説明

システム、情報処理装置、画像形成装置及びそれらの方法

【課題】 画像形成装置を含むシステムにおいて、それら装置を管理する管理者にとって柔軟な管理のための仕組みを提供する。
【解決手段】 画像形成装置及び情報処理装置を含むシステムであって、ユーザにより画像形成装置の状態を即時に確認するかを設定し、前記画像形成装置から当該画像形成装置の状態の変化に基づく状態ログを含むファイルを外部のファイルサーバに送信し、前記情報処理装置において前記システムに含まれる画像形成装置のリストを画面に表示し、状態を即時に確認することが設定されている画像形成装置に関しては、前記リストにおいて該装置の状態の確認を指示するためのボタン表示が行われ、前記リストから状態の確認の指示が行われた場合に、画像形成装置から送信されたファイルに含まれる状態ログに基づいて当該画像形成装置のステータス表示を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置を監視するシステムにおける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からプリンタ、ファクシミリ、複合機などの画像形成装置の情報を収集し、監視するシステムが提案されている。被監視装置である画像形成装置と監視装置は、ネットワークに接続され、相互に通信が可能である。
【0003】
また、特許文献1では、周辺装置のジョブのステータス情報をファイルサーバに蓄積し、ネットワークに接続されるワークステーションから確認できるようにしている。これにより、ネットワーク上の複数のワークステーションが個別にネットワーク上の周辺装置にアクセスすることなどで発生する通信負荷などを抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−039237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、被監視装置である画像形成装置を監視するシステムにおいては、ジョブのステータス以外の情報も監視対象とすることがある。例えば、ジャムやエラーといった障害などのステータス情報である。このように、監視対象とするステータス情報の内容には様々なものがあるので、画像形成装置のステータス情報は管理者が意図するような適切なタイミング、出力形式で画像形成装置から外部に送信され、システムで管理されるべきである。また、たくさんの画像形成装置がシステムに含まれ、それらを管理者が管理する場合においては、優先的にその状態を確認すべきである画像形成装置が存在する。そういった場合は効率の良い管理のため管理者がいくつかの画像形成装置だけ特別な設定を柔軟に行えるようにするべきである。画像形成装置だけ、前述の特許文献1に関しては、被監視装置からファイルサーバへステータス情報を送信する際に、このようなことは考慮されておらず、その点が課題となる。
【0006】
そこで本発明では、画像形成装置を含むシステムにおいて、それら装置を管理する管理者にとって柔軟な管理のための仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置及び情報処理装置を含むシステムでは、ユーザにより画像形成装置の状態を即時に確認するかを設定するための設定手段と、前記画像形成装置から当該画像形成装置の状態の変化に基づく状態ログを含むファイルを外部に送信する送信手段と、前記情報処理装置において前記システムに含まれる画像形成装置のリストを画面に表示するための表示制御手段とを有し、前記画像形成装置は特定の期間に記録した状態ログをまとめた1つのファイル、または記録した状態ログごとに生成したファイルを送信し、前記設定手段により状態を即時に確認することが設定されている画像形成装置に関しては、前記リストにおいて該装置の状態の確認を指示するための表示が行われ、前記リストから画像形成装置の状態の確認の指示が行われた場合に、前記表示制御手段が、前記画像形成装置から送信されたファイルに含まれる状態ログに基づいて当該画像形成装置のステータス表示を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置を含むシステムにおいて、管理者にとって柔軟な管理のための仕組みを提供でき、管理者の意図に応じた効率の良い管理が行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明における、ネットワーク上の配置を示す図である。
【図2】PC102やファイルサーバ103などの情報処理装置の構成を示す図である。
【図3】画像形成装置の構成を示す図である。
【図4】画像形成装置のソフトウェア構成を示す図である。
【図5】デバイスリストの表示例を示す図である。
【図6】ステータスリストの表示例を示す図である。
【図7】PC102で動作する管理プログラムに係る手順を示すフローチャートである。
【図8】ファイルリストを取得するためのフローチャートである。
【図9】画像形成装置で動作する監視プログラムに係る手順を示すフローチャートである。
【図10】管理プログラムが提供する設定UIの例を示す図である。
【図11】PC102で動作する管理プログラムに係る手順を示すフローチャートである。
【図12】ファイルサーバ103でファイルとして管理される状態ログの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本実施形態のコンピュータを監視システムの全体の構成を説明するブロック図である。
【0012】
101は画像形成装置、102は管理者のPC(Personal Computer)、103はファイルサーバであり、ネットワーク107を介して通信可能に接続されている。画像形成装置101では、監視プログラム104が動作しており、自機の状態に変化があれば記録し、ファイルサーバ103に対して状態ログを書き込む処理を行う。PC102上では、ネットワーク上の画像形成装置の監視し、管理するための管理プログラム105が動作している。ファイルサーバ103には共有フォルダ106が用意され、監視プログラム104や管理プログラム105がファイルとして状態ログの書き込み及び読み込みなどを行う。また、ネットワーク上に複数の画像形成装置が存在する場合も、以下説明する、本発明は適用可能である。
【0013】
図2は、PC102などの情報処置装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、201はCPU、即ち中央処理装置であり、このコンピュータ装置全体の制御および演算処理等を行うものである。202はROM即ち読み出し専用メモリであり、システム起動プログラムの情報等の記憶領域である。203はRAM即ちランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域であり、オペレーティングシステム(OS),アプリケーション、画像形成装置ドライバおよび通信制御などのプログラムがロードされ、実行される領域である。204は入力部であり、キーボードやマウスなどによる入力をデータとしてCPUなどへ伝達する。205は表示制御部であり、CRTなどのディスプレイ装置への表示制御をする。206はハードディスク(HD)装置等の外部記憶装置であり、プログラムおよび各種データを記憶しておき、実行時に必要に応じて参照またはRAMへロードする。207は通信部であり、ネットワーク通信制御を行うものであり,図1で説明したようにネットワークに接続された他のコンピュータや周辺機器との通信が可能である。208はシステムバスであり、上述の構成要素間のデータの通路となるべきものである。
【0014】
図3は、画像形成装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施例においては、画像形成装置としては、プリンタ及び複数の機能(プリント機能及びスキャン機能など)を備える複合機などが適用可能である。ここでは、複合機の構成を例として説明している。
【0015】
300は画像形成装置全体を示す。305は画像形成装置全体を制御するコントローラ部である。コントローラの内部構成として301はCPU、即ち中央処理装置であり、このコントローラの制御および演算処理等を行うものである。302はROM即ち読み出し専用メモリであり、システム起動プログラムの情報等の記憶領域である。303はRAM即ちランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域であり、304はHD即ちハードディスクあるいはSRAMなど不揮発性記憶装置である。RAM303は、オペレーティングシステムや通信制御およびエンジン制御などのプログラムがロードされ、実行されたり、データが記憶されたりする領域である。306はスキャナであり、画像読み取り動作をする。307はプリンタであり、コントローラの制御のもとで印刷動作をする。308は操作部であり、ユーザからの指示を受け付けたり、あるいは、表示を行ったりする。309は通信部であり、ネットワーク通信制御を行うものであり,他の画像形成装置やコンピュータとの通信が可能である。310はシステムバスであり、上述の構成要素間のデータの通路となるべきものである。
【0016】
図4は本発明の画像形成装置101のソフトウェア構成図である。本ソフトウェアはROM302あるいはHD部304に記憶され、画像形成装置起動時にRAM303にロードされ、実行される。
【0017】
401はOSであり、画像形成装置全体の資源を管理/制御する。API402は、OS401上で動作するアプリケーションのためのインタフェースである。アプリケーションはAPI402を通じて、画像形成装置上のリソースにアクセスしたり、CPUでコマンドを実行したりすることができる。403はOS401上で動作するコントローラ制御部であり、スキャナ306、プリンタ307、操作部308などを制御する。404はリソース管理部であり、コントローラ制御部403、後述する仮想マシン仮想マシン405上の全アプリケーションがメモリ等のリソース資源を使用する際、予め決められた以上の資源が使用できないように制限するものである。仮想マシン405は、特定のアプリケーションを実行するために最適な実行環境であり、例えば、Java(米国サンマイクロシステムズの登録商標)の仮想マシンなどにより実現されるものである。API406は、仮想マシン405上で動作するアプリケーションが、コントローラ制御部403、リソース管理部404、API402などを利用するためのインタフェースである。407はアプリケーション管理アプリケーションであり、仮想マシン405上で動作するアプリケーションを管理する。後述するアプリケーションのダウンロード、アップロード、消去、有効無効化を行うものである。408は仮想マシン405上で動作するアプリケーションのひとつである。画像形成装置には期待される役割に応じて、任意の機能を持つアプリケーションを任意の数だけインストールし、動作させることが可能である。前述した監視プログラム104もアプリケーション408として動作させることができる。
【0018】
次に本実施形態における管理プログラム105の処理を説明する。管理プログラム105は、HD部206に記録されており、RAM203に読み出されて、CPU201で実行される。
【0019】
図5は、PC102上で管理プログラム105が起動された際に表示されるダイアログ画面501の例である。
【0020】
502は、管理対象となる画像形成装置を表示するデバイスリストである。図に示すように、カラムとして、製品名/デバイス名/シリアル番号/IPアドレス/状態の表示ボタンを含む表形式になっている。製品名とは製品の種類(モデル)を示すものである。デバイス名とは、個々の画像形成装置にユーザが任意でつけることができる名前である。シリアル番号とは、個々の画像形成装置それぞれを一意に特定できる番号である。IPアドレスとは、ネットワーク上で一意とするために設定される情報である。状態欄には、画像形成装置の設定に応じて、後述のステータスリストが表示可能であれば「表示」ボタンを表示する。
【0021】
503は、画像形成装置を追加するためのボタンであり、IPアドレスなどの画像形成装置を特定するための情報をもとに、デバイスリスト502に画像形成装置を新たに追加する。画像形成装置を新たに追加されるときには、管理プログラム105が動作するPC102と監視プログラム104が動作する画像形成装置とが通信して、共有フォルダ106のパスおよびアクセス用の認証情報などを取得され、管理プログラム105で管理される。504は、デバイスリスト502で選択された画像形成装置を削除する。505は、501のウインドウを閉じるためのボタンである。506は、状態を表示するためのボタンである。このボタンは画像形成装置の設定がある条件を満たしたときだけ表示される。表示するか否かを判断する手順は後述する。
【0022】
図6は、図5における状態表示ボタン506の押下がユーザに指示された際のステータス表示画面601を示す。
【0023】
602は状態ログに基づき生成されるステータスリストである。ステータスリスト602は、後述する図7の処理により生成(更新)される。ステータスリスト602の各行は一つの状態ログであり、ログごとに識別番号であるID、ログ生成の日時、状態の緊急度の簡易表示であるアイコン、状態の種類、メッセージのカラムを持つ表になっている。603は、この画面を閉じるボタンである。
【0024】
図7のフローチャートを用いて、PC102で動作する管理プログラム105のステータスリスト602を表示するための手順を説明する。なお、ここで説明する管理プログラム105による各手順は、プログラムをRAM203に読み出し、CPU201が実行することで実現される。
【0025】
まず図7(a)は、図5のボタン506の押下をユーザにより指示された際のステータスリストの作成、表示処理の説明のためのフローチャートである。
【0026】
S701において、図5のボタン506の押下に基づく、ステータス表示を受け付ける。なお、以降で説明する一連のステータス表示(図6)のための処理においては、図5でステータスの表示指示された画像形成装置を対象となる画像形成装置と呼ぶ。S702において、表示されるべき状態ログを一時的に格納する表示候補リストを生成する。
【0027】
S703において、状態ログをファイルとして蓄積している共有フォルダのファイルリストを得る。この処理については図8で後述する。
【0028】
S704において、ファイルリストから1つのファイルを取り出す。S705において、S704でファイルが取り出せなかった場合は、ファイルリスト中のすべてのファイルを処理したとしてS709に移り、ファイルが取り出せればS706に移る。S706において、取り出したファイルが、日毎ファイル(図12(a))か、イベント毎ファイル(図12(b))かを判別し、イベント毎であればS707に、日毎であればS708に移る。ここでの判別は、例えば、ファイル名として1日おきの日付が付与されているかや、イベントの通し番号が付与されているか否かなどの情報をもとに行ってもよい。他の判別方法としては、ファイル内に記録された情報からログの日付、内容などを識別して、判別してもよい。
【0029】
ファイルサーバ103の共有フォルダで管理されている日毎ファイル、イベント毎ファイルについて説明する。図12(a)で示す日毎ファイルとは、画像形成装置が1日に発生した故障などのイベント情報を示す状態ログを1つのファイルでまとめて生成されたものである。ファイル名には、デバイス名と日付の情報が含まれている。尚、本実施例では、所定日数ごと(1日ごと)に状態ログを日毎ファイルとしてファイルサーバに記憶されている例を説明しているが、所定時間・月ごとなど、管理者などが指定する任意の期間毎にファイルとして状態ログを記録されているものであってもよい。図12(b)で示すイベント毎ファイルとは、画像形成装置が故障などのイベントが発生する度に、その情報を示す1つの状態ログを1つのファイルとして生成されたものである。画像形成装置はファイル生成とともに共有フォルダに格納、または、いくつかのファイルをまとめて格納するようにしてもよい。ファイル名には、デバイス名、日付と発生イベントの通し番号などの情報が含まれている。
【0030】
S707において、ファイルに含まれる状態ログを表示候補リストに追加し、S704に戻る。S708において、日毎ファイルを読み込み、ファイルに含まれる状態ログを表示候補リストに追加し、S704に戻る。
【0031】
S709において、表示候補リストについて、ログIDをキーに昇順でソートする。S710において、表示対象となる管理者などが設定した期間(例えば、過去7日間)以外の状態ログを削除する。S711において、表示候補リストに含まれるログIDを表示済みのログIDとして記録する。本実施例では、例えば、一番大きなログIDを表示済みIDとして記録しておき、後述のS729の処理で用いるものとしている。S712において、ここまでで編集した表示候補リストを用いて、図6のようなステータスリスト602を表示する。その後、S713において、表示更新などの制御を行うため図7(b)で示す処理に移る。
【0032】
図7(b)は、図6のステータスリストの表示後、閉じるボタン603の押下がユーザに指示されるまでの処理の説明のためのフローチャートである。
【0033】
S720において、タイマーをセットする。以後、本処理が、OSから定期的に呼ばれるようになる。S721において、S720でセットしたタイマーがタイムアップしたか、図6の閉じるボタン603の押下による終了要求が受けたかを判断する。終了要求を受けた場合は図6のステータス表示を終了するとともに、S734に移る。タイムアップした場合は、S722に移る。S722において、現在のステータス表示のために図7(a)で生成された表示候補リストを読み出す。以下の処理では読み出した表示候補リストに新たな状態ログを追加することで表示を更新しているが。ほかにも、表示更新用の候補リストを新たに作成して、マージすることにより、図6の表示を更新するようにしてもよい。
【0034】
S723において、状態ログをファイルとして蓄積している共有フォルダのファイルリストを得る。この処理については図8で後述する。
【0035】
S724において、ファイルリストから1つのファイルを取り出す。S725において、S724でファイルが取り出せなかった場合は、ファイルリスト中のすべてのファイルを処理したとしてS730に移り、ファイルが取り出せればS726に移る。S726において、取り出したファイルが、日毎ファイル(図12(a))か、イベント毎ファイル(図12(b))かを判別し、イベント毎であればS727に、日毎であればS729に移る。
【0036】
S727において、当該ファイルが読み込み済みか判定する。読み込み済みであれば、S724へ、読み込み済みでなければS728に進み、ファイルに含まれる状態ログを表示候補リストに追加する。その後、S724に戻る。S729において、日毎ファイルを読み込み、ファイル内で記憶されている表示済みである状態ログのログIDより後のログIDを持つ状態ログを表示候補リストに追加する。その後、S724に戻る。
【0037】
S730において、表示候補リストについて、ログIDをキーに昇順でソートする。S731において、表示対象となる管理者などが設定した期間(例えば、過去7日間)以外の状態ログを削除する。S732において、表示候補リストに含まれるログIDを表示済みのログIDとして記録する。本実施例では、例えば、一番大きなログIDを表示済みIDとして記録しておき、S729の処理で用いるものとしている。S733において、ここまでで編集した表示候補リストを用いて、図6で表示されているステータスリスト602に新たな状態ログが追加表示されるよう表示を更新する。そして、S720に戻る。
【0038】
S734において、管理プログラム105が状態ログを置いているファイルサーバのフォルダへの書き込み権限があるかを確認する。書き込み権限があれば、S735に進み、なければ終了する。S735において、イベント毎ファイルとして管理されている場合には、作成された表示候補リストを用いて、日毎ファイルとして再構成する。なお、本ステップは、フォルダ内のファイル数を少なくすることを目的としているが、必須の処理ではない。ファイルサーバ103の共有フォルダのファイル数などを常に確認して、画像形成装置の状態などを認識したい管理者の場合は、当然S735の処理は不要である。
【0039】
図8のフローチャートを用いて、図7のS704における手順の詳細を説明する。
【0040】
S801において、PC102がファイルサーバ103からファイルを取得する際のネットワークプロトコルがSMBであるか、それ以外か判別する。SMBであればS802に、そうでなければS803に進む。SMBとはServer Message Blockの略であり、米国マイクロソフト社のWindows(登録商標) OSにおいて、共有フォルダや共有プリンタの実装に使用されているプロトコルである。SMBでは、フォルダからファイルリストを得る際に、検索条件を指定することができる。その他のプロトコルでは、指定できないものがある。
【0041】
S802において、検索パラメータを設定する。S803において、S802のパラメータを与えて、指定フォルダに置かれている指定のファイルを得る。ここでは、対象となる画像形成装置の状態ログを含むファイルだけがリスト化され、取得される。
【0042】
S804において、指定フォルダのすべてのファイルを含むファイルリストを得る。S805において、S804で取得したファイルリストから1つのファイルを取りだす。S806において、S805で既にファイルリストから全てのファイルを取り出していたかを判別し、全て取りだしていた場合は終了し、ファイルを取り出せた場合はS807に移る。S807において、対象となる画像形成装置の状態ログを記録したファイルか判別し、そうでなければS808においてファイルリストから該当ファイルを削除する。ここでの判別方法としては、ファイル名に画像形成装置の固有情報(デバイス名など)を埋め込むことで判別してもよい。また、画像形成装置の固有情報(デバイス名など)をファイル内に埋め込むことで判別してもよい。
【0043】
図9のフローチャートを用いて、画像形成装置101で動作する監視プログラム104の処理手順を説明する。本処理は、後で詳しく説明する図10で示す設定UI(ユーザインターフェース)を介して入力された設定に応じた動作を行うことになる。また、本処理は図10における設定に応じて監視を続け、監視処理を中止する指示を管理者から受けた場合等に本処理の終了することになる。なお、ここで説明する管理プログラム104による各手順は、プログラムをRAM303に読み出し、CPU301が実行することで実現される。
【0044】
S905において、タイマーをセットし、S906において、タイムアップまで待機する。タイムアップすると、S907に移り、画像形成装置の状態や各種設定値を取得する。S908において、S907で取得した状態などの値をRAM303またはHD部304に記憶する。S909において、S907で取得した状態や設定値と、以前に取得し、記憶された状態や設定値を比較する。S910において、S908の比較の結果が同じであればS911に進み、違っていればS912に進む。S911において、他のエラーが起きているか判別する。ここでの他のエラーとは、アプリケーションが備える本監視機能以外の機能に関するエラーである。例えば、そのアプリケーションがプリンタ部307で実行されるジョブの履歴を記録する機能があったとすると、その処理に関するエラーが挙げられる。すなわち、このステップで対象とする他のエラーとは、機器から取得する状態情報で得られるもの以外のすべてのエラーを指す。
【0045】
S912において、状態ログを定期的にファイルサーバに保存する設定であるか判別し、そうであればS913に進み、そうでなければS914に進む。ここでの設定は図10の設定UIを介した設定が参照される。S913において、HD部304にS907で取得した状態情報を状態ログとして記録する。
【0046】
S914において、状態ログを即時にファイルサーバの共有フォルダに保存するよう設定されているかを判別し、そうであればS915に、そうでなければS917に進む。ここでの設定は図10の設定UIを介した設定が参照される。S915において、状態ログを一日ごとにファイルを作成するか、状態の変化ごとに作成するかといった状態ログの保存設定を判別する。ここでは図10の設定UIを介した設定が参照され、一日ごとであればS916に進む。状態の変化ごとであればS917に進む。S916において、状態情報を取得した日のファイルに、状態ログを記録(または追記)する。ここでは、ファイル名として、西暦を示す4桁の数値、月を示す2桁の数値、日を示す2桁の数値を含ませるようなファイルが作成されているものとする。S917において、状態ログごとに新規にファイル作成して記録する。ここではファイル名として、日付と状態ログを一意に識別するための通し番号を含ませている。S916、S917で状態ログを記録するファイルの内容としては、日時、画像形成装置の識別情報、IPアドレス、状態を示すコードとそのコードを文字列化したもの、エラータイプ、状態ログの識別番号などが含まれている。識別番号とは、状態ログを一つ出力するたびに一ずつ増加させる通し番号である。
【0047】
S918において、検出した状態変化をメール通知するよう設定されているかを判別し、そうであればS919に、そうでなければS905に戻る。S919において、状態ログをメールで送信する。
【0048】
図10は、監視プログラム104に対する監視設定を行う際に用いる設定UIの例を示す。本画面は、PC102上で動作する管理プログラム105から、監視プログラム104にアクセスしたとき、表示される。なお、監視プログラム104にHTTP(HyperTextTransferProtocol)を実装することで、WEBブラウザでも同様の画面を介した設定処理を行うことができる。
【0049】
1001のチェックボックスで、装置の状態変化を定期的に保存するか否かを指定する。1002では保存先の指定する。ここでは、例えばサーバとパスを指定している。1003、1004では1002にアクセスするためのユーザ名、パスワードを指定する。1005では保存する時刻を指定する。ここでは一日一回の保存とするため、時刻だけにしているが、特定の曜日や特定の月日を指定する設定項目を用意することもできる。
【0050】
1006のチェックボックスで、装置の状態変化をメールで通知するか否かを指定する。1007でメールサーバのアドレスを指定する。1008、1009で1007のメールを送信する際の送信者、通知先を指定する。
【0051】
1010のチェックボックスで、装置の状態変化時にログファイルを即時に更新するか否かを指定する。1011のチェックボックスで、ログファイルを一日ごとにファイルを作成する(図12(a))か、状態の変化ごとにファイルを作成(図12(b))するかを指定する。1012で、保存先となるサーバとパスを指定する。1013、1014は保存先(ファイルサーバ)にアクセスするためのユーザ名、パスワードを指定する。
【0052】
1015のチェックボックスでアプリケーションのエラーを通知するか否かを指定する。1016の複数のチェックボックスで、通知すべきエラーを指定できる。1017の状態変化を通知するか否かを指定する。1018の複数のチェックボックスで、通知すべき状態変化を指定できる。
【0053】
図11のフローチャートを用いて、PC102で動作する管理プログラム105の図5のダイアログを表示するための手順を説明する。なお、ここで説明する管理プログラム105による各手順は、プログラムをRAM203に読み出し、CPU201が実行することで実現される。
【0054】
S1101において、管理プログラム105の管理対象となっている画像形成装置が含まれるデバイスリストのファイルから1つの画像形成装置の情報を読み込む。管理プログラム105は、プログラムの終了時にその時点で自分が表示していた画像形成装置の情報をデバイスリストファイルとして保存している。S1102において、S1101ですべての情報を読み込んだかを判別し、全て読み込んだならS1109に移り、そうでなければS1103に進む。
【0055】
S1103において、S1101で読み込んだ画像形成装置の情報に状態ログに関する設定情報が含まれているか判別し、含まれていればS1104に移る。この設定情報には、状態ログがファイルとして保存されているフォルダのロケーション情報(パスなど)、そのフォルダに対してログインするための認証情報(ユーザー名、パスワード)、状態ログを即時通知するか否かの設定、などが含まれる。S1103で設定情報が含まれていないと判断された場合にS1105に移り、画像形成装置の監視プログラム104で管理している設定情報を取得する。S1106において、S1105の取得処理が成功していればS1104に、失敗した場合はS1108に進む。
【0056】
S1104において、設定情報による設定が即時通知か否かを判別する。即時通知とは、管理プログラム104が状態変化を検知したら、ファイルサーバの共有フォルダに即時にファイルとして状態ログを書き込む設定のことである。即時通知であればS1107に、そうでなければS1108に進む。S1107において、S1101で読み込んだ画像形成装置の情報に関して、表示ボタン506を表示すると決定し、記憶する。S1108においては表示ボタン506を非表示とする。
【0057】
S1109においては、デバイスリストのファイルに基づき、図5で示す表示制御を行う。ここでは、S1107及びS1108の設定を参照して、ボタン506の表示/非表示が決定される。
【0058】
以上説明したように、本実施例では、PC102でデバイスリストを表示するときにイベントの即時通知が設定された画像形成装置だけ、状態ログを用いたステータス表示のためのボタンを用意した。このことで、とくに管理者が状態変化をすばやく認識したいとする画像形成装置に関しては、簡易に詳細な状態情報を提供することが可能となった。結果として、システム内に複数の画像形成装置が存在するような場合などには、管理者の意図に応じた、より効率的な機器管理が行えるようになる。
【0059】
<その他の実施例>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置及び情報処理装置を含むシステムであって、
ユーザにより画像形成装置の状態を即時に確認するかを設定するための設定手段と、
前記画像形成装置から当該画像形成装置の状態の変化に基づく状態ログを含むファイルを外部に送信する送信手段と、
前記情報処理装置において前記システムに含まれる画像形成装置のリストを画面に表示するための表示制御手段とを有し、
前記画像形成装置は特定の期間に記録した状態ログをまとめた1つのファイル、または記録した状態ログごとに生成したファイルを送信し、
前記設定手段により状態を即時に確認することが設定されている画像形成装置に関しては、前記リストにおいて該装置の状態の確認を指示するための表示が行われ、
前記リストから画像形成装置の状態の確認の指示が行われた場合に、前記表示制御手段が、前記画像形成装置から送信されたファイルに含まれる状態ログに基づいて当該画像形成装置のステータス表示を行うことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記画像形成装置から送信されたファイルが、特定の期間に記録した状態ログをまとめた1つのファイル及び記録した状態ログごとに生成したファイルの何れ形式で記憶されていても、同様のステータス表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
画像形成装置及び情報処理装置を含むシステムにおける方法であって、
ユーザにより画像形成装置の状態を即時に確認するかを設定するための設定工程と、
前記画像形成装置から当該画像形成装置の状態の変化に基づく状態ログを含むファイルを外部に送信する送信工程と、
前記情報処理装置において前記システムに含まれる画像形成装置のリストを画面に表示するための表示制御工程とを有し、
前記画像形成装置は特定の期間に記録した状態ログをまとめた1つのファイル、または記録した状態ログごとに生成したファイルを送信し、
前記設定工程で状態を即時に確認することが設定されている画像形成装置に関しては、前記リストにおいて該装置の状態の確認を指示するための表示が行われ、
前記リストから画像形成装置の状態の確認の指示が行われた場合に、前記表示制御工程において、前記画像形成装置から送信されたファイルに含まれる状態ログに基づいて当該画像形成装置のステータス表示が行われることを特徴とするシステム。
【請求項4】
画像形成装置を管理するための情報処理装置であって、
ユーザにより、画像形成装置の状態を即時に確認するかを設定するための設定手段と、
画像形成装置のリストを画面に表示するための表示制御手段とを有し、
前記設定手段により状態を即時に確認することが設定されている画像形成装置に関しては、前記リストにおいて該装置の状態の確認を指示するための表示が行われ、
前記リストから画像形成装置の状態の確認の指示が行われた場合に、前記表示制御手段が、前記画像形成装置から外部に送信されたファイルに含まれる状態ログに基づいて、当該画像形成装置のステータス表示を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
画像形成装置では特定の期間に記録した状態ログをまとめた1つのファイル、または記録した状態ログごとに生成したファイルを生成され、
前記表示制御手段は、ファイルが特定の期間に記録した状態ログをまとめた1つのファイル及び記録した状態ログごとに生成したファイルの何れの形式で記憶されていても、同じステータス表示を行うことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定手段は、画像形成装置が自装置の状態をメールで通知するか否かを設定することができることを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定手段は、画像形成装置が状態ログとして記録する状態変化の種類を設定することができることを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
画像形成装置を管理するための情報処理装置における方法であって、
ユーザにより、画像形成装置の状態を即時に確認するかを設定するための設定工程と、
画像形成装置のリストを画面に表示するための表示制御工程とを有し、
前記設定工程で状態を即時に確認することが設定されている画像形成装置に関しては、前記リストにおいて該装置の状態の確認を指示するための表示が行われ、
前記リストから画像形成装置の状態の確認の指示が行われた場合に、前記表示制御工程において、前記画像形成装置から外部に送信されたファイルに含まれる状態ログに基づいて、当該画像形成装置のステータス表示が行われることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項4乃至7の何れか1項に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
自装置の状態の変化に検出し、状態ログを生成する生成手段と、
前記生成された状態ログを、特定の期間に記録した状態ログをまとめた1つのファイル、または記録した状態ログごとに生成したファイルとして、外部のサーバへ送信する送信手段とを備え、
前記サーバに送信されたファイルに含まれる状態ログに基づいて自装置のステータス表示が行われることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置における方法であって、
自装置の状態の変化に検出し、状態ログを生成する生成工程と、
前記生成された状態ログを、特定の期間に記録した状態ログをまとめた1つのファイル、または記録した状態ログごとに生成したファイルとして、外部のサーバへ送信する送信工程とを備え、
前記サーバに送信されたファイルに含まれる状態ログに基づいて当該画像形成装置のステータス表示が行われることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項10に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−119870(P2011−119870A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273884(P2009−273884)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】