説明

ショッピングカート

【課題】破壊の進行を遅くし、耐久性を向上させること。
【解決手段】ショッピングカート1において、各起立フレーム20L、20Rの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材21を1部に挿入して二重構造とし、二重構造の起立フレーム20L、20Rと挿着管材21とを一体に所定形状に曲げてなる上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rを形成し、かつ、この上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23R相互間を17cm乃至68cmとの間隔とした。また、基台フレーム30の内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材31を1部に挿入して二重構造とし、二重構造の基台フレーム30と挿着管材31とを一体に所定形状に曲げてなる曲げ部32L、32Rと、基台フレーム30と挿着管材31との機械的圧着してなる圧着固着部33L、33Rを形成し、かつ、この曲げ部32L、32Rと圧着固着部33L、33Rとの間を、17cm乃至68cmとの間隔とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等の店舗で買い物をする際に用いられる手押しのショッピングカートに関するもので、特に、耐久性を向上させることができるショッピングカート関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、スーパーマーケット等の店舗で使用されているショッピングカートは、買い物客が大量の商品を入れて重くなった買い物かごを持ち歩かなくてもよいように、買い物かごを載せて運ぶための手押し車・台車である。
そして、この種のショッピングカートにおいては、重量の大きい商品を大量に載せた場合、また、子供用座席が設けられているものにおいて子供用座席に子供を載せた場合にも十分に耐えることができる程度の機械的強度および剛性を有することが要求されており、ショッピングカートの骨格を構成するフレームには、機械的強度を考慮して、通常、スチール、アルミニウム等の金属製のものが使用されている。
【0003】
また、機械的強度、特に剛性を考慮したショッピングカートとして、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の技術を挙げることができる。この技術は、ショッピングカートの骨格を構成するフレームを上下方向に長寸の略楕円形状・偏平形状にして長径方向の断面係数を大きくすることで、ショッピングカートにおける商品、買い物かご等の荷物による鉛直方向の重さに対する剛性を強化させたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−248269号公報
【特許文献2】実用新案登録第2000063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のショッピングカートにおいても、商品等による重さ、重い商品を運搬する際または段差のある床面を移動する際や、車両に載せるまでの駐車場の走行の際またはショーケースへ衝突した際に生じる振動・衝撃等に起因する応力がフレームに繰り返し作用するため、長期に亘って使用するうちに、金属製のフレームであってもその機械的強度及び剛性が低下してフレームに変形が生じたり亀裂が生じたりし、最終的にフレームが破壊される可能性が高い。
【0006】
そこで、本発明は、疲労、振動、衝撃等による破壊の進行を遅くし、耐久性を向上させることができるショッピングカートの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るショッピングカートは、左右両側に平行して対向配置され、かつ、下端にキャスタが配設され、上端に把持部を配設された1対のアルミニウム製の管材からなる1対の各起立フレーム、及び前記1対の各起立フレームの下部で接合されて前方に略U字状に突設され、下部に1以上のキャスタが配設されたアルミニウム製の管材からなる基台フレームの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材を1部または全部に挿入して二重構造とし、前記二重構造の外部の前記起立フレーム及び/または前記基台フレームと前記挿着管材とを一体に所定形状に曲げてなる曲げ部、または前記二重構造の外部の前記起立フレーム及び/または前記基台フレームと内部の前記挿着管材との機械的圧着してなる圧着固着部を形成し、かつ、前記曲げ部相互間または外部の前記起立フレームまたは前記基台フレームと内部の前記挿着管材との前記圧着固着部相互間または前記曲げ部と前記圧着固着部との間を、15cm乃至70cmの範囲内、好ましくは17cm乃至68cmとの間隔としたもので、更に、前記1対の起立フレーム間を接続する複数本のアルミニウム製の間隔形成フレームと、前記基台フレームの上部に位置し、前記1対の起立フレーム及び前記間隔形成フレームに接続して形成されたフレーム容器を具備するものである。
【0008】
ここで、上記起立フレームは、左右両側に平行して対向配置されるもので、下端にキャスタが配設され、上端に把持部を配設された1対のアルミニウム製の管材からなるものであるが、直線状または曲線状または屈曲状に配設することができる。
また、上記基台フレームは、前記1対の各起立フレームの下部で接合されて前方に略U字状に突設され、下部に1以上のキャスタが配設されたアルミニウム製の管材からなるものであるが、キャスタの数は1個または2個が選択される。また、略U字状とは、コ字状、V字状等をデザイン要素として、機械的強度からも算出される。そして、ネスティングが可能なように、上記基台フレームの左右両側に対向配置される1対の側面部は、前方向(先端部)に向かって次第にその対向幅が狭くなるように形成されるのが望ましい。
そして、上記間隔形成フレームは、前記1対の起立フレーム間を接続する複数本のアルミニウム製の棒材または管材が使用される。
なお、上記把持部は、使用時に把持されるものであり、通常、買い物客が握りやすいように円筒形状に形成され、ゴム状のグリップを設けている。なお、上記把持部は、前記各起立フレームを延設して一体に形成することもできるし、別体として設けることもできる。更には、着脱自在に設けることもできる。また、全体として略コ字状に形成することもできるし、左右方向に長く、互いに離間対向する1対のものとして形成することもできるし、前後方向に長く、互いに平行に離間対向する1対のものとして形成することもできる。
【0009】
更に、上記フレーム容器は、前記基台フレームの上部に位置し、前記1対の起立フレーム及び前記間隔形成フレームに接続して形成されたもので、買い物かごが載置できる構造または直接商品が入る構造として形成される。詳しくは、上記フレーム容器は、商品や、商品を入れる買い物かご等の荷物が載置されるところであり、通常、金属製または合成樹脂製の管材、線材、棒材を枠状に配置したり、網箱状に配置したりすることによって形成される。なお、ネスティングが可能なように、前方向(先端部)に向かって次第にその左右の対向幅が狭くなるように、更には、前方向(先端部)に向かって次第に上方向に傾斜するように形成されるのが望ましい。
【0010】
なお、上記フレーム容器と前記1対の起立フレーム及び前記間隔形成フレームへの接続方法は、特に問われるものではなく、例えば、金属同士であれば溶接等により一体に固着することもできるし、ボルト等を使用して着脱自在に固着することもできる。着脱自在となっている場合には、仮に上記フレーム容器、または、前記1対の起立フレーム及び前記間隔形成フレームが破損しても、破損したもののみを新しいものと変えることができ、交換費用が少なくて済む。なお、上記フレーム容器の前記1対の起立フレーム及び前記間隔形成フレームへの接続位置は、買い物客が上記フレーム容器に商品、買い物かご等の荷物を載せたり下ろしたり、買い物かごへ商品を入れたり出したりするしやすさを考慮して設計される。
【0011】
加えて、特に、15cm乃至70cmの範囲内、好ましくは17cm乃至68cmとの間隔とは、発明者らはショッピングカートの移動の際に生ずる振動を計測した。例えば、金属音等の1000〜2000Hzの音の発生の振動、また、荒れた地表を通過の際には、500Hz以下の振動等が検出された。しかし、金属音等の1000〜2000Hzの音は、波長(気温15℃)が34〜17cmとなり、荒れた地表の200Hz以下の振動は、波長が170cmとなる。そこで振動対策を前提にすると、ショッピングカートのフレームに重畳して振動エネルギによる接合部の破壊や、フレーム自体の破壊に繋がるのは、フレームの長さとの関係で決定される。因みに、200Hz以下の振動は、波長が170cmで、半波長で85cmとなり、フレーム長の最大でも85cm程度の長さであるから、フレームの定在波となる可能性はない。また、高い周波数の振動は2000Hzで17cmの波長となるが、エネルギ自体は大きくないので無視できる。500Hzの振動は68cmの波長、半波長で34cmとなるが、この長さ以下で定在波が載る可能性がある。そこで、前記各起立フレーム及び前記基台フレームの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材を1部または全部に挿入して二重構造とし、17cm乃至68cmの間隔で、曲げ部または圧着固着部を形成することにより、局部的に質量の変化を徐々に行わせ、フレームに定在波が載り難いようにしたものである。勿論、前記各起立フレーム及び前記基台フレームの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材を1部または全部に挿入して二重構造とし、徐々に一体化させているから、仮に定在波が載ったとしても、定在波の反射する質量の不連続点がなくなり、徐々に定在波が減衰するので、前記一対の起立フレーム及び前記基台フレームにストレスを残さない。また、応力集中が緩和される。
【0012】
請求項2の発明に係るショッピングカートの前記曲げ部は、互いの中心線が交わる角度が鈍角状に曲げ形成され、1箇所の曲げ部によって内部の前記挿着管材との間に2箇所の弾接が行われてなるものである。
ここで、1箇所の曲げ部によって内部の前記挿着管材との間に2箇所の弾接が行われるとは、管材の厚みに関係なく、両者間を溶接していないものでは、外部の管(起立フレーム及び/または基台フレーム)を曲げれば、内部の管(挿着管材)が追随しても、少なくとも2箇所で徐々に弾接する構造となることを意味する。
【0013】
請求項3の発明に係るショッピングカートの前記圧着固着部は、内部の前記挿着管材の開口がなくなる程度に圧着を行ってなるものである。
ここで、上記圧着固着部は、内部の前記挿着管材の開口がなくなる程度に外部(起立フレーム及び/または基台フレーム)の管を圧着することを意味し、結果的に、内部の管(挿着管材)と外部の管(起立フレーム及び/または基台フレーム)の全体が徐々に一体化することを意味する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明のショッピングカートによれば、1対のアルミニウム製の管材からなる各起立フレーム及びアルミニウム製の管材からなる基台フレームの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材を1部または全部に挿入して二重構造とし、前記二重構造の外部の前記起立フレーム及び/または前記基台フレームと前記挿着管材とを一体に所定形状に曲げてなる曲げ部、または前記二重構造の外部の前記起立フレーム及び/または前記基台フレームと内部の挿着管材との機械的圧着してなる圧着固着部を形成し、かつ、前記曲げ部相互間または外部の前記起立フレームまたは前記基台フレームと内部の前記挿着管材との圧着固着部相互間または前記曲げ部と圧着固着部との間を、15cm乃至70cmの範囲内、好ましくは17cm乃至68cmとの間隔としたものであるから、ショッピングカートのフレームに重畳して振動エネルギとなって接合部の破壊や、フレーム自体の破壊に繋がる周波数成分が、フレームの長さとの関係で載り難くしたものである。特に、前記各起立フレーム及び前記基台フレームの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材を1部または全部に挿入して二重構造とし、15cm乃至70cmの範囲内、好ましくは17cm乃至68cmの間隔で、曲げ部または圧着固着部を形成することにより、質量の変化を局部的に徐々に行わせ、フレームに定在波が載り難いようにしたものである。勿論、前記各起立フレーム及び前記基台フレームの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材を1部または全部に挿入して二重構造とし、徐々に一体化させているから、仮に定在波が載ったとしても、定在波の反射する質量の不連続点がなくなり、徐々に定在波が減衰するので、前記一対の起立フレーム及び前記基台フレームにストレスを残さない。また、応力集中が緩和される。加えて、溶接によって内外の管材を一体化する必要がないから、作業性が良好である。
更に、フレーム容器に載置される商品、買い物かご等の荷物の重さによる応力、重い商品等の荷物をフレーム容器に載置した際または起伏した地面の走行した際またはショーケースの角等へ衝突した際に発生する衝撃や振動による応力等を繰り返し受けたことによって起立フレーム及び/または基台フレームに亀裂が発生した場合でも、二重構造となっている部分では、起立フレーム及び/または基台フレームと挿着管材との境界における隙間にて亀裂を停留させることができ、亀裂の進展速度を遅くすることができる。
【0015】
このようにして、起立フレームや、基台フレームの破壊に繋がる振動等による定在波を載り難くし、亀裂等の疲労の進展速度を遅くすることで、破壊の進行を遅くし、耐久性を向上させることができるショッピングカートとなる。
よって、疲労、振動、衝撃等による破壊の進行を遅くし、耐久性を向上させることができるショッピングカートの提供が可能となる。
【0016】
請求項2の発明のショッピングカートの前記曲げ部は、互いの中心線が交わる角度が鈍角状に曲げ形成され、1箇所の曲げ部によって内部の前記挿着管材との間に2箇所の弾接が行われてなるものであるから、請求項1の効果に加えて、金属加工において、起立フレーム及び/または基台フレーム並びに挿着管材にストレス、即ち、曲げ部への応力集中を緩和することができ、起立フレーム及び/または基台フレーム並びに挿着管材の寿命が低下するのを防止することができる。また、少なくとも、1箇所の曲げ部によって起立フレーム及び/または基台フレーム並びに内部の挿着管材との間に2箇所の弾接が行われることは、管材の厚みに関係なく、両者間を溶接していないものでは、外部の管(起立フレーム及び/または基台フレーム)を曲げれば、自然に好ましい弾接する構造が得られるため、作業性がよい。
【0017】
請求項3の発明に係るショッピングカートの前記圧着固着部は、内部の挿着管材の開口がなくなる程度に圧着を行ってなるものであるから、請求項1または請求項2の効果に加えて、上記圧着固着部は、内部の前記挿着管材の開口がなくなる程度に外部の管(起立フレーム及び/または基台フレーム)を圧着するものでは一体化されるが、内部の管(挿着管材)と外部の管(起立フレーム及び/または基台フレーム)の全体が徐々に一体化するものであるから、起立フレーム及び/または基台フレーム並びに挿着管材に与えるストレスが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態に係るショッピングカートの全体斜視図、図1(b)は本発明の実施の形態に係るショッピングカートの圧着固着部の拡大図、図1(c)は本発明の実施の形態に係るショッピングカートの図1(b)のA−A断面図である。
【図2】図2(a)は本発明の実施の形態に係るショッピングカートの右側面図、図2(b)は本発明の実施の形態に係るショッピングカートの二重構造を説明するための要部拡大断面図である。
【図3】図3(a)は本発明の実施の形態に係るショッピングカートの正面図、図3(b)は本発明の実施の形態に係るショッピングカート背面図である。
【図4】図4(a)は本発明の実施の形態に係るショッピングカートの平面図、図4(b)は本発明の実施の形態に係るショッピングカート底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する機能部分を意味し、実施の形態相互の同一の記号及び同一の符号は、それら実施の形態に共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
また、以下の説明において、構成部材のうち左右対称に構成されているものについては、左右を表す符号として『L』、『R』を付し、その左/右の記述を省略する。なお、通常、買い物客は、1対の起立フレーム20L、20Rに対してフレーム容器10が突設している側とは反対側に立ち、お腹側をフレーム容器10側に向け、把持部60L、60Rを把持してショッピングカートを押すことから、それを前提に、以下の説明においては、格別にことわりのない限り、前後左右の方向を、その買い物客の前後左右の方向として説明する。
【0020】
図1乃至図4に示すように、本実施の形態のショッピングカート1は、左右両側に平行して対向配置され、上部側にフレーム容器10が接続されている1対のアルミニウム製の管材からなる起立フレーム20L、20Rと、1対の各起立フレーム20L、20Rの下部で接合されて前方に略U字状に突設されたアルミニウム製の管材からなる基台フレーム30と、1対の起立フレーム20L、20R間を接続しているアルミニウム製の間隔形成フレームとしての上横架材40、中横架材41、下横架材42を有している。
また、本実施の形態の起立フレーム20L、20Rの下端には、キャスタ(後輪)50L、50Rが水平面内及び垂直面内で回転自在に取り付けられており、基台フレーム30の前側左右両端の下部には、キャスタ(前輪)51L、51Rが水平面内及び垂直面内で回転自在に取り付けられている。
更に、本実施の形態の起立フレーム20L、20Rの上端には、使用時に把持される把持部60L、60Rが設けられている。
【0021】
アルミニウム製の棒材からなるフレーム容器10は、商品、買い物かご等の荷物を載置するためのものであり、起立フレーム20L、20R並びに起立フレーム20L、20R相互間に架設された上横架材40及びこの上横架材40より下の位置で起立フレーム20L、20R相互間に架設された中横架材41に接続して形成されたものである。
具体的には、本実施の形態のフレーム容器10は、上横架材40の両側から前方向下向きに傾斜した状態で突設され、前方に向かって左右の対向幅が次第にわずかに狭くなるように形成された略コ字形状の上部周辺枠11と、この上部周辺枠11の下に位置し、中横架材41の両側から前方向上向きに傾斜した状態で突設され、前方に向かって左右の対向幅が次第にわずかに狭くなるように形成された略コ字形状の下部周辺枠12と、中横架材41の中間部分から前方向上向きにわずかに傾斜した状態で突設され、前端を鈍角状に立設させた底辺枠13で構成されている。
なお、上部周辺枠11及び下部周辺枠12を補強して機械的強度を高めると共に、相互の安定した配設状態を維持するため、上部周辺枠11及び下部周辺枠12の前方向左右両側には、補強材14L、14Rが架設されている。
【0022】
即ち、本実施の形態のショッピングカート1は、底辺枠13及び中横架材41によって、商品、買いかご等の荷物が載置される載置部分が形成されており、上横架材40、上部周辺枠11及び下部周辺枠12によって、その周囲部分をなす枠が形成されている。
そして、上部周辺枠11と下部周辺枠12の左右両側部分によって、底辺枠13及び中横架材41に載置される商品、買いかご等の荷物が横方向から落下するのを防止し、底辺枠13前端の上方向(鈍角状)に曲げ形成した部分によって、上記荷物が前方から落下するのを防止し、上横架材40によって、上記荷物が後方から落下するのを防止している。
【0023】
なお、上部周辺枠11及び下部周辺枠12は、アルミニウム製の棒材を略コ字状に曲げて形成したものであり、底辺枠13は、アルミニウム製の棒材を略コ字状に曲げ、更に、その屈曲側を上方向(鈍角状)に曲げて形成したものである。
また、上横架材40及びこの上横架材40と平行に対向配置された中横架材41は、それぞれ、起立フレーム20L、20Rの上部側に溶接によって固着され、上部周辺枠11は、上横架材40の両側に溶接によって固着され、下部周辺枠12は、中横架材41の両側に溶接によって固着され、底辺枠13は、中横架材41の中間部分に溶接によって固着されている。更に、機械的強度を増大させるため、上部周辺枠11及び下部周辺枠12の前方の水平部分において、両者は部分溶着されており、また、この水平部分の裏面側には、底辺枠13前端の上方向(鈍角状)に曲げ形成した部分が当接して溶着されている。殊に、上部周辺枠11及び下部周辺枠12における部分溶着は、上部周辺枠11及び下部周辺枠12の曲げ箇所への応力集中を回避するために、曲げ箇所から若干離れた位置になされている。なお、補強材14L、14Rも左右両側にて上部周辺枠11及び下部周辺枠12に溶接によって固着されている。
【0024】
また、本実施の形態のショッピングカート1において、上横架材40の右側には、後方側(彎曲側)を上方向(鈍角状)に立設させたフック枠15が溶接されている。このフック枠15は、アルミニウム製の棒材または管材を略U字状に曲げ、更に、その彎曲側を上方向(鈍角状)に曲げて形成したものであり、買い物客のハンドバック等が掛けられるような構成となっている。
更に、フレーム容器10の底辺枠13前端の上方向(鈍角状)に曲げ形成した部分であってフレーム容器10の上部周辺枠11から突出した部分には、アルミニウム製の板材からなるプレート板18が溶接によって取り付けられており、店舗名や注意書きを印刷したシール等が貼り付けられるようになっている。
加えて、商品、買物かご等の荷物が載置されるフレーム容器10を支持して機械的強度を高めるため、フレーム容器10の底辺枠13の下側には、後述する起立フレーム20L、20Rにおける上側曲げ部22L、22R付近から前方向上向きに傾斜した状態で突設され、前方上方に向かって左右の対向幅が次第にわずかに狭くなるように形成された略コ字形状の支持枠17が固着されている。なお、この支持枠17は、アルミニウム製の棒材を略コ字状に曲げて形成したもので、フレーム容器10の底辺枠13及び起立フレーム20L、20Rに溶接によって固着されており、起立フレーム20L、20R間を接続する間隔形成フレームとしての機能をも有している。
【0025】
ところで、フレーム容器10の各構成部材や、フレーム容器10に付属している支持枠17や、上横架材40及び中横架材41の寸法形状は、商品、買物かご等の荷物の重さ及び荷物の衝突による衝撃に十分に耐え得る機械的強度及び剛性を考慮して設定されている。殊に、本実施の形態においては、上記のうち中横架材41以外の部材に、円柱状の棒材を使用しているのに対し、載置される荷物の重さや振動等により特に大きな応力を繰り返し受ける中横架材41には、上記円柱状の棒材より太径で所定の肉厚を有する円筒状の管材を使用しており、中横架材41の機械的強度及び剛性を高めてある。
しかし、本発明を実施する場合には、載置される商品、買い物かご等の荷物の重さ、荷物の衝突による衝撃に十分耐え得る機械的強度及び剛性を有すれば、上記形態に限定されず、例えば、中横架材41以外の上記部材にも円筒状の管材を使用したり、中横架材41に円柱状の棒材を使用したり、更には、楕円筒状の管材や楕円柱状の棒材、角筒状の管材や角柱状の棒材などを適用したりすることができる。特に、所定の肉厚を有し、断面形状が左右方向に短寸で上下方向が長寸である略楕円形状(偏平形状)の管材を使用することで、これと同じ断面積を持つ円筒状の管材に比べて、長径方向(上下方向)の断面係数が増大して曲げ強度が大きくなるため、商品、買い物かご等の荷物による鉛直方向の重さに対する機械的強度及び剛性を増大させることが可能になる。
【0026】
また、本実施の形態においては、フレーム容器10の各構成部材は、上述の如く、アルミニウム製のものが使用されているが、本発明を実施する場合には、これに限定されず、スチール製、ステンレス製、合成樹脂等のものを使用することもできる。殊に、合成樹脂製のものを使用した場合には、後述するネスティングによるフレーム容器10の金属音の発生を抑えることが可能になる。なお、スチール製のものを使用する場合には、通常、錆び防止のため、ナイロン粉体等を加熱した膜でコーティングされる。
【0027】
起立フレーム20L、20Rは、基台フレーム30に対して上方向に立設されており、図2(b)に示すように、その1部は、起立フレーム20L、20Rの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材21が挿入されて二重構造となっている。
具体的には、本実施の形態の挿着管材21は、起立フレーム20L、20Rの内径に対して若干小さな外径を有し、起立フレーム20L、20Rにおいて横架材41が固着された位置の下部から下端にかけて内設されている。
【0028】
また、図1及び図2に示すように、起立フレーム20L、20Rにおいて支持枠17が固着された付近には、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21を一体に鈍角状に曲げてなる上側曲げ部22L、22Rが形成されている。更に、起立フレーム20L、20Rにおいて下横架材42が固着された付近には、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21を一体に鈍角状に曲げてなる下側曲げ部23L、23Rが形成されている。
このため、本実施の形態の起立フレーム20L、20Rは、本実施の形態のショッピングカート1の正面に対する右側からみて、略く字形状となっていて、更にその下側は垂直形状となっている(図2参照)。
そして、本実施の形態においては、この二重構造部分は、約70cmとなっており、上側曲げ部22L、22Rと下側曲げ部23L、23Rとの間は、約35cmとなっている。
なお、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21の成形は、通常、共に押出成形によって行われ、ベンダーによって湾曲される。
【0029】
また、起立フレーム20L、20Rの下端には、ボールベアリング部分が密閉された静音のキャスタ(後輪)50L、50Rが溶接によって取り付けられている。
更に、起立フレーム20L、20Rの上端は、内側に向けて曲げられており、左右方向に互いに離間対向する把持部60L、60Rを形成している。即ち、本実施の形態の把持部60L、60Rは、起立フレーム20L、20Rの上端を内側に曲げて形成したものであり、起立フレーム20L、20Rと一体になっている。そして、この把持部60L、60Rには、買い物客が把持しやすいようにゴム製のグリップ61L、61Rが被せられている。なお、本発明を実施する場合には、把持部60L、60Rを別体として、起立フレーム20L、20Rに取付けてもよい。
そして、起立フレーム20L、20Rの下部からは、基台フレーム30が略U字状に突設されている。
【0030】
略U字形状の基台フレーム30は、前方に向かってその左右の対向幅が次第にわずかに狭くなるように形成されており、図2(b)に示すように、その1部は、基台フレーム30の内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材31が挿入されて二重構造となっている。
具体的には、本実施の形態の挿着管材31は、基台フレーム30の内径に対して若干小さな外径を有し、基台フレーム30の左右両側部分において後述するキャスタ(前輪)51L、51Rが配設された位置の後部から後端にかけて内設されている。
【0031】
そして、図1乃至図3に示すように、基台フレーム30における左右両側部分の前方から約3分の1の位置には、基台フレーム30及び挿着管材31を一体に鈍角状に曲げてなる曲げ部32L、32Rが形成されている。
このため、本実施の形態の基台フレーム30の左右両側部分は、前方向において下向きに傾斜している。
【0032】
また、図1(b)及び図1(c)に示すように、基台フレーム30の左右両側部分の後端において、基台フレーム30及び挿着管材31は、挿着管材31の開口がなくなる程度に一体に左右方向に押し潰されている。即ち、基台フレーム30における左右両側部分の後端には、基台フレーム30内部の挿着管材31の開口がなくなる程度に、基台フレーム30と挿着管材31とを機械的に圧着してなる圧着固着部33L、33Rが形成されている。
【0033】
そして、本実施の形態においては、この二重構造部分は、左右両側部分でそれぞれ約40cmとなっており、曲げ部32L、32Rと圧着固着部33L、33Rとの間は、約30cmとなっている。
なお、基台フレーム30及び挿着管材31の成形も、通常、共押出成形によって行われる。
また、本実施の形態においては、起立フレーム20L、20Rと基台フレーム30は溶接によって接合されている。なお、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30の接合部分には、隅肉溶接が施されており、接合部分(隅部分)への応力集中が緩和されるようになっている。加えて、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30の溶接部分の近傍における基台フレーム30の下部側には、図示しない穴が穿設されており、接合部分(隅部分)への応力集中が更に緩和されるようになっている。
【0034】
更に、本実施の形態の基台フレーム30の内側には、商品、買い物かご等の荷物を載置するためのアルミニウム製の棒材からなる底辺枠34が配設されている。この底辺枠34は、前端を鈍角状に立設させ、かつ、後端を略垂直状に立設させたものであり、起立フレーム20L、20R相互間に架設された下横架材42から前方向下向きに傾斜した状態で突設されている。
なお、底辺枠34を補強して機械的強度を高めるため、底辺枠34の前方側には、補強材35が架設されている。
【0035】
即ち、本実施の形態のショッピングカート1は、底辺枠34によって、商品、買いかご等の荷物が載置される載置部分が形成されており、下横架材42及び基台フレーム30によって、その周囲部分をなす枠が形成されている。
そして、基台フレーム30の左右両側部分によって、底辺枠34に載置される商品、買いかご等の荷物が横方向から落下するのを防止し、底辺枠34前端の上方向(鈍角状)に曲げ形成した部分によって、上記荷物が前方から落下するのを防止し、底辺枠34後端の上方向(略垂直状)に曲げ形成した部分及び下横架材42によって、上記荷物が後方から落下するのを防止している。
【0036】
なお、底辺枠34は、アルミニウム製の棒材を略U字状に曲げ、更に、その弧状側(前端側)を上方向(鈍角状)、かつ、その開放両端側(後端側)を上方向(略垂直状)に曲げて形成したものである。
また、下横架材42は、起立フレーム20L、20R下部の下側曲げ部23L、23R付近に溶接によって固着され、底辺枠34は、下横架材42に溶接によって固着されている。また、機械的強度を増大させるため、底辺枠34前端の上方向 (鈍角状) に曲げ形成された部分(曲げ角部分)は、基台フレーム30前方の水平部分に当接して溶着されている。更に、補強材35も底辺枠36の前方側に溶接によって固着されている。
なお、底辺枠34、下横架材42の寸法形状も、商品、買い物かご等の荷物の重さ及び荷物の衝突による衝撃に十分に耐え得る機械的強度及び剛性を考慮して設定されている。殊に、本実施の形態においては、底辺枠34に円柱状の棒材を使用しているのに対し、下横架材42には、上記円柱状の棒材より太径で所定の肉厚を有する円筒状の管材を使用しており、下横架材42の機械的強度及び剛性を高めてある。しかし、本発明を実施する場合には、載置される商品、買い物かご等の荷物の重さや荷物の衝突による衝撃に十分耐え得る機械的強度及び剛性を有すれば、上記形態に限定されず、例えば、底辺枠34に円筒状の管材を使用したり、下横架材42に円柱状の棒材を使用したり、更には、楕円筒状の管材や楕円柱状棒の棒材、角筒状の管材や角柱状の棒材などを適用したりすることができる。特に、所定の肉厚を有し、断面形状が左右方向に短寸で上下方向が長寸である略楕円形状(偏平形状)の管材を使用することで、これと同じ断面積を持つ円筒状の管材に比べて、長径方向(上下方向)の断面係数が増大して曲げ強度が大きくなるため、商品、買い物かご等の荷物等による鉛直方向の重さに対する剛性及び強度を増大させることが可能になる。
【0037】
また、本実施の形態において、下横架材42の右側には、アルミニウム製の管材を略U字状に曲げて形成したU字枠36が溶接されており、本実施の形態のショッピングカート1によれば、買い物客の傘や杖などの持ち手部分を上横架材40等に掛け、その下端をU字枠36に挿入することで、傘や杖などが定位置に収まるようになっていて、傘や杖などが買い物客の邪魔にならないようになっている。
更に、基台フレーム30前方の両端側下部には、ボールベアリング部分が密閉された静音のキャスタ(前輪)51L、51Rが取り付けられている。具体的には、このキャスタ(前輪)51L、51Rは、後述する補強材5と基台フレーム30前端の水平部分との間に溶接によって取り付けられている。
【0038】
そして、起立フレーム20L、20及び基台フレーム30の肉厚等を含む寸法形状は、フレーム容器10や、底辺枠35に重量の大きい荷物を急激に載せた場合でも亀裂が発生せずに十分に耐えることができる機械的強度及び剛性を考慮して設定されており、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30は、フレーム容器10及び底辺枠35に重量の大きい商品を急激に載せた場合にも十分に耐えることができる機械的強度及び剛性を有している。
殊に、本実施の形態においては、機械的強度を高めるために、起立フレーム20L、20Rの中間付近に、詳しくは、上側曲げ部22L、22Rの頂部を介する上下相互間に、アルミニウム製の棒材からなる補強材2L、2Rが架設され、起立フレーム20L、20Rの下側及び基台フレーム30の後方の上側相互間に、アルミニウム製の棒材からなる補強材3L、3Rが架設され、起立フレーム20L、20Rの下端及び基台フレーム30の後方の下側相互間に、アルミニウム製の棒材からなる補強材4L、4Rが架設され、基台フレーム30前方の左右相互間に、アルミニウム製の棒材からなる補強材5が架設されている。勿論、本発明を実施する場合には、各補強材の材質、形状、位置は上記に限定されるものではない。
なお、起立フレーム20L、20R相互間を接続する間隔形成フレームとしての上横架材40、中横架材41、下横架材42は、起立フレーム20L、20Rの相互間の動きを規制し、その立設状態を安定する機能を有すると共に、機械的強度を高める機能をも有している。
【0039】
ところで、本発明者らが、一般的なショッピングカートの移動の際に生じる振動を計測したところ、例えば、金属音等の1000〜2000Hzの音の発生の振動、また、荒れた地表の500Hz以下の振動等が検出された。しかし、金属音等の1000〜2000Hzの音は、波長(気温15℃)が34〜17cmとなり、荒れた地表の200Hz以下の振動は、波長が170cmとなる。したがって、起立フレーム20L、20Rまたは基台フレーム30などのフレームに重畳して振動エネルギとなり、接合部の破壊や、フレーム自体の破壊を招く周波数成分は、フレームの長さとの関係で決定されることになる。
ここで、200Hz以下の振動は、波長が170cmで、半波長で85cmとなり、一般的には、フレーム長の最大でも85cm程度の長さであるから、フレームの定在波となる可能性はない。また、高い周波数の振動は2000Hzで17cmの波長となるが、エネルギ自体は大きくないので無視できる。そして、500Hzの振動は68cmの波長、半波長で34cmとなるが、この長さ以下で定在波が載る可能性がある。
【0040】
しかし、本実施の形態のショッピングカート1は、上述の如く、起立フレーム20L、20Rの1部に挿着管材21を挿入して二重構造とし、上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rを形成し、かつ、両曲げ部の相互間を15cm乃至70cmの範囲内、好ましくは17cm乃至68cmの範囲内である約35cmの間隔としており、局部的に、即ち、起立フレーム20L、20Rにおける挿着管材21の導入箇所や、上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rにて、質量の変化を徐々に行わせている。また、基台フレーム30においてもその1部に挿着管材31を挿入して二重構造とし、曲げ部32L、32R及び圧着固着部33L、33Rを形成し、かつ、曲げ部32L、32R及び圧着固着部33L、33Rの間を15cm乃至70cmの範囲内、好ましくは17cm乃至68cmの範囲内である約30cmの間隔としており、局部的に、即ち、基台フレーム30における挿着管材31の導入箇所や、曲げ部32L、32R及び圧着固着部33L、33Rにて、質量の変化を徐々に行わせている。
このため、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30に定在波が載り難くなっている。
【0041】
しかも、起立フレーム20L、20Rの内径より若干小さな外径の挿着管材21が挿入されており、両者間を溶接していないものでは、外部の管である起立フレーム20L、20Rを曲げれば、内部の管である挿着管材21が追随しても、1箇所の曲げ部によって内部の挿着管材21との間に少なくとも2箇所で徐々に弾接が行われることになることから、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21は徐々に一体化する。
また、同様に、基台フレーム30においても、基台フレーム30の内径より若干小さな外径の挿着管材31が挿入されており、1箇所の曲げ部によって内部の挿着管材31との間に少なくとも2箇所の弾接が行われることになり、更に、圧着固着部33L、33Rにおいても、挿着管材31の開口がなくなる程度に圧着されていることから、基台フレーム30及び挿着管材31は徐々に一体化する。
即ち、本実施の形態のショッピングカート1は、起立フレーム20L、20Rにおいて、上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rを形成することで、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21とを徐々に一体化させ、また、基台フレーム30において曲げ部32L、32R及び圧着固着部33L、33Rを形成することで、基台フレーム30と挿着管材31とを徐々に一体化させている。
このため、仮に定在波が載ったとしても、定在波の反射する質量の不連続点がなくなり、徐々に定在波が減衰するので、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30にストレスを残さない。
なお、溶接によって起立フレーム20L、20R及び挿着管材21や、基台フレーム30と挿着管材31を一体化する必要がないため、本実施の形態のショッピングカート1は、その作業性が良好である。
【0042】
また、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21との二重構造となっているため、振動が加えられた場合、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21が別々に振動して互いに干渉することで、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21の境界部分に応力が集中することが懸念されるが、本実施の形態のショッピングカート1は、上述の如く、この二重構造部分に、上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rを形成することで、上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rにて起立フレーム20L、20Rと挿着管材21とを密に面接触させ、徐々に一体化させているから、振動が加えられた場合でも、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21は徐々に一体となって振動することになる。即ち、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21の境界部分に応力が集中する事態は防止されている。
更に、基台フレーム30と挿着管材31との二重構造部分にも、曲げ部32L、33及び圧着固着部33L、33Rを形成することで、曲げ部32L、33及び圧着固着部33L、33Rにて基台フレーム30と挿着管材31とを密に面接触させ、徐々に一体化させているから、振動が加えられた場合でも、基台フレーム30と挿着管材31とは一体となって振動することになる。即ち、基台フレーム30及び挿着管材31が別々に振動して互いに干渉することによって両者の境界部分に応力が集中するという事態は防止されている。
【0043】
なお、上述から、二重構造部分の15cm乃至70cmの範囲内、好ましくは17cm乃至68cmの範囲で、質量の変化を徐々に行わせることができれば、起立フレーム20L、20Rまたは基台フレーム30などのフレームに重畳して振動エネルギとなり、接合部の破壊や、フレーム自体の破壊を招く周波数成分が載り難くなる。したがって、本発明を実施する場合には、15cm乃至70cmの範囲内、好ましくは17cm乃至68cmの間隔で、曲げ部または圧着固着部を形成すればよく、曲げ部または圧着固着部を形成する位置や数は、上記形態に限定されずに、買い物客の操作性、走行時のバランス、各構成部材とのバランス等を考慮して適宜設定することができる。
【0044】
また、一般的に、物体は、その機械的強度以下の応力を繰り返しまたは継続的に受けた場合に、機械材料としての機械的強度及び剛性が低下して、最終的に破壊されることがある。そして、この破壊に至るまでには、多くの場合、物体において、微小な亀裂の発生、亀裂の進展という過程が存在する。
【0045】
ここで、本実施の形態のショッピングカート1は、上述の如く、商品、買い物かご等の荷物が載置されるフレーム容器10や、底辺枠34が配設されており、荷物がフレーム容器10や、底辺枠34に載置される度に、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30は、荷物の重さによる異なる大きさの応力を繰り返し受けることになる。
加えて、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30の下端には、上述の如く、地面と接するキャスタ(後輪)50L、50R及びキャスタ(前輪)51L、51Rが取り付けられており、買い物客が把持部60L、60Rを把持して任意の方向へ走行させた際、地面の起伏を走行する度に、衝撃や振動による応力を繰り返し受けることになる。更には、フレーム容器10や、底辺枠34に重い荷物が載置される度、ショーケースの角等に衝突する度にも、振動や衝撃等による応力を繰り返し受けることになる。また、操作時に買い物客の押す力による応力を繰り返し受けることもある。
このため、長時間の使用によって、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30の機械的強度及び剛性が次第に低下する可能性がある。
【0046】
しかし、本実施の形態のショッピングカート1は、上述の如く、上横架材40が溶着した位置より下側において、起立フレーム20L、20Rに挿着管材21が挿入されており、二重構造となっている。
したがって、仮に、上述のような応力を繰り返し受けたことよってこの二重構造部分に亀裂が発生しても、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21との間に生じる隙間によって亀裂が停留しやすくなっており、単に起立フレーム20L、20Rを上記二重構造と同じ肉厚に形成した場合より、亀裂の進展速度が低下しやすくなっている。
また、同様に、本実施の形態のショッピングカート1は、上述の如く、基台フレーム30の左右両側部分のキャスタ(前輪)51L、51Rが配設された位置より後部において、基台フレーム30に挿着管材31が挿入されており、二重構造となっている。
したがって、仮に、上述のような応力を繰り返し受けたことよってこの二重構造部分に亀裂が発生しても、基台フレーム30と挿着管材31との間に生じる隙間によって亀裂が停留しやすくなっており、単に基台フレーム30を上記二重構造と同じ肉厚に形成した場合より、亀裂の進展速度が低下しやすくなっている。
【0047】
このように、本実施の形態のショッピングカート1は、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30の破壊に繋がる振動等による定在波が載り難くなっている。また、仮に定在波が載ったとしても、徐々に定在波が減衰するようになっていて、ストレスを残さないようになっている。更に、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21との境界部分及び基台フレーム30と挿着管材31との境界部分に応力が集中するのも防止されている。そして、二重構造部分において亀裂が生じた場合でも、亀裂の進展速度が低下しやすくなっている。
このため、本実施の形態のショッピングカート1によれば、破壊の進行が遅く、耐久性が向上する。また、破壊の進行が遅くなるため、破壊される前に定期検査等で亀裂を発見する頻度を高めることができ、メンテナンス性を向上させることも可能となる。
【0048】
加えて、本実施の形態のショッピングカート1によれば、起立フレーム20L、20Rにおける上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rや、基台フレーム30における曲げ部32L、32Rは、互いの中心線が交わる角度が鈍角状に曲げ形成されてなるものであるから、鋭角状や直角状に曲げ形成した場合と比較して、金属加工において、上述した曲げ部へのストレス、即ち、応力集中も緩和されており、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21並びに基台フレーム30及び挿着管材31の寿命の低下も防止されている。また、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21の厚みに関係なく、両者間を溶接していなくても、起立フレーム20L、20Rを曲げれば、それぞれ1箇所の曲げ部によって、挿着管材21との間に2箇所の弾接が行われ、自然に好ましい弾接する構造が得られるため、作業性がよい。基台フレーム30及び挿着管材31においても同様である。
更に、本実施の形態のショッピングカート1によれば、基台フレーム30における圧着固着部33L、33Rは、内部の挿着管材31の開口がなくなる程度に圧着を行ってなるものであるから、基台フレーム30と挿着管材31が徐々に一体化し、基台フレーム30と挿着管材31に与えるストレスも少なくなっている。
【0049】
なお、本実施の形態においては、上述の如く、起立フレーム20L、20Rのうち、特に、フレーム容器10及び底辺枠34に載置される商品、買い物かご等の荷物の重さによる大きな応力や繰り返し応力を受ける部分である、上横架材40が溶着した位置より下側が二重構造となっており、挿着管材21の分だけ肉厚となっている。
更に、基台フレーム30のうち、特に、フレーム容器10及び底辺枠34に載置される商品、買い物かご等の荷物の重さによる大きな応力や繰り返し応力を受ける部分であり、また、買い物かご等の荷物の左右の移動を阻止する機能を有し、荷物の衝突による傷や繰り返し応力を受けやすい部分である、左右両側部分のキャスタ(前輪)51L、51Rが配設された位置より後部が二重構造となっており、挿着管材31の分の分だけ肉厚となっている。
即ち、本実施の形態のショッピングカート1は、主に、大きな応力や繰り返し応力がかかり、亀裂が発生しやすいところを重点的に二重構造としており、起立フレーム20L、20Rの全てや、基台フレーム30の全てを二重構造とした場合より軽量となっていて、買い物客にとって負担なく操作が行えるようになっている。
このため、本実施の形態のショッピングカート1によれば、材料の節約化や軽量化を図りつつ、全体の耐久性を効率的に向上させることができる。
【0050】
しかし、本発明を実施する場合には、上述の如く、二重構造部分の17cm乃至68cmの範囲で、質量の変化を徐々に行わせることができれば、起立フレーム20L、20Rまたは基台フレーム30などのフレームに重畳して振動エネルギとなり、接合部の破壊や、フレーム自体の破壊を招く周波数成分が載り難くなる。よって、17cm乃至68cmの間隔で、曲げ部または圧着固着部を形成すれば、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30の全体を二重構造とすることもできる。
【0051】
なお、上横架材40が溶着した位置より下側において、単に起立フレーム20L、20Rのみで上記二重構造と同じ肉厚に形成した場合、肉厚が厚い部分と薄い部分との境界において起立フレーム20L、20Rの断面形状が変わるため、その部分に応力が集中しやすくなるが、本実施の形態においては、挿着管材21を内設して肉厚としており、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21との間に隙間が生じるので、単に起立フレーム20L、20Rのみで上記二重構造と同じ肉厚に形成した場合と比較して肉厚が厚い部分と薄い部分との境界における応力集中は軽減されている。
同様に、基台フレーム30においても、挿着管材31を内設して肉厚としており、基台フレーム30と挿着管材31との間に隙間が生じるので、単に基台フレーム30を上記二重構造と同じ肉厚に形成した場合と比較して、肉厚が厚い部分と薄い部分との境界における応力集中は軽減されている。
【0052】
また、本実施の形態のショッピングカート1によれば、キャスタ(後輪)50L、50R、キャスタ(前輪)51L、51R及び把持部60L、60Rのグリップ61L、61R以外は、アルミニウム製のものが使用されているため、パイプ径を太くして肉厚を薄くするなど寸法形状の工夫次第では、ステンレス製やスチール製などの他の金属製のものと同様の機械的強度及び剛性を保ったまま軽量化を図ることも可能である。更に、本実施の形態において、これら構成部材には、腐食等防止のためにアルマイト処理が施されており、表面に光沢が生じているため、本実施の形態のショッピングカート1によれば、店内を明るくするという効果も期待できる。
【0053】
また、本実施の形態のショッピングカート1によれば、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30は円筒状の管材が使用されており、管材の長手方向に直角な断面において角隅が存在しないため、角隅への応力集中を排除することができ、更には、同じ断面積の棒材を使用した場合より機械的強度及び剛性を大きくすることができる。しかし、本発明を実施する場合には、円筒状のものに限定されるものではなく、例えば、楕円筒状や角筒状の管材を使用することも可能である。殊に、所定の肉厚を有し、断面形状が左右方向に短寸で上下方向が長寸のである略楕円形状(偏平形状)の管材を使用することで、これと同じ断面積を持つ円筒状の管材に比べて、長径方向(上下方向)の断面係数が増大して曲げ強度が大きくなるため、商品、買い物かご等の荷物による鉛直方向の重さに対する機械的強度及び剛性を増大させることが可能になる。
【0054】
なお、本実施の形態において、略直角に交わる2つの部材を溶接する箇所、例えば、中横架材41と起立フレーム20L、20Rとの溶接個所や、下横架材42と起立フレーム20L、20Rとの溶接個所等には、すみ肉溶接が施されており、接合部分(隅部)における応力集中が緩和されるようになっている。
また、本実施の形態の中横架材41と起立フレーム20L、20Rとの溶接部分の近傍における中横架材41の下部側、及び、下横架材42と起立フレーム20L、20Rとの溶接部分の近傍における下横架材42の下部側には、図示しない穴が穿設されており、接合部分(隅部)おける応力集中が更に緩和されるようになっている。
【0055】
ところで、本実施の形態のショッピングカート1は、上述の如く、フレーム容器10の上部周辺枠11及び下部周辺枠12は前方に向かってその左右の対向幅が次第にわずかに狭くなるように形成されており、フレーム容器10の下部周辺枠12及び底辺枠13は、前方向上向きにわずかに傾斜した状態となっている。また、基台フレーム30も、前方に向かってその左右の対向幅が次第にわずかに狭くなるように形成されている。したがって、本実施の形態のショッピングカート1は、ネスティングが可能である。
【0056】
また、本実施の形態のキャスタ(前輪)50L、50R及びキャスタ(後輪)51L、51Rは、ボールベアリング部分が密閉された静音キャスタであるため、潤滑オイルが揮発せず、ボールベアリング部分が錆びることはない。よって、本実施の形態のショッピングカート1によれば、何年経っても静かな走行が可能である。
【0057】
なお、念のために記載するが、基台フレーム30内に配設される底辺枠34は、より多くの荷物を載せることができるよう設けられたものであり、本発明を実施する場合には、必ずしも必要なものではない。
また、本発明を実施する場合には、子供を載せるための座席または更に商品や買い物かご等を載置するための載置部分を、例えば、フレーム容器10と基台フレーム30の間であって、起立フレーム20L、20Rの後方に設けることも可能である。なお、本実施の形態においては、フレーム容器10は、商品や買い物かご等を載置するためのものとして説明したが、子供を載せるためのものとし、子供が載せられるように形成することも可能である。
更に、本発明を実施する場合には、基台フレーム30前端の水平部分に、弾性樹脂製のバンパーを装着することも可能である。これによって、ショーケース等に衝突した場合でも、その衝撃による応力を緩和することができ、破壊への進行を遅くすることも可能となる。
【0058】
このように、本実施の形態のショッピングカート1は、左右両側に平行して対向配置され、かつ、下端にキャスタ(後輪)50L、50Rが配設され、上端に把持部60L、60Rを設けた1対のアルミニウム製の管材からなる起立フレーム20L、20Rと、1対の各起立フレーム20L、20Rの下部で接合されて前方に略U字状に突設され、下部にキャスタ(後輪)51L、51Rが配設されたアルミニウム製の管材からなる基台フレーム30と、1対の起立フレーム20L、20R間を接続するアルミニウム製の間隔形成フレームとしての上横架材40、中横架材41、下横架材42と、基台フレーム30の上部に位置し、1対の起立フレーム20L、20R及び間隔形成フレームとしての上横架材40及び中横架材41に接続して形成されたフレーム容器10を具備するものである。
そして、各起立フレーム20L、20Rの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材21を1部に挿入して二重構造とし、二重構造の起立フレーム20L、20Rと挿着管材21とを一体に所定形状に曲げてなる上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rを形成し、かつ、この上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23R相互間を15cm乃至70cmの範囲内、例えば、17cm乃至68cmとの間隔、具体的には、約35cmとしたものである。
更には、基台フレーム30の内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材31を1部に挿入して二重構造とし、二重構造の基台フレーム30と挿着管材31とを一体に所定形状に曲げてなる曲げ部32L、32Rと、基台フレーム30と内部の挿着管材31との機械的圧着してなる圧着固着部33L、33Rとを形成し、かつ、曲げ部32L、32Rと圧着固着部33L、33Rとの間を、17cm乃至68cmとの間隔、具体的には、約30cmとしたものである。
【0059】
したがって、本実施の形態のショッピングカート1によれば、起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30に重畳して振動エネルギとなって接合部の破壊や、このフレーム自体の破壊に繋がる周波数成分が、フレームの長さとの関係で載り難くなっている。即ち、各起立フレーム20L、20Rの1部に挿着管材21を挿入し二重構造とし、17cm乃至68cmの範囲内の間隔で上側曲げ部22L、22R及び下側曲げ部23L、23Rを形成し、また、基台フレーム30の1部に挿着管材31を挿入し二重構造とし、17cm乃至68cmの範囲内の間隔で曲げ部32L、32R及び圧着固着部33L、33Rを形成することで、局部的に質量の変化を徐々に行わせているため、各起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30に定在波が載り難くなっている。勿論、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21並びに基台フレーム30及び挿着管材31を徐々に一体化させているから、仮に定在波が載ったとしても、定在波の反射する質量の不連続点がなくなり、徐々に定在波が減衰するので、一対の起立フレーム20L、20R及び基台フレーム30にストレスを残さない。また、応力集中が緩和される。更に、溶接によって起立フレーム20L、20R及び挿着管材21や、基台フレーム30と挿着管材31を一体化する必要がないから、作業性が良好である。
【0060】
また、フレーム容器10や底辺枠34に載置される商品、買い物かご等の荷物の重さによる応力、重い商品等の荷物をフレーム容器10に載置した際または起伏した地面の走行した際またはショーケースの角等へ衝突した際に発生する衝撃や振動による応力等を繰り返し受けたことによって起立フレーム20L、20Rに亀裂が発生した場合でも、二重構造となっている部分では、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21との境界における隙間にて亀裂を停留させることができ、亀裂の進展速度を遅くすることができる。同様に、基台フレーム30に亀裂が発生した場合でも、二重構造となっている部分では、基台フレーム30と挿着管材31との境界における隙間にて亀裂を停留させることができ、亀裂の進展速度を遅くすることができる。
【0061】
故に、本実施の形態のショッピングカート1によれば、破壊の進行を遅くし、耐久性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施の形態のショッピングカート1によれば、上側曲げ部22L、22R、下側曲げ部23L、23R及び曲げ部32L、32Rは、それぞれ、互いの中心線が交わる角度が鈍角状に曲げ形成され、1箇所の曲げ部によって内部の挿着管材との間に2箇所の弾接が行われてなるものであるから、金属加工において、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21並びに基台フレーム30及び挿着管材31にストレス、即ち、上記各曲げ部への応力集中を緩和することができ、起立フレーム20L、20R及び挿着管材21並びに基台フレーム30及び挿着管材31の寿命の低下を防止できる。また、内外の管材間を溶接していないものでは外管を曲げれば、管材の厚みに関係なく、少なくとも1箇所の曲げ部によって、起立フレーム20L、20Rと挿着管材21との間や、基台フレーム30と挿着管材31との間に2箇所の弾接が行われ、自然に好ましい弾接する構造が得られるため、作業性がよい。
【0063】
更に、本実施の形態のショッピングカート1によれば、圧着固着部33L、33Rは、内部の挿着管材31の開口がなくなる程度に圧着を行ってなるものであるから、挿着管材31及び基台フレーム30が徐々に一体化し、基台フレーム30及び挿着管材31に与えるストレスが少なくなる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、ショッピングカートの如く、基台フレームの上部に位置し、1対の起立フレーム及び間隔形成フレーム接続して形成されたフレーム容器を有する手押しのカート・台車、例えば、ナースカート等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 ショッピングカート
10 フレーム容器
20L、20R 起立フレーム
21 挿着管材
22L、22R 上側曲げ部
23L、23R 下側曲げ部
30 基台フレーム
31 挿着管材
32L、32R 曲げ部
33L、33R 圧着固着部
40 上横架材(間隔形成フレーム)
41 中横架材(間隔形成フレーム)
42 下横架材(間隔形成フレーム)
50L、50R キャスタ(後輪)
51L、51R キャスタ(前輪)
60L、60R 把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側に平行して対向配置され、かつ、下端にキャスタが配設され、上端に把持部を設けた1対のアルミニウム製の管材からなる起立フレームと、
前記1対の各起立フレームの下部で接合されて前方に略U字状に突設され、下部に1以上のキャスタが配設されたアルミニウム製の管材からなる基台フレームと、
前記1対の起立フレーム間を接続する複数本のアルミニウム製の間隔形成フレームと、
前記基台フレームの上部に位置し、前記1対の起立フレーム及び前記間隔形成フレームに接続して形成されたフレーム容器を具備し、
前記各起立フレーム及び前記基台フレームの内径以下の外径のアルミニウム製の挿着管材を1部または全部に挿入して二重構造とし、前記二重構造の外部の前記起立フレーム及び/または前記基台フレームと内部の前記挿着管材とを一体に所定形状に曲げてなる曲げ部、または前記二重構造の外部の前記起立フレーム及び/または前記基台フレームと内部の前記挿着管材との機械的圧着してなる圧着固着部を形成し、かつ、前記曲げ部相互間または外部の前記起立フレームまたは前記基台フレームと内部の前記挿着管材との前記圧着固着部相互間または前記曲げ部と前記圧着固着部との間を、17cm乃至68cmとの間隔としたことを特徴とするショッピングカート。
【請求項2】
前記曲げ部は、互いの中心線が交わる角度が鈍角状に曲げ形成され、1箇所の曲げ部によって内部の前記挿着管材との間に2箇所の弾接が行われてなることを特徴とする請求項1に記載のショッピングカート。
【請求項3】
前記圧着固着部は、内部の前記挿着管材の開口がなくなる程度に圧着を行ってなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のショッピングカート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−126435(P2011−126435A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287279(P2009−287279)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(592029016)株式会社スーパーメイト (4)
【Fターム(参考)】