説明

シグマ(σ)受容体を阻害するスピロ[ベンゾピラン]誘導体またはスピロ[ベンゾフラン]誘導体

本発明は、シグマ(σ)受容体に対する薬理学的活性を有する化合物、より具体的には、スピロ[ベンゾピラン]誘導体またはスピロ[ベンゾフラン]誘導体、そのような化合物を調製するプロセス、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびに、治療および予防におけるそれらの使用、具体的には、精神病を処置するためのそれらの使用に関連する。さらに具体的には、本発明は、シグマ受容体の特に選択的な阻害剤である一群の構造的に異なるスピロ[ベンゾピラン]誘導体またはスピロ[ベンゾフラン]誘導体を見出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、シグマ(σ)受容体に対する薬理学的活性を有する化合物、より具体的には、いくつかのスピロ[ベンゾピラン]誘導体またはスピロ[ベンゾフラン]誘導体、そのような化合物を調製するプロセス、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびに、治療および予防におけるその使用、具体的には、精神病を処置するためのそれらの使用に関連する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
新しい治療剤についての探索は、近年では、標的疾患に関連するタンパク質および他の生体分子の構造をより良く理解することによって大きく助けられている。これらのタンパク質の1つの重要なクラスが、シグマ(σ)受容体、すなわち、オピオイドの不快作用、幻覚誘発作用および心臓刺激作用に関連づけられ得る中枢神経系(CNS)の細胞表面受容体である。シグマ受容体の生物学および機能の研究から、シグマ受容体のリガンドが、精神病および運動障害(例えば、ジストニーおよび遅発性ジスキネジア、ならびに、ハンチントン舞踏病またはトゥレット症候群に付随する運動障害など)の処置において、また、パーキンソン病において有用であり得るという証拠がもたらされている(Walker、J.M.ら、非特許文献1)。既知のシグマ受容体リガンドのリムカゾールは臨床的には精神病の処置において効果を示すことが報告されている(Snyder,S.H.、Largent,B.L.、非特許文献2)。シグマ結合部位は優先的な親和性をある種のオピアート(ベンゾモルファン類)の右旋性異性体(例えば、(+)SKF10047、(+)シクラゾシンおよび(+)ペンタゾシンなど)について有し、また、いくつかの催眠薬(例えば、ハロペリドールなど)についてもまた有する。
【0003】
シグマ受容体には、少なくとも2つのサブタイプがあり、そのようなサブタイプはこれらの薬理活性薬物の立体選択的異性体によって識別することができる。SKF10047はシグマ1(σ−1)部位についてはナノモル濃度の親和性を有し、シグマ2(σ−2)部位についてはマイクロモル濃度の親和性を有する。ハロペリドールは両方のサブタイプについて類似する親和性を有する。内因性のシグマリガンドは知られていないが、プロゲステロンが、内因性のシグマリガンドの1つであると示唆されている。シグマ部位媒介薬物の考えられる作用には、グルタミン酸受容体機能の調節、神経伝達物質応答、神経保護、行動および認知が含まれる(Quirion,R.ら、非特許文献3)。ほとんどの研究は、シグマ結合部位(受容体)がシグナル伝達カスケードの原形質膜エレメントであることを暗示している。選択的なシグマリガンドであると報告される様々な薬物が、抗精神病薬として評価されている(Hanner,M.ら、非特許文献4)。CNS、免疫系および内分泌系におけるシグマ受容体の存在は、その存在が、これら3つの系の間を結びつけるものとして働き得るという可能性を示唆している。
【0004】
シグマ受容体に対する薬理学的活性(効果的および選択的の両方である)を有し、かつ、良好な「薬能」特性、すなわち、投与、分布、代謝および排出に関連づけられる良好な薬学的特性を有する化合物を見出すことが依然として求められている。
【非特許文献1】Pharmacological Reviews、1990、42、355
【非特許文献2】J.Neuropsychiatry、1989、1、7
【非特許文献3】Trends Pharmacol.Sci.、1992、13:85−86
【非特許文献4】Proc.Natl.Acad.Sci.、1996、93:8072−8077
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の概要)
本発明者らは、今回、シグマ受容体の特に選択的な阻害剤である一群の構造的に異なるスピロ[ベンゾピラン]誘導体またはスピロ[ベンゾフラン]誘導体を見出している。
【0006】
本発明は、一般式V:
【0007】
【化20】

(式中、
mは1または2から選択され、pは1または2から選択され、m+pは2または3のいずれかであり;
nは0または1から選択され;
は、水素、C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);アルキル−アリール(置換または非置換である)から選択され;
は、水素;C1〜18脂肪族基(飽和または不飽和、直鎖または分岐、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリール;場合により少なくとも一置換されたシクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0008】
【化21】

を形成する)
による化合物、
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
に関する。
【0009】
具体的には、Rが、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0010】
【化22】

を形成するとき、このことは、一般式Iの化合物が、一般式Xa(式中、qは1または2である)による化合物:
【0011】
【化23】

になることを意味する。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、下記のただし書きが適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、RがHまたはCHのいずれかであるとき、RはCH−Cではない。
【0013】
本発明の別の好ましい実施形態において、下記のただし書きが適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない。
【0014】
別の実施形態において、同様に、下記のただし書きが適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、RはCH−CH=CH−Cではない。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、下記のただし書きが適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、RがHまたはCHのいずれかであるとき、RはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない。
【0016】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、RがHまたはCHのいずれかであるとき、RはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、H、CまたはCH−CH=CH−Cではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の好ましい実施形態は、一般式(I):
【0018】
【化24】

(式中、
mは1または2から選択され、pは1または2から選択され、m+pは2または3のいずれかであり;
nは0または1から選択され;
は、水素、C1〜6アルキル(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である)、アルキル−アリール(置換または非置換である)から選択され;
は、水素、C1〜18アルキル(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);アリールもしくはアルキル−アリール(置換または非置換である);ヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリール(置換または非置換である);シクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル(置換または非置換である)から選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0019】
【化25】

を形成する)
による化合物、
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
に関する。
【0020】
好ましくは、上記のただし書きは一部またはすべてが同様にこの実施形態にも適用される。
【0021】
本発明に関連して、脂肪族基(groupまたはradical)には、アルキル、アルケニルおよびアルキニルが含まれる。
【0022】
本発明に関連して、アルキル基は、非置換であり得るか、または、一置換もしくは多置換され得る飽和した直鎖または分岐の炭化水素を意味するとして理解される。他方で、アルケニル基およびアルキニル基は、例えば、−CH=CH−CHまたは−C≡C−CHのような基を包含し、一方、飽和アルキルは、例えば、−CHおよび−CH−CHを包含する。これらの基において、C1〜2アルキルはC1−またはC2−アルキルを表し、C1〜3アルキルは、C1−、C2−またはC3−アルキルを表し、C1〜4アルキルは、C1−、C2−、C3−またはC4−アルキルを表し、C1〜5アルキルは、C1−、C2−、C3−、C4−またはC5−アルキルを表し、C1〜6アルキルは、C1−、C2−、C3−、C4−、C5−またはC6−アルキルを表し、C1〜7アルキルは、C1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−またはC7−アルキルを表し、C1〜8アルキルは、C1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、C7−またはC8−アルキルを表し、C1〜10アルキルは、C1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、C7−、C8−、C9−またはC10−アルキルを表し、C1〜18アルキルは、C1−、C2−、C3−、C4−、C5−、C6−、C7−、C8−、C9−、C10−、C11−、C12−、C13−、C14−、C15−、C16−、C17−またはC18−アルキルを表す。アルキル基は好ましくは、メチル、エチル、プロピル、メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、置換されると、同様に、CHF、CFまたはCHOHなどである。
【0023】
本発明の関連において、シクロアルキル基は、非置換であり得るか、または、一置換もしくは多置換され得る、(ヘテロ原子を環に有しない)飽和および不飽和(しかし、芳香族ではない)環状炭化水素を意味するとして理解される。さらに、C3〜4シクロアルキルはC3−またはC4−シクロアルキルを表し、C3〜5シクロアルキルは、C3−、C4−またはC5−シクロアルキルを表し、C3〜6シクロアルキルは、C3−、C4−、C5−またはC6−シクロアルキルを表し、C3〜7シクロアルキルは、C3−、C4−、C5−、C6−またはC7−シクロアルキルを表し、C3〜8シクロアルキルは、C3−、C4−、C5−、C6−、C7−またはC8−シクロアルキルを表し、C4〜5シクロアルキルはC4−またはC5−シクロアルキルを表し、C4〜6シクロアルキルは、C4−、C5−またはC6−シクロアルキルを表し、C4〜7シクロアルキルは、C4−、C5−、C6−またはC7−シクロアルキルを表し、C5〜6シクロアルキルはC5−またはC6−シクロアルキルを表し、C5〜7シクロアルキルは、C5−、C6−またはC7−シクロアルキルを表す。しかしながら、一または多置換(好ましくは、一置換)されたシクロアルキルもまた、そのシクロアルキルが芳香族系でない限り、シクロアルキルの用語に特に含まれる。シクロアルキル基は、好ましくは、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、および、同様にアダマンチルである。
【0024】
本発明の関連において、アルキル−シクロアルキルは、シクロアルキル基(上記参照)がC1〜6アルキル基(上記参照)を介して別の原子に結合していること(ただし、C1〜6アルキル基は常に置換および非置換であり、直鎖または分岐である)を意味するとして理解される。より好ましくは、本発明の関連において、アルキル−シクロアルキルは、1つのシクロアルキル基(場合により少なくとも一置換される)が(CH(例えば、(CH1〜6;すなわち、アルキレン基)による所与の一般式の足場に結合していることを意味するとして理解される。従って、アルキル−シクロアルキルはまた、(CH1〜6−シクロアルキルとして表すことができる。例として、(CH1〜6−シクロプロピル、(CH1〜6−2−メチルシクロプロピル、(CH1〜6−シクロプロピルメチル、(CH1〜6−シクロブチル、(CH1〜6−シクロペンチル、(CH1〜6−シクロペンチルメチル、(CH1〜6−シクロヘキシル、(CH1〜6−シクロヘプチル、(CH1〜6−シクロオクチルおよび(CH1〜6−アダマンチルが挙げられる。
【0025】
アルキル基または脂肪族基との関連において、別途定義しない限り、本発明の関連での、置換されたという用語は、F、Cl、Br、I、NH、SHまたはOHによる少なくとも1つの水素基の置換を意味するとして理解され、「一置換された」基(1回置換された基)または「多置換された」基(2回以上置換された基)を包含する。「多置換された」は、置換が、同じ置換基または異なる置換基により、異なる原子および同じ原子の両方において数回起こること、例えば、CFの場合でのように同じC原子において3回、または、例えば、−CH(OH)−CH−CH−CHClの場合でのように異なる場所において3回起こることを意味するとして理解される。「場合により少なくとも一置換された」は、「一置換された」、「多置換された」、または、この選択肢が満たされないとき、「置換されていない」のいずれかを意味する。
【0026】
用語(CH3〜6(アルキレン)は、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−CH−および−CH−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するとして理解されよう;(CH1〜6は、−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−CH−および−CH−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するとして理解されよう;(CH1〜4は、−CH−、−CH−CH−、−CH−CH−CH−および−CH−CH−CH−CH−を意味するとして理解されよう;(CH4〜5は、−CH−CH−CH−CH−および−CH−CH−CH−CH−CH−を意味するとして理解されよう;など。
【0027】
アリール基は、少なくとも1つの芳香族環を有し、しかし、ヘテロ原子を環の1つだけにおいてさえ有しない環系を意味するとして理解される。例として、フェニル、ナフチル、フルオランテニル、フルオレニル、テトラリニルまたはインダニル基(特に、9H−フルオレニル基またはアントラセニル基)が挙げられ、これらは非置換であり得るか、あるいは、一置換または多置換され得る。
【0028】
本発明の関連において、アルキル−アリールは、アリール基(上記参照)がC1〜6アルキル基(上記参照)を介して別の原子に結合していること(ただし、C1〜6アルキル基は常に置換および非置換であり、直鎖または分岐である)を意味するとして理解される。より好ましくは、本発明の関連において、アルキル−アリールは、1つのアリール基(場合により少なくとも一置換される)が(CH(例えば、(CH1〜6;すなわち、アルキレン基)による所与の一般式の足場に結合していることを意味するとして理解される。従って、アルキル−アリールはまた、(CH1〜6−アリールとして表すことができる。例として、(CH1〜6−フェニル(例えば、ベンジル)または(CH1〜6−ナフチルが挙げられる。
【0029】
ヘテロシクリル基は、複素環式環系、すなわち、窒素、酸素および/またはイオウからなる群から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を環に含有し、同様に一または多置換され得る飽和または不飽和の環を意味するとして理解される。ヘテロアリールの群から挙げることができる例として、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール、ベンゾチアゾール、インドール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン、カルバゾールおよびキナゾリンがある。
【0030】
本発明の関連において、アルキル−ヘテロシクリルは、ヘテロシクリル基(上記参照)がC1〜6アルキル基(上記参照)を介して別の原子に結合していること(ただし、C1〜6アルキル基は常に置換および非置換であり、直鎖または分岐である)を意味するとして理解される。より好ましくは、本発明の関連において、アルキル−ヘテロシクリルは、1つのヘテロシクリル基(場合により少なくとも一置換される)が(CH(例えば、(CH1〜6;すなわち、アルキレン基)による所与の一般式の足場に結合していることを意味するとして理解される。従って、アルキル−ヘテロシクリルはまた、(CH1〜6−ヘテロシクリルとして表すことができる。例として、(CH1〜6−フラン、(CH1〜6−ベンゾフラン、(CH1〜6−チオフェン、(CH1〜6−ベンゾチオフェン、(CH1〜6−ピロール、(CH1〜6−ピリジン、(CH1〜6−ピリミジン、(CH1〜6−ピラジン、(CH1〜6−キノリン、(CH1〜6−イソキノリン、(CH1〜6−フタラジン、(CH1〜6−ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール、(CH1〜6−ベンゾチアゾール、(CH1〜6−インドール、(CH1〜6−ベンゾトリアゾール、(CH1〜6−ベンゾジオキソラン、(CH1〜6−ベンゾジオキサン、(CH1〜6−カルバゾールおよび(CH1〜6−キナゾリンが含まれる。
【0031】
アリールもしくはアルキル−アリール、シクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはアルキル−ヘテロシクリルとの関連において、置換されたとは、別途定義しない限り、OH、SH、=O、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、CN、NO、COOH、NR(式中、RおよびRは独立して、H、または、飽和もしくは不飽和で、直鎖もしくは分岐で、置換もしくは非置換でのC1〜6アルキルのいずれかである);飽和もしくは不飽和で、直鎖もしくは分岐で、置換もしくは非置換でのC1〜6アルキル;飽和もしくは不飽和で、直鎖もしくは分岐で、置換もしくは非置換での−O−C1〜6アルキル(アルコキシ);飽和もしくは不飽和で、直鎖もしくは分岐で、置換もしくは非置換での−S−C1〜6アルキル;飽和もしくは不飽和で、直鎖もしくは分岐で、置換もしくは非置換での−C(O)−C1〜6アルキル基;飽和もしくは不飽和で、直鎖もしくは分岐で、置換もしくは非置換での−C(O)−O−C1〜6アルキル基;置換もしくは非置換のアリールもしくはアルキル−アリール;置換もしくは非置換のシクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル;置換もしくは非置換のヘテロシクリルもしくはアルキル−ヘテロシクリルによる、アリールもしくはアルキル−アリール、シクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはアルキル−ヘテロシクリルの環系の置換を意味するとして理解される。「置換された」には、「一置換された」基(1回置換された基)または「多置換された」基(2回以上置換された基)が含まれる。「多置換された」は、置換が、同じ置換基または異なる置換基により、異なる原子および同じ原子の両方において数回起こることを意味するとして理解される。「場合により少なくとも一置換された」は、「一置換された」、「多置換された」、または、この選択肢が満たされない場合、「置換されていない」のいずれかを意味する。
【0032】
用語「塩」は、イオン形態を取るか、または、電荷を帯び、対イオン(カチオンまたはアニオン)との対を形成するか、または、溶解状態にある、本発明に従って使用される活性な化合物の任意の形態を意味するとして理解されよう。このことによって、他の分子およびイオンとの活性な化合物の複合体(具体的には、イオン相互作用を介して複合体形成する複合体)もまた理解されよう。
【0033】
用語「生理学的に許容され得る塩」は、本発明の関連では、処置のために適切に使用されるならば、特に、ヒトおよび/または動物に対して使用または適用される場合、生理学的に耐えられる任意の塩を意味する(大抵の場合、毒性でないこと、特に、対イオンにより引き起こされないこと意味する)。
【0034】
これらの生理学的に許容され得る塩はカチオンまたは塩基により形成することができ、本発明の関連では、アニオンとして、本発明に従って使用される化合物の少なくとも1つ、通常の場合には、(脱プロトン化された)酸と、特に、ヒトおよび/または動物に対して使用されるならば、生理学的に耐えられる少なくとも1つのカチオン(好ましくは、無機カチオン)との塩を意味するとして理解される。アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩が特に好ましく、同様に、NH4との塩も好ましく、しかし、具体的には、(モノ)ナトリウム塩もしくは(ジ)ナトリウム塩、(モノ)カリウム塩もしくは(ジ)カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩が好ましい。
【0035】
これらの生理学的に許容され得る塩はまた、アニオンまたは酸により形成することができ、本発明の関連では、カチオンとして、本発明に従って使用される化合物の少なくとも1つ、通常の場合には、例えば、窒素においてプロトン化された化合物と、特に、ヒトおよび/または動物に対して使用される場合、生理学的に耐えられる少なくとも1つのアニオンとの塩を意味するとして理解される。このことによって、本発明の関連では、生理学的に耐えられる酸により形成される塩、すなわち、特に、ヒトおよび/または動物に対して使用される場合、生理学的に耐えられる無機酸または有機酸との特定の活性な化合物の塩が特に理解される。特定の酸の生理学的に耐えられる塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸またはクエン酸の塩がある。
【0036】
本発明の化合物は結晶形態であり得るか、あるいは、遊離化合物または溶媒和物のいずれかとしてであってよい。そのような形態は本発明の範囲内であることが意図される。溶媒和の様々な方法がこの分野では一般に知られている。好適な溶媒和物は、医薬的に許容され得る溶媒和物である。用語「溶媒和物」は、本発明によれば、特に水和物およびアルコラート(例えば、メタノラート)を含めて、本発明による活性な化合物の任意の形態(この場合、この化合物が、非共有結合性の結合を介して別の分子(最も起こり得るのは、極性溶媒)を溶媒和物に結合している)を意味するとして理解しなければならない。
【0037】
式(I)の化合物のプロドラッグである化合物はどれも、本発明の範囲内である。用語「プロドラッグ」はその最も広い意味で使用され、インビボで本発明の化合物に変換されるそのような誘導体を包含する。そのような誘導体は当業者には容易に見出され、これらには、分子に存在する官能基に依存して、また、限定されることなく、本発明の化合物の下記の誘導体が含まれる:エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、金属塩、スルホン酸エステル、カルバメートおよびアミド。所与の作用する化合物のプロドラッグを製造する広く知られている方法の様々な例が当業者には知られており、例えば、Krogsgaard−Larsenら、“Textbook of Drug design and Discovery”(Taylor&Francis、2002年4月)に見出され得る。
【0038】
別途言及されない限り、本発明の化合物はまた、1つまたは複数の同位体濃縮された原子の存在においてのみ異なる化合物を包含することが意図される。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置換、あるいは、13Cまたは14Cが濃縮された炭素による炭素の置換、あるいは、15Nが濃縮された窒素を除いて本発明の構造を有する化合物が本発明の範囲内である。
【0039】
式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、好ましくは、医薬的に許容され得る形態または実質的に純粋な形態である。医薬的に許容され得る形態によって、とりわけ、通常の医薬添加物(例えば、希釈剤および担体など)を除いて、医薬的に許容され得るレベルの純度を有すること、および、通常の投薬量レベルで毒性であると見なされる物質を何ら含まないことが意味される。薬物物質についての純度レベルは好ましくは50%を超え、より好ましくは70%を超え、最も好ましくは90%を超える。好ましい実施形態において、純度レベルは、式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが95%を超えている。
【0040】
用語「薬理学的ツール」は、本発明の化合物がシグマ受容体についての特に選択的なリガンドである本発明の化合物の特性を示し、この特性により、本発明において記載される式(I)の化合物が、他の化合物をシグマリガンドとして試験するためのモデルとして使用され得ること(例えば、放射性リガンドが置き換えられること)、また、同様に、シグマ受容体に関連づけられる生理学的作用をモデル化するためにも使用され得ることが暗示される。
【0041】
上記された式(I)によって表される本発明の化合物には、キラル中心の存在に依存するエナンチオマー、または、多重結合の存在に依存する異性体(例えば、Z、E)が含まれる場合がある。単一の異性体、エナンチオマーまたはジアステレオマー、および、これらの混合物は本発明の範囲内である。
【0042】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は一般式Iaを有する:
【0043】
【化26】

(式中、
nは0または1から選択され;
pは1または2から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素、C1〜18アルキル、アルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0044】
【化27】

を形成する)。
【0045】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は一般式Iaを有する:
【0046】
【化28】

(式中、
nは0または1から選択され;
pは1または2から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0047】
【化29】

を形成する)。
【0048】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は一般式IIを有する:
【0049】
【化30】

(式中、
pは1または2から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0050】
【化31】

を形成する)。
【0051】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は一般式IIIを有する:
【0052】
【化32】

(式中、
pは1または2から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0053】
【化33】

を形成する)。
【0054】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は一般式IIaまたは一般式IIbのいずれか1つを有する:
【0055】
【化34】

(式中、
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0056】
【化35】

を形成する)。
【0057】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は一般式IIIaまたは一般式IIIbのいずれか1つを有する:
【0058】
【化36】

(式中、
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0059】
【化37】

を形成する)。
【0060】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、Rが、H、CHまたはCから選択され、特に、RがCHから選択されることを特徴とする。
【0061】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、Rが、
水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリールから選択され、
好ましくは、Rが、水素、場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたアルキル−ヘテロアリールから選択されることを特徴とする。
【0062】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、Rが、
水素;場合により少なくとも一置換されたC4〜12脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換された(CH1〜6−アリール、場合により少なくとも一置換された(CH1〜6アルキル−ヘテロアリールから選択され、
好ましくは、Rが、水素、場合により少なくとも一置換されたC4〜10脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);(CH1〜4−アリール(置換または非置換である);(CH1〜4−ヘテロアリール(置換または非置換である)から選択され、
より好ましくは、Rが、水素、場合により少なくとも一置換されたC4〜10アルキル;場合により少なくとも一置換された(CH1〜4−アリール;場合により少なくとも一置換された(CH1〜4−ヘテロアリールから選択されることを特徴とする。
【0063】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、Rが、結合した窒素と一緒になって、シクロアルキル−スピロ複合体を形成し、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0064】
【化38】

を形成することを特徴とする。
【0065】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、下記の化合物:
1’−ベンジル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](1)(2)
3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](4)(5)
3−メトキシ−1’−(3−フェニルプロピル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](6)(7)
3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](8)(9)
1’−ブチル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](10)(11)
1’−ヘキシル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](12)(13)
3−メトキシ−1’−オクチル−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](14)(15)
1’−デシル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](16)(17)
1’−ベンジル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](18)
3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](20)
3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](21)
1’−ブチル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](22)
3−メトキシ−1’−オクチル−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](23)
1’−ベンジル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](25)
3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](27)
3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](28)
1’−ブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](29)
3−メトキシ−1’−オクチル−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](30)
N,N−シクロブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジニウムブロミド](31)、または
1’−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)−ブチル)−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](34);
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
から選択されることを特徴とする。
【0066】
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は一般式IVを有する:
【0067】
【化39】

(式中、
nは0または1から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基;場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、
は、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【0068】
【化40】

を形成する)。
【0069】
好ましくは、下記のただし書きが適用される:
ただし、
・nが0であり、かつ、RがHまたはCHのいずれかであるとき、RはCH−Cではなく、また、
・nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない。
【0070】
一般式IVによる本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は一般式IVaまたは一般式IVbのいずれか1つを有する:
【0071】
【化41】

(式中、
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基;場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択される)。
【0072】
好ましくは、下記のただし書きが適用される:
ただし、
・nが0であり、かつ、RがHまたはCHのいずれかであるとき、RはCH−Cではなく、また、
・nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない。
【0073】
本発明の別の好ましい実施形態において、一般式IVによる本発明による化合物は、Rが、H、CHまたはCから選択され、特に、RがCHから選択されることを特徴とする。
【0074】
一般式IVによる本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、Rが、
水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリールから選択され、
好ましくは、Rが、水素、場合により少なくとも一置換されたC4〜12脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)から選択されることを特徴とする。
【0075】
一般式IVによる本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、Rが、
水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリールから選択されることを特徴とする。
【0076】
一般式IVによる本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、Rが、C4〜12アルキル(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である)から、好ましくは、C4〜10アルキル(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である)から、最も好ましくは、C4〜10アルキル(飽和で、直鎖で、置換または非置換である)から選択されることを特徴とする。
【0077】
一般式IVによる本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による化合物は、下記の化合物:
N,N−シクロブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,4’−ピペリジニウムブロミド](32)、
1’−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)−ブチル)−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](35)、または、
【0078】
【化42】

場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
から選択されることを特徴とする。
【0079】
一般に、プロセスが下記において実験の部で記載される。出発物質は市販されているか、または、従来の方法によって調製することができる。
【0080】
得られた反応生成物は、所望により、常套の方法(例えば、結晶化およびクロマトグラフィなど)によって精製することができる。本発明の化合物を調製するための上記プロセスが立体異性体の混合物を生じさせる場合、これらの異性体は常套の技術(例えば、分取クロマトグラフィなど)によって分離することができる。キラル中心が存在するとき、そのような化合物はラセミ形態で調製される場合があるか、あるいは、個々のエナンチオマーをエナンチオ選択的合成または分割のいずれかによって調製することができる。
【0081】
1つの好ましい医薬的に許容され得る形態が、医薬組成物におけるそのような形態を含めて、結晶形態である。塩および溶媒和物の場合、さらなるイオン成分および溶媒成分もまた非毒性である必要がある。本発明の化合物は種々の多型形態を示す場合があり、本発明はすべてのそのような形態を包含することが意図される。
【0082】
より広い態様において、本発明はまた、一般式Vによる化合物(式Iの化合物を包含する):
【0083】
【化43】

(式中、
は1または2から選択され、pは1または2から選択され、m+pは2または3のいずれかであり;
は0または1から選択され;
XはHであり、一方、Yは、CN;H;C1〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である);アルキル−アリール(置換または非置換である);C1〜6アルキル−C(O)−OH、C1〜6アルキル−C(O)H、C(O)−O−C1〜6アルキルもしくはC1〜6アルキル−C(O)−O−C1〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6アルキル−C(O)−NHもしくはC1〜6アルキル−C(O)−NH−C1〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6アルキル−NHもしくはC1〜6アルキル−NH−C1〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6アルキル−CN(直鎖または分岐で、置換または非置換である);またはO−R1aから選択され、
ただし、R1aは、H;C1〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である);アルキル−アリール(置換または非置換である)から選択され;
あるいは、
XおよびYは一緒になって、=Oを形成すし;
2aは、水素、C1〜18アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である);アリールもしくはアルキル−アリール(置換または非置換である);ヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリール(置換または非置換である);シクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル(置換または非置換である)から選択される)
による化合物、
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
からなる一群を示す。
【0084】
本発明の1つの実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではない。
【0085】
本発明の1つの実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aはC2〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである。
【0086】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、R2aがCH−CまたはHであるならば、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aはC2〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである。
【0087】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−CまたはHであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aはC2〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである。
【0088】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが1であり、pが1であり、nが0であり、かつ、R2aがCHであるとき、XはHでなくてもよく、一方、Yはフェニルである。
【0089】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aはC2〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである。
【0090】
本発明の別の好ましい実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない。
【0091】
本発明の別の実施形態において、同様に、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aはCH−CH=CH−Cではない。
【0092】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aはC2〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである。
【0093】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aはC2〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである。
【0094】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、
は、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、H、CまたはCH−CH=CH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aはC2〜6アルキル(直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである。
【0095】
式Iの範囲を特にXおよびYに関して超える一般式Vによる化合物の製造プロセスは、MaierおよびWuensch;J.Med.Chem.、2002、45、438−448、または、MaierおよびWuensch;J.Med.Chem.、2002、45、4923−4930(これらは本明細書に参考により完全に含まれる)から同様に由来され得る。
【0096】
本発明の別の関連する、より広い態様は、一般式V):
【0097】
【化44】

(式中、
は1または2から選択され、pは1または2から選択され、m+pは2または3のいずれかであり;
は0または1から選択され;
XはHであり、一方、Yは、CN;H;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール;C1〜6脂肪族基−C(O)−OH、C1〜6脂肪族基−C(O)H、C(O)−O−C1〜6脂肪族基もしくはC1〜6脂肪族基−C(O)−O−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−C(O)−NHもしくはC1〜6脂肪族基−C(O)−NH−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−NHもしくはC1〜6脂肪族基−NH−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−CN(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);またはO−R1aから選択され、
ただし、R1aは、H;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリールから選択され;
あるいは、
XおよびYは一緒になって、=Oを形成し;
2aは、水素、C1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリールアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリール;場合により少なくとも一置換されたシクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル(置換または非置換である)から選択される)
による化合物、
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
である。
【0098】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではない。
【0099】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0100】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、R2aがCH−CまたはHであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0101】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−CまたはHであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0102】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが1であり、pが1であり、nが0であり、かつ、R2aがCHであるとき、XはHでなくてもよく、一方、Yはフェニルである。
【0103】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0104】
本発明の別の好ましい実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない。
【0105】
別の実施形態において、同様に、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aはCH−CH=CH−Cではない。
【0106】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0107】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0108】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、H、CまたはCH−CH=CH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0109】
本発明のより広い態様の好ましい実施形態は、下記の一般式V:
【0110】
【化45】

(式中、
は1であり、pは1または2から選択され、m+pは2または3のいずれかであり;
は0または1から選択され;
XはHであり、一方、Yは、CN;H;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール;C1〜6脂肪族基−C(O)−OH、C1〜6脂肪族基−C(O)H、C(O)−O−C1〜6脂肪族基もしくはC1〜6脂肪族基−C(O)−O−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−C(O)−NHもしくはC1〜6脂肪族基−C(O)−NH−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−NHもしくはC1〜6脂肪族基−NH−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−CN(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);またはO−R1aから選択され、
ただし、R1aは、H;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリールから選択され;
あるいは、
XおよびYは一緒になって、=Oを形成し;
2aは、水素、C1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリールアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリール;場合により少なくとも一置換されたシクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル(置換または非置換である)から選択される)
による化合物、
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
である。
【0111】
本発明の1つの実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではない。
【0112】
本発明の1つの実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、C2〜6アルキル(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである。
【0113】
本発明の別の好ましい実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない。
【0114】
別の実施形態において、同様に、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aはCH−CH=CH−Cではない。
【0115】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0116】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0117】
本発明の別の実施形態において、下記のただし書きが式Vの化合物に適用される:
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、H、CまたはCH−CH=CH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aは、場合により少なくとも一置換されたC2〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)である)であり得るのみである。
【0118】
好ましくは、式Vによるこれらの化合物は下記の式IVによって記述される:
【0119】
【化46】

(式中、n、p、X、YおよびR2aは、上記で記載されたのと同じ意味を有する)。
【0120】
本発明の別の態様は、本発明による化合物またはその医薬的に許容され得る塩、プロドラッグ、異性体もしくは溶媒和物と、医薬的に許容され得る担体、補助剤またはビヒクルとを含む医薬組成物に関連する。従って、本発明は、本発明の化合物またはその医薬的に許容され得る塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体を、医薬的に許容され得る担体、補助剤またはビヒクルと一緒に含む、患者に投与するための医薬組成物を提供する。
【0121】
医薬組成物の例には、経口投与、局所投与または非経口投与のための任意の固体組成物(錠剤、ピル、カプセル、顆粒など)または液体組成物(溶液、懸濁物またはエマルジョン)が含まれる。
【0122】
1つの好ましい実施形態において、医薬組成物は、固体または液体のいずれかであっても、経口形態である。経口投与のための好適な服用形態物は、錠剤、カプセル、シロップまたは溶液とすることができ、この分野で知られている従来の賦形剤、例えば、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリセリン)、錠剤化のための滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、崩壊剤(例えば、デンプン、ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウムまたは微結晶セルロース)、または、医薬的に許容され得る湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)などを含有することができる。
【0123】
固体の経口組成物は、混合、充填または錠剤化の従来の方法によって調製することができる。繰り返される混合操作を、活性な薬剤を、多量の充填剤を用いてそのような組成物の全体に分布させるために使用することができる。そのような操作はこの分野では従来から行われている。錠剤は、例えば、湿式造粒または乾式造粒によって調製することができ、また、場合により、通常の製薬実務において広く知られている方法に従って、具体的には、腸溶性コーティングにより被覆することができる。
【0124】
医薬組成物はまた、非経口投与のために適合化することができる(例えば、適切な単位投薬形態での無菌の溶液、懸濁物または凍結乾燥生成物など)。十分な賦形剤を使用することができる(例えば、増量剤、緩衝化剤または界面活性剤など)。
【0125】
これらの述べられた配合物は、標準的な方法(例えば、スペイン薬局方および米国薬局方ならびに類似する参考教本において記載または参照される方法など)を使用して調製される。
【0126】
本発明の化合物または組成物の投与は任意の好適な方法によることができる(例えば、静脈内注入、経口調製物、ならびに、腹腔内投与および静脈内投与など)。経口投与が、患者のために便利であること、および、処置される疾患の慢性的特性のために好ましい。
【0127】
一般に、本発明の化合物の効果的な投与量は、選ばれた化合物の相対的な効力、処置されている障害の重篤度、および、病人の体重に依存する。しかしながら、活性な化合物が典型的には、1日に1回または多数回、例えば、1日に1回、2回、3回または4回投与され、典型的な1日総服用量は0.1mg/kg/日〜1000mg/kg/日の範囲にある。
【0128】
本発明の化合物および組成物は、混合治療を施すために他の薬物とともに使用することができる。そのような他の薬物は同じ組成物の一部を形成する場合があり、あるいは、同時での投与または異なる時間での投与のために別個の組成物として提供される場合がある。
【0129】
本発明の別の態様は、医薬品の製造における本発明による化合物の使用に関連する。
【0130】
本発明の別の態様は、シグマ受容体媒介の疾患または状態を処置または予防するための医薬品の製造における本発明による化合物の使用に関連する。この場合の好ましい実施形態は、疾患が、下痢、リポタンパク質障害、メタボリック症候群、上昇したトリグリセリドレベルの処置、カイロミクロン血症、高リポタンパク血症;高脂血症(特に、混合型高脂血症);高コレステロール血症、異βリポタンパク血症、高トリグリセリド血症(突発性障害および家族性障害(遺伝性高トリグリセリド血症)の両方を含む)、片頭痛、肥満、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習欠陥、記憶欠陥および注意欠陥、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患、薬物および化学物質(コカイン、アンフェタミン、エタノールおよびニコチンを含む)に対する嗜癖、遅発性ジスキネジア、虚血性発作、てんかん、脳卒中、うつ病、ストレス、精神病状態、統合失調症;炎症、自己免疫疾患またはガンであるこのような使用である。
【0131】
この場合の好ましい実施形態は、疾患が、痛み(特に、神経障害性痛み、炎症性痛みまたは他の痛み状態)、異疼痛および/または痛覚過敏であり、特に機械的異疼痛であるこのような使用である。
【0132】
本発明の別の態様は、薬理学的ツールとしての、あるいは、抗不安薬または免疫抑制剤としての本発明による化合物の使用に関する。
【0133】
用語「薬理学的ツール」は、本発明の化合物がシグマ受容体についての特に選択的なリガンドである本発明の化合物の特性を示し、この特性により、本発明において記載される式(I)の化合物が、他の化合物をシグマリガンドとして試験するためのモデルとして使用され得ること(例えば、放射性リガンドが置き換えられること)、また、同様に、シグマ受容体に関連づけられる生理学的作用をモデル化するためにも使用され得ることが暗示される。
【0134】
本発明の別の態様は、シグマ受容体媒介の疾患を処置または防止する方法であって、そのような処置を必要としている患者に、上記で定義されるような化合物またはその医薬組成物の治療効果的な量を投与することを含む方法に関する。処置することができるシグマ媒介疾患には、下痢、リポタンパク質障害、メタボリック症候群、上昇したトリグリセリドレベルの処置、カイロミクロン血症、高リポタンパク血症;高脂血症(特に、混合型高脂血症);高コレステロール血症、異βリポタンパク血症、高トリグリセリド血症(突発性障害および家族性障害(遺伝性高トリグリセリド血症)の両方を含む)、片頭痛、肥満、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習欠陥、記憶欠陥および注意欠陥、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患、薬物および化学物質(コカイン、アンフェタミン、エタノールおよびニコチンを含む)に対する嗜癖、遅発性ジスキネジア、虚血性発作、てんかん、脳卒中、うつ病、ストレス、痛み(特に、神経障害性痛み、炎症性痛みまたは他の痛み状態)、異疼痛および/または痛覚過敏、特に機械的異疼痛、精神病状態、統合失調症;炎症、自己免疫疾患またはガン;食物摂取の障害、食欲の調節(体重の軽減、増大または維持のために、肥満、過食症、食欲不振、悪液質またはII型糖尿病(好ましくは、肥満によって引き起こされるII型糖尿病)の予防および/または処置のために)が含まれる。本発明の化合物はまた、薬理学的ツールとして、あるいは、抗不安薬または免疫抑制剤として用いることができる。
【0135】
本発明が、実施例の助けをかりて下記において例示される。これらの例示は、単に例として示されるだけであり、本発明の全般的精神を限定しない。
【実施例】
【0136】
概略的な実験の部(合成および分析の方法および装置)
合成のために使用されたすべての溶媒はp.a.品質であった。
【0137】
薄層クロマトグラフィを使用する物質の混合物の分離を、シリカゲルが重ねられたガラスプレートで行った。プレートの分析を、ヨウ素ガスによる処理の後で、または、ドラーゲンドルフ試薬とのインキュベーションの後でUV光のもとで行った。
【0138】
概して、合成された生成物を、フラッシュクロマトグラフィを使用して精製した。
【0139】
融点を、毛細管を使用して測定した。時には、生成物がジアステレオマーの混合物であったので、融点を範囲として表す必要があった。
【0140】
IRスペクトルを、ATRを備えたFT−IR−480Plus Fourier Transform Spectrometer(Fa.Jasco)を使用して測定した。すべての物質を、固体として直接に、または、オイル中で、そのいずれかで測定した。
【0141】
NMRスペクトルを、21℃の温度でMercury−400BB(Fa.Varian)を使用して測定した。δ(ppm単位で測定される)は、溶媒(CDCl)の残存シグナル(CHCl)に対する比較で測定されるTMSシグナルに基づく:
H−NMR分光法:
δ(TMS)=δ(CHCl)−7.26
13C−NMR分光法:
δ(TMS)=δ(CHCl)−77.0
質量スペクトル(MS)を、Xcaliburバージョン1.1を有するGCQ Finnigan MAT(Fa.Finnigan)を使用して測定した。イオン化方法が括弧内に示される:EI=電子的イオン化(70eV);CI=化学的イオン化(イソブタンまたはNH、170eV)。
【0142】
元素分析をVarioEL(Fa.Elementar)により行った。
【0143】
HPLCを使用する前に、物質の最大吸収を、50Bio Cary Spektrophotometer(Fa.Varian)により行われたUV/Visスペクトルを使用して測定した。
【0144】
純度の決定およびジアステレオマーの分離のために、UV検出器(Merck)を有するHPLC Hitachi L6200A Intelligent Pumpを使用した。
【0145】
合成を合成用電子レンジDiscover(Fa.CEM)において行った。
【0146】
一部の反応を、保護ガスを使用して行った。
【0147】
−78℃での反応をDewarにおけるアセトン浴で行った。
【0148】
実施例1:
シス−1’−ベンジル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0149】
【化47】

セルトリクロリド(Certrichloride)(138mg、0.56mmol)を窒素下において3mLのTHFに懸濁し、−78℃で2時間撹拌した。2−(2−ブロモフェニル)アセトアルデヒドジメチルアセタール(130mg、0.53mmol)をTHF(3mL)に溶解し、−78℃に冷却した。この溶液に0.34mLのn−ブチルリチウム(ヘキサンにおける1.6M)(0.55mmol)をゆっくり加え、−78℃で1時間撹拌した。アセタール溶液を、何らかの残渣を除くために2mlのTHFと一緒に、Cer懸濁物に加えた。−78℃で1時間撹拌した後、THF(2mL)に溶解した1−ベンジルピペリジン−3−オン(94.6mg、0.50mmol)を加え、−78℃でさらに2時間撹拌した。反応を終了させた後、飽和塩化アンモニウムを加え、反応混合物を、ジエチルエーテルを使用して6回抽出した。エーテル相をHOにより2回洗浄した。その後、有機相を5%HCl溶液で6回抽出し、HCl相をエーテルにより2回洗浄した。HO相に、固体のKOHを、pH>9に達するまでゆっくり加えた。その後、HO相をジエチルエーテルにより6回抽出した。有機相をHOにより2回洗浄した。その後、相をNaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。生成物を、ジアステレオマーもまた分離されたフラッシュクロマトグラフィによって精製した(2cm、5mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、(1):R=0.38;(2):R=0.20)。収量:46.9mg(29%)。
【0150】
(実施例1):わずかに黄色のオイル
2125NO(323.4)
E:計算値:C 77.99;H 7.79;N 4.33
実測値:C 77.89;H 8.06;N 4.04。
【0151】
MS(EI):m/z(%)=323[M]、292[M−OCH]、263[M−OCHOCH]。
【0152】
IR:ν(cm−1)=2923(v C−H);1451(δ−CH−);1385(δ−CH);1076、1034(v C−O);753、697(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0153】
【化48】

実施例2
トランス−1’−ベンジル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0154】
【化49】

実施例1の場合のように行い、このジアステレオマーをHPLCで分離した。
【0155】
実施例2:わずかに黄色のオイル
E:計算値:C 77.99;H 7.79;N 4.33
実測値:C 77.73;H 8.04;N 4.10。
【0156】
MS(EI):m/z(%)=323[M]、292[M−OCH]、263[M−OCHOCH]。
【0157】
IR:ν(cm−1)=2921(v C−H);1452(δ−CH−);1385(δ−CH);1076(v C−O);754、690(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0158】
【化50】

実施例3:
シス−およびトランス−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0159】
【化51】

化合物(1/2)の混合物(734mg、2.27mmol)を窒素雰囲気下において12mLのメタノールに溶解した。乾燥したアンモニウムホルミアート(formiate)(716mg、11.3mmol)およびパラジウム担持活性炭(145mg、10%)を乾燥形態で加えた。混合物を還流下で2時間加熱し、ろ過した。溶媒を真空下で除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製した(3cm、20mL、メタノール:アンモニア=98:2、R=0.69)。
【0160】
白色の固体、Mp.:54〜58℃、収量:480mg(91%)。
【0161】
1419NO(233.3)
MS(EI):m/z(%)=233[M]、202[M−OCH]、190[M−NH(CH]。
【0162】
IR:ν(cm−1)=2933(v C−H);1442(δ−CH−);1386(δ−CH);1075、1055(v C−O);752(δ C−H)。
【0163】
【化52】

実施例4:
シス−3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0164】
【化53】

方法1
1−クロロ−2−フェニルエタン(93.2mg、0.66mmol)およびKCO(334mg、2.42mmol)を、化合物(3)(96.2mg、0.41mmol)をTHF(5mL)に溶解した溶液に加えた。混合物を還流下で19時間加熱し、その後、ろ過した。溶媒を真空下で除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製した(1cm、5mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、(4):R=0.36、(5):R=0.30)。
【0165】
わずかに黄色のオイル、総収量:49mg(35%)。
【0166】
方法2
化合物(3)(187mg、0.80mmol)、1−クロロ−2−フェニルエタン(141mg、1.00mmol)およびKCO(663g、4.80mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解し、マイクロ波で処理した(40分;220ワット、4bar、100℃)。その後、混合物をろ過し、溶媒を真空下で除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製し、ジアステレオマーを分離した(2cm、10mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、(4):R=0.36、(5):R=0.30)。収量:125mg(46%)。
【0167】
(4):わずかに黄色のオイル
2227NO(337.5)
E:計算値:C 78.30;H 8.06;N 4.15
実測値:C 78.18;H 8.37;N 4.08。
【0168】
MS(EI):m/z(%)=306[M−OCH]、246[M−CHPh]。
【0169】
IR:ν(cm−1)=2924(v C−H);1452(δ−CH−);1385(δ−CH);1076、1034(v C−O);751、697(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0170】
【化54】

実施例5:
トランス−3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0171】
【化55】

上記の実施例4を参照のこと。
【0172】
(5):わずかに黄色のオイル
2227NO(337.5)
E:計算値:C 78.30;H 8.06;N 4.15
実測値:C 78.55;H 8.00;N 3.84。
【0173】
MS(EI):m/z(%)=306[M−OCH]、246[M−CHPh]。
【0174】
IR:ν(cm−1)=2923(v C−H);1452(δ−CH−);1077(v C−O);753、698(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0175】
【化56】

実施例6:
シス−3−メトキシ−1’−(3−フェニルプロピル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0176】
【化57】

化合物(3)(135mg、0.58mmol)をアセトニトリル(12mL)に溶解した。1−ブロモ−3−フェニルプロパン(126mg、0.63mmol)およびKCO(554mg、4.01mmol)を加え、混合物を還流下で113時間加熱した。混合物をろ過し、溶媒を完全に除いた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製し、ジアステレオマーを分離した(2cm、10mL、石油エーテル:酢酸エチル=8:2、(6):R=0.31、(7):R=0.23)。総収量:166mg(82%)。
【0177】
(6):わずかに黄色のオイル、
2329NO(351.5)
E:計算値:C 78.59;H 8.32;N 3.99
実測値:C 78.10;H 8.39;N 3.75。
【0178】
MS(EI):m/z(%)=351[M]、320[M−OCH]、246[M−(CHPh]。
【0179】
IR:ν(cm−1)=2943(v C−H);1450(δ−CH−);1382(δ−CH);1077、1033(v C−O);747、700(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0180】
【化58】

実施例7:
トランス−3−メトキシ−1’−(3−フェニルプロピル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0181】
【化59】

上記の実施例6を参照のこと。
【0182】
(7):わずかに黄色のオイル
2329NO(351.5)
E:計算値:C 78.59;H 8.32;N 3.99
実測値:C 78.83;H 8.38;N 3.71。
【0183】
MS(EI):m/z(%)=351[M]、320[M−OCH]、246[M−(CHPh]。
【0184】
IR:ν(cm−1)=2923(v C−H);1452(δ−CH−);1384(δ−CH);1077(v C−O);750、698(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0185】
【化60】

実施例8:
シス−3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0186】
【化61】

方法1
3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](3)(59.3mg、0.25mmol)を8mLのアセトニトリルに溶解した。1−クロ−4−フェニルブタン(53.8mg、0.32mmol)およびKCO(243mg、1.76mmol)を加えた。混合物を還流下で40時間加熱し、ろ過し、溶媒を真空下で除き、その後、フラッシュクロマトグラフィにより精製した(2cm、10mL、石油エーテル:酢酸エチル=7:3、(8):R=0.18、(9):R=0.13)。総収量:33mg(36%)。
【0187】
方法2
化合物(3)のシス−ジアステレオマー(51.3mg、0.22mmol)、1−クロロ−4−フェニルブタン(50.4mg、0.30mmol)およびKCO(240mg、1.74mmol)を3mLのアセトニトリルに溶解し、マイクロ波で処理した(40分;220ワット、4bar、100℃)。混合物をろ過し、溶媒を真空下で除いた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製した(1cm、5mL、石油エーテル:酢酸エチル=7:3、R=0.18)。
【0188】
(8):わずかに黄色のオイル、収量:20mg(25%)。
【0189】
2431NO(365.5)
E:計算値:C 78.86;H 8.55;N 3.83
実測値:C 78.54;H 8.94;N 3.64。
【0190】
MS(EI):m/z(%)=365[M]、334[M−OCH]、246[M−(CHPh]、176[M−CH(CHN(CHPh]。
【0191】
IR:ν(cm−1)=2927(v C−H);1452(δ−CH−);1385(δ−CH);1076、1033(v C−O);750、697(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0192】
【化62】

化合物(3)のトランス−ジアステレオマー(70.0mg、0.30mmol)を3mLのアセトニトリルに溶解した。1−クロロ−4−フェニルブタン(69.0mg、0.41mmol)およびKCO(331mg、2.40mmol)を加え、混合物をマイクロ波で処理した(220ワット、40分、100℃、4bar)。混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で除いた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製した(1cm、5mL、石油エーテル:酢酸エチル=7:3、R=0.13)。
【0193】
実施例9:
トランス−3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0194】
【化63】

上記の実施例8を参照のこと。
(9):わずかに黄色のオイル、収量:28mg(26%)。
【0195】
2431NO(365.5)
E:計算値:C 78.86;H 8.55;N 3.83
実測値:C 78.20;H 8.72;N 3.86。
【0196】
MS(EI):m/z(%)=365[M]、334[M−OCH]、246[M−(CHPh]、176[M−CH(CHN(CHPh]。
【0197】
IR:ν(cm−1)=2925(v C−H);1452(δ−CH−);1385(δ−CH);1076(v C−O);753、698(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0198】
【化64】

実施例10:
シス−1’−ブチル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0199】
【化65】

1−ブロモブタン(108mg、0.79mmol)およびKCO(482mg、3.49mmol)を、化合物(3)(119mg、0.51mmol)をアセトニトリル(13mL)に溶解した溶液に加え、還流下で30時間加熱した。その後、混合物をろ過し、溶媒を真空下で除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製し、ジアステレオマーを分離した(2cm、10mL、石油エーテル:酢酸エチル=7:3、(10):R=0.40、(11):R=0.30)。総収量:129mg(77%)。
【0200】
(10):わずかに黄色のオイル
1827NO(289.4)
E:計算値:C 74.70;H 9.40;N 4.84
実測値:C 74.48;H 9.47;N 4.71。
【0201】
MS(EI):m/z(%)=289[M]、258[M−OCH]、246[M−(CHCH]。
【0202】
IR:ν(cm−1)=2928(v C−H)、1445(δ−CH−)、1385(δ−CH)、1077(v C−O)、752(δ C−H)。
【0203】
【化66】

実施例11:
トランス−1’−ブチル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0204】
【化67】

上記の実施例10を参照のこと。
【0205】
(11):わずかに黄色のオイル
1827NO(289.4)
E:計算値:C 74.70;H 9.40;N 4.84
実測値:C 75.10;H 9.60;N 4.60。
【0206】
MS:m/z=289[M]、258[M−OCH]、246[M−(CHCH]。
【0207】
IR:ν(cm−1)=2930(v C−H)、1443(δ−CH−)、1365(δ−CH)、1078(v C−O)、755(δ C−H)。
【0208】
【化68】

実施例12:
シス−1’−ヘキシル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0209】
【化69】

方法1
化合物(3)(91.3mg、0.39mmol)、1−クロロヘキサン(63.7mg、0.53mmol)およびKCO(334mg、2.42mmol)をアセトニトリル(9mL)に溶解し、還流下で30時間加熱した。ろ過後、溶媒を完全に除き、生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製した(2cm、10mL、石油エーテル:酢酸エチル=8:2、(12):R=0.28、(13):R=0.23)。総収量:28mg(23%)。
【0210】
方法2
1−クロロヘキサン(183mg、1.52mmol)をヨウ化ナトリウム(271mg、1.81mmol)と一緒にアセトン(3mL)に溶解し、マイクロ波で処理した(180ワット、2bar、80℃、10分)。
【0211】
塩化ナトリウムをろ過によって除き、1−ヨードヘキサンを含有する透明な溶液に化合物(3)(230mg、0.99mmol)およびKCO(1.10g、8.0mmol)を加え、1mLのアセトンとともに処理し、その後、マイクロ波で処理した(180ワット、最大5bar、100℃、40分)。
【0212】
反応後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で除いた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製し、ジアステレオマーを分離した(2cm、10mL、石油エーテル:酢酸エチル=8:2、(12):R=0.28、(13):R=0.23)。総収量:276mg(88%)。
【0213】
(12):わずかに黄色のオイル
2031NO(317.5)
E:計算値:C 75.67;H 9.84;N 4.41
実測値:C 75.79;H 10.13;N 4.37。
【0214】
MS(EI):m/z(%)=317[M]、286[M−OCH]、246[M−(CHCH]。
【0215】
IR:ν(cm−1)=2925(v C−H)、1445(δ−CH−)、1386(δ−CH)、1077(v C−O)、752(δ C−H)。
【0216】
【化70】

実施例13:
トランス−1’−ヘキシル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0217】
【化71】

上記の実施例12を参照のこと。
【0218】
(13):わずかに黄色のオイル
2031NO(317.5)
E:計算値:C 75.67;H 9.84;N 4.41
実測値:C 75.41;H 10.00;N 4.41。
【0219】
MS(EI):m/z(%)=317[M]、286[M−OCH]、246[M−(CHCH]。
【0220】
IR:ν(cm−1)=2926(v C−H)、1444(δ−CH−)、1385(δ−CH)、1078(v C−O)、755(δ C−H)。
【0221】
【化72】

実施例14:
シス−3−メトキシ−1’−オクチル−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0222】
【化73】

化合物(3)(136mg、0.56mmol)をアセトニトリル(14mL)に溶解した溶液に、1−ブロモオクタン(137mg、0.71mmol)およびKCO(481mg、3.48mmol)を加え、混合物を還流下で25.5時間加熱した。その後、塩基をろ過によって除き、溶媒を真空下で除き、生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製し、ジアステレオマーを分離した(3cm、20mL、石油エーテル:酢酸エチル=8:2、(14):R=0.24、(15):R=0.14)。総収量:183mg(95%)。
【0223】
(14):わずかに黄色のオイル
2235NO(345.5)
E:計算値:C 76.48;H 10.21;N 4.05
実測値:C 76.55;H 10.17;N 3.88。
【0224】
MS(EI):m/z(%)=345[M]、314[M−OCH]、246[M−(CHCH]。
【0225】
IR:ν(cm−1)=2924(v C−H)、1445(δ−CH−)、1386(δ −CH)、1078(v C−O)、752(δ C−H)。
【0226】
【化74】

実施例15:
トランス−3−メトキシ−1’−オクチル−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0227】
【化75】

上記の実施例14を参照のこと。
【0228】
(15):わずかに黄色のオイル
2235NO(345.5)
E:計算値:C 76.48;H 10.21;N 4.05
実測値:C 76.52;H 10.48;N 4.24。
【0229】
MS(EI):m/z(%)=345[M]、314[M−OCH]、246[M−(CHCH]。
【0230】
IR:ν(cm−1)=2923(v C−H)、1452(δ−CH−)、1079(v C−O)、754(δ C−H)。
【0231】
【化76】

実施例16:
シス−1’−デシル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0232】
【化77】

化合物(3)(127mg、0.55mmol)をアセトニトリル(14mL)に溶解し、1−ブロモデカン(156mg、0.71mmol)およびKCO(486mg、3.52mmol)を加えた。混合物を還流下で25.5時間加熱し、その後、ろ過し、溶媒を真空下で完全に除いた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィにより精製し(3cm、20mL、石油エーテル:酢酸エチル=9:1、(16):R=0.21、(17):R=0.14)、ジアステレオマーを分離した。総収量:173mg(85%)。
【0233】
(16):わずかに黄色のオイル
2439NO(373.6)
E:計算値:C 77.16;H 10.52;N 3.75
実測値:C 76.70;H 10.63;N 3.50。
【0234】
MS(EI):m/z(%)=373[M]、342[M−OCH]、246[M−(CHCH]。
【0235】
IR:ν(cm−1)=2923(v C−H)、1450(δ−CH−)、1386(δ−CH)、1078(v C−O)、752(δ C−H)。
【0236】
【化78】

実施例17:
トランス−1’−デシル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン]の合成
【0237】
【化79】

上記の実施例16を参照のこと。
【0238】
(17):わずかに黄色のオイル
2439NO(373.6)
E:計算値:C 77.16;H 10.52;N 3.75
実測値:C 76.75;H 10.80;N 3.83。
【0239】
MS(EI):m/z(%)=373[M]、342[M−OCH]、246[M−(CHCH]。
【0240】
IR:ν(cm−1)=2922(v C−H)、1453(δ−CH−)、1079(v C−O)、754(δ C−H)。
【0241】
【化80】

実施例18:
シス/トランス−1’−ベンジル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0242】
【化81】

2−(2−ブロモフェニル)アセトアルデヒドジメチルアセタール(1.18g、4.83mmol)を窒素雰囲気下においてTHF(15mL)に溶解し、−78℃に冷却した。3.7mLのn−ブチルリチウム(ヘキサンにおける1.6M)(5.92mmol)をゆっくり加えた。20分間撹拌した後、THF(10mL)に溶解した1−ベンジルピロリジン−3−オン(846mg、4.84mmol)をゆっくり加えた。絶え間なく撹拌された混合物をゆっくり(12時間かけて)室温にまで加熱した。溶液が黄色になった。その後、20mLの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、ジエチルエーテルにより6回抽出した。エーテル相をHOにより2回洗浄した。その後、有機相を5%HCl溶液で6回抽出し、HCl相をエーテルにより2回洗浄した。HO相に、固体のKOHを、pH>9に達するまでゆっくり加えた。その後、HO相をジエチルエーテルにより6回抽出した。有機相をHOにより2回洗浄し、次いで10%NaHSO溶液により2回洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除いた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(5cm、30mL、ジクロロメタン:メタノール=98:2、R=41)。
【0243】
わずかに黄色のオイル、収量:617mg(41%)。
【0244】
2023NO(309.4)
E:計算値:C 77.64;H 7.49;N 4.53
実測値:C 77.34;H 7.57;N 4.37。
【0245】
MS(EI):m/z(%)=309[M]、278[M−OCH]、249[M−OCHOCH]。
【0246】
IR:ν(cm−1)=2910(v C−H)、1452(δ−CH−)、1385(δ−CH)、1075(v C−O)、754/697(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0247】
【化82】

ジアステレオマー比、52:48。
【0248】
実施例19:
シス/トランス−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0249】
【化83】

化合物(18)(1.04g、3.38mmol)を窒素下においてメタノール(20mL)に溶解した。アンモニウムホルミアート(1.09g、17.3mmol)およびPd/C(213mg、10%)を固体として加え、混合物を還流下で2時間加熱した。その後、触媒をろ過によって除き、溶媒を真空下で除いた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(4cm、30mL、メタノール:アンモニア=98:2、R=0.48)。
【0250】
透明なオイル、収量:604mg(82%)。
【0251】
1317NO(219.3)
MS(EI):m/z(%)=219[M]、188[M−OCH]、159[M−OCHOCH]、145[M−OCH、−NH(CH]。
【0252】
IR:ν(cm−1)=2939/2873(v C−H)、1444(δ−CH−)、1387(δ−CH)、1073(v C−O)、754(δ C−H)。
【0253】
【化84】

ジアステレオマー比、57:43。
【0254】
実施例20:
シス/トランス−3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0255】
【化85】

化合物(19)(58.6mg、0.27mmol)、1−クロロ−2−フェニルエタン(57.0mg、0.41mmol)およびKCO(298mg、2.16mmol)を2mLのアセトニトリルに溶解し、マイクロ波で処理した(180ワット、最大5bar、140℃、25分の保持時間)。
【0256】
混合物をろ過し、CHClにより洗浄した。その後、溶媒を真空下で除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(1cm、5mL、石油エーテル:酢酸エチル=7:3、R=0.22)。
【0257】
わずかに黄色のオイル、収量:40mg(45%)。
【0258】
2125NO(323.4)
E:計算値:C 77.99;H 7.79;N 4.33
実測値:C 77.73;H 7.85;N 4.24。
【0259】
MS(EI):m/z(%)=292[M−OCH]、232[M−CHPh]。
【0260】
IR:ν(cm−1)=2939(v C−H)、1452(δ−CH−)、1384(δ−CH)、1076(v C−O)、752/698(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0261】
【化86】

ジアステレオマー比、52:48。
【0262】
実施例21:
シス/トランス−3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0263】
【化87】

化合物(19)(58.0mg、0.26mmol)、1−クロル−2−フェニルブタン(60.7mg、0.36mmol)およびKCO(298mg、2.16mmol)を2mLのアセトニトリルに溶解し、マイクロ波で処理した(180ワット、最大5bar、140℃、25分)。
【0264】
混合物をろ過し、CHClにより洗浄した。その後、溶媒を真空下で除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(1cm、5mL、石油エーテル:酢酸エチル=6:4、R=0.38)。
【0265】
わずかに黄色のオイル、収量:60mg(56%)。
【0266】
2329NO(351.5)
E:計算値:C 78.60;H 8.32;N 3.98
実測値:C 78.13;H 8.36;N 3.95。
【0267】
MS:m/z(%)=351[M]、320[M−OCH]、232[M−(CHPh]、201[M−OCH、−(CHPh]。
【0268】
IR:ν(cm−1)=2933(v C−H)、1452(δ−CH−)、1385(δ−CH)、1076(v C−O)、748/698(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0269】
【化88】

ジアステレオマー比、54:46。
【0270】
実施例22:
シス/トランス−1’−ブチル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0271】
【化89】

1−ブロモブタン(88.0mg、0.64mmol)、KCO(483mg、3.50mmol)および化合物(19)(92.3mg、0.42mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解し、マイクロ波で処理した(180ワット、最大5bar、140℃、40分)。
【0272】
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除いた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(1cm、5mL、石油エーテル:酢酸エチル=7:3、R=0.31)。
【0273】
わずかに黄色のオイル、収量:76mg(69%)。
【0274】
1725NO(275.4)
E:計算値:C 74.14;H 9.15;N 5.09
実測値:C 74.10;H 9.60;N 4.60。
【0275】
MS(EI):m/z(%)=275[M]、244[M−OCH]、232[M−(CHCH]、201[M−OCH、−(CHCH]。
【0276】
IR:ν(cm−1)=2929(v C−H)、1452(δ−CH−)、1385(δ−CH)、1076(v C−O)、758(δ C−H)。
【0277】
【化90】

ジアステレオマー比、52:48。
【0278】
実施例23:
シス/トランス−3−メトキシ−1’−オクチル−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0279】
【化91】

化合物(19)(91.0mg、0.42mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解した。1−ブロモオクタン(111mg、0.57mmol)およびKCO(452mg、3.28mmol)を加え、マイクロ波で処理した(180ワット、最大5bar、140℃、40分)。
【0280】
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(1cm、5mL、石油エーテル:酢酸エチル=6:4、R=0.33)。
【0281】
黄色のオイル、収量:85mg(64%)。
【0282】
2133NO(331.5)
E:計算値:C 76.09;H 10.03;N 4.23
実測値:C 76.42;H 10.05;N 4.17。
【0283】
MS(EI):m/z(%)=331[M]、300[M−OCH]、232[M−(CHCH]、201[M−OCH、−(CHCH]。
【0284】
IR:ν(cm−1)=2924(v C−H)、1452(δ−CH−)、1385(δ−CH)、1077(v C−O)、757(δ C−H)。
【0285】
【化92】

ジアステレオマー比、51:49。
【0286】
実施例24〜35を、前記の実施例1〜23の場合と類似または同様な手順を使用して調製した(この場合、実施例24が中間体であった)。
【0287】
実施例24(中間体):
2−(1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン−3−イル)ベンズアルデヒドジメチルアセタールの合成
【0288】
【化93】

その後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(6cm、30mL、石油エーテル:酢酸エチル=1:2、R=0.38)。
【0289】
わずかに黄色のオイル、収量:1.65g(51%)。
【0290】
2025NO(327.4)
MS(EI):m/z(%)=327[M]、312[M−CH]、296[M−OCH]。
【0291】
IR:ν(cm−1)=3437(v−OH)、2929/2799(v C−H)、1452(δ−CH)、1070(v C−O)、752/698(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0292】
【化94】

第三級アルコールのプロトンについてのシグナルはなし。
【0293】
実施例25:
シス/トランス−1’−ベンジル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0294】
【化95】

その後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(3cm、20mL、石油エーテル:酢酸エチル=3:1、R=0.31)。
【0295】
わずかに黄色のオイル、収量:380mg(92%)。
【0296】
1921NO(295.4)
E:計算値:C 77.26;H 7.17;N 4.64
実測値:C 77.03;H 7.11;N 4.74。
【0297】
MS(EI):m/z(%)=295[M]、264[M−OCH]、131[M−OCH、−NBn(CH]。
【0298】
IR:ν(cm−1)=2905(v C−H)、1368(δ−CH)、1081(v C−O)、750/697(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0299】
【化96】

ジアステレオマー比、51:49。
【0300】
実施例26:
シス/トランス−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](26)の合成
【0301】
【化97】

その後、混合物をろ過し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(3cm、20mL、メタノール:アンモニア=98:2、R=0.48)。
【0302】
透明なオイル、収量:520mg(87%)。
【0303】
1215NO(205.3)
MS(EI):m/z(%)=205[M]、174[M−OCH]、131[M−OCH、−NBn(CH]。
【0304】
IR:ν(cm−1)=2932/2878(v C−H)、1368(δ−CH)、1081(v C−O)、750(δ C−H)。
【0305】
【化98】

ジアステレオマー比、52:48。
実施例27:
シス/トランス−3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0306】
【化99】

方法1
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(2cm、10mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、R=0.28)。
【0307】
わずかに黄色のオイル、収量:92.8mg(30%)。
【0308】
方法2(マイクロ波)
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(3cm、20mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、R=0.28)。
【0309】
わずかに黄色のオイル、収量:171mg(55%)。
【0310】
2023NO(309.4)
E:計算値:C 77.24;H 7.56;N 4.47
実測値:C 77.64;H 7.49;N 4.53。
【0311】
MS(EI):m/z(%)=278[M−OCH]、218[M−CHPh]。
【0312】
IR:ν(cm−1)=2927(v C−H)、1367(δ−CH)、1081(v C−O)、749/698(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0313】
【化100】

シス:トランス比、53:47。
【0314】
実施例28:
シス/トランス−3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0315】
【化101】

方法1
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(2cm、10mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、R=0.29)。
【0316】
わずかに黄色のオイル、収量:230mg(68%)。
【0317】
方法2
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(3cm、20mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、R=0.29)。
【0318】
わずかに黄色のオイル、収量:253mg(75%)。
【0319】
2227NO(337.5)
E:計算値:C 78.30;H 8.06;N 4.15
実測値:C 77.92;H 8.12;N 4.02。
【0320】
MS(EI):m/z(%)=338[M]、306[M−OCH]、218[M−(CHPh]。
【0321】
IR:ν(cm−1)=2932(v C−H)、1367(δ−CH)、1082(v C−O)、747/698(δ C−H 一置換ベンゼン)。
【0322】
【化102】

ジアステレオマー比、51:49。
【0323】
実施例29:
シス/トランス−1’−ブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0324】
【化103】

方法1
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(2cm、10mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=5:5、R=0.19)。
【0325】
わずかに黄色のオイル、収量:88.9mg(34%)。
【0326】
方法2
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(3cm、20mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=5:5、R=0.19)。
【0327】
わずかに黄色のオイル、収量:128mg(49%)。
【0328】
1623NO(261.4)
E:計算値:C 73.66;H 8.89;N 5.04
実測値:C 73.53;H 8.87;N 5.36。
【0329】
MS(EI):m/z(%)=261[M]、230[M−OCH]、218[M−(CHCH]。
【0330】
IR:ν(cm−1)=2929(v C−H)、1367(δ−CH)、1085(v C−O)、754(δ C−H)。
【0331】
【化104】

ジアステレオマー比、52:48。
【0332】
実施例30:
シス/トランス−3−メトキシ−1’−オクチル−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0333】
【化105】

方法1
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(3cm、20mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、R=0.36)。
【0334】
わずかに黄色のオイル、収量:85.7mg(27%)。
【0335】
方法2
その後、混合物をろ過し、CHClにより洗浄し、溶媒を真空下で完全に除き、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(3cm、20mL、シクロヘキサン:酢酸エチル=7:3、R=0.36)。
【0336】
わずかに黄色のオイル、収量:111mg(35%)。
【0337】
2031NO(317.5)
E:計算値:C 75.67;H 9.84;N 4.41
実測値:C 75.03;H 10.01;N 4.26。
【0338】
MS(EI):m/z(%)=317[M]、286[M−OCH]、218[M−(CHCH]。
【0339】
IR:ν(cm−1)=2925(v C−H)、1367(δ−CH)、1082(v C−O)、752(δ C−H)。
【0340】
【化106】

ジアステレオマー比、57:43。
【0341】
実施例31:
シス/トランス−N,N−シクロブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジニウムブロミド]の合成
【0342】
【化107】

方法1
白色の固体、収量:280mg(82%)。
【0343】
1622NOBr(340.3)
方法2
白色の固体、Mp.:109℃、収量:176mg(91%)。
【0344】
1622NOI(387.3)
ブロミドの分析、C1622NOBr(340.3):
MS(EI):m/z(%)=309[M−OCH]、260[M−Br]、186[M−Br、−OCH、−(CH]。
【0345】
IR:ν(cm−1)=2977/2925(v C−H)、1367(δ−CH)、1081(v C−O)、766(δ C−H)。
【0346】
【化108】

ジアステレオマー比、53:47。
【0347】
実施例32:
N,N−シクロブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,4’−ピペリジニウムブロミド]の合成
【0348】
【化109】

白色の固体、Mp.:124℃、収量:173mg(98%)。
【0349】
1724NOBr(354.3)
MS(EI):m/z(%)=354[M]、323[M−OCH]。
【0350】
IR:ν(cm−1)=2952(v C−H)、1373(δ−CH)、1080(v C−O)、762(δ C−H)。
【0351】
【化110】

実施例33(中間体):
1−(4−クロルブチル)−1H−イミダゾール(中間体)の合成
【0352】
【化111】

その後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製した(5cm、30mL、酢酸エチル:メタノール=9:1、R=0.31)。
【0353】
わずかに黄色のオイル、収量:1.31g(83%)。
【0354】
11Cl(158.6)
MS(EI):m/z(%)=159[M]、131[M−CHN]、123[M−CHN、−Cl]、82[M−(CHCl]。
【0355】
IR:ν(cm−1)=2945(v C−H)、1699(v C=N)、737(v C−Cl)。
【0356】
【化112】

実施例34:
シス/トランス−1’−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)−ブチル)−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン]の合成
【0357】
【化113】

透明なオイル、収量:223mg(65%)
1925(327.4)
E:計算値:C 69.70;H 7.70;N 12.83
実測値:C 69.60;H 7.82;N 11.79。
【0358】
MS(EI):m/z(%)=327[M]、296[M−OCH]、218[M−(CH−C]。
【0359】
IR:ν(cm−1)=2935(v C−H)、1367(δ −CH)、1080(v C−O)、756(δ C−H)。
【0360】
【化114】

実施例35:
1’−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)−ブチル)−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]の合成
【0361】
【化115】

透明なオイル、収量:136mg(43%)
2027(341.5)
E:計算値:C 70.35;H 7.97;N 12.31
実測値:C 69.60;H 7.82;N 11.79。
【0362】
MS(EI):m/z(%)=310[M−OCH]、232[M−(CH]。
【0363】
IR:ν(cm−1)=2943(v C−H)、1376(δ−CH)、1080(v C−O)、758(δ C−H)。
【0364】
【化116】

実施例36:
【0365】
【化117】

実施例37:
【0366】
【化118】

実施例36および実施例37を、MaierおよびWuensch;J.Med.Chem.、2002、45、438−448、または、MaierおよびWuensch;J.Med.Chem.、2002、45、4923−4930に記載されるプロセスと同様に調製した。
【0367】
生物学的活性
A)インビトロ
本発明のいくつかの代表的な化合物をシグマ(シグマ−1およびシグマ−2)阻害剤としてのそれらの活性について試験した。下記のプロトコルに従った。
【0368】
シグマ−1(バージョンA)
σ受容体についての脳膜調製および結合アッセイをいくつかの改変とともに記載(DeHaven−Hudkinsら、1992)の通りに行った。簡単に記載すると、モルモットの脳を、Kinematica Polytron PT3000により、15000r.p.m.で30秒間、10体積(w/v)のTris−HCl(50mM)/0.32Mスクロース(pH7.4)においてホモジネートした。ホモジネートを4℃において1000gで10分間遠心分離し、上清を集め、再度、4℃において48000gで15分間遠心分離した。ペレットを10体積のTris−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)に再懸濁し、37℃で30分間インキュベーションし、4℃において48000gで20分間遠心分離した。この後、ペレットを新鮮なTris−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)に再懸濁し、使用まで氷上で貯蔵した。
【0369】
それぞれのアッセイチューブは、1mLの最終的なアッセイ体積および約30mgの組織正味重量/mLの最終的な組織濃度に対して、10μLの[H](+)−ペンタゾシン(0.5nMの最終濃度)、900μLの組織懸濁物を含有した。非特異的な結合を、1μMのハロペリドールの最終濃度を加えることによって定義した。すべてのチューブを37℃で150分間インキュベーションし、その後、反応をSchleicher&Schuell GF3362ガラス繊維フィルター(0.5%ポリエチレンイミンの溶液に少なくとも1時間事前に浸された]での急速ろ過によって停止させた。その後、フィルターを4mLの冷Tris−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)により4回洗浄した。シンチレーションカクテルを加えた後、サンプルを一晩平衡化させた。結合した放射能の量を、Wallac Winspectral 1414液体シンチレーションカウンタを使用して液体シンチレーションスペクトロメトリによって求めた。タンパク質濃度をLowryら(1951)の方法によって求めた。
【0370】
シグマ1(バージョンB)
簡単に記載すると、σ1受容体調製物をモルモットの脳から調製した。脳を5倍〜6倍の体積のスクロース溶液(0.32M)においてホモジネートし、ホモジネートした。ホモジネートを、4℃で10分間、2900rpmで遠心分離した。上清を再び遠心分離した(23500×g、4℃、20分間)。ペレットをTris緩衝液に再懸濁し、室温で30分間インキュベーションし、遠心分離した(23500×g、4℃、20分間)。ペレットを冷TRIS緩衝液に再懸濁し、ホモジネートした。その後、タンパク質含有量を測定し(約1.5mg/mL)、ホモジネートをその後の使用のために−80℃で凍結した。
【0371】
使用された放射性リガンドはTRIS緩衝液における[H]−(+)−ペンタゾシンであった。200μLの体積において、50μLのTRIS緩衝液、50μLの様々な濃度の化合物溶液、50μLの放射性リガンド溶液(8nM;アッセイにおいて2nMとなる)、および、最後に、50μLの受容体調製物(約1.5mg/mL)を、フィルターを備えるマイクロプレートのウエルに入れた。プレートを閉じ、37℃および500rpmで2.5時間撹拌した。その後、溶媒を、フィルターを介してハーベスタによって除いた。HOにより洗浄した後、フィルターをシンチレーションカウンタで測定した([H]プロトコル)。
【0372】
シグマ−2(バージョンA)
σ2受容体についての結合研究をいくつかの改変とともに記載(Radescaら、1991)の通りに行った。簡単に記載すると、シグマ受容体タイプI(σ1)ノックアウトマウスからの脳を、Potter−Elvehjemホモジナイザにより、320mMのスクロースを含有する氷冷された10mM Tris−HCl(pH7.4)(Tris−スクロース緩衝液)の10mL/g組織正味重量の体積においてホモジネートした(500r.p.m.で10ストローク)。その後、ホモジネートを4℃において1000gで10分間遠心分離し、上清を保存した。ペレットを、2mL/gの氷冷Tris−スクロース緩衝液におけるボルテックス処理によって再懸濁し、再度、1000gで10分間遠心分離した。合わせた1000g上清を4℃において31000gで15分間遠心分離した。ペレットを、3mL/gの10mM Tris−HCl(pH7.4)におけるボルテックス処理によって再懸濁し、懸濁物を25℃で15分間保った。31000gでの15分間の遠心分離の後、ペレットを、10mM Tris−HCl(pH7.4)における1.53mL/gの体積にPotter−Elvehjemでの穏やかなホモジネート化によって再懸濁した。
【0373】
アッセイチューブは、0.5mLの最終的なアッセイ体積に対して、10μLの[H]−DTG(3nMの最終濃度)、400μLの組織懸濁物(50mM Tris−HCl(pH8.0)において5.3mL/g)を含有した。非特異的な結合を、1μMのハロペリドールの最終濃度を加えることによって定義した。すべてのチューブを25℃で120分間インキュベーションし、その後、反応をSchleicher&Schuell GF3362ガラス繊維フィルター(0.5%ポリエチレンイミンの溶液に少なくとも1時間事前に浸された]での急速ろ過によって停止させた。フィルターを5mL体積の冷Tris−HCl緩衝液(10mM、pH8.0)により3回洗浄した。シンチレーションカクテルを加えた後、サンプルを一晩平衡化させた。結合した放射能の量を、Wallac Winspectral 1414液体シンチレーションカウンタを使用して液体シンチレーションスペクトロメトリによって求めた。タンパク質濃度をLowryら(1951)の方法によって求めた。
【0374】
参考文献
【0375】
【数1】

シグマ2(バージョンB)
簡単に記載すると、σ受容体調製物をラットの肝臓から調製した。肝臓を5倍〜6倍の体積のスクロース溶液(0.32M)においてホモジネートし、ホモジネートした。ホモジネートを、4℃で10分間、2900rpmで遠心分離し、上清を再び遠心分離した(31000×g、4℃、20分間)。ペレットをTRIS緩衝液に再懸濁し、撹拌しながら室温で30分間インキュベーションし、遠心分離した(31000×g、4℃、20分間)。ペレットを冷TRIS緩衝液(pH8)に再懸濁し、ホモジネートした。その後、タンパク質含有量を測定し(約2mg/mL)、ホモジネートをその後の使用のために−80℃で凍結した。
【0376】
使用された放射性リガンドはTRIS緩衝液(pH8)における[H]−ジトリルグアニジンであった。σ受容体結合部位をTRIS緩衝液(pH8)における(+)−ペンタゾシン溶液によりマスクした。
【0377】
200μLの体積において、50μLの様々な濃度の化合物溶液、50μLの(+)−ペンタゾシン溶液(2μM;アッセイにおいて500nMとなる)、50μLの放射性リガンド溶液(12nM;アッセイにおいて3nMとなる)、および、最後に、50μLの受容体調製物(約2mg/mL)を、フィルターを備えるマイクロプレートのウエルに入れた。プレートを閉じ、室温および500rpmで2時間撹拌した。その後、溶媒を、フィルターを介してハーベスタによって除いた。HOにより洗浄した後、フィルターをシンチレーションカウンタで測定した([H]プロトコル)。
【0378】
得られた結果の一部が表(I)に示される。
【0379】
表(I)
【0380】
【表1−1】

【0381】
【表1−2】

B)インビボ。
【0382】
機械的異疼痛の発生におけるカプサイシンに対する影響
このモデルはvon−Freyフィラメントを使用し、神経障害性痛み、異疼痛などの影響または症状を試験するためのモデルである。
【0383】
このモデルの関心事:
・1μgのカプサイシンを実験動物に注射することにより、急性の痛みが生じ、その後、痛覚過敏/異疼痛が生じる。
・カプサイシン誘導による急性痛および痛覚過敏に関与する機構は比較的よく知られている(主にそれぞれ、末梢の侵害受容器の活性化および脊髄ニューロンの鋭敏化)。
【0384】
von−Freyフィラメントによるすべての試験のために試験プロトコル:順応後、マウスを最初に試験化合物(または、コントロールでは溶媒)で処理した。その後、1μgのカプサイシン(1%DMSO)をその足に注射し、これにより、その実施された足において痛みが発生することがもたらされる。その後、その実施された足を機械的刺激により処理し、足が引っ込められるまでの反応時間を測定する。
【0385】
この薬理学的試験を使用したとき、実施例22および実施例25による化合物は明確な異疼痛防止効果を示した。これらの化合物は、それぞれ8匹の動物において、16mg/kg(i.p.)で試験され、45.67±9.62%および44.28±9.49%の痛み軽減をそれぞれ達成した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式V:
【化1】

(式中、
は1または2から選択され、pは1または2から選択され、m+pは2または3のいずれかであり;
は0または1から選択され;
XはHであり、一方、Yは、CN;H;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール;C1〜6脂肪族基−C(O)−OH、C1〜6脂肪族基−C(O)H、C(O)−O−C1〜6脂肪族基もしくはC1〜6脂肪族基−C(O)−O−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−C(O)−NHもしくはC1〜6脂肪族基−C(O)−NH−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−NHもしくはC1〜6脂肪族基−NH−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−CN(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);またはO−R1aから選択され、
ただし、R1aは、H;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリールから選択され;
あるいは、
XおよびYは一緒になって、=Oを形成し;
2aは、水素、C1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリールアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリール;場合により少なくとも一置換されたシクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル(置換または非置換である)から選択される)
による化合物、
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
(ただし、
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aはHまたはCHのいずれかである)であるとき、R2aはCH−Cではなく、かつ、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、XがHであり、かつ、YがOR1a(式中、R1aは、H、CHまたはCのいずれかである)であるとき、R2aは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、かつ、R2aがCH−Cであるとき、XはHであり得るのみであり、YはOR1a(式中、R1aはC2〜6アルキル(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である)である)であり得るのみである)。
【請求項2】
一般式(I):
【化2】

(式中、
mは1または2から選択され、pは1または2から選択され、m+pは2または3のいずれかであり;
nは0または1から選択され;
は、水素;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である)、アルキル−アリール(置換または非置換である)から選択され;
は、水素、C1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリール;場合により少なくとも一置換されたシクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【化3】

を形成する)
の化合物、
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物
(ただし、
・mが2であり、pが1であり、nが0であり、かつ、RがHまたはCHのいずれかであるとき、RはCH−Cではなく、また、
・mが2であり、pが1であり、nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
一般式V:
【化4】

(式中、
は1であり、pは1または2から選択され;
は0または1から選択され;
XはHであり、一方、Yは、CN;H;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール;C1〜6脂肪族基−C(O)−OH、C1〜6脂肪族基−C(O)H、C(O)−O−C1〜6脂肪族基もしくはC1〜6脂肪族基−C(O)−O−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−C(O)−NHもしくはC1〜6脂肪族基−C(O)−NH−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−NHもしくはC1〜6脂肪族基−NH−C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);C1〜6脂肪族基−CN(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);またはO−R1aから選択され、
ただし、R1aは、H;C1〜6脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリールから選択され;
あるいは、
XおよびYは一緒になって、=Oを形成し;
2aは、水素、C1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリールアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリール;場合により少なくとも一置換されたシクロアルキルもしくはアルキル−シクロアルキル(これは置換または非置換である)から選択される)
による化合物、
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物。
【請求項4】
一般式Ia:
【化5】

(式中、
nは0または1から選択され;
pは1または2から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、下記の式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【化6】

を形成する)
を有する、請求項1、2または3に記載の化合物。
【請求項5】
一般式II:
【化7】

(式中、
pは1または2から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【化8】

を形成する)
を有する、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
一般式III:
【化9】

(式中、
pは1または2から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【化10】

を形成する)
を有する、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
一般式IIaまたは一般式IIb:
【化11】

(式中、
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【化12】

を形成する)
のいずれか1つを有する、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
一般式IIIaまたは一般式IIIb:
【化13】

(式中、
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、Rは、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【化14】

を形成する)
のいずれか1つを有する、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
が、H、CHまたはCから選択され、特に、RがCHから選択されることを特徴とする、請求項4〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
が、
水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリールから選択され、
好ましくは、Rが、水素、場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたアルキル−ヘテロアリール
から選択されることを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
が、
水素;場合により少なくとも一置換されたC4〜12脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換された(CH1〜6−アリール、場合により少なくとも一置換された(CH1〜6アルキル−ヘテロアリールから選択され、
好ましくは、Rが、水素、場合により少なくとも一置換されたC4〜10脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である);(CH1〜4−アリール(これは置換または非置換である);(CH1〜4−ヘテロアリール(置換または非置換である)から選択され、
より好ましくは、Rが、水素;場合により少なくとも一置換された直鎖C4〜10アルキル;場合により少なくとも一置換された(CH1〜4−アリール;場合により少なくとも一置換された(CH1〜4アルキル−ヘテロアリール
から選択されることを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
が、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【化15】

を形成することを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
下記:
1’−ベンジル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](1)(2)
3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](4)(5)
3−メトキシ−1’−(3−フェニルプロピル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](6)(7)
3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](8)(9)
1’−ブチル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](10)(11)
1’−ヘキシル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](12)(13)
3−メトキシ−1’−オクチル−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](14)(15)
1’−デシル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピペリジン](16)(17)
1’−ベンジル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](18)
3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](20)
3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](21)
1’−ブチル−3−メトキシ−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](22)
3−メトキシ−1’−オクチル−3,4−ジヒドロスピロ[[2]ベンゾピラン−1,3’−ピロリジン](23)
1’−ベンジル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](25)
3−メトキシ−1’−(2−フェニルエチル)−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](27)
3−メトキシ−1’−(4−フェニルブチル)−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](28)
1’−ブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](29)
3−メトキシ−1’−オクチル−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](30)
N,N−シクロブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジニウムブロミド](31)、または
1’−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)−ブチル)−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,3’−ピロリジン](34);
場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物;
から選択されることを特徴とする、請求項4〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
一般式IV:
【化16】

(式中、
nは0または1から選択され;
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基;場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択されるか、
あるいは、
は、結合した窒素と一緒になって、その窒素をシクロアルキル−スピロ複合体において結合させ、これにより、式X(式中、qは1または2である)による第四級アンモニウム:
【化17】

を形成し、
ただし、
・nが0であり、かつ、RがHまたはCHのいずれかであるとき、RはCH−Cではなく、また、
・nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない)
を有する、請求項2に記載の化合物。
【請求項15】
一般式IVaまたは一般式IVb:
【化18】

(式中、
は、H、C1〜6アルキルから選択され;
は、水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基;場合により少なくとも一置換されたアルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、アルキル−シクロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルから選択され、
ただし、
・nが0であり、かつ、RがHまたはCHのいずれかであるとき、RはCH−Cではなく、また、
・nが1であり、かつ、Rが、H、CHまたはCのいずれかであるとき、Rは、CH−C、(CH−C、(CH−C、(CH−C、CH、HまたはCではない)
のいずれか1つを有する、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が、H、CHまたはCから選択され、特に、RがCHから選択されることを特徴とする、請求項14または15に記載の化合物。
【請求項17】
が、
水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリールから選択され;
好ましくは、Rが、場合により少なくとも一置換されたC4〜12脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である)から選択されることを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
が、
水素;場合により少なくとも一置換されたC1〜18脂肪族基(飽和または不飽和で、直鎖または分岐である);場合により少なくとも一置換されたアリールもしくはアルキル−アリール;場合により少なくとも一置換されたヘテロアリールもしくはアルキル−ヘテロアリールから選択されることを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
が、C4〜12アルキル(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である)から、好ましくは、C4〜10アルキル(飽和または不飽和で、直鎖または分岐で、置換または非置換である)から、最も好ましくは、C4〜10アルキル(飽和で、直鎖で、置換または非置換である)から選択されることを特徴とする、請求項14〜16のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
下記:
N,N−シクロブチル−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,4’−ピペリジニウムブロミド](32)、
1’−(4−(1H−イミダゾール−1−イル)−ブチル)−3−メトキシ−3H−スピロ[[2]ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](35)、または
【化19】

場合によりその立体異性体(好ましくは、エナンチオマーまたはジアステレオマー)の1つの形態での化合物、ラセミ体、もしくは、その立体異性体(好ましくは、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)の少なくとも2つの任意の混合比での混合物の形態での化合物、または、その対応する塩、または、その対応する溶媒和物;
から選択されることを特徴とする、請求項14に記載の化合物。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれかに定義される化合物、あるいは、その医薬的に許容され得る塩、プロドラッグ、異性体または溶媒和物と、医薬的に許容され得る担体、補助剤またはビヒクルとを含む医薬組成物。
【請求項22】
医薬品の製造における、請求項1〜20のいずれかに定義される化合物の使用。
【請求項23】
シグマ受容体媒体の疾患または状態を処置または予防するための医薬品の製造における、請求項1〜20のいずれかに定義される化合物の使用。
【請求項24】
前記疾患が、下痢、リポタンパク質障害、メタボリック症候群、上昇したトリグリセリドレベルの処置、カイロミクロン血症、高リポタンパク血症;高脂血症(特に、混合型高脂血症);高コレステロール血症、異βリポタンパク血症、高トリグリセリド血症(突発性障害および家族性障害(遺伝性高トリグリセリド血症)の両方を含む)、片頭痛、肥満、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習欠陥、記憶欠陥および注意欠陥、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患、薬物および化学物質(コカイン、アンフェタミン、エタノールおよびニコチンを含む)に対する嗜癖、遅発性ジスキネジア、虚血性発作、てんかん、脳卒中、うつ病、ストレス、精神病状態、統合失調症;炎症、自己免疫疾患またはガンである、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
前記疾患が、痛み(特に、神経障害性痛み、炎症性痛みまたは他の痛み状態)、異疼痛および/または痛覚過敏であり、特に機械的異疼痛である、請求項23に記載の使用。
【請求項26】
薬理学的ツールとしての、あるいは、抗不安薬または免疫抑制剤としての、請求項1〜20のいずれかに定義される化合物の使用。

【公表番号】特表2009−534344(P2009−534344A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505798(P2009−505798)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003554
【国際公開番号】WO2007/121976
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(508315187)
【Fターム(参考)】