説明

シーズヒータ及びその製造方法並びに加熱器

【課題】 耐食性に優れ、製造工程の簡略化及びコスト低下を可能としたシーズヒータを提供する。
【解決手段】 ヒータ筒体1内に発熱線2を配設すると共に、この発熱線2の両端にはヒータ筒体1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ筒体1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ筒体1を減径加工してなるシーズヒータ5において、前記ヒータ筒体1は、Ni含有量が8.0〜35.0wt%からなるCu−Ni合金で成形する。また、このシーズヒータ5を組み込んだ加熱器をも対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気温水器等の各種加熱器に用いられるシーズヒータに係り、特に、曲げ加工が施される態様に有効なシーズヒータ及びこれを用いた加熱器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気温水器等においては、貯蔵タンク内にシーズヒータを配設し、このシーズヒータにて貯蔵タンク内に貯蔵される水を加熱するようにしたものが知られている。
この種のシーズヒータとしては、例えば金属パイプに銅管を使用したものが知られている(特許文献1参照)。
この種のシーズヒータにおいては、通常、耐食性、曲げ加工性が要請されるが、金属パイプの材料としての銅はそもそも耐食性の良い材料であるほか、曲げ加工時に850℃以下の低温焼鈍工程を行えばよいため曲げ加工性にも優れる。
また、金属パイプとして銅管を使用したものであれば、低温焼鈍が可能なことから、絶縁粉末としてシリコーン樹脂が混合された酸化マグネシアを採用しても、焼鈍処理時にシリコーン樹脂が分解されて劣化し、シリコーン樹脂の有する撥水性が損なわれるという懸念はない。このため、金属パイプの端部開口部の封口処理としては、ガラス封口処理を必要とせず、例えば絶縁ゴム(シリコーンゴム)と絶縁パッキン(アルミナ磁器などの碍子)などの簡易封口処理にて封口処理が可能になる。
【0003】
【特許文献1】特開平7−198204号公報(実施例,図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、この種のシーズヒータにおいては、金属パイプとして耐食性の良い銅管を使用してはいるが、水質(例えば塩化物を含むもの等)によっては、腐食が起こる場合があり、特に孔食という態様で起こるケースが多い。
このため、金属パイプに銅管を使用する場合には、塩化物に対しての耐食性、耐孔食性を向上させるため、銅管外部に例えばニッケルめっき処理を施さなければならない。
しかし、このようにニッケルめっき処理を施したシーズヒータであっても、例えば温水タンク内に加熱器として配設した場合においては、ヒータ表面のニッケルめっきが経時変化に伴って温水タンク内にわずかながら漏出してしまうという懸念がある。
更に、このニッケルめっき処理工程においては、銅管端部のマスキング処理を施す際に、不完全なマスキングにより銅管端部に隙間があると、めっき液が銅管内部に浸入し、不良品が発生する虞れがある。従って、マスキングには充分な時間を要するため、結果的に製造日数が増加してしまう。
このように、銅管を使用した際のニッケルめっき処理には、めっき材自体の材料費のみならず、製造時間をも要することから、結果として製造コストが嵩んでしまうという不具合がある。
【0005】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、曲げ加工性及び封口処理性を維持しながら、耐食性の向上、製造工程の簡略化及び製造コストの低減を可能としたシーズヒータ及びこれを用いた加熱器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、図1に示すように、ヒータ筒体1内に発熱線2を配設すると共に、この発熱線2の両端にはヒータ筒体1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ筒体1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ筒体1を減径加工してなるシーズヒータ5において、前記ヒータ筒体1は、Ni含有量が8.0〜35.0wt%からなるCu−Ni合金で成形されていることを特徴とするものである。
【0007】
このような技術手段において、ヒータ筒体1は、Ni含有量が8.0〜35.0wt%からなるCu−Ni合金で成形されたものであることが必要である。ここで、Ni含有量の許容範囲について、含有量が8.0wt%以上であればヒータの交換頻度や水質等の使用条件環境に応じてニッケルめっき処理を省略することが可能であり、また、35.0wt%以下であれば銅の持つ良好な曲げ加工性を損なうことがないということに基づく。
【0008】
特に、ヒータ筒体1に用いられるCu−Ni合金の構成材料として塩化物に対する耐食性、耐孔食性を考慮すると、Ni含有量が20.0wt%以上が好ましい。
このようにNi含有量が20.0wt%以上であれば、腐食に対する充分な抑止効果が得られるため、使用条件環境に拘わらずニッケルめっき処理を省略することができる。
ここで、好ましいヒータ筒体1としては、例えばNi含有量が29.0〜33.0wt%、Pb含有量が0.5wt%以下、Fe含有量が0.4〜0.7wt%、Zn含有量が0.5wt%以下、Mn含有量が0.2〜1.0wt%、残部がCuである態様が挙げられる。
【0009】
また、本件は、ヒータ筒体1に対して減径加工したもの(減径加工部1aを具備)を前提とし、主としては曲げ加工を施す態様を想定するが、曲げ加工部1bのない直線状の態様をも含む。
また、発熱線2の形状は直線状、U字状などいずれでもよく、端子体3はヒータ筒体1の両端から引き出される態様、あるいは、一端側から引き出される態様のいずれでもよい。
更に、端子体3としては、通常棒状のものが使用されるが、端子電極として機能するものであればどのような形態でも差し支えない。
【0010】
また、絶縁粉末4は発熱線2を絶縁被膜すると共に、ヒータ筒体1への熱伝導材として機能するものであるから、酸化マグネシア等の熱伝導率の高い材料が好ましく、特に、高絶縁性を得るためには、酸化マグネシアにシリコーン樹脂を混合させることが好ましい。
ここで、シリコーン樹脂は、熱処理(例えば250℃)が施されると溶融し、酸化マグネシア表面に被膜を作る。このため、酸化マグネシアの外気からの吸湿がシリコーン樹脂の被膜により防止され、高絶縁性の確保を実現することができる。
更に、この絶縁粉末4は、ヒータ筒体1を減径加工することにより充填密度が高められ、発熱線2とヒータ筒体1との間の熱伝導性を向上させることができる。
【0011】
更にまた、ヒータ筒体1の少なくとも一端には絶縁粉末4を充填するための開口が確保されるため、当該開口は絶縁粉末4を充填した後工程において封口処理を行う必要がある。
本件では、この封口処理は簡易封口材6によるもので足りる。ここで、簡易封口材6としては気密封口材(ガラス封口材など)を含まないものであればよく、絶縁ゴム(例えばシリコーンゴム)絶縁パッキン(アルミナ磁器などの碍子)との組み合わせ等適宜選定して差し支えない。
このとき、簡易封口材6による封口処理であるため、絶縁粉末4が吸湿性のもの(例えば酸化マグネシア)であれば、これを防止することが好ましく、例えば絶縁粉末4に吸湿防止材(シリコーン樹脂など)を含ませたものを使用するようにすればよい。このとき、吸湿防止材を含む態様としては、熱処理による熱にて絶縁粉末4に被膜を作るものや、予め絶縁粉末4にコーティングしておくものなどが挙げられる。
【0012】
特に、本件はヒータ筒体1に曲げ加工を施した態様が好ましい。
このとき、曲げ加工を施すシーズヒータ5の好ましい製造方法としては、減径加工が施された棒状のシーズヒータ中間成形品に対し、750〜850℃以下の焼鈍温度条件にて焼鈍処理を施した後、曲げ加工を施すようにすればよい。ここで、焼鈍温度とは焼鈍炉の炉内雰囲気温度である。
よって、本件では、低温焼鈍処理が可能なため、絶縁粉末4として、酸化マグネシアに吸湿性防止のための吸湿防止材(シリコーン樹脂など)を混合したものを使用することが可能である。
また、焼鈍温度が750℃未満(例えば400〜600℃程度)でもシーズヒータ中間成形品に対し、曲げ加工を施すことは可能である。但し、この場合においては、シーズヒータ中間成形品が焼鈍温度に到達した後、更に所定時間焼鈍温度条件下に保持されることが必要である。
【0013】
更に、本発明はシーズヒータ5に限られず、上述したシーズヒータ5が組み込まれた加熱器をも対象とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るシーズヒータによれば、ヒータ筒体を所定割合のNiが含有されたCu−Ni合金で成形したので、曲げ加工性を良好に保ちながらニッケルめっき処理を施すことなく耐食性を維持することができる。
つまり、本発明のヒータ筒体は、Ni含有量が所定範囲のCu−Ni合金にて成形されているため、特に塩化物腐食に対する耐食性に優れ、塩化物腐食に起因する孔食を有効に抑えることができ、耐孔食性をより向上させることができる。
また、シーズヒータを製造するに当たっては、ニッケルめっき処理工程を省略することができることから、その分、ヒータ筒体端部のマスキング処理も不要になり、製造工程を簡略化することができる。
更にシーズヒータを曲げ加工するに当たっては、850℃以下の低温焼鈍処理で済むため、吸湿防止剤を含有した絶縁粉末を使用することができ、これに伴って、簡易封口材にて封口処理することが可能になる。従って、シーズヒータの曲げ加工における製造工程を簡略化することが可能になる。
更にまた、Cu−Ni合金は、電気伝導性及び熱伝導性が優れるほか、高温強度が大きく高温条件下でも使用可能なため、シーズヒータとしての性能を良好に保つことができる。
すなわち、本発明に係るシーズヒータによれば、耐食性に優れ、製造工程の簡略化及びコスト低下を可能とした性能の良いシーズヒータを提供することができる。
【0015】
また、本発明に係る加熱器によれば、耐食性に優れ、製造工程の簡略化及びコスト低下を可能としたシーズヒータを備えているので、性能の良い加熱器を簡単に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
◎実施の形態
図2(a)は、本発明が適用されたシーズヒータが組み込まれた電気温水器の実施の形態を示す。
同図において、電気温水器10は、貯蔵タンク11をタンク支持脚12にて支持し、この貯蔵タンク11上部には給湯管11aを接続すると共に、その下部には吸水管11bを接続し、更に、貯蔵タンク11内にはシーズヒータ20を配設すると共に、貯蔵タンク11の外壁に図示外のブラケットを介してシーズヒータ20を固定し、貯蔵タンク11内に内蔵された水を加熱するようにしたものである。
尚、符号14は貯蔵タンク11を保温するために貯蔵タンク11の周囲を覆う保温材である。
【0017】
本実施の形態において、シーズヒータ20は、図2(b)に示すように(図2(a)中、矢印B方向断面に相当)、例えば金属パイプ21内に、両端に端子棒23が接続された発熱線22を挿入すると共に、この金属パイプ21の両端から前記端子棒23を外部に露呈させる一方、前記金属パイプ21内には絶縁粉末24を充填した後、金属パイプ21に減径加工を施して減径加工部21aを形成し、更に、曲げ加工を施して曲げ加工部21bを形成したものであり、湾曲形状であって段差を有する。
また、金属パイプ21の両端開口を所定の簡易封口材25(例えばシリコーンゴム25a+絶縁パッキン25b)にて閉塞するようになっている。
【0018】
また、本実施の形態において、金属パイプ21としては、Cu−Ni合金、具体的には、Ni含有量が8.0〜35.0wt%例えば29.0〜33.0wt%、Pb含有量が0.5wt%以下、Fe含有量が0.4〜0.7wt%、Zn含有量が0.5wt%以下、Mn含有量が0.2〜1.0wt%、残部がCuからなるCu−Ni合金を使用した。
【0019】
更に、発熱線22としては、通常金属パイプ21の軸心に沿って配設されているが、これに限られるものではなく、任意に配設して差し支えない。
また、絶縁粉末24としては、熱伝導性のよい材料が好ましく、例えば酸化マグネシア等が使用されるが、本例では高絶縁性を確保すべく、酸化マグネシアにシリコーン樹脂を混合したものを使用している。
尚、図2(b)において、シーズヒータ20は取付板30の取付孔31に挿入され、例えばろう付け32にて固定される。
【0020】
次に、本実施の形態に係るシーズヒータ20の製造工程例を図2(b)及び図3(a)に基づいて説明する。
シーズヒータ20を製造する場合には、先ず図2(b)に示すように、発熱線22の両端に端子棒23を接続すると共に、これらを一体として金属パイプ21内に挿入配置する。
そして、金属パイプ21内に絶縁粉末24を充填すると共に、金属パイプ21の両端には、端子棒23を外部に露呈させた状態で仮封口処理(例えば絶縁ゴム)を施す。
この状態において、図3(a)に示すように、金属パイプ21に圧延(減径加工)を施すことで、減径加工部21aを形成する。
【0021】
しかる後、減径加工されたシーズヒータ中間形成品に対し曲げ加工を施すが、この曲げ加工を行うに際し、図3(a)に示すように、焼鈍処理を前工程として施す。
本実施の形態において、この焼鈍処理は、焼鈍炉内の焼鈍温度を所定の低温焼鈍温度(例えば750〜850℃)に設定し、搬送速度が適宜選定可能なコンベア上にシーズヒータ中間成形品を載置搬送し、シーズヒータ中間成形品を焼鈍温度に至らせるようにしたものである。
この場合において、シーズヒータ中間成形品は、一定の温度(750〜850℃)の焼鈍炉内にて低温焼鈍処理されることになり、この低温焼鈍処理によって、絶縁粉末24中のシリコーン樹脂はその熱により溶融し、酸化マグネシア表面に被膜が作られ、このシリコーン樹脂による被膜が外気の湿気から酸化マグネシアが吸湿することを防止するものである。
そして、曲げ加工が行われた後、金属パイプ21両端の仮栓(図示せず)を取り除き、簡易封口材25(シリコーンゴム25a+絶縁パッキン25b)による封口処理を行う。
このように、本実施の形態に係るシーズヒータ20は、焼鈍処理時にシリコーン樹脂が撥水性機能を保持することができるので、簡易封口材25を用いることが可能である。
従って、高コストの気密封口処理(ガラス封口処理)を行う必要がないため、その分、コスト低下を実現することができる。
【0022】
ここで、比較の形態として、従来における曲げ加工を施したシーズヒータ(金属パイプとして銅管を使用し、ニッケルめっき処理を施した態様)の製造工程を図3(b)に基づいて説明する。
この比較の形態に係るシーズヒータは、銅管内に絶縁粉末を充填した後、銅管を減径加工し、更に、低温焼鈍処理により銅管を軟化させた後に曲げ加工を施すようにしている。更に、曲げ加工が施された銅管の両端の仮封口処理(絶縁ゴム)を取り除き、簡易封口材(シリコーンゴム+絶縁パッキン)による封口処理を行う。
この後、銅管の塩化物に対する耐食性、耐孔食性を向上させるために、銅管全体にニッケルめっき処理を施すことが必要になる。
【0023】
このように、比較の形態においては、銅管にニッケルめっき処理を施す必要があり、このニッケルめっき処理に当たっては、めっき材自体の材料費に加え製造時間も増加するため、結果的に製造コストが高くなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、金属パイプ21として、Cu−Ni合金を使用し、ニッケルめっき処理が不要となることから、不良品の発生率の低下や製造時間の短縮などが図れ、生産性を向上させることが可能になる。
【0024】
更に、この種のシーズヒータ20は、Ni含有量が所定範囲のCu−Ni合金からなる金属パイプ21を備えているため、以下のa〜cの利点が挙げられる。
a 金属パイプ21にはニッケルめっき処理を施さなくても、塩化物に対して良好な耐食性(特には耐孔食性)を有するほか、曲げ加工性にも優れる。このことは、後述する実施例にて裏付けられる。
b Cu−Ni合金は、電気伝導性や熱伝導性に優れる材料であり、高温強度が大きく高温条件下でも使用可能なため、シーズヒータ20としての熱伝達特性を良好に保つことができる。
c アルカリ耐食性にも優れるため、水酸化物イオンの存在する水質下においても使用でき、その用途としてはシーズヒータ20のみならず、化学プラント用配管、高圧給水加熱器、船舶の復水器管などに利用することも可能である。
【実施例】
【0025】
本実施例は、実施の形態1に係るシーズヒータを用いて、ヒータ筒体を構成するCu−Ni合金のNi含有量と、ニッケルめっき処理の省略の可否及び曲げ加工性について調べたものである。その結果を図4に示す。
本実施例において、Cu−Ni合金のうち、Ni含有量が8.0wt%未満であると、耐食性を維持する上でニッケルめっき処理が必要不可欠であり、Ni含有量が8.0wt%以上になると、ニッケルめっき処理を省略可能であることが確認された。
特に、Ni含有量が20.0wt%以上であれば、銅管にニッケルめっき処理を施した態様と略同様の性能が得られることが確認された。
また、Ni含有量が8.0wt%以上20.0wt%未満であると、例えば水質やシーズヒータの交換頻度などの使用条件環境によっては、ニッケルめっき処理を施さなくても使用可能であることが確認された。
更に、曲げ加工性については、Ni含有量が35.0wt%以下であれば銅の持つ曲げ加工性を損なうことなく良好な性能が得られるのに対し、Ni含有量が35.0wt%を超えると硬度が大きくなり曲げ加工性が損なわれることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るシーズヒータの概要を示す説明図である。
【図2】(a)は実施の形態に係るシーズヒータを組み込んだ電気温水器を示す説明図、(b)はそのシーズヒータの詳細を示す説明図である。
【図3】(a)は実施の形態に係るシーズヒータの製造工程例を示す説明図、(b)は比較の形態に係るシーズヒータの製造工程例を示す説明図である。
【図4】実施例1において、ヒータ筒体のNi含有量と、ニッケルめっき処理の省略の可否及び曲げ加工性との関係について示す説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1…ヒータ筒体:Cu−Ni合金製,1a…減径加工部,1b…曲げ加工部,2…発熱線,3…端子体,4…絶縁粉末,5…シーズヒータ,6…簡易封口材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータ筒体内に発熱線を配設すると共に、この発熱線の両端にはヒータ筒体端部から引き出される端子体を接続し、ヒータ筒体内に絶縁粉末を充填した後にヒータ筒体を減径加工してなるシーズヒータにおいて、
前記ヒータ筒体は、Ni含有量が8.0〜35.0wt%からなるCu−Ni合金で成形されることを特徴とするシーズヒータ。
【請求項2】
請求項1記載のシーズヒータにおいて、
ヒータ筒体は、Ni含有量が20.0wt%以上であることを特徴とするシーズヒータ。
【請求項3】
請求項1記載のシーズヒータにおいて、
ヒータ筒体は、Ni含有量が29.0〜33.0wt%、Pb含有量が0.5wt%以下、Fe含有量が0.4〜0.7wt%、Zn含有量が0.5wt%以下、Mn含有量が0.2〜1.0wt%、残部がCuからなるCu−Ni合金で成形されていることを特徴とするシーズヒータ。
【請求項4】
請求項1記載のシーズヒータにおいて、
絶縁粉末は吸湿防止材を含むものであることを特徴とするシーズヒータ。
【請求項5】
請求項1記載のシーズヒータにおいて、
ヒータ筒体の端部開口を気密封口材が含まれない簡易封口材にて封口したことを特徴とするシーズヒータ。
【請求項6】
請求項1記載のシーズヒータのうち、曲げ加工が施される態様のシーズヒータを製造するに際し、
減径加工が施された棒状のシーズヒータ中間成形品に対し、750〜850℃以下の焼鈍温度条件にて焼鈍処理を施した後、曲げ加工を施すことを特徴とするシーズヒータの製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかに記載のシーズヒータを備えたことを特徴とする加熱器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−134671(P2006−134671A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−321251(P2004−321251)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(501315762)株式会社サカエ (18)
【Fターム(参考)】