説明

サンシェード装置

【課題】遮光面積を高め、特に比較的大きな面積のウィンドウガラスに対しても漏れなく遮光を付与することが可能であるとともに、構成部品のバタツキ発生を抑え、衝撃音等が生じ難いサンシェード装置を提供する。
【解決手段】本発明のサンシェード装置10は、遮光部材15をウィンドウW面に沿って展開し、当該ウィンドウW内側を遮光するサンシェード装置であって、前記遮光部材15は、収納状態と使用状態との間で回動自在に構成され、前記収納状態では相対的に遮光面積を小さくする一方、前記使用状態では相対的に遮光面積を大きくすることが可能な遮光面積可変手段(11b,12b)を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンシェード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特に自動車用後部ウィンドウにおけるサンシェード装置として、例えば支軸に対して巻き取ったカーテンをウィンドウ上に展開させる構成の他、特許文献1に開示された構成等が知られている。この特許文献1に開示されたサンシェード装置は、スクリーン跳ね上げ(手動)式のリア用サンシェード装置であって、パッケージトレイ上に設置されたスクリーンが、バネヒンジなどで跳ね上がり、ウィンドウガラスからの光を遮光するものである。
【特許文献1】独国特許出願公開第10219610号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記特許文献1に開示されたようなサンシェード装置においては、例えば以下のような問題が生じる場合がある。
(1)スクリーンをパッケージトレイ上に設置するため、パッケージトレイの全長よりウィンドウガラスの高さが長い場合、遮光できない部分が存在してしまう場合がある。
(2)ヒンジに内設されたバネの力のみでスクリーンを保持しているため、悪路走行などでスクリーンのバタツキ(微動)が生じる場合がある。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、遮光面積を高め、特に比較的大きな面積のウィンドウガラスに対しても漏れなく遮光を付与することが可能であるとともに、構成部品のバタツキ発生を抑え、このバタツキによる干渉音等が生じ難いサンシェード装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のサンシェード装置は、遮光部材をウィンドウ面に展開し、当該ウィンドウ内側を遮光するサンシェード装置であって、前記遮光部材は、収納状態と使用状態との間で回動自在に構成され、前記収納状態では相対的に遮光面積を小さくする一方、前記使用状態では相対的に遮光面積を大きくすることが可能な遮光面積可変手段を備えることを特徴とする。
【0006】
このようなサンシェード装置によると、遮光面積可変手段によって遮光部材の遮光面積を変更可能なため、収納状態において遮光面積を小さくする一方、使用状態において遮光面積を大きくするものとすれば、小さなスペースの収納場所に対して、大きな面積のウィンドウを遮光することが可能となる。つまり、収納場所のスペースに拘らず、大面積のウィンドウを遮光することが可能となるのである。したがって、収納場所の面積(全長)よりもウィンドウの面積(高さ)が大きいような場合であっても、遮光部材の面積を変化させることにより、無駄のない収納と確実な遮光とを両立させることが可能となる。また、本発明のサンシェード装置は、遮光部材を収納状態と使用状態との間で回動させる方式のものであり、巻取式のカーテンに比して品質も高く、当該遮光部材の厚さを自由に設計可能なため、付与する遮光性の幅が広がるのは当然のことながら、遮音性も兼備させることが可能となる。
【0007】
本発明のサンシェード装置において、前記遮光部材は、前記使用状態において車両後部ウィンドウを遮光する一方、前記収納状態にあっては車両パッケージトレイ側に収納されるとともに、その一端がパッケージトレイの車両後方側において軸支されてなり、他端が前記パッケージトレイの車両前方側において自由端として回動可能とされているものとすることができる。
【0008】
このように車両パッケージトレイの後方側(パッケージトレイのウィンドウ寄り側)において遮光部材を軸支し、前方側(パッケージトレイのウィンドウから離れた側)において自由端を回動させる構成とすれば、当該遮光部材の回動操作に際してウィンドウが邪魔にならず、当該操作が簡便なものとなる。また、例えばパッケージトレイの車両前方側において遮光部材の一端を軸支した場合、使用状態において当該軸支位置から後方が遮られて車内空間を狭めてしまう場合があるが、本発明のように車両後方側において軸支することで、使用状態において前方側に空間ができ、スペースの有効活用を実現することが可能となる。
【0009】
なお、遮光部材は、収納状態において車両パッケージトレイ内の所定位置に収容させる構成の他、車両パッケージトレイの所定位置上に載置させる構成であっても良く、いずれの場合であっても車両パッケージトレイと一体化若しくは略一体化された状態で収納状態とされることが外観意匠の観点及び空間利用の観点から好ましい。
【0010】
また、本発明のサンシェード装置において、前記遮光部材は、前記使用状態において前記回動を停止させることが可能な回動停止手段を備えるものとすることができる。
【0011】
このようなサンシェード装置によると、使用状態において遮光部材が回動してしまう不具合発生を防止することができるようになる。したがって、使用時において遮光部材が収納状態に戻ってしまい、遮光が外れる不具合発生を防止することが可能となる。また、当該回動停止手段により、走行時における遮光部材のバタツキ(微動)発生も防止ないし抑制することが可能となる。
【0012】
また、本発明のサンシェード装置において、前記遮光部材は第1遮光部材と第2遮光部材とを備え、前記第1遮光部材の一端が軸支されて前記回動が可能とされる一方、前記第2遮光部材は、前記第1遮光部材に対して重畳状態ないし非重畳状態の間で相対移動可能に取り付けられ、当該第1遮光部材と第2遮光部材との重畳面積によって前記遮光面積が変化することを特徴とする。なお、ここで重畳状態及び非重畳状態は重なり度合を相対的に分別した状態を言うもので、重畳状態とは第1遮光部材と第2遮光部材が完全に重なる状態のものの他、非重畳状態に比して重なり面積の大きな状態を言い、非重畳状態とは第1遮光部材と第2遮光部材が完全に重ならない状態のものの他、重畳状態に比して重なり面積の小さな状態を言うものとする。
【0013】
このようなサンシェード装置によると、第1遮光部材と第2遮光部材とにより遮光面積可変手段を簡便に構成することができ、互いに重畳状態と非重畳状態との間で相対移動することにより、これら2部材からなる遮光部材の遮光面積が変化することとなる。具体的には、2部材が重畳状態にある場合、互いに重なった部分において遮光部材の遮光面積が小さくなるため、収納状態に好適とされる一方、2部材が非重畳状態にある場合は、互いに重なる部分がない(若しくは少ない)ため、遮光部材の遮光面積が大きくなって、使用状態に好適とされる。
【0014】
また、本発明のサンシェード装置において、前記遮光部材は折り畳み可能に構成され、その畳度合によって前記遮光面積が変化するものとすることができる。
【0015】
このようなサンシェード装置によると、折り畳み構成により遮光面積可変手段を簡便に実現することができ、その畳度合によって遮光面積を変化することが可能となる。具体的には、折り畳んだ状態では、遮光部材はその遮光面積が相対的に小さく、収容状態に好適とされる一方、折り畳みを伸張して展開した状態では、遮光部材はその遮光面積が相対的に大きく、使用状態に好適とされる。
【0016】
また、本発明のサンシェード装置において、前記ウィンドウの上方には、前記使用状態において前記遮光部材の自由端を係止する係止手段が配設されているものとすることができる。
【0017】
このような係止手段により、使用状態の遮光部材のバタツキ(微動)発生を防止ないし抑制することができ、特に走行時の振動音発生を好適に防止することが可能となる。なお、当該係止手段は前記回動停止手段を兼備するものとしても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、遮光面積を高め、特に比較的大きな面積のウィンドウガラスに対しても漏れなく遮光を付与することが可能となる。また、特に構成部品たる遮光部材のバタツキを抑え、このバタツキによる干渉音等が生じ難いサンシェード装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明のサンシェード装置の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態のサンシェード装置を備えた車両について後部側面の概略構成を示す説明図、図2は図1の斜視図である。また、図3はサンシェード装置の要部(スクリーン15の構成)を示す平面図、図4は同じくサンシェード装置の要部(スクリーン15の構成)を示す断面図である。さらに、図8はサンシェード装置の要部(スクリーン15の回動機構)を示す側断面図であり、図9はサンシェード装置の要部(スクリーン15の係止構成)を示す斜視図である。
【0020】
図1において、搭乗者Mが着座可能とされた後部シートSの後方上部にはパッケージトレイ30が配設されており、そのパッケージトレイ30上にはサンシェード装置10が取り付けられている。ここで、サンシェード装置10は、図3にも示すように布製のスクリーン(遮光部材)15から構成されており、当該スクリーン15を車両後部ウィンドウ(リアウィンドウ)W面に沿って展開することで、ウィンドウWの内外を遮光する構成となっている。
【0021】
スクリーン15はパッケージトレイ30に対して回動可能に構成されている。具体的には、略矩形に構成されたスクリーン15の一端部がヒンジ20によってパッケージトレイ30に軸支され、パッケージトレイ30と略平行な状態で当該パッケージトレイ30側に収納された収納状態と、ウィンドウWと略平行な状態で当該ウィンドウW面に沿って展開された使用状態との間で回動するものとされている(図1及び図2中、矢印Y1は回動方向を示す)。なお、スクリーン15の他端部(軸支された端部とは反対側の端部;自由端)には、当該スクリーン15を車両ルーフ40に係止するためのフック13が付与されている。
【0022】
ヒンジ20は、図8に示すようにパッケージトレイ30内に組み付けられており、当該ヒンジ20にはスクリーン15を付勢するための弾性部材(バネ)21が設けられている。そして、スクリーン15は、ブラケット22を介して接続部材24に接続されており、ウィンドウW側に向けて(つまり使用状態側に向けて)弾性部材21で付勢されている。また、ヒンジ20には、当該付勢力によってスクリーン15がウィンドウ15と衝突しないように、所定の角度だけ回動が行われた場合に、当該回動を停止させる回動停止手段23が設けられている。ここでは、回動停止手段23はヒンジ20の筐体27の切り欠き部26と接続部材24に設けたストッパ25により構成され、スクリーン15と弾性部材21とを接続する接続部材24のストッパ25が切り欠き部26に当接する(入り込む)ことにより回動が停止するものとされている。
【0023】
一方、サンシェード装置10はウィンドウWに対する遮光面積(ここではスクリーン15の面積)を上述した収納状態と使用状態とで変化させることが可能とされている。具体的には、図3及び図4に示すように、布製のスクリーン15が、第1スクリーン(第1遮光部材)11と第2スクリーン(第2遮光部材)12とから構成され、当該第1スクリーン11と第2スクリーン12とが相対移動することによって両者の重なり度合いが変化し、スクリーン15の全体の遮光面積が変化するものとなっている。つまり、第1スクリーン11と第2スクリーン12との重畳面積によってスクリーン15の全体の遮光面積が変化し、第1スクリーン11と第2スクリーン12とが互いに完全に重なった状態ではスクリーン15の遮光面積は最小とされる一方、重なった状態から第1スクリーン11と第2スクリーン12とが相対移動して重なりが少なくなると遮光面積が大きくなり、最終的に重なりがなくなった状態(若しくは第1スクリーン11を第2スクリーン12との重なりが最小となるまでスライドさせた状態)でスクリーン15の遮光面積が最大となる構成となっている。
【0024】
そして、本実施形態では、スクリーン15がパッケージトレイ30側に収納された状態(収納状態)において、第1スクリーン11と第2スクリーン12とが重なり合う状態とされ、遮光面積が最小となる(図1参照)。一方、スクリーン15がウィンドウW側に回動した使用状態においては、第1スクリーン11を第2スクリーン12に対してスライドすることにより相対移動させ、第1スクリーン11と第2スクリーン12との重なりを解放することで、スクリーン15全体の遮光面積を増大させることが可能とされている(図1及び図2中、矢印Y2はスライド方向を示す)。具体的には、第1スクリーン11と第2スクリーン12とが重畳面積を最小とする位置まで、すなわち第1スクリーン11を第2スクリーン12から最大限離れる方向にスライドさせた位置で、当該スクリーン15によってウィンドウW全体を覆うことが可能な構成とされている。
【0025】
なお、車両のルーフ40には止め具(係止手段)41が設けられている(図1、図9参照)。スクリーン15を回動させ、第1スクリーン11を第2スクリーン12からスライドさせて展開させた場合に、当該第1スクリーン11(スクリーン15)の先端に設けられたフック13を車両ルーフ40の後方に設けられた止め具41に係止することで、スクリーン15の回動及び第1スクリーン11のスライドを停止させることが可能とされている。また、当該係止により、車両走行に伴うスクリーン15のバタツキ発生も防止ないし抑制されている。
【0026】
次に、上述した第1スクリーン11と第2スクリーン12との相対移動(遮光面積可変手段)は以下のような構成により実現されている。
すなわち、例えば図3及び図4に示すように、第1スクリーン11の外枠11aに形成されたスライド部11bが、第2スクリーン12の外枠12aに形成されたレール部12bをスライドすることで、当該第1スクリーン11と第2スクリーン12との相対移動が実現される構成となっている。
【0027】
第1スクリーン11の外枠11aはアルミニウム製の枠状部材からなり、その枠内に布部材が張設されている。また、当該外枠11aは板片からなるスライド部11bを構成し、第2スクリーン12のレール部12b内を摺動可能に構成されている。
【0028】
第2スクリーン12の外枠12aはアルミニウム製の枠状部材からなり、その枠内に布部材が張設されている。また、当該外枠12aは断面コ字状のレール部12bを構成し、当該レール内に第1スクリーン11のスライド部11bが摺動可能な構成となっている。なお、レール部12bの内面には緩衝部材としてフェルト14が配設され、当該レール部12bとスライド部11bとの摩擦力低減に寄与している。
【0029】
以上のようなスライド部11bとレール部12bとの間の摺動により、第1スクリーン11と第2スクリーン12との相対移動が実現されるものとなっている。なお、当該相対移動は、上記構成に限られるものではなく、例えば図5に示した構成、或いは図6及び図7に示した構成のものにより実現することも可能である。
【0030】
図5は、図3及び図4に示したスライド機構(相対移動機構)の第1変形例を示す断面図で、図6及び図7は、同スライド機構(相対移動機構)の第2変形例を示す軸断面図及び側断面図である。
【0031】
図5に示したスライド機構は、第1スクリーン11に固定されたローラー16が、第2スクリーン12側において回転することで相対移動が実現されている。具体的には、第2スクリーン12の外枠12dは断面コ字状のレール部12eを有し、当該レール部12e内においてローラー16が回転可能な構成となっている。一方、第1スクリーン11の外枠11dは断面略L字状の板状片に構成され、その端部には当該板状片を板厚方向に穿孔して構成されたローラー固定部11eが形成されている。そして、当該ローラー固定部11eにローラー16の車軸を挿入し、当該車軸を固定することで、ローラー16が第1スクリーン11側に固定された構成となっている。
【0032】
このような構成のスライド機構においては、第1スクリーン11をスライドさせると、第2スクリーン12の外枠12dのレール部12e内においてローラー16が回転し、そのローラー16の回転により第1スクリーン11が第2スクリーン12に対してスライド可能な構成となっている。
【0033】
次に、図6及び図7に示したスライド機構は、第1スクリーン11に固定されたピニオン17が、第2スクリーン12側において回動することで相対移動が実現されている。具体的には、第2スクリーン12の外枠12dは断面コ字状のレール部12eを有し、当該レール部12e内には更に山及び谷からなるラック18が形成され、そのラック18上をピニオン17が回動可能な構成となっている。一方、第1スクリーン11の外枠11dは、当該外枠11dの第2スクリーン12の外枠12dに対向した側を穿孔して形成したピニオン固定部11eを有しており、当該ピニオン固定部11eにピニオン17の車軸を挿入し、当該車軸を固定することで、ピニオン17が第1スクリーン11側に固定された構成となっている。
【0034】
このような構成のスライド機構においては、第1スクリーン11をスライドさせると、第2スクリーン12の外枠12dのレール部12e内において、ラック18上をピニオン17が回動し、そのピニオン17の回動により第1スクリーン11が第2スクリーン12に対してスライド可能な構成となっている。なお、このようなピニオン17を用いたスライド機構によると、第1スクリーン11の左右の各外枠においてスライド幅(ピッチ)を等しくすることができるため、スムーズなスライドを実現することが可能となる。
【0035】
以上のような本実施形態のサンシェード装置10によると、スクリーン15の遮光面積を変更可能なため、収納状態において遮光面積を小さくする一方、使用状態において遮光面積を大きくすることが可能とされている。したがって、小さなスペースの収納場所(ここではパッケージトレイ30上)に対して、大きな面積のウィンドウWを遮光することが可能となる。つまり、収納場所のスペースに拘らず、大面積のウィンドウWを遮光することが可能となるのである。特に、本実施形態のサンシェード装置10を用いると、例えば比較的リアウィンドウ長の小さいハッチバックタイプはもとより、リアウィンドウ長の大きいセダンタイプの車両に対しても好適な遮光性を付与することが可能となる。
【0036】
その結果、収納場所(パッケージトレイ30上)の面積(全長)よりもウィンドウWの面積(高さ)が大きいような場合であっても、スクリーン15の面積を変化させることにより、無駄のない収納と確実な遮光とを両立させることが可能となる。また、本実施形態では、スクリーン15を収納状態と使用状態との間で回動させる方式を採用しているため、例えば巻取式のカーテンによる遮光に比して品質が高く、当該スクリーン15の厚さを種々変更可能となり、付与する遮光性の幅を広げ、遮音性をも付与することが可能となる。
【0037】
また、上記実施形態では、車両のパッケージトレイ30の後方側(パッケージトレイ30のウィンドウWに近い側)においてスクリーン15を軸支し、前方側(パッケージトレイ30のウィンドウWから離れた側)において自由端(軸支された側とは反対側の端部)を回動させる構成としたため、スクリーン15の回動操作に際してウィンドウWが邪魔にならず、当該操作が簡便なものとなる。また、仮にパッケージトレイ30の車両前方側においてスクリーン15の一端を軸支した場合、使用状態において当該軸支位置から後方が遮られて車内空間を狭めてしまう場合があるが、本実施形態のように車両後方側において軸支することで、使用状態において前方側に空間ができ、スペースの有効活用を実現することが可能となる。
【0038】
なお、上記実施形態では、スライド機構によって遮光面積を変更させるものとしているが、例えば図10に示すように、スクリーン50を2以上の折り畳み可能な構成とし、当該スクリーン50の畳度合によって遮光面積を変更する構成のものを採用することもできる。
【0039】
図10はそれぞれ図1及び図2に対応する図面(側面図、斜視図)である。この場合のスクリーン50は、2箇所の折畳み部(例えばヒンジ等)51a,51bを設けることで、2段式に折畳みが可能な構成とされている。収納状態においては、当該スクリーン50が折り畳まれ、遮光面積が最小とされる一方、使用状態においては、当該スクリーン50の折畳みを解放し、遮光面積を最大として遮光に供されるものとなっている。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、以下のような態様もまた本発明に含まれる。
(1)スクリーン15(50)は、収納状態においてパッケージトレイ30上に載置させる構成としたが、パッケージトレイ30内部に収容させる構成であっても良く、いずれの場合であってもパッケージトレイ30と一体化若しくは略一体化された状態で収納状態とされることが好ましい。
(2)スクリーン15(50)として遮光性を備えた布製品を用いているが、その他遮光性を備えた樹脂製の板状部材等であっても良く、遮光性を呈するものであれば材質等は問わない。
(3)スクリーン15のスライドは2部材を1段階式にスライドさせる構成とされているが、3部材以上のスクリーンを2段階式以上にスライドさせる構成であっても良い。また、スクリーン50の折畳みは2段階式とされているが、3段階式以上に折り畳む構成であっても良い。
(4)スクリーン15(50)は遮光性に加え、遮音性を備えたものであっても良い。
(5)スクリーン15において、第1スクリーン11を第2スクリーン12の両側の外枠12d間に収納し、第1スクリーン11をスライド側、第2スクリーン12を固定側としているが、その反対に第1スクリーン11を固定側、第2スクリーン12をスライド側としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態のサンシェード装置を備えた車両について後部側面の概略構成を示す説明図。
【図2】図1の斜視図。
【図3】サンシェード装置の要部(スライド機構)を示す平面図。
【図4】同じくサンシェード装置の要部(スライド機構)を示す断面図。
【図5】スライド機構の一変形例を示す断面図。
【図6】スライド機構の異なる変形例を示す軸断面図。
【図7】図6のスライド機構の側断面図。
【図8】サンシェード装置の要部(スクリーンの回動機構)を示す側断面図。
【図9】サンシェード装置の要部(スクリーンの係止構成)を示す斜視図。
【図10】サンシェード装置の一変形例を示す説明図。
【符号の説明】
【0042】
W…ウィンドウ、10…サンシェード装置、11b…スライド部(遮光面積可変手段)、12b…レール部(遮光面積可変手段)、15…スクリーン(遮光部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光部材をウィンドウ面に展開し、当該ウィンドウ内側を遮光するサンシェード装置であって、
前記遮光部材は、収納状態と使用状態との間で回動自在に構成され、前記収納状態では相対的に遮光面積を小さくする一方、前記使用状態では相対的に遮光面積を大きくすることが可能な遮光面積可変手段を備えることを特徴とするサンシェード装置。
【請求項2】
前記遮光部材は、前記使用状態において車両後部ウィンドウを遮光する一方、前記収納状態にあっては車両パッケージトレイ側に収納されるとともに、その一端がパッケージトレイの車両後方側において軸支されてなり、他端が前記パッケージトレイの車両前方側において自由端として回動可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項3】
前記遮光部材は、前記使用状態において前記回動を停止させることが可能な回動停止手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のサンシェード装置。
【請求項4】
前記遮光部材は第1遮光部材と第2遮光部材とを備え、
前記第1遮光部材の一端が軸支されて前記回動が可能とされる一方、
前記第2遮光部材は、前記第1遮光部材に対して重畳状態ないし非重畳状態の間で相対移動可能に取り付けられ、当該第1遮光部材と第2遮光部材との重畳面積によって前記遮光面積が変化することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のサンシェード装置。
【請求項5】
前記遮光部材は折り畳み可能に構成され、その畳度合によって前記遮光面積が変化することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のサンシェード装置。
【請求項6】
前記ウィンドウの上方には、前記使用状態において前記遮光部材の軸支側の端部とは反対側の端部を係止する係止手段が配設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のサンシェード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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