説明

サーバ装置及び画像転送システム

【課題】2D−3D変換サービスを多数のユーザへ適切に提供する。
【解決手段】本発明のサーバ装置は、登録済みのユーザのユーザIDと、そのユーザが使用すべき表示デバイスであり、かつ立体視用の画像を立体表示可能な表示デバイスのデバイスIDとを、互いに対応付けて保管するID保管手段(34−1)と、任意の端末を介して前記ユーザからアップロードされた平面視用の画像を前記ユーザIDに対応付けて保管する画像保管手段(34−2)と、前記平面視用の画像を立体視用の画像へと変換する変換依頼を前記ユーザから受け付ける受付手段(34)と、前記受け付けに応じて、変換後の前記立体視用の画像の閲覧先又はダウンロード先を、前記ユーザが使用すべき前記表示デバイスに設定する制御手段(34)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ登録済みのユーザがアップロードした画像を保管するサーバ装置及び画像転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サーバ装置が3D画像をユーザ端末へ配信する画像転送システムの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−111102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年になると、サーバ装置から配信された3D画像を鑑賞するだけでなく、ユーザ自身がカメラで撮影した2D画像を3D画像に変換(2D−3D変換)して鑑賞したいという要求も増えてきた。
【0005】
しかしながら2D−3D変換に必要な技術は本来、専門性が高いため、パーソナルコンピュータ(PC)のアプリケーション上で一般のユーザがそれを行うのは難しい。
【0006】
また、ユーザの技術がたとえ高かったとしても高品質の3D画像をPCが短時間で作成することは性能的に難しい。
【0007】
そこで本発明は、2D−3D変換サービスを多数のユーザへ適切に提供することが可能なサーバ装置及び画像転送システムの実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のサーバ装置は、登録済みのユーザのユーザIDと、そのユーザが使用すべき表示デバイスであり、かつ立体視用の画像を立体表示可能な表示デバイスのデバイスIDとを、互いに対応付けて保管するID保管手段と、任意の端末を介して前記ユーザからアップロードされた平面視用の画像を前記ユーザIDに対応付けて保管する画像保管手段と、前記平面視用の画像を立体視用の画像へと変換する変換依頼を前記ユーザから受け付ける受付手段と、前記受け付けに応じて、変換後の前記立体視用の画像の閲覧先又はダウンロード先を、前記ユーザが使用すべき前記表示デバイスに設定する制御手段とを備える。
【0009】
本発明の画像転送システムは、本発明のサーバ装置と、前記サーバ装置から前記3D画像を閲覧又はダウンロードする前記3D表示デバイスとを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、2D−3D変換サービスを多数のユーザへ適切に提供することが可能なサーバ装置及び画像転送システムが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像転送システムの構成図である。
【図2】画像サーバ34のデータベースを説明する図である。
【図3】3D−DPF1の全体構成図である。
【図4】PC35及び画像サーバ34による2D−3D変換処理の動作フローチャートである。
【図5】3D−DPF1及び画像サーバ34による画像ダウンロード処理の動作フローチャートである。
【図6】3D−DPF1及び画像サーバ34によるバックアップ処理の動作フローチャートである。
【図7】PC35による修理依頼処理及び画像サーバ34による修理受付処理の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態として画像転送システムを説明する。
【0013】
図1は、画像転送システムの構成図である。図1に示すとおり画像転送システムは、インターネットなどのネットワーク33と、ネットワーク33に接続された画像サーバ34と、ネットワーク33に接続された自宅アクセスポイント32と、無線LANモジュールを搭載した3Dディジタルフォトフレーム(3D−DPF)1と、無線LANモジュールを搭載したパーソナルコンピュータ(PC)35とを有し、画像サーバ34は、ネットワーク33又は他のネットワークを介してカスタマーサポートセンター34’に接続されている。
【0014】
カスタマーサポートセンター34’は、3D−DPF1の在庫(在庫デバイス)を多数保管し、画像サーバ34からの指示に応じて、3D−DPFの修理業務、3D−DPFの発送業務などを行うセンターである。
【0015】
画像サーバ34は、カスタマーサポートセンター34’の在庫デバイスを管理する機能と、ユーザ登録済みの各ユーザの画像ファイルを保管する機能と、各ユーザからの依頼に応じて画像処理を行う機能とを有する。特に、本実施形態では、その画像処理の中に2D−3D変換処理が含まれる。なお、この2D−3D変換処理は、画像サーバ34からの依頼に応じて別の画像処理サーバが実行してもよいが、ここでは、画像サーバ34自身が直接実行するものとする。
【0016】
PC35は、或るユーザが使用可能な端末の1つである。そのユーザは、PC35、自宅アクセスポイント32、ネットワーク33を介して画像サーバ34の登録ページへアクセスし、その登録ページ上で画像サーバ34に対するユーザ登録を行う。登録の結果、ユーザには、そのユーザに専用のユーザIDと、そのユーザに専用のユーザ認証データ(パスワード)とが割り当てられる。
【0017】
また、ユーザは、USBケーブルなどを介して2Dカメラ35’をPC35へ接続し、2Dカメラ35’で撮影した画像(2D画像)の画像ファイルを必要に応じてPC35へ転送することができる。また、ユーザは、PC35、自宅アクセスポイント32、ネットワーク33を介して画像サーバ34のユーザページへアクセスし、そのユーザページ上で、画像ファイルの閲覧(サムネイル閲覧)、画像ファイルのアップロード、画像ファイルのダウンロード、画像処理の依頼(2D−3D変換依頼を含む)、3D−DPFの使用申し込みなどを行うことができる。
【0018】
ユーザページ上でユーザが3D−DPFの使用申し込みを行うと、画像サーバ34は、在庫デバイスの1つである3D−DPFをユーザのデバイスと定める。なお、ここでは、この申し込みにより、ユーザの居所データもユーザの登録データの一種として画像サーバ34に保管されるものとする。その3D−DPFには、その3D−DPFに専用のデバイスID(固体識別用のシリアルナンバーなど)と、その3D−DPFに専用のデバイス認証データとが割り当てられている。画像サーバ34は、その3D−DPFのデバイスIDを、そのユーザのユーザIDに対応づけてから、その3D−DPFをユーザの居所へ発送するようカスタマーサポートセンター34’へ指示する。その後、カスタマーサポートセンター34’は、ユーザの居所に向けてその3D−DPFを発送する。このようにしてユーザの居所へ届いた3D−DPFが、図1に符号1で示した3D−DPFである。それ以降、PC35のユーザは、自分自身にひも付けされた3D−DPF1を、自分専用の3D−DPFとして使用することができる。なお、ユーザからの2D−3D変換依頼の受け付け開始時期は、3D−DPF1とユーザとがひも付けされた後に設定される。
【0019】
なお、画像サーバ34の登録ページ又はユーザページへアクセスする際にユーザが使用するアクセスポイントは、自宅アクセスポイント32ではなく不図示の公衆アクセスポイントであっても構わない。また、画像サーバ34の登録ページ又はユーザページへアクセスする際にユーザが使用する端末は、ユーザ専用のPCであっても他者と共用のコンピュータであっても構わない。但し、ここでは簡単のため、ユーザが使用するアクセスポイントは自宅アクセスポイント32であって、ユーザが使用する端末はPC35と仮定する。
【0020】
図2は、画像サーバ34のデータベースを説明する図である。図2に示すとおり、画像サーバ34は、ユーザデータベース34−1と画像データベース34−2とを有している。これらのユーザデータベース34−1及び画像データベース34−2は、画像サーバ34の制御部(不図示)によって適宜にアクセスされる。なお、画像サーバ34の後述する各動作は、この制御部によって実行されるものとする。
【0021】
ユーザデータベース34−1には、ユーザ登録済みの各ユーザのユーザIDとして、例えば、各ユーザのメールアドレスが保管されており、各ユーザのユーザIDには、そのユーザが使用している3D−DPFのデバイスIDが対応付けられている。図2に示す例では、”tokyo@××.com”というユーザIDに対して”#100”というデバイスIDが対応付けられている。この場合、”tokyo@××.com”というユーザIDを有したユーザの使用している3D−DPFは、”#100”というデバイスIDを有した3D−DPFであると画像サーバ34は認識することができる。なお、図2には表れていないが、各ユーザのユーザIDには、そのユーザに専用のユーザ認証データ(パスワード)が対応付けられており、各3D−DPFのデバイスIDには、その3D−DPFに専用のデバイス認証データが対応付けられている。
【0022】
画像データベース34−2には、ユーザ登録済みの各ユーザの画像ファイルが、各ユーザのユーザIDに対応付けられた状態で保管されている。また、画像データベース34−2には、各ユーザの3D−DPFのバックアップデータが、各ユーザのユーザIDに対応付けられた状態で保管されている。したがって、各ユーザの画像ファイル及びバックアップデータは、各ユーザのデバイスIDと同様、各ユーザのユーザIDに対してひも付けされている。なお、図2において”2D”と示したのは2D画像の画像ファイル(2D画像ファイル)の概念であり、”3D”と示したのは3D画像の画像ファイル(3D画像ファイル)の概念であり、”BD”と示したのはバックアップデータの概念である。
【0023】
なお、ここでいう2D画像は動画像又は静止画像であって、ここでいう3D画像は動画像又は静止画像である。但し、以下では簡単のため、2D画像及び3D画像は共に静止画像であると仮定して説明する。
【0024】
先ず、3D画像は、観察者に対して立体物を観察させるために必要な画像であって、複数の視差画像からなる。ここでは、2眼型の3D表示器を想定し、3D画像は、左右の視差画像、すなわち、観察者の左眼に提示するための左眼用画像(L画像)と、観察者の右眼に提示するための右眼用画像(R画像)との2枚からなる場合を想定する。このうちL画像の提示先を観察者の左眼のみに制限し、またR画像の提示先を観察者の右眼のみに制限すれば、観察者は立体観察(立体視)ができる。なお、このような3D画像を格納する3D画像ファイルには、例えば、マルチピクチャーフォーマットなど、複数枚の画像を纏めて格納することのできるフォーマットが適用される。
【0025】
一方、2D画像は、観察者に対して平面物を観察させるための画像であって、観察者の左眼及び右眼に提示する共通の画像からなる。因みに観察者の左眼及び右眼へ共通の画像を提示した場合は、観察者は立体観察をすることはできず、平面観察(平面視)ができるだけである。なお、このような2D画像を格納する2D画像ファイルには、例えば、JPEGフォーマットなど、1枚の画像を格納するフォーマットが適用される。
【0026】
図3は、3D−DPF1の全体構成図である。3D−DPF1には、CPU17、RAM20、不揮発性メモリ18、無線LANモジュール24、R画像用のRメモリ19R、L画像用のLメモリ19L、3D表示器8、入力器25などが備えられ、CPU17、RAM20、不揮発性メモリ18、無線LANモジュール24、Rメモリ19R、Lメモリ19L、入力器25は、共通のバス26に接続されている。
【0027】
不揮発性メモリ18は、3D−DPF1の電源投入の有無に拘わらずCPU17のプログラムなどを記憶するメモリである。CPU17のプログラムとしては、オペレーティングシステムのプログラムと、3D−DPF用のアプリケーションのプログラムとがあり、オペレーティングシステムには、3D−DPF1の全体を管理する機能があり、アプリケーションには、画像サーバ34に保管された画像ファイルの閲覧機能、その画像ファイルのダウンロード機能、その画像ファイルのスライドショー再生機能など(所謂ビューワー機能)がある。
【0028】
なお、不揮発性メモリ18に格納される情報としては、以上のプログラムの他に、画像サーバ34からダウンロードされた画像ファイル、オペレーティングシステムのパラメータ(詳細は後述)、アプリケーションのパラメータ(詳細は後述)などがある。
【0029】
RAM26は、CPU17がプログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶するメモリである。
【0030】
無線LANモジュール24は、3D−DPF1の外部に位置するアクセスポイント(自宅アクセスポイント32)との間で無線通信を行い、データの送受信を行う。
【0031】
3D表示器8は、多眼型又は2眼型の3D表示器であって、裸眼型又は眼鏡型の3D表示器である。ここでは、3D表示器8を、2眼型かつ裸眼型であって、分離方式としてレンチキュラー方式が採用された3D表示器と仮定する。この場合、3D表示器8は、複数の表示用の画素を水平方向及び垂直方向にかけて配列してなる表示部を備えると共に、垂直方向に母線を配した複数のシリンドリカルレンズを、その表示部上に水平方向にかけて配列している。これらのシリンドリカルレンズの全体がレンチキュラーレンズと呼ばれているものである。この場合、3D表示器8の水平方向が、観察者の左右方向となる。
【0032】
なお、表示部における水平方向の画素密度は、垂直方向の画素密度の2倍に設定されている。そして、表示部において左側から数えて奇数番目に位置する複数の画素列はL画像を表示するための画素(L画素)であり、左側から数えて偶数番目に位置する複数の画素列はR画像を表示するための画素(R画素)である。また、個々のシリンドリカルレンズの水平方向の配列ピッチは、表示部における画素の水平方向の配列ピッチの2倍に設定されている。つまり、1本のL画素列と1本のR画素列とからなる1つのブロック上に、1本のシリンドリカルレンズが配置されている。また、個々のシリンドリカルレンズの屈折力は適切に設定されており、L画素から射出した光束の角度範囲は、観察者の左眼には入射できるが観察者の右眼には入射できないような角度範囲に制限され、R画素から射出した光束の角度範囲は、観察者の右眼には入射できるが観察者の左眼には入射できないような角度範囲に制限される。
【0033】
Rメモリ19Rは、3D表示器8のR画素群へ出力すべき画像のデータを蓄積するための表示用メモリであり、Lメモリ19Lは、3D表示器8のL画素群へ出力すべき画像のデータを蓄積するための表示用メモリである。Rメモリ19Rは、蓄積中のデータをR画素群へ送出し、Lメモリ19Lは、蓄積中のデータをL画素群へ送出する。
【0034】
CPU17は、上述したプログラムに従い、3D−DPF1の各部を制御する。このCPU17の動作については、3D−DPF1の動作として後に詳細に説明する。
【0035】
図4は、PC35及び画像サーバ34による2D−3D変換処理の動作フローチャートである。なお、ここでは、2D−3D変換処理の前に行われるべき2D画像のアップロード処理も併せて説明する。
【0036】
図4の左側に示すのがPC35の動作フローチャートであり、図4の右側に示すのが画像サーバ34の動作フローチャートである。以下、図4の各ステップを時系列順に説明する。
【0037】
ステップS11:PC35は、PC35に搭載された無線LANモジュールによりSSIDの探索を行い、検出された1又は複数のSSIDの中から自宅アクセスポイント32のSSIDを選択し、その自宅アクセスポイント32に対して自宅アクセスポイント32に対応するWEPキーを送信することにより、ネットワーク33への接続を確立する。これによって、PC35と画像サーバ34とがネットワーク33経由で接続される。
【0038】
ステップS12:PC35は、ユーザが不図示の入力器を介して入力した、ユーザ自身のユーザID及びユーザ認証データ(パスワード)を、画像サーバ34に対して送信する。
【0039】
ステップS21:画像サーバ34は、ユーザID及びユーザ認証データを受信すると、ステップS22へ移行する。
【0040】
ステップS22:画像サーバ34は、受信したユーザID及びユーザ認証データの組み合わせが、ユーザ登録済みである何れかのユーザのそれと一致したならば、認証OKとみなしてステップS23へ移行し、そうでなければステップS21へ戻る。
【0041】
ステップS23:画像サーバ34は、認証のOK通知をPC35へ送信する。
【0042】
ステップS14:PC35は、認証のOK通知を受信した場合にはステップS15へ移行し、受信しなかった場合にはステップS12へ戻る。
【0043】
ステップS15:PC35は、画像サーバ34に対してユーザページ情報を要求する。その後、ユーザページ情報を受信すると、PC35は、そのユーザページ情報に基づきPC35のモニタ(ここでは2D表示デバイスと仮定する。以下、「PCモニタ」と称す。)に対してユーザページを表示する。なお、ユーザページには、ユーザが過去に保管した各画像ファイルのファイル名と、各画像ファイルに格納された画像のサムネイル画像とが配置される。なお、画像が2D画像であった場合には、その画像のサムネイル画像には2D画像である旨のマークが付与され、また、画像が3D画像であった場合には、その画像のサムネイル画像には3D画像である旨のマークが付与される。
【0044】
なお、このユーザページ上で、ユーザは、アップロード画面を呼び出したり、2D−3D変換画面を呼び出したりすることができる。
【0045】

ステップS24:画像サーバ34は、PC35からの要求に応じてユーザページ情報を送信する。なお、ユーザページ情報には、前述したユーザページの表示に必要な各データが含まれる。
【0046】
ステップS16:PC35は、ユーザからアップロード画面が呼び出されたか否かを判別し、呼び出された場合にはステップS17へ移行し、呼び出されなかった場合にはステップS110へ移行する。
【0047】
ステップS17:PC35は、アップロード画面をPCモニタへ表示する。アップロード画面には、PC35に格納されている画像ファイルの一覧が表示される。ユーザは、アップロードすべき1又は複数の2D画像ファイルをこのアップロード画面上で指定し、アップロード指示をPC35へ入力する。アップロード指示が入力されると、PC35はステップS18へ移行する。
【0048】
ステップS18:PC35は、画像サーバ34に対してアップロード要求を送信する。
【0049】
ステップS25:画像サーバ34は、アップロード要求を受信すると、ステップS26へ移行し、受信しなかった場合はステップS27へ移行する。
【0050】
ステップS19:PC35は、ユーザが指定した1又は複数の2D画像ファイルを画像サーバ34へ転送する。
【0051】
ステップS26:画像サーバ34は、1又は複数の2D画像ファイルを受信すると、その2D画像ファイルに対してユーザIDを対応付けた上で、前述した画像データベース43−2へ格納する。
【0052】
ステップS110:PC35は、ユーザから2D−3D変換画面が呼び出されたか否かを判別し、呼び出された場合にはステップS111へ移行し、呼び出されなかった場合にはステップS114へ移行する。
【0053】
ステップS111:PC35は、2D−3D変換画面をPCモニタへ表示する。2D−3D変換画面には、画像サーバ34に保管中である2D画像ファイルの一覧が表示される。ユーザは、2D−3D変換すべき1又は複数の2D画像ファイルをこの2D−3D変換画面上で指定し、PC35へ2D−3D変換指示を入力する。2D−3D変換指示が入力されると、PC35はステップS112へ移行する。
【0054】
ステップS112:PC35は、指定された2D画像ファイルのファイル名及び2D−3D変換要求を画像サーバ34に対して送信する。
【0055】
ステップS27:画像サーバ34は、指定された2D画像ファイルのファイル名及び2D−3D変換要求を受信すると、ステップS28へ移行し、受信しなかった場合はステップS211へ移行する。
【0056】
ステップS28:画像サーバ34は、指定された2D画像ファイルに格納されている2D画像を読み込み、その2D画像に対して2D−3D変換を施す。すなわち、画像サーバ34は、その2D画像に対してオブジェクト抽出処理を施し、その2D画像上に存在する1又は複数のオブジェクト(人物、自動車、樹木、建物、太陽、山々、犬、猫、…など)を個別に抽出する。次に、画像サーバ34は、それらのオブジェクトの各々の種類及びサイズに基づき、それらのオブジェクトの各々の距離を推測する。さらに、画像サーバ34は、個々のオブジェクトの内部のコントラスト分布から、個々のオブジェクトの凹凸分布を推測する。これによって、2D画像の距離分布の推定が完了する。そして、画像サーバ34は、2D画像と、2D画像の距離分布とに基づき、その2D画像に対応するR画像とL画像とを作成し、それらR画像及びL画像を纏めることで1つの3D画像ファイルを作成する。これによって、2D−3D変換は完了である。
【0057】
ステップS29:画像サーバ34は、作成した3D画像ファイルを、ユーザのユーザIDに対応付けて画像データベースへ格納する。このようにして3D画像ファイルをユーザIDに対応づけておけば、ユーザの使用している3D−DPF1を、その3D画像ファイルの閲覧先又はダウンロード先に設定することができる。この場合、基本的に他のユーザの3D−DPFは、その3D画像ファイルを閲覧又はダウンロードすることはできない。
【0058】
ステップS210:画像サーバ34は、3D画像ファイルの保管が完了したことを示す完了通知をPC35へ送信する。
【0059】
ステップS113:PC35は、完了通知を受信すると、ステップS114へ移行する。
【0060】
ステップS114:PC35は、画像サーバ34に対する最後のアクセスから所定時間が経過した場合にはステップS115へ移行し、経過していなかった場合にはステップS15へ戻る。
【0061】
ステップS115:PC35は、ネットワーク33への接続を切断し、フローを終了する。
【0062】
ステップS211:画像サーバ34は、PC35の最後のアクセスから所定時間が経過した場合にはステップS21へ戻り、経過していなかった場合にはステップS24へ戻る。
【0063】
以上の結果、ユーザは、任意の2D画像を2D−3D変換するよう画像サーバ34へ依頼するだけで、2D−3D変換後の2D画像である3D画像を、画像サーバ34へ保管することができる。
【0064】
図5は、3D−DPF1及び画像サーバ34による画像ダウンロード処理の動作フローチャートである。なお、ここでは、ダウンロードされる画像が3D画像であった場合を説明する。
【0065】
図5の左側に示すのが3D−DPF1の動作フローチャートであり、図5の右側に示すのが画像サーバ34の動作フローチャートである。以下、図5の各ステップを時系列順に説明する。
【0066】
ステップS31:3D−DPF1は、無線LANモジュール24によりSSIDの探索を行い、検出された1又は複数のSSIDの中から自宅アクセスポイント32のSSIDを選択し、その自宅アクセスポイント32に対して自宅アクセスポイント32に対応するWEPキーを送信することにより、ネットワーク33への接続を確立する。これによって、3D−DPF1と画像サーバ34とがネットワーク33経由で接続される。
【0067】
ステップS32:3D−DPF1は、3D−DPF1自身に割り当てられたデバイスID及びデバイス認証データを、画像サーバ34に対して送信する。
【0068】
ステップS41:画像サーバ34は、デバイスID及びデバイス認証データを受信すると、ステップS42へ移行する。
【0069】
ステップS42:画像サーバ34は、受信したデバイスID及びデバイス認証データの組み合わせが、ユーザ登録済みである何れかのユーザのそれと一致したならば、認証OKとみなしてステップS43へ移行し、そうでなければステップS41へ戻る。
【0070】
ステップS43:画像サーバ34は、認証のOK通知を3D−DPF1へ送信する。
【0071】
ステップS34:3D−DPF1は、認証のOK通知を受信した場合にはステップS35へ移行し、受信しなかった場合にはステップS32へ戻る。
【0072】
ステップS35:3D−DPF1は、画像サーバ34に対してユーザページ情報を要求する。その後、ユーザページ情報を受信すると、3D−DPF1は、そのユーザページ情報に基づき3D表示器8に対してユーザページを表示する。ここでは簡単のため、ユーザページは2D画像として表示されものとする。この場合、3D−DPF1は、ユーザページの画像データを、Rメモリ19RとLメモリ19Lとの双方へ書き込めばよい。
【0073】
なお、ユーザページには、ユーザが過去に保管した各画像ファイルのファイル名と、各画像ファイルに格納された画像のサムネイル画像とが配置される。なお、画像が2D画像であった場合には、その画像のサムネイル画像には2D画像である旨のマークが付与され、また、画像が3D画像であった場合には、その画像のサムネイル画像には3D画像である旨のマークが付与される。
【0074】
なお、このユーザページ上で、ユーザが3D画像のサムネイル画像を選択すると、その3D画像の立体表示指示を3D−DPF1へ入力することができる。
【0075】
ステップS44:画像サーバ34は、3D−DPF1からの要求に応じて、ユーザページ情報を送信する。なお、ユーザページ情報には、前述したユーザページの表示に必要な各データが含まれる。
【0076】
ステップS36:3D−DPF1は、ユーザから立体表示指示が入力されたか否かを判別し、入力された場合にはステップS37へ移行し、入力されなかった場合にはステップS312へ移行する。
【0077】
ステップS37:3D−DPF1は、画像サーバ34に対して、現時点で選択されている3D画像のファイル名及びダウンロード要求を送信する。
【0078】
ステップS45:画像サーバ34は、ファイル名及びダウンロード要求を受信すると、ステップS46へ移行し、受信しなかった場合にはステップS47へ移行する。
【0079】
ステップS46:画像サーバ34は、前述したデバイスIDに対してひも付けされた1又は複数の画像ファイルの中から、受信したファイル名を有した3D画像ファイルを見出し、その3D画像ファイルを3D−DPF1へと転送する。
【0080】
ステップS38:3D−DPF1は、3D画像ファイルを受信すると、その3D画像ファイルをRAM20へ書き込む。
【0081】
ステップS39:3D−DPF1は、RAM20上の3D画像ファイルに格納されたR画像及びL画像を読み出し、それらR画像及びL画像をRメモリ19R及びLメモリ19Lに対して個別に書き込む。これによって、3D表示器8のR画素群にR画像が表示され、3D表示器8のL画素群にL画像が表示される。したがって、ユーザの選択した3D画像が3D表示器8上に立体表示される。
【0082】
なお、本ステップの3D−DPF1は、R画像及びL画像をRメモリ19R及びLメモリ19Lへと書き込むに当たり、最初は、R画像をRメモリ19R及びLメモリ19Lの双方へ書き込んでから、Lメモリ19Lの内容を徐々にL画像へと書き換えてもよい。或いは、L画像をRメモリ19R及びLメモリ19Lの双方へ書き込んでから、Rメモリ19Rの内容を徐々にR画像へと書き換えてもよい。或いは、L画像とR画像との中間画像を作成し、その中間画像をRメモリ19R及びLメモリ19Lの双方へ書き込んでから、Rメモリ19Rの内容を徐々にR画像へと書き換えると共に、Lメモリ19Lの内容を徐々にL画像へと書き換えてもよい。このようにすれば、3D−DPF1は、3D画像を平面表示してから徐々に立体表示へとトランジションさせることができる。
【0083】
なお、3D画像の立体表示中、ユーザは、不図示の入力器を介して表示中の3D画像のファイルの保存指示を3D−DPF1へ入力することができる。
【0084】
ステップS310:3D−DPF1は、ユーザから保存指示が入力されたか否かを判別し、入力された場合にはステップS311へ移行し、入力されなかった場合にはステップS312へ移行する。
【0085】
ステップS311:3D−DPF1は、RAM20上の3D画像ファイルを不揮発性メモリ18へ書き込む。これによって、3D−DPF1は3D画像ファイルを長期に亘って保存することができる。よって、それ以降、3D−DPF1が同じ3D画像を立体表示する際には、ネットワーク33への接続は必要無くなる。
【0086】
ステップS312:3D−DPF1は、画像サーバ34に対する最後のアクセスから所定時間が経過した場合にはステップS313へ移行し、経過していなかった場合にはステップS35へ移行する。
【0087】
ステップS313:3D−DPF1は、ネットワーク33への接続を切断し、フローを終了する。
【0088】
ステップS47:画像サーバ34は、3D−DPF1の最後のアクセスから所定時間が経過した場合にはステップS41へ戻り、経過していなかった場合にはステップS44へ戻る。
【0089】
以上の結果、ユーザは、画像サーバ34へ予め保管しておいた任意の3D画像を、任意のタイミングで3D−DPF1から立体観察することができる。
【0090】
図6は、3D−DPF1及び画像サーバ34によるバックアップ処理の動作フローチャートである。なお、この動作フローチャートは、3D−DPF1が画像サーバ34に対してネットワーク接続され、かつデバイス認証後の期間中に実行されるものとする。また、ユーザは、不図示の入力器を介して予め3D−DPF1へ任意のバックアップ間隔を指定しており、そのバックアップ間隔の情報は、オペレーティングシステムのパラメータとして不揮発性メモリ18が記憶しているものとする。
【0091】
図6の左側に示すのが3D−DPF1の動作フローチャートであり、図6の右側に示すのが画像サーバ34の動作フローチャートである。以下、図6の各ステップを時系列順に説明する。
【0092】
ステップS51:3D−DPF1は、前回のバックアップ時刻と予め指定されたバックアップ間隔と現在の時刻とに基づきバックアップ時期が到来したか否かを判別し、到来した場合にはステップS52へ移行する。
【0093】
ステップS52:3D−DPF1は、画像サーバ34に対してバックアップ要求を送信する。
【0094】
ステップS61:画像サーバ34は、バックアップ要求を受信すると、ステップS62へ移行する。
【0095】
ステップS53:3D−DPF1は、3D−DPF1のバックアップデータを収集すると、そのバックアップデータを画像サーバ34へ送信し、ステップS51へ戻る。
【0096】
ここで、3D−DPF1のバックアップデータには、前述したオペレーティングシステムのパラメータと、前述したアプリケーションシステムのパラメータとが含まれる。オペレーティングシステムのパラメータには、アクセスポイントのSSID及びWEPキー、バックアップ間隔データなどが含まれ、アプリケーションのパラメータとは、ユーザページのレイアウトデータ、ダウンロード画像の保存先データ、スライドショー再生の表示間隔データなどが含まれる。
【0097】
なお、バックアップデータには、3D−DPF1が保管しているダウンロード画像のファイル名リスト、すなわち、画像サーバ34からのダウンロードによって不揮発性メモリ18に保存された画像のファイル名リストが含まれてもよい。
【0098】
ステップS62:画像サーバ34は、バックアップデータを受信すると、そのバックアップデータを、バックアップデータの送信元である3D−DPF1のデバイスIDに対応付けてから、前述した画像データベース34−2へと格納する。その後、ステップS61へ戻る。
【0099】
以上の結果、画像サーバ34における各3D−DPF1のバックアップデータは、各3D−DPF1のユーザが予め指定した頻度でそれぞれ更新される。
【0100】
画像サーバ34がこのようなバックアップデータを保管していれば、ユーザの3D−DPF1が故障した際に、カスタマーサポートセンター34’は、在庫デバイスの1つを、最近のバックアップ時点における3D−DPF1の状態と同じ状態へと即座に復元することができる。
【0101】
図7は、PC35による修理依頼処理及び画像サーバ34による修理受付処理の動作フローチャートである。
【0102】
図7の左側に示すのがPC35の動作フローチャートであり、図7の右側に示すのが画像サーバ34の動作フローチャートである。以下、図7の各ステップを時系列順に説明する。
【0103】
ステップS71:PC35は、PC35に搭載された無線LANモジュールによりSSIDの探索を行い、検出された1又は複数のSSIDの中から自宅アクセスポイント32のSSIDを選択し、その自宅アクセスポイント32に対して自宅アクセスポイント32に対応するWEPキーを送信することにより、ネットワーク33への接続を確立する。これによって、PC35と画像サーバ34とがネットワーク33経由で接続される。
【0104】
ステップS72:PC35は、ユーザが不図示の入力器を介して入力した、ユーザ自身のユーザID及びユーザ認証データ(パスワード)を、画像サーバ34に対して送信する。
【0105】
ステップS81:画像サーバ34は、ユーザID及びユーザ認証データを受信すると、ステップS82へ移行する。
【0106】
ステップS82:画像サーバ34は、受信したユーザID及びユーザ認証データの組み合わせが、ユーザ登録済みである何れかのユーザのそれと一致したならば、認証OKとみなしてステップS83へ移行し、そうでなければステップS81へ戻る。
【0107】
ステップS83:画像サーバ34は、認証のOK通知をPC35へ送信する。
【0108】
ステップS74:PC35は、認証のOK通知及びユーザページ情報を受信した場合にはステップS75へ移行し、受信しなかった場合にはステップS72へ戻る。
【0109】
ステップS75:PC35は、画像サーバ34に対してユーザページ情報を要求する。その後、ユーザページ情報を受信すると、そのユーザページ情報に基づきPCモニタに対してユーザページを表示する。なお、ユーザページには、ユーザが過去に保管した各画像ファイルのファイル名と、各画像ファイルに格納された画像のサムネイル画像とが配置される。なお、画像が2D画像であった場合には、その画像のサムネイル画像には2D画像である旨のマークが付与され、また、画像が3D画像であった場合には、その画像のサムネイル画像には3D画像である旨のマークが付与される。
【0110】
なお、このユーザページ上で、ユーザは、3D−DPF1の修理申し込みを行うことができる。
【0111】
ステップS84:画像サーバ34は、PC35からの要求に応じてユーザページ情報を送信する。なお、ユーザページ情報には、前述したユーザページの表示に必要な各データが含まれる。
【0112】
ステップS76:PC35は、ユーザから3D−DPF1の修理申し込みが行われたか否かを判別し、行われた場合にはステップS77へ移行し、行われなかった場合にはステップS79へ移行する。
【0113】
ステップS77:PC35は、3D−DPF1の修理要求を画像サーバ34へ送信する。
【0114】
ステップS85:画像サーバ34は、修理要求を受信すると、ステップS86へ移行し、受信しなかった場合はステップS810へ移行する。
【0115】
ステップS86:画像サーバ34は、在庫デバイスの1つである3D−DPFを、ユーザが新たに使用すべき3D−DPFと定める。この新たな3D−DPFには、その3D−DPFに専用のデバイスIDと、その3D−DPFに専用のデバイス認証データとが割り当てられている。画像サーバ34は、そのユーザのユーザIDに対応づけられていたデバイスIDを、新たな3D−DPFのデバイスIDへと更新する。このようにしてユーザデータベース34−1が更新されると、ユーザが今まで使用していた古い3D−DPF1は、使用不可能となる。
【0116】
ステップS87:画像サーバ34は、新たな3D−DPFをカスタマーサポートセンター34’へ指定すると共に、その新たな3D−DPFのカスタマイズ指示をカスタマーサポートセンター34’に与える。
【0117】
カスタマーサポートセンター34’は、指定された新たな3D−DPFを画像サーバ34へネットワーク接続する。この時点で既に、新たな3D−DPFは、ユーザのユーザIDに対してひも付けされている。よって、新たな3D−DPFは、そのユーザIDに対応するバックアップデータを画像サーバ34からダウンロードし、そのバックアップデータに従って、新たな3D−DPF自身をカスタマイズする。
【0118】
具体的には、新たな3D−DPFは、新たな3D−DPFのオペレーティングシステムのパラメータ(アクセスポイントのSSID及びWEPキー、バックアップ間隔など)を、そのバックアップデータに書かれたSSID、WEPキー、バックアップ間隔と同じに設定する。
【0119】
また、新たな3D−DPFは、新たな3D−DPFのアプリケーションシステムのパラメータ(ユーザページのレイアウト、ダウンロード画像の保存先、スライドショー再生の表示間隔など)を、そのバックアップデータに書かれたレイアウト、保存先、表示間隔と同じに設定する。
【0120】
また、新たな3D−DPFは、そのバックアップデータに書かれたファイル名リストに対応する1又は複数の画像ファイルを画像サーバ34からダウンロードし、ダウンロードした画像ファイルを新たな3D−DPF自身に保存する。この際、画像ファイルの保存先は、バックアップデータに書かれた保存先と同じに設定される。
【0121】
これによって、新たな3D−DPFの状態は、最新のバックアップ時点における3D−DPF1の状態と同じに復元(レストア)される。
【0122】
なお、以上のようなレストア機能は、オペレーティングシステムの1機能などとして全ての3D−DPFに搭載されている。
【0123】
ステップS88:画像サーバ34は、レストア後の新たな3D−DPFをユーザの居所へ発送するようカスタマーサポートセンター34’へ指示を与え、発送手配を完了する。
【0124】
なお、レストア後の新たな3D−DPFがユーザの居所へ届けられると、ユーザは、今まで使用していた古い3D−DPF1をカスタマーサポートセンター34’へ返送する。その古い3D−DPF1がカスタマーサポートセンター34’へ届けられると、修理され、初期状態に戻される。初期状態となった3D−DPF1は、在庫デバイスとしてカスタマーサポートセンター34に保管される。
【0125】
ステップS89:画像サーバ34は、発送手配を完了した時点で完了通知をPC35へ送信する。
【0126】
ステップS78:PC35は、完了通知を受信すると、ステップS79へ移行する。
【0127】
ステップS79:PC35は、画像サーバ34に対する最後のアクセスから所定時間が経過した場合にはステップS710へ移行し、経過していなかった場合にはステップS75へ移行する。
【0128】
ステップS710:PC35は、ネットワーク33への接続を切断し、フローを終了する。
【0129】
ステップS810:画像サーバ34は、PC35の最後のアクセスから所定時間が経過した場合にはステップS81へ戻り、経過していなかった場合にはステップS84へ戻る。
【0130】
以上の結果、ユーザは、3D−DPF1が故障した際には、ユーザページ上で修理申し込みを行うだけで、新たな3D−DPFの発送を手配することができる。しかも、ユーザの居所へ届けられた新たな3D−DPFは、届けられた時点でそのユーザ用にカスタマイズされているので、使用開始前にユーザが煩雑な設定を行う必要は無い。
【0131】
以上、図4〜図7にて説明したとおり、本実施形態の画像転送システムでは、ユーザがPC35からアップロードした2D画像を画像サーバ34が2D−3D変換すると共に、その変換で得た3D画像の閲覧先又はダウンロード先を、そのユーザが使用している3D−DPF1に設定する。したがって、本実施形態の画像転送システムは、2D−3D変換サービスを多数のユーザへ適切に提供することができる。
【0132】
また、本実施形態の画像転送システムによれば、各ユーザと、各ユーザの使用すべき3D−DPFとがひも付けして管理されるので、2D−3D変換サービスを多数のユーザに提供する際に混乱をきたさない。
【0133】
また、本実施形態の画像転送システムによれば、個々のユーザによる2D−3D変換依頼の受け付け開始時期が適切なタイミングに設定されるので、2D−3D変換サービスの提供先を、3D−DPFの使用申し込みを完了させたユーザのみ(つまり立体観察が可能な環境下にあるユーザのみ)に制限することができる。
【0134】
また、本実施形態の画像転送システムによれば、画像サーバ34が各ユーザの3D−DPFのバックアップデータを予め指定された頻度で収集するので、或るユーザの3D−DPFが故障した際に、新たな3D−DPFのカスタマイズをカスタマーサポートセンター34’に対して即座に開始させることができる。したがって、新たな3D−DPFの使用開始時にユーザが煩雑な設定を行う必要は無い。
【0135】
また、本実施形態の画像転送システムによれば、ユーザの使用するデバイスが古い3D−DPFから新たな3D−DPFへと交換される際に、画像サーバ34がユーザデータベースを自動的に更新するので、ユーザがユーザ登録をやり直したり、登録データを書き換えたりする必要は無い。
【0136】
また、本実施形態の画像転送システムにおける3D−DPF1は、3D画像を立体表示する際に、その3D画像を最初に平面表示してから徐々に立体表示を開始するので、3D−DPF1のユーザは、平面表示から立体表示へのトランジションを体験することができる。立体表示された3D画像を観察する際に、このようなトランジションを経れば、立体感を感じにくいユーザであっても比較的容易に立体感を感じることができると思われる。
【0137】
なお、以上の実施形態の画像転送システムでは、画像サーバ34の機能の少なくとも一部は、カスタマーサポートセンター34’又は他種のサーバ装置に搭載されてもよい。また、カスタマーサポートセンター34’の機能の少なくとも一部は、画像サーバ34又は他種のサーバ装置に搭載されてもよい。
【0138】
また、以上の実施形態の画像転送システムでは、ユーザが2D−3D変換依頼をPC35経由で行ったが、3D−DPF経由で行うことができるよう3D−DPFを構成してもよい。
【0139】
また、以上の実施形態の画像転送システムでは、ユーザが3D−DPFの修理申し込みをPC35経由で行ったが、3D−DPF経由で行うことができるように3D−DPFを構成してもよい。
【0140】
また、以上の実施形態の画像転送システムでは、3D表示デバイスとして3D−DPF(3Dディジタルフォトフレーム)を例に挙げたが、テレビチューナーを内蔵した3Dディスプレイなど、他種の3D表示デバイスを使用してもよい。
【0141】
また、以上の実施形態の画像転送システムでは、3D画像のファイルフォーマットとしてマルチピクチャーフォーマットを例に挙げたが、2枚の視差画像を左右に並べて1枚の画像と同等に扱うサイドバイサイド方式などの他の方式を適用してもよい。因みに、前述したネットワーク33が放送網であり、3D表示デバイスがテレビチューナー内蔵の3Dディスプレイであり、前述した3D画像が動画像であった場合には、サイドバイサイド方式が適用されることもある。
【0142】
また、以上の実施形態の画像転送システムでは、3D表示デバイスの交換される理由が3D表示デバイスの故障である場合を例に挙げて説明したが、3D表示デバイスが新モデル又は新商品へと移行されるなどの理由で3D表示デバイスを交換する際にも、同様のシステムを適用できる。
【符号の説明】
【0143】
33…ネットワーク、34…画像サーバ、32…自宅アクセスポイント32、1…3Dディジタルフォトフレーム(3D−DPF)、35…パーソナルコンピュータ(PC)、34’…カスタマーサポートセンター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録済みのユーザのユーザIDと、そのユーザが使用すべき表示デバイスであり、かつ立体視用の画像を立体表示可能な表示デバイスのデバイスIDとを、互いに対応付けて保管するID保管手段と、
任意の端末を介して前記ユーザからアップロードされた平面視用の画像を前記ユーザIDに対応付けて保管する画像保管手段と、
前記平面視用の画像を立体視用の画像へと変換する変換依頼を前記ユーザから受け付ける受付手段と、
前記受け付けに応じて、変換後の前記立体視用の画像の閲覧先又はダウンロード先を、前記ユーザが使用すべき前記表示デバイスに設定する制御手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置において、
前記制御手段は、
前記受付手段の前記受け付けに応じて、前記立体視用の画像を作成又は手配する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のサーバ装置において、
前記受付手段は、
前記表示デバイスの使用開始前に、任意の端末を介して送信された、前記ユーザによるデバイス使用の申し込みを受け付け、
前記制御手段は、
前記受け付けに応じて、在庫デバイスの1つである前記表示デバイスのデバイスIDを、前記ユーザの前記ユーザIDに対応づけて前記ID保管手段へ保管すると共に、前記対応付けの完了した前記表示デバイスを前記ユーザの居所へ発送するよう手配する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバ装置において、
前記受付手段は、
前記ユーザによる前記変換依頼の受け付け開始時期を、前記対応付けの完了後に設定する
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のサーバ装置と、
前記サーバ装置から前記立体視用の画像を閲覧又はダウンロードする前記表示デバイスと、
を備えることを特徴とする画像転送システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像転送システムにおいて、
前記表示デバイスは、
前記表示デバイスのバックアップデータを予め設定された頻度で前記サーバ装置へアップロードするアップロード手段を備え、
前記サーバ装置は、
アップロードされた前記バックアップデータを前記ユーザIDに対応付けて保管するバックアップデータ保管手段を更に備える
ことを特徴とする画像転送システム。
【請求項7】
請求項6に記載の画像転送システムにおいて、
前記サーバ装置の前記受付手段は、
前記表示デバイスの使用開始後に、任意の端末を介して送信された、前記ユーザによるデバイス交換依頼を受け付け、
前記サーバ装置の前記制御手段は、
前記受け付けに応じて、前記ユーザIDに対応する前記デバイスIDを、前記表示デバイスと同種の在庫デバイスの1つである新たな表示デバイスのデバイスIDへと更新すると共に、前記ユーザIDに対応する前記バックアップデータに従い前記新たな表示デバイスをカスタマイズしてから前記ユーザの居所へ発送するよう手配する
ことを特徴とする画像転送システム。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の画像転送システムにおいて、
前記バックアップデータには、
前記サーバ装置からの画像の閲覧又はダウンロードに関するパラメータが含まれる
ことを特徴とする画像転送システム。
【請求項9】
請求項6〜請求項8の何れか一項に記載の画像転送システムにおいて、
前記バックアップデータには、
前記サーバ装置から前記表示デバイスへとダウンロードされた画像のリストが含まれる
ことを特徴とする画像転送システム。
【請求項10】
請求項6〜請求項9の何れか一項に記載の画像転送システムにおいて、
前記バックアップデータには、
前記表示デバイスがアクセスポイントへのアクセスに使用すべきデータが含まれる
ことを特徴とする画像転送システム。
【請求項11】
請求項5〜請求項10の何れか一項に記載の画像転送システムにおいて、
前記表示デバイスは、
前記立体視用の画像を立体表示する際には、前記立体視用の画像を最初に平面表示してから徐々に立体表示を開始する
ことを特徴とする画像転送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−151740(P2012−151740A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9897(P2011−9897)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】