サーバ・ベース・コンピューティング・システムおよびプログラム
【課題】SBCシステムにおいて、キー機能の充実した端末での実際のキー操作頻度を反映させて、キー数の制限された端末におけるより高い操作性を実現する。
【解決手段】サーバ10は、PC端末30とのシンクライアント処理に伴い実行アプリ別に入力イベント(キー)種類毎の入力回数をカウントし、入力回数の多い順にイベント(キー)種類を記述したアプリ別キーアサインテーブルを生成して管理する。携帯端末20とのシンクライアント処理に伴い、前記管理された起動対象のアプリ別キーアサインテーブルを読み込み、同携帯端末20へ送信する。携帯端末20では、予め設定された幾つかのキー26a〜26eの位置に対応させて前記アプリ別キーアサインテーブルに記述されたキーアサインK1,K2,…,K5を表示させ、該当キーの入力イベントが検出された場合、そのデフォルトのキーコードを同キーアサインKmにより割り付けられたキーコードに変更してサーバ10へ送信する。
【解決手段】サーバ10は、PC端末30とのシンクライアント処理に伴い実行アプリ別に入力イベント(キー)種類毎の入力回数をカウントし、入力回数の多い順にイベント(キー)種類を記述したアプリ別キーアサインテーブルを生成して管理する。携帯端末20とのシンクライアント処理に伴い、前記管理された起動対象のアプリ別キーアサインテーブルを読み込み、同携帯端末20へ送信する。携帯端末20では、予め設定された幾つかのキー26a〜26eの位置に対応させて前記アプリ別キーアサインテーブルに記述されたキーアサインK1,K2,…,K5を表示させ、該当キーの入力イベントが検出された場合、そのデフォルトのキーコードを同キーアサインKmにより割り付けられたキーコードに変更してサーバ10へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアント(thin client)のPC(Personal Computer)端末や携帯端末からのリモート操作によりサーバ側で所望のアプリケーションプログラムを起動実行させるようにしたサーバ・ベース・コンピューティング(SBC:Server Based Computing)システムおよびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にSBCシステムでは、シンクライアント端末のユーザ操作に応じたキー出力信号が、その信号発生の都度イベント信号としてサーバへ送信される。そしてサーバでは、前記シンクライアント端末からのイベント信号に応じたアプリケーションプログラムを実行させ、これに伴い生成された表示用の描画データをその描画更新の都度シンクライアント端末へ転送して表示させる。
【0003】
このようなSBCシステムでは、シンクライアント端末としてPC端末や携帯端末(携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant))が使用されるが、同じユーザが外出先やオフィスなどの場所に応じて、携帯端末とPC端末とを使い分けるケースがある。
【0004】
携帯端末は、小型の形状であるためキー数に制限があり、PC端末にて使用されるキーのすべてを配置することはできない。
【0005】
このため、シンクライアント端末として使用する携帯端末では、優先的に利用する頻度が多いと予想される入力イベントのキー機能を予め幾つかのキーに割り当てる設定操作が必要であった。
【0006】
サーバから予め設定されたキー機能テーブルをダウンロードし、キー操作に応じた機能をデフォルト設定されている機能から前記キー機能テーブルにより設定された機能に変更する携帯端末が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
サーバにて動作するアプリの種類に応じたキー配列情報を、同サーバから携帯端末へ送信し、このキー配列情報に応じて同携帯端末の入力装置(ソフトキーボード)にて表示されるキー配列を切り換えるSBCシステムが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−309014号公報
【特許文献2】特開2009−276889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のSBCシステムにおいて、予め設定されたキー機能テーブルに従って携帯端末における各キーに対応する機能を割り付けるもの、また、携帯端末の入力装置(ソフトキーボード)に表示されるキー配列を、サーバにて動作するアプリの種類に応じたキー配列に切り換えるものが考えられている。
【0010】
しかしながら、これらのキー機能の切り換えは、何れも予想されるキー操作の頻度に応じて予め設定されたものとなるため、例えばユーザによるPC端末での実際のキー操作頻度を反映したものとはならず、より高い操作性を実現するものではなかった。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、キー機能の充実した端末での実際のキー操作頻度を反映させて、キー数の制限された端末におけるより高い操作性を実現することが可能になるサーバ・ベース・コンピューティング・システムおよびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、サーバ装置と、このサーバ装置に接続されたシンクライアント端末としての第1の端末装置および第2の端末装置とを有するサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記サーバ装置は、前記第1の端末装置から受信したキー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に計数する入力イベント種類毎計数手段と、この入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に記憶する入力イベント種類毎回数記憶手段と、この入力イベント種類毎回数記憶手段により記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定する入力イベント決定手段と、前記第2の端末装置が接続された際に、前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する入力イベント決定情報送信手段とを備え、前記第2の端末装置は、前記サーバ装置から送信された各キー入力イベントの情報に従い、前記入力回数の多い各キー入力イベントのキー機能を予め設定されたキーに割り付けるキー機能割り付け手段と、ユーザ操作に応じたキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する際に、前記予め設定されたキーが操作された場合は、前記キー機能割り付け手段により割り付けられたキー機能のキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する入力イベント送信手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、前記請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記サーバ装置は、さらに、前記第1の端末装置から受信した入力イベントに応じて起動されるアプリケーションを判別するアプケーション判別手段を備え、前記入力イベント種類毎回数記憶手段は、前記アプリケーション判別手段により判別されるアプリケーション別に、前記入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に記憶し、前記入力イベント決定手段は、前記入力イベント種類毎回数記憶手段によりアプリケーション別に記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定し、前記入力イベント決定情報送信手段は、前記第2の端末装置が接続されアプリケーションが起動された際に、起動されたアプリケーション別に前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する、ことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、前記請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記第2の端末装置は、さらに、前記キー機能割り付け手段により予め設定されたキーに割り付けられたキー機能に対応するキー表記を、予め設定されたキーの位置に対応させて表示部に表示させる割り付けキー表示手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、前記請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記入力イベント種類毎計数手段により計数するキー入力イベントは、複数のキーの組合せに応じたキー入力イベントを含むことを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、前記請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記第1の端末装置は、キーの数が多いキーボードを備えた情報端末装置であって、前記第2の端末装置は、前記情報端末装置のキーボードより少ない数のキーを有する携帯端末装置である、ことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載のプログラムは、サーバ装置と、このサーバ装置に接続されたシンクライアント端末としての第1の端末装置および第2の端末装置とを有するサーバ・ベース・コンピューティング・システムを制御するためのプログラムであって、前記サーバ装置のコンピュータを、前記第1の端末装置から受信したキー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に計数する入力イベント種類毎計数手段、この入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎にメモリに記憶させる入力イベント種類毎回数記憶手段、この入力イベント種類毎回数記憶手段により記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定する入力イベント決定手段、前記第2の端末装置が接続された際に、前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する入力イベント決定情報送信手段として機能させ、前記第2の端末装置のコンピュータを、前記サーバ装置から送信された各キー入力イベントの情報に従い、前記入力回数の多い各キー入力イベントのキー機能を予め設定されたキーに割り付けるキー機能割り付け手段、ユーザ操作に応じたキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する際に、前記予め設定されたキーが操作された場合は、前記キー機能割り付け手段により割り付けられたキー機能のキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する入力イベント送信手段として機能させる、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、キー機能の充実したPC端末等での実際のキー操作頻度を反映させて、キー数の制限された携帯端末等におけるより高い操作性を実現することが可能になるサーバ・ベース・コンピューティング・システムおよびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るサーバ・ベース・コンピューティング・システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアントサーバ10の回路構成を示すブロック図。
【図3】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアントPC端末30の回路構成を示すブロック図。
【図4】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアント携帯端末20の回路構成を示すブロック図。
【図5】前記シンクライアントサーバ10のキーアサイン情報メモリ15に記憶される端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aを示す図。
【図6】前記端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aにて管理されるWebブラウザ(アプリ1)用のキーアサインテーブルA1の具体例を示す図。
【図7】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアントサーバ10によるサーバ処理を示すフローチャート。
【図8】前記シンクライアントサーバ10のサーバ処理に伴うキーアサイン処理を示すフローチャート。
【図9】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアントPC端末30によるPC端末処理を示すフローチャート。
【図10】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアント携帯端末20による携帯端末処理を示すフローチャート。
【図11】前記シンクライアント携帯端末20の携帯端末処理に伴うキーアサインK1〜K5の設定・表示状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係るサーバ・ベース・コンピューティング・システムの構成を示すブロック図である。
【0022】
このSBCシステムは、有線または無線のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)からなるネットワークN上に接続されたシンクライアントサーバ10、および同ネットワークNに接続されたシンクライアント携帯端末20およびシンクライアントPC端末30を備える。
【0023】
本実施形態のシンクライアント携帯端末20には携帯電話を、シンクライアントPC端末30にはパーソナルコンピュータを使用する。
【0024】
前記シンクライアント携帯端末20とシンクライアントPC端末30とは、例えば同一ユーザにより外出先とオフィスなどの場所に応じて使い分けされる。
【0025】
以後、シンクライアントサーバ10はサーバ10、シンクライアント携帯端末20は携帯端末20、シンクライアントPC端末30はPC端末30と称する。
【0026】
サーバ10は、Webブラウザプログラム,メール処理プログラム,テキスト作成処理プログラムなど、複数のアプリケーションプログラムを有し、これらのアプリケーションプログラムは、当該サーバ10に接続された携帯端末20やPC端末30からのユーザ操作に伴う入力イベント信号に応じて起動されその処理を実行する。
【0027】
このサーバ10において、携帯端末20やPC端末30からの入力イベント信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、クライアント用仮想フレームバッファ16(図2参照)上に描画生成された表示画面の描画データGは、アクセス元である携帯端末20やPC端末30へ転送される。
【0028】
そして、携帯端末20やPC端末30では、前記サーバ10から転送された表示画面の描画データGがフレームバッファ24(34)(図4(図3)参照)に展開され、表示装置25(35)の表示画面に表示される。
【0029】
つまり、このSBCシステムにおけるPC端末30(図3参照)は、キーボードやマウスなどのユーザ操作に応じた入力機能とLCD表示部などへの出力機能、およびWANやLANなどのネットワークNに接続するための有線または無線の近距離通信機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を持つ必要がない。
【0030】
また同様に、携帯端末20(図4参照)は、キーパネルやポインタボタンなどのユーザ操作に応じた入力機能とLCD表示部などへの出力機能、携帯電話ネットワークなどの公衆回線網への広域通信機能、およびWANやLANなどのネットワークNに接続するための有線または無線の近距離通信機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を持つ必要がない。
【0031】
そして、PC端末30(携帯端末20)からの入力イベント信号に応じてサーバ10にて起動実行される各種のアプリケーション処理に伴い生成されたデータファイルは、基本的には、当該サーバ10内あるいは該サーバ10に接続されて管理されるファイルサーバ(図示せず)にユーザアカウント毎あるいは共有ファイルとして記憶され保存される。
【0032】
なお、後に詳述するが、前記携帯端末20は、サーバ10と接続してアプリケーションプログラムを起動させシンクライアント動作する場合に、操作性向上のため、キーパネル上の予め設定された1つ又は複数のキー26a〜26eに対して、そのデフォルトのキー機能ではない前記PC端末30にて固有のキー機能が割り付けされる。この場合、携帯端末20の表示画面には、キーパネル上のどのキー(26a〜26e)に何のキー機能が割り付けられたかを表記するキーアサインK1,K2,…,Knが表示される。
【0033】
図2は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアントサーバ10の回路構成を示すブロック図である。
【0034】
サーバ10は、コンピュータとしてのCPU11を備え、このCPU11には、バス12を介してHDD13、メモリ14、キーアサイン情報メモリ15、仮想フレームバッファ16、ネットワーク制御部17が接続される。
【0035】
CPU11は、HDD13に予め記憶されているシステムプログラムや種々のアプリケーションプログラム、あるいは外部から読み込まれてHDD13に記憶されたプログラムなどのサーバ制御プログラムPRsに従ってメモリ14,15を作業領域とし回路各部の動作を制御するもので、ネットワーク制御部17を介して受信されるPC端末30や携帯端末20からのユーザ操作に対応した入力イベント信号に応じて前記種々のプログラムが起動され実行される。
【0036】
このサーバ10において、PC端末30や携帯端末20からの入力イベント信号に応じて起動され実行されるアプリケーションプログラムに従いメモリ14を使用して生成された種々のデータは、例えばそのユーザIDに対応付けられてHDD13に記憶される。またクライアント用表示画面の描画データGは、仮想フレームバッファ16を使用して生成された後、圧縮処理されて、ネットワーク制御部17からイベント入力元のPC端末30や携帯端末20へ転送されて表示出力される。
【0037】
また、前記メモリ14には、PC端末30からの入力イベント信号に応じたシンクライアント処理に伴い、入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aやアプリ別カウント値メモリ14bが確保される。
【0038】
入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aには、1つのアプリケーションプログラムの実行中におけるPC端末30からの入力イベント信号の入力回数が、そのイベント種類(キー種)毎にカウントされて記憶される。
【0039】
なお、このカウンタメモリ14aにおいてカウントの対象となる入力イベントの種類(キー種)は、実行中のアプリケーションプログラムの種類に応じて予め設定され、[Enter][BS(Back Space)][Tab][F1][F2]…などの機能キーを原則として含み、[A][B][C]…などの文字キーや[1][2][3]…などの数字キーが組み合わされる。
【0040】
アプリ別カウント値メモリ14bには、前記入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aにてカウントされた1つのアプリケーションプログラムの実行中における入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数が、同実行アプリの種類に対応付けられて記憶される。
【0041】
また、このサーバ10のキーアサイン情報メモリ15には、前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶されたアプリ別の入力イベント種類(キー種)毎の入力回数に基づき生成された携帯端末20のためのキーアサインテーブル(図5,図6参照)が記憶される。
【0042】
図3は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアントPC端末30の回路構成を示すブロック図である。
【0043】
PC端末30は、コンピュータとしてのCPU31を備え、このCPU31には、バス32を介してメモリ33、フレームバッファ34が接続される。そして、このフレームバッファ34に書き込まれた表示画面の描画データGが表示装置35に出力されて表示される。
【0044】
また、CPU31には、バス32を介してキーボード,マウスなどの入力装置(I/O)36が接続され、さらに、前記ネットワークNのアクセスポイントと近距離通信するためのネットワーク制御部37が接続される。
【0045】
CPU31は、メモリ33に予め記憶されるか、あるいは外部からメモリ33に読み込まれたシンクライアントPC制御プログラムPRcに従って当該メモリ33を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置(I/O)36からのキー入力信号やマウス移動信号、ネットワーク制御部37を介して受信される前記サーバ10からのアプリケーション応答信号や表示画面の描画データGなどに応じて前記シンクライアントPC制御プログラムPRcが起動され実行される。
【0046】
このPC端末30において、入力装置(I/O)36からの入力イベント信号に従い前記サーバ10のアプリケーションプログラムを実行させて生成し同サーバ10から受信した表示画面の描画データGは、その圧縮が解凍されてフレームバッファ34に書き込まれ表示装置35で表示出力される。
【0047】
図4は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアント携帯端末20の回路構成を示すブロック図である。
【0048】
携帯端末20は、コンピュータとしてのCPU21を備え、このCPU21には、バス22を介してメモリ23、フレームバッファ24が接続される。そして、このフレームバッファ24に書き込まれた表示画面の描画データGが表示装置25に出力されて表示される。
【0049】
また、CPU21には、バス22を介してキーパネル,ポインタボタンなどの入力装置(I/O)26、前記サーバ10から受信されたキーアサインテーブル(図5,図6参照)を記憶するためのキーアサイン情報メモリ27、前記ネットワークNのアクセスポイントと近距離通信するためのネットワーク制御部28、携帯電話ネットワーク(N)と通信するためのアンテナ29bを備えた送受信部29aが接続される。
【0050】
CPU21は、メモリ23に予め記憶されるか、あるいは外部からメモリ23に読み込まれたシンクライアント携帯端末制御プログラムPRkに従って当該メモリ23や前記キーアサイン情報メモリ27を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置(I/O)26からのキー信号やポインタ移動信号、ネットワーク制御部28を介して受信される前記サーバ10からのアプリケーション応答信号や表示画面の描画データGなどに応じて前記端末制御プログラムPRkが起動され実行される。
【0051】
この携帯端末20において、入力装置(I/O)26からの入力イベント信号に従い前記サーバ10のアプリケーションプログラムを実行させて生成し同サーバ10から受信した表示画面の描画データGは、その圧縮が解凍されてフレームバッファ24に書き込まれ表示装置25で表示出力される。
【0052】
この携帯端末20からの入力イベント信号に従い前記サーバ10にてアプリケーションプログラムが実行されるシンクライアント処理の際、同携帯端末20の表示装置25には、前記キーアサイン情報メモリ27に記憶されたキーアサインテーブル(図6参照)に応じたキーアサインK1,K2,…,Knが表示され、入力装置(I/O)26におけるキーパネル上のどのキーに何のキー機能が割り付けられたかが表記される。
【0053】
図5は、前記シンクライアントサーバ10のキーアサイン情報メモリ15に記憶される端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aを示す図である。
【0054】
シンクライアントサーバ10のキーアサイン情報メモリ15に記憶される端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aには、前記PC端末30に対するシンクライアント処理が終了した際に、前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶されたアプリ別の入力イベント種類(キー種)毎の入力回数に基づき生成されたキーアサインテーブルが、該当するアプリの種類に対応付けられて、前記PC端末30から取得された端末(ユーザ)アカウント毎に記憶される。
【0055】
図6は、前記端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aにて管理されるWebブラウザ(アプリ1)用のキーアサインテーブルA1の具体例を示す図である。
【0056】
このWebブラウザ(アプリ1)用のキーアサインテーブルA1には、前記PC端末30からの入力イベントに応じて実行されるWebブラウザ(アプリ1)のシンクライアント処理が1回完了する毎に、同ブラウザ実行中に前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶された入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数が多い順に同イベント種類(キー種)にその順位が対応付けられて記憶される。そして、前記Webブラウザ(アプリ1)のシンクライアント処理が1回完了する毎のイベント種類(キー種)の入力順位からそれまでの平均順位が計算され、同平均順位の順番でキーアサインすべきイベント種類(キー種)が決定される。
【0057】
つまり、図6におけるWebブラウザ(アプリ1)用のキーアサインテーブルA1によれば、PC端末30からのリモート操作に従ったWebブラウザ(アプリ1)のシンクライアント処理が5回実行されたところでの同PC端末30による入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数が[Enter]→[BS]→[Tab]→[F1]→[F2]→…の順で多かったことを示し、これがキーアサイン順位に決定され前記端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aに記憶される。
【0058】
このようなサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、サーバ10は、CPU11がサーバ制御プログラムPRsに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、少なくとも次の4つの機能(As)〜(Ds)を有する。
【0059】
(As) PC端末30や携帯端末20との接続が確立された状態で、同各端末30,20からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラムを実行させ、これにより生成された表示画面の描画データGをイベント入力元の端末30,20へ送信するシンクライアント処理機能。
【0060】
(Bs) PC端末30との接続によるシンクライアント処理に際して、起動されるアプリケーションプログラム別に、入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数をカウントする機能。
【0061】
(Cs) PC端末30との接続によるシンクライアント処理の終了後、前記カウントされたアプリ別イベント種類(キー種)毎の入力回数に基づいて、後の携帯端末20との接続に伴う同一アプリの起動時に同携帯端末20にて使用するためのキーアサインテーブルを生成する機能。
【0062】
(Ds) 携帯端末20との接続によるシンクライアント処理に際して、起動されるアプリケーションプログラム別の前記生成されたキーアサインテーブルを読み出して同携帯端末20へ送信する機能。
【0063】
なお、前記サーバ制御プログラムPRsは、その全部又は一部を、HDD13に予め記憶させてもよいし、メモリカードやCD,DVDなどの持ち運び可能な外部の記憶媒体から読み込んでHDD13に記憶させてもよいし、外部のWebサーバ(プログラムサーバ)から通信ネットワークNを介してダウンロードしHDD13に記憶させてもよい。
【0064】
また、このようなサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、PC端末30は、CPU31がPC制御プログラムPRcに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、少なくとも次の機能(Ac)を有する。
【0065】
(Ac) サーバ10との接続が確立した状態で、ユーザ操作に伴う入力イベントを同サーバ10へ送信し、この入力イベントに応答して同サーバ10にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成され送信された表示画面の描画データGを受信して表示させるシンクライアント処理機能。
【0066】
なお、前記PC制御プログラムPRcは、その全部又は一部を、メモリ33に予め記憶させてもよいし、メモリカードやCD,DVDなどの持ち運び可能な外部の記憶媒体から読み込んでメモリ33に記憶させてもよいし、外部のWebサーバ(プログラムサーバ)から通信ネットワークNを介してダウンロードしメモリ33に記憶させてもよい。
【0067】
また、このようなサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、携帯端末20は、CPU21が携帯端末制御プログラムPRkに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、少なくとも次の4つの機能(Ak)〜(Dk)を有する。
【0068】
(Ak) ユーザ操作に応じたアプリケーションを指定してサーバ10との接続が確立した際に、同サーバ10から送信された指定のアプリケーションに対応するキーアサインテーブルを受信して記憶し、同テーブルに記述されたキーアサインK1,K2,…,Knを表示画面に表示する機能。
【0069】
(Bk) ユーザ操作に応じた入力イベントを前記接続中のサーバ10へ送信する機能。
【0070】
(Ck) ユーザ操作に応じた入力イベントが前記キーアサインK1,K2,…,Knに表記されるところのキー入力イベントである場合は、同キー入力イベント(キーコード)を該当するキーアサインKnに対応したキー入力イベント(キーコード)に変更して前記接続中のサーバ10へ送信する機能。
【0071】
(Dk) ユーザ操作に応じた入力イベントのサーバ10への送信に応答して同サーバ10にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成され送信された表示画面の描画データGを受信して表示させるシンクライアント処理機能。
【0072】
なお、携帯端末制御プログラムPRkは、その全部又は一部を、メモリ23に予め記憶させてもよいし、メモリカードやCD,DVDなどの持ち運び可能な外部の記憶媒体から読み込んでメモリ23に記憶させてもよいし、外部のWebサーバ(プログラムサーバ)から通信ネットワークNを介してダウンロードしメモリ23に記憶させてもよい。
【0073】
これにより、PC端末30からサーバ10へのアクセスにより所望のアプリケーションプログラムを起動させ操作したときの操作頻度の高いキー機能を、携帯端末20により同じアプリケーションプログラムを起動させたときの予め設定された幾つかのキーに対するキーアサインK1,K2,…,Knとして設定することができる。このため、キー数の制限された携帯端末20におけるより高い操作性を実現することが可能になる。
【0074】
次に、前記構成のサーバ・ベース・コンピューティング・システムの動作について説明する。
【0075】
図7は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアントサーバ10によるサーバ処理を示すフローチャートである。
【0076】
先ず、PC端末30からの端末(ユーザ)アカウントを含む接続要求に従い(ステップS1(yes))、ユーザ認証されたと判断されると(ステップS2(yes))、同PC端末30の種類や表示装置35の画面解像度を取得するなど、同端末30とのネゴシエーション処理が実行される(ステップS3)。
【0077】
ここで、接続の確立された端末の種類について、PC端末30か携帯端末20かが判別され(ステップS4)、PC端末30であると判断されると(ステップS5(yes))、同PC端末30に対するシンクライアント処理が実行される(ステップS6)。
【0078】
すなわち、PC端末30からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラム(例えば、Webブラウザ)が起動され、このアプリケーションプログラムの実行に従い生成された表示画面の描画データが、イベント入力元のPC端末30へ送信されて表示される。
【0079】
前記PC端末30に対するシンクライアント処理が開始されると、起動されたアプリケーションプログラムの種類が判別される(ステップS7)。
【0080】
そして、判別された起動アプリの種類に対応付けられて、前記シンクライアント処理中にあるPC端末30からの入力イベント(キー種)の種類毎の入力回数が、入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aにてカウントされる(ステップS8)。
【0081】
この後、PC端末30からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラムの実行が終了し、同PC端末30から切断要求が受信されたと判断されると(ステップS9(yes))、前記入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aにてカウントされた同PC端末30からの入力イベント(キー種)の種類毎の入力回数が、アプリ別カウント値メモリ14bに例えばWebブラウザのアプリ名に対応付けられて保存(記憶)される(ステップS10)。
【0082】
すると、図8におけるキーアサイン処理へ移行される(ステップST)。
【0083】
図8は、前記シンクライアントサーバ10のサーバ処理に伴うキーアサイン処理を示すフローチャートである。
【0084】
このキーアサイン処理が起動されると、前記PC端末30との接続中に実行されたアプリ(例えばWebブラウザ)に対応するアプリ別キーアサインテーブル(図6参照)がキーアサイン情報メモリ15内に既に生成されて有るか否か判断される(ステップT1)。
【0085】
ここで、例えば前記PC端末30からの入力イベントによるWebブラウザの実行回数が初回であることで、同Webブラウザに対応するアプリ別キーアサインテーブルがキーアサイン情報メモリ15内に未だ生成されていないと判断されると(ステップT1(no))、同アプリ別キーアサインテーブルA1(図6参照)が生成されキーアサイン情報メモリ15に記憶される(ステップT2)。
【0086】
すると、前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶された前記PC端末30との接続に伴うWebブラウザ実行中における入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数が読み込まれ(ステップT3)、同入力イベントの種類(キー種)がその入力回数の多い順に、例えば[Enter]→[BS]→[Tab]→[F1]→[F2]→…として順位付けされる(ステップT4)。
【0087】
ここで、前記キーアサイン情報メモリ15に生成されたアプリ別キーアサインテーブルA1(図6参照)に対する順位データの書き込み回数が予め設定された回数N(=5)に到達しているか否か判断される(ステップT5)。
【0088】
前記アプリ別キーアサインテーブルA1に対する順位データの書き込み回数が例えば1回目の場合は、予め設定された回数N(=5)に到達してないと判断される(ステップT5(no))。
【0089】
そして具体的には、図6に示すように、Webブラウザ(アプリ1)のキーアサインテーブルA1に対する1回目の書き込み処理として、入力回数の多い順に順位付けされた入力イベントの種類(キー種)([Enter],[BS],[Tab],[F1],[F2],…)とその順位(1,2,3,4,5,…)とが対応付けられて書き込まれる(ステップT7)。
【0090】
すると、前記キーアサインテーブルA1に書き込まれた入力イベントの種類(キー種)毎のN回分の入力順位についてその平均順位が計算されて書き込まれる(ステップT8)。この際、前記入力イベントの種類(キー種)毎のN回分の入力順位が未だ全て書き込まれていない場合でも、書き込まれたところまでの平均順位が計算される。
【0091】
すると、前記入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数の平均順位に従って、キーアサイン順位が、[Enter]“1”,[BS]“2”,[Tab]“3”,[F1]“4”,[F2]“5”,…として決定され書き込まれる(ステップT9)。
【0092】
この後、前記PC端末30との再接続に伴い(ステップS1〜S4)、同じアプリケーションプログラム(例えばWebブラウザ)が実行されて終了される度に(ステップS5〜S10)、前記図8におけるキーアサイン処理が同様に実行され(ステップST)、キーアサイン情報メモリ15に記憶されているWebブラウザ(アプリ1)のキーアサインテーブルA1(図6参照)に対して、入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数の順位が書き込まれる(ステップT1→T3〜T5→T7)。
【0093】
そして、前記入力イベントの種類(キー種)毎にこれまでの平均順位が計算され(ステップT8)、同平均順位に従って、キーアサイン順位が再決定されて書き込まれる(ステップT9)。
【0094】
この後さらに、前記PC端末30からの再接続に応じたWebブラウザのシンクライアント処理が繰り返され(ステップS1〜S10)、前記キーアサイン処理(ステップST)において、前記アプリ別キーアサインテーブルA1(図6参照)に対する順位データの書き込み回数が予め設定された回数N(=5)に到達したと判断された場合には(ステップT5(yes))、当該N回分書き込まれた各順位データは1回分シフト処理されて最先のデータが破棄され(ステップT6)、今回のシンクライアント処理での入力イベントの種類(キー種)毎の順位データが書き込まれる(ステップT7)。
【0095】
このように、前記PC端末30からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラムが実行される度に、同アプリ実行中の入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数の順位に従った最新のアプリ別キーアサインテーブルAnが生成され、図5に示すように、端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aに対し、該当する端末(ユーザ)アカウントとアプリの種類とに対応付けられて保存(記憶)される(ステップS11)。
【0096】
すると、前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶された今回のPC端末30とのシンクライアント処理(アプリ実行処理)に伴う入力イベント(キー種)毎の回数カウント値がクリアされ(ステップS12)、前記PC端末30との切断処理が実行される(ステップS13)。
【0097】
なお、前記ステップS8において、入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aにてカウントすべき対象の入力イベントの種類(キー種)は、実行中のアプリケーションプログラムの種類に応じて予め設定され、例えば図5に示すように、Webブラウザ(アプリ1)では[Enter][BS][Tab]などの機能キー、アプリ2では機能キーおよび文字キー,数字キー、アプリ3では機能キーおよび文字キー、アプリ4では機能キーおよび数字キーとして設定される。また、前記入力イベントの種類(キー種)には、カウントの対象となるキーのうちの複数のキーの組合せ(例えば[Ctrl]+[S])に対応した入力イベントも含む。
【0098】
図9は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアントPC端末30によるPC端末処理を示すフローチャートである。
【0099】
PC端末30のユーザ操作に応じて、端末(ユーザ)アカウントを含んだ前記サーバ10への接続要求が送信された後(ステップP1)、同サーバ10からユーザ認証OKの応答信号が受信されると(ステップP2(yes))、同PC端末30の種類や表示装置35の画面解像度を通知するなど、接続情報のネゴシエーション処理が実行される(ステップP3)。
【0100】
前記サーバ10との接続が確立されると、同サーバ10との間でシンクライアント処理が実行される(ステップP4)。すなわち、キーボードやマウスなどの入力装置(I/O)36のユーザ操作に応じた入力イベントがサーバ10へ送信され、この入力イベントに応答してサーバ10により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された表示画面の描画データGが受信される。そして、受信された描画データGはフレームバッファ34に展開され、表示装置35の表示画面に表示される。
【0101】
こうして、ユーザ所望のシンクライアント処理が実行され、切断の指示が入力されたと判断されると(ステップP5(yes))、前記サーバ10との切断処理が実行される(ステップP6)。
【0102】
そして、終了の指示が入力されたと判断されると(ステップP7(yes))、前記一連のPC端末処理が終了される(ステップP8)。
【0103】
このPC端末30を操作してのシンクライアント処理では、フルキーボードの入力装置(I/O)36を使用できるので、実行中のアプリケーションをストレスなく操作することができる。
【0104】
一方、前記サーバ10によるサーバ処理(図7参照)において、携帯端末20からの端末(ユーザ)アカウントおよび指定のアプリケーション(例えばWebブラウザ)を含む接続要求に従い(ステップS1(yes))、ユーザ認証されたと判断されると(ステップS2(yes))、同携帯端末20の種類や表示装置25の画面解像度を取得するなど、同端末20とのネゴシエーション処理が実行される(ステップS3)。この際、携帯端末20から同端末20に予め設定されたキーアサインすべきキーの個数(キーアサイン個数)が取得される。
【0105】
ここで、接続の確立された端末の種類について、PC端末30か携帯端末20かが判別され(ステップS4)、携帯端末20であると判断されると(ステップS5(no))、キーアサイン情報メモリ15の端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15a(図5参照)に記憶されている該当の端末(ユーザ)アカウントに対応するところのアプリ別のキーアサインテーブルAn…が順次読み込まれ(ステップS16)、同携帯端末20からの指定により起動対象となるアプリケーション(Webブラウザ)のキーアサインテーブルであるか否か判断される(ステップS17)。
【0106】
そして、前記端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aから読み込まれたアプリ別のキーアサインテーブルAn…について、前記携帯端末20からの指定により起動対象となるアプリ(Webブラウザ(アプリ1))のキーアサインテーブルA1(図6参照)であると判断されると(ステップS17(yes))、同Webブラウザ(アプリ1))のキーアサインテーブルA1が前記携帯端末20へ送信される(ステップS18)。
【0107】
なお、前記携帯端末20へ送信するWebブラウザ(アプリ1))のキーアサインテーブルA1は、前記ステップS3にて同携帯端末20から取得されたキーアサイン個数(例えば5個)に従い、上位5番目までのイベント種類(キー種)に対応するところのテーブルを抜き出して送信してもよい。
【0108】
すると、サーバ10では、前記携帯端末20に対するシンクライアント処理が実行される(ステップS19)。
【0109】
すなわち、携帯端末20からの入力イベントに応じて実行されるアプリケーションプログラム(Webブラウザ)に従い生成された表示画面の描画データGが、イベント入力元の携帯端末20へ送信されて表示される。
【0110】
この場合、前記携帯端末20から受信されるキー操作に応じた入力イベント信号は、同携帯端末20へ送信したWebブラウザ(アプリ1))のキーアサインテーブルA1に従い、その入力装置(I/O)26のキーパネルのうち予め設定された幾つかのキーが、前記PC端末30による同一アプリ実行時の入力頻度の高いキーに置き換えられた状態での入力イベント(キーコード)信号として受信される。
【0111】
この後、前記携帯端末20からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラムの実行が終了し、同携帯端末20から切断要求が受信されたと判断されると(ステップS20(yes))、同携帯端末20との切断処理が実行される(ステップS13)。
【0112】
そして、サーバ10自身のユーザ操作に応じて終了の指示が入力されたと判断されると(ステップS14(yes))、前記一連のサーバ処理が終了される(ステップS15)。
【0113】
図10は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアント携帯端末20による携帯端末処理を示すフローチャートである。
【0114】
図11は、前記シンクライアント携帯端末20の携帯端末処理に伴うキーアサインK1〜K5の設定・表示状態を示す図である。
【0115】
この携帯端末20の入力装置(I/O)(キーパネル)26において、3×3の文字・数字キー、メニューキー26X、文字入力モード切換キー26Yは、同端末20の単独での動作時および前記サーバ10へ接続してのシンクライアント動作時の何れの動作時にも固定とする一方、それ以外の5つのキー26a〜26eについては、前記サーバ10へ接続してのシンクライアント動作時にキーアサインの対象として設定する。
【0116】
そして、シンクライアント動作時に、前記5つのキー26a〜26eが何のキーに置き換えられているかを示すキーアサインK1〜K5が、表示装置25の表示画面に当該5つのキー26a〜26eの配列に応じて表示される。
【0117】
携帯端末20のユーザ操作に応じて、端末(ユーザ)アカウントおよび指定のアプリケーション(例えばWebブラウザ)を含んだ前記サーバ10への接続要求が送信された後(ステップH1)、同サーバ10からユーザ認証OKの応答信号が受信されると(ステップH2(yes))、同携帯端末20の種類や表示装置25の画面解像度を通知するなど、接続情報のネゴシエーション処理が実行される(ステップH3)。
【0118】
この際、携帯端末20にて予め設定されたキーアサイン個数(例えば5個)も前記サーバ10へ通知される。
【0119】
そして、前記サーバ装置10から送信されたユーザ指定のアプリケーション(Webブラウザ)に対応するキーアサインテーブルA1(図6参照)が受信されると(ステップH4(yes))、同キーアサインテーブルA1はキーアサイン情報メモリ27に記憶される。そして、このキーアサインテーブルA1に順位付けされて記述されている前記キーアサイン個数(5個)に対応した各イベント種類(キー種)[Enter][BS][Tab][F1][F2]のキーコードが、前記5つのキー26a〜26eのキーコードと置き換える機能コードとして設定され、図11に示すように、各対応するキーアサインK1〜K5が表示装置25の表示画面に表示される(ステップH5)。
【0120】
すると、ユーザ操作に応じた入力イベントの検出待機状態となり(ステップH6)、同入力イベントが検出されたと判断されると(ステップH7(yes))、前記キーアサインK1〜K5に対応する各キー26a〜26eの機能が置き換えられた状態で、前記検出されたキー入力イベントに対応するキーコードが生成され(ステップH8)、サーバ10へ送信される(ステップH9,H10)。
【0121】
具体的には、キー26aによる入力イベントが検出されると、当該キー26aのデフォルトのキーコードが[Enter]キーの機能コードに置き換えられて送信され、またキー26bによる入力イベントが検出されると、当該キー26bのデフォルトのキーコードが[BS]キーの機能コードに置き換えられて送信され、またキー26cによる入力イベントが検出されると、当該キー26cのデフォルトのキーコードが[Tab]キーの機能コードに置き換えられて送信され、また、キー26dによる入力イベントが検出されると、当該キー26dのデフォルトのキーコードが[F1]キーの機能コードに置き換えられて送信され、またキー26eによる入力イベントが検出されると、当該キー26eのデフォルトのキーコードが[F2]キーの機能コードに置き換えられて送信される。
【0122】
なお、前記キーアサインK1〜K5された5つのキー26a〜26e以外のキー入力イベントが検出された場合には、同キー入力イベントに対応するデフォルトのキーコードがそのまま送信される。
【0123】
このように、携帯端末30を操作してのシンクライアント処理では、入力装置(I/O)26におけるキー数は少なく制限されているものの、予め設定された5つのキー26a〜26eについては、実行中のアプリケーションに応じて使用頻度の高いPC端末30でのキーを割り付けて使用することができ、キー操作性の大幅向上が可能になる。
【0124】
この後、前記サーバ10への入力イベントの送信に応答して、同サーバ10により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された表示画面の描画データGが受信されると(ステップH11(yes))、同描画データGの圧縮が解凍されてエンコード処理される(ステップH12)。
【0125】
そして、前記エンコード処理された描画データGはフレームバッファ24に展開され、表示装置25の表示画面に表示される(ステップH13)。
【0126】
こうして、ユーザ所望のシンクライアント処理が実行され、切断の指示が入力されたと判断されると(ステップH14(yes))、前記サーバ10との切断処理が実行される(ステップH15)。
【0127】
そして、終了の指示が入力されたと判断されると(ステップH16(yes))、前記一連の携帯端末処理が終了される(ステップH17)。
【0128】
したがって、前記構成のサーバ・ベース・コンピューティング・システムの携帯端末20に対する起動アプリ別のキーアサイン設定機能によれば、サーバ10は、PC端末30とのシンクライアント処理に伴い、実行アプリ別に入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数をカウントし、入力回数の多い順にイベントの種類(キー種)を記述したアプリ別キーアサインテーブルAnを生成し、端末(ユーザ)毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aに記憶して管理する。そして、携帯端末20とのシンクライアント処理に伴い、前記端末(ユーザ)毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aから起動対象のアプリ別キーアサインテーブルAnを読み込み同携帯端末20へ送信する。すると、携帯端末20では、前記アプリ別キーアサインテーブルAnを受信し、予め設定された幾つかのキー位置に対応させて同テーブルAnに記述されたキーアサインK1,K2,…を表示させ、該当するキーの入力イベントが検出された場合には、そのデフォルトのキーコードを同キーアサインKmにより割り付けられたキーコードに変更してサーバ10へ送信する。
【0129】
よって、携帯端末20のキー数は少なく制限されているものの、予め設定されキーについては、実行中のアプリケーションに応じて使用頻度の高いPC端末30でのキーを割り付けて使用することができ、キー操作性の大幅向上が可能になる。
【0130】
しかも、前記サーバ10により生成されるアプリ別キーアサインテーブルAnは、端末(ユーザ)アカウント毎のアプリ別キーアサイン管理テーブル15aにて管理し、同端末(ユーザ)アカウントに対応した携帯端末20へ送信するので、個々のユーザにそれぞれ合わせたキーアサインKmを設定することができる。
【0131】
なお、前記実施形態のサーバ10によるキーアサイン処理(ステップST)では、入力イベント種類毎回数カウンタ14aによりカウントされた各入力イベント(キー)種類毎の入力回数の多い順に、同入力イベント(キー)の種類を順位付けし、この順位付け処理の複数回に渡る平均順位に従って、携帯端末30の予め設定された幾つかのキーに置き換えする入力イベント(キー)の種類を決定した。
【0132】
これに対し、入力イベント種類毎回数カウンタ14aによりカウントされた各入力イベント(キー)種類毎の入力回数の多い順に、単純に、携帯端末30の予め設定された幾つかのキーに置き換えする入力イベント(キー)の種類を決定してもよい。この場合、同入力イベント種類毎回数カウンタ14aをそのままアプリ別キーアサインテーブルとして使用する。
【0133】
前記実施形態において記載したサーバ・ベース・コンピューティング・システムによるによる各処理の手法、すなわち、図7のフローチャートに示すサーバ10によるサーバ処理、図8のフローチャートに示す前記サーバ処理に伴うキーアサイン処理、図9のフローチャートに示すPC端末30によるPC端末処理、図10のフローチャートに示す携帯端末20による携帯端末処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体に格納して配布することができる。そして、サーバ10やPC端末30、携帯端末20のコンピュータ(CPU11,31,21)は、この外部記憶媒体に記憶されたプログラムを記憶装置(13,33,23)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した携帯端末20に対する起動アプリ別のキーアサイン設定機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0134】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込んで記憶装置(13,33,23)に記憶させ、前述した携帯端末20に対する起動アプリ別のキーアサイン設定機能を実現することもできる。
【0135】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0136】
10 …シンクライアントサーバ
11 …CPU
13 …HDD
PRs…シンクライアントサーバ制御プログラム
14 …メモリ
14a…入力イベント種類毎回数カウンタメモリ
14b…アプリ別カウント値メモリ
15 …キーアサイン情報メモリ
15a…端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル
An …端末(ユーザ)Aのアプリ別キーアサインテーブル
Bn …端末(ユーザ)Bのアプリ別キーアサインテーブル
16 …仮想フレームバッファ
G …表示画面の描画データ
17 …ネットワーク制御部
20 …シンクライアント携帯端末
21 …CPU
23 …メモリ
PRk…シンクライアント携帯端末制御プログラム
24 …フレームバッファ
25 …表示装置
K1〜K5…キーアサイン
26 …入力装置(I/O)
26X,26Y…固定キー
26a〜26e…アサイン対象キー
27 …キーアサイン情報メモリ
28 …ネットワーク制御部
29a…送受信部
29b…アンテナ
30 …シンクライアントPC端末
31 …CPU
33 …メモリ
PRc…シンクライアントPC制御プログラム
34 …フレームバッファ
35 …表示装置
36 …入力装置(I/O)
37 …ネットワーク制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアント(thin client)のPC(Personal Computer)端末や携帯端末からのリモート操作によりサーバ側で所望のアプリケーションプログラムを起動実行させるようにしたサーバ・ベース・コンピューティング(SBC:Server Based Computing)システムおよびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にSBCシステムでは、シンクライアント端末のユーザ操作に応じたキー出力信号が、その信号発生の都度イベント信号としてサーバへ送信される。そしてサーバでは、前記シンクライアント端末からのイベント信号に応じたアプリケーションプログラムを実行させ、これに伴い生成された表示用の描画データをその描画更新の都度シンクライアント端末へ転送して表示させる。
【0003】
このようなSBCシステムでは、シンクライアント端末としてPC端末や携帯端末(携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant))が使用されるが、同じユーザが外出先やオフィスなどの場所に応じて、携帯端末とPC端末とを使い分けるケースがある。
【0004】
携帯端末は、小型の形状であるためキー数に制限があり、PC端末にて使用されるキーのすべてを配置することはできない。
【0005】
このため、シンクライアント端末として使用する携帯端末では、優先的に利用する頻度が多いと予想される入力イベントのキー機能を予め幾つかのキーに割り当てる設定操作が必要であった。
【0006】
サーバから予め設定されたキー機能テーブルをダウンロードし、キー操作に応じた機能をデフォルト設定されている機能から前記キー機能テーブルにより設定された機能に変更する携帯端末が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
サーバにて動作するアプリの種類に応じたキー配列情報を、同サーバから携帯端末へ送信し、このキー配列情報に応じて同携帯端末の入力装置(ソフトキーボード)にて表示されるキー配列を切り換えるSBCシステムが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−309014号公報
【特許文献2】特開2009−276889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のSBCシステムにおいて、予め設定されたキー機能テーブルに従って携帯端末における各キーに対応する機能を割り付けるもの、また、携帯端末の入力装置(ソフトキーボード)に表示されるキー配列を、サーバにて動作するアプリの種類に応じたキー配列に切り換えるものが考えられている。
【0010】
しかしながら、これらのキー機能の切り換えは、何れも予想されるキー操作の頻度に応じて予め設定されたものとなるため、例えばユーザによるPC端末での実際のキー操作頻度を反映したものとはならず、より高い操作性を実現するものではなかった。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、キー機能の充実した端末での実際のキー操作頻度を反映させて、キー数の制限された端末におけるより高い操作性を実現することが可能になるサーバ・ベース・コンピューティング・システムおよびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、サーバ装置と、このサーバ装置に接続されたシンクライアント端末としての第1の端末装置および第2の端末装置とを有するサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記サーバ装置は、前記第1の端末装置から受信したキー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に計数する入力イベント種類毎計数手段と、この入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に記憶する入力イベント種類毎回数記憶手段と、この入力イベント種類毎回数記憶手段により記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定する入力イベント決定手段と、前記第2の端末装置が接続された際に、前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する入力イベント決定情報送信手段とを備え、前記第2の端末装置は、前記サーバ装置から送信された各キー入力イベントの情報に従い、前記入力回数の多い各キー入力イベントのキー機能を予め設定されたキーに割り付けるキー機能割り付け手段と、ユーザ操作に応じたキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する際に、前記予め設定されたキーが操作された場合は、前記キー機能割り付け手段により割り付けられたキー機能のキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する入力イベント送信手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、前記請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記サーバ装置は、さらに、前記第1の端末装置から受信した入力イベントに応じて起動されるアプリケーションを判別するアプケーション判別手段を備え、前記入力イベント種類毎回数記憶手段は、前記アプリケーション判別手段により判別されるアプリケーション別に、前記入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に記憶し、前記入力イベント決定手段は、前記入力イベント種類毎回数記憶手段によりアプリケーション別に記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定し、前記入力イベント決定情報送信手段は、前記第2の端末装置が接続されアプリケーションが起動された際に、起動されたアプリケーション別に前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する、ことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、前記請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記第2の端末装置は、さらに、前記キー機能割り付け手段により予め設定されたキーに割り付けられたキー機能に対応するキー表記を、予め設定されたキーの位置に対応させて表示部に表示させる割り付けキー表示手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、前記請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記入力イベント種類毎計数手段により計数するキー入力イベントは、複数のキーの組合せに応じたキー入力イベントを含むことを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムは、前記請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、前記第1の端末装置は、キーの数が多いキーボードを備えた情報端末装置であって、前記第2の端末装置は、前記情報端末装置のキーボードより少ない数のキーを有する携帯端末装置である、ことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載のプログラムは、サーバ装置と、このサーバ装置に接続されたシンクライアント端末としての第1の端末装置および第2の端末装置とを有するサーバ・ベース・コンピューティング・システムを制御するためのプログラムであって、前記サーバ装置のコンピュータを、前記第1の端末装置から受信したキー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に計数する入力イベント種類毎計数手段、この入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎にメモリに記憶させる入力イベント種類毎回数記憶手段、この入力イベント種類毎回数記憶手段により記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定する入力イベント決定手段、前記第2の端末装置が接続された際に、前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する入力イベント決定情報送信手段として機能させ、前記第2の端末装置のコンピュータを、前記サーバ装置から送信された各キー入力イベントの情報に従い、前記入力回数の多い各キー入力イベントのキー機能を予め設定されたキーに割り付けるキー機能割り付け手段、ユーザ操作に応じたキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する際に、前記予め設定されたキーが操作された場合は、前記キー機能割り付け手段により割り付けられたキー機能のキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する入力イベント送信手段として機能させる、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、キー機能の充実したPC端末等での実際のキー操作頻度を反映させて、キー数の制限された携帯端末等におけるより高い操作性を実現することが可能になるサーバ・ベース・コンピューティング・システムおよびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るサーバ・ベース・コンピューティング・システムの構成を示すブロック図。
【図2】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアントサーバ10の回路構成を示すブロック図。
【図3】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアントPC端末30の回路構成を示すブロック図。
【図4】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアント携帯端末20の回路構成を示すブロック図。
【図5】前記シンクライアントサーバ10のキーアサイン情報メモリ15に記憶される端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aを示す図。
【図6】前記端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aにて管理されるWebブラウザ(アプリ1)用のキーアサインテーブルA1の具体例を示す図。
【図7】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアントサーバ10によるサーバ処理を示すフローチャート。
【図8】前記シンクライアントサーバ10のサーバ処理に伴うキーアサイン処理を示すフローチャート。
【図9】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアントPC端末30によるPC端末処理を示すフローチャート。
【図10】前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアント携帯端末20による携帯端末処理を示すフローチャート。
【図11】前記シンクライアント携帯端末20の携帯端末処理に伴うキーアサインK1〜K5の設定・表示状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係るサーバ・ベース・コンピューティング・システムの構成を示すブロック図である。
【0022】
このSBCシステムは、有線または無線のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)からなるネットワークN上に接続されたシンクライアントサーバ10、および同ネットワークNに接続されたシンクライアント携帯端末20およびシンクライアントPC端末30を備える。
【0023】
本実施形態のシンクライアント携帯端末20には携帯電話を、シンクライアントPC端末30にはパーソナルコンピュータを使用する。
【0024】
前記シンクライアント携帯端末20とシンクライアントPC端末30とは、例えば同一ユーザにより外出先とオフィスなどの場所に応じて使い分けされる。
【0025】
以後、シンクライアントサーバ10はサーバ10、シンクライアント携帯端末20は携帯端末20、シンクライアントPC端末30はPC端末30と称する。
【0026】
サーバ10は、Webブラウザプログラム,メール処理プログラム,テキスト作成処理プログラムなど、複数のアプリケーションプログラムを有し、これらのアプリケーションプログラムは、当該サーバ10に接続された携帯端末20やPC端末30からのユーザ操作に伴う入力イベント信号に応じて起動されその処理を実行する。
【0027】
このサーバ10において、携帯端末20やPC端末30からの入力イベント信号に応じたアプリケーションプログラムの実行に伴い、クライアント用仮想フレームバッファ16(図2参照)上に描画生成された表示画面の描画データGは、アクセス元である携帯端末20やPC端末30へ転送される。
【0028】
そして、携帯端末20やPC端末30では、前記サーバ10から転送された表示画面の描画データGがフレームバッファ24(34)(図4(図3)参照)に展開され、表示装置25(35)の表示画面に表示される。
【0029】
つまり、このSBCシステムにおけるPC端末30(図3参照)は、キーボードやマウスなどのユーザ操作に応じた入力機能とLCD表示部などへの出力機能、およびWANやLANなどのネットワークNに接続するための有線または無線の近距離通信機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を持つ必要がない。
【0030】
また同様に、携帯端末20(図4参照)は、キーパネルやポインタボタンなどのユーザ操作に応じた入力機能とLCD表示部などへの出力機能、携帯電話ネットワークなどの公衆回線網への広域通信機能、およびWANやLANなどのネットワークNに接続するための有線または無線の近距離通信機能を主要な機能として有し、少なくとも前記サーバ10が有している各種のアプリケーション機能やデータファイルの管理機能を持つ必要がない。
【0031】
そして、PC端末30(携帯端末20)からの入力イベント信号に応じてサーバ10にて起動実行される各種のアプリケーション処理に伴い生成されたデータファイルは、基本的には、当該サーバ10内あるいは該サーバ10に接続されて管理されるファイルサーバ(図示せず)にユーザアカウント毎あるいは共有ファイルとして記憶され保存される。
【0032】
なお、後に詳述するが、前記携帯端末20は、サーバ10と接続してアプリケーションプログラムを起動させシンクライアント動作する場合に、操作性向上のため、キーパネル上の予め設定された1つ又は複数のキー26a〜26eに対して、そのデフォルトのキー機能ではない前記PC端末30にて固有のキー機能が割り付けされる。この場合、携帯端末20の表示画面には、キーパネル上のどのキー(26a〜26e)に何のキー機能が割り付けられたかを表記するキーアサインK1,K2,…,Knが表示される。
【0033】
図2は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアントサーバ10の回路構成を示すブロック図である。
【0034】
サーバ10は、コンピュータとしてのCPU11を備え、このCPU11には、バス12を介してHDD13、メモリ14、キーアサイン情報メモリ15、仮想フレームバッファ16、ネットワーク制御部17が接続される。
【0035】
CPU11は、HDD13に予め記憶されているシステムプログラムや種々のアプリケーションプログラム、あるいは外部から読み込まれてHDD13に記憶されたプログラムなどのサーバ制御プログラムPRsに従ってメモリ14,15を作業領域とし回路各部の動作を制御するもので、ネットワーク制御部17を介して受信されるPC端末30や携帯端末20からのユーザ操作に対応した入力イベント信号に応じて前記種々のプログラムが起動され実行される。
【0036】
このサーバ10において、PC端末30や携帯端末20からの入力イベント信号に応じて起動され実行されるアプリケーションプログラムに従いメモリ14を使用して生成された種々のデータは、例えばそのユーザIDに対応付けられてHDD13に記憶される。またクライアント用表示画面の描画データGは、仮想フレームバッファ16を使用して生成された後、圧縮処理されて、ネットワーク制御部17からイベント入力元のPC端末30や携帯端末20へ転送されて表示出力される。
【0037】
また、前記メモリ14には、PC端末30からの入力イベント信号に応じたシンクライアント処理に伴い、入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aやアプリ別カウント値メモリ14bが確保される。
【0038】
入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aには、1つのアプリケーションプログラムの実行中におけるPC端末30からの入力イベント信号の入力回数が、そのイベント種類(キー種)毎にカウントされて記憶される。
【0039】
なお、このカウンタメモリ14aにおいてカウントの対象となる入力イベントの種類(キー種)は、実行中のアプリケーションプログラムの種類に応じて予め設定され、[Enter][BS(Back Space)][Tab][F1][F2]…などの機能キーを原則として含み、[A][B][C]…などの文字キーや[1][2][3]…などの数字キーが組み合わされる。
【0040】
アプリ別カウント値メモリ14bには、前記入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aにてカウントされた1つのアプリケーションプログラムの実行中における入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数が、同実行アプリの種類に対応付けられて記憶される。
【0041】
また、このサーバ10のキーアサイン情報メモリ15には、前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶されたアプリ別の入力イベント種類(キー種)毎の入力回数に基づき生成された携帯端末20のためのキーアサインテーブル(図5,図6参照)が記憶される。
【0042】
図3は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアントPC端末30の回路構成を示すブロック図である。
【0043】
PC端末30は、コンピュータとしてのCPU31を備え、このCPU31には、バス32を介してメモリ33、フレームバッファ34が接続される。そして、このフレームバッファ34に書き込まれた表示画面の描画データGが表示装置35に出力されて表示される。
【0044】
また、CPU31には、バス32を介してキーボード,マウスなどの入力装置(I/O)36が接続され、さらに、前記ネットワークNのアクセスポイントと近距離通信するためのネットワーク制御部37が接続される。
【0045】
CPU31は、メモリ33に予め記憶されるか、あるいは外部からメモリ33に読み込まれたシンクライアントPC制御プログラムPRcに従って当該メモリ33を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置(I/O)36からのキー入力信号やマウス移動信号、ネットワーク制御部37を介して受信される前記サーバ10からのアプリケーション応答信号や表示画面の描画データGなどに応じて前記シンクライアントPC制御プログラムPRcが起動され実行される。
【0046】
このPC端末30において、入力装置(I/O)36からの入力イベント信号に従い前記サーバ10のアプリケーションプログラムを実行させて生成し同サーバ10から受信した表示画面の描画データGは、その圧縮が解凍されてフレームバッファ34に書き込まれ表示装置35で表示出力される。
【0047】
図4は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムにおけるシンクライアント携帯端末20の回路構成を示すブロック図である。
【0048】
携帯端末20は、コンピュータとしてのCPU21を備え、このCPU21には、バス22を介してメモリ23、フレームバッファ24が接続される。そして、このフレームバッファ24に書き込まれた表示画面の描画データGが表示装置25に出力されて表示される。
【0049】
また、CPU21には、バス22を介してキーパネル,ポインタボタンなどの入力装置(I/O)26、前記サーバ10から受信されたキーアサインテーブル(図5,図6参照)を記憶するためのキーアサイン情報メモリ27、前記ネットワークNのアクセスポイントと近距離通信するためのネットワーク制御部28、携帯電話ネットワーク(N)と通信するためのアンテナ29bを備えた送受信部29aが接続される。
【0050】
CPU21は、メモリ23に予め記憶されるか、あるいは外部からメモリ23に読み込まれたシンクライアント携帯端末制御プログラムPRkに従って当該メモリ23や前記キーアサイン情報メモリ27を作業用メモリとし回路各部の動作を制御するもので、入力装置(I/O)26からのキー信号やポインタ移動信号、ネットワーク制御部28を介して受信される前記サーバ10からのアプリケーション応答信号や表示画面の描画データGなどに応じて前記端末制御プログラムPRkが起動され実行される。
【0051】
この携帯端末20において、入力装置(I/O)26からの入力イベント信号に従い前記サーバ10のアプリケーションプログラムを実行させて生成し同サーバ10から受信した表示画面の描画データGは、その圧縮が解凍されてフレームバッファ24に書き込まれ表示装置25で表示出力される。
【0052】
この携帯端末20からの入力イベント信号に従い前記サーバ10にてアプリケーションプログラムが実行されるシンクライアント処理の際、同携帯端末20の表示装置25には、前記キーアサイン情報メモリ27に記憶されたキーアサインテーブル(図6参照)に応じたキーアサインK1,K2,…,Knが表示され、入力装置(I/O)26におけるキーパネル上のどのキーに何のキー機能が割り付けられたかが表記される。
【0053】
図5は、前記シンクライアントサーバ10のキーアサイン情報メモリ15に記憶される端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aを示す図である。
【0054】
シンクライアントサーバ10のキーアサイン情報メモリ15に記憶される端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aには、前記PC端末30に対するシンクライアント処理が終了した際に、前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶されたアプリ別の入力イベント種類(キー種)毎の入力回数に基づき生成されたキーアサインテーブルが、該当するアプリの種類に対応付けられて、前記PC端末30から取得された端末(ユーザ)アカウント毎に記憶される。
【0055】
図6は、前記端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aにて管理されるWebブラウザ(アプリ1)用のキーアサインテーブルA1の具体例を示す図である。
【0056】
このWebブラウザ(アプリ1)用のキーアサインテーブルA1には、前記PC端末30からの入力イベントに応じて実行されるWebブラウザ(アプリ1)のシンクライアント処理が1回完了する毎に、同ブラウザ実行中に前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶された入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数が多い順に同イベント種類(キー種)にその順位が対応付けられて記憶される。そして、前記Webブラウザ(アプリ1)のシンクライアント処理が1回完了する毎のイベント種類(キー種)の入力順位からそれまでの平均順位が計算され、同平均順位の順番でキーアサインすべきイベント種類(キー種)が決定される。
【0057】
つまり、図6におけるWebブラウザ(アプリ1)用のキーアサインテーブルA1によれば、PC端末30からのリモート操作に従ったWebブラウザ(アプリ1)のシンクライアント処理が5回実行されたところでの同PC端末30による入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数が[Enter]→[BS]→[Tab]→[F1]→[F2]→…の順で多かったことを示し、これがキーアサイン順位に決定され前記端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aに記憶される。
【0058】
このようなサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、サーバ10は、CPU11がサーバ制御プログラムPRsに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、少なくとも次の4つの機能(As)〜(Ds)を有する。
【0059】
(As) PC端末30や携帯端末20との接続が確立された状態で、同各端末30,20からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラムを実行させ、これにより生成された表示画面の描画データGをイベント入力元の端末30,20へ送信するシンクライアント処理機能。
【0060】
(Bs) PC端末30との接続によるシンクライアント処理に際して、起動されるアプリケーションプログラム別に、入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数をカウントする機能。
【0061】
(Cs) PC端末30との接続によるシンクライアント処理の終了後、前記カウントされたアプリ別イベント種類(キー種)毎の入力回数に基づいて、後の携帯端末20との接続に伴う同一アプリの起動時に同携帯端末20にて使用するためのキーアサインテーブルを生成する機能。
【0062】
(Ds) 携帯端末20との接続によるシンクライアント処理に際して、起動されるアプリケーションプログラム別の前記生成されたキーアサインテーブルを読み出して同携帯端末20へ送信する機能。
【0063】
なお、前記サーバ制御プログラムPRsは、その全部又は一部を、HDD13に予め記憶させてもよいし、メモリカードやCD,DVDなどの持ち運び可能な外部の記憶媒体から読み込んでHDD13に記憶させてもよいし、外部のWebサーバ(プログラムサーバ)から通信ネットワークNを介してダウンロードしHDD13に記憶させてもよい。
【0064】
また、このようなサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、PC端末30は、CPU31がPC制御プログラムPRcに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、少なくとも次の機能(Ac)を有する。
【0065】
(Ac) サーバ10との接続が確立した状態で、ユーザ操作に伴う入力イベントを同サーバ10へ送信し、この入力イベントに応答して同サーバ10にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成され送信された表示画面の描画データGを受信して表示させるシンクライアント処理機能。
【0066】
なお、前記PC制御プログラムPRcは、その全部又は一部を、メモリ33に予め記憶させてもよいし、メモリカードやCD,DVDなどの持ち運び可能な外部の記憶媒体から読み込んでメモリ33に記憶させてもよいし、外部のWebサーバ(プログラムサーバ)から通信ネットワークNを介してダウンロードしメモリ33に記憶させてもよい。
【0067】
また、このようなサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、携帯端末20は、CPU21が携帯端末制御プログラムPRkに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、少なくとも次の4つの機能(Ak)〜(Dk)を有する。
【0068】
(Ak) ユーザ操作に応じたアプリケーションを指定してサーバ10との接続が確立した際に、同サーバ10から送信された指定のアプリケーションに対応するキーアサインテーブルを受信して記憶し、同テーブルに記述されたキーアサインK1,K2,…,Knを表示画面に表示する機能。
【0069】
(Bk) ユーザ操作に応じた入力イベントを前記接続中のサーバ10へ送信する機能。
【0070】
(Ck) ユーザ操作に応じた入力イベントが前記キーアサインK1,K2,…,Knに表記されるところのキー入力イベントである場合は、同キー入力イベント(キーコード)を該当するキーアサインKnに対応したキー入力イベント(キーコード)に変更して前記接続中のサーバ10へ送信する機能。
【0071】
(Dk) ユーザ操作に応じた入力イベントのサーバ10への送信に応答して同サーバ10にて実行されるアプリケーションプログラムに従い生成され送信された表示画面の描画データGを受信して表示させるシンクライアント処理機能。
【0072】
なお、携帯端末制御プログラムPRkは、その全部又は一部を、メモリ23に予め記憶させてもよいし、メモリカードやCD,DVDなどの持ち運び可能な外部の記憶媒体から読み込んでメモリ23に記憶させてもよいし、外部のWebサーバ(プログラムサーバ)から通信ネットワークNを介してダウンロードしメモリ23に記憶させてもよい。
【0073】
これにより、PC端末30からサーバ10へのアクセスにより所望のアプリケーションプログラムを起動させ操作したときの操作頻度の高いキー機能を、携帯端末20により同じアプリケーションプログラムを起動させたときの予め設定された幾つかのキーに対するキーアサインK1,K2,…,Knとして設定することができる。このため、キー数の制限された携帯端末20におけるより高い操作性を実現することが可能になる。
【0074】
次に、前記構成のサーバ・ベース・コンピューティング・システムの動作について説明する。
【0075】
図7は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアントサーバ10によるサーバ処理を示すフローチャートである。
【0076】
先ず、PC端末30からの端末(ユーザ)アカウントを含む接続要求に従い(ステップS1(yes))、ユーザ認証されたと判断されると(ステップS2(yes))、同PC端末30の種類や表示装置35の画面解像度を取得するなど、同端末30とのネゴシエーション処理が実行される(ステップS3)。
【0077】
ここで、接続の確立された端末の種類について、PC端末30か携帯端末20かが判別され(ステップS4)、PC端末30であると判断されると(ステップS5(yes))、同PC端末30に対するシンクライアント処理が実行される(ステップS6)。
【0078】
すなわち、PC端末30からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラム(例えば、Webブラウザ)が起動され、このアプリケーションプログラムの実行に従い生成された表示画面の描画データが、イベント入力元のPC端末30へ送信されて表示される。
【0079】
前記PC端末30に対するシンクライアント処理が開始されると、起動されたアプリケーションプログラムの種類が判別される(ステップS7)。
【0080】
そして、判別された起動アプリの種類に対応付けられて、前記シンクライアント処理中にあるPC端末30からの入力イベント(キー種)の種類毎の入力回数が、入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aにてカウントされる(ステップS8)。
【0081】
この後、PC端末30からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラムの実行が終了し、同PC端末30から切断要求が受信されたと判断されると(ステップS9(yes))、前記入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aにてカウントされた同PC端末30からの入力イベント(キー種)の種類毎の入力回数が、アプリ別カウント値メモリ14bに例えばWebブラウザのアプリ名に対応付けられて保存(記憶)される(ステップS10)。
【0082】
すると、図8におけるキーアサイン処理へ移行される(ステップST)。
【0083】
図8は、前記シンクライアントサーバ10のサーバ処理に伴うキーアサイン処理を示すフローチャートである。
【0084】
このキーアサイン処理が起動されると、前記PC端末30との接続中に実行されたアプリ(例えばWebブラウザ)に対応するアプリ別キーアサインテーブル(図6参照)がキーアサイン情報メモリ15内に既に生成されて有るか否か判断される(ステップT1)。
【0085】
ここで、例えば前記PC端末30からの入力イベントによるWebブラウザの実行回数が初回であることで、同Webブラウザに対応するアプリ別キーアサインテーブルがキーアサイン情報メモリ15内に未だ生成されていないと判断されると(ステップT1(no))、同アプリ別キーアサインテーブルA1(図6参照)が生成されキーアサイン情報メモリ15に記憶される(ステップT2)。
【0086】
すると、前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶された前記PC端末30との接続に伴うWebブラウザ実行中における入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数が読み込まれ(ステップT3)、同入力イベントの種類(キー種)がその入力回数の多い順に、例えば[Enter]→[BS]→[Tab]→[F1]→[F2]→…として順位付けされる(ステップT4)。
【0087】
ここで、前記キーアサイン情報メモリ15に生成されたアプリ別キーアサインテーブルA1(図6参照)に対する順位データの書き込み回数が予め設定された回数N(=5)に到達しているか否か判断される(ステップT5)。
【0088】
前記アプリ別キーアサインテーブルA1に対する順位データの書き込み回数が例えば1回目の場合は、予め設定された回数N(=5)に到達してないと判断される(ステップT5(no))。
【0089】
そして具体的には、図6に示すように、Webブラウザ(アプリ1)のキーアサインテーブルA1に対する1回目の書き込み処理として、入力回数の多い順に順位付けされた入力イベントの種類(キー種)([Enter],[BS],[Tab],[F1],[F2],…)とその順位(1,2,3,4,5,…)とが対応付けられて書き込まれる(ステップT7)。
【0090】
すると、前記キーアサインテーブルA1に書き込まれた入力イベントの種類(キー種)毎のN回分の入力順位についてその平均順位が計算されて書き込まれる(ステップT8)。この際、前記入力イベントの種類(キー種)毎のN回分の入力順位が未だ全て書き込まれていない場合でも、書き込まれたところまでの平均順位が計算される。
【0091】
すると、前記入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数の平均順位に従って、キーアサイン順位が、[Enter]“1”,[BS]“2”,[Tab]“3”,[F1]“4”,[F2]“5”,…として決定され書き込まれる(ステップT9)。
【0092】
この後、前記PC端末30との再接続に伴い(ステップS1〜S4)、同じアプリケーションプログラム(例えばWebブラウザ)が実行されて終了される度に(ステップS5〜S10)、前記図8におけるキーアサイン処理が同様に実行され(ステップST)、キーアサイン情報メモリ15に記憶されているWebブラウザ(アプリ1)のキーアサインテーブルA1(図6参照)に対して、入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数の順位が書き込まれる(ステップT1→T3〜T5→T7)。
【0093】
そして、前記入力イベントの種類(キー種)毎にこれまでの平均順位が計算され(ステップT8)、同平均順位に従って、キーアサイン順位が再決定されて書き込まれる(ステップT9)。
【0094】
この後さらに、前記PC端末30からの再接続に応じたWebブラウザのシンクライアント処理が繰り返され(ステップS1〜S10)、前記キーアサイン処理(ステップST)において、前記アプリ別キーアサインテーブルA1(図6参照)に対する順位データの書き込み回数が予め設定された回数N(=5)に到達したと判断された場合には(ステップT5(yes))、当該N回分書き込まれた各順位データは1回分シフト処理されて最先のデータが破棄され(ステップT6)、今回のシンクライアント処理での入力イベントの種類(キー種)毎の順位データが書き込まれる(ステップT7)。
【0095】
このように、前記PC端末30からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラムが実行される度に、同アプリ実行中の入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数の順位に従った最新のアプリ別キーアサインテーブルAnが生成され、図5に示すように、端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aに対し、該当する端末(ユーザ)アカウントとアプリの種類とに対応付けられて保存(記憶)される(ステップS11)。
【0096】
すると、前記アプリ別カウント値メモリ14bに記憶された今回のPC端末30とのシンクライアント処理(アプリ実行処理)に伴う入力イベント(キー種)毎の回数カウント値がクリアされ(ステップS12)、前記PC端末30との切断処理が実行される(ステップS13)。
【0097】
なお、前記ステップS8において、入力イベント種類毎回数カウンタメモリ14aにてカウントすべき対象の入力イベントの種類(キー種)は、実行中のアプリケーションプログラムの種類に応じて予め設定され、例えば図5に示すように、Webブラウザ(アプリ1)では[Enter][BS][Tab]などの機能キー、アプリ2では機能キーおよび文字キー,数字キー、アプリ3では機能キーおよび文字キー、アプリ4では機能キーおよび数字キーとして設定される。また、前記入力イベントの種類(キー種)には、カウントの対象となるキーのうちの複数のキーの組合せ(例えば[Ctrl]+[S])に対応した入力イベントも含む。
【0098】
図9は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアントPC端末30によるPC端末処理を示すフローチャートである。
【0099】
PC端末30のユーザ操作に応じて、端末(ユーザ)アカウントを含んだ前記サーバ10への接続要求が送信された後(ステップP1)、同サーバ10からユーザ認証OKの応答信号が受信されると(ステップP2(yes))、同PC端末30の種類や表示装置35の画面解像度を通知するなど、接続情報のネゴシエーション処理が実行される(ステップP3)。
【0100】
前記サーバ10との接続が確立されると、同サーバ10との間でシンクライアント処理が実行される(ステップP4)。すなわち、キーボードやマウスなどの入力装置(I/O)36のユーザ操作に応じた入力イベントがサーバ10へ送信され、この入力イベントに応答してサーバ10により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された表示画面の描画データGが受信される。そして、受信された描画データGはフレームバッファ34に展開され、表示装置35の表示画面に表示される。
【0101】
こうして、ユーザ所望のシンクライアント処理が実行され、切断の指示が入力されたと判断されると(ステップP5(yes))、前記サーバ10との切断処理が実行される(ステップP6)。
【0102】
そして、終了の指示が入力されたと判断されると(ステップP7(yes))、前記一連のPC端末処理が終了される(ステップP8)。
【0103】
このPC端末30を操作してのシンクライアント処理では、フルキーボードの入力装置(I/O)36を使用できるので、実行中のアプリケーションをストレスなく操作することができる。
【0104】
一方、前記サーバ10によるサーバ処理(図7参照)において、携帯端末20からの端末(ユーザ)アカウントおよび指定のアプリケーション(例えばWebブラウザ)を含む接続要求に従い(ステップS1(yes))、ユーザ認証されたと判断されると(ステップS2(yes))、同携帯端末20の種類や表示装置25の画面解像度を取得するなど、同端末20とのネゴシエーション処理が実行される(ステップS3)。この際、携帯端末20から同端末20に予め設定されたキーアサインすべきキーの個数(キーアサイン個数)が取得される。
【0105】
ここで、接続の確立された端末の種類について、PC端末30か携帯端末20かが判別され(ステップS4)、携帯端末20であると判断されると(ステップS5(no))、キーアサイン情報メモリ15の端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15a(図5参照)に記憶されている該当の端末(ユーザ)アカウントに対応するところのアプリ別のキーアサインテーブルAn…が順次読み込まれ(ステップS16)、同携帯端末20からの指定により起動対象となるアプリケーション(Webブラウザ)のキーアサインテーブルであるか否か判断される(ステップS17)。
【0106】
そして、前記端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aから読み込まれたアプリ別のキーアサインテーブルAn…について、前記携帯端末20からの指定により起動対象となるアプリ(Webブラウザ(アプリ1))のキーアサインテーブルA1(図6参照)であると判断されると(ステップS17(yes))、同Webブラウザ(アプリ1))のキーアサインテーブルA1が前記携帯端末20へ送信される(ステップS18)。
【0107】
なお、前記携帯端末20へ送信するWebブラウザ(アプリ1))のキーアサインテーブルA1は、前記ステップS3にて同携帯端末20から取得されたキーアサイン個数(例えば5個)に従い、上位5番目までのイベント種類(キー種)に対応するところのテーブルを抜き出して送信してもよい。
【0108】
すると、サーバ10では、前記携帯端末20に対するシンクライアント処理が実行される(ステップS19)。
【0109】
すなわち、携帯端末20からの入力イベントに応じて実行されるアプリケーションプログラム(Webブラウザ)に従い生成された表示画面の描画データGが、イベント入力元の携帯端末20へ送信されて表示される。
【0110】
この場合、前記携帯端末20から受信されるキー操作に応じた入力イベント信号は、同携帯端末20へ送信したWebブラウザ(アプリ1))のキーアサインテーブルA1に従い、その入力装置(I/O)26のキーパネルのうち予め設定された幾つかのキーが、前記PC端末30による同一アプリ実行時の入力頻度の高いキーに置き換えられた状態での入力イベント(キーコード)信号として受信される。
【0111】
この後、前記携帯端末20からの入力イベントに応じたアプリケーションプログラムの実行が終了し、同携帯端末20から切断要求が受信されたと判断されると(ステップS20(yes))、同携帯端末20との切断処理が実行される(ステップS13)。
【0112】
そして、サーバ10自身のユーザ操作に応じて終了の指示が入力されたと判断されると(ステップS14(yes))、前記一連のサーバ処理が終了される(ステップS15)。
【0113】
図10は、前記サーバ・ベース・コンピューティング・システムのシンクライアント携帯端末20による携帯端末処理を示すフローチャートである。
【0114】
図11は、前記シンクライアント携帯端末20の携帯端末処理に伴うキーアサインK1〜K5の設定・表示状態を示す図である。
【0115】
この携帯端末20の入力装置(I/O)(キーパネル)26において、3×3の文字・数字キー、メニューキー26X、文字入力モード切換キー26Yは、同端末20の単独での動作時および前記サーバ10へ接続してのシンクライアント動作時の何れの動作時にも固定とする一方、それ以外の5つのキー26a〜26eについては、前記サーバ10へ接続してのシンクライアント動作時にキーアサインの対象として設定する。
【0116】
そして、シンクライアント動作時に、前記5つのキー26a〜26eが何のキーに置き換えられているかを示すキーアサインK1〜K5が、表示装置25の表示画面に当該5つのキー26a〜26eの配列に応じて表示される。
【0117】
携帯端末20のユーザ操作に応じて、端末(ユーザ)アカウントおよび指定のアプリケーション(例えばWebブラウザ)を含んだ前記サーバ10への接続要求が送信された後(ステップH1)、同サーバ10からユーザ認証OKの応答信号が受信されると(ステップH2(yes))、同携帯端末20の種類や表示装置25の画面解像度を通知するなど、接続情報のネゴシエーション処理が実行される(ステップH3)。
【0118】
この際、携帯端末20にて予め設定されたキーアサイン個数(例えば5個)も前記サーバ10へ通知される。
【0119】
そして、前記サーバ装置10から送信されたユーザ指定のアプリケーション(Webブラウザ)に対応するキーアサインテーブルA1(図6参照)が受信されると(ステップH4(yes))、同キーアサインテーブルA1はキーアサイン情報メモリ27に記憶される。そして、このキーアサインテーブルA1に順位付けされて記述されている前記キーアサイン個数(5個)に対応した各イベント種類(キー種)[Enter][BS][Tab][F1][F2]のキーコードが、前記5つのキー26a〜26eのキーコードと置き換える機能コードとして設定され、図11に示すように、各対応するキーアサインK1〜K5が表示装置25の表示画面に表示される(ステップH5)。
【0120】
すると、ユーザ操作に応じた入力イベントの検出待機状態となり(ステップH6)、同入力イベントが検出されたと判断されると(ステップH7(yes))、前記キーアサインK1〜K5に対応する各キー26a〜26eの機能が置き換えられた状態で、前記検出されたキー入力イベントに対応するキーコードが生成され(ステップH8)、サーバ10へ送信される(ステップH9,H10)。
【0121】
具体的には、キー26aによる入力イベントが検出されると、当該キー26aのデフォルトのキーコードが[Enter]キーの機能コードに置き換えられて送信され、またキー26bによる入力イベントが検出されると、当該キー26bのデフォルトのキーコードが[BS]キーの機能コードに置き換えられて送信され、またキー26cによる入力イベントが検出されると、当該キー26cのデフォルトのキーコードが[Tab]キーの機能コードに置き換えられて送信され、また、キー26dによる入力イベントが検出されると、当該キー26dのデフォルトのキーコードが[F1]キーの機能コードに置き換えられて送信され、またキー26eによる入力イベントが検出されると、当該キー26eのデフォルトのキーコードが[F2]キーの機能コードに置き換えられて送信される。
【0122】
なお、前記キーアサインK1〜K5された5つのキー26a〜26e以外のキー入力イベントが検出された場合には、同キー入力イベントに対応するデフォルトのキーコードがそのまま送信される。
【0123】
このように、携帯端末30を操作してのシンクライアント処理では、入力装置(I/O)26におけるキー数は少なく制限されているものの、予め設定された5つのキー26a〜26eについては、実行中のアプリケーションに応じて使用頻度の高いPC端末30でのキーを割り付けて使用することができ、キー操作性の大幅向上が可能になる。
【0124】
この後、前記サーバ10への入力イベントの送信に応答して、同サーバ10により実行されるアプリケーションプログラムに従い生成された表示画面の描画データGが受信されると(ステップH11(yes))、同描画データGの圧縮が解凍されてエンコード処理される(ステップH12)。
【0125】
そして、前記エンコード処理された描画データGはフレームバッファ24に展開され、表示装置25の表示画面に表示される(ステップH13)。
【0126】
こうして、ユーザ所望のシンクライアント処理が実行され、切断の指示が入力されたと判断されると(ステップH14(yes))、前記サーバ10との切断処理が実行される(ステップH15)。
【0127】
そして、終了の指示が入力されたと判断されると(ステップH16(yes))、前記一連の携帯端末処理が終了される(ステップH17)。
【0128】
したがって、前記構成のサーバ・ベース・コンピューティング・システムの携帯端末20に対する起動アプリ別のキーアサイン設定機能によれば、サーバ10は、PC端末30とのシンクライアント処理に伴い、実行アプリ別に入力イベントの種類(キー種)毎の入力回数をカウントし、入力回数の多い順にイベントの種類(キー種)を記述したアプリ別キーアサインテーブルAnを生成し、端末(ユーザ)毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aに記憶して管理する。そして、携帯端末20とのシンクライアント処理に伴い、前記端末(ユーザ)毎アプリ別キーアサイン管理テーブル15aから起動対象のアプリ別キーアサインテーブルAnを読み込み同携帯端末20へ送信する。すると、携帯端末20では、前記アプリ別キーアサインテーブルAnを受信し、予め設定された幾つかのキー位置に対応させて同テーブルAnに記述されたキーアサインK1,K2,…を表示させ、該当するキーの入力イベントが検出された場合には、そのデフォルトのキーコードを同キーアサインKmにより割り付けられたキーコードに変更してサーバ10へ送信する。
【0129】
よって、携帯端末20のキー数は少なく制限されているものの、予め設定されキーについては、実行中のアプリケーションに応じて使用頻度の高いPC端末30でのキーを割り付けて使用することができ、キー操作性の大幅向上が可能になる。
【0130】
しかも、前記サーバ10により生成されるアプリ別キーアサインテーブルAnは、端末(ユーザ)アカウント毎のアプリ別キーアサイン管理テーブル15aにて管理し、同端末(ユーザ)アカウントに対応した携帯端末20へ送信するので、個々のユーザにそれぞれ合わせたキーアサインKmを設定することができる。
【0131】
なお、前記実施形態のサーバ10によるキーアサイン処理(ステップST)では、入力イベント種類毎回数カウンタ14aによりカウントされた各入力イベント(キー)種類毎の入力回数の多い順に、同入力イベント(キー)の種類を順位付けし、この順位付け処理の複数回に渡る平均順位に従って、携帯端末30の予め設定された幾つかのキーに置き換えする入力イベント(キー)の種類を決定した。
【0132】
これに対し、入力イベント種類毎回数カウンタ14aによりカウントされた各入力イベント(キー)種類毎の入力回数の多い順に、単純に、携帯端末30の予め設定された幾つかのキーに置き換えする入力イベント(キー)の種類を決定してもよい。この場合、同入力イベント種類毎回数カウンタ14aをそのままアプリ別キーアサインテーブルとして使用する。
【0133】
前記実施形態において記載したサーバ・ベース・コンピューティング・システムによるによる各処理の手法、すなわち、図7のフローチャートに示すサーバ10によるサーバ処理、図8のフローチャートに示す前記サーバ処理に伴うキーアサイン処理、図9のフローチャートに示すPC端末30によるPC端末処理、図10のフローチャートに示す携帯端末20による携帯端末処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体に格納して配布することができる。そして、サーバ10やPC端末30、携帯端末20のコンピュータ(CPU11,31,21)は、この外部記憶媒体に記憶されたプログラムを記憶装置(13,33,23)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した携帯端末20に対する起動アプリ別のキーアサイン設定機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0134】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込んで記憶装置(13,33,23)に記憶させ、前述した携帯端末20に対する起動アプリ別のキーアサイン設定機能を実現することもできる。
【0135】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0136】
10 …シンクライアントサーバ
11 …CPU
13 …HDD
PRs…シンクライアントサーバ制御プログラム
14 …メモリ
14a…入力イベント種類毎回数カウンタメモリ
14b…アプリ別カウント値メモリ
15 …キーアサイン情報メモリ
15a…端末毎アプリ別キーアサイン管理テーブル
An …端末(ユーザ)Aのアプリ別キーアサインテーブル
Bn …端末(ユーザ)Bのアプリ別キーアサインテーブル
16 …仮想フレームバッファ
G …表示画面の描画データ
17 …ネットワーク制御部
20 …シンクライアント携帯端末
21 …CPU
23 …メモリ
PRk…シンクライアント携帯端末制御プログラム
24 …フレームバッファ
25 …表示装置
K1〜K5…キーアサイン
26 …入力装置(I/O)
26X,26Y…固定キー
26a〜26e…アサイン対象キー
27 …キーアサイン情報メモリ
28 …ネットワーク制御部
29a…送受信部
29b…アンテナ
30 …シンクライアントPC端末
31 …CPU
33 …メモリ
PRc…シンクライアントPC制御プログラム
34 …フレームバッファ
35 …表示装置
36 …入力装置(I/O)
37 …ネットワーク制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、このサーバ装置に接続されたシンクライアント端末としての第1の端末装置および第2の端末装置とを有するサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記第1の端末装置から受信したキー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に計数する入力イベント種類毎計数手段と、
この入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に記憶する入力イベント種類毎回数記憶手段と、
この入力イベント種類毎回数記憶手段により記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定する入力イベント決定手段と、
前記第2の端末装置が接続された際に、前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する入力イベント決定情報送信手段とを備え、
前記第2の端末装置は、
前記サーバ装置から送信された各キー入力イベントの情報に従い、前記入力回数の多い各キー入力イベントのキー機能を予め設定されたキーに割り付けるキー機能割り付け手段と、
ユーザ操作に応じたキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する際に、前記予め設定されたキーが操作された場合は、前記キー機能割り付け手段により割り付けられたキー機能のキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する入力イベント送信手段とを備えた、
ことを特徴とするサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、さらに、
前記第1の端末装置から受信した入力イベントに応じて起動されるアプリケーションを判別するアプケーション判別手段を備え、
前記入力イベント種類毎回数記憶手段は、前記アプリケーション判別手段により判別されるアプリケーション別に、前記入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に記憶し、
前記入力イベント決定手段は、前記入力イベント種類毎回数記憶手段によりアプリケーション別に記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定し、
前記入力イベント決定情報送信手段は、前記第2の端末装置が接続されアプリケーションが起動された際に、起動されたアプリケーション別に前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項3】
前記第2の端末装置は、さらに、
前記キー機能割り付け手段により予め設定されたキーに割り付けられたキー機能に対応するキー表記を、予め設定されたキーの位置に対応させて表示部に表示させる割り付けキー表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項4】
前記入力イベント種類毎計数手段により計数するキー入力イベントは、複数のキーの組合せに応じたキー入力イベントを含むことを特徴とする請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項5】
前記第1の端末装置は、キーの数が多いキーボードを備えた情報端末装置であって、
前記第2の端末装置は、前記情報端末装置のキーボードより少ない数のキーを有する携帯端末装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項6】
サーバ装置と、このサーバ装置に接続されたシンクライアント端末としての第1の端末装置および第2の端末装置とを有するサーバ・ベース・コンピューティング・システムを制御するためのプログラムであって、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記第1の端末装置から受信したキー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に計数する入力イベント種類毎計数手段、
この入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎にメモリに記憶させる入力イベント種類毎回数記憶手段、
この入力イベント種類毎回数記憶手段により記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定する入力イベント決定手段、
前記第2の端末装置が接続された際に、前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する入力イベント決定情報送信手段として機能させ、
前記第2の端末装置のコンピュータを、
前記サーバ装置から送信された各キー入力イベントの情報に従い、前記入力回数の多い各キー入力イベントのキー機能を予め設定されたキーに割り付けるキー機能割り付け手段、
ユーザ操作に応じたキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する際に、前記予め設定されたキーが操作された場合は、前記キー機能割り付け手段により割り付けられたキー機能のキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する入力イベント送信手段として機能させる、
ためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。
【請求項1】
サーバ装置と、このサーバ装置に接続されたシンクライアント端末としての第1の端末装置および第2の端末装置とを有するサーバ・ベース・コンピューティング・システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記第1の端末装置から受信したキー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に計数する入力イベント種類毎計数手段と、
この入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に記憶する入力イベント種類毎回数記憶手段と、
この入力イベント種類毎回数記憶手段により記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定する入力イベント決定手段と、
前記第2の端末装置が接続された際に、前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する入力イベント決定情報送信手段とを備え、
前記第2の端末装置は、
前記サーバ装置から送信された各キー入力イベントの情報に従い、前記入力回数の多い各キー入力イベントのキー機能を予め設定されたキーに割り付けるキー機能割り付け手段と、
ユーザ操作に応じたキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する際に、前記予め設定されたキーが操作された場合は、前記キー機能割り付け手段により割り付けられたキー機能のキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する入力イベント送信手段とを備えた、
ことを特徴とするサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、さらに、
前記第1の端末装置から受信した入力イベントに応じて起動されるアプリケーションを判別するアプケーション判別手段を備え、
前記入力イベント種類毎回数記憶手段は、前記アプリケーション判別手段により判別されるアプリケーション別に、前記入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に記憶し、
前記入力イベント決定手段は、前記入力イベント種類毎回数記憶手段によりアプリケーション別に記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定し、
前記入力イベント決定情報送信手段は、前記第2の端末装置が接続されアプリケーションが起動された際に、起動されたアプリケーション別に前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項3】
前記第2の端末装置は、さらに、
前記キー機能割り付け手段により予め設定されたキーに割り付けられたキー機能に対応するキー表記を、予め設定されたキーの位置に対応させて表示部に表示させる割り付けキー表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項4】
前記入力イベント種類毎計数手段により計数するキー入力イベントは、複数のキーの組合せに応じたキー入力イベントを含むことを特徴とする請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項5】
前記第1の端末装置は、キーの数が多いキーボードを備えた情報端末装置であって、
前記第2の端末装置は、前記情報端末装置のキーボードより少ない数のキーを有する携帯端末装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ・ベース・コンピューティング・システム。
【請求項6】
サーバ装置と、このサーバ装置に接続されたシンクライアント端末としての第1の端末装置および第2の端末装置とを有するサーバ・ベース・コンピューティング・システムを制御するためのプログラムであって、
前記サーバ装置のコンピュータを、
前記第1の端末装置から受信したキー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎に計数する入力イベント種類毎計数手段、
この入力イベント種類毎計数手段により計数された各キー入力イベントの入力回数をキー入力イベントの種類毎にメモリに記憶させる入力イベント種類毎回数記憶手段、
この入力イベント種類毎回数記憶手段により記憶された各キー入力イベントの種類毎の入力回数に基づき、入力回数の多い各キー入力イベントを決定する入力イベント決定手段、
前記第2の端末装置が接続された際に、前記入力イベント決定手段により決定された各キー入力イベントの情報を前記第2の端末装置へ送信する入力イベント決定情報送信手段として機能させ、
前記第2の端末装置のコンピュータを、
前記サーバ装置から送信された各キー入力イベントの情報に従い、前記入力回数の多い各キー入力イベントのキー機能を予め設定されたキーに割り付けるキー機能割り付け手段、
ユーザ操作に応じたキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する際に、前記予め設定されたキーが操作された場合は、前記キー機能割り付け手段により割り付けられたキー機能のキー入力イベントを前記サーバ装置へ送信する入力イベント送信手段として機能させる、
ためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−32876(P2012−32876A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169674(P2010−169674)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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