説明

シリンダユニット

【課題】プランジャ21が挿入されるツバ部311付きのシリンダ31を着脱自在に装着できるものでありながら、異なる長さのシリンダ31を、セットされるシリンジポンプや分注装置が要求する位置決め機能に応じて、セット位置を異なしめて装着することのできるシリンダユニット1の提供を目的とする。
【解決手段】流体の吐出及び/又は吸入を行うシリンジポンプや分注装置が備えるシリンダユニット1において、シリンダ保持部32を、ツバ部311が挿入可能な複数の多段状挿入溝321で構成し、ツバ部311を、セットされるシリンダ31の長さ変化に応じて、吸引待機するプランジャ頭部の位置決め調整とシリンダ先端部の分注位置決め調整とが選択的に行われよう、挿入溝321に対してセット可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の吐出及び/又は吸入を行うシリンジポンプや分注装置などに備えられるシリンダ及びプランジャを着脱自在にセットするシリンダユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種シリンダユニットは、シリンダを装着するためのシリンダホルダと、シリンダ内に嵌挿されるプランジャが装着されて駆動機構によりにピストン駆動するプランジャホルダとが、一対の関係でシリンジポンプや分注装置に備えられている。
シリンジポンプと分注装置は、共にシリンダホルダに装着したシリンダの筒内にプランジャを挿入し、該プランジャをモータ等の駆動手段で移動することにより、シリンダ内の液体を所定の流量で吸入・吐出(注出)するものであるが、両者はその役割を大きく異にする。
【0003】
つまり、シリンジポンプの一使用例を示すと、シリンジポンプ自体を固定させた非可動状態から、シリンダ先端部にチューブ等を介した結合した注射針によって、所定の流量の薬液を容器から吸入し、これを生体内に注出するものであり、その使用にあたっては、安全性の面からシリンダ内部に空気を存在させずに適切な流量で薬液を正確に注出するよう、プランジャの移動ストロークを管理することが要求される。
一方、分注装置の一使用例を示すと、分注装置自体をプランジャホルダやシリンダホルダ、他の構成部材と共に、前後、左右、上下(XYZ軸)方向の任意に正確に動作させて、分注テーブル上にセットされた試液容器やカートリッジ容器の配置部位に対し、シリンダ先端に装着した注射針やノズルチップの先端部を精度良く位置決めし、試液容器からシリンダ内に吸入した試液(薬液)を、検体等が入っている任意の複数の容器に対し所定量の試液を分配状に吐出する必要がある。
【0004】
ところで従来、シリンジポンプと分注装置には、それぞれ特許文献1、2に記載されるように、シリンダホルダに対して、筒径と長さの異なるシリンダを着脱自在に装着できるようにしたものが知られている。
しかしながら、特許文献1のシリンジポンプは、シリンダを、予め薬液が吸入された状態、即ち、プランジャがシリンダから引き出された注入待機する状態でシリンダホルダ(8)に設けたシリンダのツバ部(FS)を挿入溝(7a)にセットするよう構成されている(図2参照)。このため、プランジャがシリンダ内に押し込まれた吸引待機する状態で、長さの異なるものをセットすると夫々プランジャ頭部(5)の位置が異なってしまい、プランジャ頭部の位置を原点位置としたプランジャホルダ(6)の任意吸引ストローク量の設定を行うことが困難なため、専ら主導操作により目分量で吸引しなければならないという問題点を有していた。
【0005】
また、特許文献2の分注装置は、シリンダを、シリンダ(211)のつば部(211a)をシリンダホルダ(61)の上面に面接させてセットするようになっている(項目0011、図2参照)ため、長さの異なるシリンダをセットすると、シリンダ先端部の注射針(212)とテーブル上の容器(5)との間における分注位置の移動ストローク量が異なってしまい、シリンダホルダ(61)の可動、即ち、分注装置の動作制御自体の変更が困難であることから、つば部(211a)を目測によりシリンダホルダ(61)の上面から離間させるなどして対応しなければならないという不便がある。なお、分注装置は、生体内に注出するものでないため、シリンダ内部に空気が存在しても良く、プランジャの移動ストローク量も短いシリンダのプランジャが引き出され状態を原点として対応することができる。

【特許文献1】特開2007−037964号公報
【特許文献2】特開2004−198166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の如き問題点を一掃すべく創案されたものであって、プランジャが挿入されるツバ部付きシリンダを着脱自在に装着できるものでありながら、異なる長さのシリンダを、セットされるシリンジポンプや分注装置が要求する位置決め機能に応じて、セット位置を異なしめて装着することのできるシリンダユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のシリンダユニットは、駆動機構により進退移動するプランジャを装着するためのプランジャホルダと、前記プランジャが嵌挿されるツバ部付きシリンダを装着するためのシリンダホルダとを備えるシリンダユニットであって、前記シリンダホルダは、前記ツバ部をセットする保持部と、シリンダ胴部をセットする基部と、該基部に対してシリンダを挟持可能に設けられたシリンダ押さえとを備え、該シリンダ押さえの解放操作で前記シリンダを着脱自在に構成されると共に、前記保持部を、前記ツバ部を挿入可能な多段状に形成された複数の挿入溝で構成し、前記シリンダは、そのツバ部を、セットされるシリンダの長さ変化に応じて、前記プランジャがシリンダ内に押し込まれた状態で吸引待機するプランジャ頭部の位置決め調整と、前記シリンダが容器に対して吸入・吐出動作するシリンダ先端部の分注位置決め調整との何れかが選択的に行われるべく、前記挿入溝に対してセット可能に構成してあることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上記のように構成したことにより、プランジャが挿入されるツバ部付きシリンダを着脱自在に装着できるものでありながら、異なる長さのシリンダを、保持部に対してツバ部を装着する複数の挿入溝を適宜に選択し、セット位置を異なしめて装着するだけで、セットされるシリンジポンプや分注装置が要求する位置決め機能に応じて、各装置に予め設定された可動ストローク制御に何ら影響を与えることなく、プランジャ頭部の位置決め(吸引待機位置決め)設定とシリンダ先端部の位置決め(分注待機位置決め)設定との選択を容易に行え、位置合わせ調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を好適な実施の形態として例示するシリンダホルダを図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図面において、1はシリンジポンプまたは分注装置に設けられるシリンダユニットであって、該シリンダユニット1は、プランジャ21を装着するためのプランジャホルダ2と、プランジャ21が嵌挿されるツバ部311を有するシリンダ31を装着するためのシリンダホルダ3と、該シリンダホルダ3が取り付けられるブラケット4とを備えて構成される。
プランジャホルダ2は、プランジャ21の頭部211が着脱される挿入溝22を有し、ブラケット4に対して、内部機構を省略した駆動機構5に構成された図示しない所定のネジ送り機構により進退移動可能に装着されており、プランジャ21は、シリンダ31内に嵌挿した状態でピストン駆動するように構成されている。
【0011】
シリンダホルダ3は、ツバ部311をセットする保持部32と、シリンダ31の胴部をセットする基部33と、該基部33に対してシリンダ31を挟持可能に設けられたシリンダ押さえ34とを備えて構成される。
保持部32および基部33は、異なる筒径のシリンダ31でもその胴部をセットできるように、使用する太径シリンダ31の外径よりも大きくV字状(U字状でも良い)に拡開して切欠き形成された複数の板状部材(板体)を重ね合わせた状態で構成されており、保持部32は、これら複数の板状部材をツバ部311が挿入可能な間隔をもって多段状に配置形成された4つの挿入溝321により構成される。
【0012】
つまり、これら板状部材は、上から2段目の挿入溝321を形成する側面視略コ字状に折曲された大小2つの板状部材と、他の挿入溝321を形成する側面視略L字状に折曲された板状部材で構成されており、コ字状板状部材の立上り片の一方を保持部32とし他方を基部33として構成し、他のL字状板状部材を保持部32として構成されている。そして、上面の板状部材を除く各板状部材には、長孔が穿設され(図示しない)、ブラケット4に対して、ネジの緊緩調整によりシリンダ31のセット方向に、夫々一体的に又は別体にスライド調整可能に取り付けられ、各挿入溝321の溝間隔Lも広狭可変自在に調整できるようになっている。なお、保持部32と基部33を複数の板状部材により形成したが一体物で形成しても良く、挿入溝321の数も任意である。
【0013】
シリンダ押さえ34は、ブラケット4に立設した筒状のナット脚部341と、ナット脚部341に対し緊緩操作可能に螺入されたネジ軸付の操作摘み342と、脚部341と操作摘み342との間に設けたコイルバネ345により常時上方(緩め方向)に弾発付勢されて、回転可能に装着される押さえ板343により構成される。押さえ板343は、図3に示すように、外径が約25mm程度の太径シリンダ(図A)から外径が約10mm程度の細径シリンダ(図B)をセットできるように、一方を平板状とし他方をL字状に折曲し、ゴム質系の緩衝材が設けられたシリンダ31胴部への当接部344、344が背反して形成されている。これにより、シリンダ押さえ34は、操作摘み342の緊緩操作で、押さえ板343を回転して太径と細径のシリンダ外径に適した何れかの側の当接部344を選択して使用することで、シリンダ31の胴部を保持部32および基部33のV字状溝へ圧接させて固定できるようになっている。
なお、保持部32には、基部33と同様にV字状溝を形成してシリンダ31の胴部をセット可能に構成したが、シリンダ31の胴部を基部33だけでセット可能に構成し、保持部32は、ツバ部311を挿着する挿入溝321のみで構成し、また、この様に挿入溝321のみで構成すれば、例えば、特許文献2の分注装置に採用されたシリンダホルダー(61)の構成をそのまま使用して保持部32を適用しても良い。
【0014】
次に、シリンダユニット1をシリンジポンプと分注装置に用いた場合の実施例について説明する。
図4はシリンダユニット1をシリンジポンプに用いた実施例を示す側面図である。この図に示すように、プランジャ21がシリンダ31内に押し込まれた、所謂吸引待機状態でシリンダユニット1にセットされ、プランジャホルダ2が吸引方向に始動するので、この吸引始動位置を原点として所定の吸引ストロークを移動する。この吸引待機状態におけるプランジャ21の頭部211とシリンダ31のツバ部311の間隔は、シリンダ31の長さに比例して吸引ストロークと共に広幅に可変し、ツバ部311の装着位置を固定すると当然に吸引始動位置も可変してしまうことになる。ところが、シリンダホルダ3には、ツバ部311を挿入可能な多段状に形成された複数の挿入溝321で構成された保持部32が備えられているので、この挿入溝321をセットされるシリンダ31の長さ変化に応じて適宜に選択し、プランジャ21の頭部211の位置合わせ調整が行えるようになっている。
【0015】
図4Aと図4Bには、このシリンジポンプに用いられる最も太径(25mm)なものと細径(10mm)もののシリンダ31を対比できるようにセットした状態を示すもので、太径かつ長尺のシリンダをセットする場合は最下段の挿入溝321を選択し、細径かつ短尺のシリンダをセットする場合は最上段の挿入溝321を選択する。本実施例では、長尺シリンダをセットした状態で頭部211の挿入溝22を基本として位置決めする。この位置決めされた挿入溝22に短尺シリンダをセットする際に、僅かに位置ズレしてしまう場合には、図4Bに示すように、他の任意の挿入溝321の間隔Lを狭めて(または広めて)調整し、常用するシリンダ31の長さに応じて予めセット位置合わせを行っておけばよい。
【0016】
この様に構成すると、セットされるシリンダの長さ変化に関係なく、プランジャ21の頭部211を常に位置決めした状態で吸引始動位置とできるので、これを原点として設定でき、吸引・吐出するプランジャ21の移動ストロークの駆動制御を容易に行うことができる。例えば、薬液を吸引し、これを生体内に注出する場合には、吸引する薬液の量に応じてプランジャ21の移動ストローク量を予め設定しておき、生体内に注出する際に、シリンダ31の先端側となるシリンジポンプに設けられた脚部(図示しない)を伸ばして、シリンジポンプ自体を上方に傾斜させ、プランジャ21を僅かに押入移動させてシリンダ31の空気を排出した後に、吐出すればよい。なお、シリンダ内部の空気を排出し易くするため、図示するように、シリンダ31の先端側の注出口を上側に位置するようにセットしておけば良い。
【0017】
図5はシリンダユニット1を分注装置に用いた実施例を示す側面図である。この図に示すように、プランジャ21がシリンダ31から引き出された、所謂押し込み待機状態でシリンダユニット1にセットされ、プランジャホルダ2が吐出方向に始動するようになっており、この押し込み始動位置を原点として所定のストロークを移動する。前述したように、分注装置では、シリンダユニット1は、複数のプランジャホルダ2とシリンダホルダ3を組として備え、複数のプランジャ21が一体的にピストン駆動されると共に、シリンダユニット1自体が、駆動機構5および他の構成部材と共に、前後、左右、上下(XYZ軸)方向の任意に動作可能であり、分注テーブル(作業ステージ)にセットされた試液容器(図示せず)の配置部位に対し精度良く位置決めし、試液容器からシリンダ31内に吸入した試液(薬液)を、検体等が入っている任意の複数の容器に対し所定量の試液を分配状に注出するようになっている。これら詳細な構成及び機能は、特許文献2に記載の通りである。
【0018】
このため、シリンダホルダ3に対して、ツバ部311の装着位置を固定してセットすると、シリンダ31の長さ変化に対してシリンダ先端部と容器との間隔が可変し、適正な分注ストロークを得ることができない。ところが、シリンダホルダ3には、ツバ部311を挿入可能な多段状に形成された複数の挿入溝321で構成された保持部32が備えられているので、この挿入溝321をセットされるシリンダ31の長さ変化に応じて適宜に選択し、シリンダ先端部と容器との間隔を一定に保つ位置合わせが行えるようになっている。
【0019】
この分注装置に用いられる一般的なシリンダ外径は、10mm〜16mm程度のものであるが、本実施例では、図5Aと図5Bに示すように、細径(10mm)ものと太径(25mm)なもののシリンダ31を対比できるようにセットした状態を例示している。先ず、細径かつ短尺のシリンダ31をプランジャ21の押し込み待機状態で、最下段の挿入溝321を選択してセット(図5A)し、これをシリンダ先端部と容器との間隔を基準に、シリンダ31が容器に対して吸入・吐出動作するシリンダ31先端部の分注待機位置とし、シリンダユニット1(シリンダホルダ3)自体の分注駆動制御を行う。太径かつ長尺のシリンダ31に変更する場合は、この短尺シリンダにより位置決めされたプランジャ頭部211の挿入溝22を固定した状態で、最上段の挿入溝321を選択してシリンダ31先端部の分注位置合わせを行うことによりセットする(図5B)。ここで例示した長尺シリンダのように、短尺シリンダに比し長さが大きく異なる場合には、図5Bに示すように、他の任意個所の挿入溝321の間隔Lを広めて(または狭めて)調整(この時基部33も可変する)し、常用するシリンダ31の長さに応じて予めセット位置合わせを行っておけばよい。これにより、シリンダ31の長さ変化に応じて、シリンダ31が容器に対して吸入・吐出動作するシリンダ先端部の分注待機位置を位置決め調整することができる。
【0020】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、いま、シリンジポンプや分注装置等に備えられるシリンダユニット1に対して、長さの異なるシリンダ31を適宜に取替えセットするのであるが、シリンダホルダ3は、ツバ部311をセットする保持部32と、シリンダ胴部をセットする基部33と、該基部33に対してシリンダ31を挟持可能に設けられたシリンダ押さえ34とを備え、該シリンダ押さえ34の解放操作でシリンダ31を着脱自在に構成されると共に、保持部32は、ツバ部311を挿入可能な多段状に形成された複数の挿入溝321で構成し、シリンダ31は、そのツバ部311を、セットされるシリンダ31の長さ変化に応じて、プランジャ21がシリンダ内に押し込まれた状態で吸引待機するプランジャ頭部211の位置決め調整と、シリンダ31が容器に対して吸入・吐出動作するシリンダ先端部の分注位置決め調整との何れかが選択的に行われるべく、挿入溝321に対してセット可能に構成されている。
【0021】
そのため、プランジャ21が挿入されるツバ部311を有するシリンダ31を着脱自在に装着できるものでありながら、異なる長さのシリンダ31を、保持部32に対してツバ部311を装着する複数の挿入溝321を適宜に選択し、セット位置を異なしめて装着するだけで、セットされるシリンジポンプや分注装置が要求する原点位置決め機能に応じて、各装置に予め設定された可動ストローク制御に何ら影響を与えることなく、プランジャ頭部211の原点位置決め(吸引待機位置決め)設定とシリンダ31の先端部の原点位置決め(分注待機位置決め)設定との選択を容易に行え、位置合わせ調整することができる。
【0022】
つまり、本発明のシリンダユニット1をシリンジポンプに採用すれば、プランジャ頭部211の位置決め調整は、セットされるシリンダが長い場合には挿入溝321の下段側を選択し、短い場合には挿入溝321の上段側を選択することにより行なうことができ、また、シリンダユニット1を分注装置に採用すれば、シリンダ31の先端部の位置決め調整は、セットされるシリンダ31が長い場合には挿入溝321の上段側を選択し、短い場合には挿入溝321の下段側を選択ことにより行うことができる。
【0023】
また、保持部32は、基部33と共に、シリンダ31の胴部をセット可能に構成されているので、挿入溝321に挿入されたツバ部311直下の胴部を確実に受け止めて、シリンダ31の先端側の持ち上がりを防止することができ、シリンダ押さえ34の構成を簡素化することができる。
しかも、保持部32と基部33は、夫々一体的に又は別体にスライド調整可能に構成されているので、セットされるシリンダ31をシリンジポンプや分注装置等の要求に応じて最適な位置に位置決めすることができ、基準となるシリンダ31のセッティングを容易に行うことができる。
さらに、各挿入溝321は、その溝幅Lが広狭可変自在に構成されているので、挿入溝321にツバ部311をセットした際に、プランジャ頭部211が吸引待機位置として設定された原点基準位置や、シリンダ31先端部の基準位置に対して、僅かな位置ズレを生じても調整位置合わせを行うことができるばかりでなく、シリンダ31先端部の基準位置として設定したシリンダ31と、取替えられるシリンダ31との間で長さが大きく異なっていても、異なる長さ幅の全域に挿入溝321を形成する必要が無くなり、常用変更する数種類の夫々のシリンダ31長さやツバ部311の厚さに合わせて、セットされる挿入溝321の溝間隔Lを等間隔のみならず異間隔をもって配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のシリンダホルダを示す平面図である。
【図2】本発明のシリンダホルダを示す側面図である。
【図3】本発明のシリンダホルダを示す背面図で、(A)は太径シリンダのセット状態、(B)細径シリンダのセット状態を示す。
【図4】本発明のシリンダホルダをシリンジポンプにセットした状態示す側面図で、(A)は太径シリンダのセット状態、(B)は細径シリンダのセット状態を示す。
【図5】本発明のシリンダホルダを分注装置にセットした状態示す側面図で、(A)は細径シリンダのセット状態、(B)は太径シリンダのセット状態を示す。
【符号の説明】
【0025】
1 シリンダユニット
2 プランジャホルダ
21 プランジャ
22 挿入溝
3 シリンダホルダ
31 シリンダ
32 保持部
33 基部
211 頭部
311 ツバ部
321 挿入溝
341 ナット脚部
342 操作摘み
343 押さえ板
344 当接部
345 コイルバネ
L 溝間隔(溝幅)
4 ブラケット
5 駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動機構により進退移動するプランジャを装着するためのプランジャホルダと、前記プランジャが嵌挿されるツバ部付きシリンダを装着するためのシリンダホルダとを備えるシリンダユニットであって、前記シリンダホルダは、前記ツバ部をセットする保持部と、シリンダ胴部をセットする基部と、該基部に対してシリンダを挟持可能に設けられたシリンダ押さえとを備え、該シリンダ押さえの解放操作で前記シリンダを着脱自在に構成されると共に、
前記保持部を、前記ツバ部を挿入可能な多段状に形成された複数の挿入溝で構成し、
前記シリンダは、そのツバ部を、セットされるシリンダの長さ変化に応じて、前記プランジャがシリンダ内に押し込まれた状態で吸引待機するプランジャ頭部の位置決め調整と、前記シリンダが容器に対して吸入・吐出動作するシリンダ先端部の分注位置決め調整との何れかが選択的に行われるべく、前記挿入溝に対してセット可能に構成してあることを特徴とするシリンダユニット。
【請求項2】
前記シリンダユニットは、シリンジポンプに備えられ、前記プランジャ頭部の位置決め調整は、セットされるシリンダが長い場合には前記挿入溝の下段側を選択し、短い場合には前記挿入溝の上段側を選択することを特徴とする請求項1に記載のシリンダユニット。
【請求項3】
前記シリンダユニットは、分注装置に備えられ、前記シリンダ先端部の位置決め調整は、セットされるシリンダが長い場合には前記挿入溝の上段側を選択し、短い場合には前記挿入溝の下段側を選択ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダユニット。
【請求項4】
前記各挿入溝は、任意位置の溝間隔が広狭可変自在に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のシリンダユニット。
【請求項5】
前記保持部は、前記基部と共に、シリンダ胴部をセット可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のシリンダユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−183469(P2009−183469A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26745(P2008−26745)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000229645)日本パルスモーター株式会社 (46)
【Fターム(参考)】