説明

サーバ装置、クライアント装置および通信システム

【課題】電池により駆動する通信システムによる稼動時間を向上させることが可能なチャネルの選定を行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】複数のクライアント装置の各々の電池残量を判断することにより、電池残量が少ないクライアント装置と電池残量が多いクライアント装置とを特定するチャネル制御部122と、チャネル制御部122により、電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質によりサーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を電池残量の少ないクライアント装置に送信する送信部130と、を備えることを特徴とする、サーバ装置100が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、クライアント装置および通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通信システムにおいて空いているチャネルをサーバ装置とクライアント装置との通信に割り当てる技術が多く普及している。例えば、同一サービスエリア内で使用される複数の無線チャネルのうち、固定無線端末および移動体端末の各々に空いている無線チャネルを割り当てる無線通信システムに関する技術について開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−271063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、上記したような技術を、電池(一次電池、二次電池など)により駆動する無線通信システムに適用した場合には、通信システムによる稼動時間を向上させることが可能な無線チャネルの選定を行うことはできないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、電池により駆動する通信システムによる稼動時間を向上させることが可能なチャネルの選定を行うことが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のクライアント装置とサーバ装置とを有する通信システムにおけるサーバ装置であって、上記複数のクライアント装置の各々の電池残量を判断することにより、電池残量が少ないクライアント装置と上記電池残量が多いクライアント装置とを特定し、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、上記電池残量が多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、上記電池残量が少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができるか否かを判断するチャネル制御部と、上記チャネル制御部により、上記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、上記電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を上記電池残量の少ないクライアント装置に送信するとともに、上記電池残量の少ないクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を上記電池残量の多いクライアント装置に送信する送信部と、を備えることを特徴とする、サーバ装置が提供される。
【0007】
上記送信部は、上記チャネル制御部により、上記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、送信電力を下げるように制御するための情報を上記電池残量の少ないクライアント装置にさらに送信することとしてもよい。
【0008】
上記送信部は、上記チャネル制御部により、上記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、送信電力を下げるように制御するための情報を上記電池残量の少ないクライアント装置にさらに送信するとともに、送信電力を上げるように制御するための情報を上記電池残量の多いクライアント装置にさらに送信することとしてもよい。
【0009】
上記チャネル制御部は、上記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができると判断した場合には、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、上記電池残量の少ないクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、上記電池残量の多いクライアント装置がより低い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことになるか否かを判断し、上記送信部は、上記チャネル制御部により、上記電池残量の多いクライアント装置がより低い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことになると判断された場合には、送信電力を上げるように制御するための情報を上記電池残量の多いクライアント装置にさらに送信することとしてもよい。
【0010】
上記チャネル制御部は、上記複数のクライアント装置の中に、第1閾値未満の電池残量のクライアント装置が存在する場合、当該クライアント装置を上記電池残量の少ないクライアント装置と特定し、第2閾値を超える電池残量のクライアント装置が存在する場合、当該クライアント装置を上記電池残量の多いクライアント装置と特定することとしてもよい。
【0011】
上記チャネル制御部は、上記複数のクライアント装置の中に、電池残量の差分値が閾値よりも大きい2つのクライアント装置が存在する場合、上記2つのクライアント装置のうちで電池残量の少ないクライアント装置を上記電池残量の少ないクライアント装置と特定し、電池残量の多いクライアント装置を上記電池残量の多いクライアント装置と特定することとしてもよい。
【0012】
上記チャネル制御部は、上記電池残量が少ないクライアント装置を特定するに際して、上記電池残量が少ないと判断したクライアント装置の使用状況をさらに判断し、当該使用状況に基づいて当該クライアント装置を上記電池残量が少ないクライアント装置として特定するか否かを判断することとしてもよい。
【0013】
上記サーバ装置は、複数のクライアント装置の各々と上記サーバ装置とにおける通信品質をチャネルごとに記憶している記憶部をさらに備え、上記チャネル制御部は、上記記憶部により記憶されている上記通信品質に基づいて、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、上記電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、上記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができるか否かを判断することとしてもよい。
【0014】
上記サーバ装置は、複数のクライアント装置の各々が現在利用しているチャネルを識別するための情報である利用チャネル情報を記憶している記憶部をさらに備え、上記チャネル制御部は、上記記憶部により記憶されている上記利用チャネル情報に基づいて、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、上記電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、上記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができるか否かを判断することとしてもよい。
【0015】
また、本発明の別の観点によれば、複数のクライアント装置とサーバ装置とを有する通信システムにおけるクライアント装置であって、自装置の電池残量を上記サーバ装置に送信する送信部と、上記複数のクライアント装置のうち自装置以外の他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を上記サーバ装置から受信することが可能な受信部と、上記受信部により、上記他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報が受信されると、上記他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように切り替えを行うチャネル制御部と、を備える、クライアント装置が提供される。
【0016】
また、本発明の別の観点によれば、複数のクライアント装置とサーバ装置とを有する通信システムにおいて、上記複数のクライアント装置の各々は、自装置の電池残量を上記サーバ装置に送信する送信部と、上記複数のクライアント装置のうち自装置以外の他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を上記サーバ装置から受信することが可能な受信部と、上記受信部により、上記他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報が受信されると、上記他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように切り替えを行うチャネル制御部と、を備え、上記サーバ装置は、上記複数のクライアント装置の各々から送信された電池残量を判断することにより、電池残量が少ないクライアント装置と上記電池残量が多いクライアント装置とを特定し、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、上記電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、上記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができるか否かを判断するチャネル制御部と、上記チャネル制御部により、上記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により上記サーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、上記電池残量が多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を上記電池残量が少ないクライアント装置に送信する送信部と、を備えることを特徴とする、通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、電池により駆動する無線通信システムによる稼動時間を向上させることが可能なチャネルの選定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成図である。
【図2】同実施形態に係るサーバ装置の機能構成を示す図である。
【図3】同実施形態に係るクライアント装置の機能構成を示す図である。
【図4】同実施形態に係るサーバ装置によって送信される品質測定制御パケットの構成を示す図である。
【図5】同実施形態に係るクライアント装置によって送信される品質測定応答パケットの構成を示す図である。
【図6】同実施形態に係るサーバ装置によって送信される電池残量確認制御パケットの構成を示す図である。
【図7】同実施形態に係るクライアント装置によって送信される電池残量確認応答パケットの構成を示す図である。
【図8】同実施形態に係るサーバ装置によって送信される送信電力制御パケットの構成を示す図である。
【図9】同実施形態に係るクライアント装置によって送信される送信電力応答パケットの構成を示す図である。
【図10】同実施形態に係るサーバ装置によって送信される第1データパケットの構成を示す図である。
【図11】同実施形態に係るクライアント装置によって送信される第2データパケットの構成を示す図である。
【図12】同実施形態に係る通信システムの構成図を簡略化した図である。
【図13】同実施形態に係るサーバ装置により管理される通信品質管理情報の構成を示す図である。
【図14】同実施形態に係るサーバ装置により管理される装置管理情報(初期状態)の構成を示す図である。
【図15】同実施形態に係るサーバ装置により管理される装置管理情報(電池残量更新後)の構成を示す図である。
【図16】同実施形態に係るサーバ装置により管理される装置管理情報(送信電力更新後)の構成を示す図である。
【図17】同実施形態に係るサーバ装置により管理される装置管理情報(利用チャネル情報更新後)の構成を示す図である。
【図18】同実施形態に係る通信システムにより通信品質管理情報を登録する処理の流れを示すシーケンス図である。
【図19】図18に示した利用チャネル特定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図20】同実施形態に係る通信システムにより利用チャネルを変更する処理の流れを示すシーケンス図である。
【図21】図20に示した変更処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る通信システムについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの構成図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る通信システム10は、サーバ装置100と、複数のクライアント装置200とを有している。サーバ装置100は、複数のクライアント装置200の各々と無線チャネル(以下、単に「チャネル」とも言う。)を用いて無線信号により通信を行うことが可能である。ここで、図1には、複数のクライアント装置200が、クライアント装置200A〜200Nとして示されているが、クライアント装置200の数は複数であれば特に限定されるものではない。
【0022】
また、通信システム10は、1つのサーバ装置100を有することとしているが、複数のサーバ装置100を有していてもよい。その場合には、複数のクライアント装置200の各々は、複数のサーバ装置100と通信を行うことが可能であってもよい。また、クライアント装置200間(例えば、クライアント装置200Aとクライアント装置200Bとの間)において通信が可能であってもよい。
【0023】
ここでは、特に、サーバ装置100が無線LAN(Local Area Network)におけるAP(Access Point)として機能し、複数のクライアント装置200の各々が無線LANにおけるST(Station Terminal)として機能する場合について説明するが、サーバ装置100と複数のクライアント装置200とがどのようなネットワークを介して通信を行うことが可能であるかについては、特に限定されるものではない。
【0024】
サーバ装置100は、複数のクライアント装置200の各々が利用するチャネルをクライアント装置200ごとに選択し、選択したチャネルを識別するための情報を利用チャネル情報として複数のクライアント装置200の各々に送信する。複数のクライアント装置200の各々は、サーバ装置100から送信された利用チャネル情報を受信し、受信した利用チャネル情報により識別されるチャネルを利用してサーバ装置100と通信を行うことができる。
【0025】
次に、図2を用いて、本発明の実施形態に係るサーバ装置100の機能構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るサーバ装置100の機能構成を示す図である。本発明の実施形態に係るサーバ装置100は、少なくとも、チャネル制御部122と、送信部130とを備えるものである。その他、サーバ装置100は、必要に応じて、受信部110、送受信制御部121、外部インタフェース140、記憶部150、電源160などを備えるものである。制御部120は、送受信制御部121、チャネル制御部122を包含するものである。
【0026】
チャネル制御部122は、複数のクライアント装置200の各々の電池残量を判断することにより、電池残量が少ないクライアント装置200と電池残量が多いクライアント装置200とを特定する機能を有するものである。続いて、チャネル制御部122は、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、電池残量が多いクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するほうが、電池残量が少ないクライアント装置200がより高い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことができるか否かを判断する。
【0027】
送信部130は、例えば、チャネル制御部122により、電池残量の少ないクライアント装置200がより高い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことができると判断された場合には、以下のような情報を送信する機能を有するものである。すなわち、上記のような場合、送信部130は、電池残量の多いクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を電池残量の少ないクライアント装置200に送信する。また、送信部130は、電池残量の少ないクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を電池残量の多いクライアント装置200に送信する。送信部130は、例えば、送受信制御部121から与えられたパケットを変調して、空中に電波として送信することができる。
【0028】
サーバ装置100が、以上のように説明した、チャネル制御部122と送信部130とを備えることとすれば、サーバ装置100において、電池により駆動するクライアント装置200による稼動時間を向上させることが可能なチャネルの選定を行うことが可能となる。
【0029】
受信部110は、複数のクライアント装置200の各々の電池残量を受信することができる。その場合、チャネル制御部122は、受信部110により受信された複数のクライアント装置200の各々の電池残量を判断することができる。複数のクライアント装置200の各々の電池残量は、例えば、サーバ装置100から送信される電池残量確認制御パケットに対する応答としての電池残量確認応答パケットにより受信される。電池残量確認制御パケットの構成については、図6を参照しながら後に詳細に説明する。また、電池残量確認応答パケットの構成については、図7を参照しながら後に詳細に説明する。受信部110は、例えば、空中から受信した電波を復調して、送受信制御部121にパケットとして出力することができる。
【0030】
電池残量確認制御パケットは、例えば、チャネル制御部122からの電池残量確認指示に基づいて、送受信制御部121により生成される。チャネル制御部122からの電池残量確認指示は、例えば、所定のタイミングごとに送受信制御部121に与えられるが、チャネル制御部122からの電池残量確認指示が与えられるタイミングは、特に限定されるものではない。
【0031】
電池残量確認応答パケットは、例えば、受信部110により受信され、送受信制御部121に出力されると、電池残量確認応答パケットに含まれている情報(例えば、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、電池残量など)が送受信制御部121によりチャネル制御部122に出力される。チャネル制御部122は、例えば、パケットタイプにより、電池残量確認応答パケットに含まれている情報が送受信制御部121から出力されたことを把握することができ、電池残量確認応答パケットに含まれている送信元アドレスと電池残量とにより、複数のクライアント装置200の各々の電池残量を取得することができる。
【0032】
チャネル制御部122は、電池残量確認応答パケットに含まれている送信元アドレスと電池残量との組み合わせを、クライアント装置識別情報と電池残量との組み合わせとして、記憶部150により記憶されている装置管理情報152に設定することもできる。このようにすれば、チャネル制御部122は、装置管理情報152を参照すれば、クライアント装置200ごとの電池残量を把握することができる。装置管理情報152の構成については、図14〜17を参照しながら後に詳細に説明する。
【0033】
チャネル制御部122が電池残量の少ないクライアント装置200および電池残量の多いクライアント装置200を特定する手法には様々なものが想定される。例えば、チャネル制御部122は、複数のクライアント装置200の中に、第1閾値未満の電池残量のクライアント装置200が存在する場合、このクライアント装置200を電池残量の少ないクライアント装置200と特定することができる。また、チャネル制御部122は、第2閾値を超える電池残量のクライアント装置200が存在する場合、このクライアント装置200を電池残量の多いクライアント装置200と特定することができる。第1閾値および第2閾値は、例えば、記憶部150にあらかじめ記憶させておいたものを使用することができる。
【0034】
また、例えば、チャネル制御部122は、複数のクライアント装置200の中に、電池残量の差分値が閾値よりも大きい2つのクライアント装置200が存在する場合、2つのクライアント装置200のうちで電池残量の少ないクライアント装置200を電池残量の少ないクライアント装置と特定することができる。また、チャネル制御部122は、電池残量の多いクライアント装置200を電池残量の多いクライアント装置200と特定することができる。閾値は、例えば、記憶部150にあらかじめ記憶させておいたものを使用することができる。チャネル制御部122が電池残量の少ないクライアント装置200および電池残量の多いクライアント装置200を特定する手法は、これらの手法に限定されるものではない。
【0035】
また、例えば、チャネル制御部122は、電池残量が少ないクライアント装置200を特定するに際して、電池残量が少ないと判断したクライアント装置200の使用状況をさらに判断し、当該使用状況に基づいて当該クライアント装置200を電池残量が少ないクライアント装置200として特定するか否かを判断してもよい。チャネル制御部122は、例えば、電池残量が少ないと判断したクライアント装置200があまり使用されていない場合には、このクライアント装置200を電池残量が少ないクライアント装置200として特定しなくてもよい。チャネル制御部122は、例えば、電池残量が少ないと判断したクライアント装置200がよく使用されている場合には、このクライアント装置200を電池残量が少ないクライアント装置200として特定してもよい。
【0036】
チャネル制御部122は、クライアント装置200の使用状況を示す値が閾値よりも小さいときには、クライアント装置200があまり使用されていないと判断してもよい。また、チャネル制御部122は、クライアント装置200の使用状況を示す値が閾値よりも大きいときには、クライアント装置200がよく使用されていると判断してもよい。例えば、使用状況を示す値が設定されたパケットがクライアント装置200からサーバ装置100に送信されれば、サーバ装置100は、当該パケットに設定されている値を、使用状況を示す値として使用し得る。当該パケットは、定期的にクライアント装置200からサーバ装置100に送信されてもよいし、サーバ装置100からの要求に応じてクライアント装置200からサーバ装置100に送信されてもよい。また、使用状況を示す値は、電池残量確認応答パケットに含まれていてもよい。
【0037】
クライアント装置200の使用状況を示す値は、例えば、クライアント装置200が使用された時間であってもよいし、クライアント装置200が使用された回数であってもよい。クライアント装置200が使用された時間は、例えば、クライアント装置200が起動されている時間であればよく、クライアント装置200が使用された回数は、例えば、クライアント装置200が起動された回数であればよい。クライアント装置200の使用状況を示す値は、制御部220によりカウントされて記憶部250に記憶されており、必要に応じて制御部220により取得されて、送信部230を介してクライアント装置200に送信される。
【0038】
記憶部150は、複数のクライアント装置200の各々とサーバ装置100とにおける通信品質をチャネルごとに記憶しておくことが可能である。例えば、記憶部150は、複数のクライアント装置200の各々を識別するための識別情報であるクライアント識別情報とチャネルごとの通信品質との組み合わせを通信品質管理情報151として記憶しておくことが可能である。通信品質管理情報151の構成については、図13を参照しながら後に詳細に説明する。このように、記憶部150が通信品質管理情報151を記憶していれば、チャネル制御部122は、記憶部150により記憶されている通信品質に基づいて、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、電池残量の多いクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するほうが、電池残量の少ないクライアント装置200がより高い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことができるか否かを判断することができる。
【0039】
複数のクライアント装置200の各々とサーバ装置100とにおける通信品質は、例えば、サーバ装置100から送信される品質測定制御パケットに対する応答としての品質測定応答パケットにより取得することができる。品質測定制御パケットの構成については、図4を参照しながら後に詳細に説明する。また、品質測定応答パケットの構成については、図5を参照しながら後に詳細に説明する。
【0040】
品質測定制御パケットは、例えば、チャネル制御部122からの品質測定指示に基づいて、送受信制御部121により生成される。チャネル制御部122からの品質測定指示は、例えば、通信システム10の稼動前に送受信制御部121に与えられるが、チャネル制御部122からの品質測定指示が与えられるタイミングは、特に限定されるものではない。例えば、チャネル制御部122からの品質測定指示は、所定のタイミングごとに送受信制御部121に与えられることとしてもよい。
【0041】
品質測定応答パケットは、例えば、受信部110により受信され、送受信制御部121に出力されると、品質測定応答パケットに含まれている情報(例えば、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレスなど)が送受信制御部121によりチャネル制御部122に出力される。チャネル制御部122は、例えば、パケットタイプにより、品質測定応答パケットに含まれている情報が送受信制御部121から出力されたことを把握することができ、品質測定応答パケットに含まれている送信元アドレスにより、受信部110により受信された品質測定応答パケットの送信元のクライアント装置200を特定することができる。
【0042】
チャネル制御部122は、品質測定応答パケットに含まれている送信元アドレスにより、受信部110により受信された品質測定応答パケットの送信元のクライアント装置200を特定することができる。例えば、チャネル制御部122は、受信部110により品質測定応答パケットが受信されたときの受信電力を測定できれば、この受信電力に応じた値を通信品質として取得することができる。例えば、この受信電力が大きいほど通信品質を高くすることができる。また、例えば、チャネル制御部122は、受信部110により品質測定応答パケットの受信を失敗した割合をエラー発生率として測定できれば、このエラー発生率に応じた値を通信品質として取得することができる。例えば、エラー発生率が高いほど通信品質を低くすることができる。
【0043】
記憶部150は、複数のクライアント装置200の各々が現在利用しているチャネルを識別するための情報である利用チャネル情報を記憶しておくことが可能である。例えば、記憶部150は、複数のクライアント装置200の各々を識別するための識別情報であるクライアント識別情報と利用チャネル情報との組み合わせを装置管理情報152として記憶しておくことが可能である。このように、記憶部150が装置管理情報152を記憶していれば、チャネル制御部122は、記憶部150により記憶されている利用チャネル情報に基づいて、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、電池残量の多いクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するほうが、電池残量の少ないクライアント装置200がより高い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことができるか否かを判断することができる。
【0044】
また、上記したように利用チャネルの切り換えを行った場合、電池残量の少ないクライアント装置200の通信品質は向上することとなる。そこで、サーバ装置100は、電池残量の少ないクライアント装置200からパケットが送信される際に使用される電力を下げることにより電池の消費を抑えることができる。また、電池残量の多いクライアント装置200の通信品質は低下してしまう可能性もある。そこで、電池残量の多いクライアント装置200には電池残量が十分に残っていることが想定されるため、サーバ装置100は、電池残量の多いクライアント装置200からパケットが送信される際に使用される電力を上げることにより電池残量の多いクライアント装置200の通信品質の低下を抑えてもよい。それと同時に、サーバ装置100は、電池残量の少ないクライアント装置200からパケットが送信される際に使用される電力を下げることにより電池の消費を抑えることができる。
【0045】
より詳細には、チャネル制御部122により、電池残量の少ないクライアント装置200がより高い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことができると判断された場合が想定される。その場合には、送信部130は、送信電力を下げるように制御するための情報を電池残量の少ないクライアント装置200に送信すればよい。これにより、サーバ装置100は、電池残量の少ないクライアント装置200からパケットが送信される際に使用される電力を下げることにより電池の消費を抑えることができる。
【0046】
また、チャネル制御部122により、電池残量の少ないクライアント装置200がより高い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことができると判断された場合には、送信部130は、送信電力を下げるように制御するための情報を電池残量の少ないクライアント装置200にさらに送信するとともに、送信電力を上げるように制御するための情報を電池残量の多いクライアント装置200にさらに送信してもよい。これにより、サーバ装置100は、電池残量の多いクライアント装置200の通信品質の低下を抑えることができる。
【0047】
また、チャネル制御部122は、電池残量の少ないクライアント装置200がより高い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことができると判断した場合には、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、電池残量の少ないクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するほうが、電池残量の多いクライアント装置200がより低い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことになるか否かを判断してもよい。送信部130は、チャネル制御部122により、電池残量の多いクライアント装置200がより低い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことになると判断された場合には、送信電力を上げるように制御するための情報を電池残量の多いクライアント装置200にさらに送信してもよい。
【0048】
これにより、サーバ装置100は、電池残量の多いクライアント装置200の通信品質の低下をより確実に抑えることができる。なお、当然のことながら、送信部130は、チャネル制御部122により、電池残量の多いクライアント装置200がより低い通信品質によりサーバ装置100と通信を行うことにはならないと判断された場合には、送信電力を上げるように制御するための情報を電池残量の多いクライアント装置200に送信しなくてよい。送信電力を下げるように制御するための情報は、例えば、送信電力制御パケットにより送信することができる。送信電力制御パケットの構成については、図8を参照しながら後に詳細に説明する。また、送信電力制御パケットに対する応答は、例えば、送信電力応答パケットとして受信部110により受信される。送信電力応答パケットの構成については、図9を参照しながら後に詳細に説明する。
【0049】
送信電力制御パケットは、例えば、チャネル制御部122からの送信電力制御指示に基づいて、送受信制御部121により生成される。チャネル制御部122からの送信電力制御指示は、例えば、送信電力を変更する必要が生じた場合に送受信制御部121に与えられるが、チャネル制御部122からの送信電力制御指示が与えられるタイミングは、特に限定されるものではない。
【0050】
送信電力応答パケットは、例えば、受信部110により受信され、送受信制御部121に出力されると、送信電力応答パケットに含まれている情報(例えば、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレスなど)が送受信制御部121によりチャネル制御部122に出力される。チャネル制御部122は、例えば、パケットタイプにより、送信電力応答パケットに含まれている情報が送受信制御部121から出力されたことを把握することができ、送信電力応答パケットに含まれている送信元アドレスにより、受信部110により受信された送信電力応答パケットの送信元のクライアント装置200を特定することができる。
【0051】
チャネル制御部122は、送信電力応答パケットに含まれている送信元アドレスにより、受信部110により受信された送信電力応答パケットの送信元のクライアント装置200を特定することができる。例えば、チャネル制御部122は、特定した送信電力応答パケットの送信元のクライアント装置200の変更後の送信電力により、装置管理情報152に設定されている送信電力応答パケットの送信元のクライアント装置200の送信電力を更新することができる。
【0052】
その他、送信部130は、複数のクライアント装置200の各々に第1データパケットを送信することができる。第1データパケットの構成については、図10を参照しながら後に詳細に説明する。第1データパケットは、例えば、外部インタフェース140からのパケット送信指示に基づいて、送受信制御部121により生成される。外部インタフェース140からのパケット送信指示は、例えば、外部装置300から外部インタフェース140に所定の信号が入力された際に送受信制御部121に与えられるが、外部インタフェース140からの所定の信号が与えられるタイミングは、特に限定されるものではない。
【0053】
外部装置300は、例えば、PC(Personal Computer)やセンサなどにより構成されるものであり、例えば、外部から何らかの信号を検出する機能を有する。サーバ装置100が、例えば、ATM(Automated Teller Machine)に相当する装置に組み込まれている場合には、外部装置300は、例えば、顧客から入金された紙幣や硬貨を検出する機能を有する。その場合には、外部装置300は、検出した紙幣や硬貨が検出されるたびに外部インタフェース140を介して、送受信制御部121に所定の信号を与える。送受信制御部121は、所定の信号に基づいたデータを第1データパケットに含めて、送信部130を介してクライアント装置200に送信する。第1データパケットを受信したクライアント装置200は、例えば、このデータに基づいて顧客の残高を更新する処理や現金の預け入れ処理などを行うことができる。
【0054】
第2データパケットは、例えば、受信部110により受信され、送受信制御部121に出力されると、第2データパケットに含まれている情報(例えば、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、データなど)が送受信制御部121により取得される。送受信制御部121は、例えば、パケットタイプにより、第2データパケットに含まれている情報が取得されたことを把握することができ、第2データパケットに含まれているデータに対して所定の処理を実行することができる。送受信制御部121は、所定の処理を実行して得た結果を、外部装置300に出力することも可能である。
【0055】
電源160は、サーバ装置100内における各ブロックに電力を供給する機能を有するものである。電源160は、電池により構成されていてもよく、他の装置から電力を取得することが可能であってもよい。
【0056】
次に、図3を用いて、本発明の実施形態に係るクライアント装置200の機能構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係るクライアント装置200の機能構成を示す図である。本発明の実施形態に係るクライアント装置200は、少なくとも、送信部230と、受信部210と、チャネル制御部222とを備えるものである。その他、クライアント装置200は、必要に応じて、送受信制御部221、外部インタフェース240、記憶部250、電池260、電池残量確認部270などを備えるものである。制御部220は、送受信制御部221、チャネル制御部222を包含するものである。電池260は、クライアント装置200内における各ブロックに電力を供給する機能を有するものであり、一次電池であってもよく、二次電池であってもよく、燃料電池であってもよい。
【0057】
送信部230は、自装置の電池260の残量をサーバ装置100に送信する機能を有するものである。送信部230は、例えば、送受信制御部221から与えられたパケットを変調して、空中に電波として送信することができる。送信部230は、例えば、自装置の電池260の残量として、電池残量確認部270により取得されたものを使用することができる。電池残量確認部270により取得された電池260の残量は、例えば、電池残量251として記憶部250に記憶させておくことができる。このようにすれば、必要に応じて、記憶部250から電池残量251が取得されるようにすることができる。自装置の電池260の残量は、例えば、サーバ装置100から送信される電池残量確認制御パケットに対する応答としての電池残量確認応答パケットにより送信される。
【0058】
電池残量確認応答パケットは、例えば、受信部210により電池残量確認制御パケットが受信されるたびに、送受信制御部221により生成される。電池残量確認制御パケットは、例えば、受信部210により受信され、送受信制御部221に出力されると、電池残量確認制御パケットに含まれている情報(例えば、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレスなど)が送受信制御部221によりチャネル制御部222に出力される。チャネル制御部222は、例えば、パケットタイプにより、電池残量確認制御パケットに含まれている情報が送受信制御部221から出力されたことを把握することができ、電池残量確認制御パケットに含まれている送信元アドレスにより、電池残量の返信先を取得することができる。チャネル制御部222は、例えば、記憶部250から電池残量251を取得して送受信制御部221に出力することができる。
【0059】
送受信制御部221は、チャネル制御部222から出力された電池残量251を含んだ電池残量確認応答パケットを生成し、生成した電池残量確認応答パケットを送信部230に出力することができる。送信部230は、送受信制御部221から出力された電池残量確認応答パケットを宛先のサーバ装置100に送信することができる。
【0060】
受信部210は、複数のクライアント装置200のうち自装置以外の他のクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報をサーバ装置100から受信することが可能である。ここで、例えば、自装置がクライアント装置200Aである場合、自装置以外の他のクライアント装置200は、クライアント装置200B〜200Nに相当する。受信部210は、例えば、空中から受信した電波を復調して、送受信制御部221にパケットとして出力することができる。
【0061】
チャネル制御部222は、受信部210により、他のクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報が受信されると、他のクライアント装置200により現在利用されているチャネルを利用するように切り替えを行う機能を有するものである。チャネル制御部222は、現在利用されているチャネルを識別するための情報を利用チャネルとして、例えば、記憶部250に記憶させておくことができる。そのようにすれば、記憶部250に記憶させた利用チャネルを参照すれば、この利用チャネルにより識別されるチャネルを利用した通信を可能とすることができる。
【0062】
クライアント装置200が、以上のように説明した、送信部230と、受信部210と、チャネル制御部222とを備えることとすれば、サーバ装置100において、電池により駆動するクライアント装置200による稼動時間を向上させることが可能なチャネルの選定を行うことが可能となる。
【0063】
送受信制御部221は、品質測定応答パケットを生成することも可能である。品質測定応答パケットは、例えば、受信部210により品質測定制御パケットが受信されるたびに、送受信制御部221により生成される。品質測定制御パケットは、例えば、受信部210により受信され、送受信制御部221に出力されると、品質測定制御パケットに含まれている情報(例えば、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、無線チャネル番号など)が送受信制御部221によりチャネル制御部222に出力される。
【0064】
チャネル制御部222は、例えば、パケットタイプにより、品質測定制御パケットに含まれている情報が送受信制御部221から出力されたことを把握することができ、品質測定制御パケットに含まれている送信元アドレスにより、通信品質の返信先を取得することができる。また、チャネル制御部222は、無線チャネル番号により、通信品質の返信に使用するチャネルを把握することができる。
【0065】
送受信制御部221は、品質測定応答パケットを生成し、生成した品質測定応答パケットを送信部230に出力することができる。送信部230は、送受信制御部221から出力された品質測定応答パケットを、チャネル制御部222により把握されたチャネルを使用して、宛先のサーバ装置100に送信することができる。
【0066】
送受信制御部221は、送信電力応答パケットを生成することも可能である。送信電力応答パケットは、例えば、受信部210により送信電力制御パケットが受信されるたびに、送受信制御部221により生成される。送信電力制御パケットは、例えば、受信部210により受信され、送受信制御部221に出力されると、送信電力制御パケットに含まれている情報(例えば、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、送信電力など)が送受信制御部221によりチャネル制御部222に出力される。
【0067】
チャネル制御部222は、例えば、パケットタイプにより、送信電力制御パケットに含まれている情報が送受信制御部221から出力されたことを把握することができ、送信電力制御パケットに含まれている送信元アドレスにより、送信電力応答パケットの返信先を取得することができる。また、チャネル制御部222は、送信電力制御パケットに含まれている送信電力により、パケットを送信する際に使用される電力を上げる必要があるのか、下げる必要があるのかを把握することができる。チャネル制御部222は、送信電力制御パケットに含まれている送信電力を記憶部250に記憶させておくことができる。
【0068】
送受信制御部221は、送信電力応答パケットを生成し、生成した送信電力応答パケットを送信部230に出力することができる。送信部230は、送受信制御部221から出力された送信電力応答パケットを、宛先のサーバ装置100に送信することができる。
【0069】
その他、送信部230は、サーバ装置100に第2データパケットを送信することができる。その際、記憶部250に記憶させてある送信電力を使用して第2データパケットを送信する。第2データパケットの構成については、図11を参照しながら後に詳細に説明する。第2データパケットは、例えば、外部インタフェース240からのパケット送信指示に基づいて、送受信制御部221により生成される。外部インタフェース240からのパケット送信指示は、例えば、外部装置400から外部インタフェース240に所定の信号が入力された際に送受信制御部221に与えられるが、外部インタフェース240からの所定の信号が与えられるタイミングは、特に限定されるものではない。
【0070】
外部装置400は、例えば、PCやセンサなどにより構成されるものであり、例えば、外部から何らかの信号を検出する機能を有する。クライアント装置200が、例えば、ATMに相当する装置に組み込まれている場合には、外部装置400は、例えば、顧客により出金された紙幣や硬貨を検出する機能を有する。その場合には、外部装置400は、検出した紙幣や硬貨が検出されるたびに外部インタフェース240を介して、送受信制御部221に所定の信号を与える。送受信制御部221は、所定の信号に基づいたデータを第2データパケットに含めて、送信部230を介してサーバ装置100に送信する。第2データパケットを受信したサーバ装置100は、例えば、このデータに基づいて顧客の残高を更新する処理や現金の引き出し処理などを行うことができる。
【0071】
第1データパケットは、例えば、受信部210により受信され、送受信制御部221に出力されると、第1データパケットに含まれている情報(例えば、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、データなど)が送受信制御部221により取得される。送受信制御部221は、例えば、パケットタイプにより、第1データパケットに含まれている情報が取得されたことを把握することができ、第1データパケットに含まれているデータに対して所定の処理を実行することができる。送受信制御部221は、所定の処理を実行して得た結果を、外部装置400に出力することも可能である。
【0072】
次に、図4を用いて、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によって送信される品質測定制御パケットの構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によって送信される品質測定制御パケットの構成を示す図である。
【0073】
図4に示したように、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によってクライアント装置200に送信される品質測定制御パケットは、制御フィールド、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、無線チャネル番号などにより構成される。制御フィールドは、サーバ装置100とクライアント装置200との間で通信を行うために使用される各種制御情報に相当する。パケットタイプは、品質測定制御パケットを識別するための情報に相当するものである。品質測定制御パケットのパケットタイプとしては、例えば、「1」を使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0074】
送信元アドレスは、品質測定制御パケットの送信元の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。品質測定制御パケットの送信元アドレスとしては、例えば、サーバ装置100のアドレスを使用することができる。宛先アドレスは、品質測定制御パケットの宛先の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。品質測定制御パケットの宛先アドレスとしては、例えば、品質測定制御パケットの宛先となるクライアント装置200のアドレスを使用することができる。
【0075】
無線チャネル番号は、品質測定制御パケットを受信したクライアント装置200により品質測定応答パケット送信時に使用されるチャネルを識別するための情報の一例に相当するものである。サーバ装置100は、この無線チャネル番号を使用してクライアント装置200から送信された品質測定応答パケットにより、この無線チャネル番号により識別されるチャネルを使用したクライアント装置200による通信の品質を把握することができる。
【0076】
次に、図5を用いて、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によって送信される品質測定応答パケットの構成について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によって送信される品質測定応答パケットの構成を示す図である。
【0077】
図5に示したように、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によってサーバ装置100に送信される品質測定応答パケットは、制御フィールド、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレスなどにより構成される。制御フィールドは、サーバ装置100とクライアント装置200との間で通信を行うために使用される各種制御情報に相当する。パケットタイプは、品質測定応答パケットを識別するための情報に相当するものである。品質測定応答パケットのパケットタイプとしては、例えば、「2」を使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0078】
送信元アドレスは、品質測定応答パケットの送信元の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。品質測定応答パケットの送信元アドレスとしては、例えば、クライアント装置200のアドレスを使用することができる。宛先アドレスは、品質測定応答パケットの宛先の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。品質測定応答パケットの宛先アドレスとしては、例えば、品質測定応答パケットの宛先となるサーバ装置100のアドレスを使用することができる。
【0079】
次に、図6を用いて、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によって送信される電池残量確認制御パケットの構成について説明する。図6は、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によって送信される電池残量確認制御パケットの構成を示す図である。
【0080】
図6に示したように、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によってクライアント装置200に送信される電池残量確認制御パケットは、制御フィールド、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレスなどにより構成される。制御フィールドは、サーバ装置100とクライアント装置200との間で通信を行うために使用される各種制御情報に相当する。パケットタイプは、電池残量確認制御パケットを識別するための情報に相当するものである。電池残量確認制御パケットのパケットタイプとしては、例えば、「3」を使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0081】
送信元アドレスは、電池残量確認制御パケットの送信元の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。電池残量確認制御パケットの送信元アドレスとしては、例えば、サーバ装置100のアドレスを使用することができる。宛先アドレスは、電池残量確認制御パケットの宛先の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。電池残量確認制御パケットの宛先アドレスとしては、例えば、電池残量確認制御パケットの宛先となるクライアント装置200のアドレスを使用することができる。
【0082】
次に、図7を用いて、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によって送信される電池残量確認応答パケットの構成について説明する。図7は、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によって送信される電池残量確認応答パケットの構成を示す図である。
【0083】
図7に示したように、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によってサーバ装置100に送信される電池残量確認応答パケットは、制御フィールド、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、電池残量などにより構成される。制御フィールドは、サーバ装置100とクライアント装置200との間で通信を行うために使用される各種制御情報に相当する。パケットタイプは、電池残量確認応答パケットを識別するための情報に相当するものである。電池残量確認応答パケットのパケットタイプとしては、例えば、「4」を使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0084】
送信元アドレスは、電池残量確認応答パケットの送信元の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。電池残量確認応答パケットの送信元アドレスとしては、例えば、クライアント装置200のアドレスを使用することができる。宛先アドレスは、電池残量確認応答パケットの宛先の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。電池残量確認応答パケットの宛先アドレスとしては、例えば、電池残量確認応答パケットの宛先となるサーバ装置100のアドレスを使用することができる。
【0085】
電池残量は、電池残量確認応答パケットの送信元のクライアント装置200の電池260の残量に相当するものである。サーバ装置100は、この電池残量に基づいて、電池残量確認応答パケットの送信元のクライアント装置200の利用チャネルを適宜変更することができる。
【0086】
次に、図8を用いて、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によって送信される送信電力制御パケットの構成について説明する。図8は、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によって送信される送信電力制御パケットの構成を示す図である。
【0087】
図8に示したように、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によってクライアント装置200に送信される送信電力制御パケットは、制御フィールド、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、送信電力などにより構成される。制御フィールドは、サーバ装置100とクライアント装置200との間で通信を行うために使用される各種制御情報に相当する。パケットタイプは、送信電力制御パケットを識別するための情報に相当するものである。送信電力制御パケットのパケットタイプとしては、例えば、「5」を使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0088】
送信元アドレスは、送信電力制御パケットの送信元の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。送信電力制御パケットの送信元アドレスとしては、例えば、サーバ装置100のアドレスを使用することができる。宛先アドレスは、送信電力制御パケットの宛先の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。送信電力制御パケットの宛先アドレスとしては、例えば、送信電力制御パケットの宛先となるクライアント装置200のアドレスを使用することができる。
【0089】
送信電力は、送信電力制御パケットの宛先のクライアント装置200のパケット送信時に使用する電力を識別するための情報に相当するものである。クライアント装置200は、この送信電力に基づいて、パケット送信時に使用する電力を適宜変更することができる。この送信電力には、変更後の送信電力が設定されてもよく、変更前後の送信電力の差分が設定されてもよく、単に、送信電力を上げる旨を示す情報や送信電力を下げる旨を示す情報が設定されてもよい。
【0090】
次に、図9を用いて、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によって送信される送信電力応答パケットの構成について説明する。図9は、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によって送信される送信電力応答パケットの構成を示す図である。
【0091】
図9に示したように、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によってサーバ装置100に送信される送信電力応答パケットは、制御フィールド、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレスなどにより構成される。制御フィールドは、サーバ装置100とクライアント装置200との間で通信を行うために使用される各種制御情報に相当する。パケットタイプは、送信電力応答パケットを識別するための情報に相当するものである。送信電力応答パケットのパケットタイプとしては、例えば、「6」を使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0092】
送信元アドレスは、送信電力応答パケットの送信元の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。送信電力応答パケットの送信元アドレスとしては、例えば、クライアント装置200のアドレスを使用することができる。宛先アドレスは、送信電力応答パケットの宛先の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。送信電力応答パケットの宛先アドレスとしては、例えば、送信電力応答パケットの宛先となるサーバ装置100のアドレスを使用することができる。
【0093】
次に、図10を用いて、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によって送信される第1データパケットの構成について説明する。図10は、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によって送信される第1データパケットの構成を示す図である。
【0094】
図10に示したように、本発明の実施形態に係るサーバ装置100によってクライアント装置200に送信される第1データパケットは、制御フィールド、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、データなどにより構成される。制御フィールドは、サーバ装置100とクライアント装置200との間で通信を行うために使用される各種制御情報に相当する。パケットタイプは、第1データパケットを識別するための情報に相当するものである。第1データパケットのパケットタイプとしては、例えば、「7」を使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0095】
送信元アドレスは、第1データパケットの送信元の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。第1データパケットの送信元アドレスとしては、例えば、サーバ装置100のアドレスを使用することができる。宛先アドレスは、第1データパケットの宛先の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。第1データパケットの宛先アドレスとしては、例えば、第1データパケットの宛先となるクライアント装置200のアドレスを使用することができる。
【0096】
データは、例えば、サーバ装置100の送受信制御部121により設定されるものである。クライアント装置200の送受信制御部221は、このデータに対して、所定の処理を実行することができる。このデータは、主に、サーバ装置100およびクライアント装置200の各々のアプリケーションにより使用される。
【0097】
次に、図11を用いて、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によって送信される第2データパケットの構成について説明する。図11は、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によって送信される第2データパケットの構成を示す図である。
【0098】
図11に示したように、本発明の実施形態に係るクライアント装置200によってサーバ装置100に送信される第2データパケットは、制御フィールド、パケットタイプ、送信元アドレス、宛先アドレス、データなどにより構成される。制御フィールドは、サーバ装置100とクライアント装置200との間で通信を行うために使用される各種制御情報に相当する。パケットタイプは、第2データパケットを識別するための情報に相当するものである。第2データパケットのパケットタイプとしては、例えば、「8」を使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0099】
送信元アドレスは、第2データパケットの送信元の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。第2データパケットの送信元アドレスとしては、例えば、クライアント装置200のアドレスを使用することができる。宛先アドレスは、第2データパケットの宛先の装置を識別するためのアドレスに相当するものである。第2データパケットの宛先アドレスとしては、例えば、第2データパケットの宛先となるサーバ装置100のアドレスを使用することができる。
【0100】
データは、例えば、クライアント装置200の送受信制御部221により設定されるものである。サーバ装置100の送受信制御部121は、このデータに対して、所定の処理を実行することができる。このデータは、主に、サーバ装置100およびクライアント装置200の各々のアプリケーションにより使用される。
【0101】
図12は、本発明の実施形態に係る通信システム10の構成図を簡略化した図である。図12に示したように、簡略化した通信システム10は、クライアント装置200の例として、クライアント装置200A〜200Cが示されている。以下においては、図12に示したような、簡略化した通信システム10を参照しながら、図13〜図17を用いた説明を行うことにする。
【0102】
まず、通信システム10が稼動する前に、サーバ装置100は、クライアント装置200のチャネルごとの通信品質を測定する。通信品質は、上記したように、例えば、数値で表現されるものである。ここでは、便宜上、通信品質は、「1」〜「5」の5段階の数値で示すこととし、「5」が最も通信品質が高いことを示すものとする。
【0103】
通信品質の確認に際しては、サーバ装置100からクライアント装置200A〜200Cの各々に対して通信品質確認の指示を行う。まず、サーバ装置100はクライアント装置200A〜200Cの各々に対して、品質測定制御パケットを送信する。品質測定制御パケットを受信したクライアント装置200A〜200Cの各々は、サーバ装置100に対して品質測定応答パケットを返信する。
【0104】
サーバ装置100は、クライアント装置200A〜200Cの各々から品質測定応答パケットを受信すると、当該品質測定応答パケットを受信したときの受信電力に応じた値をクライアント装置200A〜200Cの各々の通信品質として取得する。あるいは、クライアント装置200A〜200Cの各々からサーバ装置100に対して連続して品質測定応答パケットを送信することにする場合には、サーバ装置100は、品質測定応答パケットが正常に受信できなかった割合をエラー発生率として測定し、エラー発生率に応じた値を通信品質として取得することとしてもよい。
【0105】
サーバ装置100は、クライアント装置200A〜200Cの各々の通信品質を取得すると、取得したクライアント装置200A〜200Cの各々の通信品質をチャネルごとに記憶部150に登録することができる。例えば、サーバ装置100により、図14に示した通信品質管理情報151Aのように記憶部150に登録される。
【0106】
次に、サーバ装置100は、通信システム10全体として好ましいチャネルが利用されている状態となるように、クライアント装置200A〜200Cの各々の利用するチャネルを選択する。説明の便宜上、各チャネルは、1つのクライアント装置200のみが利用できることとするが、各チャネルは、複数のクライアント装置200により利用することができることとしてもよい。
【0107】
図13を参照すると、例えば、クライアント装置200C(クライアント装置識別情報「3」)は、チャネル1を利用するよりも、チャネル3を利用するほうが高い通信品質が得られる。しかし、クライアント装置200B(クライアント装置識別情報「2」)のほうが更に高い通信品質が得られるため、サーバ装置100は、通信システム10全体として好ましいチャネルが利用されている状態となるようにチャネルを選択すると、クライアント装置200B(クライアント装置識別情報「2」)の利用するチャネルとしてチャネル3を選択することとなる。
【0108】
このようにして、チャネル1〜3をクライアント装置200A〜200Cの各々に割り当てることを想定すると、サーバ装置100は、クライアント装置200A(クライアント装置識別情報「1」)にはチャネル2を、クライアント装置200B(クライアント装置識別情報「2」)にはチャネル3を、クライアント装置200C(クライアント装置識別情報「3」)にはチャネル1を割り当てることとなる。このとき、サーバ装置100は、図14に示した装置管理情報152Aのように、例えば、クライアント装置200A〜200Cの各々の電池残量を、最大値(例えば、100dBm)に設定することができ、クライアント装置200A〜200Cの各々の送信電力を、所定の値(例えば、10dBm)に設定することができる。
【0109】
ここで、通信システム10を稼動させ、サーバ装置100とクライアント装置200A〜200Cの各々との通信が開始されたとする。通信中には、サーバ装置100は、クライアント装置200A〜200Cの各々に対して、電池残量確認制御パケットを送信し、クライアント装置200A〜200Cの各々は、記憶部250に記憶されている電池残量251を取得し、電池残量確認応答パケットにより電池残量251をサーバ装置100に通知する。これにより、サーバ装置100は、例えば、所定の時間ごとにクライアント装置200A〜200Cの各々の電池残量を確認することができる。
【0110】
通信を継続すると、クライアント装置200A〜200Cの各々により発生するトラフィック量が異なるため、電池260の消費量がクライアント装置200ごとに異なり、電池残量251がクライアント装置200ごとに異なることが想定される。図15に示した装置管理情報152Bのように、例えば、クライアント装置200Cの電池残量251が「30」となり、クライアント装置200A、200Bと比較して、少なくなってきたとする。例えば、通信システム10が動作を継続するために、クライアント装置200A〜200Cの全てが動作することが必須である場合などが想定される。そのような場合には、通信システム10による動作を継続することを優先させるため、クライアント装置200Cの電池260の消費を抑える必要がある。
【0111】
そこで、サーバ装置100は、クライアント装置200Cの送信電力を下げるように制御することにより、クライアント装置200Cの電池260の消費を抑えることができる。このとき、サーバ装置100は、クライアント装置200Cに送信電力制御パケットを送信し、クライアント装置200に対して送信電力を下げるように指示する。クライアント装置200Cは、データ送信に使用する電力を下げるとともに、送信電力応答パケットをサーバ装置100に返信する。サーバ装置100は、クライアント装置200Cから送信電力応答パケットを受信すると、例えば、図16に示した装置管理情報152Cのように、送信電力を更新する。
【0112】
クライアント装置200Cがデータ送信に使用する電力を下げると、通信品質が低下することが想定される。そこで、サーバ装置100は、クライアント装置200Cに通信品質のより高いチャネルを割り当てることにより、クライアント装置200Cの通信品質の低下を抑えることができる。図15に示した通信品質管理情報151Aを参照すると、クライアント装置200Cの通信品質は、チャネル1を利用した場合よりも、チャネル3を利用した場合のほうが高い。したがって、サーバ装置100は、クライアント装置200Cにチャネル3を新たに割り当て、クライアント装置200Bにチャネル1を割り当てる。
【0113】
この結果、クライアント装置200Bは、今までよりも通信品質の低いチャネルであるチャネル1を利用することになるが、電池残量が十分にあるため、サーバ装置100は、クライアント装置200Bの送信電力を上げるように制御することができる。このような制御により、クライアント装置200Bの通信品質の低下を抑えることができる。クライアント装置200Bの送信電力を上げた後の状態は、例えば、図17に示した装置管理情報152Dのようになる。
【0114】
次に、図18を用いて、本発明の実施形態に係る通信システム10により通信品質管理情報151を登録する処理の流れについて説明する。図18は、本発明の実施形態に係る通信システム10により通信品質管理情報151を登録する処理の流れを示すシーケンス図である。
【0115】
図18に示すように、まず、サーバ装置100は、品質測定制御パケットを生成する(ステップS101)。サーバ装置100は、生成パケット(品質測定制御パケット)をクライアント装置200A〜200Cに送信する(ステップS102A〜S102C)。クライアント装置200A〜200Cの各々は、サーバ装置100から生成パケット(品質測定制御パケット)を受信すると(ステップS103A〜S103C)、品質測定応答パケットを生成する(ステップS104A〜S104C)。クライアント装置200A〜200Cの各々は、生成パケット(品質測定応答パケット)をサーバ装置100に送信する(ステップS105A〜S105C)。
【0116】
サーバ装置100は、クライアント装置200A〜200Cの各々から生成パケット(品質測定応答パケット)を受信すると(ステップS106A〜S106C)、クライアント装置200A〜200Cの各々から受信した品質測定応答パケットに基づいて、クライアント装置200A〜200Cの各々のチャネルごとの通信品質を算出し、記憶部150に通信品質を登録する(ステップS107)。サーバ装置100は、チャネルごとの通信品質に基づいて、クライアント装置200A〜200Cの各々が通信に利用するチャネルを特定する(ステップS108)。サーバ装置100により利用チャネルを特定する手法については、図19を参照しながら、後に詳細に説明する。
【0117】
次に、図19を用いて、図18に示した利用チャネルを特定する手法の詳細について説明する。図19は、図18に示した利用チャネル特定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0118】
図19に示すように、まず、サーバ装置100のチャネル制御部122は、通信品質管理情報151を参照して、最初のチャネルを選択する(ステップS1081)。チャネル制御部122は、例えば、通信品質管理情報151を参照して、チャネル1を最初のチャネルとして選択してもよいし、チャネル3を最初のチャネルとして選択してもよい。チャネル1が最初のチャネルとして選択された場合、チャネル1の次のチャネルは、例えば、チャネル2に相当し、チャネル2の次のチャネルは、例えば、チャネル3に相当する。また、チャネル3が最初のチャネルとして選択された場合、チャネル3の次のチャネルは、例えば、チャネル2に相当し、チャネル2の次のチャネルは、例えば、チャネル1に相当する。
【0119】
続いて、チャネル制御部122は、選択したチャネルの通信品質が最も高いクライアント装置200を選択する(ステップS1082)。チャネル制御部122は、例えば、最初のチャネルとして、チャネル1を選択した場合には、選択したチャネルの通信品質が最も高いクライアント装置200として、クライアント装置200C(クライアント装置識別情報「3」)を選択する。
【0120】
チャネル制御部122は、選択したクライアント装置200の利用チャネルは特定済みか否かを判断する(ステップS1083)。チャネル制御部122は、選択したクライアント装置200の利用チャネルは特定済みであると判断した場合には(ステップS1083で「Yes」)、選択したチャネルの通信品質が次に高いクライアント装置200を選択して(ステップS1084)、ステップS1083に戻る。チャネル制御部122は、選択したクライアント装置200の利用チャネルは特定済みでないと判断した場合には(ステップS1083で「No」)、選択したクライアント装置200の識別情報と選択したチャネルとの組み合わせを、クライアント装置識別情報と利用チャネルとの組み合わせとして、装置管理情報152に登録する(ステップS1085)。
【0121】
続いて、チャネル制御部122は、チャネルの割り当てが、クライアント装置200A〜200Cの各々について終了したか否かを判断する(ステップS1086)。チャネル制御部122は、チャネルの割り当てが、クライアント装置200A〜200Cの各々についてまだ終了していないと判断した場合には(ステップS1086で「No」)、次のチャネルを選択して(ステップS1087)、ステップS1082に戻る。チャネル制御部122は、クライアント装置200A〜200Cの各々について終了したと判断した場合には(ステップS1086で「Yes」)、利用チャネルを特定する処理を終了する。
【0122】
次に、図20を用いて、本発明の実施形態に係る通信システム10により利用チャネルを変更する処理の流れについて説明する。図20は、本発明の実施形態に係る通信システム10により利用チャネルを変更する処理の流れを示すシーケンス図である。
【0123】
図20に示すように、まず、サーバ装置100は、電池残量確認制御パケットを生成する(ステップS201)。サーバ装置100は、生成パケット(電池残量確認制御パケット)をクライアント装置200A〜200Cに送信する(ステップS202A〜S202C)。クライアント装置200A〜200Cの各々は、サーバ装置100から生成パケット(電池残量確認制御パケット)を受信すると(ステップS203A〜S203C)、電池残量確認応答パケットを生成する(ステップS204A〜S204C)。クライアント装置200A〜200Cの各々は、生成パケット(電池残量確認応答パケット)をサーバ装置100に送信する(ステップS205A〜S205C)。
【0124】
サーバ装置100は、クライアント装置200A〜200Cの各々から生成パケット(電池残量確認応答パケット)を受信すると(ステップS206A〜S206C)、クライアント装置200A〜200Cの各々から受信した電池残量確認応答パケットにより通知された電池残量を装置管理情報152に登録する(ステップS207)。サーバ装置100は、クライアント装置200A〜200Cの各々の電池残量に基づいて、クライアント装置200A〜200Cの各々が通信に利用するチャネルを変更する変更処理(ステップS208)を行う。サーバ装置100により利用チャネルを変更する手法については、図21を参照しながら、後に詳細に説明する。
【0125】
次に、図21を用いて、図20に示した利用チャネルを変更する手法の詳細について説明する。図21は、図20に示した変更処理の詳細を示すフローチャートである。
【0126】
図21に示すように、まず、サーバ装置100のチャネル制御部122は、装置管理情報152を参照して、クライアント装置200A〜200Cの中に、電池残量の少ない第1クライアント装置が存在するか否かを判断する(ステップS2081)。チャネル制御部122は、クライアント装置200A〜200Cの中に、電池残量の少ない第1クライアント装置が存在しないと判断した場合には(ステップS2081で「No」)、利用チャネルを変更する処理を終了する。チャネル制御部122は、クライアント装置200A〜200Cの中に、電池残量の少ない第1クライアント装置が存在すると判断した場合には(ステップS2081で「Yes」)、ステップS2082に進む。
【0127】
続いて、チャネル制御部122は、第1クライアント装置にとって現在の利用チャネルより高い通信品質のチャネルが存在するか否かを判断する(ステップS2082)。チャネル制御部122は、通信品質管理情報151を参照して、第1クライアント装置にとって現在の利用チャネルより高い通信品質のチャネルが存在しないと判断した場合には(ステップS2082で「No」)、利用チャネルを変更する処理を終了する。チャネル制御部122は、第1クライアント装置にとって現在の利用チャネルより高い通信品質のチャネルが存在すると判断した場合には(ステップS2082で「Yes」)、ステップS2083に進む。
【0128】
チャネル制御部122は、第1クライアント装置の利用チャネルとして当該チャネル(第1クライアント装置にとって現在の利用チャネルより高い通信品質のチャネル)を設定するとともに(ステップS2083)、当該チャネルを利用していた第2クライアント装置の利用チャネルに第1クライアント装置が利用していたチャネルを設定する(ステップS2084)。チャネル制御部122は、送信部130を介して、送信電力を下げる旨を示す送信電力制御パケットを第1クライアント装置に送信するとともに(ステップS2085)、送信電力を上げる旨を示す送信電力制御パケットを第2クライアント装置に送信し(ステップS2086)、利用チャネルを変更する処理を終了する。
【0129】
本実施形態によれば、以下に示すような効果が得られる。
電池により駆動する無線通信システムによる稼動時間を向上させることが可能なチャネルの選定を行うことが可能となる。例えば、電池残量の少ないクライアント装置200がデータ送信に使用する電力は、消費電力を節約するために、低く設定することができる。しかしながら、送信電力を低く設定すると、通信品質が低下することが想定される。そこで、サーバ装置100は、電池残量が少ないクライアント装置200に対しては、送信電力を低くするように制御するとともに、良質な通信品質を確保できるチャネルを優先的に割り当てることができる。このような制御により、通信システム10全体の稼動時間を向上させることができる。
【0130】
なお、上記実施形態において説明した端末の各部の機能は、実際には、図示しないCPU(Central Processing Unit)などの演算装置がこれらの機能を実現する処理手順を記述した制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体から制御プログラムを読出し、そのプログラムを解釈して実行することにより達成される。例えば、上記実施形態に係るサーバ装置100においては、制御部120の各機能は、実際には、CPUがこれらの機能を実現する処理手順を記述したプログラムを実行することにより達成される。また、例えば、上記実施形態に係るクライアント装置200においては、制御部220、電池残量確認部270の各機能は、実際には、CPUがこれらの機能を実現する処理手順を記述したプログラムを実行することにより達成される。
【0131】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0132】
尚、本明細書において、シーケンス図に記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0133】
10 通信システム
100 サーバ装置
110 受信部
120 制御部
121 送受信制御部
122 チャネル制御部
130 送信部
140 外部インタフェース
150 記憶部
151、151A 通信品質管理情報
152、152A、152B、152C、152D 装置管理情報
160 電源
200 クライアント装置
200A クライアント装置
200B クライアント装置
200C クライアント装置
210 受信部
220 制御部
221 送受信制御部
222 チャネル制御部
230 送信部
240 外部インタフェース
250 記憶部
260 電池
270 電池残量確認部
300 外部装置
400 外部装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント装置とサーバ装置とを有する通信システムにおけるサーバ装置であって、
前記複数のクライアント装置の各々の電池残量を判断することにより、電池残量が少ないクライアント装置と前記電池残量が多いクライアント装置とを特定し、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、前記電池残量が多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、前記電池残量が少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができるか否かを判断するチャネル制御部と、
前記チャネル制御部により、前記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、前記電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を前記電池残量の少ないクライアント装置に送信するとともに、前記電池残量の少ないクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を前記電池残量の多いクライアント装置に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする、サーバ装置。
【請求項2】
前記送信部は、
前記チャネル制御部により、前記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、送信電力を下げるように制御するための情報を前記電池残量の少ないクライアント装置にさらに送信する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記送信部は、
前記チャネル制御部により、前記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、送信電力を下げるように制御するための情報を前記電池残量の少ないクライアント装置にさらに送信するとともに、送信電力を上げるように制御するための情報を前記電池残量の多いクライアント装置にさらに送信する、
ことを特徴とする、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記チャネル制御部は、
前記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができると判断した場合には、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、前記電池残量の少ないクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、前記電池残量の多いクライアント装置がより低い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことになるか否かを判断し、
前記送信部は、
前記チャネル制御部により、前記電池残量の多いクライアント装置がより低い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことになると判断された場合には、送信電力を上げるように制御するための情報を前記電池残量の多いクライアント装置にさらに送信する、
ことを特徴とする、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記チャネル制御部は、
前記複数のクライアント装置の中に、第1閾値未満の電池残量のクライアント装置が存在する場合、当該クライアント装置を前記電池残量の少ないクライアント装置と特定し、第2閾値を超える電池残量のクライアント装置が存在する場合、当該クライアント装置を前記電池残量の多いクライアント装置と特定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記チャネル制御部は、
前記複数のクライアント装置の中に、電池残量の差分値が閾値よりも大きい2つのクライアント装置が存在する場合、前記2つのクライアント装置のうちで電池残量の少ないクライアント装置を前記電池残量の少ないクライアント装置と特定し、電池残量の多いクライアント装置を前記電池残量の多いクライアント装置と特定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記チャネル制御部は、
前記電池残量が少ないクライアント装置を特定するに際して、前記電池残量が少ないと判断したクライアント装置の使用状況をさらに判断し、当該使用状況に基づいて当該クライアント装置を前記電池残量が少ないクライアント装置として特定するか否かを判断する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項8】
複数のクライアント装置の各々と前記サーバ装置とにおける通信品質をチャネルごとに記憶している記憶部をさらに備え、
前記チャネル制御部は、
前記記憶部により記憶されている前記通信品質に基づいて、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、前記電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、前記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができるか否かを判断する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項9】
複数のクライアント装置の各々が現在利用しているチャネルを識別するための情報である利用チャネル情報を記憶している記憶部をさらに備え、
前記チャネル制御部は、
前記記憶部により記憶されている前記利用チャネル情報に基づいて、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、前記電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、前記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができるか否かを判断する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項10】
複数のクライアント装置とサーバ装置とを有する通信システムにおけるクライアント装置であって、
自装置の電池残量を前記サーバ装置に送信する送信部と、
前記複数のクライアント装置のうち自装置以外の他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を前記サーバ装置から受信することが可能な受信部と、
前記受信部により、前記他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報が受信されると、前記他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように切り替えを行うチャネル制御部と、
を備える、クライアント装置。
【請求項11】
複数のクライアント装置とサーバ装置とを有する通信システムにおいて、
前記複数のクライアント装置の各々は、
自装置の電池残量を前記サーバ装置に送信する送信部と、
前記複数のクライアント装置のうち自装置以外の他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を前記サーバ装置から受信することが可能な受信部と、
前記受信部により、前記他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報が受信されると、前記他のクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように切り替えを行うチャネル制御部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記複数のクライアント装置の各々から送信された電池残量を判断することにより、電池残量が少ないクライアント装置と前記電池残量が多いクライアント装置とを特定し、現在利用しているチャネルを継続して利用するよりも、前記電池残量の多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するほうが、前記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができるか否かを判断するチャネル制御部と、
前記チャネル制御部により、前記電池残量の少ないクライアント装置がより高い通信品質により前記サーバ装置と通信を行うことができると判断された場合には、前記電池残量が多いクライアント装置により現在利用されているチャネルを利用するように制御するための情報を前記電池残量が少ないクライアント装置に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする、通信システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−134646(P2012−134646A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283414(P2010−283414)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成22年度総務省「ICT機器内ハーネスのワイヤレス化の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】