説明

シャシー構造

【課題】 シャシーがねじられる向きの力に対する剛性を軽減可能とすると共にサスペンションを簡易化して、車両の軽量化を図ったシャシー構造を得る。
【解決手段】 シャシー10の前部側に一対の前輪であるタイヤ16Aが配置されると共に、後部側に一対の後輪であるタイヤ16Bが配置される構造にされている。一対のタイヤ16Aが配置されたシャシー10の前部側を前部分割フレーム12が形成すると共に、一対のタイヤ16Bが配置されたシャシー10の後部側を後部分割フレーム14が形成する形で、このシャシー10は分割される。一対の分割フレーム12、14の下部側には、前部分割フレーム12と後部分割フレーム14との間をシャシー10の前後方向に沿った軸線R廻りに、相対回転可能にする連結部材である回転連結機構30が設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャシーがねじられる向きの力に対する剛性を軽減可能とすると共にサスペンションを簡易化して、車両の軽量化が図られたシャシー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両は、シャシーが一体化された構造になっていた。この為、悪路の内でも特に、車両の前輪が接地している部分と後輪が接地している部分との間で、路面の傾斜が相違しているような箇所を通過する際には、シャシーをねじる向きの力が路面側から加わり、これに伴ってシャシーに大きな衝撃が路面から伝わることがあった。
【0003】
従って、従来の車両では、前部側と後部側との間で路面の傾斜が相違してねじれがシャシーに生じた時であっも、シャシーを破損しない為に、シャシーがねじられる向きの力に対する剛性を高める必要を有していた。さらに、上記のような悪路の箇所では、衝撃を吸収して低減するためのサスペンションの負担が大きくなる結果、これに対応できるような高剛性のサスペンションが必要であった。
【0004】
一方、従来技術として、特許文献1である下記の特開平7−313738号公報に開示されるような車両の中程ではシャシーを折り曲げ可能な構造にして、障害物を乗り越える際などにシャシーを折り曲げるようにしたものが、知られている。しかし、この構造であっても、前輪が接地している部分と後輪が接地している部分との間で、路面の傾斜が相違した箇所を車両が通過する際には、シャシーをねじる向きの力が路面側から加わる結果として、路面からシャシーに伝わる衝撃を緩和することはできなかった。
【特許文献1】特開平7−313738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上より、従来の車両では、前輪が接地している部分と後輪が接地している部分との間で、路面の傾斜が相違するような箇所をこの車両が通過する際に、シャシーをねじる向きの力が路面側から加わるのに伴って、シャシーに大きな衝撃が伝わることがあった。この為、シャシーがねじられる向きの力に対しての車両の剛性を高める必要が生じたり、衝撃を吸収して低減するために高剛性のサスペンションが必要となることから、車両の軽量化が図れなかった。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、シャシーがねじられる向きの力に対する剛性を軽減可能とすると共にサスペンションを簡易化して、車両の軽量化が図られたシャシー構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係るシャシー構造は、前輪と後輪が配置されたシャシーを有したシャシー構造であって、
前記前輪と前記後輪との間でシャシーを分割することで、前部分割フレーム及び後部分割フレームにより形成された一対の分割フレームと、
前記シャシーの前後方向に沿った軸線廻りに、前記分割フレーム間を相対回転可能に繋ぐ連結部材と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に係るシャシー構造の作用を以下に説明する。
本請求項によれば、一対の前輪が接地している部分と一対の後輪が接地している部分との間で、路面の傾斜が相違するような箇所を車両が通過することがある。この通過の際には、シャシーの前後方向に沿った軸線廻りに、連結部材が一対の分割フレーム相互間を相対的に回転し、一対の前輪及び一対の後輪がそれぞれ接地している部分の傾斜に沿って、一対の分割フレームがそれぞれ傾斜するようになる。
【0009】
この為、一対の分割フレーム相互間が、路面の傾斜に合わせて連結部材により相対的に回転するので、ねじる向きの力が路面側からシャシーを構成する一対の分割フレームに加わらず、これに伴って路面からシャシーに大きな衝撃も伝わらないようになった。この結果として、シャシーをねじる向きの力に対する剛性を高める必要がなくなるので、シャシーの軽量化が図れるようになる。
【0010】
さらに、車両の前後部間で路面の傾斜が異なっていても、上記のように路面から大きな衝撃が一対の分割フレームに加わらないのに伴い、例えば段差等により車両の左右輪間で生じる高さの違いで起きる衝撃のみを、サスペンションで緩和すれば良いことになるので、サスペンションに加わる負担が減ることになる。従って、高剛性のサスペンションを必要としなくとも良くなるので、サスペンションを簡易化して軽量なサスペンションに変更可能となる結果として、上記と同様にシャシーの軽量化が図れるようになる。
【0011】
以上より、本請求項のシャシー構造によれば、シャシーがねじられる向きの力に対する剛性を軽減可能とすると共にサスペンションを簡易化することで、車両の軽量化が図られることになる。また、これに伴って衝撃緩和効果が高まることになる為、車両の乗り心地も向上することにもなる。
【0012】
請求項2に係るシャシー構造の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、一対の分割フレームが、シャシーの前部側を形成する前部分割フレーム及び、シャシーの後部側を形成する後部分割フレームにより構成され、連結部材が、一対の分割フレームの下部側に配置され且つ前部分割フレームと後部分割フレームとの間を相対回転可能にする回転連結機構とされるという構成を有している。
【0013】
つまり、連結部材が、一対の分割フレームをそれぞれ構成する前部分割フレームと後部分割フレームとの間を相対回転可能にした回転連結機構とされたことで、シャシーの前後方向に沿った軸線廻りに一対の分割フレームがより容易に相対回転するようになった。さらに、一対の分割フレームの下部側に回転連結機構が配置されていることから、この回転連結機構が、一対の分割フレームの上部に配置されることになるボディの邪魔にならないようになり、車両の設計の自由度が高まる。
【0014】
請求項3に係るシャシー構造の作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、前部分割フレームの一部を形成する前部受け部と、後部分割フレームの一部を形成する後部受け部と、これら受け部にそれぞれ取り付けられた少なくとも一対のベアリングと、各ベアリングに嵌め合わされて前部受け部と後部受け部との間を繋ぐ軸部材と、により連結部材が形成されたという構成を有している。
【0015】
つまり、前部受け部及び後部受け部にそれぞれ取り付けられている各ベアリングに、軸部材が嵌め合わされて、前部受け部と後部受け部との間をこの軸部材が繋いだ形に、連結部材が形成されている。この為、車両が長期間使用されて、この連結部材により一対の分割フレーム間が多数回相対回転した場合であっても、軸部材が嵌め合わされているベアリングの存在によって、耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明の上記構成によれば、シャシーがねじられる向きの力に対する剛性を軽減可能とすると共にサスペンションを簡易化して、車両の軽量化が図られたシャシー構造を提供できるという優れた効果をも有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るシャシー構造の一実施の形態を、図1から図8に基づき説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両を下方から見た斜視図である。図2は、本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両の側面図である。図3は、本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両の平面図である。図4は、本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両の背面図である。本実施の形態は、例えば電気自動車等の車両に採用されており、このような車両の下部を車体であるシャシー10が図1から図4に示すように構成されている。また、このシャシー10の前部側に一対の前輪であるタイヤ16Aが配置されると共に、このシャシー10の後部側に一対の後輪であるタイヤ16Bが配置される構造になっていて、各タイヤ16A、16Bで図2及び図4に示す路面Aと接地される形に、この車両はされている。
【0019】
但し、このシャシー10は、一対の分割フレーム12、14に分割されている。つまり、一対のタイヤ16Aが配置されたシャシー10の前部側を前部分割フレーム12が形成すると共に、一対のタイヤ16Bが配置されたシャシー10の後部側を後部分割フレーム14が形成する形で、このシャシー10は分割されている。
【0020】
そして、前部分割フレーム12には、車両進行方向であるシャシー10の前後方向と直交して延びる前部ブラケット20Aがこの前部分割フレーム12の一部として取り付けられている。後部分割フレーム14には、同様にシャシー10の前後方向と直交して延びる後部ブラケット20Bがこの前部分割フレーム12の一部として取り付けられている。前部ブラケット20Aのそれぞれ両端側の箇所には、図示しない舵角センサを内蔵した操舵モータ18Aがそれぞれ固定されており、同様に後部ブラケット20Bのそれぞれ両端側の箇所には、同様に舵角センサを内蔵した操舵モータ18Bがそれぞれ固定されている。
【0021】
これら操舵モータ18A、18Bは、ステアリングと繋がる図示しない制御装置に接続されていて、各舵角センサが操舵モータ18A、18Bの回転量をそれぞれ検出するのに伴い、この制御装置により操舵モータ18A、18Bの回転量が制御されるようになっている。
【0022】
一方、一対の前輪である2つのタイヤ16A及び一対の後輪である2つのタイヤ16Bの内周側にはこれらタイヤ16A、16Bの支持部材であるホイール22A、22Bがそれぞれ配置されている。各ホイール22A、22Bには、タイヤ16A、16Bを回転する為のホイールモータ24A、24Bの図示しない回転軸がそれぞれ連結されている。さらに、本実施の形態では、前輪側のホイールモータ24Aと操舵モータ18Aとの間を連結アーム26Aが連結する構造とされており、同様に後輪側のホイールモータ24Bと操舵モータ18Bとの間を連結アーム26Bが連結する構造とされている。
【0023】
以上より、操舵モータ18Aを介して連結アーム26Aの基端側が前部分割フレーム12に旋回可能に連結され、この連結アーム26Aの先端側にホイールモータ24Aが連結されて取り付けられている。同様に操舵モータ18Bを介して連結アーム26Bの基端側が後部分割フレーム14に旋回可能に連結され、この連結アーム26Bの先端側にホイールモータ24Bが連結されて取り付けられている。
【0024】
これに伴って操舵モータ18A、18Bが、連結アーム26A、26Bに連結されたホイールモータ24A、24B及びタイヤ16A、16Bを任意の旋回角に旋回させる構造とされることになる。さらに、各舵角センサが、これら連結アーム26A、26B及びタイヤ16A、16Bの一対の分割フレーム12、14に対する旋回角を検出し得る構造とされることになる。
【0025】
尚、本実施の形態では、車両の外枠とされる図示しないボディがシャシー10の上部に取り付けられると共に、図示しないバッテリィが一対の分割フレーム12、14の少なくともいずれかに搭載されている。そして、このバッテリィが、ホイールモータ24A、24B、操舵モータ18A、18B及び制御装置等に接続されていて、これらホイールモータ24A、24B、操舵モータ18A、18B及び制御装置等にこのバッテリィから電源が供給されるようになっている。
【0026】
他方、図1、図3及び図4に示すように、これら一対の分割フレーム12、14の下部側には、前部分割フレーム12と後部分割フレーム14との間を相対回転可能にする連結部材である回転連結機構30が設置されている。すなわち、図5及び図6に示すように、前部分割フレーム12の後側部分の壁面とされる形で四角形状の前部受け部32がこの前部分割フレーム12にねじ止め等により固定されている。同様に後部分割フレーム14の前側部分の壁面とされる形で四角形状の後部受け部34がこの後部分割フレーム14にねじ止め等により固定されている。
【0027】
図5は、本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両を下方から見た一部分解斜視図である。図6は、本発明の一実施の形態に適用される回転連結機構の拡大分解斜視図である。図1、図5及び図6に示すこれら前部受け部32及び後部受け部34の下側には、突出部32A、34Aがそれぞれ突出して設けられており、これら突出部32A、34Aにシャシー10の前後方向に沿って貫通する貫通穴32B、34Bがそれぞれ形成されている。
【0028】
これら相互に対向して配置される一対の受け部32、34から突出する突出部32A、34Aの貫通穴32B、34B内には、ベアリング36が各2つずつそれぞれ取り付けられている。また、前部受け部32と後部受け部34との間には、リング状の形成されたスペーサ38が配置されている。
【0029】
そして、管状に形成された軸部材40が、前部受け部32と後部受け部34との間を繋ぐ形で、各ベアリング36の内輪側及びスペーサ38に嵌め合わされつつ、配置されている。さらに、この軸部材40を貫通してボルト42が配置され、このボルト42の先端側にナット44が締結されることで、この軸部材40の前部受け部32及び後部受け部34からの抜け止めが図られている。
【0030】
以上より、本実施の形態では、これら前部受け部32、後部受け部34、ベアリング36、スペーサ38、軸部材40、ボルト42及びナット44等により連結部材とされる回転連結機構30が形成されている。そして、一対の分割フレーム12、14間に設置されたこの回転連結機構30が、シャシー10の前後方向に沿った軸線R廻りに、前部分割フレーム12と後部分割フレーム14との間を相対回転可能に繋いだ構造とされている。
【0031】
次に、本実施の形態に係るシャシー構造10の作用を以下に説明する。
本実施の形態によれば、一対のタイヤ16Aがシャシー10の前部側に配置されると共に一対のタイヤ16Bがシャシー10の後部側に配置されている。一対のタイヤ16Aが配置された部分であるシャシー10の前部側を形成する前部分割フレーム12と、一対のタイヤ16Bが配置された部分であるシャシー10の後部側を形成する後部分割フレーム14との間で、このシャシー10を分割している。つまり、このシャシー10の分割によって、一対の分割フレーム12、14が形成されている。
【0032】
また、これら一対の分割フレーム12、14間であって一対の分割フレーム12、14の下部側とされる部分に連結部材である回転連結機構30が設置されている。これに伴い、この回転連結機構30が、シャシー10の前後方向に沿った軸線R廻りに、前部分割フレーム12と後部分割フレーム14との間を相対回転可能に繋いでいる。
【0033】
そして、この回転連結機構30は、図5及び図6に示すように前部分割フレーム12に固定された前部受け部32、後部分割フレーム14に固定された後部受け部34、これら受け部にそれぞれ取り付けられた計4つのベアリング36、スペーサ38、各ベアリング36やスペーサ38に嵌め合わされて前部受け部32と後部受け部34との間を繋ぐ軸部材40、ボルト42及びナット44等により、形成されている。
【0034】
図7は、本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両の背面概念図であって、前輪が接地している部分と後輪が接地している部分との間で路面の傾斜が相違するような箇所を車両が通過している状態を示す図である。図7に示すように本実施の形態では、一対のタイヤ16Aが接地している部分と一対のタイヤ16Bが接地している部分との間で、路面Aの傾斜が相違するような箇所を車両が通過することがある。この通過の際には、シャシー10の前後方向に沿った軸線R廻りに、回転連結機構30が一対の分割フレーム12、14相互間を相対的に回転して、一対のタイヤ16A及び一対のタイヤ16Bがそれぞれ接地している部分の傾斜に沿って、一対の分割フレーム12、14がそれぞれ傾斜するようになる。
【0035】
この為、一対の分割フレーム12、14相互間が、路面Aの傾斜に合わせて回転連結機構30により相対的に回転するので、ねじる向きの力が路面A側からシャシー10を構成する一対の分割フレーム12、14に加わらないようになる。そしてこれに伴って、路面Aからシャシー10に大きな衝撃も伝わらないようになる結果、シャシー10をねじる向きの力に対する剛性を高める必要がなくなるので、シャシー10の軽量化が図れるようになる。
【0036】
図8は、本発明の一実施の形態に係るシャシー構造の変形例とされる車両の背面概念図であって、左右輪間で路面の高さに違いが生じている箇所を車両が通過している状態を示す図である。車両の前後部間で路面Aの傾斜が異なっていても、上記のように路面Aから大きな衝撃が一対の分割フレーム12、14に加わらないようになる。これに伴い、例えば段部A1による段差から車両の左右輪間で生じる高さの違いで起きる衝撃のみを、この図8の変形例のサスペンション46で緩和すれば良いことになるので、サスペンション46に加わる負担が減ることになる。
【0037】
従って、高剛性のサスペンションを必要としなくとも良くなるので、サスペンションを簡易化して軽量なサスペンションに変更可能となる結果として、上記と同様にシャシー10の軽量化が図れるようになる。
【0038】
以上より、本実施の形態のシャシー構造によれば、シャシー10がねじられる向きの力に対する剛性を低下させると共にサスペンションを簡易化することで、車両の軽量化が図られることになる。また、これに伴って衝撃緩和効果が高まることになる為、車両の乗り心地も向上することにもなる。
【0039】
一方、本実施の形態では、連結部材が、一対の分割フレーム12、14の下部側に配置されて、一対の分割フレーム12、14をそれぞれ構成する前部分割フレーム12と後部分割フレーム14との間を相対回転可能にした回転連結機構30とされている。このことで、シャシー10の前後方向に沿った軸線R廻りに一対の分割フレーム12、14がより容易に相対回転するようになった。
【0040】
さらに、一対の分割フレーム12、14の下部側に回転連結機構30が配置されていることから、一対の分割フレーム12、14の上部に配置されることになるボディの邪魔に、この回転連結機構30がならないようになり、車両の設計の自由度が高まるようにもなった。
【0041】
他方、本実施の形態では、前述のように回転連結機構30が、前部受け部32、後部受け部34、これら受け部にそれぞれ取り付けられたベアリング36及び、各ベアリング36に嵌め合わされて前部受け部32と後部受け部34との間を繋ぐ軸部材40等により、形成されている。
【0042】
つまり、前部受け部32及び後部受け部34にそれぞれ取り付けられる図5及び図6示す各ベアリング36に、軸部材40が嵌め合わされて、前部受け部32と後部受け部34との間をこの軸部材40が繋いだ形に、この回転連結機構30が形成されている。この為、車両が長期間使用されて、この回転連結機構30により一対の分割フレーム12、14間が多数回相対回転した場合であっても、軸部材40が嵌め合わされているベアリング36の存在によって、耐久性が低下するおそれが小さくなる。
【0043】
尚、上記実施の形態では、図1に示すようにシャシー10の後部寄りの箇所においてこのシャシー10は分割されているが、回転連結機構30に加わる負荷が小さい箇所であれば、他の部分においてシャシー10を分割しても良い。また、上記実施の形態では、四輪操舵で四輪駆動の電気自動車を用いて本発明を説明したが、他の例えば前輪のみで操舵及び駆動される一般的なエンジンを搭載した車両に本発明を適用しても良い。
【0044】
さらに、上記実施の形態では、例えば図8に示す変形例のように後部分割フレーム14側のみに緩衝機構であるサスペンション46を有する構造によって、本発明のシャシー構造を説明したが、本発明のシャシー構造は、当然に前部分割フレーム12にもサスペンションを有するようにしても良い。また、回転連結機構30のベアリング36の数を上記実施の形態では4つとしたが、各受け部32、34に一つずつの一対のベアリングを取り付けても良く、各受け部32、34のいずれか一方のみにベアリングを取り付けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両を下方から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両の側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両の平面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両の背面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両を下方から見た一部分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に適用される回転連結機構の拡大分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るシャシー構造を有した車両の背面概念図であって、前輪が接地している部分と後輪が接地している部分との間で路面の傾斜が相違するような箇所を車両が通過している状態を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るシャシー構造の変形例とされる車両の背面概念図であって、左右輪間で路面の高さに違いが生じている箇所を車両が通過している状態を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10 シャシー
12 前部分割フレーム
14 後部分割フレーム
16A タイヤ(前輪)
16B タイヤ(後輪)
30 回転連結機構(連結部材)
32 前部受け部
34 後部受け部
36 ベアリング
40 軸部材
R 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と後輪が配置されたシャシーを有したシャシー構造であって、
前記前輪と前記後輪との間でシャシーを分割することで、前部分割フレーム及び後部分割フレームにより形成された一対の分割フレームと、
前記シャシーの前後方向に沿った軸線廻りに、前記分割フレーム間を相対回転可能に繋ぐ連結部材と、
を備えることを特徴とするシャシー構造。
【請求項2】
前記連結部材は、前記分割フレームの下部側に配置されることを特徴とする請求項1記載のシャシー構造。
【請求項3】
前記前部分割フレームに固定される前部受け部と、
前記後部分割フレームに固定される後部受け部と、
前記前部受け部及び前記後部受け部にそれぞれ取り付けられた一対のベアリングと、を備え、
前記連結部材は、前記一対のベアリングに嵌め合わされて前記前部受け部と前記後部受け部との間を繋ぐ軸部材により形成される
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシャシー構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−76380(P2007−76380A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262724(P2005−262724)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】