説明

シリコン又はシリコン系材料で構成される繊維を製造する方法及びリチウム蓄電池におけるそれらの使用

【課題】充電/放電プロセスが可逆的及び繰り返し可能になり、良好な容量維持が達成される蓄電式のリチウムイオン電気化学セルのアノード活物質としてシリコン繊維又はシリコン系材料を製造する方法を提供する。
【解決手段】リチウムイオン電池用のセル電極のシリコン繊維又はシリコン系材料を製造する方法であって、シリコン含有繊維の層を形成するために、シリコン含有繊維を含むスラリーを堆積することを含む。ピラーを作製するためにシリコン基板又はシリコン含有基板をエッチングする工程、及び、基板からピラーを分離する工程、シリコン含有繊維を製造する工程をさらに含む。電池アノードは、複合体アノード電極中の活物質として繊維を用いて作製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン又はシリコン系材料で構成される繊維を製造する方法及びリチウム蓄電池におけるアノード活物質のそれらの使用に関する。
【発明の概要】
【0002】
シリコンが、逐電式のリチウムイオン電気化学セルのアノード活物質(active anode material)として使用できるということは周知である(例えば、Insertion Electrode Materials for Rechargeable Lithium Batteries, M. Winter, J. O. Besenhard, M. E. Spahr, and P.Novak in Adv. Mater. 1998, 10, No. 10を参照)。従来のリチウムイオン蓄電池セルの基本構成を図1に示し、これは、グラファイト系のアノード電極を含み、該構成成分はシリコン系のアノードによって置換される。該電池セルは、一つのセルを含むが、二以上のセルを含んでもよい。
【0003】
電池セルは、一般に、アノード10のための銅集電体、及び、カソード12のためのアルミニウム集電体を含み、これらは負荷又は再充電源に適切に外部接続される。グラファイト系の複合体アノード層14が集電体10に積層され、リチウム含有金属酸化物系の複合体カソード層16が集電体12に積層される。多孔性プラスチックスペーサー又はセパレーター20がグラファイト系の複合体アノード層14とリチウム含有金属酸化物系の複合体カソード層16の間に提供され、液体電解質物質が、多孔性プラスチックスペーサー又はセパレーター20、複合体アノード層14及び複合体カソード層16内に分散される。ある場合には、多孔性プラスチックスペーサー又はセパレーター20は、ポリマー電解質物質によって置換されることができ、そのような場合、該ポリマー電解質物質は、複合体アノード層14及び複合体カソード層16の両方の内部に存在する。
【0004】
電池セルが完全に充電されたとき、リチウムは、リチウム含有金属酸化物から電解液を介してグラファイト系の層に輸送され、グラファイトと反応して化合物LiC6を作製する。グラファイトは、複合体アノード層における電気化学的活物質であり、372 mAh/gの最大容量を有する。用語「アノード」及び「カソード」は、電池が負荷の両端に接続されているという意味で用いられることに留意されたい。
【0005】
シリコンは、リチウムイオン蓄電池セルでアノード活物質として用いられた場合、現在用いられているグラファイトよりも著しく高い容量を提供すると一般に考えられている。シリコンは、電気化学セル中でリチウムと反応することによって化合物Li21Si5に転換された場合、4,200 mAh/gの容量を有する。
【0006】
リチウムイオン電気化学セル中のシリコン又はシリコン系アノード活物質の使用の現存のアプローチは、要求される充電/放電サイクル数の間の持続した容量を示すことに失敗しており、それ故、商業的に実行可能ではない。
【0007】
一つのアプローチは、シリコンを粉末形態で使用し、ある場合には、任意に電気的な添加剤とともに、ポリ二フッ化ビニリデンのような適切なバインダーを含有して複合体(composite)にされ、銅集電体上にコートされる。しかしながら、この電極は、充電/放電のサイクルに供された時、持続性の容量を示すことができない。この容量の損失は、ホストシリコン中へ及びホストシリコンからのリチウムの挿入/脱離に付随する容量の膨張/収縮から起こる、シリコン粉末マスの部分的な機械的隔離(isolation)のためであると考えられている。その結果として、これは、電気的に隔離された「島」における粉末マスの凝集を生じる。
【0008】
「Ohara et al. in Journal of Power Sources 136 (2004) 303-306」に開示されたもう一つのアプローチでは、シリコンは、ニッケル箔集電体上に薄いフィルムとして蒸着され、この構造は次いで、リチウムイオンセルのアノードを形成するために用いられる。しかしながら、このアプローチは良好な容量維持を与えるとはいえ、これは極めて薄いフィルムの場合だけであり、従って、それらの構造は、使用に適した量の単位面積あたりの容量を与えず、また、使用に適した量の単位面積当たりの容量を与えるためにフィルムの厚さを増大させると、良好な容量維持が失われる。
【0009】
US2004/0126659に開示されたもう一つのアプローチでは、シリコンは、ニッケル繊維に蒸着され、これは次いで、リチウム電池のアノードを形成するために用いられる。しかしながら、これは、ニッケル繊維上でシリコンのむらのある分布を与え、それ故、作動に著しく影響することが発見された。
【0010】
US 6,887,511に開示されたもう一つのアプローチでは、シリコンは、10μmまでの中間の厚さのフィルムを作製するために、でこぼこにされた銅基板上に蒸着される。初期リチウムイオン挿入プロセスの間、該シリコンフィルムはブレークアップしてシリコンのピラーを形成する。それらのピラーは、次いで、リチウムイオンと可逆的に反応し、良好な容量維持を達成することができる。しかしながら、該プロセスは、より厚いフィルムでは良好に機能せず、また、中間の厚さのフィルムの作製は高価なプロセスである。さらにその上、フィルムのブレークアップによってもたらされるピラー構造は固有の多孔度を有さず、長期間の容量維持について問題が生じ得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は電池セルの構成を示す模式的な図である。
【図2】図2は本発明に従う電極の拡大写真を示す。
【図3】図3はシリコン繊維/PVDF/スーパーP複合電極の第一サイクル電位プロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、請求項に述べられている。アノード電極構造がシリコン又はシリコン系材料の繊維を用いるために、それらのシリコン繊維又はシリコン系繊維とリチウムとの可逆的反応の問題が克服される。特に、繊維、ポリマー結合剤及び電気的添加剤の混合物である複合構造に繊維を配置する(arranging)ことにより、充電/放電プロセスが可逆的及び繰り返し可能になり、良好な容量維持が達成される。さらに、該繊維を横たえる(laid)方法が利点を提供することができる。繊維の不規則な不織マットを提供することにより、完全に可逆的で繰り返し可能である充電容量が、著しい機械的隔離のリスクなしに導入される。例えば、該繊維は、フェルト又はフェルト様構造として堆積(deposited)され得る。複合構造の場合、これはさらなる成分によることができ、又は、該フェルトは単純な結合剤によることができ、又は、構造的に適切な場合は疎である。
【0013】
さらにその上、繊維を製造する単純化された方法は、ピラーを作製するために基板をエッチングすること、及び、頑強で(robust)高収率のアプローチを与えるためにピラーを分離(detaching)することを含む。
【0014】
本発明の態様は、図を参照して実施例によって記載される。
概要を述べると、本発明は、シリコン又はシリコン系材料の繊維又は毛の作製、及び、ポリマーバインダー、電気的添加剤(必要な場合)及び金属箔集電体を供える複合体アノード構造、及び、フェルト様電極構造の両方の作製のための、それらの繊維の使用を可能にする。特に、該複合体を作るシリコン要素(elements)の構造は、充電/放電容量の損失の問題を克服すると考えられる。
【0015】
繊維を複合体又はフェルト又はフェルト様構造に堆積(laying down)することによって、即ち、交差する(crossover)複数の伸長された又は長く薄い繊維が複数の交点を提供することによって、例えば、ランダムに又は無秩序に又は実に規則正しい方法で堆積させることによって、充電/放電の容量損失の問題が減少される。
【0016】
典型的に、該繊維は約100:1の長さ対直径の比を有し、それ故、複合体アノード層のようなアノード層において、各繊維はそれらの長さに沿って他の繊維と何回も接触し、切断されたシリコンの接触から生じる機械的隔離の機会が無視できる場合に立体配置を生じる。また、リチウムの繊維中への挿入及び脱離は、容量の膨張(expansion)及び容量の収縮(contraction)を引き起こすにもかかわらず、繊維の破壊を引き起こさず、それ故、内繊維電子伝導率は保存される。
【0017】
繊維は、基板からピラーを分離することによって製造されることができる。さらに、ピラーの製造方法は、単純な繰り返し可能の化学的方法によって提供されることができる。
【0018】
前記ピラーを製造可能な一つの方法はドライエッチングによるものであり、例えば、深反応性イオンエッチング(deep reactive ion etching)のタイプであり、これは例えば、米国出願番号10/049736に開示されており、これはこれと共に共通の譲渡人で参照によって本明細書に援用される。当業者は、ここで詳細な説明が要求されないような方法に精通している。しかしながら簡単に言うと、天然酸化物でコートされたシリコン基板はエッチングされ、洗浄されて、親水性の表面が与えられる。塩化セシウム(CsCl)が表面に蒸着され、該コートされた基板は、乾燥条件下で、水蒸気圧が固定されたチャンバーに移される。CsClの薄いフィルムが、半球の島アレイ(island array)に発達し、その寸法特徴は、初期の厚さ、水蒸気圧及び発達時間に依存する。島アレイは、例えば反応性イオンエッチングによるエッチングが行われた後に、効果的なマスクを提供し、半球の島に対応するピラーのアレイを残す。CsClレジスト層は、水に高溶解性であり、容易に洗い流すことができる。
【0019】
或いは、ピラーは、例えば、共通の譲受人で表題「シリコン系材料のエッチング方法」である我々の継続中の出願GB0601318.9(本明細書に参照によって援用される)に開示されているように、ウェットエッチングによって/化学的ガルバニック交換方法を用いて作られることができる。「Peng K-Q, Yan, Y-J Gao, S-P, Zhu J., Adv. Materials, 14 (2004), 1164-1167 (“Peng”);K. Peng et al, Angew. Chem. Int. Ed., 44 2737-2742;及びK. Peng et al., Adv. Funct. Mater., 16 (2006), 387-394」に開示されている関連する方法も用いることができる。
【0020】
好ましい態様において、例えば長さ100ミクロン、直径0.2ミクロンのピラーが、シリコン基板上及びそれから製作される。より一般には、長さが20〜300ミクロンの範囲であり、直径又は最大横径寸法(transverse dimension)が0.08〜0.5ミクロンの範囲であるピラーが、繊維を提供するために用いられる。本方法に従って、該シリコン基板は、n-又はp-型であり、そして、化学的アプローチに従って、任意の露出した(100)又は(110)結晶面上でエッチングされ得る。エッチングが結晶平面に沿って進行するため、得られた繊維は単結晶である。この構造的特徴のために、該繊維は実質的に直線で、約100:1の長さ対直径比に促進され、複合性のアノード層中では、各繊維がそれらの長さに沿って他の繊維と何回も接触することを可能にする。該エッチング方法は、極めて大きいスケールの集積(VLSI)半導体級ウェハ又はその却下されたサンプル(単結晶ウェハ)の何れかにおいて実行できる。より安価な代替として、ソーラーパネルに用いられるような、光起電力グレードの多結晶性物質も用いられ得る。
【0021】
繊維を得るため、該ピラーを分離するために、ピラーが付着した基板が、ビーカー又は任意の適切な容器中に置かれ、エタノールのような不活性な液体で覆われ、超音波撹拌に供される。数分以内に液体が濁るのが確認され、この段階でピラーがそれらのシリコンベースから除去されていることが電子顕微鏡検査によって確認できることが分かっている。
【0022】
ピラーを「収集する(harvesting)」ための代替の方法は、それらの分離のために、基板の表面を削り取ることを含み、或いは、それらを化学的に分離することを含む。n型シリコン材料に適した一つの化学的アプローチは、シリコンウェハのバックサイド照明の存在下で、HF溶液中で基板をエッチングすることを含む。
【0023】
一旦、該シリコンピラーが分離されたら、リチウムイオン電気化学セルのための複合体アノード中の活物質として用いることができる。複合体アノードの製造のために、収集されたシリコンは溶液から濾過され、ポリ二フッ化ビニリデンと混合されることができ、n-メチルピロリジノンのような溶媒のキャスティングとともにスラリーにされる。次いで、このスラリーは、例えば物理的にブレードにより又は他の任意の適切な方法により、金属プレート又は金属箔又は他の伝導性基板上に適用されるかコートされ、要求される厚さのコートされたフィルムを産し、次いで、50度から140度の範囲に上昇された温度を用いる、適切な乾燥システムを用いて、キャスティング溶媒がこのフィルムから蒸着され、複合フィルムからキャスティング溶媒を取り除くか又は実質的に取り除く。得られたマット又は複合フィルムは、多孔性を有し及び/又はフェルト様構造を有し、そのシリコン繊維の質量(mass)は典型的には70パーセントから95パーセントである。該複合体フィルムは、10〜30パーセントの細孔容積割合を有し、好ましくは約20パーセントの細孔容積割合を有する。
【0024】
上記で説明した方法によって得られた複合電極構造のSEMを図2に示す。選択的にフェルト又はフェルト様構造が、シート材料として調製されることができ(必ずしも集電体上ではなく)及びそれ自身、集電体として作用する。
【0025】
その後のリチウムイオン電池セルの製造は、任意の適切な方法で行うことができ、例えば、図1に示す一般的な構造であるがグラファイトアノード活物質よりむしろシリコン又はシリコン系アノード活物質を用いる構造に従う。例えば、該シリコン繊維系複合体アノード層は、多孔性スペーサー18により覆われ、電解液が最終構造に加えられ、全ての利用可能な細孔容積を飽和する。電解液の添加は、電極を適切な外装(casing)に配置した後に行われ、細孔容積が該液体電解質で満たされることを保証するためのアノードの吸引充填を含み得る。
【0026】
以下の実施例を参照されたい:
0.0140 gのシリコン繊維を、2 cm2 エッペンドルフ遠心チューブに秤量し、0.0167 gのスーパーP伝導性カーボンを加えた。次いで、N-メチルピロリジノン(NMP)を、全ての材料が分散するまで(0.92 g)該チューブにピペットで移した。前もって、PVDFをNMPに7.8 wt % PVDFで溶解しておいた。この溶液の量を、0.0074 gのPVDFを含有する該チューブに加えた。この混合組成は従って、Si : PVDF : Super P = 85.3 : 4.5 : 10.1 wt%であった。
【0027】
該チューブを、超音波槽に1時間置き、該混合物をホモジナイズし、次いで、さらに1時間撹拌した。次いで、このスラリーを、0.8 mmのブレードギャップを有するドクターブレードを用いて、14 μmの銅箔上にコートした。次いで、コーティングを100℃のオーブンで1時間乾燥し、NMP溶媒を蒸発させた。乾燥後、コート層の厚みは30〜40μmであった。図2は、スーパーPカーボンなしでの、同様の混合及びコーティングのSEMを示す。
【0028】
コーティングを軽く巻き、次いで、電極ディスクを直径12 mmにカットした。それらは、アルゴン充填グローブボックス中で集合されて電気化学的セルが構築された。対極及び参照極は何れもリチウム金属であった。電解質は、有機カーボネートの混合物中のLiPF6 であった。該セルをVMP3デバイスで試験した。30分間の浸漬の後、該セルを -0.1 mAで1時間保持し、次いで、必要なリチウム化(lithiation)容量が達成されるまで -0.2 mAで保持した。次いで、1.0 V vs. Li/Li+の電位まで、電極を+0.2 mAで脱リチウム化(delithiated)した。図3は、この第1サイクルの間のセル電圧を示す。
【0029】
ここで記載されたアプローチの特別な利点は、シリコン系アノードの大きいシートが製造可能であり、必要であれば巻くことができ、それから、現在のリチウムイオン電池セルのためのグラファイト系アノードにおける場合のように切る(slit)又は打ち抜く(stamped out)ができるということであり、ここで記載されたようなアプローチが現存の製造能力で改造できることを意味する。
【0030】
本明細書に記載したアレンジメントのさらなる利点は、実際に構造的強度が各再充電操作とともに増大するということである。これは、アモルファス構造をつくる繊維接合点における乱された結晶性構造の結果として、繊維が互いに「溶接」することが分かったためである。これは次々に、複数サイクルにわたる容量損失のリスクを減少し、一旦、繊維が上記のような方法で結合したら、繊維の機械的な単離のリスクは小さい。
【0031】
上記のアプローチ及び装置を達成するために任意の適切なアプローチが当然採用され得ることは理解されるであろう。例えば、ピラー分離操作は、ピラーが繊維を作製するために該基板から取り除かれる限り、振盪、削り取り(scraping)、化学的又は他の操作を含むことができる。シリコン系材料に対する参照は、適切な場合シリコンを含む。該繊維は、任意の適切な寸法を有することができ、例えば、純粋なシリコン又はドープされたシリコン又はシリコン-ゲルマニウム混合物のような他のシリコン系材料又は任意の他の適切な混合物であってよい。ピラーがそれから作製される基板は、100〜0.001 Ohm cmの範囲のn型又はp型であってよく、或いは、シリコンの適合性の合金、例えばSixGe1-xであってよい。該繊維は、一般にカソードを含む電極の製造のような、任意の適切な目的のために用いることができる。カソード材料は、任意の適切な材料であってよく、典型的には、LiCoO2、LiMnxNixCo1-2xO2又はLiFePO4のような、リチウム系金属酸化物又はホスフェート材料であってよい。
【0032】
異なる態様の特徴は、適切に交換又は並列可能であり、該方法工程は任意の適切な順序で行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン又はシリコン系材料の繊維を製造する方法であって、ピラーを作製するためにシリコン基板又はシリコン系基板をエッチングする工程、及び、該基板から該ピラーを分離する工程を含む方法。
【請求項2】
前記繊維が、0.08〜0.5ミクロンの範囲の横径寸法、好ましくは0.2ミクロンの横径寸法を有し、及び、20〜300ミクロンの範囲の長さ、好ましくは100ミクロンの長さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記繊維が約100:1のアスペクト比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記繊維が実質的に円形の断面を有する、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記繊維が実質的に非円形の断面を有する、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項6】
前記ピラーが、反応性イオンエッチングによって作製される、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ピラーが化学反応エッチングによって作製される、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ピラーがガルバニック交換エッチングによって作製される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ピラーが削り取り、撹拌又は化学エッチングの一以上によって分離される、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記シリコン又はシリコン系材料が、ドープされていないシリコン、ドープされたシリコン又はシリコンゲルマニウム混合物の一つを含む、請求項1〜9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維が、単結晶シリコン或いは単結晶シリコン又はシリコンゲルマニウムの一つを含むシリコン系材料である、請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
セル電極の作製方法であって、シリコン系繊維の層を形成するために、シリコン系繊維を含むスラリーを堆積することを含む方法。
【請求項13】
前記繊維が単結晶繊維である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記繊維がフェルト中に堆積される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記繊維が複合体中に堆積される、請求項12、13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記繊維を集電体上に堆積することを含む、請求項12〜15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記繊維が請求項1〜11の何れか一項に記載の方法によって製造される、請求項12〜16の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記電極がアノードである、請求項12〜17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記フェルトが約10〜30パーセントの細孔容積割合を有する、請求項12〜15の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項12〜19の何れか一項に記載されたアノードを作製する工程、及び、カソードを電解質に加える工程を含む、リチウム蓄電式セルの製造方法。
【請求項21】
カソードと前記アノードの間にセパレーターを加えることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記セルの周囲に外装を提供することをさらに含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
その活物質の一つとして、上記請求項の何れかを用いて製造されたシリコン系繊維を含む、複合電極。
【請求項24】
集電体として銅を用いる、請求項12に記載の複合電極。
【請求項25】
前記電極がアノードである、請求項12に記載の複合電極。
【請求項26】
請求項12〜14の何れか一項に記載のアノードを含む、電気化学セル。
【請求項27】
前記カソードが、その活物質として、リチウムイオンの放出及び再吸収が可能なリチウム含有化合物を含む、請求項15に記載の電気化学セル。
【請求項28】
前記カソードが、その活物質として、リチウム系金属酸化物又はホスフェートを含み、好ましくはLiCoO2又はLiMnxNixCo1-2xO2又はLiFePO4を含む、請求項15に記載の電気化学セル。
【請求項29】
シリコン系単結晶繊維の層を含み、該繊維がフェルトを形成する、リチウム蓄電式セルアノード。
【請求項30】
前記繊維が複合体の一部である、請求項29に記載のアノード。
【請求項31】
前記繊維の交点にアモルファスのシリコン部分を含む、請求項29〜30の何れか一項に記載のアノード。
【請求項32】
請求項29〜30の何れか一項に記載のアノード、及び、カソードを含むセル。
【請求項33】
前記カソードが、リチウム系材料を含む、請求項32に記載のセル。
【請求項34】
前記カソードが、コバルト酸リチウムを含む、請求項33に記載のセル。
【請求項35】
請求項26〜34の何れか一項に記載のセルによって動力を供給されるデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−82179(P2011−82179A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−254136(P2010−254136)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【分割の表示】特願2008−551861(P2008−551861)の分割
【原出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(509040226)ネグゼオン・リミテッド (19)
【氏名又は名称原語表記】Nexeon Ltd
【住所又は居所原語表記】136 Milton Park,Abingdon,Oxfordshire OX14 3SB,United Kingdom
【Fターム(参考)】