説明

ショートカットキー情報表示システム

【課題】 操作者が特別な操作を行なうことなくショートカットキー情報を表示することのできるシステムを実現する。
【解決手段】 各ソフトウェアに対応したショートカットキー情報を格納するショートカットキー管理サーバと、前記ショートカットキー管理サーバとネットワークを介して接続されるコンピュータとからなり、前記コンピュータは、ソフトウェアに対応してショートカットキー情報を格納するショートカットキー情報データベースと、表示部と、ソフトウェアが起動された場合には、前記ショートカットキー情報データベースまたは前記ショートカットキー管理サーバに格納されている対応するショートカットキー情報を前記表示部に表示させる情報処理端末とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンピュータで使用される各ソフトウェアにそれぞれ対応するショートカットキー情報をキーボードに表示させるショートカットキー情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータで使用されるアプリケーションソフトウェアでは、それぞれ、所定の機能を実行するために予め定義されている複数のキーを組み合わせたショートカットキーが利用されている。各ショートカットキーの定義は各アプリケーション毎に異なるものであり、また、1つのアプリケーションソフトウェアで定義されるショートカットキーはアプリケーションソフトウェアの機能の数に比例するものであり、増加傾向にある。
【0003】
特許文献1(特開2004−30535号公報)には、使用可能なショートカットキーの一覧を効率よくユーザーに提示することを目的とし、補助キーが押下されると、押下された補助キーを含むショートカットキーの一覧を表示画面内に表示する構成が開示されている。
【0004】
特許文献2(特開平9−269865号公報)には、マウスパッドの表面に各種ソフトウェアのキーボードまたはアイコンのショートカットを表記する構成が開示されている。
【0005】
特許文献3(特開平9−258872号公報)には、キートップの表示を可変とし、ショートカット入力時にはその機能をキートップに表示することによりショートカット入力を容易に行なうことのできるキーボード装置を実現することを目的とし、キー入力部1にはショートカット入力を起動する特定キー52とキートップが液晶化された複数のショートカット入力キーがあり、特定キー52の押下に応答してショートカット入力制御部2は予めショートカットデータ登録部5によりショートカット記憶部3に格納されているイメージデータを液晶表示制御部4に読み出させてショートカット入力キーのキートッブに表示させ、このイメージデータから所望の第2のキーを押下してショートカット入力を行ない、対応するコマンドをショートカット入力制御部2が読み出し出力する構成が開示されている。
【特許文献1】特開2004−30535号公報
【特許文献2】特開平9−269865号公報
【特許文献3】特開平9−258872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各種ソフトウェアのショートカットキーは、機能に対応するキーボードまたはアイコンの割当てが各ソフトウェア毎並びに同一ソフトウェアであってもレビジョンの違いによって異なるとともに、その数が多い。従来のキーボードによるショートカットキーの入力では、ショートカットキーを事前に覚えておく、またはヘルプ等を開いてショートカットキー情報を検索する、または各ソフトウェアの取扱説明書等で確認した後にショートカットキーを入力する必要があった。このため、各ソフトウェア毎のショートカットキーに対応するには手間がかかり、仕事がはかどらないという問題点がある。
【0007】
特許文献1に記載の発明では、コンピュータ内のデータベースにそのOSやソフトウェアに対応するショートカットキー情報が存在しない場合には、OSやソフトウェア自体からショートカットキー情報を取得する構成とされている。このため、各OSやソフトウェアがショートカットキー情報を送出する手段を持っている必要があり、ショートカットキー情報を送出する手段を持っていないOSやソフトウェアでは、ショートカットキー情報が表示できない。また、ショートカットキーの表示トリガーがショートカットキーで使用する一部キーの長時間入力であるが、どのキーとの組み合わせか不明の場合は、ショートカットキー情報を表示する事が出来ない。
【0008】
特許文献2および特許文献3に記載の発明では、新しいソフトウェアやOS、または、バージョンアップ等でショートカットキー情報が存在しない場合に、新たに手動でショートカットキー情報を入れ替える作業が必要である。
【0009】
本発明は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ショートカットキー情報が自己に存在しない場合であっても、操作者が特別な操作を行なうことなくショートカットキー情報を表示することのできるショートカットキー情報表示システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のショートカットキー情報表示システムは、ソフトウェアに対応してショートカットキー情報を格納するショートカットキー管理サーバと、
前記ショートカットキー管理サーバとネットワークを介して接続されるコンピュータとからなり、
前記コンピュータは、
ソフトウェアに対応してショートカットキー情報を格納するショートカットキー情報データベースと、
ショートカットキー情報を表示する表示部と、
ソフトウェアが起動された場合には、対応するショートカットキー情報が前記ショートカットキー情報データベースに格納されているかを確認し、格納されている場合には対応するショートカットキー情報を前記表示部に表示させ、格納されていない場合には前記ショートカットキー管理サーバに格納されている対応するショートカットキー情報を前記表示部に表示させる情報処理端末とを有することを特徴とする。
【0011】
この場合、表示部がキーボードに設けられていることとしてもよい。
【0012】
また、情報処理端末は、ショートカットキー管理サーバに格納されている対応するショートカットキー情報を前記表示部に表示させるとともに、前記ショートカットキー情報データベースに格納させることとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
従来のキーボードによるショートカットキーの入力では、ショートカットキーを事前に覚えておく、またはヘルプ等を開いてショートカットキー情報を検索する、または各ソフトウェアの取扱説明書等で確認した後にショートカットキーを入力する必要があった点を以下のように改善するものである。
【0014】
1)ショートカットキー表示機能付きキーボードにより各ソフトウェア並びに同一ソフトウェアであってもレビジョンの違いによってショートカットキーが異なる場合も対応したショートカットキー情報を表示するため、ショートカットキーを覚えるまたは検索を行う必要がない。
【0015】
2)コンピュータは、コンピュータ操作者20が起動又は切り替えたソフトウェアにあわせて対応するショートカットキー情報の表示を変更するため、各ソフトウェアで違うショートカットキー情報を持っていても常にアクティブなソフトウェアのショートカットキー情報に切り替わる。
【0016】
3)コンピュータは、新しいソフトウェア等でコンピュータ内のショートカットキー情報DB内に対応するショートカットキー情報が無い場合も、ショートカットキー管理サーバから対応するショートカットキー情報を受信し、ショートカットキー情報を入手することが出来る。
【0017】
4)コンピュータは、一度ショートカットキー管理サーバから対応ショートカットキー情報を入手すると、次に同じソフトウェアを起動時には、コンピュータ内のショートカットキー情報DBからショートカットキー情報を表示させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施例について図面を参照にして詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明によるシステムの一実施例の構成を示すブロック図、図2および図3は図1中のコンピュータ10およびショートカットキー管理サーバ30の構成を示す図である。
【0020】
本実施例は、図1に示されるように、コンピュータ10とコンピュータ操作者20とショートカットキー管理サーバ30と、コンピュータ10とショートカットキー管理サーバ30を相互に接続するインターネット、イントラネット等のネットワーク400から構成されている。
【0021】
コンピュータ10は、図2に示されるように、情報処理端末101、ショートカットキー情報DB102、ショートカットキー表示機能付きキーボード103から構成され、ショートカットキー表示機能付きキーボード103にはショートカットキー表示部104が設けられている。
【0022】
コンピュータ操作者20は、コンピュータ10の操作を行う操作者であり、コンピュータ10上でソフトウェアの起動、切り替え、終了等の操作を行う。
【0023】
ショートカットキー管理サーバ30は、図3に示されるように、情報処理端末301と、データベースであるショートカットキー情報DB302から構成され、コンピュータ10からソフトウェア情報を受信し、受信したソフトウェア情報に対応したショートカットキー情報をコンピュータ10へ送信する。
【0024】
上記の各構成要素のうち、まず、コンピュータ10を構成する各部について説明する。
【0025】
情報処理端末101:
サーバ、ワークステーション、パソコン等の情報処理端末であり、コンピュータ操作者20がソフトウェアを起動すると、その起動したソフトウェアに対応したショートカットキー情報がショートカットキー情報DB102にあるかを確認する。ショートカットキー情報DB102にソフトウェアに対応したショートカットキー情報がある場合は、これを読み出してショートカットキー表示部104へ表示させる。
【0026】
起動したソフトウェアに対応したショートカットキー情報がショートカットキー情報DB102に無い場合には、起動したソフトウェアの情報をショートカットキー管理サーバ30へ送信する。この後、起動したソフトウェアに対応したショートカットキー情報をショートカットキー管理サーバ30から受信すると、ショートカットキー表示部104へ表示させる。このとき、ショートカットキー情報と起動したソフトウェアの情報をショートカットキー情報DB102へ格納させ、次回同じソフトウェアを起動時には、コンピュータ10内ショートカットキー情報DB102からショートカットキー情報を入手してショートカットキー表示部104へ表示させる。
【0027】
コンピュータ操作者20が別のソフトウェアを起動又はソフトウェアの切り替えを行うと、その都度、起動したソフトウェアに対応したショートカットキー情報をショートカット表示機能付きキーボード103内ショートカットキー表示部104へ表示させる。
【0028】
ショートカットキー情報DB102:
ソフトウェアの情報とショートカットキー情報が関連付けして格納されており、情報処理端末101からのソフトウェア情報からそのソフトウェアに対応するショートカットキー情報または対応するショートカットキー情報が無い旨を情報処理端末101へ回答する。
【0029】
また、ショートカットキー管理サーバ30から送信されたショートカットキー情報をソフトウェア情報と関連付けして格納する。
【0030】
ショートカットキー表示機能付きキーボード103:
キーボード上部や下部等のスペースにショートカットキー表示部104が設けられたキーボードである。
【0031】
ショートカットキー表示部104:
液晶等で構成された文字、画像等の表示部であり、コンピュータ操作者20がソフトウェアを起動又はソフトウェアの切り替えを行うと、情報処理端末101の制御により、その都度ソフトウェアに対応したショートカットキー情報を表示する。
【0032】
次に、ショートカットキー管理サーバ30を構成する各部について説明する。
【0033】
情報処理端末301:
サーバ、ワークステーション等の情報処理端末であり、コンピュータ10からソフトウェア情報を受信し、受信したソフトウェア情報に対応したショートカットキー情報をショートカットキー情報DB302を検索して見つけ出し、コンピュータ10へ送信する機能を有する
ショートカットキー情報DB302:
常に最新ソフトウェアのショートカットキー情報を含む全てのソフトウェアの情報とショートカットキー情報とが関連付けられて格納されており、コンピュータ10から受信したソフトウェアに対応するショートカットキー情報をコンピュータ10へ回答する際に使用される。
【0034】
上記のような構成要素を備えるコンピュータ10は、コンピュータ操作者20がソフトウェアを起動すると、起動したソフトウェアに対応したショートカットキー情報がショートカットキー情報DB102にあるかを確認し、ソフトウェアに対応したショートカットキー情報がある場合には、その内容をショートカットキー表示部104に表示する。
【0035】
起動したソフトウェアに対応したショートカットキー情報がショートカットキー情報DB102に無い場合には、コンピュータ10は起動したソフトウェアの情報をショートカットキー管理サーバ30へ送信する。
【0036】
コンピュータ10からのソフトウェア情報を受信したショートカットキー管理サーバ30は、受信したソフトウェア情報に対応したショートカットキー情報をコンピュータ10へ送信する。
【0037】
ショートカットキー管理サーバ30から上記のショートカットキー情報を受信したコンピュータ10は、その内容をショートカットキー表示部104へ表示するとともに、ショートカットキー情報と起動したソフトウェアの情報をショートカットキー情報DB102へ格納し、次に同じソフトウェアを起動するときには、ショートカットキーDB102からショートカットキー情報を入手し、ショートカットキー表示部104へ表示する。
【0038】
その後、コンピュータ10は、コンピュータ操作者20が別のソフトウェアを起動又はソフトウェアの切り替えを行うと、その起動したソフトウェアに対応したショートカットキー情報をショートカットキー表示部104へ表示する。
【0039】
図4は上述した本実施例の動作を示すフローチャート、図5はショートカットキー情報の構成を示す図、図6はショートカットキー情報の表示例を示す図であり、以下に、図4ないし図6を参照して本実施例の動作について詳細に説明する。
【0040】
コンピュータ操作者20がソフトウェアの起動要求を行なうと(ステップA1)、これを受け付けたコンピュータ10はソフトウェアを起動する(ステップA2)。コンピュータ10は、起動したソフトウェアの情報に基いてショートカットキー情報DB102を検索し、対応したショートカットキー情報があるか確認する(ステップA3)。
【0041】
ステップA3において、対応したショートカットキーがショートカットキー情報DB102に存在しないことが確認された場合には、起動したソフトウェアの情報をショートカットキー管理サーバ30へ送信する(ステップA4)。
【0042】
ショートカットキー管理サーバ30は、受信したソフトウェアの情報に基いてショートカットキー情報DB302を検索し、対応したショートカットキー情報をコンピュータ10へ送信する(ステップA5)。
【0043】
ステップA3で、対応したショートカットキーがショートカットキー情報DB102に存在することが確認された場合、もしくは、ステップA5にてショートカットキー管理サーバ30からのショートカットキー情報を受信した場合には、検索した対応するショートカットキー情報、もしくは、ショートカットキー管理サーバ30から受信したショートカットキー情報をショートカットキー表示機能付きキーボード103内ショートカットキー表示部104へ表示させる(ステップA6)、さらに、ステップA5にてショートカットキー管理サーバ30から送信されたショートカットキー情報をソフトウェア情報と関連付けしてショートカットキー情報DB102へ格納する(ステップA7)。
【0044】
ショートカットキー情報の内容は、例えば図5に示されるような内容であり、図6に示すように、ショートカットキー表示機能付きキーボード103に設けられたショートカットキー表示部104に表示される。なお、本実施例においては、キーボードに表示される構成としたが、本発明の特徴の一つは、ネットワークを介して、ネットワーク上のサーバに格納されているショートカットキー情報を用いて表示を行なうとともにそれを自己に更新保存することにあり、表示はコンピュータ10に備えられた表示部(不図示)で行なうこととしても当然よい。
【0045】
この後、コンピュータ操作者20から別のソフトウェアを起動又はソフトウェアの切り替えを行なった場合には(ステップA8)、コンピュータ10は、ソフトウェアの動作状態を確認しており(ステップA9)、コンピュータ操作者による別のソフトウェアを起動又はソフトウェアの切り替えを検出すると、ステップA3に戻って上記の動作を繰り返し実行する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明によるシステムの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のコンピュータ10の構成を示す図である。
【図3】図1中のショートカットキー管理サーバ30の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】ショートカットキー情報の構成を示す図である。
【図6】ショートカットキー情報の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 コンピュータ
20 コンピュータ操作者
30 ショートカットキー管理サーバ
101 情報処理端末
102 ショートカットキー情報データベース
103 ショートカットキー表示機能付きキーボード
104 ショートカットキー表示部
301 情報処理端末
302 ショートカットキー情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ソフトウェアに対応したショートカットキー情報を格納するショートカットキー管理サーバと、
前記ショートカットキー管理サーバとネットワークを介して接続されるコンピュータとからなり、
前記コンピュータは、
各ソフトウェアに対応したショートカットキー情報を格納するショートカットキー情報データベースと、
ショートカットキー情報を表示する表示部と、
ソフトウェアが起動された場合には、対応するショートカットキー情報が前記ショートカットキー情報データベースに格納されているかを確認し、格納されている場合には対応するショートカットキー情報を前記表示部に表示させ、格納されていない場合には前記ショートカットキー管理サーバに格納されている対応するショートカットキー情報を前記表示部に表示させる情報処理端末とを有することを特徴とするショートカットキー情報表示システム。
【請求項2】
請求項1記載のショートカットキー情報表示システムにおいて、
表示部がキーボードに設けられていることを特徴とするショートカットキー情報表示システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のショートカットキー情報表示システムにおいて、
情報処理端末は、ショートカットキー管理サーバに格納されている対応するショートカットキー情報を前記表示部に表示させるとともに、前記ショートカットキー情報データベースに格納させることを特徴とするショートカットキー情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−23818(P2006−23818A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199228(P2004−199228)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】