シャッター付きクレードル装置
【課題】 簡素な構造のシャッターにより接続端子部が保護され、安定したスライド接続を可能にして電気的接続端子部の遮断や破損の虞れがないクレードルを提供する。
【解決手段】 サイクルコンピュータ20の接続端子と接続されるクレードル装置10の接続端子15を被覆・保護するシャッター部材13を、台座部12の装着方向前方に設けたことにより、サイクルコンピュータ20を装着して接続するに伴い自動的にシャッター部材13を開放して接続端子同士を接続できる。その際、クレードル装置10の台座部12にガイドされてサイクルコンピュータ20を盲動することなく安定して装着できる。その上、クレードル装置10とサイクルコンピュータ20との接続部を自由に設計できてサイクルコンピュータ20側の接続部の設計の自由度も向上し、静電気防止回路等を設けずとも安価な静電気対策が可能となり、防水対策等も検討し易くなる。
【解決手段】 サイクルコンピュータ20の接続端子と接続されるクレードル装置10の接続端子15を被覆・保護するシャッター部材13を、台座部12の装着方向前方に設けたことにより、サイクルコンピュータ20を装着して接続するに伴い自動的にシャッター部材13を開放して接続端子同士を接続できる。その際、クレードル装置10の台座部12にガイドされてサイクルコンピュータ20を盲動することなく安定して装着できる。その上、クレードル装置10とサイクルコンピュータ20との接続部を自由に設計できてサイクルコンピュータ20側の接続部の設計の自由度も向上し、静電気防止回路等を設けずとも安価な静電気対策が可能となり、防水対策等も検討し易くなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータと接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車用スピードメータが進化したサイクルコンピュータとして走行中の速度や積算走行距離を表示するものがあり、近年ではこれらの走行データを記録しておき、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行って、使用者やアスリートの体力向上や鍛練の基礎データとして管理したり、あるいはネットワークを通じてデータ交換をすることにより他人とのデータ比較、センターによる健康管理の促進等が行われれるようになってきた。その際、サイクルコンピュータ内に記録された走行データをパソコン等との間でデータの送受信を行うために、自転車から取り外したサイクルコンピュータを、パソコン等と接続された仲介具であるクレードル装置にワンタッチで装着することが簡便で確実なことから、クレードル装置に類似する接続仲介具が提案されている(例えば下記特許文献1および2参照)。また、自転車のサイクルコンピュータの接続仲介具ではないが、電気的接続部が外部に露呈していることにより静電気の影響を受ける不都合を回避するために、カバー体を移動自在に設置した携帯端末機器等とパソコン等との間のデータの送受信を行う接続仲介具が提案されている(例えば下記特許文献3〜6参照)。
【特許文献1】特開平8−301172号公報(要約書参照)
【特許文献2】特開平8−133157号公報(要約書参照)
【特許文献3】特開2000−151759号公報(要約書参照)
【特許文献4】特許第3108341号(請求項1参照)
【特許文献5】実開昭59−70262号公報(実用新案登録請求の範囲参照)
【特許文献6】特許第3260030号(請求項1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に開示された自転車用走行データ処理装置を図6に示して簡単に説明する。自転車競技者のレースやトレーニングをするにあたって、スピードメータ取付け用ブラケット103に自転車用データ記憶装置102を介してスライドさせて取り付けられたスピードメータ101により、走行時間に対する走行速度の変化や走行距離に対する走行速度の変化をみるために、走行時間と関連づけて走行距離と走行速度を記憶する自転車用データ記憶装置102を設けることによって、走行終了後に各種データを確認できるようにしたものである。
【0004】
次に、特許文献2に開示された自転車用スピードメータの走行情報管理システムを図7に示して簡単に説明する。スピードメータ210のメモリ内に記憶された情報を該スピードメータ210自体のスピード信号入力端子212、214から出力するとともに、これをI/Oボックス220で受け止め、パソコン230で受け止めることのできる信号態様に変換する。I/Oボックス220はパソコン230側から出力される情報を受け取るとともに、これをスピードメータ210の前記スピード信号入力端子212、214を介して該スピードメータ210が受け取ることのできる信号態様に変換する機能も合わせて有している。
【0005】
さらに、前記特許文献3に開示された携帯端末装置を図8に示して簡単に説明する。データの送受信を行う携帯端末装置であって、筐体301側電気的接続部302に電気的接続部品303をスライド挿入して電気的接続を行うもので、その接続部に付勢部材309により付勢され接続部を保護するシャッター308を、電気的接続部品303のスライド方向にスライド自在に設けたものである。図示はしないが、前記筐体側電気的接続部302と電気的接続部品303とのいずれか一方の複数の電気的接続端子の一部を、電気的接続部品303の抜去り方向に長く形成して、電気的接続部品303の抜去りを電気的に判別可能にして、端子接続の有無を分かり、データ損傷の防止をも行うものである。
【0006】
また、前記特許文献4に開示されたシャッター付きコネクタを図9に示して簡単に説明する。雌コネクタ420におけるコンタクト(接続部)413を保護するためのシャッター424をハウジング422に摺動可能に設け、シャッター424を復帰させるトーションバネ448を具備し、ハウジング422の底板に突起438を形成し、この突起438と前記ハウジング422の内壁面との間に前記トーションバネ448の一方の腕448bを係止する係止溝440を形成し、前記シャッター424に案内用リブ446を形成し、このリブ446に前記トーションバネ448の他方の腕448cを摺動可能に係合する係合溝446aを形成したもので、シャッター424が摺動したときのトーションバネ448の捩じれ、ひいてはシャッター424の捩じれを防止することができる。
【0007】
さらに、前記特許文献5に開示されたICカードを図10に示して簡単に説明する。ICを埋め込んだカード501であって、前記ICの各端子を、外部データ伝送装置と電気的に接続するために、カード本体501の表面に設けた接点端子503と電気的に連結させたカードにおいて、前記カード本体501の表面に設けた接点端子503を外部環境から保護するための保護カバー502を、カード本体501に対して一体的にかつ摺動可能に設けたことを特徴とするもので、使用時のみに接点端子503が露出するので、それ以外の時は自動的に保護カバー502により保護される。
【0008】
さらにまた、前記特許文献6に開示されたコネクタの保護構造を図11に示して簡単に説明する。第1の電子機器620はコネクタ621を覆う第1の位置から前記コネクタ621が露出する第2の位置まで移動可能なカバー部624を有し、該カバー部624には前記第1の位置に付勢する(a方向)バネ626と、前記第1の電子機器620に装着され揺動する第2の電子機器610からの前記第1の方向と反対の方向(b方向)の圧力を受けて前記カバー部624を第2の位置に移動させる受け部627とが設けられ、前記カバー部624が前記第2の位置に移動して露出したコネクタ621に、前記第2の電子機器610の接続部611が接続された状態にて、前記バネ626の第1の位置への付勢力(a方向)により、前記受け部627が第2の電子機器610に押し付けられるように構成したもので、コネクタ621への異物の侵入と、カバー部624にコネクタ621の保護と第2の電子機器610のロックの役割を兼用せしめることができる。
【0009】
しかしながら、これら前述のクレードル装置ないしこれに類似する接続仲介具にあって、前記図6の第1従来例のものでは、スピードメータ101とともに自転車の取付け用ブラケット103に取り付けられる自転車用走行データ記憶装置102は、走行データ出力端子111を汎用のUSBケーブル等を介してパソコン等に接続するもので、形状が定まっており設計上の制約を受けて自由度が小さくなる他、ワンタッチにてサイクルコンピュータを装着・接続できるクレードル装置とは異なり、接続に手間取ることが多かった。また、前記図7の第2従来例のものでは、サイクルコンピュータの機能を有するスピードメータ210をパソコン230に接続するには、複数の複雑な接続仲介具や接続ケーブルの接続が必要で、これもまた、ワンタッチにてサイクルコンピュータを装着・接続できるクレードル装置とは異なり、接続に手間取った。
【0010】
さらに、前記図8の第3従来例のものでは、電気的接続部302に付勢部材309により付勢され電気的接続部302を保護するシャッター308を、電気的接続部品303のスライド方向にスライド自在に設けたことにより、電気的接続部品303のスライド装着により自動的にシャッター308を押し退けて電気的接続部302を露呈させ、電気的接続部品303との電気的接続が可能になったものの、電気的接続部品303のスライド装着の際には、そのスライド挙動が安定せず、電気的接続部302に対して電気的接続部品303が浮き上がってこじられて電気的接続端子が破損する虞れがあった。さらにまた、前記図9の第4従来例のものでは、シャッター424が摺動したときのトーションバネ48の捩じれ、ひいてはシャッター424の捩じれを防止することができることとなったものの、図示省略の雄コネクタとの接続に関しては格別の配慮がなされている訳ではなく、これも前記図8の第3従来例のものと同様に、雄コネクタのスライド挙動が安定せず、コンタクト413に対して雄コネクタが浮き上がってこじられてコンタクト413が破損する虞れがあった。
【0011】
また、前記図10の第5従来例のものでは、雌側の外部装置507内にバネ端子514が配設され、摺動装着すべきカード本体501側に、表面に設けた接点端子503を外部環境から保護するための保護カバー502がバネ512により復帰可能に付勢されて設けられているため、携帯側に保護カバー502を設ける必要があってその構造がやや煩雑になった。そして依然として、雌側の外部装置507と雄側のカード本体501との摺動装着ストロークが小さく、それらの間の接続が不安定であった。さらに、前記図11の第6従来例のものでは、第2の電子機器610の揺動運動によって、第1の電子機器620に装着されたカバー部624を兼用する受け部材627を移動させてコネクタ621を露呈させ、接続部611をコネクタ621に接続するので、図示省略の第2の電子機器610の他端部に揺動中心機構を設ける必要がある等、特定の構造のものに限定された。また、第2の電子機器610の揺動方向と、接続部611とコネクタ621との接続方向が一致するため、外因により接続部611とコネクタ621との接続が解かれる可能性があった。また、前記図8、図9や図10の従来例では、雄コネクタ側のスライド挿入方向に対して直交する方向に対向して接続端子が配設されているものの、雄コネクタ側の離脱防止に関しての対策は何ら講じられておらず、容易に脱落して電気的接続が断たれる虞れがあった。
【0012】
そこで本発明は、前記従来のクレードル装置ないしこれに類似する接続仲介具における諸課題を解決して、格別の静電気防止回路を設けずとも、簡素な構造のシャッターにより接続端子部が保護されるとともに、安定したスライド接続を可能にして電気的接続端子部の遮断や破損の虞れがないシャッター付きクレードルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このため本発明は、自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータと接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置において、前記サイクルコンピュータの接続端子と電気的に接続されるクレードル装置の接続端子を被覆・保護するシャッター部材を、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドする台座部の装着方向前方に設けたことを特徴とする。また本発明は、前記シャッター部材は、サイクルコンピュータのクレードル装置へのスライド装着に伴って開放されるようにスライド自在に構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記サイクルコンピュータとクレードル装置との間の互いの接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向に対向して配設されたことを特徴とする。また本発明は、少なくとも前記サイクルコンピュータにおける接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向にばね付勢されて構成され、前記接続端子がクレードル装置側の接続端子に向かって突出することで、サイクルコンピュータとクレードル装置との間の電気的な接続がなされるように構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記サイクルコンピュータとクレードル装置との接続端子部に、これらの間の装着時のスライド方向と略直交する方向への少なくともサイクルコンピュータの接続端子の移動を可能にする、互い係合するガイド溝部とガイド突条とを設けたことを特徴とする。また本発明は、前記サイクルコンピュータをクレードル装置に装着した状態で、サイクルコンピュータよりクレードル装置の方が離脱方向に突出するように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドするクレードル装置における台座部の装着方向の長さをサイクルコンピュータのスライド面の長さより充分に長く構成したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータと接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置において、前記サイクルコンピュータの接続端子と電気的に接続されるクレードル装置の接続端子を被覆・保護するシャッター部材を、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドする台座部の装着方向前方に設けたことにより、サイクルコンピュータを装着して接続するに伴い自動的にシャッター部材を開放して接続端子を接続することができる。しかもその際に、クレードル装置の台座部にガイドされてサイクルコンピュータを盲動することなく安定してスライドさせて装着することができる。その上、汎用USBコネクタ等を使用するのに対して、クレードル装置とサイクルコンピュータとの接続部を自由に設計できるのでサイクルコンピュータ側の接続端子部の設計の自由度も向上し、また、シャッター部材を設けたことにより、クレードル装置に静電気防止回路等を設けずとも安価な静電気対策が可能となる。さらには、クレードル装置の防水対策も検討し易い。
【0015】
また、前記シャッター部材は、サイクルコンピュータのクレードル装置へのスライド装着に伴って開放されるようにスライド自在に構成された場合は、クレードル装置の台座部に沿ってガイドされて円滑にスライドするサイクルコンピュータが盲動することなく安定してシャッター部材を押し退けて開放、ないしはサイクルコンピュータのスライドしての取外しに伴い円滑にシャッター部材を閉じることができるので、クレードル装置とサイクルコンピュータとの接続部を迅速に接続ないし遮断することを可能にする。さらに、前記サイクルコンピュータとクレードル装置との間の互いの接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向に対向して配設された場合は、接続端子の離脱遮断方向がサイクルコンピュータの装着方向とは異なるので、接続端子の接続が妄りに離脱して断たれることが抑制される。
【0016】
さらにまた、少なくとも前記サイクルコンピュータにおける接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向にばね付勢されて構成され、前記接続端子がクレードル装置側の接続端子に向かって突出することで、サイクルコンピュータとクレードル装置との間の電気的な接続がなされるように構成された場合は、接続端子の離脱遮断方向がサイクルコンピュータの装着方向と異なることで、接続端子の接続が離脱して断たれることが抑制されるとともに、ばね付勢された接続端子部同士の接続が強固に確保される。また、前記サイクルコンピュータとクレードル装置との接続端子部に、これらの間の装着時のスライド方向と略直交する方向への少なくともサイクルコンピュータの接続端子の移動を可能にする、互い係合するガイド溝部とガイド突条とを設けた場合は、ばね付勢されたサイクルコンピュータにおける接続端子部のガイド突条がクレードル装置におけるガイド溝部に落下係合することで、双方の接続端子部の電気的接続が適正かつ強固に保持されるとともに、サイクルコンピュータのスライド方向における離脱が規制されて、妄りに電気的接続が遮断されることがない。
【0017】
さらに、前記サイクルコンピュータをクレードル装置に装着した状態で、サイクルコンピュータよりクレードル装置の方が離脱方向に突出するように構成した場合は、突出したクレードル装置の端部に人差し指や中指を掛け易くなり、親指によりサイクルコンピュータを離脱方向に押し出すことができるので、片手で容易にサイクルコンピュータをクレードル装置から取り外すことが可能になる。さらにまた、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドするクレードル装置における台座部の装着方向の長さをサイクルコンピュータのスライド面の長さより充分に長く構成した場合は、サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドするクレードル装置における台座部が充分に長いので、片手にてもサイクルコンピュータをクレードル装置における台座部に載せた上で装着方向に円滑かつ安定させて迅速にスライド装着させたり、抜き取ることができるので、双方の接続端子部をこじること等がなく、接続端子部の損傷の虞れがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明のシャッター付きクレードル装置の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明のシャッター付きクレードル装置の1つの実施例を示すもので、図1は本発明のシャッター付きクレードル装置の斜視図およびサイクルコンピュータを装着した状態の斜視図、図2は本発明のシャッター付きクレードル装置の正面図および一部断面を含む側面図、図3は本発明のシャッター付きクレードル装置と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータの裏面図および側面図、図4は同、サイクルコンピュータの正面図および一部断面を含む平面図、図5はサイクルコンピュータを装着した状態の本発明のシャッター付きクレードル装置の正面図、側面図、平面図およびサイクルコンピュータの離脱時の説明図である。
【実施例1】
【0019】
本発明のシャッター付きクレードル装置の基本的な構成は、図1に示すように、自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータ20と接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置10において、前記サイクルコンピュータ20の接続端子と電気的に接続されるクレードル装置10の接続端子15を被覆・保護するシャッター部材13を、前記サイクルコンピュータ20の装着時にこれをガイドする台座部12の装着方向前方に設けたことを特徴とする。
【0020】
図示は省略されるが、本発明のシャッター付きクレードル装置10と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータ20は、ハンドルバー等に着脱されて使用される。サイクルコンピュータ20は、自転車における車輪等の回転部に設置されたマグネットに臨接して車体静止部等に設置された検出部から取り出したパルス信号を処理手段の内部のタイマーを参照しながら処理を行い、一定時間毎にその時間間隔に対応した走行距離、実走行時間、消費カロリー等および全走行距離を記録する。図1(C)に示すように、サイクルコンピュータ20の表示部28には、前面下部に配置された表示項目(速度、走行距離、走行時間、消費カロリー等)を切り替える表示項目切替ボタン29によって選択された項目の情報が表示される。速度はその瞬間毎に処理手段により換算し表示される。下端部にはストップウォッチ形態の手動計測モード等の開始および停止等を行うスタート・ストップボタン30が配設される。
【0021】
図1(A)(B)に示すように、本発明のシャッター付きクレードル装置10は、サイクルコンピュータ20の装着時にスライドさせるガイド面となる台座部12と、その装着方向(図1(A)の矢印参照)前方となる部分の両側部にそれぞれL字状に形成されたフランジ受け部11、11を有する。フランジ受け部11の更に奥には装着時のサイクルコンピュータ20のストッパともなる屋根部18が形成されている。したがって、フランジ受け部11、屋根部18、フランジ受け部11とによって平面凹形状部が画成される。この平面凹形状部に、パソコン等に適宜の接続手段(図2に示すように汎用のUSBケーブル等がクレードル装置10から出力されている)にて接続されるところの、幾つかの接続端子15を配列させた接続端子部14が配設される。パソコンへの接続については、USB接続の他、IEEE1394、シリアル、パラレル接続等の有線接続や、赤外線等の適宜の無線接続でもよい。接続端子部14の両側にはガイド溝部16、16が刻設される。
【0022】
このようにして構成された接続端子部14の上方を覆って、シャッター部材13の両側縁がフランジ受け部11、11内にサイクルコンピュータ20の装着方向(脱着方向も含む)にスライド自在に収納される。シャッター部材13は,接続端子部14の上方を覆う閉塞位置(図1(A))と、接続端子部14の上方が開放された開放位置(図1(B))との間を開放側にばね17(図2(D)参照)によって付勢されている。ばね17は実施例のような圧縮コイルばねの他、トーションばね、引張りコイルばね等適宜のものが採用され得る。このような簡素な構造のシャッター部材13の存在によって、通常は接続端子部14の上方が被覆・保護されているため接続端子15に手指等が妄りに触れることがないので、手指等に帯電した静電気の影響を受けることがなく、従来のもののようにクレードル装置内に静電気防止回路等を設ける必要がないので安価に静電気防止対策が図れる。また水滴等が妄りに付着することもない。
【0023】
図2(A)(B)は前記図1のシャッター付きクレードル装置10を正面から見た図で、パソコン等に接続される適宜の接続ケーブル19が示されている。図2(A)はシャッター部材13が接続端子部14の上方を開放した開放位置、図2(B)はシャッター部材13が接続端子部14の上方を覆う閉塞位置を明瞭に示している。図2(C)は台座部12と、一段高いフランジ受け部11とともに屋根部18が示されており、図2(D)では一部断面にて、構成部材各部の関連が明瞭に示されている。複数の接続端子15を含む接続端子部14が台座12に設けられ、該接続端子部14を覆ってシャッター部材13がばね17の復元力により、サイクルコンピュータ20の装着方向(脱着方向)である閉塞方向(サイクルコンピュータ20の離脱方向)に付勢されている。シャッター部材13は縦断面がL字形を呈しており、折曲端部が閉塞方向におけるストッパの機能を有する。また、クレードル装置10の表裏はビス31等により組み合わされている。
【0024】
図3は本発明のシャッター付きクレードル装置と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータの裏面図および側面図である。サイクルコンピュータ20の裏面は平らなスライド面22を有し、該スライド面22が前記シャッター付きクレードル装置10における台座部12(例えば図1(A)参照)にガイドされつつ安定にスライドして装着される。スライド面22の装着方向前方の両側にはフランジ部21、21が形成され、サイクルコンピュータ20の装着時には、これらのフランジ部21、21が前記クレードル装置10におけるフランジ受け部11、11内をそれぞれスライド自在に移動する。これらのフランジ部21とフランジ受け部11とは、がたつくことなく円滑にスライドするように過不足なく挿入される。該スライド面22の装着方向前方の表面には接続端子部24が配設される。接続端子部24には、複数の接続端子25が配列されるとともに、それらの両側に突設されたガイド突条26、26が形成される。図3(A)において接続端子部24の上側には電池蓋32が設けられ、内部にサイクルコンピュータ20のための電力を供給するボタン電池等が格納される。スライド面22の両側および装着方向前方には一段下がった段差面23が形成されており、サイクルコンピュータ20の装着時に、前記シャッター付きクレードル装置10における屋根部18上をスライドするように構成される。
【0025】
図4は本発明のシャッター付きクレードル装置と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータの正面図および一部断面を含む平面図である。図4(C)にて明瞭に示されるように、前記接続端子部24は、サイクルコンピュータ20とクレードル装置10との装着時のスライド方向と略直交する方向(図4(C)の上下方向)にばね27により付勢されている。このばね27も、実施例のような圧縮コイルばねの他、リーフスプリング、引張りコイルばね等適宜のものが採用され得る。サイクルコンピュータ20をクレードル装置10に装着するに際して、サイクルコンピュータ20のフランジ部21がクレードル装置10のフランジ受け部11内をスライド移動する間は、サイクルコンピュータ20の接続端子部24はクレードル装置10の台座部12上を移動するため、ばね27の復元力に抗して本体の内側に一度引き込まれる。サイクルコンピュータ20のクレードル装置10への装着完了時には、ばね27の復元力によりサイクルコンピュータ20の接続端子25がクレードル装置10の接続端子15側に向かって突出することで、サイクルコンピュータ20とクレードル装置10との間の電気的な接続が確実かつ強固になされるとともに、これらの接続端子の離脱遮断方向がサイクルコンピュータ20の装着方向と異なることで、接続端子の接続が離脱して断たれることが抑制される。
【0026】
また、サイクルコンピュータ20における接続端子部24のばね27による突出付勢は、サイクルコンピュータ20の装着完了時に、サイクルコンピュータ20の接続端子部24に形成されたガイド突条26、26をクレードル装置10の接続端子部14に刻設されたガイド溝部16、16にクリック感を以て落下係合する。したがって、互い係合するガイド溝部16とガイド突条26とは、ばね付勢されたサイクルコンピュータ20における接続端子部24のガイド突条26がクレードル装置10におけるガイド溝部16に落下係合することで、双方の接続端子25、15の電気的接続が適正かつ強固に保持されるとともに、サイクルコンピュータ20のスライド方向における離脱が規制されて、妄りに電気的接続が遮断されることがない。ガイド溝部16とガイド突条26との間に少なくとも離脱方向の係合部には傾斜面が形成され、所定の力が作用するまでは、サイクルコンピュータ20のクレードル装置10からの離脱できないようにクリック部を構成する。所定の離脱方向の力が加わると、前記傾斜面によってサイクルコンピュータ20における接続端子部24はばね27の付勢力に抗して後退して、クレードル装置10における接続端子部14との接続が断たれて速やかに電気的接続も遮断される。この傾斜面を含むクリック部の構成は適宜の形式が採用される。
【0027】
図示しての詳述はしないが、前記ガイド溝部16とガイド突条26を互いに対応する接続端子の数だけ設けて、これらの複数の溝部16および突条26を、それぞれ接続端子とすることもできる。また、実施例では、クレードル装置10や自転車の取付ブラケット等の構造を簡素化(ばねの配設を不要)するために、ばね付勢される接続端子部をサイクルコンピュータ20側としたが、クレードル装置10側の接続端子部をばね付勢するように構成することもできる。この場合には、サイクルコンピュータ20の接続端子部がばね付勢されないので、クレードル装置10や自転車の取付ブラケット等の接続端子側をばね付勢する必要がある。また、格別にばねを以て接続端子部をばね付勢する構成は無論のこと、接続端子部24をスライド面22と一体成形して、スリット等を形成して弾性変形し易くし、素材自体の弾性力にて相手側に付勢されるような構成も本発明の範疇にあることは言うまでもないことである。
【0028】
図5はサイクルコンピュータを装着した状態の本発明のシャッター付きクレードル装置の正面図、側面図および平面図である。図面からも理解されるように、サイクルコンピュータ20のクレードル装置10への装着時(図面下方への)には、サイクルコンピュータ20のスライド面22をガイドするクレードル装置10における台座部12の装着方向の長さが、サイクルコンピュータ20のスライド面22の長さより充分に長く構成されているので、サイクルコンピュータ20の装着時に、片手にてもサイクルコンピュータ20をクレードル装置10における台座部12に載せてた上で装着方向に円滑かつ安定させて迅速にスライド装着させることができる。さらに、装着の後半では、クレードル装置10における屋根部18の上にサイクルコンピュータ20における段差面23が載り、サイクルコンピュータ20の装着時のスライドにおける安定したガイド機能をさらに促進することになる。このことは、サイクルコンピュータ20をクレードル装置10の台座部12上にて抜き取るときも同様である。したがって、双方の接続端子部をこじること等がなく、接続端子部の損傷の虞れがない。図5(D)に示すように、サイクルコンピュータ20をクレードル装置10に装着した状態で、サイクルコンピュータ20よりクレードル装置10の方が離脱方向に突出するように構成した場合は、突出したクレードル装置10の端部に人差し指や中指を掛け易くなり、親指によりサイクルコンピュータ20を離脱方向に押し出すことができるので、片手で容易にサイクルコンピュータ20をクレードル装置10から取り外すことが可能になる。
【0029】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、サイクルコンピュータにおける走行データの種類、パソコン等との間の信号の送受信形態、クレードルにおける接続端子と接続ケーブルとの接続形態、シャッター部材の形状、形式、材質(静電防止が可能な素材が好適である)およびそのクレードル装置におけるスライド形態(好適には、実施例のもののように断面L字状のフランジ受け部内に収納されるが、シャッター部材の両側がクレードル装置を抱持するようなスライド形態としてもよい)、シャッター部材のばねによる復元形態(ばねについても、実施例のような圧縮コイルばねの他、リーフスプリング、引張りコイルばね等適宜のものが採用され得る)、クレードル装置における台座部の形状(サイクルコンピュータが円滑にシャッター部材を押し出すように、台座部とサイクルコンピュータのスライド面との間に互いに対応して係合するガイド条溝等を形成することもできる。また、スライドを円滑にするため台座部表面に低摩擦処理を施してもよい)、形式,台座部のサイクルコンピュータに対する長さ、サイクルコンピュータとクレードル装置における接続端子部の形状、形式(好適には、サイクルコンピュータ側の接続端子部がサイクルコンピュータの装着方向に直交する方向にばね付勢されるが、クレードル装置側がばね付勢されてもよい。あるいは双方の接続端子部がばね付勢されるようにすることもできる)、接続端子部のばね付勢形態(実施例のもののようなシリンダとピストン態様の他、接続端子部を本体部と一体成形するとともに、スリット等を設けることにより弾性変形し易くして、素材自体の弾性力にて相手側に付勢されるようにしてもよい。)、互いに整合して係合する両接続端子部におけるガイド突条およびガイド溝の形状(クリック感を以てこれらが係合するとともに、所定の力を加えることでサイクルコンピュータとクレードル装置とが離脱可能にする傾斜面の傾斜角度)等については適宜選定できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のシャッター付きクレードル装置の1つの実施例を示すもので、クレードル装置の斜視図およびサイクルコンピュータを装着した状態の斜視図である。
【図2】同、シャッター付きクレードル装置の正面図および一部断面を含む側面図である。
【図3】同、シャッター付きクレードル装置と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータの裏面図および側面図である。
【図4】同、サイクルコンピュータの正面図および一部断面を含む平面図である。
【図5】同、サイクルコンピュータを装着した状態の本発明のシャッター付きクレードル装置の正面図、側面図および平面図である。
【図6】第1従来である自転車用走行データ処理装置の説明図である。
【図7】第2従来例である自転車用スピードメータの走行情報管理システムの説明図である。
【図8】第3従来例である携帯端末装置の説明図である。
【図9】第4従来例であるシャッター付きコネクタの説明図である。
【図10】第5従来例であるICカードの説明図である、
【図11】第6従来例であるコネクタの保護構造の説明図である。
【符号の説明】
【0031】
10 クレードル装置
11 フランジ受け部
12 台座部
13 シャッター部材
14 接続端子部
15 接続端子
16 ガイド溝部
18 屋根部
20 サイクルコンピュータ
28 表示部
29 切替ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータと接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車用スピードメータが進化したサイクルコンピュータとして走行中の速度や積算走行距離を表示するものがあり、近年ではこれらの走行データを記録しておき、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行って、使用者やアスリートの体力向上や鍛練の基礎データとして管理したり、あるいはネットワークを通じてデータ交換をすることにより他人とのデータ比較、センターによる健康管理の促進等が行われれるようになってきた。その際、サイクルコンピュータ内に記録された走行データをパソコン等との間でデータの送受信を行うために、自転車から取り外したサイクルコンピュータを、パソコン等と接続された仲介具であるクレードル装置にワンタッチで装着することが簡便で確実なことから、クレードル装置に類似する接続仲介具が提案されている(例えば下記特許文献1および2参照)。また、自転車のサイクルコンピュータの接続仲介具ではないが、電気的接続部が外部に露呈していることにより静電気の影響を受ける不都合を回避するために、カバー体を移動自在に設置した携帯端末機器等とパソコン等との間のデータの送受信を行う接続仲介具が提案されている(例えば下記特許文献3〜6参照)。
【特許文献1】特開平8−301172号公報(要約書参照)
【特許文献2】特開平8−133157号公報(要約書参照)
【特許文献3】特開2000−151759号公報(要約書参照)
【特許文献4】特許第3108341号(請求項1参照)
【特許文献5】実開昭59−70262号公報(実用新案登録請求の範囲参照)
【特許文献6】特許第3260030号(請求項1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に開示された自転車用走行データ処理装置を図6に示して簡単に説明する。自転車競技者のレースやトレーニングをするにあたって、スピードメータ取付け用ブラケット103に自転車用データ記憶装置102を介してスライドさせて取り付けられたスピードメータ101により、走行時間に対する走行速度の変化や走行距離に対する走行速度の変化をみるために、走行時間と関連づけて走行距離と走行速度を記憶する自転車用データ記憶装置102を設けることによって、走行終了後に各種データを確認できるようにしたものである。
【0004】
次に、特許文献2に開示された自転車用スピードメータの走行情報管理システムを図7に示して簡単に説明する。スピードメータ210のメモリ内に記憶された情報を該スピードメータ210自体のスピード信号入力端子212、214から出力するとともに、これをI/Oボックス220で受け止め、パソコン230で受け止めることのできる信号態様に変換する。I/Oボックス220はパソコン230側から出力される情報を受け取るとともに、これをスピードメータ210の前記スピード信号入力端子212、214を介して該スピードメータ210が受け取ることのできる信号態様に変換する機能も合わせて有している。
【0005】
さらに、前記特許文献3に開示された携帯端末装置を図8に示して簡単に説明する。データの送受信を行う携帯端末装置であって、筐体301側電気的接続部302に電気的接続部品303をスライド挿入して電気的接続を行うもので、その接続部に付勢部材309により付勢され接続部を保護するシャッター308を、電気的接続部品303のスライド方向にスライド自在に設けたものである。図示はしないが、前記筐体側電気的接続部302と電気的接続部品303とのいずれか一方の複数の電気的接続端子の一部を、電気的接続部品303の抜去り方向に長く形成して、電気的接続部品303の抜去りを電気的に判別可能にして、端子接続の有無を分かり、データ損傷の防止をも行うものである。
【0006】
また、前記特許文献4に開示されたシャッター付きコネクタを図9に示して簡単に説明する。雌コネクタ420におけるコンタクト(接続部)413を保護するためのシャッター424をハウジング422に摺動可能に設け、シャッター424を復帰させるトーションバネ448を具備し、ハウジング422の底板に突起438を形成し、この突起438と前記ハウジング422の内壁面との間に前記トーションバネ448の一方の腕448bを係止する係止溝440を形成し、前記シャッター424に案内用リブ446を形成し、このリブ446に前記トーションバネ448の他方の腕448cを摺動可能に係合する係合溝446aを形成したもので、シャッター424が摺動したときのトーションバネ448の捩じれ、ひいてはシャッター424の捩じれを防止することができる。
【0007】
さらに、前記特許文献5に開示されたICカードを図10に示して簡単に説明する。ICを埋め込んだカード501であって、前記ICの各端子を、外部データ伝送装置と電気的に接続するために、カード本体501の表面に設けた接点端子503と電気的に連結させたカードにおいて、前記カード本体501の表面に設けた接点端子503を外部環境から保護するための保護カバー502を、カード本体501に対して一体的にかつ摺動可能に設けたことを特徴とするもので、使用時のみに接点端子503が露出するので、それ以外の時は自動的に保護カバー502により保護される。
【0008】
さらにまた、前記特許文献6に開示されたコネクタの保護構造を図11に示して簡単に説明する。第1の電子機器620はコネクタ621を覆う第1の位置から前記コネクタ621が露出する第2の位置まで移動可能なカバー部624を有し、該カバー部624には前記第1の位置に付勢する(a方向)バネ626と、前記第1の電子機器620に装着され揺動する第2の電子機器610からの前記第1の方向と反対の方向(b方向)の圧力を受けて前記カバー部624を第2の位置に移動させる受け部627とが設けられ、前記カバー部624が前記第2の位置に移動して露出したコネクタ621に、前記第2の電子機器610の接続部611が接続された状態にて、前記バネ626の第1の位置への付勢力(a方向)により、前記受け部627が第2の電子機器610に押し付けられるように構成したもので、コネクタ621への異物の侵入と、カバー部624にコネクタ621の保護と第2の電子機器610のロックの役割を兼用せしめることができる。
【0009】
しかしながら、これら前述のクレードル装置ないしこれに類似する接続仲介具にあって、前記図6の第1従来例のものでは、スピードメータ101とともに自転車の取付け用ブラケット103に取り付けられる自転車用走行データ記憶装置102は、走行データ出力端子111を汎用のUSBケーブル等を介してパソコン等に接続するもので、形状が定まっており設計上の制約を受けて自由度が小さくなる他、ワンタッチにてサイクルコンピュータを装着・接続できるクレードル装置とは異なり、接続に手間取ることが多かった。また、前記図7の第2従来例のものでは、サイクルコンピュータの機能を有するスピードメータ210をパソコン230に接続するには、複数の複雑な接続仲介具や接続ケーブルの接続が必要で、これもまた、ワンタッチにてサイクルコンピュータを装着・接続できるクレードル装置とは異なり、接続に手間取った。
【0010】
さらに、前記図8の第3従来例のものでは、電気的接続部302に付勢部材309により付勢され電気的接続部302を保護するシャッター308を、電気的接続部品303のスライド方向にスライド自在に設けたことにより、電気的接続部品303のスライド装着により自動的にシャッター308を押し退けて電気的接続部302を露呈させ、電気的接続部品303との電気的接続が可能になったものの、電気的接続部品303のスライド装着の際には、そのスライド挙動が安定せず、電気的接続部302に対して電気的接続部品303が浮き上がってこじられて電気的接続端子が破損する虞れがあった。さらにまた、前記図9の第4従来例のものでは、シャッター424が摺動したときのトーションバネ48の捩じれ、ひいてはシャッター424の捩じれを防止することができることとなったものの、図示省略の雄コネクタとの接続に関しては格別の配慮がなされている訳ではなく、これも前記図8の第3従来例のものと同様に、雄コネクタのスライド挙動が安定せず、コンタクト413に対して雄コネクタが浮き上がってこじられてコンタクト413が破損する虞れがあった。
【0011】
また、前記図10の第5従来例のものでは、雌側の外部装置507内にバネ端子514が配設され、摺動装着すべきカード本体501側に、表面に設けた接点端子503を外部環境から保護するための保護カバー502がバネ512により復帰可能に付勢されて設けられているため、携帯側に保護カバー502を設ける必要があってその構造がやや煩雑になった。そして依然として、雌側の外部装置507と雄側のカード本体501との摺動装着ストロークが小さく、それらの間の接続が不安定であった。さらに、前記図11の第6従来例のものでは、第2の電子機器610の揺動運動によって、第1の電子機器620に装着されたカバー部624を兼用する受け部材627を移動させてコネクタ621を露呈させ、接続部611をコネクタ621に接続するので、図示省略の第2の電子機器610の他端部に揺動中心機構を設ける必要がある等、特定の構造のものに限定された。また、第2の電子機器610の揺動方向と、接続部611とコネクタ621との接続方向が一致するため、外因により接続部611とコネクタ621との接続が解かれる可能性があった。また、前記図8、図9や図10の従来例では、雄コネクタ側のスライド挿入方向に対して直交する方向に対向して接続端子が配設されているものの、雄コネクタ側の離脱防止に関しての対策は何ら講じられておらず、容易に脱落して電気的接続が断たれる虞れがあった。
【0012】
そこで本発明は、前記従来のクレードル装置ないしこれに類似する接続仲介具における諸課題を解決して、格別の静電気防止回路を設けずとも、簡素な構造のシャッターにより接続端子部が保護されるとともに、安定したスライド接続を可能にして電気的接続端子部の遮断や破損の虞れがないシャッター付きクレードルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このため本発明は、自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータと接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置において、前記サイクルコンピュータの接続端子と電気的に接続されるクレードル装置の接続端子を被覆・保護するシャッター部材を、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドする台座部の装着方向前方に設けたことを特徴とする。また本発明は、前記シャッター部材は、サイクルコンピュータのクレードル装置へのスライド装着に伴って開放されるようにスライド自在に構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記サイクルコンピュータとクレードル装置との間の互いの接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向に対向して配設されたことを特徴とする。また本発明は、少なくとも前記サイクルコンピュータにおける接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向にばね付勢されて構成され、前記接続端子がクレードル装置側の接続端子に向かって突出することで、サイクルコンピュータとクレードル装置との間の電気的な接続がなされるように構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記サイクルコンピュータとクレードル装置との接続端子部に、これらの間の装着時のスライド方向と略直交する方向への少なくともサイクルコンピュータの接続端子の移動を可能にする、互い係合するガイド溝部とガイド突条とを設けたことを特徴とする。また本発明は、前記サイクルコンピュータをクレードル装置に装着した状態で、サイクルコンピュータよりクレードル装置の方が離脱方向に突出するように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドするクレードル装置における台座部の装着方向の長さをサイクルコンピュータのスライド面の長さより充分に長く構成したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータと接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置において、前記サイクルコンピュータの接続端子と電気的に接続されるクレードル装置の接続端子を被覆・保護するシャッター部材を、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドする台座部の装着方向前方に設けたことにより、サイクルコンピュータを装着して接続するに伴い自動的にシャッター部材を開放して接続端子を接続することができる。しかもその際に、クレードル装置の台座部にガイドされてサイクルコンピュータを盲動することなく安定してスライドさせて装着することができる。その上、汎用USBコネクタ等を使用するのに対して、クレードル装置とサイクルコンピュータとの接続部を自由に設計できるのでサイクルコンピュータ側の接続端子部の設計の自由度も向上し、また、シャッター部材を設けたことにより、クレードル装置に静電気防止回路等を設けずとも安価な静電気対策が可能となる。さらには、クレードル装置の防水対策も検討し易い。
【0015】
また、前記シャッター部材は、サイクルコンピュータのクレードル装置へのスライド装着に伴って開放されるようにスライド自在に構成された場合は、クレードル装置の台座部に沿ってガイドされて円滑にスライドするサイクルコンピュータが盲動することなく安定してシャッター部材を押し退けて開放、ないしはサイクルコンピュータのスライドしての取外しに伴い円滑にシャッター部材を閉じることができるので、クレードル装置とサイクルコンピュータとの接続部を迅速に接続ないし遮断することを可能にする。さらに、前記サイクルコンピュータとクレードル装置との間の互いの接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向に対向して配設された場合は、接続端子の離脱遮断方向がサイクルコンピュータの装着方向とは異なるので、接続端子の接続が妄りに離脱して断たれることが抑制される。
【0016】
さらにまた、少なくとも前記サイクルコンピュータにおける接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向にばね付勢されて構成され、前記接続端子がクレードル装置側の接続端子に向かって突出することで、サイクルコンピュータとクレードル装置との間の電気的な接続がなされるように構成された場合は、接続端子の離脱遮断方向がサイクルコンピュータの装着方向と異なることで、接続端子の接続が離脱して断たれることが抑制されるとともに、ばね付勢された接続端子部同士の接続が強固に確保される。また、前記サイクルコンピュータとクレードル装置との接続端子部に、これらの間の装着時のスライド方向と略直交する方向への少なくともサイクルコンピュータの接続端子の移動を可能にする、互い係合するガイド溝部とガイド突条とを設けた場合は、ばね付勢されたサイクルコンピュータにおける接続端子部のガイド突条がクレードル装置におけるガイド溝部に落下係合することで、双方の接続端子部の電気的接続が適正かつ強固に保持されるとともに、サイクルコンピュータのスライド方向における離脱が規制されて、妄りに電気的接続が遮断されることがない。
【0017】
さらに、前記サイクルコンピュータをクレードル装置に装着した状態で、サイクルコンピュータよりクレードル装置の方が離脱方向に突出するように構成した場合は、突出したクレードル装置の端部に人差し指や中指を掛け易くなり、親指によりサイクルコンピュータを離脱方向に押し出すことができるので、片手で容易にサイクルコンピュータをクレードル装置から取り外すことが可能になる。さらにまた、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドするクレードル装置における台座部の装着方向の長さをサイクルコンピュータのスライド面の長さより充分に長く構成した場合は、サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドするクレードル装置における台座部が充分に長いので、片手にてもサイクルコンピュータをクレードル装置における台座部に載せた上で装着方向に円滑かつ安定させて迅速にスライド装着させたり、抜き取ることができるので、双方の接続端子部をこじること等がなく、接続端子部の損傷の虞れがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明のシャッター付きクレードル装置の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明のシャッター付きクレードル装置の1つの実施例を示すもので、図1は本発明のシャッター付きクレードル装置の斜視図およびサイクルコンピュータを装着した状態の斜視図、図2は本発明のシャッター付きクレードル装置の正面図および一部断面を含む側面図、図3は本発明のシャッター付きクレードル装置と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータの裏面図および側面図、図4は同、サイクルコンピュータの正面図および一部断面を含む平面図、図5はサイクルコンピュータを装着した状態の本発明のシャッター付きクレードル装置の正面図、側面図、平面図およびサイクルコンピュータの離脱時の説明図である。
【実施例1】
【0019】
本発明のシャッター付きクレードル装置の基本的な構成は、図1に示すように、自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータ20と接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置10において、前記サイクルコンピュータ20の接続端子と電気的に接続されるクレードル装置10の接続端子15を被覆・保護するシャッター部材13を、前記サイクルコンピュータ20の装着時にこれをガイドする台座部12の装着方向前方に設けたことを特徴とする。
【0020】
図示は省略されるが、本発明のシャッター付きクレードル装置10と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータ20は、ハンドルバー等に着脱されて使用される。サイクルコンピュータ20は、自転車における車輪等の回転部に設置されたマグネットに臨接して車体静止部等に設置された検出部から取り出したパルス信号を処理手段の内部のタイマーを参照しながら処理を行い、一定時間毎にその時間間隔に対応した走行距離、実走行時間、消費カロリー等および全走行距離を記録する。図1(C)に示すように、サイクルコンピュータ20の表示部28には、前面下部に配置された表示項目(速度、走行距離、走行時間、消費カロリー等)を切り替える表示項目切替ボタン29によって選択された項目の情報が表示される。速度はその瞬間毎に処理手段により換算し表示される。下端部にはストップウォッチ形態の手動計測モード等の開始および停止等を行うスタート・ストップボタン30が配設される。
【0021】
図1(A)(B)に示すように、本発明のシャッター付きクレードル装置10は、サイクルコンピュータ20の装着時にスライドさせるガイド面となる台座部12と、その装着方向(図1(A)の矢印参照)前方となる部分の両側部にそれぞれL字状に形成されたフランジ受け部11、11を有する。フランジ受け部11の更に奥には装着時のサイクルコンピュータ20のストッパともなる屋根部18が形成されている。したがって、フランジ受け部11、屋根部18、フランジ受け部11とによって平面凹形状部が画成される。この平面凹形状部に、パソコン等に適宜の接続手段(図2に示すように汎用のUSBケーブル等がクレードル装置10から出力されている)にて接続されるところの、幾つかの接続端子15を配列させた接続端子部14が配設される。パソコンへの接続については、USB接続の他、IEEE1394、シリアル、パラレル接続等の有線接続や、赤外線等の適宜の無線接続でもよい。接続端子部14の両側にはガイド溝部16、16が刻設される。
【0022】
このようにして構成された接続端子部14の上方を覆って、シャッター部材13の両側縁がフランジ受け部11、11内にサイクルコンピュータ20の装着方向(脱着方向も含む)にスライド自在に収納される。シャッター部材13は,接続端子部14の上方を覆う閉塞位置(図1(A))と、接続端子部14の上方が開放された開放位置(図1(B))との間を開放側にばね17(図2(D)参照)によって付勢されている。ばね17は実施例のような圧縮コイルばねの他、トーションばね、引張りコイルばね等適宜のものが採用され得る。このような簡素な構造のシャッター部材13の存在によって、通常は接続端子部14の上方が被覆・保護されているため接続端子15に手指等が妄りに触れることがないので、手指等に帯電した静電気の影響を受けることがなく、従来のもののようにクレードル装置内に静電気防止回路等を設ける必要がないので安価に静電気防止対策が図れる。また水滴等が妄りに付着することもない。
【0023】
図2(A)(B)は前記図1のシャッター付きクレードル装置10を正面から見た図で、パソコン等に接続される適宜の接続ケーブル19が示されている。図2(A)はシャッター部材13が接続端子部14の上方を開放した開放位置、図2(B)はシャッター部材13が接続端子部14の上方を覆う閉塞位置を明瞭に示している。図2(C)は台座部12と、一段高いフランジ受け部11とともに屋根部18が示されており、図2(D)では一部断面にて、構成部材各部の関連が明瞭に示されている。複数の接続端子15を含む接続端子部14が台座12に設けられ、該接続端子部14を覆ってシャッター部材13がばね17の復元力により、サイクルコンピュータ20の装着方向(脱着方向)である閉塞方向(サイクルコンピュータ20の離脱方向)に付勢されている。シャッター部材13は縦断面がL字形を呈しており、折曲端部が閉塞方向におけるストッパの機能を有する。また、クレードル装置10の表裏はビス31等により組み合わされている。
【0024】
図3は本発明のシャッター付きクレードル装置と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータの裏面図および側面図である。サイクルコンピュータ20の裏面は平らなスライド面22を有し、該スライド面22が前記シャッター付きクレードル装置10における台座部12(例えば図1(A)参照)にガイドされつつ安定にスライドして装着される。スライド面22の装着方向前方の両側にはフランジ部21、21が形成され、サイクルコンピュータ20の装着時には、これらのフランジ部21、21が前記クレードル装置10におけるフランジ受け部11、11内をそれぞれスライド自在に移動する。これらのフランジ部21とフランジ受け部11とは、がたつくことなく円滑にスライドするように過不足なく挿入される。該スライド面22の装着方向前方の表面には接続端子部24が配設される。接続端子部24には、複数の接続端子25が配列されるとともに、それらの両側に突設されたガイド突条26、26が形成される。図3(A)において接続端子部24の上側には電池蓋32が設けられ、内部にサイクルコンピュータ20のための電力を供給するボタン電池等が格納される。スライド面22の両側および装着方向前方には一段下がった段差面23が形成されており、サイクルコンピュータ20の装着時に、前記シャッター付きクレードル装置10における屋根部18上をスライドするように構成される。
【0025】
図4は本発明のシャッター付きクレードル装置と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータの正面図および一部断面を含む平面図である。図4(C)にて明瞭に示されるように、前記接続端子部24は、サイクルコンピュータ20とクレードル装置10との装着時のスライド方向と略直交する方向(図4(C)の上下方向)にばね27により付勢されている。このばね27も、実施例のような圧縮コイルばねの他、リーフスプリング、引張りコイルばね等適宜のものが採用され得る。サイクルコンピュータ20をクレードル装置10に装着するに際して、サイクルコンピュータ20のフランジ部21がクレードル装置10のフランジ受け部11内をスライド移動する間は、サイクルコンピュータ20の接続端子部24はクレードル装置10の台座部12上を移動するため、ばね27の復元力に抗して本体の内側に一度引き込まれる。サイクルコンピュータ20のクレードル装置10への装着完了時には、ばね27の復元力によりサイクルコンピュータ20の接続端子25がクレードル装置10の接続端子15側に向かって突出することで、サイクルコンピュータ20とクレードル装置10との間の電気的な接続が確実かつ強固になされるとともに、これらの接続端子の離脱遮断方向がサイクルコンピュータ20の装着方向と異なることで、接続端子の接続が離脱して断たれることが抑制される。
【0026】
また、サイクルコンピュータ20における接続端子部24のばね27による突出付勢は、サイクルコンピュータ20の装着完了時に、サイクルコンピュータ20の接続端子部24に形成されたガイド突条26、26をクレードル装置10の接続端子部14に刻設されたガイド溝部16、16にクリック感を以て落下係合する。したがって、互い係合するガイド溝部16とガイド突条26とは、ばね付勢されたサイクルコンピュータ20における接続端子部24のガイド突条26がクレードル装置10におけるガイド溝部16に落下係合することで、双方の接続端子25、15の電気的接続が適正かつ強固に保持されるとともに、サイクルコンピュータ20のスライド方向における離脱が規制されて、妄りに電気的接続が遮断されることがない。ガイド溝部16とガイド突条26との間に少なくとも離脱方向の係合部には傾斜面が形成され、所定の力が作用するまでは、サイクルコンピュータ20のクレードル装置10からの離脱できないようにクリック部を構成する。所定の離脱方向の力が加わると、前記傾斜面によってサイクルコンピュータ20における接続端子部24はばね27の付勢力に抗して後退して、クレードル装置10における接続端子部14との接続が断たれて速やかに電気的接続も遮断される。この傾斜面を含むクリック部の構成は適宜の形式が採用される。
【0027】
図示しての詳述はしないが、前記ガイド溝部16とガイド突条26を互いに対応する接続端子の数だけ設けて、これらの複数の溝部16および突条26を、それぞれ接続端子とすることもできる。また、実施例では、クレードル装置10や自転車の取付ブラケット等の構造を簡素化(ばねの配設を不要)するために、ばね付勢される接続端子部をサイクルコンピュータ20側としたが、クレードル装置10側の接続端子部をばね付勢するように構成することもできる。この場合には、サイクルコンピュータ20の接続端子部がばね付勢されないので、クレードル装置10や自転車の取付ブラケット等の接続端子側をばね付勢する必要がある。また、格別にばねを以て接続端子部をばね付勢する構成は無論のこと、接続端子部24をスライド面22と一体成形して、スリット等を形成して弾性変形し易くし、素材自体の弾性力にて相手側に付勢されるような構成も本発明の範疇にあることは言うまでもないことである。
【0028】
図5はサイクルコンピュータを装着した状態の本発明のシャッター付きクレードル装置の正面図、側面図および平面図である。図面からも理解されるように、サイクルコンピュータ20のクレードル装置10への装着時(図面下方への)には、サイクルコンピュータ20のスライド面22をガイドするクレードル装置10における台座部12の装着方向の長さが、サイクルコンピュータ20のスライド面22の長さより充分に長く構成されているので、サイクルコンピュータ20の装着時に、片手にてもサイクルコンピュータ20をクレードル装置10における台座部12に載せてた上で装着方向に円滑かつ安定させて迅速にスライド装着させることができる。さらに、装着の後半では、クレードル装置10における屋根部18の上にサイクルコンピュータ20における段差面23が載り、サイクルコンピュータ20の装着時のスライドにおける安定したガイド機能をさらに促進することになる。このことは、サイクルコンピュータ20をクレードル装置10の台座部12上にて抜き取るときも同様である。したがって、双方の接続端子部をこじること等がなく、接続端子部の損傷の虞れがない。図5(D)に示すように、サイクルコンピュータ20をクレードル装置10に装着した状態で、サイクルコンピュータ20よりクレードル装置10の方が離脱方向に突出するように構成した場合は、突出したクレードル装置10の端部に人差し指や中指を掛け易くなり、親指によりサイクルコンピュータ20を離脱方向に押し出すことができるので、片手で容易にサイクルコンピュータ20をクレードル装置10から取り外すことが可能になる。
【0029】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、サイクルコンピュータにおける走行データの種類、パソコン等との間の信号の送受信形態、クレードルにおける接続端子と接続ケーブルとの接続形態、シャッター部材の形状、形式、材質(静電防止が可能な素材が好適である)およびそのクレードル装置におけるスライド形態(好適には、実施例のもののように断面L字状のフランジ受け部内に収納されるが、シャッター部材の両側がクレードル装置を抱持するようなスライド形態としてもよい)、シャッター部材のばねによる復元形態(ばねについても、実施例のような圧縮コイルばねの他、リーフスプリング、引張りコイルばね等適宜のものが採用され得る)、クレードル装置における台座部の形状(サイクルコンピュータが円滑にシャッター部材を押し出すように、台座部とサイクルコンピュータのスライド面との間に互いに対応して係合するガイド条溝等を形成することもできる。また、スライドを円滑にするため台座部表面に低摩擦処理を施してもよい)、形式,台座部のサイクルコンピュータに対する長さ、サイクルコンピュータとクレードル装置における接続端子部の形状、形式(好適には、サイクルコンピュータ側の接続端子部がサイクルコンピュータの装着方向に直交する方向にばね付勢されるが、クレードル装置側がばね付勢されてもよい。あるいは双方の接続端子部がばね付勢されるようにすることもできる)、接続端子部のばね付勢形態(実施例のもののようなシリンダとピストン態様の他、接続端子部を本体部と一体成形するとともに、スリット等を設けることにより弾性変形し易くして、素材自体の弾性力にて相手側に付勢されるようにしてもよい。)、互いに整合して係合する両接続端子部におけるガイド突条およびガイド溝の形状(クリック感を以てこれらが係合するとともに、所定の力を加えることでサイクルコンピュータとクレードル装置とが離脱可能にする傾斜面の傾斜角度)等については適宜選定できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のシャッター付きクレードル装置の1つの実施例を示すもので、クレードル装置の斜視図およびサイクルコンピュータを装着した状態の斜視図である。
【図2】同、シャッター付きクレードル装置の正面図および一部断面を含む側面図である。
【図3】同、シャッター付きクレードル装置と装着されて組み合わされるサイクルコンピュータの裏面図および側面図である。
【図4】同、サイクルコンピュータの正面図および一部断面を含む平面図である。
【図5】同、サイクルコンピュータを装着した状態の本発明のシャッター付きクレードル装置の正面図、側面図および平面図である。
【図6】第1従来である自転車用走行データ処理装置の説明図である。
【図7】第2従来例である自転車用スピードメータの走行情報管理システムの説明図である。
【図8】第3従来例である携帯端末装置の説明図である。
【図9】第4従来例であるシャッター付きコネクタの説明図である。
【図10】第5従来例であるICカードの説明図である、
【図11】第6従来例であるコネクタの保護構造の説明図である。
【符号の説明】
【0031】
10 クレードル装置
11 フランジ受け部
12 台座部
13 シャッター部材
14 接続端子部
15 接続端子
16 ガイド溝部
18 屋根部
20 サイクルコンピュータ
28 表示部
29 切替ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータと接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置において、前記サイクルコンピュータの接続端子と電気的に接続されるクレードル装置の接続端子を被覆・保護するシャッター部材を、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドする台座部の装着方向前方に設けたことを特徴とするシャッター付きクレードル装置。
【請求項2】
前記シャッター部材は、サイクルコンピュータのクレードル装置へのスライド装着に伴って開放されるようにスライド自在に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシャッター付きクレードル装置。
【請求項3】
前記サイクルコンピュータとクレードル装置との間の互いの接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向に対向して配設されたことを特徴とする請求項1または2に記載のシャッター付きクレードル装置。
【請求項4】
少なくとも前記サイクルコンピュータにおける接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向にばね付勢されて構成され、前記接続端子がクレードル装置側の接続端子に向かって突出することで、サイクルコンピュータとクレードル装置との間の電気的な接続がなされるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のシャッター付きクレードル装置。
【請求項5】
前記サイクルコンピュータとクレードル装置との接続端子部に、これらの間の装着時のスライド方向と略直交する方向への少なくともサイクルコンピュータの接続端子の移動を可能にする、互い係合するガイド溝部とガイド突条とを設けたことを特徴とする請求項3または4に記載のシャッター付きクレードル装置。
【請求項6】
前記サイクルコンピュータをクレードル装置に装着した状態で、サイクルコンピュータよりクレードル装置の方が離脱方向に突出するように構成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載されたシャッター付きクレードル装置。
【請求項7】
前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドするクレードル装置における台座部の装着方向の長さをサイクルコンピュータのスライド面の長さより充分に長く構成したことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載されたシャッター付きクレードル装置。
【請求項1】
自転車の走行距離、走行時間、消費カロリー等の走行データを算出してこれらを記録・表示するサイクルコンピュータと接続され、パソコン等との間で前記走行データの送受信を行うクレードル装置において、前記サイクルコンピュータの接続端子と電気的に接続されるクレードル装置の接続端子を被覆・保護するシャッター部材を、前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドする台座部の装着方向前方に設けたことを特徴とするシャッター付きクレードル装置。
【請求項2】
前記シャッター部材は、サイクルコンピュータのクレードル装置へのスライド装着に伴って開放されるようにスライド自在に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシャッター付きクレードル装置。
【請求項3】
前記サイクルコンピュータとクレードル装置との間の互いの接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向に対向して配設されたことを特徴とする請求項1または2に記載のシャッター付きクレードル装置。
【請求項4】
少なくとも前記サイクルコンピュータにおける接続端子は、サイクルコンピュータとクレードル装置との装着時のスライド方向と略直交する方向にばね付勢されて構成され、前記接続端子がクレードル装置側の接続端子に向かって突出することで、サイクルコンピュータとクレードル装置との間の電気的な接続がなされるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のシャッター付きクレードル装置。
【請求項5】
前記サイクルコンピュータとクレードル装置との接続端子部に、これらの間の装着時のスライド方向と略直交する方向への少なくともサイクルコンピュータの接続端子の移動を可能にする、互い係合するガイド溝部とガイド突条とを設けたことを特徴とする請求項3または4に記載のシャッター付きクレードル装置。
【請求項6】
前記サイクルコンピュータをクレードル装置に装着した状態で、サイクルコンピュータよりクレードル装置の方が離脱方向に突出するように構成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載されたシャッター付きクレードル装置。
【請求項7】
前記サイクルコンピュータの装着時にこれをガイドするクレードル装置における台座部の装着方向の長さをサイクルコンピュータのスライド面の長さより充分に長く構成したことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載されたシャッター付きクレードル装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−173224(P2009−173224A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−15814(P2008−15814)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000112978)ブリヂストンサイクル株式会社 (78)
【出願人】(591040052)株式会社キャットアイ (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000112978)ブリヂストンサイクル株式会社 (78)
【出願人】(591040052)株式会社キャットアイ (12)
【Fターム(参考)】
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