説明

シェーディング補正方法、シェーディング補正値測定装置、撮像装置及びビームプロファイル測定装置

【課題】固体撮像素子を使って撮像する際に、精度の高いシェーディング補正が行えるようにする。
【解決手段】固体撮像素子の受光領域を複数のエリアに分割し、分割されたそれぞれのエリアに個別に、そのエリアのサイズに対応した光のスポットサイズで、基準となる光源からの光を、結像光学系を介して照射する。そして、照射された光のエリアごとの感度値をエリア別感度メモリ220に記憶させ、エリア別感度メモリ220の記憶データから固体撮像素子の全画素のシェーディング補正値を算出し、その算出した全画素のシェーディング補正値を補正値メモリ160に記憶させる。そして、固体撮像素子が撮像したそれぞれの画素の信号に対して、補正値メモリ160の対応した画素のシェーディング補正値を使って補正を行う。このシェーディング補正を行うことで、例えば撮像信号から非常に精度の高いビームプロファイル測定ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェーディング補正方法、シェーディング補正値測定装置、撮像装置及びビームプロファイル測定装置し、特にシェーディング補正を非常に高精度で行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビームプロファイル測定装置と称される、レーザビームなどの光ビームの強度などのプロファイルを測定する装置が、各種提案され実用化されている。
【0003】
特許文献1には、ビームプロファイル測定装置の1つの構成例についての記載がある。この特許文献1に記載のものは、ビームに対向させたピンホールとその先にある光電変換素子をビーム断面に沿ってスキャンしてプロファイルを測定するものである。
特許文献2には、ナイフエッジがビームを横切るようにスキャンさせて、その先にある光電変換素子から得た信号に微分などの演算処理を施してビームの強度などのプロファイルを得ることが記載されている。
また、文献は示さないが、スリットをビーム断面に沿ってスキャンさせて、ビームの強度などのプロファイルを得るものも存在する。
【0004】
これらのビームをスキャンして光電変換素子で受光する方式とは別の方式として、画像撮像用の固体撮像素子の撮像面に直接レーザ光を結像させることでも、光ビームの強度などのプロファイルを測定することも原理的には可能である。固体撮像素子で直接レーザ光を撮像する方式については後述する。
図15は、ビームプロファイル測定装置で検出されるレーザ光スポットの例を拡大して示す図である。図15に示した例では、垂直位置と水平位置のそれぞれで、ビームの中心が最も高い強度となり、ビームの周辺では強度が低下していることが測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−316364号公報
【特許文献2】特開平7−113686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載のように、従来からビームプロファイル測定装置は各種提案され実用化されており、それなりの精度でレーザ光などのビームを測定することは可能である。ところが、従来提案されているビームプロファイル測定装置では、測定されるビームの強度の精度が、必ずしも高くない問題があった。
【0007】
具体的には、ピンホール、スリット、ナイフエッジの加工精度によって測定精度が制限されてしまう。例えばスリットをビーム断面に沿ってスキャンさせる方式の場合、5um幅のスリットを設けて、そのスリットが斜めに進んで測定する構成とすると、スリットの加工精度が±0.1umであった場合でも、測定誤差は最大±4%になってしまう。精密測定や精密加工に用いるレーザ光源のビームプロファイルを測定するには、1%以下の精度が求められるため、従来のこのようなビームプロファイル測定装置では精度が不十分であった。
【0008】
そこで、ピンホールやスリットなどを設けることなく、直接ビームを固体撮像素子の撮像面に結像させて、そのビームのプロファイルを直接的に観察・測定する方法が考えられる。固体撮像素子としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサが適用可能である。
【0009】
このように直接ビームを固体撮像素子に結像させる場合には、固体撮像素子の画素数で空間分解能に制限が生じるが、近年CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサといった固体撮像素子の画素数は、数百万画素まで多くなっているため問題にはならない。また、これらのイメージセンサは、半導体プロセスで製造されるため数umの画素サイズに対して0.01umのオーダーの精度を持ち、空間的な誤差はほぼ無視できる。
【0010】
一方、このように直接ビームを固体撮像素子に結像させる構成とした場合、撮像装置にビームを結像させるための光学系などが要因となって、測定精度を落とす要因が生じる。具体的には、撮像装置にビームを結像させるための光学系の収差やコーティング分布、cos4乗則、固体撮像素子上のマイクロレンズの集光ムラ、固体撮像素子固有の画素ごとの感度ムラがプロファイルの測定精度を落とす要因になる。これらのトータルでの感度ムラを本明細書ではシェーディングと称する。シェーディングは光学系やイメージセンサの種類によっても変わるが、概ね数%〜十数%程度のムラをもたらすため、1%以下の精度で測定を行う上では除去しなければならない。シェーディングを除去する画像補正を、以下の説明ではシェーディング補正と称する。
【0011】
なお、従来からシェーディング補正を行う技術については各種提案され実用化されているが、上述したような1%以下の精度で光の強度の測定を行う上では、精度が不十分なシェーディング補正であった。例えば撮像素子内の全ての画素に均一な強度の光を入射させることができれば、その光の強度の検出状態から各画素のシェーディング補正値を算出できる。しかしながら、実際には撮像素子内の全ての画素に、1%以下の均一な強度分布を持つ光を入射させることが可能な高精度の光源を用意することは困難である。
【0012】
また、ここまでの説明では、精度の高いシェーディング補正を行う必要性を判りやすく説明するために、ビームプロファイル測定装置を例にして説明したが、シェーディング補正そのものは、撮像装置で精度の高い撮像を行う上で重要な技術である。従って、ビデオカメラやスチルカメラなどの固体撮像素子を使った撮像装置でも、精度の高い撮像を行うためには、同様のシェーディング補正が必要である。
【0013】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、固体撮像素子を使って撮像する際に、精度の高いシェーディング補正が行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、複数の受光素子よりなる画素が配置された固体撮像素子の受光領域を複数のエリアに分割し、分割されたそれぞれのエリアに個別に、そのエリアのサイズに対応した光のスポットサイズで、基準となる光源からの光を、結像光学系を介して照射する。そして、照射された光のエリアごとの感度値をエリア別感度メモリに記憶させ、エリア別感度メモリの記憶データから固体撮像素子の全画素のシェーディング補正値を算出し、その算出した全画素のシェーディング補正値を補正値メモリに記憶させる。そして、固体撮像素子が撮像したそれぞれの画素の信号に対して、補正値メモリの対応した画素のシェーディング補正値を使って補正を行う。
【0015】
このシェーディング補正値の生成方法では、エリアのサイズに対応した光のスポットサイズで、基準となる光源からの光を受光して、各エリアの感度値を得る。このため、それぞれのエリアで検出する光は、同一の強度となり、エリア間のシェーディングの状態を反映した感度が検出される。そして、その検出されたエリアごとの感度に基づいて、全画素のシェーディング補正値を得ることで、検出感度に基づいた精度の高いシェーディング補正値が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、各エリアでの検出感度に基づいた、確度が高い各画素のシェーディング補正値が得られ、固体撮像素子の撮像信号について、高精度のシェーディング補正を行うことが可能になる。
このため、例えば撮像装置のシェーディング補正に適用することで、シェーディング補正がほぼ完全に行われた撮像信号が得られる。
また、例えばビームプロファイル測定装置での撮像素子のシェーディング補正に適用することで、非常に精度の高いビームプロファイルの測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態による全体構成例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態による固体撮像素子の撮像領域のエリア分割例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるシェーディング測定時の信号処理の概要を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態による撮像時の信号処理の概要を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態による補正値生成処理の概要を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるエリアの具体的設定例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるエリアの測定順序の例を示す説明図である。
【図8】図6のエリア設定での補正値生成処理を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態による感度算出処理状態の特性例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態による感度算出処理状態の詳細な例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態による端部での感度算出処理例を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態による列方向の感度推定処理例を示す説明図である。
【図13】分割エリアよりビーム形状が大きい場合の測定状態の例(例1)を示す説明図である。
【図14】分割エリアよりビーム形状が大きい場合の測定状態の例(例2)を示す説明図である。
【図15】従来のビームプロファイル測定例を示す原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態の例を、以下の順序で説明する。
1.一実施の形態の説明
1.1 システム全体の構成(図1)
1.2 補正値を得る処理の概要(図2,図3)
1.3 シェーディング補正を行う処理の概要(図4)
1.4 補正値生成処理の詳細の説明(図5)
1.5 具体的なエリア設定に基づいた処理状態の説明(図6〜図8)
1.6 感度と補正値の算出処理の説明(図9〜図11)
1.7 列方向の感度推定処理例(図12)
1.8 感度補正処理例
2.変形例の説明(図13,図14)
【0019】
[1.一実施の形態の説明]
以下、本発明の一実施の形態の例を、図1〜図12を参照して説明する。
[1.1 システム全体の構成]
まず、本発明の一実施の形態の処理が行われる装置の全体構成例を、図1を参照して説明する。
本発明の一実施の形態では、デジタルカメラとして構成された撮像装置100を用意し、その撮像装置100で撮像を行う際のシェーディング補正を行うものである。撮像装置100には、画像解析装置301及び表示装置302を接続して、ビームプロファイル測定装置(測定システム)として機能するようにしてある。画像解析装置301は、撮像したビームの強度分布などを画像から解析し、ビームプロファイルを測定する。表示装置302は、撮像した画像(ビームが照射された画像)をディスプレイに表示させる。
【0020】
図1に示した構成は、シェーディング補正を行うための補正を得るための構成を示してあり、撮像装置100には、シェーディング補正を行うための制御部200とその周辺処理部とを接続してある。このシェーディング補正を行うための制御部200とその周辺処理部は、例えばパーソナルコンピュータ装置とそのコンピュータ装置に実装されたプログラムで構成させ、このコンピュータ装置を撮像装置100に接続する。
【0021】
撮像装置100は、複数枚のレンズ21,23やフィルタ22などで構成される光学系20が、固体撮像素子110の撮像領域(結像面)111の前面に配置してある。この光学系20には、基準光源10のレーザ出力部11から出力されるレーザ光を入力させる。基準光源10は、安定した出力のレーザ光が得られるものであればよい。光量が安定していれば、レーザ以外の光源でもよい。なお、ビームプロファイルを測定する際の測定対象がレーザ光の場合は、基準光源10の波長と、固体撮像素子110の結像面での開口数を、測定対象のそれと一致させておくことが望ましい。
【0022】
撮像装置100は、XYテーブル230に載せてあり、撮像装置100が備える固体撮像素子110の撮像領域111の水平方向(X方向)及び垂直方向(Y方向)に移動できる構成としてある。XYテーブル230で撮像装置100を移動させることで、基準光源10からのレーザ光が照射される固体撮像素子110の撮像領域111上の位置を、変化させることができる。即ち、基準光源10からの射出光の移動部材として機能する。このXYテーブル230は、制御部200からの指令に基づいたテーブル駆動部231の駆動でX方向及びY方向に移動する。駆動機構の詳細については説明しないが、後述するエリア単位での移動が可能なものであれば、各種構成のものが適用可能である。
【0023】
撮像装置100が備える固体撮像素子110は、撮像領域111に水平方向及び垂直方向に所定数の画素(受光素子)が配置されたものである。この固体撮像素子110としては、例えばCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサが適用可能である。
固体撮像素子110は、光学系20を介して撮像領域111に受光した像光を、画素単位の撮像信号に変換して出力回路130から出力する。出力回路130から出力された撮像信号は、撮像処理部140に供給して、各種補正や変換を行って所定の画像信号とする。得られた画像信号は、画像出力部150から画像信号出力端子151を介して外部に出力される。画像信号出力端子151には、画像解析装置301及び表示装置302を接続してある。
固体撮像素子110での撮像動作は、駆動回路120から固体撮像素子110に供給される駆動パルスに同期して行われる。この駆動回路120での駆動パルスの出力は、撮像処理部140の制御で行われる。
【0024】
撮像処理部140には、補正値メモリ160が接続してあり、その補正値メモリ160に記憶された補正値を使って、撮像信号を画素単位で補正する処理を行う。この補正値メモリ160には、シェーディング補正値が記憶される。補正値メモリ160へのシェーディング補正値の記憶は、制御部200による制御で行われる。それぞれの画素ごとのシェーディング補正値は、撮像処理部140内で、固体撮像素子110から供給された撮像信号の各画素値に乗算されて、シェーディング補正がされた画素値の撮像信号に変換される。
【0025】
次に、シェーディング補正を行うための制御部200側の構成について説明する。
制御部200は、撮像処理部140に供給された撮像信号を読出すことができ、その読出した撮像信号から生成させたエリア別の感度データを、エリア別感度メモリ220に記憶させる。そのエリア別感度メモリ220に記憶された各エリアの感度データを使って、補正値演算処理部210で、1画素単位のシェーディング補正値を生成させる。生成されたシェーディング補正値は、制御部200の制御で撮像装置100側の補正値メモリ160に記憶させる。
【0026】
[1.2 補正値を得る処理の概要]
次に、この補正値メモリ160に記憶させるシェーディング補正値の生成処理について、図2及び図3を参照して説明する。
本例では、固体撮像素子110の撮像領域111を、図2に示すように、所定画素単位でメッシュ状に複数に分割する。即ち、水平方向(図2での横方向)に所定数に分割すると共に、垂直方向(図2での縦方向)に所定数に分割し、撮像領域111をn個(nは任意の整数)に分割する。分割されたそれぞれのエリア内の画素数は等しくしてある。分割数の具体的な例については後述する。なお、分割されたそれぞれのエリアは、基準光源10から撮像領域111に到達するレーザ光のスポットサイズに対応したサイズとしてある。具体的には、レーザ光を1つのエリア内で受光できるサイズとしてある。但し、後述するように、必ずしも1つのエリア内にレーザ光が全て入るようにする必要はない。
【0027】
このように複数のエリアに分割した上で、図3に概要を示したように、それぞれのエリア内の画素から検出された撮像信号を、エリア単位で積分して、その積分値をエリア別感度値として、エリア別感度メモリ220に記憶させる。エリア別感度メモリ220は、エリアの設定数がn個であるとき、n個の記憶領域を有するメモリである。
エリア別感度値の検出処理は、XYテーブル230による移動で、それぞれのエリアに光源10からのレーザ光を照射させた状態で行う。即ち、n個のエリアに分割した場合、光源10からのレーザ光の照射位置を(n−1)回移動させて、それぞれのエリアの中心に順に光源10からのレーザ光を照射させる。この照射位置を設定させる処理は、例えば制御部200の制御で行われる。そして、そのレーザ光が照射された位置のエリアから得た撮像信号の積分値を、例えばエリアの画素数で割ったものをエリアの感度値として、エリア別感度メモリ220の該当する記憶領域に記憶させる。
なお、撮像装置100にシェーディングが全くない理想状態では、全てのエリアで同じレーザ光が照射された状態で撮像しているので、エリア別感度メモリ220に記憶される感度値が、全てのエリアで等しくなる。実際には光学系などの種々の要因で、シェーディングが発生して、エリア別感度メモリ220に記憶される各エリアの感度値が、異なった値となる。本例では、この感度値の違いを補正して、シェーディング補正を行うものである。
【0028】
エリア別感度メモリ220の全てのエリアに感度値が記憶されると、補正値演算処理部210では、そのエリア単位の感度値から画素単位の補正値を演算する処理が行われる。この画素単位の補正値を演算する処理は、各エリアの値を直線又は曲線で繋いで、その繋いだ直線又は曲線に基づいて各画素の値を推定する。後述する具体例では、直線で繋いで推定する処理としてある。このようにして得られた各画素の補正値は、補正値メモリ160に記憶させて、撮像信号の補正に使用される。固体撮像素子110の撮像領域111に配置された画素数をm個とすると、補正値メモリ160はm個の記憶領域を有して、それぞれの記憶領域に各画素位置の補正値が記憶される。なお、各画素の補正値は、その画素の感度値の逆数である。
【0029】
[1.3 シェーディング補正を行う処理の概要]
図4は、補正値メモリ160に記憶された補正値を使って、シェーディング補正が行われる状態の概要を示した図である。
補正値メモリ160に画素単位で記憶された補正値は、撮像処理部140内の感度補正演算処理部141で、入力撮像信号メモリ131に記憶された撮像信号の各画素信号に乗算されて、感度が補正された撮像信号とされる。その感度が補正された撮像信号が、補正画像メモリ142に記憶され、補正画像メモリ142から後段の処理系に供給される。
【0030】
[1.4 補正値生成処理の詳細の説明]
次に、図3に概要を示したシェーディング補正値の生成処理の詳細の流れを、図5を参照して説明する。ここでは、図2に示したようにエリア数がn個であるものとして説明する。図5に示すように、補正値演算処理部210は、補正値推定演算処理部211とエリア別補正誤差メモリ213と、感度補正誤差訂正処理部214とを備えている。
【0031】
既に説明したように、図2に示したようなエリア単位で撮像信号の積分値をエリアの画素数で割ったものがエリア別感度メモリ220に記憶される。そのエリアごとの感度値を補正値推定演算処理部211が読み出し(ステップS1)、画素単位での補正値推定演算処理が実行され、得られた補正値が、補正値メモリ160に供給されて記憶される(ステップS2)。この補正値推定処理としては、各エリアの値を直線又は曲線で繋いで、その繋いだ直線又は曲線に基づいて各画素の値を推定する処理であり、詳細は後述する。
【0032】
補正値メモリ160に記憶された補正値は、感度補正演算処理部141に供給し(ステップS3)、エリア別画像データ(撮像データ)についても感度補正演算処理部141に供給する(ステップS4)。そして、それぞれの画素の撮像データに補正値が乗算されて補正処理が行われるが、感度補正演算処理部141で得られた補正状態に基づいて、エリア別補正誤差メモリ213に補正誤差が記憶させる(ステップS5)。
【0033】
そして、エリア別感度メモリ220の値(ステップS7)と、エリア別補正誤差メモリ213の値(ステップS6)とに基づいて、感度補正誤差訂正処理部214で感度補正処理を行う。そして、補正された感度値で、補正値メモリ160の記憶値を更新させる(ステップS8)。
この流れの補正値の訂正処理は、適正な補正値が得られるまで複数回繰り返し行い、補正後のエリア別感度が所望する精度で同一と見做せるようになるまで補正値を追い込んでいく。あるいは、1回で十分な補正値が得られる場合には、1回だけ訂正処理を行うようにしてもよい。
【0034】
[1.5 具体的なエリア設定に基づいた処理状態の説明]
次に、具体的な撮像面のエリア設定状態と、そのエリア設定での処理状態の詳細を、図6〜図8を参照して説明する。
ここでは、固体撮像素子110の撮像領域111を、図6に示すように水平方向8個、垂直方向6個にエリア分割して、合計で48個にエリア分割したものとする。ここで使用する固体撮像素子110は、水平方向の画素数が1280画素で、垂直方向の画素数が960画素であるとする。従って、1エリアが160画素×160画素となる。
ここで、例えば1画素のサイズが3.75um四方であるとする。このとき、この撮像系の視野は水平方向1600um,垂直方向1200umとなる。このサイズ設定で、図6に示すように水平方向に8分割,垂直方向に6分割の42分割すると、各エリアの視野は200um四方となる。
【0035】
基準光源10としては、例えば、コア径100umのファイバに結合された波長635nmの3mW程度の出力の半導体レーザを用いる。固体撮像素子110が観察している対物レンズ21の焦点位置にて該半導体レーザのファイバ端が結像するようにレンズを設けることで、固体撮像素子110で撮像される各エリアの視野に、直径100umの略均一な光源が照射されたことになる。このときフィルタ22の透過率はカメラ信号が飽和しない程度のものを選択しておく。
【0036】
図7は、各エリアにレーザ光を照射する状態を示したものである。
この例で左上のエリア111aから水平方向に順にエリア111b,111c,・・・とレーザ光を照射させるエリアを変化させる走査X1を行い、それぞれのエリアに照射されている状態で読出した撮像信号から、各エリアの感度値を得る。図7では、エリア111cに照射している状態を示している。なお、1つのエリアの感度値は、1フレームの撮像信号だけから得るようにする他、所定の複数フレームの撮像信号の感度値を加算した値としてもよい。
そして、1行の走査X1が終了すると、次の行の走査X2に移り、以下順に走査X3,X4,X5,X6と行って、全てのエリアにレーザ光を照射させる。
【0037】
図8に示したように各エリアの撮像信号の積分値をエリアの画素数で割った値を、エリア別感度メモリ220の48個の記憶領域に個別に記憶させる。即ち、1番目のエリア111aにレーザ光を照射しているときには、そのエリア111aの画素の信号だけを抜き出して、1エリアで積分しかつ画素数で除算して、エリア別感度メモリ220の1番目のエリアに記憶させる。このレーザ光の照射位置を変更した上で、そのとき照射中のエリアの撮像信号から検出した信号の記憶処理を、全てのエリアについて順に行う。
【0038】
以後は、図5で既に説明した処理が行われる。即ち、そのエリア単位の平均値を補正値推定演算処理部211が読み出し(ステップS1)、画素単位での補正値推定演算処理が実行される。得られた補正値が、画素数(1280×960)の記憶領域の補正値メモリ160に供給されて記憶される(ステップS2)。
【0039】
補正値メモリ160に記憶された補正値は、感度補正演算処理部141に供給し(ステップS3)、48個のエリアごとの画素(160画素×160画素)の画像データ(撮像データ)についても感度補正演算処理部141に供給する(ステップS4)。そして、それぞれの画素の撮像データに補正値が乗算されて補正処理が行われ、感度補正演算処理部141で得られた補正状態に基づいて、エリア別補正誤差メモリ213に補正誤差が記憶される(ステップS5)。
そして、エリア別感度メモリ220の値(ステップS7)と、エリア別補正誤差メモリ213の値(ステップS6)とに基づいて、感度補正誤差訂正処理部214で感度補正処理を行う。そして、補正された感度値で、補正値メモリ160の記憶値を更新させる(ステップS8)。このステップS8の更新処理が複数回繰り返されて、精度の高い補正値が最終的に得られるようになる。
【0040】
[1.6 感度と補正値の算出処理の説明]
次に、図9〜図11を参照して、各エリアの感度値から、全ての画素の感度補正値を得る処理の例について説明する。図9〜図11では、1つの水平方向の画素を、その水平方向に並んだエリアから得る処理を示す。
図9の各図は、横軸が画素位置であり、例えば1水平ラインが1280画素であるとすると、1画素目から1280画素目までを示す。縦軸はレベルであり、感度値に相当する。
ここで、本例の場合には図9(a)に示すように、エリア別感度メモリ220の記憶データはエリア単位の値である。このエリア単位で検出された値は、図9(b)に示すように、そのエリアでの感度の平均値として扱う。
【0041】
図9(b)に示すように、そのままでは補正値がエリアごとに段階的に変化する値であり、誤差が大きな補正値となってしまう。このため、図9(c)に示すように、各エリアの中心位置の画素の感度値を、検出された感度値の平均値に対応して、その中心位置の画素の値どうしを直線で結ぶ。この直線の折れ線で示された感度値を使って、図9(c)に示すように、各画素位置での感度値を算出する。
【0042】
ここで、図10を参照して、直線の折れ線で示された感度値を適正な値とする処理について、説明する。
例えばエリアの感度分布が図10(a)に示す状態であるとする。この図10(a)の一部(ここでは左から4番目のエリア)とそのエリアに隣接したエリアを拡大して示したのが、図10(b)である。
【0043】
直線補間する際には、図10(b)に示すように、直線補間する際の各エリアの中心の感度値は、そのエリアの平均の感度値とは一致していない。これは、図10(b)に示した直線と平均値との差分の面積a1,a2,a3の内で、面積a1+a3と、面積a2とが等しくなるように、直線補間する際の各エリアの中心の感度値を決めるためである。
【0044】
この面積が等しくなるように設定する演算処理について以下説明する。
図10(c)に示すように、この検出感度値をI′とし、直線補間後の感度値をIとして示す。また、左隣のエリアの検出感度値をI′i−1、直線補間後の感度値をIi−1、右隣のエリアの検出感度値をI′i+1、直線補間後の感度値をIi+1とする。さらに、中央のエリアと左隣のエリアとの境界部の直線上の値Xと、中央のエリアと右隣のエリアとの境界部の直線上の値Xi+1についても定義する。また、エリアの幅をWとする。
【0045】
この図10(c)に示すように定義したとき、図10(c)の中心のエリアでの、左半分の直線補間後の積分値は、[数1]式で示される。
【0046】
【数1】

【0047】
また、図10(c)の中心のエリアでの、右半分の直線補間後の積分値は、[数2]式で示される。
【0048】
【数2】

【0049】
[数1]と[数2]の和が、図10(c)の中心のエリアでの検出感度値からなる面積と等しくなるために、次の[数3]式の条件が必要になる。
【0050】
【数3】

【0051】
ここで、次の[数4]式のように定義する。
【0052】
【数4】

【0053】
この[数4]式を用いて、[数3]式のIiについて解くと、次の[数5]式となる。
【0054】
【数5】

【0055】
ここで、感度値Ii−1と感度値Ii+1は、隣のエリアにおける[数5]式の解であり、最初の状態では不明であるため、初期状態ではそれぞれ感度値I′i−1と感度値I′i+1で代用して算出する。
また、一番端の領域では、図11のように隣のエリアから延びてきた直線をそのまま伸ばした直線bとして、外挿する。
【0056】
これを、1水平ライン方向に8エリア有する場合に、1番目のエリアから8番目のエリアまで計算すると、暫定的にI(i=1〜8)が決定する。
しかし、これは求める真の感度値Iでは無いので、計算された値を用いて、再度[数5]式を計算していく。
これを繰り返すことで真の感度値Iに近づく。例えば、[数5]式の計算を5回繰り返す。こうして1番目のエリアから8番目のエリアまでの水平方向の感度分布が作られる。続いて、次の垂直位置のエリアである、9番目のエリアから17番目のエリアについて同じ計算を行い、以下、最後に41番目のエリアから48番目のエリアまで行う。
このようにして水平方向の各エリアの画素の感度値が定まる。
【0057】
[1.7 列方向の感度推定処理例]
次に、図12を参照して、垂直方向(列方向)の各画素の感度推定処理について説明する。
図11に示した処理では、水平方向の感度分布が6つ得られることになる。即ち、図7に示した走査X1,X2,X3,X4,X5,X6に対応した6つの感度分布が得られ、水平方向については、1280画素分得られているが、垂直方向には6つの値だけが得られた状態である。
このため、図12(a)に示すように、例えば垂直方向のある画素列(ピクセル列)Pyを考えたとき、図12(b)に示すように、既に算出した水平方向の各行の感度分布の中の同じ画素位置の感度値Py1,Py2,・・・,Py6を取出す。
【0058】
そして、その6つの感度値Py1,Py2,・・・,Py6を図12(c)に示すように垂直方向に並んだ6つのエリアの感度値に設定し、それぞれの感度値を使って、先の[数5]式の計算を行う。このときにも、例えば5回のように複数回演算を繰り返す。この処理を、水平方向1280画素に渡って行う。これによって全画素に対する感度が推定算出される。
【0059】
[1.8 感度補正処理例]
補正値推定演算処理部211では、このようにして得られた各画素の感度の逆数を補正値として補正値メモリ160に格納する。感度補正演算処理部141では、エリア別画像データメモリ143の1番目の領域から画像データを読み込み、各画素に対して対応する補正値を乗算し、各画素の総和を取る。これを48番目の領域まで繰り返し、各々を全体の平均値で除したものをエリア別補正誤差メモリ213に格納する。そして推定された感度値を、全画素の平均値や最大値で規格化して、これを各画素の感度値とする。
【0060】
感度補正誤差訂正処理部214は、エリア別補正誤差メモリ213の分布が0.5%以下で無い場合は、エリア別補正誤差メモリ213の1番目のデータとエリア別感度メモリ220の1番目のデータの積をエリア別感度メモリ220の1番目のアドレスに格納する。これを48番目のデータに至るまで繰り返す。補正値推定演算処理部211は、再びエリア別感度メモリ220のデータから全画素の補正値を推定算出して、補正値メモリ160に格納する。
感度補正演算処理部141は、補正値メモリ160のデータとエリア別画像データメモリ143の各データから48個のデータを生成し、各々を全体の平均値で除したものをエリア別補正誤差メモリ213に格納する。再び感度補正誤差訂正処理部214はエリア別補正誤差メモリ213の分布を確認し、0.5%以下になるまで一連の演算を繰り返す。求める測定精度はここでは1%以下であるが、全画素の感度を正確に測定しているわけではないので、余裕を持っておくために0.5%としている。求める精度1%に対して0.5%を決めるのは1つの例であり、エリア別誤差メモリの分布率が、予め規定した値以下になるまで一連の演算を繰り返すようにすればよい。
尚、感度補正の方法はこの限りではない。感度補正誤差訂正処理部214がエリア別補正誤差メモリ213のデータを読み込み、感度推定処理と同じ演算によって各画素に対応する補正誤差値を推定算出するようにし、それを補正値メモリ160のデータの各画素に対応させて乗算する方法もある。この場合はステップS7がエリア別感度メモリ220ではなく、補正値メモリ160から伸びることになる。
【0061】
このようにして推定された補正値を使って、撮像信号の各画素値の補正演算を行うことで、撮像装置100で撮像して出力端子151から出力される画像信号は、完全にシェーディング補正が行われた信号になる。
即ち、本実施の形態によると、固体撮像素子の撮像範囲全体の数十分の一の面積に渡って略均一な光を照射することが出来るような光源を用いることで、1%以下の精度のシェーディング補正を行うことが出来る。このような光源は、レーザ光源などを使うことで比較的簡単に得られる。これによって、従来は不可能であった1%以下の光分布を測定できる高精度のビームプロファイル測定装置が得られる。ビームプロファイル測定装置以外の観察撮像装置としてもよい。
また、撮像装置100そのものについても、完全なシェーディング補正を行うことができ、シェーディングの影響のない画像信号が得られる。このため、表示装置302に表示される画像として、シェーディングの影響のない良好な画像になる。
【0062】
[2.変形例の説明]
なお、上述した実施の形態では、撮像信号をシェーディング補正する固体撮像素子として、画素が水平方向と垂直方向にマトリクス状に配置したものに適用したが、例えば、1次元方向にだけ画素が直線状に配列された、いわゆるラインセンサの撮像信号をシェーディング補正にも適用可能である。
【0063】
また、図7などに示したエリア分割とビームの関係では、各エリアに基準光源からのビームが入るようにエリアを設定したが、ビームをそこまで小さく絞ることが困難である場合には、例えば図13に示すように設定すればよい。即ち、図13に示すように、ビームの中心をエリアの中心とほぼ一致させた状態で、1エリアごとにビーム位置を変化させる走査X1を行って、それぞれのエリアの感度値を測定すればよい。
【0064】
図14は、ビームサイズの方がエリアサイズよりも大きい場合の別の例である。
この図14の場合には、最初にレーザを照射する際には、4つのエリア111a,111b,111e,111fの中心にレーザ光を照射する。そして、そのエリア111a,111b,111e,111fの出力を加算して、1つの感度値を得る。その後、右隣に1エリア分ずつ順に移動させる走査X1′を行い、次の4つのエリア111b,111c,111f,111gを加算して、1つの感度値を得る。このようにして、4つのエリアを1つの大きなエリアとした上で、その大きなエリアの一部に重なりがある状態で、順に各エリアの感度値を得るようにしても、それぞれのエリアの感度値が検出され、補正値を求めることができる。
【0065】
なお、上述した実施の形態で示した具体的な画素値やエリア分割状態、各値の数式による算出例は、好適な一例を示したものであり、これらの値や算出例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1…レーザ光源、2…光学系、3…ピンホール板、3a…ピンホール、4…光学系、5…固体撮像素子、5a…撮像領域、10…基準光源、11…レーザ出力部、20…光学系、21…レンズ、22…フィルタ、23…レンズ、100…撮像装置、110…固体撮像素子、111,111′…撮像領域、111a〜111f…分割エリア、120…駆動回路、130…出力回路、131…入力撮像信号メモリ、140…撮像処理部、141…感度補正演算処理部、142…補正画像メモリ、143…エリア別画像データメモリ、150…画像出力部、151…画像信号出力端子、160…補正値メモリ、200…制御部、210…補正値演算処理部、211…補正値推定演算処理部、213…エリア別補正誤差メモリ、214…感度補正誤差訂正処理部、220…エリア別感度メモリ、230…XYテーブル、231…テーブル駆動部、301…画像解析装置、302…表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受光素子よりなる画素が配置された固体撮像素子の受光領域を複数のエリアに分割し、
前記分割されたそれぞれのエリアに個別に、そのエリアのサイズに対応した光のスポットサイズで、基準となる光源からの光を結像光学系を介して照射し、
前記照射された光のエリアごとの感度値をエリア別感度メモリに記憶させ、
前記エリア別感度メモリの記憶データから前記固体撮像素子の全画素のシェーディング補正値を算出し、
算出した全画素のシェーディング補正値を補正値メモリに記憶させ、
前記固体撮像素子が撮像したそれぞれの画素の信号に対して、前記補正値メモリの対応した画素のシェーディング補正値を使って補正を行う
シェーディング補正方法。
【請求項2】
前記エリア別感度メモリに記憶されたそれぞれのエリアの感度又はその感度より得た補正値を直線又は曲線で補間し、
得られた直線又は曲線に基づいて、前記固体撮像素子の受光領域のそれぞれの画素のシェーディング補正値を推定して、前記補正値メモリに記憶させる
請求項1記載のシェーディング補正方法。
【請求項3】
前記エリア別感度メモリに記憶されたそれぞれのエリアの補正誤差の分布が所定の分布率以下になるまで前記シェーディング補正値を算出する演算を繰り返す
請求項2記載のシェーディング補正方法。
【請求項4】
前記補間で得られた前記直線又は曲線の誤差を少なくする演算を1回又は複数回行う
請求項2又は3記載のシェーディング補正方法。
【請求項5】
前記エリアは、固体撮像素子の受光領域を2次元方向に分割したエリアであり、前記シェーディング補正値の算出で、2次元方向の全画素の補正値を得て、前記補正値メモリに記憶させる
請求項4記載のシェーディング補正方法。
【請求項6】
前記エリアは、固体撮像素子の受光領域を1次元方向に分割したエリアであり、前記シェーディング補正値の算出で、1次元方向の全画素の補正値を得て、前記補正値メモリに記憶させる
請求項4記載のシェーディング補正方法。
【請求項7】
前記それぞれのエリアは、隣接したエリアと一部が重なって形成された
請求項5又は6記載のシェーディング補正方法。
【請求項8】
複数の受光素子よりなる画素が配置された固体撮像素子に対して、その固体撮像素子の受光領域を複数に分割した各エリアに、そのエリアのサイズに対応した光のスポットサイズで、基準となる光源からの光を照射する結像光学系と、
前記光源からの光が照射されるエリアを別のエリアに移動させる照射光移動部材と、
前記固体撮像素子に照射された光のエリアごとの感度値を記憶するエリア別感度メモリと、
前記エリア別感度メモリに記憶されたデータから前記固体撮像素子の全画素のシェーディング補正値を算出する算出部とを備えた
シェーディング補正値測定装置。
【請求項9】
複数の受光素子よりなる画素が配置され、受光領域に像光を入射させる光学系が前面に配置される固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の全ての画素のシェーディング補正値が記憶される補正値メモリと、
前記補正値メモリに記憶された各画素のシェーディング補正値を前記固体撮像素子が撮像して出力する各画素の信号を、前記補正値メモリに記憶された各画素のシェーディング補正値で補正する補正処理部とを備え、
前記補正値メモリに記憶されるシェーディング補正値は、前記固体撮像素子の受光領域を複数のエリアに分割し、前記分割されたそれぞれのエリアに個別に、そのエリアのサイズに対応した光のスポットサイズで、基準となる光源からの光を前記光学系を介して照射し、その照射された光のエリアごとの感度値から算出した全画素のシェーディング補正値である
撮像装置。
【請求項10】
複数の受光素子よりなる画素が配置され、受光領域に被測定対象のビームを入射させる光学系が前面に配置される固体撮像素子と、
前記固体撮像素子の全ての画素のシェーディング補正値が記憶される補正値メモリと、
前記補正値メモリに記憶された各画素のシェーディング補正値を前記固体撮像素子が撮像して出力する各画素の信号を、前記補正値メモリに記憶された各画素のシェーディング補正値で補正する補正処理部と、
前記補正処理部で補正された撮像画像から被測定対象のビームを解析するビーム解析部とを備え、
前記補正値メモリに記憶されるシェーディング補正値は、前記固体撮像素子の受光領域を複数のエリアに分割し、前記分割されたそれぞれのエリアに個別に、そのエリアのサイズに対応した光のスポットサイズで、基準となる光源からの光を前記光学系を介して照射し、その照射された光のエリアごとの感度値から算出した全画素のシェーディング補正値である
ビームプロファイル測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−95933(P2011−95933A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248277(P2009−248277)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】