説明

シリコン及び炭化珪素の製造方法及び製造装置

【課題】還元法による高純度シリコンの製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素とシリカとを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これをルツボ7に収容し、これを加熱手段により加熱して反応させ、炭化珪素をシリカで酸化し、さらにシリカを炭化珪素で還元することにより、シリコン55を製造・抽出するとともに、加熱反応時に生成される活性ガス56、57を原料として、気相成長、エピタキシャル成長により、シリコンカーバイド膜10を形成し、これを回収することによりシリコンカーバイド59を作製するシリコンとシリコンカーバイドとを同時に製造する製造方法及び装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、半導体や太陽電池等に用いられるシリコンやシリコンカーバイドの原料の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願の発明は、特に、高純度な半導体、太陽電池用シリコンの還元・製造方法に関する。
シリコンの製造技術としては、従来は一般にアーク炉を用い、原料としての炭素コークスと珪石(或は珪砂)を各々個別に投入、或いは混合して、当該炉内に投入、上部から吊り下げる形で設置された炭素電極から電気エネルギーを供給し、シリカを還元して、シリコンを精製する方法が行われていた。この反応過程はほぼ解明されており、シリカと炭素と、一部炭化珪素を含むドームの中で反応して、生成されたシリコンを抽出している。
【0003】
上記工程で製造される通常シリコンは半導体特性を示さず、金属シリコン(MG-Si)と呼ばれており、大量に生産される。この原因はシリコンの中に大量の不純物が混入しているためである。その不純物とはボロン、リン、アルミニューム、鉄、マンガンチタンなどであることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの不純物の供給源は、主に珪石(硅砂)や炭素コークスに含まれる不純物であるとことが分かっている。しかし、発明者の研究によると、アーク炉で還元反応を引きおこすための、上記炭素電極や炉材、出湯用の坩堝などからも混入する不純物が多いことが分かった。アーク炉はその構造上、電力を供給するための炭素電極と原料のコークスと珪石は炉の上部から導入されるので、蒸気圧の高い不純物は蒸発するが、炭素電極や原料コークスや珪石からの蒸気圧の低い鉄やニッケルなどの元素は徐々に濃化され、金属シリコンの中に取り込まれるためである。また、蒸気圧の高いりんなども一旦反応中に蒸発はするものの、アーク炉の温度が低い領域に付着し、再び当該原料に回帰することが判明した。
【0005】
半導体に使用するシリコンは、不純物の少ないことが極めて重要な条件となる。この高純度を確保するためには、更に再溶解した金属シリコンの中に、炭酸カルシウムを混入し、これによりできる珪酸カルシウムを酸で溶解し、珪素カルシウムで吸収された不純物を溶解・除去するリーチング法が取られている。こうして出来る不純物濃度は高々1N〜3N程度であり、やはり半導体特性を示さない。そこで従来は、高温の塩酸などでシリコンを溶解、蒸発させ、四塩化シリコンや三塩化シリコンを製造して、これを何度も蒸留精製し、高純度の四塩化シリコンや三塩化シリコンを製造し、これを更に通電したシリコンフィラメントにより、熱分解してシリコンを気相成長させる方法(シーメンス法)が用いられる。この結果多くの電気エネルギーが費やされる。あるいは上記金属シリコンを水蒸気のプラズマで酸化し、ボロンを除去したり、真空中に保持してりんを除去したり、最後に一方向凝固で徐冷して鉄やニッケルなどの不純物を偏析させる金属学的製法が利用されている。
【0006】
アーク炉で精製されるシリコンの中に不純物を取り込まれる原因は、原料となる珪石やコークスに含まれる不純物のみならず、炉壁や電極用炭素電極中の不純物が生成物であるシリコンに混入される。珪石やコークスは使用前の段階で、高純度品を選定することが可能ではあるが、当然そのコストは高くなるが、十分な洗浄効果が得られる粉黛にまで小さくすると、激しい対流がおこるアーク炉では原料そのものの投入が困難になる。また特に電極用炭素には高温での使用時に破損を防ぐことを目的として鉄などの金属成分を意図的に混入させる場合があり、この不純物がシリコン中に取り込まれる。
【0007】
投入電力に対して収率よく、還元反応を円滑に行うためには、やや酸素が多い状態が好ましく、反応過程で生成される一酸化炭素が炉内から放出される時に、やはり気体状態にある一酸化珪素が放出されるので、炉外で酸化し、再び二酸化珪素に戻る。この割合は通常の商業的生産において、20〜30%とされるので、バグフィルターによる回収、除去に加えて、熱回収装置が必要となり、設備投資額が大きくなる。
【0008】
アーク炉は通常は開放系であるが、対流が発生するため、コークスや珪石など原料の供給において、粉体を用いることは出来ず、ある程度の寸法の固形物しか投入できない。このため固形物に含蓄される。固形物であるため、この中に含蓄される不純物は容易に除去できなかった。また、生成されたシリコンは、連続的ではなく間歇的に取り出す必要があった。
【0009】
上記のリーチング法は高純度の炭酸カルシウムを必要とすることや、シリコンを再溶解するエネルギーを必要とすることや、更にはシリコンを粉砕して、珪酸カルシウムを酸で溶解除去することが必要となり、電力エネルギーが必要であり、更にシリコンの損失やその他酸や炭酸カルシウムの材料を必要とする等、無駄が生じていた。
【0010】
一方、シーメンス法は四塩化シランや三塩化シランのように不純物が9−11N程度に低減でき、シリコンを高純度化できる利点はあるが、塩素を使うため多額の設備コストやかかり、かつ気相成長に寄るため大量の電気エネルギーを必要とするため、シリコンの価格が高いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の発明は以上の問題点を鑑みて考案されたものである。 図1は、本願の発明に係るシリコン及び炭化珪素の製造方法の原理説明図である。 原料の炭素コークス(51)と珪砂(シリカ)(52)を予め、各々数mm程度以下の形状に粉砕する。これを酸、あるいはアルカリを含む水溶液で洗浄し、蒸気圧の低い不純物と水分を取り除いておく。このように準備したコークス(1)とシリカ(2)を所定の比率で混練(53)した後、1500度から3000度に加熱して、一旦中間生成物としての炭化珪素(54)を製造する。 加熱の方法は抵抗加熱を使用する。但し、空気中の窒素が炭化珪素に取り込まれないようにキャリアガスを流す等を工夫する必要がある。この過程でも蒸気圧の高い不純物を取り除く効果を増長することが出来る。
【0012】
上記中間生成物である炭化珪素(54)を粉砕し、この炭化珪素粉砕したもの(4)を、上記の方法で製造された高純度シリカと混合し、高周波誘導炉(7)で1500度から2000度で加熱させ、反応させてシリコン融液(55)を抽出する。シリコン融液は様々な手法で結晶化することができる。
【0013】
シリコンの製造方法において、炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により加熱して反応させ、炭化珪素を硅砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出することを特徴とする。
シリコンの製造方法において、炭化珪素の不純物がそれぞれ3N以上の高純度で、また硅砂中の不純物が3N以上であることを特徴とする。
シリコンの製造方法において、上記加熱手段を高周波誘導加熱としたことを特徴とする。
シリコンの製造方法において、上記加熱手段を直流抵抗加熱としたことを特徴とする。
シリコンの製造方法において、前記加熱用ルツボを炭化珪素で構成したことを特徴とする。
【0014】
シリコンカーバイド半導体の製造方法において、炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これをルツボに収容し、これを加熱手段により、加熱して反応させ、炭化珪素を珪砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出するシリコンの製造方法において、該加熱反応時に生成される活性ガスを原料として、気相成長により、シリコンカーバイド膜を形成し、これを回収することを特徴とする。
シリコンカーバイド半導体の製造方法において、炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により、加熱して反応させ、炭化珪素を珪砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出するシリコンの製造方法において、加熱時に生成された活性ガスの一酸化珪素と一酸化珪素を原料とし、別途用意したシリコン融液で、一酸化炭素からの炭素と一酸化珪素からのシリコンを吸収することにより、シリコン中の炭素を過飽和の状態に保持し、徐冷してエピタキシャル成長することにより、シリコンカーバイト膜を形成し、これを回収することを特徴とする。
シリコンカーバイド半導体の製造方法において、前記加熱用ルツボを炭化珪素で構成したことを特徴とする。
【0015】
シリコンの製造方法において、加熱反応時、加熱用ルツボをベルジャー容器に収納して、減圧状態で加熱、反応させることを特徴とする。
シリコンカーバイト半導体の製造方法において、加熱反応時、加熱用ルツボをベルジャー容器に収納して、減圧状態で加熱、反応させることを特徴とする。
【0016】
シリコンの製造方法において、炭化珪素と珪砂(シリカ)の割合が1:1を中心とし、最大10:1、最小1:10とすることを特徴とする。
シリコンカーバイト半導体の製造方法において、炭化珪素と珪砂(シリカ)の割合が1:1を中心とし、最大10:1、最小1:10とすることを特徴とする。
シリコンの製造方法において、加熱用ルツボをベルジャー容器に収納して、不活性ガス中で加熱反応を行うことを特徴とする。
シリコンカーバイト半導体の製造方法において、加熱用ルツボをベルジャー容器に収納して、不活性ガス中で加熱を行うことを特徴とする。
【0017】
シリコンの製造方法において、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを縦続型構成とし、ベルジャー容器内に収容して、加熱反応を行うことを特徴とする。
シリコンの製造方法において、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、加熱用ルツボ及び抽出用ルツボを縦続型構成し、回収用ルツボを前記加熱用ルツボに横設するとともに、回収用ルツボを横長型に形成し、それらをベルジャー容器内に収容して、加熱反応を行うことを特徴とする。
シリコンカーバイト半導体の製造方法において、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、加熱用ルツボ及び抽出用ルツボを縦続型構成し、回収用ルツボを前記加熱用ルツボに横設するとともに、回収用ルツボを横長型に形成し、それらをベルジャー容器内に収容して、加熱反応を行うことを特徴とする。
シリコンとシリコンカーバイドとを同時に製造するシリコンの製造方法において、炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により、加熱して反応させ、炭化珪素を珪砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出するシリコンの製造方法であって、該加熱反応時に生成される活性ガスを原料として、気相成長により、シリコンカーバイド膜を形成し、これを回収することによりシリコンカーバイトを作製することを特徴とする。
シリコンとシリコンカーバイドとを同時に製造するシリコンの製造方法において、炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により、加熱して反応させ、炭化珪素を珪砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出するシリコンの製造方法であって、加熱時に生成された活性ガスの一酸化珪素と一酸化珪素を原料とし、別途用意したシリコン融液で、一酸化炭素からの炭素と一酸化珪素からのシリコンを吸収することにより、シリコン中の炭素を過飽和の状態に保持し、徐冷してエピタキシャル成長することにより、シリコンカーバイト膜を形成し、これを回収することによりシリコンカーバイドを作製することを特徴とする。
シリコンの製造方法において、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを設け、加熱用ルツボ及び抽出用ルツボを縦続型構成し、回収用ルツボを前記加熱用ルツボに横設するとともに、回収用ルツボを横長型に形成し、それらをベルジャー容器内に収容して、加熱反応を行うことにより、シリコンとシリコンカーバイドを同時に製造することを特徴とする。
【0018】
シリコン製造装置において、粉砕、洗浄され、混合された炭化珪素と珪砂(シリカ)とを収容する加熱用ルツボ、これを加熱する加熱手段、炭化珪素を硅砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、抽出されたシリコンを収容する抽出用ルツボとを具備することを特徴とする。
シリコンカーバイト半導体の製造装置において、粉砕、洗浄され、混合された炭化珪素と珪砂(シリカ)とを収容する加熱用ルツボ、これを加熱する加熱手段、炭化珪素を硅砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、抽出されたシリコンを収容する抽出用ルツボ、該加熱反応時に生成される活性ガスを回収する回収手段、該加熱反応時に生成される活性ガスを原料として、シリコンカーバイド膜を形成し、これを回収する回収ルツボとを具備することを特徴とする。
シリコン製造装置において、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを縦続型構成とし、減圧手段を設けて、ベルジャ−容器内に収容したことを特徴とする。
シリコン製造装置において、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、加熱用ルツボ及び抽出用ルツボを縦続型構成し、回収用ルツボを前記加熱用ルツボに横設するとともに、回収用ルツボを横長型に形成し、それらを減圧手段を設けて、ベルジャー容器内に収容したことを特徴とする。
【0019】
シリコンカーバイト半導体の製造装置において、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを縦続型構成とし、減圧手段を設けて、ベルジャー容器内に収容したことを特徴とする。
シリコンカーバイト半導体の製造装置において、回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、加熱用ルツボ及び抽出用ルツボを縦続型構成し、回収用ルツボを前記加熱用ルツボに横設するとともに、回収用ルツボを横長型に形成し、それらを減圧手段を設けて、ベルジャー容器内に収容したことを特徴とする。
【0020】
シリコン製造装置において、炭化珪素と珪砂(シリカ)の割合が2:1とすることを特徴とする。
シリコンカーバイト半導体の製造装置において、炭化珪素と珪砂(シリカ)の割合が2:1とすることを特徴とする。
シリコンの製造方法において、1気圧から0.01気圧の減圧状態で加熱、反応させることを特徴とする。
シリコンカーバイト半導体の製造方法において、1気圧から0.01気圧の減圧状態で加熱、反応させることを特徴とする。
【0021】
図2は、本願の発明にかかる反応炉の作動説明図である。
図1に示されるように、上記反応過程で反応生成物として、一酸化炭素(56)と一酸化珪素(57)が発生するが、別途用意した容器(10)に導入して、熱エネルギーと原料を回収する。上記反応過程で反応生成物として、SiOガスと一酸化炭素COをマイクロ波、或いは誘導加熱で分解し、シリコンと炭素を回収することを加速することができる。これらの回収にはシリコン融液(58)を使用する。
【0022】
また還元過程で精製される一酸化炭素(56)と一酸化珪素(57)は、高温に保持されたコークスを通して排出されるが、一酸化珪素(57)は炭素と反応し、シリコンカーバイド膜が生成される。
【0023】
原料の補充には炭素コークス(50)を添加することも可能である。
【0024】
このシリコンカーバイド膜は、シリコン精製においる原料として用いることができるのみならず、炭素やシリコン、あるいはシリコンカーバイド、あるいはサファイヤを基板として半導体用シリコンカーバイド(11)をエピタキシャル成長させることができる。
【0025】
シリコンを半導体として用いるために十分低濃度の不純物となり、その濃度は6Nから11Nのレベルの高水準にまで高めることができる。また、エネルギーと原料の大幅な節減が可能となる。また、高純度のシリコンカーバイド膜を成長することができる
【0026】
加熱手段としては、誘導加熱について説明しているが、他の電気抵抗加熱を採用できることは勿論である。
【発明の効果】
【0027】
シリコンの精製において、炭化ケイ素(54)とシリカ(52)を原料とし、電磁場あるいはマイクロ波によりエネルギーを付与して、かつ大気から遮蔽された状態を作り出すことにより、安定してしかも連続的にシリコン(55)を精製することが出来る。当該手法により生成されたシリコン(55)は極めて高純度で半導体グレードの品質を確保できる。
【0028】
最終に生成される一酸化炭素は、連続して屋外に取り出すことが出来、しかも更なるこれを燃焼過程において熱を発生させるので、原料の予備加熱や原料コークスや原料シリカの洗浄や精製のために用いることが出来るので、エネルギーや原料の無駄を低減して、炭化珪素を抽出出来る。
【0029】
最終に生成される一酸化炭素は、連続して屋外に取り出すことが出来、しかも更なるこれを燃焼過程において熱を発生させるので、原料の予備加熱や原料コークスや原料シリカの洗浄や精製のために用いることが出来るので、エネルギーや原料の無駄を低減して、炭化珪素を抽出出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本願の発明に係るシリコン及び炭化珪素の製造方法の原理説明図である。
【図2】(a)、(b)は、本願の発明の誘導加熱反応炉の説明図であって、各々、構造説明図、温度分布説明図である。
【図3】本願の発明に係る誘導加熱反応炉の構成説明図である。
【図4】本願の発明に係る誘導加熱反応炉の構成説明図である。
【図5】本願の発明に係る誘導加熱反応炉によりできたシリコンである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0031】
図1は、本願の発明に係るシリコン及び炭化珪素の製造方法の原理説明図である。図2は、本願の発明において用いる誘導加熱反応炉の説明図である。
【0032】
表1は、原料コークス、洗浄コークス、原料シリカ、洗浄シリカ、炭化珪素及びシリコン中の不純物、ボロン、リン、カルシュウム、チタン、鉄、ニッケル及び銅の其々のppmで示している。
【表1】

【0033】
原料コークス(51)は予めmm単位の形状に粉砕されている。この炭素コークスの不純物の分析結果を表1に示されている。
【0034】
これを水溶液で洗浄する。洗浄液は0.1モルのHCNを用いた。また、洗浄後、600~1200℃の温度で乾燥させる。乾燥時、蒸気圧の高い不純物はコークスから離脱、除去される。(工程1)
【0035】
原料シリカ(52)は予めmm単位の形状に粉砕されている。このシリカの不純物の分析結果は表1に示す通りである。
【0036】
これを水溶液で洗浄し、加熱乾燥する。
洗浄液は0.1モルのHCNを用いた。(工程2)
【0037】
洗浄液としては、上記のHCNの他、硝酸、塩酸、フッ酸も適用できる。濃度やPHは基本的に、反応時間を変えるのみで、基本的な作用には関係しない。洗浄後の不純物を分析した結果は表1に示す通りである。
【0038】
上記の工程で準備された原料シリカおよび原料コークスを混合混練した材料(53)をそれぞれ1:1から1:3の割合で混合し、乾燥させる。これを加熱・反応させ、中間生成物である炭化珪素を製造する。反応を促進させるためには、1500〜2500℃の高温が必要であり、本願発明では加熱方法としては、抵抗加熱法を用いた。加熱温度は1500度以上から3000度が好ましい。高温で反応させることにより不純物の昇華を促進する。(工程3)
【0039】
加熱・反応過程では、一酸化炭素、一酸化珪素が生成されるが、酸素雰囲気で酸化させることにより、加熱・反応物の温度の1500度以上の温度を高めることができる。反応過程は10〜100時間程度である。この場合の炭化珪素の不純物分析結果を表1に示す。
【0040】
加熱手段としては、ヘリオスタット、通電加熱法、マイクロ波、誘導加熱のいずれの方法でも適用可能である。
【0041】
図2(a)、(b)は、本願の発明の誘導加熱反応炉の説明図であって、各々、構造説明図、温度分布説明図である。図3は、本願の発明に係る誘導加熱反応炉の構成説明図であり、図4は、本願の発明に係る他の誘導加熱反応炉の構成説明図である。
【0042】
上記反応過程で出来た炭化珪素(54)は粉砕され(工程4)、シリカと混合され、多段反応炉(6)で誘導加熱法により1500〜2500℃に加熱される。この中でシリカと炭化珪素は相互に反応し、シリコンと一酸化炭素と一酸化珪素を発生する。シリコン(55)は融液となるので、加熱用ルツボ(7)から滴下し、抽出用ルツボ(8)に蓄積する。当該シリコンには不純物は極めて少ないレベルであった。また、投入した炭化珪素とシリカ94gに対して、28gのシリコン(55)が抽出出来た。反応は炭化珪素の量で律則される。また、シリコンの不純物をICP法で分析した結果を表1に示す。半導体として十分な高純度化を図ることが可能である。本願の反応炉では炭化珪素とシリカの比率は2:1が最適である。
【0043】
図5は、本願発明の実施例に基づき製造されたシリコンの写真である。黒鉛ルツボの中にシリコン(55)、炭化珪素(54)、シリカが作製されている。
【0044】
図1に示すように、一酸化炭素(56)と一酸化珪素(57)は、保温されたまま回収用ルツボ(9)でシリコン融液(58)に投入される。一酸化炭素はシリコン融液の中で分解し、炭素が溶出する。一酸化珪素は二酸化珪素とシリコンに分解する。大凡50%のシリコンが回収される。高周波の誘導加熱と減圧条件により、反応ガスはより回収し易くなる。実施例においては、1気圧から0.01気圧に減圧した。
【0045】
回収用ルツボ(9)にシリコンカーバイド基板(11)を投入すると該基板の厚さは当初0.25mmから0.35mmと増大し、1800度でエピタキシャル成長することができる。成長速度は1500℃から2000℃の範囲で温度が上がるほど厚くすることが出来、また排ガスから炭化珪素(59)を回収できる。ルツボ(9)はウェハ基板4インチ径のものを用いたが、この基板が十分収納できるように、6インチ径とした。ルツボ(9)の口径を大きくすることで、より一酸化炭素が回収できやすくなる。この理由は、シリコン中の炭素の溶解度が増すためである。この場合、このシリコン融液に粉砕したコークスを所定量さらに添加すると、より成長速度を大きくすることができる。
【0046】
回収用ルツボ(9)から排出された二酸化珪素(シリカ)は、微小な粉黛であったが、シリカ(51)に戻される。この時、廃熱と原料を回収することができる。図2に示される実施例では反応炉を縦型に構成しているが、生産性と作業性を高めるため、横型に構成することもできる。
【実施例2】
【0047】
実施例2は、投入するエネルギーの利用効率を高めるため、上記の反応工程を一体化させるための構成に関する。図2(a)に示すように、基本的なプロセスは実施例1を踏襲しており、連続的に製造するように構成している。加熱は高周波誘導方式で誘導加熱用コイル(60)により加熱されている。炭化珪素(54)は導管(63)を通じで加熱用ルツボ(7)に導入される。シリカ(52)は導管(65)を通じで加熱用ルツボ(7)から、シリコン抽出孔(61)シリコン保持・凝固炉(8)に導入される。これによりシリコン(55)を回収する。
【0048】
上記反応炉は3段の温度分布に制御されている。この分布を図2(b)に示す。上段は、シリコンカーバイドの成長炉(9)で、温度(T2)は1500℃から2500℃である。中段は原料である炭化珪素とシリカの加熱用ルツボ(7)で、温度は(T0)ある。この領域でシリコンとSiO及びCOガスが製造される。外壁材には炭素材を、加熱法は誘導加熱方式を用いた。この中に炭素、或いは、炭化珪素、シリカのルツボが配置されている。更に外壁材の外側に石英、あるいはセラミックの外壁とすることも、炭素ルツボ材の消耗を減らす上で有効である。炭素ルツボは底部に、シリコン生成物を抽出孔(61)が形成されている。
【0049】
上記抽出孔(61)を通じて取り出されたシリコン(55)は、反応炉下段の抽出用ルツボに流出する。当該下段の雰囲気は不要な炭素や炭化珪素とより効率的に除去するために、酸化性とすることが有効である。温度(T1)は1450℃に制御されている。一旦ルツボに保存されたシリコンは、導出管を通じて凝固炉ルツボに導くことで連続的な生産が可能である。凝固の方法は、チョコラルスキー法、凝固法、回転凝固法に拘るものではない。酸素濃度は10%〜0.01%に制御した。酸化性雰囲気に保つことで、炭素の溶解度を低減できる。ルツボは上記反応炉の下段領域(71)に設置されているので、精製して出来たシリコン融液を直接徐々に凝固させ、インゴットとして取り出すことが可能である。この為には、T2への保温方法として、高周波誘導加熱方法のみならず抵抗加熱法も適用できる。
【0050】
反応炉の上段領域(72)はシリコンカーバイドの成長に用いられる。上段領域(72)と中段領域(70)の間は、仕切り窓が設けられ、仕切り窓は中段からのSiOとCOの混合体であるガスの流通が可能なように設計されている。この上段にルツボ(74)が配置されている。ルツボ(74)の素材は炭化珪素材、溶融石英が使用可能である。本実施例では外壁を炭素、内部を炭化珪素材、或いは酸化マグネシウムあるいはアルミナとした。ルツボ(74)の内部には溶融シリコン(76)が保持されている。このシリコン表面はSiO及びCOガスに常時晒されている。この結果COはシリコンに溶解する。この結果、シリコンはSiOとして一部蒸発するが、SiOとが反応してシリコンとシリカに分離する。
【0051】
シリカはシリコン上部に堆積するが、炭素原料投入用穴(77)が設けられており、シリコン融液に、補充することができる。シリコン(76)の表面に形成されたシリカを取り除くために機械的な方法で取り除くことが出来るシリカ除去ジグ(78)を装備している。上部に設置された蓋(79)からシリコンカーバイドウェハを投入し、エピタキシャル成長させ、再び、取り出すためのウエハ導入窓(80)を設けている。温度をT21からT22に昇温して、シリコン中の炭素の溶解度を飽和濃度にまで高め、T21に徐冷しつつ成長基板(11)にシリコンカーバイド(59)の析出をせしめ、成長の後再び温度を高めて炭素を補充する。基板はグラファイト、シリコンカーバイドを使用することができる。この操作を繰り返すことにより、連続的にシリコンカーバイドの成長を行うことができる。(図2参照)
【0052】
図3及び4に示されるように、多段炉全体をベルジャー(75)と呼ぶ容器に収納し、かつ配置されたポンプ(82)により空気を排出することにより、酸素の混入によるシリコンのロスと窒素の混入によるシリコンカーバイドへの不純物の取り込みを抑制できる。この場合、コンプレッサー(83)、ゲートバルブ(81)、(84)を設けている。
また、アルゴンガスなどの不活性ガスを満たすことにより、さらに圧力条件を調整させることにより、中間生成物の炭化珪素とシリカの反応の速度を制御できる。1気圧から0.01気圧まで減圧することにより、シリコンの生成の速度が徐々に速まり、また1気圧から5気圧に加圧することにより、シリコンの生成速度を徐々に抑制することができる。
【実施例3】
【0053】
前記実施例では、反応炉が縦方向に配置された多段炉を用いたが、上段の反応炉では反応性ガスが勢いよく上方向に発生するので、シリコンカーバイドを回収するためのウェハの投入の際、ウェハの表面がシリカで覆われることがある。この問題を解決するため、横側方向に配置した多段に構成した。図4、その実施例の多段炉である。加熱用ルツボ(7)から発生した一酸化炭素と一酸化窒素は横方向に導かれる。横方向に炉を配置することにより、ウェハの投入の際、表面がシリカに覆われることを防止できる。また、炉の長さを横長に大きく出来るので、より多くの一酸化炭素と一酸化珪素を回収することができる。
【0054】
加熱手段としては、誘導加熱について説明しているが、電気抵抗加熱等他の手段を採用できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本願発明は、高純度シリコンを従来の手法と比較して、多くの工程を経ずに容易に取り出すことができる。また生成の温度を低く出来るので、エネルギーの節約となる。不純物を一旦シリコン中に混入させてしまうと、多大なエネルギーを要していたが、本願発明では予め不純物を除去した原料を中間生成物となる炭化珪素を製造する際に、同時に除去できるので、シリコンを生成する際にも、不純物の混入を抑制することができる。
【0056】
本願発明は、上記の効果に加えて、反応性のガスをシリコンカーバイドの形で回収することができ、またこの回収の際にシリコンカーバイドを電子デバイスとして利用しやすいウェハの形で、高速に、かつ有効に回収することができるので、原料のロスを低減することができる。新規のシリコンの製造技術として寄与するところが大きい。
【符号の説明】
【0057】
(1)コークス
(2)シリカ
(3)乾燥焼結
(4)炭化珪素粉砕導入
(5)廃棄ガス放出管
(6)多段反応炉
(7)加熱用ルツボ
(8)抽出用ルツボ
(9)回収用ルツボ
(10)シリコンカーバイト基板
(11)シリコンカーバイド基板
(50)洗浄炭素粒
(51)コークス洗浄工程
(52)シリカ洗浄工程
(53)混練工程
(54)炭化珪素
(55)シリコン融液
(56)SiOガス
(57)一酸化炭素ガス
(58)シリコン融液
(59)シリコンカーバイド
(60)コイル
(61)シリコン抽出孔
(62)コイル
(63)導管
(65)導管
(70)反応炉中段領域
(71)反応炉下段領域
(72)反応炉上段領域
(74)シリコンカーバイド用ルツボ
(75)ベルジャー
(76)溶融シリコン
(77)炭素原料投入量
(78)シリカ除去ジグ
(79)上部蓋
(80)ウェハ導入窓
(81)ゲートバルブ
(82)ポンプ
(83)コンプレッサー
(84)ゲートバルブ
(85)誘導加熱用コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により加熱して反応させ、炭化珪素を硅砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出することを特徴とするシリコンの製造方法。
【請求項2】
炭化珪素の不純物がそれぞれ3N以上の高純度で、また硅砂中の不純物が3N以上であることを特徴とする請求項1に記載のシリコンの製造方法。
【請求項3】
上記加熱手段を高周波誘導加熱としたことを特徴とする請求項1に記載のシリコンの製造方法。
【請求項4】
上記加熱手段を直流抵抗加熱としたことを特徴とする請求項1に記載のシリコンの製造方法。
【請求項5】
前記加熱用ルツボを炭化珪素で構成したことを特徴とする請求項1に記載のシリコンの製造方法。
【請求項6】
炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により、加熱して反応させ、炭化珪素を珪砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出するシリコンの製造方法において、該加熱反応時に生成される活性ガスを原料として、気相成長により、シリコンカーバイド膜を形成し、これを回収することを特徴とするシリコンカーバイド半導体の製造方法。
【請求項7】
炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により、加熱して反応させ、炭化珪素を珪砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出するシリコンの製造方法において、加熱時に生成された活性ガスの一酸化珪素と一酸化珪素を原料とし、別途用意したシリコン融液で、一酸化炭素からの炭素と一酸化珪素からのシリコンを吸収することにより、シリコン中の炭素を過飽和の状態に保持し、徐冷してエピタキシャル成長することにより、シリコンカーバイド膜を形成し、これを回収することを特徴とするシリコンカーバイド半導体の製造方法。
【請求項8】
前記加熱用ルツボを炭化珪素で構成したことを特徴とする請求項6又は7に記載のシリコンカーバイド半導体の製造方法。
【請求項9】
加熱反応時、加熱用ルツボをベルジャー容器に収納して、減圧状態で加熱、反応させることを特徴とする前記請求項1乃至5に記載のシリコンの製造方法。
【請求項10】
加熱反応時、加熱用ルツボをベルジャー容器に収納して、減圧状態で加熱、反応させることを特徴とする前記請求項6及び7に記載のシリコンカーバイド半導体の製造方法。
【請求項11】
炭化珪素と珪砂(シリカ)の割合が1:1を中心とし、最大10:1、最小1:10とすることを特徴とする前記請求項1乃至5に記載のシリコンの製造方法。
【請求項12】
炭化珪素と珪砂(シリカ)の割合が1:1を中心とし、最大10:1、最小1:10とすることを特徴とする前記請求項6又は7に記載のシリコンカーバイト半導体の製造方法。
【請求項13】
加熱用ルツボをベルジャー容器に収納して、不活性ガス中で加熱反応を行うことを特徴とする前記請求項1乃至5に記載のシリコンの製造方法。
【請求項14】
加熱用ルツボをベルジャー容器に収納して、不活性ガス中で加熱を行うことを特徴とする前記請求項6又は7に記載のシリコンカーバイド半導体の製造方法。
【請求項15】
回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、該回収用ルツボ、該加熱用ルツボ、該抽出用ルツボを縦続型構成とし、ベルジャー容器内に収容して、加熱反応を行うことを特徴とする前記請求項1乃至5に記載のシリコンの製造方法。
【請求項16】
回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、該加熱用ルツボ及び該抽出用ルツボを縦続型構成し、該回収用ルツボを前記加熱用ルツボに横設するとともに、回収用ルツボを横長型に形成し、それらをベルジャー容器内に収容して、加熱反応を行うことを特徴とする前記請求項1乃至5に記載のシリコンの製造方法。
法。
【請求項17】
回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、該加熱用ルツボ及び該抽出用ルツボを縦続型構成し、回収用ルツボを前記加熱用ルツボに横設するとともに、回収用ルツボを横長型に形成し、それらをベルジャー容器内に収容して、加熱反応を行うことを特徴とする前記請求項6又は7に記載のシリコンカーバイト半導体の製造方法。
法。
【請求項18】
炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により、加熱して反応させ、炭化珪素を珪砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出するシリコンの製造方法において、該加熱反応時に生成される活性ガスを原料として、気相成長により、シリコンカーバイド膜を形成し、これを回収することによりシリコンカーバイトを作製することを特徴とするシリコンとシリコンカーバイドとを同時に製造するシリコンの製造方法。
【請求項19】
炭化珪素と珪砂(シリカ)とを粉砕し、洗浄した後、各々を所定の比率の割合で混合し、これを加熱用ルツボに収容し、これを加熱手段により、加熱して反応させ、炭化珪素を珪砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、シリコンを製造・抽出するシリコンの製造方法において、加熱時に生成された活性ガスの一酸化珪素と一酸化珪素を原料とし、別途用意したシリコン融液で、一酸化炭素からの炭素と一酸化珪素からのシリコンを吸収することにより、シリコン中の炭素を過飽和の状態に保持し、徐冷してエピタキシャル成長することにより、シリコンカーバイト膜を形成し、これを回収することによりシリコンカーバイドを作製することを特徴とするシリコンとシリコンカーバイドとを同時に製造するシリコンの製造方法。
【請求項20】
粉砕、洗浄され、混合された炭化珪素と珪砂(シリカ)とを収容する加熱用ルツボ、
これを加熱する加熱手段、
炭化珪素を硅砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、抽出されたシリコンを収容する抽出用ルツボとを具備することを特徴とするシリコン製造装置。
【請求項21】
粉砕、洗浄され、混合された炭化珪素と珪砂(シリカ)とを収容する加熱用ルツボ、
これを加熱する加熱手段、
炭化珪素を硅砂(シリカ)で酸化し、さらに珪砂(シリカ)を炭化珪素で還元することにより、抽出されたシリコンを収容する抽出用ルツボ、
該加熱反応時に生成される活性ガスを回収する回収手段、
該回収された活性ガスを原料として、シリコンカーバイド膜を形成し、これを回収する回収ルツボとを具備することを特徴とするシリコンカーバイド半導体の製造装置。
【請求項22】
回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、これを縦続型構成とし、減圧手段を設けて、ベルジャ−容器内に収容したことを特徴とする前記請求項20に記載のシリコンの製造装置。
【請求項23】
回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを具え、該加熱用ルツボ及び該抽出用ルツボを縦続型構成し、該回収用ルツボを該加熱用ルツボに横設するとともに、該回収用ルツボを横長型に形成し、それらを減圧手段を設けて、ベルジャー容器内に収容したことを特徴とする前記請求項20に記載のシリコンの製造装置。
【請求項24】
回収用ルツボ、加熱用ルツボ、抽出用ルツボを縦続型構成とし、減圧手段を設けて、ベルジャー容器内に収容したことを特徴とする前記請求項21に記載のシリコンカーバイト半導体の製造装置。
【請求項25】
加熱用ルツボ及び抽出用ルツボを縦続型構成し、回収用ルツボを前記加熱用ルツボに横設するとともに、回収用ルツボを横長型に形成し、それらを減圧手段を設けて、ベルジャー容器内に収容したことを特徴とする前記請求項21に記載のシリコンカーバイト半導体の製造装置。
【請求項26】
炭化珪素と珪砂(シリカ)の割合が2:1とすることを特徴とする前記請求項1乃至5に記載のシリコンの製造方法。
【請求項27】
炭化珪素と珪砂(シリカ)の割合が2:1とすることを特徴とする前記請求項6又は7に記載のシリコンカーバイトの製造方法。
【請求項28】
1気圧から0.01気圧の減圧状態で加熱、反応させることを特徴とする前記請求項9に記載のシリコンの製造方法。
【請求項29】
1気圧から0.01気圧の減圧状態で加熱、反応させることを特徴とする前記請求項10に記載のシリコンカーバイト半導体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−219286(P2011−219286A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88015(P2010−88015)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(509154626)
【Fターム(参考)】