説明

シリンダヘッドガスケット

【課題】シリンダヘッドガスケットのフルビードの基板からの立ち上がり部分に亀裂が生じる危険性を低減する。
【解決手段】シリンダヘッドガスケットは、積層させた少なくとも3枚のガスケット基板11〜13を備えており、各ガスケット基板は、各燃焼室孔2の周囲にそれぞれフルビード11a〜13aを備えている。隣接するガスケット基板11、12の各フルビード11a、12aは互いに離隔する方向に膨出させてあり、それらフルビードの間に増圧板14と厚さ調整板15とのいずれか一方を介在させ、また他のガスケット基板13とこれに隣接するガスケット基板との間に上記増圧板14と厚さ調整板15とのいずれか他方を介在させてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリンダヘッドガスケットに関し、より詳しくは、積層させた少なくとも3枚のガスケット基板を備えたシリンダヘッドガスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリンダヘッドガスケットとして、積層させた少なくとも3枚のガスケット基板と、燃焼室孔の周囲の面圧を増加させる増圧板と、ガスケット厚さを調整する厚さ調整板とを備えたものが知られている(例えば特許文献1の図4参照)。
上記各ガスケット基板はそれぞれ燃焼室孔の周囲にフルビードを備えており、2枚のガスケット基板は、上記フルビードを互いに離隔する方向に向けた状態で、直接積層重合されている。また上記厚さ調整板と増圧板は直接重合された状態で、上記2枚のガスケット基板と、その他のガスケット基板との間に介在されている。
上述した従来のシリンダヘッドガスケットにおいては、それぞれ燃焼室孔の周囲にフルビードを備えた少なくとも3枚のガスケット基板を積層しているので、その積層された少なくとも3つのフルビードによって、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間の開きに対する追従性を向上させることができる。
また、上記厚さ調整板の厚さを調整することによりシリンダヘッドガスケットの厚さを調整して、エンジンの燃焼室の容積を容易に調整することができ、また上記増圧板の厚さを調整して、燃焼室孔の周囲の面圧をそれよりも外側の部分の面圧よりも高くして、燃焼室孔の周囲におけるシール性能の向上を図ることができる。
【特許文献1】特開2008−14334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら2枚のガスケット基板を、上記フルビードを互いに離隔する方向に向けた状態で直接積層重合させると、各フルビードの基板からの立ち上がり部分の歪が大きくなって互いに大きく擦れるようになることから、その部分に亀裂が生じる危険性が高くなることが判明した。
また従来のシリンダヘッドガスケットにおいては、上記増圧板と厚さ調整板とは直接重合された状態となっているので、両者の間の密着性やシール性を向上させためには、いずれか一方の接触面に密着性やシール性を向上させることができるコーティング材を施さなければならず、その分コストアップとなっていた。
本発明はそのような事情に鑑み、フルビードの立ち上がり部分における亀裂の発生を抑制することができ、しかも増圧板や厚さ調整板にコーティング材を施すことなく密着性やシール性を向上させることができるシリンダヘッドガスケットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち請求項1の発明は、積層させた少なくとも3枚のガスケット基板と、燃焼室孔の周囲の面圧を増加させる増圧板と、ガスケット厚さを調整する厚さ調整板とを備え、上記各ガスケット基板は、各燃焼室孔の周囲にそれぞれフルビードを備えているシリンダヘッドガスケットにおいて、
隣接する第1ガスケット基板のフルビードと第2ガスケット基板のフルビードとを互いに離隔する方向に膨出させるとともに、これらガスケット基板のフルビードの間に上記増圧板と厚さ調整板とのいずれか一方を介在させ、さらにこれらのガスケット基板に第3ガスケット基板を積層して、第3ガスケット基板とこれに隣接するガスケット基板との間に上記増圧板と厚さ調整板とのいずれか他方を介在させたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
上記構成によれば、互いに離隔する方向に膨出する第1ガスケット基板のフルビードと第2ガスケット基板のフルビードとの間に上記増圧板又は厚さ調整板が介在されているので、それらフルビードが直接積層重合されることがなく、それによって後の解析結果で示すように、各フルビードの基板からの立ち上がり部分の歪の発生を抑制して、その部分に亀裂が生じる危険性を低減することができる。
また各ガスケット基板には一般に相手材との密着性やシール性を向上させるコーティング材が施されているので、上記増圧板と厚さ調整板とを各ガスケット基板の間に介在することにより、増圧板や厚さ調整板にコーティング材を施すことなく各ガスケット基板のコーティング剤を利用して、安価に密着性やシール性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1、図2において、本実施例のシリンダヘッドガスケット1は、図示しないシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持されてそれらの間をシールするようになっている。
上記シリンダヘッドガスケット1は、図1に示す実施例では、一直線上に直列に配置された4つの燃焼室孔2を備えており、また図示しない締結ボルトを挿通するための複数のボルト孔3や、冷却水が流通する複数の冷却水孔4や、潤滑油が流通する図示しない複数の潤滑油孔等を備えている。
【0007】
上記シリンダヘッドガスケット1は、図2に示すように、3枚の相互に積層された金属製ガスケット基板11、12、13と、これらのガスケット基板の間に介在された1枚の増圧板14と、1枚の厚さ調整板15とを備えている。
上記3枚のガスケット基板11〜13は、図示しない下方のシリンダブロック側から上方のシリンダヘッドにむけて順次その順番で積層させている。
これらガスケット基板11〜13は、アルミニウム系合金や鋳鉄等からなるシリンダブロックおよびシリンダヘッドよりも硬度の高いばね性を有する素材、例えば、ステンレスやSECC等のような素材からなっており、全域が同一厚さに形成されている。
【0008】
上記増圧板14は平板状の金属板から成り、下方のシリンダブロック側となるガスケット基板11と中間のガスケット基板12との間に介在されている。
この増圧板14は、燃焼室孔2の周囲の面圧を高めるために設けられており、図1の破線で示すように、シリンダヘッドガスケット1の燃焼室孔2の周囲に設けられている。そして増圧板14の厚さを適宜に設定することによって、燃焼室孔2の周囲の面圧をそれよりも外側の部分の面圧よりも高くして、燃焼室孔2の周囲におけるシール性能の向上を図ることができるようにしてある。
【0009】
他方、上記厚さ調整板15は平板状の金属板からなり、上方のシリンダヘッド側となるガスケット基板13と中間のガスケット基板12との間に介在されている。
この厚さ調整板15と上記3枚の金属製ガスケット基板11〜13とはほぼ同一の輪郭形状を有しており、厚さ調整板15の厚さを適宜に設定することによって、シリンダヘッドガスケット1の厚さを調整してエンジンの燃焼室の容積を調整することができるようになっている。
【0010】
上記増圧板14を挟んで対向する2枚のガスケット基板11,12には、燃焼室孔2を囲むフルビード11a、12aを形成してあり、両フルビード11a,12aは増圧板14を挟んで互いに離隔する方向に膨出している。より具体的には、下方のガスケット基板11のフルビード11aはシリンダブロック側(下方側)へ断面山形に膨出し、また上方のガスケット基板12のフルビード12aは、シリンダヘッド側(上方側)へ断面山形に膨出している。
そして上記増圧板14は、燃焼室孔2から両フルビード11a、12aを僅かに越えた位置まで伸びている。
また各ガスケット基板11、12には、上記燃焼室孔2を囲むフルビード11a、12aの外側位置に、各フルビード11a、12aと同一方向に膨出するハーフビード11b、12bを形成してある。
【0011】
他方、厚さ調整板15を挟んで中間のガスケット基板12に対向する上方のガスケット基板13にも、燃焼室孔2を囲むフルビード13aを形成してあり、このフルビード13aは、中間のガスケット基板12のフルビード12aと互いに近接する方向に膨出している。すなわち、このガスケット基板13のフルビード13aはシリンダブロック側(下方側)へ断面山形に膨出している。
そして上記ガスケット基板13にも、上記燃焼室孔2を囲むフルビード13aの外側位置に、該フルビード13aと同一方向に膨出するハーフビード13bを形成してある。
【0012】
上記各ガスケット基板11〜13の上下の各表面には、フッ素、ニトリル系等のゴム又はエラストマーの材料などのコーティング材16をコーティングしてある。
上記コーティング材16は、それぞれ相手材との密着性、シール性を向上させる目的で設けたものであるが、さらに必要に応じて、すべり性や非粘着性を確保するために、上記コーティング材16の表面にグラファイトやワックスなどのトップコートを施してもよい
他方、各ガスケット基板11〜13の間に介在される増圧板14と厚さ調整板15の表面にはコーティング材を施していないが、増圧板14はガスケット基板11、12の各コーティング材16を介してそれぞれのガスケット基板11、12に密着されるようになるので、それぞれの間の密着性、シール性を確保することができる。
同様に、厚さ調整板15はガスケット基板12、13のコーティング材16を介してそれぞれガスケット基板12、13とに密着されるようになるので、それぞれの間の密着性、シール性も確保することができる。
【0013】
前述したように、2枚のガスケット基板の燃焼室孔を囲むフルビードを、互いに離隔する方向に向けて直接積層重合させた場合には、各フルビードの立ち上がり部分の歪が大きくなって互いに擦れることからその部分に亀裂が生じる危険性が高くなるが、本実施例のようにガスケット基板11とガスケット基板12との間に増圧板14を介在させ、互いに離隔する方向に膨出するフルビード11aと12aとが直接積層重合されるのを防止すると、各フルビード11a、12aの立ち上がり部分11c、12cに亀裂が生じる危険性を低減することができる。
図3は上記立ち上がり部分11c、12cについてCAE解析を行った結果を示すもので、○印が図2に示す立ち上がり部分11c、12cの解析結果を示している。
また、●は比較例の解析結果を示すもので、この比較例は、図4に示すように、図2に示す増圧板14をガスケット基板11、12の間から取り外し、この増圧板14を厚さ調整板15の下面に積層させることにより、互いに離隔する方向に膨出するガスケット基板11のフルビード11aとガスケット基板12のフルビード12aとを直接積層重合させている。
【0014】
図3の解析結果から理解されるように、○印で示す本発明品においては、上記立ち上がり部分11c、12cにおける振幅歪と平均歪とも、●印で示す比較例よりも小さくなっており、耐疲労性が向上してその立ち上がり部分11c、12cにおける亀裂の発生を抑制することができる。
また、図4に示す比較例の場合、増圧板14と厚さ調整板15とが直接積層されているので、両者間の密着性、シール性を確保するためには、いずれか一方の接触面に上述したコーティング材16を施す必要があり、その分コストアップにつながっていた。
これに対し、本実施例の場合には、増圧板14と厚さ調整板15とはコーティング材16を備えているガスケット基板11〜13の間に介在されているため、増圧板14と厚さ調整板15とにコーティング材16を施すことなく、安価に良好な密着性とシール性とを確保することができる。
【0015】
図5は本発明の第2実施例を示したもので、本実施例は、上記第1実施例における増圧板14と厚さ調整板15とを入れ替えたものである。
すなわち本実施例では、増圧板14は中間のガスケット基板12と上方のガスケット基板13との間に介在させてあり、厚さ調整板15は下方のガスケット基板11と中間のガスケット基板12との間に介在させてある。
その他の構成は、第1実施例と同様に構成してあり、同一又は相当部分には同一の符号を付して示してある。
本実施例においても、第1ガスケット基板11のフルビード11aと第2ガスケット基板12のフルビード12aとの間に厚さ調整板15が介在されて両フルビード11a、12aが直接積層されていないので、それらの立ち上がり部分11c、12cにおける振幅歪や平均歪を比較例よりも小さくすることができ、それによってその部分の亀裂の発生を抑制することができる。
また、増圧板14と厚さ調整板15とにコーティング材16を施すことなく、良好な密着性とシール性とを確保することができる。
【0016】
図6は本発明の第3実施例を示したもので、上記第1実施例では3枚のガスケット基板11〜13のうち、互いに離隔する方向に膨出するフルビード11a、12aを下側のシリンダブロック側に配置していたが、本実施例ではそれを上方のシリンダヘッド側に配置したものである。
すなわち本実施例においては、そして上方の2枚のガスケット基板12、13とに、互いに離隔する方向に膨出するフルビード12a、13aを形成してある。より具体的には、中間のガスケット基板12のフルビード12aはシリンダブロック側(下方側)へ断面山形に膨出し、また上方のガスケット基板13のフルビード13aは、シリンダヘッド側(上方側)へ断面山形に膨出している。
そして、両フルビード12a、13aの間に増圧板14を介在させている。
【0017】
他方、中間のガスケット基板12と下方のガスケット11との間には厚さ調整板15を介在させてあり、この下方のガスケット11のフルビード11aは、シリンダヘッド側(上方側)へ断面山形に膨出している。
その他の構成は、第1実施例と同様に構成してあり、同一又は相当部分には同一の符号を付して示してある。
本実施例においても、第1実施例と同等の作用効果が得られることは明らかである。
【0018】
なお、上記第3実施例おいて、第2実施例と同様に増圧板14と厚さ調整板15とを入れ替えてもよい。
【0019】
図7は本発明の第4実施例を示したもので、本実施例は、上記第1実施例の構成を基礎として、さらにその上に(シリンダヘッド側に)第2増圧板24と第4枚目のガスケット基板26Aとを順次積層したものである。
すなわち本実施例では、上記第1実施例における上方のガスケット基板13の上に第2増圧板24を積層するとともに、第2増圧板24の上に上記ガスケット基板26Aを積層したものである。
上記第2増圧板24は第1増圧板14と実質的に同一の構成を備えており、また第4枚目のガスケット基板26Aのフルビード26Aaと下方のガスケット基板13のフルビード13aとは互いに離隔する方向に膨出するようになる。
【0020】
図8は本発明の第5実施例を示したもので、本実施例は、上記第3実施例の構成を基礎として、さらにその上に(シリンダヘッド側に)第2厚さ調整板25と第4枚目のガスケット基板26Bとを順次積層したものである。
すなわち本実施例では、上記第3実施例における上方のガスケット基板13の上に第2厚さ調整板25を積層するとともに、第2厚さ調整板25の上に上記ガスケット基板26Bを積層したものである。
上記第2厚さ調整板25は第1厚さ調整板15と実質的に同一の構成を備えており、また上記第4枚目のガスケット基板26Bのフルビード26Baとこれの下方のガスケット基板13のフルビード13aとは互いに近接する方向に膨出するようになる。
【0021】
上記第4実施例又は第5実施例のようにガスケット基板26A、26Bや第2増圧板24又は第2厚さ調整板25を追加すれば、よりシール効果を向上させることができる。
なお上記第4実施例又は第5実施例において、上述した第2実施例と同様に増圧板14、24と厚さ調整板15、25の位置を入れ替えてもよい。
【0022】
図9は本発明の第6実施例を示したもので、本実施例は、図8に示す第5実施例の構成から第2厚さ調整板25を省略したものである。
前述したように、厚さ調整板15、25は、それぞれシリンダヘッドガスケット1の厚さを調整してエンジンの燃焼室の容積を調整するものであるから、複数枚設ける必要はなく1枚の厚さ調整板があればよい。したがって、第5実施例の厚さ調整板15、25は、いずれか一方を省略することができ、図示実施例ではシリンダヘッド側(上側)の第2厚さ調整板25を省略してある。
他方、図7に示す第4実施例の増圧板14、24は、それぞれ燃焼室孔2の周囲の面圧を高めるために設けられるものであるから、やはり複数枚設ける必要はなく1枚の厚さ調整板があればよい。しかしながら、図7に示す第4実施例の第1増圧板14は、互いに離隔する方向に膨出するフルビード11a、12aが直接重合するのを防止しているので、これを省略することはできない。同様に、図7に示す第4実施例の第2増圧板24は、互いに離隔する方向に膨出するフルビード13a、26Aaが直接重合するのを防止しているので、やはり省略することはできない。
【0023】
図10は本発明の第7実施例を示したもので、本実施例は、上記第4実施例の構成を基礎として、さらにその上に(シリンダヘッド側に)第2厚さ調整板25と第5枚目のガスケット基板27Aとを順次積層したものである。
すなわち本実施例では、上記第4実施例における第4枚目のガスケット基板26Aの上に第2厚さ調整板25を積層するとともに、第2厚さ調整板25の上に上記第5枚目のガスケット基板27Aを積層したものである。
そして上記第5ガスケット基板27Aのフルビード27Aaとガスケット基板26Aのフルビード26Aaとは互いに近接する方向に膨出するようになる。
【0024】
図11は本発明の第8実施例を示したもので、本実施例は、上記第5実施例の構成を基礎として、さらにその上に(シリンダヘッド側に)第2増圧板24と第5枚目のガスケット基板27Bとを順次積層したものである。
すなわち本実施例では、上記第5実施例における第4枚目のガスケット基板26Bの上に第2増圧板24を積層するとともに、第2増圧板24の上に上記ガスケット基板27Bを積層したものである。
そして上記第5ガスケット基板27Bのフルビード27Baとガスケット基板26Bのフルビード26Baとは互いに離隔する方向に膨出するようになる。
【0025】
上記第7実施例又は第8実施例では第4、第5実施例に比較して更にガスケット基板27A、27Bや第2増圧板24又は第2厚さ調整板25を追加しているので、より一層のシール効果を期待することができる。
なお上記第7実施例又は第8実施例において、上述した第2実施例と同様に増圧板14、24と厚さ調整板15、25との位置を入れ替えてもよい。
また図9の第6実施例に関連して説明したように、増圧板と厚さ調整板はそれぞれ1枚あればよいので、上記第7実施例又は第8実施例において、増圧板と厚さ調整板とを少なくとも1枚枚は残した上で、他の増圧板と厚さ調整板とを省略することができる。但し、互いに離隔する方向に膨出するフルビードが直接重合するのを防止している増圧板又は厚さ調整板は、省略することができないことは上述したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施例を示す平面図。
【図2】図1のII−II線に沿う拡大断面図。
【図3】本発明品と比較品とについてのCAE解析結果図。
【図4】比較品を示す断面図。
【図5】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図6】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図7】本発明の第4実施例を示す断面図。
【図8】本発明の第5実施例を示す断面図。
【図9】本発明の第6実施例を示す断面図。
【図10】本発明の第7実施例を示す断面図。
【図11】本発明の第8実施例を示す断面図。
【符号の説明】
【0027】
1 シリンダヘッドガスケット
2 燃焼室孔
11〜13、26A、26B、27A、27B ガスケット基板
11a〜13a、26Aa、26Ba、27Aa、27Ba フルビード
11c、12c 立ち上がり部分
14、24 増圧板
15、25 厚さ調整板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層させた少なくとも3枚のガスケット基板と、燃焼室孔の周囲の面圧を増加させる増圧板と、ガスケット厚さを調整する厚さ調整板とを備え、上記各ガスケット基板は、各燃焼室孔の周囲にそれぞれフルビードを備えているシリンダヘッドガスケットにおいて、
隣接する第1ガスケット基板のフルビードと第2ガスケット基板のフルビードとを互いに離隔する方向に膨出させるとともに、これらガスケット基板のフルビードの間に上記増圧板と厚さ調整板とのいずれか一方を介在させ、さらにこれらのガスケット基板に第3ガスケット基板を積層して、第3ガスケット基板とこれに隣接するガスケット基板との間に上記増圧板と厚さ調整板とのいずれか他方を介在させたことを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
【請求項2】
上記第3ガスケット基板のフルビードとこれに隣接するガスケット基板のフルビードとは、互いに近接する方向に膨出していることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項3】
上記第1ないし第3ガスケット基板の上に、さらに第2増圧板と第2厚さ調整板とのいずれか一方が積層され、該第2増圧板と第2厚さ調整板とのいずれか一方の上に、第4ガスケット基板が積層されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項4】
上記第4ガスケット基板の上に、さらに第2増圧板と第2厚さ調整板とのいずれか他方が積層され、該第2増圧板と第2厚さ調整板とのいずれか他方の上に、第5ガスケット基板が積層されていることを特徴とする請求項3に記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項5】
上記各ガスケット基板の表面に、相手材との密着性シール性を向上させるコーティング材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシリンダヘッドガスケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−90945(P2010−90945A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259770(P2008−259770)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000228383)日本ガスケット株式会社 (43)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】