説明

サンプルの画分を収集しサンプルを分析するための方法および装置

【課題】少なくとも1つの検出器を用いてサンプルを分析するための方法およびそのための装置を提供する。
【解決手段】クロマトグラフィーの実行中に、クロマトグラフィーシステムでのサンプル流れ内における1つまたはそれ以上のサンプル要素を検出および収集する方法であって、クロマトグラフィーの実行中に、少なくとも1つの蒸発性粒子検出器を含む少なくとも1つの破壊式検出器、および少なくとも1つの非破壊式検出器から、複合信号を生成するステップを有し、複合信号は、各検出器からの検出応答値から生成される単一の信号であり、検出応答値は、クロマトグラフィーの実行中に生成され、前記方法はさらに、クロマトグラフィーの実行中に、複合信号の変化に応じて画分収集器内に流れから1つまたはそれ以上のサンプル要素を収集するステップを有する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィーシステムにおいて、サンプルの画分を収集し、サンプルを分析するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野で、クロマトグラフィーシステムにおいて効率的に且つ効果的にサンプルを分析する方法およびサンプル画分を収集する方法へのニーズがある。また、本技術分野において、効果的にサンプルを分析しサンプル画分を収集することができる装置へのニーズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、クロマトグラフィーシステムにおいて効率的に且つ効果的にサンプルを分析する方法およびサンプル画分を収集する方法を提供し、また、効果的にサンプルを分析しサンプル画分を収集することができる装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、サンプルを分析する方法およびクロマトグラフィーシステムにおいてサンプル画分を収集するための方法に関する。開示される方法は、サンプルを分析する公知の方法に優る多くの利点を提供する。たとえば、本発明の開示される方法は、少なくとも1つの検出器を通る流体流れを能動的に制御するために、プロセス変数(たとえば、流れ制限、全流量、温度、および/または溶媒組成)が少なくとも1つの検出器を通る流体流れに悪影響を与えないように、スプリッタポンプまたはシャトルバルブを用いることができる。また、本発明の開示される方法は、2つ以上の検出器からの1つ以上の検出器信号に応答して1つ以上のサンプル画分を収集するとともに、与えられたサンプルのより完全な分析を提供するために、2つ以上の検出器を用いることができる。
【0005】
本発明はサンプルを分析する方法に関し、また、サンプル画分を収集する方法に関する。例示的な一実施形態において、サンプルを分析する方法は、液体クロマトグラフィーシステムにおいて2つ以上の検出器から複合信号を生成するステップを有し、この複合信号は、各検出器からの検出応答成分を有し、また、サンプルを分析する方法は、複合信号の変化に応答して、画分収集器内に新しいサンプル画分を収集するステップを有する。一実施形態において、複合信号は、(i)少なくとも1つの光学吸収検出器(たとえばUV検出器)からの検出応答成分と、(ii)少なくとも1つの蒸発性粒子検出器からの検出応答成分とを有することができる。一実施形態において、発色性または非発色性溶媒を、クロマトグラフィーシステムにおけるキャリア流体として使用することができる。他の実施形態において、複合信号は、(i)2つ以上の特定の光学波長における光学吸収検出器(たとえばUV検出器)からの2つ以上の検出応答を含む検出応答成分と、(ii)蒸発性粒子検出器からの検出応答成分と、を有する。
【0006】
本発明によるさらなる例示的な実施形態において、クロマトグラフィーを用いてサンプルを分析する方法は、少なくとも1つの非発色性分析対象物を有するサンプルを観察するために少なくとも1つの検出器を用いるステップと、非発色性物質の検出器応答の変化に応じて、新しいサンプル画分を画分収集器内に収集するステップと、を有する。このサンプルは、多数の異なる発色性物質または非発色性物質を含むことができる。さらに、サンプルを輸送する可動フェーズは、1つ以上の発色性物質または非発色性物質を含むことができる。
【0007】
他の実施形態において、一般的なキャリア流体をクロマトグラフィーシステム内で用いることができ、キャリア流体は揮発性液体または様々なガスを含む。さらなる実施形態において、非破壊式検出器(たとえばRI、UV検出器等)を、破壊式検出器(たとえば、蒸発性粒子検出器、質量スペクトル計、分光光度計、発光分光計、NMR等)と組み合わせることができ、これは、たとえば関連するピークの化学物質の存在などの、サンプルの様々な化合物の特定を検出することを可能にする。
【0008】
さらなる実施形態において、サンプルを分析する方法は、2つまたはそれ以上の光学波長でサンプルを観察するために少なくとも1つの検出器を用いるステップと、(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出器応答の変化、(iii)第1波長および第2波長における検出器応答により表現される複合信号の変化、に応じて新しいサンプル画分を画分収集器内に収集するステップと、を有する。与えられた検出器応答の変化は、限定するわけではないが、検出器応答値の閾値、時間に関する検出器応答の傾斜、時間に関する検出器応答値の傾斜の閾値、時間に関する検出器応答の傾斜の変化の閾値、またはこれらの任意の組み合わせ、への到達または超過を含むことができる。この実施形態において、本方法は、吸収スペクトルの範囲にわたるn個の波長を観察するために、少なくとも1つの検出器内のn個のセンサを用いるステップを有し、ここでnは1より大きい整数である。また、本方法は、(i)n個のセンサからのn個の検出器応答の任意の1つの変化、または(ii)n個の検出器応答により表現される複合信号の変化、に応じて、新しいサンプル画分を画分収集器内に収集するステップを有する。
【0009】
さらなる例示的な実施形態において、サンプルを分析する方法は、(i)クロマトグラフィーカラム、(ii)第1入口、第1出口、および第2出口を備えるT部、(iii)T部の第1出口と流体連通する画分収集器、および(iv)T部の第2出口と流体連通する検出器、を備える液体クロマトグラフィーシステムを提供するステップを有し、また、本方法は、(v)T部の第2出口と検出器とに流体連通するスプリッタポンプを介して、検出器を通る流体流れを能動的に制御するステップを有する。他の例示的な実施形態において、シャトルバルブをT部およびスプリッタポンプの代わりに用いて、少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御してもよい。例示的な一実施形態において、シャトルバルブは、サンプル流れから非常に少量の容積を取り除く能力を備える連続流れシャトルバルブである。
【0010】
さらなる本発明の例示的な一実施形態において、クロマトグラフィーを用いてサンプル流体を分析する方法は、クロマトグラフィーカラムから流出する第1流体を提供するステップと;サンプル流体を少なくとも1つの検出器へ輸送するための第2流体を提供するステップと;シャトルバルブを通る連続な第2流体の通路を維持しつつ、第1流体から流体のアリコットサンプルを取り除き、このアリコットを第2流体へ輸送するためにシャトルバルブを用いるステップと;流体のアリコットサンプルを観察するために少なくとも1つの検出器を用いるステップと;検出器応答の変化に応じて、第1流体の新しいサンプル画分を画分収集器内に収集するステップと;を有する。一実施形態において、流体のアリコットサンプルが第1流体から取り除かれるときに、シャトルバルブを通る第1流体の連続流れ通路が維持される。他の実施形態において、流体のサンプルアリコットが第1流体から取り除かれて第2流体へ輸送されるときに、シャトルバルブを通る第1流体および第2流体の両方の連続流れ通路が維持される。
【0011】
本発明による他の例示的な実施形態において、クロマトグラフィーを用いた流体サンプルを分析する方法は、サンプルを含む第1流体を提供するステップと;シャトルバルブを通る第1流体の流れ特性に実質的に影響を与えることなく、第1流体から流体のアリコットサンプルを取り除くためにシャトルバルブを用いるステップと;流体のアリコットサンプルを観察するために少なくとも1つの検出器を用いるステップと;少なくとも1つの検出器応答の変化に応じて、画分収集器内に、第1流体流れの新しいサンプル画分を収集するステップと;を有する。バルブの少なくとも一部を通る第1流体通路またはチャネルが実質的に線形または真っ直ぐであるので、シャトルバルブを通る第1流体流れは実質的に層流である。さらなる実施形態において、シャトルバルブを通る第1流体の圧力は実質的に一定および/または実質的に増加しない。他の実施形態において、シャトルバルブを通る第1流体の流量は、実質的に一定とすることができる。一代替実施形態において、第2流体は、流体のアリコットサンプルをシャトルバルブから検出器へ運ぶために用いられる。バルブの少なくとも一部を通る第2流体流れ通路またはチャネルは実質的に線形または真っ直ぐであるので、シャトルバルブを通る第2流体の流れは、実質的に層流とすることができる。例示的な一実施形態において、シャトルバルブを通る第2流体の圧力は、実質的に一定および/または実質的に増加しない。他の実施形態において、シャトルバルブを通る第2流体の流量は、実質的に一定とすることができる。
【0012】
さらなる例示的な実施形態において、サンプルを分析する方法は、非破壊式システムの液体クロマトグラフィーシステムを提供するステップを有し、この液体クロマトグラフィーシステムは、(i)クロマトグラフィーカラム、(ii)システム内に破壊式検出器(たとえば質量スペクトル計)が存在しない状態で、2以上の非破壊式検出器(たとえば、UV検出器のような光学吸収検出器)、および(iii)2つ以上の非破壊式検出器と流体連通する画分収集器、を有し、本方法はさらに、2つ以上の非破壊式検出器からの検出器信号に応じて、1つ以上のサンプル画分を収集するステップを有する。
【0013】
本発明による他の例示的な実施形態において、フラッシュクロマトグラフィーを用いてサンプルを分析する方法は、サンプルを観察するために、個別的な物質を検出することができる蒸発性粒子検出器を用いるステップと;物質の検出器応答の変化に応じて新しいサンプル画分を画分収集器内に収集するステップと;を有し、ここで蒸発性粒子検出器は、サンプルを分析するために用いられる唯一の検出器である。蒸発性粒子検出器は、化学組成、化学構造、分子量、または他の化学的または物理的特性を検出することができる。この検出器はELSD、CNLSD、または質量スペクトル計を含むことができる。
【0014】
さらなる例示的な実施形態において、サンプルを分析する方法は、液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器から検出器信号を発生させるステップを有し、この検出器信号は、(i)時間の関数としての検出器応答の傾斜(すなわち検出器応答の1次微分)、(ii)時間の関数としての検出器応答の傾斜の変化(検出器応答の2次微分)、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値への到達または超過、または(iv)望ましくは少なくとも(i)または少なくとも(ii)を含む(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、に応答して発生し、本方法はさらに、少なくとも1つの検出器からの少なくとも1つの検出器信号に応じて1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集する。
【0015】
他の例示的な実施形態において、サンプルを分析する方法は、液体クロマトグラフィーシステム内の画分収集器内にサンプル画分を収集するステップを有し、画分収集器は、(i)少なくとも1つの検出器からの1つまたはそれ以上の信号を認識、受信、処理し、(ii)1つまたはそれ以上の信号に基づいて1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集する、ように構成される。
【0016】
また、本発明はサンプルを分析することができる装置に関する。例示的な一実施形態において、サンプルを分析する装置は、液体クロマトグラフィーシステム内の2つまたはそれ以上の検出器から複合信号を発生させるように構成されたシステムハードウェアを有し、この複合信号は、各検出器からの検出器応答成分を有し、本装置はさらに、複合信号の変化に応じて新しいサンプル画分を収集するように構成された画分収集器を有する。
【0017】
他の例示的な実施形態において、サンプルを分析する装置は、2つまたはそれ以上の光学波長(たとえばUV波長)を観察するように構成された少なくとも1つの検出器と;(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出器応答の変化、または(iii)第1波長および第2波長における検出器応答により表現される複合信号の変化、に応じて新しいサンプルを収集するように構成された画分収集器と、を有する。上述のように、与えられた検出器応答の変化は、限定するわけではないが、検出器応答値の変化、検出器応答値の閾値への到達または超過、時間に関する検出器応答値の傾斜、時間に関する検出器応答値の傾斜の閾値、時間に関する検出器応答値の傾斜の変化の閾値、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0018】
少なくとも1つの検出器は、吸収スペクトルの範囲にわたってn個の波長で観察するためのn個のセンサを有することができ、ここでnは1より大きい整数である。画分収集器は、(i)n個のセンサからのn個の検出器応答の任意の1つの変化、または(ii)n個の検出器応答により表現される複合応答の変化、に応じて新しいサンプルを収集するように構成される。一実施形態において、本装置は、n個のセンサだけを有する、または1つまたはそれ以上の追加の検出器と組み合わせられる、単一のUV検出器を有する。
【0019】
さらなる例示的な実施形態において、サンプルを分析する装置は、液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器から検出器信号を発生させることができるシステムハードウェアを有し、この検出器信号は、(i)時間の関数としての検出器応答の傾斜(すなわち検出器応答の1次微分)、(ii)時間の関数としての検出器応答の傾斜の変化(すなわち検出器応答の2次微分)、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値への到達または超過、または(iv)少なくとも(i)または少なくとも(ii)を含む(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、に応じて発生させられる。本装置はさらに、少なくとも1つの検出器からの検出器信号に応じて1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するように構成された画分収集器を有することができる。
【0020】
本発明による例示的な他の実施形態において、クロマトグラフィーを用いてサンプルを分析するための装置は、サンプル中の発色性のおよび非発色性の検出対象物質を検出することができる少なくとも1つの検出器と;非発色性物質の検出応答の変化に応じることができる画分収集器と、を有する。サンプルは、多数の異なる発色性物質および非発色性物質を含むことができる。さらに、サンプルを運ぶ可動フェーズは、1つまたはそれ以上の発色性物質または非発色性物質を含むことができる。
【0021】
さらなる例示的な実施形態において、サンプルを分析するための装置は、(i)クロマトグラフィーカラムと、(ii)第1入口、第1出口、および第2出口を備えるT部と、(iii)T部の第1出口と流体連通する画分収集器と、(iv)T部の第2出口と流体連通する第1検出器と、(v)T部の第2出口および第1検出器と流体連通するように位置決めされるスプリッタポンプと、を有し、このスプリッタポンプは、第1検出器を通る流体流れを能動的に制御するように構成される。他の例示的な実施形態において、少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御するために、シャトルバルブを、T部およびスプリッタポンプの代わりに用いることができる。
【0022】
本発明のさらなる一実施形態において、クロマトグラフィーを用いた流体サンプルを分析するための装置は、クロマトグラフィーカラムまたはカートリッジから流出する第1流体通路;流体サンプルを分析することができる少なくとも1つの検出器;および、第1流体通路を通る流体の流れ特性に実質的に影響を与えることなく、流体のアリコットサンプルを第1流体通路から検出器へ輸送することができるシャトルバルブを含む。第1流体通路またはチャネルが少なくとバルブの一部を通るところにおいて実質的に線形または真っ直ぐであるので、第1流体通路を通る流体の流れは実質的に層流とすることができる。さらにある例示的な実施形態において、第1流体通路を通る流体の圧力は、実質的に一定であり、および/または実質的に増加しない。他の実施形態において、第1流体通路を通る流体の流量は、実質的に一定とすることができる。代替実施形態において、第2流体通路は、シャトルバルブから検出器へアリコットサンプルを輸送するために用いられる。第2流体通路またはチャネルが少なくともバルブの一部を通るところにおいて実質的に線形または真っ直ぐであるので、第2流体通路を通る流体流れは、実質的に層流とすることができる。例示的な実施形態において、第2流体通路を通る流体の圧力は実質的に一定であり、および/または実質的に増加しない。さらなる実施形態において、流体の流量は第2流体通路を通じて実質的に一定である。
【0023】
さらなる例示的な実施形態において、クロマトグラフィーを用いて流体サンプルを分析するための装置は、クロマトグラフィーカラムから流出する第1流体通路と;サンプルを分析することができる少なくとも1つの検出器へ流体サンプルを輸送する第2流体通路と;シャトルバルブを通る連続な第2流体通路を維持しつつ、第1流体通路から第2流体通路へ流体のアリコットサンプルを輸送するシャトルバルブと、を有する。一実施形態において、流体のアリコットサンプルが第1流体通路から取り除かれるときに、シャトルバルブを通る連続な第1流体通路は維持される。他の実施形態において、流体のアリコットサンプルが第1流体通路から取り除かれて第2流体通路へ輸送されるときに、シャトルバルブを通る連続な第1流体通路または第2流体通路は維持される。
【0024】
さらなる実施形態において、サンプルを分析するための装置は、(i)クロマトグラフィーカラム、および(ii)システム内に破壊式検出器を備えない状態で2つまたはそれ以上の非破壊式検出器、を有し、本装置はさらに(iii)2つまたはそれ以上の非破壊式検出器と流体連通する画分収集器を有し、この画分収集器は、2つまたはそれ以上の非破壊式検出器からの1つまたはそれ以上の検出器信号に応じて、1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集する。
【0025】
本発明によるさらなる実施形態において、フラッシュクロマトグラフィーを用いるサンプルを分析するための装置は、サンプル中の個別の物質を検出することができる蒸発性粒子検出器と;検出された物質の検出器応答の変化に応答することができる画分収集器と、を含み、ここで蒸発性粒子検出器はサンプルを分析するための用いられる唯一の検出器である。蒸発性粒子検出器は、化学組成、化学構造、分子量、または他の物理的または化学的特性を検出することができる。検出器は、ELSD、CNLSD、または質量スペクトル計を含むことができる。
【0026】
他の例示的な実施形態において、サンプルを分析するための装置は、液体クロマトグラフィーシステム内の画分収集器を有し、この画分収集器は、(i)少なくとも1つの検出器からの1つまたはそれ以上の信号を認識、受信、および処理し、また、(ii)この1つまたはそれ以上の信号に基づいて1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集する、ように構成される。
【0027】
本発明の方法および装置は少なくとも1つの検出器を有する。適切な検出器は、限定するわけではないが、UV検出器、RI検出器、伝導率検出器、蛍光検出器、光散乱検出器、粘性検出器、および偏光検出器などの非破壊式検出器(すなわち、検出のときにサンプルを消費または破壊しない検出器);および/または、たとえば蒸発性光散乱検出器(ELSD)および凝集核形成光散乱検出器(CNLSD)等の蒸発性粒子検出器(EPD)、コロナ放電検出器、質量スペクトル計、原子吸光検出器等の破壊式検出器(すなわち検出するときにサンプルを消費または破壊する検出器)を含むことができる。たとえば、本発明の装置は、少なくとも1つのUV検出器、少なくとも1つの蒸発性光散乱検出器(ELSD)、少なくとも1つの質量スペクトル計、少なくとも1つの凝集核形成光散乱検出器(CNLSD)、少なくとも1つのコロナ放電検出器、少なくとも1つの屈折率検出器(RID)、少なくとも1つの蛍光検出器(FD)、カイラル検出器(CD)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。例示的な一実施形態において、検出器は、1つまたはそれ以上の蒸発性粒子検出器(EPD)を有し、これは可動フェーズとして発色性溶媒または非発色性溶媒の使用を可能にする。さらなる実施形態において、非破壊式検出器を破壊式検出器と組み合わせることができ、これは、たとえばピークに関連する化学種の存在のような、様々な物質の特性、分子量、化学構造、元素組成、サンプルのカイラル性の検出を可能にする。
【0028】
本発明はさらに、本明細書で説明される任意の例示的な方法のステップの1つ以上を実行するための、コンピュータが実行可能な命令が格納されたコンピュータで読取り可能な媒体に関する。このコンピュータで読取り可能な媒体は、装置または本明細書で説明されるような装置コンポーネントのような装置コンポーネント上にアプリケーションコードをロードするために用いることができ、(i)操作者へのインターフェースを提供し、および/または(ii)本明細書で説明される方法のステップの1つ以上を実行するロジックを提供する。
【0029】
本発明のこれらのおよびその他の特徴および利点は、以下に開示される実施形態の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】検出器へ流れる流体を能動的に制御するためのスプリッタポンプを有する、本発明の例示的な液体クロマトグラフィーシステムを示す図である。
【図2】スプリッタポンプおよび検出器を有する、本発明の液体クロマトグラフィーシステムの他の例を示す図である。
【図3A】シャトルバルブおよび検出器を有する、本発明の液体クロマトグラフィーシステムの一例を示す図である。
【図3B】本発明に好適に使用できる例示的なシャトルバルブの動作を示す図である。
【図3C】本発明に好適に使用できる例示的なシャトルバルブの動作を示す図である。
【図4】スプリッタポンプおよび2つの検出器を有する、本発明の例示的な液体クロマトグラフィーシステムを示す図である。
【図5】2つのスプリッタポンプおよび2つの検出器を有する、本発明の例示的な液体クロマトグラフィーシステムを示す図である。
【図6】シャトルバルブおよび2つの検出器を有する、本発明の例示的な液体クロマトグラフィーシステムを示す図である。
【図7】2つのシャトルバルブおよび2つの検出器を有する、本発明の例示的な液体クロマトグラフィーシステムを示す図である。
【図8】スプリッタポンプ、蒸発性光散乱検出器(ELSD)、および紫外線(UV)検出器を有する、本発明の例示的な液体クロマトグラフィーシステムを示す図である。
【図9】スプリッタポンプ、ELSDおよびUV検出器を有する、本発明の他の例示的な液体クロマトグラフィーシステムを示す図である。
【図10A】本発明に好適に利用できるシャトルバルブの動作を示す図である。
【図10B】本発明に好適に利用できるシャトルバルブの動作を示す図である。
【図10C】本発明に好適に利用できるシャトルバルブの動作を示す図である。
【図11】本発明の例示的なクロマトグラフィーシステムを用いて、2つの複合混合物の分離から生成されるクロマトグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の原理の理解を促進するために、本発明の特定の実施形態が説明され、実施形態を説明するために特定の文言が用いられる。しかし、特定の文言の使用により本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。変形形態、さらなる修正形態、および議論される本発明の原理のさらなる応用は、本発明の技術分野における当業者に通常に起こり得るものであることを予期している。
【0032】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる単数形の表現は、文脈から明らかでない限り複数の参照物を含む。従って、たとえば、「溶媒」との語は複数の溶媒を含み、当業者に知られた1つ以上の溶媒およびその均等物を含むことを意図している。
【0033】
たとえば、複合物の成分の量、濃度、容積、プロセス温度、プロセス時間、回収率または産出率、流量、およびこれら類似の値、並びに範囲を修飾する本開示の実施形態の説明の中で用いられる「約」との語は、たとえば典型的な測定および処理手順を通じて生じうる数値的な量の変動を示し、これらの手順における誤差による変動、方法を実行するのに用いられる構成要素の相違による変動、および近似による変動を意味している。また、「約」との語は、特定の初期濃度および混合物での処方の時間経過による変化量、および特定の初期濃度または混合物で、処方を混合または処理することによる変化量を包含する。「約」との語で修飾されるかどうかに関わらず、添付の特許請求の範囲は、これらの量の均等の範囲を含む。
【0034】
ここで用いられる、「クロマトグラフィー」との語は、物理的な分離方法を意味し、分離される成分が、2つのフェーズの間で分配され、これらの一方は静的(静的フェーズ)であり、他方は一定方向に移動する(可動フェーズ)。
【0035】
ここで用いられる、「液体クロマトグラフィー」との語は、静止フェーズを有するカラムを通じて「可動フェーズ」内に溶解した液体混合物を通過させることによる混合物の分離を意味し、分析物(すなわち目標物質)を混合物内の他の分子から分離し、隔離されるようにする。
【0036】
ここで用いられる、「可動フェーズ」との語は、分離および/または分析されるサンプル、および溶媒を含む液体流体、ガス、または超臨界流体を意味し、溶媒は、カラムを通る分析物を有するサンプルを移動させる。可動フェーズは、クロマトグラフィーカラムまたはカートリッジ(すなわち、静止フェーズを収容する容器)を通って移動し、ここでサンプル内の分析物が静止フェーズと相互作用してサンプルから分離される。
【0037】
ここで用いられる、「静止フェーズ」との語は、カラムまたはカートリッジに固定された材料を意味し、これは、可動フェーズ内のサンプルから選択的に分析物を吸着し、静止フェーズを有するカラムを通して「可動フェーズ」内に溶解した流体混合物を通過させることにより混合物を分離し、混合物内の他の分子から測定される分析物を分離し、隔離するようにする。
【0038】
ここで用いられる、「フラッシュクロマトグラフィー」との語は、圧力下で「可動フェーズ」内に溶解した混合流体を静止フェーズを有するカラムに通過させることによる分離を意味し、これは、混合物内の他の分子から分析物(すなわち目標物質)を分離し、隔離できるようにする。
【0039】
ここで用いられる、「シャトルバルブ」との語は、1つ以上のソースから他の位置への流体供給を制御する制御バルブを意味する。シャトルバルブは、サンプルを流体から他方へ移動させるために回転運動または直線運動を利用することができる。
【0040】
ここで用いられる、「流体」との語は、気体、液体、超臨界流体を意味する。
ここで用いられる、「層流」との語は、流体の滑らかな規則的な運動を意味し、層流では乱流が存在せず、与えられた任意の副流れは、他の近隣の副流れに概ね平行に移動する。
【0041】
ここで用いられる、「実質的」との語は、合理的な量の範囲内であることを意味し、絶対値の約0%から約50%、約0%から約40%、約0%から約30%、約0%から約20%、または約0%から約10%で変化する量を含む。
【0042】
本発明は、サンプルを分析し、サンプル画分を収集する方法に関する。本発明はさらに、サンプルを分析し、サンプル画分を収集することができる装置に関する。本発明はさらに、サンプルを分析し、サンプル画分を収集することができる装置または装置部品内で用いるためにコンピュータソフトウェアに関し、このコンピュータソフトウェアは、装置が本明細書で説明される1つ以上の方法のステップを実行できるようにする。
【0043】
以下に、サンプルを分析する例示的な方法およびサンプルを分析することができる例示的な装置の説明が提供される。
1.サンプルの分析方法
本発明はサンプルを分析し、サンプル画分を収集する方法に関する。このサンプルの分析方法は、多数のプロセスステップを有することができ、そのいくつかが以下に説明される。
【0044】
A.検出器への流体流れの能動的制御
本発明のいくつかの実施形態において、サンプルを分析する方法は、スプリッタポンプまたはシャトルバルブを介して検出器への流体流れを動的に制御するステップを有する。このような方法ステップを示す一つの例示的な液体クロマトグラフィーシステムが図1に図示されている。図1に示されるように、例示的な液体クロマトグラフィーシステム10は、(i)クロマトグラフィーカラム11と、(ii)第1入口21、第1出口22、および第2出口23を備えるT部12と、(iii)T部12の第1出口と流体連通する画分収集器14と、(iv)T部12の第2出口23と流体連通する第1検出器13と、(v)T部12の第2出口23と第1検出器13とに流体連通するように位置決めされたスプリッタポンプ15と、を有する。
【0045】
この例示的なシステムにおいて、スプリッタポンプ15は、能動的に、流体流れを第1検出器13に制御する。ここで用いられる、「能動的に制御する」との表現は、たとえ液体クロマトグラフィーシステム内の他の部分で流量の変化が生じた場合にでも、与えられたスプリッタポンプまたはシャトルバルブの、与えられた検出器を通る流体流れを制御する能力のことである。単に流体流れを分割するだけの「受動的な」流れスプリッタとは異なり、本発明で用いられるスプリッタポンプおよびシャトルバルブは、たとえば、流れ制限、全流量、温度、および/または溶媒組成のような、液体クロマトグラフィーシステム内の流体流れ内の起こり得る変動に関係なく、少なくとも1つの検出器への流体流れを制御する。
【0046】
流体流れを与えられた検出器に能動的に制御するステップは、たとえば、スプリッタポンプまたはシャトルバルブに駆動信号を送るステップを有し、(i)スプリッタポンプまたはシャトルバルブを駆動し、(ii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブの駆動を停止し、(iii)1つ以上の流れを変更し、および/またはスプリッタポンプまたはシャトルバルブの圧力設定を変更し、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせを行う。適当な流れおよび圧力設定は、限定するわけではないが、(i)バルブ位置、(ii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブの圧力、(iii)バルブへの空気圧力、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせを含む。典型的には、駆動信号は、たとえば、電気信号、気体信号、ディジタル信号、またはワイヤレス信号の形態である。
【0047】
図1に示されているように、例示的な液体クロマトグラフィーシステム10において、流体流れを検出器13に能動的に制御するステップは、流体をT部12から検出器13へポンプ輸送するためにスプリッタポンプ15を用いるステップを有する。他の実施形態において、流体を検出器へ能動的に制御するステップは、検出器を通して流体を引き出すためにスプリッタポンプを用いるステップを有してもよい。
【0048】
図2は、例示的な液体クロマトグラフィーシステム20を示し、このシステム20は、クロマトグラフィーカラム11と;第1入口21、第1出口22、および第2出口23を備えるT部12と;T部12の第1出口22に流体連通する画分収集器14と;T部12の第2出口23に流体連通する第1検出器13と;T部12の第2出口23から検出器13を通して流体を引き出すように位置決めされたスプリッタポンプ15と、を有する。
【0049】
いくつかの望ましい実施形態において、図3A−3Cに示される例示的なシャトルバルブ151のようなシャトルバルブは、検出器131のような検出器へ流体流れを能動的に制御するために用いられる。図3Aに示されるように、例示的な液体クロマトグラフィーシステム30は、クロマトグラフィーカラム11と;クロマトグラフィーカートリッジ入口111、画分収集器出口114、ガスまたは液体入口115、および検出器出口113を備えるシャトルバルブ151と;シャトルバルブ151の画分収集器出口114に流体連通する画分収集器14と;シャトルバルブ151の検出器出口113に流体連通する第1検出器131と;シャトルバルブ151のガスまたは液体入口115に流体を提供する流体供給部152と、を有する。
【0050】
本発明のさらなる実施形態において、クロマトグラフィーを用いてサンプルを分析する方法は、クロマトグラフィーカラムから流出する第1流体を提供するステップと;流体サンプルを少なくとも1つの検出器へ輸送するための第2流体を提供するステップと;第1流体からサンプルのアリコット(aliquot)を取り除き、このアリコットを第2流体へ輸送し、第2流体のシャトルバルブを通じた連続した通路を維持するために、シャトルバルブを用いるステップと;流体のサンプルのアリコットを観察するために少なくとも1つの検出器を用いるステップと;検出器の応答の変化に応じて、画分収集器内に第1流体の新しいサンプル画分を収集するステップと、を有する。一実施形態において、流体サンプルのアリコットが第1流体から取り除かれるときに、第1流体のシャトルバルブを通る連続流れ通路は維持される。他の実施形態において、第1流体および第2流体の両方のシャトルバルブを通る連続流れ通路は、流体サンプルのアリコットが第1流体から取り除かれて第2流体に輸送されるときに維持される。
【0051】
本発明の他の例示的な実施形態において、クロマトグラフィーを用いる流体サンプルを分析する方法は、サンプルを含む第1流体を提供するステップと;シャトルバルブを通る第1流体の流れ特性に実質的に影響を与えることなる、第1流体から流体サンプルのアリコットを取り除くために、シャトルバルブを用いるステップと;流体サンプルのアリコットを観察するために少なくとも1つの検出器を用いるステップと;少なくとも1つの検出器の応答の変化に応じて、第1流れの新しいサンプル画分を画分収集器に収集するステップと、を有する。第1流体通路またはチャネルが少なくともバルブの一部を通って実質的に線形または直線であることにより、シャトルバルブを通る第1流体の流れを、実質的に層流とすることができる。さらなる実施形態において、シャトルバルブを通る第1流体の圧力は、実質的に一定のままであり、および/または圧力は実質的に増加しない。他の実施形態において、第1流体の流量は、シャトルバルブを通じて実質的に一定にすることができる。代替実施形態において、シャトルバルブからの液体サンプルのアリコットを検出器(1つまたは複数可)へ輸送するのに、第2流体が用いられる。第2流体通路またはチャネルがバルブの少なくとも一部を通じて実質的に線形または直線であることにより、シャトルバルブを通る第2流体の流れは、実質的に層流とすることができる。例示的な実施形態において、シャトルバルブを通る第2流体の圧力は実質的に一定であり、および/または圧力は実質的に増加しない。他の実施形態において、第2流体の流量はシャトルバルブを通じて実質的に一定とすることができる。
【0052】
図3Bおよび図3Cは、与えられた液体クロマトグラフィーシステム内での1つの例示的な実施形態におけるシャトルバルブの動作を示している。図3Bに示されるように、シャトルバルブ151は、クロマトグラフィーカラム(たとえばカラム11)からシャトルバルブ151へ流体流れを提供するクロマトグラフィーカートリッジ入口111と;流入サンプルアリコット容積116と;シャトルバルブ151から画分収集器(たとえば画分収集器14)へ流体流れを提供する画分収集器出口114と;シャトルバルブ151の一部を通じてガス(たとえば空気、窒素等)または液体(たとえばアルコール)流れを提供するガスまたは液体入口115と;流出サンプルアリコット容積117と;シャトルバルブ151から検出器(たとえばELSDのような検出器131)へ流体流れを提供する検出器出口113と、を有する。
【0053】
シャトルバルブ151を通じてクロマトグラフィーカートリッジ入口111から画分収集器出口114へ流体が流れるとき、流入サンプルアリコット容積116は、流体の特定の容積で満たされ、ここではこの流体はサンプルのアリコット118と言及される(図3Bの影付きの領域として示される)。所望の時間に、シャトルバルブ151は、流入サンプルアリコット容積116内のサンプルアリコット118を、図3Cに示す流出サンプルアリコット容積117内へ輸送する。サンプルアリコット118が流出サンプルアリコット容積117内に輸送されると、流出サンプルアリコット容積117を通る、入口115からのガスまたは液体は、サンプルアリコット118を検出器出口113を介して検出器131(たとえばELSD)へ輸送する。
【0054】
シャトルバルブ151は、少なくとも1つの検出器への輸送のために、所望のサンプリング周波数で、サンプルからサンプルのアリコット(たとえばサンプルアリコット118)を取り除くようにプログラムできる。例示的な一実施形態において、サンプリング周波数は、10秒毎に少なくとも1つのサンプルアリコット(または、5秒毎に少なくとも1つのサンプルアリコット、または3秒毎に少なくとも1つのサンプルのアリコット、または、2秒毎に少なくとも1つのサンプルアリコット、または、0.5秒毎に少なくとも1つのサンプルアリコット、または、0.1秒毎に少なくとも1つのサンプルアリコット)とすることができる。
【0055】
図10A−10Cは、本発明の例示的なシャトルバルブを示しており、また、与えられたクロマトグラフィーシステム内でのシャトルバルブの動作を示している。図10Aに示されるように、シャトルバルブ151は、クロマトグラフィーカラム(たとえばカラム11)からシャトルバルブ151への流体流れを提供するクロマトグラフィーカートリッジ入口111と;入口111を出口114に接続するチャネル117と;動的な本体119のディンプル116内の流入サンプルアリコット容積118と;シャトルバルブ151から画分収集器(たとえば画分収集器14)への流体流れを提供する画分収集器出口114と;シャトルバルブ151を通るガス(たとえば空気、窒素等)または液体(たとえばアルコール)の流れを提供するガスまたは液体入口115と;ディンプル116内の流出サンプルアリコット容積118と;入口115を出口113に接続するチャネル120と;シャトルバルブ151から検出器(たとえばELSDのような検出器131)への流体流れを提供する検出器出口113と、を有する。
【0056】
流体が、シャトルバルブ151を通って、クロマトグラフィーカートリッジから入口111へ、チャネル117を介して画分収集器出口114へ流れると、ディンプル116内の流入サンプルアリコット容積118は、サンプルアリコット118と言及される特定の流体の容積で満たされる(図10Aの影付きの領域で示される)。所望の時間において、シャトルバルブ151は、ディンプル回転通路121を介して動的本体119内のディンプル116を回転させることにより、チャネル117から取り出されたディンプル116内のサンプルアリコット118をチャネル120へ輸送する。サンプルアリコット118がチャネル120に輸送されると、入口115からチャネル120を通って流れるガスまたは液体は、サンプルアリコット118を検出器出口113を介して検出器131(たとえばELSD)に輸送する。本発明によるシャトルバルブの他の利点は、バルブを通るチャネルの流体工学的な設計に関わる。クロマトグラフィーシステム内の背圧を最小化するために、チャネル117およびチャネル120を通る流れは連続的である。これは、動的本体119がどこに位置していても、シャトルバルブ151を通る流れが連続になるように(図10Bに示される)、チャネル117および120を静的な本体122内に配置することにより達成される。図10Aに示されるように、サンプル流れチャネル117および検出器流れチャネル120の少なくとも一部は、実質的に平面内または円周内にあり、これは、乱流を減らしさらにバルブを通る圧力の増加を最小化する。さらに、サンプル流れチャネル117および検出器流れチャネル120の少なくとも一部は、ディンプル116と隣接するときに実質的に平行であり、これは、さらに乱流を制限し、バルブ内の圧力増加を制限する。これは、バルブ内の圧力を増加させない構成を含み、50psi以上、好ましくは30psi以上、より好ましくは20psi以上、さらに好ましくは10、9、8、7、6、5、4、3、2、1psi以上、圧力を増加させない構成を含む。ディンプル116は、動的本体119内に配置され、動的本体の面に流体連通し、動的本体は静的本体122に隣接する。これにより、動的本体119が第1位置にあるとき、ディンプル116は、サンプル流れチャネル117に流体連通し、動的本体119が第2位置に移動すると、ディンプル116は検出器流れチャネル120に流体連通する。ディンプル116は任意の形状とすることができるが、凹状の半球体として示されている。また、ディンプル116は任意の寸法とすることができる。例示的な一実施形態において、ディンプルは、極端に小さな寸法とすることができ(たとえば、2000nL未満、好ましくは約500nL未満、より好ましくは約100nL未満、より好ましくは約1nL未満)、しかし1nLから2000nLまでの任意の寸法を含むことができ、これは、迅速なサンプリングを可能にする。さらに、小さなディンプル116の寸法は、非常に短いディンプル回転通路121を可能にし、これは、動的本体119と静的本体122との表面の摩擦を有意に小さくし、シャトルバルブ151のメンテナンスが必要になる前の使用寿命が長くなる(たとえば一千万回がメンテナンスの前に可能になる)。回転運動シャトルバルブが図10A−10Cに示されているが、直線運動シャトルバルブ、またはこれらに等価なシャトルバルブも本発明に利用できる。
【0057】
シャトルバルブ151は、少なくとも1つの検出器へ輸送するために、所望のサンプリング周波数で、サンプルからサンプルアリコット(たとえばサンプルアリコット118)を取り除くようにプログラムできる。例示的な一実施形態において、サンプリング周波数は、10秒毎に少なくとも1サンプルアリコット(または5秒毎に少なくとも1サンプルアリコット、または3秒毎に少なくとも1サンプルアリコット、または2秒毎に少なくとも1サンプルアリコット、または0.5秒毎に1サンプルアリコット、または0.1秒毎に少なくとも1サンプルアリコット)とすることができる。このシャトルバルブは、さらに、係属中の米国仮特許出願第____号明細書に説明されており、この明細書の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
他の実施形態において、サンプルを検出器へ運ぶために、クロマトグラフィーシステムにおいて、揮発性液体および様々なガスを含む一般的なキャリア流体を用いることができる。図3Aに示されるように、流体供給部152からのキャリア流体は、シャトルバルブ151に入口115のところで入り、ここで、キャリア球体はサンプルアリコット118を取り出して、出口113を介して検出器131へ運ぶ。サンプルアリコットは、バルブのキャリア流体中で沈殿すべきでなく、関連する配管はブロックすることなく、サンプルが流れ経路の壁を覆いサンプルの一部または全部が検出器に到達しないようにすべきでない。フラッシュクロマトグラフィーにおけるサンプルの組成は非常に多様であり、無機分子、有機分子、ポリマー、ペプチド、プロテイン、およびオリゴヌクレオチドを含む様々な化学物質を包含する。様々な溶媒での溶解性は化合物のクラスにより異なる。また、検出器との適合性は、使用できるキャリア流体のタイプを制限する。たとえば、UV検出器の場合、溶媒は検出波長において非発色性とすべきである。蒸発粒子検出(EPD)技術の場合(ELSD、CNLSD、質量スペクトル等)、溶媒は、サンプルの融点よりも十分に低い温度で容易に蒸発するものとすべきである。さらに、キャリア流体は、バルブ入口111と画分収集器出口114との間を流れるサンプルと混和できるものであるべきである。たとえば、ある流れ通路でヘキサンが用いられる場合、他の流路で水を用いるべきではない。これは、両者が混和性ではないからである。上で提案したキャリア流体は、分離溶媒を変更するときに、カスタマイズすべきである。これは、時間を消費し実際的ではない。本発明の例示的な一実施形態によれば、有機溶媒および水に混和し、揮発性で、非発色性の溶媒を用いることでこの問題を回避できる。たとえば、イソプロピルアルコール(IPA)のような、揮発性で、非発色性で、中間的な極性の溶媒をキャリア流体として用いることができる。IPAは、ほとんど全ての溶媒に混和し、一般的なUV検出波長において非発色性であり、低温で容易に蒸発する。さらに、IPAは、広範囲の化学物質および化学種を溶解させる。従って、IPAは、事実上あらゆるサンプルの種類のキャリア流体として適合的である。他のキャリア流体は、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、テトラヒドロフラン等を含むことができる。例示的な代替実施形態において、キャリア流体としてガスを用いることができる。サンプルは、シャトルバルブを通じておよびその後の検出器を通じて分離溶媒中または可動フェーズに残存しているので、沈殿は生じない。同様に、分離溶媒または可動フェーズは、他の溶媒に混合することはなく、そのため混和性の問題は生じない。キャリアはガスであるので、揮発性は問題とならない。さらに、多くのガスは、非発色性であり、UV検出に適合的である。ガスをキャリアとして用いるとき、サンプルアリコット118は、図10Cに示されるように、ガスポケット123の間にサンドイッチされた別個のスラグとして、バルブ151から検出器131に供給される。キャリア流体としてガスを用いることは他の利点もある。たとえば、蒸発性光散乱検出器、または他の検出技術とともに用いる場合、ここでサンプルは霧状にされ、ガスはサンプルを輸送するのに用いることができ、またサンプルを霧状にするのに用いることができ、また、別個の霧形成ガス供給の必要をなくすことができる。さらに、ガスは蒸発させる必要がないので、周囲のドリフトチューブ温度は、ドリフトチューブ加熱器の必要性を取り除くのに用いることができる。高温度で蒸発するサンプルはドリフトチューブを通るときに固体または液体の状態であるので、広範囲のサンプルを検出することができる。様々なガスをキャリア流体として用いることができ、キャリアガスは空気、窒素、ヘリウム、水素、および二酸化炭素を含むことができる。超臨界二酸化炭素のような超臨界流体も用いることができる。
【0059】
B.流体流れ内でのサンプル成分の検出
本発明の方法はさらに、流体流れ内の1つ以上のサンプル成分を検出するために少なくとも1つの検出器を用いることができる。本発明の液体クロマトグラフィーシステムに用いるのに好適な検出器は、限定するわけではないが、非破壊式および/または破壊式検出器を含む。適当な検出器は、限定するわけではないが、非破壊式の検出器(すなわち、検出中にサンプルを消費または破壊しない検出器)を含み、たとえばUV検出器、RI検出器、伝導性検出器、蛍光検出器、光散乱検出器、粘度計、偏光計、等であり、また適当な検出器は、破壊式検出器(すなわち、検出中にサンプルを消費または破壊する検出器)を含み、たとえば、蒸発光散乱検出器(ELSD)および凝集核形成光散乱検出器(CNLSD)等のような蒸発性粒子検出器(EPD)、コロナ放電検出器、質量スペクトル検出器、原子吸光検出器等である。たとえば、本発明の装置は、少なくとも1つのUV検出器、少なくとも1つの蒸発光散乱検出器(ELSD)、少なくとも1つの質量スペクトル検出器(MS)、少なくとも1つの凝集核形成光散乱検出器(CSLSD)、少なくとも1つのコロナ放電検出器、少なくとも1つの屈折率検出器(RID)、少なくとも1つの蛍光検出器(FD)、少なくとも1つのカイラル検出器(CD)、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例示的な実施形態において、検出器は、1つ以上の蒸発粒子検出器(EPD)を含むことができ、これは、流動層として発光性および非発光性の溶媒の使用を可能にする。さらなる実施形態において、非破壊式検出器は、破壊式検出器と組み合わせることができ、これは、たとえば、各クロマトグラフィーのピークに関連する、化学的性質、化学構造、分子量等のような、サンプルの様々な化合物の特性を検出することができる。質量スペクトル検出と組み合わせる場合、検出時に画分の化学構造および/または分子量を検出することができ、所望の画分の同定を連続的に行う。現在のシステムにおいて、画分の化学同一性および構造は、扱い難い過去の分離技術を用いなければならない。
【0060】
使用する検出器のタイプに関わらず、与えられた検出器は、1つ以上の検出応答を提供し、検出応答は、信号を生成しまたここで説明される液体クロマトグラフィーシステム内の1つ以上の部品(たとえば画分収集器、他の検出器、スプリッタポンプ、シャトルバルブ、T字部など)に伝達するのに用いられる。典型的には、与えられた検出器の応答の変化は、信号の生成および伝達をトリガーする。本発明において、信号を生成し1つ以上の部品に伝達するトリガーになる、与えられた検出器の応答の変化は、限定するわけではないが、検出器の応答値の変化、検出値の閾値への到達または超過、検出応答値の時間に対する傾斜、検出応答値の時間傾斜の閾値、検出応答値の時間傾斜の変化、検出応答値の時間傾斜の閾値の変化、またはこれらの組み合わせを含む。
【0061】
いくつかの例示的な実施形態において、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、図4に示すように少なくとも2つの検出器を有する。図4に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム40は、クロマトグラフィーカラム11;第1入口21、第1出口22、および第2出口23を備えるT部12;T部12の第1出口22に流体連通する画分収集器14;T部12の第2出口23に流体連通する第1検出器13;T部12の第2出口23から第1検出器13への流体流れを能動的に制御するスプリッタポンプ15;およびT部の第2出口23に流体連通する第2検出器16、を有する。
【0062】
2つ以上の検出器が存在する場合、液体クロマトグラフィーシステムは、操作者に多くの解析オプションを提供する。たとえば、図4に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム4において、サンプルを分析する方法は、第1検出器13(たとえばELSD)および/または第2検出器16(たとえばUV検出器のような光学吸収検出器)から1つ以上の信号を画分収集器14に伝達し、画分収集器14に新しいサンプル画分を収集させる。第1検出器13および/または第2検出器16からの1つ以上の信号は、第1検出器13または第2検出器16からの単一の信号、第1検出器13および第2検出器16からの2つ以上の信号、または、第1検出器13および第2検出器16からの複合信号を含むことができる。図4に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム40において、サンプルを分析する方法は、さらに、第2検出器16からの信号をスプリッタポンプ15に伝達し、流体流れ内のサンプル成分を検出する第2検出器16の応答により、第1検出器13への流体流れを開始または中止させるステップを有することができる。
【0063】
他の例示的な実施形態において、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、図5に示すように、少なくとも2つの検出器、および少なくとも2つのスプリッタポンプを有する。図5に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム50は、クロマトグラフィーカラム11;第1入口21、第1出口22、および第2出口23を備える第1T部12;第1T部12の第2出口23に流体連通する第1検出器13;第1T部12の第2出口23から第1検出器13への流体流れを能動的に制御する第1スプリッタポンプ15;第1入口31、第1出口32、および第2出口33を備える第2T部18;第2T部18の第2出口33に流体連通する第2検出器16;第2T部18の第2出口33から第2検出器16への流体流れを能動的に制御する第2スプリッタポンプ17;第2T部18の第1出口32に流体連通する画分収集器14、を有する。
【0064】
上述したように、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御するために、図6および図7に示すように、所定位置に1つ以上のシャトルバルブを備えることができ、または1つ以上のT部/スプリッタポンプの組み合わせを備えることができる。図6に示されるように、例示的な液体クロマトグラフィーシステム60は、クロマトグラフィーカラム11;クロマトグラフィーカートリッジ入口111、画分収集器出口114、ガスまたは液体入口115、および検出器出口113を備えるシャトルバルブ151;シャトルバルブ151の画分収集器出口114に流体連通する画分収集器14;シャトルバルブ151の検出器出口113に流体連通する第1検出器131;シャトルバルブ151のガスまたは液体入口115に流体を提供する流体供給部152;シャトルバルブ151の検出器出口113に流体連通する第2検出器161;を有する。
【0065】
図7に示されるように、例示的な液体クロマトグラフィーシステム70は、クロマトグラフィーカラム11;クロマトグラフィーカートリッジ入口111、画分収集器出口114、ガスまたは液体入口115、および検出器出口113を備える第1シャトルバルブ151;シャトルバルブ151の検出器出口113に流体連通する第1検出器131;シャトルバルブ151のガスまたは液体入口に流体を提供する流体供給部152;クロマトグラフィーカートリッジ入口121、画分収集器出口124、ガスまたは液体入口125、および検出器出口123を備える第2シャトルバルブ171;シャトルバルブ171の検出器出口123に流体連通する第2検出器161;シャトルバルブ171のガスまたは液体入口125に流体を提供する流体供給部172;およびシャトルバルブ171の画分収集器出口124に流体連通する画分収集器14;を有する。
【0066】
これらの例示的な実施形態、すなわち例示的な液体クロマトグラフィーシステム50および70において、サンプルを分析する方法はさらに、第2スプリッタポンプ17(または第2シャトルバルブ171)を介して第2検出器16(または第2検出器161)へ流体流れを能動的に制御するステップを有し、同様に、第1のスプリッタポンプ15(または第1シャトルバルブ151)を介して第1検出器13(または第1検出器131)へ流体流れを能動的に制御するステップを有する。図5には示されていないが、第1スプリッタポンプ15および/または第2スプリッタポンプ17は、例示的な液体クロマトグラフィーシステム50内で、第1検出器13および第2検出器16のそれぞれを通って流体を押し出すまたは引き出すように、位置決めすることができることを理解されたい。
【0067】
いくつかの例示的な実施形態において、吸収スペクトルの1つ以上の波長における検出器応答および応答変化を観察するために、1つ以上のUV検出器のような1つ以上の光学吸収検出器を用いることができる。これらの実施形態において、単一の検出器または複数の検出器内の複数のセンサと組み合わせて1つ以上の光源を用いることができ、複数の波長におけるサンプルによる光吸収を検出する。たとえば、UV吸収スペクトル全体にわたる1つ以上の波長における検出器応答および応答変化を観察するために、1つ以上のUV検出器を用いることができる。
【0068】
サンプルを分析する例示的な1方法において、この方法は、UV検出器のような光学吸収検出器を用いるステップを有し、光学吸収検出器は、UV吸収スペクトルの全波長のわたってn個の波長においてサンプルを観察するためのn個のセンサを有し、またこの方法は、(i)n個のUV波長におけるn個の検出応答の任意の1つの変化、または(ii)n個の検出応答により表される複合応答の変化、に応じて新しいサンプル画分を収集するステップを有する。n個のセンサまたは複数の検出器が存在する場合、これらは、画分収集器および/または他のシステム要素(たとえば他のUV検出器)に対する信号タイミングに影響を与えるように、互いに対して相対的に所望のように位置決めすることができる。
【0069】
全スペクトルUV(または他のスペクトル範囲の)分析を用いる場合、スペクトルは所望の数の関心領域に分割することができる(たとえば200nmから400nmを5nmごとに分割する)。各スペクトル範囲の有意な時間変化を監視することができる。与えられた範囲内における受け取った光エネルギーの急な落ち込み(たとえば検出応答の1次微分および二次微分の落ち込み)は、与えられた関心範囲の波長の光を吸収する物質の到達を示す。この例示的な実施形態において、正確さを増加させるために各範囲をより小さくすることができ、代替的に、計算の負担を減らすために各範囲をより大きくすることができる(すなわち、時間あたりの計算が少なくなり、必要なメモリも小さくなる)。
【0070】
他の例示的な実施形態において、様々な検出応答を観測するために、また、与えられたシステム内の検出応答の変化を観測するために、複数の異なるタイプの検出器を用いることができる。例示的な図8に示される液体クロマトグラフィーシステム80において、蒸発性光散乱検出器(ELSD)(すなわち、第1検出器13)のような蒸発性粒子検出器(EPD)が単独でまたはUV検出器(すなわち、第2検出器16)と組み合わせて用いられる。例示的な液体クロマトグラフィーシステム80はさらに、クロマトグラフィーカラム11と;第1入口21、第1出口22、および第2出口23を備えるT部12と;画分収集器14と;T部12の第2出口に流体連通するEPD13と;能動的にEPD13への流体流れを制御するスプリッタポンプ15と;T部12の第1出口22に流体連通するUV検出器と;を有する。この例示的な実施形態において、蒸発性粒子検出器の使用は、いくつかの利益をもたらす。非発色性の可動フェーズは、UV検出とともに用いられなければならず、さもなくば可動フェーズのバックグラウンド吸収がサンプル信号を隠してしまう。これは、トルエン、ピリジン、その他のような有意な発色性を備える溶媒を用いることを排除する。蒸発性粒子検出に関して、可動フェーズの発色性は重要でない。可動フェーズがよりサンプルよりも揮発性である限り、蒸発性粒子検出に発色性の溶媒を用いることができる。これは、高選択性発色性溶媒を可動フェーズとして用いることにより、分離を改善する機会を開く。さらに、UV検出器は、非発色性サンプル成分を検出しないであろう。UV検出のみに基づいて収集された画分は、1つまたはそれ以上の画定できない非発色性成分を含むことがあり、これは画分の純度を妥協させる。逆にいえば、非発色性サンプルは、UV検出器により完全に見落とされ、廃棄に直接送られ、またはサンプルフリー(空白の画分)として想定される画分内に収集される。正味の結果は、生産性の低下、汚染された画分、または、価値あるサンプル成分の損失をもたらす。フラッシュシステム内にEPD(たとえばELSD)が単独でまたはUV検出とともに用いられる場合、発色性成分および非発色性成分は、検出され且つ収集され、画分の純度を改善する。UVシステムを単独で用いるフラッシュシステムは、サンプル成分を見落とし、または不正確に純粋な画分を判断し、多くのフラッシュ使用者は、純度を確認し、また、空白の画分が本当に空白であるのかを確認するために、収集された画分を薄膜クロマトグラフィーによりスクリーンするであろう。これは、時間を消費する後の分離手順であり、作業を遅くする。1つ以上の成分を含むことが発見されたこれらの画分は、しばしば、成分を適切に分離するために第2クロマトグラフィーステップを要求する。
【0071】
例示的な液体クロマトグラフィーシステム80において、検出器13(たとえばELSD)およびUV検出器16からの信号31および61は、それぞれ画分収集器14に送られ、たとえば新しいサンプル画分の収集のような画分収集器14からのいくつかの活動を開始する。好ましい実施形態において、(i)検出器ELSD13、(ii)UV検出器16、または(iii)ELSD13およびUV検出器16の両方からの1つまたはそれ以上の検出器信号31および61に応じて、画分収集器14は、新しいサンプルを収集する。
【0072】
例示的な液体クロマトグラフィーシステム80に類似して、例示的な図6に示される液体クロマトグラフィーシステム60において、ELSD131およびUV検出器161からの信号311および611は、それぞれ画分収集器14へ送られ、たとえば新しいサンプル画分の収集のような画分収集器14からのいくつかの活動を開始する。好ましい実施形態において、(i)検出器ELSD131、(ii)UV検出器161、または(iii)ELSD131およびUV検出器161の両方からの1つまたはそれ以上の検出器信号311および611に応じて、画分収集器14は、新しいサンプルを収集する。
【0073】
上述のように、UV検出器16(またはUV検出器161)は、n個のセンサを有し、サンプルをn個の特定の波長で、全UV吸収スペクトルの一部にわたって観察するように構成される。例示的な図8に示される液体クロマトグラフィーシステム80において、(i)ELSD13またはUV検出器16のいずれか一方からの単一の信号、(ii)ELSD13およびUV検出器16からの2つまたはそれ以上の信号、または(iii)2つまたはそれ以上の特定のUV波長における2つ以上の検出応答を有する複合信号(n個の検出応答まで)に応じて、画分収集器14は、新しいサンプルを収集する。同様に、例示的な図6に示される液体クロマトグラフィーシステム60は、(i)ELSD131またはUV検出器161のいずれか一方からの単一の信号、(ii)ELSD131およびUV検出器161からの2つまたはそれ以上の信号、または(iii)2つまたはそれ以上の特定のUV波長における2つ以上の検出応答を有する複合信号(n個の検出応答まで)に応じて、画分収集器14は、新しいサンプルを収集する。
【0074】
さらに、例示的な液体クロマトグラフィーシステム80において、UV検出器16は、検出器信号(図示せず)を生成するために用いられてもよく、検出器信号は、(1)(i)単一のセンサからの単一の検出信号応答から、または(ii)1より大きいn個の検出器のn個の検出器応答から生じ、また、検出信号は(2)少なくとも1つのスプリッタポンプ15、ELSD13およびT部12に送られる。さらに、ELSD13の検出器応答から生じる検出器信号(図示せず)は、UV検出器16の1つ以上の設定を変更するために、UV検出器16に送られてもよい。同様に、例示的な図6に示される液体クロマトグラフィーシステム60において、UV検出器161は検出器信号(図示せず)を生成するために用いられてもよく、検出器信号は(1)(i)単一のセンサからの単一の検出信号応答から、または(ii)1より大きいn個の検出器のn個の検出器応答から生じ、また、検出器信号は(2)少なくとも1つのシャトルバルブ151およびELSD13に送られる。さらに、ELSD131の検出応答から生じる検出器信号(図示せず)は、UV検出器161の1つ以上の設定を変更するためにUV検出器161に送られてもよい。
【0075】
図9に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム90に示されるように、与えられたシステム内の異なるタイプの検出器の位置は、システムプロ接の1つ以上の特徴を提供するために所望のように調節できる。例示的な液体クロマトグラフィーシステム90において、ELSD13は、UV検出器16の下流に位置決めされる。このような構成において、UV検出器16は、画分収集器14のために、ELSD13からの信号31の発生の前に、検出器応答を提供し、信号61(たとえば、(i)単一のセンサから単一の検出器応答から生成され、または(ii)1より大きいn個のセンサのn個の検出器応答から生じる信号)を発生させることができるように位置決めされる。また、UV検出器16は、少なくとも1つのスプリッタポンプ15、ELSD13およびT部12のために、スプリッタポンプ15、ELSD13および/またはT部12が駆動または停止できるように、検出器応答を提供し且つ信号(図示せず)(たとえば、(i)単一のセンサからの単一の検出器応答、または(ii)1より大きいn個のセンサのn個の検出器応答から生じる信号)を発生させることができるように位置決めされる。
【0076】
図示しないが、シャトルバルブは、類似のシステムプロセス特徴を提供するために、図9に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム90内のT部12およびスプリッタポンプ15の代わりに用いることができることを理解されたい。このような構成において、UV検出器16は、ELSD13からの信号31の発生の前に、画分収集器14のために、検出器応答を提供し且つ信号61(たとえば、(i)単一のセンサからの単一の検出器応答、または(ii)1より大きいn個のセンサのn個の検出器応答から生じる信号)を発生させることができるように位置決めされる。また、UV検出器16は、少なくとも1つのシャトルバルブおよびELSD13のために、シャトルバルブおよび/またはELSDが駆動または停止できるように、検出器応答を提供し且つ信号(図示せず)(たとえば、(i)単一のセンサからの単一の検出器応答、または(ii)1より大きいn個のセンサのn個の検出器応答から生じる信号)を発生させることができるように位置決めされる。システム60、80、および90は、ELSDおよびUVを検出器として言及したが、任意のEPDのような破壊式検出器をELSDのために用いることができ、また、任意の非破壊式検出器をUV検出器の代わりに用いることができる。
【0077】
他の例示的な実施形態において、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、2つ以上の非破壊式検出器(たとえば、上述のUV検出器のような1つ以上の光学吸収検出器)を備える非破壊式システムを備えることができ、破壊式検出器(質量スペクトル計)はシステム内に存在しない。例示的な一実施形態において、液体クロマトグラフィーシステムは、UV検出器のような2つの光学吸収検出器を有し、サンプルを分析する方法は、2つ以上の特定の波長においてサンプルを観察するために2つ以上の検出器を用いるステップと;(i)第1の波長における第1検出器応答の変化、(ii)第2波長における第2検出器応答の変化、または(iii)第1検出器応答および第2検出器応答により表現される合成応答の変化、に応じて、新しいサンプル画分を収集するステップと、を有する。
【0078】
2つ以上のUV検出器のような2つ以上の光学吸収検出器を用いる実施形態において、光学吸収検出器は、1つ以上のシステムの利点を提供するために、与えられた液体クロマトグラフィーシステム内に位置決めすることができる。2つ以上の光学吸収検出器は、サンプルが各検出器に実質的に同時に到達するように、互いに平行になるように位置決めでき、また、2つ以上の光学吸収検出器は、実質的に同時に信号(すなわち、第1検出器応答および第2検出器応答)を生成し、画分収集器に信号を送る。
【0079】
さらなる実施形態において、非破壊式検出器(たとえば、RI検出器、UV検出器等)を単独で、または破壊式検出器(たとえば、EPD、質量スペクトル計、分光光度計、放射分光計、NMR等)と組み合わせて用いることができる。たとえば、質量スペクトル計のような破壊式検出器は、成分のピークの検出と、そのピークに関連する化学的性質を同時に検出することができる。これにより目標物を含む画分の迅速な決定が可能になる。他の検出技術に関しては、たとえば、分光光度計、質量スペクトル計、放射分光計、NMRなどによる、目標物を含む画分の後の分離決定が必要となる。2つ以上の化学的性質がフラッシュカートリッジから同時に抽出される場合(すなわち、同じ滞留時間を備える)、特定の検出器を用いるときに(すなわち化学的性質管の差異を同定できない検出器)、これらの検出器は化学組成を決定できないので、それらはシステムにより同じバイアルに堆積される。質量スペクトル検出器が破壊式検出器として用いられる例示的な実施形態において、同時に抽出される全ての成分は同定され得る。これは、分離後に純度を確認する必要性を無くす。
【0080】
任意の上述の液体クロマトグラフィーシステムにおいて、少なくとも1つのUV検出器のような少なくとも1つの検出器を、少なくとも1つのUV検出器またはELSDのような少なくとも1つの他の検出器の下流に(たとえば直列に)位置決めすることは有利となり得る。このような実施形態において、第1検出器における第1検出器応答は、信号を提供し、且つ(1)スプリッタポンプ、(2)シャトルバルブ、(3)第2検出器、および(4)T部の少なくとも1つに信号を送るために用いられる。たとえば、第1検出器の第1検出器応答は、信号を生成し、スプリッタポンプまたはシャトルバルブに信号を送るために用いられ、(i)スプリッタポンプまたはシャトルバルブを駆動し、(ii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブを停止し、(iii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブの、1つ以上の流れまたは圧力設定を変更し、(iv)あるいは、(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、の少なくとも1つを行う。適切な流れおよび圧力設定は、限定するわけではないが、上述の流れおよび圧力設定を含む。典型的には、信号は、たとえば電気信号、気体信号、ディジタル信号、ワイヤレス信号の形態である。
【0081】
いくつかの実施形態において、複数の検出器(すなわち2つ以上の検出器)は、システム内の他の検出器から独立して、各検出器が、(1)スプリッタポンプ、(2)シャトルバルブ、(3)他の検出器、(4)T部、の少なくとも1つに信号を送ることができるように位置決めされる。たとえば、複数の光学吸収検出器(たとえばUV検出器)は、与えられたシステム内で、シャトルバルブに独立した信号を提供するように位置決めでき、この信号により、シャトルバルブに能動的に制御された流体サンプルをELSDのような他の検出器に提供させる。
【0082】
他の実施形態において、第1検出器の第1検出応答は、信号を生成し、第2検出器へ信号を送るために用いられ、(i)第2検出器を駆動し、(ii)第1検出器で用いられる第1波長に実質的に類似した波長で第2検出器を駆動し、(iii)第1検出器で用いられる第1波長以外の波長で第2検出器を駆動し、(iv)第2検出器を停止し、(v)第2検出器の他のいくつかの設定を変更し(たとえば、第2検出器の観察される波長)、または、(vi)(i)から(v)までの任意の組み合わせを行う。
【0083】
他の実施形態において、第1検出器の第1検出応答は、信号を生成し信号をT部に送るために用いることができ、(i)バルブを開き、または、(ii)液体クロマトグラフィーシステムの一部を通る流体流れを開始または停止するようにバルブを閉じる。上述したように、典型的には、信号は、たとえば電気信号、気体信号、ディジタル信号、またはワイヤレス信号の形態である。
C. 検出器応答からの信号の生成
本発明による1つの方法はさらに、1つまたはそれ以上の検出器応答から信号を生成するステップを有することができる。図1に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム10のようないくつかの実施形態において、単一の検出器は、サンプル成分の存在を検出し、流体流れ内のサンプル成分の存在および濃度に基づいて検出器応答を生成する。図6に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム50のような他の実施形態において、2つ以上の検出器を、1つ以上のサンプル成分の存在を検出するために用いることができ、流体流れ内の1つ以上のサンプル成分の存在および濃度に基づいて2つ以上の検出応答を生成させることができる。
【0084】
上述のように、与えられた検出器は、1つ以上の検出器応答を提供し、これは、信号を生成し、本明細書で説明されるような液体クロマトグラフィーシステム内の1つ以上の構成要素(たとえば、画分収集器、他の検出器、スプリッタポンプ、シャトルバルブ、またはT部)に信号を送るのに用いることができる。典型的には、与えられた検出器応答の変化は、信号の生成および送信をトリガする。信号を生成および1つ以上の構成要素への信号の送信をトリガし得る、与えられた検出応答の変化は、限定するわけではないが、検出器応答値の変化、検出器応答値の閾値への到達または超過、検出器応答値の時間に関する傾斜、検出器応答値の時間傾斜の閾値、検出器応答値の時間傾斜の変化、検出器応答値の時間傾斜の閾値の変化、または、これらの組み合わせを含む。
【0085】
例示的な一実施形態において、本発明の方法は、少なくとも1つの検出器から検出器信号を生成するステップを有し、この検出器信号は、(i)時間の関数としての検出器応答の傾斜(すなわち、検出器応答の1次微分)、(ii)時間の関数としての検出器応答の傾斜の変化(すなわち、検出器応答の2次微分)、(iii)随意に、検出器応答値の閾値、または、(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせおよび少なくとも(i)または少なくとも(ii)を含む所望の組み合わせ、に応答して生成される。この例示的な実施形態において、検出器応答の形状から物質が認識され、特に、検出器応答の時間についての1次および/または2次微分(すなわち、それぞれ傾斜および傾斜の変化)から認識される。特に、コンピュータプログラムは、検出器応答値の時間シーケンスを解析し、その変化率(すなわち1次微分)および変化率の率(すなわち2次微分)を評価する。1次微分および2次微分の両方が増加している場合、物質が検出され始めている。同様に、1次微分および2次微分の両方が減少しているとき、物質の検出が終了してきている。
【0086】
実際の検出器の値は典型的にはノイズを含み(たとえばギザギザである)、時間についての数値的なローパスフィルターを用いることが望ましい(たとえばスムージングする)。従って、少なくとも1つの検出器から検出器信号を生成するステップは、好ましくはさらに、(i)時間傾斜データ、(ii)時間傾斜の変化、(iii)随意に、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせについて、数値的なローパスフィルターを行うステップを有し、(i)時間傾斜、(ii)時間傾斜の変化、(iii)随意に、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、の実際の変化を検出器応答の考えられるノイズから識別する。好ましい実施形態において、有限インパルス応答(FIR)フィルターまたは無限インパルス応答(IIR)フィルターを、時間に関するデータの数値的なローパスフィルターとして用いることができる(たとえば、いくつかの標本の単純平均)。典型的には、決定アルゴリズムは、ノイズではなく、実際の検出器応答/信号の確認として、時間における小さな数の逐次呼出しを用いる。
【0087】
他の実施形態において、サンプルを分析する方法は、各検出器からの検出応答成分を有する複合信号を生成するステップと、複合信号の変化に応じて新しいサンプル画分を収集するステップとを有することができる。これらの実施形態において、複合信号を生成するステップは、(i)検出応答値、(ii)時間の関数としていの与えられた検出応答の傾斜(すなわち、与えられた検出応答の1次微分)、(iii)時間の関数として与えら得R他検出応答の傾斜の変化(すなわち、与えられた検出応答の2次微分)、または(iv)各検出器(すなわち2以上の検出器のそれぞれ)からの(i)から(iii)までの任意の組み合わせを、数値的に補正するステップを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、複合信号は(i)与えられた時間における各検出器(すなわち2以上の検出器の各々)の検出器応答値の積、(ii)与えられた時間における検出器応答の1次微分の積、(iii)与えられた時間における検出器応答の2次微分の積、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有することができる。
【0088】
複合信号が用いられる他の実施形態において、複合信号を生成するステップは、(i)検出器応答値、(ii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜(すなわち、与えられた検出器応答の1次微分)、(iii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜の変化(すなわち、与えられた検出器応答の2次微分)、または、(iv)1つの検出器内の各センサ(すなわち、n個の波長でサンプルを観察するn個のセンサ)からの(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、または、(iv)システム内に存在する他の検出器応答との任意の組み合わせ、を数値的に補正するステップを有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、複合信号は、(i)与えられた時間における、1つの検出器内の各センサ(すなわち、n個の波長でサンプルを観察するn個のセンサ)の検出器応答値の積、および、他の検出器(たとえば、UV検出器と組み合わせて用いられるELSD)からの任意の追加的な検出器応答値との積、(ii)与えられた時間における、1つの検出器内の各センサ(すなわち、n個の波長でサンプルを観察するn個のセンサ)の検出器応答、および他の検出器からの任意の追加的な検出応答、の1次微分の積、(iii)与えられた時間における、1つの検出器内の各センサ(すなわち、n個の波長でサンプルを観察するn個のセンサ)の検出器応答、および、他の検出器からの任意に追加的な検出応答、の2次微分の積、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有することができる。
【0089】
D.1つまたはそれ以上のサンプル画分の収集
与えられた液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器からの1つまたはそれ以上の信号に応答して、1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するために、本発明の方法はさらに、図1−3Aおよび図4−9に示される例示的な画分収集器14のような画分収集器を用いてもよい。たとえば、図1、2、3Aにそれぞれ示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム10、20、30において、サンプルを分析する方法は、さらに、第1検出器13からの1つ以上の信号に基づいて1つ以上のサンプル画分を収集するステップを備えることができる。図4、5、6にそれぞれ示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム40、50、60において、サンプルを分析する方法はさらに、第1検出器13(または第1検出器131)、第2検出器16(または第2検出器161)、または第1検出器13および第2検出器16の両者(または第1検出器131および第2検出器161の両者)からの1つ以上の信号に応じて、1つ以上のサンプル画分を収集するステップを備えることができる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態において、画分収集器は、少なくとも1つの検出器からの1つ以上の信号を認識、受信、処理するように構成され、また、1つ以上の信号に基づいて1つ以上のサンプル画分を収集するように構成される。他の実施形態において、追加的なコンピュータまたはマイクロプロセッサ装置が少なくとも1つの検出器からの1つ以上の信号を処理し、その後に、画分収集器に、認識可能な信号を提供するために用いられる、画分収集器への信号は、追加的なコンピュータまたはマイクロプロセッサ装置からの1つ以上の信号に基づいて、画分収集器が1つ以上のサンプル画分を収集するように指示するものである。
【0091】
上述のように、1つ以上のシステム特徴を与ええるために、システムコンポーネントは、与えられた液体クロマトグラフィーシステム内に位置決めすることができる。たとえば、少なくとも1つの検出器は、(i)与えられた検出器応答の検出と、(ii)検出器応答から生成される信号に基づいてサンプル画分を収集するステップと、の間の時間遅れを最小化するように、与えられた液体クロマトグラフィーシステム内に位置決めすることができる。本発明の例示的な実施形態において、液体クロマトグラフィーシステムは、好ましくは、2.0秒より小さい(または1.5秒より小さい、または1.0秒より小さい、または0.5秒より小さい)、与えられた検出器信号の画分収集器への時間遅れ(すなわち、(i)与えられた検出器の検出と、(ii)検出器から生成される信号に基づくサンプル画分の収集ステップと、の間の時間遅れ)の最大値を備える。
【0092】
2つ以上の検出器またはn個のセンサを備える少なくとも1つの検出器(以下に説明される)を用いる本発明の例示的な実施形態において、液体クロマトグラフィーシステムは好ましくは、2.0秒より小さい(または1.5秒より小さい、または1.0秒より小さい、または0.5秒より小さい)、任意の検出器からの任意の検出器信号の画分収集器への時間遅れ(すなわち、(i)与えられた検出器応答の検出と、(ii)検出器応答から生成される信号(たとえば単一信号または複合信号)に基づいてサンプル画分を収集するステップと、の間の時間遅れ)の最大値を示す。
【0093】
E. サンプル成分の分離ステップ
本発明の方法は、与えられたサンプル内の成分を分離するために液体クロマトグラフィー(LC)ステップを用いる。特定のサンプルに依存して、様々なLCカラム、可動フェーズ、および他のプロセスステップ条件(たとえば、供給速度、勾配など)を用いることができる。
【0094】
本発明において、多くのLCカラムを用いることができる。一般に、本発明において、ポリマーまたは無機の通常相、反対相、イオン交換、親和力、疎水性相互作用、親水性相互作用、混合モード、および寸法除外カラム、を用いることができる。例示的な商業的に入手できるカラムは、限定するわけではないが、Grace Davison Discovery Sciences社から、VYDAC(登録商標)、GRACERESOLV(商標)、DAVISIL(登録商標)、ALLTIMA(商標)、VISION(商標)、GRACEPURE(商標)、EVEREST(商標)、およびDENALI(商標)の商標で入手できるもの、および他の類似の会社から入手できるものを含む。
【0095】
本発明において、多くの可動フェーズ成分を用いることができる。適切な可動フェーズ成分は、限定するわけではないが、アセトニトリル、ジクロロメタン、エチルアセテート、ヘプタン、アセトン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ヘキサン、メタノール、イソプロピルアルコール、水、エタノール、緩衝材、およびこれらの組み合わせを含む。
【0096】
F. ユーザーインターフェースステップ
本発明におけるサンプルを分析する方法は、さらに、操作者または使用者が液体クロマトグラフィーシステムの1つ以上のシステムコンポーネントにアクセスする1つ以上のステップを備えることができる。たとえば、サンプルを分析する方法は、1つ以上の以下のステップを備えることができる。すなわち、試験のためにサンプルを液体クロマトグラフィーシステム内に入れるステップ;システム内の1つ以上の要素の1つ以上の設定(たとえば、流量または圧力設定、波長など)を調節するステップ;1つ以上のセンサおよび/または複数の検出器からの1つ以上の検出器応答を考慮する所望の数学的アルゴリズムに基づいて、信号を発生させるように少なくとも1つの検出器をプログラムするステップ;1つ以上の検出器応答を考慮する所望の数学的アルゴリズムに基づいて信号を生成するように1つ以上のシステムコンポーネント(検出器以外)をプログラムするステップ;少なくとも1つの検出器からの信号(たとえば、単一信号または複合信号)を認識し、受信した信号に基づいて1つ以上のサンプル画分を収集するように、画分収集器をプログラムするステップ;画分収集器が1つ以上のシステムコンポーネント(画分収集器以外)からの入力に基づいて1つ以上のサンプルを収集できるように、少なくとも1つの検出器からの入力信号を認識し、この入力信号を画分収集器が認識でき且つ処理できる信号に変換するように1つ以上のシステムコンポーネント(画分収集器以外)をプログラムするステップ;および、所望の時間において、または、液体クロマトグラフィーシステム内の他の動作(たとえば、操作者または使用者に表示される検出器応答)に応答して、1つ以上のシステムコンポーネント(たとえば、Tバルブ、スプリッタポンプ、シャトルバルブ、または検出器)を駆動または停止するステップ、を備えることができる。
【0097】
II.サンプルを分析するための装置
本発明はまた、上述の方法のステップの1つ以上を用いてサンプルを分析することができるまたはサンプルの分析に貢献することができる装置および装置コンポーネントに関する。
【0098】
上述したように、本発明の例示的ないくつかの実施形態において、サンプルを分析する装置は、(i)クロマトグラフィーカラム、(ii)第1入口、第1出口、および第2出口を備えるT部、(iii)T部の第1出口と流体連通する画分収集器、(iv)T部の第2出口と流体連通する第1検出器、および(v)T部の第2出口および第1検出器と流体連通するように位置決めされる、第1検出器への流体流れを能動的に制御するように構成を備えることができる。本発明の他の例示的な実施形態において、第1検出器への流体流れを能動的に制御するために、T部/スプリッタポンプの組み合わせの代わりにシャトルバルブを用いることができる。
【0099】
図1−9には示されていないが、上述の任意の装置(たとえば例示的な液体クロマトグラフィーシステム10−90)または装置コンポーネントは、さらに、システムハードウェアを備えることができ、このシステムハードウェハは(i)検出器応答値または検出器応答値の変化の認識、(ii)検出器応答値または検出器応答値の変化から信号の生成、(iii)1つ以上のシステムコンポーネントへの信号の伝達、(iv)受信コンポーネントにより生成された信号の認識、(v)受信コンポーネント内で認識された信号の処理、および(vi)認識された信号に応じた受信コンポーネントの処理ステップの開始、を可能にする。
【0100】
一実施形態において、装置(たとえば、液体クロマトグラフィーシステム10−90)または与えられた装置コンポーネントは、さらに、システムハードウェアを備えることができ、このシステムハードウェハは、第1検出器が、スプリッタポンプまたはシャトルバルブに駆動信号を伝達するのを可能にし、(i)スプリッタポンプまたはシャトルバルブを駆動し、(ii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブを停止し、(iii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブの流量または圧力設定の1つ以上を変更し、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせを行う。適切な流量および圧力の設定は、限定するわけではないが、(i)バルブ位置、(ii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブの圧力、(iii)バルブへの空気圧力、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、スプリッタポンプは、T部と第1検出器との間に位置決めすることができる(たとえば、図1におけるT部12と第1検出器13との間に位置決めされたスプリッタポンプ15を参照されたい)。他の実施形態において、第1検出器は、T部とスプリッタポンプとの間に位置決めすることができる(たとえば図2におけるT部12とスプリッタポンプ15との間に位置決めされた第1検出器を参照されたい)。
【0102】
他の実施形態において、本発明の装置は、(i)クロマトグラフィーカラム、(ii)2つ以上の検出器、および(iii)2つ以上の検出器に流体連通する画分収集器を有し、画分収集器は、2つ以上の検出器からの1つ以上の検出器信号に応答して、1つ以上のサンプル画分を収集するように構成される。いくつかの実施形態において、2つ以上の検出器は、2つ以上の非破壊式検出器(たとえば2つ以上のUV検出器)を有し、システム内に破壊式検出器を備えない。
【0103】
2つ以上の検出器が存在する場合、第1検出器と第2検出器との間の流体流れの容積を分割するために、スプリッタポンプまたはシャトルバルブを用いることができる。他の実施形態において、一方の検出器からの検出器応答に応じて、もう一方の検出器への流体流れを開始または停止するために、スプリッタポンプまたはシャトルバルブを用いることができる。さらに、与えられたシステムにおいて、2つ以上の検出器への流体流れを能動的に制御するために、複数のスプリッタポンプおよび/またはシャトルバルブを用いることができる。
【0104】
上述したように、装置はさらにシステムハードウェハを備えることができ、このシステムハードウェアは、1つ以上の検出器応答から検出器信号の生成を可能にする。例示的な一実施形態において、装置はシステムハードウェアを備え、このシステムハードウェアは、検出器信号の生成を可能にし、この検出器信号は、(i)時間の関数としての検出器応答の傾斜(すなわち、検出器応答の1次微分)、(ii)時間の関数としての検出器応答の傾斜の変化(すなわち検出器応答の2次微分)、(iii)随意に、検出器応答値の閾値、または(iv)少なくとも(i)または(ii)を含む(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、に応じて生成される。システムハードウェハは、望ましくは、さらに、ローパス数値フィルタリング能力を有し、(i)傾斜データ、(ii)傾斜データの変化、(iii)随意に、検出器応答値の閾値、または(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を時間に関してフィルタ処理し、与えられた検出器応答中の考えられるノイズから、i)傾斜データ、(ii)傾斜データの変化、(iii)随意に、検出器応答値の閾値、または(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、の実際の変化を区別する。
【0105】
複数検出器システムにおいて、システムハードウェハは、各検出器からの検出器応答成分、与えられた検出器内の複数のセンサからの検出応答成分、を含む、複合信号の生成を可能にするために用いることができる。これらの実施形態において、システムハードウェアは、画分収集器に、画分収集器が複合信号の変化に応じて新しいサンプル画分を収集するように指示する命令/信号を送るように構成される。複合信号は、各検出器からの(i)検出器応答値、(ii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜(すなわち与えられた検出器応答の1次微分)、(iii)時間の関数としてい与えられた検出器応答の傾斜の変化(すなわち与えられた検出器応答の2次微分)、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、の間に数学的な相関を備えるようにすることができる。たとえば、複合信号は、(i)与えられた時間における各検出器の検出器応答値の積、(ii)与えられた時間における検出器応答値の1次微分の積、(iii)与えられた時間における検出器応答の2次微分の積、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせを含むことができる。
【0106】
望ましい一つの構成において、サンプルを分析するための装置は、2つ以上の特定の光学波長(たとえばUVスペクトル内)でサンプルを観察するように構成された少なくとも1つの検出器を有する。また、本装置はシステムハードウェアを有し、システムハードウェハは、画分収集器が、(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出器応答の変化、または(iii)第1および第2の波長における検出器応答により表される複合信号の変化、に応じて新しいサンプル画分を収集することを可能にする。各検出器は、同一の波長で、異なる波長で、または複数の波長で動作することができる。さらに、各検出器は、互いに並列、直列、あるいは並列と直列とのいくつかの組み合わせになるようにすることができる。
【0107】
上述したように、例示的な一実施形態において、装置は、UV吸収スペクトルの一部または全部(または他のタイプの検出器を用いる吸収スペクトルの任意の部分)にわたってn個の光学波長でサンプルを観察するように構成されたn個のセンサを有する単一の検出器を備えることができる。また、装置はシステムハードウェアを備えることができ、システムハードウェアは、画分収集器が、(i)n個の光学波長におけるn個の検出器応答の任意の1つの変化、(ii)n個の検出器応答により表される複合応答の変化、に応じて、新しいサンプル画分を収集するのを可能にする。
【0108】
少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御するために、スプリッタポンプまたはシャトルバルブが存在する場合、サンプルを分析するための装置はさらに、スプリッタポンプまたはシャトルバルブへの駆動振動を生成することができ、(i)スプリッタポンプまたはシャトルバルブを駆動し、(ii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブを停止し、(iii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブの1つ以上の流量または圧力を変化させ、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を行う。駆動信号は、たとえば、システム操作者または検出器のようなシステムコンポーネントにより生成することができる(すなわち、駆動信号は、上述したように、検出器応答値に応じて、または検出器の検出器応答値の変化に応じて、検出器により生成されて伝達される)。
【0109】
本発明のさらなる実施形態において、クロマトグラフィーシステムを用いて流体のサンプルを分析するための装置は、クロマトグラフィーカラムまたはカートリッジから流出する第1流体通路;流体のサンプルを分析することができる少なくとも1つの検出器;および、第1流体通路を通る流体の流れ特性に実質的に影響を与えることなく、流体のサンプルアリコットを第1流体通路から検出器へ移動させるシャトルバルブ、を含む。第1流体通路またはチャネルは、少なくともバルブの一部を通るときにおいて、実質的に線形または真っ直ぐであるので、第1流体通路を通る流体の流れを実質的に層流とすることができる。さらなる例示的な実施形態において、第1流体通路を通る流体の圧力は、実質的に一定であり、および/または実質的に増加しない。他の実施形態において、流体の流量は第1流体通路を通るときに実質的に一定である。一代替実施形態において、シャトルバルブから検出器へ流体のアリコットサンプルを輸送するのに、第2流体通路が用いられる。少なくともバルブの一部を通るところで、第2流体通路またはチャネルは実質的に線形または真っ直ぐであるので、第2流体通路を通る流れを実質的に層流とすることができる。例示的な一実施形態において、第2流体通路を通る流体の圧力は実質的に一定であり、および/または実質的に増加しない。さらなる実施形態において、流体の流量は、第2流体通路を通るときに実質的に一定にすることができる。
【0110】
さらなる例示的な実施形態において、クロマトグラフィーを用いて流体のサンプルを分析するための装置は、クロマトグラフィーカラムから流出する第1流体通路;サンプルを分析することができる少なくとも1つの検出器へ流体のサンプルを輸送する第2流体通路;第1流体通路から第2流体通路へ、流体のアリコットサンプルを移動させるシャトルバルブであり、シャトルバルブを通る連続な第2流体通路を維持する、シャトルバルブ、を含む。一実施形態において、シャトルバルブを通る連続な第1流れ通路は、流体のアリコットサンプルが第1流体通路から取り除かれるときに維持される。他の実施形態において、シャトルバルブを通る連続な第1および第2流れ通路は、流体のアリコットサンプルが第1流体通路から取り除かれて第2流れ通路に移動させられるときに、維持される。
【0111】
本発明の例示的な実施形態において、サンプルを分析するための装置はさらに、1つ以上の検出器信号に応じて1つ以上のサンプル画分を収集するように構成される画分収集器を有し、検出器信号は、(i)第1検出器、(ii)第2検出器(または任意の数の追加の検出器)、または()第1検出器および第2検出器(または任意の数の追加の検出器)の両方から発される。複数の検出器が用いられる場合、本装置は、画分収集器を、上述のように各検出器からの1つ以上の検出器応答による複合信号の変化に応じて、新しいサンプル画分を収集するように構成することができる。
【0112】
上述したように、いくつかの例示的な実施形態において、サンプルを分析するための装置は、少なくとも1つの検出器からの信号を認識し、受信し、処理するように構成された画分収集器を有し、また、画分収集器は、1つ以上の信号に基づいて1つ以上のサンプル画分を収集する。他の実施形態において、サンプルを分析する装置は、追加のコンピュータまたはマイクロプロセッサ装置を有し、これは、少なくとも1つの検出器からの1つ以上の信号を処理し、入力信号を画分収集器が認識できる信号に変換することができる。この後者の実施形態において、画分収集器は、追加のコンピュータまたはマイクロプロセッサ装置からの1つ以上の信号に基づいて1つ以上のサンプル画分を収集し、画分収集器の信号処理成分に基づかない。
【0113】
上述した例示的な液体クロマトグラフィーシステムの任意のものは、任意の数の検出器、スプリッタポンプ、T部、シャトルバルブを備えることができ、これらは1つ以上のシステム性能を提供するように与えられたシステム内に戦略的に配置される。たとえば、図6の例示的な液体クロマトグラフィーシステム60には示されていないが、追加の検出器を、カラム11とシャトルバルブ151との間、および/またはシャトルバルブ151と検出器161との間に位置決めすることができる。図7に示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム70には示されていないが、追加の検出器を、カラム11とシャトルバルブ151との間、および/またはシャトルバルブ151とシャトルバルブ171との間、および/またはシャトルバルブ171と画分収集器14との間に位置決めすることができる。追加の検出器は、図8および図9にそれぞれ示される例示的な液体クロマトグラフィーシステム80および90内にも同様に位置決めすることができる。
【0114】
以下に説明するように、多数の商業的に入手できる部品を本発明の装置に用いることができる。
A. クロマトグラフィーカラム
任意の公知のクロマトグラフィーカラムを本発明の装置に用いることができる。商業的に入手できる適当なクロマトグラフィーカラムは、限定するわけではないが、Grace Davison Discovery Sciences社(ディアフィールド、イリノイ州)から、GRACEPURE(商標)、GRACERESOLV(商標)、VYDAC(登録商標)、およびDAVISIL(登録商標)の商標で入手できる。
【0115】
B. 検出器
任意の公知の検出器を本発明の装置に用いることができる。商業的に入手できる適切な検出器は、限定するわけではないが、Ocean Optics社(ダニーディン、フロリダ州)からUSB2000(商標)の商標で入手できるUV検出器;Grace Davison Discovery Sciences社(ディアフィールド、イリノイ州)から3300ELSD(商標)の商標で入手できる蒸発性光散乱検出器(ELSDs);Waters Corporation社(ミルフォード、マサチューセッツ州)からZQ(商標)の商標で入手できる質量スペクトル計(MSs);Quant社(ブレーン、ミネソタ州)からQT−500(商標)の商標で入手できる凝集核形成光散乱検出器(CNLSDs);ESA社(チェルムズフォード、マサチューセッツ州)からCORONA CAD(商標)の商標で入手できるコロナ放電検出器(CDDs);Waters Corporation社(ミルフォード、マサチューセッツ州)から2414の標識で入手できる屈折率検出器(RIDs);およびLaballiance社(St. Collect、ペンシルバニア州)からULTRAFLOR(商標)の商標で入手できる蛍光検出器(FDs)を含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、商業的に入手可能な検出器は、修正またはプログラムされる必要があるかもしれない。あるいはいくつかの検出器は、本発明の上述の方法のステップの1つまたはそれ以上を実行するために構築する必要があるかもしれない。
【0117】
C. スプリッタポンプ
任意の公知のスプリッタポンプを本発明の装置に用いることができる。商業的に入手できる適切なスプリッタポンプは、限定するわけではないが、KNF社(トレントン、ニュージャージー州)からLIQUID MICRO(商標)の商標で入手できるスプリッタポンプを含む。
【0118】
D. シャトルバルブ
任意の公知のシャトルバルブを本発明の装置に用いることができる。商業的に入手できる適切なシャトルバルブは、限定するわけではないが、Valco社(ヒューストン、テキサス州)からCHEMINERT(商標)、Rheodyne(登録商標)の商標で入手できるシャトルバルブ、Idex Corporation社からMRA(登録商標)の商標で入手できるシャトルバルブ、および本明細書で説明する連続流れシャトルバルブを含む。
【0119】
E. 画分収集器
任意の公知の画分収集器を本発明の装置に用いることができる。商業的に入手できる適切な画分収集器は、限定するわけではないが、Gilson社(ミドルトン、ウィスコンシン州)から215の表示で入手することができる画分収集器を含む。
【0120】
いくつかの実施形態において、商業的に入手できる画分収集器は、修正されおよび/またはプログラムされる必要があるかもしれない。または、いくつかの画分収集器は、本発明の上述の方法のステップの1つまたはそれ以上を実行するために構築される必要があるかもしれない。たとえば、少なくとも1つの検出器からの1つ以上の信号を認識し、受信し、処理して、1つ以上の信号に基づいて1つ以上のサンプル画分を収集するように構成される画分収集器は、現時点では商業的には入手できないかもしれない。
【0121】
III. コンピュータソフトウェア
本発明はさらに、上述の方法のステップの1つまたはそれ以上を実行するための、コンピュータが実行可能な命令が格納された、コンピュータで読取り可能な媒体に関する。たとえば、コンピュータが実行可能な命令が格納されたコンピュータが読取り可能な媒体は、システム内の1つ以上の要素の1つ以上の設定(たとえば流れ設定、波長等)を調節し;1つ以上の検出器応答を考慮する所望の数学的アルゴリズムに基づいて信号を発生させ;少なくとも1つの検出器からの信号を認識し;受信信号に基づいて1つ以上のサンプル画分を収集し;少なくとも1つの検出器からの入力信号を認識して、入力信号を画分収集器が認識および処理可能な信号に変換し、画分収集器が、所望の時間において、または液体クロマトグラフィーシステム内の他のいくつかの活動(たとえば検出器応答)に応じて、1つ以上のシステムコンポーネント(たとえばTバルブ、スプリッタポンプ、シャトルバルブ、または検出器)からの入力に基づいて1つ以上のサンプル画分を収集することができるようにするための命令を格納する。
【0122】
IV. 応用/使用
上述の方法、装置およびコンピュータソフトウェアは、様々なサンプル内の1つ以上の成分の存在を検出するために用いることができる。上述の方法、装置、およびコンピュータソフトウェアは、液体クロマトグラフィーを用いる任意の産業に応用でき、限定するわけではないが、石油産業、製薬産業、分析研究分野などに応用できる。
【0123】

本発明はさらに、以下の例により説明される。これらの例はいかなる意味でも本発明の範囲を限定するものではない。本明細書の説明を参照することにより、様々な他の実施形態、修正形態、等価な形態が、本発明の趣旨および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく明確に当業者に認識される。
【0124】
例1
この例において、フラッシュREVELERIS(商標)システム(Grace Vavison Discovery Sciences社から入手できる)が用いられた。スクロースおよびアスピリンを含む4mLの混合物が、フラッシュシステム内に取り付けられた4g GRACERESOLV(商標)C18フラッシュカラム(Grace Vavison Discovery Sciences社から入手できる)内に注入された。ALLTECH(登録商標)model 300LCポンプを用いて、50/50のメタノール/水 可動フェーズがシステムを通じてポンプされた。カラム流出物はKNFスプリッタポンプに導かれ、KNFスプリッタポンプは、カラム流出物を300uL/minでALLTECH(登録商標)3300ELSDに導いた。流出物の残りは、Ocean Optics UV検出器を通して、Gilson画分収集器に流れた。
【0125】
スクロースとアスピリンは、フラッシュカラム上で分離された。スクロースとアスピリンの両者は、ELSDにより検出された。UV検出器だけがアスピリンを検出した。両方の検出器は、同時にアスピリンに応答した。画分収集器は、UV検出器およびELSD検出器からの複合信号に応答して、スクロースおよびアスピリンを分離収集バイアル内に堆積させた。
【0126】
例2
この例において、フラッシュREVELERIS(商標)システム(Grace Vavison Discovery Sciences社から入手できる)が用いられた。ジオクチルフタラートおよびブチルパラベンを含む4mLの混合物が、フラッシュシステム内に取り付けられた4g GRACERESOLV(商標) C18フラッシュカートリッジ(Grace Vavison Discovery Sciences社から入手できる)内に注入された。ALLTECH(登録商標)model 300LCポンプを用いて、80/20のメタノール/水 可動フェーズがポンプされた。カラム流出物は、本明細書で説明されたシャトルバルブに導かれ、シャトルバルブは、カラム流出物を300uL/minでALLTECH(登録商標)3300ELSDに導いた。流出物の残りは、Ocean Optics UV検出器を通して、Gilson画分収集器に流れた。
【0127】
この2つの成分混合物は、非発色性化合物(UV光を吸収しない物質)と発色性化合物である。非発色性化合物は、フラッシュカートリッジから初めに抽出される。図11は、クロマトグラムを示し、これはELSDだけがサンプル中の全ての成分を同定することを示しており、クロマトグラム中の2つのピークに証拠付けられる。UV検出器は、2つの波長において、非発色性化合物を同定しない(ELSDで最初のピークとして同定される)。ELSD信号だけが、画分収集器を適切に制御でき、両方の化合物を捕獲できるであろう。(従来のフラッシュシステムの場合のように、)UV検出器が画分収集器を駆動する場合、第1の化合物は廃棄部へ送られて不適切に収集容器に堆積させられ、これらの画分が所望のサンプルを含むという知見が得られない。従来のフラッシュ装置において、UV検出器が同定できなかった物質を探すために、クロマトグラフィー分離の後に、全ての画分は薄層クロマトグラフィー(TLC)によりスクリーニングされる。この例は、本発明によりELSDを備えるフラッシュ装置は、分離後のRLCスクリーニングを必要とせずに、発色性化合物および非発色性化合物の両方を同定して分離できることを示している。
【0128】
本発明が限られた数の実施形態とともに説明されてきたが、これらの特定の実施形態は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。本明細書の例示的な実施形態を参照することにより、当業者は、さらなる修正形態、等価な形態、および変形例が可能であることを認識するであろう。例の中のあらゆる部分、パーセンテージは、明細書の他の部分と同様に、特に明示しないかぎり重量による。さらに、特定の性質、計測単位、条件、物理状態、割合を示すように明細書または請求項に記載された数値の範囲は、参照により文字通りに明示的に統合することを意図しており、この範囲内の数値は記載された範囲内の任意の部分集合を含む。たとえば、下限RLおよび上限RUをともなう数値範囲が開示されているときは、この範囲内の任意の数Rが明確に開示されている。特に、以下の範囲の数値Rが特に開示されている。すなわち、R=RL+k(RU−RL)が開示されており、ここで、kは1%から100%までの範囲の1%刻みの変数であり、たとえば、kは1%、2%、3%、4%、5%...50%、51%、52%...95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。さらに、上述のように計算される、Rの任意の2つの値により示される任意の数値範囲が開示されている。これらの開示に加えて、本発明の任意の修正は、以上の説明および添付の図面から当業者に明らかである。このような修正形態は、添付の特許請求の範囲内にあることを意図している。本明細書で引用された文献はすべて本明細書に統合される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)液体クロマトグラフィーシステム内の2つまたはそれ以上の検出器から複合信号を発生させるステップを有し、前記複合信号は各検出器からの検出応答成分を有し、
(b)前記方法は、前記複合信号の変化に応じて、画分収集器内に新しいサンプル画分を収集するステップを有する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記複合信号を発生させるステップは、
(a)(i)検出器応答値、(ii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜(すなわち、与えられた検出器応答の1次微分)、(iii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜の変化(すなわち、与えられた検出器応答の2次微分)、または(iv)各検出器からの(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を数学的に相関させるステップを有する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記複合信号は、(i)与えられた時間における各検出器の検出器応答時間の積、(ii)与えられた時間における検出器応答の1次微分の積、(iii)与えられた時間における検出器応答の2次微分の積、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記方法はさらに、
(a)2つまたはそれ以上の光学波長でサンプルを観察し、2つまたはそれ以上の光学波長における2つまたはそれ以上の検出器応答を生成するために、少なくとも1つの検出器を用いるステップを有し、前記複合信号は、2つまたはそれ以上の光学波長における2つまたはそれ以上の検出器応答からの、検出応答成分を有する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、2つまたはそれ以上の光学波長を観察する少なくとも1つの検出器は、少なくとも1つのUV検出器を有し、前記複合信号は、(i)前記UV検出器の2つまたはそれ以上の光学波長における2つまたはそれ以上の検出器応答からの検出応答成分、および(ii)蒸発性光散乱検出器(ELSD)からの検出応答成分、を有する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、複合信号は、(i)少なくとも1つのUV検出器からの検出応答成分、および(ii)少なくとも1つの蒸発性光散乱検出器(ELSD)からの検出応答成分、を有する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、さらに
(a)少なくとも1つの検出器と流体連通するように位置決めされる、(i)スプリッタポンプ、(ii)シャトルバルブ、または(iii)(i)と(ii)との両方、を介して、液体クロマトグラフィーシステム内の前記少なくとも1つの検出器へ流体流れを能動的に制御するステップ、を有する方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、さらに
少なくとも1つの検出器と流体連通するように位置決めされるシャトルバルブを介して、液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御するステップ、を有する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記少なくとも1つの検出器は、蒸発性光散乱検出器(ELSD)を有する、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、さらに、
(a)前記シャトルバルブから前記少なくとも1つの検出器へサンプルアリコットを輸送するために、空気を用いるステップを有する、方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、前記シャトルバルブは、前記少なくとも1つの検出器へ輸送するために、10秒ごとに少なくとも1サンプルアリコットのサンプリング周波数で、サンプルからサンプルアリコットを取り除く、方法。
【請求項12】
サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)2つまたはそれ以上の光学波長でサンプルを観察するために、少なくとも1つの検出器を用いるステップと、
(b)(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出器応答の変化、または(iii)前記第1波長および前記第2波長における検出器応答により表現される複合応答の変化、に応じて、画分収集器に新しいサンプル画分を収集するステップと、を有する、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、さらに、
(a)(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出器応答の変化、および(iii)前記第1波長および前記第2波長における検出器応答により表現される複合応答の変化、に応じて、前記画分収集器に新しい画分を収集するステップ、を有する、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、さらに、
(a)吸収スペクトルの範囲にわたってn個の波長でサンプルを観察するために、少なくとも1つの検出器内のn個のセンサを用いるステップを有し、nは1より大きい整数であり、
(b)前記方法は、(i)前記n個のセンサからのn個の検出器応答のうちのいずれか1つの変化、または(ii)前記n個の検出器応答により表現される複合応答の変化、に応じて、前記サンプル画分収集器内に新しいサンプル画分を収集するステップを、有する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記吸収スペクトルの範囲は、紫外(UV)領域である、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、前記システムは、n個のセンサだけを有するまたは1つ以上の追加の検出器と組み合わされた、単一のUV検出器を有する、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であって、さらに、
(a)少なくとも1つの検出器と流体連通するように位置決めされる、(i)スプリッタポンプ、(ii)シャトルバルブ、または(iii)(i)および(ii)の両方、を介して、液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器へ流体流れを能動的に制御するステップ、を有する、方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法であって、さらに、
(a)少なくとも1つの検出器に流体連通するように位置決めされるスプリッタポンプを介して、液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器へ流体流れを能動的に制御するステップ、を有する、方法。
【請求項19】
サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)(i)クロマトグラフィーカラム、(ii)画分収集器、および(iii)第1
検出器、を有する液体クロマトグラフィーシステムを提供するステップと、
(b)(iv)前記第1検出器と流体連通するように位置決めされる、スプリッタポンプまたはシャトルバルブを介して、前記第1検出器への流体流れを能動的に制御するステップと、を有する、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記第1検出器へ流体流れを能動的に制御するステップは、
(a)(i)前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブを駆動し、(ii)前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブを停止し、(iii)前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブの1つまたはそれ以上の流量または圧力の設定を変更し、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせを行うために、前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブに駆動信号を送るステップ、を有する、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、1つまたはそれ以上の流量または圧力の設定は、(i)バルブ位置、(ii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブの圧力、(iii)バルブへの空気圧、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有する、方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、前記駆動信号は、電気信号、気体信号、ディジタル信号、または無線信号を有する、方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であって、前記第1検出器への流体流れを能動的に制御するステップは、前記スプリッタポンプを介して、前記第1検出器へ流体をポンプ輸送するステップを有する、方法。
【請求項24】
請求項19に記載の方法であって、前記第1検出器への流体流れを能動的に制御するステップは、前記スプリッタポンプを介して、前記第1検出器から流体を汲み上げるステップを有する、方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法であって、前記第1検出器への流体流れを能動的に制御するステップは、シャトルバルブを介して前記第1検出器へ1つまたはそれ以上のサンプルアリコットを提供するステップを有する、方法。
【請求項26】
請求項19に記載の方法であって、前記液体クロマトグラフィーシステムはさらに、(v)第2検出器を有し、前記第1検出器への流体流れを能動的に制御するステップは、前記第1検出器と前記第2検出器との間で流体流れを分割するステップを有する、方法。
【請求項27】
請求項19に記載の方法であって、前記液体クロマトグラフィーシステムは、さらに、(v)第2検出器を有し、前記方法はさらに、
(a)前記第検出器がサンプル内の成分を検出することに応じて、前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブに、前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブが前記第1検出器への流体流れを開始または停止させるように指示する信号を送るステップ、を有する、方法。
【請求項28】
請求項19に記載の方法であって、前記液体クロマトグラフィーシステムはさらに(v)第2検出器、および(vi)第2スプリッタポンプまたは第2シャトルバルブを有し、前記方法はさらに、
(a)前記第2スプリッタポンプまたは前記第2シャトルバルブを介して、前記第2検出器への流体流れを能動的に制御するステップ、を有する、方法。
【請求項29】
請求項19に記載の方法であって、さらに、
(a)前記第1検出器からの1つまたはそれ以上の信号に応じて、1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するステップを有する、方法。
【請求項30】
請求項26に記載の方法であって、さらに、
(a)(i)前記第1検出器、(ii)前記第2検出器、または(iii)前記第1検出器および前記第2検出器の両方、からの1つまたはそれ以上の検出器信号に応じて、1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するステップ、を有する方法。
【請求項31】
請求項26に記載の方法であって、前記液体クロマトグラフィーシステムは、1つまたはそれ以上の非破壊式検出器を備えて破壊式の検出器を備えない、非破壊式システムである、方法。
【請求項32】
請求項19に記載の方法であって、さらに、
(a)少なくとも1つの検出器から検出器信号を発生させるステップを有し、前記検出器信号は、(i)時間の関数としての検出器応答の傾斜(すなわち、検出器応答の1次微分)、(ii)時間の関数としての検出器応答の傾斜の変化(すなわち、検出器応答の2次微分)、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)少なくとも(i)または(ii)を含む(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、に応答して発生させられる、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、前記少なくとも1つの検出器から検出器信号を発生させるステップは、
(a)(i)時間に関する傾斜データ、(ii)時間に関する傾斜データの変化、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、の実際の変化を、検出器応答において起こり得るノイズから識別するために、(i)時間に関する傾斜データ、(ii)時間に関する傾斜データの変化、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、をローパス数値フィルタ処理するステップを有する、方法。
【請求項34】
請求項26に記載の方法であって、さらに、
(a)各検出器からの検出器応答成分を有する複合信号を発生させるステップと、
(b)前記複合信号に応じて、新しいサンプル画分を収集するステップと、を有する、方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、前記複合信号を発生させるステップは、
(a)(i)検出器応答値、(ii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜(すなわち、与えられた検出器応答の1次微分)、(iii)時間の関数としてい与えられた検出器応答の傾斜の変化(すなわち、与えられた検出器応答の2次微分)、または(iii)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を数学的に相関させるステップを有する、方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法であって、前記複合信号は、(i)与えられた時間における各検出器の検出器応答値の積、(ii)与えられた時間における検出器応答の1次微分の積、(iii)与えられた時間における検出器応答の2次微分の積、(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有する、方法。
【請求項37】
請求項19に記載の方法であって、前記液体クロマトグラフィーシステムは、(i)検出器応答の検出と(ii)前記検出応答から発生させられる信号に基づいてサンプル画分を収集するステップとの間の最大時間遅れは、約2.0秒より小さい、方法。
【請求項38】
サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)(i)クロマトグラフィーカラム、(ii)システム内に破壊式検出器を備えない2つまたはそれ以上の非破壊式検出器、及び(iii)前記2つまたはそれ以上の非破壊式検出器と流体連通する画分収集器、を有する、非破壊式システムの液体クロマトグラフィーシステムを提供するステップと、
(b)前記2つまたはそれ以上の非破壊式検出器からの検出器信号に応じて、1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するステップと、を有する方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であて、さらに、
(a)各検出器からの検出応答成分を有する複合信号を発生させるステップと、
(b)前記複合信号の変化に応じて、新しいサンプル画分を収集するステップと、を有する方法。
【請求項40】
請求項38に記載の方法であて、さらに、
(a)少なくとも1つの非破壊式検出器と流体連通するように位置決めされるスプリッタポンプを介して、少なくとも1つの非破壊式検出器への流体流れを能動的に制御するステップ、を有する方法。
【請求項41】
サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器から検出器信号を発生させるステップを有し、前記検出器信号は、(i)時間の関数と指定の検出器応答の傾斜(すなわち検出器応答の1次微分)、(ii)時間の関数としての検出器応答の傾斜の変化(すなわち検出器応答の2次微分)、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)少なくとも(i)または少なくとも(ii)を含む、(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、に応じて発生させられ、
(b)前記方法は、前記少なくとも1つの検出器からの少なくとも1つの検出器信号に応じて、1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するステップ、を有する方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法であって、前記少なくとも1つの検出器から検出器信号を発生させるステップは、さらに、
(a)(i)時間に関する傾斜データ、(ii)時間に関する傾斜データの変化、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、の実際の変化を、検出器応答中の発生しうるノイズから識別するために、(i)時間に関する傾斜データ、(ii)時間に関する傾斜データの変化、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を数値フィルタリング処理するステップ、を有する方法。
【請求項43】
請求項41に記載の方法であって、前記液体クロマトグラフィーシステムは、2つまたはそれ以上の検出器を有する、方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法であって、さらに、
(a)各検出器からの検出応答成分を含む複合信号を発生させるステップと、
(b)前記複合信号の変化に応じて、新しいサンプル画分を収集するステップと、を有する方法。
【請求項45】
請求項41に記載の方法であって、さらに、
(a)少なくとも1つの検出器と流体連通するように位置決めされる、(i)スプリッタポンプおよび(ii)シャトルバルブの少なくとも一方を介して、液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御するステップを有
する、方法。
【請求項46】
サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)液体クロマトグラフィーシステムの画分収集器内にサンプル画分を収集するステップを有し、前記画分収集器は、少なくとも1つの検出器からの1つまたはそれ以上の信号を認識し、受信し、および処理して、前記1つまたはそれ以上の信号に基づいて1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するように構成される、方法。
【請求項47】
請求項1乃至46のいずれか一項に記載の方法であって、液体クロマトグラフィーシステムは、少なくとも1つのUV検出器、少なくとも1つの蒸発性光散乱検出器(ELSD)、少なくとも1つの質量スペクトル計、少なくとも1つの凝集核形成光散乱検出器(CNLSD)、少なくとも1つのコロナ放電検出器、少なくとも1つの屈折率検出器(RID)、少なくとも1つの蛍光検出器(FD)、少なくとも1つのカイラル検出器(CD)、およびこれらの任意の組み合わせ、から選択される少なくとも1つの検出器を有する、方法。
【請求項48】
請求項1乃至47のいずれか一項に記載の方法のステップの1つまたはそれ以上を実行するための、コンピュータが実行可能な命令が格納された、コンピュータで読取り可能な媒体。
【請求項49】
請求項1乃至47のいずれか一項に記載の方法を用いてサンプルを分析することができる装置。
【請求項50】
請求項1乃至47のいずれか一項に記載の方法を用いるサンプルの分析に貢献することができる、装置または装置コンポーネント。
【請求項51】
請求項48に記載のコンピュータで読取り可能な媒体を用いて、サンプルの分析に貢献することができる装置または装置コンポーネント。
【請求項52】
サンプルを分析する装置であって、前記装置は、
(a)液体クロマトグラフィーシステム内の2つまたはそれ以上の検出器から複合信号を発生させるように構成されたシステムハードウェアを有し、前記複合信号は、各検出器からの検出応答成分を有し、
(b)前記装置は、前記複合信号の変化に応じて、新しいサンプル画分を収集するように構成される画分収集器、を有する、装置。
【請求項53】
請求項52に記載の装置であって、前記複合信号は、(i)検出器応答値、(ii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜(すなわち与えられた検出器応答の1次微分)、(iii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜の変化(すなわち与えられた検出器応答の2次微分)、または(iv)各検出器からの(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、の間の数学的な相関を有する、装置。
【請求項54】
請求項52に記載の装置であって、前記複合信号は、(i)与えられた時間における各検出器の検出器応答値の積、(ii)与えられた時間における検出器応答の1次微分の積、(iii)与えられた時間における検出器応答の2次微分の積、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有する、装置。
【請求項55】
請求項52に記載の装置であって、前記装置は、2つまたはそれ以上の波長でサンプルを観察するように構成される2つまたはそれ以上の検出器と、(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出器応答の変化、または(iii)前記第
1波長および前記第2波長における検出器応答により表現される複合応答の変化、に応じて前記サンプル画分収集器が新しいサンプル画分を収集することを可能にするシステムハードウェハと、を有する方法。
【請求項56】
請求項52に記載の装置であって、前記装置はさらに、少なくとも1つの検出器に流体連通するように位置決めされ且つ少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御する、スプリッタポンプまたはシャトルバルブ、を有する、装置。
【請求項57】
請求項52に記載の装置であって、前記装置はさらに、少なくとも1つの検出器に流体連通するように位置決めされ且つ少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御する、シャトルバルブ、を有する、装置。
【請求項58】
請求項57に記載の装置であって、前記少なくとも1つの検出器は、蒸発性光散乱検出器(ELSD)を有する、装置。
【請求項59】
請求項52に記載の装置であって、前記装置はさらに、ガスまたは液体供給部を有し、前記ガスまたは液体供給部は、シャトルバルブから少なくとも1つの検出器へサンプルアリコットを輸送するように構成される、装置。
【請求項60】
請求項59に記載の装置であって、前記シャトルバルブは、10秒毎に少なくとも1サンプルのサンプリング周波数で、少なくとも1つの検出器へ輸送するために、サンプルからサンプルアリコットを取り除くようにプログラムされる、装置。
【請求項61】
サンプルを分析する装置であって、前記装置は、
(a)2つまたはそれ以上の光学波長でサンプルを観察するように構成される少なくとも1つの検出器と、
(b)(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出器応答の変化、または(iii)前記第1波長および前記第2波長で表現される複合応答の変化、に応じて、新しいサンプルを収集するように構成されるサンプル画分収集器と、を有する装置。
【請求項62】
請求項61に記載の装置であって、前記画分収集器は、(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出器応答の変化、および(iii)前記第1波長および前記第2波長で表現される複合応答の変化、に応じて、新しいサンプルを収集するように構成される、装置。
【請求項63】
請求項61に記載の装置であって、前記少なくとも1つの検出器は、吸収スペクトルの範囲にわたるn個の波長でサンプルを観察するように構成されるn個のセンサを有し、ここでnは1より大きい整数であり、前記画分収集器は、(i)前記n個のセンサからの検出器応答の任意の1つの変化、または(ii)n個の検出器応答により表現される複合応答の変化、に応じて、新しいサンプルを収集するように構成される、装置。
【請求項64】
請求項63に記載の装置であって、前記吸収スペクトルの範囲は紫外(UV)領域である、装置。
【請求項65】
請求項63に記載の装置であって、前記システムは、n個のセンサだけを備えるまたは1つまたはそれ以上の追加の検出器との組み合わせた、単一のUV検出器を有する、装置。
【請求項66】
請求項61に記載の装置であって、さらに、液体クロマトグラフィーシステム内の少な
くとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御するために、(i)スプリッタポンプおよび(ii)シャトルバルブの少なくとも一方を有する、装置。
【請求項67】
請求項66に記載の装置であって、液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御するために、少なくとも1つのシャトルバルブを有する、装置。
【請求項68】
請求項67に記載の装置であって、前記少なくとも1つの検出器は蒸発性光散乱検出器(ELSD)を有する、装置。
【請求項69】
サンプルを分析するための装置であって、前記装置は、
(a)クロマトグラフィーカラムと、
(b)画分収集器と、
(c)第1検出器と、
(d)前記第1検出器と流体連通するように位置決めされるスプリッタポンプまたはシャトルバルブと、を有し、前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブは、前記第1検出器への流体流れを能動的に制御するように構成される、装置。
【請求項70】
請求項69に記載の装置であって、さらに、前記第1検出器が前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブに駆動信号を送り、(i)前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブを駆動、(ii)前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブを停止し、(iii)前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブの1つまたはそれ以上の流量または圧力の設定を変更し、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせを行う、ことを可能にする、システムハードウェアを有する、装置。
【請求項71】
請求項70に記載の装置であって、前記1つまたはそれ以上の流量または圧力の設定は、(i)バルブ位置、(ii)スプリッタポンプまたはシャトルバルブの圧力、(iii)バルブへの空気圧力、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有する、装置。
【請求項72】
請求項70に記載の装置であって、駆動信号は、電気信号、気体信号、ディジタル信号、または無線信号、を有する、装置。
【請求項73】
請求項69に記載の装置であって、前記スプリッタポンプは、T部と第1検出器との間に位置決めされる、装置。
【請求項74】
請求項69に記載の装置であって、前記第1検出器は、T部と前記スプリッタポンプとの間に位置決めされる、装置。
【請求項75】
請求項69に記載の装置であって、さらに、
(e)第2検出器、を有する装置。
【請求項76】
請求項75に記載の装置であって、前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブは、前記第1検出器と前記第2検出器との間で流体流れの容積を分割する、装置。
【請求項77】
請求項75に記載の装置であって、サンプル中の検出成分に応じて、第2検出器は、前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブに、前記スプリッタポンプまたは前記シャトルバルブが前記第1検出器への流体流れを開始または停止させる信号を送るように構成される、装置。
【請求項78】
請求項69に記載の装置であって、さらに、
(f)第2T部の第2出口に流体連通する第2検出器と、
(g)(vi)第2スプリッタポンプまたは第2シャトルバルブと、を有し、前記第2スプリッタポンプまたは前記第2シャトルバルブは、前記第2検出器への流体流れを能動的に制御する、装置。
【請求項79】
請求項69に記載の装置であって、画分収集器は、第1検出器からの1つまたはそれ以上の信号に応じて、1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するように構成される、装置。
【請求項80】
請求項75に記載の装置であって、画分収集器は、(i)第1検出器、(ii)第2検出器、または(iii)第1検出器と第2検出器との両方、からの1つまたはそれ以上の検出器信号に応じて、1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集する、装置。
【請求項81】
請求項75に記載の装置であって、前記装置は、1つまたはそれ以上の非破壊式検出器を備えシステム内に破壊式検出器を備えない、非破壊式システムである、装置。
【請求項82】
請求項69に記載の装置であって、さらに、システムハードウェアを有し、前記システムハードウェアは、少なくとも1つの検出器からの検出器信号の発生を可能にし、前記検出器信号は、(i)時間の関数としての検出器応答の傾斜(すなわち、検出器応答の1次微分)、(ii)時間の関数と指定の検出器応答の傾斜の変化(すなわち、検出応答の2次微分)、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)少なくとも(i)または少なくとも(ii)を有する(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、に応じて生成される、装置。
【請求項83】
請求項82に記載の装置であって、前記システムハードウェハは、(i)時間に関する傾斜データ、(ii)時間に関する傾斜の変化、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、の実際の変化を、検出器応答内の存在し得るノイズから識別するために、(i)時間に関する傾斜データ、(ii)時間に関する傾斜の変化、(iii)随意選択として、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、をローパス数値フィルタリング処理することを可能にする、装置。
【請求項84】
請求項75に記載の装置であって、さらにシステムハードウェアは、各検出器からの検出器応答成分を有する複合信号の発生を可能にする、前記システムハードウェアは、前記複合信号の変化に応じて、画分収集器に新しいサンプル画分を収集させる命令を送るように構成される、装置。
【請求項85】
請求項85に記載の装置であって、前記複合信号は、(i)検出器応答値、(ii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜(すなわち与えられた検出応答の1次微分)、(iii)時間の関数として与えられた検出応答の傾斜の変化(すなわち与えられた検出応答の2次微分)、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、との間に数学的な相関を有する、装置。
【請求項86】
請求項84に記載の装置であって、前記複合信号は、(i)与えられた時間における各検出器の検出器応答値の積、(ii)与えられた時間における検出器応答の1次微分の積、(iii)与えられた時間における検出器応答の2次微分の積、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有する装置。
【請求項87】
請求項69に記載の装置であって、前記装置は、2つまたはそれ以上の光学波長でサン
プルを観察するように構成される少なくとも1つの検出器を有し、前記装置は、システムハードウェアを有し、前記システムハードウェアは、(i)第1波長における検出器応答の変化、(ii)第2波長における検出応答の変化、または(iii)前記第1波長および前記第2波長により表現される複合検出応答の変化、に応じて、前記画分収集器が、新しいサンプル画分を収集することを可能にする、装置。
【請求項88】
請求項69に記載の装置であって、前記装置は、吸収スペクトルの範囲にわたってm個の波長でサンプルを観察するように構成されるn個のセンサを備える単一の検出器を有し、nは1より大きい整数であり、前記装置は、前記画分収集器が(i)n個のUV波長におけるn個の検出器応答の任意の1つの変化、(ii)n個の検出器応答により表現される複合信号の変化、に応じて新しいサンプル画分を収集することができるようにするシステムハードウェアを有する、装置。
【請求項89】
請求項69に記載の装置であって、前記画分収集器は、少なくとも1つの検出器からの1つまたはそれ以上の信号を認識し、受信し、処理して、前記1つまたはそれ以上の信号に基づいて1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するように構成される、装置。
【請求項90】
請求項70に記載の装置であって、前記装置は、(i)検出器応答の検出と(ii)前記検出器応答から生成される信号に基づくサンプル画分の収集のステップとの間の最大時間遅れが、約2.0秒未満である、装置。
【請求項91】
サンプルを分析するための装置であって、前記装置は、
(a)液体クロマトグラフィーシステム内の少なくとも1つの検出器からの検出器信号の生成を可能にするシステムハードウェアを有し、前記検出器信号は、(i)時間の関数としての検出器応答の傾斜(すなわち、検出器応答の1次微分)、(ii)時間の関数としての検出器応答の傾斜の変化(すなわち、検出器応答の2次微分)、または(iii)少なくとも(i)または少なくとも(ii)を含む(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、に応じて、発生させられる、装置。
【請求項92】
請求項91に記載の装置であて、前記システムハードウェアは、(i)時間に関する傾斜データ、(ii)時間に関する傾斜データの変化、(iii)随意選択で、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を前記検出器応答の存在し得るノイズから識別するために、(i)時間に関する傾斜データ、(ii)時間に関する傾斜データの変化、(iii)随意選択で、検出器応答値の閾値、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、をローパス数値フィルタリング処理をする、装置。
【請求項93】
請求項91に記載の装置であって、前記装置はさらに、少なくとも1つの検出器からの検出器信号に応じて1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するように構成される画分収集器を有する、装置。
【請求項94】
請求項91に記載の装置であって、前記装置は2つまたはそれ以上の検出器を有する、装置。
【請求項95】
請求項94に記載の装置であって、前記システムハードウェアは、各検出器からの検出器応答を有する複合信号を生成することができる、装置。
【請求項96】
請求項95に記載の装置であって、前記複合信号は、(i)検出器応答値、(ii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜(すなわち、与えられた検出器応答の1次微分)、(iii)時間の関数として与えられた検出器応答の傾斜の変化(すなわち、与え
られた検出器応答の2次微分)、または(iv)各検出器からの(i)から(iii)までに任意の組み合わせ、の間に数学的な相関がある、装置。
【請求項97】
請求項95に記載の装置であって、前記複合信号は、(i)与えられた時間における各検出器の検出器応答値の積、(ii)与えられた時間における検出器応答値の1次微分の積、(iii)与えられた時間における検出器応答の2次微分の積、または(iv)(i)から(iii)までの任意の組み合わせ、を有する、装置。
【請求項98】
請求項95に記載の装置であって、前記装置はさらに、前記複合信号の変化におうじて新しいサンプル画分を収集する画分収集器を有する、装置。
【請求項99】
請求項91に記載の装置であって、前記装置は、(i)クロマトグラフィーカラムと、(ii)2つまたはそれ以上の非破壊式検出器とを有し、前記装置は、システム内に破壊式検出器を含まず、前記装置は、(iii)2つまたはそれ以上の非破壊式検出器と流体連通する画分収集器を有する、装置。
【請求項100】
請求項94に記載の装置であって、前記装置は、少なくとも1つの検出器と流体連通するように位置決めされ、且つ、少なくとも1つの検出器への流体流れを能動的に制御する、スプリッタポンプまたはシャトルバルブを有する、装置。
【請求項101】
サンプルを分析するための装置であって、前記装置は、
(a)液体クロマトグラフィーシステム内の画分収集器を有し、前記画分収集器は、少なくとも1つの検出器からの1つまたはそれ以上の信号を認識し、受信し、処理することができ、また、1つまたはそれ以上の信号に基づいて1つまたはそれ以上のサンプル画分を収集するように構成される、装置。
【請求項102】
請求項52乃至101のいずれか一項に記載の装置であって、前記装置は、少なくとも1つのUV検出器、少なくとも1つの蒸発性光散乱検出器(ELSD)、少なくとも1つの質量スペクトル計(MS)、少なくとも1つの凝集核形成光散乱検出器(CNLSD)、少なくとも1つのコロナ放電検出器(CDD)、少なくとも1つの屈折率検出器(RID)、少なくとも1つの蛍光検出器(FD)、少なくとも1つのカイラル検出器(CD)、またはこれらの任意の組み合わせ、から選択される少なくとも1つの検出器を有する、装置。
【請求項103】
クロマトグラフィーを用いてサンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)少なくとも1つの非発色性の検出対象物質を有するサンプルを観察するための少なくとも1つの検出器を用いるステップと、
(b)前記非発色性物質の検出器応答の変化に応じて、新しいサンプル画分を画分収集器内に収集するステップと、を有する方法。
【請求項104】
請求項103に記載の方法であって、前記サンプルは非発色性の可動フェーズを有する、方法。
【請求項105】
クロマトグラフィーを用いて流体サンプルを分析するための装置であって、前記装置は、
(a)サンプル中の発色性物質および非発色性物質を検出することができる少なくとも1つの検出器と、
(b)前記非発色性物質の検出器応答の変化に応答することができる画分収集器と、を有する装置。
【請求項106】
請求項105に記載の装置であって、前記サンプルは非発色性の可動フェーズを有する、装置。
【請求項107】
クロマトグラフィーを用いて流体サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)第1流体を提供するステップと、
(b)前記第1流体の流れ特性に実質的に影響を与えることなく、前記第1流体から流体のアリコットサンプルを取り除くためにシャトルバルブを用いるステップと、
(c)流体の前記アリコットサンプルを観察するために少なくとも1つの検出器を用いるステップと、
(d)検出器応答の変化に応じて、前記第1流体からの新しいサンプル画分を画分収集器に収集するステップと、を有する方法。
【請求項108】
請求項107に記載の方法であって、前記シャトルバルブを通る前記第1流体の流れは実質的に層流である、方法。
【請求項109】
請求項107に記載の方法であって、前記シャトルバルブを通る前記第1流体の圧力は、実質的に増加せず、または実質的に一定である、方法。
【請求項110】
請求項107に記載の方法であって、前記方法はさらに、流体のアリコットサンプルを前記検出器へ運ぶ第2流体を有する、方法。
【請求項111】
請求項107に記載の方法であって、前記シャトルバルブを通る前記第2流体の流れは実施的に層流である、方法。
【請求項112】
請求項107に記載の方法であって、前記シャトルバルブを通る前記第2流体の圧力は、実質的に増加せず、または実質的に一定である、方法。
【請求項113】
クロマトグラフィーを用いて流体サンプルを分析するための装置であって、前記装置は、
(a)第1流体通路と、
(b)流体のサンプルを分析することができる少なくとも1つの検出器と、
(c)前記第1流体通路を通る流体の流れ特性に実質的に影響を与えることなく、前記第1流体流れ通路から前記検出器へアリコットを輸送するシャトルバルブと、を有する装置。
【請求項114】
請求項113に記載の装置であって、前記シャトルバルブを通る前記第1流体通路の少なくとも一部は、実質的に線形または真っ直ぐである、装置。
【請求項115】
請求項113に記載の装置であって、前記第1流体通路を通る流体の圧力は、実質的に増加しない、または実質的に一定である、装置。
【請求項116】
請求項113に記載の装置であって、前記装置はさらに、前記検出器へ流体のアリコットサンプルを運ぶ第2流体通路を有する、装置。
【請求項117】
請求項116に記載の装置であって、前記シャトルバルブを通る前記第2流体通路の少なくとも一部は、実質的に線形または真っ直ぐである、装置。
【請求項118】
請求項116に記載の装置であって、前記第2流体通路を通る流体の圧力は、実質的に増加しない、または実質的に一定である、装置。
【請求項119】
請求項113に記載の装置であって、前記装置はアリコットディンプルを有し、前記第1流体通がアリコットディンプルに実質的に平行である、装置。
【請求項120】
クロマトグラフィーを用いた流体サンプルの分析のための装置であって、前記装置は、
(a)第1流体通路と、
(b)第2流体通路と、
(c)前記サンプルを分析することができる少なくとも1つの検出器と、
(d)シャトルバルブを通る連続な第2流体通路を維持しつつ、前記第1流体通路から前記第2流体通路へアリコットサンプルを輸送するシャトルバルブと、を有する装置。
【請求項121】
請求項120に記載の装置であって、前記シャトルバルブを通る前記第1流体通路内のおよび/または前記第2流体通路内の圧力は、実質的に増加せずおよび/または実質的に一定である、装置。
【請求項122】
請求項120に記載の装置であって、前記装置はアリコットディンプルを有し、前記第1流体通路は実質的に前記アリコットディンプルに平行である、装置。
【請求項123】
クロマトグラフィーを用いて流体サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)クロマトグラフィーカラムからの流出物の第1流体を提供するステップと、
(b)サンプルを少なくとも1つの検出器へ運ぶための第2流体を提供するステップと、
(c)シャトルバルブを通る第2流体の連続な流れ通路を維持しつつ、前記第1流体から前記第2流体へアリコットサンプルを取り除くためにシャトルバルブを用いるステップと、
(d)前記アリコットサンプルを観察するために少なくとも1つの検出器を用いるステップと、
(e)検出器応答の変化に応じて、前記第1流体から新しいサンプル画分を画分収集器内に収集するステップと、を有する方法。
【請求項124】
請求項123に記載の方法であって、前記第1流体からアリコットサンプルが取り除かれて前記第2流体へ輸送されるときに、前記シャトルバルブを通る前記第1流体の連続な流れ通路が維持される、方法。
【請求項125】
請求項123に記載の方法であって、アリコットサンプルが第1流体から取り除かれて前記第2流体へ輸送されるときに、前記第1流体および前記第2流体の連続な流れ通路が維持される、方法。
【請求項126】
クロマトグラフィーを用いた流体サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)サンプルを含む流れを提供するステップと
(b)一般的なキャリア流体を用いて前記流れからサンプルのアリコットを取り除くステップと、
(c)前記一般的なキャリア流体中のアリコとを分析する少なくとも1つの検出器を用いるステップと、
(d)前記一般的なキャリア流体は、有機溶媒および水に混和でき、揮発性でなく、また、非発色性である、ガスまたは液体を有する、方法。
【請求項127】
請求項126に記載の方法であって、前記キャリア流体は、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物、を含む、方法。
【請求項128】
請求項126に記載の方法であって、前記キャリア流体はイソプロピルアルコールを有する、方法。
【請求項129】
フラッシュクロマトグラフィーを用いて流体サンプルを分析するための装置であって、前記装置は、
(a)サンプル内の個別の物質を検出することができる蒸発性粒子検出器と、
(b)検出された物質の検出器応答の変化に応答することができる画分収集器と、を有し、
(c)前記蒸発性粒子検出器は、前記装置中の唯一の検出器である、装置。
【請求項130】
請求項129に記載の装置であって、前記蒸発性粒子検出器は、化学組成、化学構造、分子量、またはこれらの組み合わせを検出することができる、装置。
【請求項131】
請求項129に記載の装置であって、前記蒸発性粒子検出器は、ELSD、CNLSD、または質量スペクトル計を有する、装置。
【請求項132】
フラッシュクロマトグラフィーを用いて流体サンプルを分析する方法であって、前記方法は、
(a)サンプルを観察するための、個別の物質を検出することができる蒸発性粒子検出器を用いるステップと、
(b)物質の検出器応答の変化に応じて、新しいサンプル画分を画分収集器内に収集するステップと、を有し、
(c)前記蒸発性粒子検出器は、サンプルを分析するために用いられる唯一の検出器である、方法。
【請求項133】
請求項132に記載の装置であって、前記蒸発性粒子検出器は、化学組成、化学構造、分子量、またはこれらの組み合わせを検出することができる、方法。
【請求項134】
請求項132に記載の装置であって、前記蒸発性粒子検出器は、ELSD、CNLSD、または質量スペクトル計を有する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−11615(P2013−11615A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−199088(P2012−199088)
【出願日】平成24年9月11日(2012.9.11)
【分割の表示】特願2010−528007(P2010−528007)の分割
【原出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(508270602)オールテック・アソシエイツ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】