説明

シャックルアッセンブリ

【課題】車輛サスペンション構成要素を車輛フレームに連結するのに使用されるシャックルアッセンブリに関する。
【解決手段】シャックルアッセンブリは、シャックルブラケット68、磨耗パッド76、78、シャックルストップ92、シャックルプレート69、70、及びエラストマーブッシュ72、80を含む。シャックルブラケット68は、脚部88、90を含む。エラストマーブッシュ72、80は、垂直方向に間隔が隔てられた空所を含み、エラストマー層は、蝶ネクタイ形状である。シャックルプレート69、70間に固定されたシャックルストップ92は、リーフばね44の反対側のリムが破損し、車輛に減速が加えられている場合にアクスルの長さ方向制御を提供する。シャックルプレート69、70の部分を形成するフィンガ84、86は、車輛が逆方向に移動するときにアクスル53の長さ方向制御を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として車輛構成要素に関し、更に詳細には車輛サスペンション構成要素を車輛フレームに連結するのに使用されるシャックルアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
シャックルアッセンブリは、代表的には、車輛サスペンション構成要素を車輛フレームに連結するために様々な車輛サスペンションで使用されている。従来のシャックルアッセンブリは、代表的には、リーフばね前サスペンションで使用されているが、代表的にはエラストマーブッシュを使用しない。従来のシャックルアッセンブリでは、サスペンションの側方荷重は、シャックルプレートを通して非ゴムブッシュを円錐形に荷重すること(the conical loading)により支持される。これらのシャックルアッセンブリは、主にブッシュの性質及びシャックルプレートの剛性により、サスペンションの横方向及び円錐形剛性を提供する。
【0003】
従来のシャックルアッセンブリの一つの認識された問題点は、シャックルプレート間の距離が大きいため、サスペンションの十分な横方向及び円錐形剛性(conical stiffness)を提供する上でこれらのアッセンブリが有効でないということである。従来のアッセンブリでは、サスペンションは、ブッシュが円錐形に変形するため及びシャックルプレートが曲がるため、横方向でコンプライアントになる。
【0004】
この横方向剛性を得るため、従来のシャックルアッセンブリは、通常は、非ゴムブッシュ及び/又はシャックルプレートの均等な剛性及び形状により、側方荷重に反応する。従来のシャックルアッセンブリは、強固で剛性で重く、及び従って高価なブッシュ及びシャックルプレートを必要とするということは当業者には理解されよう。更に、従来のアッセンブリで使用された非ゴム(厳密には金属製)ブッシュは垂直方向コンプライアンスを提供できないということは当業者には理解されよう。従って、従来のシャックルアッセンブリは、望ましからぬことに、リーフばねに圧縮応力を発生する。
【0005】
従来技術にない別の事項は、従来のシャックルアッセンブリは、代表的には、ばねが壊れた場合に車輛の制御を提供するのを補助する重複する特徴が組み込まれていないということである。従来のシャックルアッセンブリを使用するサスペンションは、従来、「軍用ラップ(military wrap)」を持つ追加のリーフを必要とする。それらの及び同様の重複した特徴は、費用、重量、及び複雑さをサスペンションに加えるということは当業者には理解されよう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に鑑み、サスペンションの十分な横方向及び円錐形剛性を提供するシャックルアッセンブリを開発するのが望ましい。
更に、側方荷重に反応する上でブッシュ及びシャックルプレートの均等な剛性及び形状に頼ることを少なくするシャックルアッセンブリを開発するのが望ましい。
【0007】
更に、軽量であり、及び従って低価格のブッシュ及びシャックルプレートをアッセンブリの構成部品として組み込むことができるシャックルアッセンブリを開発するのが望ましい。
【0008】
更に、垂直方向、円錐形、及び捩じり性能を高めるように配向された空所を持つ汎用エラストマーブッシュを持つシャックルアッセンブリを開発するのが望ましい。
更に、リバウンド中の追加のサスペンション行程、即ちオーバーハング状態(即ち過剰リバウンド状態)を可能にするシャックルアッセンブリを設計するのが望ましい。
【0009】
更に、軽量であり、及び従って低価格の重複特徴を持つシャックルアッセンブリを開発するのが望ましい。
更に、重複特徴を備付けに組み込んだシャックルアッセンブリを開発するのが望ましい。
【0010】
更に、任意の従来のリーフばねサスペンションシステム(前及び/又は後)のリーフばねの前端及び/又は後端に備えられていてもよいシャックルアッセンブリを開発するのが望ましい。
【0011】
本発明の好ましい形体のこれらの及び他の望ましい利点は以下の説明から明らかになるであろう。しかしながら、装置又はアッセンブリは、以下の説明から明らかになる利点を含む所望の利点の各々及び全てを達成することなく、特許請求した本発明にとって適切であるということは理解されよう。添付の特許請求の範囲は、これらの所望の特徴でなく、本発明の要旨を定義する。本発明の好ましい形態から得られる任意の及び全ての利点が、必ずしも、全体として、本発明ではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、独特のシャックルアッセンブリに関する。このシャックルアッセンブリは、その好ましい形態では、関連したリーフばねに圧縮応力を発生することなくサスペンションの移動を高めるエラストマーブッシュを含む。シャックルアッセンブリは、更に、好ましくは重複した特徴が備付けで設けられている。シャックルアッセンブリは、二つの磨耗パッドと二つのシャックルプレートとの間に固定され、ブッシュが組み込まれたシャックルブラケットを含む。シャックルブラケットは下方に延びる脚部を含み、これらの脚部は磨耗パッド及びシャックルプレート用の接触面として役立ち、これによって横方向及び円錐形剛性を提供する。これらのシャックルブラケット脚部により、垂直方向、捩じり、及び円錐形性能を高めるように配向された空所を持つ更に汎用性のエラストマーブッシュを使用できる。エラストマーブッシュは、好ましくは、蝶ネクタイ形状のブッシュである。第1の重複した特徴は、その一方の側がシャックルプレート間に固定された横方向に延びるシャックルストップの形態である。好ましくはチューブ形態のシャックルストップは、リーフばねの反対側のリムが破損し、車輛が第1方向に移動し、車輛に減速が加わっている場合にアクスルの長さ方向制御を提供する。これに関し、及びそのような状況では、シャックルストップはシャックルブラケット脚部と接触する。第2の重複した特徴は、シャックルプレートのシャックルストップと同じ側に位置決めされたシャックルプレートの一部を形成するフィンガの形態である。これらのフィンガは、好ましくは垂直方向上方に延びており、リーフばねの反対側のリムが破損し、車輛が第1方向とはほぼ逆の第2方向に移動し、車輛に減速が加わっている場合に隣接したフレームレールの底部と接触する。
【0013】
この説明に亘り、同様の要素に同じ参照番号を付した添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1及び図2は、全体に参照番号40を付したステアリングアクスル/前サスペンションシステムを示す。このサスペンションシステムの一方の側の構造が車輛の反対側で繰り返されるということは理解されよう。更に、本発明の要旨を形成するシャックルアッセンブリは、サスペンションシステムに含まれるリーフばねの後端に位置決めされているように示してあるけれども、リーフばねの反対側の端部に設けた場合でも同様に有用性であるということは理解されよう。
【0015】
更に、例示の実施例は、空気−機械式組み合わせサスペンションに関するけれども、本発明は厳密に機械式のサスペンションでも同様に有用であるということは、当業者には理解されよう。更に、本発明は単リーフリーフばねサスペンションに限定されず、図示の前サスペンションに限定されない。
【0016】
前サスペンションシステム40の積極的又は機能的構成要素には、二つの空気ばね42−42及び二つの単リーフリーフばね44−44が含まれる。各単リーフリーフばね44の基端には、アイ46が一体成形されている。各アイは、全体に参照番号48を付した標準的な又は現存のフレームハンガーに枢着される。図示のように、フレームハンガー48は、前後に延びるシャシーフレーム部材50の各々に取り付けられている。各フレーム部材50は従来のC形状レールとして形成されている。
【0017】
上空気ばね支持ブラケット52が各シャシーフレーム部材50に取り付けられている。ブラケットは、例示の実施例では、車輛前アクスル53の一端の上方及びその側方の単リーフリーフばね44の上方の位置に位置決めされた状態で示してある。各空気ばね42の頂部は、その空気ばね支持ブラケット52に取り付けられている。各空気ばね42の下側は、空気ばね支持パッド54に取り付けられており、このパッドは、例示の実施例では、前サスペンションシステム40の一方の側から他方の側まで延びるアクスル53に取り付けられている。図示のように、単リーフリーフばね44は、空気ばね支持パッド54とアクスル53との間に位置決めされる。代表的には、単リーフリーフばねは、ボルト56−56による等の任意の周知の方法で車輛アクスル53に取り付けられており、好ましくは、1999年8月17日付けの米国特許第5,938,221号に示してあり且つ説明された形態をとる。同特許に触れたことにより、この特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0018】
更に、ショックアブソーバー58が前サスペンションシステム40の各側に含まれる。ショックアブソーバー58は、フレーム部材50に取り付けられたブラケット60にその上端が枢着されており、アクスル53にその底端が継手64によって取り付けられている。
【0019】
アイ65bを持つ各単リーフリーフばね44の先端部分65aは新規なシャックルアッセンブリ66によって車輛フレーム50に連結されている。シャックルアッセンブリ66は、好ましくは、とりわけ、車輛フレーム50に固定的に取り付けられるシャックルブラケット68及び垂下した内外のシャックルプレート69、70を含む。
【0020】
次に図3を参照すると、互いに垂直方向に間隔が隔てられるように配向された空所を持つエラストマー(例えばゴム)ブッシュ72が、リーフばねのアイ65b内に及びシャックルプレート69、70間にファスナ74によって設置された状態で示してある。ブッシュ72は、好ましくは、蝶ネクタイ形状の形体を有する。ファスナ74をシャックルプレート70、磨耗パッド76、リーフばねアイ65bに設置されたブッシュ72、磨耗パッド78、及びシャックルプレート69に挿入し、これらを連結する。互いに垂直方向に間隔が隔てられるように配向された空所を持つ第2エラストマーブッシュ80を、シャックルブラケット68内に及びシャックルプレート69、70及び磨耗パッド76、78間にファスナ82によって設置した状態で示す。ブッシュ80もまた、好ましくは、蝶ネクタイ形状の形体を有する。ファスナ82をシャックルプレート70、磨耗パッド76、ブッシュ80(シャックルブラケット68内に位置決めされたボアに設置されている)、磨耗プレート78、及びシャックルプレート69に挿入し、これらを連結する。エラストマーブッシュ72、80の機能的特徴を図4及び図5を参照して以下に詳細に論じる。
【0021】
シャックルプレート69、70は、これらのシャックルプレートの部分を形成する上方に延びるフィンガ84、86を含む。これらのフィンガは、シャックルプレートの一方の側に位置決めされている。図3は、好ましくはシャックルプレート69、70のアクスル側に位置決めされたフィンガ84、86を示す。各フィンガ84、86は、新規な重複した特徴を提供し、これらのフィンガ84、86は、特定の条件中、同じ側リーフばねの反対側のリムが破損した場合にフレームレール50の底部と接触する。詳細には、反対側のばねリムが破損した場合、シャックルプレートフィンガ84、86がフレーム部材50の底部と接触し、車輛が全体に第1方向に移動しており、減速(例えば制動)を加えられている場合にアクスル53がシャシーに対して長さ方向に過度に移動しないようにする。
【0022】
例えば、図3に示すように、シャックルアッセンブリ66がリーフばねの後端をフレーム50に連結し、シャックルプレートフィンガ84、86がシャックルプレート69、70のアクスル側に位置決めされている場合、車輛の同じ側に位置決めされたリーフばねの前リムが破損した場合、及び車輛が後退モードで全体に後方に移動し且つ減速が加えられた場合、シャックルプレート69、70は、ファスナ82のところで、フィンガ84、86がフレームレール50の底部と接触するまで枢動する。
【0023】
シャックルアッセンブリがリーフばねの後端をフレームレールに連結し、シャックルプレートのフィンガがシャックルプレートのアクスル側に位置決めされるように配向されている場合、及び前リムが運転者側(ドラッグリンク側)で破損した場合、ドラッグリンクが車輛を強制的に左方に操向し(北米で使用されている右側走行の車輛について)、アクスルをその側で前方に転動する。このような状況では、シャックルプレートフィンガ84、86がフレームレール50の底部と接触し、停止点(即ち接触が生じた点)を越えてこれ以上移動しないようにする。
【0024】
他方、シャックルアッセンブリ66がリーフばねの前端をフレーム50に連結し、シャックルプレートの車輛アクスルに近い方の側部にシャックルプレートフィンガ84、86が位置決めされるようにシャックルプレートが配向されている場合には、車輛の同じ側に位置決めされたリーフばねの後リムが破損したとき、及び車輛がドライブモードで全体に前方に移動し且つ減速が加わっている場合には、シャックルプレートをシャックルブラケットに枢着するファスナのところで、シャックルプレートが、上方に、この場合にはアクスルに向かって延びるフィンガが車輛フレームレールの底部と接触するまで枢動する。
【0025】
シャックルアッセンブリがリーフばねの前端をフレームレールに連結し、シャックルプレートフィンガがシャックルプレートのアクスル側に位置決めされるように配向されている場合、及び後リムが運転者側で破損し、車輛が右折した場合、アクスルをその側で後方に転動させる。このような状況では、シャックルプレートフィンガ84、86がフレームレール50の底部と接触し、停止点(即ち接触が生じた点)を越えてこれ以上移動しないようにする。
【0026】
アクスルの移動をこのように制限することにより、車輛の操向制御を高めることができるということは当業者には理解されよう。更に、上文中に説明した以外の状況が生じる場合があり、その場合には作動が異なるということは当業者には理解されよう。例えば、シャックルプレートフィンガが車輛アクスルから遠い方のシャックルプレートの側に位置決めされるようにシャックルプレートを配向することもできるが、この配向には設計上の問題があり、対応して異なる態様で作動する。この他の変更もまた作動に影響を及ぼす。
【0027】
シャックルブラケット68は脚部88、90を含み、これらの脚部は、シャックル磨耗パッド76、78に対し、及び従ってシャックルプレート69、70に対し、磨耗面及び荷重反応点を提供する。側方荷重に対し、脚部88、90、磨耗パッド76、78、及びシャックルプレート69、70を通して反応がなされ、これによって横方向即ち円錐(長さ方向軸線を中心として定義される)剛性のシステムを提供するということは当業者には理解されよう。この構造により、ブッシュ72が側方荷重に円錐形荷重によって反応する必要がなく、これによって、図4及び図5に関して以下に更に詳細に論じるように、他の荷重を受け入れる上でのブッシュの融通性を向上できる。更に、磨耗パッド76、78は、シャックルプレート69、70、リーフばねアイ65b、及びシャックルブラケット68に加わる応力を更に緩和するということは当業者には理解されよう。
【0028】
シャックルブラケット68の脚部88、90は、更に、チューブ形態で示す横方向に延びるシャックルストップ92用の反応点を提供する。シャックルストップ92はシャックルプレート69、70間にファスナ94によって固定され、シャックルプレートのシャックルプレートフィンガ84、86と同じ側に位置決めされる。好ましい場合には、シャックルストップ92は、車輛アクスルに近い方のシャックルプレート69、70の側に位置決めされる。シャックルストップ92は、更に、重複した特徴として役立ち、これによって同じ車輛側リーフばね44の反対側のリムが破損した場合にアクスルを長さ方向で制御する。
【0029】
これに関し、図3に示すように、シャックルアッセンブリ66がリーフばねの後端をフレーム50に連結し、シャックルストップが車輛アクスルに近い方のシャックルプレートの側に位置決めされている場合、車輛の同じ側に位置決めされたリーフばねの前リムが破損した場合、及び車輛がドライブモードにあり、全体に前方に走行しており且つ減速を受けている場合、シャックルストップ92がシャックルブラケット68の脚部88、90と接触するまで、シャックルプレート69、70がファスナ82のところで枢動する。これ以上の移動は阻止される。
【0030】
シャックルアッセンブリがリーフばねの後端をフレームレールに連結し且つシャックルストップがシャックルプレートのアクスル側に位置決めされるように配向された場合、及び運転者の側の前リムが破損し且つ車輛が右折する(北米で使用されている代表的な右側走行の車輛について)場合、アクスルをその側で後方に転動させる。このような状況では、シャックルストップ92がシャックルブラケット68の脚部88、90と接触し、停止点(即ち接触が生じた点)を越えてこれ以上移動しないようにする。
【0031】
他方、シャックルアッセンブリ66がリーフばねの前端をフレーム50に連結し且つシャックルストップがシャックルプレートのアクスル側に位置決めされるように配向されている場合、リーフばねの後リムが破損した場合、及び車輛が後退モードにあり、全体に後方に移動しており且つ減速を受けている場合、シャックルプレートは、プレートをシャックルブラケットに枢着するファスナのところで、シャックルストップ92がシャックルブラケット68の脚部88、90と接触するまで枢動する。これによりこれ以上の移動は阻止される。
【0032】
シャックルアッセンブリがリーフばねの前端をフレームレールに連結し、シャックルストップがシャックルプレートのアクスル側に位置決めされるように配向されている場合、及び後リムが運転者側(ドラッグリンク側)で破損した場合、車輛を左方(北米で使用されている代表的な右側走行の車輛について)に操向するドラッグリンク力により、アクスルをその側で前方に転動させる。このような状況では、シャックルストップ92がシャックルブラケット68の脚部88、90と接触し、停止点(即ち接触が生じた点)を越えてこれ以上移動しないようにする。
【0033】
アクスルの移動をこのように制限することにより、車輛の車輛の操向制御を高めることができるということは当業者には理解されよう。更に、上文中に説明した以外の状況が生じる場合があり、その場合には作動が異なるということは当業者には理解されよう。例えば、シャックルプレートは、シャックルプレートフィンガが車輛アクスルから遠い方のシャックルプレートの側に位置決めされるように配向することもできるが、この配向には設計上の問題があり、対応して異なる態様で作動する。この他の変更もまた作動に影響を及ぼす。
【0034】
次に図4及び図5を参照すると、シャックルブラケット68の脚部88、90が側方荷重に対して反応するのに十分な円錐剛性を提供するため、好ましい例示のエラストマーブッシュ72、80をシャックルブラケット68及びリーフばねアイ65bの夫々に設置でき、適切な性能を達成する。図4及び図5に示すように、ブッシュ72、80は、金属製内スリーブ96、この金属製内スリーブを取り囲むエラストマー層97、及び金属製外スリーブ98を含む。エラストマー層97は蝶ネクタイ形状の形体を有し、垂直方向に間隔が隔てられた二つの空所がエラストマー層と金属製外スリーブ98との間にブッシュの全体に上側及び下側に位置決めされている。
【0035】
ブッシュ72、80内の空所により、垂直方向コンプライアンスを高めることができ、これによりサスペンションの追加の垂直方向移動を提供するということは当業者には理解されよう。更に詳細には、この追加の垂直方向サスペンション移動は、横方向荷重によるばねの損傷が起こる可能性を小さくするのに役立つと同時に良好な乗り心地を提供する。更に、当業者は、ばねの長さが制限されている場合及びばね材料における応力の制限のためにアクスルを所望の通りに移動するのが困難である場合、この垂直方向コンプライアンスが特に望ましいということを理解するであろう。図1及び図2に示すサスペンション等のハイブリッド空気ばねサスペンションでは、これは、アクスルのオーバーハングを含むリバウンド状態中に空気ばねがばねを逆方向に押し込もうとする場合に更に望ましい。
【0036】
更に、当業者は、蝶ネクタイブッシュ72、80の金属製内スリーブ96を包囲するエラストマー層97により、捩じりコンプライアンス(横方向軸線を中心として定義される)を高めることができるということを理解するであろう。更に詳細には、この形体は、ブッシュの捩じり剛性の巻き上げによるサスペンションの補助剛性の垂直方向の割合を大幅に低下する。更に、エラストマー97は、大きな捩じり角度を許容し、これによってばねの撓みを大きくできる。
【0037】
更に、当業者は、ブッシュ72、80の金属製内スリーブを包囲するエラストマー層97は、円錐形(長さ方向軸線を中心として定義される)で柔軟であるということを理解するであろう。
【0038】
本発明を特定の例示の特徴を参照して説明したが、この説明は限定的な意味であると解釈されるべきではないということは理解されよう。というよりはむしろ、特許請求の範囲に定義した本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、例示の特徴に変更及び変形を加えることができる。更に、任意のこのような変更及び変形は、当業者には、特許請求の範囲の一つ又はそれ以上のエレメントと等価であると理解され、法の許す限りにおいてこのような特許請求の範囲に含まれるということは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の新規なシャックルアッセンブリを含む、軽トラックや大型トラック等の車輛用のサスペンションシステムの斜視図である。
【図2】図1に示すサスペンションシステムの正面図である。
【図3】本発明の原理に従って形成されたシャックルアッセンブリ及びその関連したリーフばねの先端部分の分解斜視図である。
【図4】好ましくはシャックルアッセンブリの構成要素として使用されるブッシュの正面図である。
【図5】図4に示すブッシュの部分の正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輛アクスルに連結された車輛サスペンションを車輛フレーム部材に連結するためのシャックルアッセンブリにおいて、
前記車輛フレーム部材に取り付けられたシャックルブラケット、
前記シャックルブラケットに枢着された第1シャックルプレートであって、前記車輛フレーム部材に向かって垂直方向上方に延びると共に前記第1シャックルプレートの部分を形成する第1シャックルプレートフィンガを備えており、前記第1シャックルプレートフィンガは前記第1シャックルプレートの一方の側に位置決めされており、前記車輛フレームと接触することによって、前記車輛が所定方向に移動しており且つ前記車輛に所定の力が加えられたときの特定の車輛状態の場合に、前記第1シャックルプレートが前記第1シャックルプレートフィンガと前記車輛フレームとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないように形成されており且つ位置決めされた、第1シャックルプレート、及び
前記シャックルブラケットに枢着された第2シャックルプレートであって、前記車輛フレーム部材に向かって垂直方向上方に延びると共に前記第2シャックルプレートの部分を形成する第2シャックルプレートフィンガを備えており、前記第2シャックルプレートフィンガは前記第2シャックルプレートの一方の側に位置決めされており、前記車輛フレームと接触することによって、前記車輛が前記所定方向に移動しており且つ前記車輛に前記所定の力が加えられたときの前記特定の車輛状態の場合に、前記第2シャックルプレートが前記第2シャックルプレートフィンガと前記車輛フレームとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないように形成されており且つ位置決めされた、第2シャックルプレートを含む、シャックルアッセンブリ。
【請求項2】
車輛アクスルに連結された車輛サスペンションを車輛フレーム部材に連結するためのシャックルアッセンブリにおいて、
前記車輛フレーム部材に取り付けられたシャックルブラケット、
前記シャックルブラケットに枢着された第1シャックルプレートであって、前記第1シャックルプレートの部分を形成する重複特徴を備えており、前記第1シャックルプレートフィンガは、前記車輛フレームと接触することによって、前記車輛が所定方向に移動しており且つ前記車輛に所定の力が加えられたときの特定の車輛状態の場合に、前記第1シャックルプレートが前記第1シャックルプレートフィンガと前記車輛フレームとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないように形成されており且つ位置決めされた、第1シャックルプレート、及び
前記シャックルブラケットに枢着された第2シャックルプレートであって、前記第2シャックルプレートの部分を形成する他の重複特徴を備えており、前記第2シャックルプレートフィンガは、前記車輛フレームと接触することによって、前記車輛が前記所定方向に移動しており且つ前記車輛に前記所定の力が加えられたときの前記特定の車輛状態の場合に、前記第2シャックルプレートが前記第2シャックルプレートフィンガと前記車輛フレームとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないように形成されており且つ位置決めされた、第2シャックルプレートを含む、シャックルアッセンブリ。
【請求項3】
車輛アクスルに連結された車輛サスペンションを車輛フレーム部材に連結するためのシャックルアッセンブリにおいて、
前記車輛フレーム部材に取り付けられたシャックルブラケット、
前記シャックルブラケットにエラストマーブッシュによって枢着された第1シャックルプレートであって、前記車輛フレーム部材に向かって垂直方向上方に延びると共に前記第1シャックルプレートの部分を形成する第1シャックルプレートフィンガを備えており、前記第1シャックルプレートフィンガは前記第1シャックルプレートの一方の側に位置決めされており、前記車輛フレームと接触することによって、前記車輛が所定方向に移動しており且つ前記車輛に所定の力が加えられたときの特定の車輛状態の場合に、前記第1シャックルプレートが前記第1シャックルプレートフィンガと前記車輛フレームとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないように形成されており且つ位置決めされた、第1シャックルプレート、
前記シャックルブラケットに前記エラストマーブッシュによって枢着された第2シャックルプレートであって、前記車輛フレーム部材に向かって垂直方向上方に延びると共に前記第2シャックルプレートの部分を形成する第2シャックルプレートフィンガを備えており、前記第2シャックルプレートフィンガは前記第2シャックルプレートの一方の側に位置決めされており、前記車輛フレームと接触することによって、前記車輛が前記所定方向に移動しており且つ前記車輛に前記所定の力が加えられたときの前記特定の車輛状態の場合に、前記第2シャックルプレートが前記第2シャックルプレートフィンガと前記車輛フレームとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないように形成されており且つ位置決めされた、第2シャックルプレート、及び、
前記第1及び第2のシャックルプレート間に位置決めされたシャックルストップであって、前記シャックルストップは、前記シャックルブラケットと接触するように構成されており且つ位置決めされており、これによって、前記特定の車輛状態の場合に、前記車輛が前記所定方向とほぼ逆方向に移動しており且つ前記車輛に前記所定の力が加わっている場合、前記第1及び第2のシャックルプレートが前記シャックルストップと前記シャックルブラケットとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないようにする、シャックルストップを含む、シャックルアッセンブリ。
【請求項4】
車輛アクスルに連結された車輛サスペンションを車輛フレーム部材に連結するためのシャックルアッセンブリにおいて、
前記車輛フレーム部材に取り付けられたシャックルブラケットであって、前記シャックルブラケットは、その一部を形成する下方に延びる第1脚部と、その一部を形成する下方に延びる第2脚部と含む、シャックルブラケット、
前記シャックルブラケットにエラストマーブッシュによって枢着された第1シャックルプレートであって、前記車輛フレーム部材に向かって垂直方向上方に延びると共に前記第1シャックルプレートの部分を形成する第1シャックルプレートフィンガを備えており、前記第1シャックルプレートフィンガは前記第1シャックルプレートの一方の側に位置決めされており、前記車輛フレームと接触することによって、前記車輛が所定方向に移動しており且つ前記車輛に所定の力が加えられたときの特定の車輛状態の場合に、前記第1シャックルプレートが前記第1シャックルプレートフィンガと前記車輛フレームとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないように形成されており且つ位置決めされた、第1シャックルプレート、及び
前記シャックルブラケットに前記エラストマーブッシュによって枢着された第2シャックルプレートであって、前記車輛フレーム部材に向かって垂直方向上方に延びると共に前記第2シャックルプレートの部分を形成する第2シャックルプレートフィンガを備えており、前記第2シャックルプレートフィンガは前記第2シャックルプレートの一方の側に位置決めされており、前記車輛フレームと接触することによって、前記車輛が前記所定方向に移動しており且つ前記車輛に前記所定の力が加えられたときの前記特定の車輛状態の場合に、前記第2シャックルプレートが前記第2シャックルプレートフィンガと前記車輛フレームとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないように形成されており且つ位置決めされた、第2シャックルプレートを含み、
前記第1脚部は、前記第1シャックルプレートに対して荷重反応点を提供するように形成されており且つ位置決めされ、前記第2脚部は、前記第2シャックルプレートに対して荷重反応点を提供するように形成されており且つ位置決めされ、
前記第1及び第2脚部と前記第1及び第2シャックルプレートは、前記車輛サスペンションに対して横方向及び円錐形剛性を提供するように形成されており且つ位置決めされていると共に、横方向に延びる部材用の反応点を提供するように形成されており且つ位置決めされており、
シャックルアッセンブリは、更に、
前記第1及び第2のシャックルプレート間に位置決めされたシャックルストップであって、前記シャックルストップは、前記シャックルブラケットと接触するように構成されており且つ位置決めされており、これによって、前記特定の車輛状態の場合に、前記車輛が前記所定方向とほぼ逆方向に移動しており且つ前記車輛に前記所定の力が加わっている場合、前記第1及び第2のシャックルプレートが前記シャックルストップと前記シャックルブラケットとの前記接触が生じた点を超えて枢動しないようにする、シャックルストップを含み、
前記第1脚部及び前記第2脚部は、前記シャックルストップ用の反応点を提供するように形成されており且つ位置決めされている、シャックルアッセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−173642(P2010−173642A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−86895(P2010−86895)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【分割の表示】特願2004−546986(P2004−546986)の分割
【原出願日】平成15年10月21日(2003.10.21)
【出願人】(505154015)ヘンドリクソン・インターナショナル・コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】