シートの幅方向のずれと斜行を検知するシート処理装置及びその制御方法
【課題】シートの搬送方向に交差するシートの幅方向のずれとシートの斜行の検知を高速且つ高精度に実現することを可能とする。
【解決手段】シート処理装置のフィニッシャ制御部は、横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分がセンサ間隔Aより大きい場合、手前進み斜行と判断して斜行量αと補正距離fを算出する。更に、横レジセンサ待機位置距離C、センサ間隔A、横レジ検知距離X2、斜行量α、補正距離fから横レジずれ量Jを算出する。横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分がセンサ間隔Aより大きくない場合、奥進み斜行と判断して斜行量αと補正距離fを算出する。更に、横レジセンサ待機位置距離C、センサ間隔A、横レジ検知距離X2、斜行量α、補正距離fから横レジずれ量Jを算出する。
【解決手段】シート処理装置のフィニッシャ制御部は、横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分がセンサ間隔Aより大きい場合、手前進み斜行と判断して斜行量αと補正距離fを算出する。更に、横レジセンサ待機位置距離C、センサ間隔A、横レジ検知距離X2、斜行量α、補正距離fから横レジずれ量Jを算出する。横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分がセンサ間隔Aより大きくない場合、奥進み斜行と判断して斜行量αと補正距離fを算出する。更に、横レジセンサ待機位置距離C、センサ間隔A、横レジ検知距離X2、斜行量α、補正距離fから横レジずれ量Jを算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに後処理を行うシート処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置で画像が形成されたシート(記録紙)に穴あけなどの後処理を行う際は、画像形成装置に連結したシート処理装置にシートを搬送することで後処理を行う。この種のシート処理装置は、シートに穴あけを行う穿孔機構を備えており、シートへの穴あけを行う際の穴位置の精度を高めるため、シート搬送方向に交差するシート幅方向のずれ(以下「横レジずれ」という。)の補正を行っている。
【0003】
また、シート処理装置では、シートの処理量を高める高生産性を達成するため、シートの搬送中にシートの横レジずれ量を検知し、横レジずれの補正を行う場合がある。シートの横レジずれ量を検知する方法としては、光学式センサをシートの幅方向で移動させて、シートの幅方向端部(横端部)を検知したタイミングから横レジずれ量を検出する方法がある。
【0004】
シートの搬送中に上記のような横レジずれ量の検知を行うと、横レジずれ量によって、センサが移動を開始してからシートの横端部に到達するまでのシートの搬送量が異なるので、シートの横端部を検知するシート搬送方向の位置がばらつくことになる。そのため、常に一定の位置で横レジずれ量の検知を行うことが難しい。また、シートが斜行していた場合、検知した横レジずれ量が、パンチ穴を開けるシート後端部での横レジずれ量に対して誤差が生じてしまうことがある。そのため、パンチの穴位置精度を高めるためには、横レジずれの補正時にシートの斜行量を加味する必要がある。
【0005】
シートの斜行量を検知する方法としては、画像形成装置において横レジずれと斜行を同時に検知する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、シートの横端部に配置された横レジずれ検知を行う横レジセンサを複数回往復移動させることで、2箇所以上のシートの横レジずれを検知すると共に、複数個所の横端位置の検知結果の差から斜行量を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−342943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来の技術では、横レジセンサを複数回にわたって往復移動させることで複数箇所の横レジずれの検知を行っている。
【0008】
しかし、シートの搬送速度が速くなると、1カ所目のシートの横端位置が検知された後にシート後端が横レジセンサを通過する前に横レジセンサで2個所目以降の横端位置の検知を終えることができなくなる虞がある。この問題に対処するにはシートの搬送速度を制限する必要があるが、シートの搬送速度を制限するとシート処理の生産性を低下させる要因となる。
【0009】
そこで、シート処理の生産性を高める方法としては、横レジセンサを往復移動させる際の往動作と復動作によって、複数回の横レジずれ量を検知する方法がある。
【0010】
しかし、横レジセンサでは、ONからOFFになった場合とOFFからONになった場合とで(検出方向によって)、ノイズによる誤検知防止のために受光回路のスレッシュ電圧にヒステリシスを持たせていることがある。この影響により、横レジセンサの検出方向の違いによって、横端位置の検知に誤差が生じてしまうという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、シートの搬送方向に交差する幅方向のずれとシートの斜行の検知を高速且つ高精度に実現することを可能としたシート処理装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1記載のシート処理装置は、シートを搬送する搬送手段と、シート搬送方向に交差するシート幅方向に沿って配列され、搬送されるシートの幅方向端部をそれぞれ検知する第1の検知手段及び第2の検知手段と、前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段をシート幅方向に移動させる第1の移動手段と、前記シート幅方向にシートを移動させる第2の移動手段と、前記搬送手段によるシートの搬送中に、前記第1の移動手段により前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を移動させ、前記第1の検知手段により検知される第1の幅方向端部の位置と、その後、前記第2の検知手段により検知される第2の幅方向端部の位置とを決定する第1の決定手段と、前記第1の決定手段により決定された前記第1の幅方向端部の位置と前記第2の幅方向端部の位置及び前記第1の幅方向端部の位置が検知されてから前記第2の幅方向端部の位置が検知されるまでのシートの搬送量とに基づいて、前記第2の幅方向端部の位置よりもシートの後端側の位置での第3の幅方向端部の位置を決定する第2の決定手段と、前記第2の決定手段により決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って、前記第2の移動手段によりシートを幅方向に移動することでシートの幅方向のずれを補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するために、請求項8記載のシート処理装置の制御方法は、シートを搬送する搬送手段と、シート搬送方向に交差するシート幅方向に沿って配列され、搬送されるシートの幅方向端部をそれぞれ検知する第1の検知手段及び第2の検知手段と、前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を前記シート幅方向に沿って移動させる第1の移動手段と、シート幅方向にシートを移動させる第2の移動手段とを備えるシート処理装置の制御方法であって、前記搬送手段によるシートの搬送中に、前記第1の移動手段により前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を同一方向へ移動させ、前記第1の検知手段により検知される第1の幅方向端部の位置と、その後、前記第2の検知手段により検知される第2の幅方向端部の位置とを決定し、前記決定された前記第1の幅方向端部の位置と前記第2の幅方向端部の位置及び前記第1の幅方向端部の位置が検知されてから前記第2の幅方向端部の位置が検知されるまでのシートの搬送量とに基づいて、前記第2の幅方向端部の位置よりもシートの後端側の位置での第3の幅方向端部の位置を決定し、決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って、前記第2の移動手段によりシートを幅方向に移動することでシートの幅方向のずれを補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シート搬送方向に交差するシート幅方向に複数の検知手段を配置し、検知手段を一方向へ移動することで、シートを搬送しながらシート幅方向の横端位置をシート搬送方向の複数箇所で検知することができる。これにより、従来のように検知手段を往復動作させる場合と比較して、高速でのシート幅方向のずれ量及び斜行の検知が可能となる。また、検知手段の検知方向を一方向にできるため、高精度なシート幅方向のずれ量及び斜行の検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成システムの模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシート処理装置の模式図である。
【図3】シート処理装置のパンチユニットの構成を示す図であり、図3(a)は、図2の矢印方向から穴あけ部を見た状態を示す図、図3(b)は、穴あけ部をシート搬送方向の上流側から見た状態を示す図、図3(c)は、カム部材に沿った部分を示す断面図である。
【図4】シート処理装置の横レジシフトユニット及びその周囲の関連部材の図である。
【図5】シートと横レジセンサとの位置関係を示す図であり、図5(a)は、横レジセンサがOFFからONになるときの位置関係を示す図、図5(b)は、横レジセンサがONからOFFになるときの位置関係を示す図である。
【図6】画像形成装置及びシート処理装置の制御系のブロック図である。
【図7】シート処理装置のパンチ処理のフローチャートである。
【図8】シートと横レジセンサユニットの待機位置の関係を示す図である。
【図9】シート処理装置の横レジずれ量検知処理のフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートの続きのフローを示すフローチャートである。
【図11】図9及び図10のフローチャートの続きのフローを示すフローチャートである。
【図12】シートと横レジ検知距離X1及びシート搬送距離Y1との位置関係を示す図である。
【図13】シートと横レジ検知距離X2及びシート搬送距離Y2との位置関係を示す図である。
【図14】シートと補正距離fとの関係を示す図である。
【図15】シートと横レジずれ量Jとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成システムの模式図である。
【0018】
図1において、画像形成システム1000は、画像形成装置本体10、原稿給送装置100、イメージリーダ200、操作表示装置400を備えた画像形成装置と、画像形成装置のシート排出側に接続されたシート処理装置500とから構成されている。なお、画像形成装置については画像読取及び画像形成の概略を説明し、それ以外については適宜説明を簡略化または省略する。
【0019】
原稿給送装置100は、原稿トレイ上の原稿を1枚ずつ給紙し、プラテンガラス102上を搬送した後、排紙トレイ112に排出する。原稿が読取位置を通過する際にイメージリーダ200のスキャナユニット104のランプ103から光が照射され、原稿の反射光がミラー105、106、107を介してレンズ108に導かれる。レンズ108を通過した光はイメージセンサ109に結像され、画像データに変換されて出力される。
【0020】
画像データは後述の画像信号制御部202(図6)で所定の処理が施された後、画像形成装置本体10の露光制御部110にビデオ信号として入力される。露光制御部110は、ビデオ信号に基づきレーザ光を変調して出力する。レーザ光はポリゴンミラー110aにより走査されながら感光ドラム111上に照射され、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。
【0021】
感光ドラム111上の静電潜像は、現像器113の現像剤によって現像剤像として可視像化される。また、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、給紙カセット114、115、手差給紙部125、両面搬送パス124のいずれかからシートが給紙され、感光ドラム111と転写部116の間に搬送される。感光ドラム111上の現像剤像は転写部116によりシート上に転写される。
【0022】
現像剤像が転写されたシートは定着部117に搬送され、加熱及び加圧により現像剤像がシート上に定着される。定着部117を通過したシートはフラッパ121及び排出ローラ対118を経て画像形成装置本体10から排出され、シート処理装置500に搬送される。
【0023】
なお、シートの画像形成面を下向きにした状態(フェイスダウン)で排出する場合は、フラッパ121と反転パス122を用いるが、詳細説明は省略する。また、シートの画像形成面を上向きにした状態(フェイスアップ)で排出する場合は、排出ローラ対118によりそのまま排出する。また、シートの両面に画像形成を行う場合は、片面に画像形成したシートをフラッパ121の切換動作により反転パス122に導いた後に両面搬送パス124へ搬送し、感光ドラム111と転写部116の間に再度給紙し、別の片面に画像形成する。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置の模式図である。
【0025】
図2において、シート処理装置500は、画像形成装置本体10から搬送されてくるシートを取り込んで以下の後処理を行う。即ち、シート処理装置500は、取り込んだ複数のシートを整合して束ねる処理、ソート処理、ノンソート処理、シート束の後端側をステイプルするステイプル処理(綴じ処理)、シートの後端側にパンチ穴をあけるパンチ処理、シート束を製本する製本処理等の後処理を行う。
【0026】
シート処理装置500は、シートにパンチ穴をあけるパンチユニット750(穿孔ユニット)、シートをステイプルするステイプル部600、シート束を二つ折りにして製本を行う製本部800を備えている。また、シート処理装置500は、搬送ローラ対503、バッファローラ505、入口センサ531、横レジシフトユニット1001を備えている。また、シート処理装置500は、正常に処理されたシートを積載するトレイ700、異常と判断されたシートを積載するプルーフトレイ701を備えている。
【0027】
入口センサ531は、シート搬送路入口付近における画像形成装置本体10から搬送されてくるシートを検知する。搬送ローラ対503とバッファローラ505との間には、横レジシフトユニット1001が設けられている。横レジシフトユニット1001は、シートをオフセットして排紙するシフトソートモード、あるいはシートにパンチ穴をあけるパンチモードの際に、シートを幅方向の所定の位置にシフトさせながら搬送する。
【0028】
図3は、シート処理装置のパンチユニットの構成を示す図であり、図3(a)は、図2の矢印方向から穴あけ部を見た状態を示す図、図3(b)は、穴あけ部をシート搬送方向の上流側から見た状態を示す図、図3(c)は、カム部材に沿った部分を示す断面図である。
【0029】
図3(c)において、左端のカム73Aは、3穴用カムであり、図3(a)、図3(b)に示す3穴用パンチ68Aが係合している。このカム73Aの右側の直線部の長さは、左側の直線部の長さよりも長い。
【0030】
左端から2番目のカム73B(73D)は、3穴用カムと2穴用カムに兼用されており、図3(a)、図3(b)に示す3穴用パンチのうち中央の3穴用パンチ68Bと、2穴用パンチのうち左側の2穴用パンチ68Dとが係合している。このカム73B(73D)は、3穴用パンチ68Bと2穴用パンチ68Dの2本に共用されているので、カムの数を減らすことができると共に、3穴用パンチ68B、2穴用パンチ68D同士の間隔を狭めることができる。
【0031】
左端から3番目の2穴用カム73Eと4番目の3穴用カム73Cは、直線部分が互いに連通して形成されている。2穴用カム73Eには、図3(a)、図3(b)に示す2穴用パンチのうち右側の2穴用パンチ68Eが係合している。3穴用カム73Cには、図3(a)、図3(b)に示す3穴用パンチのうち右側の3穴用パンチ68Cが係合している。
【0032】
以上のカム直線部のうち、下記の直線部の長さはほぼ同じ長さに設定されている。すなわち、左端の3穴用カム73Aの右側にある直線部の長さ、左端から2番目の3穴用と2穴用に兼用されているカム73B(73D)の左右の直線部の長さ、左端から3番目の2穴用カム73Eの左側にある直線部79Eの長さ、及び左端から4番目の3穴用カム73Cの右側にある直線部の長さは、ほぼ同じ長さである。
【0033】
また、左端の3穴用カム73Aと、左端から3番目の2穴用カム73Eと、左端から4番目の3穴用カム73Cは、同じ高さに形成されている。また、左端から2番目の3穴用と2穴用に兼用されているカム73B(73D)は、図3(c)において他の3つのカムと比較して高い位置に形成されている。
【0034】
上記構成により、左端の3穴用カム73Aの右側にある直線部の端部と、左端から2番目の3穴用と2穴用に兼用されているカム73B(73D)の左側にある直線部の端部とを、上下方向で対向させることができる。また、前記カム73B(73D)の右側の直線部78Eと、左端から3番目の2穴用カム73Eの左側にある直線部79Eとを、ほぼ全体において対向させることができる。従って、各パンチ68A、68B、68C、68D、68E同士の間隔を規格の間隔に配列することができる。
【0035】
また、カム73A、73B、73C、73D、73Eを、パンチ68A、68B、68C、68D、68Eの移動方向に位置をずらして、カム同士が連続しないように構成しているため、必要の無いパンチまでが作動するようなことはない。
【0036】
更に、3穴用パンチ68A、68B、68C同士の間隔は等間隔であるが、左端の3穴用カム73Aと、左端から2番目の3穴用と2穴用に兼用されているカム73B(73D)と、左端から4番目の3穴用カム73Cとのカム同士の間隔は異なっている。しかも、3穴用パンチ同士の間隔は、3穴用カム同士の間隔と異なっている。同様に、2穴用パンチ68D、68Eの間隔は、2穴用カム73D、73Eの間隔と異なっている。
【0037】
これは、カム部材72の移動によって、3穴用パンチあるいは2穴用パンチがシートに穴をあけるとき、3本の3穴用パンチあるいは2本の2穴用パンチが、それぞれ時間差をおいて作動してシートに穴をあけるためである。この結果、後述するカム部材駆動モータ92は、過負荷が加わることなく円滑に駆動される。
【0038】
カム部材72の右端部には、ラック91が形成されている。このラック91には、可動フレーム52に設けられたカム部材駆動モータ92によって回転するピニオン94が噛合している。カム部材駆動モータ92が駆動することで、シートにパンチ穴があけられる。
【0039】
図4は、シート処理装置の横レジシフトユニット及びその周囲の関連部材の図である。
【0040】
図4において、横レジシフトユニット1001は、搬送ローラ1101a、1102a、従動ローラ1101b、1102b(以上、搬送ユニットの構成要素)、シート検知センサ1112等を備えており、シートのサイズに応じた待機位置に移動可能に構成されている。搬送モータM1103(搬送ユニットの構成要素)により、ギア1116、タイミングベルト1115を介して搬送ローラ1101a、1102aに駆動を与え、従動ローラ1101b、1102bと協働してシートの搬送を行う。
【0041】
横レジセンサユニット1105には、横レジセンサ1104a、1104b、1104c(第1の検知ユニット、第2の検知ユニット)が実装されており、各センサは同一方向へ移動するように構成されている。搬送されてくる搬送中のシートの横端位置は、横レジセンサ1104a、1104b、1104cにより検出される。
【0042】
横レジセンサ1104a、1104b、1104cは、図4に示すように相互にAmmの間隔でシート搬送方向に交差するシートの幅方向に配列されている。センサ間隔Ammは具体的には、例えば10mm程度である。横レジセンサ1104a〜1104cの各々は、同じ構成を有しており、発光素子と受光素子を備えている。また、横レジセンサ1104a〜1104cは一体となって移動する。なお、横レジセンサは3つ配列する構成に限定されず、少なくとも2つ以上配列する構成としてもよい。少なくとも3つ以上のセンサが配列されている構成では、シートが搬送されてきた幅方向の位置に応じて使用するセンサが選択される。
【0043】
図5は、シートと横レジセンサとの位置関係を示す図であり、図5(a)は、横レジセンサ1104がOFFからONになるときの位置関係を示す図、図5(b)は、横レジセンサ1104がONからOFFになるときの位置関係を示す図である。図中の矢印は横レジセンサ1104の移動方向を示している。
【0044】
図5(a)、(b)において、横レジセンサ1104(1104a、1104b、1104c)の受光回路にはヒステリシスを持たせている。そのため、図示のように、横レジセンサ1104がOFFからONになるときと、横レジセンサ1104がONからOFFになるときで、シート搬送方向に交差するシートP1の幅方向端部を検知する位置が異なる。
【0045】
図4に戻り、横レジセンサ移動モータM1106(第1の移動ユニット)は、横レジセンサ1104a、1104b、1104cが実装された横レジセンサユニット1105を矢印43、矢印44で示すように横方向(シート幅方向)に移動させる。横レジセンサユニット1105の待機位置(ホームポジション(HP))は、横レジHPセンサ1108により検出される。
【0046】
横レジシフトモータM1107(第2の移動ユニット)は、横レジセンサユニット1105とは別体の横レジシフトユニット1001を矢印45、矢印46で示すように横方向(シート幅方向)に駆動させる。横レジシフトユニット1001の待機位置(ホームポジション(HP))は、横レジユニットHPセンサ1109により検出される。
【0047】
横レジシフトユニット1001のシート検知センサ1112は、搬送されてくるシートを検知すると共に、シートの後端が横レジシフトユニット1001内の搬送ローラ1101a、従動ローラ1101bを抜けたことを検知する。
【0048】
図6は、画像形成装置及びシート処理装置の制御系のブロック図である。
【0049】
図6において、画像形成装置の画像形成装置本体10は、CPU150A、ROM151、RAM152を内蔵したCPU回路部150を備えている。また、シート処理装置500は、CPU550、ROM551、RAM552を内蔵したフィニッシャ制御部501を備えている。
【0050】
まず、画像形成装置のCPU回路部150及びそれに関連する構成部品を説明する。CPU回路部150のCPU150Aは、ROM151に格納されている制御プログラムにより次の制御を行う。即ち、原稿給送装置制御部101、イメージリーダ制御部201、画像信号制御部202、プリンタ制御部301、操作表示部インターフェース401、フィニッシャ制御部501を統括的に制御する。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
【0051】
原稿給送装置制御部101は、原稿給送装置100をCPU回路部150からの指示に基づき駆動制御する。イメージリーダ制御部201は、イメージリーダ200のスキャナユニット104、イメージセンサ109などに対する駆動制御を行い、イメージセンサ109から出力されたアナログ画像信号を画像信号制御部202に転送する。
【0052】
画像信号制御部202は、アナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各処理を施し、デジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部301に出力する。プリンタ制御部301は、ビデオ信号に基づき露光制御部110を駆動する。
【0053】
操作表示部インターフェース401は、操作表示装置400(図1)とCPU回路部150との間で情報のやり取りを行う。また、操作表示部インターフェース401は、操作表示装置400からの各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部150に出力すると共に、CPU回路部150からの信号に基づき対応する情報を操作表示装置400の表示部に表示する。
【0054】
次に、シート処理装置500のフィニッシャ制御部501を中心とした構成を説明する。フィニッシャ制御部501は、画像形成装置側のCPU回路部150と情報のやり取りを行うことでシート処理装置500全体の駆動制御を行うものであり、本発明の決定ユニット、補正ユニット、選択ユニット、穿孔制御ユニットとして機能する。なお、フィニッシャ制御部501は画像形成装置側に設けてもよい。
【0055】
また、フィニッシャ制御部501は、通信IC(不図示)を介してCPU回路部150との通信によりデータ交換を行い、CPU回路部150からの指示に基づきROM551に格納された各種プログラムを実行してシート処理装置500の駆動を制御する。
【0056】
また、フィニッシャ制御部501は、入口センサ531、シート検知センサ1112、横レジセンサ1104a、横レジセンサ1104b、横レジセンサ1104cの各検知信号に基づき次の制御を行う。横レジシフトモータM1107、横レジセンサ移動モータM1106、搬送モータM1103、パンチユニット750を制御する。
【0057】
また、フィニッシャ制御部501は、シートの横レジずれ量(シート搬送方向に交差するシート幅方向のずれ量)の検知を開始する時点の横レジセンサの検知状態(ON/OFF状態)によってシートの幅方向端部の検知に用いる横レジセンサを選択する。また、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量検知処理で算出した横レジずれ量に従って、パンチユニット750によりシートにあけるパンチ穴の位置を制御する。横レジずれ量検知処理の詳細は図9乃至図11により後述する。
【0058】
次に、上記のように構成された本実施の形態の画像形成システムのシート処理装置の動作について図7乃至図15を参照しながら詳細に説明する。
【0059】
最初に、シート処理装置が画像形成装置からシートに穿孔するパンチ処理を指示されている場合の制御について図7のフローチャートと図8を参照して説明する。以下の制御は、シート処理装置のフィニッシャ制御部501が画像形成装置のCPU回路部150からのパンチ処理の実行指示に基づき実行する。なお、シート処理装置では画像形成装置からパンチ処理の指示がない場合は横レジずれ量の補正は行わない。
【0060】
図7は、シート処理装置のパンチ処理のフローチャートである。
【0061】
図7において、まず、シート処理装置のフィニッシャ制御部501は、画像形成装置のCPU回路部150からシートのサイズを示すサイズ情報を取得し、横レジセンサユニット1105をシートのサイズに応じた待機位置に移動させる(ステップS1)。シートが搬送されている幅方向の位置がばらついたとしても、横レジ検知処理の開始時に横レジセンサ1104a、1104b、1104cのうち少なくとも2つの横レジセンサがOFFになる位置を待機位置とする。
【0062】
図8は、シートP1と横レジセンサユニット1105の待機位置の関係を示す図である。図8に示すように、横レジセンサユニット1105の待機位置は、横レジセンサ1104bが横レジずれの無い時のシートP1の横端位置(シートの幅方向端部の位置)903からDmm離れた横レジずれ限界時のシート横端位置904となる。位置904は、補正可能な最大の横レジずれとなる位置である。そして、横レジセンサ1104bの待機位置902は、シート幅方向中心位置に対して位置904よりも奥側となる。なお、本明細書において手前側とはシート処理装置前面側(図2の紙面手前側)であり、奥側とはシート処理装置奥側(図2の紙面奥側)である。
【0063】
次に、フィニッシャ制御部501は、入口センサ531がONになるのを待つ(ステップS2)。フィニッシャ制御部501は、入口センサ531がONになると、シートの横レジずれ量を検知する横レジずれ量検知処理を実行する(ステップS3)。横レジずれ量検知処理については図9以降の説明で後述する。
【0064】
次に、フィニッシャ制御部501は、シート後端が搬送ローラ対503を抜けるのを待つ(ステップS4)。シート後端が搬送ローラ対503を抜けるか否かは、入口センサ531がOFFになってからのシートの搬送距離から判断する。
【0065】
フィニッシャ制御部501は、入口センサ531がOFFになり、シート後端が搬送ローラ対503を抜けたら、次の補正を行う。即ち、ステップS3で求めたシートの横レジずれ量に基づき、横レジシフトユニット1001をシート搬送方向に交差するシート幅方向に移動し、シートの横レジずれを補正する(ステップS5)。
【0066】
その後、フィニッシャ制御部501は、シートの搬送を行うための搬送ローラ1101a、1102aを駆動する搬送モータM1103を一旦停止する(ステップS6)。次に、フィニッシャ制御部501は、搬送モータM1103を逆転させ、シートをストッパ(不図示)に突き当てることでシート後端の斜行を補正する(ステップS7)。
【0067】
次に、フィニッシャ制御部501は、そのままストッパにシートを突き当てた状態で、パンチユニット750によりシートの搬送方向の後端に対する穿孔動作を行う(ステップS8)。フィニッシャ制御部501は、シートに対する穿孔動作が終了したら、搬送モータM1103を起動し(ステップS9)、シートの搬送を再開する。
【0068】
次に、フィニッシャ制御部501は、画像形成装置から搬送されてきたシートが最終シートか否かをCPU回路部150との通信から判断する(ステップS10)。最終シートでない場合は、ステップS2に戻る。最終シートの場合は、フィニッシャ制御部501は、トレイ700またはプルーフトレイ701にシートの排出が完了するのを待つ(ステップS11)。フィニッシャ制御部501は、シートの排出が完了したら、搬送モータM1103を含む各モータを停止し(ステップS12)、本処理を終了する。
【0069】
次に、上記の図7のステップS3の横レジずれ量検知処理の詳細について図9乃至図15を参照して説明する。横レジずれ量検知処理は、シートの横レジ補正に用いる横レジずれ量を検知する処理である。
【0070】
図9、図10、図11は、シート処理装置の横レジずれ量検知処理のフローチャートである。
【0071】
図9乃至図11において、まず、シート処理装置のフィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104(1104a、1104b、1104c)が配置された区域にシートの先端が到達するのを待つ(ステップS101)。横レジセンサ1104a、1104b、1104cが配置された区域にシートの先端が到達した後の所定のタイミングで、フィニッシャ制御部501は、シート幅方向のシート中心位置に最も近い位置にある横レジセンサ1104aがONしているか否かを確認する(ステップS102)。
【0072】
横レジセンサ1104aがONしていた場合、フィニッシャ制御部501は次のモータ制御を行う。即ち、横レジセンサ1104a、1104b、1104cがシートに近づく方向(本実施の形態ではシート処理装置奥側から手前側方向)に移動するように、横レジセンサ移動モータM1106の駆動を開始する(ステップS103)。なお、待機位置にある横レジセンサユニット1105では、横レジセンサ1104bの待機位置902は、横レジずれ限界時のシート横端位置904よりも奥側となるので、ステップS102で横レジセンサ1104aがONしていた場合、横レジセンサ1104b、1104cはONしていないことになる。そして、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104b、1104cを用いて横レジずれ量及び斜行の検知を行う。以下、横レジずれ量及び斜行の検知方法について説明する。
【0073】
まず、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104bがONするのを待つ(ステップS104)。横レジセンサ1104bがONしたら、フィニッシャ制御部501は、図12に示す横レジ検知距離X1を算出し、RAM552に記憶する(ステップS105)。
【0074】
図12は、シートと横レジ検知距離X1及びシート搬送距離Y1との位置関係を示す図である。図12に示すように、横レジ検知距離X1とは、横レジセンサ1104bが待機位置902から移動を開始してから横レジセンサ1104bがシートP1の横端部(シートの幅方向端部)を検知するまでの横レジセンサユニット1105の移動距離である。即ち、第1の幅方向端部の位置である。横レジ検知距離X1は横レジセンサ移動モータM1106の駆動量から求められる。
【0075】
次に、フィニッシャ制御部501は、ステップS105で横レジ検知距離X1を算出したシートの横端部検知位置のシート搬送方向におけるポイント(位置)を求めるため次の算出を行う。即ち、入口センサ531がシートを検知してからのシート搬送距離Y1を算出し、RAM552に記憶する(ステップS106)。
【0076】
図12に示すように、シート搬送距離Y1とは、入口センサ531がシートを検知してから横レジセンサ1104bがシートP1の横端部を検知するまでのシート搬送距離である。位置901は搬送方向におけるセンサ351の位置であり、位置905は横レジセンサ1104がシートの横端を検知した時点のシートの先端位置である。搬送距離Y1はモータM1103の駆動量から求められる。
【0077】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104cがONするのを待つ(ステップS107)。横レジセンサ1104cがONしたら、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、横レジセンサ移動モータM1106の駆動による横レジセンサユニット1105の移動開始からの移動距離に基づき横レジ検知距離X2を算出し、RAM552に記憶する(ステップS108)。
【0078】
図13は、シートと横レジ検知距離X2及びシート搬送距離Y2との位置関係を示す図である。図13に示すように、横レジ検知距離X2とは、横レジセンサ1104bが待機位置902から移動を開始してから横レジセンサ1104cがシートP1の横端部を検知するまでの横レジセンサユニット1105の移動距離である。即ち、第2の幅方向端部の位置である。移動距離X2は横レジセンサ移動モータM1106の駆動量から求められる。
【0079】
次に、フィニッシャ制御部501は、ステップS108で横レジ検知距離を算出したシートの横端部検知位置のシート搬送方向上のポイント(位置)を求めるため次の算出を行う。即ち、入口センサ531がONしてからのシート搬送距離Y2を算出し、RAM552に記憶する(ステップS109)。
【0080】
図13に示すように、シート搬送距離Y2とは、入口センサ531がONした地点901から横レジセンサ1104cがシートP1の横端部を検知したときのシートP1の先端位置906までの距離である。シートを搬送しながら横レジずれ量の検知を行っているため、シートと横レジセンサ1104(1104a、1104b、1104c)の相対的な位置が変化する。
【0081】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ移動モータM1106を停止し、設定時間が経過した後、横レジセンサ1104a、1104b、1104cを再び待機位置へ戻す(ステップS110)。
【0082】
次に、フィニッシャ制御部501は、シートが斜行している向きを求めるため次の判断を行う。即ち、RAM552に記憶された横レジ検知距離X2(2回目)と横レジ検知距離X1(1回目)の差分X2−X1が、横レジセンサ1104a、1104b、1104cの相互のセンサ間隔A(図4)より大きいか否かを判断する(ステップS111)。
【0083】
横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1がセンサ間隔Aより大きいと判断した場合、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、シートの手前側が奥側よりも先行する方向に傾いている(以下「手前進み斜行」)と判断すると共に、斜行量αを算出する(ステップS112)。
【0084】
斜行量αは、シート搬送方向の長さ1mmにおける横レジ検知距離の変位量である。シートは手前進み斜行のため、横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分からセンサ間隔Aを引くことで、斜行による横レジ検知距離の差分を求めることができる。
【0085】
求めた横レジ検知距離の差分を横レジ検知距離X1から横レジ検知距離X2を検知するまでのシート搬送距離で割ることで、斜行量αを算出することができる。横レジ検知距離X1から横レジ検知距離X2を検知するまでのシート搬送距離は、RAM552に記憶されたシート搬送距離Y2(2回目)とシート搬送距離Y1(1回目)の差分である。
【0086】
上述したように、斜行量αは下記の式(1)から求めることができる。
α=(X2−X1−A)/(Y2−Y1) 式(1)
【0087】
次に、フィニッシャ制御部501は、補正距離fを算出する(ステップS113)。補正距離fについて図14を用いて説明する。図14は、図12に示すシートの状態と図13に示すシートの状態とを重ねた状態を示している。図14において1104a’,1104b’,1104c’は図12に示す状態の横レジセンサ1104a,1104b,1104cの位置を表しており、P1'は図12に示す状態のシートP1の位置を表している。図14に示すように、補正距離fは、横レジセンサ1104cがシートP1の横端部を検知したときのセンサ1104の搬送方向の位置からその時シートP1の後端と入り口センサ531が配置されているシート搬送路の幅方向の中心線が交錯する搬送方向の位置908までの距離である。シートP1の後端が位置908にある時に検出されるシートP1の横端位置を基準にして横レジ補正が行われる。
【0088】
補正距離fの求め方は、まず、シート搬送距離Y2から、入口センサ531から横レジセンサ1104までの距離Bを引く。これにより、シート先端から横レジ検知距離X2を検知した位置までの搬送方向距離が求まる。この求めた距離をシートの搬送方向長さL1から引くと、補正距離fが求まる。
【0089】
上述したように、補正距離fは下記の式(2)から求めることができる。
f=L1−(Y2−B) 式(2)
【0090】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量Jを算出する(ステップS114)。横レジずれ量Jについて図15を用いて説明する。図15は図13に示すシートの状態と同じ状態である。図15に示すように、横レジずれ量Jとは、横レジずれ補正を行う際にシートを幅方向へ移動させる距離であり、シートP1の後端が前述の搬送方向の位置908にある時のシートP1の後端の横端位置909から横レジずれが無い時のシート横端位置903までの距離である。即ち、第3の幅方向端部の位置へシートを移動させる距離に対応する。横レジずれ量Jは下記のように求める。
【0091】
図15に示すように、シートは手前進み斜行のため、横レジ検知距離X2がシート後端では大きくなる方向に変位する。そのため、横レジセンサ1104cが検知した横端位置と位置908での横端位置の変化量Fはα×fとなる。
【0092】
横レジずれが無い時のシートの横端位置903より横レジセンサ1104bの待機位置902までの距離C(以下「横レジセンサ待機位置距離C」という。)から、位置908における横レジ検知距離X3を引くことで、横レジすれ量Jを算出することができる。図15から明らかなように、X3は、X2−AにFを加えた値となる。
【0093】
従って、横レジずれ量Jは下記の式(3)から求めることができる。
J=C−(X2−A+α×f) 式(3)
【0094】
求めた横レジずれ量Jがプラスの場合は、シートは奥側方向にずれていることになり、横レジずれ量Jがマイナスの場合は、シートは手前側方向にずれていることになる。横レジずれ量Jを求めたら処理を終了する。これにより、シート後端近傍の横レジずれ量を求めることができる。
【0095】
一方、ステップS111で、横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1がセンサ間隔Aより大きくないと判断した場合、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、シートの奥側が手前側より先行する方向に傾いている(以下「奥進み斜行」という。)と判断すると共に、斜行量αを算出する(ステップS115)。
【0096】
奥進み斜行のため、センサ間隔Aから横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1を引くことで、斜行による横レジ検知距離の差を求めることができる。求めた横レジ検知距離の差を横レジ検知距離X1から横レジ検知距離X2を検知するまでのシート搬送距離で割ることで、斜行量αを算出することができる。
【0097】
上述したように、斜行量αは下記の式(4)から求めることができる。
α=(A−(X2−X1))/(Y2−Y1) (4)
【0098】
次に、フィニッシャ制御部501は、補正距離fを算出する(ステップS116)。補正距離fの求め方は、ステップS113と同じであるため説明を省略する。
【0099】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量Jを算出する(ステップS117)。シートは奥進み斜行のため、横レジ検知距離X2がシート後端では小さくなる方向に変位する。そのため、位置908での横レジ検知距離X3はX2―AからF(=α×f)分引いた値となる。
【0100】
横レジセンサ待機位置距離Cから位置908での横レジ検知距離X3を引くことで、横レジすれ量Jを算出することができる。
【0101】
上述したように、横レジずれ量Jは下記の式(5)から求めることができる。
J=C−(X2−A−α×f) (5)
【0102】
求めた横レジずれ量がプラスの場合は、シートは奥側方向にずれていることになり、横レジずれ量がマイナスの場合は、シートは手前側方向にずれていることになる。横レジずれ量Jを求めたら処理を終了する。
【0103】
一方、ステップS102で、横レジセンサ1104aがONしていないと判断した場合、フィニッシャ制御部501は次のモータ駆動を行う。即ち、横レジセンサ1104a、1104b、1104cがシートに近づく方向(本実施の形態ではシート処理装置奥側から手前側方向)に移動するように、横レジセンサ移動モータM1106の駆動を開始する(ステップS118)。そして、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104aがONするのを待つ(ステップS119)。横レジセンサ1104aがONしていない場合、横レジセンサ1104b、1104cもONしていないことになる。
【0104】
横レジセンサ1104aがONしたら、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、横レジセンサ移動モータM1106の駆動による横レジセンサユニット1105の移動開始からの移動距離に基づき横レジ検知距離X1を算出し、RAM552に記憶する(ステップS120)。
【0105】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジ検知距離を算出したシートの横端部検知位置のシート搬送方向上のポイント(位置)を求めるため次の算出を行う。即ち、入口センサ531がONしてからのシート搬送距離Y1を算出し、RAM552に記憶する(ステップS121)。
【0106】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104bがONするのを待つ(ステップS122)。横レジセンサ1104bがONしたら、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、横レジセンサ移動モータM1106の駆動による横レジセンサユニット1105の移動開始からの移動距離に基づき横レジ検知距離X2を算出し、RAM552に記憶する(ステップS123)。
【0107】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジ検知距離を算出したシートの横端部検知位置のシート搬送方向上のポイント(位置)を求めるため次の算出を行う。即ち、入口センサ531がONしてからのシート搬送距離Y2を算出し、RAM552に記憶する(ステップS124)。
【0108】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ移動モータM1106を停止し、設定時間が経過した後、横レジセンサ1104a、1104b、1104cを再び待機位置へ戻す(ステップS125)。
【0109】
次に、フィニッシャ制御部501は、シートが斜行している向きを求めるため次の判断を行う。即ち、RAM552に記憶された横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分が、横レジセンサ1104a、1104b、1104cの相互のセンサ間隔A(図4)より大きいか否かを判断する(ステップS126)。
【0110】
横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1がセンサ間隔Aより大きいと判断した場合、フィニッシャ制御部501は、シートは手前進み斜行であると判断すると共に、斜行量αを算出する(ステップS127)。斜行量αの求め方は、ステップS112と同じであるため説明を省略する。
【0111】
次に、フィニッシャ制御部501は、補正距離fを算出する(ステップS128)。補正距離fの求め方は、ステップS113と同じであるため説明を省略する。
【0112】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量Jを算出する(ステップS129)。シートは手前進み斜行のため、横レジ検知距離X2がシート後端では大きくなる方向に変位する。そのため、位置908での横レジ検知距離X3は横レジ検知距離X2に対して横端位置の変化量Fを加えた値となる。横レジセンサ待機位置距離Cから横レジ検知距離X3を引くことで、横レジすれ量Jを算出することができる。
【0113】
上述したように、横レジずれ量Jは下記の式(6)から求めることができる。
J=C−(X2+α×f) (6)
【0114】
求めた横レジずれ量がプラスの場合は、シートは奥側方向にずれていることになり、横レジずれ量がマイナスの場合は、シートは手前側方向にずれていることになる。横レジずれ量Jを求めたら処理を終了する。
【0115】
一方、ステップS126で、横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1がセンサ間隔Aより大きくないと判断した場合、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、シートは奥進み斜行であると判断すると共に、斜行量αを算出する(ステップS130)。斜行量αの求め方は、ステップS115と同じであるため説明を省略する。
【0116】
次に、フィニッシャ制御部501は、補正距離fを算出する(ステップS131)。補正距離fの求め方は、ステップS116と同じであるため説明を省略する。
【0117】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量Jを算出する(ステップS132)。シートは奥進み斜行のため、横レジ検知距離X2がシート後端では小さくなる方向に変位する。そのため、位置908での横レジ検知距離X3は横レジ検知距離X2から横端位置の変化量F引いた値となる。横レジセンサ待機位置距離Cから横レジ検知距離X3を引くことで、横レジすれ量Jを算出することができる。
【0118】
上述したように、横レジずれ量Jは下記の式(7)から求めることができる。
J=C−(X2−α×f) (7)
【0119】
求めた横レジずれ量がプラスの場合は、シートは奥側方向にずれていることになり、横レジずれ量がマイナスの場合は、シートは手前側方向にずれていることになる。横レジずれ量Jを求めたら処理を終了する。
【0120】
以上説明したように、本実施の形態によれば以下の効果を奏する。シート搬送方向に交差するシート幅方向に複数個の横レジセンサ1104a、1104b、1104cを配置し、横レジセンサの一方向への移動で、シートを搬送しながらシートの横レジずれ量をシート幅方向端部の複数箇所で検知することができる。
【0121】
即ち、横レジずれ量検知処理では、シートの横レジずれ量を複数回測定する際の横レジセンサユニット1105の移動方向を一定にすることにより、横レジずれ量を高精度で検知することができる。また、複数回の横レジずれ量の検知を1回の横レジセンサの移動で行うことができ、シート処理の生産性を高めることができる。また、複数回検知した横レジずれ量によって求めたシートの斜行量を基に、シートの後端に対応する位置908における横レジずれ量を算出するため、シートの斜行による横レジずれ量の検知誤差を軽減することができる。
【0122】
これにより、従来のように横レジセンサを往復動作させる場合と比較して、高速でのシートの横レジずれ量及び斜行の検知が可能となる。また、横レジセンサの検出方向を一方向にできるため、高精度なシートの横レジずれ量及び斜行の検知が可能となる。また、シートにパンチ穴をあけるシート後端に対応する位置での横レジずれ量に基づき、横レジずれ量を補正することでき、シートに対するパンチ穴の位置精度を向上させることができる。
【0123】
上記実施の形態では、シートの搬送方向の後端にパンチ穴をあける穿孔動作を実施する場合を例に挙げ、シートの搬送方向の後端に対応する位置での横レジずれ量を予測する処理について説明したが、これに限定されるものではない。
【0124】
例えばシートの搬送方向の先端にパンチ穴をあける穿孔動作を実施する場合に、シートの斜行量αからシートの搬送方向の先端に対応する位置での横レジずれ量を予測する処理にも適用できる。この場合もシートに対するパンチ穴の位置精度を向上させることができる。
【0125】
上記実施の形態では、横レジセンサユニット1105と横レジセンサ移動モータM1106をシート処理装置に設置し、シート処理装置側で横レジずれ量検知処理を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0126】
例えば横レジセンサユニット1105と横レジセンサ移動モータM1106を図1に符号1300で示すように画像形成装置の給紙カセットの下流側の搬送路上に設置し、画像形成装置側で横レジずれ量検知処理を行う場合にも適用できる。この場合は、画像形成装置のCPU回路部150が本発明の決定ユニット、調整ユニットとして機能する。
【0127】
画像形成装置は横レジずれ量検知処理で求めたシートの斜行量αを基に像坦持体である感光ドラム111上にトナー画像を傾けて形成する。即ち、シートの傾きと感光ドラム111に形成する静電潜像の傾きとが合うように感光ドラム111に画像露光が行われる。傾きが調整されたトナー画像はシートに転写される。これにより、シートが斜行してもシートに対する画像の傾きを軽減することができ、画像形成装置のシートに対する画像形成位置の精度向上を実現することができる。
【符号の説明】
【0128】
10 画像形成装置本体
500 シート処理装置
501 フィニッシャ制御部
750 パンチユニット
1001 横レジシフトユニット
1104a、1104b、1104c 横レジセンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに後処理を行うシート処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置で画像が形成されたシート(記録紙)に穴あけなどの後処理を行う際は、画像形成装置に連結したシート処理装置にシートを搬送することで後処理を行う。この種のシート処理装置は、シートに穴あけを行う穿孔機構を備えており、シートへの穴あけを行う際の穴位置の精度を高めるため、シート搬送方向に交差するシート幅方向のずれ(以下「横レジずれ」という。)の補正を行っている。
【0003】
また、シート処理装置では、シートの処理量を高める高生産性を達成するため、シートの搬送中にシートの横レジずれ量を検知し、横レジずれの補正を行う場合がある。シートの横レジずれ量を検知する方法としては、光学式センサをシートの幅方向で移動させて、シートの幅方向端部(横端部)を検知したタイミングから横レジずれ量を検出する方法がある。
【0004】
シートの搬送中に上記のような横レジずれ量の検知を行うと、横レジずれ量によって、センサが移動を開始してからシートの横端部に到達するまでのシートの搬送量が異なるので、シートの横端部を検知するシート搬送方向の位置がばらつくことになる。そのため、常に一定の位置で横レジずれ量の検知を行うことが難しい。また、シートが斜行していた場合、検知した横レジずれ量が、パンチ穴を開けるシート後端部での横レジずれ量に対して誤差が生じてしまうことがある。そのため、パンチの穴位置精度を高めるためには、横レジずれの補正時にシートの斜行量を加味する必要がある。
【0005】
シートの斜行量を検知する方法としては、画像形成装置において横レジずれと斜行を同時に検知する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、シートの横端部に配置された横レジずれ検知を行う横レジセンサを複数回往復移動させることで、2箇所以上のシートの横レジずれを検知すると共に、複数個所の横端位置の検知結果の差から斜行量を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−342943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来の技術では、横レジセンサを複数回にわたって往復移動させることで複数箇所の横レジずれの検知を行っている。
【0008】
しかし、シートの搬送速度が速くなると、1カ所目のシートの横端位置が検知された後にシート後端が横レジセンサを通過する前に横レジセンサで2個所目以降の横端位置の検知を終えることができなくなる虞がある。この問題に対処するにはシートの搬送速度を制限する必要があるが、シートの搬送速度を制限するとシート処理の生産性を低下させる要因となる。
【0009】
そこで、シート処理の生産性を高める方法としては、横レジセンサを往復移動させる際の往動作と復動作によって、複数回の横レジずれ量を検知する方法がある。
【0010】
しかし、横レジセンサでは、ONからOFFになった場合とOFFからONになった場合とで(検出方向によって)、ノイズによる誤検知防止のために受光回路のスレッシュ電圧にヒステリシスを持たせていることがある。この影響により、横レジセンサの検出方向の違いによって、横端位置の検知に誤差が生じてしまうという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、シートの搬送方向に交差する幅方向のずれとシートの斜行の検知を高速且つ高精度に実現することを可能としたシート処理装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1記載のシート処理装置は、シートを搬送する搬送手段と、シート搬送方向に交差するシート幅方向に沿って配列され、搬送されるシートの幅方向端部をそれぞれ検知する第1の検知手段及び第2の検知手段と、前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段をシート幅方向に移動させる第1の移動手段と、前記シート幅方向にシートを移動させる第2の移動手段と、前記搬送手段によるシートの搬送中に、前記第1の移動手段により前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を移動させ、前記第1の検知手段により検知される第1の幅方向端部の位置と、その後、前記第2の検知手段により検知される第2の幅方向端部の位置とを決定する第1の決定手段と、前記第1の決定手段により決定された前記第1の幅方向端部の位置と前記第2の幅方向端部の位置及び前記第1の幅方向端部の位置が検知されてから前記第2の幅方向端部の位置が検知されるまでのシートの搬送量とに基づいて、前記第2の幅方向端部の位置よりもシートの後端側の位置での第3の幅方向端部の位置を決定する第2の決定手段と、前記第2の決定手段により決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って、前記第2の移動手段によりシートを幅方向に移動することでシートの幅方向のずれを補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するために、請求項8記載のシート処理装置の制御方法は、シートを搬送する搬送手段と、シート搬送方向に交差するシート幅方向に沿って配列され、搬送されるシートの幅方向端部をそれぞれ検知する第1の検知手段及び第2の検知手段と、前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を前記シート幅方向に沿って移動させる第1の移動手段と、シート幅方向にシートを移動させる第2の移動手段とを備えるシート処理装置の制御方法であって、前記搬送手段によるシートの搬送中に、前記第1の移動手段により前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を同一方向へ移動させ、前記第1の検知手段により検知される第1の幅方向端部の位置と、その後、前記第2の検知手段により検知される第2の幅方向端部の位置とを決定し、前記決定された前記第1の幅方向端部の位置と前記第2の幅方向端部の位置及び前記第1の幅方向端部の位置が検知されてから前記第2の幅方向端部の位置が検知されるまでのシートの搬送量とに基づいて、前記第2の幅方向端部の位置よりもシートの後端側の位置での第3の幅方向端部の位置を決定し、決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って、前記第2の移動手段によりシートを幅方向に移動することでシートの幅方向のずれを補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シート搬送方向に交差するシート幅方向に複数の検知手段を配置し、検知手段を一方向へ移動することで、シートを搬送しながらシート幅方向の横端位置をシート搬送方向の複数箇所で検知することができる。これにより、従来のように検知手段を往復動作させる場合と比較して、高速でのシート幅方向のずれ量及び斜行の検知が可能となる。また、検知手段の検知方向を一方向にできるため、高精度なシート幅方向のずれ量及び斜行の検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成システムの模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシート処理装置の模式図である。
【図3】シート処理装置のパンチユニットの構成を示す図であり、図3(a)は、図2の矢印方向から穴あけ部を見た状態を示す図、図3(b)は、穴あけ部をシート搬送方向の上流側から見た状態を示す図、図3(c)は、カム部材に沿った部分を示す断面図である。
【図4】シート処理装置の横レジシフトユニット及びその周囲の関連部材の図である。
【図5】シートと横レジセンサとの位置関係を示す図であり、図5(a)は、横レジセンサがOFFからONになるときの位置関係を示す図、図5(b)は、横レジセンサがONからOFFになるときの位置関係を示す図である。
【図6】画像形成装置及びシート処理装置の制御系のブロック図である。
【図7】シート処理装置のパンチ処理のフローチャートである。
【図8】シートと横レジセンサユニットの待機位置の関係を示す図である。
【図9】シート処理装置の横レジずれ量検知処理のフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートの続きのフローを示すフローチャートである。
【図11】図9及び図10のフローチャートの続きのフローを示すフローチャートである。
【図12】シートと横レジ検知距離X1及びシート搬送距離Y1との位置関係を示す図である。
【図13】シートと横レジ検知距離X2及びシート搬送距離Y2との位置関係を示す図である。
【図14】シートと補正距離fとの関係を示す図である。
【図15】シートと横レジずれ量Jとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成システムの模式図である。
【0018】
図1において、画像形成システム1000は、画像形成装置本体10、原稿給送装置100、イメージリーダ200、操作表示装置400を備えた画像形成装置と、画像形成装置のシート排出側に接続されたシート処理装置500とから構成されている。なお、画像形成装置については画像読取及び画像形成の概略を説明し、それ以外については適宜説明を簡略化または省略する。
【0019】
原稿給送装置100は、原稿トレイ上の原稿を1枚ずつ給紙し、プラテンガラス102上を搬送した後、排紙トレイ112に排出する。原稿が読取位置を通過する際にイメージリーダ200のスキャナユニット104のランプ103から光が照射され、原稿の反射光がミラー105、106、107を介してレンズ108に導かれる。レンズ108を通過した光はイメージセンサ109に結像され、画像データに変換されて出力される。
【0020】
画像データは後述の画像信号制御部202(図6)で所定の処理が施された後、画像形成装置本体10の露光制御部110にビデオ信号として入力される。露光制御部110は、ビデオ信号に基づきレーザ光を変調して出力する。レーザ光はポリゴンミラー110aにより走査されながら感光ドラム111上に照射され、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。
【0021】
感光ドラム111上の静電潜像は、現像器113の現像剤によって現像剤像として可視像化される。また、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、給紙カセット114、115、手差給紙部125、両面搬送パス124のいずれかからシートが給紙され、感光ドラム111と転写部116の間に搬送される。感光ドラム111上の現像剤像は転写部116によりシート上に転写される。
【0022】
現像剤像が転写されたシートは定着部117に搬送され、加熱及び加圧により現像剤像がシート上に定着される。定着部117を通過したシートはフラッパ121及び排出ローラ対118を経て画像形成装置本体10から排出され、シート処理装置500に搬送される。
【0023】
なお、シートの画像形成面を下向きにした状態(フェイスダウン)で排出する場合は、フラッパ121と反転パス122を用いるが、詳細説明は省略する。また、シートの画像形成面を上向きにした状態(フェイスアップ)で排出する場合は、排出ローラ対118によりそのまま排出する。また、シートの両面に画像形成を行う場合は、片面に画像形成したシートをフラッパ121の切換動作により反転パス122に導いた後に両面搬送パス124へ搬送し、感光ドラム111と転写部116の間に再度給紙し、別の片面に画像形成する。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置の模式図である。
【0025】
図2において、シート処理装置500は、画像形成装置本体10から搬送されてくるシートを取り込んで以下の後処理を行う。即ち、シート処理装置500は、取り込んだ複数のシートを整合して束ねる処理、ソート処理、ノンソート処理、シート束の後端側をステイプルするステイプル処理(綴じ処理)、シートの後端側にパンチ穴をあけるパンチ処理、シート束を製本する製本処理等の後処理を行う。
【0026】
シート処理装置500は、シートにパンチ穴をあけるパンチユニット750(穿孔ユニット)、シートをステイプルするステイプル部600、シート束を二つ折りにして製本を行う製本部800を備えている。また、シート処理装置500は、搬送ローラ対503、バッファローラ505、入口センサ531、横レジシフトユニット1001を備えている。また、シート処理装置500は、正常に処理されたシートを積載するトレイ700、異常と判断されたシートを積載するプルーフトレイ701を備えている。
【0027】
入口センサ531は、シート搬送路入口付近における画像形成装置本体10から搬送されてくるシートを検知する。搬送ローラ対503とバッファローラ505との間には、横レジシフトユニット1001が設けられている。横レジシフトユニット1001は、シートをオフセットして排紙するシフトソートモード、あるいはシートにパンチ穴をあけるパンチモードの際に、シートを幅方向の所定の位置にシフトさせながら搬送する。
【0028】
図3は、シート処理装置のパンチユニットの構成を示す図であり、図3(a)は、図2の矢印方向から穴あけ部を見た状態を示す図、図3(b)は、穴あけ部をシート搬送方向の上流側から見た状態を示す図、図3(c)は、カム部材に沿った部分を示す断面図である。
【0029】
図3(c)において、左端のカム73Aは、3穴用カムであり、図3(a)、図3(b)に示す3穴用パンチ68Aが係合している。このカム73Aの右側の直線部の長さは、左側の直線部の長さよりも長い。
【0030】
左端から2番目のカム73B(73D)は、3穴用カムと2穴用カムに兼用されており、図3(a)、図3(b)に示す3穴用パンチのうち中央の3穴用パンチ68Bと、2穴用パンチのうち左側の2穴用パンチ68Dとが係合している。このカム73B(73D)は、3穴用パンチ68Bと2穴用パンチ68Dの2本に共用されているので、カムの数を減らすことができると共に、3穴用パンチ68B、2穴用パンチ68D同士の間隔を狭めることができる。
【0031】
左端から3番目の2穴用カム73Eと4番目の3穴用カム73Cは、直線部分が互いに連通して形成されている。2穴用カム73Eには、図3(a)、図3(b)に示す2穴用パンチのうち右側の2穴用パンチ68Eが係合している。3穴用カム73Cには、図3(a)、図3(b)に示す3穴用パンチのうち右側の3穴用パンチ68Cが係合している。
【0032】
以上のカム直線部のうち、下記の直線部の長さはほぼ同じ長さに設定されている。すなわち、左端の3穴用カム73Aの右側にある直線部の長さ、左端から2番目の3穴用と2穴用に兼用されているカム73B(73D)の左右の直線部の長さ、左端から3番目の2穴用カム73Eの左側にある直線部79Eの長さ、及び左端から4番目の3穴用カム73Cの右側にある直線部の長さは、ほぼ同じ長さである。
【0033】
また、左端の3穴用カム73Aと、左端から3番目の2穴用カム73Eと、左端から4番目の3穴用カム73Cは、同じ高さに形成されている。また、左端から2番目の3穴用と2穴用に兼用されているカム73B(73D)は、図3(c)において他の3つのカムと比較して高い位置に形成されている。
【0034】
上記構成により、左端の3穴用カム73Aの右側にある直線部の端部と、左端から2番目の3穴用と2穴用に兼用されているカム73B(73D)の左側にある直線部の端部とを、上下方向で対向させることができる。また、前記カム73B(73D)の右側の直線部78Eと、左端から3番目の2穴用カム73Eの左側にある直線部79Eとを、ほぼ全体において対向させることができる。従って、各パンチ68A、68B、68C、68D、68E同士の間隔を規格の間隔に配列することができる。
【0035】
また、カム73A、73B、73C、73D、73Eを、パンチ68A、68B、68C、68D、68Eの移動方向に位置をずらして、カム同士が連続しないように構成しているため、必要の無いパンチまでが作動するようなことはない。
【0036】
更に、3穴用パンチ68A、68B、68C同士の間隔は等間隔であるが、左端の3穴用カム73Aと、左端から2番目の3穴用と2穴用に兼用されているカム73B(73D)と、左端から4番目の3穴用カム73Cとのカム同士の間隔は異なっている。しかも、3穴用パンチ同士の間隔は、3穴用カム同士の間隔と異なっている。同様に、2穴用パンチ68D、68Eの間隔は、2穴用カム73D、73Eの間隔と異なっている。
【0037】
これは、カム部材72の移動によって、3穴用パンチあるいは2穴用パンチがシートに穴をあけるとき、3本の3穴用パンチあるいは2本の2穴用パンチが、それぞれ時間差をおいて作動してシートに穴をあけるためである。この結果、後述するカム部材駆動モータ92は、過負荷が加わることなく円滑に駆動される。
【0038】
カム部材72の右端部には、ラック91が形成されている。このラック91には、可動フレーム52に設けられたカム部材駆動モータ92によって回転するピニオン94が噛合している。カム部材駆動モータ92が駆動することで、シートにパンチ穴があけられる。
【0039】
図4は、シート処理装置の横レジシフトユニット及びその周囲の関連部材の図である。
【0040】
図4において、横レジシフトユニット1001は、搬送ローラ1101a、1102a、従動ローラ1101b、1102b(以上、搬送ユニットの構成要素)、シート検知センサ1112等を備えており、シートのサイズに応じた待機位置に移動可能に構成されている。搬送モータM1103(搬送ユニットの構成要素)により、ギア1116、タイミングベルト1115を介して搬送ローラ1101a、1102aに駆動を与え、従動ローラ1101b、1102bと協働してシートの搬送を行う。
【0041】
横レジセンサユニット1105には、横レジセンサ1104a、1104b、1104c(第1の検知ユニット、第2の検知ユニット)が実装されており、各センサは同一方向へ移動するように構成されている。搬送されてくる搬送中のシートの横端位置は、横レジセンサ1104a、1104b、1104cにより検出される。
【0042】
横レジセンサ1104a、1104b、1104cは、図4に示すように相互にAmmの間隔でシート搬送方向に交差するシートの幅方向に配列されている。センサ間隔Ammは具体的には、例えば10mm程度である。横レジセンサ1104a〜1104cの各々は、同じ構成を有しており、発光素子と受光素子を備えている。また、横レジセンサ1104a〜1104cは一体となって移動する。なお、横レジセンサは3つ配列する構成に限定されず、少なくとも2つ以上配列する構成としてもよい。少なくとも3つ以上のセンサが配列されている構成では、シートが搬送されてきた幅方向の位置に応じて使用するセンサが選択される。
【0043】
図5は、シートと横レジセンサとの位置関係を示す図であり、図5(a)は、横レジセンサ1104がOFFからONになるときの位置関係を示す図、図5(b)は、横レジセンサ1104がONからOFFになるときの位置関係を示す図である。図中の矢印は横レジセンサ1104の移動方向を示している。
【0044】
図5(a)、(b)において、横レジセンサ1104(1104a、1104b、1104c)の受光回路にはヒステリシスを持たせている。そのため、図示のように、横レジセンサ1104がOFFからONになるときと、横レジセンサ1104がONからOFFになるときで、シート搬送方向に交差するシートP1の幅方向端部を検知する位置が異なる。
【0045】
図4に戻り、横レジセンサ移動モータM1106(第1の移動ユニット)は、横レジセンサ1104a、1104b、1104cが実装された横レジセンサユニット1105を矢印43、矢印44で示すように横方向(シート幅方向)に移動させる。横レジセンサユニット1105の待機位置(ホームポジション(HP))は、横レジHPセンサ1108により検出される。
【0046】
横レジシフトモータM1107(第2の移動ユニット)は、横レジセンサユニット1105とは別体の横レジシフトユニット1001を矢印45、矢印46で示すように横方向(シート幅方向)に駆動させる。横レジシフトユニット1001の待機位置(ホームポジション(HP))は、横レジユニットHPセンサ1109により検出される。
【0047】
横レジシフトユニット1001のシート検知センサ1112は、搬送されてくるシートを検知すると共に、シートの後端が横レジシフトユニット1001内の搬送ローラ1101a、従動ローラ1101bを抜けたことを検知する。
【0048】
図6は、画像形成装置及びシート処理装置の制御系のブロック図である。
【0049】
図6において、画像形成装置の画像形成装置本体10は、CPU150A、ROM151、RAM152を内蔵したCPU回路部150を備えている。また、シート処理装置500は、CPU550、ROM551、RAM552を内蔵したフィニッシャ制御部501を備えている。
【0050】
まず、画像形成装置のCPU回路部150及びそれに関連する構成部品を説明する。CPU回路部150のCPU150Aは、ROM151に格納されている制御プログラムにより次の制御を行う。即ち、原稿給送装置制御部101、イメージリーダ制御部201、画像信号制御部202、プリンタ制御部301、操作表示部インターフェース401、フィニッシャ制御部501を統括的に制御する。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
【0051】
原稿給送装置制御部101は、原稿給送装置100をCPU回路部150からの指示に基づき駆動制御する。イメージリーダ制御部201は、イメージリーダ200のスキャナユニット104、イメージセンサ109などに対する駆動制御を行い、イメージセンサ109から出力されたアナログ画像信号を画像信号制御部202に転送する。
【0052】
画像信号制御部202は、アナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各処理を施し、デジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部301に出力する。プリンタ制御部301は、ビデオ信号に基づき露光制御部110を駆動する。
【0053】
操作表示部インターフェース401は、操作表示装置400(図1)とCPU回路部150との間で情報のやり取りを行う。また、操作表示部インターフェース401は、操作表示装置400からの各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部150に出力すると共に、CPU回路部150からの信号に基づき対応する情報を操作表示装置400の表示部に表示する。
【0054】
次に、シート処理装置500のフィニッシャ制御部501を中心とした構成を説明する。フィニッシャ制御部501は、画像形成装置側のCPU回路部150と情報のやり取りを行うことでシート処理装置500全体の駆動制御を行うものであり、本発明の決定ユニット、補正ユニット、選択ユニット、穿孔制御ユニットとして機能する。なお、フィニッシャ制御部501は画像形成装置側に設けてもよい。
【0055】
また、フィニッシャ制御部501は、通信IC(不図示)を介してCPU回路部150との通信によりデータ交換を行い、CPU回路部150からの指示に基づきROM551に格納された各種プログラムを実行してシート処理装置500の駆動を制御する。
【0056】
また、フィニッシャ制御部501は、入口センサ531、シート検知センサ1112、横レジセンサ1104a、横レジセンサ1104b、横レジセンサ1104cの各検知信号に基づき次の制御を行う。横レジシフトモータM1107、横レジセンサ移動モータM1106、搬送モータM1103、パンチユニット750を制御する。
【0057】
また、フィニッシャ制御部501は、シートの横レジずれ量(シート搬送方向に交差するシート幅方向のずれ量)の検知を開始する時点の横レジセンサの検知状態(ON/OFF状態)によってシートの幅方向端部の検知に用いる横レジセンサを選択する。また、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量検知処理で算出した横レジずれ量に従って、パンチユニット750によりシートにあけるパンチ穴の位置を制御する。横レジずれ量検知処理の詳細は図9乃至図11により後述する。
【0058】
次に、上記のように構成された本実施の形態の画像形成システムのシート処理装置の動作について図7乃至図15を参照しながら詳細に説明する。
【0059】
最初に、シート処理装置が画像形成装置からシートに穿孔するパンチ処理を指示されている場合の制御について図7のフローチャートと図8を参照して説明する。以下の制御は、シート処理装置のフィニッシャ制御部501が画像形成装置のCPU回路部150からのパンチ処理の実行指示に基づき実行する。なお、シート処理装置では画像形成装置からパンチ処理の指示がない場合は横レジずれ量の補正は行わない。
【0060】
図7は、シート処理装置のパンチ処理のフローチャートである。
【0061】
図7において、まず、シート処理装置のフィニッシャ制御部501は、画像形成装置のCPU回路部150からシートのサイズを示すサイズ情報を取得し、横レジセンサユニット1105をシートのサイズに応じた待機位置に移動させる(ステップS1)。シートが搬送されている幅方向の位置がばらついたとしても、横レジ検知処理の開始時に横レジセンサ1104a、1104b、1104cのうち少なくとも2つの横レジセンサがOFFになる位置を待機位置とする。
【0062】
図8は、シートP1と横レジセンサユニット1105の待機位置の関係を示す図である。図8に示すように、横レジセンサユニット1105の待機位置は、横レジセンサ1104bが横レジずれの無い時のシートP1の横端位置(シートの幅方向端部の位置)903からDmm離れた横レジずれ限界時のシート横端位置904となる。位置904は、補正可能な最大の横レジずれとなる位置である。そして、横レジセンサ1104bの待機位置902は、シート幅方向中心位置に対して位置904よりも奥側となる。なお、本明細書において手前側とはシート処理装置前面側(図2の紙面手前側)であり、奥側とはシート処理装置奥側(図2の紙面奥側)である。
【0063】
次に、フィニッシャ制御部501は、入口センサ531がONになるのを待つ(ステップS2)。フィニッシャ制御部501は、入口センサ531がONになると、シートの横レジずれ量を検知する横レジずれ量検知処理を実行する(ステップS3)。横レジずれ量検知処理については図9以降の説明で後述する。
【0064】
次に、フィニッシャ制御部501は、シート後端が搬送ローラ対503を抜けるのを待つ(ステップS4)。シート後端が搬送ローラ対503を抜けるか否かは、入口センサ531がOFFになってからのシートの搬送距離から判断する。
【0065】
フィニッシャ制御部501は、入口センサ531がOFFになり、シート後端が搬送ローラ対503を抜けたら、次の補正を行う。即ち、ステップS3で求めたシートの横レジずれ量に基づき、横レジシフトユニット1001をシート搬送方向に交差するシート幅方向に移動し、シートの横レジずれを補正する(ステップS5)。
【0066】
その後、フィニッシャ制御部501は、シートの搬送を行うための搬送ローラ1101a、1102aを駆動する搬送モータM1103を一旦停止する(ステップS6)。次に、フィニッシャ制御部501は、搬送モータM1103を逆転させ、シートをストッパ(不図示)に突き当てることでシート後端の斜行を補正する(ステップS7)。
【0067】
次に、フィニッシャ制御部501は、そのままストッパにシートを突き当てた状態で、パンチユニット750によりシートの搬送方向の後端に対する穿孔動作を行う(ステップS8)。フィニッシャ制御部501は、シートに対する穿孔動作が終了したら、搬送モータM1103を起動し(ステップS9)、シートの搬送を再開する。
【0068】
次に、フィニッシャ制御部501は、画像形成装置から搬送されてきたシートが最終シートか否かをCPU回路部150との通信から判断する(ステップS10)。最終シートでない場合は、ステップS2に戻る。最終シートの場合は、フィニッシャ制御部501は、トレイ700またはプルーフトレイ701にシートの排出が完了するのを待つ(ステップS11)。フィニッシャ制御部501は、シートの排出が完了したら、搬送モータM1103を含む各モータを停止し(ステップS12)、本処理を終了する。
【0069】
次に、上記の図7のステップS3の横レジずれ量検知処理の詳細について図9乃至図15を参照して説明する。横レジずれ量検知処理は、シートの横レジ補正に用いる横レジずれ量を検知する処理である。
【0070】
図9、図10、図11は、シート処理装置の横レジずれ量検知処理のフローチャートである。
【0071】
図9乃至図11において、まず、シート処理装置のフィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104(1104a、1104b、1104c)が配置された区域にシートの先端が到達するのを待つ(ステップS101)。横レジセンサ1104a、1104b、1104cが配置された区域にシートの先端が到達した後の所定のタイミングで、フィニッシャ制御部501は、シート幅方向のシート中心位置に最も近い位置にある横レジセンサ1104aがONしているか否かを確認する(ステップS102)。
【0072】
横レジセンサ1104aがONしていた場合、フィニッシャ制御部501は次のモータ制御を行う。即ち、横レジセンサ1104a、1104b、1104cがシートに近づく方向(本実施の形態ではシート処理装置奥側から手前側方向)に移動するように、横レジセンサ移動モータM1106の駆動を開始する(ステップS103)。なお、待機位置にある横レジセンサユニット1105では、横レジセンサ1104bの待機位置902は、横レジずれ限界時のシート横端位置904よりも奥側となるので、ステップS102で横レジセンサ1104aがONしていた場合、横レジセンサ1104b、1104cはONしていないことになる。そして、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104b、1104cを用いて横レジずれ量及び斜行の検知を行う。以下、横レジずれ量及び斜行の検知方法について説明する。
【0073】
まず、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104bがONするのを待つ(ステップS104)。横レジセンサ1104bがONしたら、フィニッシャ制御部501は、図12に示す横レジ検知距離X1を算出し、RAM552に記憶する(ステップS105)。
【0074】
図12は、シートと横レジ検知距離X1及びシート搬送距離Y1との位置関係を示す図である。図12に示すように、横レジ検知距離X1とは、横レジセンサ1104bが待機位置902から移動を開始してから横レジセンサ1104bがシートP1の横端部(シートの幅方向端部)を検知するまでの横レジセンサユニット1105の移動距離である。即ち、第1の幅方向端部の位置である。横レジ検知距離X1は横レジセンサ移動モータM1106の駆動量から求められる。
【0075】
次に、フィニッシャ制御部501は、ステップS105で横レジ検知距離X1を算出したシートの横端部検知位置のシート搬送方向におけるポイント(位置)を求めるため次の算出を行う。即ち、入口センサ531がシートを検知してからのシート搬送距離Y1を算出し、RAM552に記憶する(ステップS106)。
【0076】
図12に示すように、シート搬送距離Y1とは、入口センサ531がシートを検知してから横レジセンサ1104bがシートP1の横端部を検知するまでのシート搬送距離である。位置901は搬送方向におけるセンサ351の位置であり、位置905は横レジセンサ1104がシートの横端を検知した時点のシートの先端位置である。搬送距離Y1はモータM1103の駆動量から求められる。
【0077】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104cがONするのを待つ(ステップS107)。横レジセンサ1104cがONしたら、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、横レジセンサ移動モータM1106の駆動による横レジセンサユニット1105の移動開始からの移動距離に基づき横レジ検知距離X2を算出し、RAM552に記憶する(ステップS108)。
【0078】
図13は、シートと横レジ検知距離X2及びシート搬送距離Y2との位置関係を示す図である。図13に示すように、横レジ検知距離X2とは、横レジセンサ1104bが待機位置902から移動を開始してから横レジセンサ1104cがシートP1の横端部を検知するまでの横レジセンサユニット1105の移動距離である。即ち、第2の幅方向端部の位置である。移動距離X2は横レジセンサ移動モータM1106の駆動量から求められる。
【0079】
次に、フィニッシャ制御部501は、ステップS108で横レジ検知距離を算出したシートの横端部検知位置のシート搬送方向上のポイント(位置)を求めるため次の算出を行う。即ち、入口センサ531がONしてからのシート搬送距離Y2を算出し、RAM552に記憶する(ステップS109)。
【0080】
図13に示すように、シート搬送距離Y2とは、入口センサ531がONした地点901から横レジセンサ1104cがシートP1の横端部を検知したときのシートP1の先端位置906までの距離である。シートを搬送しながら横レジずれ量の検知を行っているため、シートと横レジセンサ1104(1104a、1104b、1104c)の相対的な位置が変化する。
【0081】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ移動モータM1106を停止し、設定時間が経過した後、横レジセンサ1104a、1104b、1104cを再び待機位置へ戻す(ステップS110)。
【0082】
次に、フィニッシャ制御部501は、シートが斜行している向きを求めるため次の判断を行う。即ち、RAM552に記憶された横レジ検知距離X2(2回目)と横レジ検知距離X1(1回目)の差分X2−X1が、横レジセンサ1104a、1104b、1104cの相互のセンサ間隔A(図4)より大きいか否かを判断する(ステップS111)。
【0083】
横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1がセンサ間隔Aより大きいと判断した場合、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、シートの手前側が奥側よりも先行する方向に傾いている(以下「手前進み斜行」)と判断すると共に、斜行量αを算出する(ステップS112)。
【0084】
斜行量αは、シート搬送方向の長さ1mmにおける横レジ検知距離の変位量である。シートは手前進み斜行のため、横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分からセンサ間隔Aを引くことで、斜行による横レジ検知距離の差分を求めることができる。
【0085】
求めた横レジ検知距離の差分を横レジ検知距離X1から横レジ検知距離X2を検知するまでのシート搬送距離で割ることで、斜行量αを算出することができる。横レジ検知距離X1から横レジ検知距離X2を検知するまでのシート搬送距離は、RAM552に記憶されたシート搬送距離Y2(2回目)とシート搬送距離Y1(1回目)の差分である。
【0086】
上述したように、斜行量αは下記の式(1)から求めることができる。
α=(X2−X1−A)/(Y2−Y1) 式(1)
【0087】
次に、フィニッシャ制御部501は、補正距離fを算出する(ステップS113)。補正距離fについて図14を用いて説明する。図14は、図12に示すシートの状態と図13に示すシートの状態とを重ねた状態を示している。図14において1104a’,1104b’,1104c’は図12に示す状態の横レジセンサ1104a,1104b,1104cの位置を表しており、P1'は図12に示す状態のシートP1の位置を表している。図14に示すように、補正距離fは、横レジセンサ1104cがシートP1の横端部を検知したときのセンサ1104の搬送方向の位置からその時シートP1の後端と入り口センサ531が配置されているシート搬送路の幅方向の中心線が交錯する搬送方向の位置908までの距離である。シートP1の後端が位置908にある時に検出されるシートP1の横端位置を基準にして横レジ補正が行われる。
【0088】
補正距離fの求め方は、まず、シート搬送距離Y2から、入口センサ531から横レジセンサ1104までの距離Bを引く。これにより、シート先端から横レジ検知距離X2を検知した位置までの搬送方向距離が求まる。この求めた距離をシートの搬送方向長さL1から引くと、補正距離fが求まる。
【0089】
上述したように、補正距離fは下記の式(2)から求めることができる。
f=L1−(Y2−B) 式(2)
【0090】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量Jを算出する(ステップS114)。横レジずれ量Jについて図15を用いて説明する。図15は図13に示すシートの状態と同じ状態である。図15に示すように、横レジずれ量Jとは、横レジずれ補正を行う際にシートを幅方向へ移動させる距離であり、シートP1の後端が前述の搬送方向の位置908にある時のシートP1の後端の横端位置909から横レジずれが無い時のシート横端位置903までの距離である。即ち、第3の幅方向端部の位置へシートを移動させる距離に対応する。横レジずれ量Jは下記のように求める。
【0091】
図15に示すように、シートは手前進み斜行のため、横レジ検知距離X2がシート後端では大きくなる方向に変位する。そのため、横レジセンサ1104cが検知した横端位置と位置908での横端位置の変化量Fはα×fとなる。
【0092】
横レジずれが無い時のシートの横端位置903より横レジセンサ1104bの待機位置902までの距離C(以下「横レジセンサ待機位置距離C」という。)から、位置908における横レジ検知距離X3を引くことで、横レジすれ量Jを算出することができる。図15から明らかなように、X3は、X2−AにFを加えた値となる。
【0093】
従って、横レジずれ量Jは下記の式(3)から求めることができる。
J=C−(X2−A+α×f) 式(3)
【0094】
求めた横レジずれ量Jがプラスの場合は、シートは奥側方向にずれていることになり、横レジずれ量Jがマイナスの場合は、シートは手前側方向にずれていることになる。横レジずれ量Jを求めたら処理を終了する。これにより、シート後端近傍の横レジずれ量を求めることができる。
【0095】
一方、ステップS111で、横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1がセンサ間隔Aより大きくないと判断した場合、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、シートの奥側が手前側より先行する方向に傾いている(以下「奥進み斜行」という。)と判断すると共に、斜行量αを算出する(ステップS115)。
【0096】
奥進み斜行のため、センサ間隔Aから横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1を引くことで、斜行による横レジ検知距離の差を求めることができる。求めた横レジ検知距離の差を横レジ検知距離X1から横レジ検知距離X2を検知するまでのシート搬送距離で割ることで、斜行量αを算出することができる。
【0097】
上述したように、斜行量αは下記の式(4)から求めることができる。
α=(A−(X2−X1))/(Y2−Y1) (4)
【0098】
次に、フィニッシャ制御部501は、補正距離fを算出する(ステップS116)。補正距離fの求め方は、ステップS113と同じであるため説明を省略する。
【0099】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量Jを算出する(ステップS117)。シートは奥進み斜行のため、横レジ検知距離X2がシート後端では小さくなる方向に変位する。そのため、位置908での横レジ検知距離X3はX2―AからF(=α×f)分引いた値となる。
【0100】
横レジセンサ待機位置距離Cから位置908での横レジ検知距離X3を引くことで、横レジすれ量Jを算出することができる。
【0101】
上述したように、横レジずれ量Jは下記の式(5)から求めることができる。
J=C−(X2−A−α×f) (5)
【0102】
求めた横レジずれ量がプラスの場合は、シートは奥側方向にずれていることになり、横レジずれ量がマイナスの場合は、シートは手前側方向にずれていることになる。横レジずれ量Jを求めたら処理を終了する。
【0103】
一方、ステップS102で、横レジセンサ1104aがONしていないと判断した場合、フィニッシャ制御部501は次のモータ駆動を行う。即ち、横レジセンサ1104a、1104b、1104cがシートに近づく方向(本実施の形態ではシート処理装置奥側から手前側方向)に移動するように、横レジセンサ移動モータM1106の駆動を開始する(ステップS118)。そして、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104aがONするのを待つ(ステップS119)。横レジセンサ1104aがONしていない場合、横レジセンサ1104b、1104cもONしていないことになる。
【0104】
横レジセンサ1104aがONしたら、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、横レジセンサ移動モータM1106の駆動による横レジセンサユニット1105の移動開始からの移動距離に基づき横レジ検知距離X1を算出し、RAM552に記憶する(ステップS120)。
【0105】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジ検知距離を算出したシートの横端部検知位置のシート搬送方向上のポイント(位置)を求めるため次の算出を行う。即ち、入口センサ531がONしてからのシート搬送距離Y1を算出し、RAM552に記憶する(ステップS121)。
【0106】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ1104bがONするのを待つ(ステップS122)。横レジセンサ1104bがONしたら、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、横レジセンサ移動モータM1106の駆動による横レジセンサユニット1105の移動開始からの移動距離に基づき横レジ検知距離X2を算出し、RAM552に記憶する(ステップS123)。
【0107】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジ検知距離を算出したシートの横端部検知位置のシート搬送方向上のポイント(位置)を求めるため次の算出を行う。即ち、入口センサ531がONしてからのシート搬送距離Y2を算出し、RAM552に記憶する(ステップS124)。
【0108】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジセンサ移動モータM1106を停止し、設定時間が経過した後、横レジセンサ1104a、1104b、1104cを再び待機位置へ戻す(ステップS125)。
【0109】
次に、フィニッシャ制御部501は、シートが斜行している向きを求めるため次の判断を行う。即ち、RAM552に記憶された横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分が、横レジセンサ1104a、1104b、1104cの相互のセンサ間隔A(図4)より大きいか否かを判断する(ステップS126)。
【0110】
横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1がセンサ間隔Aより大きいと判断した場合、フィニッシャ制御部501は、シートは手前進み斜行であると判断すると共に、斜行量αを算出する(ステップS127)。斜行量αの求め方は、ステップS112と同じであるため説明を省略する。
【0111】
次に、フィニッシャ制御部501は、補正距離fを算出する(ステップS128)。補正距離fの求め方は、ステップS113と同じであるため説明を省略する。
【0112】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量Jを算出する(ステップS129)。シートは手前進み斜行のため、横レジ検知距離X2がシート後端では大きくなる方向に変位する。そのため、位置908での横レジ検知距離X3は横レジ検知距離X2に対して横端位置の変化量Fを加えた値となる。横レジセンサ待機位置距離Cから横レジ検知距離X3を引くことで、横レジすれ量Jを算出することができる。
【0113】
上述したように、横レジずれ量Jは下記の式(6)から求めることができる。
J=C−(X2+α×f) (6)
【0114】
求めた横レジずれ量がプラスの場合は、シートは奥側方向にずれていることになり、横レジずれ量がマイナスの場合は、シートは手前側方向にずれていることになる。横レジずれ量Jを求めたら処理を終了する。
【0115】
一方、ステップS126で、横レジ検知距離X2と横レジ検知距離X1の差分X2−X1がセンサ間隔Aより大きくないと判断した場合、フィニッシャ制御部501は次の算出を行う。即ち、シートは奥進み斜行であると判断すると共に、斜行量αを算出する(ステップS130)。斜行量αの求め方は、ステップS115と同じであるため説明を省略する。
【0116】
次に、フィニッシャ制御部501は、補正距離fを算出する(ステップS131)。補正距離fの求め方は、ステップS116と同じであるため説明を省略する。
【0117】
次に、フィニッシャ制御部501は、横レジずれ量Jを算出する(ステップS132)。シートは奥進み斜行のため、横レジ検知距離X2がシート後端では小さくなる方向に変位する。そのため、位置908での横レジ検知距離X3は横レジ検知距離X2から横端位置の変化量F引いた値となる。横レジセンサ待機位置距離Cから横レジ検知距離X3を引くことで、横レジすれ量Jを算出することができる。
【0118】
上述したように、横レジずれ量Jは下記の式(7)から求めることができる。
J=C−(X2−α×f) (7)
【0119】
求めた横レジずれ量がプラスの場合は、シートは奥側方向にずれていることになり、横レジずれ量がマイナスの場合は、シートは手前側方向にずれていることになる。横レジずれ量Jを求めたら処理を終了する。
【0120】
以上説明したように、本実施の形態によれば以下の効果を奏する。シート搬送方向に交差するシート幅方向に複数個の横レジセンサ1104a、1104b、1104cを配置し、横レジセンサの一方向への移動で、シートを搬送しながらシートの横レジずれ量をシート幅方向端部の複数箇所で検知することができる。
【0121】
即ち、横レジずれ量検知処理では、シートの横レジずれ量を複数回測定する際の横レジセンサユニット1105の移動方向を一定にすることにより、横レジずれ量を高精度で検知することができる。また、複数回の横レジずれ量の検知を1回の横レジセンサの移動で行うことができ、シート処理の生産性を高めることができる。また、複数回検知した横レジずれ量によって求めたシートの斜行量を基に、シートの後端に対応する位置908における横レジずれ量を算出するため、シートの斜行による横レジずれ量の検知誤差を軽減することができる。
【0122】
これにより、従来のように横レジセンサを往復動作させる場合と比較して、高速でのシートの横レジずれ量及び斜行の検知が可能となる。また、横レジセンサの検出方向を一方向にできるため、高精度なシートの横レジずれ量及び斜行の検知が可能となる。また、シートにパンチ穴をあけるシート後端に対応する位置での横レジずれ量に基づき、横レジずれ量を補正することでき、シートに対するパンチ穴の位置精度を向上させることができる。
【0123】
上記実施の形態では、シートの搬送方向の後端にパンチ穴をあける穿孔動作を実施する場合を例に挙げ、シートの搬送方向の後端に対応する位置での横レジずれ量を予測する処理について説明したが、これに限定されるものではない。
【0124】
例えばシートの搬送方向の先端にパンチ穴をあける穿孔動作を実施する場合に、シートの斜行量αからシートの搬送方向の先端に対応する位置での横レジずれ量を予測する処理にも適用できる。この場合もシートに対するパンチ穴の位置精度を向上させることができる。
【0125】
上記実施の形態では、横レジセンサユニット1105と横レジセンサ移動モータM1106をシート処理装置に設置し、シート処理装置側で横レジずれ量検知処理を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0126】
例えば横レジセンサユニット1105と横レジセンサ移動モータM1106を図1に符号1300で示すように画像形成装置の給紙カセットの下流側の搬送路上に設置し、画像形成装置側で横レジずれ量検知処理を行う場合にも適用できる。この場合は、画像形成装置のCPU回路部150が本発明の決定ユニット、調整ユニットとして機能する。
【0127】
画像形成装置は横レジずれ量検知処理で求めたシートの斜行量αを基に像坦持体である感光ドラム111上にトナー画像を傾けて形成する。即ち、シートの傾きと感光ドラム111に形成する静電潜像の傾きとが合うように感光ドラム111に画像露光が行われる。傾きが調整されたトナー画像はシートに転写される。これにより、シートが斜行してもシートに対する画像の傾きを軽減することができ、画像形成装置のシートに対する画像形成位置の精度向上を実現することができる。
【符号の説明】
【0128】
10 画像形成装置本体
500 シート処理装置
501 フィニッシャ制御部
750 パンチユニット
1001 横レジシフトユニット
1104a、1104b、1104c 横レジセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送手段と、
シート搬送方向に交差するシート幅方向に沿って配列され、搬送されるシートの幅方向端部をそれぞれ検知する第1の検知手段及び第2の検知手段と、
前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段をシート幅方向に移動させる第1の移動手段と、
前記シート幅方向にシートを移動させる第2の移動手段と、
前記搬送手段によるシートの搬送中に、前記第1の移動手段により前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を移動させ、前記第1の検知手段により検知される第1の幅方向端部の位置と、その後、前記第2の検知手段により検知される第2の幅方向端部の位置とを決定する第1の決定手段と、
前記第1の決定手段により決定された前記第1の幅方向端部の位置と前記第2の幅方向端部の位置及び前記第1の幅方向端部の位置が検知されてから前記第2の幅方向端部の位置が検知されるまでのシートの搬送量とに基づいて、前記第2の幅方向端部の位置よりもシートの後端側の位置での第3の幅方向端部の位置を決定する第2の決定手段と、
前記第2の決定手段により決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って、前記第2の移動手段によりシートを幅方向に移動することでシートの幅方向のずれを補正する補正手段と、
を有することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記シート幅方向に少なくとも3つ以上配列されたシートを検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサの中から、前記搬送手段によりシートが所定位置まで搬送された時点の前記複数のセンサの検知状態によって前記シートの幅方向端部の検知に用いる前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を選択する選択手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記所定位置にシートが搬送された時点でシート幅方向のシート中心位置に最も近いセンサがシートを検知していない場合、前記選択手段は、前記複数のセンサの中から前記シート中心位置に最も近い側の2つのセンサを前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段として選択することを特徴とする請求項2記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記所定位置にシートが搬送された時点でシート幅方向のシート中心位置に最も近いセンサがシートを検知し、且つ前記シート中心位置に2番目に近いセンサがシートを検知していない場合、前記選択手段は、前記複数のセンサの中から前記シート中心位置に2番目及び3番目に近いセンサを前記第1の検知手段、前記第2の検知手段として選択することを特徴とする請求項2記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記シート中心位置に2番目に近いセンサの前記第1の移動手段により移動させられる前のシート幅方向の位置は、前記中心位置に対して、前記補正手段が補正できる最大の横レジずれとなるシートの端部の位置よりも遠い位置であることを特徴とする請求項4記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記シートにパンチ穴をあける穿孔手段と、
前記第2の決定手段により決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って前記穿孔手段によりシートにあけるパンチ穴の位置を制御する穿孔制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記第1の移動手段は、前記第1の検知手段と前記第2の検知手段を一体で移動させることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項8】
シートを搬送する搬送手段と、シート搬送方向に交差するシート幅方向に沿って配列され、搬送されるシートの幅方向端部をそれぞれ検知する第1の検知手段及び第2の検知手段と、前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を前記シート幅方向に沿って移動させる第1の移動手段と、シート幅方向にシートを移動させる第2の移動手段とを備えるシート処理装置の制御方法であって、
前記搬送手段によるシートの搬送中に、前記第1の移動手段により前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を同一方向へ移動させ、前記第1の検知手段により検知される第1の幅方向端部の位置と、その後、前記第2の検知手段により検知される第2の幅方向端部の位置とを決定し、
前記決定された前記第1の幅方向端部の位置と前記第2の幅方向端部の位置及び前記第1の幅方向端部の位置が検知されてから前記第2の幅方向端部の位置が検知されるまでのシートの搬送量とに基づいて、前記第2の幅方向端部の位置よりもシートの後端側の位置での第3の幅方向端部の位置を決定し、
決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って、前記第2の移動手段によりシートを幅方向に移動することでシートの幅方向のずれを補正することを特徴とするシート処理装置の制御方法。
【請求項1】
シートを搬送する搬送手段と、
シート搬送方向に交差するシート幅方向に沿って配列され、搬送されるシートの幅方向端部をそれぞれ検知する第1の検知手段及び第2の検知手段と、
前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段をシート幅方向に移動させる第1の移動手段と、
前記シート幅方向にシートを移動させる第2の移動手段と、
前記搬送手段によるシートの搬送中に、前記第1の移動手段により前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を移動させ、前記第1の検知手段により検知される第1の幅方向端部の位置と、その後、前記第2の検知手段により検知される第2の幅方向端部の位置とを決定する第1の決定手段と、
前記第1の決定手段により決定された前記第1の幅方向端部の位置と前記第2の幅方向端部の位置及び前記第1の幅方向端部の位置が検知されてから前記第2の幅方向端部の位置が検知されるまでのシートの搬送量とに基づいて、前記第2の幅方向端部の位置よりもシートの後端側の位置での第3の幅方向端部の位置を決定する第2の決定手段と、
前記第2の決定手段により決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って、前記第2の移動手段によりシートを幅方向に移動することでシートの幅方向のずれを補正する補正手段と、
を有することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記シート幅方向に少なくとも3つ以上配列されたシートを検知する複数のセンサと、
前記複数のセンサの中から、前記搬送手段によりシートが所定位置まで搬送された時点の前記複数のセンサの検知状態によって前記シートの幅方向端部の検知に用いる前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を選択する選択手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記所定位置にシートが搬送された時点でシート幅方向のシート中心位置に最も近いセンサがシートを検知していない場合、前記選択手段は、前記複数のセンサの中から前記シート中心位置に最も近い側の2つのセンサを前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段として選択することを特徴とする請求項2記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記所定位置にシートが搬送された時点でシート幅方向のシート中心位置に最も近いセンサがシートを検知し、且つ前記シート中心位置に2番目に近いセンサがシートを検知していない場合、前記選択手段は、前記複数のセンサの中から前記シート中心位置に2番目及び3番目に近いセンサを前記第1の検知手段、前記第2の検知手段として選択することを特徴とする請求項2記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記シート中心位置に2番目に近いセンサの前記第1の移動手段により移動させられる前のシート幅方向の位置は、前記中心位置に対して、前記補正手段が補正できる最大の横レジずれとなるシートの端部の位置よりも遠い位置であることを特徴とする請求項4記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記シートにパンチ穴をあける穿孔手段と、
前記第2の決定手段により決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って前記穿孔手段によりシートにあけるパンチ穴の位置を制御する穿孔制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記第1の移動手段は、前記第1の検知手段と前記第2の検知手段を一体で移動させることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項8】
シートを搬送する搬送手段と、シート搬送方向に交差するシート幅方向に沿って配列され、搬送されるシートの幅方向端部をそれぞれ検知する第1の検知手段及び第2の検知手段と、前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を前記シート幅方向に沿って移動させる第1の移動手段と、シート幅方向にシートを移動させる第2の移動手段とを備えるシート処理装置の制御方法であって、
前記搬送手段によるシートの搬送中に、前記第1の移動手段により前記第1の検知手段及び前記第2の検知手段を同一方向へ移動させ、前記第1の検知手段により検知される第1の幅方向端部の位置と、その後、前記第2の検知手段により検知される第2の幅方向端部の位置とを決定し、
前記決定された前記第1の幅方向端部の位置と前記第2の幅方向端部の位置及び前記第1の幅方向端部の位置が検知されてから前記第2の幅方向端部の位置が検知されるまでのシートの搬送量とに基づいて、前記第2の幅方向端部の位置よりもシートの後端側の位置での第3の幅方向端部の位置を決定し、
決定された前記第3の幅方向端部の位置に従って、前記第2の移動手段によりシートを幅方向に移動することでシートの幅方向のずれを補正することを特徴とするシート処理装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−53006(P2013−53006A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−174980(P2012−174980)
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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