サンプル保持プレートおよびそれを形成する方法ならびにそれを操作するための支持操作構造(マイクロ流体パッケージ化)
【課題】 マイクロウェルおよびマイクロチャネルを備えたセラミック・デバイスと、それを形成するための方法を提供することにある。
【解決手段】 製薬業界で材料を混合し試験する際に使用するためのプレート(100)は、サンプル・セル(110)のアレイが最下部シート内の水平通路(126)によって接続された2つの垂直開口部(121、123)を有するU型構造を含み、試薬が毛管作用によって垂直通路内に引き込まれて、水平通路内で反応するという方法によって形成される。本発明の任意選択のバージョンは、すすぎ流体を収容するための比較的大きいリザーバ(680)を含む。
【解決手段】 製薬業界で材料を混合し試験する際に使用するためのプレート(100)は、サンプル・セル(110)のアレイが最下部シート内の水平通路(126)によって接続された2つの垂直開口部(121、123)を有するU型構造を含み、試薬が毛管作用によって垂直通路内に引き込まれて、水平通路内で反応するという方法によって形成される。本発明の任意選択のバージョンは、すすぎ流体を収容するための比較的大きいリザーバ(680)を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的/化学的相互作用のための多くの化合物を同時に試験する分野に関する。特に、本発明は、薬物相互作用を試験するための装置/構造および方法である。
【背景技術】
【0002】
薬物発見の効率を改善するために、主な製薬会社は、潜在的な薬物候補の評価のために高スループット・スクリーニング(HTS:high-throughput screening)技法を実現した。高スループット・スクリーニングでは、化学物質B1〜Bn(たとえば、分子ライブラリから取られた化合物)との反応性について、試薬セットA(たとえば、適切な検定試薬を有する生物学的標的)を試験するが、この場合、nは数百万台の大きい数にすることができる。高スループット・スクリーニングは、急速かつ並行して多数の化合物の試験を可能にするものである。現在の努力は、微量検定プレート(microtiter plate)またはマイクロプレート(microplate)として知られるプラスチック消耗品の使用に関して標準化されている。1組の物質B1〜Bnをこのようなマイクロプレート内に整列させることができ、次に、特定の生物学的標的との相互作用について試験する化学物質を含むことができる試薬セットAをBnのそれぞれと混合することができる。次に、検出計測器、たとえば、光学マイクロプレート・リーダを使用して、相互作用を検出することができる。
【0003】
製薬業界は現在、薬物発見効率を改善し、コストを抑えるために、高スループット・スクリーニング技術の改善を必要としている。薬物発見に使用される試薬および化合物は、稀少かつ高価である場合が多く、これにより、より少ない検定量での小型化検定(assay)の開発が促されてきた。微量検定プレートは、様々な標準ウェル(well)・フォーマット(たとえば、プレート当たり96ウェル、384ウェル、および1536ウェル)で市販されており、ウェル寸法は典型的な例では約1〜2ミリメートルから5〜6ミリメートルである。これらのプレートで実行される検定は典型的には、試験箇所当たり10マイクロリットルを超える試薬を使用する。このようなタイプの反応は理論上ではマイクロリットル未満の量の試薬でも実行できるであろうが、現在に至るまで、このような少量検定は普及していない。少量検定の採用を妨げる重要な要因の1つは、信頼できる高性能流体送出(delivery)のための方法が欠けていることである。
【0004】
最近、2002年発行のAnal. Chem.74(24)の6139〜6144ページに掲載されたDavid Juncker、Heinz Schmid、Ute Drechsler、Heiko Wolf、Marc Wolf、Bruno Michel、Nico de Rooij、およびEmmanuel Delamarcheによる「Autonomous Microfluidic Capillary System」には、毛管推進式の微細構造内の複数の試薬の流れを調節するための具体的な設計概念が記載されている。この概念では、試薬の流れは、サービス・ポートへの送出によって開始され、後続メニスカス(trailing meniscus)が毛管保持バルブとして知られるエレメントに到達する点まで流体が排出されると終了する。このフェーズ中の流量は、微細構造の形状および表面特性を設計することによって制御することができる。
【0005】
当技術分野では、微細構造内の液体の位置をある程度制御することができたが、ユーザは高い精度で正確な量の流体をサービス・ポート内に投入する必要がある。
【0006】
より少量の液体を移動させる際の問題点の1つは、従来の手段を使用してサービス・ポートに投入するための精密な量の液体を計量できるかどうかである。単に受け器として作用するのではなく、微細構造が実際に流体の送出を改善できるような方法が必要である。
【0007】
ウェル・アレイはロボット・ハンドラによってある計器から他の計器に運搬される。
【0008】
当業界は、複数ウェル・プレートの機械的寸法を指定するために連合し、たとえば、米国06811コネティカット州ダンベリー・タマラックアヴェニュー36のバイオメディカル・スクリーニング協会のマイクロプレート規格委員会を結成した。
【特許文献1】米国特許出願 第10/605430号
【非特許文献1】2002年発行のAnal. Chem.74(24)の6139〜6144ページに掲載されたDavid Juncker、Heinz Schmid、Ute Drechsler、Heiko Wolf、Marc Wolf、Bruno Michel、Nico de Rooij、およびEmmanuel Delamarcheによる「Autonomous Microfluidic Capillary System」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、マイクロウェルおよびマイクロチャネルを備えたセラミック・デバイスと、それを形成するための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴の1つは、複数の個別化グリーンシートを積層することにより、セラミック構造内にマイクロウェルおよびマイクロチャネルのアレイを形成することである。
【0011】
本発明の一態様では、個々の層の個別化によって開放ウェルおよびチャネルが形成される。
【0012】
本発明の他の態様では、このアレイは、異なる直径を有する複数の垂直ブランチを備えたU型チャネルを有する。
【0013】
本発明の他の態様では、チャネル内の流体送出は、チャネル内の設計形状によって制御される。
【0014】
本発明の他の態様では、流体送出は、粗さのような様々な表面または表面構造体あるいはその両方のパラメータによって制御される。
【0015】
本発明の他の態様では、液量の自己計量(self-metering)は差動(differential)毛管力の使用によって達成される。
【0016】
本発明の他の特徴は、焼結プロセス中にセラミック構造から漏れ出る犠牲材料を使用することである。
【0017】
本発明の他の態様は、焼結プロセス中にチャネル容量を制御することである。
【0018】
本発明の他の態様は、ウェル上で操作が実行される間にプレートを保持し、試験すべきサンプルを保持するためのマイクロウェルを備えたサンプル・プレート用のインターフェース/ホルダに関する。
【0019】
本発明の他の特徴は、保持されているプレートと機械的に接触する1組の支持部と、支持フレームに対してプレートおよび支持部を移動させるための1組のアジャスタを設けることである。
【0020】
本発明の他の特徴は、サンプル・ホルダに気体圧力を加えるためのサンプル・ホルダのアレイと一致するインターフェース・モジュールのアレイである。
【0021】
本発明の他の特徴は、第1のタイプをアレイの第1のサブセットに適用し、アレイを並進させることによって第2のタイプを同じサブセットに適用できるように、2つのタイプのインターフェースが交互に配置されたアレイを設けることである。
【0022】
本発明の他の特徴は、サンプル・ホルダに気体圧力を加えるための手段を点在させた、サンプル・ホルダを光学的に点検するための手段を設けることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施形態用のホルダ/キャリアとともにその一実施形態の斜視図を示している。本発明によるカード100は、試験すべき1組のサンプルを含む流体容器のアレイを含む、比較的薄いプレートである。カード100の全体寸法は、アレイ内の個別モジュールの位置と同様に、業界標準に準拠している。
【0024】
カード100はホルダ10に収まり、そのホルダはカードを位置決めし、流体制御に使用可能な真空および圧力を有し、ロボット材料取り扱い装置に適合するものである。
【0025】
図2は、本発明によるアレイ100の上面図を示している。業界では標準アレイに関する仕様を定義しているが、好ましければ、非標準アレイを使用することもできる。この場合、アレイは48×32個のサブモジュールからなるセットであり、それぞれのサブモジュールは2×2個のユニット・モジュールからなるサブアレイを含んでいる。同図の右下では、サブモジュール110は、後続の図に図示されている4つのユニット・モジュール110−1〜110−4を含んでいる。
【0026】
図3は、4つのユニット・モジュール110−1〜110−4を含んでいるサブモジュール110の詳細を示している。各ユニット・モジュールは、1つの大きい投入ブランチ(input branch)と1つの小さい排出ブランチ(outputbranch)とを備えたU型チャネルを含んでいる。たとえば、投入ブランチは、円122によって示される上部直径と、垂直通路121とを有する。排出ブランチは上部直径124と垂直通路123とを有する。通路123の直径は、図中の便宜のため同じ直径であるものとして示されているが、通路121の対応する直径より小さくてもよい。ブランチのサイズおよびブランチの表面材料は、流体の運動および位置を制御するために、後述するように選択される。
【0027】
再現可能なマイクロ流体デバイスのパフォーマンスを達成するのに役に立つU型形状の使用の新規な一例は、マイクロ流体構造のアクティブ・デバイス領域内に不要な泡を持ち込むのを防止するのに役立つ能力に由来するものである。
【0028】
本発明は、デバイスの投入側で持ち込まれる泡が上部まで浮き上がるという事実に依存して、重力によるマイクロ流体分離(microfluidic separation)を利用する。したがって、泡が上部まで浮き上がることを可能にし、泡なし流体をアクティブ・デバイス・エリアまで下方に向けることができる形状は、アクティブ領域から泡を排除することを支援する。U型構造の使用は、マイクロチャネルへの泡の取込みを防止するための1つの方法である。指定のエリアからの泡の除去を支援するために、この手法に併せて、サイズ排除フィルタ(size-exclusion filter)などの他の方法を実現することもできる。
【0029】
図4は、図2のアレイの単一サブモジュールの上面図を示している。図5は、図示の簡潔さのために、2つの垂直ウェルを接続する1つの水平チャネルと6枚のグリーンシートとを使用して形成された図4の構造の断面図を示している。垂直ウェルと水平チャネルはいずれも、単一層内に形成するか、またはセラミック、有機材料、ガラス、金属、または複合材のような適切な材料の複数の層の組み合わせにより形成できることに留意されたい。図4および図5に図示されている構造は、積層により個別シートから組み立てられている。組み立てプロセスは、数千個の水平チャネルが垂直ホールをリンクするために選択的に接続される、数千個のユニット・モジュールからなるアレイを備えたセラミック構造についても同じである。セラミック材料は、アルミナ、ガラス・セラミック、窒化アルミニウム、ホウケイ酸ガラス、およびガラスを含むことができる。垂直ウェル121、123の直径は20ミクロンまたはそれ以上にすることができ、チャネル幅126は20ミクロンまたはそれ以上にすることができ、長さは少なくとも直径の2倍/40ミクロンにすることができる。上記の寸法は例示的なものであり、技術が進歩するにつれて減少する可能性がある。物質を露出するウェルの形状は、円形、矩形、滑らかなもの、またはでこぼこしたもの(rough)にすることができる。プレート100の全厚は任意の所望の量にすることができるが、好ましくは1mm未満である。個別グリーンシートの厚さは用途次第であるが、好ましくは約150ミクロンである。
【0030】
積層プロセスは、熱、圧力、および時間を伴うものである。好ましい積層圧力は800psi(5,516,000Pa)未満であり、温度は90℃未満であり、時間は5分未満である。焼結プロセスは、えり抜きの材料と、グリーンシートを形成するために使用されるバインダ・システム(binder system)とを伴うものである。焼結プロセスは、2000℃未満の温度を含むことができると思われるが、平衡(isostatic)、自由(free)、または共形(conformal)、あるいはこれらの組み合わせにすることができる。環境は、空気、窒素、水素、水蒸気、二酸化炭素、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
【0031】
形成する際に使用されるチャネルの直径は、特定の用途ならびに通過する物質の粘度、表面および流体の表面張力/活性、所望の流力(flow force)、毛管流または強制流、所望の量および流量などの技術変数に左右されることになる。
【0032】
本発明の一例によれば、グリーンシートは、アルミナ、ガラス、セラミック、およびガラスとセラミックなどの物質から形成され、セラミック・グリーンシートと呼ばれる。垂直開口部(aperture)および水平チャネルを形成するための技法は、材料の打ち抜き、レーザ・ドリル、Eビーム・ドリル、サンドブラスト、高圧液体ジェットなどの機械的技法による材料除去である。用途によっては、エンボス加工、プレス成形、フォーミング、キャスティングなどの非材料除去技法によって形成されたチャネルを使用する場合もある。
【0033】
図5は、6つの層から形成され、シート130−5に形成され、シート130−2、130−3、および130−4に形成された2つの垂直開口部121および123を接続する単一水平チャネル126を有する、本発明による簡略化した完成構造の一部分を示している。シート130−iは、当初、セラミック・プレート100を形成するために従来のプロセスで積層され焼結された、個別のセラミック・グリーンシートであった。最上部にあって、後述するように異なるサイズの開口部は、流体試薬の投入のため、および化合してサンプルを形成する他の試薬の投入のため、または化合物の試験のための試験化合物の適用のために使用される。
【0034】
本発明の一実施形態では、水平チャネル126の底面を含む層は、サンプル材料、たとえば、反応生成物を保持するために適合されたチャネルの底面を有する。この表面は、最小粗さ(たとえば、1ミクロン未満)を有することができるか、または取り扱い中に材料を収容するためのへこみを付けて成形することができ、あるいはその両方が可能である。加えて、この層は、高速スキャンのために適合されなければならず、たとえば、従来のスキャナに収まるように十分薄く、あるセルから他のセルに移動する際に費やされる時間を最小限にするためにセル同士を十分接近して配置するなどしなければならない。図5は、反応生成物が付着する(しかもU型構造の底部を形成する)上面125が中実の(solid)最下部層130−6内にあり、最下部層の上にある下部層130−5内に開口部が形成されるバージョンを示している。最下部層内の溝(groove)として開口部126が形成される代替例も使用することができる。
【0035】
好ましくは、反応生成物が付着する(しかもU型構造の底部を形成する)上面125を含む層は除去可能であり、すなわち、それは、流体が漏れないようにするのに十分なほど上部層にしっかり付着するが、上部層から容易に分離することができる。取り付け方法は、当技術分野で既知のものであればいずれでもよく、たとえば、熱、テープ、感圧性シーラント、またはシーリング材のシルクスクリーンにすることができる。運用時に、試薬は開口部122内に(たとえば、ピペットを使用して)挿入され、次に直径の減少によって引き起こされた毛管力の増加により通路121まで引き寄せられる。試薬は設定時間の間、引き込まれ、その後、ディスペンス・ピペット(dispensing pipette)が引っ込められる。
【0036】
試薬は、通路121の底部に到達すると、通路123に到達するまで水平に移動し、そこで後述する様々な手段の影響を受ける可能性のあるレベルまで上昇する。
【0037】
図18〜図24を参照すると、その構造が外部流体リザーバ(一例として、従来のピペット先端を使用することができる)と併せて機能するようなシステムを設計することにより、流体は外部流体リザーバから効果的に自己計量することができる。これは、外部流体リザーバの形状、寸法、および表面湿潤性特性について何らかの限られた知識を必要とする。微細構造は、リザーバ内に流体を引き入れる毛管力がそれをピペット内に保持する力より大きくなるような直径と表面特性の組み合わせにより流体を引き込むための毛管圧(capillary pressure)を提供する。
【0038】
一実施形態では、流体抽出率を制御するための流動抵抗エレメントを提供する。典型的な使用法では、外部流体リザーバは、実際に必要な量を超える量の液体で充填されるであろう。ピペット先端内の流体をマイクロ流体デバイスに接触させることにより、流れが開始される。流量は流れ制限エレメントによって調節されるので、ピペット先端がマイクロ流体デバイスと相互作用する時間の長さを制御することにより、所望の量を達成することができる。次に、マイクロ流体カードの付近からピペット先端を取り除いて、計量操作を終了することができる。その後、流体は、参照番号830によって示される毛管保持バルブ(CRV:capillary retention valve)として知られる位置にある後続(trailing)メニスカスによりそれ自体を自己配置するまで流れることになり、その位置では制限された直径がそれ以上の流れに抵抗するように機能する。
【0039】
図13は、ピペット620がアレイ610内のユニット・セルに接近する基本動作を示している。流体の突出部分が開口部に触れると、毛管力によりピペットからチャネル内への流れが開始される。受け取りチャネルの内部表面を流体によって湿潤されるものにし、上面540を湿潤(wet)されないものにすることにより、引力を支援することができる。(これは流出も低減するものである。)流体はチャネル内に入り、制限部材602内の制限開口部605を通過するが、それは、時限流がより正確なものになるように流体流を低減するようなサイズになっている。流体粘度、制限開口部を含むピペットおよび受け取りチャネルの寸法および表面特性、ならびに転送すべき所望の量に依存する指定の時間後に、ピペットが取り除かれる。流体は、その上部(後続)メニスカスにより制限開口部に落ち着く(settle)。
【0040】
図18は、突出流体655を含む流体650をセル810に運搬するピペット620の初期接近を示しており、そのセルは上部内面822と、上面815と、CRV830内の制限開口部832とを備えた開口部820を有する。制限開口部の下にあるライナ824の内部表面825は、流体に関して上部表面822とは異なる(しかも、より大きい)引力を有する。
【0041】
図19は、開口部820の最上部に触れている突出流体655の突出を示している。
【0042】
図20では、流体は転送の初期段階にあり、下部メニスカス662は制限開口部832に接近している。
【0043】
図21は、下部メニスカスが制限開口部を通過した後、主として制限開口部832によって決定された速度で開口部820の下部部分(貯蔵リザーバ)を下に移動する段階を示している。
【0044】
図22は、ピペットの最下部の滴655が上面655’から分離されて、ピペットが引っ込められた後の同じ構造を示している。
【0045】
図23は、すぐ後で、下部メニスカス664がより下の深いところまで移動し、上部メニスカス672が形成されて、より多くの流体が下部貯蔵リザーバ内に移動したときの構造を示している。
【0046】
最後に図24は、上部メニスカス672が制限開口部のレベルで固定されたときのその最終状態の構造を示している。
【0047】
この動作は簡略化のために単一垂直開口部で示されているが、図4および図5のU型構造またはより複雑な構造を使用することができる。
【0048】
これらの技法が適用可能な分野の1つは、試薬貯蔵の分野である。少量での有用な試薬貯蔵(数分間であるか数ヶ月間であるかにかかわらず)は、貯蔵容器内の流体の位置決めを制御する難しさによって複雑になっている。貯蔵された試薬の初期位置決めに対する制御が不十分である場合、これらの試薬と追加の反応物とのその後の反応は十分制御されない。本発明によれば、統合毛管保持バルブを備えたマイクロ流体構造を試薬貯蔵に使用することができる。この方法を使用すると、比較的低い精度で微細構造の入口ポートに試薬を加えることができるが、その後、微細構造内の所定の位置に流体を移動するために毛管作用によって試薬を正確に動かすことができる。
【0049】
もう一度、図13を参照すると、それを所定の位置に保持する開口部605に後続メニスカスが固定された状態で、垂直チャネルの下部部分を使用して試薬を貯蔵することができる。図13の垂直チャネルは、図4および図5のようなU型構造またはより複雑な構造の一部にすることができる。流体を正確に位置決めすることにより、反応が再現可能になり、設計通りになるように、反応の力学を正確に計算することができる。微細構造に貯蔵されたこのような試薬は、かなり後で使用するために、その場に保持するかまたは凍結することもできる。
【0050】
流体のすすぎ(リンス)は、多くの生化学プロトコル(手順)において重要なステップである。しかし、少ない液体量で再現可能なすすぎを達成することは困難であり、商業上は、現在、良い結果を達成するために、試験当たり本質的に大きい占有面積(footprint)が必要である。小さい占有面積で複数の流体すすぎを実行できることは有利であると思われ、微細構造内でこのように実行するための方法は文献で実証されている。しかし、その事例では、1次流体処理微細構造からの流体抽出(毛管流メカニズムによってすすぎプロセスを駆動するもの)を可能にするために、個別の2次構造が必要である。2次構成要素に関するこの要件は、実用的な実現例に不要な複雑さ(たとえば、位置合わせ要件)を追加するものである。本発明によれば、完全に統合された構造は、取り付けられた毛管推進式の流動促進ゾーンの容量(特に第3の寸法)を著しく増加するために多層構造を使用することにより、すすぎを実行することができ、多段階(マルチステップ)検定を可能にすることができる。例示的に、図13の任意選択の構造体は、点線680によって全体的に示され、図13の最下部により長く深いリザーバを追加する追加の1組のグリーンシートである。この方法は、小さい全体的な占有面積を可能にし、本質的に異種の少量検定を可能にし、マイクロ流体構造が複数の部分から構成され、分離する必要がない場合に、不必要な試薬の流出を防止するのに役に立つ。
【0051】
同様のマイクロ流体方法および構造を使用して、非同質流体で基質(substrate)に運ばれる生物学的セルおよびその他の非流体エンティティ(entity)(ビード(bead)またはナノ粒子など)を正確に送出することができる。この基質はたとえば、組み立てられた構造の壁にすることができ、その構造はその後、基質固有の処理を可能にするために分解することができる。また、前のステップでマイクロチャネルの表面に取り付けられた任意のこのようなエンティティ(たとえば、セル、ビード、ナノ粒子など)に試薬を送出することもできる。一例として、生物学的セルを含む培地(culture media)は、微細構造に送出することができ、毛管保持バルブの使用により位置決めすることができる。次に、生物学的セルは、予想可能な方法で微細構造(チャネル126)の底面125に着底することができ、そこで生物学的セルは、従来の細胞培養で見られるものと同様のプロセスでそれ自体を付着させることができる。その後のすすぎおよび試薬適用ステップを使用して、貴重なセルベースの検定を実行することができる。
【0052】
少量試薬の取り扱いのための従来の方法は一般に試薬を非常に浪費するものである。これは、試薬が高価であるかまたは供給不足であるかあるいはその両方であるときに、特に問題となる。本発明による構造は、典型的には表面と相互作用できない試薬を最小限にするために拡散定数(少なくとも大まかに分かっているものでなければならない)の既約倍数(reduced multiple)である高さを有する微細構造を使用する。さらに、それは、表面付近で試薬を使い果たすために要する程度の時間の長さで試薬の新たな供給を取り込めるように、上述の技法を使用して設計流を提供する。これは、連続的な流れまたは量子化された流れにすることできるが、設計は、最短時間で最も効率的な試薬の適用を可能にするためのものである。また、本発明は、図18の655のような突出する滴を紙またはその他の媒体に接触させるラインおよびスポットを書き込むためのマイクロ流体構造の使用も含む。
【0053】
次に図6〜図12を参照すると、本発明の一実施形態を組み立てるシーケンスが示されており、図6は積み重ねられた3枚のセラミック・グリーンシート502を示しており、各グリーンシートは垂直開口部の部位を充填する変わりやすい(fugitive)材料530を含んでいる。最下部のシート505は、同じく材料530で充填され、2つの垂直開口部を接続する水平チャネルになる水平ストリップを含んでいる。図7は焼成の準備ができた組み立て済みスタックを示し、図8は焼成後の組み立て品510を示しており、U型通路は2つの垂直通路535と水平通路515とを有する。
【0054】
図9および図10には、最下部プレートの2つの変形例が示されており、図9のプレート520はその上部表面内に形成されたチャネル522を有し、図10のプレート520’はチャネルなしである。
【0055】
図11は、図8の組み立て品と図10の最下部プレート520’との組み合わせを示している。
【0056】
図12は、例示的に試薬が上面を湿潤することおよび開口部535の1つに入り込まない試薬を浪費することを防止するために、物質540で上面を処理する任意選択のステップ後の組み立て品を示している。当業者であれば、他のトポロジ(形状)が可能であること、たとえば、2つ以上の垂直開口部を形成できること、図13に図示したような制限開口部を一方または両方の垂直開口部に含めることができること、ならびにすすぎ流体または過剰試薬の貯蔵のために1つまたは複数の垂直開口部が水平開口部515の下に延びることができることが分かるであろう。
【0057】
図14〜図17は、特異な湿潤性の使用を示すシーケンスを示している。図14は、プレート710内の単一開口部708が、たとえば、従来の溶媒であるジメチルスルホキシド(DMSO:dimethylsulfoxide)に溶解されたある量の試薬を受け入れていることを示している。開口部の内面702は、毛管力によりDMSOを引きつけるように処理されている(またはブロック710の材料が選択されている)。
【0058】
対照的に、図15に図示されている通り、ブロック710の上面712は水によって湿潤されず、水ベースの試薬はチャネル内に浸透しない。図16は、流体が下から開口部内に浸透するように、水ベースの試薬の下からの投与を示している。DMSO流体の量は、水ベースの試薬717が下部メニスカス720に到達するように選択されている。図17に図示されている通り、2つの流体は、図17に点線で示されているオーバラップ・ゾーンで出会い、反応する。
【0059】
パラメータは、試薬の拡散距離によって反応物が互いに反応できるように選択されている。
【0060】
次に図25を参照すると、本発明によるホルダのx−y平面に向いた上面図が示されており、そこでフレーム150はマイクロプレートを保持している。フレーム150は、後述の通り、x方向およびy方向に並進する。左側の四角135は、アクチュエータに電力を供給するバッテリを表している。代わって、四角135は、アクチュエータまたは流体を内外に移動するためのアレイ内のモジュールあるいはその両方に適用するための圧縮ガス用の貯蔵ユニットを表すこともできるであろう。
【0061】
参照番号55は、マイクロプレートを保持するレッジ(ledge:棚)を表している。参照番号52は、下から実施される操作に対してウェルのアレイを露出する大きい開口部を示している。チューブ42および44は、ガス管路と真空管路を表している。角にある四角120は、マイクロプレートの位置合わせの測定のための位置センサを表している。
【0062】
図26は、図25のホルダの断面図を示しており、そこでプレート50はレッジ55から外されたものとして示されている。持ち上げピン45は、ロボット材料ハンドラがそれをつかむことができるように、プレートを上昇させるための構造体を表している。下部フレーム110は、x−y平面内でフレーム150を移動させるための後述するアクチュエータを含んでいる。
【0063】
図27は、下部フレーム110と保持フレーム150との間のインターフェースの詳細を示している。右側の上部と下部にある1対のアクチュエータ130は、下部フレーム110とフレーム150との間に位置決めされている。アクチュエータ130は、圧電式、図示されていないコントローラからのコマンドにより制御可能なねじ、圧縮ガスによって作動するピストンなどにすることができる。これは、フレーム150を左に押すものである。フレームの左側の従来のスプリングまたはエラストマは、必要な場合に復元力を供給する。任意選択で、圧電アクチュエータを両端に結合することができるが、この圧電アクチュエータは復元力を必要としない。同じ配置が最下部にも再現される。この手法により、上部フレームをx−y平面内で所望の位置まで押すことができる。アクチュエータが押す接触面は、設計者の任意選択で、プレート50と同じ平面内にするか、または垂直にずらす(オフセットする)ことができる。
【0064】
図28は、本発明の代替一実施形態の側面図を示しており、そこでレッジ55の上に位置決めされた第2のレッジ65はウェル内の試薬と試験片との組み合わせの結果に関する光学的検査に使用されるマイクロレンズのアレイを保持している。このレンズは、試験中の流体に光を集中させることができ、市販の光学装置に信号光を送出することもできる。
【0065】
最下部の点線75は、任意選択の下部レンズ・アレイを表している。
【0066】
送出/操作システム(distribution/operation system)を使用して、マイクロ流体アレイを処理することができる。図29には、ウェル・アレイと一致し、円77および四角78によって交互に表されるユニットを含む1組の行72−1〜72−nを含む、ユニットのアレイが一般的な形で示されている。1組の太い線73−1〜73−nは、圧力または真空あるいはその両方の送出システムを表している。円形記号77および矩形記号78はそれぞれ、本発明によりすべてのユニットが同じである必要がないことを指摘するために使用されている。たとえば、四角はすすぎ操作後の過剰流体を受け入れるための図3に示されているチャンバを表すことができ、四角は図3に図示されているモジュール310の最下部に圧力を加えるための個別バルブ制御を備えた圧力源を表すことができるであろう。他のオプションとして、円は図13にあるようなマイクロレンズを表すことができ、四角は圧力/真空供給を表す。処理中のプレートは、2つのオプションの一方のみを使用するウェルを有することができるであろう(または、ウェルの半分だけがこの特定の操作に使用される標準アレイを有することができるであろう)。代わって、第1の操作でウェルの半分が円77によって処理され、たとえば、プレートが並進され、第2の操作でウェルの残り半分が処理されるように、フレーム150はアクチュエータによって並進させることができるであろう(下部アレイに接触せずにスライドするようにプレートが任意選択で垂直に持ち上げられている)。次に、矩形によって表されたデバイスを使用して、この2段階プロセスを繰り返すことができるであろう。代わって、円と矩形の両方によりアレイの最初の半分を処理し、次に残り半分を処理することができるであろう。
【0067】
図30を参照すると、図3に図示されているモジュール310と送出/操作システムとの間のインターフェースの分解図が示されている。このバージョンでは、ユニット310は、底面315を有し、壁310によって囲まれた突出シリンダ・ノズル317を有する。下図では、図13の点線680によって表された支持システムは、内部表面384と上面382を備えたシリンダ385を有する。軸82は、2つのシリンダが共通の中心を有することを示している。一実施形態では、表面315は表面382を圧迫し、壁310は両方の表面が出会う点を越えて突出し、結果的に発生する可能性のある任意のスプレー(spray)を制限する。他の実施形態では、内部表面384は突出シリンダ317を囲むことができるので、垂直オーバラップが形成される。ガス圧、真空、または試薬は、シリンダ385からモジュール内に供給される場合もあれば、除去される場合もあり、たとえば、真空を使用して未使用の試薬をセルから引き出すことができ、反応の結果は後のステップで試験するために、光学手段により、またはシリンダ315の内壁上に付着させることにより、決定されている。シリンダの代わりに、図13に図示されているような広い平面を使用することもできる。
【0068】
当業者であれば、重力、電気泳動力(electrophoretic force)、または電気浸透力(electroosmotic force)などの外力を加えることにより、試薬を反応表面(またはマイクロ粒子(microparticle)、マイクロビード(microbead)、ナノ粒子、または生物学的セルなどの非同質物質の形の他の試薬)に対して推進できることが分かるであろう。
【0069】
単一の好ましい実施形態に関して本発明を説明してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲の精神および範囲を超えずに様々なバージョンで本発明を実施できることを認識するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、医薬品の試験および製造の分野で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態用のホルダとともにその一実施形態を示す一般図である。
【図2】アレイの上面図である。
【図3】サブアレイの詳細を示す図である。
【図4】アレイの個別モジュールの上面図である。
【図5】図4のモジュールの断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図13】流体送出の一ステップを示す図である。
【図14】表面パラメータによって実現される転送制御を示す図である。
【図15】表面パラメータによって実現される転送制御を示す図である。
【図16】表面パラメータによって実現される転送制御を示す図である。
【図17】表面パラメータによって実現される転送制御を示す図である。
【図18】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図19】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図20】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図21】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図22】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図23】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図24】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図25】本発明の一実施形態の上面図である。
【図26】図25のモジュールの断面図である。
【図27】本発明の一実施形態の組み立て品の詳細を示す図である。
【図28】アレイの光学点検のために適合された配置を示す図である。
【図29】光学点検および機械的操作のために適合された代替アレイを示す図である。
【図30】本発明によるホルダの詳細を示す分解図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的/化学的相互作用のための多くの化合物を同時に試験する分野に関する。特に、本発明は、薬物相互作用を試験するための装置/構造および方法である。
【背景技術】
【0002】
薬物発見の効率を改善するために、主な製薬会社は、潜在的な薬物候補の評価のために高スループット・スクリーニング(HTS:high-throughput screening)技法を実現した。高スループット・スクリーニングでは、化学物質B1〜Bn(たとえば、分子ライブラリから取られた化合物)との反応性について、試薬セットA(たとえば、適切な検定試薬を有する生物学的標的)を試験するが、この場合、nは数百万台の大きい数にすることができる。高スループット・スクリーニングは、急速かつ並行して多数の化合物の試験を可能にするものである。現在の努力は、微量検定プレート(microtiter plate)またはマイクロプレート(microplate)として知られるプラスチック消耗品の使用に関して標準化されている。1組の物質B1〜Bnをこのようなマイクロプレート内に整列させることができ、次に、特定の生物学的標的との相互作用について試験する化学物質を含むことができる試薬セットAをBnのそれぞれと混合することができる。次に、検出計測器、たとえば、光学マイクロプレート・リーダを使用して、相互作用を検出することができる。
【0003】
製薬業界は現在、薬物発見効率を改善し、コストを抑えるために、高スループット・スクリーニング技術の改善を必要としている。薬物発見に使用される試薬および化合物は、稀少かつ高価である場合が多く、これにより、より少ない検定量での小型化検定(assay)の開発が促されてきた。微量検定プレートは、様々な標準ウェル(well)・フォーマット(たとえば、プレート当たり96ウェル、384ウェル、および1536ウェル)で市販されており、ウェル寸法は典型的な例では約1〜2ミリメートルから5〜6ミリメートルである。これらのプレートで実行される検定は典型的には、試験箇所当たり10マイクロリットルを超える試薬を使用する。このようなタイプの反応は理論上ではマイクロリットル未満の量の試薬でも実行できるであろうが、現在に至るまで、このような少量検定は普及していない。少量検定の採用を妨げる重要な要因の1つは、信頼できる高性能流体送出(delivery)のための方法が欠けていることである。
【0004】
最近、2002年発行のAnal. Chem.74(24)の6139〜6144ページに掲載されたDavid Juncker、Heinz Schmid、Ute Drechsler、Heiko Wolf、Marc Wolf、Bruno Michel、Nico de Rooij、およびEmmanuel Delamarcheによる「Autonomous Microfluidic Capillary System」には、毛管推進式の微細構造内の複数の試薬の流れを調節するための具体的な設計概念が記載されている。この概念では、試薬の流れは、サービス・ポートへの送出によって開始され、後続メニスカス(trailing meniscus)が毛管保持バルブとして知られるエレメントに到達する点まで流体が排出されると終了する。このフェーズ中の流量は、微細構造の形状および表面特性を設計することによって制御することができる。
【0005】
当技術分野では、微細構造内の液体の位置をある程度制御することができたが、ユーザは高い精度で正確な量の流体をサービス・ポート内に投入する必要がある。
【0006】
より少量の液体を移動させる際の問題点の1つは、従来の手段を使用してサービス・ポートに投入するための精密な量の液体を計量できるかどうかである。単に受け器として作用するのではなく、微細構造が実際に流体の送出を改善できるような方法が必要である。
【0007】
ウェル・アレイはロボット・ハンドラによってある計器から他の計器に運搬される。
【0008】
当業界は、複数ウェル・プレートの機械的寸法を指定するために連合し、たとえば、米国06811コネティカット州ダンベリー・タマラックアヴェニュー36のバイオメディカル・スクリーニング協会のマイクロプレート規格委員会を結成した。
【特許文献1】米国特許出願 第10/605430号
【非特許文献1】2002年発行のAnal. Chem.74(24)の6139〜6144ページに掲載されたDavid Juncker、Heinz Schmid、Ute Drechsler、Heiko Wolf、Marc Wolf、Bruno Michel、Nico de Rooij、およびEmmanuel Delamarcheによる「Autonomous Microfluidic Capillary System」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、マイクロウェルおよびマイクロチャネルを備えたセラミック・デバイスと、それを形成するための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴の1つは、複数の個別化グリーンシートを積層することにより、セラミック構造内にマイクロウェルおよびマイクロチャネルのアレイを形成することである。
【0011】
本発明の一態様では、個々の層の個別化によって開放ウェルおよびチャネルが形成される。
【0012】
本発明の他の態様では、このアレイは、異なる直径を有する複数の垂直ブランチを備えたU型チャネルを有する。
【0013】
本発明の他の態様では、チャネル内の流体送出は、チャネル内の設計形状によって制御される。
【0014】
本発明の他の態様では、流体送出は、粗さのような様々な表面または表面構造体あるいはその両方のパラメータによって制御される。
【0015】
本発明の他の態様では、液量の自己計量(self-metering)は差動(differential)毛管力の使用によって達成される。
【0016】
本発明の他の特徴は、焼結プロセス中にセラミック構造から漏れ出る犠牲材料を使用することである。
【0017】
本発明の他の態様は、焼結プロセス中にチャネル容量を制御することである。
【0018】
本発明の他の態様は、ウェル上で操作が実行される間にプレートを保持し、試験すべきサンプルを保持するためのマイクロウェルを備えたサンプル・プレート用のインターフェース/ホルダに関する。
【0019】
本発明の他の特徴は、保持されているプレートと機械的に接触する1組の支持部と、支持フレームに対してプレートおよび支持部を移動させるための1組のアジャスタを設けることである。
【0020】
本発明の他の特徴は、サンプル・ホルダに気体圧力を加えるためのサンプル・ホルダのアレイと一致するインターフェース・モジュールのアレイである。
【0021】
本発明の他の特徴は、第1のタイプをアレイの第1のサブセットに適用し、アレイを並進させることによって第2のタイプを同じサブセットに適用できるように、2つのタイプのインターフェースが交互に配置されたアレイを設けることである。
【0022】
本発明の他の特徴は、サンプル・ホルダに気体圧力を加えるための手段を点在させた、サンプル・ホルダを光学的に点検するための手段を設けることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施形態用のホルダ/キャリアとともにその一実施形態の斜視図を示している。本発明によるカード100は、試験すべき1組のサンプルを含む流体容器のアレイを含む、比較的薄いプレートである。カード100の全体寸法は、アレイ内の個別モジュールの位置と同様に、業界標準に準拠している。
【0024】
カード100はホルダ10に収まり、そのホルダはカードを位置決めし、流体制御に使用可能な真空および圧力を有し、ロボット材料取り扱い装置に適合するものである。
【0025】
図2は、本発明によるアレイ100の上面図を示している。業界では標準アレイに関する仕様を定義しているが、好ましければ、非標準アレイを使用することもできる。この場合、アレイは48×32個のサブモジュールからなるセットであり、それぞれのサブモジュールは2×2個のユニット・モジュールからなるサブアレイを含んでいる。同図の右下では、サブモジュール110は、後続の図に図示されている4つのユニット・モジュール110−1〜110−4を含んでいる。
【0026】
図3は、4つのユニット・モジュール110−1〜110−4を含んでいるサブモジュール110の詳細を示している。各ユニット・モジュールは、1つの大きい投入ブランチ(input branch)と1つの小さい排出ブランチ(outputbranch)とを備えたU型チャネルを含んでいる。たとえば、投入ブランチは、円122によって示される上部直径と、垂直通路121とを有する。排出ブランチは上部直径124と垂直通路123とを有する。通路123の直径は、図中の便宜のため同じ直径であるものとして示されているが、通路121の対応する直径より小さくてもよい。ブランチのサイズおよびブランチの表面材料は、流体の運動および位置を制御するために、後述するように選択される。
【0027】
再現可能なマイクロ流体デバイスのパフォーマンスを達成するのに役に立つU型形状の使用の新規な一例は、マイクロ流体構造のアクティブ・デバイス領域内に不要な泡を持ち込むのを防止するのに役立つ能力に由来するものである。
【0028】
本発明は、デバイスの投入側で持ち込まれる泡が上部まで浮き上がるという事実に依存して、重力によるマイクロ流体分離(microfluidic separation)を利用する。したがって、泡が上部まで浮き上がることを可能にし、泡なし流体をアクティブ・デバイス・エリアまで下方に向けることができる形状は、アクティブ領域から泡を排除することを支援する。U型構造の使用は、マイクロチャネルへの泡の取込みを防止するための1つの方法である。指定のエリアからの泡の除去を支援するために、この手法に併せて、サイズ排除フィルタ(size-exclusion filter)などの他の方法を実現することもできる。
【0029】
図4は、図2のアレイの単一サブモジュールの上面図を示している。図5は、図示の簡潔さのために、2つの垂直ウェルを接続する1つの水平チャネルと6枚のグリーンシートとを使用して形成された図4の構造の断面図を示している。垂直ウェルと水平チャネルはいずれも、単一層内に形成するか、またはセラミック、有機材料、ガラス、金属、または複合材のような適切な材料の複数の層の組み合わせにより形成できることに留意されたい。図4および図5に図示されている構造は、積層により個別シートから組み立てられている。組み立てプロセスは、数千個の水平チャネルが垂直ホールをリンクするために選択的に接続される、数千個のユニット・モジュールからなるアレイを備えたセラミック構造についても同じである。セラミック材料は、アルミナ、ガラス・セラミック、窒化アルミニウム、ホウケイ酸ガラス、およびガラスを含むことができる。垂直ウェル121、123の直径は20ミクロンまたはそれ以上にすることができ、チャネル幅126は20ミクロンまたはそれ以上にすることができ、長さは少なくとも直径の2倍/40ミクロンにすることができる。上記の寸法は例示的なものであり、技術が進歩するにつれて減少する可能性がある。物質を露出するウェルの形状は、円形、矩形、滑らかなもの、またはでこぼこしたもの(rough)にすることができる。プレート100の全厚は任意の所望の量にすることができるが、好ましくは1mm未満である。個別グリーンシートの厚さは用途次第であるが、好ましくは約150ミクロンである。
【0030】
積層プロセスは、熱、圧力、および時間を伴うものである。好ましい積層圧力は800psi(5,516,000Pa)未満であり、温度は90℃未満であり、時間は5分未満である。焼結プロセスは、えり抜きの材料と、グリーンシートを形成するために使用されるバインダ・システム(binder system)とを伴うものである。焼結プロセスは、2000℃未満の温度を含むことができると思われるが、平衡(isostatic)、自由(free)、または共形(conformal)、あるいはこれらの組み合わせにすることができる。環境は、空気、窒素、水素、水蒸気、二酸化炭素、およびそれらの任意の組み合わせを含む。
【0031】
形成する際に使用されるチャネルの直径は、特定の用途ならびに通過する物質の粘度、表面および流体の表面張力/活性、所望の流力(flow force)、毛管流または強制流、所望の量および流量などの技術変数に左右されることになる。
【0032】
本発明の一例によれば、グリーンシートは、アルミナ、ガラス、セラミック、およびガラスとセラミックなどの物質から形成され、セラミック・グリーンシートと呼ばれる。垂直開口部(aperture)および水平チャネルを形成するための技法は、材料の打ち抜き、レーザ・ドリル、Eビーム・ドリル、サンドブラスト、高圧液体ジェットなどの機械的技法による材料除去である。用途によっては、エンボス加工、プレス成形、フォーミング、キャスティングなどの非材料除去技法によって形成されたチャネルを使用する場合もある。
【0033】
図5は、6つの層から形成され、シート130−5に形成され、シート130−2、130−3、および130−4に形成された2つの垂直開口部121および123を接続する単一水平チャネル126を有する、本発明による簡略化した完成構造の一部分を示している。シート130−iは、当初、セラミック・プレート100を形成するために従来のプロセスで積層され焼結された、個別のセラミック・グリーンシートであった。最上部にあって、後述するように異なるサイズの開口部は、流体試薬の投入のため、および化合してサンプルを形成する他の試薬の投入のため、または化合物の試験のための試験化合物の適用のために使用される。
【0034】
本発明の一実施形態では、水平チャネル126の底面を含む層は、サンプル材料、たとえば、反応生成物を保持するために適合されたチャネルの底面を有する。この表面は、最小粗さ(たとえば、1ミクロン未満)を有することができるか、または取り扱い中に材料を収容するためのへこみを付けて成形することができ、あるいはその両方が可能である。加えて、この層は、高速スキャンのために適合されなければならず、たとえば、従来のスキャナに収まるように十分薄く、あるセルから他のセルに移動する際に費やされる時間を最小限にするためにセル同士を十分接近して配置するなどしなければならない。図5は、反応生成物が付着する(しかもU型構造の底部を形成する)上面125が中実の(solid)最下部層130−6内にあり、最下部層の上にある下部層130−5内に開口部が形成されるバージョンを示している。最下部層内の溝(groove)として開口部126が形成される代替例も使用することができる。
【0035】
好ましくは、反応生成物が付着する(しかもU型構造の底部を形成する)上面125を含む層は除去可能であり、すなわち、それは、流体が漏れないようにするのに十分なほど上部層にしっかり付着するが、上部層から容易に分離することができる。取り付け方法は、当技術分野で既知のものであればいずれでもよく、たとえば、熱、テープ、感圧性シーラント、またはシーリング材のシルクスクリーンにすることができる。運用時に、試薬は開口部122内に(たとえば、ピペットを使用して)挿入され、次に直径の減少によって引き起こされた毛管力の増加により通路121まで引き寄せられる。試薬は設定時間の間、引き込まれ、その後、ディスペンス・ピペット(dispensing pipette)が引っ込められる。
【0036】
試薬は、通路121の底部に到達すると、通路123に到達するまで水平に移動し、そこで後述する様々な手段の影響を受ける可能性のあるレベルまで上昇する。
【0037】
図18〜図24を参照すると、その構造が外部流体リザーバ(一例として、従来のピペット先端を使用することができる)と併せて機能するようなシステムを設計することにより、流体は外部流体リザーバから効果的に自己計量することができる。これは、外部流体リザーバの形状、寸法、および表面湿潤性特性について何らかの限られた知識を必要とする。微細構造は、リザーバ内に流体を引き入れる毛管力がそれをピペット内に保持する力より大きくなるような直径と表面特性の組み合わせにより流体を引き込むための毛管圧(capillary pressure)を提供する。
【0038】
一実施形態では、流体抽出率を制御するための流動抵抗エレメントを提供する。典型的な使用法では、外部流体リザーバは、実際に必要な量を超える量の液体で充填されるであろう。ピペット先端内の流体をマイクロ流体デバイスに接触させることにより、流れが開始される。流量は流れ制限エレメントによって調節されるので、ピペット先端がマイクロ流体デバイスと相互作用する時間の長さを制御することにより、所望の量を達成することができる。次に、マイクロ流体カードの付近からピペット先端を取り除いて、計量操作を終了することができる。その後、流体は、参照番号830によって示される毛管保持バルブ(CRV:capillary retention valve)として知られる位置にある後続(trailing)メニスカスによりそれ自体を自己配置するまで流れることになり、その位置では制限された直径がそれ以上の流れに抵抗するように機能する。
【0039】
図13は、ピペット620がアレイ610内のユニット・セルに接近する基本動作を示している。流体の突出部分が開口部に触れると、毛管力によりピペットからチャネル内への流れが開始される。受け取りチャネルの内部表面を流体によって湿潤されるものにし、上面540を湿潤(wet)されないものにすることにより、引力を支援することができる。(これは流出も低減するものである。)流体はチャネル内に入り、制限部材602内の制限開口部605を通過するが、それは、時限流がより正確なものになるように流体流を低減するようなサイズになっている。流体粘度、制限開口部を含むピペットおよび受け取りチャネルの寸法および表面特性、ならびに転送すべき所望の量に依存する指定の時間後に、ピペットが取り除かれる。流体は、その上部(後続)メニスカスにより制限開口部に落ち着く(settle)。
【0040】
図18は、突出流体655を含む流体650をセル810に運搬するピペット620の初期接近を示しており、そのセルは上部内面822と、上面815と、CRV830内の制限開口部832とを備えた開口部820を有する。制限開口部の下にあるライナ824の内部表面825は、流体に関して上部表面822とは異なる(しかも、より大きい)引力を有する。
【0041】
図19は、開口部820の最上部に触れている突出流体655の突出を示している。
【0042】
図20では、流体は転送の初期段階にあり、下部メニスカス662は制限開口部832に接近している。
【0043】
図21は、下部メニスカスが制限開口部を通過した後、主として制限開口部832によって決定された速度で開口部820の下部部分(貯蔵リザーバ)を下に移動する段階を示している。
【0044】
図22は、ピペットの最下部の滴655が上面655’から分離されて、ピペットが引っ込められた後の同じ構造を示している。
【0045】
図23は、すぐ後で、下部メニスカス664がより下の深いところまで移動し、上部メニスカス672が形成されて、より多くの流体が下部貯蔵リザーバ内に移動したときの構造を示している。
【0046】
最後に図24は、上部メニスカス672が制限開口部のレベルで固定されたときのその最終状態の構造を示している。
【0047】
この動作は簡略化のために単一垂直開口部で示されているが、図4および図5のU型構造またはより複雑な構造を使用することができる。
【0048】
これらの技法が適用可能な分野の1つは、試薬貯蔵の分野である。少量での有用な試薬貯蔵(数分間であるか数ヶ月間であるかにかかわらず)は、貯蔵容器内の流体の位置決めを制御する難しさによって複雑になっている。貯蔵された試薬の初期位置決めに対する制御が不十分である場合、これらの試薬と追加の反応物とのその後の反応は十分制御されない。本発明によれば、統合毛管保持バルブを備えたマイクロ流体構造を試薬貯蔵に使用することができる。この方法を使用すると、比較的低い精度で微細構造の入口ポートに試薬を加えることができるが、その後、微細構造内の所定の位置に流体を移動するために毛管作用によって試薬を正確に動かすことができる。
【0049】
もう一度、図13を参照すると、それを所定の位置に保持する開口部605に後続メニスカスが固定された状態で、垂直チャネルの下部部分を使用して試薬を貯蔵することができる。図13の垂直チャネルは、図4および図5のようなU型構造またはより複雑な構造の一部にすることができる。流体を正確に位置決めすることにより、反応が再現可能になり、設計通りになるように、反応の力学を正確に計算することができる。微細構造に貯蔵されたこのような試薬は、かなり後で使用するために、その場に保持するかまたは凍結することもできる。
【0050】
流体のすすぎ(リンス)は、多くの生化学プロトコル(手順)において重要なステップである。しかし、少ない液体量で再現可能なすすぎを達成することは困難であり、商業上は、現在、良い結果を達成するために、試験当たり本質的に大きい占有面積(footprint)が必要である。小さい占有面積で複数の流体すすぎを実行できることは有利であると思われ、微細構造内でこのように実行するための方法は文献で実証されている。しかし、その事例では、1次流体処理微細構造からの流体抽出(毛管流メカニズムによってすすぎプロセスを駆動するもの)を可能にするために、個別の2次構造が必要である。2次構成要素に関するこの要件は、実用的な実現例に不要な複雑さ(たとえば、位置合わせ要件)を追加するものである。本発明によれば、完全に統合された構造は、取り付けられた毛管推進式の流動促進ゾーンの容量(特に第3の寸法)を著しく増加するために多層構造を使用することにより、すすぎを実行することができ、多段階(マルチステップ)検定を可能にすることができる。例示的に、図13の任意選択の構造体は、点線680によって全体的に示され、図13の最下部により長く深いリザーバを追加する追加の1組のグリーンシートである。この方法は、小さい全体的な占有面積を可能にし、本質的に異種の少量検定を可能にし、マイクロ流体構造が複数の部分から構成され、分離する必要がない場合に、不必要な試薬の流出を防止するのに役に立つ。
【0051】
同様のマイクロ流体方法および構造を使用して、非同質流体で基質(substrate)に運ばれる生物学的セルおよびその他の非流体エンティティ(entity)(ビード(bead)またはナノ粒子など)を正確に送出することができる。この基質はたとえば、組み立てられた構造の壁にすることができ、その構造はその後、基質固有の処理を可能にするために分解することができる。また、前のステップでマイクロチャネルの表面に取り付けられた任意のこのようなエンティティ(たとえば、セル、ビード、ナノ粒子など)に試薬を送出することもできる。一例として、生物学的セルを含む培地(culture media)は、微細構造に送出することができ、毛管保持バルブの使用により位置決めすることができる。次に、生物学的セルは、予想可能な方法で微細構造(チャネル126)の底面125に着底することができ、そこで生物学的セルは、従来の細胞培養で見られるものと同様のプロセスでそれ自体を付着させることができる。その後のすすぎおよび試薬適用ステップを使用して、貴重なセルベースの検定を実行することができる。
【0052】
少量試薬の取り扱いのための従来の方法は一般に試薬を非常に浪費するものである。これは、試薬が高価であるかまたは供給不足であるかあるいはその両方であるときに、特に問題となる。本発明による構造は、典型的には表面と相互作用できない試薬を最小限にするために拡散定数(少なくとも大まかに分かっているものでなければならない)の既約倍数(reduced multiple)である高さを有する微細構造を使用する。さらに、それは、表面付近で試薬を使い果たすために要する程度の時間の長さで試薬の新たな供給を取り込めるように、上述の技法を使用して設計流を提供する。これは、連続的な流れまたは量子化された流れにすることできるが、設計は、最短時間で最も効率的な試薬の適用を可能にするためのものである。また、本発明は、図18の655のような突出する滴を紙またはその他の媒体に接触させるラインおよびスポットを書き込むためのマイクロ流体構造の使用も含む。
【0053】
次に図6〜図12を参照すると、本発明の一実施形態を組み立てるシーケンスが示されており、図6は積み重ねられた3枚のセラミック・グリーンシート502を示しており、各グリーンシートは垂直開口部の部位を充填する変わりやすい(fugitive)材料530を含んでいる。最下部のシート505は、同じく材料530で充填され、2つの垂直開口部を接続する水平チャネルになる水平ストリップを含んでいる。図7は焼成の準備ができた組み立て済みスタックを示し、図8は焼成後の組み立て品510を示しており、U型通路は2つの垂直通路535と水平通路515とを有する。
【0054】
図9および図10には、最下部プレートの2つの変形例が示されており、図9のプレート520はその上部表面内に形成されたチャネル522を有し、図10のプレート520’はチャネルなしである。
【0055】
図11は、図8の組み立て品と図10の最下部プレート520’との組み合わせを示している。
【0056】
図12は、例示的に試薬が上面を湿潤することおよび開口部535の1つに入り込まない試薬を浪費することを防止するために、物質540で上面を処理する任意選択のステップ後の組み立て品を示している。当業者であれば、他のトポロジ(形状)が可能であること、たとえば、2つ以上の垂直開口部を形成できること、図13に図示したような制限開口部を一方または両方の垂直開口部に含めることができること、ならびにすすぎ流体または過剰試薬の貯蔵のために1つまたは複数の垂直開口部が水平開口部515の下に延びることができることが分かるであろう。
【0057】
図14〜図17は、特異な湿潤性の使用を示すシーケンスを示している。図14は、プレート710内の単一開口部708が、たとえば、従来の溶媒であるジメチルスルホキシド(DMSO:dimethylsulfoxide)に溶解されたある量の試薬を受け入れていることを示している。開口部の内面702は、毛管力によりDMSOを引きつけるように処理されている(またはブロック710の材料が選択されている)。
【0058】
対照的に、図15に図示されている通り、ブロック710の上面712は水によって湿潤されず、水ベースの試薬はチャネル内に浸透しない。図16は、流体が下から開口部内に浸透するように、水ベースの試薬の下からの投与を示している。DMSO流体の量は、水ベースの試薬717が下部メニスカス720に到達するように選択されている。図17に図示されている通り、2つの流体は、図17に点線で示されているオーバラップ・ゾーンで出会い、反応する。
【0059】
パラメータは、試薬の拡散距離によって反応物が互いに反応できるように選択されている。
【0060】
次に図25を参照すると、本発明によるホルダのx−y平面に向いた上面図が示されており、そこでフレーム150はマイクロプレートを保持している。フレーム150は、後述の通り、x方向およびy方向に並進する。左側の四角135は、アクチュエータに電力を供給するバッテリを表している。代わって、四角135は、アクチュエータまたは流体を内外に移動するためのアレイ内のモジュールあるいはその両方に適用するための圧縮ガス用の貯蔵ユニットを表すこともできるであろう。
【0061】
参照番号55は、マイクロプレートを保持するレッジ(ledge:棚)を表している。参照番号52は、下から実施される操作に対してウェルのアレイを露出する大きい開口部を示している。チューブ42および44は、ガス管路と真空管路を表している。角にある四角120は、マイクロプレートの位置合わせの測定のための位置センサを表している。
【0062】
図26は、図25のホルダの断面図を示しており、そこでプレート50はレッジ55から外されたものとして示されている。持ち上げピン45は、ロボット材料ハンドラがそれをつかむことができるように、プレートを上昇させるための構造体を表している。下部フレーム110は、x−y平面内でフレーム150を移動させるための後述するアクチュエータを含んでいる。
【0063】
図27は、下部フレーム110と保持フレーム150との間のインターフェースの詳細を示している。右側の上部と下部にある1対のアクチュエータ130は、下部フレーム110とフレーム150との間に位置決めされている。アクチュエータ130は、圧電式、図示されていないコントローラからのコマンドにより制御可能なねじ、圧縮ガスによって作動するピストンなどにすることができる。これは、フレーム150を左に押すものである。フレームの左側の従来のスプリングまたはエラストマは、必要な場合に復元力を供給する。任意選択で、圧電アクチュエータを両端に結合することができるが、この圧電アクチュエータは復元力を必要としない。同じ配置が最下部にも再現される。この手法により、上部フレームをx−y平面内で所望の位置まで押すことができる。アクチュエータが押す接触面は、設計者の任意選択で、プレート50と同じ平面内にするか、または垂直にずらす(オフセットする)ことができる。
【0064】
図28は、本発明の代替一実施形態の側面図を示しており、そこでレッジ55の上に位置決めされた第2のレッジ65はウェル内の試薬と試験片との組み合わせの結果に関する光学的検査に使用されるマイクロレンズのアレイを保持している。このレンズは、試験中の流体に光を集中させることができ、市販の光学装置に信号光を送出することもできる。
【0065】
最下部の点線75は、任意選択の下部レンズ・アレイを表している。
【0066】
送出/操作システム(distribution/operation system)を使用して、マイクロ流体アレイを処理することができる。図29には、ウェル・アレイと一致し、円77および四角78によって交互に表されるユニットを含む1組の行72−1〜72−nを含む、ユニットのアレイが一般的な形で示されている。1組の太い線73−1〜73−nは、圧力または真空あるいはその両方の送出システムを表している。円形記号77および矩形記号78はそれぞれ、本発明によりすべてのユニットが同じである必要がないことを指摘するために使用されている。たとえば、四角はすすぎ操作後の過剰流体を受け入れるための図3に示されているチャンバを表すことができ、四角は図3に図示されているモジュール310の最下部に圧力を加えるための個別バルブ制御を備えた圧力源を表すことができるであろう。他のオプションとして、円は図13にあるようなマイクロレンズを表すことができ、四角は圧力/真空供給を表す。処理中のプレートは、2つのオプションの一方のみを使用するウェルを有することができるであろう(または、ウェルの半分だけがこの特定の操作に使用される標準アレイを有することができるであろう)。代わって、第1の操作でウェルの半分が円77によって処理され、たとえば、プレートが並進され、第2の操作でウェルの残り半分が処理されるように、フレーム150はアクチュエータによって並進させることができるであろう(下部アレイに接触せずにスライドするようにプレートが任意選択で垂直に持ち上げられている)。次に、矩形によって表されたデバイスを使用して、この2段階プロセスを繰り返すことができるであろう。代わって、円と矩形の両方によりアレイの最初の半分を処理し、次に残り半分を処理することができるであろう。
【0067】
図30を参照すると、図3に図示されているモジュール310と送出/操作システムとの間のインターフェースの分解図が示されている。このバージョンでは、ユニット310は、底面315を有し、壁310によって囲まれた突出シリンダ・ノズル317を有する。下図では、図13の点線680によって表された支持システムは、内部表面384と上面382を備えたシリンダ385を有する。軸82は、2つのシリンダが共通の中心を有することを示している。一実施形態では、表面315は表面382を圧迫し、壁310は両方の表面が出会う点を越えて突出し、結果的に発生する可能性のある任意のスプレー(spray)を制限する。他の実施形態では、内部表面384は突出シリンダ317を囲むことができるので、垂直オーバラップが形成される。ガス圧、真空、または試薬は、シリンダ385からモジュール内に供給される場合もあれば、除去される場合もあり、たとえば、真空を使用して未使用の試薬をセルから引き出すことができ、反応の結果は後のステップで試験するために、光学手段により、またはシリンダ315の内壁上に付着させることにより、決定されている。シリンダの代わりに、図13に図示されているような広い平面を使用することもできる。
【0068】
当業者であれば、重力、電気泳動力(electrophoretic force)、または電気浸透力(electroosmotic force)などの外力を加えることにより、試薬を反応表面(またはマイクロ粒子(microparticle)、マイクロビード(microbead)、ナノ粒子、または生物学的セルなどの非同質物質の形の他の試薬)に対して推進できることが分かるであろう。
【0069】
単一の好ましい実施形態に関して本発明を説明してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲の精神および範囲を超えずに様々なバージョンで本発明を実施できることを認識するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、医薬品の試験および製造の分野で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態用のホルダとともにその一実施形態を示す一般図である。
【図2】アレイの上面図である。
【図3】サブアレイの詳細を示す図である。
【図4】アレイの個別モジュールの上面図である。
【図5】図4のモジュールの断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図10】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図12】本発明の一実施形態の組み立ての一ステップを示す図である。
【図13】流体送出の一ステップを示す図である。
【図14】表面パラメータによって実現される転送制御を示す図である。
【図15】表面パラメータによって実現される転送制御を示す図である。
【図16】表面パラメータによって実現される転送制御を示す図である。
【図17】表面パラメータによって実現される転送制御を示す図である。
【図18】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図19】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図20】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図21】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図22】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図23】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図24】確定された量の試薬を転送する一連の操作の一ステップを示す図である。
【図25】本発明の一実施形態の上面図である。
【図26】図25のモジュールの断面図である。
【図27】本発明の一実施形態の組み立て品の詳細を示す図である。
【図28】アレイの光学点検のために適合された配置を示す図である。
【図29】光学点検および機械的操作のために適合された代替アレイを示す図である。
【図30】本発明によるホルダの詳細を示す分解図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物質が第1の位置から第2の位置に1組の開口部を通過するためのプレート(100)を形成する方法であって、
第1の層内のサンプル・セル(110)のアレイ内に配置された2組の垂直開口部(121、123)を形成するステップであって、各サンプル・セルが前記2組の垂直開口部のうちの各組の1つの部材を含むステップと、
少なくとも1つの対応層内に前記2組に接続する対応する複数組の垂直開口部を形成するステップと、
前記第1の層および前記少なくとも1つの対応層の下に配置された下部層に1組の接続水平開口部(126)を形成するステップであって、前記下部層内の前記水平開口部のうちの少なくともいくつかが前記2組の垂直開口部(121、123)の複数の部材を接続するステップと、
前記第1の層、前記少なくとも1つの対応層、および前記下部層を組み立てて、U型構造(127)を含むサンプル・セルのアレイを含むプレートを形成するステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
前記下部層が前記U型構造の底面を形成する中実層の上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記下部層が前記水平開口部を含み、前記U型構造の底面も形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の前記層のうちの前記少なくとも2つをまとめて結合し、それにより前記プレートを形成するステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数の前記層のうちの前記少なくとも2つをまとめて結合する前記ステップが焼結によって実施される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の層、第2の層、および前記第3の層のうちの前記少なくとも1つに水平開口部および垂直開口部を形成する前記複数のステップが、材料除去技法によって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の層、第2の層、および前記第3の層のうちの前記少なくとも1つに水平開口部および垂直開口部を形成する前記複数のステップが、非材料除去技法によって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記U型構造の底面を形成する前記層が、サンプル材料を保持するために適合された上部表面を有する除去可能層(680)である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記U型構造の底面を形成する前記層が、光を通すために適合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記U型構造の底面を形成する前記層が透明である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記除去可能層が高速スキャンのために適合されている、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記複数組の垂直開口部のうちの少なくとも1組が複数の除去可能ライナを含み、それにより、前記複数の除去可能ライナに付着している材料を処理して前記プレートから取り除くことができる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の除去可能ライナのうちの少なくとも1つが試薬用のキャリアであり、それにより、運用時に前記試薬が加えられた流体の1つの成分と反応する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数組の垂直開口部のうちの少なくとも1組が、すすぎ(リンス)流体を貯蔵するための空間に接続される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数組の開口部のうちの1組の内部表面に付着している材料が試薬用のキャリアであり、それにより、運用時に前記試薬が加えられた流体内の1つの物質と反応する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記垂直開口部および開口部の構造の反応領域が、前記反応領域の外側の領域まで泡が上昇するように適合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記複数組の垂直開口部のうちの第1の組が毛管作用のための第1の引力を有する表面材料を含み、前記複数組の垂直開口部のうちの第2の組が毛管作用のための第2の引力を有する表面材料を含み、それにより、前記第1および第2の組の垂直開口部内に異なる流体を選択的に挿入することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
1組の開口部内で複数の試薬を反応させるためのサンプル・セル(110)のアレイを含むサンプル保持プレート(100)であって、
第1の層内のサンプル・セルの前記アレイ内に配置された2組の垂直開口部(121、123)であって、各サンプル・セルが前記2組の垂直開口部のうちの各組の1つの部材を含む2組の垂直開口部と、
前記第1の層内で前記2組の開口部に接続する複数組の対応する垂直開口部を含む少なくとも1つの対応層と、
前記第1の層および前記少なくとも1つの対応層の下に配置され、1組の接続水平開口部(126)を含む下部層であって、前記1組の接続水平開口部が前記2組の垂直開口部の少なくともいくつかの部材を接続し、それにより、U型構造(127)を含むサンプル・セルのアレイを形成する下部層と、
を有する、サンプル保持プレート。
【請求項19】
前記垂直開口部のうちの第1の開口部が、ある量の第1の試薬を貯蔵するために適合された毛管保持バルブ(830)を有し、
前記垂直開口部のうちの第2の開口部が、第2の試薬を受け入れ、前記第2の試薬を前記第1の試薬と接触させるために適合されている、請求項18に記載のサンプル保持プレート。
【請求項20】
前記第1および第2の試薬が、前記第1および第2の試薬のうちの一方の拡散長分だけ前記第1および第2の試薬がオーバラップする量を有する、請求項19に記載のサンプル保持プレート。
【請求項21】
前記U型構造の底面を形成する前記層が、サンプル材料を保持するために適合された上部表面を有する除去可能層(680)である、請求項19に記載のサンプル保持プレート。
【請求項22】
前記U型構造の底面を形成する前記層が透明である、請求項18に記載のサンプル保持プレート。
【請求項23】
前記複数組の垂直開口部のうちの少なくとも1組が、すすぎ流体を貯蔵するための空間に接続される、請求項18に記載のサンプル保持プレート。
【請求項24】
サンプル・ホルダのアレイを含むプレート(50)を操作するための支持操作構造(150)であって、
前記プレートと機械的に接触する1組の支持部を有し、前記プレートを基準位置に位置決めするための位置合わせ手段(130)と、
支持フレームに対して前記1組の支持部を移動させるための1組のアジャスタであって、それにより前記1組の支持部が前記支持フレームに対して移動する1組のアジャスタと、
を有する、支持操作構造。
【請求項25】
前記1組の支持部をX−Y平面内でシフトし、それにより前記プレートを前記X−Y平面内でシフトするように配置された前記1組のアジャスタを運搬する支持フレーム(110)を有する、請求項24に記載の支持操作構造。
【請求項26】
材料ハンドラによって前記プレートをつかむことができるように、前記プレートを前記構造の上に持ち上げるための手段をさらに有する、請求項25に記載の支持操作構造。
【請求項27】
前記支持フレーム(110)が、前記プレートの下部表面に形成された前記サンプル・ホルダの開口部に気体圧力を供給するための手段を有する、請求項24に記載の支持操作構造。
【請求項28】
前記支持フレーム内で気体圧力を供給するための前記手段のうちの少なくともいくつかが、大気圧未満の気体圧力を供給するための手段を有し、それにより、前記サンプル・ホルダ内に配置された流体が前記サンプル・ホルダから気体圧力を供給するための前記手段内に流出する、請求項27に記載の支持操作構造。
【請求項29】
前記1組の支持部が、前記プレート上で光学インターフェースを支持するための手段を有する、請求項24に記載の支持操作構造。
【請求項30】
前記支持フレームが、第2のインターフェースを点在させた第1のインターフェースの下部インターフェース・アレイを有し、前記第1および第2のインターフェースがサンプル・ホルダの前記アレイの位置に対応する位置を有し、
前記第1のインターフェースが第1の位置で前記サンプル・ホルダのうちの第1の組に出会い、前記第1のインターフェースが第2の位置で前記サンプル・ホルダのうちの第2の組に出会い、前記第2のインターフェースが前記第1の位置で前記サンプル・ホルダのうちの前記第2の組に出会い、前記第2のインターフェースが前記第2の位置で前記サンプル・ホルダのうちの前記第1の組に出会うように、前記プレートおよび前記下部インターフェース・アレイの相対位置をシフトするための手段を前記支持フレームがさらに有し、それにより、前記下部インターフェースをシフトすることにより前記第1および第2のインターフェースをともに前記1組のサンプル・ホルダのすべてに適用することができる、
請求項24に記載の支持操作構造。
【請求項31】
サンプル・ホルダのアレイを含むプレートを操作するための支持操作構造(150)であって、
前記プレートと機械的に接触する1組の支持部(45)を有し、前記プレート(50)を基準位置に位置決めするための位置合わせ手段と、
前記プレートの下部表面に隣接して位置決めされた1組のインターフェース・モジュールであって、前記1組のインターフェース・モジュールのそれぞれが前記プレートの前記下部表面内の開口部に気体圧力を加えるための手段(42、44)を含む1組のインターフェース・モジュールと、
を有する、支持操作構造。
【請求項1】
少なくとも1つの物質が第1の位置から第2の位置に1組の開口部を通過するためのプレート(100)を形成する方法であって、
第1の層内のサンプル・セル(110)のアレイ内に配置された2組の垂直開口部(121、123)を形成するステップであって、各サンプル・セルが前記2組の垂直開口部のうちの各組の1つの部材を含むステップと、
少なくとも1つの対応層内に前記2組に接続する対応する複数組の垂直開口部を形成するステップと、
前記第1の層および前記少なくとも1つの対応層の下に配置された下部層に1組の接続水平開口部(126)を形成するステップであって、前記下部層内の前記水平開口部のうちの少なくともいくつかが前記2組の垂直開口部(121、123)の複数の部材を接続するステップと、
前記第1の層、前記少なくとも1つの対応層、および前記下部層を組み立てて、U型構造(127)を含むサンプル・セルのアレイを含むプレートを形成するステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
前記下部層が前記U型構造の底面を形成する中実層の上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記下部層が前記水平開口部を含み、前記U型構造の底面も形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の前記層のうちの前記少なくとも2つをまとめて結合し、それにより前記プレートを形成するステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数の前記層のうちの前記少なくとも2つをまとめて結合する前記ステップが焼結によって実施される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の層、第2の層、および前記第3の層のうちの前記少なくとも1つに水平開口部および垂直開口部を形成する前記複数のステップが、材料除去技法によって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の層、第2の層、および前記第3の層のうちの前記少なくとも1つに水平開口部および垂直開口部を形成する前記複数のステップが、非材料除去技法によって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記U型構造の底面を形成する前記層が、サンプル材料を保持するために適合された上部表面を有する除去可能層(680)である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記U型構造の底面を形成する前記層が、光を通すために適合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記U型構造の底面を形成する前記層が透明である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記除去可能層が高速スキャンのために適合されている、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記複数組の垂直開口部のうちの少なくとも1組が複数の除去可能ライナを含み、それにより、前記複数の除去可能ライナに付着している材料を処理して前記プレートから取り除くことができる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の除去可能ライナのうちの少なくとも1つが試薬用のキャリアであり、それにより、運用時に前記試薬が加えられた流体の1つの成分と反応する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数組の垂直開口部のうちの少なくとも1組が、すすぎ(リンス)流体を貯蔵するための空間に接続される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数組の開口部のうちの1組の内部表面に付着している材料が試薬用のキャリアであり、それにより、運用時に前記試薬が加えられた流体内の1つの物質と反応する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記垂直開口部および開口部の構造の反応領域が、前記反応領域の外側の領域まで泡が上昇するように適合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記複数組の垂直開口部のうちの第1の組が毛管作用のための第1の引力を有する表面材料を含み、前記複数組の垂直開口部のうちの第2の組が毛管作用のための第2の引力を有する表面材料を含み、それにより、前記第1および第2の組の垂直開口部内に異なる流体を選択的に挿入することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
1組の開口部内で複数の試薬を反応させるためのサンプル・セル(110)のアレイを含むサンプル保持プレート(100)であって、
第1の層内のサンプル・セルの前記アレイ内に配置された2組の垂直開口部(121、123)であって、各サンプル・セルが前記2組の垂直開口部のうちの各組の1つの部材を含む2組の垂直開口部と、
前記第1の層内で前記2組の開口部に接続する複数組の対応する垂直開口部を含む少なくとも1つの対応層と、
前記第1の層および前記少なくとも1つの対応層の下に配置され、1組の接続水平開口部(126)を含む下部層であって、前記1組の接続水平開口部が前記2組の垂直開口部の少なくともいくつかの部材を接続し、それにより、U型構造(127)を含むサンプル・セルのアレイを形成する下部層と、
を有する、サンプル保持プレート。
【請求項19】
前記垂直開口部のうちの第1の開口部が、ある量の第1の試薬を貯蔵するために適合された毛管保持バルブ(830)を有し、
前記垂直開口部のうちの第2の開口部が、第2の試薬を受け入れ、前記第2の試薬を前記第1の試薬と接触させるために適合されている、請求項18に記載のサンプル保持プレート。
【請求項20】
前記第1および第2の試薬が、前記第1および第2の試薬のうちの一方の拡散長分だけ前記第1および第2の試薬がオーバラップする量を有する、請求項19に記載のサンプル保持プレート。
【請求項21】
前記U型構造の底面を形成する前記層が、サンプル材料を保持するために適合された上部表面を有する除去可能層(680)である、請求項19に記載のサンプル保持プレート。
【請求項22】
前記U型構造の底面を形成する前記層が透明である、請求項18に記載のサンプル保持プレート。
【請求項23】
前記複数組の垂直開口部のうちの少なくとも1組が、すすぎ流体を貯蔵するための空間に接続される、請求項18に記載のサンプル保持プレート。
【請求項24】
サンプル・ホルダのアレイを含むプレート(50)を操作するための支持操作構造(150)であって、
前記プレートと機械的に接触する1組の支持部を有し、前記プレートを基準位置に位置決めするための位置合わせ手段(130)と、
支持フレームに対して前記1組の支持部を移動させるための1組のアジャスタであって、それにより前記1組の支持部が前記支持フレームに対して移動する1組のアジャスタと、
を有する、支持操作構造。
【請求項25】
前記1組の支持部をX−Y平面内でシフトし、それにより前記プレートを前記X−Y平面内でシフトするように配置された前記1組のアジャスタを運搬する支持フレーム(110)を有する、請求項24に記載の支持操作構造。
【請求項26】
材料ハンドラによって前記プレートをつかむことができるように、前記プレートを前記構造の上に持ち上げるための手段をさらに有する、請求項25に記載の支持操作構造。
【請求項27】
前記支持フレーム(110)が、前記プレートの下部表面に形成された前記サンプル・ホルダの開口部に気体圧力を供給するための手段を有する、請求項24に記載の支持操作構造。
【請求項28】
前記支持フレーム内で気体圧力を供給するための前記手段のうちの少なくともいくつかが、大気圧未満の気体圧力を供給するための手段を有し、それにより、前記サンプル・ホルダ内に配置された流体が前記サンプル・ホルダから気体圧力を供給するための前記手段内に流出する、請求項27に記載の支持操作構造。
【請求項29】
前記1組の支持部が、前記プレート上で光学インターフェースを支持するための手段を有する、請求項24に記載の支持操作構造。
【請求項30】
前記支持フレームが、第2のインターフェースを点在させた第1のインターフェースの下部インターフェース・アレイを有し、前記第1および第2のインターフェースがサンプル・ホルダの前記アレイの位置に対応する位置を有し、
前記第1のインターフェースが第1の位置で前記サンプル・ホルダのうちの第1の組に出会い、前記第1のインターフェースが第2の位置で前記サンプル・ホルダのうちの第2の組に出会い、前記第2のインターフェースが前記第1の位置で前記サンプル・ホルダのうちの前記第2の組に出会い、前記第2のインターフェースが前記第2の位置で前記サンプル・ホルダのうちの前記第1の組に出会うように、前記プレートおよび前記下部インターフェース・アレイの相対位置をシフトするための手段を前記支持フレームがさらに有し、それにより、前記下部インターフェースをシフトすることにより前記第1および第2のインターフェースをともに前記1組のサンプル・ホルダのすべてに適用することができる、
請求項24に記載の支持操作構造。
【請求項31】
サンプル・ホルダのアレイを含むプレートを操作するための支持操作構造(150)であって、
前記プレートと機械的に接触する1組の支持部(45)を有し、前記プレート(50)を基準位置に位置決めするための位置合わせ手段と、
前記プレートの下部表面に隣接して位置決めされた1組のインターフェース・モジュールであって、前記1組のインターフェース・モジュールのそれぞれが前記プレートの前記下部表面内の開口部に気体圧力を加えるための手段(42、44)を含む1組のインターフェース・モジュールと、
を有する、支持操作構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2007−507714(P2007−507714A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534026(P2006−534026)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/031833
【国際公開番号】WO2005/032448
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/031833
【国際公開番号】WO2005/032448
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】
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