3より1.48倍高い。言い換えれば、E1は148%のリガンド濃度を記録した(表3)。2種類のビーズの結合効率性を試験するために、各サンプルごとに同じ数のGSHを有するようにサンプル質量を調節した。密度測定器によれば、2種類の場合のリガンドの利用度は非常に近接した(29%、31%)。E3のより広い空間化は、GSTの結合効率性を向上させることができず、これは、恐らく実験対象蛋白質がE1及びE3の空間化より大きかったためであろう。
【表3】

【0096】
対照実験:GSH密度はCSに対して14.5μ mol/g、CLに対して11.9μ mol/gであった。GSTの特異的結合の観点でビーズの効率性を比較するために、CS(5.7mg)及びCL(7.0mg)のビーズで捕獲された蛋白質をE1(10.0mg)及びE3(14.8mg)のビーズからのサンプルと共に分析した。おおよそ、GSHも同一な数に利用度を調節した。CS及びCLのビーズは低い結合能を現わすだけでなく、好ましくない選択度を現わすことがクロマトグラフィーに明確に示されている(図13)。このような結果は、固定化GSTに対するGSTの接近性の向上だけでなく、非特異的結合の効果的な抑制を保障するために、デンドロンの重要性を強調的に示すものである。
【0097】
分子量依存性:デンドロン変型により固定化されたリガンド間に空間が調節された表面を提供するため、多様な分子量を有する蛋白質に対する結合能が複合する。特に、2世代デンドロンを使用する場合、24Å以上の空間を保障することができることが知られている(Cardona et al.,J.Am.Chem.Soc.1998,120,4023−4024)。具体的な実験として、GST蛋白質(28 kDa)、GST−PXp47(41 kDa)、及び野生溶解物から得られたGST−munc−18断片(98 kDa)を製造した。図14に示したように、ビーズの結合能(E1、E3、及びセファロース4B)は、蛋白質の分子量が増加するほど急激に減少する。前記減少程度は三つの場合で全て同一である。興味深いのは、三つの異なる場合において、減少の程度が同一だということである。E1に対する結合能をGSTに対して100%に合わせた場合に、GST−munc18に対してGST−PXp47は相対的結合能が92%及び22%であった。E3ビーズに対してGSTは85%であり、GST−munc18は23%だった。これは、蛋白質の分子量に対する依存性を、グルタチオンセファロース4Bでも観測したことを示す。グルタチオンセファロース4B対してGST−PXp47の結合能は104%であり、GST−munc18は17%であった。唯一の差異点は、市販されるマトリクスに対して、GST及びGST−PXp47は一定の結合能を示すことである。前記差異点は、セファロース4Bの不均一な間隔を反映するものでありうる。これら物質から、GSH間に多様な間隔が存在し、その結果、マトリクスは融合GSTに天然GST程度に結合することができる。はるかに大きい蛋白質、GST−munc18に対して、間隔はより小さくするべきである。このような点から、デンドロンで処理したビーズの結合能が一定に減少することは、表面上のGSHの一定の間隔を裏付ける。
要約すれば、デンドロン改質マトリクスは、市販されるマトリクス(例:セファロース4B)程度の高い敏感度を示し、市販製品とほぼ同一な程度の分子量依存性を示す。AMPCPGマトリクスにデンドロンを導入することによって、非特異的結合を効果的に減少させるだけでなく、GSHの結合力を維持する。蛋白質分子量の増加に比例して、結合力が一定に減少することを観察し、このような現象は、固定化されたGSH間の規則的な間隔と一致すると考えられる。間隔の調節が容易であるだけでなく、機械的安定性、多様な化学的環境との広い両立性、及び予想される多様な応用が容易であるなど、多様な利点がある。
【0098】
本発明の保護範囲は、本明細書に記載された具体的な例に限定されず、本明細書に記載された具体的な例以外にも、多様な変更が本発明の詳細な説明及び添付した図面によって本技術分野の専門家には明白であろう。そのような変更も、また、本発明の請求範囲の保護範囲内に属する。以下の実施例は、本発明を例示するためのもので、制約的な意図ではない。
【実施例】
【0099】
下記の実施例で、化合物の番号体系(Numbering scheme)は、化合物1、化合物2、I、II、III、IV、Vなどのように命名された。しかし、化合物の番号体系は、引用される特定の実施例で限定されて一貫して使用される意図である。例えば、実施例2で再び引用された化合物1は、必ずしも実施例3での化合物1と同一である必要はない。
【0100】
[実施例1:大きさが調節された巨大分子(Size−Controlled Macronolecule)を使用したマイクロアレイ製造方法]
実施例1で、図2に示したように、名称(designations)I、II、III、IV、及びVは、図2に示した多様な化合物及び中間体化合物を指すものである。
【0101】
<実施例1.1:材料>
シランカップリング剤である(3−グリシトキシプロピル)メチルジエトキシラン(GPDES)及び(3−アミノプロピル)ジエトキシメチルシラン(APDES)は、ゲレスト社(Gelest,Inc.)から購入し、他の化合物は、シグマ−アルドリッチ社から試薬級で購入した。シリル化(silylation)用反応溶媒は、アルドリッチ社から購入した無水物である(Sure/Seal bottles)。サブストレートに対する全ての洗浄溶媒は、マリンクロッド試薬製造会社(Mallinckrodt Laboratory Chemicals)からHPLC級で購入した。UV級ヒュームドシリカプレート(30mm×10mm×1.5mm)は、CVIレーザー有限会社(CVI Laser Corporation)から購入した。研磨された1級Siウエハー(100)(dopant,phosphorus;resistivity、1.5−2.1Ω.cm)は、MEMC電子材料会社(MEMC Electronic Materials,Inc)から購入した。ガラススライド(2.5×7.5cm)は、コーニング社(Corning Co)から購入した。オリゴヌクレオチドは、全てメタバイオン(Metabion)から購入した。超純水(Ultrapure water)(18MΩ.cm)は、Milli−Q精製システム(Millipore)から得た。
【0102】
<実施例1.2:装置>
フィルムの厚さは、エリプソメータ(ellipsometer)分光器(J.A.Woollam Co.Model M−44)で測定した。UV−visスペクトルは、ヒューレットパッカード社の分光光度計(Hewlett−Packard diodearray 8453 spectrophotometer)で測定した。タッピングモードAFM実験(Tapping mode AFM experiments)は、‘E’類型スキャナーを有するナノスコープIIIa AFM(Digital Instruments)装備を使用して行った。
【0103】
<実施例1.3:サブストレートの清浄化>
シリコンウエハー、ヒュームドシリカ、ガラススライドのようなサブストレートはピラニア溶液(Piranha solution、濃度HSO:30% H=7:3(v/v))に浸して、前記溶液及びサブストレートを含む反応容器を1時間超音波処理した(注意事項:ピラニア溶液は爆発性の有機物質を酸化させることがある。したがって、酸化性物質の接触は避ける)。超音波処理した後、過量の脱イオン水を使用してプレートを洗浄してすすいだ。洗浄されたサブストレートは、次の段階のために30−40mTorrの真空チャンバで乾燥した。
【0104】
<実施例1.4:ヒドロキシル化サブストレートの製造>
前記洗浄されたサブストレートは、1.0mlの3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(GPDES)が溶解した160mlのトルエン溶液に10時間浸漬した。自己組立て(self−assembly)反応を行った後、サブストレートをトルエンで簡単に洗浄してから、オーブンに入れて110℃で30分間加熱した。プレートは、トルエン、トルエン−メタノール(1:1(v/v))、及びメタノールで順次に各洗浄段階で3分間超音波処理した。前記洗浄されたプレートは、真空チャンバ(30−40mTorr)で乾燥した。GPDES改質されたサブストレートは、95%の硫酸を2−3滴添加した純粋なエチレングリコール(EG)溶液に80乃至100℃で8時間浸漬した。冷却した後、前記サブストレートは、エタノール及びメタノールで順次に各々3分間超音波処理した。洗浄されたサブストレートは真空チャンバ(30−40mTorr)で乾燥した。
【0105】
<実施例1.5:デンドロン改質サブストレートの製造>
前記水酸化されたサブストレートは、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.82mM)存在下でデンドロン(1.2mM)及びカップリング剤である1−[−3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC)または1,3−ジサイクルロヘキシルカルボジイミド(DCC)(11mM)を溶解したメチレンクロライド溶液に浸した。室温で3日後、前記プレートをメタノール、水、及びメタノールで順次に各々3分間超音波処理した。次の段階のために、前記洗浄されたプレートは真空チャンバ(30−40mTorr)で乾燥した。
【0106】
<実施例1.6:NHS改質サブストレートの製造>
前記デンドロン改質サブストレートは、1.0Mのトリフルオロ酢酸(TFA)が含まれているメチレンクロライド溶液に浸した。3時間後、20%(v/v)のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)が含まれているメチレンクロライド溶液に10分間の浸漬した。前記プレートは、メチレンクロライド及びメタノールで各々3分間超音波処理した。その後、真空チャンバで乾燥して、非保護されたサブストレートをジ(N−スクシンイミジル)カーボネート(DSC)(25mM)及びDIPEA(1.0mM)が含まれているアセトニトリル溶液で反応させた。窒素雰囲気下で4時間反応させた後、前記プレートをジメチルホルムアミド溶液で30分間定置して、メタノールで簡単に洗浄した。洗浄されたプレートは、次の段階のために、真空チャンバ(30−40mTorr)で乾燥した。
【0107】
<実施例1.7:NHS改質サブストレート上にオリゴヌクレオチドを配列>
50mMのNaHCO緩衝溶液(pH8.5)に溶解されたプローブオリゴヌクレオチドは、NHS改質サブストレート上に4フォーマットによって4つに並べてスポットした。アミン化されたDNA(the amine−tethered DNA)に十分な反応時間を保障するために、マイクロアレイは、湿度チャンバ(80%湿度)で12時間反応させた。スライドは、混成化(hybridization)緩衝溶液(7.0mMのソジウムドデシルスルフェートを含む2×SSPE緩衝溶液(pH7.4))で37℃で1時間攪拌した後、5分間沸騰した水に攪拌して、非特異的に結合されたオリゴヌクレオチドを除去した。最終的に、DNA官能基化(DNA−functionalized)マイクロアレイは、次の段階のために、窒素雰囲気下で乾燥した。完全な比較のために、多様な種類のプローブを前記単一プレートにスポットした。
【0108】
<実施例1.8:混成化>
混成化は、GeneTACTM HybStation(Genomic Solutions,Inc.)を利用して、Cy3蛍光染料を使用した標的オリゴヌクレオチド(1.0nM)標識化を含む混成化緩衝溶液で50℃で1時間行った。マイクロアレイは、混成化緩衝溶液を使用してすすいで標的オリゴヌクレオチドを除去した後、窒素を使用して乾燥させた。各スポット上の蛍光信号はScanArray Lite(GSI Lumonics)を利用して測定し、Imagene4.0(Biodiscovery)で結果を分析した。
【0109】
<実施例1.9:デンドロン(dendron)の合成>
≪実施例1.9.1:9−アントリルメチルN−(3−カルボキシルプロピル)カバーメイト(I)(化合物I)の製造≫
4−アミノブチリクサン(0.50g、4.8mmol、1.0equiv)及びトリエチルアミン(TEA)(1.0ml、7.3mmol、1.5equiv)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解して、50℃で攪拌した。前記溶液に9−アントリルメチルp−ニトロフェニルカーボネート(1.81g、4.8mmol、1.0equiv)を攪拌しながら徐々に添加した。50℃で2時間攪拌した後、溶液を蒸発させて乾燥させて、0.50Nの水酸化ナトリウム溶液(NaOH)で塩基化させた。水溶液は、酢酸エチル(EA)で洗浄して、氷槽で攪拌した後、希薄な塩酸(HCI)で酸性化させた。生成物はEAで抽出し、有機溶液を無水MgSOで乾燥させてろ過してから、溶媒を蒸発させた。最終の黄色粉末の総量は1.06gであり、収率は65%であった。
1H NMR(CDCl3)
δ 11.00-9.00(br, CH2COOH, 1 H), 8.41 (s, C14H9CH2, 1 H), 8.31 (d, C14H9CH2, 2H), 7.97 (d, C14H9CH2, 2H), 7.51 (t, C14H9CH2, 2H), 7.46(t, C14H9CH2, 2H), 6.08(s, C14H9CH2O, 2H), 5.01 (t, OCONHCH2,1 H), 3.23(q, NHCH2CH2, 2H), 2.34(t, CH2CH2COOH, 2H), 1.77(m, CH2CH2CH2, 2H).
13C NMR(CDCl3)
δ 178.5(CH2COOH), 157.9(OCONH), 132.1 (C14H9CH2), 131.7(C14H9CH2), 129.7(C14H9CH2), 129.7(C14H9CH2), 127.3(C14H9CH2), 126.8(C14H9CH2), 125.8( C14H9CH2), 124.6( C14H9CH2), 60.2(C14H9CH2), 41.0(NHCH2CH2), 31.7(CH2CH2COOH),25.6(CH2CH2CH2).
【0110】
≪実施例1.9.2:9−アントリルメチルN−{[(トリス{[2−(メトキシカルボニル)エトキシ]メチル}メチル)アミノ]カルボニル}プロピルカーボネート(II)(化合物II)の製造≫
9−アントリルメチルN−(3−カルボキシルプロピル)カバーメイト(0.65g、1.93mmol、1.5equiv)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカーボジイミドヒドロクロライド(EDC)(0.37g、1.93mmol、1.5equiv)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレート(HOBT)(0.261g、1.93mmol、1.5equiv)をアセトニトリルに溶解して、室温で攪拌した。アセトニトリルに溶解されたトリス{[(メトキシカルボニル)エトキシ]メチル}アミノメタン(0.49g、1.29mmol、1.0equiv)を攪拌しながら前記溶液に添加した。室温で12時間攪拌した後、アセトニトリルを蒸発させた。粗生成物(crude product)はEAに溶解して、1.0NのHCl及び飽和ソジウムバイカーボネート溶液で洗浄した。無水MgSOで乾燥させてろ過した後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルが充填されたコラムにローディングして、コラムクロマトグラフィー(展開溶媒:エチルアセテート:ヘキサン=5:1(v/v))で精製して、粘性の黄色液体を得た。黄色液体の総量は0.67gであった(収率74%)。
1H NMR(CDCl3)
δ 8.43(s, C14H9CH2, 1 H), 8.36(d, C14H9CH2, 2H), 7.99 (d, C14H9CH2, 2H), 7.53(t, C14H9CH2, 2H), 7.47(t, C14H9CH2, 2H), 6.15(s, CONHC, 1H), 6.08(s, C14H9CH2O, 2H), 5.44(t, OCONHCH2,1 H), 3.63-3.55(m, CH2OCH2CH2COOCH3, 21 H), 3.27(q, NHCH2CH2, 2H), 2.46(t, CH2CH2COOCH3, 6H), 2.46(t, CH2CH2CONH, 2H), 1.81 (m, CH2CH2CH2, 2H).
13C NMR(CDCl3)
δ173.2(CH2CONH), 172.7(CH2COOCH3), 157.4(OCONH), 132.9(C14H9CH2),
131.5(C14H9CH2), 129.5(C14H9CH2), 129.4(C14H9CH2}, 127.5(C14H9CH2), 127.0(C14H9CH2), 125.6(C14H9CH2), 124.7(C14H9CH2), 69.6(NHCCH2O), 67.2(C14H9CH2), 60.1 (OCH2CH2), 59.4(NHCCH2), 52.1(OCH3), 40.8(NHCH2CH2), 35.1 (OCH2CH2), 34.7(CH2CH2CONH), 26.3(CH2CH2CH2).
Anal. Calcd for C36H46N2O12 .0.5 H2O: C 61.18, H 6.65, N 4.03; Found: C61.09, H 6.69, N 3.96.
【0111】
≪実施例1.9.3:9−アントロメチルN−[({トリス[(2−カルボキシエトキシ)メチル]メチル}アミノ)カルボニル]プロピルカバーメイト(III)(化合物III)の製造≫
9−アントリルメチルN−{[(トリス{[2−(メトキシカルボニル)エトキシ]メチル}メチル)アミノ]カルボニル}プロピルカーボネート(0.67g、0.93mmol)をアセトン(30ml)及び0.20 NNaOH(30ml、6mmol)に溶解した。室温で1日攪拌した後に、アセトンを蒸発させた。得られた水溶液はEAを使用して洗浄して、氷槽で攪拌しながら希薄な塩酸で酸性化させた。生成物はEAを使用して抽出し、有機溶液は無水MgSOで乾燥してろ過した後、溶媒を蒸発させた。生成物は−20℃でアセトン及びエーテルで固体化して、黄色粉末を得た。得られた薄い黄色粉末の最終量は0.54gであった(収率88%)。
1H NMR(CDCl3)
δ 11.00-9.00(br, CH2COOH, 3H}, 8.61(s, C14H9CH2, 1H}, 8.47(d, C14H9CH2, 2H), 8.11 (d, C14H9CH2, 2H), 7.60(t, C14H9CH2, 2H}, 7.52(t, C14H9CH2, 2H), 6.63(s, CONHC, 1 H), 6.36(t, OCONHCH2, 1 H), 6.12(s, C14H9CH2O, 2H). 3.40-363(m, CH2OCH2CH2COOH, 12H), 3.20(q, NHCH2CH2, 2H), 2.52(t, CH2CH2COOH, 6H), 2.17(t, CH2CH2CONH, 2H), 1.75(m, CH2CH2CH2, 2H).
13C NMR(CDCl3)
δ 172.2(CH2COOH), 172.0(CH2CONH), 156.7(OCONH), 131.2(C14H9CH2), 130.7(C14H9CH2), 128.6(C14H9CH2), 128.4(C14H9CH2), 127.3(C14H9CH2), 126.2(C14H9CH2), 124.8(C14H9CH2), 124.0(C14H9CH2), 68.6(NHCCH2O), 66.5(C14H9CH2), 59.5(OCH2CH2), 58.0(NHCCH2), 40.0(NHCH2CH2), 34.0(OCH2CH2), 33.5(CH2CH2CONH), 25.8(CH2CH2CH2).
Anal. Calcd for C33H40N2O12 .1.5 H2O: C 57.97, H 6.34, N 4.10; Found: C 57.89, H 6.21, N 4.09.
【0112】
≪実施例1.9.4:9−アントリルメチルN−[({トリス[(2−{[(トリス{[2−(メトキシカルボニル)エトキシ]メチル}(メチル)アミノ)カルボニル]エトキシ}メチル)メチル]アミノ}カルボニル)プロピルカバーメイト(IV)(化合物IV)の製造 ≫
9−アントリルメチルN−[({トリス[(2−カルボキシエトキシ)メチル]メチル}アミノ)カルボニル]プロピルカバーメイト(0.54g、0.82mmol、1.0equiv)、EDC(0.55g、2.87mmol、3.5equiv)、及びHOBT(0.39g、2.89mmol、3.5equiv)をアセトニトリルに溶解して、室温で攪拌した。その後、アセトニトリルに溶解したトリス{[(メトキシカルボニル)エトキシ]メチル}アミノメタン(0.96g、2.53mmol、3.1equiv)を攪拌しながら前記溶液に添加した。室温で36時間攪拌した後、アセトニトリルを蒸発させた。前記粗生成物をEAに溶解して、1.0NのHCLで洗浄して、重炭酸ナトリウム溶液で飽和させた。無水MgSO4で乾燥、ろ過、及び蒸発させた後に、前記粗生成物をシリカゲルが充填されたコラムにローディングした。コラムを利用して精製(展開溶媒:酢酸エチル:メタノール=20:1(v/v))した結果、粘性の黄色液体が得られた。前記黄色液体の総重量は1.26gであった(88%収率)。
1H NMR(CDCl3)
δ 8.47(s, C14H9CH2, 1 H), 8.39(d, C14H9CH2, 2H), 8.02 (d, C14H9CH2, 2H), 7.53(t, C14H9CH2, 2H), 7.47(t, C14H9CH2, 2H), 6.60(s, CH2CH2CH2CONHC, 1 H), 6.13(s, OCH2CH2CONHC, 3H), 6.11 (s, C14H9CH2O, 2H), 5.79(t, OCONHCH2,1 H), 3.65-3.60(m, CH2OCH2CH2CONH, CH2OCH2CH2COOCH3, 75H), 3.29(q, NHCH2CH2, 2H), 2.50(t, CH2CH2COOCH3, 18H), 2.36(t, OCH2CH2CONH, 6H), 2.27(t, CH2CH2CH2CONH, 2H), 1.85(m, CH2CH2CH2, 2H).
13C NMR(CDCl3)
δ 173.3(OCH2CH2CONH), 172.5(CH2CH2CH2CONH), 171.6(CH2COOCH3), 157.2(OCONH), 131.8(C14H9CH2), 131.5(C14H9CH2), 129.4(C14H9CH2), 129.3(C14H9CH2), 127 .6(C14H9CH2), 127.0(C14H9CH2), 125.6(C14H9CH2), 124.7(C14H9CH2), 69.5(NHCCH2OCH2CH2COOCH3), 67.9(NHCCH2OCH2CH2CONH), 67.2(C14H9CH2), 60.3(OCH2CH2CONH), 60.2(OCH2CH2COOCH3), 59.2(NHCCH2OCH2CH2COOCH3, NHCCH2OCH2CH2CONH), 52.1(OCH3), 41.0(NHCH2CH2), 37.6(OCH2CH2CONH), 35.1(OCH2CH2COOCH3), 34.7(CH2CH2CH2CONH), 26.3(CH2CH2CH2).
Anal. Calcd for C81H121N5O36 .H2O: C 55.31, H 7.05, N 3.98; Found: C 55.05, H 7.08, N 4.04.
MALDI- TOF-MS: 1763.2 (MNa+), 1779.2 (MK+).
【0113】
≪実施例1.9.5:9−アントリルメチルN−({[トリス({2−[({トリス[(2−カルボキシエトキシ)メチル]メチル}アミノ)カルボニル]エトキシ}メチル)メチル]アミノ}カルボニル)プロピルカバーメイト(V)(化合物V)の製造≫
9−アントリルメチルN−[({トリス[(2−{[(トリス{[2−(mエトキシカルボニル)エトキシ]メチル}メチル)アミノ]カルボニル}エトキシ)メチル]メチル}アミノ)カルボニル]プロピルカバーメイト(0.60g、0.34mmol)をアセトン(30ml)及び0.20NのNaOH(30ml)に溶解した。室温で1日攪拌した後、アセトンを蒸発させた。得られた水溶液はEAを使用して洗浄して、氷槽で攪拌しながら希薄な塩酸で酸性化させた。生成物はEAを使用して抽出し、有機溶液を無水MgSOで乾燥してろ過した後、溶媒を蒸発させた。得られた黄色粉末の最終量は0.37gであった(収率68%)。
1H NMR(DMSO)
δ 13.00-11.00(br, CH2COOH, 9H), 8.66(s, C14H9CH2, 1 H), 8.42(d, C14H9CH2, 2H), 8.13 (d, C14H9CH2, 2H), 7.62(t, C14H9CH2, 2H), 7.54(t, C14H9CH2, 2H), 7.12(t, OCONHCH2, 1H), 7.10(s, OCH2CH2CONHC, 3H), 7.06(s, CH2CH2CH2CONHC, 1 H), 6.06(s, C14H9CH2O, 2H), 3.57-3.55(m, CH2OCH2CH2CONH, CH2OCH2CH2COOH,48H), 3.02(q, NHCH2CH2, 2H), 2.42(t, CH2CH2COOH, 18H), 2.32(t, OCH2CH2CONH, 6H), 2.11(t, CH2CH2CH2CONH, 2H), 1.60(m, CH2CH2CH2, 2H).
13C NMR(DMSO)
δ 172.8(CH2COOH), 172.2(CH2CH2CH2CONH), 170.5(OCH2CH2CONH), 156.5(OCONH), 131.0(C14H9CH2), 130.6(C14H9CH2), 129.0(C14H9CH2), 128.7(C14H9CH2), 127.6(C14H9CH2), 126.7(C14H9CH2), 125.4(C14H9CH2), 124.3(C14H9CH2), 68.3(NHCCH2OCH2CH2COOH), 67.4(NHCCH2OCH2CH2CONH), 66.8(C14H9CH2), 59.8(OCH2CH2COOH), 59.6(OCH2CH2CONH), 57.9(NHCCH2OCH2CH2CONH), 55.9(NHCCH2OCH2CH2COOH), 36.4(NHCH2CH2), 34.6(OCH2CH2COOH), 30.8(OCH2CH2CONH), 29.7(CH2CH2CH2CONH), 25.9(CH2CH2CH2).
【0114】
[実施例2:代替出発物質であるデンドロン巨大分子の製造方法(Fmoc−Spacer−[9]−酸)]
実施例2で、多様な名称の化合物は、化合物1、2などと命名した。まず、スペーサである6−アジドヘクシルアミン(1)は、1,6−ジブロモヘキサンから下記に示す文献の方法(Lee,J.W.;Jun,S.I.;Kim,K.Tetrahedron Lett.,2001,42,2709)によって合成した。
【化1】

【0115】
前記スペーサは、下記に示すように、非対称ウレア形成(unsymmetric urea formation)及び製作されたN−スペーサ−[3]エステル(3)を通じて反復単位を添付した。前記反復単位は、tert−ブチルアクリレートを使用したトリスの縮合で合成した(which had been reported in Cardona,C.M.;Gawley,R.E.J.Org.Chem.2002,67,141)。
【化2】

【0116】
前記トリエステルは、ペプチドカップリング条件下で加水分解及びトリエステル(2)に組合わせることを通じて、N−スペーサ−[3]酸(4)に形質転換させた。アジドのアミン基への還元反応、及びFmoc基を有するアミンの保護反応後に、ノナエステル(nona ester)の加水分解はFmoc−spacer−[9]酸(5)を提供した。Fmoc−spacer−[9]酸(5)の構造を下記に示す。
【化3】

【0117】
<N−(6−アジドヘキシル)−N−トリス{[2−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシ]メチル}−メチルウレア(3)>
トリホスジン(Triphosgene)(1.3g、4.3mmol)を無水CHCl(20mL)に溶解した。無水CHCl(35mL)に溶解された6−アジドヘキシルアミン(1)(1.6g、12mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、2.4mL、13.8mmol)の混合物をシリンジポンプを利用して7時間以上の周期で前記撹拌されたトリホスジン溶液に滴下して添加した。2時間さらに攪拌した後、無水CHCl(20mL)に溶解された前記化合物(2)(6.4g、13mmol)及びDIEA(2.7mL、15.2mmol)の溶液を添加した。反応混合物は窒素雰囲気下で室温で4時間攪拌して、0.5MのHCl及び塩を使用して洗浄した。有機層は無水MgSOで乾燥した後、溶媒は蒸発させて除去した。コラムクロマトグラフィーを使用した精製(silica,1:1 EtOAc/hexane)で、無色オイルを得た(3.0g、40%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ1.45 (s, (CH3)3C, 27H); 1.36-1.58 (m, CH2CH2CH2CH2, 8H); 2.46 (t, CH2CH2O, J = 6.4 Hz, 6H), 3.13 (m, CONHCH2, 2H), 3.26 (t, N3CH2, J = 6.9 Hz, 2H), 3.64-3.76 (m, CCH2O and CH2CH2O, 12H); 5.00 (t, CH2NHCO, J=6.7 Hz, 1H), 5.29 (s, CONHC, 1H).
13C NMR (CDCl3, 75 MHz): δ 26.52, 26.54, 28.81, 30.26 (CH2CH2CH2CH2); 28.14((CH3)3C); 36.20 (CH2CH2O); 39.86 (CONHCH2); 51.40 (N3CH2); 58.81 (CCH2O); 67.16 (CH2CH2O); 69.23 (CCH2O); 80.58 ((CH3)3C); 157.96 (NHCONH); 171.26 (COOt-Bu).
FAB-MS: 674.26 (M+).
【0118】
<N−(6−アジドヘキシル)−N−トリス{[2−カルボキシエトキシ]メチル}メチルウレア(4)>
−スペーサ−[3]エステル(3)(0.36g、0.56mmol)を24時間6.6mLの96%ホルム酸で攪拌した。ホルム酸は、50℃で減圧によって除去して、定量的な(quantitative)収率で無色オイルを製造した。
1H NMR (CD3COCD3, 300 MHz): δ 1.34-1.60 (m, CH2CH2CH2CH2, 8H); 2.53 (t, CH2CH2O, J = 6.4 Hz, 6H), 3.07 (t, CONHCH2, J = 6.9 Hz, 2H), 3.32 (t, N3CH2, J = 6.9 Hz, 2H), 3.67-3.73 (m, CCH2O and CH2CH2O, 12H).
13C NMR (CD3COCD3, 75 MHz): δ 27.21, 29.54, 31.02 (CH2CH2CH2CH2); 35.42 (CH2CH2O); 40.27 (CONHCH2); 52.00 (N3CH2); 59.74 (CCH2O); 67.85 (CH2CH2O); 70.96 (CCH2O); 158.96 (NHCONH); 173.42 (COOH).
FAB-MS: 506.19 (MH+).
【0119】
<N−(6−アジドヘキシル)−N´−トリス[(2−{[(トリス{[2−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシ]−メチル}メチル)アミノ]カルボニル}エトキシ)メチル]メチルウレア(4.1)>
HOBt(0.20g、1.5mmol)、DIEA(0.30mL、1.8mmol)、及びEDC(0.33g、1.8mmol)を乾燥アセトニトリル5.0mLに溶解した前記化合物(4)(0.25g、0.50mmol)に添加した。その後、乾燥アセトニトリル2.5mLに溶解したアミン(2)(1.14g、2.3mmol)を添加して、反応混合物を48時間N下で攪拌した。溶媒を減圧で除去した後、残余物をMCに溶解して、0.5MのHCl及び塩で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させた後、溶媒を真空で除去して、コラムクロマトグラフィー(SiO、2:1EtOAc/hexane)で精製して、無色オイルを得た(0.67g、70%)。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ1.45 (s, (CH3)3C, 81H); 1.36-1.58 (m, CH2CH2CH2CH2, 8H); 2.40-2.47 (m, CH2CH2O gen. 1 & 2, 24H), 3.13 (m, CONHCH2, 2H), 3.26 (t, N3CH2, 6.9 Hz, 2H), 3.62-3.69 (m, CCH2O gen. 1 & 2, CH2CH2O gen. 1 & 2, 48H); 5.36 (t, CH2NHCO, J=6.7 Hz, 1H), 5.68 (br, CONHC, 1H), 6.28 (br, amide NH, 3H).
13C NMR (CDCl3, 75 MHz): δ 26.59, 26.69, 28.91, 30.54 (CH2CH2CH2CH2); 28.22 ((CH3)3C); 36.20 (CH2CH2O gen. 2); 37.43 (CH2CH2O gen. 1); 39.81 (CONHCH2); 51.47 (N3CH2); 58.93 (CCH2O gen. 1); 59.89 (CCH2O gen. 2); 67.15 (CH2CH2O gen. 2); 67.68 (CH2CH2O gen. 1); 69.23 (CCH2O gen. 2); 70.12 (CCH2O gen. 1); 80.57 ((CH3)3C); 158.25 (NHCONH); 171.01 (COOt-Bu) 171.41 (CONH amides).
MALDI-MS: 1989.8 (MNa+), 2005.8 (MK+).
【0120】
<N−(6−アミノヘキシル)−N´−トリス[(2−{[(トリス{[2−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシ]−メチル}メチル)アミノ]カルボニル}エトキシ)メチル]メチルウレア(4.2)>
エタノール(20.0mL)に溶解されたノナ−tert−ブチルエステル(4.1)(0.37g、0.20mmol)を10%Pd/C(37.0mg)と共にH下で室温で12時間攪拌した。TLCで反応の終了を確認した後、混合物を0.2mmのミリポア(Millipore)フィルターでろ過した。ろ過紙をCHClですすいだ後、混合された溶媒を真空で除去して、無色オイルを得た。
【0121】
<N−{6−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノヘキシル}−N´−トリス[(2−{[(トリス{[2−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシ]メチル}メチル)アミノ]カルボニル}エトキシ)メチル]メチルウレア(4.3)>
アミン(4.2)(0.33g、0.17mmol)及びDIEA(33mL、0.19mmol)を5.0mLのCHClに溶解して、窒素雰囲気下で30分間攪拌した。2.0mLのCHClに溶解した9−フルオレニルメチルクロロホメイト(48mg、0.19mmol)を添加して、反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去して、0.5MのHCl及び塩で洗浄した(0.18g、64%)。残余物をコラムクロマトグラフィー(silica、EtOAc)で精製して、無色オイルを得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 1.45(s, (CH3)3C, 81H); 1.23-1.58 (m, CH2CH2CH2CH2, 8H); 2.37-2.47 (m, CH2CH2O gen. 1 & 2, 24H); 3.10-3.22 (m, CONHCH2, 4H); 3.62- 3.70 (m, CCH2O gen. 1 & 2, CH2CH2O gen. 1 & 2, 48H); 4.22 (t, CH(fluorenyl)-CH2, J=7.1 Hz, 1H); 4.36 (d, fluorenyl-CH2, J=7.1 Hz, 2H); 5.27-5.35 (m, CH2NHCO, 2H); 5.67 (br, CONHC, 1H); 6.25 (br, amide, 3H); 7.28 -7.77 (fluorenyl, 8H).
13C NMR (CDCl3, 75 MHz): δ 26.85, 27.02, 30.27, 30.88 (CH2CH2CH2CH2); 28.49 ((CH3)3C); 36.48 (CH2CH2O gen. 2); 37.73 (CH2CH2O gen. 1); 40.03, 41.34 (CONHCH2); 47.68 (CH(fluorenyl)-CH2); 59.22 (CCH2O gen. 1); 60.16 (CCH2O gen. 2); 66.87 (fluorenyl-CH2); 67.43 (CH2CH2O gen. 2); 67.98 (CH2CH2O gen. 1); 69.52 (CCH2O gen. 2); 70.42 (CCH2O gen.1); 80.84 ((CH3)3C); 120.28, 125.52, 127.38, 127.98, 141.65, 144.48 (fluorenyl); 156.88 (OCONH); 158.52 (NHCONH); 171.27 (COOt-Bu) 171.65(amide CONH).
MALDI-MS : 2186.8 (MNa+), 2002.8 (MK+).
【0122】
<N−{6−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノヘキシル}−N´−トリス[(2−{[(トリス{[2−カルボキシエトキシ]メチル}メチル)アミノ]カルボニル}エトキシ)メチル]−メチルウレア(5)>
保護基を有するノナ−tert−ブチルエステル(4.3)(0.12g、72mmol)を18時間10mLの96%ホルム酸で攪拌した。ホルム酸は、50℃で減圧して除去して、定量的な(quantitative)収率で無色オイルを製造した。
1H NMR (CD3COCD3, 300 MHz): δ 1.23-1.51 (m, CH2CH2CH2CH2, 8H); 2.44-2.58 (m, CH2CH2O gen. 1 & 2, 24H); 3.15-3.18 (m, CONHCH2, 4H); 3.61-3.75 (m, CCH2O gen. 1 & 2, CH2CH2O gen. 1 & 2, 48H); 4.23 (t, CH(fluorenyl)-CH2, J=7.0 Hz, 1H); 4.35 (d, fluorenyl-CH2, J=7.0 Hz, 2H); 5.85, 6.09 (br, CH2NHCO, 2H); 6.57 (br, CONHC, 1H); 6.88 (br, amide NH, 3H); 7.31-7.88 (fluorenyl, 8H).
13C NMR (CD3COCD3, 75 MHz): δ 27.21, 27.33, 30.69, 30.98 (CH2CH2CH2CH2); 35.31 (CH2CH2O gen. 2); 37.83 (CH2CH2O gen. 1); 40.56, 41.54 (CONHCH2); 48.10 (CH(fluorenyl)-CH2); 59.93 (CCH2O gen. 1); 61.10 (CCH2O gen. 2); 66.86 (fluorenyl-CH2); 67.81 (CH2CH2O gen. 2); 68.37 (CH2CH2O gen. 1); 69.80 (CCH2O gen. 2); 70.83 (CCH2O gen.1); 120.84, 126.13, 127.98, 128.56, 142.10, 145.16 (fluorenyl); 157.50 (OCONH); 159.82 (NHCONH); 173.20 (amide CONH); 173.93 (COOH).
【0123】
[実施例3:追加デンドロン化合物]
特定保護基を以下に示すが、前記化合物は限定されないことを周知しなければならない。また、多様な鎖及びスペーサが正確な分子構造を示して描写される限り、サブストレート表面上に調節された密度、好ましくは低密度の配列のための改質は容認された化学的改質方法(chemical modification methods)により可能であった。化合物のショートハンド技術(short−hand description)に対する参考として、以下に示す化合物の左側の大部分は保護基を示し;括弧(brackets)の数字は鎖の末端(branched termini)の数を示し;右側の大部分は化学的な本体(entity)の鎖の末端上の化学的作用(chemistry)を示す。
実施例において、‘A−[27]−酸’とは、アントリルメチル保護基;27末端、及び末端が酸性基のものを示す。
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【0124】
[実施例3.1:製造方法]
1.A−[3]−OEt(化合物3)
【化33】

化合物1は、NaC(COEt)(化合物2)と共に80℃で反応させた。
【0125】
2.A−[3]−OMe(化合物5)
【化34】

A−[3]−OEt(化合物3)は、エーテルに溶解したLiAlHまたはLiBHと共に反応させ、t−BuOK/t−BUOHの存在下でクロロ酢酸と反応させて、MeOHでエステル化した。
【0126】
3.A−[3]−OTs(化合物7)
【化35】

化合物7にトシル化されたトリオール化合物6は、エーテルでのA−[3]−OMe(化合物5)及びLiAlHの反応で得る。
【0127】
4.A−[9]−OEt(化合物8)
【化36】

目的化合物であるノナエステル(化合物8)は、A−[3]−OTs(化合物7)をC−DMFに溶解されたNaC(COEt)で処理して製造する。
【0128】
5.A−[27]−OH(化合物9)
【化37】

A−[9]−OEt(化合物8)は、70℃でDMSOに溶解されたトリス(ヒドロシメチル)アミノメタン及びKCOで処理した。
【0129】
[実施例3.2]
1.Boc−[2]−OMe(化合物3)
【化38】

50℃以下の温度でメタノール溶媒下で化合物1及びメチルアクリレート(化合物2)を反応させた。55℃以下の高真空下で過量の試薬及び溶媒を除去した。
【0130】
2.Boc−[4]−NH2(化合物5)
【化39】

50℃以下の温度でメタノール溶媒下でBoc−[2]−OMe(化合物3)及び非常に過量のエチレンジアミン(EDA)(化合物4)を反応させた。55℃以下の高真空下で過量の試薬及び溶媒を除去した。
【0131】
3.Boc−[8]−OMe(化合物6)
【化40】

50℃以下の温度でメタノール溶媒下でBoc−[4]−NH(化合物5)及びメチルアクリレート(化合物2)を反応させた。55℃以下の高真空下で過量の試薬及び溶媒を除去した。
【0132】
[実施例3.3]
1.Boc−[2]−OH(化合物3)
【化41】

化合物1、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレート(HOBT)をアセトニトリルに溶解して、室温で攪拌した。アセトニトリルに溶解されたL−グルタミン酸−ジエチルエチルエステル(HNCH(COEt)CHCHCOEt)を攪拌しながら前記溶液に添加した。室温で12時間攪拌した後、アセトニトリルを蒸発させた。粗生成物をEAに溶解して、1.0NのHCl及び飽和ソジウムバイカーボネート溶液で洗浄した。無水MgSOで乾燥した後、ろ過して溶媒を蒸発させて、シリカゲルが充填されたコラムに粗生成物を入れた。コラムクロマトグラフィー(展開溶媒:エチルアセテート:ヘキサン)で精製して、粘性の黄色液体を得た。
化合物2をNaOHで加水分解した。1日室温で攪拌した後、有機溶液を蒸発させた。水溶液はEAで洗浄して、氷槽で攪拌した後、HClで酸性化させた。EAを使用して生成物を抽出した後に、有機溶液を無水MgSOで乾燥してろ過して、溶媒を蒸発させた。
【0133】
2.Boc−[4]−OH(化合物3)
【化42】

化合物3、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレート(HOBT)をアセトニトリルに溶解して、室温で攪拌した。前記溶液にアセトニトリルに溶解したL−グルタミン酸−ジエチルエステル(HNCH(COEt)CHCHCOEt)を攪拌しながら添加した。室温で12時間攪拌した後、アセトニトリルを蒸発させた。粗生成物をEAに溶解して、1.0NのHCl及び飽和ソジウムバイカーボネート溶液で洗浄した。無水MgSOで乾燥した後、ろ過して溶媒を蒸発させて、シリカゲルが充填されたコラムに粗生成物を入れた。コラムクロマトグラフィー(展開溶媒:エチルアセテート:ヘキサン)で精製して、粘性の黄色液体を得た。
化合物4をNaOHで加水分解した。1日室温で攪拌した後、有機溶液を蒸発させた。水溶液はEAで洗浄して、氷槽で攪拌した後、HClで酸性化させた。EAを使用して生成物を抽出した後に、有機溶液を無水MgSOで乾燥してろ過して、溶媒を蒸発させた。
【0134】
3.Boc−[8]−OH(化合物3)
【化43】

化合物5、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレート(HOBT)をアセトニトリルに溶解して、室温で攪拌した。前記溶液にアセトニトリルに溶解したL−グルタミン酸−ジエチルエステル(HNCH(COEt)CHCHCOEt)を攪拌しながら添加した。室温で12時間攪拌した後、アセトニトリルを蒸発させた。粗生成物はEAに溶解して、1.0NのHCl及び飽和ソジウムバイカーボネート溶液で洗浄した。無水MgSOで乾燥した後、ろ過して溶媒を蒸発させて、シリカゲルが充填されたコラムに粗生成物を入れた。コラムクロマトグラフィー(展開溶媒:エチルアセテート:ヘキサン)で精製して、粘性の黄色液体を得た。
化合物6をNaOHで加水分解した。1日室温で攪拌した後、有機溶液を蒸発させた。水溶液はEAで洗浄して、氷槽で攪拌した後、HClで酸性化させた。EAを使用して生成物を抽出した後に、有機溶液を無水MgSOで乾燥してろ過して、溶媒を蒸発させた。
【0135】
[実施例3.4]
1.Boc−[2]−CN(化合物3)
【化44】

室温で化合物1をアセトニトリルに溶解した。結晶状酢酸(Glacial acetic acid)を添加し、溶液を24時間環流下で加熱した。過量のアセトニトリルを真空下で蒸留して除去して、残余物をクロロホルムで抽出した後、濃いアンモニア溶液を添加した。有機状を分離した後、水で洗浄して、ソジウムスルフェートで乾燥した。
【0136】
2.Boc−[2]−NH(化合物4)
【化45】

Boc−[2]−CN(化合物3)をメタノールに溶解して、コバルト(II)クロライドヘキサハイドレートを添加した。ソジウムボロハイドライドを分割して添加した。結果混合物を2時間室温で攪拌した後、濃い塩酸で慎重に酸性化させた。溶媒を真空下で除去して濃縮した。有機状を分離した後、水で洗浄して、ソジウムスルフェートで乾燥した。
【0137】
3.Boc−[4]−CN(化合物5)
【化46】

室温でBoc−[2]−NH(化合物4)をアセトニトリルに溶解した。結晶状酢酸(Glacial acetic acid)を添加し、溶液を24時間環流下で加熱した。過量のアセトニトリルを真空下で蒸留して除去して、残余物をクロロホルムで抽出した後、濃いアンモニア溶液を添加した。有機状を分離した後、水で洗浄して、ソジウムスルフェートで乾燥した。
【0138】
4.Boc−[4]−NH(化合物6)
【化47】

Boc−[4]−CN(化合物5)をメタノールに溶解して、コバルト(II)クロライドヘキサハイドレートを添加した。ソジウムボロハイドライドを分割して添加した。結果混合物を2時間室温で攪拌した後、濃い塩酸で慎重に酸性化させた。溶媒を真空下で除去して濃縮した。有機状を分離した後、水で洗浄して、ソジウムスルフェートで乾燥した。
【0139】
5.Boc−[8]−CN(化合物7)
【化48】

室温でBoc−[4]−NH(化合物6)をアセトニトリルに溶解した。結晶状酢酸(Glacial acetic acid)を添加し、溶液を24時間環流下で加熱した。過量のアセトニトリルを真空下で蒸留して除去して、残余物をクロロホルムで抽出した後、濃いアンモニア溶液を添加した。有機状を分離した後、水で洗浄して、ソジウムスルフェートで乾燥した。
【0140】
6.Boc−[8]−NH(化合物8)
【化49】

Boc−[8]−CN(化合物7)をメタノールに溶解して、コバルト(II)クロライドヘキサハイドレートを添加した。ソジウムボロハイドライドを分割して添加した。結果混合物を2時間室温で攪拌した後、濃い塩酸で慎重に酸性化させた。溶媒を真空下で除去して濃縮した。有機状を分離した後、水で洗浄して、ソジウムスルフェートで乾燥した。
【0141】
7.Boc−[16]−CN(化合物9)
【化50】

室温でBoc−[8]−NH(化合物8)をアセトニトリルに溶解した。結晶状酢酸(Glacial acetic acid)を添加し、溶液を24時間環流下で加熱した。過量のアセトニトリルを真空下で蒸留して除去して、残余物をクロロホルムで抽出した後、濃いアンモニア溶液を添加した。有機状を分離した後、水で洗浄して、ソジウムスルフェートで乾燥した。
【0142】
8.Boc−[16]−NH(化合物10)
【化51】

Boc−[16]−CN(化合物9)をメタノールに溶解して、コバルト(II)クロライドヘキサハイドレートを添加した。ソジウムボロハイドライドを分割して添加した。結果混合物を2時間室温で攪拌した後、濃い塩酸で慎重に酸性化させた。溶媒を真空下で除去して濃縮した。有機状を分離した後、水で洗浄して、ソジウムスルフェートで乾燥した。
【0143】
[実施例3.5]
1.A−[3]−アルケン(化合物3)
【化52】

A−[1]−SiCl(化合物1)をジエチルエーテルに溶解された過量の10%アリルマグネシウムブロマイドを利用して4時間環流させた後、0℃で冷却して、10%のNHCl水溶液で加水分解した。前記有機層を水で洗浄して、MgSOを利用して乾燥して濃縮した。
【0144】
2.A−[3]−SiCl(化合物4)
【化53】

A−[3]−アルケン(化合物3)、HSiCl、及び通常の白金基材のハイドロシリル化触媒、例えばプロパン−2−オールに溶解されたHPtCl6(Speierの触媒)、または白金ジビニルシロキサン錯化合物(Karstedtの触媒)の混合物を24時間常温で攪拌した。反応が終了した時、過量のHSiClを真空で除去した。
【0145】
3.A−[9]−アルケン(化合物5)
【化54】

A−[3]−SiCl(化合物4)をジエチルエーテルに溶解した過量の10%アリルマグネシウムブロマイドを利用して4時間還流させた後、0℃で冷却した。その後、10% NHCl水溶液で加水分解した。前記有機層を水で洗浄して、MgSOを利用して乾燥して濃縮した。
【0146】
4.A−[9]−SiCl(化合物6)
【化55】

A−[9]−アルケン(化合物5)、HSiCl、及び通常の白金基材ハイドロシリル化触媒、例えばプロパン−2−オールに溶解されたHPtCl6(Speierの触媒)または白金ジビニルシロキサン錯化合物(Karstedtの触媒)の混合物を24時間常温で攪拌した。反応が終了した時、過量のHSiClを真空ポンプを利用して除去した。
【0147】
[実施例3.6]
1.[1]−酸−[3]−トリオール(化合物3)
【化56】

(a)段階では、前記トリオール1をシアノエチル化して、前記ニトリル化合物2を製造した。アクリロニトリル、nBuSnH、及びアゾビシソブチロニトリルを前記化合物1が含まれているPhCHに110℃で添加した。(b)段階では、前記ニトリル化合物2をKOH、EtOH/HO、H、及び△のような反応条件で加水分解して、化合物3及びカルボキシ酸を製造した。
【0148】
2.A−[3]−トリオール(化合物5)
【化57】

(c)段階では、[1]−酸−[3]−トリオールを1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレート(HOBT)を利用して、アミドカップリング反応を通して化合物4と結合した。
【0149】
3.A−[3]−トリブロマイド(化合物6)
【化58】

(d)段階では、100℃でHBr/H2を臭素化し、トリブロマイドを合成するために前記アルコールを使用した。
【0150】
4.[1]−CN−[3]−OBzl(化合物8)
【化59】

(e)段階では、トリオール(1)をMeSO及びKOHを使用してトリエーテルを製造するためにベンジルクロライドで処理した。(f)段階では、トリエステル(化合物8)をシアノエチル化して、ニトリル化合物(化合物9)を製造した。アクリロニトリル、nBuSnH、及びアゾビスイソブチロニトリルを化合物8を含むPhCHに110℃で添加した。
【0151】
5.[1]−OH−[3]−OBzl(化合物11)
【化60】

(g)段階では、ニトリル化合物9(化合物9)をKOH、EtOH/HO、H、Δのような環境でカルボキシ酸を用いて加水分解し、化合物10を製造した。(h)段階では、化合物10とカルボキシ酸をアルコールに転換させるために1.0Mの濃度を超えるBHTHF溶液と共に反応させた。
【0152】
6.[1]−アルキン−[3]−OBzl(化合物13)
【化61】

(i)段階では、過量のSOCl及びピリジン触媒下でアルコールを塩化物(CHCl)にした。(j)段階では、塩化物をジメチルスルホキシド(dimethylsulphoxide)下でリチウムアセチライドエチレンジアミン錯化合物(lithium acetylide ethylenediamine complex)と40℃で反応させた。
【0153】
7.A−[3]−アルキン−[9]−OBzl(化合物14)
【化62】

(k)段階では、4当量のアルキン末端を形成するブロックを有する化合物13、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、及びテトラメチルエチレンアミン(TMED)で0℃乃至40℃で1.5時間反応させて、前記A−[3]−OBz(化合物6)をアルキル化させた。
【0154】
[実施例3.7]
1.A−[9]−OH(化合物15)
【化63】

A−[3]−アルキン−[9]−OBzl(化合物14)は、A−[9]−OH(化合物15)を製造するために、EtOH及びTHF10%溶液下でPd−C/Hで60℃で4日反応させて、還元させて脱保護化した。
【0155】
2.A−[27]−COOH(化合物17)
【化64】

前記アルコールは、塩化物(CHCl)下でSOBrを利用して40℃で12時間ゆっくり非ブロマイド(nonabromide)に転換させた。前記過程後に、49%のA−[9]−アルキン−[27]−OBzl(化合物16)を製造するために、12価の[1]−アルキン−[3]−OBzl(化合物13)で前記非ブロマイド化合物をアルキル化させた。A−[9]−アルキン−[27]−OBzl(化合物16)は、10%のPd−C/Hが含まれているEtOH及びTHF溶液下でPd−C/Hと60℃で4時間反応させる一段階を通して還元させて脱保護化させて、89%のA−[27]−OHを製造した。A−[27]−OHをNHOHまたは(CHNOH下でRuO4酸化させて、85%のA−[27]−COOH(化合物17)を製造した。
【0156】
[実施例3.8]
1)[G1]−(OMe)(化合物3)
【化65】

化合物1(1.05mol equiv.)、3,5−ジメトキシベンジルブロマイド(1.00mol equiv. 化合物2)、炭酸カリウム(1.1mol equiv.)、及び18−c−6(0.2mol equiv.)の混合物を脱水されたアセトン下で48時間、窒素下で環流されるまで加熱した。前記混合物を冷却した後、乾燥されるまで蒸留して、残留物は塩化物(CHCl)及び水の間で分割した。前記水溶液層は、塩化物(CHCl)(3×)で抽出し、連結された有機膜層を乾燥した後、乾燥されるまで蒸発させた。化合物3を得るために、前記粗結果物に対してEtOAc−CHClを溶出液(eluent)としてフラッシュクロマトグラフィー(flash chromatography)を利用して精製した。
【0157】
2)[G1]−(OH)(化合物4)
【化66】

化合物3のメチルエーテル基をEtOAc溶液下でBBrによって1時間脱離させた。
これによる粗結果物に対してMeOH−EtOAcを溶出液(eluent)としてフラッシュクロマトグラフィー(flashchromatography)を利用して精製して、化合物4を得た。
【0158】
3)[G2]−(OMe)(化合物5)
【化67】

[G1]−(OH)(1.00mol equiv. 化合物4)、3,5−ジメトキシベンジルブロマイド(2.00mol equiv. 化合物2)、炭酸カリウム(2.1mol equiv.)及び18−c−6(0.2mol equiv.)の混合物を脱水されたアセトン下で48時間、窒素下で還流されるまで加熱した。前記混合物を冷却した後、乾燥されるまで蒸留して、残留物は塩化物(CHCl)及び水の間で分割した。前記水溶液層は、塩化物(CHCl)(3×)で抽出し、連結された有機膜層を乾燥した後、乾燥されるまで蒸発させた。化合物5を得るために、前記粗結果物に対してEtOAc−CHClを溶出液(eluent)としてフラッシュクロマトグラフィー(flash chromatography)を利用して精製した。
【0159】
4)[G2]−(OH)(化合物6)
【化68】

化合物5のメチルエーテル基をEtOAc溶液下でBBrによって1時間脱離させた。前記粗結果物に対してMeOH−EtOAcを溶出液としてフラッシュクロマトグラフィーを利用して精製して、化合物4を得た。
【0160】
5)[G3]−(OMe)(化合物7)
【化69】

[G2]−(OH)(1.00mol equiv. 化合物6)、3,5−ジメトキシベンゾブロマイド(4.00mol equiv. 化合物2)、炭酸カリウム(4.1mol equiv.)及び18−c−6(0.2mol equiv.)の混合物を脱水されたアセトン下で48時間、窒素下で還流されるまで加熱した。前記混合物を冷却した後、乾燥されるまで蒸留して、残留物は塩化物(CHCl)及び水の間で分割した。前記水溶液層は、塩化物(CHCl)(3×)で抽出し、連結された有機膜層を乾燥した後、乾燥されるまで蒸発させた。化合物7を得るために、前記粗結果物に対してEtOAc−CHClを溶出液(eluent)としてフラッシュクロマトグラフィー(flash chromatography)を利用して精製した。
【0161】
6)[G3]−(OH)(化合物8)
【化70】

化合物7のメチルエーテル基をEtOAc溶液中でBBrによって1時間脱離させた。化合物8を得るために、粗結果物に対してMeOH−EtOAcを溶出液(eluent)としてフラッシュクロマトグラフィー(flash chromatography)を実施した。
【0162】
[実施例4:サブストレート上にデンドロンの組立て]
APDESの代わりに、ガラス酸化物(oxide glass)上にTMAC(N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)を自己組立てした。前記TMAC上のデンドリマー層のアミン残基をキャッピングする必要はなかった。
【0163】
<TMACによるアミノシリル化>
清潔なサブストレート(スライドガラス)をTMAC(2mL)及びアセトン(100mL)の混合溶液に5時間浸した。自己組立て後に、前記サブストレートをフラスコから取り出して、アセトンで洗浄した。前記サブストレートをオーブンに入れて110℃で40分間加熱した。アセトンに浸漬した後に、前記サブストレートを3分間超音波処理した。洗浄されたサブストレートをテフロン(登録商標)容器に入れ、O−フックに連結された大きなスクリューキャップを有するガラス容器に置いて、前記ガラス容器を真空処理して、前記TMACが自己組立てされたサブストレートを乾燥した。
TMACの化学式構造を以下に示す。
【化71】

【0164】
無水酢酸でアミン残基をキャッピングすることを除いては、Fmoc−スペーサ−[9]酸をCBz−[9]酸と同一な条件で自己組立てした。
【0165】
<Fmoc−スペーサ−[9]酸(化合物5)の自己組立て>
一定量のFmoc−スペーサ−[9]酸(化合物5)を混合溶媒(DMF:脱イオン水=1:1(v/v))に溶解して、20mLの溶液を製造した。テフロン(登録商標)容器に前記溶液を入れて、前記で製造したアミノシリル化されたスライドガラス片を溶液に浸した。フラスコを常温に置いて、自己組立てするようにして、1日後に各サブストレート片を溶液から取り出した。片を取り出した直後に前記プレートを脱イオン水で洗浄した。各々のサブストレートを脱イオン水、脱イオン水−メタノール混合溶媒(1:1(v/v))、及びメタノールで順次に3分間超音波処理した。超音波処理した後に、テフロン(登録商標)容器に前記サブストレートを浸して、再びO−フックが連結された大きなスクリューギキップを有するガラス容器に入れて、前記ガラス容器を真空にして(30−40mTorr)サブストレートを乾燥した。
【0166】
<Fmoc−スペーサ−[9]酸(化合物5)のFmoc脱保護化>
DMF中に5%のピペリジンを含むテフロン(登録商標)容器を容易した。前記自己組立てされたサブストレートを前記テフロン(登録商標)容器に浸して20分間攪拌した。各々のサブストレートをアセトン及びメタノールで順次に3分間超音波処理して、真空チャンバで(30−40mTorr)乾燥した。
【0167】
[実施例5:デンドロン(9−酸及び27−酸)]改質表面上のp53マイクロアレイ]
非常に高い頻度で無意味な(missense)変異ホットスポットを有することが分かっている7つのコドン、つまり175、215、216、239、248、273、及び282を選択して、実験に利用した。7つのコドンのうち、コドン175、248、273、及び282は国際P53変異データベース(IARC、http//:www−p53.iarc.fr/p53DataBase.htm)から得て、残りの三つのコドン、つまり215、216、及び239は韓国p53変異ホットスポットデータベースから得た。前記6つのコドンに対するキャプチャープローブ序列(デンドロン改質表面に固定化されたDNA)をソフトウェアで製作し、これらの長さは15−23merと多様にして、Tmは約55℃に合わせた。
【0168】
<実施例5.1:デンドロン改質表面を使用したp53遺伝子の7つのホットスポット変異の探知>
デンドロン改質サブストレートを使用して、癌細胞株のp53遺伝子の単一変異を探知した。7つのホットスポットコドン(175、215、216、239、248、273、及び282)を含む標的DNAサンプル(100−200mer)を、ランダムプライミング法を使用して癌細胞から抽出されたDNAを増幅して製造し(実施例5.8参照)、固定化された7つのホットスポットコドンに相応するキャプチャープローブ(オリゴヌクレオチドof15−25mer)と混成化させた。各々の混成化されたスポットの蛍光強度を共焦点レーザースキャナで測定し、SNP区別能を計算した。この実施例によれば、デンドロン改質表面を有するDNAマイクロアレイの品質は、実際に標的サンプルに存在する単一変異を探知することができることを示している。
【0169】
<実施例5.2:混成化効率及びSNP区別に及ぼすT30を有するプローブオリゴヌクレオチドの長さの影響>
SNP区別のためのキャプチャープローブの長さの影響をT30を有する多様な長さのキャプチャープローブを使用して試験した。T30を含んでコドン175及び239に相応するキャプチャーオリゴヌクレオチドを5´末端及びデンドロン改質表面の末端の1次アミノ基に連結することによって固定させた後に、p53標的DNAを混成化させて、蛍光強度を測定した。この実施例は、キャプチャープローブの長さに対するSNP区別能及び信号強度の依存性を示した。
【0170】
<実施例5.3:キャプチャープローブ濃度vs強度(intensity);及びキャプチャープローブvsSNP区別>
キャプチャープローブの濃度に対する信号強度及びSNP区別能の依存性を調査した。デンドロン改質表面上のキャプチャープローブを多様な濃度にして標的DNAと混成化して、蛍光強度及びSNP区別能を測定した。p53に対するキャプチャープローブの最適濃度を決定した。
【0171】
<実施例5.4:プローブ濃度vs強度;及び標的プローブ濃度vsSNP区別>
標的プローブの濃度に対する信号強度及びSNP区別能の依存性を調査した。標的DNAを多様な濃度にして混成化して、蛍光強度及びSNP区別能を測定した。この実施例により、デンドロン改質表面を有するDNAマイクロアレイの多様な範囲を提供した。
【0172】
<実施例5.5:混合標的サンプルにある変異の探知>
正常な序列に比べて変異した標的序列が小さい部分に存在する、点突然変異を有する標的サンプル(5または10%)を探知することができる。二種類の標的DNAを含む標的サンプルを異なるモル濃度で製造して混成化して、変異した標的DNAだけでなく、正常な序列の混合物において特定コドンで単一点突然変異を探知するようにした。この実施例は、初期段階の癌を診断するのに大変重要な臨床的意義がある。
【0173】
<実施例5.6:10個の未知の直腸癌細胞株の変異探知>
癌細胞株の未知の変異を探知するために考案したシステムである。
【0174】
≪実施例5.6.1:細胞培養及びゲノムDNA抽出≫
直腸癌細胞株SNU−C1、SNU−C5、COLO 201、COLO 205、DLD−1、LS 513、HCT−15、LS 174T、HCT 116、及びSW 480をKCLB(韓国細胞株バンク、韓国、ソウル)から購入した。10%ウテア血清(FBS)、100μg/mlのストラプトマイシン、及び100Uのペニシリン(GibcoBRL,Carlsbad,CA)が補充されたRPMI 1640に細胞を接種して、5%のCO、37℃で培養した。直腸癌細胞(2×10細胞)をInvisorb(登録商標)spin cell mini kit(Invitek,Berlin,Germany)の使用者マニュアルに従って得て、ゲノムDNA分析に使用した。これらゲノムDNAからp53標的DNAを製造し(実施例5.8.2参照)、DNAマイクロアレイ実験を前記方法と同様な方法で行った。
【0175】
<実施例5.7:混成化効率及びSNP区別に対する標的プローブの長さの影響>
ランダムプライマ−法、PCR、Dnase分解などの多様な方法で多様な長さを有する標的DNAを製造し、混成化効率及びSNP区別に対する標的プローブの長さの影響を調査した。
【0176】
<実施例5.8:実験方法>
≪実施例5.8.1:ゲノムDNAサンプル≫
SNU細胞株(SNU−61、216、475、563、601、668、761、及び1040)のゲノムDNAをソウル大学医学部の朴ジェガプ氏から得た。前記SNU細胞株は、韓国の患者から採取したヒト腫よう細胞株である。これら細胞株の特性は以前に記述したものと同一であり、多様な研究で使用された(Bae IS et al.,2000,Park JG et al.,1997,Kang MS et al.,1996,Yuan Y et al.,1997,378−87)。
【0177】
≪実施例5.8.2:サブクローニング及び序列分析≫
各細胞株に対して、p53遺伝子、特にエクソン5及びエクソン8間に存在するp53遺伝子を2対の合成オリゴヌクレオチドプライマーを使用して増幅した:エクソン5Fwd I、5´−CTG ACT TTC AAC TCT GTC TCC T−3´(SEQ ID NO:5);エクソン5Fwd II、5´−TAC TCC CCT GCC CTC AAC AA−3´(SEQ ID NO:6);エクソン8Rev I、5´−TGC ACC CTT GGT CTC CTC CAC−3´(SEQ ID NO:7);エクソン8Rev II、5´−CTC GCT TAG TGC TCC CGG G−3´(SEQ ID NO:8)(Kang MS et al.,1996)。下記条件により、Multiblock System(Hybaid,UK)全体の反応体積が20μlになるように、1×ThermoPol緩衝液(補充Taqポリメラーゼ)のうち、250μ M dNTPミックス、2.5U Taqポリメラーゼ(NEB)、10pmoleの最初のプライマー対(イントロは4及び8に相応するエクソン5Fwd I及びエクソン8Rev I)、250μ M dNTPミックス、2.5U Taqポリメラーゼ(NEB)にして、各ゲノムDNAを増幅した:ポリメラーゼ初期活性化、95℃で1分;20周期、95℃で30秒;58℃で30秒;72℃で90秒;72℃で5分最終延長した。最初のPCR産物を希釈して2番目のPCRのための鋳型として使用した。ゲノムDNAのPCR増幅産物を20倍に希釈して、PCRプライマ−を10pmolの2番目のプライマー対(エクソン5及び8に相応するエクソン5Fwd II及びエクソン8Rev II)を使用したことを除いては、前記段階と同一な条件下で2番目のnested PCRを行った。増幅周期は25周期に増加させた。最終のnested PCR産物をゲル抽出法で精製した。ゲノムDNAから得られたPCR産物をpGEM T−easyベクトル(Promega)に連結して、DH5a細胞に形質転換させた。サブクローニングされたプラスミドをQIAGEN Plasmid Min kit(QIAGEN Inc.,Valencia,CA)で分離して、序列分析に使用した。pUC/M13正方向及び逆方向序列分析を次のプライマー対を使用して行った:M13 FWD 5´−GTT TTC CCA GTC ACG ACG TTG−3´(SEQ ID NO:9)及びM13 REV 5´−TGA GCG GAT AAC AAT TTC ACA CAG−3´(SEQ ID NO:10)。
【0178】
≪実施例5.8.3:標的プローブの製造≫
SNPシートを含むDNA標的プローブをランダムプライマ−法及び標識化方法で50ngの鋳型DNA、50UのKlenow酵素(NEB)、1×EcoPol緩衝液(Klenow酵素補充)、6μgのランダムオクタマ(Bionics社合成)、低濃度dT dNTPミックス(100μM dA、G、CTP/50μM dTTP)、及び50Cyanine3−dUTP(NEN)を含むMultiblock System(Hybaid,UK)で体積全体を20μlにして、37℃、2時間行った。QIAGEN MinElute PCR purification kit(QIAGEN Inc.,Valencia,CA)を使用して併合されないヌクレオチドを分離した。UV/Visスペクトロフォトメーターを使用して定量及び定性分析(特異的活性、結合された蛍光染料当たりのヌクレオタイスの数)を行った後に、分析された産物を混成化に利用した。
【0179】
≪実施例5.8.4:細胞培養及びゲノムDNA抽出≫
直腸癌細胞株SNU−C1、SNU−C5、COLO 201、COLO 205、DLD−1、LS 513、HCT−15、LS 174T、HCT 116、及びSW480をKCLBから購入した。ウテア血清(FBS)、100μg/mlのストラプトマイシン、及び100Uのペニシリン(GibcoBRL,Carlsbad,CA)が補充されたRPMI1640に細胞を接種して、5%のCO、37℃で反応させた。Invisorb(trademark)spin cell mini kit(Invitek,Berlin,Germany)を使用して使用者マニュアルによる方法で前記直腸癌細胞株(2×10細胞)を収穫して、ゲノムDNA抽出に使用した。
【0180】
[実施例6:デンドロン上に固定された蛋白質プローブ]
<実施例6.1:デンドリマー改質スライドガラス上にNHSバイオチン固定化>
1mLの重炭酸ナトリウム緩衝液50mM及びDMSO(40%v/v)中にスクシンイミジルD−バイオチン(1.0mg)を含むスポッティング溶液を製造した。デンドリマー改質スライドガラス上にNHSバイオチンをMicrosys5100マイクロアレイヤー(Cartesian Technologies,Inc,USA)を使用してクラス10,000の清浄ルームで固定化した。固定化、及び湿潤チャンバー(75%の湿度)で1時間反応させた後に、バイオチンマイクロアレイをDMF(50℃)THF及びMBST(50mM MES、100mM NaCl、0.1% Tween−20、pH6.0)で順次に2時間洗浄した。前記スライドを蒸溜水ですすいで、乾燥させて、直ちに使用したり数日間常温で保存してから使用した。
【0181】
<実施例6.2:蛋白質/リガンド相互作用の探知>
この実施例は、Hergenrother,P.J.;Depew,K.M.;Schreiber,S.L.J.Am.Chem.Soc.2000,122,7849によって行った。Cy3標識ストラプタビチン溶液を添加する前に、3%ウテア血清補充MBSTで1時間遮断した。若干すすいだ後に、Cy3標識ストラプタビチン溶液に30分間、室温で前記スライドを露出させた。前記溶液は、適切な蛋白質のストック溶液を1%BSA補充MBSTで希釈して、1mg/mLにして製造した。前記反応後に、MBSTで1回スライドを洗浄して、12分間、MBSTを4回交換しながら弱く攪拌した。スライドを乾燥して共焦点スキャナScan Array(登録商標)Lite(GSI Lumonics)を使用してスキャニングした。マイクロアレイ定量分析ソフトウェアImaGene(BioDiscovery,Inc.)を使用してイメージ及び蛍光強度分析を行った。
【0182】
[実施例7:孔が調節された巨大分子を含む、調節された気孔を有するガラスビーズ]
アミノプロピル基が結合された、気孔が調節されたガラスビーズ(AMPCPG;80−120メッシュ;平均気孔直径、50nmまたは300nm)及び長い鎖状アミノアルキルグループで改質された気孔が調節されたガラスビーズ(LCAA−CPG;80−120mesh;mean pore diameter、50nm)をCPG,Incから購入した。1,4−ブタンジオールジグリジルエーテル、1,3−ジアミノプロパン、還元グルタチオン(GSH)、N−(3−メチルアミノプロピル)−N´−エチルカルボイミド(EDC)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、N−(9−フルオロメトキシカルボニルオキシ)クロライド(Fmoc−Cl)、ピペリジン、4−マレイミドブチル酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(GMBS)、リン酸緩衝食塩水(PBS)をSigma−Aldrichから購入した。他の化合物は、分析試薬級で購入し、追加精製なく使用した。Barnstead E−pure 3−Module systemで蒸溜水を処理して、脱イオン水(18MΩ.cm)を製造した。UV−visスペクトルはHewlett−Packard diode−array8453スペクトロフォトメーターで記録した。
【0183】
<実施例7.1:デンドロン改質CPG(サンプルE1及びE3)上にグルタチオン固定化>
(i)Fmoc−[3]−酸で改質:AMPCPG(乾燥重量0.70g)をガラスフィルターにアセトンを使用して洗浄した。真空乾燥した後に、1,4−ブタンジルジグリシジルエーテル(1.0mL)及び炭酸塩緩衝液(2.0mL、pH=11)の混合液をAMPCPG(表面能:91.8μ mol/g、表面積:47.9m/g)に添加した。常温で24時間よく揺らして混ぜた後に、得られたビーズをろ過して脱イオン水及びアセトンで順次に洗浄した。前記サンプルが含まれているバイアル(vial)を1,3−ジアミノプロパン(1.0mL)及び炭酸塩緩衝液(pH=11)の混合液を添加して24時間常温で混ぜた。徹底的に洗浄した後に、2−モルカプトエタノール(1.0mL)及び水溶性重炭酸ナトリウム溶液(2.0mL、pH=8.5)の混合液で表面に残っているエポキシ基の反応を遮断させた。Fmoc−[3]−酸(14mg、21.3μ mol)が溶解されたジメチルホルムアミド(30%DMF(v/v))、N−(3−メチルアミノプロピル)−N´−エチルカルボイミド(15mg、77μ mol)、及びN−ヒドロキシスクシンイミド(9.0mg、77μ mol)をビーズを含むバイアルに添加した。室温で11時間揺らして混ぜた後に、脱イオン水及びアセトンで順次に徹底的に洗浄した。
(ii)遮断段階:無水メチレンクロライド(2.0mL)中に無水酢酸(1.0mL)を使用して常温で一晩残留するアミン基を遮断した。
(iii)脱保護化段階:メチレンクロライド及びアセトンで順次にビーズを洗浄して、DMF(3.0mL)中の20%のピペリジンをビーズを含むバイアルに添加して、30分間バイアルを揺らして混ぜた。
(iv)リガンド固定化段階:1,4−ブタンジルジグリシジルエーテル(1.0mL)及び炭酸塩緩衝液(2.0mL、pH=11)の混合液をバイアールに添加し、常温で24時間混ぜた。脱イオン水及びアセトンで順次に洗浄した後に、重炭酸ナトリウム溶液(3.0mL、pH8.5)及び還元グルタチオン(GSH、5.4mg、17.6μ mol)をビーズを含むバイアルに添加して、常温で24時間揺らして混ぜた。ビーズの洗浄後に、2−モルカプトエタノール(1.0mL)及び水溶性重炭酸ナトリウム溶液(2.0mL、pH=8.5)の混合液をビーズを含むバイアルに添加した。最後に、ビーズを分離して洗浄して、真空で乾燥して窒素雰囲気下で4℃で保管した。Fmoc−[3]−酸の代わりにFmoc−[9]−酸を使用することを除いては同一な段階を、サンプルE3を製造するために行った。
【0184】
<実施例7.2:対照実験のための異なるGSH結合マトリクスの製造(サンプルCS、CL、及びA):>
(i)サンプルCS及びCL:GSHをGMBSリンカーを使用してAMPCPG及びLCAA−CPGに直接固定させた。ビーズ(0.10g)をガラスフィルターを使用してアセトンで洗浄した。真空で乾燥した後に、DMF及び4−マレイミドブチル酸、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(GMBS、3.0mg、11μ mol)が溶解された重炭酸ナトリウム緩衝液(1.0mL、3:7(v/v)、pH=8.5)の混合液をビーズを含むバイアルに添加した。常温で4時間揺らして混ぜた後に、得られたビーズをろ過、及び脱イオン水、アセトン洗浄で分離した。最後に、無水メチレンクロライド(2.0mL)中の無水酢酸(1.0mL)でマトリクスに残っているアミン基を反応させた。洗浄後に、PBS緩衝液(1.0mL)中のGSH(3.4mg、11μ mol)をビーズを含むバイアルに添加して、常温で12時間揺らして混ぜた。2−モルカプトエタノール(1.0mL)に残っているマレイミド基を遮断し、ビーズを分離して、洗浄、真空乾燥を行った。
(ii)サンプルA:E1及びE3と同一な改質方法で、1,4−ブタンジルジグリシジルエーテル及び1,3−ジアミノプロパンでAMPCPGを改質した。2−モルカプトエタノールでキャッピングした後に、1,4−ブタンジルジグリシジルエーテルでエポキシ基を製造した。最後に、クリタチオンを固定させて、2−モルカプトエタノールでビーズ上に残っているエポキシ基の環を開環した。
【0185】
<実施例7.3:改質ビーズ上のアミン密度測定>
E1またはE3の改質途中のビーズ、または対照実験用ビーズ(10mg)をeチューブに入れた。同時に、9−フルオロメチルクロロホルメート(Fmoc−Cl、1.75mg)及びNaCO(1.45mg)を別途のガラスバイアルに入れて、1,4−ジオキサン及び水の混合溶媒(2:1(v/v))を2.5mL添加して、試薬を溶解した。前記溶液中の1/5を取って、ビーズを含むeチューブに添加した。前記チューブをバイアルに入れて、バイアルを常温で12時間揺らして混ぜた。ガラスフィルターを利用してビーズを分離して、前記多孔性物質を脱イオン水及びアセトンで順次に洗浄した。真空で乾燥した後に、DMF(0.50mL)中の20%のピペリジンをビーズを含むeチューブに入れて、30分間ピペリジンと反応するようにした。残っている溶液をチューブから慎重に新たなeチューブに移動させて、ビーズをDMF(0.25mL)中の20%のピペリジンで二回洗浄した。前記溶液全体を前のeチューブに添加した。溶液を再びメタノールと混合して、最終吸光度を調節した。UV/Visスペクトロメーターを使用して310nmで吸光度を測定し、関連溶媒を背景誤差の訂正をするために使用した。信頼性向上のために、測定は5種類の異なるサンプルに対して行った。
測定のために、一連のDMF中の20%のピペリジン、及びN−Fmoc−エタノールアミン(または9−フルオロメチルN−(2−ヒドロキシエチル)カバーメイト)(30μM−70μ M)を製造した。30分間反応させた後に、ジベンゾフルベンを含む溶液を使用して吸光度を測定し、吸光係数を計算した。
【0186】
<実施例7.4:GST融合蛋白質溶解物の製造>
GST−融合蛋白質を公知の文献で説明された通りに製造した(Kim,J.H.;Lee,S.;Kim,J.H.;Lee,T.G.;Hirata,M.;Suh,P.G.;Ryu,S.H.;Biochemistry 2002,41,3414−3421で、その全体を本明細書の参考文献として併合する)。大規模培養のためには、再組合わせpGEXプラスミドを含む単一コロニーを200ml 2X YTA培地で培養した。対数増殖期まで培養した後に、IPTGで6時間遺伝子発現を誘導した。次に、遠心分離で細胞を集めて、1X PBSで洗浄した。その後、0.50mM PMSFを含む10mL低浸透圧性緩衝液(20mM Tris、150mM NaCl、1.0mM MgCl、1.0mM EGTA、pH7.4)でE.coliを超音波溶解した。前記不溶性物質を除去して蛋白質を得た。
【0187】
<実施例7.5:結合分析>
(i)鎖の長さの効果:前記製造されたビーズCL(5.72mg)、CS(6.97mg)、E1(10.0mg)、及びE3(14.8mg)を0.8mLの反応緩衝液(20mM Tris、150mM NaCl、1.0mM MgCl、1.0mM EGTA、1%TX−100、0.10mM PMSF、pH7.4、0.50mM PMSF)中のGST溶解物を含む混合溶液と別個に1時間、4℃で反応させて、10ベッド体積の反応緩衝液で3回洗浄して、100μL SDSサンプル緩衝液を添加した。前記チューブを5分間95℃に置いた後に、20μLのサンプルを採取して、SDS−PAGE分析に使用し、得られたゲルをCBBG−250染色溶液で染めた。
(ii)デンドロン処理マトリクスの選択度:10mgのサンプルA、E1、及びE3以外に、100μgの精製GSTまたはGST融合蛋白質溶解物を実験に使用した。その他の段階は前記段階と同一である。
【0188】
<実施例7.6:グルタチオンセファロース−4B、E1、及びE3からGST融合蛋白質溶出>
グルタチオンセファロース−4B、E1、及びE3を前記結合分析項目に記載された方法通りに行った。ビーズに結合された蛋白質の量をImage gauge V3.12(FUJI PHOTO FILM CO.,LTD.)で定量した。p47phoxのPXドメイン及びMunc−18断片溶解物に対しても同一な段階を行った(図13)。
【0189】
本明細で言及された全ての文献は、その全体が本明細書に併合される。本技術分野で通常の技術を有する者は、単に通常の実験でも本発明の具体的な例と同等な多数の発明を認識して到達することができるであろう。このような等価発明は、請求の範囲の保護範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】分枝型/線状の重合体または分子の大きさが制御された巨大分子を示す構造式Iである。
【図2】デンドロンを製造する反応概略図であり、Xは保護基である。
【図3a】デンドロンを用いた表面改質及び混成化のための概略図である。
【図3b】本発明で使用されたデンドロンの分子構造を示すものである。
【図3c】プローブDNA序列及び標的DNA筋の序列を示すものである。プローブオリゴヌクレオチドは、プローブ1:5´−NH−C−CAT TCC GNG TGT CCA−3´(序列番号1)及びプローブ2:5´−NH−C−(T)30−CAT TCC GNG TGT CCA−3´(序列番号2)を含む。標的ヌクレオチドは、標的1:5´−Cy3−TGG ACA CTC GGA ATG−3´(序列番号3)及び標的2:5´−Cy3−CCT ACG AAA TCT ACT GGA ACG AAA TCT ACT TGG ACA CTC GGA ATG−3´(序列番号4)を含む。
【図4】(a)は、各々の反応段階後の紫外線スペクトルを示すものである。EG/GPDS及びデンドロンは、エチレングリコール改質されたサブストレート上にデンドロンを導入させる前及び後に得られるスペクトルを示すものであり、ジブロック(Deblock)は、脱保護段階後のスペクトルを示すものである。(b)は安定性実験を示すもので、室温で1日間DMFで攪拌した後に得られるスペクトルを‘洗浄(Washing)’で表示している。
【図5】デンドロン改質された表面のタッピングモード原子顕微鏡(Tapping mode atomic force microscopy、TM−AFM)イメージを示すものである。‘E’タイプスキャナーを装着したNanoscope IIIa AFM(Digital Instruments)を使用した。スキャニングされた広さは、1.0×1.0μmである。
【図6】混成化後の蛍光イメージを示すものである。(a)及び(b)はデンドロン改質された表面上での(a)プローブ1及び標的1または(b)プローブ1及び標的2の間の混成化後に得られるイメージを示すものである。(c)及び(d)はAPDES改質された表面上での(c)標的1及びプローブ1または(d)標的1及びプローブ2の間の混成化後に記録されるイメージを示すものである。
【図7】対をなすオリゴヌクレオチド対または内部的に間違えて対をなすオリゴヌクレオチド対の間の強度差を示すものである。上位イメージである(a)〜(c)は4×4配列蛍光イメージを示し、下位イメージである(d)〜(f)は16個のスポットから抽出された一つのスポットを示すイメージである。(a)及び(b)はDSCリンカーを有するデンドロン改質されたマイクロアレイに関するものであり、(b)及び(e)はPDITCリンカーを有するAPDES改質されたマイクロアレイに関するものであり、(c)及び(f)はDSCリンカーを有するAPDES改質されたマイクロアレイに関するものである。DSCリンカーを有するデンドロン改質されたマイクロアレイ及びPDITCリンカーを有するAPDES改質されたマイクロアレイに対する蛍光イメージは、10%より小さい変動係数(coefficient variance、CV)及び一つのスポットで均一な蛍光信号を示した。一方、DSCリンカーを有するAPDES改質されたマイクロアレイに対する蛍光イメージは、スポットの大きさがはるかに小さく、20%を越える変動係数(CV)及び一つのスポットで均一でない蛍光信号を示した。各画素の大きさは、10×10μmである。
【図8a】[9]−酸デンドロンを使用したp53の単一変異(single mutation)を検出するための標的DNA試料及びp53特異的オリゴヌクレオチドプローブの混成化後に得られた蛍光イメージを示すものである。
【図8b】[27]−酸デンドロンを使用したp53の単一変異(single mutation)を検出するための標的DNA試料及びp53特異的オリゴヌクレオチドプローブの混成化後に得られた蛍光イメージを示すものである。
【図9a】p53遺伝子の7つのホットスポット(hotspot)に対する同時検出を示すものである。
【図9b】p53遺伝子の7つのホットスポット(hotspot)に対する同時検出を示すものである。
【図10】AMPCPGマトリクス上でデンドロンを使用して試料E1(Fmoc−[3]−酸)及び試料E3(Fmoc−[9]−酸)を製造し、DMFに溶解した20%のピペリジンでFmoc基を脱保護させて、グルタチオンを混合することを示す概略図である。
【図11】三つの形態のビーズを利用する精製されたGST及びGST溶解物の結合を示すものである。Mはマーカ(marker)を意味する。比較例として、GST溶解質を直接流した(レーン1)。対照群として、精製されたGSTのマトリクス(A、E1、及びE3)に対する結合を試験した(レーン2、3、及び4)。最後に、細胞溶解物の結合を試験して、マトリクス(A、E1、及びE3)の効率を調査した(レーン5、6、及び7)。
【図12】保護された第1世代官能基化されたデンドロン(E1、Fmoc−[3]−酸)及び保護した第2世代官能基化されたデンドロン(E3、Fmoc−[9]−酸)を示すものである。
【図13】細胞溶解質から得られたGSTの二つの対照群ビーズ(CL及びCS)に対する結合をE1及びE3と比較して記録したものである。Mはマーカを意味し、レーン1はCL、レーン2はCS、レーン3はE1、レーン4はE3を意味する。
【図14】三つの融合GST蛋白質であるGST(28 kDa)、GST−PXp47(41 kDa)、及びGST−Mucnc18(98 kDa)を使用して結合力の変化を測定した結果を示すものである。三つのマトリクスの相対的な結合力をデンシチオメーター(Densitiometer)で測定した。全てのマトリクスの結合力は、GSTに対して100%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子の大きさが制御された巨大分子が規則的に分布する分子層を含むサブストレートであって、
前記巨大分子は、分枝された部位及び線状の部位を含む重合体を含み、
前記分枝された部位の多数の末端は前記サブストレートに結合されていて、前記線状の部位の末端は官能基化されていることを特徴とするサブストレート。
【請求項2】
前記巨大分子が規則的な間隔で分布することを特徴とする請求項1に記載のサブストレート。
【請求項3】
前記巨大分子が、前記巨大分子の官能基化された線状の部位の作用基間の間隔が約0.1nm乃至約100nmの規則的な間隔になるように分布することを特徴とする請求項2に記載のサブストレート。
【請求項4】
前記巨大分子が約10nmの規則的な間隔で分布することを特徴とする請求項3に記載のサブストレート。
【請求項5】
前記分枝された部位の末端が−COZ、−NHR、−OR´、及び−PR´´からなる群から選択されたいずれか一つで官能基化されていて、前記Zは離脱基であり、前記Rはアルキル基であり、前記R´はアルキル基、アリール基、及びエーテルからなる群から選択されたものであり、前記R´´は水素、アルキル基、及びアルコキシ基からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載のサブストレート。
【請求項6】
前記COZは、酸、エステル、活性化されたエステル、酸ハロゲン化合物、活性化されたアミド、及びCO−イミダゾイルからなる群から選択されたいずれか一つからなることを特徴とする請求項5に記載のサブストレート。
【請求項7】
前記重合体はデンドロンであることを特徴とする請求項1に記載のサブストレート。
【請求項8】
前記線状の部位はスペーサ部位を含むことを特徴とする請求項1に記載のサブストレート。
【請求項9】
前記スペーサ部位は、第1官能基によって分枝された部位に連結されていることを特徴とする請求項8に記載のサブストレート。
【請求項10】
前記第1官能基は、−NH、−OH、−PH、−COOH、−CHO、及び−SHからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項9に記載のサブストレート。
【請求項11】
前記スペーサ部位は、前記第1官能基に共有的に結合されたリンカー部位を含むことを特徴とする請求項8に記載のサブストレート。
【請求項12】
前記リンカー部位は、置換されたり置換されていないアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、エーテル基、ポリエーテル基、エステル基、及びアミノアルキル基からなる群から選択されたものを含むことを特徴とする請求項11に記載のサブストレート。
【請求項13】
前記スペーサ部位は第2官能基を含むことを特徴とする請求項8に記載のサブストレート。
【請求項14】
前記第2官能基は、−NH、−OH、−PH、−COOH、−CHO、及び−SHからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項13に記載のサブストレート。
【請求項15】
前記第2官能基は前記線状の部位の末端に位置することを特徴とする請求項13に記載のサブストレート。
【請求項16】
前記線状の部位の末端に保護基が結合されていることを特徴とする請求項1に記載のサブストレート。
【請求項17】
前記保護基は、酸反応性物質または塩基反応性物質であることを特徴とする請求項16に記載のサブストレート。
【請求項18】
前記線状の部位の末端に標的特異的リガンドが結合されていることを特徴とする請求項1に記載のサブストレート。
【請求項19】
前記標的特異的リガンドは、化合物、DNA、RNA、PNA、アプタマー、ペプチド、ポリペプチド、炭水化物、抗体、抗原、バイオミメティックス、ヌクレオチド類似体、及びこれらの混合物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項18に記載のサブストレート。
【請求項20】
前記巨大分子の線状の部位に結合されている標的特異的リガンド間の距離は、約0.1乃至約100nmであることを特徴とする請求項18に記載のサブストレート。
【請求項21】
前記サブストレートは、半導体、合成有機金属、合成半導体、金属、合金、プラスチック、シリコン、シリケート、ガラス、及びセラミックからなる群から選択されたもので製作されることを特徴とする請求項1に記載のサブストレート。
【請求項22】
前記サブストレートは、スライド、粒子、ビーズ、マイクロウェル、及び多孔性物質からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項21に記載のサブストレート。
【請求項23】
前記多孔性物質は、メンブレイン、ゼラチン、及び水和ゲルからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項22に記載のサブストレート。
【請求項24】
前記ビーズは、制御された気孔を有するビーズであることを特徴とする請求項22に記載のサブストレート。
【請求項25】
分枝された部位及び線状の部位を含む重合体を含む、大きさが制御された巨大分子が規則的に分布する分子層の製造方法であって、
前記分枝された部位の多数の末端はサブストレートに結合されていて、前記線状の部位の末端は官能基化されていて、
(i)サブストレートを巨大分子の末端と反応することができるように官能基化する段階;及び
(ii)前記巨大分子を前記サブストレートと接触させて、前記巨大分子の末端及び前記サブストレートが結合を形成するようにする段階;を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項26】
前記サブストレートは、半導体、合成有機金属、合成半導体、金属、合金、プラスチック、シリコン、シリケート、ガラス、及びセラミックからなる群から選択されたもので製作されることを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記サブストレートは、スライド、ビーズ、マイクロウェル物質、及び多孔性物質からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項28】
前記多孔性物質は、水和ゲル、ゼラチン、及びメンブレインからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項27に記載の製造方法。
【請求項29】
前記ビーズは、制御された気孔を有するビーズであることを特徴とする請求項27に記載の製造方法。
【請求項30】
(i)前記サブストレート上の巨大分子の線状の部位の末端から保護基を除去する段階;及び
(ii)標的特異的リガンド、または前記標的特異的リガンドに連結された同型の両作用性または異型の両作用性のリンカー分子を前記サブストレート上の巨大分子の線状の部位の末端と接触させて、前記リガンドまたはリンカー分子及び前記末端が結合を形成するようにする段階;を含んで、標的特異的リガンドを線状の部位の末端に固定させることを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
【請求項31】
前記サブストレート上の巨大分子が前記標的特異的リガンド及び線状の部位の末端の結合における障害を最少化させることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項32】
前記サブストレート上の巨大分子が前記標的特異的リガンドの特異的な標的の検出における障害を最少化させることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項33】
前記標的特異的リガンドを規則的な間隔で分布させることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項34】
前記サブストレートは低密度の標的特異的リガンドを含むことを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項35】
前記低密度の標的特異的リガンドの密度は、約0.01プローブ/nm乃至約0.5プローブ/nmの範囲であることを特徴とする請求項34に記載の製造方法。
【請求項36】
前記標的特異的リガンドは、化合物、DNA、RNA、PNA、アプタマー、ペプチド、ポリペプチド、酵素、炭水化物、ポリサッカライド、抗体、抗原、バイオミメティックス、ヌクレオチド類似体、またはこれらの混合物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項30に記載の製造方法。
【請求項37】
線状の部位の末端が標的特異的オリゴヌクレオチドに固定されている、請求項1に記載のサブストレートを含むことを特徴とする遺伝子内の変異の検出のための診断システム。
【請求項38】
前記サブストレートは、癌関連遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項37に記載の診断システム。
【請求項39】
前記癌関連遺伝子はp53であることを特徴とする請求項38に記載の診断システム。
【請求項40】
線状の部位の末端が標的特異的オリゴヌクレオチドに固定されている、請求項1に記載のサブストレートを分析対象遺伝子を含む試料と接触させる段階を含むことを特徴とする遺伝子内の変異の存在有無の検出方法。
【請求項41】
前記遺伝子は癌関連遺伝子であることを特徴とする請求項40に記載の検出方法。
【請求項42】
前記遺伝子はp53であることを特徴とする請求項41に記載の検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−506094(P2007−506094A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526832(P2006−526832)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002383
【国際公開番号】WO2005/026191
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(502258417)ポスコ (73)
【出願人】(503367099)ポステック ファンデーション (15)
【Fターム(参考)】