説明

サメ肝臓の油の魚臭を低減する方法

【課題】サメ肝臓油の魚臭を手軽に簡単に低減する方法。
【解決手段】サメ肝臓から抽出された油を炭酸水素アンモニウム溶液や陰イオン性界面活性剤を含む炭酸水素アンモニウム溶液で洗浄した後、水洗し、次に強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させ、この乾燥剤を分離する。または、サメ肝臓から抽出された油を陰イオン性界面活性剤溶液で洗浄し、次に炭酸水素アンモニウム溶液で洗浄し、水洗し、強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させ、この乾燥剤を分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サメの肝臓由来の魚油に特有な魚臭を低減する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サメの肝臓に含まれている魚油は、スクワレンや、ビタミンAに代表される各ビタミン、近年注目されているドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などの多価不飽和脂肪酸など、さまざまな生理作用を示す物質を多く含んでおり、昔から非常に重宝されてきた。サメの肝臓は、個体が大きく、油含有量が非常に多いため、魚油を得るには非常に有利な原料である。
【0003】
魚油を抽出する方法はいろいろあるが、サメ肝臓の場合は、伝統的に、肝臓を焙煎する煎取法や肝臓を酵素やアルカリ溶液で煮熟する煮取法なども行われてきた。通常、抽出された魚油は、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭の順に精製が行われるが、サメの肝臓の場合は、脱ガムなどの工程が省略されることもある。しかし、脱臭は必須工程であり、サメ肝臓の魚油の場合は避けては通れないものである。いわゆる「魚の生臭さ」である魚臭の原因物質は、揮発性アミン類などであり、一般に、この魚臭を除去するための脱臭方法として、魚油を高真空下で180℃以上に熱し、水蒸気を長時間吹き込んでいる(非特許文献1)。また、魚油に酸素含有の気体を通してから減圧水蒸気蒸留する方法(特許文献1)や魚油を減圧下で合成吸着剤やイオン交換樹脂などと接触させる方法(特許文献2)、魚油を多孔性樹脂で処理した後に、水蒸気蒸留する方法(特許文献3)、穏和条件下で減圧水蒸気蒸留した後に、シリカゲルやケイ酸などの吸着剤を通す方法などがある(特許文献4)。いずれの方法も減圧水蒸気蒸留により脱臭を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「魚臭・畜肉臭−においの化学とマスキング」、太田静行編、恒星社厚生閣社発行、昭和56年、P102〜P111
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−60177号 公報
【特許文献2】特開平8−302382号 公報
【特許文献3】特開平5−331487号 公報
【特許文献4】特開平2−16195号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの脱臭方法は、減圧下で水蒸気を吹き込むため、高額な専用の設備を必要とする欠点があり、簡単に手軽に行うことはできなかった。また、180℃以上に加熱するため、魚油が酸化や分解、変性するおそれがあることや、加熱や水蒸気発生のエネルギ−コストがかかる欠点があった。
【0007】
本発明は、簡単、かつ手軽にサメ肝臓の魚油の魚臭を低減する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記の課題を解決する方法を見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明におけるサメ肝臓の魚油の魚臭を低減する方法は、サメ肝臓から抽出された油を炭酸水素アンモニウム溶液で洗浄した後、水洗し、次に強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させ、この乾燥剤を分離することである。
【0010】
別の一つの方法は、サメの肝臓の魚油を、陰イオン性界面活性剤を含む炭酸水素アンモニウム溶液で洗浄した後、水洗し、次に強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させ、この乾燥剤を分離することである。
【0011】
また一つの方法は、サメ肝臓の魚油を陰イオン性界面活性剤にて洗浄し、次に炭酸水素アンモニウム溶液で洗浄した後、水洗し、次に強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させ、この乾燥剤を分離することである。
【0012】
そしてこれらで使用する炭酸水素アンモニウム溶液は、10重量%以上であることが好ましい。
【0013】
上記の課題解決による作用は、炭酸水素アンモニウム溶液による洗浄や強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤により魚油中の魚臭の原因物質である揮発性アミン類などが除去されるためと思われる。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明の魚臭を低減する方法は、減圧操作のための特別な装置を必要とせず、また、水蒸気を吹き込むことや加熱する必要もないので、非常に経済的な方法であり、また、サメ1匹分など少量の肝臓にも対応可能な製造法である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明についてその好ましい様態をあげ、より具体的に述べる。
【0016】
本発明のサメはその種類を問わず、ネズミザメ(モウカサメ)、ネコザメ、トラザメ、シュモクザメ、シロザメ、アブラツノザメ、ホシサメ、ドチザメ、ヨシキリザメ、アオザメなどがあげられる。
【0017】
サメ肝臓から魚油の抽出法には、蒸煮法や圧搾法、煎取法などがある。脱臭だけするなら、精製せず本発明による脱臭方法を行ってもよい。
【0018】
また、本発明の魚臭を低減する方法を行う前にサメ肝臓の魚油を常法により精製してもよい。精製法としては、水や酸の使用による脱ガム工程や水酸化ナトリウムによる脱酸、活性白土による脱色などがある。
【0019】
魚臭の低減方法は、最初に炭酸水素アンモニウム溶液で魚油を洗浄することである。炭酸水素アンモニウムは、別名重炭酸アンモニウムともいう。また炭酸水素アンモニウム溶液を用いた洗浄は、魚油の数倍容量の炭酸水素アンモニウム溶液量で、複数回行う。洗浄は、魚油を炭酸水素アンモニウム溶液と十分に混合しなければならない。炭酸水素アンモニウムの洗浄後は、魚油を水洗するが、洗浄液の炭酸水素アンモニウム由来のアンモニア臭がなくなるまで水洗する。
【0020】
別な一つの魚臭の低減方法は、最初に陰イオン性界面活性剤を含む炭酸水素アンモニウム溶液で魚油を洗浄することであるが、陰イオン性界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウムやアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどがある。溶液量は、魚油の数倍容量以上の炭酸水素アンモニウム溶液量で、複数回洗浄する。洗浄は、魚油を炭酸水素アンモニウム溶液と十分に混合しなければならない。炭酸水素アンモニウムの洗浄後は、魚油を水洗するが、洗浄液の炭酸水素アンモニウム由来のアンモニア臭がなくなるまで水洗する。
【0021】
また別な一つの魚臭の低減方法は、最初に陰イオン性界面活性剤を含む水溶液で魚油を洗浄することであるが、陰イオン性界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウムやアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどがある。次に魚油の数倍容量の炭酸水素アンモニウム溶液で魚油を洗浄し、洗浄液の炭酸水素アンモニウム由来のアンモニア臭がなくなるまで水洗する。
【0022】
上記のように魚油を炭酸水素アンモニウム溶液等で洗浄した後、この魚油に強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させる。この乾燥剤は、水を吸着する物質であり、化学で通常用いられているものである。乾燥剤としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウムなどがあり、無水物が好ましい。
【0023】
この乾燥剤の量は、魚油に含まれている水分の量にも異なるが、魚油の量の数重量%以上が好ましい。乾燥剤と接触させる前に、魚油を遠心分離し、含まれている水を除去してから乾燥剤を加えてもよい。
【0024】
最後に、ろ過や遠心分離にて、魚油からこの乾燥剤を除去すると、魚臭が低減された魚油が得られ、完成である。
【0025】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これは単に例示の目的で述べるものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。
【実施例1】
【0026】
魚油の抽出:ガラスビ−カ−に、冷凍保存していたアブラツノザメの肝臓280gに0.1Mの水酸化ナトリウム溶液280mLを加え、65℃の湯浴上で1時間アルカリ消化を行った。冷却後、ガ−ゼとろ紙でろ過し、中性になるまで水洗し、142gの魚油を得た。魚臭の脱臭は以下の方法で行った。
【0027】
(1)5重量%炭酸水素アンモニウム:ガラス分液ロ−トに前記で得られた魚油20mLを入れた。これに5重量%炭酸水素アンモニウム(和光純薬工業社)溶液100mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸水素アンモニウム溶液を除去した。分液ロ−トの魚油に新たに5重量%炭酸水素アンモニウム溶液100mLを加え、同様の操作を行った。この操作をもう一度繰り返した。次に魚油に水を5mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0028】
(2)10重量%炭酸水素アンモニウム:ガラス分液ロ−トに前記で得られた魚油20mLを入れた。これに10重量%炭酸水素アンモニウム溶液100mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸水素アンモニウム溶液を除去した。分液ロ−トの魚油に新たに10重量%炭酸水素アンモニウム溶液100mLを加え、同様の操作を行った。この操作をもう一度繰り返した。次に魚油に水を5mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0029】
(3)10重量%炭酸アンモニウム:ガラス分液ロ−トに前記で得られた魚油20mLを入れた。これに10重量%炭酸アンモニウム(和光純薬工業社)溶液100mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸アンモニウム溶液を除去した。分液ロ−トの魚油に新たに10重量%炭酸アンモニウム溶液100mLを加え、同様の操作を行った。この操作をもう一度行った。次に魚油に水を5mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0030】
(4)陰イオン界面活性剤含む10重量%炭酸水素アンモニウム:ガラス分液ロ−トに前記で得られた魚油20mLを入れた。これに0.1重量%の陰イオン界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社)を含む10重量%炭酸水素アンモニウム溶液100mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸水素アンモニウム溶液を除去した。分液ロ−トの魚油に新たに同溶液100mLを加え、同様の操作を行った。この操作をもう一度繰り返した。次に魚油に水を5mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0031】
上記(1)〜(4)で得られた魚油をそれぞれ遠沈管に移し、塩化カルシウム無水物(和光純薬工業社)2gを加え、十分混合し、15分間放置した。遠心分離機(CT 6D、日立工機社)にて3,500回転、10分間分離した。塩化カルシウムが沈殿し、上層に透明な魚油が得られ、この魚油を集めた。
【0032】
魚臭の強さは、(3)10重量%炭酸アンモニウム>(1)5重量%炭酸水素アンモニウム>(2)10重量%炭酸水素アンモニウム>(4)陰イオン界面活性剤含む10重量%炭酸水素アンモニウム、の順であり、(4)の魚臭は微かであった。また、(1)も魚臭は感じられたが、脱臭操作前に比較すると相当低減された。
【実施例2】
【0033】
魚油の抽出は、実施例1に記載した方法で行った。魚臭の脱臭は、以下の方法で行った。ガラス分液ロ−トに魚油40mLを入れた。これに0.05重量%の陰イオン界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社)を含む10重量%炭酸水素アンモニウム(和光純薬工業社)溶液200mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸水素アンモニウム溶液を除去した。分液ロ−トの魚油に新たにドデシル硫酸ナトリウムを含む10重量%炭酸水素アンモニウム溶液200mLを加え、同様の操作を行った。この操作をもう一度繰り返した。次に魚油に水を10mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0034】
この魚油を遠沈管に移し、遠心分離機(CT 6D、日立工機社)にて3,500回転、10分間分離した。下層に水が分離され、上層の魚油を集めた。この魚油に硫酸ナトリウム(和光純薬工業社)3gを加え、十分混合し、15分間放置した。遠心分離機(CT 6D、日立工機社)にて3,500回転、10分間分離した。硫酸ナトリウムが沈殿し、上層に透明な魚油が得られ、この魚油を集めた。
【0035】
得られた魚油の魚臭は微かであり、脱臭操作前の魚油に比較すると相当低減された。
【実施例3】
【0036】
魚油の抽出は、実施例1に記載した方法で行った。脱臭方法は、以下の方法で行った。ガラス分液ロ−トに魚油40mLを入れた。これに0.2重量%の陰イオン界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業社)を含む10重量%炭酸水素アンモニウム(和光純薬工業社)溶液200mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸水素アンモニウム溶液を除去した。分液ロ−トの魚油に新たにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む10重量%炭酸水素アンモニウム溶液200mLを加え、同様の操作を行った。この操作をもう一度繰り返した。次に魚油に水を10mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0037】
この魚油を遠沈管に移し、硫酸カルシウム無水物(和光純薬工業社)4gを加え、十分混合し、15分間放置した。遠心分離機(CT 6D、日立工機社)にて3,500回転、10分間分離した。硫酸カルシウムが沈殿し、上層に透明な魚油が得られ、この魚油を集めた。
【0038】
得られた魚油の魚臭は微かであり、脱臭操作前の魚油に比較すると相当低減された。
【実施例4】
【0039】
魚油の抽出は、実施例1に記載した方法で行った。
【0040】
脱臭方法(1):ガラス分液ロ−トに魚油40mLを入れた。これに0.2重量%の陰イオン界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社)溶液40mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水溶液を除去した。同様の操作を計3回行った。
【0041】
この魚油に10重量%炭酸水素アンモニウム(和光純薬工業社)溶液200mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸水素アンモニウム溶液を除去した。同様の操作を計3回行った。次に、魚油に水を10mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0042】
脱臭方法(2):ガラス分液ロ−トに魚油40mLを入れた。これに10重量%炭酸水素アンモニウム(和光純薬工業社)溶液200mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸水素アンモニウム溶液を除去した。同様の操作を計3回行った。
【0043】
この魚油に0.2重量%の陰イオン界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社)溶液40mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水溶液を除去した。同様の操作を計3回行った。次に、魚油に水を10mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0044】
上記(1)と(2)で得られた魚油をそれぞれ遠沈管に移し、硫酸マグネシウム無水物(和光純薬工業社)3gを加え、十分混合し、15分間放置した。遠心分離機(CT 6D、日立工機社)にて3,500回転、10分間分離した。硫酸マグネシウムが沈殿し、上層に透明な魚油が得られ、この魚油を集めた。
【0045】
結果、(1)の魚臭は微かであり、脱臭操作前の魚油に比較すると相当低減された。しかし、(2)は(1)よりも魚臭が強かった。
【実施例5】
【0046】
魚油の抽出は、実施例1に記載した方法で行った。脱臭方法は、以下の方法で行った。ガラス分液ロ−トに魚油40mLを入れた。これに0.2重量%の陰イオン界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業社)溶液40mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水溶液を除去した。同様の操作を計3回行った。この魚油に10重量%炭酸水素アンモニウム溶液200mLを加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の炭酸水素アンモニウム(和光純薬工業社)溶液を除去した。分液ロ−トの魚油に新たな10重量%炭酸水素アンモニウム溶液200mLを加え、同様の操作を行った。この操作をもう一度繰り返した。次に、魚油に水を10mL加え、十分混合した。上層に魚油が分離され、下層の水を除去した。この操作を計6回繰り返し行った。
【0047】
この魚油を遠沈管に移し、塩化マグネシウム無水物(和光純薬工業社)4gを加え、十分混合し、15分間放置した。遠心分離機(CT 6D、日立工機社)にて3,500回転、10分間分離した。塩化マグネシウムが沈殿し、上層に透明な魚油が得られ、この魚油を集めた。
【0048】
得られた魚油の魚臭は、微かであり、脱臭操作前の魚油に比較すると相当低減された。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、魚臭が低減されているので、サメ肝臓油を原料として使用する食品や化粧品、日用品などに適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サメ肝臓油の魚臭を低減する方法において、サメ肝臓油を炭酸水素アンモニウム溶液で洗浄した後、水洗し、次に強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させ、この乾燥剤を分離することを特徴とするサメ肝臓油の処理方法。
【請求項2】
サメ肝臓の油の魚臭を低減する方法において、サメ肝臓油を陰イオン性界面活性剤を含む炭酸水素アンモニウム溶液で洗浄した後、水洗し、次に強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させ、この乾燥剤を分離することを特徴とするサメ肝臓油の処理方法。
【請求項3】
サメ肝臓の油の魚臭を低減する方法において、サメ肝臓油を陰イオン性界面活性剤にて洗浄後、炭酸水素アンモニウム溶液で洗浄、水洗し、次に強酸と強塩基からなる無機塩の乾燥剤と十分接触させ、この乾燥剤を分離することを特徴とするサメ肝臓油の処理方法。
【請求項4】
請求項1〜3において、炭酸水素アンモニウムの濃度が10重量%以上であることを特徴とするサメ肝臓油の処理方法。

【公開番号】特開2012−167208(P2012−167208A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29874(P2011−29874)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(309015019)地方独立行政法人青森県産業技術センター (52)
【Fターム(参考)】